JP5138643B2 - タービン発電機、タービン発電機の制御方法、制御装置、および該タービン発電機を備えた船舶 - Google Patents
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Description
また、この特許文献1には、パワータービンに排気ガスが入るときに排気ガス量を調整して、ディーゼルエンジンから過給機へ送られる排気ガス量の変化幅を小さくする技術が示されている。さらに、パワータービンに入る排気ガス量の調整は、パワータービンのガス入口を複数通路によって形成してそれぞれの通路にバイパス弁を設けて行っている。
しかし、軸発電機等を複数併設するには設置費用が増大し、またそれ以外の余剰電力の調整に伴うエネルギーの系外への放出は、ディーゼルエンジンの燃料の浪費でもある。
この場合、排気ガス熱交換器によって生成された蒸気を無駄に捨てることになり、ディーゼルエンジンの燃料消費率の改善には好ましくないが、本発明では給気圧力を高めるように影響するためエンジンの燃焼効率の改善が効果的に得られる。
さらに、パワータービンおよび蒸気タービンともに速い出力制御が可能になるため、発電機の急激な負荷変動時の周波数、電圧変動を最小に抑えることが出来る。
第2発明において、好ましくは、前記コントローラには、予めパワータービンによる供給可能電力と前記蒸気タービンによる供給可能電力とが設定される負荷分担制御部を備えて、供給可能な電力割合が設定されるとよい。
第2発明は、前記コントローラには、回転数ドループ制御関数を有したパワータービン用ガバナー部と蒸気タービン用ガバナー部とをそれぞれ独立して設け、前記排ガス量調整弁を前記パワータービン用ガバナー部からの制御信号によって制御し、前記蒸気量調整弁を前記蒸気タービン用ガバナー部からの制御信号によって制御する。
なお、回転数ドループ制御とは、パワータービンおよび蒸気タービンで発電機を回転駆動する発電機において、発電機の回転速度を制御する回転速度制御方法の1つとして用いられる制御方法であり、回転速度目標値と実際に制御された現在の回転速度との偏差に比例ゲインをかけることにより演算される制御量を用いて制御する。
次に、第3発明は、タービン発電機に関するものであり、ディーゼルエンジンから排出される排気ガス(燃焼ガス)の排気エネルギーを動力源として駆動されるパワータービン(ガスタービン)および蒸気タービンを直列に結合してなるタービン発電機において、前記ディーゼルエンジンは排気ターボ過給機を備え、該排気ターボ過給機に供給される前の排気ガスの一部を抽気して該抽気を前記パワータービンへ供給する抽気通路と、該抽気通路に設けられて供給量を調整する排ガス量調整弁と、排気ガス熱交換器によって排気ガスの排熱と熱交換して生成された蒸気を蒸気タービンに供給する蒸気供給通路と、該蒸気供給通路に設けられて供給量を調整する蒸気量調整弁と、需要電力が減少して発電電力が余剰状態になったとき、前記排ガス量調整弁を絞ってパワータービンへの排気ガスの供給量を減少せしめてパワータービンの出力を最小にした後に、前記蒸気量調整弁を絞って蒸気タービンへの蒸気の供給量を減少せしめるコントローラと、を備え、さらに、前記コントローラには、回転数ドループ制御関数を有したパワータービン用ガバナー部と蒸気タービン用ガバナー部とをそれぞれ独立して設け、前記排ガス量調整弁を前記パワータービン用ガバナー部からの制御信号によって制御し、前記蒸気量調整弁を前記蒸気タービン用ガバナー部からの制御信号によって制御することを特徴とする。
また、第3発明において好ましくは、前記コントローラには、予め前記パワータービンによる供給可能電力と前記蒸気タービンによる供給可能電力とが設定される負荷分担制御部を備えて、供給可能な電力割合が設定されるとよい。
