JP5134459B2 - 超音波振動子及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は超音波振動子及びその製造方法に関し、特に、電子走査方向に直交するエレべーション方向に各振動素子が分割されている超音波振動子及びその製造方法に関する。
1Dアレイ振動子は、電子走査方向(例えばX方向)に整列した複数の振動素子によって構成される。1Dアレイ振動子においては電子走査方向と直交するエレべーション方向(例えばY方向)において開口制御やフォーカス制御を行うことができない。そこで、1.25Dアレイ振動子、1.5Dアレイ振動子、1.75Dアレイ振動子が提案されている。それらの振動子においては、各振動素子がエレべーション方向つまりY方向においても複数の部分に分割されている。これにより、1.25Dアレイ振動子ではY方向において開口可変制御を行うことができ、1.5Dアレイ振動子においてはY方向においてフォーカス制御(電子的な遅延制御)を行うことができ、1.75Dアレイ振動子においてはY方向において若干のビーム偏向制御を行うことができる。図13の(A)−(D)には各種の超音波振動子についてのエレべーション方向から見た構成が模式的に示されている。(A)は1Dアレイ振動子を構成する振動素子100とそれに接続されたシグナルライン102を示すものである。(B)は1.25Dアレイ振動子を示すものであり、振動素子を構成する複数の部分104,106,108にはそれぞれ共通のシグナルライン102が接続されている。但し、スイッチ110によって、両側の部分106,108の動作の有無が切り替えられている。(C)は1.5Dアレイ振動子を示すものであり、振動素子を構成する複数の部分104,106,108の内で中央と両側とでそれぞれ別のシグナルライン103,104が接続されている。(D)は1.75Dアレイ振動子を示すものであり、振動素子を構成する複数の部分112−1〜112−4に対してそれぞれシグナルライン114−1〜114−4が接続されている。
なお、2Dアレイ振動子は、一般に、X方向及びY方向に数百にも及ぶ振動素子を並べて構成されるものであり、両方向にビームの走査を行えるものである。これに対し、1.75DはY方向の分割数も1桁程度であり、走査面の煽りを行える程度のものである。いずれにしても、エレべーション方向分割型1Dアレイ振動子においては、各部分に個別的に結線を行う必要があるので、その配線方法が問題となる。
特許文献1に開示された配線方法は、両面に配線パターンが形成されたFPC(フレキシブル回路基板)あるいは多層FPC(複数の配線パターンが積層化されたFPC)を利用する方法である。特許文献2に開示された配線方法はアレイ振動子の背面側に設けられるバッキング内にリードアレイを構成する方法である。
米国特許第6822376号明細書 米国特許第7053530号明細書
上記特許文献1に記載された手法では、超音波伝搬上の観点から、複数の配線パターンが形成された比較的薄い多層FPCが利用される。各振動素子をエレべーション方向に分離する分離溝の形成に際しては、配線パターンを保護するために、各分離溝の下端が多層FPCに到達しないようにしなければならない。このため、分離溝を十分に深く形成できず、隣接する部分間でのクロストークという問題が生じやすい。なお、多層FPCを漫然と厚く形成すると、超音波伝搬上の問題が生じ、あるいは、屈曲等の加工作業が困難となる。特許文献2に記載された手法では、バッキングの構造が複雑化するという問題が生じる。
本発明の目的は、エレべーション方向分割型1Dアレイ振動子において各部分に対する結線を簡単に行うことができ、しかも音響的なクロストークの問題を軽減又は解消できるようにすることにある。
