JP3944009B2 - 超音波振動子及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は超音波の送受波を行う超音波振動子及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】
2Dアレイ振動子は、縦横に振動素子を配列してなるアレイ振動子であり、超音波ビームを電子的に二次元走査して三次元エコーデータ空間を形成する場合に用いられる。その場合の電子走査方法としては、電子セクタ走査などが知られている。2Dアレイ振動子は極めて多数の振動素子によって構成され、各振動素子へ接続されるリード線(接続電極)も多数となる。このため2Dアレイ振動子を実際に製造する際の製造コストは非常に大きい。
【0003】
そこで、複数の振動素子の中で、実際に超音波の機能させる振動素子を少数に限定し、更にそれらを分散配置して、超音波ビームの二次元走査を実現することが提案されている。これはスパース型2D振動子と称される。このスパース型2Dアレイ振動子の場合、グレイティングローブ(不要輻射)が大きくなり、超音波画像の画質が劣化するという問題がある。その理由は、縦横の分割溝の形成によって、複数の振動素子(個々の振動素子は有効振動素子又は無効振動素子として機能する)を分割形成する製造上の要請から、有効振動素子間の実際の間隔が、振動素子間のピッチの整数倍となるためである。一般に、グレイティングローブを低減するためには、振動素子間のピッチを小さくすべきであるが、振動素子間のピッチを振動素子サイズよりも小さくすることは不可能である。
【0004】
振動素子の配列や形状が規則的になることに伴う問題は、スパース型2Dアレイ振動子の他に、通常の2Dアレイ振動子、1.5Dアレイ振動子(電子走査方向と直交するエレベーション方向にも振動素子を配列して電子制御を行うもの)、1Dアレイ振動子においても生じる。
【0005】
本発明は、上記従来の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、超音波振動子において、圧電材料の特殊加工を要することなく、振動素子の配列や形状などの設計の自由度を高められるようにすることにある。
【0006】
本発明の他の目的は、振動素子間のピッチを振動素子の整数分の1にできるようにすることにある。
【0007】
本発明の他の目的は、振動素子の配列の規則性を崩してグレイティングローブを低減することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、圧電材料からなり縦横に整列配置された複数の要素として構成される要素アレイと、前記要素アレイに対して設定される各要素グループごとに設けられ、要素グループを構成する複数の要素に共通接続される複数の共通接続電極と、を含み、前記各要素グループごとにそれぞれ振動素子が構成され、前記各共通接続電極は、それに対応する要素グループを構成する複数の要素に跨って広がる共通接続用の上面を有することを特徴とする。
【0009】
上記構成によれば、例えば、圧電材料(振動子材料)からなる圧電板を縦横に溝切りあるいはダイシングすることによって複数の要素がマトリックス状に形成され、すなわち要素アレイが構成される。その要素アレイに対しては複数の要素グループが設定され、各要素グループごとに共通接続電極が電気的に接続される。よって、それらの共通接続関係にある複数の要素は、それら全体として超音波の送波・受波を行う振動素子として機能する。よって、要素グループの設定パターン如何によって、所望の位置に所望の形状の振動素子を構成することが可能であり、つまり、圧電材料の複雑な加工を要することなく、配線すなわち電極接続を適宜を行うだけで振動素子を構成できる。ここで、要素は振動素子の形状最小単位あるいは位置決め最小単位を構成するものである。なお、要素アレイの内で一部の要素が超音波の送受波を行わない無効要素とされてもよい。その場合には、無効要素自身を電気的に開放状態においてもよいが、電気的に短絡状態におくのが望ましい。また、要素アレイの内で単独で振動素子として機能する要素があってもよい。
【0010】
望ましくは、前記要素アレイの裏側にはバッキング層が設けられ、前記バッキング層には前記複数の共通接続電極が挿通される。複数の共通接続電極の形成パターンを適宜設定することによって、所望の振動素子パターンを構成することができる。複数の共通接続電極をバッキング層に設ければ、各振動素子への信号接続を容易に行える。
