意外にも、置換ヒドラジノカルボニル−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール類を用いて、キナーゼAurora2(Aurora A)の阻害剤及び腫瘍学で有用なある種の他のキナーゼ類の阻害剤を得ることができることが見出された。
これらの生成物は、下記の一般式(I):
〔式中:
(i)R1は、−NHCO(R2)、−NHCONH(R2)及び−NHCOO(R2)からなる群から独立して選択され、この場合のR2は、場合により置換されていてもよい−H、−(C
1−C
24)アルキル、−(C
3−C
9)シクロアルキル、−(C
3−C
9)シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキレン、アリール、ヘテロアリール、−(C
1−C
6)アルキル−アリール、−(C
1−C
6)アルキル−ヘテロアリール、−アリール−(C
1−C
6)アルキル及び−ヘテロアリール−(C
1−C
6)アルキルからなる群から独立して選択され;
(ii)R3、R4及びR5のそれぞれは、場合により置換されていてもよい−H、−(C
1−C
6)アルキル、−(C
1−C
6)アルキル−アリール、−(C
1−C
6)アルキル−ヘテロアリール、−アリール及び−ヘテロアリールからなる群から独立して選択され、又は[(R3及びR4)又は(R3及びR5)]は、一緒に結合して2から10員炭素環又はN、O及びSから選択される1から5個のヘテロ原子から構成される場合により置換されていてもよい飽和又は不飽和単環式又は二環式複素環を形成し又は基N=CH−アリール(前記アリールは場合により置換されていてもよい。)を形成する。〕
に対応する。
本発明に関連して、及び本明細書で特に明記しない限りは、以下の定義が適用される。
−ハロゲン:弗素、塩素、臭素又はヨウ素。
−アルキル:1から12個の炭素原子を含有する直鎖又は分岐飽和脂肪族置換基。挙げ得る例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,1−ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、ヘキシル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、3,3−ジメチルブチル、ヘプチル、1−エチルペンチルなどがある;
−アルキレン:二価である上記で定義したようなアルキル置換基。挙げ得る例としては、メチレン(−CH2−)又はジメチレン(−CH2−CH2−)、エチレニル、1−メチルエチレニル、プロパ−1−エニル、プロパ−2−エニル、Z−1−メチルプロパ−1−エニル、E−1−メチルプロパ−1−エニル、Z−1,2−ジメチルプロパ−1−エニル、E−1,2−ジメチルプロパ−1−エニル、ブタ−1,3−ジエニル、1−メチリデニルプロパ−2−エニル、Z−2−メチルブタ−1,3−ジエニル、E−2−メチルブタ−1,3−ジエニル、2−メチル−1−メチリデニルプロパ−2−エニル、ウンデカ−1−エニル及びウンデカ−10−エニルなどがある;
−アリール:6から14個の炭素原子を含有する単環式又は多環式芳香族置換基。挙げ得る例としては、フェニル、ナフタ−1−イル、ナフタ−2−イル、アントラセン−9−イル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタ−5−イル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタ−6−イルなどがある;
−シクロアルキル:3から12個の炭素原子を含有し及び環状である前記で定義したようなアルキル置換基。挙げ得る例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプチル;ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、シクロオクチル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、アダマンチル、ペルヒドロナフチルなどがある;
−ヘテロ原子:窒素、酸素又は硫黄原子;
−ヘテロアリール:前記で定義したような1から4個のヘテロ原子を含む5から12員単環式又は多環式芳香族置換基。挙げ得る例としては、ピロール−1−イル、ピロール−2−イル、ピロール−3−イル、フリル、チエニル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、オキサジアゾリル、チアゾアジリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、1,3,5−トリアジニル、インドリル、ベンゾ[b]フリル、ベンゾ[b]チエニル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、アザインドリル、キノリル、イソキノリル、カルバゾリル、アクリジルなどがある;
−ヘテロシクリル:前記で定義したような1から4個のヘテロ原子を含む飽和又は部分不飽和5から13員環状炭化水素系置換基。好ましくは、飽和又は部分不飽和環状炭化水素系置換基は、単環式であり及び4個又は5個の炭素原子と1から3個のヘテロ原子とを含有する。挙げ得る例としては、ピペリジル、アゼチジニル、ピペラジニル、モルホリニル、オキサアゼピニル、ピロリジニル、ジアゼピニルなどがある;
−アルコキシ:式−O−アルキル(式中、アルキル基は前記で定義した通りである。)の置換基;
−置換された:H以外の置換基、例えば、ハロゲン、アルキル、アリール;ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アルキレン、アルキニル、OH、O−アルキル、O−アルキレン、O−アリール、O−ヘテロアリール、SH、S−アルキル、S−アリール、S(O2)H、S(O2)−アルキル、S(O2)−アリール、SO3H、SO3−アルキル、SO3−アリール、CHO、C(O)−アルキル、C(O)−アリール、C(O)OH、C(O)O−アルキル、C(O)O−アリール、OC(O)−アルキル、OC(O)−アリール、C(O)NH2、C(O)NH−アリール、C(O)NHR7、C(O)NR7R8、−(C1−C3)アルキル−アリール、−(C1−C3)アルキル−ヘテロアリール、−(C1−C3)アルキル−ヘテロシクリル、−(C1−C3)アルキル−シクロアルキル及びNR7R8であり、この場合の環は、場合によりハロゲン、(C1−C3)アルキル及びアルコキシからなる群から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく、R7及びR8は、H、アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アルキル−N[(C1−C6)アルキル]2、−C(O)−アルキル及び−C(O)−アリールからなる群から独立して選択される。好ましくは、基R2において、「置換された」という用語は、ハロゲン、(C1−C6)アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アルキレン、アルキニル、OH、O−アルキル、O−アルキレン及びNR7R8の中から選択される置換基を表し、この場合の環は、場合によりハロゲン、(C1−C3)アルキル及びアルコキシからなる群から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく、並びにR7及びR8は、水素、(C0−C3)アルキル、フェニル、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル及び(C1−C3)アルキル−N[(C0−C3)アルキル]2からなる群から独立して選択される。好ましくは、[(R3及びR4)又は(R3及びR5)]が一緒に結合して環又は基N=CH−アリールを形成する場合には、「置換された」という用語は、ハロゲン、−(C1−C6)アルキル及び−(C0−C6)アルキル−アルコキシからなる群から選択される1個以上の置換基を表す;
−C0:共有結合又は−H;
−−(C1−C6)アルキル−アリールについてのしきたりとして分子の残部に対する結合はアルキル基上で行われる。反対に、−アリール−(C1−C6)−アルキルについては、結合はアリール基上で行われる。
−JNKタンパク質とは、タンパク質JNK1、2及び3を意味する。
R1の好ましい値の中から、NHCO(R2)が選択される;式中のR2は、場合により置換されていてもよいアリール、ヘテロアリール及び−アリール−(C1−C6)アルキルから選択されることが好ましい。
本発明の主題は、最も詳しくは、式(I’):
〔式中:
−基R3、R4及びR5のそれぞれは前記で定義した通りであり、並びに
−R6は、ハロゲン、(C
1−C
3)アルキル−NR7R8、(C
1−C
6)アルコキシ、(C
0−C
3)アルキル−複素環、(C
0−C
3)アルキル−アリール、(C
0−C
3)アルキル−ヘテロアリール及び(C
0−C
3)アルキル−シクロアルキルからなる群から選択され、この場合の環は、場合により1個以上の置換基(C
1−C
3)アルキル、ハロゲン又はアルコキシで置換されていてもよく並びにR7及びR8は−H、(C
0−C
3)アルキル、アリール及び(C
1−C
3)アルキル−N−[(C
0−C
3)アルキル]
2からなる群から独立して選択される。〕
に対応する生成物である。
さらに詳しくは、基R6は、これが結合しているフェニル上の3位又は4位にある。
さらに詳しくは、本発明のR6は、−(C0−C3)アルキル−複素環であり、前記複素環それ自体は、場合により1個以上の置換基(C1−C3)アルキル、ハロゲン又はアルコキシにより置換されていてもよい。
さらに詳しくは、R3は、場合により置換されていてもよいアリール、ヘテロアリール、−(C1−C6)アルキル−アリール及び−(C1−C6)アルキル−ヘテロアリールから選択されることが都合がよく、場合により置換されていてもよいフェニル、ピリジル、インドリル、ベンズイミダゾリル、ピラゾリル及びピロリルから選択されることが好ましい。
さらに詳しくは、R4は、H及びアルキル、特に−(C1−C6)アルキルから選択されることが都合がよい。最も詳しくは、R4はH、メチル又はエチルである。
さらに詳しくは、R5は、H及びアルキル、特に−(C1−C6)アルキルから選択されることが都合がよい。
さらに詳しくは、R3及びR4は、これらを結合している窒素と一緒になって、適切ならばN、O又はS原子を含有し、場合により置換されていてもよい5員又は6員複素環を形成し、最も詳しくは、場合により置換されていてもよいピペリジン又はピロリジンを形成する。
さらに一般的には及び本発明に関連して、好ましいアリールはフェニルであり、また好ましいヘテロアリールは、場合により置換されていてもよいピリジル、インドリル、ベンズイミダゾリル、ピラゾリル、チエニル及びピロリルから選択される。
第一の態様の本発明の具体的生成物は、
5−(N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]−4−メトキシベンズアミド、
5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]−4−メトキシベンズアミド、
N−[5−(N’−シクロヘキシルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]−4−メトキシベンズアミド、
N−[5−(N’−ベンジル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]−4−メトキシベンズアミド、
N−{5−[N’−(2−エチルフェニル)ヒドラジノカルボニル]−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル}−4−メトキシベンズアミド、
N−{5−[N’−(2−フルオロフェニル)ヒドラジノカルボニル]−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル}−4−メトキシベンズアミド、
4−メトキシ−N−[5−(N’−o−トリルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]ベンズアミド、
N−[5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]−4−モルホリン−4−イルメチルベンズアミド、
4−ブロモ−N−[5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]ベンズアミド、
N−[5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]−4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)ベンズアミド、
4−(3,5−ジメチルピペラジン−1−イルメチル)−N−[5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]ベンズアミド、
4−(3,5−ジメチルピペラジン−1−イルメチル)−N−[5−(N’−(4−クロロフェニル)−N’−メチルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]ベンズアミド、
4−(4−メチルペルヒドロ−1,4−ジアゼピン−1−イルメチル)−N−[5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]ベンズアミド、
4−(4−メチルペルヒドロ−1,4−ジアゼピン−1−イルメチル)−N−[5−(N’−(4−クロロフェニル)−N’−メチルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]ベンズアミド、
N−[5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]−4−ピペラジン−1−イルメチルベンズアミド、
N−{5−[N’−(4−クロロフェニル)−N’−メチルヒドラジノカルボニル]−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル}−4−ピペラジン−1−イルメチルベンズアミド、
N−[5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]−4−(3−メチルピペラジン−1−イルメチル)ベンズアミド、
N−{5−[N’−(4−クロロフェニル)−N’−メチルヒドラジノカルボニル]−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル}−4−(3−メチルピペラジン−1−イルメチル)ベンズアミド、
4−ジエチルアミノメチル−N−[5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]ベンズアミド・トリフルオロアセタート、
N−{5−[N’−(4−クロロフェニル)−N’−メチルヒドラジノカルボニル]−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル}−4−ジエチルアミノメチルベンズアミド、
N−[5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]−3−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)ベンズアミド、
N−[5−(N’−(4−クロロフェニル)−N’−メチルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]−3−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)ベンズアミド、
N−[5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]−4−ピペリジン−1−イルメチルベンズアミド、
N−[5−(N’−(4−クロロフェニル)−N’−メチルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]−4−ピペリジン−1−イルメチルベンズアミド、
N−[5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]−4−ピロリジン−1−イルメチルベンズアミド、
N−[5−(N’−(4−クロロフェニル)−N’−メチルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]−4−ピロリジン−1−イルメチルベンズアミド、
4−アゼチジン−1−イルメチル−N−[5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]ベンズアミド、
4−{[(2−ジメチルアミノエチル)メチルアミノ]メチル}−N−[5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]ベンズアミド、
N−{5−[N’−(4−クロロフェニル)−N’−メチルヒドラジノカルボニル]−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル}−4−{[(2−ジメチルアミノエチル)メチルアミノ]メチル}ベンズアミド、
N−[5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]−4−ペルヒドロ−1,4−オキサアゼピン−4−イルメチルベンズアミド、
N−{5−[N’−(4−クロロフェニル)−N’−メチルヒドラジノカルボニル]−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル}−4−ペルヒドロ−1,4−オキサアゼピン−4−イルメチルベンズアミド、
N−[5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]−3−モルホリン−4−イルメチルベンズアミド、
N−{5−[N’−(4−クロロフェニル)−N’−メチルヒドラジノカルボニル]−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル}−3−モルホリン−4−イルメチルベンズアミド、
4−[(2−ジエチルアミノエチルアミノ)メチル]−N−[5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]ベンズアミド、
N−{5−[N’−(4−クロロフェニル)−N’−メチルヒドラジノカルボニル]−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル}−4−[(2−ジエチルアミノエチルアミノ)メチル]ベンズアミド、
4−[(メチルフェニルアミノ)メチル]−N−[5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]ベンズアミド、
4−[(ジイソプロピルアミノ)メチル]−N−[5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]ベンズアミド・トリフルオロアセタート、
N−[5−(N’−ベンジルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]−4−メトキシベンズアミド、
4−メトキシ−N−[5−(N’−ピリジン−2−イルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]ベンズアミド、
N−{5−[N’−(4−クロロフェニル)−N’−メチルヒドラジノカルボニル]−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル}−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ベンズアミド、
N−[5−(N’−ベンジル−N’−メチルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ベンズアミド、
N−(ピペリジン−1−イル)−3−[4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ベンゾイルアミノ]−1H−チエノ[2,3−c]−ピラゾール−5−カルボキサミド、
N−[5−(N’−ベンジルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)ベンズアミド、
N−[5−(N’−エチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ベンズアミド、
N−[5−(N’−ベンジル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ベンズアミド、
N−[5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ベンズアミド、
N−{5−[N’−(4−クロロフェニル)−N’−シクロブチルメチルヒドラジノカルボニル]−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル}−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ベンズアミド、
N−{5−[N’−エチル−N’−(4−フルオロフェニル)ヒドラジノカルボニル]−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル}−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ベンズアミド、
N−{5−[N’−(4−フルオロフェニル)−N’−(2−メトキシエチル)ヒドラジノカルボニル]−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル}−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ベンズアミド、
N−[5−(N’−エチル−N’−o−トリルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ベンズアミド、
N−[5−(N’−エチル−N’−m−トリルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ベンズアミド、
N−[5−(N’−エチル−N’−m−トリルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ベンズアミド、
N−{5−[N’−(4−フルオロフェニル)−N’−イソブチルヒドラジノカルボニル]−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル}−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ベンズアミド、
N−{5−[N’−(3−ブロモフェニル)−N’−エチルヒドラジノカルボニル]−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル}−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ベンズアミド、
6−(4−メチル[1,4]ジアゼパン−1−イル)−N−[5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]ニコチンアミド、
N−[5−(ベンジリデンヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ベンズアミド、
N−[5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]−4−(2−モルホリン−4−イルエトキシ)ベンズアミド、
4−(4−メチル[1,4]ジアゼパン−1−イル)−N−[5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]ベンズアミド
から選択し得る。
本発明の生成物は、アキラル型、又はラセミ体であってもよいし、又は一つの立体異性体に富んだ形、一つの鏡像異性体に富んだ形であってもよく、及び場合により塩化されていてもよい。
第二の態様によれば、本発明の主題は、この第一の態様の生成物の調製方法である。
特に、本発明は、下記の一般式(I):
〔式中、R1は、NHCO(R2)であり、並びに式中のR3、R4及びR5は前記で定義した通りである。〕
の生成物の調製方法であって、前記一般式(I)の生成物を、
(i)(i−a)下記の一般式(X):
(式中、R1は前記で定義した通りであり及びPGはチエノ[2,3−c]ピラゾール核の遊離の環内NH官能基の保護基である。)
の酸と、
(i−b)ヒドラジン(R3)(R4)N−NH(R5)(式中、R3、R4及びR5は前記で定義した通りである。)とを、結合剤の存在下で及び塩基、例えば第三級アミン又はアルカリ金属炭酸塩の存在下で結合させ;次いで
(ii)PGを開裂させる
ことによって得る方法に関する。
一般式(X)の生成物は、一般式(IX):
(式中、R1は前記で定義した通りである。)
の生成物のチオフェン核のエステル官能基のケン化によって得られ得る。
一般式(IX)の生成物は、
(i)下記の一般式(IIa):
(式中、アルキルは前記で定義した通りであり及び式中のPGはチエノ[2,3−c]ピラゾール核の遊離の環内NH官能基の保護基である。)
の生成物と、
(ii)一般式(R2)CONH
2の生成物とを、
−触媒、例えばヨウ化銅(I)、
−アミン、例えばトランス−1,2−ジアミノシクロヘキサン、トランス−1,2−ビス(メチルアミノ)シクロヘキサン、又は好ましくはN,N’−ジメチル−1,2−ジアミノエタン、及び
−塩基、例えばリン酸三カリウム又は炭酸セシウム
の存在下で結合させることによって得られ得る。
一般式(IIa)の生成物は、炭酸ナトリウムのような塩基の存在下で、メルカプト酢酸アルキル アルキル−OCO−CH2−SHと、化合物(IIIa):
(式中、PGは前記で定義した通りである。)
とを反応させることによって得られ得る。
一般式(IIIa)の生成物は、(i)3,4,5−トリブロモ−ピラゾールをホルミル化して3,5−ジブロモ−4−ホルミルピラゾール(III)を得、次いで(ii)保護基PGを導入することによって(III)の環内アミン官能基を保護することによって得られ得る。
保護基PGは、
(i)酸、例えば塩酸の存在下で、不活性溶媒、例えばトルエン中でエチルビニルエーテルとの、基PG=1−エトキシエチルを得る反応、又は
(ii)塩基、例えばトリエチルアミン、ピリジン又はN,N−ジメチルアミノピリジンの存在下で、不活性溶媒、例えばジクロロメタン中でジ−tert−ブチルジカーボネートとの、基PG=tert−ブチルオキシカルボニルを得る反応
によって導入してよい。
第三の態様によれば、本発明は、この第一の態様の生成物を、医薬的に許容される賦形剤と組み合わせて含む医薬組成物に関する。
第四の態様によれば、本発明の主題は、この第一の態様の生成物の使用であって、好ましくはAurora1、Aurora2、CDK1、CDK2、CDK4、FAK、KDR及びTie2から選択されるプロテインキナーゼの阻害剤としての使用である。特に好ましいキナーゼは、Aurora2である。
第五の態様によれば、本発明の主題は、病理学的状態、特に癌を治療するのに有用な医薬を製造するための本発明の第一の態様の生成物の使用である。
第五の態様の一つの変形によれば、本発明の主題は、乾癬、緑内障、白血病、中枢神経系に関係した疾患、炎症、及びJNKタンパク質の調節解除に関係した疾患から選択される病理学的状態を治療するのに有用な医薬を製造するための本発明の第一の態様の生成物の使用である。
式(I)の生成物は、一般式(II)の化合物から、次の一般的合成スキームに従って製造し得る。
反応(a)及び(d)は、R1がNHCO(R2)(式中、R2は前記のと同じ意味を有する。)を表す場合には、(R2)CONH2型のアミド、ヨウ化銅(I)、アミン、例えばtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサン、トランス−1,2−ビス(メチルアミノ)シクロヘキサン又は、−及びこれは本発明の態様の一つである−、N,N’−ジメチル−1,2−ジアミノエタン、及び塩基、例えばリン酸三カリウム又は炭酸セシウムの存在下で、不活性溶媒、例えばジオキサン中で、20℃から反応媒体の沸点の間の温度で、S.L.Buchwald et al.,J.Am.Chem.Soc.,2002,124,7421;J.Am.Chem.Soc.,2001,123,7727に記載の一般的な方法に従って実施し得る。
反応(b)及び(c)は、(R3)(R4)NN(R5)H(式中、R3、R4及びR5は前記と同じ意味を有する。)型の誘導体、及びトリメチルアルミニウムの存在下で、溶媒、例えばトルエン又はジメチルホルムアミド中で、0℃から反応媒体の沸点の間の温度で実施し得る。
反応(e)は、一般に、分子の残部に影響を及ぼさない通常の方法に従って、特にT.W.Greene and P.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis(2nd edition),A.Wiley−Interscience Publication(1991)、又はMcOmie,Protective Groups in Organic Chemistry,Plenum Press(1973)又はBradford P.Mundy and Michael G.Ellerd,Name Reactions and Reagents in Organic Synthesis,A.Wiley−Interscience Publication(1988)に記載の方法を適用することによって実施される。反応(e)は、例えば、塩基性媒体中で、水酸化カリウム又は水酸化ナトリウムの存在下で、不活性溶媒、例えばテトラヒドロフラン、水及びアルコール(好ましくは、エタノール又はメタノール)の混合物中で、又はアルコール単独(好ましくは、エタノール又はメタノール)中で、20℃から反応媒体の沸点の間の温度、好ましくは反応媒体の還流温度で実施し得る。
