JP5121823B2 - 画像データ処理システム - Google Patents

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Description

本発明は、概略として、画像化システムで取り込まれたデータを処理するための方法、装置、およびコンピュータプログラムコードに関し、より詳しくは、画像化された物体の変形データを決定する、超音波画像化システムのようなパルス−エコー画像化システムに関する。
変形を推定することは、軟質組織の機械的特性を画像化する、現在発展中の技術において、基本である。われわれは、われわれが重みづけ位相乖離と呼んでいる、位相に基づく超音波による変形推定技術の理論的解析と実験結果とを述べていく。数多くのさまざまな、位相に基づくアルゴリズムが、均質なひずみ変形の広がりに支配された均質な散乱場からの模擬RFデータで試験された。その結果は、新たな手順の基礎となる理論を裏付け、また、実用的な用途での高性能変形推定法の設計において重要視され得る要素を明らかにした。背景となる従来技術は、US6,520,913、US2005/165309、およびUS2003/0200036に開示されている。
組織の機械的な変形を超音波で画像化することは、多くの競合する取り組みが存在する成長分野である。大多数のやり方は、超音波を走査したときに生じる、連続するフレーム間の小さな変形を高精度に推定することを要する。少数の他のものは、ありきたりのドップラー挙動の推定でもって動作する。多くのシステムは、よく使われている2次元の超音波走査装置を備えており、変形の推定は、変位見積りを1次元または2次元の配列で生成することを狙って行われ、その変位見積りは、フレームそれぞれに関する微小な格子状位置を対象とする変位場からの雑音を伴ったサンプルと考えられ得る。変位見積りは記録され、ときには変位画像として直接に表示されるが、その変位を空間的に派生させてひずみ画像として生成する方がより普通である。また、基本となる組織の機械的特性の量的な見積りの表示を目指す、より手の込んだ解析も存在する。これは、例えば、既知の静的負荷での変形データが記録されているとき、弾性場に対する逆問題を解くことで取り組むことができる。あるいは、低周波数のねじれ波が、注目する領域を通って伝達されるとき、波面伝搬の記録から弾性係数が見積られ得る。
変形を解析するどの技術が臨床上重要になろうが、高水準解析の結果品質は、現下の変形見積りの正確さに大きな程度で依存するであろう。さらに、この見積りは、当然に安価な計算コストでなされることが望ましい。
この点において、一般的に超音波イメージングで用いられているいくつかの用語を導入することが役に立つ。超音波画像化システムは、一般的に、1次元あるいは2次元配列の超音波トランスデューサを備えており(単一のトランスデューサが備えられている場合もある)、その配列は典型的には20ないし256個のトランスデューサをそれぞれの次元に備えている。トランスデューサそれぞれは、送信機、受信機の両者として動作する。トランスデューサは一般的にRFのパルスエネルギーによって、典型的に1−20MHzの範囲で駆動される。その信号は、パルスが十分に長くて、相対的によくわかっている周波数をこのように有するRFのいくつもの波長を含むという意味においては狭帯域と考えられ得る。超音波トランスデューサの配列は、多くの場合、超音波用のゲルまたは水を介して検査する組織に当てがわれる。典型的に、その超音波は検査する組織の中、数センチメートル、例えば25cmまで透過し、トランスデューサ配列が、横方向に数センチメートルの領域を走査する。軸上の解像度は一般的に横方向解像度より非常に大きく、例えば、1000サンプル(1回で)のオーダーであり、横方向には100ラインのオーダーである。いわゆるAラインは実際にトランスデューサそれぞれから検査する組織中に走り、いわゆるBスキャンあるいはBモードの像は、多くのAラインを含む平面を備えて、組織を通る垂直断面を定義する。Bスキャンは、典型的に、2次元の明暗画像として提供される。2次元のトランスデューサ配列は、複数の垂直のBスキャン像を取り込むため、例えば、3次元の体積データを提供するため、使用され得る。
取り込まれた像は、一般的に、Aラインのそれぞれに沿ってそれらから連続的にデータを順に取り込むことにより、すなわち、それぞれの超音波送受信機上を中心とするコラムデータを順に取り込むことにより(ビームに方向を与えることを採用することもできる)、蓄積される。しかしながら、特定のラインからデータを取り込むとき、好ましくは、トランスデューサが中心とするラインから離れて徐々に位相を増すようにしてトランスデューサを集合として駆動する。この結果、検査のライン上にある焦点に収束するほぼ球面状の超音波波面が作られる。トランスデューサで受信された信号は、適当な振幅と位相で加算されてラインデータを再構成する。これは、多くの場合、復調される前、場合によってはさらに対数重みづけがされBスキャンとして表示される前、時間利得補正がされた(なぜならば受信信号の振幅は調べられた深さに伴い減少する)RF(放射周波数)出力を提供する。しばしば、RFデータは、処理過程のどこかで、例えば復調の前でディジタル化され、その後の処理はディジタル領域でなされる。1対のアナログディジタル変換器が典型的に用いられて、同相と直交相のディジタル信号成分が得られ、その結果位相データが使える。
本発明の実施形態を実施するのに適する超音波画像化システムの概略ブロック図が図1に示される。この図は、単に画像化システムの一例を図解したものであり、本発明の実施形態が動作する脈絡を理解する上での助けを与える。当業者なら、本発明の実施形態が採用し得る多くの別形式の超音波(および他の)画像化システムがあることを理解するであろう。
われわれは、パルス−エコー技術、特に超音波画像化システムによって取り込まれた少なくも1次元の画像データが、変形(変位)データを決定するためいかに処理され得るかを述べる。処理されるべき超音波画像データは、図示するようにディジタル化された、場合によってはその前にアナログ領域で前処理がされた、RF信号データをもつ。(前処理がなされる領域においてそれは多くの形式を取り得る。そのひとつが図示されているに過ぎない。)概略的に、復調されたデータは、エンベロープ検出および対数重みづけによってBモード表示を提供するため処理され得、さらに場合によって、ひずみの決定がなされ得てひずみ表示を提供し得る。図1に図示された復調は、よく知られた方法でRF信号の振幅(エンベロープ)と位相情報とを抽出し、復調のあとその信号はディジタル化され、処理RF信号は復調ベースバンド信号をもつようになる。ほかのシステムでは、RF信号は復調の前にディジタル化され得る。
ディジタル化されたI、Q(同相、直交相)信号は、しばしば、よく知られた超音波画像化機器で使われていて、適宜、後述する本発明の実施形態は、適当にプログラムされた汎用のコンピュータあるいはディジタル信号プロセサ(DSP)を使ってまた場合より専用のハードウエアを使ってこの信号を処理することにより、実施し得る。
以下の記述において、直接に位置データを扱うより時間データを扱う方がしばしば便利であるが、典型的には、音の典型的速さを仮定すればこれらの2つの変数間には直接的関係が仮定される(位置=速さ×時間)。そこで、実効的に、これらの2つの変数は可換である。人体組織に対して音の速さは通常、1540m/s(49℃の水での速さ)とされ、これは良好な見積りとして受け入れられる。ほかの材料ではほかの速さが使われ得る。以下の議論において同様にわれわれは、一般的に軸方向のひずみについて述べるが(システムの解像度が軸方向、すなわちAライン方向で典型的に最大だからである)、後述する技術は、1次元または2次元(2次元の配列の場合)の横方向のひずみにも適用可能であるとして、サンプルの数が少ないので正確性が通常は劣るものの、その価値が認めるべきであろう。
われわれは、一般に変位が位置で連続的に変化する関数であるとき、変形前および変形後に得られた1対のRF超音波フレームどうし間の変形を見積る課題を考える。変位は、変形前のフレームにおける小さなデータ区画に対して窓を位置させ、変形後のフレームにおいて最も近い整合する窓を探し当てることによって見積られ得る。変位見積りは、変形前および変形後の窓位置の違いになる。窓整合課題は、信号の類似性を測る尺度における最適条件を見出すため、変形後の窓を微調整することを必要とする。ひとつの尺度は、相関係数である。もっとも、同様のはたらきは、別の尺度を用いる技術から得ることもできる。例えば、自乗差分の和(F.ビオラ、W.F.ウォーカー、「医用超音波における時間遅延見積り法のはたらき比較」、IEEE超音波・強誘電・周波数制御論文集、50(4):392−401、2003年4月)や、複合相互相関関数の位相(X.チェン、M.J.ゾディ、S.Y.エメリアノフ、M.オドネル、「統合された横方向位相を用いたラテラル・スペックル・トラッキング」、IEEE超音波・強誘電・周波数制御、51(5):540−550、2004年5月;M.オドネル、A.R.スコボローダ、B.M.シャーポ、S.Y.エメリアノフ、「超音波スペックル・トラッキングを用いた内部変位およびひずみの画像化」、IEEE超音波・強誘電・周波数制御論文集、41:314−325、1994年5月)である。見積りの手順は、上記のように、区画化された位置全部に対して、変形場が適切に標本化されるまで繰り返される。
変形を見積るため窓を整合するやり方は、時に問題が起こる。変形前および変形後の窓は、窓個々の尺度では変形が無視し得るほどでないかもしれないので、しばしば整合性が薄い場合がある。そこで、変形後の信号は、変形前および変形後の窓どうし間の相関を高めるため歪められ得る。これにより「適応」ひずみ見積り法になる。最も単純な適応方法は、実際に生じた信号変形の一部を反転することを意図して、変形後の信号を均一に伸ばすことである。適応ひずみ見積り法からの変形データは、測定できる程度で通常の変位見積りより雑音が少ない。しかし、この改善は計算コストのそれなりの増加を伴う。
