JP5136295B2 - 動きベクトル検出装置、動きベクトル検出方法及びプログラム - Google Patents

動きベクトル検出装置、動きベクトル検出方法及びプログラム Download PDF

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本発明は、動画像データから動きベクトルを検出して、高能率符号化などの画像処理を行う場合に適用して好適な動きベクトル検出装置及び動きベクトル検出方法、並びにその動きベクトル検出処理を実行するプログラムに関する。
従来、動画像の処理の分野において、動きの情報、即ち時間的に異なる画像中の物体の動き方向と大きさを用いて、画像処理を効率的に行うことが行われている。例えば、画像の高能率符号化における動き補償フレーム間符号化や、フレーム間時間領域フィルタによるテレビジョン雑音低減装置における動きによるパラメータ制御などに、動き権検出結果を利用することが行われている。動きを求める手法としては、ブロックマッチング法が知られている。ブロックマッチング法は、1フレームの画像を所定画素単位のブロックとしたブロック単位で、そのブロックが動いた領域を探索するものである。このブロックマッチングによる動きベクトル検出処理は、MPEG方式などで実用化されている、動きベクトルを利用した画像処理として、最も普及した一般的な処理である。
ところが、ブロックマッチング法では、ブロックを単位とした処理であるため、各フレーム内の画像の動き検出を必ずしも高精度に検出しているとは言えなかった。このため、本出願人は、先に特許文献1に記載した動きベクトル検出処理を提案した。この動きベクトル検出処理は、画像信号から、各画素位置の動きに関する評価値を検出し、その検出した評価値を評価値テーブルとして持ち、評価値テーブルのデータから、1画面内の候補ベクトルとして複数のベクトルを抽出する。そして、その抽出した複数の候補ベクトルを対象として、全画面の各画素毎に、候補ベクトルによって対応付けられるフレーム間の画素の相関を判定し、最も相関が高いと判定された画素を結ぶ候補ベクトルを、その画素に対する動きベクトルとして決定するものである。この処理の詳細は、後述する実施の形態の中で説明する。
図50は、この評価値テーブルを使用して、動きベクトルを決定する場合の、先に提案した評価値テーブル形成部の構成を示した図である。図50の構成を説明すると、入力端子1に得られる画像信号は、相関演算部2に供給される。相関演算部2は、注目点メモリ2aと減算器2bと絶対値算出部2cとを備える。入力端子1に得られる画像信号の中で、注目画素の画素値を、注目点メモリ2aに記憶する。そして、その注目点メモリ2aに記憶された注目点の画素(注目画素)の画素値と、入力端子1に入力した参照点の画素(参照画素)の画素値とのフレーム間の差分を減算器2bで検出する。検出した差分のデータを、絶対値算出部2cに供給し、絶対値化されたデータを、相関判定部3に供給する。相関判定部3は、比較部3aを備えて、設定された閾値と比較し、その閾値と比較し、評価値を得る。評価値としては、一例として相関値を用いることができ、例えば差分が閾値以下であるとき、相関が高いとする。
相関判定部3で得られた評価値は、評価値テーブル算出部4に供給し、評価値積算部4aで積算し、その積算結果を評価値テーブルメモリ4bに記憶させる。そして、評価値テーブルメモリ4bの記憶データを、評価値テーブルデータとして出力端子5から後段の回路に供給する。
図51は、この図50に示す従来の評価値テーブルを使用して動きベクトルを決定する処理状態の概要を示した図である。図51(a)に示すように、まず現在のフレーム(現フレーム)F1の1フレーム前の画像データである前フレームF0内の、動きベクトルを判断する基準となる画素位置を注目画素d0とする。この注目画素d0が決まると、その注目画素d0の画素位置の周辺の所定範囲でのサーチエリアSAが、現フレームF1内で設定される。サーチエリアSAが設定されると、そのサーチエリアSA内の各画素を参照画素d1として評価値が算出され、評価テーブルに登録される。そして、評価値テーブルに登録された値から、サーチエリアSAで最も評価値が高い参照画素が、前フレームの注目画素から動いた現フレームの画素位置として求まる。このように最も評価値が高い参照画素が求まることで、図51(b)に示されるように、その評価値が最も高い参照画素と注目画素との動き量から、動きベクトルが定まる。
この図50,図51に示す処理を行うことで、評価値テーブルデータに基づいて動きベクトルを検出することができる。
特開2005−175869号公報
評価値テーブルデータに基づいて動きベクトルを検出する場合、最適な動きベクトルの決定は、評価値テーブルの性能に依存する。図50に示した従来方式では、注目画素と未来フレーム(現フレーム)内の探索範囲における、動き候補先画素との相関判定、具体的には輝度値の差分絶対値がある閾値以下であれば、動き候補として、評価値テーブルに度数がカウントされる。
ところが、この従来手法による処理では、画像が平坦である箇所や縞模様の箇所などで、空間傾斜が全て、あるいは、一部の方向に対して、ほとんどない画像の場合には、上述した相関判定のみで評価値テーブルを作成すると、誤った動きを足しこんでしまう可能性があり、評価値テーブルの信頼性が低下してしまう。評価値テーブルの信頼性が低下すると、検出される動きベクトルの精度も低下してしまう。
また、従来の評価値テーブルでは、画像中に複数の動きがあった場合には、誤った動きが足されてしまうために、それぞれの動きに起因する評価値が埋もれ、それぞれの動きベクトルを検出することが困難であった。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、動きベクトルの評価値情報を使用して動きベクトルを検出する場合の精度を向上させることを目的とする。また、複数の動きがある場合にも複数の動きを検出できるようにすることを目的とする。
本発明は、動画像データから動きベクトルを検出する場合に適用される。
その処理構成としては、複数フレーム間の画素値相関情報に基づいて評価値情報を生成し、評価値テーブルに基づいて動画像データのフレーム構成画素に対する動きベクトルを抽出する。そして、抽出された候補となる動きベクトルの中から、動きベクトルを決定する。そして本発明においては、画素の動き方向に基づいて生成させた画素値相関情報より評価値情報を形成するようにしたものである。この評価値情報を作成する際には、例えば動きベクトルを判断する注目画素の動き方向と、注目画素の動き候補先の参照画素に隣接する隣接画素との空間傾斜状態から作成する。
本発明によると、候補ベクトルから動きベクトルを検出する際に、その候補ベクトルを得るための評価値情報として、画素の動き方向に基づいた情報を使用して、候補を絞った画素値相関情報を得ることが可能となり、適切な評価値テーブルが得られるようになる。
本発明によると、相関判定結果の度数分布である評価値情報を作成する際に、注目画素の動き方向又は動き方位に基づいた情報、或いは、動き候補先の点の動き方向に基づいた情報を考慮することで、画像の平坦部や繰り返しパターン部などの動きの誤りを軽減できる。従って、信頼性の高い評価値情報を作成することが可能となり、検出される動きベクトルの精度を向上させることが可能になる。また、例えばサーチエリア内に複数の動きがあった場合でも、それぞれの動きに対する評価値が適切に得られて、複数の動きを同時に算出することが可能となる。
本発明の実施の形態の例について、以下の順序で説明を行う。
1.動きベクトルを検出する全体の構成の概要:図1
2.動きベクトルを検出する全体の処理の概要:図2
3.第1の実施の形態の例:図3〜図5
4.第1の実施の形態でLUTを使用した例:図6〜図7
5.第1の実施の形態で作成される評価値テーブルの例:図8〜図10
6.第2の実施の形態の例:図11〜図13
7.第2の実施の形態でLUTを使用した例:図14〜図15
8.第2の実施の形態で作成される評価値テーブルの例:図16
9.第3の実施の形態の例:図17〜図19
10.第3の実施の形態でLUTを使用した例:図20〜図21
11.第4の実施の形態の例:図22〜図23
12.第4の実施の形態の変形例:図24〜図25
13.第4の実施の形態で作成される評価値テーブルの例:図26〜図27
14.第5の実施の形態の例:図28〜図30
15.第5の実施の形態の他の例:図31〜図33
16.第5の実施の形態で作成される評価値テーブルの例:図34
17.第5の実施の形態の変形例:図35〜図36
18.第6の実施の形態の例:図37〜図41
15.第6の実施の形態でLUTを使用した例:図42〜図43
16.第6の実施の形態で作成される評価値テーブルの例:図44
17.動きベクトル抽出部の構成及び動作例:図45〜図46
18.動きベクトル決定部の構成及び動作例:図47〜図48
19.実施の形態の変形例の説明
[1.動きベクトルを検出する全体構成の概要]
以下、本発明の第1の実施の形態を、図1〜図10を参照して説明する。
本実施の形態においては、動画像データから動きベクトルを検出する動きベクトル検出装置としたものであり、その検出処理として、動きベクトルの評価値テーブルを形成させて、その評価値テーブルのデータを積算して、動きベクトルを判定するものである。なお、以下の説明では、動きベクトルの評価値情報を記憶したものを評価値テーブルと称するが、この評価値テーブルは、必ずしもテーブル状の記憶情報として構成されてなくてもよく、動くベクトルの評価値を示す情報であれば良い。例えば、評価値をヒストグラム化した情報として、そのヒストグラム化された評価値情報を持つようにしてもよい。
図1は、動きベクトル検出装置の全体構成を示した図である。画像信号入力端子11に得られる画像信号を、評価値テーブル形成部12に供給して、評価値テーブルを形成させる。画像信号は、例えば、各フレーム内の各画素で個別の輝度値が得られるデジタル映像信号である。評価値テーブル形成部12では、例えばサーチエリアと同一の大きさの評価値テーブルを作成する。
評価値テーブル形成部12が作成した評価値テーブルデータは、動きベクトル抽出部13に供給して、評価値テーブルから、1画面内(1フレーム内)の候補ベクトルとして、複数の動きベクトルを抽出する。ここでは、評価値テーブルに出現したピークに基づいて、複数の候補ベクトルを抽出する。動きベクトル抽出部13で抽出した複数の候補ベクトルは、動きベクトル決定部14に供給する。動きベクトル決定部14では、候補ベクトル抽出部13において抽出した複数の候補ベクトルを対象として、全画面の各画素ごとに、候補ベクトルによって対応付けられるフレーム間の画素間の相関を領域マッチング等により判定し、最も相関の高い対応となったブロックを結ぶ候補ベクトルを、その画素に対応する動きベクトルとして設定する。これらの動きベクトルを得る処理は、制御部(コントローラ)16による制御で実行される。
設定された動きベクトルのデータは、動きベクトル出力端子15から出力させる。このとき、必要により入力端子11に得られる画像信号に付加して出力させてもよい。出力された動きベクトルデータは、例えば画像データの高能率符号化に使用される。或いは、画像をテレビジョン受像機で表示させる際の高画質化処理に使用される。さらにまた、その他の画像処理に、本例の処理で検出された動きベクトルを使用してもよい。
[2.動きベクトルを検出する全体の処理の概要]
図2のフローチャートは、この動きベクトルを決定するまでの処理例を示したものである。まず、入力した画像信号から評価値テーブルを形成させ(ステップS11)、その形成された評価値テーブルから、候補となる複数のベクトルを抽出する(ステップS12)。そして、その抽出された複数の候補ベクトルの中から、最も相関の高い動きベクトルを決定する(ステップS11)。この図2のフローチャートの処理が、各フレームで実行される。ここまでは、評価値テーブルを使用した動きベクトル検出構成として一般的な構成である。
[3.第1の実施の形態の例]
本実施の形態においては、評価値テーブル形成部12での評価値テーブルの形成処理として、図3に示す構成で実行する。図3の例は、評価値テーブルの形成時に、注目画素の動き方位の空間傾斜を加味して形成させるようにしたものである。ここでの注目画素とは、動きベクトルを判定する上での基準となる点(基準点)の画素位置(注目画素)であり、参照画素とは、その注目画素から動いた先である可能性がある点の画素位置(参照画素)である。参照画素は、注目画素とは後又は前の別のフレームで、注目画素の画素位置の近傍(即ちサーチエリア内)の画素である。また、本明細書中での「動き方向」とは、注目画素と参照画素との相対位置(動き)の方向を示し、本明細書中での「動き方位」とは、動き方向に最も近接する方向である、注目画素と所定周辺隣接画素とのベクトルと定義する。
図3の例の構成について説明すると、入力端子11に得られる画像信号は、評価値テーブル形成部12内の相関演算部20に供給する。相関演算部20は、注目点メモリ21と減算器22と絶対値算出部23とを備える。入力端子11に得られる画像信号の中で、注目画素の画素値を、注目点メモリ21に記憶する。この際、後述する空間傾斜の判定を行うために、注目点メモリ21では、注目画素の周辺画素の値についても記憶する。
そして、その注目点メモリ21に記憶された注目画素の画素値と、入力端子11に入力した画素値とのフレーム間の差分を減算器22で検出する。検出した差分のデータを、絶対値算出部23に供給し、絶対値化されたデータを、相関判定部30に供給する。相関判定部30は、比較部31を備えて、設定された閾値と比較し、評価値を得る。評価値としては、例えば差分が閾値以下であるとき相関が高いとし、閾値を越えたとき相関が低いとした2値の値とする。
相関判定部30で得られた評価値は、画素選別部40に供給する。画素選別部40は、相関判定部30が出力する2値を選別するゲート部41を備える。このゲート部41を制御する構成として、動き方位算出部42と、空間傾斜判定部43と、比較部44とを備える。動き方位算出部42は、注目点メモリ21に記憶されたデータから、注目画素と参照画素との相対位置を算出し、その相対位置から動き方位を算出する。動き方位が算出されると、空間傾斜判定部43で、注目画素と同じフレーム内での注目画素からの動き方位方向の隣接画素のデータを注目点メモリ21から読み出し、注目画素の画素データと隣接画素データとの画素値の差分を算出する。ここでの画素値の差分とは、各画素の輝度値の差分である。算出された差分の値は、比較部44に送られて予め設定された隣接差分判定用の閾値と比較し、その比較結果で差分が閾値を超えていない場合に、ゲート部41に供給される評価値の通過を阻止させる。比較部44での比較で差分が閾値を超えている場合には、ゲート部41に供給される評価値を通過させる。空間傾斜判定部43で空間傾斜ありと判定された隣接画素の数は、画素選別部40が備えるカウンタ(図示せず)でカウントされる。
画素選別部40のゲート部41を通過した評価値は、評価値テーブル算出部50に供給し、評価値積算部51で積算し、その積算結果を評価値テーブルメモリ52に記憶させる。そして、評価値テーブルメモリ52の記憶データを、評価値テーブルデータとして出力端子12aから後段の回路に供給する。
この図3の構成での処理動作を示したのが、図4のフローチャートである。
図4に沿って説明すると、図3に示した構成での処理としては、相関演算部20及び相関判定部30での画素相関があることの検出に基づいた候補検出処理と、その相関判定部30で得られた候補を、さらに、画素選別部40で選別する処理とが行われる。以下のフローチャートでは、画素選別部40での処理を中心にして説明する。
まず、注目点メモリ21の記憶データを使用して、動き方位算出部42で、前フレームの注目画素と現フレームの参照画素との相対位置を算出する(ステップS21)。その相対位置が算出されると、注目画素から見た相対位置が、ここでの動きとなり、その注目画素から見た動き方位を動き方位算出部42で得る(ステップS22)。
そして、注目画素から見た、同じフレーム内での動き方位の隣接画素を注目点メモリ21から読み出し(ステップS23)、その読み出した隣接画素の画素値と注目画素の画素値との差分を空間傾斜判定部43で算出する。差分の値が算出されると、その差分の値が、比較部44で閾値と比較され(ステップS25)、差分の値が閾値を超えている場合には、ゲート部41で現在の注目画素の評価値を通過させ、空間傾斜判定で傾斜ありと判定された数をカウントするカウンタをカウントアップさせる(ステップS26)。差分の値が閾値を超えていない場合には、ゲート部41で現在の注目画素の評価値の通過を阻止させ、評価値テーブルへのその評価値の書き込みを禁止させる(ステップS27)。
また、注目画素と参照画素との差分の絶対値が相関演算部20で検出されて、その差分の絶対値が、閾値未満であるか否か判断される(ステップS28)。この判断で、閾値未満である場合には、相関判定部30から画素選別部40のゲート部41に送られる。そして、閾値未満でない場合には、ゲート部41に送られず、評価値テーブルへのその評価値の書き込みを禁止させる(ステップS27)。
ここまでの処理が行われると、相関判定部30から画素選別部40のゲート部41に送られたデータ(画素相関のあるデータ)の内で、画素選別でゲート部41を通過させた数(頻度)が、評価値テーブルに書き込まれる(ステップS29)。このようにして、評価値テーブルに書き込ませることで、空間傾斜有り、かつ、相関判定有りの数が、評価値テーブルに書き込まれる。相関判定有りの数が頻度であり、評価値となる。なお、この頻度そのものを評価値としてもよいが、例えばステップS26でのカウント値で、頻度の値を割った値を、評価値として、評価値を正規化してもよい。後述する他のフローチャートの例の場合にも、評価値を得る場合に、頻度そのものを評価値とする場合とカウント値で正規化する場合のいずれでもよい。