反応(f)は、R3R4NNR5H(式中、R3、R4及びR5は、前記と同じ意味を有する。)型の誘導体、及びO−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TBTU)型の活性化剤の存在下で、塩基(例えば、トリエチルアミン又はジイソプロピルエチルアミン)の存在下で、不活性溶媒(例えば、アセトニトリル又はジメチルホルムアミド)中で、0℃から媒体の沸点の間の温度で実施するか、又はペプチド化学の周知のカップリング方法(M.Bodanszky et al.,Principles of Peptide Synthesis,Springer−Verlag,New York,NY,1984,9−58)又はアミドの形成方法に従って実施し得る。又は、反応(f)は、分子の残部に影響を及ぼさない通常の方法に従って、特にBradford P.Mundy and Michael G.Ellerd,Name Reactions and Reagents in Organic Synthesis,A.Wiley−Interscience Publication(1988)に記載の方法を適用することによって実施し得る。例えば、反応(f)は、不活性雰囲気下(例えば、窒素下又はアルゴン下)に塩化オキサリルの存在下で、不活性溶媒、例えばジクロロメタン中で、20℃から反応媒体の沸点の間の温度、好ましくは20℃付近の温度で実施するか、又は塩化スルフィニルの存在下に、不活性溶媒、例えばクロロホルム中で、20℃から反応媒体の沸点の間の温度、好ましくは反応媒体の還流温度で実施し、次いでR3R4NNR5H(式中、R3、R4及びR5は、前記と同じ意味を有する。)型の誘導体及び塩基、例えばトリエチルアミン又はピリジンの存在下で、不活性溶媒、例えばジメチルホルムアミド中で、20℃から反応媒体の沸点の間の温度で反応させ得る。
脱保護反応(g)は、(PGが1−エトキシエチル基を表す場合には)鉱酸、例えば塩酸の存在下で、溶媒、例えばテトラヒドロフラン又は水の中で、20℃から反応媒体の沸点の間の温度で実施し得るし、又はアミン官能基の周知の脱保護方法(T.W.Greene et al.in Protective Groups in Organic Synthesis,3rd edition,1999,Wiley Interscience)に従って実施し得る。
一般式(IIa)の化合物は、3,4,5−トリブロモピラゾールから、次の一般的合成スキームに従って調製し得る。
反応(a)は、有機リチウム試薬、例えばn−ブチルリチウムの存在下で、ジメチルホルムアミドの存在下に、不活性溶媒、例えばジエチルエーテル又はテトラヒドロフラン中で、−78℃から室温の間の温度で実施し得る。
保護反応(b)は、エチルビニルエーテルの存在下で、触媒量の酸、例えば塩酸の存在下で、不活性溶媒、例えばトルエン中で、20℃から反応媒体の沸点の間の温度で実施し得るし、又はアミン官能基の周知の保護方法(T.W.Greene et al.in Protective Groups in Organic Synthesis,third edition,1999,Wiley−Interscience)に従って実施し得る。
反応(c)は、メルカプト酢酸エチルの存在下に、塩基、例えば炭酸ナトリウムの存在下で、不活性溶媒、例えばアルコール(好ましくはエタノール)中で、20℃から反応媒体の沸点の間の温度で実施し得る。
又は、R1がNHCO(R2)(式中、R2は前記と同じ意味を有する)を表す場合には、式(I)の化合物は、一般式(XIV)の化合物から、次の一般的合成スキームに従って調製し得る。
保護反応(a)は、(Pがtert−ブチルオキシカルボニル基を表す場合には)ジカルボン酸ジ−tert−ブチルを使用して、塩基、例えばトリエチルアミン又はピリジンの存在下で及び場合によりN,N−ジメチルアミノピリジンの存在下で、不活性溶媒(例えば、ジクロロメタン)中で、−10℃から反応媒体の沸点の間の温度で実施し得るし、又は(Pが1−エトキシエチル基を表す場合には)エチルビニルエーテルの存在下で、 触媒量の酸、例えば塩酸の存在下で、不活性溶媒、例えばトルエン中で、20℃から反応媒体の沸点の間の温度で実施し得るし、又はアミン官能基の周知の保護方法(T.W.Greene et al.in Protective Groups in Organic Synthesis,third edition,1999,Wiley−Interscience)に従って実施し得る。
反応(b)は、
−酸塩化物(R2)C(O)Cl(式中、R2は前記と同じ意味を有する。)を使用して、塩基、例えばトリエチルアミン、ピリジン、ジイソプロピルエチルアミン、炭酸カリウム又は炭酸ナトリウムの存在下で、不活性溶媒(例えば、ジメチルホルムアミド又はテトラヒドロフラン)中で又は有機塩基それ自体の中で、0℃から反応媒体の沸点の間の温度で実施し得る(G.Daidone et al,Heterocycles,1996,43(11),2385);
−酸無水物((R2)CO)2O(式中、R2は前記と同じ意味を有する。)を使用して、不活性溶媒(例えば、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン又はジクロロメタン)中で又は酸無水物それ自体の中で、0℃から反応媒体の沸点の間の温度で実施し得る(F.Albericio,Synth.Commun.,2001,31(2),225,G.Procter,Tetrahedron,1995,51(47),12837);
−酸((R2)C(O)OH(式中、R2は前記と同じ意味を有する。)を使用して、活性化剤、例えばO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム・ヘキサフルオロホスフェート(HATU)の存在下で、塩基 (例えば、ピリジン、ジイソプロピルエチルアミン又はトリエチルアミン)の存在下で、不活性溶媒(例えば、ジメチルホルムアミド)中で、0℃から反応媒体の沸点の間の温度で実施し得るし、又はペプチド化学の周知のカップリング方法(M.Bodanszky et al.,Principles of Peptide Synthesis,Springer−Verlag,New York,NY,1984,9−58)又はアミドの形成方法に従って実施し得る。
反応(c)は、一般に、分子の残部に影響を及ぼさない通常の方法に従って、特にT.W.Greene and P.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis(2nd edition),A.Wiley−Interscience Publication(1991)、又はMcOmie,Protective Groups in Organic Chemistry,Plenum Press(1973)又はBradford P.Mundy et Michael G.Ellerd,Name Reactions and Reagents in Organic Synthesis,A.Wiley−Interscience Publication(1988)に記載の方法を適用することによって実施される。反応(c)は、例えば、塩基性媒体中で、水酸化カリウム又は水酸化ナトリウムの存在下で、不活性溶媒、例えばテトラヒドロフラン、水及びアルコール(好ましくは、エタノール又はメタノール)の混合物中で又はアルコール単独(好ましくは、エタノール又はメタノール)中で、20℃から反応媒体の沸点の間の温度で、好ましくは反応媒体の還流温度で実施し得る。
反応(d)は、R3R4NNR5H(式中、R3、R4及びR5は、前記と同じ意味を有する。)型の誘導体、及びO−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TBTU)のような型の活性化剤の存在下で、例えば塩基(例えば、トリエチルアミン又はジイソプロピルエチルアミン)の存在下で、不活性溶媒(例えば、アセトニトリル又はジメチルホルムアミド)中で、0℃から媒体の沸点の間の温度で実施するか、又はペプチド化学の周知のカップリング方法(M.Bodanszky et al.,Principles of Peptide Synthesis,Springer−Verlag,New York,NY,1984,9−58)又はアミドの形成方法に従って実施し得る。又は、反応(d)は、一般に、分子の残部に影響を及ぼさない通常の方法に従って、特にBradford P.Mundy and Michael G.Ellerd,Name Reactions and Reagents in Organic Synthesis,A.Wiley−Interscience Publication(1988)に記載の方法を適用することによって実施し得る。例えば、反応(d)は、不活性雰囲気下(例えば、窒素下又はアルゴン下)に塩化オキサリルの存在下で、不活性溶媒、例えばジクロロメタン中で、20℃から反応媒体の沸点の間の温度、好ましくは20℃付近の温度で実施するか、又は塩化スルフィニルの存在下に、不活性溶媒、例えばクロロホルム中で、20℃から反応媒体の沸点の間の温度、好ましくは反応媒体の還流温度で実施し、次いでR3R4NNR5H(式中、R3、R4及びR5は、前記と同じ意味を有する)型の誘導体及び塩基、例えばトリエチルアミン又はピリジンの存在下で、不活性溶媒、例えばジメチルホルムアミド中で、20℃から反応媒体の沸点の間の温度で反応させ得る。
脱保護反応(e)は、(PGがtert−ブチルオキシカルボニル基を表す場合には)ヨードトリメチルシランの存在下で、又は酸性媒体(例えば、溶媒、例えばジクロロメタン又はジオキサンに溶解したトリフルオロ酢酸又は塩酸)中で0℃から反応媒体の沸点の間の温度で実施し得るし、又は塩基性媒体(溶媒、例えばアルコール(好ましくは、メタノール)中の炭酸カリウム)中で、0℃から反応媒体の沸点の間の温度で及び場合によりマイクロ波照射を用いて、又は溶媒、例えばアルコール(好ましくはメタノール)中の中性媒体中でマイクロ波照射を用いて実施し得るし、又は(PGが1−エトキシエチル基を表す場合には)鉱酸、例えば塩酸の存在下で、溶媒、例えばテトラヒドロフラン又は水の中で、20℃から反応媒体の沸点の間の温度で実施し得るし、又はアミン官能基の周知の脱保護方法(T.W.Greene et al.in Protective Groups in Organic Synthesis,third edition,1999,Wiley−Interscience)に従って実施し得る。
一般式(XVa)の化合物は、3−アミノ−4−シアノ−5−メチルスルファニルチオフェン−2−カルボン酸エチルから、次の一般的合成スキームに従って製造し得る。
反応(a)は、亜硝酸イソペンチル及びCu(II)の存在下で、不活性溶媒、例えばジメチルホルムアミド中で、20℃から反応媒体の沸点の間の温度で実施し得る。
酸化反応(b)は、3−クロロペルオキシ安息香酸の存在下で、不活性溶媒、例えばジクロロメタン中で、−20℃から室温の間の温度で実施し得る。
反応(c)は、ヒドラジンの存在下で、不活性溶媒、例えばアルコール(好ましくはエタノール)中で、20℃から反応媒体の沸点の間の温度で実施し得る。
環化反応(d)は、鉱酸、例えば濃塩酸又は濃硫酸の存在下で、不活性溶媒、例えばアルコール(好ましくはエタノール)中で、20℃から反応媒体の沸点の間の温度で実施し得る。
保護反応(e)は、(PGがtert−ブチルオキシカルボニル基を表す場合には)ジカルボン酸ジ−tert−ブチルを使用して、塩基、例えばトリエチルアミン又はピリジンの存在下で及び場合によりN,N−ジメチルアミノピリジンの存在下で、不活性溶媒(例えば、ジクロロメタン)中で、−10℃から反応媒体の沸点の間の温度で実施し得るし、又は(PGが1−エトキシエチル基を表す場合には)エチルビニルエーテルの存在下で、触媒量の酸、例えば塩酸の存在下で、不活性溶媒、例えばトルエン中で、20℃から反応媒体の沸点の間の温度で実施し得るし、又はアミン官能基の周知の保護方法(T.W.Greene et al.in Protective Groups in Organic Synthesis,third edition,1999,Wiley−Interscience)に従って実施し得る。
3−アミノ−4−シアノ−5−メチルスルファニルチオフェン−2−カルボン酸エチルの合成は、Synthesis 2003,735に記載されている。
又は、R1がNHCO(R2)(式中、R2は前記と同じ意味を有する。)を表す場合には、式(I)の化合物は、一般式(XIV)の化合物から、次の一般的合成スキームに従って調製し得る。
反応(a)は、(R3)(R4)NN(R5)H(式中、R3、R4及びR5は前記と同じ意味を有する。)型の誘導体、及びトリメチルアルミニウムの存在下で、溶媒、例えばトルエン又はジメチルホルムアミド中で、0℃から反応媒体の沸点の間の温度で実施し得る。
保護反応(b)は、(PGがtert−ブチルオキシカルボニル基を表す場合には)ジカルボン酸ジ−tert−ブチルを使用して、塩基、例えばトリエチルアミン又はピリジンの存在下で及び場合によりN,N−ジメチルアミノピリジンの存在下で、不活性溶媒(例えば、ジクロロメタン)中で、−10℃から反応媒体の沸点の間の温度で実施し得るし、又は(PGが1−エトキシエチル基を表す場合には)エチルビニルエーテルの存在下で、触媒量の酸、例えば塩酸の存在下で、不活性溶媒、例えばトルエン中で、20℃から反応媒体の沸点の間の温度で実施し得るし、又はアミン官能基の周知の保護方法(T.W.Greene et al.in Protective Groups in Organic Synthesis,3rd edition,1999,Wiley−Interscience)に従って実施し得る。
反応(c)は、
−酸塩化物(R2)C(O)Cl(式中、R2は前記と同じ意味を有する。)を使用して、塩基、例えばトリエチルアミン、ピリジン、ジイソプロピルエチルアミン、炭酸カリウム又は炭酸ナトリウムの存在下で、不活性溶媒(例えば、ジメチルホルムアミド又はテトラヒドロフラン)中で又は有機塩基それ自体の中で、0℃から反応媒体の沸点の間の温度で実施し得る(G.Daidone et al,Heterocycles,1996,43(11),2385);
−酸無水物((R2)CO)2O(式中、R2は前記と同じ意味を有する)を使用して、不活性溶媒(例えば、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン又はジクロロメタン)中で又は酸無水物それ自体の中で、0℃から反応媒体の沸点の間の温度で実施し得る(F.Albericio,Synth.Commun.,2001,31(2),225,G.Procter,Tetrahedron,1995,51(47),12837);
−酸((R2)C(O)OH(式中、R2は前記と同じ意味を有する。)を使用して、活性化剤、例えばO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム・ヘキサフルオロホスフェート(HATU)の存在下で、塩基 (例えば、ピリジン、ジイソプロピルエチルアミン又はトリエチルアミン)の存在下で、不活性溶媒(例えば、ジメチルホルムアミド)中で、0℃から反応媒体の沸点の間の温度で実施し得るし、又はペプチド化学の周知のカップリング方法(M.Bodanszky et al.,Principles of Peptide Synthesis,Springer−Verlag,New York,NY,1984,9−58)又はアミドの形成方法に従って実施し得る。
脱保護反応(d)は、(PGがtert−ブチルオキシカルボニル基を表す場合には)ヨードトリメチルシランの存在下で、又は酸性媒体(例えば、溶媒、例えばジクロロメタン又はジオキサンに溶解したトリフルオロ酢酸又は塩酸)中で0℃から反応媒体の沸点の間の温度で実施し得るし、又は塩基性媒体中で(溶媒、例えばアルコール(好ましくは、メタノール)中の炭酸カリウム)中で0℃から反応媒体の沸点の間の温度で及び場合によりマイクロ波照射を用いて)、又は中性媒体中で溶媒、例えばアルコール(好ましくはメタノール)中でマイクロ波照射を用いて実施し得るし、又は(PGが1−エトキシエチル基を表す場合には)鉱酸、例えば塩酸の存在下で、溶媒、例えばテトラヒドロフラン又は水の中で、20℃から反応媒体の沸点の間の温度で実施し得るし、又はアミン官能基の周知の脱保護方法(T.W.Greene et al.in Protective Groups in Organic Synthesis,3rd edition,1999,Wiley−Interscience)に従って実施し得る。
又は、R1がNHCO(R2)(式中、R2は前記と同じ意味を有する)を表す場合には、式(XVI)の化合物は、一般式(XI)の化合物から、次の一般的合成スキームに従って調製し得る。
反応(a)は、(R3)(R4)NN(R5)H(式中、R3、R4及びR5は前記と同じ意味を有する。)型の誘導体、及びトリメチルアルミニウムの存在下で、溶媒、例えばトルエン又はジメチルホルムアミド中で、0℃から反応媒体の沸点の間の温度で実施し得る。
酸化反応(b)は、oxone(登録商標)(ペルオキシ一硫酸カリウム)又は3−クロロペルオキシ安息香酸の存在下で、不活性溶媒、例えば第一の場合にはテトラヒドロフラン又はジメチルホルムアミド及び水の混合物中で又は第二の場合にはジクロロメタン中で、−20℃から室温の間の温度で実施し得る。
反応(c)は、ヒドラジンの存在下で、不活性溶媒、例えばアルコール(好ましくはエタノール)中で20℃から反応媒体の沸点の間の温度で実施し得る。
環化反応(d)は、鉱酸、例えば濃塩酸又は濃硫酸の存在下で、不活性溶媒、例えばアルコール(好ましくはエタノール)中で、20℃から反応媒体の沸点の間の温度で実施し得る。
式(Ib)の化合物は、R1がNHCO(R2)を表す(R2は−CH2NR6R7型の基で置換されたフェニル基を表し、この場合のR6及びR7は、場合により置換されていてもよい−H、(C1−C6)アルキル、アリール、ヘテロアリール、−(C1−C6)アルキル−アリール及び−(C1−C6)アルキル−ヘテロアリールからなる群から独立して選択され又はR6及びR7は一緒に結合してN、O及びSから選択される1から5個のヘテロ原子を含有する飽和又は不飽和2から10員単環式又は二環式二環式複素環を形成する。)一般式(IVb)の化合物から、次の一般的合成スキームに従って調製し得る。
反応(a)は、HNR6R7型のアミンの存在下で、テトラブチルアンモニウムヨージドのような塩の存在下で、不活性溶媒、例えばジメチルホルムアミド中で、20℃から反応媒体の沸点の間の温度で実施し得る。
脱保護反応(b)は、(PGがtert−ブチルオキシカルボニル基を表す場合には)ヨードトリメチルシランの存在下で、又は酸性媒体(例えば、トリフルオロ酢酸、又は溶媒、例えばジクロロメタン又はジオキサン中の塩酸)中で、0℃から反応媒体の沸点の間の温度で実施し得るし、又は塩基性媒体中で(溶媒、例えばアルコール(好ましくは、メタノール)中の炭酸カリウム)中で0℃から反応媒体の沸点の間の温度で及び場合によりマイクロ波照射を用いて)、又は中性媒体中で、溶媒、例えばアルコール(好ましくはメタノール)中でマイクロ波照射を用いて実施し得る。又は(PGが1−エトキシエチル基を表す場合には)鉱酸、例えば塩酸の存在下で、溶媒、例えばテトラヒドロフラン又は水の中で、20℃から反応媒体の沸点の間の温度で実施し得るし、又は、アミン官能基を脱保護する周知の方法(T.W.Greene et al.in Protective Groups in Organic Synthesis,3rd edition,1999,Wiley−Interscience)を使用して実施し得る。
(R3)(R4)NN(R5)H(式中、R3はアリール基、さらに詳しくは置換フェニル基を表し、R4はアルキル基を表し及びR5は水素原子を表す。)型の誘導体は一般式(XXI)の化合物から、次の一般的合成スキームに従って調製し得る。
反応(a)は、塩基、例えば有機リチウム試薬の存在下で、ハロゲン化アルキルの存在下で、不活性溶媒、例えばテトラヒドロフラン中で、−80℃から25℃の間の温度で実施し得る。
切断反応(b)は、鉱酸、例えば塩酸の存在下で、不活性溶媒、例えばテトラヒドロフラン中で、25℃から反応媒体の沸点の間の温度で実施し得る。
一般式(XXI)(式中、Y及びZは、独立して及びさらに詳しくは水素原子、又はハロゲン又はアルキル基を表す。)の化合物は、一般式 (XXIII)の化合物から、次の一般的合成スキームに従って調製し得る。
反応(a)は、ベンゾフェノンの存在下で、鉱酸、例えば硫酸又は塩酸の存在下で、不活性溶媒、例えばアルコール、好ましくはエタノール中で、25℃から反応媒体の沸点の間の温度で実施し得る。
又は、一般式(XXI)(式中、Y及びZは、独立して及びさらに詳しくは水素原子、又はハロゲン又はアルキル基を表す。)の化合物は、一般式(XXIV)の化合物から、次の一般的合成スキームに従って調製し得る。
反応(a)は、ベンゾヒドリリデンヒドラジン、一般式(XXIV)の化合物(式中、Y及びZは、独立して及びさらに詳しくは水素原子、又はハロゲン又はアルキル基を表し及びHalはさらに詳しくは臭素又は塩素原子を表す。)、パラジウム(II)誘導体、例えばパラジウム(II)ジアセテート、ホスフィンリガンド及び塩基、例えば水酸化ナトリウムの存在下で、不活性溶媒、例えばアルコール(好ましくはtert−アミルアルコール)中で、20℃から反応媒体の沸点の間の温度で、J.−M.Campagne et al.,Tetrahedron,2002,58,2041に記載の一般的方法に従って実施し得る。
前記の本発明による方法を実施することを目的として、アミン及びカルボキシル官能基について保護基を導入して副反応を避けることが必要であり得ることが当業者には理解される。これらの基は、分子の残部に影響を及ぼさずに除去することができる基である。挙げ得るアミン官能基の保護基の例としては、1−エトキシエチル〔これは、塩酸などの鉱酸の存在下で(例えば、溶媒中で、例えばテトラヒドロフラン又は水の中で)除去し得る。〕、tert−ブチルカルバメート〔これは、ヨードトリメチルシランを使用するか又は酸性媒体(例えばトリフルオロ酢酸、又はジクロロメタン又はジオキサンなどの溶媒中の塩酸)中で除去し得る。〕、ベンジルカルバメート〔これは、水素の存在下で又はチオール(例えば、ベンゼンチオール)とルイス酸(例えば、三フッ化ホウ素エーテル錯塩)との混合物の存在下で除去し得る。〕、アセチル〔これは、酸性媒体(例えば塩酸)中で除去し得る。〕、ベンゾイル〔これは、酸性媒体(例えば塩酸)中で除去し得る。〕、2−トリメチルシラニルエトキシメチル〔これは、例えば、テトラブチルアンモニウムフルオリドの存在下で又は酸性媒体(例えば塩酸)中で除去し得る。〕が挙げられる。挙げ得るカルボキシル官能基の保護基の例としては、エステル類(例えば、メトキシメチルエステル、ベンジルエステル又はメチルエステル)が挙げられ、これらはT.W.Greene et al.in Protective Groups in Organic Synthesis,third edition,1999,Wiley−Interscienceに記載の方法によって除去し得る。
式(I)の化合物は、単離し、通常の公知の方法によって、例えば結晶化、クロマトグラフィー又は抽出によって精製し得る。
式(I)の化合物の鏡像異性体及びジアステレオマーもまた、本発明の一部を形成する。
塩基性残基を含む式(I)の化合物は、場合により無機又は有機酸を用いて、このような酸を有機溶媒、例えばアルコール、ケトン、エーテル又は塩素化溶媒中で作用させることによって付加塩に転化させ得る。
酸残基を含む式(I)の化合物は、場合によりそれ自体公知の方法に従って窒素含有塩基を用いて金属塩又は付加塩に転化させ得る。これらの塩は、金属塩基(例えば、アルカリ金属又はアルカリ土類金属塩基)、アンモニア、アミン又はアミン塩を式(I)の化合物に溶媒中で作用させることによって得てもよい。形成された塩は、通常の方法で分離される。
これらの塩もまた、本発明の一部を形成する。
本発明の生成物が少なくとも1個の遊離の塩基性官能基を含有する場合には、医薬的に許容される塩は、前記生成物と無機又は有機酸との間の反応によって調製し得る。医薬的に許容される塩としては、塩化物、硝酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、リン酸塩、リン酸一水素塩、リン酸二水素塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、アクリル酸塩、4−ヒドロキシ酪酸塩、カプリル酸塩、カプロン酸塩、デカン酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、グルタル酸塩、アジピン酸塩、ピメリン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩、酒石酸、乳酸塩、フェニル酢酸塩、マンデル酸塩.セバシン酸塩、スベリン酸塩、安息香酸塩、フタル酸塩、メタンスルホン酸塩、プロパンスルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、サリチル酸塩、桂皮酸塩、グルタミン酸塩、アスパラギン酸塩、グルクロン酸塩及びガラクツロン酸塩が挙げられる。
本発明の生成物が少なくとも1個の遊離の酸官能基を含有する場合には、医薬的に許容される塩は、前記生成物と無機又は有機塩基との間の反応によって調製し得る。医薬的に許容される塩基としては、アルカリ金属又はアルカリ土類金属、例えばLi、Na、K、Mg又はCaのカチオンの水酸化物、及び塩基性アミン化合物、例えばアンモニア、アルギニン、リシン、ヒスチジン、ピペリジン、モルホリン、ピペラジン又はトリエチルアミンが挙げられる。
また、本発明を、本発明の例示として示す以下の実施例によって説明する。
(実施例1)
5−(N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]−4−メトキシベンズアミドの製造
1−(1−エトキシエチル)−3−(4−メトキシベンゾイルアミノ)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−カルボン酸(0.3g、0.77ミリモル)、O−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TBTU)(0.247g、0.77ミリモル、1当量)、ジメチルホルムアミド(3.85mL)及びフェニルヒドラジン(0.151mL、1.54ミリモル、2当量)を、20mL丸底フラスコにアルゴン下で連続的に導入する。この反応混合物にトリエチルアミン(0.322mL、2.31ミリモル、3当量)を加える。この混合物を、60℃付近の温度で15時間攪拌する。次いで、溶媒を減圧下で蒸発させ、残留油状物を15mLの酢酸エチルと10mLの水で希釈する。水性相を単離し、次いでpH4から5に酸性にし、その後に酢酸エチル(3×15mL)で抽出する。一緒にした有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮乾固する。残留物を、フラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで1:1の酢酸エチル/ヘプタン混合物を用いて溶出することにより精製する。油状の形態で得られた生成物(0.310g、84%、Rf=0.47(1:9 MeOH/ジクロロメタン))を、さらに精製することなく、5mLのテトラヒドロフラン及び2.5mLの2.5N塩酸に入れる。次いで、この反応混合物を50℃付近の温度で2時間加熱し、次いで室温まで冷却する。次いで、この混合物に15mLの水を加える。沈殿物が生成する。テトラヒドロフランを蒸発させ、水性相を5N NaOHで中和する。生成した沈殿物を濾取し、次いで水洗する。得られたベージュ色固体をオーブン内で減圧下に60℃付近の温度で乾燥する。次いで、乾燥固体をアセトンに溶解し、ヘプタンから沈殿させる。このようにして得られる5−(N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]−4−メトキシベンズアミド(86mg、33%)は、95%の純度を有する。全収率=28%。
1H NMR(400MHz,(CD3)2SO−d6,δ(ppm)):3.85(s,3H);6.72(幅広なt,J=7.5Hz,1H);6.76(幅広なd,J=8.0Hz,2H);7.05(幅広なd,J=8.0Hz,2H);7.15(幅広なt,J=7.5Hz,2H);7.85(幅広なs,1H);8.09(幅広なd,J=8.0Hz,2H);8.19(幅広なs,1H);10.45(幅広なm,1H);11.0(幅広なm,1H);12.9(幅広なm,1H)。LC/MS:m=407。ES m/z=408MH+。
1−(1−エトキシエチル)−3−(4−メトキシベンゾイルアミノ)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−カルボン酸
3−ブロモ−1−(1−エトキシエチル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−カルボン酸エチル(10g、28ミリモル)、4−メトキシベンズアミド(7.39g、48ミリモル、1.7当量)、ヨウ化銅(I)(0.548g、2.88ミリモル、0.1当量)、予め粉砕したリン酸三カリウム(18.34g、86ミリモル、3当量)、及びアルゴンを用いて予め脱気した180mLの無水ジオキサンを、500mL丸底フラスコにアルゴン下で導入する。この懸濁液に、0.306mL(2.88ミリモル、0.1当量)のN,N’−ジメチルエチレンジアミンを注射器で加える。次いで、反応混合物を110℃付近の温度に24時間加熱する。次いで、ジオキサンを減圧下で蒸発させ、残留物を酢酸エチル(300mL)及び150mLの水で希釈する。有機相を100mLの水で1回洗浄し、次いで硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮乾固する。残留物を、クロマトグラフィーによりシリカゲルで酢酸エチル/ヘプタン混合物(1:1)を用いて溶出することにより精製する。精製後に得られた黄色油状物は、1−(1−エトキシエチル)−3−(4−メトキシベンゾイルアミノ)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−カルボン酸エチル(7.41g、64%)に相当する。一緒にした水性相を、5N塩酸を用いてpH5から6に酸性にする。密集した沈殿物が生じ、これを酢酸エチル(2×100mL)で抽出する。有機相を順々に硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮乾固する。蒸発後に得られた白色固体をヘプタン/ジメチルエーテル混合物(1:1)中で磨砕する。濾過後に、1−(1−エトキシエチル)−3−(4−メトキシベンゾイルアミノ)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−カルボン酸エチルが白色固体の形で得られる(1.27g、11%)。この1−(1−エトキシエチル)−3−(4−メトキシベンゾイルアミノ)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−カルボン酸エチルを、50mLのテトラヒドロフラン及び20mLの5N水酸化ナトリウムを使用して50℃付近の温度で5時間ケン化に供する。次いで、テトラヒドロフランを蒸発させ、水性相を150mLの水で希釈し、5N塩酸でこのpHを3から4に調節する。得られた白色沈殿物を濾取し、水洗し、次いで60℃付近の温度で減圧乾燥する。7.04gの1−(1−エトキシエチル)−3−(4−メトキシベンゾイルアミノ)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−カルボン酸がこのようにして得られる、すなわち98%であり、この生成物は直接に次の工程で使用する。