しかしながら、われわれは最近、窓を整合するやり方は改善され得ることに気づいた。有限の長さの窓が、低雑音で変位見積りをなすため用いられるので、データの正確性は、変位見積りが有効である場所を見積ることにより改善され得る。そこで、このやり方では、変形データはそれぞれ、変位それ自体に加えて変位場所の見積りを有する。暗黙にその場所が窓の中心であると仮定することは、ひずみ画像を振幅調整している、RF信号を伴う「振幅調整」品という結果になる。この理由から、われわれは、この場所見積り技術を振幅調整修正(AMC)と呼ぶ。われわれは、適応ひずみ見積りより、AMCがより低い計算コストで、よりよい結果を生むことを立証した(L.E.リンドプ、G.M.トリーセ、A.H.ギー、R.W.プラガー、「高度ひずみ画像化のための変位場所の見積り」、技術報告CUED/F−INFENG/TR 550、ケンブリッジ大学工学部、2006年3月)。AMCのさらなる詳細は、2006年3月28日に出願されたわれわれのUK特許出願、番号0606125.3に見出すことができる。これはここにその全部として参照文献として組み込まれる。
AMCは、位相に基づき変位を見積る装置と結びついて特に容易に実施され得る。ここで、位相に基づき変位を見積ることのさらなる解析を紹介する。位相に基づき変形を見積る新しい装置を展開し評価するため、理論的なおよび経験的な方法の両者が用いられる。特に、われわれは、われわれが重みづけ位相乖離(WPS)と呼ぶ、高度に融通性のある、ひとグループの新規のアルゴリズムを導入する。WPSの枠組みが、位相に基づく今までの方法の機能を再度生成し得ることが示されるが、WPSは、異なる特性を必要とするとき適用されもする。われわれが記述する特定の実施形態は、たいていは最も重要である、軸方向での変形見積りを考慮する。その正確性は、RF超音波信号ははるかに低い横方向および縦方向帯域幅を持つので、優る。そして、弾性画像化の多くの方法において、最も大きな変形は、実際、軸方向で生じる。しかしながら、当業者なら、われわれが示す教示が、多次元変形見積りのための他方向の変位見積りに適用され得ると容易に評価するであろう。
本発明の第1の態様によれば、したがって、画像化される物体における少なくとも1次元の変形を定義する変形データを決定するために、画像化技術によって取り込まれた少なくとも1次元の画像データを処理する方法が提供される。この方法は、前記画像化される物体の相異なる変形に対応する第1および第2の前記画像データの集合を入力する。その画像データのそれぞれは、前記物体からの画像信号の画像信号データを有し、前記画像信号データは少なくとも信号位相データを含む。そして、前記第1および第2の画像データ集合の少なくとも1点に対して、前記第2の画像データ集合における、この1点に対応する変位を決定して前記変形データを用意する。ここで、上記、対応の変位を決定することにおいては、前記変位の値を初期化して前記変位の初期現状値を用意すること、前記変位の調整値を決定して前記対応する変位を用意することがなされる。調整値の前記決定では、前記第1および第2の画像データ集合における対応する位置間の信号位相の違いの平均値を決定すること、ここで前記対応する位置は前記変位の前記現状値によって決定される、と、前記平均を用いて前記調整された変位値を決定することとがなされる。全体として言うと、実施形態においては、この手順は、捉えられた超音波画像のAラインに沿って連続的な変位の集合を決定する。しかしながら、後述するように、この技術の実施形態は、超音波画像化には限定されない。
Aラインの先頭では、初期の(仮の)変位が0として与えられ得る。続く変位に対しては、Aラインに沿う直前の変位が使われ得て初期の仮値が用意される。ある点の対応する変位は、調整された変位値に等しく設定され得る。しかし、実施形態では、この調整された変位値は、調整された次の変位値を決定するため、現状の変位値として先回の調整変位値を用いて、変位値を連続的に調整することにより繰り返し決定される。
上記された本発明を実施する技術の核心は、信号位相乖離が、相互相関関数に頼ることなく独立型の変位見積り法として使われ得るという発明者らによる認識にある。よって、上記の方法の実施形態は、第1および第2の画像データ集合における対応する点の間での変位を信号位相乖離に基づいて決定する。対応する点は、最初は、仮の変位、それは好ましくは繰り返し調整され、実際に見積られた変位に収束する、に基づいている。仮の変位を調整することは、第1および第2の画像データ集合における2つの対応点間の単純な比較というより平均位相乖離に基づいている。これで雑音が抑制される。その平均は好ましくは窓にわたって取られており、いくつかの好ましい実施形態では、後述するように重みづけ平均からなるべきものである。これが、発明者らが本技術の実施形態を「重みづけ位相乖離」(WPS)を呼ぶ理由である。その実施によっては、調整された変位値は、ベースバンドで位相を記録するとき(後述の式28を参照)、(重みづけ)平均に等しく設定され得、画像信号の名目中心周波数で増減され得る。あるいは、(その増減された)(重みづけ)平均は仮の変位を真値化するために、好ましくは繰り返し用いられる(後に式17を参照して記述)。
上記実施形態では、信号位相の相違の重みづけは、特に上記述べた窓の中では、信号振幅および信号位相の一方または両方に関わられている。すなわち、例えば、信号振幅の重みづけは、第1および第2の画像データ集合での対応する窓の中での信号の積を持ち得る。位相に基づく信号の重みづけは、好ましくは、大きな位相乖離を偏らせないように選択され得、第1および第2の画像データ集合上の対応窓での第1および第2の画像データ集合間の位相の違いの関数に基づき得る。その関数は、実施形態において、調整可能な位相重み付け解消を提供する、べき法則を持ち得る。しかし、当業者なら多くのほかの変形例が可能であることを理解するであろう。
この方法の展開としては、隣り合う画像ラインからのデータを有する、1次元でなく2次元の窓が変位を見積るため用いられ得る。
上記導入で述べられたような、振幅調整修正の技術は、発明者らの先のUK特許出願、番号0606125.3(ここで参考文献として組み込まれる)に記述されていて、信号位相の違いの(重みづけ)平均に基づいた変位値の決定は、実施形態においては同様の重みづけが実質的に用いられ得るので、特に、この技術の適用に適している。概略的に、振幅調整修正(AMC)は、変位見積りのため、その変位見積りが実際の変位に最も対応している位置である場所を決定することを含む。この位置の決定は、変位を決定するため用いられる窓での位置(時間)の直接の重みづけ平均を含み得る。あるいは、変位場所のもっと複雑な多項式表現(連続する変位の集合を多項式に合わせる意味において)がAMCに用いられ得る。AMC重みづけは、信号振幅(エンベロープ)および信号位相の一方または両方に基づき得る。第1および第2の画像データ集合の一方または両方からの振幅および/または位相が用いられ得る。後述する、重みづけ位相乖離技術のための重みづけの例もAMCのため用いられ得る。
変形データは、物体の中での変位またはひずみの場を定義し得るが、ひずみ場それ自体を決定するため使われる必要はない。好ましい実施形態では、この技術は、例えば1次元(またはそれ以上の)画像での連続する位置における複数の変位見積りを決定するため適用される。しかしながら、いくつかの応用では、単一の見積りで足りる。組織が画像化される例では、検査表面で動きがないことがあり得る。それは、その検査表面と変位が見積られた位置との間の、言うならば平均ひずみの見積りを提供するための基準として考えられ得る。
好ましくは、画像データは、超音波画像化のようなパルス−エコー技術によって取り込まれたデータを含む。しかしながら、本技術の実施形態は、CT(コンピュータ・トモグラフィ)弾性画像化にも、さらには例えば皮膚の損傷を調べる例えば光学画像化技術にも適用され得る。少なくとも1次元の画像データは、好ましくは、復調前または後にディジタル化されたRF(放射周波数)データを含む。このデータは、同相と直交相のディジタル信号の形式とすることができる。ほかのデータ形式も使用され得る。典型的に、画像データ集合のひとつは変形前フレーム(ここで「フレーム」は1次元データを含む)を、ほかは変形後フレームを、定義する。これらのいずれかは、正のひずみが考慮されるかあるいは負のひずみが考慮されるかに依存して、基準と考えられ得る。
一度変形データが得られると、それはどの便利な方法でも使われ得る。このようなデータが使われ得る方法はたくさんある。典型的に、このデータから派生する情報は、例えば画像化される物体での変位またはひずみの場を表す、階調を有するまたはカラーの画像として、システムの操作者に表示される。
しかしながら、ほかの応用では、変形データは、物体の実際のひずみ(またはひずみの場や画像)を決定するため、あるいは弾性(1以上の粘弾性率を含む)のような物体特性を推論または画像化するため用いられ得る。われわれが記述する技術の実施形態は、診断者の手によって引き起こされる、ひずみ場を生成する応力を信用するに足るほどに十分に感度がよい。しかしながら、制御振動装置のような装置を用い、弾性のような特性を計算/表示するために、制御された応力を提供できる。画像化する物体に応力を生じさせるほかの技術は、内部の機械的応力を引き起こす(焦点に集められた)超音波ビームを用いることを含む。生理的な動きによる応力、例えば、心循環での血圧変動による応力が使われもする。
好ましい実施形態では、物体は、生物組織、好ましくは人や動物の生体組織を含む。食糧、例えば肉や果実のようなほかの生物材も画像化され得る。
本方法の好ましい実施形態は超音波画像化分野で使われるが、この技術の応用はこの分野に限定されない。特にこの方法は、パルスがRF電気磁気パルスを有しエコーがスピンエコーを有する磁気共鳴画像化(MRI)に応用され得る。弾性画像化にMRIを使うことはよく知られている(ときにMRE、磁気共鳴エラストグラフィと呼ばれる)。例えば、オオイダ・T、アマノ・A、マツダ・T、「MRE:ヒト組織の弾性の生体内測定」、知識社会インフラ開発のための情報科学研究会議、2004年3月1〜2日、p.57−64、を参照のこと。われわれが記述する技術は、実施形態において、MREに適用されもする。さらなる実施形態においては、この技術はCT(コンピュータ・トモグラフィ)弾性画像化に適用されもする。