図3の構成及び図4のフローチャートでの処理状態の概要を示したのが、図5である。
まず、図5(a)に示すように、現在のフレーム(現フレーム)F1の1フレーム前の画像データである前フレームF0内の、動きベクトルを判断する基準となる画素位置を注目画素d0とする。この注目画素d0が決まると、その注目画素d0の画素位置の周辺の所定範囲でのサーチエリアSAが、現フレームF1内で設定される。サーチエリアSAが設定されると、そのサーチエリアSA内の各画素を参照画素d1として評価値が算出される。
ここで本例においては、図5(b)に示すように、前フレームF0の注目画素d0と参照画素d1との相対位置から動き方位を判断する。この図5(b)の例では、水平方向に左に動いた例としてある。
このような動き方位の判断をした際には、図5(c)に示すように、前フレームF0内で、注目画素とその画素に隣接する周囲の8画素の内で、動き方位で示される方向に隣接した画素を読み出し、その読み出した隣接画素と、注目画素d0との差分を判定し、注目画素の空間傾斜を判定する。この判定で、空間傾斜があると判断された場合にだけ、そのときの参照画素d1の評価値が、評価値テーブルに書き込まれることになる。
なお、図3及び図4の例では、画素選別部40からの制御で、評価値積算部51で積算を行う際のカウントを行うようにしたが、そのカウント値を用いて評価値テーブルの度数の正規化を行うようにしてもよい。例えば、動き方位を、注目画素を中心とした3×3の8方位とし、注目画素の空間傾斜のカウントを用いる場合に、注目画素の各8方位に対する空間傾斜ありのカウントを、全画面(全注目画素)で合計する。そして、各8方位のカウント値で、評価値テーブルの各8方位のエリアの度数を正規化するようにする。このように正規化することで、より良好な評価値が得られるようになる。
[4.第1の実施の形態でLUTを使用した例]
図3及び図4の例では、注目画素の動き方位の隣接画素との判断に基づいて、空間傾斜を判定するようにしたが、例えば相対位置(動き)と動き方位の関係を予め計算して持っているテーブル(ルックアップテーブル:以下LUTと称する)と、各点の周辺画素との空間傾斜の有無を0,1(或いは0,1,2)で、予め計算して持っているパターンメモリとを設けて、LUTとパターンメモリとの比較で、評価値テーブルへの書き込みの制限を行うようにしてもよい。LUTとパターンメモリとを使用することで、演算処理量などを削減することができる。LUTとパターンメモリとを使用することによる効果は、後述する第2の実施の形態以降の処理構成の場合も同様である。
図6は、注目画素の動き方位の空間傾斜を加味する場合において、このLUTとパターンメモリとを使用する構成としたときの評価値テーブル形成部12の構成例を示したものである。
以下、図6を参照してその構成を説明する。図6に示した評価値テーブル形成部12は、画素選別部60の構成が、図3に示した評価値テーブル形成部12の画素選別部40とは異なるものであり、その他の部分(即ち相関演算部20,相関判定部30,評価値テーブル算出部50)については、図3の構成と同じである。図6の評価値テーブル形成部12において、図3の評価値テーブル形成部12と同一部分には同一符号を付す。
図6の構成において、画素選別部60はゲート部61を備えて、相関判定部30が出力する2値を、ゲート部61で選別する。このゲート部61を制御する構成として、空間傾斜パターン算出部62と、注目点パターンメモリ63と、パターン比較部64と、動き方位LUT65と、動き方位算出部66とを備える。
空間傾斜パターン算出部62は、各フレームの画素データが供給されるごとに、各画素に対して、注目画素と周辺画素との空間傾斜の有無を0と1で表現し、フラグとして注目点パターンメモリ63に格納する。そして、動きが検出された方位に応じて、そのフラグを参照して、空間傾斜を判定する。また、ある時刻tのとき、現在フレーム(参照画素)で作成した画素ごとの空間傾斜の有無を示すフラグは、次のフレームが得られる時刻t+1のとき、前フレーム(注目画素)の各画素の空間傾斜の有無を示すフラグとして使用できる。
動き方位算出部66では、探索範囲内の相対位置(動き)と、近接方向との関係を予め計算して、その計算されたデータを動き方位LUT65として記憶しておく。記憶されたルックアップテーブルの値は、注目点パターンメモリ63に送り、空間傾斜パターン算出部62で算出された空間傾斜と、動き方位LUT65から読み出した動き方位の隣接画素のパターンとを、パターン比較部64で比較し、その比較結果で傾斜ありと判定された場合に、ゲート部61で評価値を通過させ、傾斜なしの場合に通過を阻止させる制御を行う。また、パターン比較部64で空間傾斜ありと判定した場合には、空間傾斜ありの数をカウントするカウンタをカウントアップさせる。
図7は、この図6の構成による処理例を示したフローチャートである。
図7に沿って説明すると、図6に示した構成での処理としては、相関演算部20及び相関判定部30での画素相関があることの検出に基づいた候補検出処理と、その相関判定部30で得られた候補を、さらに、画素選別部60で選別する処理とが行われる。以下のフローチャートでは、画素選別部60での処理を中心にして説明する。
まず、注目点メモリ21の記憶データを使用して、空間傾斜パターン算出部62で、前フレームの注目画素と現フレームの参照画素との相対位置を算出し(ステップS31)、その相対位置から動き方位を判定する。その判定した動き方位のデータを動き方位LUT65から読み出し(ステップS32)、さらに注目点パターンメモリ63から動き方位の隣接画素のパターンを読み出し(ステップS33)、隣接画素の差分のパターンを判定する(ステップS34)。この判定で、空間傾斜ありと判定した場合には、空間傾斜ありを示す値のカウンタをカウントアップさせる(ステップS35)。
また、相関演算部20で得られた、注目画素と参照画素との差分の絶対値が、閾値未満であるか否か判断される(ステップS37)。この判断で、閾値未満である場合には、相関判定部30から画素選別部60のゲート部61に送られる。また、ステップS34で空間傾斜なしと判定した場合と、ステップS37で注目画素と参照画素との差分が閾値を越えていると判定した場合には、ゲート部61で評価値の通過を阻止させ、評価値テーブル52に該当する評価値を書き込ませない(ステップS36)。
そして、相関判定部30から画素選別部60のゲート部61に送られたデータ(画素相関のあるデータ)の内で、画素選別でゲート部61を通過させた数(頻度)が、評価値テーブルに書き込まれる(ステップS38)。
この図6、図7に示すように、ルックアップテーブルを使用しても、注目画素の動き方位を利用した評価値テーブルの作成処理が可能となる。
[5.第1の実施の形態で作成される評価値テーブルの例]
図9及び図10は、評価値テーブルでの積算結果の例を示したものである。図9は相関判定のみで得た評価値テーブル(即ち従来技術で得た評価値テーブルに相当)であり、図10は、図3の処理構成で得た本実施の形態による評価値テーブルであり、いずれも図8に示すテスト画像に対して求めた評価値である。即ち、図8に示すように、2種類の背景色の境界部を移動する2つの物体が示された、同じ画像信号に対して処理したテスト画像に対して評価値を求めた例である。図8のテスト画像では、背景は静止しており、背景とは若干異なる色(白色)の円形の物体m1が矢印aで示す方向に、各フレームで順に移動しており、さらに、一方の背景色に近い色(黒色)の円形の物体m2が矢印bで示す方向(矢印aで示す方向とは反対方向)に、各フレームで順に移動している状態を示している。ここでは、矢印a,bで示す2つの物体m1,m2は、その面積が異なり、また移動方向は、2種類の背景色の境界部を移動している。
図9は、相関判定のみから積算した評価値テーブルを得た例であり、従来処理で得られる評価値に相関値テーブルに相当する。図8の画像中の動く物体(m1、m2)内部、あるいは、背景部のそれぞれは、平坦で、同じ輝度値であるため、相関判定のみで評価値テーブルへ積算を行うと、図9に示すように、誤った動きが評価値テーブルに多く積算されてしまい、この誤った動きに埋もれてしまい、評価値テーブルから正しい動きベクトルを求めることは困難になる。
図10は、図3の構成で処理して、注目画素の空間傾斜を加味して積算させた例である。この図10に示すように、本実施の形態によると、ピーク位置P1,P2が明確化している。さらに、2つのピーク位置P1,P2が候補として正しく示されている。このため、評価値テーブルに登録された値から、注目画素から動いた画素位置が正しく判定され、動きベクトルが定まる。しかも、複数の動きがある場合であっても、その複数の動きをそれぞれ個別に判定できる効果がある。
[6.第2の実施の形態の例]
次に、本発明の第2の実施の形態を、図11〜図16を参照して説明する。
本実施の形態においても、動画像データから動きベクトルを検出する動きベクトル検出装置としたものであり、画素値相関情報より評価値テーブルを形成させて、その評価値テーブルのデータから動きベクトルを判定する点は、先に説明した第1の実施の形態と同じである。
動きベクトル検出装置の全体構成及び全体処理については、第1の実施の形態で説明した図1の処理構成及び図2のフローチャートと同じである。
そして本実施の形態においては、図1に示した動きベクトル検出装置の評価値テーブル形成部12を、図11に示す構成としたものである。図11の評価値テーブル形成部12において、第1の実施の形態で説明した図3の評価値テーブル形成部12と同一部分には同一符号を付す。
本実施の形態においては、注目画素と参照画素の双方の動き方位の空間傾斜を加味して、画素値相関情報を得て評価値テーブルを形成させるようにしたものである。注目画素と参照画素の定義については、既に第1の実施の形態で説明したものと同じである。即ち、注目画素は、動きベクトルを判定する上での基準となる点(基準点)の画素位置であり、参照画素は、注目画素とは後又は前の別のフレームのサーチエリア内の画素である。
図11の例の構成について説明すると、入力端子11に得られる画像信号は、評価値テーブル形成部12内の相関演算部20′に供給する。相関演算部20′は、参照点メモリ24と注目点メモリ25と絶対値算出部26とを備える。参照点メモリ24は、入力端子11に得られる現在のフレームの画像信号の各画素値を記憶し、1フレーム期間経過すると、その記憶データを注目点メモリ25に移す処理を行う。このようにして、2つのメモリ24,25に、参照画素の画素データと注目画素の画素データとが記憶される。絶対値算出部26では、注目点メモリ25から読み出した注目画素の画素値と、参照点メモリ24から読み出した参照画素の画素値とを比較して、その差分の絶対値を算出する。
そして、検出した差分のデータを、相関判定部30に供給する。相関判定部30は、比較部31を備えて、設定された閾値と比較し、評価値を得る。評価値としては、例えば差分が閾値以下であるとき相関が高いとし、閾値を越えたとき相関が低いとした2値の値とする。
相関判定部30で得られた評価値は、画素選別部70に供給する。画素選別部70は、相関判定部30が出力する2値を選別するゲート部71を備える。このゲート部71を制御する構成として、動き方位算出部72と、空間傾斜判定部73と、比較部74とを備える。動き方位算出部72は、参照点メモリ24の記憶データと注目点メモリ25の記憶データとから、注目画素と参照画素との相対位置を算出し、その相対位置から動き方位を算出する。
動き方位が算出されると、空間傾斜判定部73で、参照画素と動き方位の隣接画素の画素データを参照点メモリ24から読み出し、参照画素の画素データと隣接画素データとの画素値の差分を算出する。また、注目画素と動き方位の隣接画素の画素データを注目点メモリ25から読み出し、注目画素の画素データと隣接画素データとの画素値の差分を算出する。
そして、比較部74で、注目画素と参照画素の双方で動き方位の隣接画素との閾値以上の差があるか否か判断し、閾値を超える差がある場合に、ゲート部71に供給される評価値を通過させる。参照画素と注目画素のいずれか一方でも閾値を超えていない場合には、ゲート部71に供給される評価値の通過を阻止させる。空間傾斜判定部73で空間傾斜ありと判定した場合には、空間傾斜ありをカウントするカウンタ(図示せず)をカウントアップさせる。
画素選別部70のゲート部71を通過した評価値は、評価値テーブル算出部50に供給し、評価値積算部51で積算し、その積算結果を評価値テーブルメモリ52に記憶させる。そして、評価値テーブルメモリ52の記憶データを、評価値テーブルデータとして出力端子12aから後段の回路に供給する。
この図11の構成での処理動作を示したのが、図12のフローチャートである。
図12に沿って説明すると、図11に示した構成での処理としては、相関演算部20及び相関判定部30での画素相関があることの検出に基づいた候補検出処理と、その相関判定部30で得られた候補を、画素選別部70で選別する処理とが行われる。以下のフローチャートでは、画素選別部70での処理を中心にして説明する。
まず、動き方位算出部72で、参照画素とその参照画素に対応する注目画素との相対位置を算出し(ステップS41)、その相対位置から動き方位を算出する(ステップS42)。そして、注目点メモリ25から、動き方位の隣接画素の画素データを読み出し(ステップS43)、その読み出した隣接画素と注目画素の画素との差分を算出する(ステップS44)。隣接画素との差分を算出すると、その差分が予め設定された閾値を超えているか否か判断し(ステップS45)、その判断で閾値を超えていない場合には、現在の評価値のゲート部71での通過を阻止させて、評価値テーブルへの書き込みを禁止させる(ステップS50)。
ステップS45で、注目画素と隣接画素との差分が閾値を超えていると判断した場合には、隣接画素との判定で空間傾斜ありと判定されたことを示す値のカウンタをカウントさせ
(ステップS46)、参照点メモリ24から動き方位の隣接画素の読み出しを行い(ステップS47)、その読み出した隣接画素と参照画素の画素との差分を算出する(ステップS48)。隣接画素との差分を算出すると、その差分が予め設定された閾値を超えているか否か判断し(ステップS49)、その判断で閾値を超えていない場合には、現在の評価値のゲート部71での通過を阻止させて、評価値テーブルへの書き込みを禁止させる(ステップS50)。
また、相関演算部20及び相関判定部30での画素相関の検出処理として得られた、注目画素と参照画素との差分の絶対値が、閾値未満であるか否か判断される(ステップS201)。この判断で、閾値未満である場合には、相関判定部30から画素選別部70のゲート部71に送られる。閾値未満でない場合には、評価値テーブルへの書き込みを禁止させる(ステップS50)。
そして、相関判定部30から画素選別部70のゲート部71に送られたデータ(画素相関のあるデータ)の内で、画素選別でゲート部71を通過させた数(頻度)が、評価値テーブルに書き込まれる(ステップS202)。
なお、この図12のフローチャートでは、注目画素での空間傾斜の判断と、参照画素での空間傾斜の判断の両方が条件を満たした場合に、評価値テーブルに書き込みを行うようにしたが、注目画素での空間傾斜の判断と、参照画素での空間傾斜の判断のいずれか一方での判断で条件を満たした場合に、ゲート部71を通過させて、評価値テーブルに書き込みを行うようにしてもよい。
図11の構成及び図12のフローチャートでの処理状態の概要を示したのが、図13である。
まず、図13(a)に示すように、現在のフレーム(現フレーム)F1の1フレーム前の画像データである前フレームF0内の、動きベクトルを判断する基準となる画素位置を注目画素d0とする。この注目画素d0が決まると、その注目画素d0の画素位置の周辺の所定範囲でのサーチエリアSAが、現フレームF1内で設定される。サーチエリアSAが設定されると、そのサーチエリアSA内の各画素を参照画素d1として評価値が算出される。
ここで本例においては、図13(b)に示すように、前フレームF0の注目画素d0と参照画素d1との相対位置から動き方位を判断する。この図13(b)の例では、水平方向に左に動いた例としてある。
このような動き方位の判断をした際に、図13(b)に太線の矢印で示すように、前フレームF0内で、注目画素とその画素に隣接する周囲の8画素の内で、動き方位で示される方向に隣接した画素を読み出し、その読み出した隣接画素と、注目画素d0との差分を判定し、注目画素の空間傾斜を判定する。さらに、図13(b)に太線の矢印で示すように、現フレームF1内で、参照画素とその画素に隣接する周囲の8画素の内で、動き方位で示される方向に隣接した画素を読み出し、その読み出した隣接画素と、参照画素d1との差分を判定し、参照画素の空間傾斜を判定する。
この判定で、注目画素と参照画素のそれぞれで空間傾斜があると判断された場合にだけ、そのときの参照画素d1の評価値が、評価値テーブルに書き込まれることになる。
[7.第2の実施の形態でLUTを使用した例]
図11の例では、演算処理で空間傾斜の有無を判定するようにしたが、本実施の形態の場合にも、ルックアップテーブル(LUT)とパターンメモリとを使用して空間傾斜の有無を判定する構成としてもよい。
図14は、注目画素と参照画素の双方で、動き方位の隣接画素との差分から空間傾斜を判断する場合における、LUTとパターンメモリとを使用した構成例を示した図である。
以下、図14を参照してその構成を説明する。図14に示した評価値テーブル形成部12は、画素選別部80の構成が、図11に示した評価値テーブル形成部12の画素選別部70とは異なるものであり、その他の部分(即ち相関演算部20′,相関判定部30,評価値テーブル算出部50)については、図11の構成と同じである。図14の評価値テーブル形成部12において、図11の評価値テーブル形成部12と同一部分には同一符号を付す。