3−ブロモ−1−(1−エトキシエチル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−カルボン酸エチル:
1.19g(3.81ミリモル)の3,5−ジブロモ−1−(1−エトキシエチル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサルデヒドを、攪拌しながら50mLのエタノールに、アルゴン雰囲気下で20℃付近の温度で導入し、次いで0.4g(3.81ミリモル)の炭酸ナトリウム及び0.42mL(3.81ミリモル)の2−メルカプト酢酸エチルを加える。次いで、反応混合物を2時間還流し、次いで減圧下(2.7kPa)で濃縮乾固する。残留物を60mLの水及び60mLのジクロロメタンに溶解し、二つの相を静置することによって分離する。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、次いで減圧下(2.7kPa)で濃縮乾固する。1.17gの3−ブロモ−1−(1−エトキシエチル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−カルボン酸エチルが、このようにして、結晶化して69℃で溶融するクリーム色結晶を生じる淡黄色油状物の形で得られる。
3,5−ジブロモ−1−(1−エトキシエチル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサルデヒド:
1g(3.94ミリモル)の3,5−ジブロモ−1H−ピラゾール−4−カルボキサルデヒド、1.5mL(16ミリモル)のエチルビニルエーテル及び12N濃塩酸3滴を、30mLのトルエンに攪拌しながら20℃付近の温度で導入する。反応混合物を20℃付近の温度で15時間攪拌し、次いで1.5mL(16ミリモル)のエチルビニルエーテルを加え、20℃付近の温度で15時間攪拌を続ける。次いで、反応混合物を20mLのトルエンで希釈し、30mLの飽和炭酸水素ナトリウム溶液で2回洗浄する。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下(2.7kPa)で濃縮乾固して1.19gの3,5−ジブロモ−1−(1−エトキシエチル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサルデヒドを黄色油状物の形で得る。
1H NMRスペクトル(300MHz,(CD3)2SO−d6,δ(ppm)):1.10(t,J=7.5Hz:3H);1.64(d,J=6.5Hz:3H);3.31(mt:1H);3.51(mt:1H);5.88(q,J=6.5Hz:1H);9.73(s:1H)。
3,5−ジブロモ−1H−ピラゾール−4−カルボキサルデヒド:
81.7g(0.268モル)の3,4,5−トリブロモピラゾールを、1500mLのジエチルエーテルに攪拌しながら20℃付近の温度及びアルゴン雰囲気下で導入する。この混合物を−78℃付近の温度まで冷却し、次いでヘキサンに溶解したn−ブチルリチウムの1.6M溶液335mL(0.536モル)を3時間15分にわたって滴加する。反応混合物を−75℃付近の温度で1.5時間攪拌し、次いで−70℃以下の温度に保ちながら100mL(1.34モル)のジメチルホルムアミドを滴加する。この混合物を、−75℃付近の温度でさらに2時間攪拌し、次いで20℃付近の温度で15時間攪拌する。次いで、反応媒体を氷水浴中で冷却し、1000mLの水を加える。静置することによって二層を分離させた後に、水性相を500mLのジエチルエーテルで抽出し、500mLの酢酸エチルで3回抽出する。次いで、水性相をクエン酸溶液でpH3に酸性にし(沈殿の形成が認められる)、1000mLのジエチルエーテルで2回抽出する。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下(2.7kPa)で濃縮乾固し、得られた黄色固体を300mLの水に溶解し、20℃付近の温度で2時間攪拌する。次いで、この混合物を濾過し、固形物を50mLの水で2回洗浄し、換気した排気フード(hotte ventilee)中で乾燥し、次いで減圧下(2.7kPa)で40℃付近の温度で乾燥する。51.3gの3,5−ジブロモ−1H−ピラゾール−4−カルボキサルデヒドが、このようにして173℃で溶融する黄色粉末の形で得られる。
(実施例2)
5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]−4−メトキシベンズアミドの製造
5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]−4−メトキシベンズアミドを、実施例1に従って製造する。収率=36%;
1H NMR(300MHz,(CD3)2SO−d6,δ(ppm)):3.17(s,3H);3.85(s,3H);6.77(幅広なt,J=7.5Hz,1H);6.82(幅広なd,J=8.5Hz,2H);7.07(幅広なd,J=8.0Hz,2H);7.22(幅広なt,J=8.0Hz,2H);8.07(幅広なd,J=8.5Hz,2H);8.17(幅広なs,1H);10.75(幅広なm,1H);11.0(幅広い多重線,1H);12.9(幅広い多重線,1H)。LC/MS m=421。EI m/z=421M+.,m/z=300(M−C8H7O2)+,m/z=135C8H7O2 +。
(実施例3)
N−[5−(N’−シクロヘキシルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ−[2,3−c]ピラゾール−3−イル]−4−メトキシベンズアミドの製造
N−[5−(N’−シクロヘキシルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]−4−メトキシベンズアミドを、実施例1に従って製造する。収率=11%。
1H NMR(400MHz,(CD3)2SO−d6,δ(ppm)):1.01 to 1.26(m,5H);1.55(m,1H);1.63から1.90(m,4H);2.73(m,1H);3.85(s,3H);4.84(m,1H);7.06(幅広なd,J=8.5Hz,2H);8.02(幅広なs,1H);8.07(幅広なd,J=8.5Hz,2H);10.05(幅広なs,1H);10.9(幅広なs,1H);12.85(幅広なs,1H)。LC/MS:m=413;ES m/z=414MH+。
(実施例4)
N−[5−(N’−ベンジル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]−4−メトキシベンズアミドの製造
N−[5−(N’−ベンジル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]−4−メトキシベンズアミドを、実施例1に従って製造する。収率=7%。MS:ES m/z=498 MH+。
1H NMR(400MHz,(CD3)2SO−d6,δ(ppm)):3.85(s,3H);4.75(幅広なs,2H);6.75(幅広なt,J=7.5Hz,1H);6.92(幅広なd,J=8.5Hz,2H);7.07(幅広なd,J=8.5Hz,2H);7.15から7.28(m,3H);7.34(幅広なt,J=7.5Hz,2H);7.49(幅広なd,J=7,5Hz,2H);8.07(幅広なd,J=8.5Hz,2H);8.17(幅広なs,1H);10.85(幅広なs,1H);11.05(幅広い多重線,1H);12.75から13.1(非常に幅広いm,1H)。LC/MS:m=497;ES m/z=498MH+。
(実施例5)
N−{5−[N’−(2−エチルフェニル)ヒドラジノカルボニル]−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル}−4−メトキシベンズアミドの製造
N−{5−[N’−(2−エチルフェニル)ヒドラジノカルボニル]−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル}−4−メトキシベンズアミドを、実施例1に従って製造する。収率=60%。MS:ES m/z=436 MH+。
1H NMR(400MHz,(CD3)2SO−d6,δ(ppm)):1.19(t,J=7.5Hz,3H);2.59(q,J=7.5Hz,2H);3.85(s,3H);6.68から6.77(m,2H);6.98から7.11(m,4H);7.26(幅広なs,1H);8.08(幅広なd,J=8.5Hz,2H);8.19(幅広なs,1H);10.5(幅広い多重線,1H);10.7から11.3(非常に幅広いm,1H);12.5から13.2(非常に幅広いm,1H)。LC/MS:m=435。ES m/z=436MH+。
(実施例6)
N−{5−[N’−(2−フルオロフェニル)ヒドラジノカルボニル]−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル}−4−メトキシベンズアミドの製造
N−{5−[N’−(2−フルオロフェニル)ヒドラジノカルボニル]−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル}−4−メトキシベンズアミドを、実施例1に従って製造する。収率=65%。
1H NMR(400MHz,(CD3)2SO−d6,δ(ppm)):3.85(s,3H);6.73(m,1H);6.82(幅広なt,J=8.0Hz,1H);6.96から7.13(m,4H);7.78(幅広なs,1H);8.09(幅広なd,J=8.5Hz,2H);8.21(幅広なs,1H);10.5(幅広なs,1H);11.0(幅広なs,1H);12.9(幅広なs,1H)。LC/MS:m=425。CI m/z=426MH+。
(実施例7)
4−メトキシ−N−[5−(N’−o−トリルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]ベンズアミドの製造
4−メトキシ−N−[5−(N’−o−トリルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]ベンズアミドを、実施例1に従って製造する。収率=70%。
1H NMR(400MHz,(CD3)2SO−d6,δ(ppm)):2.19(s,3H);3.85(s,3H);6.63から6.74(m,2H);7.02(幅広なm,2H);7.08(幅広なd,J=8.5Hz,2H);7.25(幅広なs,1H);8.08(幅広なd,J=8.5Hz,2H);8.19(幅広なs,1H);10.5(幅広い多重線,1H);10.7から11.5(非常に幅広いm,1H);12.3から13.3(非常に幅広いm,1H)。LC/MS:m=421。ES m/z=422MH+。
(実施例8)
N−[5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]−4−モルホリン−4−イルメチルベンズアミドの製造
21mg(154μモル)の炭酸カリウムを、マイクロ波オーブンチューブン中の5mLのメタノール中5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−3−(4−モルホリン−4−イルメチルベンゾイルアミノ)チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチル0.09g(154μモル)の溶液に加える。このチューブに栓をし、反応混合物に180℃付近の温度で3分間マイクロ波照射する。次いで、反応混合物を減圧下(0.6kPa)で30℃付近の温度で濃縮乾固する。残留物を、クロマトグラフィーにより25gのシリカゲル(0.015−0.040mm)のカートリッジを用いて、ジクロロメタン/メタノール混合物(容量で99/1、次いで98/2、最後に97/3)を用いて10mL/分の流量で溶出して精製する。予想される生成物を含有する複数の画分を一緒にし、次いで減圧下(1.0kPa)で30℃付近の温度で濃縮乾固する。残留物を10mLのジイソプロピルエーテルに溶解し、磨砕し、次いで再度、濃縮乾固する。得られた固形物をオーブン中で減圧下(0.01kPa)で60℃付近の温度で乾燥する。40mgのN−[5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]−4−モルホリン−4−イルメチルベンズアミドが、このようにして242℃で溶融する灰白色固体の形で得られる。MS−EI:490(+)=M(+)。
5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−3−(4−モルホリン−4−イル−メチルベンゾイルアミノ)チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチル:
テトラヒドロフラン20mL中の(0.70ミリモル)の3−アミノ−5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチル0.27gの溶液に、アルゴン下で193mg(1.39ミリモル)の炭酸カリウムを加え、次いで240mg(0.87ミリモル)の4−モルホリン−4−イルメチルベンゾイルクロリド塩酸塩を加える。この反応混合物を25℃付近の温度で2時間攪拌し、次いで4時間還流する。次いで、反応混合物を25℃付近の温度まで冷却し、次いで40mLの氷冷水で処理する。この混合物を、連続的に60mLの酢酸エチルで抽出し、次いで40mLの酢酸エチルで2回抽出する。有機相を一緒にし、40mLの飽和食塩水で2回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、次いで減圧下(2kPa)で40℃付近の温度で濃縮乾固する。残留物を、クロマトグラフィーにより25gのシリカゲル(0.015から0.040mm)のカートリッジを用いて、純ジクロロメタン、次いでジクロロメタン/メタノール混合物(容量で99/1、98.5/1.5次いで98/2、最後に97/3)を用いて10mL/分の流量で連続的に溶出して精製する。予想される生成物を含有する複数の画分を一緒にし、次いで減圧下(0.6kPa)で30℃付近の温度で濃縮乾固する。0.1gのN−[5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]−4−モルホリン−4−イルメチルベンズアミドが、このようにして190℃で溶融する灰白色固体の形で得られる。
4−モルホリン−4−イルメチルベンゾイルクロリド塩酸塩は、特許US4 623 486A(1986)及びWO90/08128A1に従って製造し得る。
3−アミノ−5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)チエノ[2,3−c]−ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチル:
ジクロロメタン35mL中のN’−メチル−N’−フェニル(3−アミノ−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール)−5−カルボ−ヒドラジドを1.19g(4.14ミリモル)の懸濁液に、アルゴン下で、0.58mL(4.14ミリモル)のトリエチルアミンを加える。反応混合物を25℃付近の温度で15分間攪拌し、次いで61mg(0.50ミリモル)の4−ジメチルアミノピリジンを加える。次いで、反応混合物を0℃付近の温度まで冷却し、15mLのジクロロメタン中の0.90g(4.14ミリモル)のジカルボン酸ジtert−ブチルを滴加する。次いで、反応混合物を0℃付近の温度で1時間攪拌し、次いで25℃付近の温度で3時間攪拌する。次いで、これを50mLの水で処理し、及び25℃付近の温度で攪拌し、次いで二つの相を静置することによって分離させる。水性相を30mLのジクロロメタンで2回抽出する。有機相を一緒にし、中性pHまで水洗し(50mLで2回)、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、次いで減圧下(2kPa)で30℃付近の温度で濃縮乾固する。残留物を、クロマトグラフィーにより70gのシリカゲル(0.015から0.040mm)のカートリッジを用いて、ジクロロメタン/メタノール混合物(容量で98/2)を用いて20mL/分の流量で溶出して精製する。予想される生成物を含有する複数の画分を一緒にし、次いで減圧下(2kPa)で30℃付近の温度で濃縮乾固する。0.38gの3−アミノ−5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチルが、このようにして195℃で溶融するベージュ色固体の形で得られる。
N’−メチル−N’−フェニル(3−アミノ−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール)−5−カルボヒドラジド:
トルエン中の、トリメチルアルミニウムの2M溶液17.3mL(34.5ミリモル)を、トルエン180mL中の1−メチル−1−フェニルヒドラジン3.9mL(32.0ミリモル)の溶液に25℃付近の温度及びアルゴン下で、温度を25℃以下に保ちながら滴加する。反応混合物を25℃付近の温度で1時間攪拌し、次いで2.7g(11.8ミリモル)の3−アミノ−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール)−5−カルボン酸エチルをスパチュラで加える。反応混合物を16時間還流し、次いで25℃付近の温度まで冷却し、200mLの10%クエン酸溶液で処理する。この混合物を25℃付近の温度で30分間攪拌し、次いで200mLの酢酸エチルを加え、この混合物の相を静置することによって分離する、水性相を150mLの酢酸エチルで2回抽出する。有機抽出液を一緒にし、6付近のpHまで水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、次いで減圧下(2kPa)で30℃付近の温度で濃縮乾固する。残留物を、クロマトグラフィーで、予め中和した200gのシリカゲル(0.020から0.040mm)のカラムを用いて、ジクロロメタン及びトリエチルアミンの混合物(1空隙容量)で溶出し、次いで純ジクロロメタン(4空隙容量)で溶出することにより精製する。生成物をジクロロメタン/メタノール混合物(容量で95/5、次いで90/10)で連続的に溶出する。予想される生成物を含有する複数の画分を一緒にし、次いで減圧下(2kPa)で40℃付近の温度で濃縮乾固する。残留物を40mLのジイソプロピルエーテルに溶解し、磨砕し、次いで焼結ガラス製ロートを用いて濾過する。得られた固体を減圧乾燥する。1.5gのN’−メチル−N’−フェニル(3−アミノ−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール)−5−カルボヒドラジドが、このようにして186℃で溶融するベージュ色粉末の形で得られる。
3−アミノ−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール)−5−カルボン酸エチル:
無水エタノール160mL中の4−シアノ−5−メチルスルホニルチオフェン−2−カルボン酸エチル16.4g(0.063モル)の懸濁液を、該化合物が溶解するまで還流し、次いで無水エタノール40mL中のヒドラジン水和物6.2mL(0.126モル)の溶液を滴加する。反応混合物を還流温度で2時間攪拌し、次いで4.6mL(0.094モル)のヒドラジン水和物を滴加し、還流温度で攪拌を2時間続ける。25℃付近の温度まで冷却し、混合物を減圧下(2kPa)で40℃付近の温度で濃縮乾固する。残留物を200mLのエタノールに溶解し、13.2mL(0.158モル)の12N塩酸溶液を攪拌しながら25℃付近の温度で加える。反応混合物を25℃付近の温度で4時間攪拌し、次いで10℃に予め冷却した500mLの飽和炭酸水素ナトリウム溶液に徐々に注ぐ。30分間攪拌した後に、混合物を600mLの酢酸エチルで3回抽出する。有機抽出液を一緒にし、300mLの飽和食塩水で2回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下(2kPa)で40℃付近の温度で濃縮乾固する。残留物を、クロマトグラフィーにより500gのシリカゲル(0.020−0.045mm)のカラムを用い、純酢酸エチルで溶出して精製する。予想される生成物を含有する複数の画分を一緒にし、減圧下(2kPa)で40℃付近の温度で濃縮乾固する。3.4gの3−アミノ−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール)−5−カルボン酸エチルが、このようにして褐色粉末の形で得られる。この生成物は、直接次の工程で使用した。MS−EI:211(+)=M(+)。
4−シアノ−5−メチルスルホニルチオフェン−2−カルボン酸エチル:
−5℃付近の温度に維持した、ジクロロメタン1L中の3−クロロペルオキシ安息香酸92.3g(0.374モル)の溶液を、ジクロロメタン500mLの4−シアノ−5−メチルスルファニルチオフェン−2−カルボン酸エチル42.5g(0.187モル)の溶液に、−5℃付近の温度に維持しながら2時間にわたって滴加する。この反応混合物を−5℃付近の温度で1時間攪拌し、次いで25℃付近の温度で18時間攪拌する。次いで、これを氷浴中で冷却し、750mLの飽和炭酸水素ナトリウム溶液及び250mLのジクロロメタンで処理する。30分間攪拌した後に、混合物を焼結ガラスロートで濾過し、固形物を100mLのジクロロメタンで2回洗浄する。濾液の二相を静置することによって分離した後に、水性相を500mLのジクロロメタンで抽出した。有機抽出液を一緒にし、1Lの飽和食塩水で2回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、次いで減圧下(1.5kPa)で45℃付近の温度で濃縮乾固する。残留物を200mLのエタノールから再結晶した。沈殿物を焼結ガラスロートで濾過し、100mLのエタノールで洗浄し、吸引濾過し、次いでデシケーター中で、減圧下(2kPa)で乾燥する。37gの4−シアノ−5−メチルスルホニルチオフェン−2−カルボン酸エチルが、このようにして110℃で溶融する淡黄色結晶質粉末の形で得られる。
4−シアノ−5−メチルスルファニルチオフェン−2−カルボン酸エチル:
アルゴン雰囲気下のジメチルホルムアミド500mL中3−アミノ−4−シアノ−5−メチルスルファニルチオフェン−2−カルボン酸エチル50g(0.21モル)の溶液を、60℃付近の温度に加熱し、次いでジメチルホルムアミド100mL中の亜硝酸イソペンチル71.1mL(0.45モル)の溶液を、65から70℃の間の温度を維持しながら、攪拌しながら導入する。次いで、反応混合物を60℃付近の温度で2.5時間攪拌し、次いで25℃付近の温度まで冷却し、1時間攪拌する。次いで、この混合物を1Lの氷冷水で処理し、次いで0℃付近の温度で1時間攪拌する。得られた沈殿物を濾過し、次いで連続的に200mLの水で3回及び200mLの石油エーテルで3回洗浄する。40.5g(86%)の4−シアノ−5−メチルスルファニルチオフェン−2−カルボン酸エチルが、このようにして減圧乾燥後に100℃で溶融する黄色結晶質粉末の形で得られる。MS−CI(NH3):245(+)=(M+NH4)(+)。
3−アミノ−4−シアノ−5−メチルスルファニルチオフェン−2−カルボン酸エチル:
3−アミノ−4−シアノ−5−メチルスルファニルチオフェン−2−カルボン酸エチルは、89.5gの2−[ビス(メチルスルファニル)メチレン]マロノニトリルと、炭酸カリウムに代えてトリエチルアミンとを用いて出発してSynthesis,2003,735に記載の方法を適用することによって製造し得る。120.5g(95%)の粗製3−アミノ−4−シアノ−5−メチルスルファニルチオフェン−2−カルボン酸エチルが、乾燥後に149℃で溶融する桃色粉末の形で得られる。
2−[ビス(メチルスルファニル)メチリデン]マロノニトリル:
2−[ビス(メチルスルファニル)メチレン]マロノニトリルは、J.Med.Chem.2003,46,1229に従って、又はSynth.Commun.2003,33,3989に従って製造し得る。
(実施例9)
4−ブロモ−N−[5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]ベンズアミドの製造
14.5mg(105μモル)の炭酸カリウムを、マイクロ波オーブンチューブ中のメタノール3mL中3−(4−ブロモベンゾイルアミノ)−5−(N’−メチル−N’−フェニル−ヒドラジノカルボニル)チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチル0.04g(70μモル)の溶液に加える。このチューブに栓をし、反応混合物に180℃付近の温度で3分間マイクロ波照射する。次いで、反応混合物を減圧下(2kPa)で35℃付近の温度で濃縮乾固する。残留物をジクロロメタンに溶解し、次いで1mLのメタノール、4mLの水及び10mLの酢酸エチルの混合物に溶解する。二相を静置することによって分離した後に、有機相を3mLの水で2回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、次いで減圧下(2kPa)で35℃付近の温度で濃縮乾固する。残留物をジイソプロピルエーテルに溶解し、焼結ガラスロートで濾過し、吸引濾過し、次いでオーブン中で、減圧下(0.01kPa)で40℃付近の温度で乾燥する。残留物を、クロマトグラフィーにより15gのシリカゲル(0.015から0.040mm)のカラムを用いて、ジクロロメタン/メタノール混合物(容量で99/1、次いで98/2、最後に97/3)を用いて20mL/分の流量で溶出して精製する。予想される生成物を含有する複数の画分を一緒にし、次いで減圧下(2kPa)で35℃付近の温度で濃縮乾固する。18mgの4−ブロモ−N−[5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]ベンズアミドが、このようにして172℃で溶融する淡黄色結晶固体の形で得られる。LC−MS−DAD−ELSD:468(−)/...=(M−H)(−)/...;470(+)/...=(M+H)(+)/...(1個のBrが存在)。
3−(4−ブロモベンゾイルアミノ)−5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチル:
テトラヒドロフラン20mL中3−アミノ−5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチル0.27g(0.70ミリモル)の溶液に、アルゴン雰囲気下で169mg(1.22ミリモル)の炭酸カリウム、次いで191mg(0.87ミリモル)の4−ブロモベンゾイルクロリドを加える。この反応混合物を還流温度で2時間攪拌する。次いで、反応混合物を25℃付近の温度まで冷却し、40mLの氷冷水で処理する。この混合物を連続的に60mLの酢酸エチルで抽出し、次いで40mLの酢酸エチルで2回抽出する。有機相を一緒にし、40mLの飽和食塩水で2回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、次いで減圧下(2kPa)で35℃付近の温度で濃縮乾固する。残留物を、クロマトグラフィーにより25gのシリカゲル(0.015から0.040mm)のカートリッジを用い、ジクロロメタン/メタノール混合物(容量で99/1、次いで98/2)を用いて13mL/分の流量で溶出して精製する。予想される生成物を含有する複数の画分を一緒にし、次いで減圧下(2kPa)で35℃付近の温度で濃縮乾固する。0.04gの3−(4−ブロモベンゾイルアミノ)−5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチルがこのようにして192℃で溶融する白色固体の形で得られる。
3−アミノ−5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)チエノ[2,3−c]−ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチルは、実施例8に記載されている。
(実施例10)
N−[5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]−4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)ベンズアミドの製造
メタノール8mL中の5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−3−[4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)ベンゾイルアミノ]−チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチル0.14g(232μモル)の溶液を、マイクロ波オーブンチューブに導入する。このチューブに栓をし、反応混合物に100℃付近の温度で20分間マイクロ波照射し、次いでさらに15分間2回照射する。反応混合物を減圧下(2kPa)で35℃付近の温度で濃縮乾固する。残留物を15mLのジイソプロピルエーテルに溶解し、磨砕し、燒結ガラスロートで濾過し、5mLのジイソプロピルエーテルで2回洗浄し、吸引濾過し、次いで減圧下(0.01kPa)で60℃付近の温度で乾燥する。78mgのN−[5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)ベンズアミドが、このようにして246℃で溶融する灰白色固体の形で得られる。LC−MS−DAD−ELSD:504(+)=(M+H)(+);502(−)=(M−H)(−)。
5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−3−[4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)ベンゾイルアミノ]チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチル:
