3GPP LTE(ロングタームエボリューション)とLTEにおけるMBMS
マルチキャスト/ブロードキャストサービス(MBMS)のためのアーキテクチャは、3GPPにおけるLTE/SAE標準化の一部として議論されている(SAE=システムアクセスエボリューション(System Access Evolution))。この進化したサービスアーキテクチャは、以前のリリースのアーキテクチャと区別する目的で、場合によってはE−MBMSとも称される。同様に、LTEネットワークは、従来のUMTS UTRAN(地上無線アクセスネットワーク:Terrestrial Radio Access Network)と区別する目的で、E−UTRANとも称される。
一般的に、E−MBMSサービスは特定のエリアの中で利用可能であり、このエリアを通常ではMBMSサービスエリアと称する。このサービスエリアは、事業者の構成設定(configuration)に応じて、事業者のPLMN(公衆陸上移動網:Public Land Mobile Network)全体にわたることもあれば、PLMNのサブセットのみをカバーすることもある。PLMN規模のサービスの例は、ニュースブロードキャストである。対照的に、交通情報などのサービスは、特定の地域を対象とするサービスの代表的な例であり、したがって、適切なMBMSサービスエリアはPLMNのサブセットをカバーするのみである。
E−UTRANにおけるE−MBMSの送信は、現時点において非特許文献1(http://www.3gpp.orgにおいて入手可能であり、この参照をもって本願に繰り入れるものとする)に指定されているように、シングルセル送信またはマルチセル送信のいずれかである。
マルチセル送信(マルチセルPTM)では、複数のセルからのMBMS送信を結合することがサポートされる。このタイプの送信は、単一周波数ネットワーク(SFN)送信とも称される。マルチセル送信は、単一周波数ネットワークの特定の要求条件(例えば、同じデータを正確に同一時刻および同一周波数にて送信するための厳密な時間同期)をサポートしているセルにおいて利用可能である。これらの要求条件を満たすすべてのセルは、いわゆるMBSFNエリアに属しており、MBSFNエリアは、一般にはMBMSサービスエリアのうちユーザ密度の高い部分(例:都市の中心)をカバーする。
その一方で、シングルセル送信(シングルセルPTM)は、特定のセルのカバレッジにおいてのみ送信される。一般には、ユーザ密度の低い、MBSFNエリアの外側において使用される。このエリアは、通常ではMBMSサービスエリアのうちの大きい方の部分である。
非特許文献2(http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG3_Iu/TSGR3_55/docs/において入手可能である)に記載されているように、E−MBMSサービスは、以下の2つのモードの一方において提供することができる。
− MBMSブロードキャストモード(MBMS Broadcast mode):MBMSサービスは、UEの位置あるいは数に関係なく、MBMSサービスエリアの中の全域において送信される。UEは、MBMSを受信するためにRRCアイドル状態から脱する必要はない。
− MBMSエンハンストブロードキャストモード(MBMS Enhanced Broadcast mode):MBMSサービスはMBMSサービスエリアの全域においては送信されず、ネットワークによってUEの位置および数を考慮することができる。UEは、MBMSを受信するためにはRRCアイドル状態を脱する必要があり得る。
現在検討されているE−MBMSサービスのためのアーキテクチャは、非特許文献3(http://www.3gpp.orgにおいて入手可能であり、この参照をもって本願に繰り入れるものとする)に記載されており、このアーキテクチャでは、MBMSサービスの提供に関連する特定の機能をそれぞれが満たすいくつかの論理エンティティが指定されている。これらの論理エンティティを、LTE/SAEシステム用に指定されているエンティティに統合する方式として、いくつかのオプションが存在しうる。場合によっては、E−MBMSアーキテクチャのエンティティの一部またはすべてを、LTE/SAEシステムのエンティティとは個別のエンティティとすることもできる。以下では、例示的なE−MBMSアーキテクチャについて図1を参照しながら説明する。
最も高いレベルには、移動ネットワーク事業者のサービスネットワークの一部として、いわゆるブロードキャスト/マルチキャストサービスセンター(BM−SC)が属しており、E−UTRANの場合にはeBM−SCと称される。このeBM−SCは、コンテンツプロバイダのE−MBMS送信のエントリポイントまたは提供源を構成している。eBM−SCの他の主たる機能としては、E−MBMSサービスの許可および制御(例えば、セッション開始指示情報あるいはセッション停止指示情報の送信)が挙げられる。さらに、eBM−SCは、サービスを希望するユーザにサービスアナウンスメント情報を提供することもできる。オプションとして、eBM−SCは、移動ネットワークプロバイダとは異なるサービスプロバイダのネットワークの一部であることもできる。このような場合、一般には、2つのプロバイダの間に何らかの特殊な契約関係が存在し、サービスプロバイダがコンテンツを提供し、移動ネットワークプロバイダは、コンテンツを配信するための手段を提供する。
移動通信ネットワークは、一般には、論理レベルにおいてコアネットワーク(CN)と無線アクセスネットワーク(RAN)とに分かれている。コアネットワークは、共通の機能(認証、許可、およびアカウンティング(AAA)など)をホストするのに対して、無線アクセスネットワークは、採用する技術に依存する機能(エアインタフェースなど)を提供する。
コアネットワークの中のエンティティのうち、E−MBMSサービスを処理する役割を担うエンティティは、E−MBMSゲートウェイ(E−MBMS GW)と称することがある。E−MBMSゲートウェイの主たる機能は、eBM−SCへのインタフェースを終端することと、移動通信ネットワークにおいてE−MBMSサービスのユーザプレーン(U-plane)パケットを配信することである。上述したSFN送信モードに関連して、無線アクセスネットワークによるエアインタフェース上での同期送信を可能にするプロトコル(SYNCプロトコル)を提供することも、E−MBMSゲートウェイの機能に含めることができる。
これらのユーザプレーン機能に加えて、E−MBMS GWは、E−MBMSサービスに関連する制御プレーン(C-plane)機能も備えていることができる。例えば、E−MBMS GWは、コアネットワークと無線ネットワークとの間のセッション制御シグナリング(例えば、セッション開始シグナリング、セッション停止シグナリング)を処理することができる。なお、E−MBMS GWは論理エンティティであり、説明したユーザプレーン機能および制御プレーン機能は、同じノードに統合する、あるいは論理インタフェースによって接続されている複数の異なるノードに分けることができることに留意されたい。例えば、非特許文献3には、上述した制御プレーン機能を提供するMBMS1エンティティと、ユーザプレーン機能を提供するMBMS2エンティティとが記載されている。
E−MBMSアーキテクチャに関連するコアネットワークの中の別のエンティティを、ユーザの移動を処理するエンティティとすることができる。LTE/SAEアーキテクチャにおいては、このエンティティを移動管理エンティティ(MME)と称する。このエンティティの主たる機能は、その名前が示すように、UEの移動の管理である。この機能は特に重要であり、なぜなら、E−MBMSサービスを受信するときにUEがアイドル状態でありうるためである。UEの移動は、アクティブ状態においては無線アクセスネットワーク(RAN)レベルにおいてセル単位の精度で追跡されるのに比べて、アイドル状態においては、一般にはコアネットワーク(CN)レベルにおいて粗い粒度でのみ追跡される。
すでに前述したように、SFN送信モードを達成するためには、複数のセルにおいて同じデータを正確に同じ時刻および同じ周波数にて送信しなければならない。時間リソースおよび周波数リソース(リソースブロックとも称される)の割り当ては、無線リソース管理(RRM)の代表的な機能である。SFN送信のためには、いくつかのセルにおいて同じRRM割り当てを使用しなければならず、この機能は、LTE/SAEアーキテクチャにおいては個別の論理エンティティ(マルチセル調整エンティティ(MCE:Multi-cell Coordination Entity))において実行することができる。この場合も、このエンティティを物理的にどこに位置させるかに関して、いくつかのオプションが存在しうる。MCEは、RANまたはCNの中の単独の専用エンティティとすることができる。あるいは、RANまたはCNの中の別のノードにMCEを統合することもできる。例えば、MECを、セルを処理担当している無線基地局の一部とすることができる。別の例においては、MCEを事業者の運用・保守(O&M)プラットフォームの中に統合することができる。
最も低いレベルにおいては、無線アクセスネットワークの一部として、いくつかの(無線)基地局が設けられている。LTE/SAEシステムにおいては、これらのエンティティはeノードB(eノードB:eNB)と称される。eノードBは、E−MBMSサービスに関連する制御プレーン機能およびユーザプレーン機能を備えている。ユーザプレーンに関連する主たる機能は、当然ながら、E−MBMSサービスデータをセルに送信することである。例えば、SAE/LTEシステムにおいては、サービスデータは、一般に論理チャネル(MBMSトランスポートチャネル(MTCH)など)上で送信される。送信モード(すなわち、シングルセル送信またはマルチセル送信)に応じて、eノードBとMCEとの間で同期およびRRM情報を交換することによってSFN送信を達成することができ、シングルセル送信の場合にはノードBが自身の裁量で送信をスケジューリングすることができる。eノードBのさらなる機能は、ネットワーク(例えばE−MBMS GW)へのユーザプレーンインタフェースを終端することである。ネットワークへのインタフェースは、サービスデータをeNBに配信する目的でユニキャストまたはマルチキャストを利用することができる。
一般に、ユーザプレーンは、制御プレーン機能によって制御および設定される。E−MBMSアーキテクチャとの関連では、セッション開始シグナリングの処理は、制御プレーン機能の一例である。マルチキャストが利用される場合、eノードBが送信に参加できるように、サービスデータに対して使用されるIPマルチキャストアドレスを、セッション開始シグナリングを通じてeノードBに知らせることができる。基地局が備えることのできる別の制御プレーン機能は、アイドルモードのUEがE−MBMSサービスを受信できるようにサポートすることである。すでに上述したように、アイドルモードのUEは、通常ではeノードBによって認識されない。存在する可能性のあるUEに、E−MBMSサービスが利用可能であることを知らせる目的で、基地局は、利用可能なサービスに関する何らかの種類の通知を、自身のサービスエリア((1つ以上の)無線セル)の中で共通の論理チャネル上で送信することができる。例えば、SAE/LTEシステムにおいては、この共通の論理チャネルはマルチキャスト制御チャネル(MCCH)である。
エアインタフェース上の無線リソースが不必要に割り当てられることを回避する目的で、eノードBは、E−MBMSサービスを希望する少なくとも1人のユーザが自身のセルの中に存在しているかの確認を試みることができる。例えば、LTEシステムにおいては、この手順はカウンティング(またはポーリング)と称される。
UEは、E−MBMSアーキテクチャに直接的には属さないが、当然ながら密接に関連しており、配信されるMBMSサービスデータを最終的に受信する。ユニキャストサービスの場合とは異なり、個々のUEと、それぞれのセルを制御するeノードBとの間での直接的なシグナリングは要求されない。上述したように、UEはアイドル状態においてMBMSサービスを受信することができる。
UEの観点からは、MBMSサービスを受信するうえで必要な基本的な情報は、一般にはサービスアナウンスメントと称される。サービスアナウンスメントは、サービスに関連するパラメータ(例えば、一時的移動グループ識別情報(TMGI:Temporary Mobile Group Identity)などのサービス識別子)をユーザに配信するために使用される。この情報により、UEは、自身の現在のセルにおける希望するサービスの可用性について、例えばMCCH上での通知を検出することができる。例えば、通知されたサービス識別子が、UE側に格納されているサービスアナウンスメントの1つに含まれているサービス識別子と一致する場合、UEは、通知の詳細(例えば、UEがセルの中でサービスデータを受信できるようにする対応する無線ベアラの設定)を読み取る。
UEは、いくつかの方法によってサービスアナウンスメントを取得することができる。サービスアナウンスメント情報は、一般的には、標準化された形式において提供することができる。例えば、3GPPリリース6では、この目的のためMBMSユーザサービス記述(MBMS User Service Description)が定義されている。サービスアナウンスメントを提供するための1つの可能な方法は、モバイル事業者によって提供されるサービスに、(直接的に、またはサードパーティのコンテンツプロバイダを介して間接的に)ユーザが加入することである。この場合、モバイル事業者は、適切なサービスアナウンスメントも提供する。別の可能な方法は、何らかの周知の場所(例えばWebサイト上)からサービスアナウンスメント情報が利用できるようにすることである。その他のオプションとしては、電子メールあるいはメッセージングサービス(例えば、SMS(ショートメッセージサービス:Short Message Service)、MMS(マルチメディアメッセージングサービス:Multimedia Messaging Service)を介して、サービスアナウンスメントを受信することができる。さらには、サービスアナウンスメントをMBMSサービスのコンテンツの一部とする(例えば、別のMBMSサービスの専用アナウンスメントチャネル)ことも可能である。
図2は、サービスの提供を開始するための、ネットワークにおける従来の例示的なシグナリングフローを示している。E−MBMS GW 102は、eBM−SC 101からセッション開始の指示情報を受信すると、MBMSサービスエリア(図1の例においては、MBMSサービスエリアはeノードB 105〜108によって処理担当される無線セルに対応している)の中のすべてのeノードB 105〜108に、セッション開始メッセージを提供する。セッション開始メッセージは、MBMSサービスエリアの一部である(1つ以上の)MBSFNエリア(eノードB 105およびeノードB 106によって制御される陰影付きの無線セルによって例示してある)を担当する(1つ以上の)MCE 103に送信することもできる。
例えば、E−MBMSサービスデータをeノードBに配信するためにIPマルチキャストを利用するものと想定すると、セッション開始メッセージには、受信側のeノードBがネットワークにおいてE−MBMSサービスデータの送信に参加するために要求される情報(例えば、サービスのためのIPマルチキャストアドレスおよびサービスのTMGI)が含まれる。MBSFNエリアの中に位置しているeノードB 105,106は、どのような場合にもマルチキャスト配信ツリーに参加することができる。さらに、MBSFNエリアにおけるeノードB 105,106は、MBMSサービスのマルチキャスト配信ツリーに参加するため、MBMSデータを自身の無線セルの中でMTCH上で送信するための物理リソースを割り当てるか確保し、MBMSサービスのためのMTCHの設定を、自身の無線セルの中の潜在的な受信者にMBMS通知によって示す。
MBSFNエリアの外側のeNB 107,108は、サービスを希望するユーザを自身がホストしている場合にのみ参加することができる。上述したように、これらのeノードBは、サービスを希望する潜在的なユーザを識別する目的でカウンティング手順を実行することができる。例えば、eノードBは、MBMSカウンティング要求を自身のセルの中にMCCH上で送信することができる。この要求を受信したアイドル状態にあるUEは、MBMSカウンティング応答を送信側のeノードBに送信することができる。
いずれの場合にも、eノードB 105〜108は、MBMSサービスが利用可能であることを示すMBMS通知を自身の無線セルの中でブロードキャストする。したがって、移動端末(例えば、eノードB 108のカバレッジエリアに移動してきたUE 109)は、eノードB 108の(1つ以上の)無線セルの中のMBMS通知が、MBMSサービスが利用可能であることを示しているが、ダウンリンクリソース(MTCHの設定)が通知に示されていない場合にのみ、サービスを要求する。
上記のシグナリングフローの例において明らかであるように、E−MBMS GW 102は、MBMSサービスエリア全体の中のeノードB 105〜108のそれぞれにセッション開始シグナリングを配信しなければならない。このエリアには、そのサイズによっては多数のeノードBが含まれていることがある。例えば、モバイルTVなどのE−MBMSサービスを考えると、MBMSサービスエリアは事業者のPLMN全体に等しくなることがある。
シグナリングメッセージは、その性格上、信頼性の高い方法において送信しなければならない。これを達成する目的で、一般には、メッセージを伝えるために接続指向の伝送プロトコルが使用される。例えば、LTE/SAEシステムでは、シグナリングメッセージが輻輳制御によって高い信頼性において順に伝送されるようにするストリーム制御伝送プロトコル(SCTP:Stream Control Transmission Protocol)を利用する。
E−MBMS GW 102とeノードBとの間でシグナリングメッセージを交換できることは、これらの間にインタフェースが存在することを意味する。上述したように、MBMSサービスエリアの中のeノードB 105〜108のすべてにセッション開始シグナリングを提供する必要があることにより、E−MBMS GW 102は、多数のインタフェースを終端することが要求されうる。SCTPなどの接続指向の伝送プロトコルを利用する場合、このことは、E−MBMS GW 102が、MBMSサービスエリアの中の各eノードBとの多数の接続(例えばSCTP接続)を終端しなければならないことを意味する。
MBMSサービスエリアは、1つまたは複数のMBSFNエリアを備えていることができ、MBSFNエリアは、一般にはユーザの密度が高い(都市の中心部など)。しかしながら、MBSFNエリアは、一般にはMBMSサービスエリア全体のうちの小さい部分のみをカバーしている。さらには、MBSFNエリアの外側のエリア(MBMSサービスエリアの大きい方の部分をカバーしている)は、通常、サービスを希望するユーザの密度が低い。サービスを希望するユーザの密度が高ければ、事業者はそのようなエリアをMBSFNエリアの一部であるように構成しているはずである。いずれの場合にも、E−MBMS GW 102は、MBSFNエリアの外側のeNBにもセッション開始シグナリングを送信しなければならず、なぜならこれらのeNBもMBMSサービスエリアの一部であるためである。しかしながら、ほとんどの場合には数人のユーザが存在するのみであるため、これらのeNBには多くのセッション開始メッセージが不必要に送信されることになる。例えば、モバイルTVなどのE−MBMSサービスを考えると、要求されるセッション開始メッセージは、提供されるTVチャネルの数に伴ってさらに増大しうる。
「ホームゾーン」:3GPP LETにおけるシステム設計のコンセプト
一般に、事業者は、セルラー移動通信ネットワークを配備する前に、地理的制約やトラフィックの要求条件などのいくつかのパラメータを考慮して、自社のセルラーレイアウトを慎重に計画する。配備は時間とともに変化しうる(例えば、容量を増やすために新しいセルが追加される)が、相当に静的であると考えることができる。
このことは、一方においては、事業者にとっていくつかの恩恵につながる。例えば、準静的なネットワークでは、一般にはメンテナンスが単純化され、配備ネットワークのパフォーマンスが確実に達成される。その一方で、このような静的な方法では、特に加入者の観点において柔軟性の欠けたシステムとなり、なぜなら、ユーザ側に認識されるサービス品質は事業者の計画に依存するためである。事業者は、一般的なケースを対象に(例えばピークまたは平均のトラフィック条件に従って)システムを最適化する。
しかしながら、このシステム設計は、平均外の状況(例えば、事業者のネットワークを使用している加入者の個々の状況)に対応するには柔軟性が不足していることがある。一例として、セルの中のユーザ機器(UE)において受信される信号強度は、認識されるサービス品質に相関しうる。移動通信ネットワークにおいて使用される一般的なセル半径は、数百メートルから数キロメートルのオーダーである。UEにおいて受信される信号強度は、セルによってカバーされる環境(例えば、建物や樹木)と、セルの中でのUEの位置とに依存して、多かれ少なかれ減衰する。例えば、無線信号を発している基地局に近い屋外の場所においては、受信される信号強度は100%に近い。しかしながら、屋内の場所においては、信号強度は簡単に50%以下に落ちる。
特に、減衰の大きい局所エリア(例えば、建物の中)における受信条件を向上させるため、事業者は、限られた範囲のみを有する小さいセルを配備することができる。このタイプのセルは、通常ではピコセルと称される。ピコセルを処理担当する基地局は、機能の観点からは「通常の」基地局であるが、通常の(マクロ)セルを処理担当する従来の基地局と比較して、処理パワーなどの能力が限られていることがある。列車の駅は、ピコセル配備の代表的な例と考えることができる。駅は、建物の内側、場合によっては地下に位置しているが、通常では移動通信ネットワークへのアクセスを試みる高い密度の加入者が存在する。
ピコセルを配備することによって、移動通信ネットワークのセルレイアウトをより局所的な需要に適合させるための柔軟性を高めることができる。その一方で、ピコセルの配備は、マクロセルの配備と同様に、計画と、推定または測定されるトラフィック条件とに基づくものであり、相当に静的な配備と考えることもできる。