また、第3発明において好ましくは、前記タービン発電機が船舶推進用のディーゼルエンジンの排気ガスの排気エネルギーによって駆動されるとともに、前記タービン発電機とは別に他のディーゼルエンジン発電機が設けられ、前記コントローラの負荷分担制御部には、前記タービン発電機の前記パワータービンによる供給可能電力と蒸気タービンによる供給可能電力と前記他のディーゼルエンジン発電機の供給可能電力が設定され、前記コントローラは船舶内の需要電力が減少して発電電力が余剰状態になったときに、前記他のディーゼルエンジン発電機による供給電力を減少させて最小にし、次に前記パワータービンによる供給電力を減少させて最小にし、その次に前記蒸気タービンによる供給電力を減少せしめるとよい。
以上の第3発明によれば、前述した第1発明、第2発明と同様の作用効果を得ることができる。
次に、第4発明は、船舶に関するものであり、前述した第3発明のタービン発電機を備えることを特徴とする。かかる第4発明によれば第3発明のタービン発電機による作用効果を有する船舶を得ることができる。
図1は、本発明にかかるタービン発電機の全体構成図である。舶用ディーゼルエンジンへの適用を例にして説明する。
タービン発電機1は、船舶推進用のディーゼルエンジン3と、排気ターボ過給機5と、パワータービン(ガスタービン)7と、蒸気タービン9と、排気ガス熱交換器としての排ガスエコノマイザ11とを具備して構成されている。
ディーゼルエンジン3からの出力はプロペラ軸を介してスクリュープロペラに直接的または間接的に接続されている。また、ディーゼルエンジン3の各気筒のシリンダ部13の排気ポートは排気ガス集合管としての排気マニホールド15に接続され、排気マニホールド15は、第1排気管L1を介して排気ターボ過給機5のタービン部5aの入口側と接続され、また、排気マニホールド15は第2排気管L2(抽気通路)を介してパワータービン7の入口側と接続されて、排気ガスの一部が、排気ターボ過給機5に供給される前に抽気されてパワータービン7に供給されるようになっている。
排気ターボ過給機5は、タービン部5aと、コンプレッサ部5bと、タービン部5aとコンプレッサ部5bを連結する回転軸5cとより構成されている。
この排ガスエコノマイザ11は、排気ターボ過給機5のタービン部5aの出口側から第3排気管L3を介して排出される排気ガスと、パワータービン7の出口側から第4排気管L4を介して排出される排気ガスとが、導入されて熱交換部21によって、排気ガスの熱によって給水管23によって供給された水を蒸発させて蒸気を発生させる。そして、排ガスエコノマイザ11で生成された蒸気は第1蒸気管J1を介して蒸気タービン9に導入され、また、該蒸気タービン9で仕事を終えた蒸気は第2蒸気管J2によって排出されて図示しないコンデンサ(復水器)に導かれるようになっている。
以上のように発電機25は、船舶推進用のディーゼルエンジン3の排気ガス(燃焼ガス)の排気エネルギーを動力として駆動されるようになっており、排気エネルギー回収装置を構成している。
そして、負荷分担制御部53から設定された分担割合に応じた発電能力の指示信号が、パワータービン用ガバナー部55、蒸気タービン用ガバナー部57にそれぞれ出力される。
パワータービン7の出力を最小にするには、具体的には、コントローラ43に備えられたパワータービン用ガバナー部55からの信号によって排ガス量調整弁33の開度が調整される。発電機25の回転数と発電電力とはほぼ比例関係にあるため、余剰電力の場合には、船内消費電力に基づく目標発電電力に相当する発電機25の目標回転速度になるようにパワータービン7の出力が低下する。
ステップS6で終了後に再びステップS1に戻り、ステップS2からの処理を繰り返す。繰り返しは一定時間間隔で行われる。
さらに、パワータービン7および蒸気タービン9ともに速い出力制御が可能になるため、発電機25の急激な負荷変動時の周波数、電圧変動を最小に抑えることが出来る。
次に、第2実施形態について、図5、6を参照して説明する。第2実施形態は、図5に示すように、発電機25によって発電された電力が船内に供給されると共に、船内に別途設置された複数のディーゼルエンジン発電機(他のディーゼルエンジン発電機)60からの電力と合流して船内電源として利用される。