本発明は、電子走査方向であるX方向に整列した複数の振動素子からなる振動部を有する超音波振動子において、前記複数の振動素子に対応した第1配線パターンが形成された第1配線シートと、前記第1配線シートの上面側に設けられた背面中間層と、前記背面中間層の上面側と前記振動部の下面側との間に設けられ、前記複数の振動素子に対応した第2配線パターンが形成された第2配線シートと、を含み、前記各振動素子はエレべーション方向であるY方向において複数の部分に分離され、これにより前記振動部がY方向に並んだ複数の部分列を構成し、前記各部分列はX方向に並んだ複数の部分からなり、前記複数の部分列における第1部分列が前記背面中間層を介して前記第1配線パターンに電気的に接続され、前記複数の部分列における第2部分列が前記第2配線パターンに電気的に接続された、ことを特徴とする超音波振動子に関する。
上記構成によれば、X方向に並ぶ複数の振動素子に対して階層的な構造をもって第1配線パターンと第2配線パターンが接続される。具体的には、Y方向に並ぶ複数の部分列の内で、第1部分列が第2配線シート及び第1背面中間層を介して第1配線シート上の第1配線パターンに接続される。また、Y方向に並ぶ複数の部分列の内で、第2部分列が第2配線シート上の第2配線パターンに接続される。第1配線シートと第2配線シートとが別体化されているので、各シートを安価に製作できる。例えば、片面だけに配線パターンが形成されたFPCを利用することが可能となる。つまり、多層基板を格別用いなくても、それと等価な結果を得られる。しかも、第1配線シートと第2配線シートとの間に距離をもたせることができるので、各振動素子を分割するための分離溝によって、各部分を完全に分離することが可能となる。これは音響的クロストークの低減につながるものである。但し、背面中間層は、一般に、切削の便宜を考慮しつつも、超音波の波長との関係で薄く構成するのが望ましい。第1部分列をY方向における中央部又はその付近の部分列とし、第2部分列をY方向における中央部の両側に存在する一対の部分列とするようにしてもよい。背面中間層とバッキング層の各音響インピーダンスを同等にしてもよいし、背面中間層それ自体にバッキング作用をもたせてもよいし、反射作用をもたせてもよい。上記構成によれば、少なくともエレべーション方向3分割型の1Dアレイ振動子を実現できるが、更に、第3配線シート及び第2背面中間層を加えれば、エレべーション方向5分割型の1Dアレイ振動子を実現できる。分割数は任意に設定可能であり、それに応じて配線シートの枚数及び背面中間層の個数を定めればよい。なお、X方向及びY方向は直線的方向であってもよいし、湾曲した方向であってもよい。
望ましくは、当該超音波振動子は、前記Y方向において開口可変が可能な1.25Dアレイ振動子、前記Y方向において電子フォーカス制御が可能な1.5Dアレイ振動子、又は、前記Y方向においてビーム偏向制御が可能な1.75Dアレイ振動子として機能する。望ましくは、前記第1部分列は前記Y方向における中央部に位置した部分列であり、前記第2部分列は前記Y方向における中央部の両側に位置した一対の部分列である。
望ましくは、前記背面中間層の内で、少なくとも前記第1部分列に電気的に接続される部分が導電性を有し、前記第2配線シートは、前記第1部分列を前記背面中間層に電気的に接続させる中央領域と、前記中央領域に対して電気的に分離され、前記第2部分列を前記第2配線パターンに電気的に接続させる端部領域と、を有する。望ましくは、前記背面中間層はそれ全体として導電性部材で構成される。望ましくは、前記背面中間層は前記第2配線シートの前記中央領域に対して物理的に接する上面形態を有する。望ましくは、前記背面中間層は、前記第1部分列の直下に設けられた導電部と、前記第2部分列の直下に設けられた絶縁部と、を有する。望ましくは、前記背面中間層の音響インピーダンスは前記振動部の音響インピーダンスよりも大きく、前記背面中間層は前記振動部に対して反射板として機能する。
