JP5136295B2 - 動きベクトル検出装置、動きベクトル検出方法及びプログラム - Google Patents
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Description
この図50,図51に示す処理を行うことで、評価値テーブルデータに基づいて動きベクトルを検出することができる。
また、従来の評価値テーブルでは、画像中に複数の動きがあった場合には、誤った動きが足されてしまうために、それぞれの動きに起因する評価値が埋もれ、それぞれの動きベクトルを検出することが困難であった。
その処理構成としては、複数フレーム間の画素値相関情報に基づいて評価値情報を生成し、評価値テーブルに基づいて動画像データのフレーム構成画素に対する動きベクトルを抽出する。そして、抽出された候補となる動きベクトルの中から、動きベクトルを決定する。そして本発明においては、画素の動き方向に基づいて生成させた画素値相関情報より評価値情報を形成するようにしたものである。この評価値情報を作成する際には、例えば動きベクトルを判断する注目画素の動き方向と、注目画素の動き候補先の参照画素に隣接する隣接画素との空間傾斜状態から作成する。
1.動きベクトルを検出する全体の構成の概要:図1
2.動きベクトルを検出する全体の処理の概要:図2
3.第1の実施の形態の例:図3〜図5
4.第1の実施の形態でLUTを使用した例:図6〜図7
5.第1の実施の形態で作成される評価値テーブルの例:図8〜図10
6.第2の実施の形態の例:図11〜図13
7.第2の実施の形態でLUTを使用した例:図14〜図15
8.第2の実施の形態で作成される評価値テーブルの例:図16
9.第3の実施の形態の例:図17〜図19
10.第3の実施の形態でLUTを使用した例:図20〜図21
11.第4の実施の形態の例:図22〜図23
12.第4の実施の形態の変形例:図24〜図25
13.第4の実施の形態で作成される評価値テーブルの例:図26〜図27
14.第5の実施の形態の例:図28〜図30
15.第5の実施の形態の他の例:図31〜図33
16.第5の実施の形態で作成される評価値テーブルの例:図34
17.第5の実施の形態の変形例:図35〜図36
18.第6の実施の形態の例:図37〜図41
15.第6の実施の形態でLUTを使用した例:図42〜図43
16.第6の実施の形態で作成される評価値テーブルの例:図44
17.動きベクトル抽出部の構成及び動作例:図45〜図46
18.動きベクトル決定部の構成及び動作例:図47〜図48
19.実施の形態の変形例の説明
以下、本発明の第1の実施の形態を、図1〜図10を参照して説明する。
本実施の形態においては、動画像データから動きベクトルを検出する動きベクトル検出装置としたものであり、その検出処理として、動きベクトルの評価値テーブルを形成させて、その評価値テーブルのデータを積算して、動きベクトルを判定するものである。なお、以下の説明では、動きベクトルの評価値情報を記憶したものを評価値テーブルと称するが、この評価値テーブルは、必ずしもテーブル状の記憶情報として構成されてなくてもよく、動くベクトルの評価値を示す情報であれば良い。例えば、評価値をヒストグラム化した情報として、そのヒストグラム化された評価値情報を持つようにしてもよい。
設定された動きベクトルのデータは、動きベクトル出力端子15から出力させる。このとき、必要により入力端子11に得られる画像信号に付加して出力させてもよい。出力された動きベクトルデータは、例えば画像データの高能率符号化に使用される。或いは、画像をテレビジョン受像機で表示させる際の高画質化処理に使用される。さらにまた、その他の画像処理に、本例の処理で検出された動きベクトルを使用してもよい。
図2のフローチャートは、この動きベクトルを決定するまでの処理例を示したものである。まず、入力した画像信号から評価値テーブルを形成させ(ステップS11)、その形成された評価値テーブルから、候補となる複数のベクトルを抽出する(ステップS12)。そして、その抽出された複数の候補ベクトルの中から、最も相関の高い動きベクトルを決定する(ステップS11)。この図2のフローチャートの処理が、各フレームで実行される。ここまでは、評価値テーブルを使用した動きベクトル検出構成として一般的な構成である。
本実施の形態においては、評価値テーブル形成部12での評価値テーブルの形成処理として、図3に示す構成で実行する。図3の例は、評価値テーブルの形成時に、注目画素の動き方位の空間傾斜を加味して形成させるようにしたものである。ここでの注目画素とは、動きベクトルを判定する上での基準となる点(基準点)の画素位置(注目画素)であり、参照画素とは、その注目画素から動いた先である可能性がある点の画素位置(参照画素)である。参照画素は、注目画素とは後又は前の別のフレームで、注目画素の画素位置の近傍(即ちサーチエリア内)の画素である。また、本明細書中での「動き方向」とは、注目画素と参照画素との相対位置(動き)の方向を示し、本明細書中での「動き方位」とは、動き方向に最も近接する方向である、注目画素と所定周辺隣接画素とのベクトルと定義する。
図4に沿って説明すると、図3に示した構成での処理としては、相関演算部20及び相関判定部30での画素相関があることの検出に基づいた候補検出処理と、その相関判定部30で得られた候補を、さらに、画素選別部40で選別する処理とが行われる。以下のフローチャートでは、画素選別部40での処理を中心にして説明する。
そして、注目画素から見た、同じフレーム内での動き方位の隣接画素を注目点メモリ21から読み出し(ステップS23)、その読み出した隣接画素の画素値と注目画素の画素値との差分を空間傾斜判定部43で算出する。差分の値が算出されると、その差分の値が、比較部44で閾値と比較され(ステップS25)、差分の値が閾値を超えている場合には、ゲート部41で現在の注目画素の評価値を通過させ、空間傾斜判定で傾斜ありと判定された数をカウントするカウンタをカウントアップさせる(ステップS26)。差分の値が閾値を超えていない場合には、ゲート部41で現在の注目画素の評価値の通過を阻止させ、評価値テーブルへのその評価値の書き込みを禁止させる(ステップS27)。
ここまでの処理が行われると、相関判定部30から画素選別部40のゲート部41に送られたデータ(画素相関のあるデータ)の内で、画素選別でゲート部41を通過させた数(頻度)が、評価値テーブルに書き込まれる(ステップS29)。このようにして、評価値テーブルに書き込ませることで、空間傾斜有り、かつ、相関判定有りの数が、評価値テーブルに書き込まれる。相関判定有りの数が頻度であり、評価値となる。なお、この頻度そのものを評価値としてもよいが、例えばステップS26でのカウント値で、頻度の値を割った値を、評価値として、評価値を正規化してもよい。後述する他のフローチャートの例の場合にも、評価値を得る場合に、頻度そのものを評価値とする場合とカウント値で正規化する場合のいずれでもよい。
まず、図5(a)に示すように、現在のフレーム(現フレーム)F1の1フレーム前の画像データである前フレームF0内の、動きベクトルを判断する基準となる画素位置を注目画素d0とする。この注目画素d0が決まると、その注目画素d0の画素位置の周辺の所定範囲でのサーチエリアSAが、現フレームF1内で設定される。サーチエリアSAが設定されると、そのサーチエリアSA内の各画素を参照画素d1として評価値が算出される。
このような動き方位の判断をした際には、図5(c)に示すように、前フレームF0内で、注目画素とその画素に隣接する周囲の8画素の内で、動き方位で示される方向に隣接した画素を読み出し、その読み出した隣接画素と、注目画素d0との差分を判定し、注目画素の空間傾斜を判定する。この判定で、空間傾斜があると判断された場合にだけ、そのときの参照画素d1の評価値が、評価値テーブルに書き込まれることになる。