局所的な需要が重要である別のシナリオは、加入者の自宅における状況である。過去において、家庭は、一般には1つまたは複数の携帯電話の加入に加えて、固定電話回線(固定回線)接続を保持していた。固定回線は、在宅時の連絡に使用され、移動網への加入は移動中の連絡に使用されていた。一般には、固定回線は移動通信と比較して安価である。いわゆる固定網と移動網の融合(FMC)の出現とともに、この使い分けはますます消えつつある。移動加入者は、さらなる固定回線の契約を持たずに、自宅からも移動通信ネットワークのみを使用する。
技術的に可能ではあるが、これにより需要および要求条件が移動通信ネットワークの方向に変化している。一方では、ユーザは、固定回線接続において使用されるサービスと同様のサービスを自宅において受けることを期待する(このことは、サービスの可用性からコストにいたるいくつかの側面に関連する)。その一方で、より多くのユーザが移動通信ネットワークにアクセスするようになり、より大きなネットワーク容量が要求される。
コストに関して、モバイル事業者は、加入者が自宅にいるときの特殊な料金体系の提供を、数年前からすでに開始している。これは、加入者/UEによって使用される現在のセルに基づいて異なる課金モデルを適用することによって実現している。加入者ごとに、個々の「ホームゾーン」を構成する特定のセルまたはセルセットを登録することができる。これはマクロセルに基づいているため、「ホームゾーン」の達成される粒度は相当に粗い。
しかしながら、さらに重要な側面は、移動通信ネットワークへのアクセスを同時に試みる、セルあたりのユーザの数が大幅に増大することである。実際の環境によっては、この増大をネットワークの計画によって解決することが不可能であることがある。例えば、数多くの高層マンションから構成される都市生活圏を考えると、一般的なマクロセルに膨大な数の移動加入者が含まれる。この状況では、移動加入者の多くが自宅から移動通信ネットワークへのアクセスを同時に試みると、接続性の問題が生じうる。
この問題に対処する目的で、事業者は、同じエリアをカバーする追加のマクロセルを配備して、移動通信ネットワークの全体的な容量を局所的に増大させることができる。あるいは、事業者は、同じ効果として、いくつかのピコセルの配備を考慮することができる。しかしながら、いずれのオプションにおいても、事業者は、エリアの中に位置している加入者が数人のみであるとき(このようなシナリオにおいて一般に日中はこれにあたる)、提供するセル容量の利用状況が非効率である危険性を負う。
これらを考慮すると、加入者の自宅をちょうどカバーするのに十分である限られた能力および小さいセルを提供するセルラーモバイルネットワークのための装置であって、無線ローカルエリアネットワーク技術(例えば、WLAN(無線ローカルエリアネットワーク)ホットスポット)と同様に使用することのできる装置が要求される。これは、一般にはフェムトセル基地局またはホームセル(home cell)基地局と称される。これらの装置は、個々の加入者が所有および配備して、有線または無線のバックホール接続(例えばDSL(デジタル加入者線))を介して事業者のネットワークに接続することができる。このソリューションは、個々の加入者それぞれの局所的な特定のニーズに対処するための極めて柔軟な方法を提供する。事業者はこのような配備から恩恵を受けることができ、なぜなら、(家庭の)トラフィックの負荷がマクロセルから取り除かれるためである。その一方で、加入者は、セルの可用性が確保される(例えば良好な信号強度)ことと、場合によっては有利な料金体系とによる恩恵を受けることができる。
フェムトセルの技術および関連する問題については、3GPPなどの標準化団体において活発に議論されている。中でも最も重要なトピックは、フェムトセルへのアクセス制約の問題である。上述したように、フェムトセルは、加入者によって所有され、加入者のバックホール接続を使用する。したがって、加入者がフェムトセルへのアクセスを制御あるいは制限する(例えば、所有者と、所有者の家族の他のメンバー)ことを望むことがある。このコンセプトは、一般に3GPP標準化の中ではCSG(限定加入者グループ:Closed Subscriber Group)と称される。同様に、「フェムトセル」の同義語として「CSGセル」を使用することができる。さらに、ホーム基地局は、通常、3GPPの中ではホームノードB(Home NodeB:HNB)またはホームeノードB(Home eNodeB:HeNB)と称される。
CSGセルにおけるMBMSの配備
一般的に、CSGセルにMBMSサービスを配備するときには、非SFNネットワークエリアにMBMSを配備する場合に関連して上述した問題に類似する問題として、特にセッション制御シグナリングに関する問題に遭遇する。3GPPアクセスを提供するCSGセルにおいてMBMSを配備するうえで考慮すべき別の潜在的な問題は、セキュリティである。ホームノードBは、一般に、3GPP移動通信システムのネットワーク事業者によって制御されず、したがって、ホームノードBから3GPPコアネットワークへのアクセスを制御するべきである。
別の問題は、CSGセルの中に位置しているユーザにマルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスを配信するためのリソース利用が非効率なことである。同時に、CSGセルの場合、マクロセルにおいて提供されているMBMSサービスの実際のサービスエリアの外側に位置しているCSGセルにユーザが移動する場合にも、サービスの連続性を確保するべきである。
上記の問題に鑑み、本発明の目的は、移動通信ネットワークの中でマルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのセッション制御シグナリングを配信するためのメカニズムであって、シグナリング接続の数が低減するメカニズムを提案することである。別の目的は、このメカニズムを、フェムトセルにおいてマルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスを提供するときにも使用できるように、設計することである。本発明のさらなる目的は、ホームノードB(すなわち、事業者によって制御される基地局とは異なる、ユーザによって制御される基地局)を許可する、もしくは、フェムトセルの中でマルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスを配信するための適切なトランスポートメカニズムを選択する、またはその両方を目的とする、許可方式もしくはトランスポート方式、またはその両方による選択メカニズムを提案することである。
これらの目的の少なくとも1つは、独立請求項の主題によって解決される。本発明の有利な実施形態は、従属請求項の主題である。
本発明の一態様は、最初の段階での移動通信ネットワーク全体またはサービスエリア全体におけるセッション制御シグナリングの配信を回避することである。サービスに関連する制御シグナリング接続をセッションの開始時(例えば、eBM−SCがセッション開始メッセージを送信する)に提供するのではなく、サービスを要求する移動端末のサービス要求に応えて、制御シグナリング接続を確立する。さらなる一態様によると、移動端末は、移動端末において利用可能なサービスアナウンスメントに基づいてサービス要求を送信し、すなわち、従来の実施形態とは異なり、移動端末は、セルの中でサービスが利用可能であることに関するアクセスネットワークからの通知を待機しない。
さらには、本発明の別の態様は、セッション制御シグナリングを移動管理エンティティを介して配信することであり、これにより、階層的に上位のネットワークエンティティ(例えば、サービスプロバイダ(例:eBM−SC)を備えているサービスネットワークへのE−MBMSゲートウェイ)によって終端しなければならないセッション制御シグナリング接続の数を低減することができる。サービスエリア全体のうちの特定のサブエリアにおいて、そのサブエリアの中のユーザの数には関係なくマルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスを提供する必要があり得ることを考慮すると、サービスエリアのうち絶え間なくサービス提供する必要のない部分へのセッション制御シグナリング接続を、1つまたは複数の移動管理エンティティを介して中継し、その一方で、サービスを絶え間なく提供するべきネットワーク部分へのセッション制御シグナリング接続を中継しないことを、オプションとして予測することができる。したがって、さまざまなネットワーク部分/トラッキングエリアにおけるサービスの望ましい可用性に応じて、シングルセル送信またはマルチセル送信を使用することができる。
フェムトセルにおけるマルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスの配備を考えるとき、本発明の別の態様は、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスをホーム基地局(すなわち、ネットワーク事業者によって制御されない基地局、例えば、3GPP LTEにおけるホームノードB)に配信するために使用される配信メカニズムを、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのサービスエリアに対するホーム基地局の位置に応じて決定する。配信メカニズムを決定するため、サービスを要求する移動端末のサービス要求に応えて、マクロセルに対するホーム基地局の位置もしくは移動端末の(すなわちユーザの)位置、またはその両方に関する情報を、決定を行うコアネットワークエンティティに提供することができる。正しい配信メカニズムを選択することによって、ホーム基地局によって制御されるフェムトセルのカバレッジエリアの外側に移動端末が移動する場合に、移動端末におけるサービスの連続性を確保することができる。
別の態様によると、ホーム基地局を許可するための許可メカニズムを提供する。この許可メカニズムは、配信メカニズムの決定の一部とすることができる。さらに、許可メカニズムは、ホーム基地局、またはホーム基地局のフェムトセルにアタッチしている移動ノードの前述した位置情報に基づくこともできる。したがって、この位置情報を使用して、ホーム基地局がマルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのサービスエリアの中に位置しているか否かと、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスをマルチキャストまたはブロードキャストを介してホーム基地局に提供するか否かを、決定することができる。
一例においては、移動端末の移動時のセッションの連続性を確保するため、ホーム基地局がサービスエリアの外側に位置している場合には、ブロードキャストサービスデータまたはマルチキャストサービスデータをホーム基地局に提供するために専用のベアラを使用する。ホーム基地局がサービスエリアの内側に位置している場合には、サービスをマルチキャストまたはブロードキャストを介してホーム基地局に配信することを予測することができる。
上記のこれらの態様によると、本発明の一実施形態は、移動通信ネットワークの中でマルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのセッション制御の制御シグナリングを配信する方法を提供する。基地局は、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのサービス要求を移動端末から受信する。これによって、基地局は、移動通信ネットワークのトラッキングエリア(または本文書において同義語として使用されるプールエリア)に関連付けられる。このサービス要求をトリガーとして、サービス要求を受信した基地局を含むトラッキングエリアの少なくとも1つの基地局に、セッション制御の制御シグナリング(セッション制御シグナリング)を配信する。さらには、本発明のさらなる実施形態によると、移動端末は、自身から利用可能であるマルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのセッションアナウンスメントに基づいてサービス要求を送信する。
一例においては、セッション制御のための制御情報の配信は、サービス要求を受信した基地局から移動通信システムのコアネットワークの中の移動管理エンティティにサービス要求を送信することによって、トリガーされる。基地局からのこのサービス要求に応えて、移動管理エンティティは、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスの提供源が位置しているサービスネットワークに移動通信システムのコアネットワークを接続しているゲートウェイに、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスを登録する。このゲートウェイは、例えば、前述したMBMSゲートウェイとすることができる。ゲートウェイは、例えば、サービスを登録した移動管理エンティティを追跡するため、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスを自身に登録している移動管理エンティティのリストを維持することができる。
登録が正常に行われ、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスがすでに開始されていれば、ゲートウェイは、セッション制御の制御シグナリングを、移動端末からのサービス要求を受信した少なくとも1つの基地局に、登録されている移動管理エンティティを介して送信する。オプションとして、別の実施形態においては、移動端末からのサービス要求を受信した基地局が属しているトラッキングエリアの中のすべての基地局、または、移動端末が登録されているトラッキングエリアのすべての基地局に、セッション制御シグナリングを提供する。したがって、本発明の別の実施形態においては、サービス要求は、移動端末が登録されている少なくとも1つのトラッキングエリアを示しており、基地局によって送信されるサービス要求は、少なくとも1つのトラッキングエリアを移動管理エンティティに示す。
すでに上述したように、移動通信ネットワークは、ユーザの要求またはユーザの存在には関係なくマルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスが提供される1つまたは複数のトラッキングエリアを含むことができる。したがって、本発明の別の実施形態においては、セッション制御の制御シグナリングが、これらの1つまたは複数のトラッキングエリアの中のすべての基地局に配信される。オプションとして、例えば、すでに概説したようにマルチセル送信を利用することによって、これらの1つまたは複数のトラッキングエリアの中でSFN送信を実現することを予測することができ、これは有利である。
移動通信システムのコアネットワークを、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスの提供源が位置しているサービスネットワークに接続しているゲートウェイは、例えば、ユーザの要求またはユーザの存在には関係なくマルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスが提供される1つまたは複数のトラッキングエリアの中の各基地局に、セッション制御の制御シグナリングをアドレッシングすることができ、すなわち、ゲートウェイは、(中間のネットワークエンティティを介してセッション制御シグナリングを中継する代わりに)基地局との個々のセッション制御シグナリング接続を利用することができる。
マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのセッション制御の制御シグナリングは、(特に)例えばセッション開始メッセージを備えていることができる。本発明のさらなる一実施形態においては、移動端末からのセッション開始メッセージを受信した基地局は、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのマルチキャスト配信ツリーに参加するため、コアネットワークのアップストリームルータに参加メッセージを送信することができる。この参加メッセージは、基地局が、例えば、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのセッション開始メッセージの受信に応えて送信することができる。
基地局は、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのセッション開始メッセージを受信することに加えて、例えばこの受信に応えて、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスを提供するために使用されるダウンリンク上の無線リソースを示す通知を、自身のサービスエリア(すなわち(1つ以上の)無線セル)の中のサービスの潜在的な受信者に、自身の無線セルの中でマルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスに関連する制御チャネル上で送信することができる。
移動端末は、サービス要求を、それぞれの対応するサービスアナウンスメントに基づいて送信することができるため、まだ開始されていないサービス(すなわち、セッション開始がまだ実行されていないサービス)に対するサービス要求が送信されることが起こりうる。まだ開始されていないサービスを移動管理エンティティが登録しようとすると、ゲートウェイは、この登録に対して、移動管理エンティティによって登録が送信された対象のマルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスがまだ開始されていないことを示すメッセージによって応答することができる。さらに、移動管理エンティティは、受信したサービス要求の送信元である基地局に、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスがまだ開始されていないことを知らせることができる。あるいは、前述した場合におけるように、移動管理エンティティは、受信したサービス要求の送信元である基地局が属しているトラッキングエリアの中のすべての基地局、または、移動端末が登録されているすべてのトラッキングエリアの中のすべての基地局に、知らせることもできる。
サービスがまだ開始されていないというこの指示情報を受信した各基地局は、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスがまだ開始されていないことを示す通知を、例えば自身のサービスエリア((1つ以上の)無線セル)の中で送信することができる。これによって、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスを希望する移動端末が、サービス登録を送ってしまうことを防ぐことができる(これらの移動端末において利用可能であるそれぞれのサービスアナウンスメントは、これらの移動端末の現在のトラッキングエリアにおいてサービスが利用可能であることを示している)。(1つ以上の)基地局によるこの通知は例えば、所定の時間期間の間のみ提供することができる。
さらなる例示的な一実施形態においては、通知は、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスに関連するブロードキャスト制御チャネル(例えば、E−UTRANにおけるMCCH)上で送信される。
別の実施形態によると、サービス要求は、識別子(例えば、サービスのTMGIやIPマルチキャストアドレス)によって、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスを識別する。サービス要求は、このサービス識別子に加えて、例えば、移動端末が登録されている少なくとも1つのトラッキングエリアの指示情報(例えば、それぞれのトラッキングエリア識別子(TAI)による)を備えていることができる。
さらに、サービス要求は、オプションとして、要求を送信するエンティティ(すなわち、移動端末または基地局)を識別していることもできる。サービス要求にトラッキングエリアが示されていない場合、セッション制御シグナリングをトラッキングエリアの中で適切に配信できるように、この情報を使用して例えばトラッキングエリアを解決することができる。
上述したように、本発明の一態様によると、移動通信システムは、ホーム基地局によって制御されるフェムトセルを含む。したがって、基地局は、移動端末が現在またはすでにアタッチしているフェムトセルを制御するホーム基地局とすることができる。さらには、例示的な一実施形態においては、フェムトセルのカバレッジエリアに移動する前に、ブロードキャストサービスまたはマルチキャストサービスがフェムトセルの外側でマクロセルレベルにおいて移動端末に提供されていることがある。したがって、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのセッションアナウンスメントを、移動通信システムのマクロセルを介しての受信によって移動端末から利用できるようにすることができる。
さらなる例示的な実施形態においては、サービス要求を受信したホーム基地局は、移動通信システムのコアネットワークの中のプロキシゲートウェイにサービス登録要求を送信する。このプロキシゲートウェイは、移動通信システムのコアネットワークの中のネットワーク要素に許可要求メッセージを送信する。許可要求が送信される先のネットワーク要素は、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスの配信メカニズムを決定する役割を担う。一例においては、プロキシゲートウェイがマルチキャストホームeノードBゲートウェイ(MH−GW)であり、ネットワーク要素がBM−SCである。プロキシゲートウェイは、ホーム基地局へのマルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスの配信メカニズムを示す許可応答メッセージを受信し、示された配信メカニズムは、マルチキャストサービスデータまたはブロードキャストサービスデータをホーム基地局に提供するために使用される。
この実施形態のバリエーションにおいては、許可応答メッセージは、マルチキャストサービスデータまたはブロードキャストサービスデータをプロキシゲートウェイからホーム基地局に提供するために使用される共有ベアラサービスを示しており、プロキシゲートウェイは、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのマルチキャストグループに参加する。さらには、プロキシゲートウェイは、ホーム基地局へのセッション制御シグナリングの提供を開始する。