本発明は、例えば汎用計算機システムやディジタル信号プロセサ(DSP)上で上記述べた方法を実現するプロセサ制御コードをさらに提供する。このコードは、ディスク、CDまたはDVDのROMのようなキャリア、読み取り専用メモリのようなプログラムされたメモリ(組み込みソフト)、または光学または電気の信号キャリアのようなデータキャリアで提供され得る。本発明の実施形態を実施するためのこのコード(および/またはデータ)は、例えばC、アセンブリコード、ASIC(特定用途集積回路)やFPGA(生産現場でプログラム可能なゲートアレー)を立ち上げ制御するコード、あるいは、Verilog(商標)やVHDL(超高速集積回路ハードウエア記述言語)のようなハードウエア記述言語のためのコードである、(インタープリットされたまたはコンパイルされた)通常のプログラム言語における、ソースの、オブジェクトの、または実行可能なコードを持ち得る。これらの一部については、本方法の実施形態が専用ハードウエアでも実施され得るからである。当業者ならわかるように、このようなコードおよび/またはデータは、互いに通信で結合された複数の機器間で分配され得る。
関連する態様として本発明は、画像化物体における少なくとも1次元の変形を定義する変形データを決定するための、画像化技術によって取り込まれた少なくとも1次元の画像データを処理する処理装置を提供する。この装置は、前記画像化物体の相異なる変形に対応する前記画像データの第1および第2の集合を受け取る入力部を具備する。ここで、前記画像データの集合それぞれは、前記物体からの画像信号の画像信号データを有し、前記画像信号データは、少なくとも信号位相データを有する。また、前記変形データを得るために、画像データの前記第1の集合における少なくともひとつの点で、前記第2の画像データ集合での該点の対応する変位を決定する手段と、前記変位の初期現状値を得るために前記変位の値を初期化する手段と、前記第1および第2の画像データ集合における対応位置間での信号位相の違いの平均を決定することによって、また前記調整変位値を決定するため前記平均を用いることによって、前記対応する変位を得るための前記変位の調整値を決定する手段とを具備する。ここで、前記対応位置は、前記変位の前記現状値によって決定される。
上記記載の装置は、超音波、MRI、CT、あるいは、ほかの特に医用の画像システムに組み込まれ得る。
本発明は、さらに、超音波画像データ処理方法を提供する。前記画像データ処理は、画像化物体の相異なる変形に対応する第1および第2の画像データ集合を用いる。前記処理は、複数の画像化ラインのそれぞれに対して、前記ラインに沿う位置での複数の窓変位を決定することを含む。前記窓変位は、前記第1および第2の画像データにおける、合わせられた窓位置間の変位を含む。前記窓位置合わせの正確性は、合わせる正確性を示す基準によって測定される。窓変位の前記決定は、窓変位の初期の見積りを調整して前記窓位置合わせを改善することを含む。ここで、前記方法は、さらに、互いに隣り合っている前記画像化ライン集合に対して、第1の集合の前記窓変位、および、合わせる正確性を示す対応する基準を決定すること、ならびに、前記画像化ラインに沿って次の窓位置を見積る前記初期見積りのため、前記第1の窓変位集合からひとつの前記窓変位を選択することを含む。ここで、前記選択は、前記第1の窓変位集合に対する前記合わせる正確性を示す基準に関わられている。
好ましくは、画像化ラインでの初期見積りの選択は、少なくともひとつまたはそれ以上の隣り合う画像化ラインでの窓変位の中から画像化ラインのいずれの側に選択するかを含む。合わせの正確性は、合わせられた窓位置で評価された相関係数、または例えば信号と雑音との比(SNR)など、ほかの基準の集まりのいずれかを含み得る。
好ましくは、上記処理は、複数の画像化ラインのそれぞれに対して、ラインに沿う第1の方向における連続位置での連続の窓変位を決定する第1の処理路を含む。連続する変位は、第1の処理路ですでに決定されている窓変位から選ばれた初期見積りを有している。また、画像化ラインのそれぞれに対して、ラインに沿う、前記第1の方向と反対の第2の方向における連続する位置での連続する窓変位を決定する第2の処理路を含む。連続する変位は、第2の処理路ですでに決定されている窓変位から選ばれた初期見積りを有している。場合によっては、第3の路(再び第1の方向)、あるいはさらに多くを使用することもできる。
実施形態においては、上記記載の方法は、上記の「重みづけ位相乖離」技術および相互相関に基づく技術を含む、窓変位を決定する相異なる技術の集まりとともに使用され得る強固な繰り返し種づけを提供する。
この方法の実施形態は、上記したように、プロセサ制御コードによって実現され得る。
さらに関連する態様として本発明は、画像化物体の相異なる変形に対応する第1および第2の画像データ集合を処理する超音波画像処理装置を提供する。前記装置は、複数の画像化ラインのそれぞれに対して、前記ラインに沿う位置での複数の窓変位を決定する手段を具備する。この窓変位は、前記第1および第2の画像データ集合における窓の合わせ位置どうし間の変位を有する。前記窓位置合わせの正確性は、合わせの正確性を示す基準によって測定される。窓変位の前記決定は、窓変位の初期見積りを調整して前記窓位置合わせを改善することを含む。また、前記装置は、相隣る前記画像化ラインの集合に対して、前記窓変位の第1の集合および合わせの正確性を示す対応する基準を決定する手段と、前記画像化ラインに沿う次の窓位置の前記初期見積りのため、前記第1の窓変位集合から前記窓変位のひとつを選択する手段とを具備する。ここで、前記選択は、前記第1の窓変位集合に対する前記合わせの正確性を示す基準に関わられている。
これらのおよび他の本発明態様は、例に過ぎないが、添付の図を参照して今からさらに記述される。
図1は、本発明の実施形態を実施するのに適する超音波画像化システムのブロック図を示す。 図2aおよび図2bは、本発明の実施形態に従う、位相見積り雑音の図解、および変位見積りにおいて使われる例示的な位相重みづけ解消関数をそれぞれ示す。 図3aから図3cは、本発明の実施形態に従う、変位データ決定の手順、AMC手順、および本発明に従う実施形態技術を用いる処理のための模擬RFデータのBスキャンをそれぞれ示す。 図4は、EPZS、WPSの各手順を比較する、各ひずみ変化での窓長さに対する信号と雑音との比(SNR)のグラフを示す。 図5は、振幅調整修正を伴ったEPZSでの窓長さ、およびひずみの違いに対する、SNRのグラフを示す。 図6は、EPZSを、振幅廃棄の変形種(L,LA)を伴うAMC(A2)と比較する、各ひずみ変化での窓長さに対するSNRのグラフを示す。 図7は、本発明の実施形態に従う重みづけ位相乖離(WPS)に基づく技術の、各ひずみ変化での窓長さに対するSNRのグラフを示す。 図8は、最良のEPZS変形種を、ふたつのWPS変形種と比較する、各ひずみ変化での窓長さに対するSNRのグラフを示す。 図9は、SNRのグラフ、場所見積りの平均間隔、および解像度調整のされたSNR性能を示す。すべて、WPSを、位相重みづけ解消の相異なる水準で比較する、窓長さに対しての、0.5%のひずみでのものである。 図10は、WPSの集まりとEPZS技術とを比較する、各ひずみ変化での窓長さに対する、解像度調整のされたSNR性能のグラフを示す。 図11は、WPSとEPZSに基づく技術とを比較する、各窓長さでのひずみに対する、解像度調整のされたSNR性能のグラフを示す。 図12aから図12eは、窓長さが、(a)11.8λ⇒SNR=10.6、(b)12.7λ⇒SNR=4.7、(c)14.5λ⇒SNR=3.0、(d)3.5mm横方向メディアンフィルタで例外物を取り去った14.5λ⇒SNR=33.4、のそれぞれの広がりでの、図5でも図示した、4%のひずみで動作のEPZS_A2の画像、および、(e)メディアンフィルタリングに関連する4.0%のひずみでの技術比較(図10と比較)をそれぞれ示す。 図13は、(a)Bスキャン、(b)誤差伝搬を伴ったひずみ画像、および(c)相互種づけが誤差伝搬を除去したときのひずみ画像、ここでこれらのひずみ画像は、0%で黒、1%の伸びひずみで白の線形のひずみ尺度を用いている、でのオリーブ/ゼラチンの人体模型の走査における相互種づけの例を示す。 図14は、(a)Bスキャン、(b)相互種づけでの下単路のひずみ画像、(c)2路のひずみ画像(上、下)、および(d)3路のひずみ画像(下、上、下)、ここでこれらのひずみ画像は、0%で黒、1%の縮みひずみで白の線形のひずみ尺度を用いている、を示す多重路解析の例を示す。
最初に、位相に基づく変形見積り法の理論的な解析を示す。振幅調整修正(AMC)を復習することにより始める。変位見積りそれぞれが有効である場所を見積ることにより変形データの正確性は増す(導入全部についてはGB0606125.3を参照のこと)。われわれは、AMCがアルゴリズムに適用されるとき、適合する変形後窓が複合相互相関関数の位相におけるゼロ交差の位置から見出される場合を考える。のちにわれわれは重みづけ位相乖離(WPS)を導入する。それは、部分的には、簡単にAMCを加えることで誘導される。一般に、WPSは、任意に重みづけを選択することによって、相異なる信号部分の予期される重要性を、正確性を最大化するように変形見積り法に組み込み得る枠組みである。重みづけの策は、何らかの理論上のあるいは観察上の経験を反映するため調整され得る。われわれは、信号振幅と信号位相とに連結した単純な重みづけ策を正当化するための解析を示す。これは、WPS概念の初期確認のためののちの実験で使われる。
われわれは、高度な一般性を提供する信号モデルを考える。
Figure 0005121823
