JP5126978B2 - 省燃費運転システム - Google Patents
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Description
しかし、上り坂を走行する際に、平坦路走行時と同じシフト段では車両速度が低下してしまうので、シフトダウンして、エンジン回転数を高回転領域にして指示された車両速度まで加速する場合が存在する。その様な加速は無駄な加速であり、省燃費運転の趣旨に反してしまう。
しかし、この従来技術(特許文献1)も上り坂であるか否かを判定していないので、上述したのと同様に、上り坂において燃費が悪い運転が行なわれてしまう。
しかし、この技術では、予め道路勾配が明らかになっている場合でなければ燃費の良い運転方法をアドバイスすることが出来ないという問題を有している。
しかし、先願(特願2007−196904)では、道路勾配情報データベースは「下り坂」、「下り坂手前」、「その他」についてデータベースを構築しており、自動制御についても「下り坂」、「下り坂手前」、「その他」について行なわれるので、「上り坂」については特に配慮はされていない。そのため、「上り坂」を走行する際に、「上り坂」に関するデータベースを構築することは出来ず、また、「上り坂」走行について省燃費に効果的なアドバイスを行う機能も有していない。
そのため、従来技術では困難であった上り坂走行中に燃費の良い運転が実現出来ると共に、速度の低下と、それに伴うシフトダウンと無駄な加速を防止することが出来る。
ここで、例えば上り坂か否かを判定する規定値(エンジン出力規定値Pa、加速度規定値αa)を、シフト位置毎に設定すれば、上り坂であるか否かの判断精度が向上する。
例えば本発明において、「シフト位置を維持する旨を示す」機能と、「車速低下を警告する」機能とを発揮させるための表示装置(ディスプレイ12)を装備し、上り坂の手前でシフト操作をドライバに指示し、ドライバがこの指示に従うようにさせれば、上り坂走行中の無駄なシフト操作がなくなり、燃費に悪影響の出る無駄な加速を防止できる。
すなわち、上り坂の手前でシフト操作を指示することで、上り坂走行中に無駄なシフト操作をする必要がなくなる。そして、無駄な加減速を防止して、燃費悪化の要因を減少することが出来る。
図1において、全体を符号100で示す実施形態の省燃費運転システムは、エンジンコントロールユニット1、トランスミッションコントロールユニット2、各種センサ類3〜9、省燃費運転コントロールユニット10、記憶装置であるデータベース11及び表示装置であるディスプレイ12と、によって構成されている。
なお、本明細書において、「エンジンコントロールユニット」を「ENG−ECU」、「トランスミッションコントロールユニット」を「TM−ECU」、「省燃費運転コントロールユニット」を「コントロールユニット」と記載する場合がある。
ENG−ECU1、TM−ECU2、ディスプレイ12は、制御信号ラインLoによってコントロールユニット10と接続されている。
データベース11は、信号ラインLによってコントロールユニット10と接続されている。
図3では、符号Aで示す領域以外では、下り坂とその他の道路(例えば平坦路)ではシフトポジションは「12」であり、領域A(上り坂)ではシフトポジションは「11」にシフトするべき旨が、データベースに記憶されている。
図示はされていないが、上り坂か否かを判定する規定値(エンジン出力規定値Pa、加速度規定値αa)は、シフト位置毎に設定することが出来る。その様に構成すれば、上り坂であるか否かの判断精度が向上する。
コントロールユニット10は、「第1の状態」から「第2の状態」に移行した際に、「第1の状態」の間にシフトダウンが行なわれたか否かを判断する機能を有している。
それと共に、コントロールユニット10は、「第1の状態」の間にシフトダウンが行なわれた場合には、「第1の状態」に相当する走行ルート(位置)におけるシフトポジションに係るデータを、シフトダウン後のシフトポジションに書き換える機能を有している。
そして、記憶されているシフトポジションと現在のシフトポジションとが同一であれば運転者に対してシフト位置を維持する旨を支持する機能を有している。一方、記憶されているシフトポジションが現在のシフトポジションよりも高速段である場合には車速低下をドライバに警告する機能を有している。