本発明の別の実施形態は、移動通信ネットワークにおいて使用するための基地局に関する。基地局は、移動通信ネットワークのトラッキングエリアに関連付けられており、通信ネットワークの中でマルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスが提供される。基地局は、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのサービス要求を移動端末から受信する受信器と、基地局と、オプションとしてトラッキングエリアのさらなる基地局とへの、セッション制御の制御シグナリングの配信、をトリガーするサービス要求を、移動端末のサービス要求に応えて送信する送信器と、を備えている。
さらには、別の例においては、送信器は、サービス要求を移動通信システムのコアネットワークの中の移動管理エンティティに送信する。さらに、受信器は、移動管理エンティティからのセッション制御の制御シグナリングを受信することができる。
一実施形態においては、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのセッション制御の制御シグナリングは、セッション開始メッセージを備えており、基地局の送信器は、セッション開始メッセージの受信に応えて、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのマルチキャスト配信ツリーに参加するため、コアネットワークのアップストリームルータに参加メッセージを送信する。さらに、基地局の送信器は、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスを提供するために使用されるダウンリンク上の無線リソースを示す通知を、自身の無線セルの中でマルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスに関連する制御チャネル上でサービスの潜在的な受信者に送信することができる。
別の例示的な実施形態においては、基地局は、サービス要求に応えて、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスがまだ開始されていないことの指示情報を受信する。基地局の送信器は、この指示情報に応えて、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスがまだ開始されていないことを示す通知を、自身の無線セルの中で送信することができる。
本発明の別の実施形態は、移動通信ネットワークの中で使用するための移動端末を提供する。移動端末は、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのサービス要求を基地局に送信する送信器、を備えている。移動端末は、移動端末において利用可能である、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのセッションアナウンスメントであって、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスが利用可能であることをアナウンスしている、セッションアナウンスメント、に基づいて、サービス要求を送信する。
本発明のさらなる実施形態においては、移動端末は、移動端末の受信器によって受信される通知が、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスがまだ開始されていないことを示している場合、サービス要求を送信しない。
さらには、本発明のさらなる実施形態によると、移動通信システムは、本文書に記載されているさまざまな実施形態のうちの1つによる基地局もしくは移動端末、またはその両方を備えている。
通信システムは、基地局を処理担当する移動管理エンティティと、移動通信システムのコアネットワークを、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスの提供源が位置しているサービスネットワークに接続するゲートウェイと、をさらに備えていることができ、このシステムは、移動通信ネットワークの中でマルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのセッション制御の制御シグナリングを配信するための、本文書に記載されているさまざまな実施形態の1つによる方法のステップ群、を実行する。
本発明は、別の実施形態によると、命令を格納しているコンピュータ可読媒体であって、命令が基地局のプロセッサによって実行されたとき、それに起因して、移動通信ネットワークのトラッキングエリアに関連付けられている基地局が、移動通信ネットワークにおいて提供されるマルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのサービス要求を移動端末から受信し、基地局と、オプションとしてトラッキングエリアのさらなる基地局とへの、セッション制御の制御シグナリングの配信、をトリガーするサービス要求を、移動端末のサービス要求に応えて送信する、コンピュータ可読媒体、も提供する。
本発明のさらなる実施形態は、命令を格納しているコンピュータ可読媒体であって、命令が移動端末のプロセッサによって実行されたとき、それに起因して、移動端末が、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのサービス要求を基地局に送信し、命令に起因して、移動端末が、移動端末において利用可能である、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのセッションアナウンスメントであって、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスが利用可能であることをアナウンスしている、セッションアナウンスメント、に基づいて、サービス要求を送信する、コンピュータ可読媒体、に関する。このコンピュータ可読媒体は、オプションとして、さらなる命令として、移動端末のプロセッサによって実行されたとき、移動端末によって受信される通知が、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスがまだ開始されていないことを示している場合、移動端末がサービス要求を送信することを禁止する、命令、を格納していることができる。
上述したように、本発明の別の態様によると、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスをホーム基地局に配信するために使用される配信メカニズムは、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのサービスエリアに対するホーム基地局の位置に応じて決定される。
したがって、本発明の別の実施形態は、移動通信システムの中のフェムトセルを制御するホーム基地局への、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスの配信メカニズムを決定する方法、を提供する。移動通信システムのコアネットワークの中のネットワーク要素であって、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスの配信メカニズムを決定する役割を担うネットワーク要素は、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのサービス識別子と、位置情報とを受信する。ホーム基地局が移動通信システムの中のマルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのサービスエリアの中に位置しているかを、受信された位置情報およびサービス識別子に基づいて、さらに判定する。この判定は、例えば、ネットワーク要素が単独で、または移動通信システムのさらなるネットワーク要素と協働して、実行することができる。マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのサービスデータをホーム基地局に提供するための配信メカニズムとして、共有ベアラサービスまたは専用ベアラサービスを、判定結果に基づいて選択する。
この実施形態のバリエーションにおいては、ホーム基地局がサービスエリアの中に位置している場合、マルチキャストサービスデータまたはブロードキャストサービスデータを移動通信システムのコアネットワークの中のプロキシゲートウェイからホーム基地局に提供するために共有ベアラサービスが使用され、その一方で、ホーム基地局がサービスエリアの外側に位置している場合、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのサービスデータをホーム基地局に提供するために専用ベアラサービスが使用される。専用ベアラサービスという用語は、移動端末のために確立される専用ベアラを介して移動端末にマルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスが提供されることを示すものとし、その一方で、配信に共有ベアラサービスを使用する場合には、マルチキャストサービスデータまたはブロードキャストサービスデータをホーム基地局に送信するための1つのベアラを想定する(すなわち、マルチキャストサービスデータまたはブロードキャストサービスデータの1つのコピーがホーム基地局に向けて配信される)。
例示的な一実施形態においては、位置情報は、ホーム基地局の位置に関する情報、もしくは、マクロセルレベルにおける移動端末の位置に関する情報、またはその両方である。
本発明のさらなる例示的な実施形態においては、移動端末によるマルチキャストサービスのサービス要求に応えて、コアネットワークの中のネットワーク要素において、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのサービス識別子と、位置情報とが受信される。バリエーションにおいては、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのサービス識別子と、位置情報は、プロキシゲートウェイまたは移動端末からコアネットワークの中のネットワーク要素において受信される。さらには、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのサービス識別子と、位置情報とが移動端末によって送信される場合、ホーム基地局は、サービス要求がホーム基地局において受信されることに応えて、位置情報を移動端末に送信することができる。
別の例示的な実施形態においては、サービスを共有ベアラによってホーム基地局に配信することが、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのサービス設定において許可されるかを、コアネットワークの中のネットワーク要素がチェックすることができる。この許可では、フェムトセルのホーム基地局がサービスエリアの中であるか否かのチェックを単純に実行することができる。しかしながら、これに代えて、またはこれに加えて、この許可では、そもそもサービスをフェムトセルに提供することの許可をチェックすることができる(例えば、サービスによってはマクロセルレベルにおいてのみ提供することができる、ホーム基地局がマルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスをマルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスの配信ツリーの一部として配信することが禁止される)。ホーム基地局が許可されない場合、たとえホーム基地局がマルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのサービスエリアの中に位置していても、専用ベアラサービスを使用してマルチキャストサービスデータまたはブロードキャストサービスデータをホーム基地局に配信することができる。
さらなる実施形態においては、ホーム基地局は、コアネットワークのセキュリティゲートウェイへのセキュアなトンネル(secure tunnel)を介して、移動通信システムのコアネットワークに接続される。コアネットワークとホーム基地局との間で交換されるデータは、ホーム基地局とセキュリティゲートウェイとの間のセキュアなトンネルを通じてトンネル化される。
一例においては、マルチキャストサービスデータまたはブロードキャストサービスデータは、共有ベアラサービスを使用してホーム基地局に提供される。この例においては、移動通信システムのコアネットワークまたはアクセスネットワークの中に位置しているプロキシゲートウェイが、マルチキャストサービスデータまたはブロードキャストサービスデータのマルチキャストに参加することができる。したがって、この例においては、プロキシゲートウェイが、ホーム基地局に代行して、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのグループに参加し、マルチキャストサービスデータまたはブロードキャストサービスデータがプロキシゲートウェイからホーム基地局に転送される。
別の実施形態においては、位置情報は、マクロセルレベルにおける移動端末の位置に関する情報である。したがって、マクロセルレベルの情報からホーム基地局の位置を解決する必要がある。したがって、ホーム基地局がマルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのサービスエリアの中に位置しているかを判定するとき、移動端末が位置しているサービスエリアの最初の1つまたは複数のサービスエリア識別子を、移動端末の位置に基づいて識別することができる。次に、それら1つまたは複数のサービスエリア識別子のうちの1つが、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのサービスエリアのサービスエリア識別子であるかを判定することができる。サービスエリアのサービスエリア識別子である場合、ホーム基地局は、サービスエリアの中に位置しているものとみなされる。
さらなる実施形態においては、移動通信システムは、ホーム基地局によって制御されるフェムトセルと、少なくとも1つの基地局によって制御されるマクロセルとを備えており、ホーム基地局と、マクロセルを制御する少なくとも1つの基地局は、同じアクセス技術を使用する。
本発明の別の実施形態は、移動通信システムであって、ホーム基地局と、移動端末と、ホーム基地局へのマルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスの配信メカニズムを決定する役割を担う、コアネットワークの中のネットワークエンティティと、を備えており、ホーム基地局と、移動端末と、ネットワークエンティティとが、本文書に概説されている本発明のさまざまな実施形態の1つによる方法を実行するように構成されている、移動通信システム、を提供する。
本発明のさらなる実施形態は、移動通信システムにおいて使用するためのプロキシゲートウェイであって、マルチキャストプロキシ機能をホーム基地局に提供するプロキシゲートウェイ、に関する。このプロキシゲートウェイは、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのサービス識別子と、位置情報とを備えている許可要求メッセージを、移動通信システムのコアネットワークの中のネットワーク要素に送信する送信器ユニット、を備えている。前述したように、ネットワーク要素は、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスの配信メカニズムを決定する役割を担う。プロキシゲートウェイは、許可要求メッセージに対する許可応答メッセージを受信する受信器ユニット、をさらに含み、許可応答メッセージは、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのサービスデータをホーム基地局に提供するために共有ベアラサービスが使用されるのか専用ベアラサービスが使用されるのかを示している。共有ベアラサービスが使用される場合、プロキシゲートウェイは、サービスデータのマルチキャストを受信するためマルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのマルチキャストグループに参加し、ホーム基地局に関連するセッション制御シグナリングを転送する。
本発明のさらなる実施形態によるプロキシゲートウェイは、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのサービスデータを受信してホーム基地局に転送することができる。
さらなる例示的な一実施形態においては、プロキシゲートウェイは、移動端末によるマルチキャストサービスのサービス要求に応えて、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのサービス識別子と位置情報とを、コアネットワークの中のネットワーク要素に送信する。例えば、移動端末からのサービス要求をトリガーとして、ホーム基地局がプロキシゲートウェイに許可を要求し、さらにこの要求をトリガーとして、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのサービス識別子と、位置情報とを、コアネットワークの中のネットワーク要素に送信する。
本発明の別の実施形態においては、プロキシゲートウェイの受信器ユニットは、移動端末からのサービス要求がホーム基地局において受信される、またはホーム基地局の電源が入ることに応えて、ホーム基地局からの位置情報を受信する。
本発明のさらなる実施形態は、移動通信システムにおいて使用するためのホーム基地局を提供する。このホーム基地局は、送信器ユニットを備えており、この送信器ユニットは、移動通信システムのコアネットワークの中のプロキシゲートウェイに位置情報を送信し、さらに、ホーム基地局のフェムトセルにアタッチしている移動端末からの対応する要求に応えて、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのサービス登録要求メッセージをプロキシゲートウェイに送信する。ホーム基地局は、サービス登録要求メッセージに対する応答を受信する受信器ユニットをさらに備えている。応答メッセージは、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスが、移動端末とマルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスの提供源との間の専用サービスを介して移動端末に提供されるのか、あるいは、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのサービスデータを、フェムトセルの中でさらに配信されるようにホーム基地局に配信するため、共有ベアラサービスが使用されるのか、を示している。
本発明の別の実施形態においては、ホーム基地局は、プロキシゲートウェイから要求されたとき、またはホーム基地局が移動通信システムに接続されるとき、またはサービス登録要求メッセージの一部として、位置情報をプロキシゲートウェイに送信する。
サービス登録要求メッセージに対する応答が、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのサービスデータを、フェムトセルの中でさらに配信されるようにホーム基地局に配信するため、共有ベアラサービスが使用されることを示している場合、ホーム基地局は、ホーム基地局によって制御されるフェムトセルの中で、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのサービス通知をさらにブロードキャストする。
別の実施形態によると、サービス登録要求メッセージに対する応答が、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスが移動端末とマルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスの提供源との間の専用サービスを介して提供されること、を示している場合、ホーム基地局は、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスの、移動端末のサービス要求を、拒否することができる。
本発明の別の実施形態は、ホーム基地局にアタッチしている移動端末に関する。一実施形態によると、移動端末は、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのサービス要求メッセージを送信するためと、マクロセルレベルにおける移動端末の位置に関する位置情報を、フェムトセルを制御しているホーム基地局に送信するための送信器ユニットと、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのサービスデータを受信する受信器ユニットと、を備えている。移動端末の受信器ユニットは、サービス要求メッセージに応えてホーム基地局によってフェムトセルの中でブロードキャストされるサービス通知に示されているサービスの設定に従って、サービスデータを受信する、または、サービス要求メッセージに応えてホーム基地局からサービス要求の拒否が受信される場合、移動端末とマルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスの提供源との間の専用ベアラサービスを使用して、サービスデータを受信する。
本発明のさらなる実施形態においては、移動端末は、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのサービス要求メッセージを、フェムトセルを制御しているホーム基地局に送信する送信器ユニットと、サービス要求メッセージに応えて、移動端末がホーム基地局を許可するためのトリガーである許可要求メッセージをホーム基地局から受信する受信器ユニットと、を備えている。さらには、移動端末は、許可要求メッセージを、移動通信システムのコアネットワークのネットワーク要素に送信することができる。送信される許可要求メッセージは、ホーム基地局が、要求されるマルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのサービスエリアの中に位置しているかを、コアネットワークのネットワーク要素が判定することを可能にする位置情報と、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのサービス識別子と、を備えている。さらに、移動端末は、許可要求メッセージに対する応答メッセージを受信することができ、この応答メッセージは、ホーム基地局が要求されたマルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスを配信することを許可されるのか、または、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスの提供源における専用ベアラサービスを介しての配信を移動端末が要求するべきであるのか、を示している。