図3及び図4の例では、注目画素の動き方位の隣接画素との判断に基づいて、空間傾斜を判定するようにしたが、例えば相対位置(動き)と動き方位の関係を予め計算して持っているテーブル(ルックアップテーブル:以下LUTと称する)と、各点の周辺画素との空間傾斜の有無を0,1(或いは0,1,2)で、予め計算して持っているパターンメモリとを設けて、LUTとパターンメモリとの比較で、評価値テーブルへの書き込みの制限を行うようにしてもよい。LUTとパターンメモリとを使用することで、演算処理量などを削減することができる。LUTとパターンメモリとを使用することによる効果は、後述する第2の実施の形態以降の処理構成の場合も同様である。
図6は、注目画素の動き方位の空間傾斜を加味する場合において、このLUTとパターンメモリとを使用する構成としたときの評価値テーブル形成部12の構成例を示したものである。
図6の構成において、画素選別部60はゲート部61を備えて、相関判定部30が出力する2値を、ゲート部61で選別する。このゲート部61を制御する構成として、空間傾斜パターン算出部62と、注目点パターンメモリ63と、パターン比較部64と、動き方位LUT65と、動き方位算出部66とを備える。
動き方位算出部66では、探索範囲内の相対位置(動き)と、近接方向との関係を予め計算して、その計算されたデータを動き方位LUT65として記憶しておく。記憶されたルックアップテーブルの値は、注目点パターンメモリ63に送り、空間傾斜パターン算出部62で算出された空間傾斜と、動き方位LUT65から読み出した動き方位の隣接画素のパターンとを、パターン比較部64で比較し、その比較結果で傾斜ありと判定された場合に、ゲート部61で評価値を通過させ、傾斜なしの場合に通過を阻止させる制御を行う。また、パターン比較部64で空間傾斜ありと判定した場合には、空間傾斜ありの数をカウントするカウンタをカウントアップさせる。
図7に沿って説明すると、図6に示した構成での処理としては、相関演算部20及び相関判定部30での画素相関があることの検出に基づいた候補検出処理と、その相関判定部30で得られた候補を、さらに、画素選別部60で選別する処理とが行われる。以下のフローチャートでは、画素選別部60での処理を中心にして説明する。
そして、相関判定部30から画素選別部60のゲート部61に送られたデータ(画素相関のあるデータ)の内で、画素選別でゲート部61を通過させた数(頻度)が、評価値テーブルに書き込まれる(ステップS38)。
この図6、図7に示すように、ルックアップテーブルを使用しても、注目画素の動き方位を利用した評価値テーブルの作成処理が可能となる。
図9及び図10は、評価値テーブルでの積算結果の例を示したものである。図9は相関判定のみで得た評価値テーブル(即ち従来技術で得た評価値テーブルに相当)であり、図10は、図3の処理構成で得た本実施の形態による評価値テーブルであり、いずれも図8に示すテスト画像に対して求めた評価値である。即ち、図8に示すように、2種類の背景色の境界部を移動する2つの物体が示された、同じ画像信号に対して処理したテスト画像に対して評価値を求めた例である。図8のテスト画像では、背景は静止しており、背景とは若干異なる色(白色)の円形の物体m1が矢印aで示す方向に、各フレームで順に移動しており、さらに、一方の背景色に近い色(黒色)の円形の物体m2が矢印bで示す方向(矢印aで示す方向とは反対方向)に、各フレームで順に移動している状態を示している。ここでは、矢印a,bで示す2つの物体m1,m2は、その面積が異なり、また移動方向は、2種類の背景色の境界部を移動している。
次に、本発明の第2の実施の形態を、図11〜図16を参照して説明する。
本実施の形態においても、動画像データから動きベクトルを検出する動きベクトル検出装置としたものであり、画素値相関情報より評価値テーブルを形成させて、その評価値テーブルのデータから動きベクトルを判定する点は、先に説明した第1の実施の形態と同じである。
動きベクトル検出装置の全体構成及び全体処理については、第1の実施の形態で説明した図1の処理構成及び図2のフローチャートと同じである。
本実施の形態においては、注目画素と参照画素の双方の動き方位の空間傾斜を加味して、画素値相関情報を得て評価値テーブルを形成させるようにしたものである。注目画素と参照画素の定義については、既に第1の実施の形態で説明したものと同じである。即ち、注目画素は、動きベクトルを判定する上での基準となる点(基準点)の画素位置であり、参照画素は、注目画素とは後又は前の別のフレームのサーチエリア内の画素である。
そして、比較部74で、注目画素と参照画素の双方で動き方位の隣接画素との閾値以上の差があるか否か判断し、閾値を超える差がある場合に、ゲート部71に供給される評価値を通過させる。参照画素と注目画素のいずれか一方でも閾値を超えていない場合には、ゲート部71に供給される評価値の通過を阻止させる。空間傾斜判定部73で空間傾斜ありと判定した場合には、空間傾斜ありをカウントするカウンタ(図示せず)をカウントアップさせる。
図12に沿って説明すると、図11に示した構成での処理としては、相関演算部20及び相関判定部30での画素相関があることの検出に基づいた候補検出処理と、その相関判定部30で得られた候補を、画素選別部70で選別する処理とが行われる。以下のフローチャートでは、画素選別部70での処理を中心にして説明する。
(ステップS46)、参照点メモリ24から動き方位の隣接画素の読み出しを行い(ステップS47)、その読み出した隣接画素と参照画素の画素との差分を算出する(ステップS48)。隣接画素との差分を算出すると、その差分が予め設定された閾値を超えているか否か判断し(ステップS49)、その判断で閾値を超えていない場合には、現在の評価値のゲート部71での通過を阻止させて、評価値テーブルへの書き込みを禁止させる(ステップS50)。
そして、相関判定部30から画素選別部70のゲート部71に送られたデータ(画素相関のあるデータ)の内で、画素選別でゲート部71を通過させた数(頻度)が、評価値テーブルに書き込まれる(ステップS202)。
まず、図13(a)に示すように、現在のフレーム(現フレーム)F1の1フレーム前の画像データである前フレームF0内の、動きベクトルを判断する基準となる画素位置を注目画素d0とする。この注目画素d0が決まると、その注目画素d0の画素位置の周辺の所定範囲でのサーチエリアSAが、現フレームF1内で設定される。サーチエリアSAが設定されると、そのサーチエリアSA内の各画素を参照画素d1として評価値が算出される。
このような動き方位の判断をした際に、図13(b)に太線の矢印で示すように、前フレームF0内で、注目画素とその画素に隣接する周囲の8画素の内で、動き方位で示される方向に隣接した画素を読み出し、その読み出した隣接画素と、注目画素d0との差分を判定し、注目画素の空間傾斜を判定する。さらに、図13(b)に太線の矢印で示すように、現フレームF1内で、参照画素とその画素に隣接する周囲の8画素の内で、動き方位で示される方向に隣接した画素を読み出し、その読み出した隣接画素と、参照画素d1との差分を判定し、参照画素の空間傾斜を判定する。
この判定で、注目画素と参照画素のそれぞれで空間傾斜があると判断された場合にだけ、そのときの参照画素d1の評価値が、評価値テーブルに書き込まれることになる。
図11の例では、演算処理で空間傾斜の有無を判定するようにしたが、本実施の形態の場合にも、ルックアップテーブル(LUT)とパターンメモリとを使用して空間傾斜の有無を判定する構成としてもよい。
図14は、注目画素と参照画素の双方で、動き方位の隣接画素との差分から空間傾斜を判断する場合における、LUTとパターンメモリとを使用した構成例を示した図である。
図14の構成において、画素選別部80はゲート部81を備えて、相関判定部30が出力する評価値を、ゲート部81で選別する。このゲート部81を制御する構成として、空間傾斜パターン算出部82と、参照点パターンメモリ83と、注目点パターンメモリ84と、パターン比較部85と、動き方位LUT86と、動き方位算出部87とを備える。
図15に沿って説明すると、図14に示した構成での処理としては、相関演算部20及び相関判定部30での画素相関があることの検出に基づいた候補検出処理と、その相関判定部30で得られた候補を、さらに、画素選別部80で選別する処理とが行われる。以下のフローチャートでは、画素選別部80での処理を中心にして説明する。