391mg(1.55ミリモル)の4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)ベンゾイルクロリド塩酸塩を、ピリジン16mL中3−アミノ−5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチル0.30g(0.77ミリモル)の溶液に、アルゴン下で加える。反応混合物を25℃付近の温度で16時間攪拌し、次いでさらに294mg(1.16ミリモル)の4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)ベンゾイルクロリドを加え、攪拌を5時間続ける。次いで、反応混合物を10℃付近の温度まで冷却し、次いで50mLの水で処理する。この混合物を100mLの酢酸エチルで2回抽出する。有機相を一緒にし、中性pHまで水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、次いで減圧下(3kPa)で30℃付近の温度で濃縮乾固する。残留物を、クロマトグラフィーにより25gのシリカゲル(0.015から0.040mm)のカートリッジを用いて、ジクロロメタン/メタノール混合物(容量で98/2、次いで97/3、次いで96/4、最後に95/5)を用いて15mL/分の流量で連続的に溶出して精製する。予想される生成物を含有する複数の画分を一緒にし、次いで減圧下(3kPa)で30℃付近の温度で濃縮乾固する。0.14gの5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−3−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)ベンゾイルアミノ]チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチルがこのようにして218℃で溶融する灰白色固体の形で得られる。
3−アミノ−5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)チエノ[2,3−c]−ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチルは、実施例8に記載されている。4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)ベンゾイルクロリドは、特許WO03/066613A1号明細書に従って製造し得る。
(実施例11a及び11b)
4−(3,5−ジメチルピペラジン−1−イルメチル)−N−[5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]−ピラゾール−3−イル]ベンズアミド及び4−(3,5−ジメチルピペラジン−1−イルメチル)−N−[5−(N’−(4−クロロフェニル)−N’−メチルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]ベンズアミドの製造
40mg(108μモル)のテトラブチルアンモニウムヨージドを、次いで184mg(1.61ミリモル)のシス−2,6−ジメチルピペラジンを、ジメチルホルムアミド6mL中の、3−(4−クロロメチルベンゾイルアミノ)−5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)チエノ−[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチル及び3−(4−クロロメチルベンゾイルアミノ)−5−(N’−(4−クロロフェニル)−N’−メチルヒドラジノカルボニル)チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチルの約70:30混合物290mg(0.54ミリモル)の溶液に、アルゴン下で加える。この反応混合物を25℃付近の温度で3時間攪拌し、次いで氷、酢酸エチル及びn−ヘプタンの混合物に注ぐ。混合物を燒結ガラスロートで濾過し、吸引濾過し、風乾する。得られた固形物を5mLのメタノールに溶解し、得られた溶液をマイクロ波オーブンチューブに導入する。このチューブに栓をし、100℃付近の温度で10分間3回照射する。次いで、反応混合物を減圧下(2kPa)で40℃付近の温度で濃縮乾固する。残留物を分取LC/MS(条件B’)で精製する。130mgの4−(3,5−ジメチルピペラジン−1−イルメチル)−N−[5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]ベンズアミドが、このようにして192から202℃の間で溶融する黄色粉末の形で得られる。LC−MS−DAD−ELSD:518(+)=(M+H)(+)。
49mgの4−(3,5−ジメチルピペラジン−1−イルメチル)−N−[5−(N’−(4−クロロフェニル)−N’−メチルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]ベンズアミドが、同様にして、212℃で溶融する淡黄色粉末の形で単離される。1H NMR(300MHz、(CD3)2SO−d6、δ(ppm)):これは予想される構造をもつ塩である。
1.18(d,J=6.5Hz,6H);2.11(幅広なt,J=12.5Hz,2H);3.00(幅広なd,J=12.5Hz,2H);3.17(s,3H);3.33(幅広なm,2H);3.73(部分的に遮蔽されたm,2H);6.82(d,J=9.0Hz,2H);7.25(d,J=9.0Hz,2H);7.50(d,J=8.0Hz,2H);8.08(d,J=8.0Hz,2H);8.16(s,1H);8.20(部分的に遮蔽された幅広い多重線,2H);8.92(幅広い多重線,1H);10.8(s,1H);11.2(s,1H)。
3−(4−クロロメチルベンゾイルアミノ)−5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチル及び3−(4−クロロ−メチルベンゾイルアミノ)−5−(N’−(4−クロロフェニル)−N’−メチルヒドラジノカルボニル)−チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチル:
276mg(2.0ミリモル)の炭酸カリウム、次いでテトラヒドロフラン中4−(クロロメチル)ベンゾイルクロリドの1M溶液2.0mL(2.0ミリモル)を、テトラヒドロフラン25mL中3−アミノ−5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチル及び3−アミノ−5−(N’−(4−クロロフェニル)−N’−メチルヒドラジノカルボニル)チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチルの約70:30混合物0.39g(1.0ミリモル)の溶液に、アルゴン下で加える。この反応混合物を還流温度で2時間攪拌し、次いで25℃付近の温度まで冷却し、16時間攪拌する。次いで、これを氷冷水に注ぎ、25mLの酢酸エチルで2回抽出する。有機相を一緒にし、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、次いで減圧下(2kPa)で40℃付近の温度で濃縮乾固する。残留物を、クロマトグラフィーにより25gのシリカゲル(0.015から0.040mm)のカートリッジを用いて、ジクロロメタン/メタノール混合物(容量で98/2)を用いて10mL/分の流量で溶出して精製する。予想される生成物を含有する複数の画分を一緒にし、次いで減圧下(2kPa)で40℃付近の温度で濃縮乾固する。残留物を、クロマトグラフィーにより90gのシリカゲル(0.015から0.040mm)のカートリッジを用いて、ジクロロメタン/メタノール混合物(容量で98/2)を用いて10mL/分の流量で溶出して再精製する。予想される生成物を含有する複数の画分を一緒にし、次いで減圧下(2kPa)で40℃付近の温度で濃縮乾固する。3−(4−クロロメチルベンゾイルアミノ)−5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチル及び3−(4−クロロ−メチルベンゾイルアミノ)−5−(N’−(4−クロロフェニル)−N’−メチルヒドラジノカルボニル)−チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチルの約70:30混合物422mgが、このようにして橙色フォーム状物の形で得られる。LC−MS−DAD−ELSD及びMS−EI−CI:予想した構造(約70%;MW=539/..)及び予想したジクロロ類縁体(約30%;MW=573/...)の混合物。
1H NMR(400MHz,(CD3)2SO−d6,δ(ppm)):配座異性体の約80%から20%混合物 1.55(s,1.8H);1.64(s,7.2H);3.18(s,2.4H);3.20(s,0.6H);4.85(s,2H);6.78(t,J=7.5Hz,0.8H);6.83(d,J=8.0Hz,1.6H);6.97(t,J=8.0Hz,0.2H);7.03(d,J=8.0Hz,0.4H);7.22(t,J=8.0Hz,1.6H);7.32(t,J=8.0Hz,0.4H);7.60(d,J=8.0Hz,2H);8.11(d,J=8.0Hz,2H);8.27(s,0.2H);8.32(s,0.8H);9.90(s,0.2H);10.95(s,0.8H);11.7(s,0.2H);11.8(s,0.8H)。
3−アミノ−5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)チエノ[2,3−c]−ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチル及び3−アミノ−5−(N’−(4−クロロフェニル)−N’−メチルヒドラジノカルボニル)チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチル:
1.19g(9.74ミリモル)の4−(ジメチルアミノ)ピリジンを、次いで7.4mL(53.6ミリモル)のトリエチルアミンを、ジクロロメタン500mL中N’−メチル−N’−フェニル(3−アミノ−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール)−5−カルボヒドラジド(多量)及び3−アミノ−5−(N’−(4−クロロフェニル)−N’−メチルヒドラジノカルボニル)−チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチル(少量)の混合物14g(48.7ミリモル)の懸濁液に、アルゴン下で加える。次いで、この反応混合物を0℃付近の温度まで冷却し、次いでジクロロメタン200mL中ジカルボン酸ジtert−ブチル8.5g(39.0ミリモル)の溶液を1時間にわたって加える。次いで、反応混合物を0℃付近の温度で1時間攪拌し、次いで25℃付近の温度に加熱し、減圧下(2kPa)で40℃付近の温度で濃縮乾固する。残留物を、クロマトグラフィーにより500gのシリカゲル(0.020から0.040mm)のカラムを用いて、純ジクロロメタンで溶出し、次いでジクロロメタン/メタノール混合物(容量で99/1)で溶出して精製する。予想される生成物を含有する複数の画分を一緒にし、次いで減圧下(2kPa)で40℃付近の温度で濃縮乾固する。残留物を、クロマトグラフィーにより400gのシリカゲル(0.020から0.040mm)のカートリッジを用いて、ジクロロメタン/メタノール混合物(容量で98/2)で溶出して精製する。予想される生成物を含有する複数の画分を一緒にし、次いで減圧下(2kPa)で40℃付近の温度で濃縮乾固する。3−アミノ−5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチル及び3−アミノ−5−(N’−(4−クロロフェニル)−N’−メチルヒドラジノカルボニル)チエノ[2,3−c]−ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチルの約70:30の混合物7.0gが、このようにしてベージュ色固体の形で得られる。LC−MS−DAD−ELSD:予想される構造を有する混合物(推定純度70%):388(+)=(M+H)(+)。
N’−メチル−N’−フェニル(3−アミノ−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール)−5−カルボヒドラジド:
テトラヒドロフラン中ヒドラジンの1M溶液650mL(650ミリモル)を、エタノール900mL中N’−メチル−N’−フェニル(4−シアノ−5−メタンスルフィニルチオフェン)−2−カルボヒドラジド(多量)、N’−メチル−N’−フェニル(4−シアノ−5−メタンスルホニルチオフェン)−2−カルボヒドラジド(少量)、N’−(4−クロロフェニル)−N’−メチル(4−シアノ−5−メタンスルフィニルチオフェン)−2−カルボヒドラジド(多量)及びN’−(4−クロロフェニル)−N’−メチル(4−シアノ−5−メタンスルホニルチオフェン)−2−カルボヒドラジド(少量)の混合物29.6g(45.2ミリモル)の溶液に、アルゴン下で、20分間にわたって加える。この反応混合物を50℃付近の温度で16時間加熱し、次いで25℃付近の温度まで冷却し、減圧下(2kPa)で40℃付近の温度で濃縮乾固する。残留物を1Lのエタノールに溶解し、20mL(240ミリモル)の12N塩酸溶液を25℃付近の温度で攪拌しながら加える。反応混合物を25℃付近の温度で1.75時間攪拌し、次いで20mL(240ミリモル)の12N塩酸を加える。反応混合物を25℃付近の温度で1.5時間攪拌し、次いで濾過し、固形物を200mLのエタノールで2回洗浄する。濾液を減圧下(2kPa)で40℃付近の温度で濃縮乾固する。残留物を、クロマトグラフィーにより500gのシリカゲル(0.020から0.040mm)のカラムを用いて、ジクロロメタン/メタノール混合物(容量で90/10)で溶出し、次いでジクロロメタン/メタノール/28%アンモニア水の混合物(容量で77/20/3)で溶出して精製する。予想される生成物を含有する複数の画分を一緒にし、次いで減圧下(2kPa)で40℃付近の温度で濃縮乾固する。残留物を200mLの酢酸エチルに溶解し、再結晶する。得られた固体を濾過し、吸引濾過し、デシケーター中で、減圧下で乾燥する。母液は減圧下(2kPa)で40℃付近の温度で濃縮乾固する。残留物を、クロマトグラフィーによりのシリカゲル(0.020から0.040mm)のカラムを用いて、ジクロロメタン/メタノール/28%アンモニア水の混合物(容量で77/20/3)で溶出して精製する。予想される生成物を含有する複数の画分を一緒にし、次いで減圧下(2kPa)で40℃付近の温度で濃縮乾固する。残留物を酢酸エチルに溶解し、磨砕し、次いで上記と同じ条件下で再度濃縮乾固する。14gのN’−メチル−N’−フェニル(3−アミノ−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール)−5−カルボヒドラジド(多量)及びN’−(4−クロロフェニル)−N’−メチル(3−アミノ−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール)−5−カルボヒドラジド(少量)が、このようにして褐色フォーム状物の形で得られ、この生成物を直接に次の工程で使用する。
N’−メチル−N’−フェニル(4−シアノ−5−メタンスルフィニルチオフェン)−2−カルボヒドラジド; N’−メチル−N’−フェニル(4−シアノ−5−メタンスルホニルチオフェン)−2−カルボヒドラジド; N’−(4−クロロフェニル)−N’−メチル(4−シアノ−5−メタンスルフィニルチオフェン)−2−カルボヒドラジド; N’−(4−クロロフェニル)−N’−メチル(4−シアノ−5−メタンスルホニルチオフェン)−2−カルボヒドラジド:
テトラヒドロフラン1.0mL中のN’−メチル−N’−フェニル(4−シアノ−5−メチルスルファニルチオフェン)−2−カルボヒドラジド27.4g(90.3ミリモル)の溶液に、アルゴン下で、83.3g(135.5ミリモル)のOxone(登録商標)(ペルオキシ一硫酸カリウム)を5分間にわたって加え、次いで100mLの水を加える。反応混合物を25℃付近の温度で2.5時間攪拌し、次いで硫酸マグネシウムで濾過する。固形物をテトラヒドロフランで2回洗浄し、濾液を減圧下(2kPa)で40℃付近の温度で濃縮乾固する。残留物を500mLの酢酸エチルに溶解し、二相を静置することによって分離し、水性相を500mLの酢酸エチルで抽出する。有機相を一緒にし、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、次いで減圧下(2kPa)で40℃付近の温度で濃縮乾固する。N’−メチル−N’−フェニル(4−シアノ−5−メタンスルフィニルチオフェン)−2−カルボヒドラジド(多量)、N’−メチル−N’−フェニル(4−シアノ−5−メタンスルホニルチオフェン)−2−カルボヒドラジド(少量)、N’−(4−クロロフェニル)−N’−メチル(4−シアノ−5−メタンスルフィニルチオフェン)−2−カルボヒドラジド(多量)及びN’−(4−クロロフェニル)−N’−メチル(4−シアノ−5−メタンスルホニルチオフェン)−2−カルボヒドラジド(少量)の混合物29.4gが、このようにして褐色フォーム状物の形で得られ、生成物は直接、次の工程で使用する。LC/MS:4ピークRT=3.11分。M+H+:320.06;RT=3.33分。M+H+:353.99(1Cl);RT=3.53分。M+H+:336.04;RT=3.88分。M+H+369.97(1Cl).
N’−メチル−N’−フェニル(4−シアノ−5−メチルスルファニルチオフェン)−2−カルボヒドラジド:
600mLのトルエンに希釈した、トルエン中の2Mトリメチルアルミニウム溶液100.3mL(200.6ミリモル)を、トルエン300mL中の1−メチル−1−フェニルヒドラジン24.6mL(200.6ミリモル)の溶液に、25℃付近の温度及びアルゴン下で、温度を25℃以下に保ちながら加える。反応混合物を25℃付近の温度で攪拌し、次いで39.3g(172.9ミリモル)の4−シアノ−5−メチルスルファニルチオフェン−2−カルボン酸エチルをスパチュラで加える。この反応混合物を80℃付近の温度で4時間加熱し、次いで25℃付近の温度まで冷却し、16時間攪拌する。次いで、これを0℃付近の温度まで冷却し、1Lの1N塩酸を加える。生成した懸濁液を10℃付近の温度で1時間攪拌し、次いで濾過する。沈殿物を吸引濾過し、換気した排気フード中で1.5日間乾燥し、次いでデシケーター中で、減圧下(2kPa)で4時間乾燥する。濾液の二相を静置することによって分離し、水性相を500mLの酢酸エチルで抽出する。有機相を一緒にし、500mLの飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、次いで減圧下(2kPa)で40℃付近の温度で濃縮乾固する。29.1gのN’−メチル−N’−フェニル(4−シアノ−5−メチルスルファニルチオフェン)−2−カルボヒドラジドが、このようにして黄褐色粉末の形で得られる。MS−EI:303(+)=M(+)。
4−シアノ−5−メチルスルファニルチオフェン−2−カルボン酸エチルは実施例8に記載されている。
(実施例12a及び12b)
4−(4−メチルペルヒドロ−1,4−ジアゼピン−1−イルメチル)−N−[5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]−ピラゾール−3−イル]ベンズアミド及び4−(4−メチルペルヒドロ−1,4−ジアゼピン−1−イルメチル)−N−[5−(N’−(4−クロロフェニル)−N’−メチルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]−ピラゾール−3−イル]ベンズアミドの製造
27mg(74μモル)のテトラブチルアンモニウムヨージド、次いで138μL(1.11ミリモル)のN−メチル−ホモピペラジンを、ジメチルホルムアミド6mL中の、3−(4−クロロメチルベンゾイルアミノ)−5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチル及び3−(4−クロロメチルベンゾイルアミノ)−5−(N’−(4−クロロフェニル)−N’−メチルヒドラジノカルボニル)チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチルの約70:30混合物200mg(0.37ミリモル)の溶液に、アルゴン下で加える。反応混合物を25℃付近の温度で16時間攪拌し、次いで氷で処理する。次いで、これを酢酸エチルで抽出し、ジクロロメタンで2回抽出する。有機抽出液を一緒にし、減圧下(2kPa)で40℃付近の温度で濃縮乾固する。残留物を3mLのメタノールに溶解し、得られた溶液をマイクロ波オーブンチューブに導入する。このチューブに栓をし、反応混合物に100℃付近の温度で30分間マイクロ波照射する。次いで、反応混合物を減圧下(2kPa)で40℃付近の温度で濃縮乾固する。残留物を分取LC/MS(1回注入:条件B’;3回注入:条件B)で精製する。53mgの4−(4−メチルペルヒドロ−l,4−ジアゼピン−1−イルメチル)−N−[5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]ベンズアミドが、このようにして黄色粉末の形で得られる。LC−MS−DAD−ELSD:516(−)=(M−H)(−);518(+)=(M+H)(+)。
20mgの4−(4−メチルペルヒドロ−1,4−ジアゼピン−1−イルメチル)−N−[5−(N’−(4−クロロフェニル)−N’−メチルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]ベンズアミドが、同様にして、162℃で溶融する淡黄色結晶質粉末の形で得られる。
1H NMR(300MHz,(CD3)2SO−d6,δ(ppm)):これは予想された構造をもつ塩である、2.08(幅広なm,2H);2.84(s,3H);3.18(s,3H);2.93から4.51(部分的に遮蔽されたm,10H);6.82(d,J=9.0Hz,2H);7.24(d,J=9.0Hz,2H);7.63(幅広なd,J=8.0Hz,2H);8.14(d,J=8.0Hz,2H);8.17(s,1H);8.22(部分的に遮蔽された幅広い多重線,1H);10.0(非常に幅広いm,1H);10.8(s,1H);11.3(s,1H)。
3−(4−クロロメチルベンゾイルアミノ)−5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチル及び3−(4−クロロメチルベンゾイルアミノ)−5−(N’−(4−クロロフェニル)−N’−メチル−ヒドラジノカルボニル)チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチルの約70:30混合物は、実施例11に記載されている。
(実施例13a及び13b)
N−[5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]−4−ピペラジン−1−イルメチルベンズアミド及びN−{5−[N’−(4−クロロフェニル)−N’−メチルヒドラジノカルボニル]−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル}−4−ピペラジン−1−イルメチルベンズアミドの製造
27mg(74μモル)のテトラブチルアンモニウムヨージド、次いで96mg(1.11ミリモル)のピペラジンを、ジメチルホルムアミド6mL中の、3−(4−クロロメチルベンゾイルアミノ)−5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチル及び3−(4−クロロメチルベンゾイルアミノ)−5−(N’−(4−クロロフェニル)−N’−メチルヒドラジノカルボニル)チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチルの約70:30混合物200mg(0.37ミリモル)の溶液に、アルゴン下で加える。この反応混合物を25℃付近の温度で16時間攪拌し、次いで氷で処理する。次いで、これを酢酸エチルで抽出し、次いでジクロロメタンで2回抽出する。有機抽出液を一緒にし、次いで減圧下(2kPa)で40℃付近の温度で濃縮乾固する。残留物を3mLのメタノールに溶解し、得られた溶液をマイクロ波オーブンチューブに導入する。このチューブに栓をし、反応混合物に100℃付近の温度で30分間2回マイクロ波照射する。次いで、反応混合物を減圧下(2kPa)で40℃付近の温度で濃縮乾固する。残留物を分取LC/MS(条件B)で精製する。83mgのN−[5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]−4−ピペラジン−1−イルメチルベンズアミドが、このようにして176℃で溶融する黄色粉末の形で得られる。LC−MS−DAD−ELSD:490(+)=M(+H)(+)。
34mgのN−{5−[N’−(4−クロロフェニル)−N’−メチルヒドラジノカルボニル]−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル}−4−ピペラジン−1−イルメチルベンズアミドが、同様にして、180℃で溶融する橙色粉末の形で得られる。LC−MS−DAD−ELSD:524(+)/...=(M+H)(+)/...(1Cl)
3−(4−クロロメチルベンゾイルアミノ)−5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチル及び3−(4−クロロメチルベンゾイルアミノ)−5−(N’−(4−クロロフェニル)−N’−メチルヒドラジノカルボニル)チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチルの約70:30混合物は、実施例11に記載されている。
(実施例14a及び14b)
N−[5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]−4−(3−メチルピペラジン−1−イルメチル)ベンズアミド及びN−{5−[N’−(4−クロロフェニル)−N’−メチルヒドラジノカルボニル]−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル}−4−(3−メチルピペラジン−1−イル−メチル)ベンズアミドの製造
27mg(74μモル)のテトラブチルアンモニウムヨージド、次いで111mg(1.11ミリモル)の2−メチルピペラジンを、ジメチルホルムアミド6mL中の、3−(4−クロロメチルベンゾイルアミノ)−5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチル及び3−(4−クロロメチルベンゾイルアミノ)−5−(N’−(4−クロロフェニル)−N’−メチルヒドラジノカルボニル)チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチルの約70:30混合物200mg(0.37ミリモル)の溶液に、アルゴン下で加える。この反応混合物を25℃付近の温度で16時間攪拌し、次いで氷で処理する。次いで、これを酢酸エチルで抽出し、次いでジクロロメタンで2回抽出する。有機抽出液を一緒にし、次いで減圧下(2kPa)で40℃付近の温度で濃縮乾固する。残留物を3mLのメタノールに溶解し、得られた溶液をマイクロ波オーブンチューブに導入する。このチューブに栓をし、反応混合物に100℃付近の温度で30分間マイクロ波照射する。次いで、反応混合物を減圧下(2kPa)で40℃付近の温度で濃縮乾固する。残留物を、クロマトグラフィーにより12gのシリカゲル(0.035から0.060mm)のカートリッジを用いて、最初にジクロロメタン/メタノール混合物の勾配(容量で100/0から98/2)で溶出し、次いでジクロロメタン/メタノール/28%水性アンモニアの混合物(容量で12/3/0.5)で20mL/分の流量で溶出して精製する。予想される生成物を含有する複数の画分を一緒にし、次いで減圧下(2kPa)で40℃付近の温度で濃縮乾固する。残留物を分取LC/MS(条件B)で精製する。85mgのN−[5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]−4−(3−メチルピペラジン−1−イルメチル)ベンズアミドが、このようにして176から186℃で溶融する黄色粉末の形で得られる。LC−MS−DAD−ELSD:504(+)=(M+H)(+)。
8mgのN−{5−[N’−(4−クロロフェニル)−N’−メチルヒドラジノカルボニル]−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル}−4−(3−メチルピペラジン−1−イルメチル)ベンズアミドが、同様の方法で、189から195℃で溶融する黄色固体の形で得られる。LC−MS−DAD−ELSD:538(+)/...=(M+H)(+)/...(1Cl)。
3−(4−クロロメチルベンゾイルアミノ)−5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチル及び3−(4−クロロメチルベンゾイルアミノ)−5−(N’−(4−クロロフェニル)−N’−メチル−ヒドラジノカルボニル)チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチルの約70:30混合物は、実施例11に記載されている。
(実施例15a及び15b)
4−ジエチルアミノメチル−N−[5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]ベンズアミド・トリフルオロ酢酸塩及びN−{5−[N’−(4−クロロフェニルI)−N’−メチルヒドラジノカルボニル]−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル}−4−ジエチルアミノメチルベンズアミドの製造
14mg(37μモル)のテトラブチルアンモニウムヨージド、次いで61mg(0.56ミリモル)のジエチルアミン塩酸塩及び77mg(0.56ミリモル)の炭酸カリウムを、アルゴン下で、ジメチルホルムアミド1.5mL中の、3−(4−クロロメチルベンゾイルアミノ)−5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチル及び3−(4−クロロメチルベンゾイルアミノ)−5−(N’−(4−クロロ−フェニル)−N’−メチルヒドラジノカルボニル)チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチルの約70:30混合物100mg(0.19ミリモル)の溶液に加える。この反応混合物を25℃付近の温度で80時間攪拌し、次いで氷で処理する。次いで、これを酢酸エチル及びヘプタンの50/50混合物(v/v)で2回抽出する。有機抽出液を一緒にし、硫酸マグネシウムで乾燥し、次いで減圧下(2kPa)で40℃付近の温度で濃縮乾固する。残留物を5mLのメタノールに溶解し、得られた溶液をマイクロ波オーブンチューブに導入する。このチューブに栓をし、反応混合物に100℃付近の温度で30分間マイクロ波照射する。次いで、反応混合物を減圧下(2kPa)で40℃付近の温度で濃縮乾固する。残留物を分取LC/MS(条件B)で精製する。40mgの4−ジエチルアミノメチル−N−[5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]ベンズアミド・トリフルオロ酢酸塩が、このようにして158から170℃で溶融する黄色粉末の形で得られる。