また、本発明は、電子走査が行われるX方向に整列した複数の振動素子からなる振動部を有する超音波振動子において、前記複数の振動素子に対応した第1配線パターンが形成された第1配線シートと、前記第1配線シートの上面側に設けられた第1背面中間層と、前記第1背面中間層の上面側に設けられ、前記複数の振動素子に対応した第2配線パターンが形成された第2配線シートと、前記第2配線シートの上面側に設けられた第2背面中間層と、前記第2背面中間層の上面側と前記振動層の下面側との間に設けられ、前記複数の振動素子に対応した第3配線パターンが形成された第3配線シートと、を含み、前記各振動素子はエレべーション方向であるY方向において複数の部分に分離され、これにより前記振動部がY方向に並んだ複数の部分列を構成し、前記各部分列はX方向に並んだ複数の部分からなり、前記複数の部分列における第1部分列が前記第2背面中間層及び前記第1背面中間層を介して前記第1配線パターンに電気的に接続され、前記複数の部分列における第2部分列が前記第2背面中間層を介して前記第2配線パターンに電気的に接続され、前記複数の部分列における第3部分列が前記第3配線パターンに電気的に接続された、ことを特徴とする超音波振動子に関する。
また、本発明は、第1配線パターンを有する第1配線シートと、その上側に設けられた第1背面中間層と、その上側に設けられたシートであって第2配線パターンを有する第2配線シートと、その上側に設けられた振動板と、を有する積層体に対して、その上方から、少なくとも前記振動板を突き抜ける深さで、X方向に並ぶ複数のY方向伸長溝を形成する工程と、前記積層体に対して、その上方から、前記第2配線シートを切断し且つ前記第1配線シートを切断しない深さで、Y方向に並ぶ複数のX方向伸長溝を形成する工程と、を含み、前記複数のY方向伸長溝の形成及び前記複数のX方向伸長溝の形成により、前記振動板がX方向に並ぶ複数の振動素子に分割され、且つ、前記各振動素子がY方向に並ぶ複数の部分に分割され、これによってY方向に並ぶ複数の部分列が構成され、前記複数の部分列における第1部分列が前記背面中間層を介して前記第1配線パターンに電気的に接続され、前記複数の部分列における第2部分列が前記第2配線パターンに接続された、ことを特徴とする超音波振動子の製造方法に関する。
以上説明したように、本発明によれば、エレべーション方向分割型1Dアレイ振動子において各部分に対する結線を簡単に行うことができ、しかも音響的なクロストークの問題を軽減又は解消できる。
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
図1には、本発明に係る超音波振動子の好適な実施形態が示されており、図1は超音波振動子の製作過程を説明するための図である。この超音波振動子は、超音波探触子内に設けられ、生体に対して超音波の送受波を行うものである。超音波探触子は生体に対する超音波診断時において生体表面に当接して用いられる。但し、本発明に係る超音波振動子を体腔内に挿入される超音波探触子に設けてもよい。
図1には、振動子アセンブリ10が示されている。この振動子アセンブリ10は第1中間体であり、本実施形態における要部構成を成す。振動子アセンブリ10は、バッキング12と、第1FPC(フレキシブルプリント回路基板)14と、第2FPC16と、背面中間層18と、振動層20と、第1整合層22と、第2整合層24とを有している。
バッキング12は振動層20から背面側に放射された超音波を吸収、散乱等させるものである。第1FPC14及び第2FPC16は配線シートとして機能するものであり、第1FPC14は絶縁層36と電極パターン層38とを有し、これと同様に、第2FPC16は絶縁層40と電極パターン層42とを有する。各FPC14,16は薄いシート状の部材であり、電極パターン層38,42の厚みは、例えば5〜50μmである。本実施形態においては、第1FPC14及び第2FPC16として、片面だけに電極パターン層38,42が形成されたFPCが用いられている。
2つのFPC14,16における中間部分に着目すると、それらの中間部分の間には背面中間層18が設けられている。この背面中間層18は導電部材により構成され、本実施形態においては例えば50〜150μmの厚さをもったカーボンプレート(導電性部材)によって構成されている。その音響インピーダンスは例えば4〜8MRayls程度であり、その音響インピーダンスとバッキング12の音響インピーダンスとを実質的に揃えるのが望ましい。すなわち、背面中間層18の存在によってバッキング作用が低減されないように、あるいは、背面中間層18において超音波の不要な反射等が生じないように、背面中間層18の音響インピーダンス及びバッキング12の音響インピーダンスを設定するのが望ましい。