そして、相関判定部30から画素選別部80のゲート部81に送られたデータ(画素相関のあるデータ)の内で、画素選別でゲート部81を通過させた数(頻度)が、評価値テーブルに書き込まれる(ステップS212)。
この図14、図15に示すように、ルックアップテーブルとパターンメモリを使用しても、注目画素の動き方位と参照画素の動き方位とを利用した評価値テーブルの作成処理が可能となる。このようにルックアップテーブルとパターンメモリを使用することで、演算処理量を削減することが可能になる。
図16は、本実施の形態による評価値テーブルの例を示したものである。図16は、既に説明した図8に示すテスト画像(2種類の背景色の境界部を移動する2つの物体が示された画像)に対して求めた評価値である。
この図16に示すように、本実施の形態にも、2つのピーク位置P1,P2が明確化し、候補として正しく示されており、例えば複数の動きがある場合でも、その複数の動きをそれぞれ個別に判定できる。
次に、本発明の第3の実施の形態を、図17〜図21を参照して説明する。
本実施の形態においても、動画像データから動きベクトルを検出する動きベクトル検出装置としたものであり、画素値相関情報から評価値テーブルを形成させて、その評価値テーブルのデータから動きベクトルを判定する点は、先に説明した第1の実施の形態と同じである。
動きベクトル検出装置の全体構成及び全体処理については、第1の実施の形態で説明した図1の処理構成及び図2のフローチャートと同じである。
本実施の形態においては、注目画素と参照画素の双方の動き方位の複数の空間傾斜を加味して、評価値テーブルを形成させるようにしたものである。ここでも複数の空間傾斜としては、例えば、動き方位に対する最近接方位と、その最近接方位の次に近い方位である第2近接方位の2つを参照するものである。注目画素と参照画素の定義については、既に第1,第2の実施の形態で説明したものと同じである。即ち、注目画素は、動きベクトルを判定する上での基準となる点(基準点)の画素位置であり、参照画素は、注目画素とは後又は前の別のフレームのサーチエリア内の画素である。
と、その記憶データを注目点メモリ25に移す処理を行う。絶対値算出部26では、注目点メモリ25から読み出した注目画素の画素値と、参照点メモリ24から読み出した参照画素の画素値とを比較して、その差分の絶対値を算出する。
図18に沿って説明すると、図17に示した構成での処理としては、相関演算部20及び相関判定部30での画素相関があることの検出に基づいた候補検出処理と、その相関判定部30で得られた候補を、さらに、画素選別部90で選別する処理とが行われる。以下のフローチャートでは、画素選別部90での処理を中心にして説明する。
まず、図19(a)に示すように、現在のフレーム(現フレーム)F1の1フレーム前の画像データである前フレームF0内の、動きベクトルを判断する基準となる画素位置を注目画素d0とする。この注目画素d0が決まると、その注目画素d0の画素位置の周辺の所定範囲でのサーチエリアSAが、現フレームF1内で設定される。サーチエリアSAが設定されると、そのサーチエリアSA内の各画素を参照画素d1として評価値が算出される。
このような動き方位の判断をした際に、図19(c)に太線の矢印で示すように、前フレームF0内で、注目画素とその画素に隣接する周囲の8画素の内で、動き方位に最も近い最近接方位(この例では左横)に隣接した画素を読み出し、その読み出した隣接画素と、注目画素d0との差分を判定する。また、動き方位に2番目に近い方位である第2近接方位(この例では斜め左上)に隣接した画素を読み出し、その読み出した隣接画素と、注目画素d0との差分を判定する。
この判定で、注目画素側で、最近接方位と第2近接方位のいずれかの隣接画素との間で空間傾斜があり、さらに、参照画素側でも、最近接方位と第2近接方位のいずれかの隣接画素との間で空間傾斜があると判断された場合にだけ、そのときの参照画素d1の評価値が、評価値テーブルに書き込まれることになる。
図17,図18の例では、演算処理で空間傾斜の有無を判定するようにしたが、本実施の形態の場合にも、ルックアップテーブル(LUT)とパターンメモリを使用して空間傾斜の有無を判定する構成としてもよい。
図20は、注目画素と参照画素の双方で、動き方位の最近接方位及び第2近接方位の隣接画素との差分から空間傾斜を判断する場合における、LUTとパターンメモリとを使用した構成例を示した図である。
図20の構成において、画素選別部100はゲート部101を備えて、相関判定部30が出力する評価値を、ゲート部101で選別する。このゲート部101を制御する構成として、空間傾斜パターン算出部102と、参照点パターンメモリ103と、注目点パターンメモリ104と、パターン比較部105と、動き方位LUT106と、動き方位算出部107とを備える。
図21に沿って説明すると、図20に示した構成での処理としては、相関演算部20′及び相関判定部30での画素相関があることの検出に基づいた候補検出処理と、その相関判定部30で得られた候補を、さらに、画素選別部100で選別する処理との2つの処理とが行われる。以下のフローチャートでは、画素選別部100での処理を中心にして説明
する。
ここまでの処理が行われると、相関判定部30から画素選別部100のゲート部101に送られたデータ(画素相関のあるデータ)の内で、画素選別でゲート部101を通過させた数(頻度)が、評価値テーブルに書き込まれる(ステップS232)。
この図20、図21に示すように、ルックアップテーブルとパターンメモリを使用しても、注目画素の動き方位と参照画素の動き方位とを利用した評価値テーブルの作成処理が可能となる。ルックアップテーブルとパターンメモリとを使用することで、演算量を削減することができる。
次に、本発明の第4の実施の形態を、図22〜図25を参照して説明する。
本実施の形態においても、動画像データから動きベクトルを検出する動きベクトル検出装置としたものであり、画素値相関情報から評価値テーブルを形成させて、その評価値テーブルのデータから動きベクトルを判定する点は、先に説明した第1の実施の形態と同じである。
動きベクトル検出装置の全体構成及び全体処理については、第1の実施の形態で説明した図1の処理構成及び図2のフローチャートと同じである。また、図1に示した動きベクトル検出装置の評価値テーブル形成部12の構成についても、基本的な構成は、ここまで説明した各実施の形態での評価値テーブル形成部12の構成と同じであり、各部でのデータ処理状態として、図22のフローチャートに示した処理を行うようにしたものである。以下の説明では、評価値テーブル形成部12は、図20の構成を適用したものとして説明する。
即ち、注目画素と参照画素との差分の絶対値が、閾値未満であるか否か判断される(ステップS231)。この判断で、閾値未満である場合には、相関判定部30から画素選別部100のゲート部101に送られる。
そして、注目点パターンメモリ104から、動き方位の隣接画素と、その動き方位と直交する方位である法線方位の隣接画素の空間傾斜パターンを読み出す(ステップS73′)。このようにして読み出された隣接画素と動き方位LUT106から読み出したパターンとの差分のパターンを判定する(ステップS74)。この判定で、注目画素が空間傾斜なしと判定した場合には、ゲート部101で評価値の通過を阻止させ、評価値テーブル52に該当する評価値を書き込ませない(ステップS78)。空間傾斜ありと判定した場合には、空間傾斜ありの数をカウントするカウンタのカウントアップを行う(ステップS75)。
また、相関演算部20′及び相関判定部30での画素相関の検出で得られた、注目画素と参照画素との差分の絶対値が、閾値未満であるか否か判断される(ステップS231)。この判断で、閾値未満である場合には、相関判定部30から画素選別部100のゲート部101に送られる。閾値未満でない場合には、ゲート部101に送らず、評価値テーブル52に該当する評価値を書き込ませない(ステップS78)。