図14の構成において、画素選別部80はゲート部81を備えて、相関判定部30が出力する評価値を、ゲート部81で選別する。このゲート部81を制御する構成として、空間傾斜パターン算出部82と、参照点パターンメモリ83と、注目点パターンメモリ84と、パターン比較部85と、動き方位LUT86と、動き方位算出部87とを備える。
空間傾斜パターン算出部82は、各フレームの画素データが供給されるごとに、各画素に対して、注目画素と周辺画素との空間傾斜の有無を0と1で表現し、フラグとして参照点パターンメモリ83に格納する。そして、動きが検出された方位に応じて、そのフラグを参照して、空間傾斜を判定する。また、ある時刻tのとき、現在フレーム(参照画素)で作成した画素ごとの空間傾斜の有無を示すフラグは、次のフレームが得られる時刻t+1のとき、前フレーム(注目画素)の各画素の空間傾斜の有無を示すフラグとして使用できる。このため、参照点パターンメモリ83の記憶データを、注目点パターンメモリ84に移す構成としてある。
動き方位算出部87では、探索範囲内の相対位置(動き)と、近接方向との関係を予め計算して、その計算されたデータを動き方位LUT86として記憶しておく。記憶されたルックアップテーブルの値は、参照点パターンメモリ83と注目点パターンメモリ84に送り、空間傾斜パターン算出部82で算出された空間傾斜パターンと、動き方位LUT86から読み出した動き方位の隣接画素のパターンとを、参照画素と注目画素のそれぞれについてパターン比較部85で比較し、その比較結果で、注目画素と参照画素の双方で空間傾斜ありと判定された場合に、ゲート部81で評価値を通過させ、傾斜なしの場合に通過を阻止させる制御を行う。また、パターン比較部85で傾斜ありと判定した場合には、空間傾斜ありをカウントするカウンタ(図示せず)をカウントアップさせる。
図15は、この図14の構成による処理例を示したフローチャートである。
図15に沿って説明すると、図14に示した構成での処理としては、相関演算部20及び相関判定部30での画素相関があることの検出に基づいた候補検出処理と、その相関判定部30で得られた候補を、さらに、画素選別部80で選別する処理とが行われる。以下のフローチャートでは、画素選別部80での処理を中心にして説明する。
まず、空間傾斜パターン算出部82で、前フレームの注目画素と現フレームの参照画素との相対位置を算出し(ステップS51)、その相対位置から動き方位を判定する。その判定した動き方位のデータを動き方位LUT86から読み出し(ステップS52)、さらに注目点パターンメモリ84から動き方位の隣接画素のパターンを読み出し(ステップS53)、隣接画素の差分のパターンを判定する(ステップS54)。この判定で、注目画素が空間傾斜なしと判定した場合には、ゲート部81で評価値の通過を阻止させ、評価値テーブル52に該当する評価値を書き込ませない(ステップS58)。
そして、空間傾斜ありと判定した場合には、空間傾斜ありを示す値のカウンタのカウントアップを行い(ステップS55)、参照点パターンメモリ83から動き方位の隣接画素のパターンを読み出し(ステップS56)、隣接画素の差分のパターンを判定する(ステップS57)。この判定で、参照画素が空間傾斜なしと判定した場合には、ゲート部81で評価値の通過を阻止させ、評価値テーブル52に該当する評価値を書き込ませない(ステップS58)。
また、相関演算部20及び相関判定部30での画素相関の検出で得られた、注目画素と参照画素との差分の絶対値が、閾値未満であるか否か判断される(ステップS211)。この判断で、閾値未満である場合には、相関判定部30から画素選別部80のゲート部81に送られる。閾値未満でない場合には、ゲート部81に送らず、評価値テーブル52に該当する評価値を書き込ませない(ステップS58)。
そして、相関判定部30から画素選別部80のゲート部81に送られたデータ(画素相関のあるデータ)の内で、画素選別でゲート部81を通過させた数(頻度)が、評価値テーブルに書き込まれる(ステップS212)。
この図14、図15に示すように、ルックアップテーブルとパターンメモリを使用しても、注目画素の動き方位と参照画素の動き方位とを利用した評価値テーブルの作成処理が可能となる。このようにルックアップテーブルとパターンメモリを使用することで、演算処理量を削減することが可能になる。
なお、この図15のフローチャートについても、注目画素での空間傾斜の判断と、参照画素での空間傾斜の判断の両方が条件を満たした場合に、評価値テーブルに書き込みを行うようにしたが、注目画素での空間傾斜の判断と、参照画素での空間傾斜の判断のいずれか一方での判断で条件を満たした場合に、ゲート部81を通過させて、評価値テーブルに書き込みを行うようにしてもよい。
[8.第2の実施の形態で作成される評価値テーブルの例]
図16は、本実施の形態による評価値テーブルの例を示したものである。図16は、既に説明した図8に示すテスト画像(2種類の背景色の境界部を移動する2つの物体が示された画像)に対して求めた評価値である。
この図16に示すように、本実施の形態にも、2つのピーク位置P1,P2が明確化し、候補として正しく示されており、例えば複数の動きがある場合でも、その複数の動きをそれぞれ個別に判定できる。
[9.第3の実施の形態の例]
次に、本発明の第3の実施の形態を、図17〜図21を参照して説明する。
本実施の形態においても、動画像データから動きベクトルを検出する動きベクトル検出装置としたものであり、画素値相関情報から評価値テーブルを形成させて、その評価値テーブルのデータから動きベクトルを判定する点は、先に説明した第1の実施の形態と同じである。
動きベクトル検出装置の全体構成及び全体処理については、第1の実施の形態で説明した図1の処理構成及び図2のフローチャートと同じである。
そして本実施の形態においては、図1に示した動きベクトル検出装置の評価値テーブル形成部12を、図17に示す構成としたものである。図17の評価値テーブル形成部12において、第1,第2の実施の形態で説明した図3,図11の評価値テーブル形成部12と同一部分には同一符号を付す。
本実施の形態においては、注目画素と参照画素の双方の動き方位の複数の空間傾斜を加味して、評価値テーブルを形成させるようにしたものである。ここでも複数の空間傾斜としては、例えば、動き方位に対する最近接方位と、その最近接方位の次に近い方位である第2近接方位の2つを参照するものである。注目画素と参照画素の定義については、既に第1,第2の実施の形態で説明したものと同じである。即ち、注目画素は、動きベクトルを判定する上での基準となる点(基準点)の画素位置であり、参照画素は、注目画素とは後又は前の別のフレームのサーチエリア内の画素である。
図17の例の構成について説明すると、入力端子11に得られる画像信号は、評価値テーブル形成部12内の相関演算部20′に供給する。相関演算部20′は、参照点メモリ24と注目点メモリ25と絶対値算出部26とを備える。参照点メモリ24は、入力端子11に得られる現在のフレームの画像信号の各画素値を記憶し、1フレーム期間経過する
と、その記憶データを注目点メモリ25に移す処理を行う。絶対値算出部26では、注目点メモリ25から読み出した注目画素の画素値と、参照点メモリ24から読み出した参照画素の画素値とを比較して、その差分の絶対値を算出する。
そして、検出した差分のデータを、相関判定部30に供給する。相関判定部30は、比較部31を備えて、設定された閾値と比較し、評価値を得る。評価値としては、例えば差分が閾値以下であるとき相関が高いとし、閾値を越えたとき相関が低いとした2値の値とする。
相関判定部30で得られた評価値は、画素選別部90に供給する。画素選別部90は、相関判定部30が出力する2値を選別するゲート部91を備える。このゲート部91を制御する構成として、動き方位算出部92と、空間傾斜判定部93と、比較部94とを備える。動き方位算出部92は、参照点メモリ24の記憶データと注目点メモリ25の記憶データとから、注目画素と参照画素との相対位置を算出し、その相対位置から動き方位を算出する。
動き方位が算出されると、空間傾斜判定部93で、参照画素と動き方位の隣接画素の画素データを参照点メモリ24から読み出し、参照画素の画素データと隣接画素データとの画素値の差分を算出する。ここで本例においては、隣接画素として、動き方位に最も近い方位である最近接方位の隣接画素と、最近接方位の次に動き方位に近い第2近接方位の隣接画素の2つを読み出し、最近接方位の隣接画素との差分と、第2近接方位の隣接画素との差分のそれぞれを算出する。
また、注目画素と動き方位の隣接画素の画素データを注目点メモリ25から読み出し、注目画素の画素データと隣接画素データとの画素値の差分を算出する。この場合にも、隣接画素として、動き方位に最も近い方位である最近接方位の隣接画素と、最近接方位の次に動き方位に近い第2近接方位の隣接画素の2つを読み出し、最近接方位の隣接画素との差分と、第2近接方位の隣接画素との差分のそれぞれを算出する。
そして、比較部94で、注目画素と参照画素の双方で、最近接方位及び第2近接方位の隣接画素との閾値以上の差があるか否か判断し、閾値を超える差がある場合に、ゲート部91に供給される評価値を通過させる。参照画素と注目画素のいずれか一方でも閾値を超えていない場合には、ゲート部91に供給される評価値の通過を阻止させる。また、比較部94で閾値以上の差がありと判定した場合(即ち空間傾斜ありと判定した場合)には、空間傾斜ありを示すカウンタ(図示せず)をカウントアップさせる。
画素選別部90のゲート部91を通過した評価値は、評価値テーブル算出部50に供給し、評価値積算部51で積算し、その積算結果を評価値テーブルメモリ52に記憶させる。そして、評価値テーブルメモリ52の記憶データを、評価値テーブルデータとして出力端子12aから後段の回路に供給する。
この図17の構成での処理動作を示したのが、図18のフローチャートである。
図18に沿って説明すると、図17に示した構成での処理としては、相関演算部20及び相関判定部30での画素相関があることの検出に基づいた候補検出処理と、その相関判定部30で得られた候補を、さらに、画素選別部90で選別する処理とが行われる。以下のフローチャートでは、画素選別部90での処理を中心にして説明する。
まず、動き方位算出部92で、参照画素とその参照画素に対応する注目画素との相対位置を算出し(ステップS61)、その相対位置から動き方位を算出する(ステップS62)。そして、注目点メモリ25から、動き方位の最近接方位と第2近接方位の隣接画素の画素データを読み出し(ステップS63)、その読み出した最近接方位と第2近接方位の隣接画素と注目画素の画素との差分を算出する(ステップS64)。各隣接画素との差分を算出すると、その差分が予め設定された閾値を超えているか否か判断し(ステップS65)、その判断でいずれも閾値を超えていない場合には、現在の評価値のゲート部91での通過を阻止させて、評価値テーブルへの書き込みを禁止させる(ステップS70)。
ステップS65で、注目画素と隣接画素との差分が、最近接方位と第2近接方位の双方で閾値を超えていると判断した場合には、空間傾斜ありを示す値のカウンタをカウントさせ(ステップS66)、参照点メモリ24から最近接方位と第2近接方位の動き方位の隣接画素の読み出しを行い(ステップS67)、その読み出した最近接方位と第2近接方位の隣接画素と参照画素の画素との差分を算出する(ステップS68)。隣接画素との差分を算出すると、その差分が予め設定された閾値を超えているか否か判断し(ステップS69)、その判断でいずれかの方位で閾値を超えていない場合には、現在の評価値のゲート部91での通過を阻止させて、評価値テーブルへの書き込みを禁止させる(ステップS70)。
また、相関演算部20及び相関判定部30での画素相関の検出で得られた、注目画素と参照画素との差分の絶対値が、閾値未満であるか否か判断される(ステップS221)。この判断で、閾値未満である場合には、相関判定部30から画素選別部90のゲート部91に送られる。そして、相関判定部30から画素選別部90のゲート部91に送られたデータ(画素相関のあるデータ)の内で、画素選別でゲート部91を通過させた数(頻度)が、評価値テーブルに書き込まれる(ステップS222)。
なお、この図18のフローチャートについても、注目画素での空間傾斜の判断と、参照画素での空間傾斜の判断の両方が条件を満たした場合に、評価値テーブルに書き込みを行うようにしたが、注目画素での空間傾斜の判断と、参照画素での空間傾斜の判断のいずれか一方での判断で条件を満たした場合に、ゲート部91を通過させて、評価値テーブルに書き込みを行うようにしてもよい。
図17の構成及び図18のフローチャートでの処理状態の概要を示したのが、図19である。
まず、図19(a)に示すように、現在のフレーム(現フレーム)F1の1フレーム前の画像データである前フレームF0内の、動きベクトルを判断する基準となる画素位置を注目画素d0とする。この注目画素d0が決まると、その注目画素d0の画素位置の周辺の所定範囲でのサーチエリアSAが、現フレームF1内で設定される。サーチエリアSAが設定されると、そのサーチエリアSA内の各画素を参照画素d1として評価値が算出される。
そして、図19(b)に示すように、前フレームF0の注目画素d0と参照画素d1との相対位置から動き方位を判断する。この図19(b)の例では、水平方向よりも若干斜め上の左に動いた例としてある。
このような動き方位の判断をした際に、図19(c)に太線の矢印で示すように、前フレームF0内で、注目画素とその画素に隣接する周囲の8画素の内で、動き方位に最も近い最近接方位(この例では左横)に隣接した画素を読み出し、その読み出した隣接画素と、注目画素d0との差分を判定する。また、動き方位に2番目に近い方位である第2近接方位(この例では斜め左上)に隣接した画素を読み出し、その読み出した隣接画素と、注目画素d0との差分を判定する。
さらに、参照画素に隣接する画素についても、動き方位に最も近い最近接方位(この例では左横)に隣接した画素と、動き方位に2番目に近い方位である第2近接方位(この例では斜め左上)に隣接した画素を読み出し、その読み出したそれぞれの隣接画素と、参照画素d1との差分を判定する。
この判定で、注目画素側で、最近接方位と第2近接方位のいずれかの隣接画素との間で空間傾斜があり、さらに、参照画素側でも、最近接方位と第2近接方位のいずれかの隣接画素との間で空間傾斜があると判断された場合にだけ、そのときの参照画素d1の評価値が、評価値テーブルに書き込まれることになる。
[10.第3の実施の形態でLUTを使用した例]
図17,図18の例では、演算処理で空間傾斜の有無を判定するようにしたが、本実施の形態の場合にも、ルックアップテーブル(LUT)とパターンメモリを使用して空間傾斜の有無を判定する構成としてもよい。
図20は、注目画素と参照画素の双方で、動き方位の最近接方位及び第2近接方位の隣接画素との差分から空間傾斜を判断する場合における、LUTとパターンメモリとを使用した構成例を示した図である。
以下、図20を参照してその構成を説明する。図20に示した評価値テーブル形成部12は、画素選別部100の構成が、図17に示した評価値テーブル形成部12の画素選別部90とは異なるものであり、その他の部分(即ち相関演算部20′,相関判定部30,評価値テーブル算出部50)については、図17の構成と同じである。図20の評価値テーブル形成部12において、図17の評価値テーブル形成部12と同一部分には同一符号を付す。
図20の構成において、画素選別部100はゲート部101を備えて、相関判定部30が出力する評価値を、ゲート部101で選別する。このゲート部101を制御する構成として、空間傾斜パターン算出部102と、参照点パターンメモリ103と、注目点パターンメモリ104と、パターン比較部105と、動き方位LUT106と、動き方位算出部107とを備える。
空間傾斜パターン算出部102は、各フレームの画素データが供給されるごとに、各画素に対して、注目画素と周辺画素との空間傾斜の有無を0と1で表現し、フラグとして参照点パターンメモリ103に格納する。そして、動きが検出された方位に応じて、そのフラグを参照して、空間傾斜を判定する。また、ある時刻tのとき、現在フレーム(参照画素)で作成した画素ごとの空間傾斜の有無を示すフラグは、次のフレームが得られる時刻t+1のとき、前フレーム(注目画素)の各画素の空間傾斜の有無を示すフラグとして使用できる。このため、参照点パターンメモリ103の記憶データを、注目点パターンメモリ104に移す構成としてある。
動き方位算出部107では、探索範囲内の相対位置(動き)と、近接方向との関係を予め計算して、その計算されたデータを動き方位LUT106として記憶しておく。記憶されたルックアップテーブルの値は、参照画素パターンメモリ103と注目点パターンメモリ104に送り、空間傾斜パターン算出部102で算出された最近接方位と第2近接方位の空間傾斜パターンと、動き方位LUT106から読み出した、これら2つの動き方位の隣接画素のパターンとを、参照画素と注目画素のそれぞれについてパターン比較部105で比較し、その比較結果で、注目画素と参照画素の双方で空間傾斜ありと判定された場合に、ゲート部101で評価値を通過させ、傾斜なしの場合に通過を阻止させる制御を行う。また、パターン比較部105で空間傾斜ありと判定した場合には、空間傾斜ありの数をカウントするカウンタをカウントアップさせる。
図21は、この図20の構成による処理例を示したフローチャートである。
図21に沿って説明すると、図20に示した構成での処理としては、相関演算部20′及び相関判定部30での画素相関があることの検出に基づいた候補検出処理と、その相関判定部30で得られた候補を、さらに、画素選別部100で選別する処理との2つの処理とが行われる。以下のフローチャートでは、画素選別部100での処理を中心にして説明
する。