背面中間層18は、2つのFPC14,16の間に設けられ、後に説明する分離溝28の形成にあたっては、各分離溝28の底面レベルが背面中間層18の途中の高さとなるように設定される。つまり、背面中間層18にある程度の厚みをもたせることにより、分離溝28を形成することが容易となり、かつ後述するように複数の部分間における物理的な分離を確実に行えるため、音響的クロストークを効果的に抑制できるという利点が得られる。ただし、背面中間層18それ自体が音響的に大きな影響を与えないように、背面中間層18の厚みをできるだけ薄くしておくのが望ましい。各FPC14,16における積層部分としての中間部の両側に存在する部分は、振動子アセンブリ10における右側及び左側に垂れ下がっている。
振動層20は、複数の分離溝26によって複数の振動素子21に分割されている。各分離溝26の底面レベルは本実施形態において第1FPC14よりも深い位置に設定されており、つまり各分離溝26はバッキング12の上層内に達している。これは音響的に振動素子間を十分に分離するためである。このように深い分離溝26を形成しても各FPC14,16における配線パターンを不必要に切断することにはならない。配線パターンについては後に図4及び図5を用いて説明する。
振動層20に対しては更に2つの分離溝28が形成されている。それらの分離溝28によって、各振動素子21は3つの部分に分割されている。すなわち個々の振動素子21は、中央の部分とその両側に存在する2つの部分とに分割されている。このような構成によって、エレベーション方向分割型1Dアレイ振動子が構成されている。
図1において、X方向は振動素子配列方向であるアレイ方向である。Y方向はX方向に直交するエレベーション方向である。Z方向は上下方向すなわち積層方向である。上述した振動素子間を分離する分離溝26は、Y方向に伸長した溝であり、複数の分離溝26はX方向に等間隔で並んでいる。上述した各分離溝28はX方向に伸長した溝であり、複数の分離溝28はY方向に並んでいる。したがって、振動層20に着目した場合、X方向においては複数の振動素子が構成され、Y方向には複数のグループあるいは列が構成されることになる。図においては、Y方向における中央部に位置する列が中央列(中央グループ)32で表されており、その両側に設けられた列(グループ)が左列30及び右列34として表されている。各列30,32,34はそれぞれY方向に並んだ複数の部分(素子部分)によって構成されるものである。各列30,32,34に対してはそれぞれ独立して結線を行う必要があり、本実施形態においては、多層FPCを用いることなく、それと等価な構造をもった2つのFPC14,16及び背面中間層18が利用されている。
第1整合層22は振動層20と同様のマトリックス構成を有しており、すなわち第1整合層22はX方向に複数の整合素子によって分割されている。また、各整合素子はY方向において複数の部分に分割されている。第2整合層24も第1整合層22と同様のマトリックス構成を有する。本実施形態においては、第1整合層22及び第2整合層24がいずれも導電性部材により構成されており、すなわち第2整合層24の上面側にグランド部材を設けることにより、振動層20の上面側に形成されたグランド層とグランド部材とを電気的に接続することが可能である。これは、複数の分離溝26及び複数の分離溝28を形成した後において、グランド部材を設けられるようにするためである。仮に、振動層20と第1整合層22との間にグランド部材を設けるならば、溝の形成を2段階で行う必要が生じたり、あるいは整合層を分割できなかったりするという問題が生じるが、本実施形態ではそのような問題が回避されている。
ちなみに、本実施形態においては上記のように各整合層22,24が導電部材で構成されていたが、もちろんそれに関しては様々なバリエーションが考えられ、それらを非導電性の部材によって構成してもよい。また、複数の整合層を設けるのではなく、単一の整合層を設けるようにしてもよい。