【0011】
望ましくは、前記各要素グループは、それぞれ同一要素数によって構成され、かつ、それぞれ同一形状を有する。また、前記要素アレイに対して設定される複数の要素グループの中には、第1要素グループと、その第1要素グループとは要素数及び形状の少なくとも一方が異なる第2要素グループが含まれる。
【0012】
(2)また、上記目的を達成するために、本発明は、圧電材料からなり縦横に整列配置された複数の要素として構成される要素アレイと、前記要素アレイに対して設定される各要素グループごとに設けられ、要素グループを構成する複数の要素に共通接続される複数の共通接続電極と、を含み、前記各要素グループごとに振動素子が構成され、前記要素アレイ上に複数の振動素子が分散的に設定され、前記各共通接続電極は、それに対応する要素グループを構成する複数の要素に跨って広がる共通接続用の上面を有することを特徴とする。
【0013】
上記構成によれば、スパース型2D振動子が構成され、それを構成する複数の振動素子はそれぞれ複数の要素によって構成される。例えば、2×2個の要素によって振動素子を構成する場合には、縦方向及び横方向における振動素子間の最小ピッチは要素1個分となる。つまり、その場合には、従来よりもピッチを半分にでき、グレイティングローブを低減可能である。各振動素子は互いに同一形状を有していてもよいが、アレイ中央とアレイ周辺とでその形状(あるいは要素数)を可変するようにしてもよい。また、送波振動素子と受波振動素子が別々に構成される場合には、それらの間で要素数を変えるようにしてもよい。
【0014】
望ましくは、前記要素アレイは、前記振動素子を構成する複数の有効要素と、前記振動素子を構成しない複数の無効要素と、からなる。
【0015】
(3)また、上記目的を達成するために、本発明は、圧電材料からなりエレベーション方向に整列した要素列を電子走査方向に並べて構成される要素アレイと、前記各要素列に対して設定される各要素グループごとに設けられ、要素グループを構成する複数の要素に共通接続される複数の共通接続電極と、を含み、前記各要素グループごとに振動素子が構成され、前記各共通接続電極は、それに対応する要素グループを構成する複数の要素に跨って広がる共通接続用の上面を有することを特徴とする。
【0016】
上記構成によれば、1Dアレイ振動子や1.5Dアレイ振動子などのアレイ振動子において、エレベーション方向に整列した要素列ごとに振動素子パターン(配列)を自在に設定可能である。
【0017】
なお、隣接する要素列間で前記エレベーション方向における振動素子パターンが互いに異ならせてもよい。この構成によれば、規則性を緩和することになるので、その規則性ゆえに生じるグレイティングローブを低減することが可能である。
【0018】
(4)また、上記目的を達成するために、本発明は、圧電材料からなりエレベーション方向に整列した要素列を電子走査方向に並べて構成される要素アレイと、前記各要素列に対して設定される各要素グループごとに設けられ、要素グループを構成する複数の要素に共通接続される複数の共通接続電極と、前記各要素列における要素グループに属しない各孤立要素ごとに設けられた複数の個別接続電極と、を含み、前記各要素グループ及び前記各単独要素ごとに振動素子が構成され、前記各共通接続電極は、それに対応する要素グループを構成する複数の要素に跨って広がる共通接続用の上面を有することを特徴とする。
【0019】
上記構成によれば、振動素子は複数の要素で構成されるとともに必要に応じて単独の要素で構成され、すなわち、各振動素子ごとにそれを構成する要素数が適宜設定される。各振動素子には共通接続電極(要素グループの場合)又は個別接続電極(単独要素の場合)が接続される。
【0020】
(5)また、上記目的を達成するために、本発明は、圧電材料からなりエレベーション方向に整列した要素列を電子走査方向に並べて構成される要素アレイと、前記各要素列における送波及び受波の少なくとも一方で利用される有効要素群に対して接続される複数の接続電極と、を含み、隣接する要素列間で有効要素群からなる開口位置をエレベーション方向に異ならせたことを特徴とする。
【0021】
上記構成によれば、隣接する要素列間においてエレベーション方向の開口位置を異ならせることが可能となり、開口位置に多様性をもたせることができる。
【0022】