(t)およびa(t)は、示されたように実部と虚部とを有する、変形前および変形後のRF信号の分析的表現である。これらは、あるいは、エンベロープs(t)、s(t)と位相φs1(t)、φs2(t)とによる位相表記で表現することもできる。式1b、1dは、変形見積りのため創出された関係を要約している。両方の信号とも、現下の組織での散在要素の動きによって引き起こされた任意の伸びt→t+d(t)を受けている、共通の信号f(t)ejφ(t)を含んでいる。変動するある程度までこの共通の信号は、この共通の信号に関係しないすべての信号成分を包含する雑音信号n(t)、n(t)によって隠蔽される。これらは、電気的な雑音、散在要素の干渉パターン、および平面外の動きによる相関外れを含む。式1dにおいて、f(t)は、信号が引き伸ばされたとき実質的に変化しない成分を有する。したがって、ずれd(t)に対して調整をして、データが正しく並んでいれば、これは、a(t)においてとa(t+d(t))においてとで、同じ値になる。雑音成分は、aとaとの間での変化を受け持ち、この雑音はほかの信号と相関がないとわれわれは仮定するので、n(t)と書くことができる。
場所見積りとAMC
窓それぞれに対して、AMCは変位見積りが有効である場所を見積ることを内包する。これはもしひずみがゼロでないならば望ましい。なぜならば、どんな有限長さの窓にも変位の広がりが存在するからである。このあいまいさを避けるために、点変位を効率的に測定し、この窓を非常に小さくできることを人は想像するかもしれない。しかし、変位見積りでの誤差の大きさは、逆に窓長さに関連し、よって見積り雑音の全体水準は増加するであろう。
一般的に、どの特定のアルゴリズムに対しても好適なAMCの実施は、変位見積り法の特性を解析し次の近似形を引き出すことによって見出される。
Figure 0005121823
窓nに対する変位見積りがd^である。tは、サンプル番号で測った軸方向の距離である(t=0は検知の表面になる)。Δtは、変形前Aラインを下る連続する解析窓間の出発点のずれである。d(t)は、変形前位置tの組織の実際の変位である。Tは、窓長さである。W(t)は、近似的に、その位置でのデータの重みづけである。窓長さに関する重みづけ分配は、d^が現下の組織変位に最も対応しそうな場所を調整する。すなわち、振幅調整である。しかしながら一般に、重みづけは、振幅だけでなくすべての信号特性、特に振幅に加えてあるいはその代わりに位相に依存する可能性があることに注意を要する。ひずみsが窓長さにわたり均一であると仮定すること、すなわち、d(t)=α+stとすることは多くは合理的である。この場合には、d^が実際の共通の信号変位に最も対応しそうな場所としてτを定義する。すなわち、d^=α+sτである。見積りτ^は、これらの表現を式2に代入することにより生成される。
Figure 0005121823
場所見積りの正確性は、(1)ひずみ均一仮定の有効性、(2)式2での重みづけ和近似の正確性、に依存する。いくつかの場合では、d(t)の空間変分を、もっと高次の多項式で近似することがさらに正確である可能性がある。同様の手順が、一群の隣り合う窓からの重みづけと変位見積りとの集合から多項式係数を見積るために、適用され得る。しかしながら、これは、場所見積りの計算上の複雑さを増加させる。重みづけを決定するための解析は、変位見積り法の特性に依存する。式(1)のわれわれの信号モデルを用い、位相に基づく通常の変位見積り法での重みづけの導出を、われわれは復習する。
仮の変位d をもった窓nで、相互相関関数<a,a>およびその位相Φは、次のようになる。
Figure 0005121823
変位見積りd^は、Φがゼロになるところでの変位である。
Figure 0005121823
一般的に、見積られた変位は、窓でのそれぞれの位置の局所的変位に近いが等しくはない。以下の解析を簡単化するため、われわれはt(t,d )を導入する。これは、仮の変位d 下で、tでのデータが比較される信号成分の変形前の場所を示している。同じ記号が変位見積りに関連しても用いられる。すなわち、t(t,d )である。換言すると、変形前、場所tにあった共通信号における点は、変形後信号においてt+d(t)に移動する。t−t=d^−d(t)の値は、変位見積りとその実際の値との局所的な不一致である(後述の式11を参照)。
Figure 0005121823
相互相関関数の項を考える。
Figure 0005121823
この項は、ふたつのカテゴリに分かれる。ρは、信号の伸張に関係する項を含み、ρは、雑音の項を含む。
Figure 0005121823
ρにおける項それぞれは、一般的に相関のない信号の積の和であり、したがって、Tが非常に小さいとは言えないならこれらは無視することになる。そして、共通する信号が非常に小さいと言えないなら、ρは、多くの場合、相互相関関数の主たる構成である。相互相関関数での位相方法による変位見積りの仕組みへの洞察のため、われわれは、ρ<<ρである場合を簡潔に考える。したがって、雑音項は無視される。式5からの、位相ゼロの条件は、その整合において、相互相関関数が虚部を持たないことを意味する。
Figure 0005121823
典型的な窓長さおよびひずみに対しては、さらなる近似がなされ得る。sT<<λである限りは小さな角度の近似が適用される。
Figure 0005121823
われわれが局部的な平均周波数ω ̄(t,t)およびt−tに対する式6から導出の差を定義するとき、もっと明らかな形式が生成される。
Figure 0005121823
これは、式10における関係のため別の表現に導かれる。
Figure 0005121823
変形によりd^の表現が生成される。
Figure 0005121823
式13における近似は、式2と比較すべき、AMCの望ましい形式を有する。重みづけは、W(t)=f(t)f(t)ω ̄(t,t)である。これらの重みづけは中程度の正確性をもって評価され得る。ω ̄(t,t)を見積ることは難しい。なぜなら、変形前および変形後の雑音信号は両者とも、記録される周波数の乱れに大きな影響を持つからである。しかし、ω ̄(t,t)が、少なくとも窓長さの尺度上では一定である中心周波数に等しいと仮定することにより、合理的な見積りがなされ得る。実際では、これは、τ^が、W(t)=f(t)f(t)を仮定する式3から見積られることを意味する。ここで、信号エンベロープの積s(t)s(t+d^)は、f(t)f(t)の見積りとみなされる。
重みづけ位相乖離
上記の解析に続いて、発明者らは、信号位相乖離は、相互相関関数に頼ることのない独立型の変位見積り法と考え得ると認識した。変形前および変形後の各点はλ/2内で列せられるべきである(λは、中心周波数での超音波波長を示す)。この場合、共通信号の位相乖離は、式11で表現されるように、局所的な周波数で尺度づけられた局所的アライメント誤差に等しい。アライメントd での、点に関する変位見積りd(t,d )は、その見積られたアライメント誤差を差し引くことで数値が決められる。
Figure 0005121823
φ^(t)およびφ^(t)は、変形前、変形後の変形点における共通する信号位相の見積りである。ω^(t,t)は、ω ̄(t,t)の見積りである。再び、われわれは、ω^(t,t)のため一定値を、これを名目の検出中心周波数で置き換えて、仮定するであろう。中心周波数でのぶれは、点に関する見積りでの偏りをもたらす。しかし、この偏りは、さらに後述するように、われわれが記述する実施形態においては効果的に除去されるであろう。位相乖離φ^(t)−φ^(t)を見積ることに関しては、雑音信号を除去するため、洗練された適応フィルタリングで取り組む見通しがあり得る。しかし、実施形態では、われわれは、単純に信号全体の位相を記録する。
Figure 0005121823
解析信号の位相全部は、その実部と虚部との比の逆正接をとることで、[−π,+π]の範囲で数値が決められ得る。
Figure 0005121823
信号がλ/2内で調整されていると仮定すると、人は、RF超音波信号の位相を検出すること、および、直ちに式14を適用し各標本化点で点に関する変位見積りを生成することを予見するかもしれない。しかしながら、この取り組みは、非常な高雑音を被るであろう。第1に、単一の標本のみが使われるとき雑音項が相殺される機会はなくなり、したがって、見積り雑音の水準は、粗い尺度上での見積りに対して必然的により高い。第2に、アライメントは、雑音水準を低くするため反復して正される必要がある。これは、式11bにおける近似が、近くに調整される信号に対してのみ正確であるからである。さらに、周波数摂動で導かれる誤差の大きさは、アライメント誤差に比例する。点に関する変位見積りは、繰り返しその見積りの精度を高めることで、新たなアライメントとして使うことができる。しかし、そのアライメントは、実際には、点に関する見積りが高雑音気味であるなら、不十分になり得る。
点に関する見積りを重みづけ平均することによる、もっと強い取り組みが、より広い範囲(窓)でのアライメントを高精度化する。
Figure 0005121823
アライメントd での、点に関する見積りそれぞれは、式17aに従う。式17aにおける重みづけ和は、繰り返しの再調整のため用いられる。繰り返しのそれぞれで、点はよりよく調整され、見積りはさらに正確になる。結局は、調整は、その窓での最適条件に収束するであろう。
Figure 0005121823
実際では、収束基準が満足されたら繰り返しは終了する。そのあと、重みづけ平均のためのもっと短い窓を用いるさらなる解析段階でさらに処理することにより、点アライメントを高精度化することが望まれ得る。あるいは、最適のアライメントd^は、確固とした変位見積りとして、それ自体で記録され得る。重みづけ位相乖離(WPS)と呼ぶ、この型のアルゴリズムは、われわれの研究の原理的な主題である。
収束が生じたとき、ωにおける誤差はもはや偏りを引き起こさないことに注意すべきである。これは、重みづけ位相乖離の最終和(式17cの最後の項)がゼロだからである。また、変位見積りのため重みづけを用いる明白さにより、WPSはAMCのための理想的な目標になることにも注意すべきである。
重みづけW(t)は、空間的に注目する信号部分を強調するため調整され得る。たとえば、ゼロ重みづけは、暗黙的に、それぞれの窓の外にあるデータに対して適用される。それぞれの窓の中では、均一の重みづけW(t)=1が最も単純である。しかしながら、信号の相異なる部分の信頼性を推断することが可能なら、見積り誤差を抑制するため、最も信頼性のある部分がより重く重みづけられるべきである。われわれは、重みづけ策を決定することにおいて考えられ得るいくつかの要素を、加えて、位相に基づく変位見積り法を用いるときに効果的重みづけが見積られる、その正確性を改善するさらなる注目事項をも以下で記述する。