まず、空間傾斜パターン算出部102で、前フレームの注目画素と現フレームの参照画素との相対位置を算出し(ステップS71)、その相対位置から動き方位を判定する。その判定した動き方位のデータを動き方位LUT106から読み出し(ステップS72)、さらに注目点パターンメモリ104から動き方位(最近接方位と第2近接方位)の隣接画素のパターンを読み出し(ステップS73)、隣接画素の差分のパターンを判定する(ステップS74)。この判定で、注目画素が空間傾斜なしと判定した場合には、ゲート部101で評価値の通過を阻止させ、評価値テーブル52に該当する評価値を書き込ませない(ステップS78)。
そして、空間傾斜ありと判定した場合には、空間傾斜ありの数をカウントするカウンタのカウントアップを行い(ステップS75)、参照点パターンメモリ103から動き方位(最近接方位と第2近接方位)の隣接画素のパターンを読み出し(ステップS76)、隣接画素の差分のパターンを判定する(ステップS77)。この判定で、参照画素が空間傾斜なしと判定した場合には、ゲート部101で評価値の通過を阻止させ、評価値テーブル52に該当する評価値を書き込ませない(ステップS78)。
また、相関演算部20′及び相関判定部30での画素相関の検出で得られた、注目画素と参照画素との差分の絶対値が、閾値未満であるか否か判断される(ステップS231)。この判断で、閾値未満である場合には、相関判定部30から画素選別部100のゲート部101に送られる。閾値未満でない場合には、ゲート部101に送らず、評価値テーブル52に該当する評価値を書き込ませない(ステップS78)。
ここまでの処理が行われると、相関判定部30から画素選別部100のゲート部101に送られたデータ(画素相関のあるデータ)の内で、画素選別でゲート部101を通過させた数(頻度)が、評価値テーブルに書き込まれる(ステップS232)。
この図20、図21に示すように、ルックアップテーブルとパターンメモリを使用しても、注目画素の動き方位と参照画素の動き方位とを利用した評価値テーブルの作成処理が可能となる。ルックアップテーブルとパターンメモリとを使用することで、演算量を削減することができる。
なお、この図21のフローチャートについても、注目画素での空間傾斜の判断と、参照画素での空間傾斜の判断の両方が条件を満たした場合に、評価値テーブルに書き込みを行うようにしたが、注目画素での空間傾斜の判断と、参照画素での空間傾斜の判断のいずれか一方での判断で条件を満たした場合に、ゲート部101を通過させて、評価値テーブルに書き込みを行うようにしてもよい。
[11.第4の実施の形態の例]
次に、本発明の第4の実施の形態を、図22〜図25を参照して説明する。
本実施の形態においても、動画像データから動きベクトルを検出する動きベクトル検出装置としたものであり、画素値相関情報から評価値テーブルを形成させて、その評価値テーブルのデータから動きベクトルを判定する点は、先に説明した第1の実施の形態と同じである。
動きベクトル検出装置の全体構成及び全体処理については、第1の実施の形態で説明した図1の処理構成及び図2のフローチャートと同じである。また、図1に示した動きベクトル検出装置の評価値テーブル形成部12の構成についても、基本的な構成は、ここまで説明した各実施の形態での評価値テーブル形成部12の構成と同じであり、各部でのデータ処理状態として、図22のフローチャートに示した処理を行うようにしたものである。以下の説明では、評価値テーブル形成部12は、図20の構成を適用したものとして説明する。
本実施の形態においては、注目画素と参照画素の双方の動き方位の複数の空間傾斜を加味して、評価値テーブルを形成させるようにしたものである。ここでも複数の空間傾斜としては、動き方位に最も近い方位と、動き方位の法線方向の方位の2つを参照するものである。注目画素と参照画素の定義については、既に第1,第2の実施の形態で説明したものと同じである。即ち、注目画素は、動きベクトルを判定する上での基準となる点(基準点)の画素位置であり、参照画素は、注目画素とは後又は前の別のフレームのサーチエリア内の画素である。
図22のフローチャートにおいて、図21のフローチャートと同一処理ステップには、同一のステップ番号を付与してあり、本例ではステップS73′及びステップS76′で読み出す方位が異なるものである。
即ち、注目画素と参照画素との差分の絶対値が、閾値未満であるか否か判断される(ステップS231)。この判断で、閾値未満である場合には、相関判定部30から画素選別部100のゲート部101に送られる。
画素選別部100での処理としては、空間傾斜パターン算出部102で、前フレームの注目画素と現フレームの参照画素との相対位置を算出し(ステップS71)、その相対位置から動き方位を判定する。その判定した動き方位のデータを動き方位LUT106から読み出す(ステップS72)。
そして、注目点パターンメモリ104から、動き方位の隣接画素と、その動き方位と直交する方位である法線方位の隣接画素の空間傾斜パターンを読み出す(ステップS73′)。このようにして読み出された隣接画素と動き方位LUT106から読み出したパターンとの差分のパターンを判定する(ステップS74)。この判定で、注目画素が空間傾斜なしと判定した場合には、ゲート部101で評価値の通過を阻止させ、評価値テーブル52に該当する評価値を書き込ませない(ステップS78)。空間傾斜ありと判定した場合には、空間傾斜ありの数をカウントするカウンタのカウントアップを行う(ステップS75)。
さらに、参照点パターンメモリ103から、動き方位の隣接画素と、その動き方位と直交する方位である法線方位の隣接画素の空間傾斜パターンを読み出す(ステップS76′)。このようにして読み出された隣接画素と動き方位LUT106から読み出したパターンとの差分のパターンを判定する(ステップS77)。この判定で、参照画素が空間傾斜なしと判定した場合には、ゲート部101で評価値の通過を阻止させ、評価値テーブル52に該当する評価値を書き込ませない(ステップS78)。
また、相関演算部20′及び相関判定部30での画素相関の検出で得られた、注目画素と参照画素との差分の絶対値が、閾値未満であるか否か判断される(ステップS231)。この判断で、閾値未満である場合には、相関判定部30から画素選別部100のゲート部101に送られる。閾値未満でない場合には、ゲート部101に送らず、評価値テーブル52に該当する評価値を書き込ませない(ステップS78)。
そして、相関判定部30から画素選別部100のゲート部101に送られたデータ(画素相関のあるデータ)の内で、画素選別でゲート部101を通過させた数(頻度)が、評価値テーブルに書き込まれる(ステップS232)。
なお、この図22のフローチャートについても、注目画素での空間傾斜の判断と、参照画素での空間傾斜の判断の両方が条件を満たした場合に、評価値テーブルに書き込みを行うようにしたが、注目画素での空間傾斜の判断と、参照画素での空間傾斜の判断のいずれか一方での判断で条件を満たした場合に、ゲート部101を通過させて、評価値テーブルに書き込みを行うようにしてもよい。
図22のフローチャートでの処理状態の概要を示したのが、図23である。
まず、図23(a)に示した現フレームF1での注目画素d0と現フレームF1のサーチエリアSA内に参照画素d1が設定される点は、ここまで説明した他の実施の形態と同じである。図23(b)に示すように、前フレームF0の注目画素d0と参照画素d1との相対位置から動き方位を判断する点も、他の実施の形態と同じである。この図23(b)の例では、水平方向よりも若干斜め上の左に動いた例としてある。
本実施の形態では、このような動き方位の判断をした際に、図23(c)に太線の矢印で示すように、前フレームF0内で、注目画素とその画素に隣接する周囲の8画素の内で、動き方位に最も近い方位(この例では左横)に隣接した画素を読み出し、その読み出した隣接画素と、注目画素d0との差分を判定する。また、動き方位と直交する方位である法線方向(この例では注目画素の真上及び真下)に隣接した画素を読み出し、その読み出した隣接画素と、注目画素d0との差分を判定する。
さらに、参照画素に隣接する画素についても、動き方位に最も近い方位(この例では左横)に隣接した画素と、動き方位と直交する方位である法線方向(この例では注目画素の真上及び真下)に隣接した画素を読み出し、その読み出したそれぞれの隣接画素と、参照画素d1との差分を判定する。
この判定で、注目画素側で、近接方位と法線方位の全ての隣接画素との間で空間傾斜があり、さらに、参照画素側でも、近接方位と法線方位のいずれかの隣接画素との間で空間傾斜があると判断された場合にだけ、そのときの参照画素d1の評価値が、評価値テーブルに書き込まれることになる。
このように動き方位と法線方位から空間傾斜を判断することでも、良好な空間傾斜の判断が可能となる。
[12.第4の実施の形態の変形例]
図22、図23の例では、動きのある方位の隣接画素は、動き方位に最も近い1つの方位の隣接画素を選び出すようにしたが、第3の実施の形態で説明したように、動き方位の隣接画素として、動き方位に最も近い最近接方位の隣接画素と、動き方位に次に近い第2近接方位の隣接画素とを読み出して、その上で最近接方位及び第2近接方位と直交する方位である法線方向の隣接画素を読み出すようにしてもよい。
図24のフローチャートは、この場合の例を示したものである。図24のフローチャートにおいて、図21及び図22のフローチャートと同一処理ステップには、同一のステップ番号を付与してあり、本例ではステップS73″及びステップS76″で読み出す方位が異なるものである。
注目画素と参照画素との差分の絶対値が、閾値未満であるか否か判断される(ステップS231)。この判断で、閾値未満である場合には、相関判定部30から画素選別部100のゲート部101に送られる。
画素選別部100での処理としては、空間傾斜パターン算出部102で、前フレームの注目画素と現フレームの参照画素との相対位置を算出し(ステップS71)、その相対位置から動き方位を判定する。その判定した動き方位のデータを動き方位LUT106から読み出す(ステップS72)。
そして、注目点パターンメモリ104から、動き方位に最も近い方位である最近接方位の隣接画素と、次に近い方位である第2近接方位の隣接画素と、最近接方位と直交する方位である法線方位の隣接画素の空間傾斜パターンと、第2近接方位と直交する方位である法線方位の隣接画素の空間傾斜パターンとを読み出す(ステップS73″)。このようにして読み出された隣接画素と動き方位LUT106から読み出したパターンとの差分のパターンを判定する(ステップS74)。この判定で、注目画素が空間傾斜なしと判定した場合には、ゲート部101で評価値の通過を阻止させ、評価値テーブル52に該当する評価値を書き込ませない(ステップS78)。空間傾斜ありと判定した場合には、空間傾斜ありの数をカウントするカウンタのカウントアップを行う(ステップS75)。
さらに、参照点パターンメモリ103から、動き方位に最も近い方位である最近接方位の隣接画素と、次に近い方位である第2近接方位の隣接画素と、最近接方位と直交する方位である法線方位の隣接画素の空間傾斜パターンと、第2近接方位と直交する方位である法線方位の隣接画素の空間傾斜パターンとを読み出す(ステップS76″)。このようにして読み出された隣接画素と動き方位LUT106から読み出したパターンとの差分のパターンを判定する(ステップS77)。この判定で、参照画素が空間傾斜なしと判定した場合には、ゲート部101で評価値の通過を阻止させ、評価値テーブル52に該当する評価値を書き込ませない(ステップS78)。
また、相関演算部20′及び相関判定部30での画素相関の検出で得られた、注目画素と参照画素との差分の絶対値が、閾値未満であるか否か判断される(ステップS231)。この判断で、閾値未満である場合には、相関判定部30から画素選別部100のゲート部101に送られる。閾値未満でない場合には、ゲート部101に送らず、評価値テーブル52に該当する評価値を書き込ませない(ステップS78)。
そして、相関判定部30から画素選別部100のゲート部101に送られたデータ(画素相関のあるデータ)の内で、画素選別でゲート部101を通過させた数(頻度)が、評価値テーブルに書き込まれる(ステップS232)。
なお、この図24のフローチャートについても、注目画素での空間傾斜の判断と、参照画素での空間傾斜の判断の両方が条件を満たした場合に、評価値テーブルに書き込みを行うようにしたが、注目画素での空間傾斜の判断と、参照画素での空間傾斜の判断のいずれか一方での判断で条件を満たした場合に、ゲート部101を通過させて、評価値テーブルに書き込みを行うようにしてもよい。
また、図24のフローチャートでは、最近接方位の法線方位の隣接画素と、第2近接方位の隣接画素とを読み出すようにしたが、例えば最近接方位については法線方位の隣接画素まで読み出しを行い、第2近接方位については法線方位の隣接画素は読み出さないようにしてもよい。
あるいは、注目画素と参照画素のいずれか一方でだけ、第2近接方位の隣接画素まで読み出して、空間傾斜を判断するようにしてもよい。
図24のフローチャートでの処理状態の概要を示したのが、図25である。
まず、図25(a)の現フレームF1での注目画素d0と現フレームF1のサーチエリアSA内に参照画素d1が設定される点は、ここまで説明した他の実施の形態と同じであり、図25(b)に示すように、前フレームF0の注目画素d0と参照画素d1との相対位置から動き方位(水平方向よりも若干斜め上の左の方位)を判断する点も、他の実施の形態と同じである。
そして、このような動き方位の判断をした際に、図25(c)に太線の矢印で示すように、前フレームF0内で、注目画素とその画素に隣接する周囲の8画素の内で、動き方位に最も近い方位である最近接方位(この例では左横)に隣接した画素を読み出し、さらに、次に近接した方位である第2近接方位(この例では斜め左上)に隣接した画素を読み出し、その読み出したそれぞれの隣接画素と、注目画素d0との差分を判定する。また、動き方位と直交する方位である法線方向(この例では注目画素の真上及び真下)に隣接した画素を読み出し、その読み出した隣接画素と、注目画素d0との差分を判定する。また、第2近接方位と直交する方位である法線方向(この例では注目画素の斜め左下及び斜め右上)に隣接した画素を読み出し、その読み出した隣接画素と、注目画素d0との差分を判定する。
参照画素に隣接する画素についても、動き方位に最も近い方位である最近接方位(この例では左横)に隣接した画素を読み出し、さらに、次に近接した方位である第2近接方位(この例では斜め左上)に隣接した画素を読み出し、動き方位と直交する方位である法線方向(この例では注目画素の真上及び真下)に隣接した画素を読み出し、第2近接方位と直交する方位である法線方向(この例では注目画素の斜め左下及び斜め右上)に隣接した画素を読み出し、読み出したそれぞれの隣接画素と、参照画素d1との差分を判定する。
この判定で、注目画素側で、近接方位と法線方位のいずれかの隣接画素との間で空間傾斜があり、さらに、参照画素側でも、近接方位と法線方位のいずれかの隣接画素との間で空間傾斜があると判断された場合にだけ、そのときの参照画素d1の評価値が、評価値テーブルに書き込まれることになる。
このように動き方位と法線方位から空間傾斜を判断することでも、良好な空間傾斜の判断が可能となる。
なお、ここまでの説明では、動き方位に近接した方位と法線方位のそれぞれで隣接画素との間で閾値を超える差分がある場合に、空間傾斜ありと判定するようにしたが、動き方位に近接した方位と1つ(又は2つ)の法線方位の隣接画素とのいずれかで閾値を超える差分がある場合に、空間傾斜ありと判定するようにしてもよい。
[13.第4の実施の形態で作成される評価値テーブルの例]
図26、図27は、テスト画像(図8例の画像とは異なる画像)に対して、第3及び第4の実施の形態で処理して評価値テーブルを形成させた例を示した図である。
図26は、第3の実施の形態による評価値テーブルの例を示したものである。即ち、注目画素と参照画素のそれぞれで、最近接方位の空間傾斜と第2近接方位の空間傾斜から判定を行って、積算した評価値テーブルである。この例のテスト画像中には、2つの動いた物体があり、その2つの物体の動いた位置を示すピークが、それぞれの位置に正しく示されている。
図27は、第4の実施の形態による評価値テーブルの例を示したものである。即ち、注目画素と参照画素のそれぞれで、動き方位の空間傾斜と法線方位の空間傾斜から判定を行って、積算した評価値テーブルである。この例でも2つの物体の動いた位置を示すピークが、それぞれの位置に正しく示されている。
[14.第5の実施の形態の例]
次に、本発明の第5の実施の形態を、図28〜図36を参照して説明する。
本実施の形態においても、動画像データから動きベクトルを検出する動きベクトル検出装置としたものであり、画素値相関情報から評価値テーブルを形成させて、その評価値テーブルのデータから動きベクトルを判定する点は、先に説明した第1の実施の形態と同じである。
動きベクトル検出装置の全体構成及び全体処理については、第1の実施の形態で説明した図1の処理構成及び図2のフローチャートと同じである。
そして本実施の形態においては、図1に示した動きベクトル検出装置の評価値テーブル形成部12を、図28に示す構成としたものである。図28の評価値テーブル形成部12において、第1〜第3の実施の形態で説明した図3,図11,図17の評価値テーブル形成部12と同一部分には同一符号を付す。
本実施の形態においては、動き方位に関する隣接画素として、その動き方位と逆の方位の隣接画素を読み出して、差分を判断するようにしたものである。注目画素と参照画素の定義については、既に他の実施の形態で説明したものと同じである。即ち、注目画素は、動きベクトルを判定する上での基準となる点(基準点)の画素位置であり、参照画素は、注目画素とは後又は前の別のフレームのサーチエリア内の画素である。