(6)また、上記目的を達成するために、本発明は、圧電材料からなりエレベーション方向及び電子走査方向に並んで構成される複数の要素としての要素アレイと、前記各要素アレイに対して設定された各要素グループごとに設けられ、要素グループを構成する複数の要素に共通接続される複数の共通接続電極と、を含み、前記各要素グループは振動素子を構成し、前記各振動素子は前記エレベーション方向を長手方向とした形態を有し、且つ、前記各振動素子が前記電子走査方向に並んで整列し、前記各振動素子における長手方向に沿った両側辺が要素を単位とした凹凸形状を有することを特徴とする。
【0023】
上記構成によれば、圧電材料に対する特殊な切削などを要することなく、所望の形状をもった振動素子を構成することができる。
【0024】
(7)また、上記目的を達成するために、本発明は、圧電材料からなり縦横に整列配置された複数の要素として構成される要素アレイに対し、その要素アレイに対して設定される各要素グループごとに、要素グループを構成する複数の要素に共通接続される複数の共通接続電極を設け、前記各共通接続電極の形成に際し、前記各共通接続電極がそれに対応する要素グループを構成する複数の要素に跨って広がる共通接続用の上面を有するようにし、前記要素アレイを構成する要素が振動素子の位置決め単位及び形状単位の少なくとも一方を構成することを特徴とする。
【0025】
上記構成によれば、縦方向及び横方向における振動素子間の最小ピッチを振動素子よりも小さくでき、かつ、振動素子自体は従来同様の大きさを維持することも可能である。よって、分解能が高くアーチファクトの少ない超音波画像を形成可能である。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
【0027】
図1には、本発明に係る超音波振動子の要部構成が斜視図として示されている。この超音波振動子はスパース型2D振動子である。
【0028】
バッキング10は超音波吸収部材によって構成されるものであり、そのバッキング10には上下方向に沿って複数のリード12が埋設されている。各リード12は、スパース型2D振動子を構成する各振動素子ごとに設けられており、これについては後に詳述する。バッキング10の上面10A上には電極アレイ14が形成される。この電極アレイ14は縦横に整列した複数の電極パッド16によって構成されるものである。
【0029】
要素アレイ18は、スパッタリング等の公知の方法で、上面及び下面に極薄の導電層(電極)が形成された圧電材料をカッティングしてなるものである。すなわち、各要素20の上面には図示されていないグランド側電極、各要素20の下面には図示されていないシグナル側電極が形成されている。また、バッキング10の上面10Aには、各電極パッド16に対応した位置に複数の要素20が設けられており、各電極パッド16は、各要素20のシグナル電極と位置的に対応している。これらの複数の要素20は要素アレイ18を構成する。後述するように、要素アレイ18は大別して有効要素と無効要素とで構成され、有効要素を利用して超音波の送受波が行われている。
【0030】
また、各要素20のグランド側電極の共通リードとして、要素アレイ18の上側には例えば銅箔などからなるグランドリード22が設けられる。そのグランドリード22の上面側には整合層アレイ24が設けられる。整合層アレイ24は複数の整合層26からなり、各整合層26は各要素20ごとに設けられている。なお、図1においては整合層アレイ24が一層のみ示されているが、それを二層とするようにしてもよい。
【0031】
なお、各要素20の上面及び下面には金などによって構成される電極膜が形成されているが、図1においてはそれが図示省略されている。要素アレイ18は、例えば160×160個の要素20からなるものであり、一般的には、1枚の圧電板に対して縦及び横のそれぞれの方向に沿って溝切りすなわちダイシングを行うことによりそれらの要素20が形成される。この場合においては、後に説明するように、そのようなダイシング等によって電極アレイ14も同時に形成される。
【0032】
上述したように、バッキング10内には垂直方向に沿って複数のリード12が設けられており、本実施形態においては、各リード12は振動素子を構成する例えば4つの要素20の中央部分を中心としてそれら4つの要素20に跨る水平断面を有している。すなわち、リード12の上面は4つの電極パッド16に電気的に接続され、それらの電極パッド16とグランドリード22との間に高電圧が印加されると、当該振動素子から超音波が前方(図において上方)に放射され、一方、当該振動素子によって超音波が受波されると、そこで生じた電気信号が対応するリード12を介して外部の超音波診断装置本体へ出力されることになる。