重みづけの選択
ここで、われわれは、変位見積りの、平均自乗誤差すなわち分散の期待値を最小化するために、WPSにおける重みづけ選択を考える。独立する見積り値の重みづけ和の全体の分散は、見積りのそれぞれの分散に反意で比例する重みづけを選択することによって最小化され得る。窓での、点に関する変位見積りは、実際には独立ではない。したがって、理想的には、各点によって提供される新たな情報の水準が、重みづけに影響を与えることもあろう。しかしながら、実施形態ではこの洗練さを追い求める必要はない。好ましくは、見積られた分散に反比例して選択される。
Figure 0005121823
分散を見積るため、われわれは、式17aに従う、点に関する見積りにおいて、誤差の源泉を4つ考える。
組織−信号での変位誤差。共通信号f(t)ejφ(t)の変位d(t)は、現下の組織における変位に正確には対応しない。超音波の解像度は限られている。したがって、単一の支配的な散在要素は、ときには、その実際の場所周りに広がる領域に関する、第1義的な信号源である。この領域全部の記録信号における変位は、いかに現下の組織が大きなひずみに支配されていても、その支配的散在要素の変位に等しい。同様に、単一の解像セル内で多数の散在要素の変位を解くことは、可能でない。しかしながら、ここでわれわれの解析は、信号変位の見積りの正確性を改善することに適用される。
周波数見積り誤差。明らかに、ω ̄(t)の見積りでの誤差は、変位見積り誤差を導く。われわれは、しかしながら、これらの誤差の尺度はデータの全体にわたりかなり均一であると仮定するであろう。したがって、提示の重みづけ策の実施形態のいくつかでは周波数を考える必要はない。
アライメント誤差。変位が実際に見積られている場所はtである。これは、d(t)≒d(t)という近似での不正確性の水準に依存する誤差を導く。これは、ひずみの水準と信号アライメントの正確性とに代わるがわる依存する。これは下記するように位相の重みづけ解消をすることの動機づけになる。
位相見積り誤差。記録された信号は雑音で信用できず、φs1(t)≠φ(t)であり、φs2(t+d )≠φ(t)である。位相見積りのそれぞれの分散は、共通信号電力と雑音信号電力との局所的な比に依存する。これはあとで立証される。これは、電気的な雑音を考えるのみである超音波SNRとは異なることに注意を要する。
信号振幅
われわれは、共通信号の位相見積りの分散σ φ^(t)の単純な近似を引き出す。位相見積りは、式16の結果である。式16でわれわれは共通信号電力が雑音信号電力より大きいときの振る舞いを考える。既知の電力であるが未知の位相を有する(ほかに仮定のない)相関なしの雑音は、共通信号に加えられたとき、分析信号の実部および虚部において、実部および虚部の誤差は相関しないものの、同じ分散を導く。図2aは、アルガン図表でこれらの2つの信号成分を示し、実部および虚部での雑音と位相見積りとの間のつながりを図解する。共通信号の電力の、雑音信号の電力に対する中加減の比では、位相見積り誤差Δφは、共通信号のエンベロープfに反比例する。実部および虚部の雑音Δx、Δyは、共通信号p=Δxsinφ+Δycosφに直交する成分の中の位相見積り雑音に変換されるだけである。
さらに詳しくは、雑音信号は、虚部に誤差Δyの寄与をし、実部にΔxの寄与をする。共通信号の電力は、その信号の大部分において、雑音信号の電力より何回かは大きい。したがって、位相誤差Δφは、小角度近似を適用して見積られ得る。
Figure 0005121823
われわれは、重みづけ選択のための分散を見積る必要がある。
Figure 0005121823
近似誤差は、式20から得られ、また、式21bにおける、非相関の実部および虚部の誤差の積は、統計的期待演算下でゼロになる。期待自乗誤差は、対照的に、見積られない雑音電力に等しい。よって、式21において、位相見積りの分散は、共通信号の電力に反比例して示される。
式19から思い出すべきは、われわれが必要とする分散は点に関する変位見積りだということである。式17aを調べることで、変形前および変形後の位相見積りにおける誤差は、変位誤差全体において、付加的に結合することが示される。したがって、全体の分散は、両者の位相見積り分散の和を含む。それは、その逆数が重みづけを数値化するため用いられる。雑音電力を見積る企てをわれわれは何らしないので、それは次の表現において1と置き換える。
Figure 0005121823
式22bでのcは、共通信号のエンベロープの比f(t)/f(t)を示す。それはほぼ1に近い。もしもアライメント誤差がゼロならば定義によりそれは1である。cでの小さな摂動は見積るのは難しい。したがって、一定値が仮定されるであろう。もちろん、共通信号のエンベロープはたやすくは得られない。よって、実際的な重みづけのため、それは記録された信号の最大限のエンベロープで置き換えられる。
Figure 0005121823
この導出は、回避可能かもしれない仮定をいくつか含む。よって、潜在的には、種々の信号成分の見積りを改善するため、適応フィルタリングの考えが導入され得る。しかしながら、式23での実際的重みづけが、相互相関関数段階での重みづけの式13におけるわれわれの近似に似ている、と認めることは励みになる。発明者らはこれをすでに知っており、実際的有用性をいくつか持っているからである。
信号位相
われわれは、位相がいかに、点に関する変位見積りでの分散に影響するかもしれないかを、また、いかにそれがWPS重み付け策において取り込まれ得るか考える。信号位相の変化が含意するところは信号振幅よりも複雑である。したがって、われわれは、いかに位相が相互相関関数の段階での効果的な重みづけに影響するかを考えることから始める。
式13における近似は、重みづけに対する振幅および周波数の寄与のみを示した。しかしながら、式10に導き至る小角度近似は、少なくとも長い窓の場合では、正確でない可能性がある。位相とその正弦値との間の尺度づけを、位相に依存する重みづけと解釈することによって、よりよい近似がなされ得る。こうして正確性を失うことなく、式9は、式24の形式で書き換えられる。
Figure 0005121823
は振幅に基づく重みづけ(既述)であり、一方、Wは新たな、位相重みづけ解消である。図2bは、位相の違いφ(t)−φ(t)に対する、重みづけW(t)への位相寄与の変化を示しているが、[−π、+π]での範囲での位相の違いに対するWの大きさを図解している。これは、ひとつにはそれが相互相関関数の段階でのAMCのよりよい実行を生むかもしれないので、さらに、同様の重みづけがWPSで有用であるので、興味あるところである。
相互相関関数の段階の振る舞いをまねるような方法でWPSを実施することは可能である。これは、式24からの重みづけ策を採用し、かつ、共通信号量を記録信号のエンベロープと位相で置き換えるものである。しかしながら、われわれの目的は、単に、相互相関関数の段階への代替物を見出すことではなく、さらに正確な見積りのための改善を調べることである。
大きな位相乖離に対して重みづけ解消をすることがなぜよい考えになり得るかに関して主たる2つの理由がある。第1に、位相乖離が±πに近づくにつれて、位相重なりの誤差が増加する可能性がある。そこでは、位相乖離が雑音により実際の軸の誤った側に現れるならば、±λの余分量の変位誤差が生じ得る。WPSの枠組みは、この問題を扱い、したがって、相互相関関数の段階でのひとつの主要な制約を克服して、窓内で位相が重ならない策のための運搬具たり得るとその真価が認められるであろう。しかしながら、われわれが述べる実施形態においては、断らない限りすべての位相計算の出力は好ましくは[−π、+π]の範囲に限定される。
大きな位相乖離に重みづけ解消をする第2の理由は、より基本的である。もう一度われわれは、点に関する変位見積りは、大きなアライメント誤差ではより正確性が劣ることになることに注目する。これは、式11bでの近似の限界であるが、それは、大きなアライメント誤差を示す大きな位相乖離の場合により適用の可能性がある。
これら2つの現象の、厳密な蓋然説的分析は、興味深い可能性がある。よって、次のような発見的理論をわれわれは用いた。
Figure 0005121823
われわれは、式25の単純な策を用いることの結果を記述する。ここで、nは、重みづけ解消の激しさを決定している。WPSは、0(位相重みづけ解消なし)から3(激しい位相重みづけ解消)までのnで変化する。
例示の計算機実施
次に図3aを参照して、本図は、時間、すなわち等価的には、空間位置変位見積りデータを決定するための本発明の実施形態において使われ得る手順を示している。
ステップS500で走査データ、典型的にはディジタル化された同相(I)および直交相(Q)のRF信号データを受け取る。これは、エンベロープおよび位相のデータに変換される。位相データは例えば式16を用いる(S502)。実施形態では、それからデータは、例えばωtを差し引くことによって、位相値をまとうベースバンドに変換される。その結果、それらは[+π,−π]の範囲に存在する(S504)。
それから、Aライン上を進行して次の列を始める前に、ラインそれぞれについて、集合(列)である変位値を計算する(S506)。変位は、実質的に規則的な空間的間隔で、Aラインを下り、点(Aラインに沿う)とその関係の変位見積りとを有する変形データを提供するように、計算され得る。実施形態では、しかしながら、変位見積りの最も適当な場所は、振幅調整修正(AMC)を使って見出される。それで、変形データは、変位見積りとこの変位見積りに関係の場所とのそれぞれ対データであるデータ点を有し得る。