1H NMR(300MHz,(CD3)2SO−d6,δ(ppm)):回転異性体の80%から20%混合物の観察、1.25(t,J=7.0Hz,6H);3.11(m,4H);3.18(s,3H);4.41(d,J=5.5Hz,2H);6.77(t,J=7.5Hz,0.8H);6.82(d,J=8.0Hz,1.6H);6.94(t,J=7.5Hz,0.2H);7.02(d,J=8.0Hz,0.4H);7.22(t,J=8.0Hz,1.8H);7.31(t,J=8.0Hz,0.2H);7.69(幅広なd,J=8.0Hz,2H);8.17(部分的に遮蔽されたd,J=8.0Hz,2H);8.18(s,1H);9.51(幅広い多重線,1H);9.71(s,0.2H);10.75(s,0.8H);11.25(幅広なs,0.2H);11.35(幅広なs,0.8H);13.0(非常に幅広いm,1H)。
14mgのN−{5−[N’−(4−クロロフェニル)−N’−メチルヒドラジノカルボニル]−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル}−4−ジエチルアミノメチルベンズアミドが、同様にして170から178℃で溶融する黄色固体の形で得られる。LC−MS−DAD−ELSD:511(+)/...=(M+H)(+)/...(1Cl)。
3−(4−クロロメチルベンゾイルアミノ)−5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチル及び3−(4−クロロメチルベンゾイルアミノ)−5−(N’−(4−クロロフェニル)−N’−メチルヒドラジノカルボニル)チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチルの約70:30混合物は、実施例11に記載されている。
(実施例16a及び16b)
N−[5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]−3−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)ベンズアミド及びN−[5−(N’−(4−クロロフェニル)−N’−メチルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]−3−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)ベンズアミドの製造
メタノール4mL中の、5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−3−[3−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイルアミノ]チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチル及び5−(N’−(4−クロロフェニル)−N’−メチルヒドラジノカルボニル)−3−[3−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)ベンゾイルアミノ]チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチルの約70:30混合物0.07g(116μモル)の溶液をマイクロ波オーブンチューブに導入する。このチューブに栓をし、反応混合物に100℃付近の温度で30分間マイクロ波照射する。次いで、反応混合物を減圧下(2kPa)で40℃付近の温度で濃縮乾固する。残留物を分取LC/MS(条件B)で精製する。70mgのN−[5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]−3−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)ベンズアミドが、このようにして149から156℃で溶融する黄色粉末の形で得られる。LC−MS−DAD−ELSD:502(−)=(M−H)(−);504(+)−(M+H)(+)。
29mgのN−[5−(N’−(4−クロロフェニル)−N’−メチルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]−3−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)ベンズアミドが、同様にして、149から159℃で溶融する淡黄色粉末の形で得られる。
1H NMR(400MHz,(CD3)2SO−d6,δ(ppm)):2.43(部分的に遮蔽された幅広い多重線,2H);2.79(s,3H);3.03(幅広い多重線,2H);3.17(s,3H);3.25から3.88(部分的に遮蔽されたm,4H);3.74(幅広なs,2H);6.82(d,J=9.0Hz,2H);7.25(d,J=9.0Hz,2H);7.54(t,J=8.0Hz,1H);7.57(d,J=8.0Hz,1H);8.01(部分的に遮蔽されたd,J=8.0Hz,1H);8.02(s,1H);8.18(s,1H);9.50(非常に幅広いm,1H);10.8(s,1H);11.25(s,1H)。
5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−3−[3−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)ベンゾイルアミノ]チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチル及び5−(N’−(4−クロロフェニル)−N’−メチルヒドラジノカルボニル)−3−[3−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)ベンゾイルアミノ]チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチル:
テトラヒドロフラン15mL中の、3−アミノ−5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチル及び3−アミノ−5−(N’−(4−クロロフェニル)−N’−メチルヒドラジノカルボニル)チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチルの約70:30混合物0.20g(0.52ミリモル)の溶液に、アルゴン下で、143mg(1.03ミリモル)の炭酸カリウム及び261mg(1.03ミリモル)の3−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)ベンゾイルクロリド塩酸塩を加える。この反応混合物を25℃付近の温度で16時間攪拌し、次いで3時間還流した。さらに261mg(1.03ミリモル)の3−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)ベンゾイルクロリド塩酸塩を加え、攪拌を還流温度で4時間続け、次いで25℃付近の温度で16時間続ける。さらに143mg(1.03ミリモル)の炭酸カリウムを加え、攪拌を還流温度で4時間続け、次いで25℃付近の温度で16時間続ける。次いで、反応混合物を25℃付近の温度まで冷却し、次いで氷冷水に注ぐ。混合物を酢酸エチルで抽出した。有機相を一緒にし、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、次いで減圧下(2kPa)で40℃付近の温度で濃縮乾固する。残留物を、クロマトグラフィーにより70gのシリカゲル(0.015−0.040mm)のカートリッジを用いて、ジクロロメタン/メタノール混合物(容量で95/5、次いで99/1)を用いて40mL/分の流量で連続的に溶出して精製する。予想される生成物を含有する複数の画分を一緒にし、次いで減圧下(2kPa)で40℃付近の温度で濃縮乾固する。5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−3−[3−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)ベンゾイルアミノ]チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチル及び5−(N’−(4−クロロフェニル)−N’−メチルヒドラジノカルボニル)−3−[3−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)ベンゾイルアミノ]チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチルの約70:30混合物0.07gが、このようにして白色粉末の形で得られ、この生成物を直接に次の工程で使用する。LC−MS−DAD−ELSD:主生成物604(+)=(M+H)(+);602(−)=(M−H)(−)。
3−アミノ−5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチル及び3−アミノ−5−(N’−(4−クロロフェニル)−N’−メチルヒドラジノカルボニル)チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチルの約70:30混合物は、実施例11に記載されている。3−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)ベンゾイルクロリド塩酸塩は、特許WO03/066613A1号明細書に従って製造し得る。
(実施例17a及び17b)
N−[5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]−4−ピペリジン−1−イルメチルベンズアミド及びN−[5−(N’−(4−クロロフェニル)−N’−メチルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]−ピラゾール−3−イル]−4−ピペリジン−1−イルメチルベンズアミドの製造
27mg(74μモル)のテトラブチルアンモニウムヨージド、次いで110μL(1.11ミリモル)のピペリジンを、ジメチルホルムアミド6mL中の、3−(4−クロロメチルベンゾイルアミノ)−5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチル及び3−(4−クロロメチルベンゾイルアミノ)−5−(N’−(4−クロロフェニル)−N’−メチルヒドラジノカルボニル)チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチルの約70:30混合物200mg(0.37ミリモル)の溶液に、アルゴン下で加える。この反応混合物を25℃付近の温度で16時間攪拌し、次いで氷の上に注ぐ。次いで、酢酸エチル及びヘプタンの50/50混合物で2回抽出する。有機抽出液を一緒にし、硫酸マグネシウムで乾燥し、次いで減圧下(2kPa)で40℃付近の温度で濃縮乾固する。残留物を4mLのメタノールに溶解し、得られた溶液をマイクロ波オーブンチューブに導入する。このチューブに栓をし、反応混合物に100℃付近の温度で30分間マイクロ波照射する。次いで、反応混合物を減圧下(2kPa)で40℃付近の温度で濃縮乾固する。残留物を分取LC/MS(条件B)で精製する。75mgのN−[5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]−4−ピペリジン−1−イルメチル−ベンズアミドが、このようにして170から182℃で溶融する黄色粉末の形で得られる。LC−MS−DAD−ELSD:487(−)=(M−H)(−);489(+)=(M+H)(+)。
5mgのN−[5−(N’−(4−クロロフェニル)−N’−メチルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]−4−ピペリジン−1−イルメチルベンズアミドが、同様にして淡黄色粉末の形で得られる。LC−MS−DAD−ELSD:523(+)/....=(M+H)(+)/...(1Cl)。
3−(4−クロロメチルベンゾイルアミノ)−5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチル及び3−(4−クロロメチルベンゾイルアミノ)−5−(N’−(4−クロロフェニル)−N’−メチルヒドラジノカルボニル)チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチルの約70:30混合物は、実施例11に記載されている。
(実施例18a及び18b)
N−[5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]−4−ピロリジン−1−イルメチルベンズアミド及びN−[5−(N’−(4−クロロフェニル)−N’−メチルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]−4−ピロリジン−1−イルメチルベンズアミドの製造
27mg(74μモル)のテトラブチルアンモニウムヨージド、次いで93μL(1.11ミリモル)のピロリジンを、ジメチルホルムアミド6mL中の、3−(4−クロロメチルベンゾイルアミノ)−5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチル及び3−(4−クロロメチルベンゾイルアミノ)−5−(N’−(4−クロロフェニル)−N’−メチルヒドラジノカルボニル)チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチルの約70:30混合物200mg(0.37ミリモル)の溶液に、アルゴン下で加える。この反応混合物を25℃付近の温度で16時間攪拌し、次いで氷の上に注ぐ。次いで、酢酸エチル及びヘプタンの50/50混合物で2回抽出する。有機抽出液を一緒にし、硫酸マグネシウムで乾燥し、次いで減圧下(2kPa)で40℃付近の温度で濃縮乾固する。残留物を4mLのメタノールに溶解し、得られた溶液をマイクロ波オーブンチューブに導入する。このチューブに栓をし、反応混合物に100℃付近の温度で30分間マイクロ波照射する。次いで、反応混合物を減圧下(2kPa)で40℃付近の温度で濃縮乾固する。残留物を分取LC/MS(条件B)で精製する。25mgのN−[5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]−4−ピロリジン−1−イルメチルベンズアミドが、このようにして172から178℃で溶融する黄色粉末の形で得られる。LC−MS−DAD−ELSD:475(+)=(M+H)(+)。
18mgのN−[5−(N’−(4−クロロフェニル)−N’−メチルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]−4−ピロリジン−1−イルメチルベンズアミドが、同様にして、170から179℃で溶融する淡黄色粉末の形で単離される。1H NMR(400MHz,(CD3)2SO−d6,δ(ppm)):これは、予想された構造の塩である。
1.87(m,2H);2.05(m,2H);3.13(m,2H);3.18(s,3H);3.40(m,2H);4.45(d,J=4.5Hz,2H);6.82(d,J=9.0Hz,2H);7.25(d,J=9.0Hz,2H);7.68(d,J=8.0Hz,2H);8.16(d,J=8.0Hz,2H);8.18(s,1H);9.85(幅広い多重線,1H);10.85(s,1H);11.35(幅広なs,1H);13.0(非常に幅広いm,1H)。
3−(4−クロロメチルベンゾイルアミノ)−5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチル及び3−(4−クロロメチルベンゾイルアミノ)−5−(N’−(4−クロロフェニル)−N’−メチルヒドラジノカルボニル)チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチルの約70:30混合物は、実施例11に記載されている。
(実施例19)
4−アゼチジン−1−イルメチル−N−[5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]ベンズアミドの製造
27mg(74μモル)のテトラブチルアンモニウムヨージド、次いで75μL(1.11ミリモル)のアゼチジンを、ジメチルアミド6mL中の、3−(4−クロロメチルベンゾイルアミノ)−5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチル及び3−(4−クロロメチルベンゾイルアミノ)−5−(N’−(4−クロロフェニル)−N’−メチルヒドラジノカルボニル)チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチルの約70:30混合物200mg(0.37ミリモル)の溶液に、アルゴン下で加える。この反応混合物を25℃付近の温度で16時間攪拌し、次いで氷の上に注ぐ。次いで、酢酸エチル及びヘプタンの50/50混合物で2回抽出する。有機抽出液を一緒にし、硫酸マグネシウムで乾燥し、次いで減圧下(2kPa)で40℃付近の温度で濃縮乾固する。残留物を4mLのメタノールに溶解し、得られた溶液をマイクロ波オーブンチューブに導入する。このチューブに栓をし、反応混合物に100℃付近の温度で30分間マイクロ波照射する。次いで、反応混合物を減圧下(2kPa)で40℃付近の温度で濃縮乾固する。残留物を分取LC/MS(条件B)で精製する。3mgの4−アゼチジン−1−イルメチル−N−[5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]ベンズアミドが、このようにして155から160℃で溶融する黄色粉末の形で得られる。LC−MS−DAD−ELSD:461(+)=(M+H)(+)。
3−(4−クロロメチルベンゾイルアミノ)−5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチル及び3−(4−クロロメチルベンゾイルアミノ)−5−(N’−(4−クロロフェニル)−N’−メチルヒドラジノカルボニル)チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチルの約70:30混合物は、実施例11に記載されている。
(実施例20a及び20b)
4−{[(2−ジメチルアミノエチル)メチルアミノ]メチル}−N−[5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]ベンズアミド及びN−{5−[N’−(4−クロロフェニル)−N’−メチルヒドラジノカルボニル]−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル}−4−{[(2−ジメチルアミノエチル)メチルアミノ]メチル}ベンズアミドの製造
27mg(74μモル)のテトラブチルアンモニウムヨージド、次いで144μL(1.11ミリモル)のN,N,N’−トリメチルエチレンジアミンを、ジメチルホルムアミド6mL中の、3−(4−クロロメチルベンゾイルアミノ)−5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチル及び3−(4−クロロメチルベンゾイルアミノ)−5−(N’−(4−クロロフェニル)−N’−メチルヒドラジノカルボニル)チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチルの約70:30混合物200mg(0.37ミリモル)の溶液に、アルゴン下で加える。この反応混合物を25℃付近の温度で16時間攪拌し、次いで氷の上に注ぐ。次いで、酢酸エチル及びヘプタンの50/50混合物で2回抽出する。有機抽出液を一緒にし、硫酸マグネシウムで乾燥し、次いで減圧下(2kPa)で40℃付近の温度で濃縮乾固する。残留物を4mLのメタノールに溶解し、得られた溶液をマイクロ波オーブンチューブに導入する。このチューブに栓をし、反応混合物に100℃付近の温度で30分間マイクロ波照射する。次いで、反応混合物を減圧下(2kPa)で40℃付近の温度で濃縮乾固する。残留物を分取LC/MS(条件B)で精製する。40mgの4−{[(2−ジメチルアミノエチル)メチルアミノ]メチル}−N−[5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]ベンズアミドが、このようにして黄色粉末の形で得られる。LC−MS−DAD−ELSD:506(+)=(M+H)(+)。
26mgのN−{5−[N’−(4−クロロフェニル)−N’−メチルヒドラジノカルボニル]−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル}−4−{[(2−ジメチルアミノエチル)メチルアミノ]メチル}ベンズアミドが、同様にして無色樹脂の形で単離される。
1H NMR(400MHz,(CD3)2SO−d6,δ(ppm)):2.44(部分的に遮蔽された幅広い多重線,7H);2.82(s,6H);3.17(s,3H);3.37(幅広なm,2H);6.82(d,J=9.0Hz,2H);7.25(d,J=9.0Hz,2H);7.60(幅広なd,J=8.0Hz,2H);8.12(d,J=8.0Hz,2H);8.18(s,1H);10.85(s,1H);11.25(幅広なs,1H);13.0(非常に幅広いm,1H)。
3−(4−クロロメチルベンゾイルアミノ)−5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチル及び3−(4−クロロメチルベンゾイルアミノ)−5−(N’−(4−クロロフェニル)−N’−メチルヒドラジノカルボニル)チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチルの約70:30混合物は、実施例11に記載されている。
(実施例21a及び21b)
N−[5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]−4−ペルヒドロ−1,4−オキサアゼピン−4−イルメチルベンズアミド及びN−{5−[N’−(4−クロロフェニル)−N’−メチルヒドラジノカルボニル]−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル}−4−ペルヒドロ−1,4−オキサアゼピン−4−イルメチルベンズアミドの製造
27mg(74μモル)のテトラブチルアンモニウムヨージド、153mg(1.11ミリモル)のホモモルホリン塩酸塩及び153mg(1.11ミリモル)の炭酸カリウムを、ジメチルホルムアミド6mL中の、3−(4−クロロメチルベンゾイルアミノ)−5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチル及び3−(4−クロロメチルベンゾイルアミノ)−5−(N’−(4−クロロフェニル)−N’−メチルヒドラジノカルボニル)チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチルの約70:30混合物200mg(0.37ミリモル)の溶液に、アルゴン下で連続的に加える。この反応混合物を25℃付近の温度で16時間攪拌し、次いで氷の上に注ぐ。次いで、酢酸エチル及びヘプタンの50/50混合物で2回抽出する。有機抽出液を一緒にし、硫酸マグネシウムで乾燥し、次いで減圧下(2kPa)で40℃付近の温度で濃縮乾固する。残留物を4mLのメタノールに溶解し、得られた溶液をマイクロ波オーブンチューブに導入する。このチューブに栓をし、反応混合物に100℃付近の温度で30分間マイクロ波照射する。次いで、反応混合物を減圧下(2kPa)で40℃付近の温度で濃縮乾固する。残留物を分取LC/MS(条件B)で精製する。34mgのN−[5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]−4−ペルヒドロ−1,4−オキサアゼピン−4−イル−メチルベンズアミドが、このようにして174から179℃で溶融する黄色粉末の形で得られる。LC−MS−DAD−ELSD:505(+)=(M+H)(+)。
38mgのN−{5−[N’−(4−クロロフェニル)−N’−メチルヒドラジノカルボニル]−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル}−4−ペルヒドロ−1,4−オキサアゼピン−4−イルメチルベンズアミドが、同様にして黄色粉末の形で単離される。1H NMR(400MHz,(CD3)2SO−d6,δ(ppm)):これは予測された構造の塩である。3.13から4.07(m,8H);3.18(s,3H);4.50(幅広なs,2H);6.82(d,J=9.0Hz,2H);7.25(d,J=9.0Hz,2H);7.70(幅広なd,J=8.0Hz,2H);8.17(部分的に遮蔽されたd,J=8.0Hz,2H);8.18(s,1H);9.75(幅広い多重線,1H);10.85(s,1H);11.3(s,1H);12.95(非常に幅広いm,1H)。
3−(4−クロロメチルベンゾイルアミノ)−5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチル及び3−(4−クロロメチルベンゾイルアミノ)−5−(N’−(4−クロロフェニル)−N’−メチルヒドラジノカルボニル)チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチルの約70:30混合物は、実施例11に記載されている。
(実施例22a及び22b)
N−[5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]−3−モルホリン−4−イルメチルベンズアミド及びN−{5−[N’−(4−クロロフェニル)−N’−メチルヒドラジノカルボニル]−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル}−3−モルホリン−4−イルメチルベンズアミドの製造
メタノール4mL中の、5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−3−(3−モルホリン−4−イルメチルベンゾイルアミノ)チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチル及び5−(N’−(4−クロロフェニル)−N’−メチルヒドラジノカルボニル)−3−(3−モルホリン−4−イルメチルベンゾイルアミノ)チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチルの約70:30混合物257mg(0.44ミリモル)の溶液を、マイクロ波オーブンチューブに導入する。このチューブに栓をし、反応混合物に100℃付近の温度で30分間マイクロ波照射する。次いで、反応混合物を減圧下(2kPa)で40℃付近の温度で濃縮乾固する。残留物を分取LC/MS(条件B)で精製する。105mgのN−[5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]−3−モルホリン−4−イルメチルベンズアミドが、このようにして168から178℃で溶融する黄色粉末の形で得られる。1H NMR(400MHz,(CD3)2SO−d6,δ(ppm)):配座異性体の80%から20%混合物を有する予想された構造の塩の観察:3.16(部分的に遮蔽された幅広なm,2H);3.18(s,3H);3.32(幅広なm,2H);3.63(幅広なm,2H);3.98(m,2H);4.44(幅広なs,2H);6.77(t,J=7.5Hz,0.8H);6.82(d,J=8.0Hz,1.6H);6.94(t,J=8.0Hz,0.2H);7.02(d,J=8.0Hz,0,4H);7.22(t,J=8.0Hz,1.6H);7.31(d,J=8.0Hz,0.4H);7.66(t,J=8.0Hz,1H);7.74(d,J=8.5Hz,1H);8.15(m,3H);9.70(s,0.2H);10.0(幅広い多重線,1H);10.75(s,0.8H);11.25(s,0.2H);11.35(s,0.8H);12.95(非常に幅広いm,1H)。
34mgのN−{5−[N’−(4−クロロフェニル)−N’−メチルヒドラジノカルボニル]−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル}−3−モルホリン−4−イルメチルベンズアミドが、同様にして黄色粉末の形で単離される。1H NMR(400MHz,(CD3)2SO−d6,δ(ppm)):これは、予想された構造の塩である。3.07から3.55(部分的に遮蔽されたm,4H);3.18(s,3H);3.63(幅広なt,J=12.5Hz,2H);3.99(幅広なd,J=12.5Hz,2H);4.44(幅広なs,2H);6.82(d,J=9.0Hz,2H);7.25(d,J=9.0Hz,2H);7.60から7.76(m,2H);8.17(m,3H);9.90(幅広い多重線,1H);10.8(s,1H);11.3(幅広なs,1H);13.0(非常に幅広いm,1H)。
5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−3−[3−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)ベンゾイルアミノ]チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸及び5−(N’−(4−クロロフェニル)−N’−メチルヒドラジノカルボニル)−3−[3−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)ベンゾイルアミノ]チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチル:
テトラヒドロフラン15mL中の、3−アミノ−5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチル及び3−アミノ−5−(N’−(4−クロロフェニル)−N’−メチルヒドラジノカルボニル)チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチルの約70:30混合物0.20g(0.52ミリモル)の溶液に、アルゴン下で、214mg(1.55ミリモル)の炭酸カリウム及び285mg(1.03ミリモル)の3−(モルホリン−1−イルメチル)ベンゾイルクロリド塩酸塩を加える。この反応混合物を25℃付近の温度で16時間攪拌し、氷冷水に注ぐ。混合物は酢酸エチルで抽出する。有機相を一緒にし、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、次いで減圧下(2kPa)で40℃付近の温度で濃縮乾固する。残留物を、クロマトグラフィーにより30gのシリカゲル(0.015から0.040mm)のカートリッジを用いて、純ジクロロメタンで溶出し、次いでジクロロメタン/メタノール混合物(容量で90/10)で溶出して精製する。予想される生成物を含有する複数の画分を一緒にし、次いで減圧下(2kPa)で40℃付近の温度で濃縮乾固する。5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−3−(3−モルホリン−4−イルメチルベンゾイルアミノ)チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチル及び5−(N’−(4−クロロフェニル)−N’−メチルヒドラジノカルボニル)−3−(3−モルホリン−4−イルメチルベンゾイルアミノ)チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチルの約70:30混合物257mgが、このようにして黄色フォーム状物の形で得られ、この生成物を直接次の工程で使用する。