図28の例の構成について説明すると、入力端子11に得られる画像信号は、評価値テーブル形成部12内の相関演算部20′に供給する。相関演算部20′は、参照点メモリ24と注目点メモリ25と絶対値算出部26とを備える。参照点メモリ24は、入力端子11に得られる現在のフレームの画像信号の各画素値を記憶し、1フレーム期間経過すると、その記憶データを注目点メモリ25に移す処理を行う。絶対値算出部26では、注目点メモリ25から読み出した注目画素の画素値と、参照点メモリ24から読み出した参照画素の画素値とを比較して、その差分の絶対値を算出する。
そして、検出した差分のデータを、相関判定部30に供給する。相関判定部30は、比較部31を備えて、設定された閾値と比較し、評価値を得る。評価値としては、例えば差分が閾値以下であるとき相関が高いとし、閾値を越えたとき相関が低いとした2値の値とする。
相関判定部30で得られた評価値は、画素選別部110に供給する。画素選別部110は、相関判定部30が出力する2値を選別するゲート部111を備える。このゲート部111を制御する構成として、動き方位算出部112と、空間傾斜判定部113と、比較部114とを備える。動き方位算出部112は、参照点メモリ24の記憶データと注目点メモリ25の記憶データとから、注目画素と参照画素との相対位置を算出し、その相対位置から動き方位を算出する。
動き方位が算出されると、空間傾斜判定部113で、参照画素と動き方位と逆方位の隣接画素の画素データを参照点メモリ24から読み出し、参照画素の画素データと隣接画素データとの画素値の差分を算出する。
また、注目画素と動き方位と逆方位の隣接画素の画素データを注目点メモリ25から読み出し、注目画素の画素データと隣接画素データとの画素値の差分を算出する。
そして、比較部114で、注目画素と参照画素の双方で、動き方位と逆方位の隣接画素との閾値以上の差があるか否か判断し、閾値を超える差がある場合に、ゲート部111に供給される評価値を通過させる。参照画素と注目画素のいずれか一方でも閾値を超えていない場合には、ゲート部111に供給される評価値の通過を阻止させる。
画素選別部110のゲート部111を通過した評価値は、評価値テーブル算出部50に供給し、評価値積算部51で積算し、その積算結果を評価値テーブルメモリ52に記憶させる。そして、評価値テーブルメモリ52の記憶データを、評価値テーブルデータとして出力端子12aから後段の回路に供給する。なお、画素選別部110で閾値を用いた判定で、空間傾斜ありと判断された数は、カウンタ(図示せず)でカウントされる。
この図28の構成での処理動作を示したのが、図29のフローチャートである。
図29に沿って説明すると、図28に示した構成での処理としては、相関演算部20′及び相関判定部30での画素相関があることの検出に基づいた候補検出処理と、その相関判定部30で得られた候補を、さらに、画素選別部110で選別する処理とが行われる。以下のフローチャートでは、画素選別部110での処理を中心にして説明する。
まず、動き方位算出部112で、参照画素とその参照画素に対応する注目画素との相対位置を算出し(ステップS81)、その相対位置から動き方位を算出する(ステップS82)。そして、注目点メモリ25から、動き方位と逆方位の隣接画素の画素データを読み出し(ステップS83)、その読み出した動き方位と逆方位の隣接画素と注目画素の画素との差分を算出する(ステップS84)。隣接画素との差分を算出すると、その差分が予め設定された閾値を超えているか否か判断し(ステップS85)、その判断で閾値を超えていない場合には、現在の評価値のゲート部111での通過を阻止させて、評価値テーブルへの書き込みを禁止させる(ステップS90)。
ステップS85で、注目画素と隣接画素との差分が、閾値を超えていると判断した場合には、空間傾斜ありの数をカウントするカウンタをカウントアップさせ(ステップS86)、参照点メモリ24から動き方位と逆方位の隣接画素の読み出しを行い(ステップS87)、その読み出した動き方位と逆方位の隣接画素と参照画素の画素との差分を算出する(ステップS88)。隣接画素との差分を算出すると、その差分が予め設定された閾値を超えているか否か判断し(ステップS89)、その判断で閾値を超えていない場合には、現在の評価値のゲート部111での通過を阻止させて、評価値テーブルへの書き込みを禁止させる(ステップS90)。
また、相関演算部20′で得られた、注目画素と参照画素との差分の絶対値が、閾値未満であるか否か判断される(ステップS241)。この判断で、閾値未満である場合には、相関判定部30から画素選別部110のゲート部111に送られる。閾値未満でない場合には、ゲート部101に送らず、評価値テーブル52に該当する評価値を書き込ませない(ステップS90)。
そして、ステップS241で閾値未満である場合には、相関判定部30から画素選別部110のゲート部111に送られる。
ここまでの処理が行われると、相関判定部30から画素選別部110のゲート部111に送られたデータ(画素相関のあるデータ)の内で、画素選別でゲート部111を通過させた数(頻度)が、評価値テーブルに書き込まれる(ステップS242)。
なお、この図29のフローチャートについても、注目画素での空間傾斜の判断と、参照画素での空間傾斜の判断の両方が条件を満たした場合に、評価値テーブルに書き込みを行うようにしたが、注目画素での空間傾斜の判断と、参照画素での空間傾斜の判断のいずれか一方での判断で条件を満たした場合に、ゲート部111を通過させて、評価値テーブルに書き込みを行うようにしてもよい。
図28の構成及び図29のフローチャートでの処理状態の概要を示したのが、図30である。
まず、図30(a)に示した現フレームF1での注目画素d0と現フレームF1のサーチエリアSA内に参照画素d1が設定される点は、ここまで説明した他の実施の形態と同じである。図30(b)に示すように、前フレームF0の注目画素d0と参照画素d1との相対位置から動き方位を判断する点も、他の実施の形態と同じである。この図30(b)の例では、左横に水平に動いた例としてある。
本実施の形態では、このような動き方位の判断をした際に、図30(c)に太線の矢印で示すように、前フレームF0内で、注目画素とその画素に隣接する周囲の8画素の内で、動き方位と逆方位(この例では右横)に隣接した画素を読み出し、その読み出した隣接画素と、注目画素d0との差分を判定する。
参照画素に隣接する画素についても、動き方位と逆方位(この例では右横)に隣接した画素を読み出し、その読み出した隣接画素と、参照画素d1との差分を判定する。
この判定で、注目画素側で、隣接画素との間で空間傾斜があり、さらに、参照画素側でも、隣接画素との間で空間傾斜があると判断された場合にだけ、そのときの参照画素d1の評価値が、評価値テーブルに書き込まれることになる。
このように動き方位と逆の方位から空間傾斜を判断することでも、良好な空間傾斜の判断が可能となる。
[15.第5の実施の形態の他の例]
図28,図29の例では、動き方位と逆方位の隣接画素だけを読み出して、差分を判断するようにしたが、動き方位の隣接画素と、その逆方位の隣接画素との双方などの複数の隣接画素を読み出し、それぞれの隣接画素の差分を判断するようにしてもよい。
図31及び図32は、動き方位の隣接画素と、その逆方位の隣接画素を読み出して、各隣接画素の差分を判断する構成及びフローチャートを示したものである。
まず図31を参照して、構成を説明する。図31に示した評価値テーブル形成部12は、画素選別部120の構成が、図20に示した評価値テーブル形成部12の画素選別部100とは異なるものであり、その他の部分(即ち相関演算部20′,相関判定部30,評価値テーブル算出部50)については、図20の構成と同じである。図31の評価値テーブル形成部12において、図20の評価値テーブル形成部12と同一部分には同一符号を付す。
図31の構成において、画素選別部120はゲート部121を備えて、相関判定部30が出力する評価値を、ゲート部121で選別する。このゲート部121を制御する構成として、空間傾斜パターン算出部122と、参照点パターンメモリ123と、注目点パターンメモリ124と、パターン比較部125と、動き方位LUT126と、動き方位算出部127とを備える。
空間傾斜パターン算出部122は、各フレームの画素データが供給されるごとに、各画素に対して、注目画素と周辺画素との空間傾斜の有無を0と1で表現し、フラグとして参照点パターンメモリ123に格納する。そして、動きが検出された方位に応じて、そのフラグを参照して、空間傾斜を判定する。また、ある時刻tのとき、現在フレーム(参照画素)で作成した画素ごとの空間傾斜の有無を示すフラグは、次のフレームが得られる時刻t+1のとき、前フレーム(注目画素)の各画素の空間傾斜の有無を示すフラグとして使用できる。このため、参照点パターンメモリ123の記憶データを、注目点パターンメモリ124に移す構成としてある。
動き方位算出部127では、探索範囲内の相対位置(動き)と、近接方向との関係を予め計算して、その計算されたデータを動き方位LUT126として記憶しておく。記憶されたルックアップテーブルの値は、参照点パターンメモリ123と注目点パターンメモリ124に送り、空間傾斜パターン算出部122で算出された動き方位と同じ方位の隣接画素と逆方位の隣接画素を考慮した空間傾斜パターンと、動き方位LUT126から読み出した、これら2つの方位のパターンとを、参照画素と注目画素のそれぞれについてパターン比較部125で比較し、その比較結果で、注目画素と参照画素の双方で空間傾斜ありと判定された場合に、ゲート部121で評価値を通過させ、傾斜なしの場合に通過を阻止させる制御を行う。また、パターン比較部125で傾斜ありと判定した場合には、空間傾斜ありの数をカウントするカウンタをカウントアップさせる。
図32は、この図31の構成による処理例を示したフローチャートである。
図32に沿って説明すると、図31に示した構成での処理としては、相関演算部20′及び相関判定部30での画素相関があることの検出に基づいた候補検出処理と、その相関判定部30で得られた候補を、さらに、画素選別部120で選別する処理とが行われる。以下のフローチャートでは、画素選別部120での処理を中心にして説明する。
まず、空間傾斜パターン算出部122で、前フレームの注目画素と現フレームの参照画素との相対位置を算出し(ステップS91)、その相対位置から動き方位を判定する。その判定した動き方位のデータと逆方位のデータとを動き方位LUT126から読み出し(ステップS92)、さらに注目点パターンメモリ124から動き方位と逆方位の隣接画素のパターンを読み出し(ステップS93)、隣接画素の差分のパターンを判定する(ステップS94)。この判定で、注目画素が空間傾斜なしと判定した場合には、ゲート部121で評価値の通過を阻止させ、評価値テーブル52に該当する評価値を書き込ませない(ステップS98)。
そして、空間傾斜ありと判定した場合には、空間傾斜ありの数をカウントするカウンタのカウントアップを行い(ステップS95)、参照点パターンメモリ123から動き方位とその反対の方位の隣接画素のパターンを読み出し(ステップS96)、隣接画素の差分のパターンを判定する(ステップS97)。この判定で、参照画素が空間傾斜なしと判定した場合には、ゲート部121で評価値の通過を阻止させ、評価値テーブル52に該当する評価値を書き込ませない(ステップS98)。
また、相関演算部20′及び相関判定部30で得られた、注目画素と参照画素との差分の絶対値が、閾値未満であるか否か判断される(ステップS251)。この判断で、閾値未満である場合には、相関判定部30から画素選別部120のゲート部121に送られる。閾値未満でない場合には、ゲート部121に送られず、評価値テーブル52に該当する評価値を書き込ませない(ステップS98)。
ここまでの処理が行われると、相関判定部30から画素選別部120のゲート部121に送られたデータ(画素相関のあるデータ)の内で、画素選別でゲート部121を通過させた数(頻度)が、評価値テーブルに書き込まれる(ステップS252)。
なお、この図32のフローチャートについても、注目画素での空間傾斜の判断と、参照画素での空間傾斜の判断の両方が条件を満たした場合に、評価値テーブルに書き込みを行うようにしたが、注目画素での空間傾斜の判断と、参照画素での空間傾斜の判断のいずれか一方での判断で条件を満たした場合に、ゲート部121を通過させて、評価値テーブルに書き込みを行うようにしてもよい。
図33は、図31の構成及び図32のフローチャートでの処理状態の概要を示した図である。
まず、図33(a)に示した現フレームF1での注目画素d0と現フレームF1のサーチエリアSA内に参照画素d1が設定される点は、ここまで説明した他の実施の形態と同じである。図33(b)に示すように、前フレームF0の注目画素d0と参照画素d1との相対位置から動き方位を判断する点も、他の実施の形態と同じである。この図33(b)の例では、左横に水平に動いた例としてある。
本実施の形態では、このような動き方位の判断をした際に、図33(c)に太線の矢印で示すように、前フレームF0内で、注目画素とその画素に隣接する周囲の8画素の内で、動き方位(この例では左横)に隣接した画素を読み出し、さらに動き方位と逆方位(この例では右横)に隣接した画素を読み出し、その読み出した2つの隣接画素と、注目画素d0との差分を判定する。
参照画素に隣接する画素についても、動き方位(この例では左横)に隣接した画素を読み出すと共に、その動き方位と逆方位(この例では右横)に隣接した画素を読み出し、その読み出した隣接画素と、参照画素d1との差分を判定する。
この判定で、注目画素側で、両方向の隣接画素との間で空間傾斜があり、さらに、参照画素側でも、両方向の隣接画素との間で空間傾斜があると判断された場合にだけ、そのときの参照画素d1の評価値が、評価値テーブルに書き込まれることになる。
[16.第5の実施の形態で作成される評価値テーブルの例]
図34は、テスト画像に対して、第5の実施の形態で処理して評価値テーブルを形成させた例を示した図である。注目画素と参照画素のそれぞれで、動き方位の空間傾斜と逆方位の空間傾斜から判定を行って、積算した評価値テーブルである。この例のテスト画像についても、2つの物体が毎フレームで動いている画像であり、その2つの物体の動いた位置を示すピークが、それぞれの位置に正しく示されている。
このように動き方位と逆の方位の双方から空間傾斜を判断することでも、良好な空間傾斜の判断が可能となる。
[17.第5の実施の形態の変形例]
なお、動き方位の隣接画素と動きと逆方位の隣接画素に、さらに別の隣接画素を組み合わせて、空間傾斜を判断するようにしてもよい。
例えば、動き方位の隣接画素と動きと逆方位の隣接画素の他に、さらに法線方位の隣接画素と、第2近接方位の隣接画素とから、空間傾斜の有無を判断してもよい。
図35のフローチャートは、この動き方位の隣接画素と動きと逆方位の隣接画素の他に、さらに法線方位の隣接画素と、第2近接方位の隣接画素とから、空間傾斜の有無を判断する例を示した図である。
図35のフローチャートにおいて、図32のフローチャートと同一処理ステップには、同一のステップ番号を付与してあり、本例ではステップS92′とステップS93′とステップS96′で読み出す方位が異なるものである。
即ち、空間傾斜パターン算出部122で、前フレームの注目画素と現フレームの参照画素との相対位置を算出し(ステップS91)、その相対位置から動き方位を判定する。その判定した動き方位の最近接方位のデータと逆方位のデータと法線方位のデータと第2近接方位のデータとを動き方位LUT126から読み出し(ステップS92′)、さらに注目点パターンメモリ124から動き方位の最近接方位と逆方位と法線方位と第2近接方位の隣接画素のパターンを読み出し(ステップS93′)、隣接画素の差分のパターンを判定する(ステップS94)。この判定で、いずれか1つ又は全ての差分が閾値を超えてなく、注目画素が空間傾斜なしと判定した場合には、ゲート部121で評価値の通過を阻止させ、評価値テーブル52に該当する評価値を書き込ませない(ステップS98)。
そして、全ての方位で閾値を超えて空間傾斜ありと判定した場合には、空間傾斜ありの数をカウントするカウンタのカウントアップを行い(ステップS95)、参照点パターンメモリ123から動き方位の最近接方位とその反対の方位と法線方位と第2近接方位の隣接画素のパターンを読み出し(ステップS96′)、隣接画素の差分のパターンを判定する(ステップS97)。この判定で、いずれか1つ又は全ての差分が閾値を超えてなく、参照画素が空間傾斜なしと判定した場合には、ゲート部121で評価値の通過を阻止させ、評価値テーブル52に該当する評価値を書き込ませない(ステップS98)。
また、相関演算部20′で検出された注目画素と参照画素との差分の絶対値が、閾値未満であるか否か判断される(ステップS251)。この判断で、閾値未満である場合には、相関判定部30から画素選別部120のゲート部121に送られる。閾値未満でない場合には、ゲート部121に送られず、評価値テーブル52に該当する評価値を書き込ませない(ステップS98)。
ここまでの処理が行われると、相関判定部30から画素選別部120のゲート部121に送られたデータ(画素相関のあるデータ)の内で、画素選別でゲート部121を通過させた数(頻度)が、評価値テーブルに書き込まれる(ステップS252)。
なお、この図35のフローチャートについても、注目画素での空間傾斜の判断と、参照画素での空間傾斜の判断の両方が条件を満たした場合に、評価値テーブルに書き込みを行うようにしたが、注目画素での空間傾斜の判断と、参照画素での空間傾斜の判断のいずれか一方での判断で条件を満たした場合に、ゲート部121を通過させて、評価値テーブルに書き込みを行うようにしてもよい。
図36は、図35のフローチャートの処理例の概要を示した図である。図36(a)及び(b)は、図23の(a)及び(b)などと同じであり、図36(a)は参照画素が存在する現フレーム及び注目画素が存在する前フレームを示した図である。