それぞれのAラインでの第1の変位に対して、この手順では、典型的に、初期仮変位0(トランスデューサが画像化組織に接触していることを仮定して。ほかでは、種となる別値を用いることもできる。)を選択する。Aラインを下る、続く変位見積りに対しては、Aラインですでに計算された見積りが、初期の仮値として使われ得る。これは、変位見積りの場所は、変位でのひとつの場所から次への変化が、画像化超音波の名目中心波長の半分より小さくなるというように、一般的に互いに十分近くに選択されるからである。しかしながら、さらによい策では、ひとつ以上の隣にあるAラインを考え、そしてもっと正確に見える変位を(前の列から)選択することもする(S508)。これは、前の変位見積りが全波長分飛んでいるようなAラインを下る誤差伝達を抑制する助けになる。変位見積りの正確性は、変形前および変形後のフレームにおける合わせられた窓どうし間の相関係数を計算することによって判断され得る。われわれは相互相関係数を用いて変位見積り決定をしないので、相互相関係数は、(繰り返しの終わりで)1回だけでなく分離して計算され、また、例えばあとの処理において、変位の信頼性尺度として使われ得る。
仮の変位見積りが一旦初期化されると、この手順は、例えば式17cあるいはのちの式28を用いて、それが望まれる程度の正確性に収束するまで、繰り返される。その正確性をもつ点では、仮の変位見積りは実際の変位見積りとみなされる(S512)。収束の基準は、例えば、1%、0.1%、0.01%、あるいは0.001%(または標本化A/D信号に置き換えて同様)より小さい変化量として定義され得る。場合によっては、というより好ましくは、この手順の変形種ではAMCは変位見積りと並行して変位見積りループの中でなされ得るものの、AMCが適用される(S514)。
ステップS516では、この手順は、蓄積するためのおよび/または通常の方法で使うための変形データを提供する。例えば、変位見積りは、実際にひずみ画像を表示するように、表示され得る。加えて、または別に、ひとつ以上のひずみ値あるいはひずみ場が、画像化の物体または組織に対して、決定され得る。ひずみは、連続する窓での変位どうし間の相違をとり、これを見積り場所どうし間の間隔で割ることによって計算され得る。あるいは、ひずみ値を決定するため、さらに洗練された技術が使われ得る。例えば、直線を3つ、5つ、7つ、またはそれ以上の隣接する点に合わせる最も少ない正方形である。
典型的な医用超音波画像化システムでは、1秒当たり10ないし200のBスキャンのデータが存在し得、1回での連続するフレームの対が、圧縮前および圧縮後の画像と考えられ得る(すなわち、画像1と画像2と、そして、画像2と画像3と、以下同様)。われわれが述べるこの方法の実施では、実質的に実時間のひずみデータ表示が提供され得る。
図3bは、AMCのため使われ得る手順の例を示す。この手順は、変形前および変形後のフレームにおける連続する窓の対で機能し(S552)、変位見積りのため、関連する窓に至る、重み付けられた平均見積り距離を計算する。それは、その窓内の位置であり、その位置で変位見積りが考慮され適用される。ひとつの実施形態では、この手順は、多数のA/D標本に関して距離m^を決定する。ここでmは各標本の名称であり、前記決定に次式を使う。
Figure 0005121823
あるいは、もっと一般的に、
Figure 0005121823
ここで、和はN個の標本の窓長さについてとられ、E、Eは、変形前および変形後のフレームにおける、対比される窓でのエンベロープ(振幅)である(すなわち、窓どうし間での相対的な変位を考慮に入れる。式23と比較のこと)。また、W(m)は、一般化された重み付けであり、例えば上記したような位相重み付けを含み得る。こうして、m^は、窓の線状長さの百分率を定義し、これは関連する変位場所を修正するため用いられる(S556)。変位場所データは、それから変形データに組み込まれる(S558)。
実験的な方法
均一のひずみ場からの模擬RFデータのフレームを用いて、実験が行われた。ひずみ見積りの信号雑音比SNRは、変形見積り能力の尺度として数値化される。
Figure 0005121823
どの特定のひずみ見積り集合でも、その中でのμS^は平均の、σS^は基準の、偏りである。SNRの結果は、WPSに基づいてでも、相互相関関数段階に基づいてでも、どちらでも変形探索法の一群を比較することを可能にする。
AMCの効能のひとつは、場所見積りの記録間隔における融通性である。(画像領域で平均化された)平均間隔は、したがって、窓の間隔より大きい。これは小さな間隙より大きな間隔のほうがより多くの画像を覆うからである。これは、修正されていないひずみ画像を、同じ変位見積り(しかし相異なる場所見積り)が使われる修正された画像と比較することにおいて重要ではない。これは、AMCは、本質的に、場所摂動を正しもするし、AMCが使われないときには顧みられることのない解像度における変化性を目立たせもするからである。しかしながら、全部がAMCで修正されたアルゴリズム集合が比較されるならば、比較を公正にするため、どのように変位見積り法が解像度を変えるかを考慮に入れるべきである。
すべての実験において窓の間隔は固定される。これは、変位見積りの対を相異ならせることによってひずみ見積りが生成されていて、ひずみ見積り雑音を抑制する最も単純な方法は、見積り場所をより分離させることだからである。これは、見積り雑音が増幅される程度を抑え、また、雑音と解像度との間のトレードオフの例である。性能の尺度SNRは、直接的に、上記間隔に比例する。われわれは、AMCで修正された変形見積り法を性能比較することに影響を与える解像度効果を回避したい。好ましい性能尺度SNR βが、したがって、これらの場合に導入される。
Figure 0005121823
変形見積り手順
われわれは、2つの一群の変形見積り法を調べる。ひとつは、相互相関関数段階の一例である。すなわち、高能率な位相ゼロ探索(EPZS)[J.E.リンドプ、G.M.トゥリース、A.H.ギー、R.W.プレージャー、フリーハンドの超音波を用いる3Dエラストグラフィ。医学および生物学における超音波、32(4):529{545、2006年4月]は、ペザベント他(A.ペザベント、C.ペリー、M.クルーガー、H.エルマート、「繰り返しの位相ゼロ見積りを用いる超音波エラストグラフィのための、時間効率がよく正確なひずみ見積りの考え」、超音波・強誘電体・周波数制御に関するIEEE論文集、46(5):1057−1067、1999年9月)の位相ゼロ探索の考えから改作された。
EPZSの詳細についてはわれわれの前作を参照のこと(同文献)。ふたつ目の群、WPSは、この報告で導入された。どちらの群も、変位見積りを生成するために、ひと区切りの変形前RF超音波データに窓を位置させ、対応する変形後データでもうひとつの窓を動かすという通常の原理に従う。変位見積りは、窓の中心で(デフォルトの場合)または場所見積りで(AMCが適用の場合)適用されると仮定される。連続する窓どうし間の間隔は2.8λであり、連続する変位どうし間の違いをそれらの場所どうし間の違いで割ることによって、変位はひずみに変換される。試されたアルゴリズム変形種の範囲は表1aに示される。その違いの性質は下記で説明される。
WPSおよびEPZSは、両者とも、短い範囲の探索を繰り返し技術によって行う。また、両者とも、繰り返しの最初に依存し、それぞれの探索は、正しいアライメントからλ/2以内で開始される。典型的には、それぞれの探索は、同じAラインで先行する窓での変位見積りで開始されるが、これは時折、誤差伝達を受けやすい。われわれは、後述するように、優れた初期設定の策を開発もした。
最初のEPZSを考えると、この報告で使われている、変位見積りの唯一の変形種が存在する。これは、信号が、そのすべての点で同じエンベロープを有するように選択的に増幅される。われわれは、これを廃棄振幅と呼ぶ(前作では制限対数圧縮と呼んだ)。振幅圧縮を中程度にすることは、EPZSとEPZS_Lとの中間効能のどの水準でも達成するように、適用され得ることに注意を要する。廃棄振幅の動機づけは、これが、AMCに対して相異なる性質を有する、振幅調整効果を軽減するもうひとつの手段であるということである。一方で、表1aは、廃棄振幅が新たなAMC形式にまだ従っていることを記載している。AMCが適用される方法という意味で変形種が存在する。試験がAMCを伴わずに、または、AMC(エンベロープを考慮するのみで。式13の下の文を参照のこと)を伴って、または、AMCの新たな実施(位相とエンベロープの両方を考慮して。上記および/または「信号位相」を参照のこと)を伴って、いろいろになされる。効率的な作業のため、正しい振る舞いを再生するように正しい重み付け選択で、変形種EPZS_A2がWPSの枠組みを通して好ましくは実施されることに注意を要する。
新しいWPSアルゴリズムは、少しさらなる説明を要する。処置前はEPZSとほとんど変わらない。整合FIRフィルタが、解析信号に対して、5−10MHzの実部および虚部を生成する。WPSの場合では、これは位相とエンベロープのデータの配列に変換される。式16に従い位相が検出される。そのあとベースバンドへの復調が、ωtを差し引くことによってなされる。ここで、ωは名目の検出点中心周波数である。2nπのオフセットは棄てられ、位相値は[−π,+π]の範囲で記録される。
WPSによるそれぞれの繰り返しの探索は、粗い見積りd で始まる。変化率が小さくなるまで(例えば、<0.001標本)、式17cと同じく繰り返すことがこれを精緻化する。位相はベースバンドで記録されるが、しかしながら、よって、ベースバンド位相の意味での実際の繰り返し公式は、以下になる。ここで、点に関する位相乖離は常に[d ω−π,d ω+π]の範囲で表現される。これによって点に関する位相重なり誤差が小さくばらつくようになるからである。
Figure 0005121823
WPS変形種は、重み付け策という意味でおよびAMCが適用されるか否かという意味で相異なる。通常は、振幅は、式23に従ってエンベロープ積を通して取り込まれる。もっとも「廃棄振幅」である変形種(振幅とは独立の重み付け)も試される。位相重み付けも式25に従って取り込まれる。ここで、位相の重みづけ解消水準nの選択が、表1bに示されている。
(a) AMC
振幅 オフ オン(エンベロープ) オン(エンベロープおよび位相)
通常 EPZS EPZS_A1 EPZS_A2
廃棄 EPZS_L − EPZS_LA
(b) AMC
振幅 位相重みづけ解消 オフ オン
0 WPS_0 WPS−A0
通常 1 − WPS_A1
2 − WPS_A2