そして、相関判定部30から画素選別部100のゲート部101に送られたデータ(画素相関のあるデータ)の内で、画素選別でゲート部101を通過させた数(頻度)が、評価値テーブルに書き込まれる(ステップS232)。
まず、図23(a)に示した現フレームF1での注目画素d0と現フレームF1のサーチエリアSA内に参照画素d1が設定される点は、ここまで説明した他の実施の形態と同じである。図23(b)に示すように、前フレームF0の注目画素d0と参照画素d1との相対位置から動き方位を判断する点も、他の実施の形態と同じである。この図23(b)の例では、水平方向よりも若干斜め上の左に動いた例としてある。
この判定で、注目画素側で、近接方位と法線方位の全ての隣接画素との間で空間傾斜があり、さらに、参照画素側でも、近接方位と法線方位のいずれかの隣接画素との間で空間傾斜があると判断された場合にだけ、そのときの参照画素d1の評価値が、評価値テーブルに書き込まれることになる。
このように動き方位と法線方位から空間傾斜を判断することでも、良好な空間傾斜の判断が可能となる。
図22、図23の例では、動きのある方位の隣接画素は、動き方位に最も近い1つの方位の隣接画素を選び出すようにしたが、第3の実施の形態で説明したように、動き方位の隣接画素として、動き方位に最も近い最近接方位の隣接画素と、動き方位に次に近い第2近接方位の隣接画素とを読み出して、その上で最近接方位及び第2近接方位と直交する方位である法線方向の隣接画素を読み出すようにしてもよい。
図24のフローチャートは、この場合の例を示したものである。図24のフローチャートにおいて、図21及び図22のフローチャートと同一処理ステップには、同一のステップ番号を付与してあり、本例ではステップS73″及びステップS76″で読み出す方位が異なるものである。
注目画素と参照画素との差分の絶対値が、閾値未満であるか否か判断される(ステップS231)。この判断で、閾値未満である場合には、相関判定部30から画素選別部100のゲート部101に送られる。
そして、注目点パターンメモリ104から、動き方位に最も近い方位である最近接方位の隣接画素と、次に近い方位である第2近接方位の隣接画素と、最近接方位と直交する方位である法線方位の隣接画素の空間傾斜パターンと、第2近接方位と直交する方位である法線方位の隣接画素の空間傾斜パターンとを読み出す(ステップS73″)。このようにして読み出された隣接画素と動き方位LUT106から読み出したパターンとの差分のパターンを判定する(ステップS74)。この判定で、注目画素が空間傾斜なしと判定した場合には、ゲート部101で評価値の通過を阻止させ、評価値テーブル52に該当する評価値を書き込ませない(ステップS78)。空間傾斜ありと判定した場合には、空間傾斜ありの数をカウントするカウンタのカウントアップを行う(ステップS75)。
また、相関演算部20′及び相関判定部30での画素相関の検出で得られた、注目画素と参照画素との差分の絶対値が、閾値未満であるか否か判断される(ステップS231)。この判断で、閾値未満である場合には、相関判定部30から画素選別部100のゲート部101に送られる。閾値未満でない場合には、ゲート部101に送らず、評価値テーブル52に該当する評価値を書き込ませない(ステップS78)。
そして、相関判定部30から画素選別部100のゲート部101に送られたデータ(画素相関のあるデータ)の内で、画素選別でゲート部101を通過させた数(頻度)が、評価値テーブルに書き込まれる(ステップS232)。
あるいは、注目画素と参照画素のいずれか一方でだけ、第2近接方位の隣接画素まで読み出して、空間傾斜を判断するようにしてもよい。
まず、図25(a)の現フレームF1での注目画素d0と現フレームF1のサーチエリアSA内に参照画素d1が設定される点は、ここまで説明した他の実施の形態と同じであり、図25(b)に示すように、前フレームF0の注目画素d0と参照画素d1との相対位置から動き方位(水平方向よりも若干斜め上の左の方位)を判断する点も、他の実施の形態と同じである。
この判定で、注目画素側で、近接方位と法線方位のいずれかの隣接画素との間で空間傾斜があり、さらに、参照画素側でも、近接方位と法線方位のいずれかの隣接画素との間で空間傾斜があると判断された場合にだけ、そのときの参照画素d1の評価値が、評価値テーブルに書き込まれることになる。
このように動き方位と法線方位から空間傾斜を判断することでも、良好な空間傾斜の判断が可能となる。
なお、ここまでの説明では、動き方位に近接した方位と法線方位のそれぞれで隣接画素との間で閾値を超える差分がある場合に、空間傾斜ありと判定するようにしたが、動き方位に近接した方位と1つ(又は2つ)の法線方位の隣接画素とのいずれかで閾値を超える差分がある場合に、空間傾斜ありと判定するようにしてもよい。
図26、図27は、テスト画像(図8例の画像とは異なる画像)に対して、第3及び第4の実施の形態で処理して評価値テーブルを形成させた例を示した図である。
図26は、第3の実施の形態による評価値テーブルの例を示したものである。即ち、注目画素と参照画素のそれぞれで、最近接方位の空間傾斜と第2近接方位の空間傾斜から判定を行って、積算した評価値テーブルである。この例のテスト画像中には、2つの動いた物体があり、その2つの物体の動いた位置を示すピークが、それぞれの位置に正しく示されている。
図27は、第4の実施の形態による評価値テーブルの例を示したものである。即ち、注目画素と参照画素のそれぞれで、動き方位の空間傾斜と法線方位の空間傾斜から判定を行って、積算した評価値テーブルである。この例でも2つの物体の動いた位置を示すピークが、それぞれの位置に正しく示されている。
次に、本発明の第5の実施の形態を、図28〜図36を参照して説明する。
本実施の形態においても、動画像データから動きベクトルを検出する動きベクトル検出装置としたものであり、画素値相関情報から評価値テーブルを形成させて、その評価値テーブルのデータから動きベクトルを判定する点は、先に説明した第1の実施の形態と同じである。
動きベクトル検出装置の全体構成及び全体処理については、第1の実施の形態で説明した図1の処理構成及び図2のフローチャートと同じである。
本実施の形態においては、動き方位に関する隣接画素として、その動き方位と逆の方位の隣接画素を読み出して、差分を判断するようにしたものである。注目画素と参照画素の定義については、既に他の実施の形態で説明したものと同じである。即ち、注目画素は、動きベクトルを判定する上での基準となる点(基準点)の画素位置であり、参照画素は、注目画素とは後又は前の別のフレームのサーチエリア内の画素である。
また、注目画素と動き方位と逆方位の隣接画素の画素データを注目点メモリ25から読み出し、注目画素の画素データと隣接画素データとの画素値の差分を算出する。
図29に沿って説明すると、図28に示した構成での処理としては、相関演算部20′及び相関判定部30での画素相関があることの検出に基づいた候補検出処理と、その相関判定部30で得られた候補を、さらに、画素選別部110で選別する処理とが行われる。以下のフローチャートでは、画素選別部110での処理を中心にして説明する。
また、相関演算部20′で得られた、注目画素と参照画素との差分の絶対値が、閾値未満であるか否か判断される(ステップS241)。この判断で、閾値未満である場合には、相関判定部30から画素選別部110のゲート部111に送られる。閾値未満でない場合には、ゲート部101に送らず、評価値テーブル52に該当する評価値を書き込ませない(ステップS90)。
そして、ステップS241で閾値未満である場合には、相関判定部30から画素選別部110のゲート部111に送られる。
ここまでの処理が行われると、相関判定部30から画素選別部110のゲート部111に送られたデータ(画素相関のあるデータ)の内で、画素選別でゲート部111を通過させた数(頻度)が、評価値テーブルに書き込まれる(ステップS242)。
まず、図30(a)に示した現フレームF1での注目画素d0と現フレームF1のサーチエリアSA内に参照画素d1が設定される点は、ここまで説明した他の実施の形態と同じである。図30(b)に示すように、前フレームF0の注目画素d0と参照画素d1との相対位置から動き方位を判断する点も、他の実施の形態と同じである。この図30(b)の例では、左横に水平に動いた例としてある。