図1に示す振動子アセンブリ10において、X方向に並んだ振動素子21の個数は例えば100個あるいは200個である。Y方向に並んだ複数の部分すなわち複数の列の個数は3であるが、その個数は任意に設定することが可能である。その個数に応じて、FPCの個数及び背面中間層の個数を適宜定めればよい。これに関しては、後に図9を用いて再び説明する。
図1に示されるように、第2FPC16における中間部分の中央においては絶縁層36が部分的に除去されており、導通部44が構成されている。この導通部44はいわゆるフライングリード構造を成すものである。すなわち、中央列32から見た場合、その中央列32は電極パターン層42(の遊離部分)を介して上記導通部44により背面中間層18に接続されており、更にその背面中間層18を介して電極パターン層38に接続されている。ただし、左列30及び右列34の直下部分においては下層である絶縁層40がそのまま残留しているため、中央列32が左列30や右列34に電気的に接続されてしまうことはない。よって、各分離溝28は、導通部44の左右において絶縁層40を分断するようにそのY方向の位置が定められる。あるいは、各分離溝28の位置に合わせて導通部44のY方向の幅を設定するのが望ましい。
左列30及び右列34は、図示されるように第2FPC16における電極パターン層42に接続される。具体的には電極パターン層42における中間部分の両側に設けられた垂れ下がり部分に電気的に接続されることになる。よって、以上の構成によれば、中央列32と左列30と右列34のそれぞれに対して独立にシグナルライン群を接続することが可能となる。従来において、図1に示されるようなエレベーション方向分割型の1Dアレイ振動子を構成する場合には、どうしても多層FPC等を利用しなければならなかったが、上記構成によれば、そのような高価かつ複雑なFPCを利用することなく、シンプルなFPCを2つ利用して、結果として多層FPCと同等以上の結果を得ることが可能となる。したがって、本実施形態によれば、超音波振動子の製作にあたってその工期を短くでき、また製造コストを低減できるという利点がある。さらに、構造が単純であり、分離溝の形成にあたっても厳密な条件設定は不要となるので、歩留まりを向上できるという利点がある。
図2には、複数の分離溝を形成する前段階の振動子アセンブリが示されている。図1に示した構成と同一の構成には同一符号を付し、その説明を省略する。このことは以下に説明する他の図においても同様である。
図2に示される振動子アセンブリにおいては、振動板20Aの下方に上記のFPC14,16、背面中間層18及びバッキング12が設けられている。振動板20Aは例えば圧電材からなるプレートであり、その上面側には整合電極板22A,24Aが設けられている。
図3には図2に示した背面中間層18の形状が示されており、背面中間層18はその上面18Aの中央部に上方に若干突出した凸部46を有している。その横幅W1は図1に示した導通部44の横幅と同一である。すなわち、図1に示した第2FPC16において、部分的に絶縁層40を除去することにより形成された導通部44の横幅と図3に示した凸部46の横幅W1とが合致しており、両者が嵌合関係にある。
図4には、上記の第2FPC16が示されている。(A)はその上面図であり、(B)は(A)に示されるI−I´断面を示す図である。(B)に示すように第2FPC16は、絶縁層40と電極パターン層42とで構成される。絶縁層40はその中央部が除去されており、図1に示した導通部44に対応する。符号50は電極パターン層42の下面露出部分を表している。(A)において、電極パターン層42は、その中央部が連絡部42bであり、それはベタ電極に相当している。連絡部42の右側及び左側には、すだれ状部が形成され、各すだれ状部は複数のライン42aによって構成される。各ライン42aはシグナルラインである。複数のライン42aが複数の振動素子に対応する。符号26Aは、図1に示した分離溝26が形成される位置を表しており、符号28Aは、図1に示した分離溝28が形成される位置を表している。複数の分離溝26は、隣接ライン間を切断するように形成され、一方、2つの分離溝28は連絡部42bの左右端を横切る位置に設定される。