【0033】
次に図2〜図5を用いて、図1に示したスパース型2D振動子の製造プロセスについて説明する。なお、図2〜図4には、バッキング10の一部分が示されている。図2に示されるように、バッキング10にはあらかじめ振動素子を形成する位置に共通接続電極としてのリード12が上下方向に貫通するように設けられている。ここで、図2において符号12Aはリード12の上面を示しており、符号12Bはリード12の下面を示している。
【0034】
図3に示されるように、バッキング10の上面10Aには、一定の厚みをもって電極パッド層30が全面的に形成される。
【0035】
その一方において、バッキング10の下面側には、各リード12に対応してコンタクト32が形成される。ここで、バッキング10の下面側の全体にわたって電極層を形成し、エッチングあるいはダイシングなどを利用して各リード12ごとにコンタクト32を形成するようにしてもよい。いずれにしても各リード12間における電気的な絶縁性が確保される必要がある。
【0036】
図3に示した状態において、電極パッド層30の上面側に圧電板(図示せず)が貼付けられ、その後、ダイシングソーを利用して圧電板と電極パッド層30とが縦方向及び横方向に沿って所定のピッチで溝切りすなわちカッティングされる。
【0037】
図4には、そのカッティング後の電極パッド層30が示されており、ここでは4つの電極パッド16が示されている。
【0038】
図1に示したように、各電極パッド16に対応して、同じサイズをもって要素20も同時に形成されているが、図4においてはそれが図示省略されている。図4に示されるように、4つの電極パッド16の中央部分を中心としてリード12が4つの電極パッド16に跨って電気的に接続されている。よって、コンタクト32に対して電気信号を与えると、その信号がリード12を介して4つの電極パッド16に同時伝達され、これによって当該信号が4つの要素20に対して同時に印加されることになる。
【0039】
なお、上記の説明においては、バッキング10の上面側に電極パッド層30を形成したが(図3参照)、もちろん圧電板の下面側に電極パッド層を形成した後に両部材の貼り合わせを行うようにしてもよい。いずれにしても、圧電板のダイシング時において同時に電極パッド16を形成するようにすれば、製造過程を簡略化できる。
【0040】
ちなみに、それらダイシングが行われた後に、図1に示した要素アレイ18上にグランドリード22が設けられ、さらにその上側に整合部材が設けられた後、当該整合部材に対してダイシングを行うことによって整合層アレイ24が形成される。
【0041】
図5には、要素アレイ18が示されている。この要素アレイ18は上述したように超音波の送受波を行う有効要素20Aとそれ以外の無効要素20Bとからなるものである。要素アレイ18においては、複数の要素グループが設定され、図5に示す例では4つの要素(有効要素)によって各要素グループが構成されている。
【0042】
その要素グループには共通接続電極としてのリード12が接続され、これによって図5に示すように振動素子34が構成される。図5に示されるように、各振動素子34は、ほぼ4つの要素の面積を足した大きさを有しているが、縦方向及び横方向における振動素子34間の最小ピッチは要素1個分である。すなわち、振動素子34の整数分の1に振動子間ピッチを設定することが可能となる。
【0043】
図6には、比較例としての従来のスパース型2D振動子が示されている。この振動子は大別して有効素子36Aと無効素子36Bとからなり、図5と同様に、有効素子はアレイ面方向に沿って分散的に配置されているが、各有効素子間のピッチは振動素子1個分である。これに対して、図5に示す構成によれば、振動素子の面積をほぼ維持しつつ、素子間ピッチを従来よりも半分にできるという利点がある。
【0044】
なお、図5に示す例では、1つの振動子34が2×2個の要素によって構成されていたが、そのサイズは任意に設定することが可能であり、その形状も任意に設定することが可能である。本実施形態においては、上述したように縦方向及び横方向にダイシングを行い、その一方において、リードの配置や形状を適宜設定することにより製造工程を複雑化させることなく、また製造コストを上げることなく、多様なスパース型2D振動子を構成できるという利点がある。
【0045】
図7〜図10を用いて他の実施形態について説明する。
【0046】