この判定で、注目画素側で、隣接画素との間で空間傾斜があり、さらに、参照画素側でも、隣接画素との間で空間傾斜があると判断された場合にだけ、そのときの参照画素d1の評価値が、評価値テーブルに書き込まれることになる。
このように動き方位と逆の方位から空間傾斜を判断することでも、良好な空間傾斜の判断が可能となる。
図28,図29の例では、動き方位と逆方位の隣接画素だけを読み出して、差分を判断するようにしたが、動き方位の隣接画素と、その逆方位の隣接画素との双方などの複数の隣接画素を読み出し、それぞれの隣接画素の差分を判断するようにしてもよい。
図31及び図32は、動き方位の隣接画素と、その逆方位の隣接画素を読み出して、各隣接画素の差分を判断する構成及びフローチャートを示したものである。
図31の構成において、画素選別部120はゲート部121を備えて、相関判定部30が出力する評価値を、ゲート部121で選別する。このゲート部121を制御する構成として、空間傾斜パターン算出部122と、参照点パターンメモリ123と、注目点パターンメモリ124と、パターン比較部125と、動き方位LUT126と、動き方位算出部127とを備える。
図32に沿って説明すると、図31に示した構成での処理としては、相関演算部20′及び相関判定部30での画素相関があることの検出に基づいた候補検出処理と、その相関判定部30で得られた候補を、さらに、画素選別部120で選別する処理とが行われる。以下のフローチャートでは、画素選別部120での処理を中心にして説明する。
ここまでの処理が行われると、相関判定部30から画素選別部120のゲート部121に送られたデータ(画素相関のあるデータ)の内で、画素選別でゲート部121を通過させた数(頻度)が、評価値テーブルに書き込まれる(ステップS252)。
まず、図33(a)に示した現フレームF1での注目画素d0と現フレームF1のサーチエリアSA内に参照画素d1が設定される点は、ここまで説明した他の実施の形態と同じである。図33(b)に示すように、前フレームF0の注目画素d0と参照画素d1との相対位置から動き方位を判断する点も、他の実施の形態と同じである。この図33(b)の例では、左横に水平に動いた例としてある。
この判定で、注目画素側で、両方向の隣接画素との間で空間傾斜があり、さらに、参照画素側でも、両方向の隣接画素との間で空間傾斜があると判断された場合にだけ、そのときの参照画素d1の評価値が、評価値テーブルに書き込まれることになる。
図34は、テスト画像に対して、第5の実施の形態で処理して評価値テーブルを形成させた例を示した図である。注目画素と参照画素のそれぞれで、動き方位の空間傾斜と逆方位の空間傾斜から判定を行って、積算した評価値テーブルである。この例のテスト画像についても、2つの物体が毎フレームで動いている画像であり、その2つの物体の動いた位置を示すピークが、それぞれの位置に正しく示されている。
このように動き方位と逆の方位の双方から空間傾斜を判断することでも、良好な空間傾斜の判断が可能となる。
なお、動き方位の隣接画素と動きと逆方位の隣接画素に、さらに別の隣接画素を組み合わせて、空間傾斜を判断するようにしてもよい。
例えば、動き方位の隣接画素と動きと逆方位の隣接画素の他に、さらに法線方位の隣接画素と、第2近接方位の隣接画素とから、空間傾斜の有無を判断してもよい。
図35のフローチャートにおいて、図32のフローチャートと同一処理ステップには、同一のステップ番号を付与してあり、本例ではステップS92′とステップS93′とステップS96′で読み出す方位が異なるものである。
また、相関演算部20′で検出された注目画素と参照画素との差分の絶対値が、閾値未満であるか否か判断される(ステップS251)。この判断で、閾値未満である場合には、相関判定部30から画素選別部120のゲート部121に送られる。閾値未満でない場合には、ゲート部121に送られず、評価値テーブル52に該当する評価値を書き込ませない(ステップS98)。
ここまでの処理が行われると、相関判定部30から画素選別部120のゲート部121に送られたデータ(画素相関のあるデータ)の内で、画素選別でゲート部121を通過させた数(頻度)が、評価値テーブルに書き込まれる(ステップS252)。
そして、図35(c)に示すように、参照画素と注目画素のそれぞれで、太線の矢印で示したように、動き方位の最近接方位と、その最近接方位と逆の方位と、最近接方位と直交する2つの法線方位と、最近接方位の次に近い第2近接方位の5つの方位の隣接画素と、中央の画素(参照画素又は注目画素)との差分を判断して、空間傾斜の有無を判断する。
なお、図34のフローチャートでは、空間傾斜の有無を判断する場合に、全ての隣接画素との間で閾値を超える差を検出した場合に空間傾斜ありと判断するようにしたが、例えば図35に太線の矢印で示した5つの方位の内で、予め決めた複数個(例えば3個又は4個)の方位の隣接画素が、閾値を超える差がある場合に、空間傾斜ありと判断するようにしてもよい。
次に、本発明の第6の実施の形態を、図37〜図44を参照して説明する。
本実施の形態においても、動画像データから動きベクトルを検出する動きベクトル検出装置としたものであり、画素値相関情報から評価値テーブルを形成させて、その評価値テーブルのデータから動きベクトルを判定する点は、先に説明した各実施の形態と同じである。
動きベクトル検出装置の全体構成及び全体処理については、第1の実施の形態で説明した図1の処理構成及び図2のフローチャートと同じである。
本実施の形態においては、動き方位の隣接画素(下位階層の隣接画素)と、動き方位の所定画素数離れた画素(上位階層の隣接画素)とを読み出して、下位階層と上位階層とのそれぞれで差分を判断するようにしたものである。下位階層の隣接画素と上位階層の隣接画素については、後述する図39及び図40で説明する。注目画素と参照画素の定義については、既に他の実施の形態で説明したものと同じである。即ち、注目画素は、動きベクトルを判定する上での基準となる点(基準点)の画素位置であり、参照画素は、注目画素とは後又は前の別のフレームのサーチエリア内の画素である。
そして、比較部134で、注目画素と参照画素の双方で、動き方位の下位階層の隣接画素と上位階層の隣接画素とのそれぞれに、閾値以上の差があるか否か判断し、閾値を超える差がある場合に、ゲート部131に供給される評価値を通過させる。参照画素と注目画素のいずれか1つの階層でも、閾値を超えていない場合には、ゲート部131に供給される評価値の通過を阻止させる。
図38に沿って説明すると、図31に示した構成での処理としては、相関演算部20′及び相関判定部30での画素相関があることの検出に基づいた候補検出処理と、その相関判定部30で得られた候補を、さらに、画素選別部130で選別する処理とが行われる。以下のフローチャートでは、画素選別部130での処理を中心にして説明する。
まず上位階層での処理(図38の右側)を説明すると、注目画素との上位階層での隣接差分を算出する(ステップS104)。その算出した注目画素との上位階層での隣接差分が、閾値を超えているか否か判断し(ステップS105)、超えていない場合には、ステップS110に移って、現在の評価値のゲート部131での通過を阻止させて、評価値テーブルへの書き込みを禁止させる。
ステップS105で閾値を超える差分があると判断した場合には、上位階層で空間傾斜があることを示す値のカウンタをカウントさせ(ステップS106)、参照点メモリ24から動き方位の上位階層の隣接画素の読み出しを行い(ステップS107)、その読み出した上位階層の隣接画素と参照画素の画素との差分を算出する(ステップS108)。上位階層での隣接画素との差分を算出すると、その差分が予め設定された閾値を超えているか否か判断し(ステップS109)、その判断で閾値を超えていない場合には、現在の評価値のゲート部131での通過を阻止させて、評価値テーブルへの書き込みを禁止させる(ステップS110)。