本発明の別の実施形態においては、移動端末の受信器ユニットは、許可要求メッセージに対する応答メッセージに応じて、サービス要求メッセージに応えてホーム基地局によってフェムトセルの中でブロードキャストされるサービス通知に示されているサービスの設定に従って、サービスデータを受信する、または、サービス要求メッセージに対する応答においてサービス要求の拒否がホーム基地局から受信される場合、移動端末とマルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスの提供源との間の専用ベアラサービスを使用して、サービスデータを受信する。
本発明の別の実施形態は、命令を格納しているコンピュータ可読媒体であって、命令がプロキシゲートウェイのプロセッサによって実行されたとき、それに起因して、プロキシゲートウェイがマルチキャストプロキシ機能をホーム基地局に提供する、コンピュータ可読媒体、に関する。命令に起因して、プロキシゲートウェイは、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのサービス識別子と、位置情報とを備えている許可要求メッセージを、移動通信システムのコアネットワークの中のネットワーク要素であって、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスの配信メカニズムを決定する役割を担っている、ネットワーク要素、に送信し、許可要求メッセージに対する許可応答メッセージを受信し、この許可応答メッセージは、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのサービスデータをホーム基地局に提供するために共有ベアラサービスが使用されるのか専用ベアラサービスが使用されるのかを示している。さらに、命令に起因して、共有ベアラサービスが使用される場合、プロキシゲートウェイは、サービスデータのマルチキャストを受信するためマルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのマルチキャストグループに参加し、ホーム基地局に関連するセッション制御シグナリングを転送する。
さらなる実施形態においては、本発明は、命令を格納しているコンピュータ可読媒体であって、命令がホーム基地局のプロセッサによって実行されたとき、それに起因して、ホーム基地局が、移動通信システムのコアネットワークの中のプロキシゲートウェイに位置情報を送信し、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのサービス登録要求メッセージを、ホーム基地局のフェムトセルにアタッチしている移動端末からの対応する要求に応えて、プロキシゲートウェイに送信し、サービス登録要求メッセージに対する応答を受信し、応答メッセージが、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスが、移動端末とマルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスの提供源との間の専用サービスを介して移動端末に提供されるのか、または、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのサービスデータを、フェムトセルの中でさらに配信されるようにホーム基地局に配信するため、共有ベアラサービスが使用されるのか、を示している、コンピュータ可読媒体、を提供する。
本発明の別の実施形態によるさらなるコンピュータ可読媒体は、命令を格納しており、この命令が移動端末のプロセッサによって実行されたとき、それに起因して、移動端末は、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのサービス要求メッセージを送信し、マクロセルレベルにおける移動端末の位置に関する位置情報を、フェムトセルを制御しているホーム基地局に送信し、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのサービス通知を受信し、サービス要求メッセージに応えてホーム基地局によってフェムトセルの中でブロードキャストされるサービス通知に示されているサービスの設定に従って、サービスデータを受信する、または、サービス要求メッセージに応えてホーム基地局からサービス要求の拒否が受信される場合、移動端末とマルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスの提供源との間の専用ベアラサービスを使用して、サービスデータを受信する。
あるいは、別の実施形態においては、コンピュータ可読媒体は命令を格納しており、命令が移動端末のプロセッサによって実行されたとき、それに起因して、移動端末は、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのサービス要求メッセージを、フェムトセルを制御しているホーム基地局に送信し、サービス要求メッセージに応えて、移動端末がホーム基地局を許可するためのトリガーである許可要求メッセージを、ホーム基地局から受信し、許可要求メッセージを移動通信システムのコアネットワークのネットワーク要素に送信し、許可要求メッセージは、ホーム基地局が、要求されるマルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのサービスエリアの中に位置しているかを、コアネットワークのネットワーク要素が判定することを可能にする位置情報と、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのサービス識別子と、を備えている。さらに、命令に起因して、移動端末は、許可要求メッセージに対する応答メッセージを受信し、この応答メッセージは、ホーム基地局が要求されたマルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスを配信することを許可されるのか、または、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスの提供源における専用ベアラサービスを介しての配信を移動端末が要求するべきであるのか、を示している。
以下では、本発明について、添付の図面を参照しながらさらに詳しく説明する。図面における類似または対応する細部は、同じ参照数字を使用して表してある。
以下の段落では、本発明のさまざまな実施形態について説明する。例示のみを目的として、ほとんどの実施形態は、上の背景技術において説明したSAE/LTEに従っての(E−)UMTS通信システムに関連して概説してある。なお、本発明は、例えば、SAE/LTE通信システムなどの移動通信システムに関連して有利に使用できるが、本発明は、この特定の例示的な通信ネットワークにおける使用に限定されない。
上の背景技術に示した説明は、本明細書に記載した主としてSAE/LTEに関連する特定の例示的な実施形態を深く理解することを目的としており、移動通信ネットワークにおけるプロセスおよび機能の、説明した特定の実施形態に本発明を制限するものではないことを理解されたい。しかしながら、本文書において提案する改良は、背景技術に説明したアーキテクチャ/システムにおいて容易に適用することができ、本発明のいくつかの実施形態においては、これらのアーキテクチャ/システムの標準的な手順および改良された手順を利用することもできる。
上述したように、本発明の主たる一態様は、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスをユーザが要求した時点で、移動通信ネットワークの一般的な有線ネットワーク(例えば、RANおよびCN)(の少なくとも一部)の中で、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのためのセッション制御シグナリングを確立することである。したがって、無線セルの中でMBMSサービスが利用可能であることが通知されている場合にのみ移動端末がMBMSサービスを要求するという、従来のMBMSアーキテクチャおよびE−MBMSアーキテクチャにおける基本構造から脱することができ、移動端末は、移動端末において利用できるサービスアナウンスメント情報に基づいて、特定のマルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのサービス要求を自身の現在の基地局に送信し、これによって、自身がサービスを希望することをネットワークに通知することができる。受信側の基地局は、この要求メッセージに応えてネットワークをトリガーし、ネットワークは、要求メッセージを受信した基地局、もしくは、無線アクセスネットワークの1つまたは複数の論理的部分(いわゆるトラッキングエリア)であって、サービス要求を送った移動端末が登録されている、またはサービス要求を受信した基地局が属している、論理的部分に、セッション制御シグナリングを提供する。
セッション制御シグナリングの提供は、例えば、基地局が、自身に関連付けられている移動管理エンティティをトリガーして、これにより移動管理エンティティが、移動通信ネットワークと、要求されるマルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスの提供源が位置しているサービスネットワークとを相互接続する役割を担うゲートウェイにマルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスを登録することによって、達成することができる。マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスの提供源(例えば、eBM−SC)がサービスの開始をすでに示しているときには、ゲートウェイ(例えば、E−MBMS GW)が、そのサービスを登録している移動管理エンティティにセッション開始メッセージを配信する。移動管理エンティティは、このセッション開始メッセージを基地局にさらに配信する。移動管理エンティティは、例えば、自身がトリガーを最初に受信した送信元の基地局にセッション開始メッセージを配信することができるが、別のオプションとして、基地局に関連付けられるトラッキングエリア(TA)に基づいて配信する、または移動管理エンティティのプールエリアの中に含まれている基地局に配信することも可能である。さらには、ゲートウェイは、マルチキャストサービスデータまたはブロードキャストサービスデータを配信するためにコアネットワークおよび無線アクセスネットワークの中で利用されるマルチキャストアドレス(例えば、マルチキャストIPアドレス)を、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスに割り当てる役割を担うことができる。
要求されるシグナリング接続の終端に関して、ゲートウェイは、登録されている移動管理エンティティのみをインタフェースし、その一方で、移動管理エンティティは、最初にトリガーを送ったサービスエリアの基地局、または最初にトリガーを送った基地局と同じトラッキングエリアまたはプールエリアに含まれている基地局のみをインタフェースする。したがって、サービスエリアの中の基地局に向けて要求されるシグナリング接続の数を、いくつかのノードに分散させることができる。
以下では、本発明のいくつかの例示的な実施形態について、移動通信システムの例示的な実施形態としてのE−UTRANと、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスの例としての(E−)MBMSサービスとに関連して、説明する。用語「ユーザ機器(UE)」および「移動端末」と、用語「eノードB」および「基地局」は、それぞれ、本文書においては同義語として使用している。
サービスエリア(以下の実施形態においてはMBMSサービスエリアとも称する)は、一般に、特定の地理的領域にわたる一連のeノードBから構成されている。例えば、MBMSサービスエリアは、モバイル事業者のPLMN全体にわたることがある。事業者は、MBSFNエリアにおいてSFN無線送信を利用することによる恩恵を受ける目的で、予測されるユーザの分布に応じて1つまたは複数のMBSFNエリアを構成設定することができる。このことは、都市の中心などユーザの分布密度が高いエリアに特に関係しており、なぜなら、このようなエリアにはサービスを希望するユーザがつねに存在しており、したがって、このようなエリアではMBMSサービスを配信することが必ず要求されるものと想定できるためである。したがって、本明細書における本発明のすべての実施形態において、オプションとして、サービスエリアの特定の部分については、ユーザの要求またはユーザの存在には関係なく(例えば、SFN送信を提供することによって)マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスを提供するように構成設定することが可能である。
この場合には一般的に、eノードBは、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスを配信するためには、サービスを配信するための必要なパラメータを取得する目的で、セッション制御シグナリングを受信する必要があるものと想定することができる。したがって、これらのパラメータをセッション開始メッセージによってeノードBに知らせることができ、セッション開始メッセージは、例えば、サービスデータを配信するために移動通信ネットワークの有線部分において使用されるマルチキャスト(IP)アドレスと、各サービスを識別するためにネットワークにおいて使用されるサービス識別子(例:TMGI)とを、eノードBに知らせることができる。
MBSFNエリアにおいては、いずれかのユーザからの能動的なサービス要求には関係なく、MBSFNエリアに含まれているeノードBにセッション開始メッセージをつねに提供することを想定することができる。MBSFNエリアに含まれているeノードBはセッション開始メッセージを受信し、これにより、これらのeノードBは、コアネットワークとeノードBとの間でのネットワークにおけるサービスの配信(例えば、サービスに割り当てられているIPマルチキャストアドレスを使用する配信)に参加し、セルへの自身の無線インタフェース上で(例えば、MTCH上で)サービスを提供することができる。さらには、これらのeノードBは、利用可能なサービスの通知を、セルへの自身の無線インタフェース上で(例えばMCCH上で)提供することもできる。そのようなセルの中に位置しているUE、またはそのようなセルに移動するUEは、例えばMCCH上で通知情報を読み取った後、例えばMTCH上でMBMSサービスの無線送信を受信することができる。
図3は、移動端末がマルチキャストサービスまたはブロードキャストサービス(MBMSサービス)を要求し、そのサービスのセッション制御シグナリングの配信をトリガーするための、本発明の実施形態による例示的なシグナリングフローを示している。MBMSサービスエリアは、上述したMBSFNエリアとは異なり、ユーザ密度が相当に低いエリア(例えば、田舎エリア)も含むことがある。モバイル事業者のネットワークの配備状況と、MBMSサービスエリアの構成設定とによっては、これらの非MBSFNエリアが、MBMSサービスエリアのうちの大きい方の部分を形成しており、場合によっては多数のeノードBを含むことがある。セルあたり少なくとも1人のサービスを希望するユーザが存在することを想定することはできないため、MBSFNエリアの外側の各eノードBにセッション開始メッセージを配信することは、多数の不必要なシグナリングにつながることがある。したがって、このようなエリアにおいては、初期設定として、ユーザからの能動的なサービス要求がなければセッション開始メッセージを配信しないものと想定する。
UEは、例えば、以前にサービスに加入していた、あるいは希望するサービスをアドバタイズするサービスアナウンスメントを受信したなどの理由により、希望するサービスを認識している。UEは、この情報を有することにより、たとえ現在のセルにおいて通知がブロードキャストされなくても、そのサービスがネットワークの中で一般的に利用可能であるものと推測することができ、したがって、これらのサービスの受信を試みることができる。(特定のサービスのMBSFNエリアに属していない、すなわちシングルセル送信が使用される)セルの中にUEが位置している場合、UEは、このサービスのサービス通知または無線ベアラがセルの中に存在していないことを検出する(301)ことができる。
この検出をトリガーとして、UEは、そのサービスのサービス要求(例えば、MBMSサービス要求メッセージ)を、現在のセルを制御しているeノードBに送信する(302)ことができる。このMBMSサービス要求は、サービスのサービス識別子(例:TMGI)もしくはIPマルチキャストアドレス、またはその両方と、オプションとして、UEが登録されている1つまたは複数のトラッキングエリア(例えば、各トラッキングエリア識別子TAIによる)とを含むことができる。eノードB 107は、特定のサービスの最初のサービス要求をUEから受信すると、移動管理エンティティを選択し(303)、そのサービスのサービス要求を、選択した移動管理エンティティMME 104に送信する(304)。
MMEの選択は、例えば、要求されたサービスに基づくことができ、例えば、あらかじめ設定された移動管理エンティティがネットワークの中のすべてのMBMSサービスを処理することができる。この移動管理エンティティは、要求側のUEが現在アタッチしている移動管理エンティティとは異なっていてもよい。トリガーメッセージ(すなわち、この例においてはeノードB 107のサービス要求)は、サービスのTMGIもしくはIPマルチキャストアドレス、またはその両方によって、要求されたサービスを識別していることができる。さらには、トリガーメッセージは、オプションとして、UEが登録されている1つまたは複数のトラッキングエリアを含むことができる。UEのこれらのトラッキングエリアは、UEからのサービス要求に含めることができる。あるいは、例えば、UEからのサービス要求にトラッキングエリアが示されていない場合、eノードB 107は、自身が属しているトラッキングエリアを認識して、このトラッキングエリアをMME 104へのサービス要求の中で示すことができ、または、MME 104へのサービス要求にトラッキングエリア情報を含めず、MME 104が、eノードBのサービス要求の中のeノードBの識別子からトラッキングエリアを導くことができる。
eノードB 107からの(MBMSサービス要求の形における)トリガーを受信したMME 104は、要求されたサービスのセッション制御シグナリング(具体的にはセッション開始メッセージ)を受信する目的で、E−MBMS GW 102にサービスを登録する(305)。この登録は、例えば、サービスのサービス識別子、TMGI、IPマルチキャストアドレスのうちの少なくとも1つを含むことができる。eノードB 107がMME 104を選択するのと同様に、MME 104は、MBMSサービスに基づいてE−MBMS GW 102を選択することができる。オプションとして、ネットワークにおいてE−MBMS GW 102をあらかじめ設定することができる。
図3の例においては、例示を目的として、E−MBMS GW 102は、サービス開始の指示情報をeBM−SC 101からすでに受信している(306)、すなわち、MME 104が登録を送っている(305)対象のセッションはすでに進行中であるものと想定する。したがって、E−MBMS GW 102は、セッション開始メッセージをMME 104に送信し(307)、このメッセージは、サービスを識別しており、サービスデータの配信に使用されるマルチキャストアドレス(例えば、IPマルチキャスト(MC)アドレス)も含む(このIPマルチキャストアドレスは、例えばセッションの開始時にE−MBMS GW 102によって選択および設定することができる)。
上述したように、MME 104は、MBMSサービスのサービス要求をもともと受信した(304)送信元のeノードB 107のトラッキングエリアがサービス要求に示されていない場合、このトラッキングエリアを、例えばeノードBの識別子から導くことができる。あるいは、eノードB 107からのサービス要求メッセージが、eノードB 107のトラッキングエリア、またはUEが登録されている1つまたは複数のトラッキングエリアを示していることができる。したがって、MME 104は、自身が導いた、またはメッセージに示されている1つまたは複数のトラッキングエリアに含まれているすべてのeノードBに、セッション開始を送信する(308)ことができる。図3の例においては、eノードB 107およびeノードB 108が同じトラッキングエリアに属しており、したがって、MME 104がこれらのeノードBにセッション開始メッセージを送信する(308)ものと想定することができる。
MME 104からのセッション開始メッセージが提供される1つまたは複数のeノードBには、それぞれのセルにおいて(例えば、MCCHなど共通の制御チャネル上での)サービス通知もしくはサービス、またはその両方の提供を開始する(309,310)ための必要な情報が知らさせる。少なくとも、UEからのサービス要求を受信したeノードB 107は、次に、アップストリームルータに参加メッセージを送信することによって、トランスポートネットワーク層(TNL)におけるIPマルチキャスト送信に参加する(311)ことができる。参加メッセージを送ったすべてのeノードBは、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのマルチキャスト配信ツリーに参加した時点で、サービスデータを受信し(312)、それぞれのセルの中でそのサービスデータを例えばMTCH上で提供する(313)ことができる。UEからの対応するサービス要求を受信することなくセッション開始を受信した(308)eノードBは、従来のシステムと同様に、例えば(図1に例示したように)カウンティング手順を実行することによって、この時点でサービスのマルチキャスト配信に参加してMTCHリソースを割り当て、それぞれのセルにおいてサービスデータの送信を開始するのか、あるいは、これらを行う前にユーザからのサービス要求を待機するのかを決定することができる。