そして、図35(c)に示すように、参照画素と注目画素のそれぞれで、太線の矢印で示したように、動き方位の最近接方位と、その最近接方位と逆の方位と、最近接方位と直交する2つの法線方位と、最近接方位の次に近い第2近接方位の5つの方位の隣接画素と、中央の画素(参照画素又は注目画素)との差分を判断して、空間傾斜の有無を判断する。
なお、図34のフローチャートでは、空間傾斜の有無を判断する場合に、全ての隣接画素との間で閾値を超える差を検出した場合に空間傾斜ありと判断するようにしたが、例えば図35に太線の矢印で示した5つの方位の内で、予め決めた複数個(例えば3個又は4個)の方位の隣接画素が、閾値を超える差がある場合に、空間傾斜ありと判断するようにしてもよい。
[第6の実施の形態の例]
次に、本発明の第6の実施の形態を、図37〜図44を参照して説明する。
本実施の形態においても、動画像データから動きベクトルを検出する動きベクトル検出装置としたものであり、画素値相関情報から評価値テーブルを形成させて、その評価値テーブルのデータから動きベクトルを判定する点は、先に説明した各実施の形態と同じである。
動きベクトル検出装置の全体構成及び全体処理については、第1の実施の形態で説明した図1の処理構成及び図2のフローチャートと同じである。
そして本実施の形態においては、図1に示した動きベクトル検出装置の評価値テーブル形成部12を、図37に示す構成としたものである。図37の評価値テーブル形成部12において、第1〜第5の実施の形態で説明した図3,図11,図17,図28の評価値テーブル形成部12と同一部分には同一符号を付す。
本実施の形態においては、動き方位の隣接画素(下位階層の隣接画素)と、動き方位の所定画素数離れた画素(上位階層の隣接画素)とを読み出して、下位階層と上位階層とのそれぞれで差分を判断するようにしたものである。下位階層の隣接画素と上位階層の隣接画素については、後述する図39及び図40で説明する。注目画素と参照画素の定義については、既に他の実施の形態で説明したものと同じである。即ち、注目画素は、動きベクトルを判定する上での基準となる点(基準点)の画素位置であり、参照画素は、注目画素とは後又は前の別のフレームのサーチエリア内の画素である。
図37の例の構成について説明すると、入力端子11に得られる画像信号は、評価値テーブル形成部12内の相関演算部20′に供給する。相関演算部20′は、参照点メモリ24と注目点メモリ25と絶対値算出部26とを備える。参照点メモリ24は、入力端子11に得られる現在のフレームの画像信号の各画素値を記憶し、1フレーム期間経過すると、その記憶データを注目点メモリ25に移す処理を行う。絶対値算出部26では、注目点メモリ25から読み出した注目画素の画素値と、参照点メモリ24から読み出した参照画素の画素値とを比較して、その差分の絶対値を算出する。
そして、検出した差分のデータを、相関判定部30に供給する。相関判定部30は、比較部31を備えて、設定された閾値と比較し、評価値を得る。評価値としては、例えば差分が閾値以下であるとき相関が高いとし、閾値を越えたとき相関が低いとした2値の値とする。
相関判定部30で得られた評価値は、画素選別部130に供給する。画素選別部130は、相関判定部30が出力する2値を選別するゲート部131を備える。このゲート部131を制御する構成として、動き方位算出部132と、空間傾斜判定部133と、比較部134とを備える。動き方位算出部132は、参照点メモリ24の記憶データと注目点メモリ25の記憶データとから、注目画素と参照画素との相対位置を算出し、その相対位置から動き方位を算出する。
動き方位が算出されると、空間傾斜判定部133で、参照画素と動き方位の下位階層の隣接画素の画素データと上位階層の隣接画素の画素データとを参照点メモリ24から読み出し、参照画素の画素データと隣接画素データとの画素値の差分を算出する。
そして、比較部134で、注目画素と参照画素の双方で、動き方位の下位階層の隣接画素と上位階層の隣接画素とのそれぞれに、閾値以上の差があるか否か判断し、閾値を超える差がある場合に、ゲート部131に供給される評価値を通過させる。参照画素と注目画素のいずれか1つの階層でも、閾値を超えていない場合には、ゲート部131に供給される評価値の通過を阻止させる。
画素選別部130のゲート部131を通過した評価値は、評価値テーブル算出部50に供給し、評価値積算部51で積算し、その積算結果を評価値テーブルメモリ52に記憶させる。また、画素選別部130のゲート部131に供給される空間傾斜ありの数をカウントするカウンタ(図示せず)を備える。そして、評価値テーブルメモリ52の記憶データを、評価値テーブルデータとして出力端子12aから後段の回路に供給する。
この図37の構成での処理動作を示したのが、図38のフローチャートである。
図38に沿って説明すると、図31に示した構成での処理としては、相関演算部20′及び相関判定部30での画素相関があることの検出に基づいた候補検出処理と、その相関判定部30で得られた候補を、さらに、画素選別部130で選別する処理とが行われる。以下のフローチャートでは、画素選別部130での処理を中心にして説明する。
まず、動き方位算出部132で、参照画素とその参照画素に対応する注目画素との相対位置を算出し(ステップS101)、その相対位置から動き方位を算出する(ステップS102)。そして、注目点メモリ25から、動き方位の隣接画素(下位階層の隣接画素及び上位階層での隣接画素)の画素データを読み出す(ステップS103)。
以後は上位階層での処理と下位階層での処理が並行して行われる。
まず上位階層での処理(図38の右側)を説明すると、注目画素との上位階層での隣接差分を算出する(ステップS104)。その算出した注目画素との上位階層での隣接差分が、閾値を超えているか否か判断し(ステップS105)、超えていない場合には、ステップS110に移って、現在の評価値のゲート部131での通過を阻止させて、評価値テーブルへの書き込みを禁止させる。
ステップS105で閾値を超える差分があると判断した場合には、上位階層で空間傾斜があることを示す値のカウンタをカウントさせ(ステップS106)、参照点メモリ24から動き方位の上位階層の隣接画素の読み出しを行い(ステップS107)、その読み出した上位階層の隣接画素と参照画素の画素との差分を算出する(ステップS108)。上位階層での隣接画素との差分を算出すると、その差分が予め設定された閾値を超えているか否か判断し(ステップS109)、その判断で閾値を超えていない場合には、現在の評価値のゲート部131での通過を阻止させて、評価値テーブルへの書き込みを禁止させる(ステップS110)。
また、相関演算部20′で検出された注目画素と参照画素との差分の絶対値が、閾値未満であるか否か判断される(ステップS261)。この判断で、閾値未満である場合には、相関判定部30から画素選別部130のゲート部131に送られる。閾値未満でない場合には、ゲート部131に送られない(ステップS110)。
下位階層での処理(図38の左側)を説明すると、注目画素との下位階層での隣接差分を算出する(ステップS111)。その算出した注目画素との下位階層での隣接差分が、閾値を超えているか否か判断し(ステップS112)、超えていない場合には、ステップS110に移って、現在の評価値のゲート部131での通過を阻止させて、評価値テーブルへの書き込みを禁止させる。
ステップS112で閾値を超える差分があると判断した場合には、下位階層で空間傾斜があることを示す値のカウンタをカウントさせ(ステップS113)、参照点メモリ24から動き方位の下位階層の隣接画素の読み出しを行い(ステップS114)、その読み出した下位階層の隣接画素と参照画素の画素との差分を算出する(ステップS115)。下位階層での隣接画素との差分を算出すると、その差分が予め設定された閾値を超えているか否か判断し(ステップS116)、その判断で閾値を超えていない場合には、現在の評価値のゲート部131での通過を阻止させて、評価値テーブルへの書き込みを禁止させる(ステップS110)。
また、相関演算部20′で検出された注目画素と参照画素との差分の絶対値が、閾値未満であるか否か判断される(ステップS262)。この判断で、閾値未満である場合には、相関判定部30から画素選別部130のゲート部131に送られる。閾値未満でない場合には、ゲート部131に送られない(ステップS110)。
そして、ここまでの処理で、上位階層と下位階層とのそれぞれで、注目画素と参照画素のそれぞれが閾値を超える差分があると判断した場合に、相関判定部30から画素選別部130のゲート部131に送られたデータ(画素相関のあるデータ)の内で、画素選別でゲート部131を通過させた数(頻度)が、評価値テーブルに書き込まれる(ステップS263)。
なお、この図38のフローチャートについても、注目画素での空間傾斜の判断と、参照画素での空間傾斜の判断の両方が条件を満たした場合に、評価値テーブルに書き込みを行うようにしたが、注目画素での空間傾斜の判断と、参照画素での空間傾斜の判断のいずれか一方での判断で条件を満たした場合に、ゲート部131を通過させて、評価値テーブルに書き込みを行うようにしてもよい。
また、図38のフローチャートの説明では、上位階層と下位階層とのそれぞれで、注目画素及び参照画素で隣接差分を算出して、空間傾斜の有無を判定した結果に基づいて、同じ条件で画素選別部130での選別を行うようにしたが、上位階層と下位階層とで、選別条件を変更するようにしてもよい。例えば、下位階層では、注目画素と参照画素との相関判定のみを行い、上位階層では、参照画素と注目画素のそれぞれで空間傾斜の有無を基づいて選別する構成としてもよい。さらに、空間傾斜の有無で選別する場合には、参照画素と注目画素の双方で空間傾斜がある場合だけでなく、参照画素と注目画素のいずれか一方で空間傾斜がある画素を選別する構成としてもよい。さらにまた、これらとは逆に、上位階層で、注目画素と参照画素との相関判定のみを行い、下位階層で、参照画素と注目画素のそれぞれで(又は参照画素と注目画素のいずれかで)空間傾斜の有無を基づいて選別する構成としてもよい。
図37の構成及び図38のフローチャートでの処理状態の概要を示したのが、図39〜図41である。
まず、図39に、注目画素での上位階層での隣接画素と下位階層での隣接画素の例を示す。この例では、下位階層での隣接画素については、第1から第5の実施の形態で説明したように、注目画素の画素に、直接隣接する画素である。即ち図39(a)に示すように、中央の画素を注目画素とすると、その画素に直接隣接する画素が下位階層での隣接画素であり、動き方位に応じて、いずれかの方位の隣接画素が選択される。
一方、上位階層での注目画素の隣接画素は、予め決めた画素数を単位としてブロックを決めてあり、その1ブロックだけ離れた位置の画素を隣接画素とする。図39の例では、1ブロックを縦3画素×横3画素の9画素としてあり、隣接ブロックの中央の画素を、上位階層の隣接画素とする。例えば、動き方位が左横であるとき、左横のブロックの中央の画素を、上位階層での動き方位での隣接画素とする。そして、その選び出した隣接画素と注目画素の画素とを比較して、差分を得る。
或いは、図39(b)に示すように、注目画素が属する9画素のブロックの輝度値の平均を出し、動き方位に隣接するブロック内の9画素の輝度値の平均を出し、それぞれの平均の差分から、上位階層での注目画素の動き方位での差分を得るようにしてもよい。
図40は、参照画素の場合の例を示した図である。参照画素の場合も、下位階層での隣接画素については、参照画素の画素に、直接隣接する画素である。即ち図40(a)に示すように、中央の画素を参照画素とすると、その画素に直接隣接する画素が下位階層での隣接画素であり、動き方位に応じて、いずれかの方位の隣接画素が選択される。
一方、上位階層での参照画素の隣接画素は、予め決めた画素数を単位としてブロックを決めてあり、その1ブロックだけ離れた位置の画素を隣接画素とする。図39の例では、1ブロックを縦3画素×横3画素の9画素としてあり、隣接ブロックの中央の画素を、上位階層の隣接画素とする。例えば、動き方位が左横であるとき、左横のブロックの中央の画素を、上位階層での動き方位での隣接画素とする。そして、その選び出した隣接画素と参照画素の画素とを比較して、差分を得る。
或いは、図40(b)に示すように、参照画素が属する9画素のブロックの輝度値の平均を出し、動き方位に隣接するブロック内の9画素の輝度値の平均を出し、それぞれの平均の差分から、上位階層での参照画素の動き方位での差分を得るようにしてもよい。
このように隣接階層を設定して、図41(a)に示すように、前フレームF0の注目画素d0と現フレームF1の参照画素d1とを設定して、評価値を算出する際に、図41(b)に示すように、注目画素と参照画素のそれぞれで、動きの方位の隣接階層の隣接画素などを読み出して、空間傾斜の判定を行うようにする。図41において丸で示されるものは、1つの階層での画素又はブロックであり、図41(a)に示されるサーチエリアSAの範囲は、下位階層と上位階層で範囲を変えてもよい。
[15.第6の実施の形態でLUTを使用した例]
図37及び図38の例では、動き方位の各階層の隣接画素を読み出して差分の閾値との比較から空間傾斜を判定するようにしたが、この例においてもLUTとパターンメモリを使用して、そのLUTとパターンメモリとの比較で、評価値テーブルへの書き込みの制限を行うようにしてもよい。
図42は、このLUTとパターンメモリを使用した場合の評価値テーブル形成部12の構成例を示したものである。
図42に示した評価値テーブル形成部12は、画素選別部140の構成が、既に説明した他の実施の形態の例での評価値テーブル形成部12の画素選別部(図20,図31の画素選別部100,120など)とは異なるものであり、その他の部分(即ち相関演算部20′,相関判定部30,評価値テーブル算出部50)については、図20,図31の構成と同じである。図42の評価値テーブル形成部12において、図20,図31の評価値テーブル形成部12と同一部分には同一符号を付す。
図42の構成において、画素選別部140はゲート部141を備えて、相関判定部30が出力する評価値を、ゲート部141で選別する。このゲート部141を制御する構成として、空間傾斜パターン算出部142と、参照点パターンメモリ143と、注目点パターンメモリ144と、パターン比較部145と、動き方位LUT146と、動き方位算出部147とを備える。
空間傾斜パターン算出部142は、各フレームの画素データが供給されるごとに、各画素に対して、注目画素と周辺画素との空間傾斜の有無を0と1で表現し、フラグとして参照点パターンメモリ143に格納する。そして、動きが検出された方位に応じて、そのフラグを参照して、空間傾斜を判定する。また、ある時刻tのとき、現在フレーム(参照画素)で作成した画素ごとの空間傾斜の有無を示すフラグは、次のフレームが得られる時刻t+1のとき、前フレーム(注目画素)の各画素の空間傾斜の有無を示すフラグとして使用できる。このため、参照点パターンメモリ143の記憶データを、注目点パターンメモリ144に移す構成としてある。
動き方位算出部147では、探索範囲内の相対位置(動き)と、近接方向との関係を予め計算して、その計算されたデータを動き方位LUT146として記憶しておく。動き方位LUT146では、下位階層での空間傾斜パターンと、上位階層での空間傾斜パターンとを記憶する。記憶されたルックアップテーブルの値は、参照点パターンメモリ143と注目点パターンメモリ144に送り、空間傾斜パターン算出部142で算出された動き方位と同じ方位の隣接画素と逆方位の隣接画素を考慮した空間傾斜パターンと、動き方位LUT146から読み出した、これら2つの方位のパターンとを、参照画素と注目画素のそれぞれについて、下位階層と上位階層のそれぞれについてパターン比較部145で比較し、その比較結果で、注目画素と参照画素の双方で空間傾斜ありと判定された場合に、ゲート部141で評価値を通過させ、傾斜なしの場合に通過を阻止させる制御を行う。また、パターン比較部145で傾斜ありと判定した場合には、傾斜ありをカウントするカウンタをカウントアップさせる。
図43は、この図42の構成による処理例を示したフローチャートである。
図43に沿って説明すると、図42に示した構成での処理としては、相関演算部20′及び相関判定部30での画素相関があることの検出に基づいた候補検出処理と、その相関判定部30で得られた候補を、さらに、画素選別部120で選別する処理との2つの処理が行われる。以下のフローチャートでは、画素選別部120での処理を中心にして説明する。
まず、空間傾斜パターン算出部142で、前フレームの注目画素と現フレームの参照画素との相対位置を算出し(ステップS121)、その相対位置から動き方位を判定する。その判定した動き方位のデータを動き方位LUT146から読み出し(ステップS122)、さらに注目点パターンメモリ144から動き方位の下位階層と上位階層とのそれぞれの隣接画素のパターンを読み出し(ステップS123)、階層ごとに隣接画素の差分のパターンを判定する(ステップS124)。この判定で、注目画素が空間傾斜なしと判定した場合には、ゲート部141で評価値の通過を阻止させ、評価値テーブル52に該当する評価値を書き込ませない(ステップS128)。
そして、2つの階層の判断で空間傾斜ありと判定した場合には、空間傾斜ありの数をカウントするカウンタのカウントアップを行い(ステップS125)、参照点パターンメモリ143から動き方位の下位階層と上位階層とのそれぞれの隣接画素のパターンを読み出し(ステップS126)、階層ごとに隣接画素の差分のパターンを判定する(ステップS127)。この判定で、参照画素が空間傾斜なしと判定した場合には、ゲート部141で評価値の通過を阻止させ、評価値テーブル52に該当する評価値を書き込ませない(ステップS128)。
また、相関演算部20′で検出された、注目画素と参照画素との差分の絶対値が、閾値未満であるか否か判断される(ステップS271)。この判断で、閾値未満である場合には、相関判定部30から画素選別部140のゲート部141に送られる。閾値未満でない場合には、ゲート部141に送られず、評価値テーブル52に該当する評価値を書き込ませない(ステップS128)。