3 − WPS_A3
0 WPS_LO
廃棄 1 − WPS_LA1
2 − −
3 − −
表1.試験された(a)EPZSの、(b)WPSの、変形種の名称付け
模擬実験
模擬RF超音波データは、フィールドII[J.A.ジェンセン。フィールド:超音波システムをシミュレートするためのプログラム。第10回生物医学画像化北欧バルト会議会報、巻4、頁351−353、1996年において。]を用いて生成された。模擬実験は、50×50×6mmの体積全部に関する均一分配に従い、[0,γmax]の範囲にわたり均一に分配された無作為の分散強さを備えた無作為位置の2×10個の散在要素を有する。探針パラメータは、ダイナミック・イメージング・ディアサス超音波機器(www.dynamicimaging.co.uk)の5〜10MHzの探針、それに対しては点広がり関数が実験的に測定されていて、パルスは6.0MHzの中心周波数で2.1MHzの帯域幅を有していて、標本化周波数は66.7MHzである、を手本とする。
それぞれのフレームに対して、横方向に40mm間隔の128のAラインが模擬実験され、40mmの深さまで記録された。模擬実験は、散在要素の軸方向間隔の尺度を再設定することによって、(0%、0.01%、0.1%、0.5%、1.0%、2.0%、4.0%)の各圧縮の範囲でなされた。その結果、各アルゴリズムは、(0.01%、0.1%、0.5%、1.0%、1.5%、2.0%、3.0%、4.0%)の正味の圧縮範囲で試験され得る。変形探知機の性能はひずみに依存するので、これは重要である。5つのデータ集合が、相異なる散在要素場に対して生成された。これは、5つのデータ集合に対して平均を記録して、結果の信頼性に寄与する。
フィールドIIの出力は、ストラドウィン随意3D超音波システム(http://mi.eng.cam.ac.uk)のRF超音波形式に変換された。RFの標本は、16ビットの符号付き整数精度で記録される。各信号は、平均パワーがVrms=210に固定されているすべての場合で同じように、変換の前に正規化された。データは、付加的な白色ガウスノイズを結合され、そのSNRを20dBに抑制された。図3は、模擬データから得た例示的なBスキャンを示す。
結果
結果は、窓長さまたはひずみに対する性能を示すプロットにより、グラフ的形式で示される。比較可能なデータを生成するためすべてのアルゴリズムにわたり同じ窓パラメータが使われることにもう一度注意のこと。ひずみ見積りで区分けすることを用い、メディアンフィルタでろ過するような誤差除去を用いないことは、基本的なアルゴリズムではその性能が貧弱かもしれないことを意味する。どんな性能も、標準的なフィルタリング技術により解像度を犠牲にすることで、増強され得るものだと考慮されるべきである。
図4は、基本的なアルゴリズムであるEPZSおよびWPS_0を比較する。AMCが適用されず振幅廃棄でないときの性能はおそらく重要ではない。続く図5〜図7は、振幅調整を説明するための必要性を明らかにする。図8は、位相重みづけ解消の利点を図解する。この発見的な位相重みづけ解消の策の結果は、図9に示される。これは、SNR βが性能尺度となっている第1の実例である。位相重みづけ解消の実質的効果は、見積り場所の間隔を増すことであり、そしてSNRに基づく比較は不当だと見出される。
最良の各変形種が図10で比較される。この主たる対照は、AMCを伴った振幅保持のアルゴリズムとは逆の、振幅廃棄のアルゴリズムの各性能間にある。その変形種は、ひずみ特性を使って図11で比較される。これらは、短い窓で典型的な「ひずみフィルタ」に帰結する。しかし、それぞれのアルゴリズムでのひずみおのおので最適な窓長さが選択されるときには違うパターンが現れる。
これらの結果のいくつか、特に長い窓で大きなひずみの場合においてはその解釈に混乱が生じるかもしれない。この結果は、性能劣化が、少数の例外で生じているかそれとも画像にわたる徐々の劣化で生じているかを示していない。これは、メディアンフィルタがひずみ見積りに適用された図12で明らかになる。
さらなる詳細:図4は、0.1%のひずみでは性能が(ほとんど)同じであることを示す。一方、WPS_0は、1%、4%では少しよい性能であり、振幅調整による影響がやや小さいことを示している。図5は、AMCを実行すれば基本的手順よりはるかによい性能を生じること、および、(位相重みづけ解消を説明する)EPZS_A2におけるこの新しい修正が長い窓を有する大きなひずみでの旧来の修正をしのぐものであることの、両方を示す。図6は、振幅廃棄の各アルゴリズムが良好にははたらかないことを示すが、EPZS_LAに適用された新たなAMC修正は性能を改善することを示す。振幅廃棄の各アルゴリズムは、窓が最適値より長いとき性能劣化がより小さいことに注意を要する。図7は、再び、振幅調節を扱うことの重要性を示す。振幅廃棄はAMCより性能がよくない。しかし、もう一度言うが、過大な窓長さによる悪影響がより小さい。図8は、WPS_A0が位相重みづけ解消なしであるためほかのアルゴリズムよりよくないと帰結されたことを示している。それは、WPS_A0の性能が位相重なりによってはるかに早く打ち負かされてしまう大きなひずみにおいて、特にはっきりと示される。中程度の位相重みづけ解消を伴うWPS_A1は、僅差でEPZS_A2をしのぐ。図10は、0.1%のひずみにおいて、WPS_A0、WPS_A1、およびEPZS_A2の性能が、3つの振幅圧縮アルゴリズムより低い性能を伴って(ほとんど)同一であることを示している。1.0%のひずみでは、最良の性能はWPS_A1から生まれ、続いてEPZS_A2である。もっとも、振幅廃棄のアルゴリズムであるWPS_LA1およびEPZS_LAは長い窓では性能がよい。4.0%での多くの窓長さでの性能は、わずかながらの差であるがWPS_A0で最良である。より長い窓では、WPS_A1およびEPZS_A2がより乱れがない。もっとも、それでも振幅廃棄の変形種よりは乱れる。
図11を参照し、その左側および中央のグラフは、0.01%〜4%の範囲のすべてのひずみにわたり結果が記録された最短および最長の窓長さを示す。一方、右側のグラフは、各ひずみで最適窓長さが用いられた場合の各アルゴリズムでの結果を示す。(振幅廃棄のアルゴリズムは、その最適条件で低ひずみにおいて試験されなかったことに注意を要する。これは、窓長さの範囲が、試験ソフトウエアで108.1λの上限を有することを相容れたからである。解像度は部分的に窓長さに依存するため、換算は複雑である。)
図12は、例外的な効果を示している。位相重なり誤差が生じ始めると、初期的には、「極大点がはね跳ぶ」大きな誤差が少数のみ存在する。極大点のはね跳びが生じるときはいつでも、それは極度に大きなひずみ誤差として記録される。それは、それが有する、主観的な画像品質での効果をはるかに超えて、ひずみ画像全体のSNR値をねじ曲げるに十分なほど大きい。例えば、種々の窓長さで4%のひずみで操作のEPXS_A2の画像が示される(図5を比較のこと)。
結果の解釈
結果は、WPSが性能の高いひずみ見積りシステムを提供できることを示している。各変形種での試験をたどると、微妙な改変が、量的な意味(より良好の場合/より悪い場合)でもまた質的な意味(特定の走査条件に適合で、より良好)でも性能上の著しい変化をもたらすということが明らかである。
結果を詳細に考える前に、性能の尺度の意味、変形見積りアルゴリズムを数値化するそれらの値、さらにはそれらの限界をも考えることは有益である。SNRは、「均一な」画像を調べることにおいて主観的に知覚される雑音水準近くにたいがいは揃うので、よい尺度である。SNRの主たる限界は、それが、アルゴリズムによる性能変化というより、解像度変化によって導かれる性能変化に順応しないことである。解像度のひとつの決定物は、見積り場所の間隔である。これはAMCを使う各アルゴリズムでの重みづけの策で調節されるので、さらに意味深い比較がSNR βを考えることによってなされ得る。しかしながら、残る限界は、解像度に対する窓長さの効果である。これはまだ説明されていない。もしも必要と考えられるなら、新たな調整性能尺度、例えばSNR γが窓長さにも順応するため導入され得る。窓長さとひずみ画像における解像度との関係は決定するのが難しい。しかし、解像度は窓間隔によってより、窓長さによっては、より小さな影響しか受けないように見える。よって、窓長さに対する性能を示すグラフを調べるときは、解像度がある程度引き下げられていることを、単純に思い出すべきである。3λのときより10倍高いSNR βを生む長さ30λの窓は、10倍増よりいくぶんか低い性能をおそらく発揮している。
図4は、振幅が保持されていてしかしAMCは適用されていない例を示している。各ひずみにおいて、最大値を生む最適な窓長さが存在する。それは、低いひずみでは最大長であり、大きなひずみでは最小長である。頂上点の高さは、最大のひずみでより性能がよくなるというように、ひずみにも依存する。これは、変形信号がそのときより大きく、しかし、頂上点における小さな増加度合いが雑音の増加水準を示してもいるからである。4%のひずみでの変形信号は、0.1%のひずみの場合より40倍大きい。しかし、SNRは1.5倍増加するだけである。これはひとつには、より大きなひずみで信号の相関解消に至るので、またもうひとつとして、振幅調整(場所見積り誤差)が徐々に重要になるので、そうなる。WPS_0は、位相重みづけ解消を持たないので、より大きなひずみではEPZSよりわずかによい性能である。位相重み付け解消は、位相調整の効果を過大視することを引き起こし得る。
振幅調整は、AMCがEPZSに適用されている、図5における各例で正される。AMCは、すべての窓長さにおいて、相当に良好な性能を提供する。改善の大きさはすべてのひずみにおいて大きい。もっとも、それは特に低ひずみにおいて重要であり、そこではまともなSNRが短い窓では不可能ではある。結果は、新しいAMCの実施(EPZS_A2)がもともとの実施(EPZS_A1)に優ることを示す。すなわち、窓内での最大の位相乖離が2πの尺度にあるとき、つまり、窓を通しての変位がλの尺度にあるとき、その違いが明らかになるだけである。これらの場合においては、位相重み付け解消は重要になる。したがって、明確な違いは、EPZS_A1およびEPZS_A2の1.0%および4.0%のひずみでの長い窓において示される。一方、位相重み付け解消は、0.1%のような低ひずみにおいては、実際的に決して争点ではない。実質的に、Aラインの全体は、その窓に関する変位がまさにλ/4に達する前に、単一の窓によって覆われている必要がある。しかしながら、任意に長い窓は、多くの各ひずみにおいては好ましくは用いられない。これまで示されてきた解析の背後にある理論は、±πを超える位相乖離においてはうまくいかないからである。