図5には、第1FPC14が示されている。(A)は上面図であり、(B)は(A)に示したII−II´断面を示す図であり、FPC14は(B)に示すように絶縁層36と電極パターン層38とで構成されている。(A)に示すように電極パターン層38は、中央に形成されたベタ電極としての連絡部38bとその左右側に設けられた2つのすだれ状部とにより構成されている。各すだれ状部は、複数のライン38aからなる。符号26Aは、図1に示した分離溝26の形成位置を表している。
図2に戻って、図2に示す中間体としてのアセンブリに対して、複数の分離溝を形成すると、図1に示したアセンブリ10が得られる。そして、そのアセンブリ10に対して、グランド部材としてのグランド層50を設けたものが図6に示されている。すなわち、図6に示されるアセンブリ52は、図1に示したアセンブリ10における第2整合層の上面側にグランドフィルムとしてのグランド層50を設けたものである。グランド層50の左右端部は垂れ下がっている。図7には、図6に示したアセンブリ52の断面図が示されている。
図6に示したアセンブリ52に対して、音響レンズ54を配置することにより、製作された振動子ユニット56が図8に示されている。音響レンズ54の下面側には凹部が形成され、アセンブリ52の上部がその凹部内に収容配置される。この図8に示される振動子ユニット56が図示されていない探触子ケース内に配置される。
図9には他の実施形態に係るアセンブリが示されている。この図9に示す実施形態においては、各振動素子がY方向に5分割されている。これに対応して、上述したFPC14及びFPC16に加えて、第3FPC60が設けられている。この第3FPC60は、絶縁層62と電極パターン層64により構成されるものである。また、積層部分に着目すると、第2FPC16と第3FPC60との間に2つ目の背面中間層58が設けられ、第3FPC60の積層部分には導通部66が設けられている。すなわち、導通部66はフライングリード構造を成すものである。
したがって、振動層20に着目すると、そこには中央の第1列とその両側に存在する2つの第2列と、更にその両側に存在する2つの第3列が構成され、つまり5つの部分列が構成される。第1列は図示されるように、第2の背面中間層58及び第1の背面中間層44を介して第1FPC14に接続され、2つの第2列は第2の背面中間層58を介して第2FPC16に接続され、2つの第3列は第3FPC60に接続される。つまり、エレベーション方向に分割数が増大した場合には、振動層の下方側の階層構造を増加させるだけでよく、その場合においても多層FPCを用いる必要はない。各層における水平方向の電気的な分割は、分離溝28,68の深さを適宜設定することにより実現でき、図9に示す例においては分離溝28は第1の背面中間層44の途中まで深く達しており、分離溝68は第2の背面中間層58の途中にまで達している。
図10には更に他の実施形態が示されている。図10に示す実施形態においては、基本的に図1に示した実施形態と同様の構造が採用されているが、図10に示す実施形態では背面中間層70がλ/4共振層を成している。すなわち、背面中間層70は音響インピーダンスが振動層20よりも高い金属等の部材により構成されており、その音響インピーダンスは例えば50〜100MRaylsである。この構成により、各振動素子を共振させることができ、前面側に強い超音波の放射を実現することが可能である。
図11及び図12には更に他の実施形態が示されている。この実施形態においては、図11に示されるように、背面中間層72が水平方向に複合構造を有している。具体的には図12に示されるように、中央部が導電部74であり、その両側が絶縁部76である。導電部74と絶縁部76は互いに実質的に同一の音響インピーダンスを有するものとして構成される。このような構成によれば、図11に示されるように、第2FPC16における積層化部分の全体にわたって絶縁層を除去することができ、すなわち図1に示したような凹凸構造をもったフライングリードを構成する必要がないという利点がある。よって、図3に示したように、背面中間層の製作にあたって部分的な凸部を形成する必要がなくなるので製作工程を簡易化できるという利点がある。