3−アミノ−5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチル及び3−アミノ−5−(N’−(4−クロロフェニル)−N’−メチルヒドラジノカルボニル)チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチルの約70:30混合物は、実施例11に記載されている。3−(モルホリン−1−イルメチル)ベンゾイルクロリド塩酸塩は、特許WO90/08128A1号明細書に従って製造し得る。
(実施例23a及び23b)
4−[(2−ジエチルアミノエチルアミノ)メチル]−N−[5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]ベンズアミド及びN−{5−[N’−(4−クロロフェニル)−N’−メチルヒドラジノカルボニル]−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル}−4−[(2−ジエチルアミノエチルアミノ)メチル]ベンズアミドの製造
ジメチルホルムアミド6mL中の、3−(4−クロロメチルベンゾイルアミノ)−5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチル及び3−(4−クロロメチルベンゾイルアミノ)−5−(N’−(4−クロロフェニル)−N’−メチルヒドラジノカルボニル)チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチルの約70:30混合物200mg(0.37ミリモル)の溶液に、アルゴン下で、27mg(74μモル)のテトラブチルアンモニウムヨージド、156μL(1.11ミリモル)のN,N−ジエチルエチレンジアミン及び153mg(1.11ミリモル)の炭酸カリウムを連続的に加える。この反応混合物を25℃付近の温度で16時間攪拌し、次いで氷の上に注ぐ。次いで、これを酢酸エチル及びヘプタンの50/50混合物で2回抽出する。有機抽出液を一緒にし、硫酸マグネシウムで乾燥し、次いで減圧下(2kPa)で40℃付近の温度で濃縮乾固する。残留物を4mLのメタノールに溶解し、得られた溶液をマイクロ波オーブンチューブに導入する。このチューブに栓をし、反応混合物に100℃付近の温度で30分間マイクロ波照射する。次いで、反応混合物を減圧下(2kPa)で40℃付近の温度で濃縮乾固する。残留物を分取LC/MS(条件B)で精製する。予想される生成物を含有する複数の画分を一緒にし、次いで減圧下(2kPa)で40℃付近の温度で濃縮乾固する。残留物を、クロマトグラフィーにより4gのシリカゲル(0.035から0.060mm)のカートリッジを用いて、ジクロロメタン/メタノール混合物で溶出し、次いでジクロロメタンとメタノール/28%水性アンモニア(容量で85/15)との混合物で溶出して再精製する。予想される生成物を含有する複数の画分を一緒にし、次いで減圧下(2kPa)で40℃付近の温度で濃縮乾固する。8mgの4−[(2−ジエチルアミノエチルアミノ)メチル]−N−[5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2.3−c]ピラゾール−3−イル]ベンズアミドが、このようにして143から150℃で溶融する淡黄色粉末の形で得られる。LC−MS−DAD−ELSD:520(+)/...=(M+H)(+)/...(1Cl)。
10mgのN−{5−[N’−(4−クロロフェニル)−N’−メチルヒドラジノカルボニル]−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル}−4−[(2−ジエチルアミノエチルアミノ)メチル]ベンズアミドが、同様にして黄色粉末の形で単離される。1H NMR(400MHz,(CD3)2SO−d6,δ(ppm)):これは、予想された構造の塩である。
1.21(幅広なt,J=7.0Hz,6H);3.18(s,3H);3,20(部分的に遮蔽された幅広い多重線,6H);3.29から3.54(遮蔽されたm,2H);4.31(幅広なm,2H);6.82(d,J=9.0Hz,2H);7.25(d,J=9.0Hz,2H);7.64(幅広なd,J=8.0Hz,2H);8.16(d,J=8.0Hz,2H);8,19(s,1H);9.20(幅広い多重線,2H);10.85(s,1H);11.3(幅広なs,1H);13.0(非常に幅広いm,1H)。
3−(4−クロロメチルベンゾイルアミノ)−5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチル及び3−(4−クロロメチルベンゾイルアミノ)−5−(N’−(4−クロロフェニル)−N’−メチルヒドラジノカルボニル)チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチルの約70:30混合物は、実施例11に記載されている。
(実施例24)
4−[(メチルフェニルアミノ)メチル]−N−[5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]ベンズアミドの製造
ジメチルホルムアミド6mL中の、3−(4−クロロメチルベンゾイルアミノ)−5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチル及び3−(4−クロロメチルベンゾイルアミノ)−5−(N’−(4−クロロフェニル)−N’−メチルヒドラジノカルボニル)チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチルの約70:30混合物200mg(0.37ミリモル)の溶液に、アルゴン下で、27mg(74μモル)のテトラブチルアンモニウムヨージド及び121μL(1.11ミリモル)のN−メチルアニリンを連続的に加える。この反応混合物を25℃付近の温度で15日間攪拌し、次いで氷の上に注ぐ。次いで、これを酢酸エチル及びヘプタンの50/50混合物で2回抽出する。有機抽出液を一緒にし、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、次いで減圧下(2kPa)で40℃付近の温度で濃縮乾固する。残留物を4mLのメタノールに溶解し、得られた溶液をマイクロ波オーブンチューブに導入する。このチューブに栓をし、反応混合物に100℃付近の温度で30分間マイクロ波照射する。次いで、反応混合物を減圧下(2kPa)で40℃付近の温度で濃縮乾固する。残留物を、クロマトグラフィーにより15gのシリカゲル(0.015から0.040mm)のカートリッジを用いて、純ジクロロメタン/メタノール混合物で溶出し、次いでジクロロメタン/メタノール/28%水性アンモニア混合物(容量で12/3/0.5)で10mL/分の流量で溶出して精製する。予想される生成物を含有する複数の画分を一緒にし、次いで減圧下(2kPa)で40℃付近の温度で濃縮乾固する。残留物を分取LC/MS(条件B)で精製する。11mgの4−[(メチルフェニルアミノ)メチル]−N−[5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]ベンズアミドが、このようにして242℃で溶融するベージュ色粉末の形で得られる。LC−MS−DAD−ELSD:511(+)=(M+H)(+)。
3−(4−クロロメチルベンゾイルアミノ)−5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチル及び3−(4−クロロメチルベンゾイルアミノ)−5−(N’−(4−クロロフェニル)−N’−メチルヒドラジノカルボニル)チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチルの約70:30混合物は、実施例11に記載されている。
(実施例25)
4−[(ジイソプロピルアミノ)メチル]−N−[5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]ベンズアミド・トリフルオロ酢酸塩の製造
ジメチルホルムアミド6mL中の、3−(4−クロロメチルベンゾイルアミノ)−5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチル及び3−(4−クロロメチルベンゾイルアミノ)−5−(N’−(4−クロロフェニル)−N’−メチルヒドラジノカルボニル)チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチルの約70:30混合物200mg(0.37ミリモル)の溶液に、アルゴン下で、27mg(74μモル)のテトラブチルアンモニウムヨージド及び156μL(1.11ミリモル)のジイソプロピルアミンを連続的に加える。この反応混合物を25℃付近の温度で9日間攪拌し、次いでさらに220μL(1.56ミリモル)のジイソプロピルアミンを加え、反応混合物を25℃付近の温度で6日間攪拌する。次いで、これを氷の上に注ぎ、酢酸エチル及びヘプタンの50/50混合物で2回抽出する。有機抽出液を一緒にし、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、次いで減圧下(2kPa)で40℃付近の温度で濃縮乾固する。残留物を4mLのメタノールに溶解し、得られた溶液をマイクロ波オーブンチューブに導入する。このチューブに栓をし、反応混合物に100℃付近の温度で30分間マイクロ波照射する。次いで、反応混合物を減圧下(2kPa)で40℃付近の温度で濃縮乾固する。残留物を分取LC/MS(条件B)で精製する。10mgの4−[(ジイソプロピルアミノ)メチル]−N−[5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]ベンズアミド・トリフルオロ酢酸塩が、このようにして170から182℃で溶融するベージュ色粉末の形で得られる。
1H NMR(400MHz,(CD3)2SO−d6,δ(ppm)):このバッチについて、すべての信号は幅広い 1.27から1.42(m,12H);3.18(s,3H);3.70(m,2H);4.48(s,2H);6.71から6.88(m,3H);7.22(t,J=8.0Hz,2H);7.70(m,2H);8.17(m,3H);8.55(s,1H);10.75(s,1H);11,3(s,1H);13.05(s,1H)。
3−(4−クロロメチルベンゾイルアミノ)−5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチル及び3−(4−クロロメチルベンゾイルアミノ)−5−(N’−(4−クロロフェニル)−N’−メチルヒドラジノカルボニル)チエノ[2,3−c]ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチルの約70:30混合物は、実施例11に記載されている。
(実施例26)
N−[5−(N’−ベンジルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]−4−メトキシベンズアミドの製造
N−[5−(N’−ベンジルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]−4−メトキシベンズアミドは、実施例1に従って製造する。収率=3%。MS:ES m/z=422 MH+基本ピーク。
1H NMR(400MHz,(CD3)2SO−d6,δ(ppm)):3.85(s,3H);3.98(s,2H);7.06(d,J=8.5Hz,2H);7.26(t,J=7.5Hz,1H);7.33(t,J=7.5Hz,2H);7.38(d,J=7.5Hz,2H);7.94(幅広なs,1H);8.05(d,J=8.5Hz,2H);10.15(s,1H);10.95(幅広い多重線,1H);12.85(非常に幅広いm,1H)。
(実施例27)
4−メトキシ−N−[5−(N’−ピリジン−2−イルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]ベンズアミドの製造
4−メトキシ−N−[5−(N’−ピリジン−2−イルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]ベンズアミドは、実施例1に従って製造する。収率=56%。MS:EIm/z=408M+。m/z=300(M−C5H6N3)+m/z=135 C8H7O2+基本ピーク。1H NMR(400MHz,(CD3)2SO−d6,δ(ppm)):3.85(s,3H);6.63(d,J=8.5Hz,1H);6.71(m,1H);7.07(幅広なd,J=8.5Hz,2H);7.54(m,1H);8.03から8.12(m,3H);8.20(s,1H);8.44(s,1H);10.5(s,1H);11.0(s,1H);12.9(s,1H)。
(実施例28)
N−{5−[N’−(4−クロロフェニル)−N’−メチルヒドラジノカルボニル]−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル}−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ベンズアミドの製造
1−(1−エトキシエチル)−3−[4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ベンゾイルアミノ]−1H−チエノ−[2,3−c]ピラゾール−5−カルボン酸エチル(0.5g、1.03ミリモル、1当量)及びトルエン(5mL)を、乾燥20mL丸底フラスコにアルゴン下で入れた。得られた懸濁液を0℃付近の温度で攪拌し、次いでトリメチルアルミニウム(1.54mL、3当量)の溶液を温度の上昇を避けるために滴加する。添加完了後に、混合物を25℃付近の温度で30分間攪拌し、次いでN−(4−クロロフェニル)−N−メチルヒドラジン(0.480g、3.09ミリモル、3当量)の溶液を加える。次いで、反応混合物を出発原料が完全に消失するまで50℃付近の温度まで加熱する。2時間30分後に、この混合物を25℃付近の温度に戻し、次いで酢酸エチルで希釈する。これにガスの発生が止まるまでリン酸一カリウム数滴を加え、次いで混合物を1時間攪拌する。次いで、溶媒を蒸発させ、次いで残留物をジクロロメタン及びメタノールの混合物に溶解する。この溶液をクロマトグラフィーで精製するためにシリカゲル上に直接に置いて、開始時にメタノール/ジクロロメタン混合物(容量で10/90)で溶出する。エトキシエチル中間体:LC/MSRT=3.41分;M+H+596.1.M−H−594.2。蒸発後に、得られた固形分を、50℃付近の温度で5mLのテトラヒドロフラン及び2mLの5N塩酸に直接入れる。N−{5−[N’−(4−クロロフェニル)−N’−メチルヒドラジノカルボニル]−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル}−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ベンズアミドがこのようにして得られる(119mg、2工程について22%)。MS:ES m/z=524 MH+基本ピーク。1H NMR(400MHz,(CD3)2SO−d6,δ(ppm)):2.23(s,3H);2.44(m,4H);3.17(s,3H);3.25から3.33(部分的に遮蔽されたm,4H);6.82(d,J=9,0Hz,2H);7.00(幅広なd,J=9.0Hz,2H);7.24(d,J=9.0Hz,2H);7.97(幅広なd,J=9.0Hz,2H);8.16(s,1H);10.8(s,1H);10.9(幅広い多重線,1H);12.9(幅広い多重線,1H)。
1−(1−エトキシエチル)−3−[4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ベンゾイルアミノ]−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−カルボン酸エチル:
3−ブロモ−1−(1−エトキシエチル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−カルボン酸エチル(10.9g、31ミリモル)、4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ベンズアミド(9g、41ミリモル、1.3当量)、ヨウ化銅(I)(0.601g、3.1ミリモル、0.1当量)、予め粉砕したリン酸三カリウム(20.1g、94ミリモル、3当量)及び予めアルゴンを用いて脱気した70mLの無水ジオキサンを、乾燥500mL丸底フラスコにアルゴン下で入れる。この懸濁液にN,N’−ジメチルエチレンジアミン(0.336mL、3.16ミリモル、0.1当量)を注射器で加える。次いで、反応混合物を110℃付近の温度で24時間加熱する。次いで、ジオキサンを減圧下で蒸発させ、残留物を酢酸エチル(300mL)及び150mLの水で希釈する。有機相を100mLの水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、次いで減圧下で濃縮乾固する。残留物を、シリカゲルを用いたグロマトグラフィーにより、開始時にジクロロメタン/メタノール混合物(容量で90/10)を用いて溶出して精製する。1−(1−エトキシエチル)−3−[4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ベンゾイルアミノ]−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−カルボン酸エチル(4.05g、27%)が、このようにして淡黄色油状物の形で得られ、この生成物を直接次の工程で使用する。
3−ブロモ−1−(1−エトキシエチル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−カルボン酸エチルは、実施例1に記載されている。
N−(4−クロロフェニル)−N−メチルヒドラジン:
N’−ベンズヒドリリデン−N−(4−クロロフェニル)−N−メチルヒドラジン(1.5g、4.68ミリモル)を20mLのテトラヒドロフランに攪拌しながら入れる。これに5mLの5N塩酸を加え、次いで得られた溶液を50℃付近の温度で16時間攪拌する。次いで、水性相を5N水酸化ナトリウムで中和し、次いで酢酸エチルで抽出する。抽出後に得られた油状物を、クロマトグラフィーによりシリカゲルを用いて、最初に酢酸エチル/ヘプタン混合物(容量で10/90)で溶出して精製する。N−(4−クロロフェニル)−N−メチルヒドラジンが、このようにして淡黄色油状物の形で得られる。0.53g(72%)。(Rf=0.48.20/80EtOAc/ヘプタン(v/v))。
N−ベンズヒドリリデン−N’−(4−クロロフェニル)−N−メチルヒドラジン:
N−ベンズヒドリリデン−N’−(4−クロロフェニル)ヒドラジン(0.2g、0.65ミリモル、1当量)及び3.2mLのテトラヒドロフランを、予め乾燥した20mL丸底フラスコにアルゴン下で入れる。得られた溶液を−10℃付近の温度まで冷却し、次いで0.5Mカリウムヘキサメチルビス−シリルアミド溶液(1.43mL、1.1当量)を加える。前記溶液は薄黒くなり、これをこの温度で30分間反応させ、次いでヨウ化メチルのメチルtert−ブチルエーテル溶液(0.49mL、1.5当量)を加える。次いで、混合物を25℃付近の温度に戻し、4時間攪拌する。炭酸水素ナトリウムで処理した後に、混合物を酢酸エチルで抽出する。有機抽出液を一緒にし、硫酸マグネシウムで乾燥し、次いで減圧下で濃縮乾固する。残留油状物を、クロマトグラフィーによりシリカゲルを用いて、酢酸エチル/ヘプタン混合物(容量で10/90)で溶出して精製する。N’−ベンズヒドリリデン−N−(4−クロロフェニル)−N−メチルヒドラジンが収率96%で黄色固体の形で得られ、この生成物を直接に次の工程で使用する。
N−ベンズヒドリリデン−N’−(4−クロロフェニル)ヒドラジン:
260mLの2−メチル−2−ブタノールを500mL丸底フラスコに入れ、アルゴンで30分間脱気する。脱気が完了したら直ちに、60mLの2−メチル−2−ブタノール、パラジウム(II)ジアセテート(0.857g、1.27ミリモル、0.025当量)及びリガンドMePHOS(0.928g、2.55ミリモル、0.05当量)を、第二の乾燥丸底フラスコにアルゴン下で入れる。この混合物を25℃付近の温度で30分間攪拌する。さらに、前記500mL丸底フラスコに、1,4−ジクロロベンゼン(7.49g、1当量)及び水酸化ナトリウム粉末(2.85g、1.4当量)を入れる。次いで、触媒をこの500mL丸底フラスコに移し、100℃付近の温度で加熱する。最後に、これにベンズヒドリリデンヒドラジン(10g、50.9ミリモル、1当量)を加える。得られた懸濁液を、ハロゲン化物の全てが消失するまで攪拌し、色が急速に変化する(暗赤色)。次いで、溶媒を蒸発させて乾固し、残留物をジクロロメタンに溶解する。固形物をCelite(登録商標)に通して濾過し、次いでジクロロメタンで十分に洗浄する。有機相を飽和塩化アンモニウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、次いで減圧下で濃縮乾固する。残留物を、クロマトグラフィーによりシリカゲルのカラムを用いて、最初に酢酸エチル/ヘプタン混合物(容量で10/90)で溶出して精製する。N−ベンズヒドリリデン−N’−(4−クロロフェニル)ヒドラジン(85%)が、このようにして黄色固体の形で得られる(Rf=0.35.EtOAc/ヘプタン25/75(v/v))。
4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ベンズアミド:
4−フルオロベンゾニトリル(12g、99ミリモル、1当量)及び100mLのDMFを250mL丸底フラスコに入れる。この溶液に、N−メチルピペラジン(16mL、1.6当量、123ミリモル)を加える。この橙色溶液を90℃付近の温度で15時間加熱する。次いで、溶媒を蒸発させて乾固し、残留物を500mLのジエチルエーテルで希釈する。この溶液を、炭酸水素ナトリウム溶液(2×100mL)で洗浄し、次いで飽和塩化ナトリウム溶液(100mL)で洗浄する。蒸発させた後に、4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ベンゾニトリル(橙色固体、10g、77%)を、さらに精製することなく、次の加水分解工程で使用する。これを、0℃付近の温度で、98%硫酸(25mL)及び5mLの水の溶液に加える。次いで、この紫色溶液を100℃付近の温度で8時間加熱する「。得られた溶液を冷却し、次いで氷の上に注ぐことによって加水分解させる。水酸化ナトリウムペレットを用いてpHを9から10に調節する。得られた沈殿物を濾取し、水で十分に洗浄し、次いでテトラヒドロフラン(これは生成物を部分的に溶解する)で洗浄する。静置することによって水を分離する。有機相を蒸発させて乾固した後に、固体が得られ、これをクロマトグラフィーにより、シリカゲルを用いて、メタノール/ジクロロメタン混合物(重量15/85)で溶出して精製する。4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ベンズアミド(8.7g、80%)がこのようにして白色固体の形で得られ、これを直接に次の工程で使用する。
(実施例29)
N−(2−メトキシメチルピロリジン−1−イル)−3−[4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ベンゾイルアミノ]−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−カルボキサミドの製造
N−(2−メトキシメチルピロリジン−1−イル)−3−[4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ベンゾイルアミノ]−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−カルボキサミドは、実施例28に従って製造する。LC/MS エトキシエチル中間体 RT=2.62分、M+H+571.1。M−H−568.1;最終生成物:収率=33%。MS:ES m/z=498 MH+基本ピーク。
1H NMR(400MHz,(CD3)2SO−d6,δ(ppm)):1.58(m,1H);1.70から1.87(m,2H);2.00(m,1H);2.25(s,3H);2.48(部分的に遮蔽されたm,4H);2.86(幅広なm,1H);2.98から3.36(幅広い多重線,3H);3.21(s,3H);3.32(m,4H);3.46(m,1H);6.98(d,J=9.0Hz,2H);7.96(d,J=9.0Hz,2H);8.05(幅広なs1H)。
(実施例30)
N−[5−(N’−ベンジル−N’−メチルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ベンズアミド
N−[5−(N’−ベンジル−N’−メチルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ベンズアミドは、実施例28に従って製造する。LC/MS エトキシエチル中間体 RT=3.19分、M+H+576.1。M−H−574.2。最終生成物:収率=16%。MS:ES m/z=504 MH+基本ピーク。
1H NMR(400MHz,(CD3)2SO−d6,δ(ppm)):スペクトル信号は、幅広い 回転異性体の60%から40%の混合物:2.36(s,3H);2.54から2.72(m,7H);3.36(部分的に遮蔽されたm,4H);3.89(s,1.2H);3.98(s,0.8H);7.02(d,J=8.5Hz,2H);7.16から7.45(m,5H);7.89(s,0.6H);7.99(d,J=8.5Hz.2H);8.08(s,0.4H);8.85(s,0,4H);9.58(s,0.6H);9.70(幅広い多重線,0.4H);10.7(幅広い多重線,0.6H);12.65(幅広い多重線,0.4H);12.85(幅広い多重線,0.6H)。
(実施例31)
N−(ピペリジン−1−イル)−3−[4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ベンゾイルアミノ]−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−カルボキサミドの製造
N−(ピペリジン−1−イル)−3−[4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ベンゾイルアミノ]−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−カルボキサミドは、実施例28に従って製造する。LC/MS エトキシエチル中間体 RT=2.97分、M+H+540.4。M−H−538.2。最終生成物:収率=38%。MS:ESm/z=468 MH+m/z=234.8 (M+2H)2+/2 基本ピーク。
1H NMR(400MHz,(CD3)2SO−d6,δ(ppm)):1.55(幅広なm,2H);1.88(幅広なm,4H);2.87(s,3H);3.05から3.21(m,4H);3.43から3.59(m,6H);4.02から4.10(m,2H);7.10(d,J=9.0Hz,2H);8.04(d,J=9.0Hz,2H);8.27(s,1H)。
(実施例32)
N−[5−(N’−ベンジルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ−[2,3−c]ピラゾール−3−イル]−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ベンズアミドの製造
N−[5−(N’−ベンジルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)ベンズアミドは、実施例28に従って製造する。LC/MS エトキシエチル中間体 RT=3.10。MH+562.3。MH−560.2。最終生成物:収率=13%。MS:ES m/z=490 MH+基本ピーク。
1H NMR(400MHz,(CD3)2SO−d6,δ(ppm)):2.23(s,3H);2.44(m,4H);3.30(部分的に遮蔽されたm,4H);3.97(d,J=5.0Hz,2H);5.37(m,1H);7.00(d,J=9.0Hz,2H);7.25(t,J=7.5Hz,1H);7.33(t,J=7.5Hz,2H);7.38(d,J=7.5Hz,2H);7.92から7.98(m,3H);10.1(d,J=5.0Hz,1H);10.8(非常に幅広いm,1H);12.9(非常に幅広いm,1H)。
(実施例33)
N−[5−(N’−エチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ベンズアミドの製造
N−[5−(N’−エチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ベンズアミドは、実施例28に従って製造する。LC/MS エトキシエチル中間体:RT=3.25分、M+H+576.3。M−H−574.1。最終生成物:収率=28%。
MS:ES m/z=504 MH+基本ピーク。1H NMR(400MHz,(CD3)2SO−d6,δ(ppm)):1.18(t,J=7.0Hz,3H);2.21(s,3H);2.43(m,4H);3.31(部分的に遮蔽されたm,4H);3.53(q,J=7.0Hz,2H);6.74(t,J=7.5Hz,1H);6.82(d,J=7.5Hz,2H);7.01(幅広なd,J=8.5Hz,2H);7.21(t,J=7.5Hz,2H);7.98(幅広なd,J=8.5Hz,2H);8.22(s,1H);10.55(s,1H);10.85(幅広い多重線,1H);12.9(幅広い多重線,1H)。
(実施例34)
N−[5−(N’−ベンジル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ベンズアミド.