すなわち、第1実施形態で説明した発電機25は、プロペラ軸を介してスクリュープロペラに直接的または間接的に接続される船舶推進用のディーゼルエンジン3からの排気ガスを回収して利用することで発電するものであるが、第2実施形態においては、この発電機25に加えて、さらに別途発電専用のディーゼルエンジン発電機60を備えたものである。
そして、負荷分担制御部64から、前記設定された割合から算出した供給可能電力、または設定された供給可能電力をパワータービン用ガバナー部55、蒸気タービン用ガバナー部57、さらにディーゼルエンジン発電機60のガバナー部(不図示)に指示する。
第1実施形態の図3のフローチャートに対して、ステップS12、S13が追加されたもので、ステップS14からS18は第1実施形態と同一である。
3 ディーゼルエンジン
5 排気ターボ過給機
7 パワータービン(ガスタービン)
9 蒸気タービン
11 排ガスエコノマイザ(排気ガス熱交換機)
13 シリンダ部
15 排気マニホールド
17 給気マニホールド
25 発電機
33 排ガス量調整弁
37 蒸気量調整弁
43 コントローラ
45 電力センサ
49 回転センサ
51 船内消費電力センサ
53 負荷分担制御部
55 パワータービン用ガバナー部
57 蒸気タービン用ガバナー部
60 ディーゼルエンジン発電機(他のディーゼルエンジン発電機)
L1 第1排気管
L2 第2排気管(抽気通路)
L3 第3排気管
L4 第4排気管
K1 給気管
J1 第1蒸気管
J2 第2蒸気管
Claims (9)
- ディーゼルエンジンから排出される排気ガス(燃焼ガス)の排気エネルギーを動力源として駆動されるパワータービン(ガスタービン)および蒸気タービンを直列に結合してなるタービン発電機の制御方法において、
前記ディーゼルエンジンは排気ターボ過給機を備え、該排気ターボ過給機に供給される前の排気ガス(燃焼ガス)の一部を抽気し、該抽気された排気ガスを前記パワータービンに供給量を調整して供給し、排気ガス熱交換器によって生成された蒸気を前記蒸気タービンに供給量を調整して供給し、需要電力が減少して発電電力が余剰状態になったとき、パワータービンへの供給量を減少せしめてパワータービンの出力を最小にした後に、前記蒸気タービンへの供給量を減少せしめるとともに、前記パワータービンへの排気ガスの供給量を、回転数ドループ制御関数を有したパワータービン用ガバナー部からの制御信号によって行い、前記蒸気タービンへの蒸気の供給量を、回転数ドループ制御関数を有した蒸気タービン用ガバナー部からの信号によって行うことを特徴とするタービン発電機の制御方法。 - 前記パワータービンによる供給可能電力と前記蒸気タービンによる供給可能電力とが予め設定され、前記パワータービンによる供給可能電力を最小にした後に前記蒸気タービンによる供給電力を減少することを特徴とする請求項1記載のタービン発電機の制御方法。
- ディーゼルエンジンから排出される排気ガス(燃焼ガス)の排気エネルギーを動力源として駆動されるパワータービン(ガスタービン)および蒸気タービンを直列に結合してなるタービン発電機の制御装置において、
前記ディーゼルエンジンは排気ターボ過給機を備え、該排気ターボ過給機に供給される前の排気ガスの一部を抽気して該抽気を前記パワータービンへ供給する抽気通路と、該抽気通路に設けられて供給量を調整する排ガス量調整弁と、排気ガス熱交換器によって排気ガスの排熱と熱交換して生成された蒸気を蒸気タービンに供給する蒸気供給通路と、該蒸気供給通路に設けられて供給量を調整する蒸気量調整弁と、需要電力が減少して発電電力が余剰状態になったとき、前記排ガス量調整弁を絞ってパワータービンへの供給量を減少してパワータービンの出力を最小にした後に、前記蒸気量調整弁を絞って蒸気タービンへの供給量を減少せしめるコントローラと、を備え、