上記実施形態によれば、多層FPCを用いることなくそれと等価な構造を利用してエレベーション方向分割型1Dアレイ振動子を構成できるという利点がある。特に多層FPCの場合には中間絶縁層までの溝形成を行うのは極めて困難であるが、本実施形態によれば、背面中間層を一定の厚みで形成しておくことにより水平方向に電気的及び音響的に分離するための溝の形成を極めて簡易に行えるという利点がある。これによって、音響的なクロストークを効果的に防止できるという利点がある。また、上記実施形態においては、背面中間層とバッキングとの間で音響インピーダンスが実質的に揃えられているため、それらの部材間での超音波の多重反射の問題を効果的に抑制することが可能である。また、片面にだけパターンが形成されたFPCを利用するだけでよいので、製造コストを低減できるという利点がある。更に、背面中間層をより活用し、それを共振用の構造体として利用することもできるという利点がある。
なお、上述した各実施形態において、図1に示した複数の分離溝26と複数の分離溝28の製作の順序はいずれが先であってもよい。本実施形態に係る技術は、1.5Dアレイ振動子だけでなく、1.25Dアレイ振動子、1.75Dアレイ振動子に適用することがもちろん可能である。2Dアレイ振動子においては、2つの水平方向のいずれにおいても多数の素子が形成されるため、それに対して本実施形態の手法を適用するのは一般に難しいが、エレベーション方向に数個の分割が行われるタイプの1Dアレイ振動子であれば、上記手法を適用して多くの利点を得ることが可能である。
本発明に係る振動子アセンブリの好適な実施形態を示す斜視図である。 図1に示した振動子アセンブリを製作する前の状態を示す図である。 背面中間層の構造を説明するための側面図である。 第2FPCを示す図である。 第1FPCを示す図である。 図1に示した振動子アセンブリに対してグランド層を設けることにより構成されたアセンブリを示す図である。 図6に示したアセンブリの断面図である。 更に音響レンズを設けることにより構成された振動子ユニットを示す斜視図である。 5分割型の実施形態を示す図である。 背面中間層を共振用の構造体として利用する実施形態を示す図である。 背面中間層を複合体として構成した実施形態を示した図である。 図11に示す背面中間層を示す図である。 各種の1Dアレイ振動子を示す模式図である。
符号の説明
10 振動子アセンブリ、12 バッキング、14 第1FPC、16 第2FPC、18 背面中間層、20 振動層、21 振動素子、22 第1整合層、24 第2整合層、26 分離溝、28 分離溝、30 左列、32 中央列、34 右列。

Claims (10)

  1. 電子走査方向であるX方向に整列した複数の振動素子からなる振動部を有する超音波振動子において、
    前記複数の振動素子に対応した第1配線パターンが形成された第1配線シートと、
    前記第1配線シートの上面側に設けられた背面中間層と、
    前記背面中間層の上面側と前記振動部の下面側との間に設けられ、前記複数の振動素子に対応した第2配線パターンが形成された第2配線シートと、
    を含み、
    前記各振動素子はエレべーション方向であるY方向において複数の部分に分離され、これにより前記振動部がY方向に並んだ複数の部分列を構成し、前記各部分列はX方向に並んだ複数の部分からなり、
    前記複数の部分列における第1部分列が前記背面中間層を介して前記第1配線パターンに電気的に接続され、
    前記複数の部分列における第2部分列が前記第2配線パターンに電気的に接続された、ことを特徴とする超音波振動子。
  2. 請求項1記載の超音波振動子において、
    当該超音波振動子は、前記Y方向において開口可変が可能な1.25Dアレイ振動子、前記Y方向において電子フォーカス制御が可能な1.5Dアレイ振動子、又は、前記Y方向においてビーム偏向制御が可能な1.75Dアレイ振動子として機能する、ことを特徴とする超音波振動子。
  3. 請求項1又は2記載の超音波振動子において、
    前記第1部分列は前記Y方向における中央部に位置した部分列であり、