また、相関演算部20′で検出された注目画素と参照画素との差分の絶対値が、閾値未満であるか否か判断される(ステップS261)。この判断で、閾値未満である場合には、相関判定部30から画素選別部130のゲート部131に送られる。閾値未満でない場合には、ゲート部131に送られない(ステップS110)。
ステップS112で閾値を超える差分があると判断した場合には、下位階層で空間傾斜があることを示す値のカウンタをカウントさせ(ステップS113)、参照点メモリ24から動き方位の下位階層の隣接画素の読み出しを行い(ステップS114)、その読み出した下位階層の隣接画素と参照画素の画素との差分を算出する(ステップS115)。下位階層での隣接画素との差分を算出すると、その差分が予め設定された閾値を超えているか否か判断し(ステップS116)、その判断で閾値を超えていない場合には、現在の評価値のゲート部131での通過を阻止させて、評価値テーブルへの書き込みを禁止させる(ステップS110)。
また、相関演算部20′で検出された注目画素と参照画素との差分の絶対値が、閾値未満であるか否か判断される(ステップS262)。この判断で、閾値未満である場合には、相関判定部30から画素選別部130のゲート部131に送られる。閾値未満でない場合には、ゲート部131に送られない(ステップS110)。
まず、図39に、注目画素での上位階層での隣接画素と下位階層での隣接画素の例を示す。この例では、下位階層での隣接画素については、第1から第5の実施の形態で説明したように、注目画素の画素に、直接隣接する画素である。即ち図39(a)に示すように、中央の画素を注目画素とすると、その画素に直接隣接する画素が下位階層での隣接画素であり、動き方位に応じて、いずれかの方位の隣接画素が選択される。
一方、上位階層での注目画素の隣接画素は、予め決めた画素数を単位としてブロックを決めてあり、その1ブロックだけ離れた位置の画素を隣接画素とする。図39の例では、1ブロックを縦3画素×横3画素の9画素としてあり、隣接ブロックの中央の画素を、上位階層の隣接画素とする。例えば、動き方位が左横であるとき、左横のブロックの中央の画素を、上位階層での動き方位での隣接画素とする。そして、その選び出した隣接画素と注目画素の画素とを比較して、差分を得る。
一方、上位階層での参照画素の隣接画素は、予め決めた画素数を単位としてブロックを決めてあり、その1ブロックだけ離れた位置の画素を隣接画素とする。図39の例では、1ブロックを縦3画素×横3画素の9画素としてあり、隣接ブロックの中央の画素を、上位階層の隣接画素とする。例えば、動き方位が左横であるとき、左横のブロックの中央の画素を、上位階層での動き方位での隣接画素とする。そして、その選び出した隣接画素と参照画素の画素とを比較して、差分を得る。
図37及び図38の例では、動き方位の各階層の隣接画素を読み出して差分の閾値との比較から空間傾斜を判定するようにしたが、この例においてもLUTとパターンメモリを使用して、そのLUTとパターンメモリとの比較で、評価値テーブルへの書き込みの制限を行うようにしてもよい。
図42は、このLUTとパターンメモリを使用した場合の評価値テーブル形成部12の構成例を示したものである。
図42の構成において、画素選別部140はゲート部141を備えて、相関判定部30が出力する評価値を、ゲート部141で選別する。このゲート部141を制御する構成として、空間傾斜パターン算出部142と、参照点パターンメモリ143と、注目点パターンメモリ144と、パターン比較部145と、動き方位LUT146と、動き方位算出部147とを備える。
図43に沿って説明すると、図42に示した構成での処理としては、相関演算部20′及び相関判定部30での画素相関があることの検出に基づいた候補検出処理と、その相関判定部30で得られた候補を、さらに、画素選別部120で選別する処理との2つの処理が行われる。以下のフローチャートでは、画素選別部120での処理を中心にして説明する。
また、相関演算部20′で検出された、注目画素と参照画素との差分の絶対値が、閾値未満であるか否か判断される(ステップS271)。この判断で、閾値未満である場合には、相関判定部30から画素選別部140のゲート部141に送られる。閾値未満でない場合には、ゲート部141に送られず、評価値テーブル52に該当する評価値を書き込ませない(ステップS128)。
ここまでの処理が行われると、相関判定部30から画素選別部140のゲート部141に送られたデータ(画素相関のあるデータ)の内で、画素選別でゲート部141を通過させた数(頻度)が、評価値テーブルに書き込まれる(ステップS252)。
このように、階層ごとの空間傾斜の判断を、LUTとパターンメモリを使用することによっても可能である。
図44は、図8に示したテスト画像に対して、図37及び図38の階層を用いて動き方向の隣接画素との差分を判断して、評価値テーブルへの書き込みの制限を構成なって形成させた評価値テーブルの例を示した図である。
この図44に示すように、階層を用いて空間傾斜を判断することによっても、テスト画像中の2つの物体の動きに対応したピーク位置が正確に定まった評価値テーブルが形成される。従って、動きベクトルなどを正確に検出することが可能となる。
次に、図1の構成に示した動きベクトル検出装置での、動きベクトル抽出部13の構成及び動作の例について、図45〜図46を参照して説明する。
図45は、図1の動きベクトル抽出部13の例を示したものである。
動きベクトル抽出部13では、入力端子13aに、評価値テーブルデータが供給される。この評価値テーブルデータは、例えば、既に説明した第1〜第3の実施の形態のいずれかの処理構成で得られた動きベクトルの評価値テーブルのデータであり、1つのフレーム内で候補ベクトルとなる可能性のある動くベクトルを積算したデータである。
例えば、図3の評価値テーブル算出部50内の評価値テーブルメモリ52から供給されるデータであり、評価値テーブルデータ変換部111に供給する。
あるいは、例えば動きベクトル抽出部13の前段の評価値テーブル形成部12(図1)での画素選別に使用したデータなどを使って、候補ベクトルの信頼性を評価するようにしてもよい。画素選別に使用したデータなどを使って、候補ベクトルの信頼性を評価する場合には、例えば、図3の画素選別部40などで画素選別に使用された、選別された注目画素のデータを使う。その選別された注目画素のデータを、評価値テーブル形成部12から得て、選別された各注目画素から見たとき、どの候補ベクトルが最も適しているかを評価して、候補ベクトルの評価を行う。
出力端子13bから出力される候補ベクトルの信頼度データは、図1の動きベクトル決定部14に供給する。
まず、評価値テーブルデータで示された候補ベクトルを、頻度順にソートする処理を行う(ステップS111)。その頻度順に並び替えられた評価値テーブルの中から、頻度の高いものから順に、所定番目までの候補ベクトルを取り出す。この所定番目としては、例えば頻度の最も高いものから10番目などの決められた順位のものを取り出す(ステップS112)。
その後、取り出した複数の候補ベクトルが、候補ベクトルとして適正であるか否か評価し、必要により候補ベクトルを絞る処理が(ステップS113)。例えば、取り出したそれぞれの候補ベクトルの頻度値がどの程度が判断して、閾値以下の頻度値の候補ベクトルについては評価値を低くする評価処理を行う。この候補ベクトルの評価処理については、種々の処理が考えられ、その評価処理が、候補ベクトルを取り出す精度に影響する。
次に、図1の構成に示した動きベクトル検出装置での、動きベクトル決定部14の構成及び動作の例について、図47〜図49を参照して説明する。
図47は、図1の動きベクトル決定部14の構成例を示したものである。動きベクトル決定部14は、1フレーム内のそれぞれの画素に、前段の動きベクトル抽出部13から供給される複数の候補ベクトルのいずれかを割当てる処理を行うものである。
この例では、それぞれの画素位置を注目画素としたとき、その注目画素の周囲に、所定の画素数で構成される領域である固定ブロックを設定して、動きベクトルを判定する例である。
そして、評価値算出部214では、比較の結果で、注目画素を中心とした固定領域の画素信号と最も類似した固定領域を持った参照画素を選定する。