上述したように、UEからのサービス要求を受信したeノードBによってトリガーされる移動管理エンティティは、例えば、トリガー側のeノードBの1つまたは複数のトラッキングエリアをトリガーメッセージ(eノードBの識別子を含む)から導くことができ、次いで、それら1つまたは複数のトラッキングエリアに含まれているすべてのeノードBにセッション開始メッセージを送信することができる。したがって、これにより、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスに対してUEから送信する必要があるサービス要求を、トラッキングエリアあたり1つのみとすることができる。
しかしながら、使用される移動メカニズムによっては、UEがいくつかのトラッキングエリアに同時に割り当てられていることがある。特にこの状況においては、UEが、eノードBへのサービス要求に、自身が割り当てられているトラッキングエリアすべてを含めることが有利なことがある(UEがアイドルモード移動を使用してネットワークの中を移動している場合、eノードBは必ずしも自身のカバレッジエリアの中のUEを認識していない)。さらには、このサービス要求を受信したeノードBは、自身が選択するMMEにこの情報を転送することができ、そのMMEは、要求側のUEが割り当てられているすべてのトラッキングエリアに含まれているすべてのeノードBに、セッション開始メッセージを送信することができる。このようにして、UEからの必要なサービス要求の数を、そのUEのアイドルモード移動エリア全体に対してつねに1つに制限することができる。
本発明の例示的な実施形態についての、図3を参照しながらのここまでの説明は、(セッション制御シグナリングの一部としての)セッション開始メッセージの配信と、サービス提供の確立とに焦点を当ててきた。一般に、セッションの停止は、この制御メッセージと対をなすものであり、一般にはやはりセッション制御シグナリングの一部である。E−MBMS GW 102にサービスの停止が示されると、E−MBMS GW 102は、登録されているMMEすべてにセッション停止メッセージを送信し、それらのMMEは、自身が以前にセッション開始メッセージを送ったeノードBすべてに、このメッセージを転送する。受信側eノードBは、このセッション停止メッセージに応えて、サービスデータの送信用に割り当てられている無線リソースを解放することができ、以降、そのサービスが利用可能であることを自身のセルの中でのサービス通知に示さないようにすることができる。
上述した本発明の実施形態を使用することにより、UEからのサービス要求の送信を、UEのアイドルモード移動エリア(例えば、現在の1つまたは複数のトラッキングエリア)あたり1つのサービス要求に制限することができる。しかしながら、その時点のアイドルモード移動エリアの境界を越えると、UEはサービス要求を送信する必要が生じうる。UEの移動状況によっては、アイドルモード移動エリアが何度も変化することがある。例えば、2つのトラッキングエリアの間の境界に沿って移動しているUEを考えると、現在選択されているトラッキングエリアではない方のトラッキングエリアのセルが、より良好な信号強度を提供しているということが頻繁に起こることがあり、したがって、UEがそのセルを選択することによってトラッキングエリア(アイドルモード移動エリア)が変化する。
すべてのUEについて、UEが登録されているすべてのトラッキングエリアにおけるサービスの可用性を確保するべきである場合、上述した手順を各UEに対して実行するべきであり、このことは、すべてのUEが同じMBMSサービスのサービス要求を送信しなければならないことを意味する。しかしながら、登録をトリガーしてトラッキングエリア全体にセッション開始を配信するためには、1つのeノードBにおいて1つのサービス要求が必要とされるのみである。したがって、実際のUEの分布によっては、多くのサービス要求が不必要に送信されることがある。
さらには、上に概説した本発明の一態様によると、UEは、実際のサービス送信より前の任意の時刻にサービス要求を送信することがある。この場合、E−MBMS GW 102にセッション開始の指示情報が到着しておらず、したがって、E−MBMS GW 102は、トリガーされた移動管理エンティティの登録を拒否することがある。
本発明の一態様によると、UEからのサービス要求は、UEにおいて利用可能なサービスアナウンスメント情報に基づいて送信することができる。UEが(サービスの開始の前の)任意の時刻にサービス要求を送信しうるという問題に対処する目的で、サービスアナウンスメントが、サービスセッションの開始時刻に関する情報を含むことができる。UEは、その後、サービス要求を送信するタイミングを決定するときにこの情報を考慮することができる。当然ながら、多数のUE(例えば、サービスを希望するすべてのUE)が、特定のマルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのための同じサービスアナウンスメントを受信するものと想定しなければならない。結果として、多数のUEがeノードBにサービス要求を同時に送信する状況となることがあり、アップリンク無線リソースの輻輳につながりうる。このような種類の問題を回避する目的で、サービスアナウンスメントは、サービス要求の送信をランダム化するためのパラメータをさらに含むことができる。例えば、セッションのアナウンスメントは、各UEが自身のサービス要求を送信することのできるタイミングをランダム化するためのパラメータを有する開始時ランダム化要素を含むサービス記述(例えば、MBMSユーザサービス記述)を備えていることができる。
しかしながら、UEによるサービス要求の送信と、サービスプロバイダ(例:eBM−SC 101)によるセッション開始の実際の指示情報との間に依然として時間差が生じることがある。このような状況が発生しうる例は、予定されているサービスが遅れるときである。サービス(例えばライブイベント)が午後7時に予定されているが、このサービスの実際の開始が30分延期されることがある。サービスアナウンスメントは、午後7時より少し前に(例えば、10秒早く)サービス要求を送信するようにUEに命令することができる。一般に、サービスアナウンスメント情報はUEに格納され、変更される場合にこれを更新することができない。さらに、セッション開始の指示情報がサービスプロバイダ(eBM−SC 101)から送信されるまではサービスコンテキストが確立されないため、ネットワークは変更について認識していない。したがって、変更前のサービスアナウンスメント情報を遵守するUEは、サービスの提供を予測し、したがって、サービスのセッション開始より前にサービス要求を送信することがある。いずれのeノードBにおいてもサービスは提供されないため、移動状況によってはこの状況が頻繁に起こることがあり、結果として、バッテリー電力などUEのリソースが無駄になることがある。
上記の問題を回避する目的で、本発明の別の実施形態では、サービス要求が送信されるタイミングに応じてネットワークにおいて異なるタイプのセッション開始指示情報を利用することを提案する。以下では、このアイディアについて、図4に示した本発明の実施形態による例示的なシグナリングフローを参照しながら、例示的に概説する。サービスの実際の開始より前に、あるUEによるサービスの開始要求について他のUEに通知する目的で、ネットワークにおいて仮のセッション開始(provisional session start)を使用することができる。この仮のセッション開始メッセージは、サービス識別子(例:TMGI)のみを含むことができ、それ以外のサービスパラメータはネットワークにまだ認識されていないため含まない。
図3と同様に、UE#1は、サービスが利用可能であることを、対応するサービスアナウンスメントに基づいて推測することができるが、無線セルの中ではサービスが利用可能ではないことを検出する(301)ことができる。UE#1は、サービス要求をeノードB 107に送信し(302)、eノードB 107は、選択されたMME 104にトリガーメッセージを送信する(304)。MME 104は、前述したように、E−MBMS GWにおける登録(305)を試みる。
MME 104による登録が送信された対象のサービスのセッション開始はまだ行われていないため、E−MBMS GW 102は、拒否の原因を示す登録拒否メッセージをMME 104に送信する(401)。この拒否メッセージは、E−MBMS GW 102においてサービスについてMME 104が登録されなかったことを意味するのではなく、セッション開始がまだ行われていないことを単に示している。MME 104は、サービスがまだ開始されていないという理由によってゲートウェイ(例:E−MBMS GW 102)における自身の登録が拒否メッセージによって拒否された場合、要求側eノードBのトラッキングエリアの中のeノードBに仮のセッション開始を配信する(402)。
仮のセッション開始メッセージを受信したすべてのeノードB(eノードB 107を含む)は、それぞれのセルの中での仮のMBMS通知(例えば、MCCH上での各シグナリング情報による)の提供(403)を開始する。この仮のMBMS通知(サービス識別子(例:TMGI)を含む)を受信したUE(例えば、UE#1およびUE#2)は、サービスの提供がすでに要求されたことを認識し、したがって、さらなるサービス要求の送信を控えることができる。例えば、UE#2はサービス要求を送信しない。このようにして、トラッキングエリア全体の中でサービス要求を送信しなければならないのは、1つのUE(UE#1)のみである。
eBM−SC 101によってサービスの実際の開始が示される(306)と、前述したように、eノードBにサービスを提供するために必要なすべての情報を含むセッション開始メッセージがネットワークから配信される(307,308)。同様に、セッション開始を受信したすべてのeノードBは、サービスのマルチキャスト配信ツリーに参加する(311)か否かと、それぞれのセルにサービスを通知して(309)提供する(312,313)か否かとを、決定することができる。「通常の」セッション開始メッセージは、仮のセッション開始と比較すると、必要なサービスパラメータと、ネットワークにおいて(MBMS)ベアラを確立するために要求される情報(例えば、E−MBMS GW 102とeノードBとの間でネットワークにおいてサービスデータを配信するために使用されるIPマルチキャストアドレス)とをさらに含む。
上述した場合と同様に、サービスのセッション停止は、eBM−SC 101からE−MBMS GW 102に示すことができ、E−MBMS GW 102は、登録されているすべてのMMEにセッション停止メッセージを配信し、それらのMMEは、以前にセッション開始メッセージを送ったすべてのeノードBに、この停止メッセージを転送する。eノードBは、仮のセッション開始メッセージのみを受信している場合、仮のサービス通知を送信するための無線リソースが割り当てられているならば、それを解放する。セッション開始メッセージを受信したすべてのeノードBは、それぞれのセルにおいてサービスデータおよびサービス通知を送信するための無線リソースが割り当てられている場合、それを解放することができる。
図4に関連して上述した例においては、UEは、サービスの実際の開始より前の任意の時刻においてサービス要求を送信することができる。UEは、セッションの開始時点までに、異なるトラッキングエリアに属している異なる位置にネットワークの中で移動することがある。UEの移動状況によっては、この位置は、UEが最初にサービス要求を送った位置と比較してまったく異なっていることがある。図4に関連する上記の実施形態は、このような状況において、UEのリソースを節約する目的でUEからの必要なシグナリングを制限する課題に関連している。UEの移動によって生じうる別の問題は、ネットワークにおけるリソースに関連する。
例えば、UEが特定のマルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのサービス要求を自身の現在のeノードBに送信することを考える。サービスがまだ開始されていない場合、この結果として、現在のトラッキングエリアのすべてのセルにおいて仮のセッション開始が送信されうる。しかしながら、サービス要求を送ったUEが、このトラッキングエリアの外側に移動するということが起こりうる。さらに、このサービスを希望する別のUEが存在しないということも起こりうる。したがって、ネットワークでは、セルにおいて仮のMBMS通知が不必要に提供され、例えばeBM−SC 101によってサービスがいったん開始された後は、ネットワークにおいて不必要にサービスが提供される。
移動がサービスの開始前に起こるものと想定すると、隣のトラッキングエリアに移動したUEは、再びサービス要求を送信する。したがって、実際のサービス開始までの時間およびUEの移動状況によっては、サービスを希望するUEが実際には含まれていない登録済みのトラッキングエリアが多数存在することがあり、結果として、ネットワークにおける不必要なシグナリングと、ネットワークリソースおよび無線リソースの不必要な割り当てとが生じる。
この種類の問題を回避する目的で、本発明の別の例示的な実施形態によると、ネットワークにおいて、例えば移動管理エンティティにおけるタイマーに基づいて仮のサービス通知を発行する。このソリューションは、図5のシグナリングフローに例示してある。図4と同様に、UE#1は、セッション開始が実行されていないサービスのサービス要求を送信する。したがって、これにより、MME 104の登録(ステップ305)を参照)が、E−MBMS GW 102によって「拒否」される(401)。MME 104は、E−MBMS GW 102から拒否メッセージを受信した後、仮のセッション開始メッセージをeノードBに送信する(402)時点で、例えばタイマーをスタートさせる(501)ことができる。このタイマーが切れたとき(502)、MME 104は、自身が以前に仮のセッション開始メッセージを送ったすべてのeノードBに仮通知停止を送信する(503)。受信したeノードBは、自身における仮のMBMSサービス通知を停止し、オプションとして、関連付けられるリソースを解放することができる。
移動管理エンティティにおいてタイマーをスタートさせる代わりに、MME 104が仮のセッション開始メッセージの中でタイマー値をeノードBに配信することもでき、eノードBは自身の中でタイマーを実行する。eノードBは、自身のタイマーが切れた時点で、仮のMBMSサービス通知の提供を停止し、したがって、この代替実施形態においては、MME 104からの仮通知停止メッセージ(503を参照)が必要ない。
(MMEまたはeノードBの中の)タイマーが切れて、eノードBが仮のMBMSサービス通知の送信(403)を停止すると、一般的には以下の状況が起こりうる。1つのシナリオにおいては、サービスを希望するUEは、トラッキングエリアの中に依然として存在している。この場合、これらのUEは仮のMBMSサービス通知が存在しないことを検出し、したがって、サービス要求を送信または再送信することができ、これにより仮のMBMSサービス通知が再びトリガーされ、最終的にはマルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスの提供を開始することができる。
もう1つのシナリオにおいては、トラッキングエリアの各セルの中に、サービスを希望するUEがもはや存在しない。この場合、サービス要求を送信するUEが存在せず、したがって、MME 104は、この特定のエリアにおいてサービス配信は必要ないことを認識する。したがって、eBM−SC 101によってセッション開始がトリガーされたとき、MME 104は、サービスを希望するUEが実際に含まれているトラッキングエリアにセッション制御シグナリングを配信するのみである。オプションとして、MME 104は、さらなるサービス要求を受信しない場合、自身をE−MBMS GW 102から登録抹消することもできる。
図5の例示的なシグナリングフローにおいては、MME 104に維持されているタイマーが切れることによって、以前に仮のセッション開始メッセージを受信したeノードB(eノードB 107を含む)に仮通知停止の指示情報が送信され(503)、これによってeノードBが仮のMBMSサービス通知を停止する。仮のMBMSサービス通知が停止されるため、UE#2は、(仮の、または通常の)サービス通知が存在しないことを検出し(504)、したがって、サービスのサービス要求を送信する(505)ことができる。図3および図4における状況と同様に(ステップ301〜305を参照)、このサービス要求によって、MME 104がサービスをE−MBMS GW 102に登録することができ、E−MBMS GW 102に登録された後のステップは、要求されるサービスが開始されるか否かに依存する。
上述した手順およびメカニズムは、サービスエリア全体においてサービスの送信が要求されないことを例示的に想定したうえで、ネットワークにおけるセッション開始メッセージの配信を最適化し、UEからの必要なシグナリングを制限することを目的としている。しかしながら、サービスによっては、セッション制御シグナリング(セッション開始を含む)をMBMSサービスエリア全体の中のすべてのeノードBに配信することが必要であることがある。例えば、緊急サービスは、できる限り小さな遅延においてMBMSサービスエリア全体に提供することが要求されうる。
本発明の別の実施形態によると、特定のサービスを初期設定においてサービスエリア全体に配信する必要があるか否かを、ネットワークにおいて決定することができる。この決定に従って、セッション制御シグナリングを配信する方式、すなわち、セッション制御シグナリングをサービスエリア全体の中のすべてのeノードBに提供するのか、または、上述したようにセッション制御シグナリングをUEのサービス要求に基づいて配信する方式を利用するのかを、さらに決定することができる。さらには、セッション制御シグナリングの配信方式について、すなわち、本文書に記載したセッション開始の最適化を利用するのか否かを、ネットワークエンティティおよびUEに知らせるべきである。
本文書に記載した、最適化された手順を利用するかを決定するための1つの可能なオプションは、サービスの設定に基づいて、すなわち、サービスパラメータまたはサービスタイプに応じて決定を行うことである。
一般に、MBMSサービスは、移動通信ネットワークにおけるサービスの提供源であるeBM−SC 101において設定される。eBM−SC 101は、UEへのサービスアナウンスメント情報を提供し、また、サービスセッションの開始をネットワークに示す。
UEの挙動(すなわち、サービス要求の送信)は、上述したようにサービスアナウンスメント情報に基づくことができる。例えば、UEは、サービス要求を送信するタイミングの決定において、サービスアナウンスメントの中でアナウンスされるセッション開始時刻を考慮することができる。さらなる実施形態においては、サービスアナウンスメント情報は、セッション制御シグナリングの最適化された配信を利用するか否かを、UEにさらに示すことができる。例えば、セッション開始をサービスエリア全体に配信することが要求されるサービスの場合、サービスアナウンスメントは、最適化を使用しないことを示す。したがって、この場合、UEは、MBMS無線ベアラが提供されていないセルにおいてMBMS通知を受信したときにのみ、サービス要求を送信することができる。
セッション制御シグナリングの最適化された配信の使用についてネットワークに知らせる目的で、eBM−SC 101によって送信されるセッション開始メッセージは、例えば、セッション制御シグナリングの望ましい配信方式をE−MBMS GW 102に示すフラグを伝えることができる。別のオプションとしては、望ましい配信方式に関連付けられる、例えばサービスの識別子またはサービスタイプの識別子を、セッション開始メッセージに含めることができる。いずれの場合にも、E−MBMS GW 102は、セッション制御シグナリングの配信方式を、セッション開始メッセージに含まれている情報に基づいて決定することができる。例えば、E−MBMS GW 102は、セッション制御シグナリングの最適化された配信を利用しないことを決定した場合、例えば、サービスエリア全体の中のすべてのeノードBにセッション開始メッセージを配信することができる。
以下では、本発明のもう1つの態様、すなわち、ホーム基地局によって制御されるフェムトセルにおけるマルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスの配備を中心に説明する。一般的に、用語「ホーム基地局」は、用語「基地局」とは異なり、ネットワーク事業者によって制御されない基地局を意味するものと理解することができる。しかしながら、ホーム基地局は、移動通信システムのネットワーク事業者によって制御される「通常の」基地局と同じアクセス技術を提供する。ホーム基地局の例は、3GPP SAE/LTEシステムを考えるときにはホームeノードB(HeNB)である。
図6は、MBMSサービスを提供するための3GPP SAE/LTE移動通信システムの例示的なアーキテクチャを、何人かの加入者の自宅におけるHeNBの配備を考慮して例示的に示している。この例において、eBM−SC 601(進化型ブロードキャスト/マルチキャストサービスセンター)は、サービスおよび関連するセッション制御シグナリング(例えば、セッション開始メッセージ)の提供源である。制御シグナリングは、コアネットワーク(CN)の内側の、MBMSセッション制御を処理する機能エンティティまたは論理エンティティに提供され、MBMSサービスエリアに従ってさらに配信される。3GPPにおけるSAE/LTEシステムの標準化においては、コアネットワークは進化型パケットコア(EPC:Evolved Packet Core)とも称される。
マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスを処理する役割を担う機能(制御プレーン機能およびユーザプレーン機能など)をコアネットワークの中で配置する方式には、いくつかのオプションが存在する。1つの可能な方式は、これらの機能を1つの専用エンティティにまとめることであり、このエンティティは、3GPP標準化のコンテキストにおいては一般にE−MBMS GW 602と称される。