さらに、前記コントローラには、回転数ドループ制御関数を有したパワータービン用ガバナー部と蒸気タービン用ガバナー部とをそれぞれ独立して設け、前記排ガス量調整弁を前記パワータービン用ガバナー部からの制御信号によって制御し、前記蒸気量調整弁を前記蒸気タービン用ガバナー部からの制御信号によって制御することを特徴とするタービン発電機の制御装置。 - 前記コントローラには、予めパワータービンによる供給可能電力と前記蒸気タービンによる供給可能電力とが設定される負荷分担制御部を備えて、供給可能な電力割合が設定されることを特徴とする請求項3記載のタービン発電機の制御装置。
- 前記タービン発電機が船舶推進用のディーゼルエンジンの排気エネルギーによって駆動されるとともに、前記タービン発電機とは別に他のディーゼルエンジン発電機が設けられ、前記コントローラの負荷分担制御部には、前記タービン発電機のパワータービンによる供給可能電力と蒸気タービンによる供給可能電力と前記他のディーゼルエンジン発電機の供給可能電力が設定され、前記コントローラは船舶内の需要電力が減少して発電電力が余剰状態になったときに、前記他のディーゼルエンジン発電機の出力を最小にし、次に前記パワータービンの出力を最小にし、最後に前記蒸気タービンの出力を最小にすることを特徴とする請求項3または請求項4のいずれか1項に記載のタービン発電機の制御装置。
- ディーゼルエンジンから排出される排気ガス(燃焼ガス)の排気エネルギーを動力源として駆動されるパワータービン(ガスタービン)および蒸気タービンを直列に結合してなるタービン発電機において、前記ディーゼルエンジンは排気ターボ過給機を備え、該排気ターボ過給機に供給される前の排気ガスの一部を抽気して該抽気を前記パワータービンへ供給する抽気通路と、該抽気通路に設けられて供給量を調整する排ガス量調整弁と、排気ガス熱交換器によって排気ガスの排熱と熱交換して生成された蒸気を蒸気タービンに供給する蒸気供給通路と、該蒸気供給通路に設けられて供給量を調整する蒸気量調整弁と、需要電力が減少して発電電力が余剰状態になったとき、前記排ガス量調整弁を絞ってパワータービンへの排気ガスの供給量を減少せしめてパワータービンの出力を最小にした後に、前記蒸気量調整弁を絞って蒸気タービンへの蒸気の供給量を減少せしめるコントローラと、を備え、
さらに、前記コントローラには、回転数ドループ制御関数を有したパワータービン用ガバナー部と蒸気タービン用ガバナー部とをそれぞれ独立して設け、前記排ガス量調整弁を前記パワータービン用ガバナー部からの制御信号によって制御し、前記蒸気量調整弁を前記蒸気タービン用ガバナー部からの制御信号によって制御することを特徴とするタービン発電機。 - 前記コントローラには、予め前記パワータービンによる供給可能電力と前記蒸気タービンによる供給可能電力とが設定される負荷分担制御部を備えて、供給可能な電力割合が設定されることを特徴とする請求項6に記載のタービン発電機。
- 前記タービン発電機が船舶推進用のディーゼルエンジンの排気ガスの排気エネルギーによって駆動されるとともに、前記タービン発電機とは別に他のディーゼルエンジン発電機が設けられ、前記コントローラの負荷分担制御部には、前記タービン発電機の前記パワータービンによる供給可能電力と蒸気タービンによる供給可能電力と前記他のディーゼルエンジン発電機の供給可能電力が設定され、前記コントローラは船舶内の需要電力が減少して発電電力が余剰状態になったときに、前記他のディーゼルエンジン発電機による供給電力を減少させて最小にし、次に前記パワータービンによる供給電力を減少させて最小にし、その次に前記蒸気タービンによる供給電力を減少せしめることを特徴とする請求項6または請求項7のいずれか1項に記載のタービン発電機。
- 前記請求項6から請求項8のいずれか1項に記載のタービン発電機を備えることを特徴とする船舶。
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