選定された参照画素と注目画素とを結ぶ候補ベクトルのデータは、ベクトル決定部215に送る。ベクトル決定部215では、該当する候補ベクトルを、注目画素からの動きベクトルに割り当てる決定処理を行い、その決定した候補ベクトルを出力端子215から出力させる。
図48に従って順に説明すると、まず評価値テーブルのデータに基づいて候補ベクトルが読出される(ステップS121)。読出された候補ベクトルについての注目画素の座標位置を判断し、その位置の画素(注目画素)とその周辺画素で構成される固定ブロックの画素を注目点メモリ52から読出す(ステップS122)。また、読出された候補ベクトルについての参照画素の座標位置を判断し、その位置の画素(参照画素)とその周辺画素で構成される固定ブロックの画素を参照点メモリ51から読出す(ステップS123)。
そして、それぞれの固定ブロック内の各画素の画素レベル(画素値:ここでは輝度値)と、注目画素について設定した固定ブロック内の各画素の画素レベルとの差を求め、その差を絶対値化したものをブロック全てで加算し、絶対値差分和を算出する(ステップS124)。ここまでの処理を、現在の注目画素についての全ての候補ベクトルで示された参照画素について行う。
そして、複数の参照画素ごとに注目画素と比較して得た絶対値差分和の内で、値が最小になる参照画素を探す。この処理で、値が最小になる参照画素を判断すると、その判断された参照画素と注目画素を結ぶ候補ベクトルを、注目画素についての動きベクトルとして割り当てることを決定する(ステップS125)。
この例では、フレームF10(注目フレーム)に注目画素d10が存在し、その時間軸上の次のフレームF11(参照フレーム)内との間で、複数の候補ベクトルV11,V12が存在しているとする。フレームF11には、候補ベクトルV11,V12で注目画素d10と結ばれた参照画素d11,d12が存在している。
このような図49の状態を想定すると、図48のステップS22では、フレームF10内で、注目画素d10の中心にして固定した所定画素数の固定ブロックB10が設定され、その固定ブロックB10内の画素値が判断される。同様に、図48のステップS23では、フレームF11内で、参照画素d11,d12の中心にして固定した所定画素数の固定ブロックB11,B12が設定され、その固定ブロックB11,B12内の画素値が、それぞれ判断される。
なお、図49では説明を簡単にするために候補ベクトルを2つとして説明したが、実際には1つの注目画素に対してより多くの候補ベクトルが存在することがある。また、説明を簡単にするために1つの注目画素だけを示してあるが、実際には、1フレーム内の代表となる複数の画素又は全ての画素が、このような注目画素となる。
特に、上述した本実施の形態の評価値テーブル形成処理と組み合わせることで、候補が適正に絞られた評価値テーブルを使った候補ベクトルの抽出と、その適正な候補ベクトルからの決定処理が行われ、非常に良好な動きベクトル割り当てが可能となる。
なお、ここまで説明した各実施の形態の処理は、それぞれの実施の形態で説明した構成やフローチャートで実行する場合の他に、各実施の形態で説明した処理を組み合わせて実行するようにしてもよい。また、第1の実施の形態では、注目画素の空間傾斜を判断して処理を行うようにしたが、この第1の実施の形態で説明した処理を、参照画素だけについて行うようにしてもよい。
また、本発明の動きベクトル検出を行う各構成要素をプログラム化して、例えば各種データ処理を行うコンピュータ装置などの各種情報処理装置に、そのプログラムを実装させて、その情報処理装置に入力した画像信号から動きベクトルを検出する処理を実行する際に、同様の処理を行うようにしてもよい。
Claims (15)
- 複数のフレームで構成される動画像データの、時間軸上における一方のフレームの注目画素と、他方のフレームのサーチエリア内の参照画素との画素値相関情報に基づいて、参照画素が注目画素の動き候補である可能性を評価した動きベクトルの評価値情報を形成するとともに、前記画素の動き方向を使用して生成又は制限を行った画素値相関情報より、動きベクトルの評価値情報を作成する評価値情報形成部と、
前記評価値情報形成部が形成した評価値情報に基づいて、複数の動きベクトルの中から候補となる動きベクトルを抽出する動きベクトル抽出部と、
動きベクトル抽出部で抽出された候補となる動きベクトルの中から、フレーム内の各画素に割り当てる動きベクトルを決定する動きベクトル決定部とを備え、
前記評価値情報形成部は、
動きベクトルを判断する注目画素の動き方向と、前記注目画素の動き候補先の参照画素に隣接する隣接画素との空間傾斜状態から評価値情報を作成する
動きベクトル検出装置。 - 複数のフレームで構成される動画像データの、時間軸上における一方のフレームの注目画素と、他方のフレームのサーチエリア内の参照画素との画素値相関情報に基づいて、参照画素が注目画素の動き候補である可能性を評価した動きベクトルの評価値情報を形成するとともに、前記画素の動き方向を使用して生成又は制限を行った画素値相関情報より、動きベクトルの評価値情報を作成する評価値情報形成部と、
前記評価値情報形成部が形成した評価値情報に基づいて、複数の動きベクトルの中から候補となる動きベクトルを抽出する動きベクトル抽出部と、
動きベクトル抽出部で抽出された候補となる動きベクトルの中から、フレーム内の各画素に割り当てる動きベクトルを決定する動きベクトル決定部とを備え、
前記評価値情報形成部は、
動きベクトルを判断する注目画素の動き方向と、前記注目画素に隣接する隣接画素との空間傾斜状態と、前記注目画素の動き候補先の参照画素に隣接する隣接画素との空間傾斜状態から評価値情報を作成する
動きベクトル検出装置。 - 複数のフレームで構成される動画像データの、時間軸上における一方のフレームの注目画素と、他方のフレームのサーチエリア内の参照画素との画素値相関情報に基づいて、参照画素が注目画素の動き候補である可能性を評価した動きベクトルの評価値情報を形成するとともに、前記画素の動き方向を使用して生成又は制限を行った画素値相関情報より、動きベクトルの評価値情報を作成する評価値情報形成部と、
前記評価値情報形成部が形成した評価値情報に基づいて、複数の動きベクトルの中から候補となる動きベクトルを抽出する動きベクトル抽出部と、
動きベクトル抽出部で抽出された候補となる動きベクトルの中から、フレーム内の各画素に割り当てる動きベクトルを決定する動きベクトル決定部とを備え、
前記評価値情報形成部は、
動きベクトルを判断する注目画素の動き方位と、その注目画素の周辺方位にある注目画素と参照画素のいずれか一方又は双方の隣接画素との空間傾斜状態から評価値情報を作成し、
注目画素又は参照画素のいずれか一方又は双方の動きに対する最近接方位と、その最近接方位の次の第2近接方位にある隣接画素との空間傾斜状態を使用した
動きベクトル検出装置。 - 前記隣接画素との空間傾斜状態は、注目画素又は参照画素のいずれか一方又は双方の動きに対する最近接方位と、その最近接方位の法線方位にある隣接画素との空間傾斜状態である
請求項3記載の動きベクトル検出装置。 - 複数のフレームで構成される動画像データの、時間軸上における一方のフレームの注目画素と、他方のフレームのサーチエリア内の参照画素との画素値相関情報に基づいて、参照画素が注目画素の動き候補である可能性を評価した動きベクトルの評価値情報を形成するとともに、前記画素の動き方向を使用して生成又は制限を行った画素値相関情報より、動きベクトルの評価値情報を作成する評価値情報形成部と、
前記評価値情報形成部が形成した評価値情報に基づいて、複数の動きベクトルの中から候補となる動きベクトルを抽出する動きベクトル抽出部と、
動きベクトル抽出部で抽出された候補となる動きベクトルの中から、フレーム内の各画素に割り当てる動きベクトルを決定する動きベクトル決定部とを備え、
前記評価値情報形成部は、
動きベクトルを判断する注目画素の動きの逆方向における注目画素と参照画素のいずれか一方又は両方の空間傾斜状態から評価値情報を作成する