図7に示す実施形態においては。いわゆる1.5Dアレイ振動子が示されている。この1.5Dアレイ振動子は縦横に配列された複数の要素からなるものであり、図においてX方向が電子走査方向であり、Y方向がエレベーション方向である。
【0047】
図7に示されるように、電子走査方向に沿って複数の要素列40,41が整列しており、各要素列40,41はエレベーション方向に整列した複数の要素によって構成されている。
【0048】
例えば、要素列40に着目すると、当該要素列40は要素42〜58によって構成されており、その要素列40には3つの要素グループ60〜64が設定されており、具体的には、要素グループ60は要素44,46で構成され、要素グループ62は要素48,50,52で構成され、要素グループ64は要素54,56で形成されている。各要素グループ60〜64はそれぞれ独立した振動素子を構成するものであり、一方、端部に孤立して設けられている要素42,58はそれぞれ単独で振動素子を構成する。ちなみに、図7において符号66〜74は電極パッドを示しており、電極パッド68〜72は要素グループに対応した共通接続電極であり、電極パッド66,74は個別接続電極である。
【0049】
図7に示されるように、隣接する要素列間において、振動素子パターンが異なっている。図7においては、符号40によって示される要素列の振動素子パターンと符号41によって示される要素列の振動素子パターンとが交互に設定されている。ここで、符号41で示される要素パターンにおいては中央部分の振動素子がエレベーション方向に広がった単一の要素のみによって構成され、以下そこからエレベーション方向の両端側にそれぞれ2つずつの要素によって2つの振動素子が構成されている。図7において各振動素子に電極パッド76〜84が接続されている。
【0050】
図7に示す構成例によれば、1.5D振動子を構成する場合に、エレベーション方向において電子的な位相制御を行えると共に、隣接する要素列間において振動素子パターンを変化させてそれが規則性をもつことによる問題を軽減できるという利点がある。
【0051】
もちろん、図7に示す実施形態においても、図1に示した実施形態と同様に、単に電極パッドのパターンを適宜設定するだけでよく、特別なダイシング加工は不要である。
【0052】
図8に示す実施形態においては、図7に示した実施形態と同様に、電子走査方向に沿って複数の要素列90,91が構成されており、各要素列90,91はエレベーション方向に整列した複数の要素によって構成されている。
【0053】
ここで、要素列90について着目すると、当該要素列90は要素92〜112によって構成され、またその要素列90に対しては複数の要素グループ114〜122が設定されている。それらの要素グループ114〜122はそれぞれ振動素子を構成するものである。
【0054】
また、複数の要素に跨って共通の電極パッド124〜132が設けられている。ちなみに、端部の要素92は超音波の送受波においては機能しない無効要素である。
【0055】
図8に示されるように、この1.5D振動子においては隣接する要素列間における振動素子パターンが異なっており、送受波開口の位置がエレベーション方向に交互に異なっている。
【0056】
具体的には、要素列90における振動子パターンと要素列91における振動子パターンとが交互に設定されており、ここにおいて要素列91では要素列90とは異なる例の端部における要素が無効要素とされている。ちなみに、符号134〜142はそれぞれ共通の電極パッドを示している。
【0057】
よって、図8に示す実施形態によれば、各要素列ごとに送受波開口の位置をシフトさせることができるので、規則性を緩和してグレーティングローブを抑制できるという利点がある。
【0058】
図9にはさらに実施形態が示されている。この図9に示される振動子は1D振動子である。具体的には、電子走査方向に複数の要素グループ134,136が整列しており、各要素グループ134,136はそれぞれ振動素子を構成する。各要素グループ134,136はエレベーション方向に伸長した形態を有しており、エレベーション方向における各位置において電子走査方向に凸凹した形態を有している。
【0059】
具体的に説明すると、例えば要素アレイにおける各段138〜148について着目すると、偶数段と奇数段とでは要素グループを構成する要素ペアの位置が電子走査方向に要素1個分だけ異なっている。
【0060】
なお、図9において符号150〜154は端部における無効要素を示している。