    前記第2部分列は前記Y方向における中央部の両側に位置した一対の部分列である、ことを特徴とする超音波振動子。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の超音波振動子において、
    前記背面中間層の内で、少なくとも前記第1部分列に電気的に接続される部分が導電性を有し、
    前記第2配線シートは、
    前記第1部分列を前記背面中間層に電気的に接続させる中央領域と、
    前記中央領域に対して電気的に分離され、前記第2部分列を前記第2配線パターンに電気的に接続させる端部領域と、
    を有する、ことを特徴とする超音波振動子。
  5. 請求項4記載の超音波振動子において、
    前記背面中間層はそれ全体として導電性部材で構成された、ことを特徴とする超音波振動子。
  6. 請求項5記載の超音波振動子において、
    前記背面中間層は前記第2配線シートの前記中央領域に対して物理的に接する上面形態を有する、ことを特徴とする超音波振動子。
  7. 請求項4記載の超音波振動子において、
    前記背面中間層は、
    前記第1部分列の直下に設けられた導電部と、
    前記第2部分列の直下に設けられた絶縁部と、
    を有する、ことを特徴とする超音波振動子。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の超音波振動子において、
    前記背面中間層の音響インピーダンスは前記振動部の音響インピーダンスよりも大きく、
    前記背面中間層は前記振動部に対して反射板として機能する、ことを特徴とする超音波振動子。
  9. 電子走査が行われるX方向に整列した複数の振動素子からなる振動部を有する超音波振動子において、
    前記複数の振動素子に対応した第1配線パターンが形成された第1配線シートと、
    前記第1配線シートの上面側に設けられた第1背面中間層と、
    前記第1背面中間層の上面側に設けられ、前記複数の振動素子に対応した第2配線パターンが形成された第2配線シートと、
    前記第2配線シートの上面側に設けられた第2背面中間層と、
    前記第2背面中間層の上面側と前記振動層の下面側との間に設けられ、前記複数の振動素子に対応した第3配線パターンが形成された第3配線シートと、
    を含み、
    前記各振動素子はエレべーション方向であるY方向において複数の部分に分離され、これにより前記振動部がY方向に並んだ複数の部分列を構成し、前記各部分列はX方向に並んだ複数の部分からなり、
    前記複数の部分列における第1部分列が前記第2背面中間層及び前記第1背面中間層を介して前記第1配線パターンに電気的に接続され、
    前記複数の部分列における第2部分列が前記第2背面中間層を介して前記第2配線パターンに電気的に接続され、
    前記複数の部分列における第3部分列が前記第3配線パターンに電気的に接続された、ことを特徴とする超音波振動子。
  10. 第1配線パターンを有する第1配線シートと、その上側に設けられた背面中間層と、その上側に設けられたシートであって第2配線パターンを有する第2配線シートと、その上側に設けられた振動板と、を有する積層体に対して、その上方から、少なくとも前記振動板を突き抜ける深さで、X方向に並ぶ複数のY方向伸長溝を形成する工程と、
    前記積層体に対して、その上方から、前記第2配線シートを切断し且つ前記第1配線シートを切断しない深さで、Y方向に並ぶ複数のX方向伸長溝を形成する工程と、
    を含み、
    前記複数のY方向伸長溝の形成及び前記複数のX方向伸長溝の形成により、前記振動板がX方向に並ぶ複数の振動素子に分割され、且つ、前記各振動素子がY方向に並ぶ複数の部分に分割され、これによってY方向に並ぶ複数の部分列が構成され、
    前記複数の部分列における第1部分列が前記背面中間層を介して前記第1配線パターンに電気的に接続され、
    前記複数の部分列における第2部分列が前記第2配線パターンに接続された、ことを特徴とする超音波振動子の製造方法。
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