一方、記憶されているシフトポジションが現在のシフトポジションよりも高速段であれば、車速が車速規定値Va以下であり、エンジン出力がエンジン出力規定値Pa以上であり、且つ、加速度が加速度規定値αa以下である場合に、TM−ECU2に対してシフトダウンする旨の指示信号を出力する機能を有している。
図4のステップS1において、コントロールユニット10は、GPSセンサ8を除く各センサ3〜9、又はENG−ECU1、TM−ECU2からの情報を取得し、エンジン出力を演算する(ステップS2)。
一方、車両の加速度が規定値αaを超えていれば(ステップS5がNO)、ステップS6に進む。
ステップS6では、コントロールユニット10は、ステップS4、ステップS5が共に「YES」の状態から外れてから、所定時間(シフトダウンに必要な時間)Ta以内であるか否か判断する。上り坂判定から外れて所定時間Ta以内であれば(ステップS6がYES)、ステップS7に進む。
ステップS9では、新たな位置情報、勾配情報及びシフトポジションをデータベース11に記憶した後、ステップS1まで戻り、再びステップS1以降を繰り返す。
一方、ステップS7においてシフトダウンが行なわれていなければ(ステップS7がNO)、「上り坂ではない」と判定し(ステップS10)、ステップS11に進む。
ステップS4、ステップS5が共に「YES」の状態から外れてから所定時間Taが経過し(ステップS6がNO)、或いは、所定時間Ta内にシフトダウン操作が行われなかったならば(ステップS7がNO)、「上り坂ではない」と判定し(ステップS10)、ステップS11に進む。
換言すれば、「第1の状態」から「第2の状態」に移行した際がステップS10に進んだ状態であり、上り坂(連続した上り坂を含む)が完了した状態である。図4では、係る状態になったならば(ステップS10に進んだならば)、ステップS11において、「第1の状態」の間(ステップS4及びステップS5が共に「YES」の状態、及び/又は、ステップS6及びステップS7が共に「YES」の状態とが連続している間)、すなわち(連続した)上り坂を走行している間に、シフトダウンが行なわれたか否かを判断する。
一方、連続して上り坂と判定した区間でシフトダウンが無ければ(ステップS11がNO)、シフトポジションに係るデータを書き換えることなく、そのままステップS1まで戻り、再びステップS1以降を繰り返す。そして、その後ステップS1まで戻り、再びステップS1以降を繰り返す。
ステップS12においては、今後の省燃費運転のため、当該連続した上り区間(上り坂)におけるシフトポジションとして、シフトダウン後のシフトポジションをデータベース11に記憶する。
図示の実施形態では、連続した上り区間(上り坂)が終了した(ステップS10に進んだ)場合にステップS11、S12の判断を行い、必要に応じて(ステップS11がYESの場合)、データベース11のシフトポジションを書き換えて(ステップS12)いる。
図5のステップS21において、コントロールユニット10は、GPSセンサ8を除く各センサ3〜9、ENG−ECU1、TM−ECU2からの情報を取得する。そして、ステップS22において、GPSセンサ8によって自車の位置情報を取得する。
一方、現在位置から上り坂までは所定時間以内で到達できないと予想されるのであれば(ステップS23がNO)、ステップS21まで戻る。
データベース上のシフトポジションと現在のシフトポジションが同じであれば(ステップS24がYES)、ステップS25に進み、ドライバに対して、現在のシフトポジションで走行するようにアドバイスする。そして、ステップS21まで戻る。
データベース上のシフトポジションと現在のシフトポジションが異なれば(ステップS24がNO)、ステップS26に進む。
データベース上のシフトポジションより現在のシフトポジションが高速段であれば(ステップS26がYES)、ステップS27に進み、上り坂での車速の低下をドライバに警告し、ステップS21まで戻る。
図6のステップS31において、コントロールユニット10は、GPSセンサ8を除く各センサ3〜9、又はENG−ECU1、TM−ECU2からの情報を取得する。
そして、ステップS32において、GPSセンサ8によって自車の位置情報を取得する。
一方、現在位置から上り坂が開始されない(上り坂ではない)のであれば(ステップS33がNO)、ステップS31に戻る。