ここまでの処理が行われると、相関判定部30から画素選別部140のゲート部141に送られたデータ(画素相関のあるデータ)の内で、画素選別でゲート部141を通過させた数(頻度)が、評価値テーブルに書き込まれる(ステップS252)。
このように、階層ごとの空間傾斜の判断を、LUTとパターンメモリを使用することによっても可能である。
なお、この図43のフローチャートについても、注目画素での空間傾斜の判断と、参照画素での空間傾斜の判断の両方が条件を満たした場合に、評価値テーブルに書き込みを行うようにしたが、注目画素での空間傾斜の判断と、参照画素での空間傾斜の判断のいずれか一方での判断で条件を満たした場合に、ゲート部141を通過させて、評価値テーブルに書き込みを行うようにしてもよい。
また、図43のフローチャートの説明では、上位階層と下位階層とのそれぞれで、注目画素及び参照画素で隣接差分を算出して、空間傾斜の有無を判定した結果に基づいて、同じ条件で画素選別部130での選別を行うようにしたが、上位階層と下位階層とで、選別条件を変更するようにしてもよい。例えば、下位階層では、注目画素と参照画素との相関判定のみを行い、上位階層では、参照画素と注目画素のそれぞれで空間傾斜の有無を基づいて選別する構成としてもよい。さらに、空間傾斜の有無で選別する場合には、参照画素と注目画素の双方で空間傾斜がある場合だけでなく、参照画素と注目画素のいずれか一方で空間傾斜がある画素を選別する構成としてもよい。さらにまた、これらとは逆に、上位階層で、注目画素と参照画素との相関判定のみを行い、下位階層で、参照画素と注目画素のそれぞれで(又は参照画素と注目画素のいずれかで)空間傾斜の有無を基づいて選別する構成としてもよい。
[16.第6の実施の形態で作成される評価値テーブルの例]
図44は、図8に示したテスト画像に対して、図37及び図38の階層を用いて動き方向の隣接画素との差分を判断して、評価値テーブルへの書き込みの制限を構成なって形成させた評価値テーブルの例を示した図である。
この図44に示すように、階層を用いて空間傾斜を判断することによっても、テスト画像中の2つの物体の動きに対応したピーク位置が正確に定まった評価値テーブルが形成される。従って、動きベクトルなどを正確に検出することが可能となる。
なお、この第6の実施の形態では、階層を用いて空間傾斜の有無を判断する場合に、動きの方位に隣接する下位階層と上位階層での隣接画素との比較から判断するようにしたが、第1〜第5の実施の形態で説明したように、動き方位とは反対方向や、法線方向、あるいは動き方位に最も近い最近接方位と次に近い第2近接方位の隣接画素についても判断する処理構成として、その場合に、各方位を下位階層と上位階層での隣接画素との比較から判断するようにしてもよい。
[17.動きベクトル抽出部の構成及び動作例]
次に、図1の構成に示した動きベクトル検出装置での、動きベクトル抽出部13の構成及び動作の例について、図45〜図46を参照して説明する。
図45は、図1の動きベクトル抽出部13の例を示したものである。
動きベクトル抽出部13では、入力端子13aに、評価値テーブルデータが供給される。この評価値テーブルデータは、例えば、既に説明した第1〜第3の実施の形態のいずれかの処理構成で得られた動きベクトルの評価値テーブルのデータであり、1つのフレーム内で候補ベクトルとなる可能性のある動くベクトルを積算したデータである。
例えば、図3の評価値テーブル算出部50内の評価値テーブルメモリ52から供給されるデータであり、評価値テーブルデータ変換部111に供給する。
評価値テーブルデータ変換部111では、供給された評価値テーブルデータを、頻度値或いはその微分値などのデータに変換する。変換されたデータは、頻度順ソート処理部112で、1フレーム内で候補ベクトルを頻度順に並び替える処理を行う。頻度順に並び替えられた候補ベクトルの評価値テーブルデータは、候補ベクトル評価部113に供給する。ここでは、頻度順に並び替えられた候補ベクトルの内で、上位の所定順位までの候補ベクトルを、候補ベクトル評価部113に供給する。例えば、1フレーム内に存在する頻度の高い候補ベクトルの内で、最も頻度の高いものから10番目までの候補ベクトルを抽出して、候補ベクトル評価部113に供給する。
候補ベクトル評価部113では、供給された頻度の高い候補ベクトルのそれぞれを、さらに、決められ条件で評価する処理を行う。ここでの評価処理としては、例えば頻度値が上位の所定順位以内の候補ベクトルであっても、頻度値が予め決めた閾値以下などで、それほど高くない候補ベクトルについては除外するなど、決められた条件での評価を行う。
あるいは、例えば動きベクトル抽出部13の前段の評価値テーブル形成部12(図1)での画素選別に使用したデータなどを使って、候補ベクトルの信頼性を評価するようにしてもよい。画素選別に使用したデータなどを使って、候補ベクトルの信頼性を評価する場合には、例えば、図3の画素選別部40などで画素選別に使用された、選別された注目画素のデータを使う。その選別された注目画素のデータを、評価値テーブル形成部12から得て、選別された各注目画素から見たとき、どの候補ベクトルが最も適しているかを評価して、候補ベクトルの評価を行う。
このようにして候補ベクトル評価部113で得られた、各候補ベクトルの評価結果に基づいて、候補ベクトル信頼度判定部114で、候補ベクトルの内で信頼度の高い候補ベクトルを選定して、その信頼度の高い候補ベクトルのデータを出力端子13bから出力する。
出力端子13bから出力される候補ベクトルの信頼度データは、図1の動きベクトル決定部14に供給する。
図46は、図45に示した動きベクトル抽出部13で、評価値テーブルデータから候補ベクトルを抽出する際の、処理動作例を示したフローチャートである。
まず、評価値テーブルデータで示された候補ベクトルを、頻度順にソートする処理を行う(ステップS111)。その頻度順に並び替えられた評価値テーブルの中から、頻度の高いものから順に、所定番目までの候補ベクトルを取り出す。この所定番目としては、例えば頻度の最も高いものから10番目などの決められた順位のものを取り出す(ステップS112)。
その後、取り出した複数の候補ベクトルが、候補ベクトルとして適正であるか否か評価し、必要により候補ベクトルを絞る処理が(ステップS113)。例えば、取り出したそれぞれの候補ベクトルの頻度値がどの程度が判断して、閾値以下の頻度値の候補ベクトルについては評価値を低くする評価処理を行う。この候補ベクトルの評価処理については、種々の処理が考えられ、その評価処理が、候補ベクトルを取り出す精度に影響する。
その評価処理結果に基づいて、各候補ベクトルの信頼度を判定し、信頼度が高い候補ベクトル、即ち画像に割当てられる可能性の高い候補ベクトルだけを、後段のベクトル割当て部14(図1)に供給する(ステップS114)。
[18.動きベクトル決定部の構成及び動作例]
次に、図1の構成に示した動きベクトル検出装置での、動きベクトル決定部14の構成及び動作の例について、図47〜図49を参照して説明する。
図47は、図1の動きベクトル決定部14の構成例を示したものである。動きベクトル決定部14は、1フレーム内のそれぞれの画素に、前段の動きベクトル抽出部13から供給される複数の候補ベクトルのいずれかを割当てる処理を行うものである。
この例では、それぞれの画素位置を注目画素としたとき、その注目画素の周囲に、所定の画素数で構成される領域である固定ブロックを設定して、動きベクトルを判定する例である。
図47に従って構成を説明すると、動きベクトル割当て部14の入力端子14aには、動きベクトルの候補のデータと、その候補ベクトルについての画像信号とが供給される。画像信号は、フレームメモリである参照点メモリ211に供給されて1フレーム記憶される。そして、参照点メモリ211に記憶された画像信号が、フレーム期間ごとに注目点メモリ212に移される。従って、参照点メモリ211に記憶される画像信号と、注目点メモリ212に記憶される画像信号とは、常に1フレーム期間ずれた信号である。
そして、注目点メモリ212に記憶された画像信号から、注目画素を中心として決められたサイズの固定ブロックの画素信号をデータ読出し部213に読み出す。同様に、参照点メモリ211に記憶された画像信号から、参照画素を中心とした決められたサイズの固定ブロックの画素信号をデータ読出し部213に読み出す。このデータ読出し部213で読出される注目画素と参照画素の画素位置(注目画素と参照画素)は、動きベクトル抽出部13(図1)から供給された候補ベクトルのデータから、データ読出し部213で判断される。即ち、例えば候補ベクトルが10個ある場合には、注目画素からその10個の候補ベクトルで動いた先の10個の参照画素が判断されることになる。
そして、データ読出し部213で読出された、注目画素を中心とした固定領域の画素信号と、参照画素を中心とした固定領域の画素信号とを、評価値算出部214に供給して、両固定領域内の画素信号の差分が検出される。このようにして、評価値算出部214では、現在評価中の注目画素と候補ベクトルで接続された全ての参照画素の固定領域の画素信号を判断し、注目画素を中心とした固定領域の画素信号と比較する。
そして、評価値算出部214では、比較の結果で、注目画素を中心とした固定領域の画素信号と最も類似した固定領域を持った参照画素を選定する。
選定された参照画素と注目画素とを結ぶ候補ベクトルのデータは、ベクトル決定部215に送る。ベクトル決定部215では、該当する候補ベクトルを、注目画素からの動きベクトルに割り当てる決定処理を行い、その決定した候補ベクトルを出力端子215から出力させる。
図48のフローチャートは、この図47のベクトル決定(割当て)処理動作例を示したフローチャートである。
図48に従って順に説明すると、まず評価値テーブルのデータに基づいて候補ベクトルが読出される(ステップS121)。読出された候補ベクトルについての注目画素の座標位置を判断し、その位置の画素(注目画素)とその周辺画素で構成される固定ブロックの画素を注目点メモリ52から読出す(ステップS122)。また、読出された候補ベクトルについての参照画素の座標位置を判断し、その位置の画素(参照画素)とその周辺画素で構成される固定ブロックの画素を参照点メモリ51から読出す(ステップS123)。
そして、それぞれの固定ブロック内の各画素の画素レベル(画素値:ここでは輝度値)と、注目画素について設定した固定ブロック内の各画素の画素レベルとの差を求め、その差を絶対値化したものをブロック全てで加算し、絶対値差分和を算出する(ステップS124)。ここまでの処理を、現在の注目画素についての全ての候補ベクトルで示された参照画素について行う。
そして、複数の参照画素ごとに注目画素と比較して得た絶対値差分和の内で、値が最小になる参照画素を探す。この処理で、値が最小になる参照画素を判断すると、その判断された参照画素と注目画素を結ぶ候補ベクトルを、注目画素についての動きベクトルとして割り当てることを決定する(ステップS125)。
図49は、この図47の構成及び図48のフローチャートでの処理状態の概要を示した図である。
この例では、フレームF10(注目フレーム)に注目画素d10が存在し、その時間軸上の次のフレームF11(参照フレーム)内との間で、複数の候補ベクトルV11,V12が存在しているとする。フレームF11には、候補ベクトルV11,V12で注目画素d10と結ばれた参照画素d11,d12が存在している。
このような図49の状態を想定すると、図48のステップS22では、フレームF10内で、注目画素d10の中心にして固定した所定画素数の固定ブロックB10が設定され、その固定ブロックB10内の画素値が判断される。同様に、図48のステップS23では、フレームF11内で、参照画素d11,d12の中心にして固定した所定画素数の固定ブロックB11,B12が設定され、その固定ブロックB11,B12内の画素値が、それぞれ判断される。
そして、固定ブロックB11内の各画素の画素値と、固定ブロックB10内の各画素の画素値との差を得て、その差を絶対値化し、さらにその絶対値をブロック全てで加算して絶対値差分和を得る。同様に、固定ブロックB12内の各画素の画素値と、固定ブロックB10内の各画素の画素値との差を得て、その差を絶対値化し、さらにその絶対値をブロック全てで加算して絶対値差分和を得る。そして、いずれの絶対値差分和の方が小さいか比較される。この比較で、例えば固定ブロックB11を使った絶対値差分和の方が小さいと判断すると、その固定ブロックB11の中心の参照画素d11と、注目画素d10とを結ぶ候補ベクトルV11が選択される。この選択された候補ベクトルV11を、注目画素d10の動きベクトルとして割り当てる。
なお、図49では説明を簡単にするために候補ベクトルを2つとして説明したが、実際には1つの注目画素に対してより多くの候補ベクトルが存在することがある。また、説明を簡単にするために1つの注目画素だけを示してあるが、実際には、1フレーム内の代表となる複数の画素又は全ての画素が、このような注目画素となる。
このようにして候補ベクトルから選定するベクトルを決定する処理を行うことで、注目画素の周囲の画素の状態と、参照画素の周囲の画素の状態とが、近いものが選定されることになり、それぞれの画素に割り当てる動きベクトルの選定が、良好に行える。
特に、上述した本実施の形態の評価値テーブル形成処理と組み合わせることで、候補が適正に絞られた評価値テーブルを使った候補ベクトルの抽出と、その適正な候補ベクトルからの決定処理が行われ、非常に良好な動きベクトル割り当てが可能となる。
[19.実施の形態の変形例の説明]
なお、ここまで説明した各実施の形態の処理は、それぞれの実施の形態で説明した構成やフローチャートで実行する場合の他に、各実施の形態で説明した処理を組み合わせて実行するようにしてもよい。また、第1の実施の形態では、注目画素の空間傾斜を判断して処理を行うようにしたが、この第1の実施の形態で説明した処理を、参照画素だけについて行うようにしてもよい。
また、ここまで説明した各実施の形態の処理は、空間傾斜の有無を判断し、空間傾斜のある画素に対してのみ評価値テーブルに所定値を足し込む構成とする場合のほかに、空間傾斜の大きさ、画素値相関情報を用いて画素毎に評価値テーブルに足し込む値を可変とする構成にするようにしてもよい。
また、上述した各実施の形態では、注目画素の選定処理については具体的に説明しなかったが、例えば1フレーム内の全ての画素を順に注目画素として選定して、それぞれの画素について動きベクトルを検出させる構成としてもよい。或いは、1フレーム内で代表となる画素を注目画素として選び出し、その選び出した画素についての動きベクトルを検出させる場合にも適用してもよい。
また、上述した各実施の形態では、動きベクトル検出装置として構成させた例について説明したが、この動きベクトル検出装置は、各種画像処理装置に組み込むようにしてもよい。例えば、高能率符号化を行う符合化装置に組み込み、動きベクトルデータを利用して符号化を行うようにすることができる。或いは、入力(受信)した画像データによる表示を行う画像表示装置や記録を行う画像記録装置に組み込み、高画質化するために動きベクトルデータを利用するようにしてもよい。
また、本発明の動きベクトル検出を行う各構成要素をプログラム化して、例えば各種データ処理を行うコンピュータ装置などの各種情報処理装置に、そのプログラムを実装させて、その情報処理装置に入力した画像信号から動きベクトルを検出する処理を実行する際に、同様の処理を行うようにしてもよい。