もう1つの可能な方式は、特定の要求条件に応じてMBMS機能の特定のサブセットをそれぞれ個別のエンティティにまとめることである(図6には示していない)。この組合せは、例えば、機能のタイプ(例えば、制御プレーンのみ、またはユーザプレーンのみ)に基づく、あるいは別の条件(例えばスケーラビリティの要求条件)に基づくことができる。したがって、E−MBMS GW 602は、2つの機能エンティティ(例えばMBMS1およびMBMS2と称する)を提供することによって実現することもできる。MBMS2エンティティは、例えば、MBMSの制御プレーン機能およびユーザプレーン機能を備えていることができ、eBM−SC 601へのインタフェースを終端することができる。MBMS1エンティティは、制御プレーン機能のみを備えていることができ、MBMS制御プレーンのスケーラビリティを可能にする(例えば、PLMN(公衆陸上移動網)またはサービスエリアのサイズに従って規模を拡大・縮小する)ために使用することができる。
E−MBMS GWエンティティあるいはMBMS1およびMBMS2エンティティなどのエンティティ、またはこのようなMBMS機能は、一般的には、移動通信ネットワークのさまざまな論理要素あるいは機能要素(例えば、ユニキャストアーキテクチャの論理要素あるいは機能要素)に統合することもできる。
E−MBMS GW 602は、セッション開始メッセージなどのセッション制御シグナリングを、MBMSサービスエリアの中に位置しているeノードB(eNB)604,605に配信することができる。この目的のため、MBMS GW 602は、eノードB 604,605への既存の(制御プレーン)インタフェースを利用することができる。MBMS GW 602は、eノードB 604,605と同様に、管理対象のホームeノードB(HeNB)、すなわち自身が(制御プレーン)インタフェース(図6には示していない)を維持しているホームeノードBに、セッション制御シグナリングを配信することもできる。しかしながら、例えば、MBMS GW 602と「通常の」eノードBとの間のトランスポートネットワークの条件が、MBMS GW 602とホームeノードBとの間のトランスポートネットワークの条件と比較して異なるため、このインタフェースは、「通常の」eノードB 604,605のためのインタフェースとは異なるものとすることができる。
事業者はeノードBの配備を慎重に計画するため、計画においてトランスポートネットワークも考慮されるものと想定することができる。例えば、事業者は、十分な信頼性およびセキュリティの要求条件が満たされるようにする。
これとは対照的に、ホームeノードBは加入者が配備し、一般には事業者によって計画されない。上に概説したように、ホームeノードBから事業者のコアネットワークまでのバックホール接続も、事業者の制御下ではないことがある。インターネットサービスプロバイダ(ISP)によって例えばデジタル加入者線(DSL)を介して提供されるインターネットアクセスは、バックホール接続の代表的な例である。このようなシナリオにおいては、特に、事業者のセキュリティの要求条件が満たされないことがある。
したがって、移動通信システムの事業者は、ホームeノードBと事業者のコアネットワークとの間にセキュアな通信リンクを必要とすることがある。このことは、図6に示したように、例えば、ホームeノードBへのセキュアな通信トンネルを例えばIPsecを使用して確立するセキュリティゲートウェイ(Security GW:セキュリティGW 608)を、事業者の移動通信ネットワークの中に配備することによって、達成することができる(非特許文献4(http://www.ietf.orgにおいて入手可能であり、この参照をもって本願に繰り入れるものとする)を参照)。ホームeノードB 607とコアネットワークとの間のすべてのトラフィックはこのトンネルを通じて伝えられ、このトンネルは、通信されるデータを送信時の盗聴および改ざんから保護する。
MBMS機能の配置について考慮したときと同様に、セキュリティGW 608は、専用エンティティとして存在することができるが、移動通信ネットワークの中の既存のエンティティに統合することもできる。図6に示したアーキテクチャの例においては、セキュリティGW 608は、事業者のコアネットワークの中の専用エンティティとして示してある。しかしながら、セキュリティGW 608は、無線アクセスネットワーク(RAN)のエンティティとして(すなわち、(マクロ)eノードB 604,605のように)配備することもできる。
先に指摘したように、E−MBMS GW 602とeノードBとの間のインタフェースは、E−MBMS GW 602とホームeノードBとの間のインタフェースとは異なる。その主たる理由として、コアネットワークとホームeノードBとの間ではセキュアなトンネルを利用するためであり、結果として、ポイントツーポイントリンクの能力と比較して同程度の能力の接続となる。MBMS制御プレーンに関する影響は小さく、なぜなら、制御シグナリングの交換は主としてポイントツーポイント通信方式に従うためである。
これに対して、MBMSユーザプレーンに対する影響は大きく、なぜなら、MBMSユーザプレーンはポイントツーマルチポイント通信方式に従う(例えば、伝送にIPマルチキャストを使用する)ためである。
マルチキャスト送信をいくつかのポイントツーポイント接続にマッピングすることは、同じデータパケットの複数のコピーを個々の接続上で送信しなければならないため、一般には、トランスポートネットワークにおけるリソース利用が非効率的となる。これらの接続が、トランスポートネットワークにおける(部分的に)共通の経路を共有している場合、1つのパケットのみを転送するときと比較して、消費されるトランスポートリソースが不必要に増大する。
リソース的に効率的であるIPマルチキャスト送信を利用する目的で、MBMSデータパケットが送信される先のIPマルチキャストグループアドレスをセッション開始メッセージが含むことができる。受信側の基地局(eノードB)は、このIPマルチキャストグループに参加してバケットを受信することができる。グループの管理(例えば、マルチキャストグループに参加する、マルチキャストグループから離脱する)は、例えば非特許文献5(http://www.ietf.orgにおいて入手可能であり、この参照をもって本願に繰り入れるものとする)に指定されているようにインターネットグループ管理プロトコル(IGMP:Internet Group Management Protocol)に基づく、または、例えば非特許文献6(http://www.ietf.orgにおいて入手可能であり、この参照をもって本願に繰り入れるものとする)に指定されているようにマルチキャストリスナーディスカバリー(MLD:Multicast Listener Discovery)通信プロトコルに基づくことができ、これらのプロトコルは、IPv4プロトコルまたはIPv6プロトコルに初期設定において含まれている(非特許文献7および非特許文献8(いずれの文書もhttp://www.ietf.orgにおいて入手可能であり、この参照をもって本願に繰り入れるものとする)を参照)。
この場合、ホーム基地局の配備に関して、セキュリティゲートウェイ(例:セキュリティGW 608)がIPマルチキャスト能力をサポートしていることが要求される。2つのエンドポイント(例えばホームeノードB 607とセキュリティGW 608)の間にセキュアなトンネルを確立するためには、通常ではIP−in−IPカプセル化と暗号化とが組み合わせて使用される。トンネルの一方のエンドポイントによって送信されるIPデータグラムは、カプセル化されてトンネルの他方のエンドポイントに送信され、そこでカプセル化が解除される。エンドポイントの位置に関して、送信は、2つのエンティティ間の直接的なポイントツーポイントリンクに似ている。
このことは、IPマルチキャスト送信にも影響する。一方で、セキュリティゲートウェイ(例えばセキュリティGW 608)は、グループ管理プロトコル(IGMPやMLDなど)の処理をサポートすることが要求される。例えば、IPマルチキャストグループアドレスを含む(MBMS)セッション開始メッセージを受信したホーム基地局(例:ホームeノードB 607)は、グループに参加するため、それぞれのIGMPメッセージまたはMLDメッセージを送信する。このメッセージはセキュリティGW 608までトンネル化され、セキュリティGW 608は、示されたマルチキャストグループ自体に参加する必要が生じる。その一方で、セキュリティGW 608は、入ってくるIPマルチキャストパケットを適切なホーム基地局(例:ホームeノードB 607)にルーティングすることが要求される。このルーティングには、ホーム基地局ごとに参加している先のマルチキャストグループを管理するステップと、入ってくるIPマルチキャストパケットを適切なトンネルにコピーするステップが含まれる。通常、これらの機能は、セキュアなトンネルを確立するためのプロトコル(IPsecなど)によって一般にはサポートされていない(ただし、IPマルチキャストのサポートを追加するためのいくつかの拡張は提案されている)。一般的な観点においては、セキュリティに関連するプロトコルにマルチキャストのサポートを追加すると、結果として、セキュリティ層がマルチキャスト層に依存する。しかしながら、移動通信ネットワークのネットワーク事業者は、この種類の依存関係を望まず、マルチキャスト層から独立しているセキュリティ層を提供するアーキテクチャを求めることがある。
ホーム基地局までのIPマルチキャストをサポートすることは、セキュリティGW 608の要求条件に影響するのみならず、コアネットワークにおけるMBMS機能にも影響することがある。例えば、MBMS制御プレーン機能(例えば、E−MBMS GW 602に含まれている)は、セッション制御メッセージを配信するためにはホーム基地局を認識している必要がある。これにより、セッション制御シグナリングを送信する先のホーム基地局を決定する目的で、ホーム基地局をサービスエリアにマッピングするステップがさらに要求されうる。さらに、セッション制御シグナリングを配信できるように、ホーム基地局への適切なインタフェースを維持することが望ましい。移動通信ネットワークの事業者にとって、ネットワーク構成のこのような依存性と、ホーム基地局の配備が一般に事業者の制御下にないことは、望ましくないことがある。加入者は、ホーム基地局をいつでも配備または取り外す、あるいはその地理的位置を容易に変更する(例えば、友人の家に移動する)ことができる。したがって、一般的には、ホーム基地局の位置と、マクロセル層におけるトラッキングエリア(TA)またはMBMSサービスエリアとの相関関係は、事業者の配備および計画に依存しないことがある。したがって、事業者は、ホーム基地局による影響を受けない、相当に静的なネットワーク構成を維持することを好むことがある。
ホーム基地局においてマルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスをサポートするための要求条件によって影響されることなく無関係にセキュリティ層を維持する目的で、事業者は、ホーム基地局をサポートするために要求されるマルチキャスト関連機能を備えている論理エンティティを配備することができる。このような機能としては、例えば、制御プレーンインタフェースを終端する(例えば、ホーム基地局に代行してマルチキャストグループを管理する)機能や、ユーザプレーンインタフェースを終端する(例えば、サービスデータパケットを適切なホーム基地局に送信する)機能が挙げられる。この新しいエンティティは、マルチキャストホームeノードBゲートウェイ(MH−GW 701)と称することができ、図7に示したように、事業者のコアネットワークの中の専用エンティティとして配備することができる。しかしながら、事業者のアーキテクチャの要求条件によっては、コアネットワークの中の既存のエンティティ(例:セキュリティGW 608)に統合することができる。さらに、MH−GW 701は、移動通信ネットワークの無線アクセスネットワーク(RAN)の中に単独のエンティティとして、またはRANの中の既存のエンティティに組み込むことによって、配備することもできる。
図7に示した例示的なMBMSアーキテクチャを考えるとき、ホーム基地局へのマルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスの配信を、以下に説明するように最適化することができる。図8は、関連するシグナリングフローの例を示している。
図8は、本発明の例示的な一実施形態による、ホーム基地局(ホームeノードB 607)によって制御されるフェムトセルにおいてMBMSサービスを確立するための例示的なシグナリングフローを示している。この例示的なシグナリングフローにおける想定として、UE 606は、マクロセル層アクセスをUE 606に提供するeノードB 604,605の一方を通じて移動通信システムにすでにアタッチし(または現在もアタッチしている)(図6および図7を参照)、マクロセルの一方(例えば、eノードB 605によって制御されるマクロセル)を通じてMBMSサービスのサービスアナウンスメントを受信し(801)、このサービスに加入している。オプションとして、マクロセルのカバレッジがフェムトセルと重なっている場合、UEは、MCCHなどのマクロ層セル情報を読み取ることによって、サービスの開始または進行中の配信を識別することもできる。
さらには、このMBMSサービス(サービス識別子(この場合にはTMGI)によって識別される)のセッション開始メッセージは、eBM−SC 601がE−MBMS GW 602を介してMH−GW 701にすでに提供しているものと想定することができる。TMGIは、事業者のネットワークにおける一意の識別子であるが、ユーザプレーンサービスデータのIPマルチキャストアドレスに必ずしも関連していない。サービスを希望するノードがマルチキャストに参加する(ステップ807を参照)ことができるように、E−MBMS GW 602は、MBMSユーザプレーンのために使用されるIPマルチキャストアドレス(IP MCアドレス)をセッション開始メッセージにさらに加えることができる。移動端末がMBMSサービスを要求していない限りは、MH−GW 701は、MBMSサービスに関連する(セッション開始メッセージなどの)セッション制御シグナリングを自身の下流には伝搬させない。
移動端末(UE 606)は、例えば、マクロセルから、ホームeノードB 607によって制御されているフェムトセルのカバレッジエリアに移動し、フェムトセルにアタッチする(804)ことができる。UE 606は、フェムトセルの中でMBMSサービスが利用可能ではないことを検出した時点で(例えば、対応するMBMS通知がフェムトセルの中に存在しないことによる)、所望のサービスを(例えば、そのサービス識別子(この場合にはTMGI)によって)示しているサービス要求メッセージを送信することによって、ホームeノードB 607からのサービスを要求する(805)ことができる。UE 606からのサービス要求を受信したホームeノードB 607は、MH−GW 701にサービスを登録する(806)。ホームeノードB 607は、例えば、ホームeノードB 607が事業者のネットワークにアタッチするときに提供される事前構成設定(O&M)によって、MH−GW 701を認識することができる。ホームeノードB 607は、特定のサービスについて1回のみ、例えば、移動端末から受信される最初のMBMSサービス要求によってトリガーされたとき、MH−GW 701に登録することができる。
MH−GW 701は、そのサービスのセッション開始メッセージをすでに受信している(803)、または、事業者のネットワークの中で配信された時点でただちに受信する。一般的には、セッション制御シグナリングを受信する目的で、MH−GW 701を、MBMSサービスエリアの一部として、または、セッション制御シグナリングを受信するための関連するエンティティの一部として、構成することができる。E−MBMS GW 602は、例えば、セッション開始メッセージを受信する(802)と、示されたサービスエリアに基づいて、または示されたエンティティ(これらを「ダウンストリームノードのリスト」と称することができる)に基づいて、セッション開始メッセージをMH−GW 701に送信する(803)ことができる。あるいは、MH−GW 701は、ホームeノードBからのサービス登録要求を受信したとき、セッション制御シグナリングの配信に自身が含まれるように、別のネットワークエンティティ(例えば、E−MBMS GW 602、eBM−SC 601)に能動的に要求することもできる。
ネットワークから(例えば、E−MBMS GW 602から)セッション開始メッセージを受信したMH−GW 701は、それまでに登録されているすべてのホームeノードB(この場合にはホームeノードB 607)にセッション開始メッセージを送信する(808)ことができる。MH−GW 701は、このセッション開始メッセージを、E−MBMS GW 602から受信されるセッション開始メッセージとは異なる内容に修正することができ、なぜなら、MH−GW 701とホームeノードB 607との間のインタフェースがIPマルチキャストをサポートしていないことがあるためである。したがって、MH−GW 701は、MBMSユーザプレーンデータを配信するために要求される情報(例えば、ユニキャストパラメータ)が含まれるように、セッション開始メッセージを修正することができる。さらに、MH−GW 701は、ホームeノードB 607に代行して、MBMSユーザプレーンデータの配信に使用されるIPマルチキャストアドレスに参加する(807)ことができる。その後、MH−GW 701は、受信したMBMSサービスのIPマルチキャストデータパケットの1つのコピーを、前にホームeノードBに示されたユーザプレーンパラメータに従って、登録されているすべてのホームeノードBに転送する(810,811)ことができる。これによって、図7に関連して上述したように、ユーザプレーンデータをホームeノードB 607までセキュアなトンネルを介してトンネル化することができる。
MH−GW 701からのセッション開始メッセージを受信したホームeノードB 607は、MBMSサービスの配信と、データを受信するために要求されるパラメータとを現在の移動端末に知らせる通知(例えばMBMS通知)のブロードキャスト(809)を、フェムトセルの中で開始することができる。さらに、ホームeノードB 607は、受信したサービスデータパケットをブロードキャストする目的で、フェムトセルの中に無線ベアラ(例:MTCH)を確立することができる。サービス要求を最初に送ったUE 606(およびフェムトセルの中に位置している他のすべての端末)は、MBMSサービスを受信する(812)ことができる。
マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスの配信は、前述したメカニズムを利用することによって、いくつかの面において最適化することができる。主たる態様の1つは、サービスの実際の需要が存在するエリアのみにセッション制御シグナリングが配信されることであり、なぜなら、配信が移動端末からの能動的なサービス要求に基づくためである。さらに、マルチキャスト配信メカニズムと、ホーム基地局のための要求されるセキュリティメカニズムとの分離が促進されており、両方の層が独立して維持される。マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスの配信においては、プロキシゲートウェイとホーム基地局との間のインタフェース能力を考慮に入れることができる一方で、リソース面で効率的なIPマルチキャスト伝送を最大限に利用することができる。例えば、事業者のコアネットワークの中でのサービスの配信にはIPマルチキャストを使用することができ、ユニキャスト配信は、プロキシゲートウェイとホーム基地局との間でのみ使用することができる。
IPマルチキャストを最大限に利用することは、プロキシゲートウェイがホーム基地局に代行して事業者のネットワークにおけるMBMSユーザプレーンに参加することによって達成することができる。ホーム基地局へのインタフェース能力を考慮に入れることは、プロキシゲートウェイとホーム基地局との間にユニキャストベアラを設定する目的で、修正されたセッション開始を送信することによって、達成することができる。さらには、フェムトセルの中に位置しているすべての加入者の間で同じユニキャストベアラを共有することができる。
前に指摘したように、プロキシゲートウェイの配備方式にはいくつかのオプションが存在し、例えば、コアネットワークまたは無線アクセスネットワークの中の単独のエンティティとして配備する、あるいは、移動通信ネットワークのコアネットワークまたは無線アクセスネットワークの中の既存のエンティティに統合することもできる。いずれも基本的なメカニズムは同じままであるが、プロキシゲートウェイの実際の位置は、主としてセッション制御シグナリングの配信に若干影響する。一例においては、プロキシゲートウェイ(この場合にはMH−GW 701)をE−MBMS GW 602(あるいはMBMS1エンティティまたはMBMS2エンティティ)に統合することができる。これらのエンティティは、一般にはeBM−SCにおいて、例えば、いわゆる「ダウンストリームノードのリスト」において、セッション制御シグナリングを受信するターゲットエンティティとして設定される。したがって、E−MBMS GW 602に統合されているプロキシゲートウェイは、初期設定においてシグナリングを認識する。
プロキシゲートウェイが単独のエンティティとして配備されている、または、MBMSアーキテクチャに直接的には関連していないエンティティに、例えばセキュリティゲートウェイ(セキュリティGW 607)として統合されている場合、プロキシゲートウェイは、それぞれ、eBM−SCまたはE−MBMS GW 602に登録することができる。
別のオプションにおいては、プロキシゲートウェイは、上述した例示的な実施形態における移動管理エンティティMME 104と同様に、セッション制御シグナリングを受信するために動的に(例えば、受信したホーム基地局の登録によってトリガーされたときに)要求することもできる。
さらなるオプションは、プロキシゲートウェイを、無線アクセスネットワークの中に、単独のエンティティとして、または既存のエンティティ(例えば、マルチセル調整エンティティMCEまたはeノードB)に統合することにより、配備することである。この場合、プロキシゲートウェイの例としてのMH−GW 701を、MBMSサービスエリアの一部としてE−MBMS GW 602に配置することができ、したがって、MH−GW 701は、マクロeノードBと同様にセッション制御シグナリングを受信する。さらに、この場合、MH−GW 701が初期設定において構成に含まれず、ホームeノードBの要求に基づいて動的に登録されるようにすることも可能である。