データベース上のシフトポジションと現在のシフトポジションが同じであれば(ステップS34がYES)、ステップS35に進み、TM−ECU2に対してシフトアップしないように、すなわち、それまでのシフトポジションを維持して走行するように制御信号を発生して指示する。そして、ステップS31まで戻る。
一方、上り坂走行時のデータベース上のシフトポジションと現在のシフトポジションが異なれば(ステップS34がNO)、ステップS36に進む。
一方、上り坂走行時のデータベース上のシフトポジションより現在のシフトポジションが高速段になっていなければ(ステップS36がNO)、ステップS39に進み、例えば公知の手法により、一定速度で走行する。そして、ステップS31まで戻る。
上記3つの条件を全て充足した場合(ステップS37がYES)には、ステップS38に進み、TM−ECU2に対してシフトダウンを指示した後、ステップS31まで戻る。
一方、上記3つの条件の内を全て充足していないのであれば(ステップS37がNO)、そのままステップS31まで戻る。
そのため、従来技術では困難であった上り坂走行中に燃費の良い運転が実現出来ると共に、速度の低下と、それに伴うシフトダウンと、無駄な加速を防止することが出来る。
図示の実施形態において、連続した上り坂が終了した際に、連続した上り坂を走行している間にシフトダウンが行なわれた場合には、当該連続した上り坂におけるシフト位置として、シフトダウンした後のシフト位置を、データベース11で記憶する様に構成している。そのため、次回に当該連続した上り坂を走行する際には、最初からシフトダウンして走行し、上り坂途中でシフトチェンジをしない運転を行なうことが出来るので、燃費が向上する。
或いは、図示の実施形態では、上り坂を走行するのに適切なシフト位置がデータベース11に記憶されており、係るシフト位置で上り坂を走行するように制御することが出来るので、省燃費が実現出来る。
2・・・トランスミッションコントロールユニット
3・・・車速を計測する装置/車速センサ
4・・・加速度を計測する装置/加速度センサ
5・・・燃料流量を計測する装置/燃料流量センサ
6・・・エンジン負荷を計測する装置/エンジン負荷センサ
7・・・エンジン回転数を計測する装置/エンジン回転数センサ
8・・・車両位置検出装置/GPSセンサ
9・・・シフト位置を検出する装置/シフトポジションセンサ
10・・・制御手段/省燃費運転コントロールユニット
11・・・記憶装置/データベース
12・・・表示装置/ディスプレイ
Claims (1)
- 車速を計測する車速センサ(3)と、車両の加速度を計測する加速度センサ(4)と、燃料流量を計測する燃料流量センサ(5)と、エンジン負荷を計測するエンジン負荷センサ(6)と、エンジン回転数を計測するエンジン回転センサ(7)と、シフト位置を検出するシフトポジションセンサ(9)と、エンジンコントロールユニット(1)とトランスミッションコントロールユニット(2)と、上述した各装置からの信号を受信して演算と解析を行なう制御装置とを備えた省燃費運転システムにおいて、車両の位置情報を取得する車両位置検出装置(8)を備え、前記車速センサ(3)と加速度センサ(4)と燃料流量センサ(5)とエンジン負荷センサ(6)とエンジン回転センサ(7)との各計測信号とシフトポジションセンサ(9)からの信号と車両位置検出装置(8)に取得された車両の位置情報とがそれぞれ車両ネットワーク(NW)を介して制御装置(10)に伝達され、前記制御装置(10)は記憶装置(11)を備え、そして前記制御装置(10)はエンジン出力を演算し、演算されたエンジン出力がエンジン出力規定値(Pa)以上であるが、車両加速度が車両加速度規定値(αa)以下であれば上り坂を走行していると判断し、演算されたエンジン出力がエンジン出力規定値(Pa)以上で且つ車両加速度が車両加速度規定値(αa)以下の状態ではなくなってから所定時間以内にシフトダウンを行なっている場合にも上り坂と判定する機能を有し、かつ、車両位置検出装置(8)により取得された車両の位置情報と、上り坂である旨の判定結果と、シフト位置の検出結果から、上り坂の位置及びその際のシフト位置を記憶装置(11)に記憶する機能を有していることを特徴とする省燃費運転システム。
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