本発明の実施の形態による装置構成例を示すブロック図である。 本発明の実施の形態による全体処理例を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態による評価値テーブルデータ取得処理例(例1:注目画素の動き方位の空間傾斜を加味した例)を示すブロック図である。 図3の例による処理例を示したフローチャートである。 図3の例による処理の概要を示す説明図である。 本発明の第1の実施の形態による評価値テーブルデータ取得処理例(例2:注目画素の動き方位の空間傾斜を加味した場合のLUTを使用した例)を示すブロック図である。 図6の例による処理例を示したフローチャートである。 テスト画像の例を示す説明図である。 図8のテスト画像に対して従来の相関判定で生成させた評価値テーブルの例を示した特性図である。 図8のテスト画像に対して図3の例で生成させた評価値テーブルの例を示した特性図である。 本発明の第2の実施の形態による評価値テーブルデータ取得処理例(例1:注目画素と参照画素の動き方位の空間傾斜を加味した例)を示すブロック図である。 図11の例による処理例を示したフローチャートである。 図11の例による処理の概要を示す説明図である。 本発明の第2の実施の形態による評価値テーブルデータ取得処理例(例2:注目画素と参照画素の動き方位の空間傾斜を加味した場合のLUTを使用した例)を示すブロック図である。 図14の例による処理例を示したフローチャートである。 図8のテスト画像に対して図11の例で生成させた評価値テーブルの例を示した特性図である。 本発明の第3の実施の形態による評価値テーブルデータ取得処理例(例1:注目画素と参照画素の動き方位の空間傾斜を加味した例)を示すブロック図である。 図17の例による処理例を示したフローチャートである。 図18の例による処理の概要を示す説明図である。 本発明の第3の実施の形態による評価値テーブルデータ取得処理例(例2:注目画素と参照画素の動き方位の空間傾斜を加味した場合のLUTを使用した例)を示すブロック図である。 図20の例による処理例を示したフローチャートである。 本発明の第4の実施の形態による注目画素と参照画素の動き方位と法線方向の空間傾斜を加味した場合の処理例(例1)を示すフローチャートである。 図22の例による処理の概要を示す説明図である。 本発明の第4の実施の形態による注目画素と参照画素の動き方位と法線方向の空間傾斜を加味した場合のLUTを使用した例(例2)を示すフローチャートである。 図24の例による処理の概要を示す説明図である。 図17の例で生成させた評価値テーブルの例を示した特性図である。 図22の例で生成させた評価値テーブルの例を示した特性図である。 本発明の第5の実施の形態による評価値テーブルデータ取得処理例(例1:注目画素と参照画素の逆方向の空間傾斜を加味した例)を示すブロック図である。 図28の例による処理例を示したフローチャートである。 図28の例による処理の概要を示す説明図である。 本発明の第5の実施の形態による評価値テーブルデータ取得処理例(例2:注目画素と参照画素の逆方向の空間傾斜を加味した場合のLUTを使用した例)を示すブロック図である。 図31の例による処理例を示したフローチャートである。 図31の例による処理の概要を示す説明図である。 図31の例で生成させた評価値テーブルの例を示した特性図である。 注目画素の動きの逆方向と法線方向の空間傾斜を加味した場合の処理例を示したフローチャートである。 図35の例による処理の概要を示す説明図である。 本発明の第6の実施の形態による評価値テーブルデータ取得処理例(例1:注目画素と参照画素の動き方位の階層空間傾斜を加味した例)を示すブロック図である。 図37の例による処理例を示したフローチャートである。 注目画素の階層例を示す説明図である。 参照画素の階層例を示す説明図である。 図37の処理例の概要を示す説明図である。 本発明の第6の実施の形態による評価値テーブルデータ取得処理例(例2:注目画素と参照画素の動き方位の階層空間傾斜を加味した場合のLUTを使用した例)を示すブロック図である。 図42の例による処理例を示したフローチャートである。 図8のテスト画像に対して図37の例で生成させた評価値テーブルの例を示した特性図である。 本発明の実施の形態による動きベクトル抽出部の構成例を示すブロック図である。 図45の例による処理を示したフローチャートである。 本発明の実施の形態による動きベクトル決定部の構成例を示すブロック図である。 図47の例による処理を示したフローチャートである。 図47の例による動きベクトル決定処理状態の例を示す説明図である。 従来の評価値テーブルデータ生成処理構成の一例を示すブロック図である。 従来の評価値テーブルデータ生成処理例の概要を示す説明図である。
符号の説明
11…画像信号入力端子、12…評価値テーブル形成部、12a…評価値テーブルデータ出力端子、13…動きベクトル抽出部、14…動きベクトル決定部、15…動きベクトル出力端子、20,20′…相関演算部、21…注目点メモリ、22…減算器、23…絶対値算出部、30…相関判定部、31…比較部、40…画素選別部、41…ゲート部、42…動き方位算出部、43…空間傾斜判定部、44…比較部、50…評価値テーブル算出部、51…評価値積算部、52…評価値テーブルメモリ、60…画素選別部、61…ゲート部、62…空間傾斜パターン算出部、63…注目点パターンメモリ、64…パターン比較部、65…動き方位LUT、66…動き方位算出部、70…画素選別部、71…ゲート部、72…動き方位算出部、73…空間傾斜算出部、74…比較部、80…画素選別部、81…ゲート部、82…空間傾斜パターン算出部、83…参照点パターンメモリ、84…注目点パターンメモリ、85…パターン比較部、86…動き方位LUT、87…動き方位算出部、90…画素選別部、91…ゲート部、92…動き方位算出部、93…空間傾斜算出部、94…比較部、100…画素選別部、101…ゲート部、102…空間傾斜パターン算出部、103…参照点パターンメモリ、104…注目点パターンメモリ、105…パターン比較部、106…動き方位LUT、107…動き方位算出部、110…画素選別部、111…ゲート部、112…動き方位算出部、113…空間傾斜算出部、114…比較部、120…画素選別部、121…ゲート部、122…空間傾斜パターン算出部、123…参照点パターンメモリ、124…注目点パターンメモリ、125…パターン比較部、126…動き方位LUT、127…動き方位算出部、130…画素選別部、131…ゲート部、132…動き方位算出部、133…空間傾斜判定部、134…比較部、140…画素選別部、141…ゲート部、142…空間傾斜パターン算出部、143…参照点パターンメモリ、144…注目点パターンメモリ、145…パターン比較部、146…動き方位LUT、147…動き方位算出部、111…評価値テーブルデータ変換部、112…頻度順ソート処理部、113…候補ベクトル評価部、114…候補ベクトル信頼度判定部、211…参照点メモリ、212…注目点メモリ、213…データ読出し部、214…評価値算出部、215…ベクトル決定部

Claims (15)

  1. 複数のフレームで構成される動画像データの、時間軸上における一方のフレームの注目画素と、他方のフレームのサーチエリア内の参照画素との画素値相関情報に基づいて、参照画素が注目画素の動き候補である可能性を評価した動きベクトルの評価値情報を形成するとともに、前記画素の動き方向を使用して生成又は制限を行った画素値相関情報より、動きベクトルの評価値情報を作成する評価値情報形成部と、
    前記評価値情報形成部が形成した評価値情報に基づいて、複数の動きベクトルの中から候補となる動きベクトルを抽出する動きベクトル抽出部と、
    動きベクトル抽出部で抽出された候補となる動きベクトルの中から、フレーム内の各画素に割り当てる動きベクトルを決定する動きベクトル決定部とを備え、
    前記評価値情報形成部は、
    動きベクトルを判断する注目画素の動き方向と、前記注目画素の動き候補先の参照画素に隣接する隣接画素との空間傾斜状態から評価値情報を作成する
    動きベクトル検出装置。
  2. 複数のフレームで構成される動画像データの、時間軸上における一方のフレームの注目画素と、他方のフレームのサーチエリア内の参照画素との画素値相関情報に基づいて、参照画素が注目画素の動き候補である可能性を評価した動きベクトルの評価値情報を形成するとともに、前記画素の動き方向を使用して生成又は制限を行った画素値相関情報より、動きベクトルの評価値情報を作成する評価値情報形成部と、
    前記評価値情報形成部が形成した評価値情報に基づいて、複数の動きベクトルの中から候補となる動きベクトルを抽出する動きベクトル抽出部と、
    動きベクトル抽出部で抽出された候補となる動きベクトルの中から、フレーム内の各画素に割り当てる動きベクトルを決定する動きベクトル決定部とを備え、
    前記評価値情報形成部は、
    動きベクトルを判断する注目画素の動き方向と、前記注目画素に隣接する隣接画素との空間傾斜状態と、前記注目画素の動き候補先の参照画素に隣接する隣接画素との空間傾斜状態から評価値情報を作成する
    動きベクトル検出装置。
  3. 複数のフレームで構成される動画像データの、時間軸上における一方のフレームの注目画素と、他方のフレームのサーチエリア内の参照画素との画素値相関情報に基づいて、参照画素が注目画素の動き候補である可能性を評価した動きベクトルの評価値情報を形成するとともに、前記画素の動き方向を使用して生成又は制限を行った画素値相関情報より、動きベクトルの評価値情報を作成する評価値情報形成部と、
    前記評価値情報形成部が形成した評価値情報に基づいて、複数の動きベクトルの中から候補となる動きベクトルを抽出する動きベクトル抽出部と、
    動きベクトル抽出部で抽出された候補となる動きベクトルの中から、フレーム内の各画素に割り当てる動きベクトルを決定する動きベクトル決定部とを備え、
    前記評価値情報形成部は、
    動きベクトルを判断する注目画素の動き方位と、その注目画素の周辺方位にある注目画素と参照画素のいずれか一方又は双方の隣接画素との空間傾斜状態から評価値情報を作成し、
    注目画素又は参照画素のいずれか一方又は双方の動きに対する最近接方位と、その最近接方位の次の第2近接方位にある隣接画素との空間傾斜状態を使用した
    動きベクトル検出装置。
  4. 前記隣接画素との空間傾斜状態は、注目画素又は参照画素のいずれか一方又は双方の動きに対する最近接方位と、その最近接方位の法線方位にある隣接画素との空間傾斜状態であ
    請求項記載の動きベクトル検出装置。
  5. 複数のフレームで構成される動画像データの、時間軸上における一方のフレームの注目画素と、他方のフレームのサーチエリア内の参照画素との画素値相関情報に基づいて、参照画素が注目画素の動き候補である可能性を評価した動きベクトルの評価値情報を形成するとともに、前記画素の動き方向を使用して生成又は制限を行った画素値相関情報より、動きベクトルの評価値情報を作成する評価値情報形成部と、
    前記評価値情報形成部が形成した評価値情報に基づいて、複数の動きベクトルの中から候補となる動きベクトルを抽出する動きベクトル抽出部と、
    動きベクトル抽出部で抽出された候補となる動きベクトルの中から、フレーム内の各画素に割り当てる動きベクトルを決定する動きベクトル決定部とを備え、
    前記評価値情報形成部は、
    動きベクトルを判断する注目画素の動きの逆方向における注目画素と参照画素のいずれか一方又は両方の空間傾斜状態から評価値情報を作成する
    動きベクトル検出装置。
  6. 前記空間傾斜状態は、動きの逆方向における注目画素又は参照画素の隣接画素との空間傾斜であ
    請求項記載の動きベクトル検出装置。
  7. 複数のフレームで構成される動画像データの、時間軸上における一方のフレームの注目画素と、他方のフレームのサーチエリア内の参照画素との画素値相関情報に基づいて、参照画素が注目画素の動き候補である可能性を評価した動きベクトルの評価値情報を形成するとともに、前記画素の動き方向を使用して生成又は制限を行った画素値相関情報より、動きベクトルの評価値情報を作成する評価値情報形成部と、
    前記評価値情報形成部が形成した評価値情報に基づいて、複数の動きベクトルの中から候補となる動きベクトルを抽出する動きベクトル抽出部と、
    動きベクトル抽出部で抽出された候補となる動きベクトルの中から、フレーム内の各画素に割り当てる動きベクトルを決定する動きベクトル決定部とを備え、
    前記評価値情報形成部は、
    動きベクトルを判断する注目画素の動き方向と、注目画素の階層空間傾斜状態と、動き候補先の参照画素の階層空間傾斜状態から評価値テーブルを作成する
    動きベクトル検出装置。
  8. 複数のフレームで構成される動画像データの、時間軸上における一方のフレームの注目画素と、他方のフレームのサーチエリア内の参照画素との画素値相関情報に基づいて、参照画素が注目画素の動き候補である可能性を評価した動きベクトルの評価値情報を形成すると共に、前記画素の動き方向を使用して生成又は制限を行った画素値相関情報より、動きベクトルの評価値情報を作成する評価値情報形成処理と、
    前記評価値情報形成処理で形成した評価値情報に基づいて、複数の動きベクトルの中から候補となる動きベクトルを抽出する動きベクトル抽出処理と、
    動きベクトル抽出処理で抽出された候補となる動きベクトルの中から、フレーム内の各画素に割り当てる動きベクトルを決定する動きベクトル決定処理とを行う動きベクトル検出方法であり、
    前記評価値情報形成処理は、
    動きベクトルを判断する注目画素の動き方向と、前記注目画素の動き候補先の参照画素に隣接する隣接画素との空間傾斜状態から評価値情報を作成する
    動きベクトル検出方法。
  9. 複数のフレームで構成される動画像データの、時間軸上における一方のフレームの注目画素と、他方のフレームのサーチエリア内の参照画素との画素値相関情報に基づいて、参照画素が注目画素の動き候補である可能性を評価した動きベクトルの評価値情報を形成すると共に、前記画素の動き方向を使用して生成又は制限を行った画素値相関情報より、動きベクトルの評価値情報を作成する評価値情報形成処理と、
    前記評価値情報形成処理で形成した評価値情報に基づいて、複数の動きベクトルの中から候補となる動きベクトルを抽出する動きベクトル抽出処理と、
    動きベクトル抽出処理で抽出された候補となる動きベクトルの中から、フレーム内の各画素に割り当てる動きベクトルを決定する動きベクトル決定処理とを行う動きベクトル検出方法であり、
    前記評価値情報形成処理は、
    動きベクトルを判断する注目画素の動き方向と、前記注目画素に隣接する隣接画素との空間傾斜状態と、前記注目画素の動き候補先の参照画素に隣接する隣接画素との空間傾斜状態から評価値情報を作成する
    動きベクトル検出方法。
  10. 複数のフレームで構成される動画像データの、時間軸上における一方のフレームの注目画素と、他方のフレームのサーチエリア内の参照画素との画素値相関情報に基づいて、参照画素が注目画素の動き候補である可能性を評価した動きベクトルの評価値情報を形成すると共に、前記画素の動き方向を使用して生成又は制限を行った画素値相関情報より、動きベクトルの評価値情報を作成する評価値情報形成処理と、
    前記評価値情報形成処理で形成した評価値情報に基づいて、複数の動きベクトルの中から候補となる動きベクトルを抽出する動きベクトル抽出処理と、
    動きベクトル抽出処理で抽出された候補となる動きベクトルの中から、フレーム内の各画素に割り当てる動きベクトルを決定する動きベクトル決定処理とを行う動きベクトル検出方法であり、
    前記評価値情報形成処理は、
    動きベクトルを判断する注目画素の動き方位と、その注目画素の周辺方位にある注目画素と参照画素のいずれか一方又は双方の隣接画素との空間傾斜状態から評価値情報を作成し、
    注目画素又は参照画素のいずれか一方又は双方の動きに対する最近接方位と、その最近接方位の次の第2近接方位にある隣接画素との空間傾斜状態を使用した
    動きベクトル検出方法。
  11. 前記隣接画素との空間傾斜状態は、注目画素又は参照画素のいずれか一方又は双方の動きに対する最近接方位と、その最近接方位の法線方位にある隣接画素との空間傾斜状態である
    請求項10記載の動きベクトル検出方法。
  12. 複数のフレームで構成される動画像データの、時間軸上における一方のフレームの注目画素と、他方のフレームのサーチエリア内の参照画素との画素値相関情報に基づいて、参照画素が注目画素の動き候補である可能性を評価した動きベクトルの評価値情報を形成すると共に、前記画素の動き方向を使用して生成又は制限を行った画素値相関情報より、動きベクトルの評価値情報を作成する評価値情報形成処理と、
    前記評価値情報形成処理で形成した評価値情報に基づいて、複数の動きベクトルの中から候補となる動きベクトルを抽出する動きベクトル抽出処理と、
    動きベクトル抽出処理で抽出された候補となる動きベクトルの中から、フレーム内の各画素に割り当てる動きベクトルを決定する動きベクトル決定処理とを行う動きベクトル検出方法であり、
    前記評価値情報形成処理は、
    動きベクトルを判断する注目画素の動き方位と、その注目画素の周辺方位にある注目画素と参照画素のいずれか一方又は双方の隣接画素との空間傾斜状態から評価値情報を作成し、
    注目画素又は参照画素のいずれか一方又は双方の動きに対する最近接方位と、その最近接方位の次の第2近接方位にある隣接画素との空間傾斜状態を使用した
    動きベクトル検出方法。
  13. 前記空間傾斜状態は、動きの逆方向における注目画素又は参照画素の隣接画素との空間傾斜である
    請求項12記載の動きベクトル検出方法。
  14. 複数のフレームで構成される動画像データの、時間軸上における一方のフレームの注目画素と、他方のフレームのサーチエリア内の参照画素との画素値相関情報に基づいて、参照画素が注目画素の動き候補である可能性を評価した動きベクトルの評価値情報を形成すると共に、前記画素の動き方向を使用して生成又は制限を行った画素値相関情報より、動きベクトルの評価値情報を作成する評価値情報形成処理と、
    前記評価値情報形成処理で形成した評価値情報に基づいて、複数の動きベクトルの中から候補となる動きベクトルを抽出する動きベクトル抽出処理と、
    動きベクトル抽出処理で抽出された候補となる動きベクトルの中から、フレーム内の各画素に割り当てる動きベクトルを決定する動きベクトル決定処理とを行う動きベクトル検出方法であり、
    前記評価値情報形成処理は、
    動きベクトルを判断する注目画素の動き方向と、注目画素の階層空間傾斜状態と、動き候補先の参照画素の階層空間傾斜状態から評価値テーブルを作成する
    動きベクトル検出方法。
  15. 複数のフレームで構成される動画像データの、時間軸上における一方のフレームの注目画素と、他方のフレームのサーチエリア内の参照画素との画素値相関情報に基づいて、参照画素が注目画素の動き候補である可能性を評価した動きベクトルの評価値情報を形成するとともに、前記画素の動き方向を使用して生成又は制限を行った画素値相関情報より、動きベクトルの評価値情報を作成する評価値情報形成処理と、
    前記評価値情報形成処理で形成した評価値情報に基づいて、複数の動きベクトルの中から候補となる動きベクトルを抽出する動きベクトル抽出処理と、
    動きベクトル抽出処理で抽出された候補となる動きベクトルの中から、フレーム内の各画素に割り当てる動きベクトルを決定する動きベクトル決定処理とを、
    情報処理装置に実装して実行させるプログラムであり、
    前記評価値情報形成処理は、
    動きベクトルを判断する注目画素の動き方向と、前記注目画素の動き候補先の参照画素に隣接する隣接画素との空間傾斜状態から評価値情報を作成する
    プログラム。
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