N−[5−(N’−ベンジル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ベンズアミドは、実施例28に従って製造する。LC/MS エトキシエチル中間体:RT=3.68分、M+H+638.5。最終生成物:収率=8%。MS:ES m/z=566 MH+基本ピーク。
1H NMR(400MHz,(CD3)2SO−d6,δ(ppm)):スペクトル信号は全て、幅広い、2.32(s,3H);2.59(m,4H);3.35(部分的に遮蔽されたm,4H);4.75(s,2H);6.75(t,J=7.5Hz,1H);6.81(d,J=8.5Hz,2H);7.02(d,J=8.5Hz,2H);7.11から7.38(m,5H);7.49(d,J=8.5Hz,2H);7.98(d,J=8.5Hz,2H);8.17(s,1H);10.8(s,1H);10.9(幅広い多重線,1H);12.95(幅広い多重線,1H)。
(実施例35)
N−[5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ベンズアミドの製造
N−[5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ベンズアミドは、実施例28に従って製造する。LC/MS エトキシエチル中間体:RT=2.74分、M+H+561.0。最終生成物:収率=22%。MS:ES m/z=490 MH+基本ピーク。
1H NMR(400MHz,(CD3)2SO−d6,δ(ppm)):スペクトル信号は全て、幅広い,2.32(s,3H);2.59(m,4H);3.35(部分的に遮蔽されたm,4H);4.75(s,2H);6.75(t,J=7.5Hz,1H);6.81(d,J=8.5Hz,2H);7.02(d,J=8.5Hz,2H);7.11から7.38(m,5H);7.49(d,J=8.5Hz,2H);7.98(d,J=8.5Hz,2H);8.17(s,1H);10.8(s,1H);10.9(幅広い多重線,1H);12.95(幅広い多重線,1H)。
(実施例36)
N−{5−[N’−(4−クロロフェニル)−N’−シクロブチルメチルヒドラジノカルボニル]−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル}−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ベンズアミド
N−{5−[N’−(4−クロロフェニル)−N’−シクロブチルメチルヒドラジノカルボニル]−1H−チエノ−[2,3−c]ピラゾール−3−イル}−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ベンズアミドは、実施例28に従って製造する。LC/MS エトキシエチル中間体:RT=4.20分、M+H+650.1。M−H−648.1。最終生成物:収率=2%。MS:ES m/z=578 MH+基本ピーク。
1H NMR(400MHz,(CD3)2SO−d6,δ(ppm)):1.71から1.88(m,3H);2.03(m,1H);2.63(m,1H);2.85(s,3H);3.14(幅広なm,4H);3.47から3.56(部分的に遮蔽されたm,2H);3.51(d,J=7.0Hz,2H);4.07(幅広なm,2H);6.83(d,J=9.0Hz,2H);7.11(d,J=9.0Hz,2H);7.22(d,J=9.0Hz,2H);8.04(d,J=9.0Hz,2H);8.20(s,1H);10.05(幅広い多重線,1H);10.6(s,1H);10.95(幅広い多重線,1H);12.9(幅広い多重線,1H)。
N−(4−クロロフェニル)−N−シクロブチルメチルヒドラジン:
N−(4−クロロフェニル)−N−シクロブチルメチルヒドラジンは、実施例28に従って製造する。収率(2工程)、0.65g(63%)。Rf=0.43(30/70 EtOAc/ヘプタン(v/v))。
N’−ベンズヒドリリデン−N−(4−クロロフェニル)−N−シクロブチルメチルヒドラジン:Rf=0.77(30/70 EtOAc/ヘプタン(v/v))(中間体脱保護)。N−ベンズヒドリリデン−N’−(4−クロロフェニル)ヒドラジンは、実施例28に従って製造する。
(実施例37)
N−{5−[N’−エチル−N’−(4−フルオロフェニル)ヒドラジノカルボニル]−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル}−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ベンズアミドの製造
N−{5−[N’−エチル−N’−(4−フルオロフェニル)ヒドラジノカルボニル]−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル}−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ベンズアミドは、実施例28に従って製造する。LC/MS エトキシエチル中間体 RT=3.20分、M+H+594.2。 M−H−592.3。最終生成物:収率=16%。MS:ES m/z=522 MH+基本ピーク。
1H NMR(400MHz,(CD3)2SO−d6,δ(ppm)):回転異性体の80%から20%混合物の観察:1.16(t,J=7.0Hz,2.4H);1.31(t,J=7.0Hz,0.6H);2.87(s,3H);3.02から3.20(m,4H);3.35から3.59(部分的に遮蔽されたm,2H);3.50(部分的に遮蔽されたq,J=7.0Hz,1.6H);4.08(m,2H);4.30(q,J=7.0Hz,0.4H);6.83(dd,J=4.5および9.0Hz,1.6H);7.00から7.17(m,4.4H);8.03(d,J=9.0Hz,2H);8.17(s,0.2H);8.21(s,0.8H);9.67(s,0.2H);9.77(幅広い多重線,1H);10.55(s,0.8H);10.95(m,1H);12.9(非常に幅広いm,1H)。
N−エチル−N−(4−フルオロフェニル)ヒドラジン:
N−エチル−N−(4−フルオロフェニル)ヒドラジンは、実施例28に従って製造する。淡黄色油状物、0.32g(30%)。
N’−ベンズヒドリリデン−N−エチル−N−(4−フルオロフェニル)ヒドラジン:
N’−ベンズヒドリリデン−N−エチル−N−(4−フルオロフェニル)ヒドラジンを、実施例28に従って製造する。橙色固体、1.9g(86%)、Rf=0.64(20/80 EtOAc/ヘプタン(v/v))。
N−ベンズヒドリリデン−N’−(4−フルオロフェニル)ヒドラジン:
N−ベンズヒドリリデン−N’−(4−フルオロフェニル)ヒドラジンは、実施例28に従って製造する。黄色固体、収率54%(Rf=0.33。10/90 EtOAc/ヘプタン(v/v))。LC/MS MH+291.1。MH−289.2。
(実施例38)
N−{5−[N’−(4−フルオロフェニル)−N’−(2−メトキシエチル)−ヒドラジノカルボニル]−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル}−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ベンズアミドの製造
N−{5−[N’−(4−フルオロフェニル)−N’−(2−メトキシエチル)ヒドラジノカルボニル]−1H−チエノ−[2,3−c]ピラゾール−3−イル}−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ベンズアミドは、実施例28に従って製造する。収率=45%。MS:ES m/z=552 MH+基本ピーク。
1H NMR(400MHz,(CD3)2SO−d6,δ(ppm)):2.23(s,3H);2.44(m,4H);3.27(s,3H);3.28から3.31(m,4H);3.58(m,2H);3.64(m,2H);6.83(dd,J=4.5および9.0Hz,2H);6.98から7.06(m,4H);7.98(d,J=8.5Hz,2H);8.21(幅広なs,1H);10.7(s,1H);10.9(幅広い多重線,1H);12.9(幅広い多重線,1H)。
N−(4−フルオロフェニル)−N−(2−メトキシエチル)ヒドラジン:
N−(4−フルオロフェニル)−N−(2−メトキシエチル)ヒドラジンは、実施例28に従って製造する。0.57g(60%)。Rf=0.10(20/80 EtOAc/ヘプタン(v/v))、LC/MS RT=4.18。MH 183.3。
N’−ベンズヒドリリデン−N−(4−フルオロフェニル)−N−(2−メトキシエチル)ヒドラジン:
N’−ベンズヒドリリデン−N−(4−フルオロフェニル)−N−(2−メトキシエチル)ヒドラジンは、実施例28に従って製造する。1.2g(66%)。Rf=0.26(EtOAc/ヘプタン 10/90(v/v))。N−ベンズヒドリリデン−N’−(4−フルオロフェニル)ヒドラジンは、実施例37に従って製造する。
(実施例39)
N−[5−(N’−エチル−N’−o−トリルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ベンズアミドの製造
N−[5−(N’−エチル−N’−o−トリルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ベンズアミドは、実施例28に従って製造する。収率=14%;MS:ES m/z=518 MH+基本ピーク。
1H NMR(400MHz,(CD3)2SO−d6,δ(ppm)):1.15(t,J=7.0Hz,3H);2.23(s,3H);2.29(s,3H);2.44(m,4H);3.23から3.33(部分的に遮蔽されたm,6H);6.96(t,J=7.5Hz,1H);7.00(d,J=9,0Hz,2H);7,12から7.17(m,2H);7.29(d,J=8.0Hz,1H);7.98(d,J=8.5Hz,2H);8.12(s,1H);10.2(s,1H);11.0(幅広い多重線,1H);12.9(非常に幅広いm,1H)。
(実施例40)
N−[5−(N’−エチル−N’−m−トリルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ベンズアミドの製造
N−[5−(N’−エチル−N’−w−トリルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ベンズアミドは、実施例28に従って製造する。収率=18%。MS:ES m/z=518 MH+基本ピーク。
1H NMR(400MHz,(CD3)2SO−d6,δ(ppm)):回転異性体の80%から20%混合物の観察:1.16(t,J=7.0Hz,3H);2.22(s,3H);2.24(s,2.4H);2.28(s,0.6H);2.44(m,4H);3.25から3.35(遮蔽されたm,4H);3.52(q,J=7.0Hz,2H);6.57(d,J=7.5Hz,0.8H);6.59から6.66(m,1.6H);6.73(d,J=7.5Hz,0.2H);6.81から6.87(m,0.4H);7.00(d,J=9.0Hz,2H);7.08(t,J=7.5Hz,0.8H);7.17(t,J=7.5Hz,0.2H);7.99(d,J=9.0Hz,2H);8.16(s,0.2H);8.22(0.8H);9.62(幅広い多重線,0.2H);10.5(s,0.8H);11.1(幅広い多重線,1H);12.9(幅広い多重線,1H)。
(実施例41)
N−[5−(N’−エチル−N’−m−トリルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ベンズアミドの製造
N−[5−(N’−エチル−N’−m−トリルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ベンズアミドは、実施例28に従って製造する。収率=3%。MS:ES m/z=518 MH+基本ピーク。
1H NMR(400MHz,(CD3)2SO−d6,δ(ppm)):1.15(t,J=7.0Hz,3H);2.20(s,3H);2.23(s,3H);2.45(m,4H);3.20から3.41(遮蔽されたm,4H);3.49(q,J=7.0Hz,2H);6.73(d,J=9.0Hz,2H);6.96から7.04(m,4H);7.99(d,J=9.0Hz,2H);8.21(s,1H);10.45(s,1H);11.25(幅広い多重線,1H);13.1(幅広い多重線,1H)。
(実施例42)
N−{5−[N’−(4−フルオロフェニル)−N’−イソブチルヒドラジノカルボニル]−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル}−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ベンズアミドの製造
N−{5−[N’−(4−フルオロフェニル)−N’−イソブチルヒドラジノカルボニル]−1H−チエノ[2,3−c]−ピラゾール−3−イル}−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ベンズアミドは、実施例28に従って製造する。収率=59%、MS:ES m/z=550 MH+基本ピーク。
1H NMR(400MHz,(CD3)2SO−d6,δ(ppm)):0.97(d,J=6.5Hz,6H);1.91(m,1H);2.22(s,3H);2.44(m,4H);3.24から3.34(部分的に遮蔽されたm,6H);6.81(dd,J=4.5および9.0Hz,2H);6.98から7.06(m,4H);7.98(d,J=9.0Hz,2H);8.21(s,1H);10.6(s,1H);11.0(幅広い多重線,1H);13.0(幅広い多重線,1H)。
N−(4−フルオロフェニル)−N−イソブチルヒドラジン:
N−(4−フルオロフェニル)−N−イソブチルヒドラジンは、実施例28に従って製造する。無色油状物、0.62g(82%)。Rf=0.34(20/80 EtOAc/ヘプタン(v/v))、LC/MSRT=2.48分。
N’−ベンズヒドリリデン−N−(4−フルオロフェニル)−N−イソブチルヒドラジン:
N’−ベンズヒドリリデン−N−(4−フルオロフェニル)−N−イソブチルヒドラジンは、実施例28に従って製造する。黄色固体、1.51g(44%)。Rf=0.52(3/97 アセトン/ヘプタン(v/v))、LC/MS RT=6.03分、イオン化なし。N−ベンズヒドリリデン−N’−(4−フルオロフェニル)ヒドラジンは、実施例37に従って製造する。
(実施例43)
N−{5−[N’−(3−ブロモフェニル)−N’−エチルヒドラジノカルボニル]−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル}−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ベンズアミドの製造
N−{5−[N’−(3−ブロモフェニル)−N’−エチルヒドラジノカルボニル]−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル}−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ベンズアミドは、実施例28に従って製造する。収率=5%。MS:ES m/z=582 MH+基本ピーク。
1H NMR(400MHz,(CD3)2SO−d6,δ(ppm)):1.16(t,J=7.0Hz,3H);2.22(s,3H);2.44(m,4H);3.26から3.34(部分的に遮蔽されたm,4H);3.54(q,J=7.0Hz,2H);6.82(dd,J=2.0および8.0Hz,1H);6.89(dd,J=2.0および8.0Hz,1H);6.92(t,J=2.5Hz,1H);7.01(d,J=9.0Hz,2H);7.16(t,J=8.5Hz,1H);7.98(d,J=9.0Hz,2H);8.24(s,1H);10.7(s,1H);10.95(幅広い多重線,1H);12.95(幅広い多重線,1H)。
N−(3−ブロモフェニル)−N−エチルヒドラジン:
N−(3−ブロモフェニル)−N−エチルヒドラジンは、実施例28に従って製造する。無色油状物、2.80g、定量的。LC/MS RT=2.70。
N’−ベンズヒドリリデン−N−(3−ブロモフェニル)−N−エチルヒドラジン:
N’−ベンズヒドリリデン−N−(3−ブロモフェニル)−N−エチルヒドラジンは、実施例28に従って製造する。橙色固体、13.5g(80%)。Rf=0.46(3/97 Et2O/ヘプタン(v/v))。
N−ベンズヒドリリデン−N’−(3−ブロモフェニル)ヒドラジン:
(3−ブロモフェニル)ヒドラジン塩酸塩(10g、44ミリモル、1当量)、ベンゾフェノン(8.14g、44ミリモル、1当量)及びエタノール(100mL)を250mL丸底フラスコに入れる。次いで、2mLの濃硫酸を加える。得られた懸濁液を80℃付近の温度で加熱する。この温度で30分後に、この懸濁液は溶液になる。この溶液をこの温度で18時間攪拌し、次いで95%まで濃縮する。残留物を酢酸エチルで希釈し、炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄する。硫酸マグネシウムで乾燥した後に、溶液を濃縮し、残留物を、クロマトグラフィーによりシリカゲルのカラムを用いて、エーテル/ヘプタン混合物(容量で3/97)で溶出して精製する。15g(95%)のN−ベンズヒドリリデン−N’−(3−ブロモフェニル)ヒドラジンが、このようにして得られる。
(実施例44)
6−(4−メチル[1,4]ジアゼパン−1−イル)−N−[5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]ニコチンアミドの製造
6−(4−メチル[1,4]ジアゼパン−1−イル)−N−[5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]ニコチンアミドは、実施例28に従って製造する。MS:ES m/z=505 MH+基本ピーク。
1H NMR(400MHz,(CD3)2SO−d6,δ(ppm)):1.89(m,2H);2.26(s,3H);2.47(部分的に遮蔽されたm,2H);2.61(m,2H);3.17(s,3H);3.67(t,J=6.0Hz,2H);3.80(m,2H);6.71(d,J=9.0Hz,1H);6.76(t,J=7.5Hz,1H);6.82(d,J=8.0Hz,2H);7.22(m,2H);8.15(部分的に遮蔽されたdd,J=2.5および9.0Hz,1H);8.16(s,1H);8.80(d,J=2.5Hz,1H);10.75(s,1H);11.0(幅広い多重線,1H);12.9(幅広なm,1H)。
4−(4−メチル[1,4]ジアゼパン−1−イル)ベンズアミド:
4−フルオロベンゾニトリル(5g、41ミリモル、1当量)及び35mLのジメチルホルムアミドを100mL丸底フラスコに入れる。この溶液にN−メチルホモピペラジン(5.18g、45ミリモル、1.1当量)を加える。得られた溶液を90℃付近の温度で36時間加熱し、次いで溶媒を蒸発乾固する。残留物を150mLの酢酸エチル及び30mLの水で希釈する。水性相を酢酸エチルで抽出し、一緒にした有機相を硫酸マグネシウムで乾燥する。蒸発させた後に、残留油状物を、クロマトグラフィーによりシリカゲルのカラムを用いて、0から10%メタノール/ジクロロメタン勾配で溶出して精製する(Rf=0.2、10/90 メタノール/ジクロロメタン(v/v))。4−(4−メチル[1,4]ジアゼパン−1−イル)ベンゾニトリル(黄色固体)を20mLの98%硫酸及び2mLの水の混合物に直接に入れる。この橙色溶液を100℃付近の温度で18時間加熱し、次いで冷却し、氷の上に注ぐことによって加水分解させる。水酸化ナトリウムペレットを用いてpHを9から10に調節する。得られた黄色沈殿物を濾取し、十分に水洗し、次いで減圧乾燥する。4−(4−メチル[l,4]ジアゼパン−1−イル)ベンズアミド(3.7g、38%)がこのようにして黄色固体の形で得られ、これを直接に次の工程で使用する。
(実施例45)
N−[5−(ベンジリデンヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ−[2,3−c]ピラゾール−3−イル]−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ベンズアミド
N−(5−ヒドラジノカルボニル−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル)−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ベンズアミド(0.150g、0.318ミリモル、1当量)、エタノール(1mL)及び注射器でベンズアルデヒド(0.048mL、0.47ミリモル、1.3当量)を、乾燥5mL丸底フラスコにアルゴン下で入れる。得られた懸濁液に5N塩酸を2滴加える。この反応混合物を50℃付近の温度で3時間攪拌し、次いで溶媒を蒸発させ、残留物を中和シリカゲルのカラムに直接入れる。メタノール/ジクロロメタン混合物(容量で10/90)を用いて溶出を行う。得られた生成物は、1mLのテトラヒドロフラン及び0.5mLの5N塩酸の混合物に直接に加える。得られた沈殿物を濾取し、水洗し、乾燥する。N−[5−(ベンジリデンヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ベンズアミドが、白色固体の形で得られる(0.029g、16%)。MS:ES m/z=488 MH+基本ピーク。
1H NMR(400MHz,(CD3)2SO−d6,δ(ppm)):2.53(部分的に遮蔽されたs,3H);2.87(m,4H);3.47(m,4H);7.03(d,J=9.0Hz,2H);7.39から7.49(m,3H);7.79(d,J=7.5Hz,2H);8.01(d,J=9.0Hz,2H);8.28(s,1H);8.39(s,1H)。
N−(5−ヒドラジノカルボニル−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル)−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ベンズアミド:
3−[4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ベンゾイルアミノ]−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−カルボン酸エチル(0.5g、1.03ミリモル、1当量)及びエタノール(2mL)を15mL丸底フラスコに入れ、1Mヒドラジン溶液(3.09mL、3.09ミリモル)及び2mLのヒドラジン一水和物を加える。反応混合物を還流で5時間攪拌し、次いで溶媒を蒸発させ、残留物を水に溶解する。白色沈殿物を濾取し、水洗し、次いで80℃付近の温度で減圧下で乾燥する。N−(5−ヒドラジノカルボニル−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル)−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ベンズアミド(0.15g、49%)、Rf=0.32(メタノール/ジクロロメタン10/90(v/v))がこのようにして得られ、この生成物を直接次の工程で使用する。3−[4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ベンゾイルアミノ]−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−カルボン酸エチルは、実施例28に従って1−(1−エトキシエチル)−3−[4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ベンゾイル−アミノ]−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−カルボン酸エチルの脱保護によって取得し得る。
(実施例46)
N−[5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]−4−(2−モルホリン−4−イルエトキシ)ベンズアミドの製造
N−[5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]−4−(2−モルホリン−4−イルエトキシ)ベンズアミドは、実施例28に従って製造する。(エトキシエチル中間体:LC/MS RT=3.10分、MH+593.5)。中間体の精製は、シリカゲルを用いて、メタノール/ジクロロメタン混合物(容量で10/90)で溶出して行う。脱保護工程の処理は、次のようにして行う:反応混合物を水で処理し、次いで5mLの酢酸エチルで抽出する。水性相を5N水酸化ナトリウムで塩基性にし、次いで酢酸エチル(2×5mL)で再度抽出する。この有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、次いで濃縮乾固する。得られた黄色固体をヘプタンを用いて磨砕する。固形物を濾取した後に、減圧下で乾燥して、N−[5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]−4−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)ベンズアミド0.192g(2工程で40%)を得る。MS:ES m/z=521 MH+基本ピーク。
1H NMR(400MHz,(CD3)2SO−d6,δ(ppm)):2.48(部分的に遮蔽されたm,4H);2.72(t,J=6.0Hz,2H);3.17(s,3H);3.58(m,4H);4.18(t,J=6.0Hz,2H);6.76(t,J=7.5Hz,1H);6.82(d,J=8.5Hz,2H);7.00から7.10(m,3H);7.22(幅広なt,J=8,0Hz,2H);8.05(幅広なd,J=8.5Hz,2H);8.16(幅広なs,1H);10.75(幅広なs,1H);10.9(非常に幅広いm,1H);12.9(非常に幅広いm,1H)。
4−(2−モルホリン−4−イルエトキシ)ベンズアミド:
250mL丸底フラスコに、炭酸カリウム(15.1g、109ミリモル、3当量)、アセトニトリル(73mL)、次いで4−ヒドロキシベンズアミド(5g、36.5ミリモル、1当量)を入れる。得られた懸濁液を30分間攪拌し、次いで4−(2−クロロエチル)モルホリン塩酸塩(8.82g、47ミリモル、1.3当量)を加える。この懸濁液に10mLのジメチルホルムアミドを加え、次いで混合物を40℃付近の温度で16時間攪拌する。次いで、溶媒を蒸発させ、残留物を水で希釈し、ジクロロメタンで抽出する。水性相を5N塩酸で酸性にし、ジクロロメタンで再度抽出する。有機相を一緒にし、硫酸マグネシウムで乾燥し、次いで減圧下で濃縮乾固する。4−(2−モルホリン−4−イルエトキシ)−ベンズアミド2.17g(23%)が、このようにして白色固体の形で得られ、これを直接に次の工程で使用する。
(実施例47)
4−(4−メチル[1,4]ジアゼパン−1−イル)−N−[5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]ベンズアミドの製造
4−(4−メチル[1,4]ジアゼパン−1−イル)−N−[5−(N’−メチル−N’−フェニルヒドラジノカルボニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−3−イル]ベンズアミドは実施例28に従って製造する。MS:EI m/z=503M+。m/z=382 (M−C7H9N2)+m/z=217 C12H15N3O+。基本ピーク。1H NMR(400MHz,(CD3)2SO−d6,δ(ppm)):1.90(m,2H);2.26(s,3H);2.45(m,2H);2.62(m,2H);3.17(s,3H);3.52(t,J=6.0Hz,2H);3.59(m,2H);6.73から6.79(m,3H);6.82(d,J=8.5Hz,2H);7.21(t,J=7.5Hz,2H);7.94(d,J=8.5Hz,2H);8.16(s,1H);10.7(s,1H);10.8(幅広い多重線,1H);12.9(幅広い多重線,1H)。
4−(4−メチル[1,4]ジアゼパン−1−イル)ベンズアミドは、実施例44に記載されている。
LC/MS分析:
LC/MS分析は、HP1100装置に接続したLCT Micromass装置で行った。化合物の吸光度は、HP G1315Aダイオードアレイ検出器及びSedex 65光散乱検出器を使用して200から600nmの波長範囲にわたって測定した。質量スペクトルは、180から800までの原子質量単位の範囲にわたって得た。データは、ソフトウエア Micromass MassLynxを使用して解析した。分離は、Thermo Hypersil Gold C18 3μm(50×3mm)カラムを用いて、0.1%(v/v)のギ酸を含有する0.1%(v/v)ギ酸水溶液を含有するアセトニトリルの5%から95%までの直線濃度勾配で、0.8ml/分の流量で5分間にわたって溶出して行った。カラム再平衡化時間を含めた全分析時間は、7分である。質量スペクトルは、Platform II(Micromass)装置でエレクトロスプレー(ES+/ES−)モードで得た。観察された主なイオンを記載する。
LC/MSによる精製:
生成物は、Waters 600グラジエントポンプ、Waters 515再生ポンプ、Waters Reagent Manager希釈ポンプ、Waters 2700自動注入装置、2つのRheodyne LabProバルブ、Waters 996ダイオードアレイ検出装置、Waters ZMD質量分析計及びGilson 204フラクションコレクターから構成されたWaters FractionsLynx装置を使用してLC/MSで精製し得る。この装置は、ソフトウエアWaters FractionLynxで制御される。精製の前に、試料を以下の方法で調製する。各試料をジメチルスルホキシドに60mg/mL付近の濃度に溶解し、注入当たり1mLの割合で注入する。
方法A:分離は、2つのWaters Symmetry(C18、5μM、19×50mm)カラムで交互に行った。一方のカラムは、0.07%(v/v)のトリフルオロ酢酸を含有する95/5(v/v)水/アセトニトリル混合物を用いて再生を行い、これに対し他方のカラムは分離に使用した。両方のカラムは、0.07%(v/v)のトリフルオロ酢酸を含有する0.07%(v/v)トリフルオロ酢酸水溶液を含有するアセトニトリルの20%から95%までの11分にわたる直線濃度勾配を使用して、10ml/分の流量で溶出した。分離用カラムを出たら、溶媒の流れをLC Packing Accurate装置で分ける。0.5ml/分の流量でのメタノールで希釈した流出液の1000分の1をダイオードアレイ検出器に75%の割合で送り、残りの25%を質量分析計に送った。流出液の残り(999/1000)はフラクションコレクターに送り、そこではこの流れは、予想される生成物の質量がソフトウエアFractionLynxで検出されない場合には廃棄される。予想される生成物の分子量は、ソフトウエアFractionLynxに提供され、検出された質量信号が[M+H]+イオン及び/又は[M+Na]+イオンに対応する場合には生成物の採取のきっかけとなる(trigger)。ある場合には、LC/MS分析結果に応じて、[M+2H]++に対応するイオン強度が検出されると、算出された分子量の半分に対応する値(MW/2)がソフトウエアFractionLynxに提供される。これらの条件下で、採取は、検出された[M+2H]++及び/又は[M+Na+H]+イオンの質量信号が検出された場合には採取のきっかけが与えられる。生成物は、風袋を測ったガラス管に採取される。採取後に、溶媒をSavant AES 2000又はGenevacHT8遠心分離エバポレーターで蒸発させ、溶媒の蒸発後にガラス管の重量を測定することによって生成物の質量を決定した。又は、溶媒をロータリーエバポレーターで、減圧下(2kPa)で40℃付近の温度で蒸発乾固する。得られた各生成物はLC/MSで分析する。
方法A’:分離は方法Aと同様の方法で行い、カラムは、0.07%(v/v)のトリフルオロ酢酸を含有する0.07%(v/v)のトリフルオロ酢酸水溶液を含有するアセトニトリルの5%から95%までの11分にわたる直線濃度勾配を使用して、10ml/分の流量で溶出する。
方法B:分離は、Waters SunFireカラム(C18、5μM、30×100mm)を用いて行う。溶出は、0.07%(v/v)のトリフルオロ酢酸を含有する0.07%(v/v)トリフルオロ酢酸水溶液を含有するアセトニトリルの5%から95%までの11分にわたる直線濃度勾配を使用して、30ml/分の流量で行う。分離用カラムを出たら、溶媒の流れをLC Packing Accurate装置で分ける。1ml/分の流量で、メタノールで希釈した流出液の10000分の1を検出器にダイオードアレイ検出器に75%の割合で送り、残りの25%を質量分析計に送る。流出液の残り(9999/10000)は、フラクションコレクターに送り、そこでこの流れは、予想される化合物の質量がソフトウエアFractionLynxで検出されない限りは廃棄される。予想される化合物の分子量はソフトウエアFractionLynxに提供され、検出された質量信号が[M+H]+イオン及び/又は[M+Na]+イオンに対応する場合に生成物の採取を開始する。ある場合には、LC/MS分析結果に応じて、[M+2H]++に対応するイオン強度が検出された場合には、算出された分子量の半分に対応する値(MW/2)がソフトウエアFractionLynxに提供される。これらの条件下では、採取は、イオン[M+2H]++及び/又は[M+Na+H]+の質量信号が検出された場合に開始される。生成物は、ガラス管に採取される。採取後に、溶媒をJouan RC1010遠心分離エバポレーターで蒸発させる。又は、溶媒をロータリーエバポレーターで、減圧下(2kPa)で40℃付近の温度で蒸発乾固する。得られた各生成物はLC/MSで分析する。
乾燥残留物は、メタノールに溶解し、再度蒸発させて粉末状の乾燥生成物を得る。
方法B’:分離は方法Bと同様の方法で行い、カラムは0.07%(v/v)のトリフルオロ酢酸を含有する0.07%(v/v)アセトニトリル水溶液を含有するアセトニトリルの10%から95%までの11分にわたる直線濃度勾配を使用して、30ml/分の流量で溶出する。
本発明の化合物は、アキラル形、又はラセミ体、又は一つの立体異性体又は鏡像異性体に富む形であってもよいし;場合により塩形成されていてもよい。
本発明の化合物は、病的状態、特に癌を治療するのに有用な医薬の製造に使用される。
本発明はまた、本発明の化合物を選択される投与方式に従って医薬的に許容される賦形剤と組み合わせて含有する治療剤組成物に関する。医薬組成物は、固体又は液状の形態であってもよいし。又はリポソームの形態であってもよい。
挙げ得る固体組成物の中には、粉末、ゲルカプセル及び錠剤がある。挙げ得る経口剤の中には、胃の酸性媒体に対して保護される固体の形態がある。固体の形態に使用される支持体は、特に無機支持体、例えばリン酸塩又は炭酸塩、又は有機支持体、例えばラクトース、セルロース、デンプン又は重合体がある。液状形態は、溶液、懸濁液又は分散液からなる。これらは、分散支持体として水又は有機溶媒(エタノール、NMPなど)又は界面活性剤及び溶媒、又は錯形成剤及び溶媒の混合物を含有する。
液状形態は、注射できることが好ましく、結果としてこのような使用に許容し得る製剤を有する。
注射によって許容し得る投与の経路としては、静脈内、腹腔内、筋肉内及び皮下経路が挙げられ、静脈内経路が好ましい。
本発明の化合物の投与量は、患者に対する投与の経路及び患者の状態に応じて開業医によって適応される。
本発明の化合物は、単独で投与してもよいし又は他の抗癌剤との混合物として投与してもよい。挙げ得る可能な組み合わせの中には、下記薬剤がある。
・アルキル化剤、特にシクロホスファミド、メルファラン、イホスファミド、クロラムブシル、ブスルファン、チオテパ、プレドニムスチン、カルムスチン、ロムスチン、セムスチン、ストレプトゾトシン、デカルバジン、テモゾロミド、プロカルバジン及びヘキサメチルメラミン
・白金誘導体、例えば特にシスプラチン、カルボプラチン又はオキサリプラチン
・抗生物質、例えば特にブレオマイシン、マイトマイシン又はダクチノマイシン
・微小管阻害剤、例えば特にビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビン及びタキソイド(パクリタキセル及びドセタキセル)
・アンタラサイクリン類、例えば特にドキソルビシン、ダウノルビシン、イダルビシン、エピルビシン、ミトキサントロン及びロソキサントロン
・I型及びII型トポイソメラーゼ阻害剤、例えばエトポシド、テニポシド、アムサクリン、イリノテカン、トポテカン及びトムデックス
・フルオロピリミジンン類、例えば5−フルオロウラシル、UFT及びフロクスウリジン
・シチジン類似体、例えば5−アザシチジン、シタラビン、ゲムシタビン、6−メルカプトムリン及び6−チオグアニン
・アデノシン類似体、例えばペントスタチン、シタラビン又はフルダラビンリン酸塩、
・メトトレキセート及びフォリン酸
・種々の酵素及び化合物、例えばL−アスパラギナーゼ、ヒドロキシ尿素、トランス−レチノイン酸、スラミン、デクスラゾキサン、アミホスチン及びハーセプチン、並びにエストロゲン系及び男性ホルモン
・抗血管形成剤、例えばコンブレタスタチン誘導体又はコルヒチン誘導体、及びこれらのプロドラッグ。
本発明の化合物を放射線療法と組み合わせることもできる。これらの治療は、同時に、別々に又は連続的に投与し得る。治療は、治療すべき患者に応じて開業医によって適応される。
細胞周期の進行は、サイクリンファミリーに属するタンパク質との相互作用によって活性化されるサイクリン依存性キナーゼ(CDK)によって支配される場合が多く、この活性化は基質のリン酸化及び最終的には細胞分裂に終わる。さらに、活性化されるCDK類の内因性阻害剤(INK4及びKIP/CIPのファミリー)は、CDK類の活性を逆に調節する。正常細胞の増殖は、CDK活性化因子(サイクリン類)とCDKの内因性阻害剤との間のバランスによるものである。幾つかの型の癌において、これらの細胞周期調節剤の幾つかの異常発現又は活性が記載されている。
サイクリンEは、キナーゼCdk2を活性化し、次いで細胞分裂及びS期への移行において不可逆的関与をもたらすタンパク質pRb(網膜細胞腫タンパク質)をリン酸化するために作用する(PL Toogood,Medicinal Research Reviews(2001),21(6);487−498)。キナーゼCDK2及び又はCDK3が、G1期への進行及びS期へ入るのに必要である。サイクリンEとの複合体の形成中に、これらはpRbの過剰リン酸化を維持してG1期からS期への進行を促進する。サイクリンAとの複合体において、CDK2は、E2Fを不活性化するのに役割を果たし及びS期に達するのに必要である(TD.Davies et al.(2001)Structure 9,389−3)。
CDK1/サイクリンB複合体は、G2基とM期の間の細胞周期の進行を調節する。CDK/サイクリンB複合体の負の調節は、G2期が正確に及び完全に終結する前に正常細胞がS期に入ることを防ぐ(K.K.Roy and E.A.Sausville,Current Pharmaceutical Design,2001,7,1669−1687)。
CDK類の活性の調節のレベルが存在する。キナーゼ(CAK)のサイクリン依存性活性化因子は、CDK類の調節に積極的な作用を有する。CAKは、トレオニン残基のCDK類をリン酸化して標的酵素を完全に活性にする。
細胞周期に関与する分子に欠陥があると、CDK類の活性化及び細胞周期の進行もたらす。癌細胞の細胞増殖を妨げるためにCDK酵素の活性を阻害することを望むことは普通である。
染色体分離及び紡錘体形成に関与する多数のタンパク質が、酵母及びショウジョウバエにおいて特定されている。これらのタンパク質の崩壊は、染色体の非分離及び単極性又は形成異常の紡錘体をもたらす。これらのタンパク質の中で、ある種のキナーゼ、例えば、ショウジョウバエ及びサッカロミセス・セレビシアエ(S.cerevisiae)からそれぞれ生じるAurora及びIpl1が、染色体の分離及び中心体の分離に必要である。酵母Ipl1のヒト類似体が、最近、種々の実験室でクローン化され、特定されている。Aurora2、STK15又はBTAKとして知られているこのキナーゼは、セリン/トレオニンキナーゼファミリーに属する。Bischoffらは、Aurora2が発ガン性であり、ヒト結腸直腸癌において増幅されることを明らかにしている(EMBO J,1998,17,3052−3065)。これはまた、上皮性腫瘍を含めた癌、乳癌で例証されている。
Tie−2(TEK)は、チロシンキナーゼ受容体のファミリーの一員であり、内皮細胞に特異的である。Tie2は、両方のアゴニスト(アンジオポイエチン1又はAng1)についてチロシンキナーゼ活性を有する一次受容体であり、受容体の自己リン酸化及び細胞シグナル伝達を刺激し[S.Davis et al.(1996)Cell 87,1161−1169]、このアンタゴニスト(アンジオポイエチン2又はAng2)[P.C.Maisonpierre et al.(1997)Science 277,55−60]は公知である。アンジオポイエチン1は、血管新生の最終段階でVEGFと相乗作用を示すことができる [Asahara T.Circ.Res.(1998)233−240]。Tie2又はAng1の発現のノックアウト実験及び遺伝子組換え操作は、血管新生に欠陥を示す動物をもたらす[D.J.Dumont et al.(1994)Genes Dev.8,1897−1909及びC.Suri(1996)Cell 87,1171−1180]。Ang1のこの受容体への結合は、Tie2のキナーゼドメインの自己リン酸化を招き、新血管形成に不可欠であり、血管の補充及び周皮細胞及び平滑筋細胞と血管の相互作用にも不可欠である;これらの現象は、新たに形成された血管の成熟及び安定性に寄与する[P.C.Maisonpierre et al.(1997)Science 277,55−60]。Lin et al.(1997)J.Clin.Invest.100,8:2072−2078及びLin P.(1998)PNAS 95,8829−8834は、腫瘍増殖及び血管新生の阻害、並びにアデノウイルス感染症中又はメラノーマ及び乳房腫瘍異種移植のモデルへのTie−2(Tek)の細胞外ドメインの注入中の肺転移の抑制を明らかにしている。
Tie2阻害剤は、新生血管形成が不適切に行われる状況(すなわち、糖尿病性網膜症、慢性炎症、乾癬、カポジ肉腫、黄斑変性症による慢性新生血管形成、関節リウマチ、乳幼児血管腫及び癌)で使用し得る。
FAKは、ヘテロ二量体細胞接着受容体のファミリーであるインテグリン類によって伝達されるシグナル伝達において重要な役割を果たす細胞質チロシンキナーゼである。FAK及びインテグリン類は、接着斑として知られている周膜構造に一緒に配置される。FAKの活性化及びこのチロシン残基に対するリン酸化、特にこのチロシン397の自己リン酸化は、インテグリンのこの細胞外リガンドに対する結合に依存し、従って細胞接着中に誘導される[Kornberg L,et al.J.Biol.Chem.267(33):23439−442(1992)]。FAKのチロシン397での自己リン酸化は、このSH2ドメインによる別のチロシンキナーゼ、Srcの結合部位を表す[Schaller et al.Mol.Cell.Biol.14:1680−1688.1994; Xing et al.Mol.Cell.Biol.5:413−421.1994]。次いで、Srcは、チロシン925上のFAKをリン酸化し得、従ってアダプタータンパク質Grb2を回復し(recruiting)及び細胞増殖の調節に関与するras及びMAPキナーゼ経路のある種の細胞活性化を誘導する[Schlaepfer et al.Nature;372:786−791.1994; Schlaepfer et al.Prog.Biophys.Mol.Biol.71:435−478.1999; Schlaepfer and Hunter,J.Biol.Chem.272:13189−13195.1997]。FAKの活性化はまた、jun NH2−末端キナーゼ(JNK)シグナル伝達経路を誘発し、細胞周期のG1期方向への細胞の進行をもたらす[Oktay et al.,J.Cell.Biol.145:1461−1469.1999]。ホスファチジルイノシトール−3−OHキナーゼ(PI3−キナーゼ)もまた、チロシン397上のFAKに結合し、この相互作用はPI3−キナーゼの活性化に必要であり得る[Chen and Guan Proc.Nat.Acad.Sci.USA.,91:10148−10152.1994; Ling et al.J.Cell.Biochem.73:533−544.1999]。FAK/Src複合体は、種々の基質、例えば線維芽細胞のパキシリン(paxillin)及びp130CASをリン酸化する[Vuori et al.Mol.Cell.Biol.16:2606−2613.1996]。
多数の研究の結果が、FAK阻害剤が癌の治療に有用であり得るという仮説を支持する。複数の研究が、インビトロでの細胞増殖及び/又は生存において重要な役割を果たすことを示唆している。例えば、CHO細胞において、幾人かの著者が、p125FAKの過剰発現がG1からSへの移行の促進をもたらすことを示し、p125FAKが細胞増殖を促進することを示唆している[Zhao J.−H et al.J.Cell Biol.143:1997−2008.1998]。別の著者達が、FAKアンチセンスオリゴヌクレオチドで処理された腫瘍細胞がこの接着性を失い、アポトーシスに入ることを明らかにしている(Xu et al.,Cell Growth Differ.4:413−418.1996)。FAKがインビトロで細胞の移動を促進することも示されている。従って、FAK発現について欠損がある線維芽細胞(FAK「ノックアウト」マウス)は、走化性シグナルに応じて、円形形態(rounded morphology)及び細胞移動における欠陥を示し、これらの欠陥はFAKの再発現によって排除される[DJ.Sieg et al.,J.Cell Science.112:2677−91.1999]。FAK(FRNK)のC末端ドメインの過剰発現は、接着細胞の伸長を妨害し、インビトロでの細胞移動を抑制する[Richardson A.and Parsons J.T.Nature.380:538−540.1996]。CHO又はCOS細胞又はヒト星状細胞腫細胞でのFAKの過剰発現は、細胞の移動を促進する。インビトロでの多数の細胞型において細胞の増殖及び移動の促進におけるFAKの関与は、新生物形成プロセスにおけるFAKの重要な役割を示唆する。最近の研究は、ヒト星状細胞腫細胞でのFAKの発現の誘発後の生体内での腫瘍細胞の増殖の増大を効果的に実証している[Cary L.A.et al.J.Cell Sci.109:1787−94.1996; Wang D et al.J.Cell Sci.113:4221−4230.2000]。さらにまた、ヒト生検の免疫組織化学研究は、FAKが前立腺癌、乳癌、甲状腺癌、大腸癌、メラノーマ、脳腫瘍及び肺癌で過剰発現され、FAKの発現のレベルが大部分の悪性表現型を示す腫瘍に直接に関連していることを実証している[Weiner TM,et al.Lancet.342(8878):1024−1025.1993; Owens et al.Cancer Research.55:2752−2755.1995; Maung K.et al.Oncogene.18:6824−6828.1999; Wang D et al.J.Cell Sci.113:4221−4230.2000]。
KDR(キナーゼ挿入ドメイン受容体)〔VEGF−R2(血管内皮増殖因子受容体2)としても知られている。〕は、内皮細胞で単独で発現される。この受容体は、血管新生増殖因子VEGFに結合し、従ってこの細胞内キナーゼドメインの活性化によってシグナル伝達メディエーターとして働く。VEGF−R2のキナーゼ活性の直接阻害は、外因性VEGF(血管内皮増殖因子)の存在下で血管新生の現象を抑制することを可能にする(Strawn et al.,Cencer Research,1996,vol.56,p.3540−3545)。このプロセスは、特にVEGF−R2変異体を使用して実証されている(Millauer et al.,Cancer Research.1996,vol.56,p.1615−1620)。VEGF−R2受容体は、VEGFの血管新生活性に関連した機能以外の機能を有していないと思われる。従って、VEGF−R2のキナーゼ活性の選択的阻害剤は、ほとんど毒性を示さないものであるべきである。
ダイナミックな血管新生プロセスにおける中心的役割のほかに、最近の結果は、VEGFの発現が化学療法及び放射線療法後の腫瘍細胞の生存に寄与し、KDR阻害剤と他の薬剤との可能な相乗作用を強調している(Lee et al.Cancer Research,2000,vol.60,pp.5565−5570)。
生化学的検査に関する実験プロトコール
1.Aurora1及びAurora2
キナーゼAurora1及びAurora2に対する化合物の阻止効果を、放射能検出を使用して酵素検定によって調べる。
Aurora 1及びAurora2のキナーゼ活性は、ニッケルキレートがマイクロプレートの表面に結合されている96ウエルプレートFlashplateを使用して放射線標識ATP([33P]ATP)の存在下で基質Numa−ヒスチジンのリン酸化によって評価される。NuMA基質に組み込まれた33Pリン酸の量は、酵素Aurora 1及びAurora2の活性に比例する。
タンパク質:
前記タンパク質は、Sanofi−Aventisグループのタンパク質製造実験室で製造される。
Aurora 1:約50%まで精製され、Aurora−BのN末端がヒスチジンで標識されているAurora−B/INCENP−C3組換え複合体。
Aurora2:N末端ヒスチジン尾部を含有する全組換えタンパク質が、大腸菌内で発現され、82%超に精製された。
NuMA(有糸分裂装置と組み合わせる核タンパク質):大腸菌内で発現され、このN末端がヒスチジンで標識されており、前記2つのAurora酵素の基質として使用される424−アミノ酸断片。
プロトコール:
使用したマイクロプレートは、96ウエルプレートFlash−Plate、ニッケルキレート(Perkin−Elmer、型式SMP107)である。
評価すべき生成物は、10nMのAurora 1又はAurora 2、500nMのNuMA基質の存在下で、50mMトリス/HCl(pH7.5)、50mM NaCl、5mM MgCl2(Aurora−B)又は10mM MgCl2(Aurora−A)及び1mM DTTからなる緩衝液中でウエル当たり100μLの反応容量で、37℃でインキュベートする。
80μLの酵素/基質インキュベーション緩衝液を各ウエルに分配し、次いで10μLの評価すべき生成物を種々の濃度で分配する。反応は、0.2μCiの[33P]ATP(10μL)を含有する最終1μMのATPを加えることによって開始させる。30分間インキュベートした後に、反応を、反応緩衝液を単純に除去することにによって停止させ、各ウエルを300μlのトリス/HCl緩衝液を用いて2回洗浄する。次いで、放射能をPackard、Top−Countモデルシンチレーション装置を使用して各ウエルで測定する。
Auroraの対照酵素活性は、バックグラウンドノイズ(酵素を含有していない反応混合物)を差し引いた後に30分にわたって得られた1分当たりのカウント数で表される。種々の試験生成物の評価は、対照に対するAurora活性の阻害の割合として表される。
2.CDK2/サイクリンE:
CDK2/サイクリンE−(His)6複合体のIMAC(固定化金属アフィニティークロマトグラフィー)での精製:
CDK2及びサイクリンE(後者はC末端ヘキサヒスチジン標識を有する)をそれぞれコードするヒト配列を有する2つの組換えバキュロウイルスを、Sf21昆虫細胞を同時感染させるのに使用する。同時感染の開始後2日又は3日目に、細胞を遠心分離によって収集し、次いで使用するときまで−40℃で保存する。細胞の解凍及び機械的溶解の後に、溶解上清中に存在する複合体を、ニッケルを用いたアフィニティークロマトグラフィー(IMAC)で精製し、−80℃で保存する。
96ウエルフォーマットでのCDK2/サイクリンEフラッシュプレート試験
ストレプトアビジン被覆96ウエルプレートでのフォーマットを、CDK2/サイクリンEのキナーゼ活性に関する化合物の活性を試験するのに使用する。
この試験を行うために、ビオチニル化ペプチド基質、すなわちタンパク質pRbの断片(ビオチニル−SACPLNLPLQNNHTAADMYLSPVRSPKKKGSTTR−OH)を、キナーゼ緩衝液(HEPES/NaOH 50mM、NaCl 1mM、MgCl2 5mM、pH7.5)に1mMの濃度で溶解して、110μLアリコートの形で、−20℃で保存される原液を構成する。実験の当日に、この溶液のアリコートを解凍し、1mMのジチオトレイトール(すぐに緩衝液に加えた)を含有するキナーゼ緩衝液に希釈し、14.3μMの濃度を得た。この溶液の70μLをFlashplateの各ウエルに加えて、100μLの反応媒体の最終容量で行われる酵素反応中に10μMの最終基質濃度を得た(以下を参照)。
種々の濃度の阻害剤(本発明の生成物)の中間希釈液を、DMSOに10mMの原液から別々の管に調製する。1000μM、333.3μM、111.1μM、37.03μM、12.35μM、4.11μM及び1.37μMの希釈液をこのようにして調製する。これらの溶液のそれぞれの1μL(又は対照用に1μLのDMSO)を試験プレートのウエルに移す。
次いで、5.26μMのATP及び52.6μCi/mlの33Pの全濃度のキナーゼ緩衝液中のアデノシン三リン酸(ATP)及びATPγ33Pの混合物の溶液19μlを各ウエルに加える。1mMのジチオトレイトールを含有するキナーゼ緩衝液中のCDK2/サイクリンEの200nM溶液をウエル当たり10μL(又は反応ブランク用に1mMのジチオトレイトールを含有するキナーゼ緩衝液10μL)を加えることによって、酵素反応を開始させる。
それぞれの試薬の添加後に、各ウエルの最終容量は100μLであリ、基質の最終濃度は10μMであり、最終阻害剤濃度は10μM、3.33μM、1.11μM、0.37μM、0.123μM、0.041μM及び0.014μM(中間希釈液の濃度に従って)であり、最終ATP濃度は1μMであり、33Pの最終量は1 Ci/ウエルであり、及びCDK2/サイクリンE複合体の最終濃度は20nMである。
全ての試薬の添加後に、試験プレートを、650rpmで軌道(orbital)振盪しながら30℃でインキュベートする。
インキュベーションが完了したら、プレートをウエル当たり300μLのPBS(リン酸塩緩衝食塩水、pH=7.4、カルシウム又はマグネシウムなし、reference 10010−015、Gibco BR1)で3回洗浄する。ペプチドへの33Pの取り込みを、Packard Topcount.NXT装置を用いてシンチレーションカウントすることによって定量する。本発明の生成物の阻害活性を、酵素活性の50%抑制を可能にする阻止濃度(IC50)を測定することによって評価する。
3.Tie2
細胞内ドメイン776−1124のアミノ酸に対応するヒトTie2のコード配列は、モデルとしてヒト胎盤から単離されたcDNAを使用してPCRによって作成した。この配列を、pFastBacGTバキュロウイルス発現ベクターにGST融合タンパク質の形で導入した。
分子の阻止効果は、約80%の均質性に精製したGST−Tie2の存在下で、Tie2を用いたPLCのリン酸化の試験で調べる。基質は、GST融合タンパク質の形で発現されたPLCのSH2−SH3断片からなる。
Tie2のキナーゼ活性は、10mM MgCl2、10mM MnCl2、1mM DTT、10mMのグリセロリン酸を含有するMOPS 20mM(pH7.2)緩衝液中で測定する。氷の上で保持した96ウエルプレートFlashPlateに、ウエル当たり100ngの酵素GST−Tie2を含有するキナーゼ緩衝液70μLからなる反応混合物を入れる。次に、DMSOに10%の最大濃度に希釈した試験分子10μLを加える。所与の濃度について、それぞれの測定を4回行う。反応は、2μgのGST−PLC、2μmの冷却ATP及び1μCiの33P[ATP]を含有する溶液20μLを加えることによって開始させる。37℃で1時間のインキュベートの後に、反応を200mM EDTA1容量(100μl)を加えることによって停止させる。インキュベーション緩衝液の除去後に、ウエルを300μLのPBSで3回洗浄する。放射能を、MicroBetal450Wallacを用いて測定する。
Tie2活性の阻害を、算出し、化合物の不在下で測定した対照活性に対する阻害%として表す。
製造された化合物の活性:
化合物の活性は、Aurora 1、Aurora 2、CDK2及びTie2の活性の阻害を測定することによって調べた。この結果を以下の表1に示す(IC50、nM)。