図7および図8に関連して上述した例示的な実施形態においては、想定として、ホーム基地局は、一般的にマルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスを受信することを(MH−GW 701としての)プロキシゲートウェイによって許可され、このプロキシゲートウェイは、ホーム基地局に代行してサービスに登録し、ユーザプレーンデータをホーム基地局に転送する。
さらには、上の実施形態は、移動端末がフェムトセルからマクロセルに移動するときのサービスの連続性の問題に対処していない。サービスの連続性を確保できるようにする目的で、本発明の一態様によると、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスをホーム基地局に配信するために使用される配信メカニズムを、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのサービスエリアに対するホーム基地局の位置に応じて決定することを提案する。
マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスが配信されるサービスエリアは、一般には、移動通信ネットワークにおいて設定される。セッション制御シグナリングの配信においてと、サービスデータの配信において、サービスエリアの構成設定を考慮することができる。例えば、セッション開始メッセージなどのセッション制御シグナリングを、サービスエリアの内側に位置しているすべての基地局に配信することができる。結果として、サービスエリアに含まれているすべてのセルにサービスデータを配信することができる。サービスデータ(およびオプションとして制御シグナリング)が配信される先の基地局もしくはセル、またはその両方は、ネットワークに維持されるサービスエリアの設定によって識別される。セッション制御メッセージは、このメッセージを配信するべきサービスエリアについての情報を含むことができる。例えば、セッション制御メッセージを送信するエンティティ(例:eBM−SC 601)は、シグナリングのすべての宛先(例えば基地局)を認識しており、この情報をセッション制御メッセージに含める。中間ネットワークは、この情報を使用して、メッセージを配信する先を識別することができる。
しかしながら、サービスエリアが大きい(例えば、多数の基地局を備えている)場合、要求されるすべての宛先に関する情報を、相当に小さいシグナリングメッセージに含めることは、可能ではあるが適切ではないことがある。したがって、個々の宛先を直接的に識別する代わりに、宛先を指す参照情報のみをシグナリングメッセージにおいて使用することができる。識別子(いわゆるサービスエリア識別子)は、このような参照情報の代表的な例である。MBMSサービスに関連するとき、このサービスエリア識別子は、MBMSサービスエリア識別子(MBMS SA−ID)と称されることがある。さらに、サービスエリア識別子から適切な宛先(例えば、基地局またはセル)へのマッピングを使用して、ネットワークを構成設定することができる。サービスエリア識別子を備えているセッション制御メッセージを受信したエンティティは、そのサービスエリア識別子について、維持されているマッピング情報を調べて、メッセージを転送するべき宛先を識別することができる。
ホーム基地局(例:ホームeノードB)へのマルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスの配信は、一般的にはネットワーク(例:eBM−SC)によって許可される必要がある。例えば、ホーム基地局への配信が許可されるか否かについて、サービスに基づくポリシーを定義することができる。この許可は、(例えば、移動端末からのサービス要求の受信によってトリガーされた)特定のサービスをホーム基地局がネットワークに登録するときに実行することができる。ネットワーク側は、許可するときに、ホーム基地局の位置に関する情報を取得することができる。この情報は、例えば、ホーム基地局自体が提供することができ、またはネットワークにおいてすでに既知である。
さらに、ネットワーク側は、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスをホーム基地局に配信するために使用するべき配信メカニズムを、位置情報を利用して決定することができる。
この決定は、配信されるマルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのサービスエリアに対するホーム基地局の位置に応じて行うことができる。例えば、ホーム基地局がマルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのサービスエリアの内側に位置している場合、ホーム基地局への最適化されたマルチキャスト配信を使用する。これにより、リソースに関して効率的にサービスデータをホーム基地局に配信することができる。例えば、ホーム基地局がマルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのサービスエリアの外側に位置している場合、サービスを受信している間にフェムトセルとマクロセルとの間で移動する加入者に対してサービスの連続性を確保する目的で、サービスを要求している移動端末へのユニキャスト配信が必要となりうる。
一般に、マクロセル層においては、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスを配信するために、リソース面で効率的な「共有される」マルチキャストベアラサービスまたはブロードキャストベアラサービスを使用できるのは、そのサービスエリアの中のみである。サービスエリアの外側では、移動端末とサービスの提供源(例:eBM−SC)との間の直接的なユニキャストベアラを使用することによってのみ、サービスにアクセスすることができる。マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのサービスエリアの外側に位置しているホーム基地局が、フェムトセルにおいてマルチキャスト配信を使用してサービスを提供している場合、マクロセルに移動する移動端末は、サービスの受信を続行するためには、最初にユニキャストベアラを確立することが要求される。これは相当に時間のかかる手順であり、結果としてサービスの相当な中断につながることがある。一方で、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスを受信するためのユニキャストベアラを、移動端末がフェムトセルの中に位置している間にすでに維持しているならば、マクロセルに移動するときにその既存のユニキャストベアラを再配置しさえすればよく、これによってサービスの中断が回避されうる。このようにして、共有されるベアラサービスを介してマルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスをホーム基地局に配信するために、最適化されたリソース利用方式を最大限に使用にすることができ、その一方で、対応するサービスエリアの外側においてフェムトセルとマクロセルとの間で移動する移動端末に対して、サービスの連続性を確保することができる。
モバイル事業者は、ホーム基地局の配備を制御あるいは計画することができない。さらに、加入者は、モバイル事業者とは無関係にホーム基地局装置を取得することがある。しかしながら、移動通信システム全体の正しい動作を確保するためには、ホーム基地局におけるいくつかのパラメータを設定する(例えば、無線レベルの構成設定またはネットワークレベルの構成設定)ことが必要である。
これらのパラメータは、一般的には、主として移動通信システムの事業者の構成設定に依存する。事業者は、「通常の」基地局によって制御されるマクロセル層に対して維持されている制御と同じように、ホーム基地局およびその構成設定を制御することが要求されうる。ホーム基地局のこの構成設定および制御は、ホーム基地局が事業者のネットワークに接続するときに自動的に確立することができる。この確立より前および確立中は、ホーム基地局は、フェムトセルをまだ利用することができない動作前状態とすることができる。
通常では、ホーム基地局の構成設定に加えて、認証手順および許可手順も正常に実行されることが要求されることがある。前に指摘したように、ホーム基地局の配備は加入者の制御下にあり、すなわち、加入者はフェムトセルを確立する位置およびタイミングを独立して決定することができる。加入者は、この配備をいつでも容易に変更することができ、例えば、ホーム基地局を別の場所(例えば、友人の家)に移動させることができる。したがって、モバイル事業者は、動作前の手順および情報の一部として、ホーム基地局の位置の情報を必要とすることがある。この情報は、例えば、動作前の認証手順および許可手順時にコアネットワークに提供することができる。
ホーム基地局のどのような種類の位置情報を提供するかに関しては、事業者の要求条件に従い、さらに場合によってはホーム基地局の能力に応じて、いくつかのオプションが存在する。代表的な例は、グローバルポジショニングシステム(GPS)情報を利用することである。当然ながら、そのためには、ホーム基地局はGPS受信器を備えており、ホーム基地局の動作時にGPS信号を受信できることが要求される。
別の例においては、重なり合っているマクロセルの信号を利用してホーム基地局の位置を求めることができる。ホーム基地局は、ホーム基地局によって制御されるフェムトセルとカバレッジが重なり合っているマクロセルの、対応するマクロセル層システムの情報(例えば、セル識別子あるいはトラッキングエリア識別子)を認識することができる。ホーム基地局は、これらの識別子と一緒に、対応するマクロ層セルから受信した無線信号に関する情報を報告することができ、これにより例えばネットワークは、ホーム基地局の位置を三角法によって求めることができる。
ホーム基地局の位置を求めるために利用できるさらに別のオプションとして、無線による位置取得手法に直接的に基づかないオプションが存在する。1つのオプションは、事業者のネットワークに接続するためにホーム基地局によって使用される有線アクセスネットワークに関する情報に基づいて、ホーム基地局の位置を求めることである。例えば、事業者は、DSLアクセスのDSLAMにおいて使用されるポートID、あるいはケーブルアクセスネットワークの回路IDを使用して、ホーム基地局の位置を求めることができる。この種類のオプションは、ホーム基地局によって使用される有線アクセスネットワークも事業者が制御している場合に、特に関連する。
さらなるオプションとして、例えば、ホーム基地局が事業者のネットワークにアクセスするときに使用する、インターネットサービスプロバイダ(ISP)によって割り当てられるIPアドレスに基づくことができる。IPサブネットと地理的位置との間のマッピングを含むデータベースを使用することにより、位置を解決することができる。単純かつ可能なオプションとしては、加入者の設定に基づいて(例えば、郵便住所または地理的座標を使用して)ホーム基地局を特定することができる。
図9および図10は、本発明の例示的な一実施形態による、ホーム基地局(ホームeノードB 607)によって制御されるフェムトセルにおいてMBMSサービスを確立するための例示的なシグナリングフローを示しており、サービスデータの配信メカニズムをホーム基地局の位置に基づいて決定するステップを含む。図9および図10におけるシグナリングフローは、実質的には図8に示したシグナリングフローの拡張とみなすことができる。したがって、図8におけるシグナリングフローに類似するステップには、同じ参照数字を付してある。ホームeノードB 607の位置情報は、ホームeノードB 607が事業者のネットワークに接続するときにMH−GW 701に提供される(901)ものと想定する。あるいは、MH−GW 701は、必要に応じて別のエンティティから位置情報を要求することができる。
ホームeノードB 607によって制御されるフェムトセルにアタッチする(902)UE 606は、希望するマルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスを受信する目的で、サービス要求を送信する(805)ことができる。このサービス要求においては、適切なサービス識別子(例:TMGI)が、要求されるサービスを識別することができる。これをトリガーとして、受信側のホームeノードB 607は、対応するマルチキャストサービスデータまたはブロードキャストサービスデータの配信に含まれるように、サービスについて自身をMH−GW 701に登録することができる。したがって、ホームeノードB 607は、UE 606によって提供されたサービス識別子(例:TMGI)を含むサービス登録要求メッセージを、MH−GW 701に送信する(806)。
ホームeノードB 607は、一般的には、サービスあたり1回のみMH−GWに登録する必要がある。したがって、特定のマルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスについてUEから受信した最初のサービス要求に対して、サービス登録要求メッセージを送信するのみでよい。前述したように、MH−GW 701は、ホームeノードB 607によって要求されたサービスのセッション制御シグナリング(セッション開始メッセージなど)をすでに受信している(802,803)ことがある。あるいは、MH−GW 701は、そのようなシグナリングがネットワークにおいて配信されるまで待機しなければならないこともある。あるいは、MH−GW 701は、対応するセッション制御シグナリングをネットワークから受信するために能動的に要求することもできる。
マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスをホームeノードB 607に配信するための配信メカニズムを決定するとき、ネットワークにおいてホームeノードB 607の位置情報を考慮することができる。したがって、MH−GW 701は、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのサービス登録要求メッセージをホームeノードB 607から受信する(806)と、サービス配信の許可の要求を移動通信ネットワークの中の適切なエンティティ(この例示的な実施形態においてはeBM−SC 601)に送信する(903)。
この許可要求は、サービス識別子に加えて、ホームeノードB 607の位置に関する位置情報も含む。あるいは、この要求は、位置情報を含む代わりに、ホームeノードBの識別子のみを備えていることができ、受信側のエンティティは、この識別子を使用して各位置情報を別のエンティティに要求する、あるいは、受信側のエンティティ自身が位置情報をすでに備えていることができる。
図9に示したように、eBM−SC 601は、ホームeノードB 607へのサービス配信を許可し、ホームeノードB 607の位置に基づいて配信メカニズムを決定するネットワークエンティティであると考えることができる。eBM−SCは、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスの配信メカニズムを決定することのできるエンティティの1つであり、なぜなら、eBM−SCは、一般にはサービスの設定情報を備えており、さらに、対応するサービスエリアに関する情報も備えていることができるためである。
MH−GW 701が、ホームeノードBへのマルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのサービス配信を許可する必要があるのは、ホームeノードBおよびサービスあたり1回のみである。したがって、MH−GW 701は、許可要求を送信する(903)前に、自身がこのステップをすでに正常に実行したかを最初にチェックすることができる。
eBM−SC 601は、ホームeノードBの位置情報を備えた許可要求を受信した時点で、その位置情報を、要求されたマルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスの、構成設定されているサービスエリアと比較する。1つのオプションは、eBM−SC 601がサービスエリアに関する地理的情報を維持することである。eBM−SC 601は、この地理的情報と、ホームeノードB 607の位置に関する地理的情報と比較することによって、ホームeノードB 607がサービスエリアの内側に位置しているのか外側に位置しているのかを、判定することができる。別のオプションは、サービスエリアを、マクロ層情報(例えば、セルの識別子またはトラッキングエリアの識別子から構成される)を使用して構成設定することである。オプションとして、eBM−SC 601は、サービスエリアおよびホームeノードBの位置情報を比較するために、これらを解釈する必要がありうる。この状況において、eBM−SC 601は、例えば、この「解釈」を別のネットワークエンティティに要求することもできる。
eBM−SC 601は、要求されているマルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのサービスエリアの内側にホームeノードB 607が位置しているものと判定する場合、許可の肯定応答(許可ACK)をMH−GW 701に送信する(904)。この肯定応答は、許可されるホーム基地局(ホームeノードB 607)の識別子と、オプションとして、MH−GW 701が肯定応答を該当する要求に関連付けることができるようにする目的で、要求されているサービスのサービス識別子とを備えていることができる。次いで、この肯定応答に続いて、MH−GW 701は、サービスに関するセッション制御シグナリングを、許可されたホームeノードB 607に転送する(808)ことができる。例えば、MH−GW 701は、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのサービスデータをMH−GW 701からホームeノードB 607に配信するために使用される必要なベアラパラメータを備えているセッション開始メッセージを、ホームeノードB 607に送信することができる。
さらに、MH−GW 701は、受信された(810)サービスのサービスデータパケットをホームeノードB 607に向けて送信する(811)ことを開始する。サービスデータを配信するためにネットワークにおいてIPマルチキャストが利用される場合、MH−GW 701は、最初に、対応するマルチキャストグループアドレスに参加(807)しなければならない。しかしながら、参加は、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスあたり1回行うのみでよい。したがって、MH−GW 701は、以前にすでに参加している場合、受信したサービスデータパケットをホームeノードB 607に向けて配信することをただちに開始することができる。
セッション開始メッセージなどのセッション制御シグナリングを受信した(808)ホームeノードB 607は、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスの送信について現在のUEに知らせるサービス通知を、自身のフェムトセルにブロードキャストする(809)ことを開始することができる。さらに、ホームeノードB 607は、受信されるサービスデータパケットをフェムトセルにブロードキャストするために使用される適切な無線ベアラを確立することができる。最終的に、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのサービス要求を最初に送ったUE 606は、サービスデータを受信する(812)ことができる。
eBM−SC 601は、ホームeノードB 607がマルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのサービスエリアの外側に位置しているものと判定する場合、図10に示したように、MH−GW 701の許可要求に対して、許可の拒否(許可NACK)によって応える(1001)ことができる。この拒否メッセージは、ホームeノードB 607の識別子(HeNB ID)と、オプションとして、MH−GW 701が否定応答を該当する要求に関連付けることができるようにする目的で、要求されているサービスのサービス識別子とを備えていることができる。許可の拒否を受信した時点で、MH−GW 701は、以前にサービス登録メッセージを送ったホームeノードB 607に、サービス登録拒否メッセージを送信する(1002)ことができる。対応するサービスを識別する目的で、サービス登録拒否メッセージは適切なサービス識別子(例:TMGI)を備えていることができる。
最終的に、サービス登録拒否をトリガーとして、ホームeノードB 607はサービス拒否メッセージによってUE 606に応える(1003)ことができる。この場合も、拒否されたサービスは、適切なサービス識別子を使用して識別することができる。この否定応答の受信をトリガーとして、UE 606は、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのユニキャスト配信を要求する(1004)ことができる。このユニキャストサービス要求は、UE 606がマクロセル層に移動する場合にサービスの連続性を確保する目的で、必要なオプションである。UE 606がユニキャスト配信を要求するうえで必要な情報は、例えば以前に受信したサービスアナウンスメントから、UE 606がすでに認識していることができる。オプションとして、この情報を、ネットワークから提供される拒否メッセージに含めることができる。この情報は、例えば、UE 606がサービスのユニキャスト配信を要求する必要のある要求先BM−SCを識別しているURIを含むことができる。別のオプションは、サービス配信のためのUE 606へのユニキャストベアラを確立するネットワーク主導手順を、サービス登録拒否メッセージによって自動的にトリガーすることである。
サービス配信のためのユニキャストベアラは、一般には、ホームeノードB 607のフェムトセルにおいて提供することができる。フェムトセルの中でのサービス配信が(例えば、サービスの設定の要求条件に起因して)まったく許可されないことを、サービス登録拒否メッセージが示している場合、ホームeノードB 607はこのことをサービス拒否メッセージの中でUE 606に示すことができ、UE 606は、ユニキャストベアラサービスを使用してのサービス配信を要求するユニキャストサービス要求を、マクロセル層を通じて送信する(1004)ことができる。