動きベクトル検出装置。 - 前記空間傾斜状態は、動きの逆方向における注目画素又は参照画素の隣接画素との空間傾斜である
請求項5記載の動きベクトル検出装置。 - 複数のフレームで構成される動画像データの、時間軸上における一方のフレームの注目画素と、他方のフレームのサーチエリア内の参照画素との画素値相関情報に基づいて、参照画素が注目画素の動き候補である可能性を評価した動きベクトルの評価値情報を形成するとともに、前記画素の動き方向を使用して生成又は制限を行った画素値相関情報より、動きベクトルの評価値情報を作成する評価値情報形成部と、
前記評価値情報形成部が形成した評価値情報に基づいて、複数の動きベクトルの中から候補となる動きベクトルを抽出する動きベクトル抽出部と、
動きベクトル抽出部で抽出された候補となる動きベクトルの中から、フレーム内の各画素に割り当てる動きベクトルを決定する動きベクトル決定部とを備え、
前記評価値情報形成部は、
動きベクトルを判断する注目画素の動き方向と、注目画素の階層空間傾斜状態と、動き候補先の参照画素の階層空間傾斜状態から評価値テーブルを作成する
動きベクトル検出装置。 - 複数のフレームで構成される動画像データの、時間軸上における一方のフレームの注目画素と、他方のフレームのサーチエリア内の参照画素との画素値相関情報に基づいて、参照画素が注目画素の動き候補である可能性を評価した動きベクトルの評価値情報を形成すると共に、前記画素の動き方向を使用して生成又は制限を行った画素値相関情報より、動きベクトルの評価値情報を作成する評価値情報形成処理と、
前記評価値情報形成処理で形成した評価値情報に基づいて、複数の動きベクトルの中から候補となる動きベクトルを抽出する動きベクトル抽出処理と、
動きベクトル抽出処理で抽出された候補となる動きベクトルの中から、フレーム内の各画素に割り当てる動きベクトルを決定する動きベクトル決定処理とを行う動きベクトル検出方法であり、
前記評価値情報形成処理は、
動きベクトルを判断する注目画素の動き方向と、前記注目画素の動き候補先の参照画素に隣接する隣接画素との空間傾斜状態から評価値情報を作成する
動きベクトル検出方法。 - 複数のフレームで構成される動画像データの、時間軸上における一方のフレームの注目画素と、他方のフレームのサーチエリア内の参照画素との画素値相関情報に基づいて、参照画素が注目画素の動き候補である可能性を評価した動きベクトルの評価値情報を形成すると共に、前記画素の動き方向を使用して生成又は制限を行った画素値相関情報より、動きベクトルの評価値情報を作成する評価値情報形成処理と、
前記評価値情報形成処理で形成した評価値情報に基づいて、複数の動きベクトルの中から候補となる動きベクトルを抽出する動きベクトル抽出処理と、
動きベクトル抽出処理で抽出された候補となる動きベクトルの中から、フレーム内の各画素に割り当てる動きベクトルを決定する動きベクトル決定処理とを行う動きベクトル検出方法であり、
前記評価値情報形成処理は、
動きベクトルを判断する注目画素の動き方向と、前記注目画素に隣接する隣接画素との空間傾斜状態と、前記注目画素の動き候補先の参照画素に隣接する隣接画素との空間傾斜状態から評価値情報を作成する
動きベクトル検出方法。 - 複数のフレームで構成される動画像データの、時間軸上における一方のフレームの注目画素と、他方のフレームのサーチエリア内の参照画素との画素値相関情報に基づいて、参照画素が注目画素の動き候補である可能性を評価した動きベクトルの評価値情報を形成すると共に、前記画素の動き方向を使用して生成又は制限を行った画素値相関情報より、動きベクトルの評価値情報を作成する評価値情報形成処理と、
前記評価値情報形成処理で形成した評価値情報に基づいて、複数の動きベクトルの中から候補となる動きベクトルを抽出する動きベクトル抽出処理と、
動きベクトル抽出処理で抽出された候補となる動きベクトルの中から、フレーム内の各画素に割り当てる動きベクトルを決定する動きベクトル決定処理とを行う動きベクトル検出方法であり、
前記評価値情報形成処理は、
動きベクトルを判断する注目画素の動き方位と、その注目画素の周辺方位にある注目画素と参照画素のいずれか一方又は双方の隣接画素との空間傾斜状態から評価値情報を作成し、
注目画素又は参照画素のいずれか一方又は双方の動きに対する最近接方位と、その最近接方位の次の第2近接方位にある隣接画素との空間傾斜状態を使用した
動きベクトル検出方法。 - 前記隣接画素との空間傾斜状態は、注目画素又は参照画素のいずれか一方又は双方の動きに対する最近接方位と、その最近接方位の法線方位にある隣接画素との空間傾斜状態である
請求項10記載の動きベクトル検出方法。 - 複数のフレームで構成される動画像データの、時間軸上における一方のフレームの注目画素と、他方のフレームのサーチエリア内の参照画素との画素値相関情報に基づいて、参照画素が注目画素の動き候補である可能性を評価した動きベクトルの評価値情報を形成すると共に、前記画素の動き方向を使用して生成又は制限を行った画素値相関情報より、動きベクトルの評価値情報を作成する評価値情報形成処理と、
前記評価値情報形成処理で形成した評価値情報に基づいて、複数の動きベクトルの中から候補となる動きベクトルを抽出する動きベクトル抽出処理と、
動きベクトル抽出処理で抽出された候補となる動きベクトルの中から、フレーム内の各画素に割り当てる動きベクトルを決定する動きベクトル決定処理とを行う動きベクトル検出方法であり、
前記評価値情報形成処理は、
動きベクトルを判断する注目画素の動き方位と、その注目画素の周辺方位にある注目画素と参照画素のいずれか一方又は双方の隣接画素との空間傾斜状態から評価値情報を作成し、
注目画素又は参照画素のいずれか一方又は双方の動きに対する最近接方位と、その最近接方位の次の第2近接方位にある隣接画素との空間傾斜状態を使用した
動きベクトル検出方法。 - 前記空間傾斜状態は、動きの逆方向における注目画素又は参照画素の隣接画素との空間傾斜である
請求項12記載の動きベクトル検出方法。 - 複数のフレームで構成される動画像データの、時間軸上における一方のフレームの注目画素と、他方のフレームのサーチエリア内の参照画素との画素値相関情報に基づいて、参照画素が注目画素の動き候補である可能性を評価した動きベクトルの評価値情報を形成すると共に、前記画素の動き方向を使用して生成又は制限を行った画素値相関情報より、動きベクトルの評価値情報を作成する評価値情報形成処理と、
前記評価値情報形成処理で形成した評価値情報に基づいて、複数の動きベクトルの中から候補となる動きベクトルを抽出する動きベクトル抽出処理と、
動きベクトル抽出処理で抽出された候補となる動きベクトルの中から、フレーム内の各画素に割り当てる動きベクトルを決定する動きベクトル決定処理とを行う動きベクトル検出方法であり、
前記評価値情報形成処理は、
動きベクトルを判断する注目画素の動き方向と、注目画素の階層空間傾斜状態と、動き候補先の参照画素の階層空間傾斜状態から評価値テーブルを作成する
動きベクトル検出方法。 - 複数のフレームで構成される動画像データの、時間軸上における一方のフレームの注目画素と、他方のフレームのサーチエリア内の参照画素との画素値相関情報に基づいて、参照画素が注目画素の動き候補である可能性を評価した動きベクトルの評価値情報を形成するとともに、前記画素の動き方向を使用して生成又は制限を行った画素値相関情報より、動きベクトルの評価値情報を作成する評価値情報形成処理と、
前記評価値情報形成処理で形成した評価値情報に基づいて、複数の動きベクトルの中から候補となる動きベクトルを抽出する動きベクトル抽出処理と、
動きベクトル抽出処理で抽出された候補となる動きベクトルの中から、フレーム内の各画素に割り当てる動きベクトルを決定する動きベクトル決定処理とを、
情報処理装置に実装して実行させるプログラムであり、
前記評価値情報形成処理は、
動きベクトルを判断する注目画素の動き方向と、前記注目画素の動き候補先の参照画素に隣接する隣接画素との空間傾斜状態から評価値情報を作成する
プログラム。
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