【0061】
図9に示すようなグループ設定が行われる場合、例えば図10に示すようなシグナル電極を利用することが可能である。すなわち、要素グループ134,136の形態に合致した電極パッド156〜160を構成するものである。
【0062】
図9及び図10に示した実施形態によれば、従来において単に長方形の振動素子を形成する場合に比べてよりその形態の多様性を上げて、形態の規則性に基づくグレーティングローブを低減できるという利点がある。図9に示した実施形態は一例であって、これ以外にも各種のグループ設定を行うことができ、いずれにしても、本実施形態においては縦横のカッティングを行うだけで電極形状の操作によって所望の振動素子形状及びその位置を設定できるという利点がある。
【0063】
例えば図5に示した実施形態においては、各振動素子34すなわち各要素グループが同一要素数をもって同一形状で構成されていたが、それには限られない。すなわち、各要素グループについてそれを構成する要素数及びその形状を非同一としてもよい。
【0064】
図11には、代表的な2つの要素グループ200,202が示されている(それ以外の要素グループについては図示省略されている)。要素グループ200は、左右方向に並んだ2つの要素204,206によって構成され、それらにはリード208が接続されている。一方、要素グループ202は、正方形に配列された4つの要素210〜216によって構成され、それらにはリード218が接続されている。このように、各要素グループごとに、要素数及び形状を異ならせてもよい。
【0065】
また、図12にも、代表的な2つの要素グループ220,222が示されている(それ以外の要素グループについては図示省略されている)。要素グループ220は、L字形状に並んだ4つの要素224〜230によって構成され、それらにはリード232が接続されている。一方、要素グループ222は、正方形に配列された4つの要素234〜240によって構成され、それらにはリード242が接続されている。2つの要素グループ222,224は、互いに同一の素子数を有するが、その形状は異なっている。いずれにしても、リードの形状(あるいは要素接続関係)を適宜設定することにより、所望の要素数及び形状で振動素子を構成することができる。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、超音波振動子において、圧電材料の特殊加工を要することなく、振動素子の配列や形状などの設計の自由度を高められる。また、本発明によれば、振動素子間のピッチを振動素子の正数分の1にすることが可能となる。また、本発明によれば、振動素子の配列の規則性を崩してグレーティングローブを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る超音波振動子の好適な実施形態を示す斜視図である。
【図2】 本発明に係る超音波振動子の製造プロセスを説明するための図である。
【図3】 本発明に係る超音波振動子の製造プロセスを説明するための図である。
【図4】 本発明に係る超音波振動子の製造プロセスを説明するための図である。
【図5】 スパース型2D振動子を示す説明図である。
【図6】 比較例を示す図である。
【図7】 1.5D振動子を説明するための図である。
【図8】 1.5D振動子を説明するための図である。
【図9】 1D振動子を説明するための図である。
【図10】 図9に示す1D振動子に対して用いられる電極を説明するための図である。
【図11】 要素グループの構成例を説明するための図である。
【図12】 要素グループの他の構成例を説明するための図である。
【符号の説明】
10 バッキング、12 リード、14 電極アレイ、16 電極パッド、18 要素アレイ、20 要素、22 グランドリード、24 整合層アレイ、26 整合層、34 振動素子(要素グループ)。

Claims (11)

  1. 圧電材料からなり縦横に整列配置された複数の要素として構成される要素アレイと、
    前記要素アレイの下面側において、前記要素アレイに対して設定される各要素グループごとに設けられ、要素グループを構成する複数の要素に共通接続される複数の共通接続電極と、
    を含み、
    前記各要素グループごとにそれぞれ振動素子が構成され、
    前記各共通接続電極は、それに対応する要素グループを構成する複数の要素に跨って広がる共通接続用の上面を有することを特徴とする超音波振動子。