図9および図10に関連して上述した本発明の実施形態においては、ホーム基地局の位置に関する位置情報がネットワークにおいて利用可能である。一例においては、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスの配信について登録する(806)ときにホームeノードB 607によって送信されるサービス登録要求メッセージに、この位置情報を含めることができる。したがって、この例においては、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスを配信するために使用される配信メカニズムを決定するエンティティ(例:eBM−SC 601)に、ホーム基地局に関する位置情報がネットワークによって提供される。別のオプションとしては、この情報を移動端末によって提供することができる。このオプションは、特に、配信メカニズムを決定するエンティティとの接続をUE 606がすでに維持している場合に適用することができる。以下では、この方法について、図11および図12に関連してさらに詳しく説明する。図11および図12は、本発明の例示的な一実施形態による、ホーム基地局(ホームeノードB 607)によって制御されるフェムトセルにおいてMBMSサービスを確立するための別の例示的なシグナリングフローを示しており、サービスデータの配信メカニズムを、移動端末によって提供されるホーム基地局の位置に基づいて決定するステップを含む。
本発明のこの例示的な実施形態においては、UE 606は、移動通信ネットワークに接続しているときには、eBM−SC 601との接続を維持しているものと想定することができる。UE 606が位置しているフェムトセルを制御しているホームeノードB 607に、希望するマルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのサービス要求がUE 606から送信された(805)時点で、ホームeノードB 607は、サービス配信の許可が必要であることをUE 606に知らせる(1101)。さらに、ホームeノードB 607は、UE 606に送信される(1101)許可要求に、適切な位置情報を含めることができる。当然ながら、サービス配信のためにホームeノードBに対する許可を取得することが要求されるのは、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスあたり1回とすることができる。許可が要求されることの指示情報を受信したUE 606は、適切な許可要求をeBM−SC 601に送信する(1102)。この許可要求は、ホームeノードB 607から受信される、ホームeノードB 607の位置に関する位置情報に加えて、ホームeノードB 607のホーム基地局識別子とサービス識別子とをさらに備えていることができる。図9および図10に関連して上述した前の例と同様に、eBM−SC 601は、サービス配信のために要求される配信メカニズムを、許可要求メッセージの中の位置情報に基づいて決定することができる。
ホームeノードB 607が、要求されるマルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのサービスエリアの内側に位置している場合、eBM−SC 601は、サービスの受信をホームeノードB 607が許可されることをUE 606に知らせる許可肯定応答メッセージ(許可ACK)によって、UE 606に応える(1103)ことができる。この許可肯定応答の中のサービス識別子を使用して、サービスを識別することができる。
次いで、UE 606は、許可が承認されたことをホームeノードB 607に知らせて、サービス配信の指示情報を待機することができ、これをトリガーとして、ホームeノードB 607は、サービスの配信についてネットワークにおいて例えばMH−GW 701に登録することができる。しかしながら、事業者の要求条件によっては、この種類のメカニズムは安全性が十分ではないことがある。許可が承認されるとネットワークリソースおよび無線リソースが割り当てられるため、事業者は、この許可が信頼できるエンティティによってトリガーされることを求めるかもしれない。UEは、事業者によって直接的に制御される、移動通信ネットワークのエンティティとは異なり、一般的には信頼できない。したがって、前述したメカニズムに類似するメカニズムを予測することができ、すなわち、eBM−SC 601は、許可されたホームeノードBの識別子と、ホームeノードBの許可が要求されて承認された対象のマルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスの識別子とを含む許可肯定メッセージを、MH−GW 701に提供する(1104)。いずれの場合も、許可が承認されると、MH−GW 701は、セッション制御シグナリング(一般には例えばセッション開始メッセージの中にサービス識別子を含む)とサービスデータパケットとを、許可されたホームeノードB 607に配信する(808)ことができ、ホームeノードB 607は、制御するフェムトセルの中でサービス通知およびサービスデータをブロードキャストする(809)ことができる。最終的に、前に概説したように、UEは、要求したマルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスを受信する(812)ことができる。
次に図12を参照し、ホームeノードB 607が、要求されたサービスのサービスエリアの外側に位置している場合、eBM−SC 601は、許可拒否メッセージ(許可NACK)によってUE 606に応える(1201)ことができる。この応答をトリガーとして、UE 606はeBM−SCからのユニキャスト配信を要求する(1004)ことができる。オプションとして、eBM−SC 601による許可の拒否は、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスをUE 606に配信するためのユニキャストベアラを確立するために要求される情報を含むことができる。
このメカニズムでは、前述したメカニズムと比較すると、ユニキャスト配信のみを利用できる場合においてサービス配信の遅延を低減することができる。UE 606は、許可拒否メッセージを受信したとき、オプションとして、許可されなかったことをホームeノードB 607に知らせる(1202)ことができる。その後、ホームeノードB 607は、別のUE 606から同じサービスの要求を受信した場合に、この情報を考慮することができる。
あるいは、ホームeノードB 607は、配信許可が必要であることの最初の指示情報を要求側UEに送信するとき、タイマーをスタートさせることもできる。タイマーの値は、承認の応答が確実に受信されるように選択することができる。タイマーが切れるまでに応答が受信されない場合、ホームeノードB 607は、配信が許可されないものと推測することができる。
前述したメカニズムによると、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスの配信メカニズムを決定するネットワークエンティティは、対応するサービスエリアの構成設定に関する情報を保持している。さらには、このネットワークエンティティは、サービスエリアの構成設定から移動通信ネットワークのトポロジーへのマッピングに関する情報を保持していることができる。
場合によっては、eBM−SCなどのエンティティにおいて、この種類の情報が利用可能ではないことがある。さらに、eBM−SCは、移動通信ネットワークの中の別のエンティティにこの情報を要求できないこともある。一般に、サービスエリアは、サービスエリア識別子(例:MBMSサービスエリアID(MBMS SA−ID))などの参照情報に基づいてのみ認識される。このサービスエリア識別子は、セッション開始メッセージなどのセッション制御シグナリングに含めることができる。サービスエリア識別子から移動通信ネットワークのエンティティ(例えば、eノードBまたはセル)への実際のマッピングは、要求されるネットワークエンティティ(例えば、E−MBMS GW 602またはeノードB)において設定される。例えば、マッピング情報は、トラッキングエリア識別子またはセル識別子に基づいて、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのサービスエリアを定義することができる。結果として、サービスレベルの構成設定を、ネットワークレベルの構成設定とは無関係に維持することができる。移動通信ネットワークの事業者は、例えば、外部のエンティティがサービスを提供する場合、サービスレベルの構成設定がネットワークレベルの構成設定とは独立していることを求めることがある。
移動通信ネットワークのエンティティにおいて維持されるサービスエリアの構成設定は、例えばO&Mシステムを使用して相当に静的に設定されているものと想定することができる。例えば、この構成設定は、トラッキングエリアなどアイドルモード移動エリアの構成設定に類似したものとする(もしくは再利用する)ことができる。前に指摘したように、事業者は、移動通信ネットワークのマクロセル層を、例えば慎重な計画に基づいて相当に静的に配備する。対照的に、ホーム基地局の配備は相当に動的であり、個々の加入者の制御下にある。したがって、サービスエリアはマクロセル層情報に基づいて構成設定されており、ホーム基地局またはフェムトセルに関する情報を含まないものと想定することができる。結果として、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスを配信するための配信メカニズムを決定するエンティティが、たとえネットワークレベルの構成設定に関する情報を維持している場合でも、ホーム基地局がサービスエリアの内側に位置しているか外側に位置しているかを、各ホーム基地局に関する位置情報に基づいて決定できないことがある。
これらの問題のソリューションは、対象のホーム基地局に対応するマクロ層情報を最初に識別し、次いで、対応するサービスエリア識別子を、移動通信ネットワークの適切なエンティティにおいてこのマクロ層情報を利用して解決することである。これにより、eBM−SCは、マルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスの配信に関する許可および決定を行うことができ、一方で、eBM−SCに追加的に要求される機能または設定が最小限になる。
以下では、この方法について、図13および図14に関連してさらに詳しく説明する。図13および図14は、本発明の例示的な一実施形態による、ホーム基地局(ホームeノードB 607)によって制御されるフェムトセルにおいてMBMSサービスを確立するための例示的なシグナリングフローを示しており、サービスデータの配信メカニズムをホーム基地局に関するマクロセル層の位置情報に基づいて決定するステップを含む。
ホームeノードB 607によって制御されているフェムトセルにアタッチする(902)UE 606は、その範囲内の利用可能なセルを検出する測定を絶え間なく実行するもの想定することができる。これらの測定は、例えば、UE 606が別のトラフィックを受信または送信していない期間中に実行することができる。UE 606が位置しているフェムトセルが1つまたは複数のマクロセルによってもカバーされている場合、UE 606は、マクロセル層のこれらのマクロセルについて測定を実行することができる。UE 606は、測定時、対応する1つまたは複数のマクロセルのセル識別子あるいはトラッキングエリア識別子などのシステム情報を受信することができる。
UE 606は、希望するマルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのサービス要求を自身の現在のホームeノードB 607に送信する(1301)とき、検出されたマクロセル層情報(例えば、対応する1つまたは複数のマクロセルの1つまたは複数のセル識別子あるいはトラッキングエリア識別子)をこのサービス要求に含めることができる。サービス要求を受信したホームeノードB 607は、要求されたサービスの配信対象として自身が含まれるように、ネットワークにサービス登録要求を送信する(1302)ことができる。ホームeノードB 607は、UE 606から受信したマクロセル層情報(位置情報)と、要求されたサービスのサービス識別子とを、このサービス登録要求メッセージに含めることができる。
サービス登録要求メッセージを受信したMH−GW 701は、含まれているマクロセル層情報を使用し、ネットワークに維持されている構成設定に従って、対応するサービスエリア識別子を解決することができる。1つのオプションとして、このような構成設定情報は、MH−GW 701自身が備えていることができる。別のオプションとして、MH−GW 701は、移動通信ネットワークの別のエンティティに解決を要求することができる。例えば、図13および図14に示したように、E−MBMS GW 602が、トラッキングエリア識別子からサービスエリア識別子へのマッピングを備えていることができる。したがって、MH−GW 701は、マクロセル層情報を1つまたは複数のサービスエリア識別子に解釈することを要求する目的で、マクロセル層情報を備えている解決要求メッセージをE−MBMS GW 602に送信する(1303)。
E−MBMS GW 602は、解決要求に応えて、1つまたは複数の対応するサービスエリア識別子を、要求側のMH−GW 701に提供する(1304)ことができる。一般的には、例えば、複数の異なるマルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのサービスエリアが重なり合っている状況を考えれば、特定のマクロセルまたはトラッキングエリアが1つまたは複数のサービスエリアに属しうるものと想定することができる。結果として、たとえマクロセル層情報に対応するサービスエリア識別子をネットワークによって解決できる場合であっても、特定のサービスについて各サービスエリア識別子が有効であるか否かをチェックするべきである。
eBM−SC 601は、サービスレベルの構成設定に関する必要な情報を備えているエンティティの役割を果たすことのできる代表的な例である。したがって、1つまたは複数のサービスエリア識別子を含む解決応答メッセージを受信した(1304)MH−GW 701は、許可要求メッセージをeBM−SC 601に送信することによって、サービス配信についてのeBM−SC 601からの許可を要求する(1305)ことができる。MH−GW 701は、受信した1つまたは複数のサービスエリア識別子に加えて、ホームeノードB 607によって要求されたサービスを識別するサービス識別子を、この許可要求メッセージに含めることができる。eBM−SC 601は、サービス識別子に対応する格納されているサービスの設定を調べて、示されたサービスエリア識別子のうちの1つが含まれているか否かを容易に確認することができる。
eBM−SC 601は、要求されたサービスに対してサービスエリア識別子が設定されていることを確認できる場合、ホームeノードB 607がマクロ層エリアの中に位置しており、このマクロ層エリアがサービスエリアの中に位置しているという事実に基づいて、ホームeノードB 607もサービスエリアの内側に位置しているものと推測することができる。したがって、eBM−SC 601は、許可要求を承認する(904)ことができ、これをトリガーとして、セッション制御シグナリングがホームeノードB 607に配信され(808)、そのフェムトセルの中のUEにサービスデータが配信される(810,811,812)。
図14に示したように、E−MBMS GW 602によってサービスエリア識別子を解決できない、または、解決されたサービスエリア識別子のいずれも、要求されたサービスに対応していないことをeBM−SC 601が検出する場合、ホームeノードB 607は要求されたサービスのサービスエリアの外側に位置しているものと推測される。この場合、eBM−SC 601は、図10に関連して前述したように、ホームeノードB 607へのサービス配信を拒否する(1001)。したがって、UE 606は、ホームeノードB 607からサービス拒否を受信すると、上述したようにサービスのユニキャスト配信を要求する(1004)ことができる。
上述した手順においては、サービスエリア識別子は、フェムトセルの中に位置しているUE 606によって取得されたマクロセル層情報に基づいて、ネットワークにおいて解決される。マクロセル層情報は、移動端末が測定手順時に検出してホーム基地局に報告することができる。別のオプションとしては、図15および図16に例示したように、該当するサービスエリアをマクロセル層から解決することを移動端末が能動的に要求することができる。図15および図16は、本発明の例示的な一実施形態による、ホーム基地局(ホームeノードB 607)によって制御されるフェムトセルにおいてMBMSサービスを確立するための別の例示的なシグナリングフローを示しており、サービスデータの配信メカニズムを、移動端末によって提供されるホーム基地局に関するマクロセル層の位置情報に基づいて決定するステップを含む。
UE 606は、一時的にフェムトセルからマクロセルに切り換えて(またはマルチホームの場合にはフェムトセルおよびマクロセルの両方との接続を維持することができる)、移動通信ネットワークに要求メッセージ(TAU要求)を送信する(1501)ことができる。このステップは、特に、UE 606がアイドル状態にあり、その時点で何らのトラフィックの受信および送信を行っていない場合に可能である。UE 606は、マクロセルに接続されると、マクロセル層に関する位置関連手順(例えば、サービスエリア識別子を解決するための要求を含むトラッキングエリア更新(TAU))をトリガーすることができる。その応答において、マクロセル層ネットワークにおいてUE 606を処理担当している移動管理エンティティ603(図6および図7を参照)は、要求を送った送信元のマクロセルに対応する1つまたは複数のサービスエリア識別子を、応答メッセージの中で示す(1502)ことができる。あるいは、UE 606がマクロセルからフェムトセルに変更する前に、このマクロ層手順を実行することができる。この場合、サービスエリア識別子の解決を要求する目的で再びマクロセルに切り換える必要はない。
前の実施形態と同様に、マクロセルがいくつかのサービスエリアに属している場合(複数の異なるマルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのサービスエリアが重なり合っている場合)、ネットワークによって複数のサービスエリア識別子が提供されることがある。したがって、報告されたサービスエリア識別子の中に目的のサービスのサービスエリアが含まれているかを、ネットワークにおいて(例えば、eBM−SC 601において)確認するべきである。したがって、UE 606は、ホームeノードB 607に送信される(1501)、希望するマルチキャストサービスまたはブロードキャストサービスのサービス要求メッセージの中に、受信した1つまたは複数のサービスエリア識別子を含めることができる。前述した手順と同様に、ホームeノードB 607はMH−GW 701に登録し(1302)、要求されたサービスのサービス識別子に加えてサービスエリア識別子をMH−GW 701に提供することができる。MH−GW 701は、許可要求をeBM−SC 601に送信し(1305)、eBM−SC 601は、示されたサービスエリア識別子のうちの1つが、示されたサービスのサービスエリアに対応しているかについて、自身に格納されているサービスの設定を調べることができる。
eBM−SC 601は、要求されたサービスに対してサービスエリア識別子が設定されていることを確認できる場合、許可要求を承認する(904)ことができ、これをトリガーとして、セッション制御シグナリングがホームeノードB 607に配信され、そのフェムトセルの中のUEにサービスデータが配信される。図16に示したように、マクロセル層手順に応えてサービスエリア識別子を解決できない、または、解決されたサービス識別子のいずれも、要求されたサービスに対応しないことをeBM−SC 601が検出する場合、ホームeノードB 607は要求されたサービスのサービスエリアの外側に位置していることが明らかである。このような場合、ホームeノードB 607へのサービス配信がネットワークにおいて拒否され(1001,1002,1003)、これをトリガーとして、UE 606は、前述したようにサービスのユニキャスト配信の要求を送信する(1004)ことができる。
本発明の別の実施形態は、上述したさまざまな実施形態を、ハードウェアおよびソフトウェアを使用して実施することに関する。本発明のさまざまな実施形態は、コンピューティングデバイス(プロセッサ)を使用して実施または実行できることが認識される。コンピューティングデバイスまたはプロセッサは、例えば、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、またはその他のプログラマブルロジックデバイスとすることができる。本発明のさまざまな実施形態は、これらのデバイスの組合せによって実行あるいは具体化することもできる。
さらに、本発明のさまざまな実施形態は、ソフトウェアモジュールによって実施することもでき、これらのソフトウェアモジュールは、プロセッサによって実行される、あるいはハードウェアにおいて直接実行される。さらに、ソフトウェアモジュールとハードウェア実装とを組み合わせることも可能である。ソフトウェアモジュールは、任意の種類のコンピュータ可読記憶媒体、例えば、RAM、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリ、レジスタ、ハードディスク、CD−ROM、DVDなどに格納することができる。
さらに、本発明のさまざまな実施形態の個々の特徴は、個別に、または任意の組合せにおいて、別の発明の主題とすることができることに留意されたい。
本発明には、具体的な実施形態に示したように、広義に記載されている本発明の概念または範囲から逸脱することなく、膨大なバリエーションもしくは変更形態を創案できることが、当業者には理解されるであろう。したがって、これらの実施形態は、あらゆる点において例示的なものであり、本発明を制限するものではないことを理解されたい。