  2. 請求項1記載の超音波振動子において、
    前記要素アレイの裏側にはバッキング層が設けられ、
    前記バッキング層には前記複数の共通接続電極が挿通されたことを特徴とする超音波振動子。
  3. 請求項1記載の超音波振動子において、
    前記各要素グループは、それぞれ同一要素数によって構成され、かつ、それぞれ同一形状を有することを特徴とする超音波振動子。
  4. 請求項1記載の超音波振動子において、
    前記要素アレイに対して設定される複数の要素グループの中には、第1要素グループと、その第1要素グループとは要素数及び形状の少なくとも一方が異なる第2要素グループが含まれることを特徴とする超音波振動子。
  5. 圧電材料からなり縦横に整列配置された複数の要素として構成される要素アレイと、
    前記要素アレイに対して設定される各要素グループごとに設けられ、要素グループを構成する複数の要素に共通接続される複数の共通接続電極と、
    を含み、
    前記各要素グループごとに振動素子が構成され、
    前記要素アレイ上に複数の振動素子が分散的に設定され、
    前記各共通接続電極は、それに対応する要素グループを構成する複数の要素に跨って広がる共通接続用の上面を有することを特徴とする超音波振動子。
  6. 請求項5記載の超音波振動子において、
    前記要素アレイは、前記振動素子を構成する複数の有効要素と、前記振動素子を構成しない複数の無効要素と、からなることを特徴とする超音波振動子。
  7. 圧電材料からなりエレベーション方向に整列した要素列を電子走査方向に並べて構成される要素アレイと、
    前記各要素列に対して設定される各要素グループごとに設けられ、要素グループを構成する複数の要素に共通接続される複数の共通接続電極と、
    を含み、
    前記各要素グループごとに振動素子が構成され、
    前記各共通接続電極は、それに対応する要素グループを構成する複数の要素に跨って広がる共通接続用の上面を有することを特徴とする超音波振動子。
  8. 圧電材料からなりエレベーション方向に整列した要素列を電子走査方向に並べて構成される要素アレイと、
    前記各要素列に対して設定される各要素グループごとに設けられ、要素グループを構成する複数の要素に共通接続される複数の共通接続電極と、
    前記各要素列における要素グループに属しない各孤立要素ごとに設けられた複数の個別接続電極と、
    を含み、
    前記各要素グループ及び前記各孤立要素ごとに振動素子が構成され、
    前記各共通接続電極は、それに対応する要素グループを構成する複数の要素に跨って広 がる共通接続用の上面を有することを特徴とする超音波振動子。
  9. 圧電材料からなりエレベーション方向に整列した要素列を電子走査方向に並べて構成される要素アレイと、
    前記各要素列における送波及び受波の少なくとも一方で利用される有効要素群に対して接続される複数の接続電極と、
    を含み、
    隣接する要素列間で有効要素群からなる開口位置をエレベーション方向に異ならせたことを特徴とする超音波振動子。
  10. 圧電材料からなりエレベーション方向及び電子走査方向に並んで構成される複数の要素としての要素アレイと、
    前記各要素アレイに対して設定された各要素グループごとに設けられ、要素グループを構成する複数の要素に共通接続される複数の共通接続電極と、
    を含み、
    前記各要素グループは振動素子を構成し、
    前記各振動素子は前記エレベーション方向を長手方向とした形態を有し、且つ、前記各振動素子が前記電子走査方向に並んで整列し、
    前記各振動素子における長手方向に沿った両側辺が要素を単位とした凹凸形状を有することを特徴とする超音波振動子。
  11. 圧電材料からなり縦横に整列配置された複数の要素として構成される要素アレイに対し、その要素アレイに対して設定される各要素グループごとに、要素グループを構成する複数の要素に共通接続される複数の共通接続電極を設け、
    前記各共通接続電極の形成に際し、前記各共通接続電極がそれに対応する要素グループを構成する複数の要素に跨って広がる共通接続用の上面を有するようにし、
    前記要素アレイを構成する要素が振動素子の位置決め単位及び形状単位の少なくとも一方を構成することを特徴とする超音波振動子の製造方法。
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