ごく大きな位相乖離は、結局は、大きなひずみにおいて長い窓の端部で生じる。AMCは、図6において、振幅廃棄の変形種と比較される。振幅廃棄のアルゴリズムは、その前処理が、超音波SNRが貧弱である信号部分を選択的に増幅することに等価なので、性能がよくない。一方で、振幅廃棄の取り組みの捨てがたい特徴は、過大な窓長さが用いられたときに安定性が改善されることである。
振幅廃棄は、端部での位相重みづけ解消効果のため、AMC場所見積りをまだ必要とする。また、EPZS_LAがEPZS_Lをしのぐのは、この理由のためである。しかしながら、EPZS_Lが小さな領域にわたり高いSNRを有することに注目するのは興味深い。これは、AMCの本実施が、この先、改善余地を残していることを意味する。それにもかかわらず、最大長の窓長さでEPZS_LAは、EPZS_A2、EPZS_Lのいずれと比べても、明確に好ましい振る舞いを示す。
AMCで振幅廃棄のWPS各アルゴリズムでの振る舞いのパターンは、目立ってEPZSと同様である。図7は、WPS_A0およびWPS_L0が、両方とも、期待されるようにWPS_0をしのぐことを示す。WPS_0は、過大な窓長さではすぐに劣化するものの、WPS_L0より高い頂上点性能を提供する。WPSおよびEPZSの両方の各典型における振幅廃棄の各アルゴリズムの相対的な安定性には、単純な説明が存在する。振幅がないときには、見積り場所は、相対的に窓中心近くに留まる。よって、窓端部での位相重なりは、ほかのアルゴリズムに比べて、より遅れてなくなる。振幅が残っているときには、変位見積りは、窓の端部近くで、ときに非常に大きな有効性を伴って適用されている。これは、遠端での最大のアライメント誤差が、中心での見積りでなるであろうものの2倍に達することを意味する。位相重なりは、最も大きな位相乖離が±πに近づくとすぐに発生する。さらに、振幅廃棄で位相重なりが存在するときでも、見積り場所が窓の中心にあるなら、その窓の両方の端部での位相重なり誤差は相殺される(対称性により)。対照的に、見積り場所が中心から有意にずれたなら、位相重なり誤差は非常に非対称であり、位相重なりが生じるとすぐに急な性能劣化を引き起こす。
図8は、位相重みづけ解消を伴うWPSのほかに試験された最良の例での結果を示し、長い窓が用いられるときWPS_A0は実際、EPZS_A2より性能がよくないことを明らかにしている。発見的方法であるWPS_A1のよりよい性能は、位相重みづけ解消が有用である可能性と、EPZSでの位相重みづけ解消が、最適には明らかに及ばないこととを示している。WPSにおける位相重みづけ解消はまったく発見的なので、図9は、0.5%のひずみでの重みづけ解消の全選択肢を比較している。一見したところでは、どの段階でも位相重みづけ解消のパラメータnを0から3に増加することで性能向上が生まれるように見える。しかしながら、図9bは、これが見積り場所の平均間隔における変化によって引き起こされていることを明らかにしている。したがって、われわれは図9cにおいて修正された性能尺度SNR βに向かう。この修正された特性は、n=1か2で非常によい性能になるというように、位相重みづけ解消由来の、より微妙な影響を示している。各ひずみにわたり、n=1が非常に頻度高く最も高いSNR βを生んでいる。よって、これが残りの試験に対して適用される。
WPSおよびEPZSの主要な変形種が、SNR βを記録している図10で比較される。WPS_A0、WPS_A1、EPZS_A2には実際あまり差がなく、事実、0.1%のひずみでの性能はほぼ同一である。WPS_A0は、位相重みづけ解消が有用であるときよくない。振幅廃棄の各アルゴリズムは全体として性能がよくない。もっとも、長い窓での安定性がもう一度示される。WPS_LA1がEPZS_LAをわずかにしのぎ最良である。
図11に示されるように、最良の変形種のひずみ特性を比較するために、各ひずみにわたり固定の窓長さを用いることを考えることは興味深い。より低いひずみでは、最も高い性能は、非常に長い窓を用いることで達せられる。各ひずみレベルで最適の窓長さ(前述したグラフから決定される)が用いられるとき、SNR βにおける頂上点の高さは図11の下側グラフに示される。これは、もしも短い窓が用いられるなら、少しの差でWPS_A0が最良のアルゴリズムであり得ること、あるいは、もしも任意の窓長さが使用可能なら最も悪いアルゴリズムである得ることを示している。最適の窓長さでは、振幅を保った各アルゴリズムのうちの最善は、WPS_A1である。ほかの特徴として、WPS_LA1は、低いひずみ見積りに対して、最適の窓長さで明らかに非常によい性能である。よって、窓長さは、必要な解像度に応じて変えることができる。
4%のひずみにおける振幅維持の各アルゴリズムでの、窓長さに対するSNRおよびSNR βのグラフにおける鋭い頂上点を説明するために、最終的に注意記載が必要である。この頂上点が根本的な意味を有すると仮定することは容易なことであろう。これで、何らかの理論的手段によって最大限の窓長さを予想することを可能にする。実際に、性能の最初の低下は、大きな誤差が最初に生じたところではどこでも起こっている。すなわち、頂上点が飛び跳ねる誤差の最初の例である。そこでは、正しい変位見積りから窓がほぼ1波長離れて合わせられている。この効果の現実性は、図12bに図解されている。そこでは、単一の大きな誤差が劇的にSNRの値を下げている。しかしながら、これは例外であることに注意すべきである。例外が大きな影響を持ち得ることは、性能尺度としてSNRの不利な点ではある。単一のひずみ誤差を30%の範囲で導入することは、他の各ひずみ見積りがすべて3.6%〜4.4%であるときに、劇的な影響をもつ。雑音の大きな破片がひとつの見積りによって生じるかもしれない。同様に、図12cにおいて、基本的に大きな誤差はほとんど存在しないが、SNRの値が今度は非常に低い。もしもメディアンフィルタが適用されるならば、これらの誤差は除去されて画像は高いSNRをもつ。図12eにおける結果は、11個のAラインあたり3.5mmの長さがある横方向のメディアンフィルタを加えて図10の下側のグラフから試験をやり直すことで、この点をさらに示している。例外を除けば、多くの変形種は、14.5λでまだ性能がよい。その中でもWPS_A1およびEPZS_A2のアルゴリズムが最良の性能である。
結論
結果はWPSを基本とする変形探知機が、超音波弾性画像化システムにおける第一段階処理を供給し、有用であることを示している。しかしながら、これらの手順は、一般的に単純さと低い計算コストとを要して、現下の机上計算機での実時間処理に適している。WPSの各実施形態における主要なコストは、信号の前処理である。その段階では信号のエンベロープと位相とが検出される。その後、繰り返しの探索は、振幅廃棄の場合では加算で、振幅が保たれる場合には単純な加算と乗算とでほぼ成り立っている。
WPS_A1は、特定の超音波変形見積り応用での特異な特性に応じて容易に最適化可能な枠組みにおいて、単純さと用途の広さと高性能さとを結合している。横方向の位相が検出されるとき横方向に見積りを行うように、あるいは、実際に3Dデータが取得されるときには3方向に、拡張がまた可能かもしれない。他の各分野における変形、変位見積りの応用に適用される可能性もある。
安定的な繰り返し種づけ
繰り返し種づけの新規な策が、試験された各手順に用いられた。頂上点が飛び跳ねる誤差が生じる割合は、徹底的な探索をどれほどするかの程度に即しているが、それははるかに低い計算コストではある。繰り返し種づけのひとつの取り組みでは、各Aラインは個々に処理され、そしてAラインそれぞれの先頭での最初の窓は、仮の変位として0が種づけされた。これは思慮深さがある。なぜなら、定義によって探針表面に接触してそのままの組織は、その探針を参照とするフレームで変位ゼロを有するからである。続く窓のそれぞれでは、先行する窓での変位見積りで種づけされた。これは、窓間距離に関する変位差分は、ほとんど変わることなく半波長よりかなり小さいからである。この策は、変位見積りにおける誤差がλ/2より非常に小さければ、高正確性の探知を可能にする。しかしながら、極度の非相関性が小さな範囲にあるため、ときに大きな誤差が生じてしまう。そのときもしも続く窓が正しいアライメントから離れ過ぎているなら、それが誤った位相ゼロに収束するとき、それはもうひとつの誤差を生みそしていくつかの誤差が伝搬する。一度大きな誤差がAライン上に現われてしまうと、続く見積りが正しい位相ゼロに戻るならばそれはまれで単なる偶然のでき事である。そうでなく、Aラインの残りは雑音だらけになる。
この類型の誤差伝搬の例は、オリーブ/ゼラチンの人体模型(これは軟質の組織内での固い内容物を真似ている)の自由走査で単一のひずみ画像を得ている図13bに示されている。探針は、高さの軸周りに少し回転した。よって、画像の右側端部で接触は最良であり、左側では接触はない。
この結果のひとつは、右側でよりひずみが大きい。限られた接触領域にかかわらず、超音波の光束が人体模型に結合することに関して問題はない。なぜならば、人体模型は結合流体の薄い層で覆われているからである。しかしながら、結合流体は、平面から流れ出すことがあり得るので、ときに、重大な非相関性を持ち込む。もしも最初の窓が流体を探知するならばそれも問題であり、人体模型の固形部分を探知する最初の窓で変位の非連続性が生じる。このことは、λ/2を超えるアライメント誤差をより発生しやすくする。例えば、図13bでは誤差伝搬のため3つのAラインで大きな誤差が発生した。
探知誤差を抑えるため、われわれは、位相に基づく変形見積りにおける進歩を助ける、種づけの新しい策を開発した。優れた繰り返し種づけに至る3つの主要な特徴が存在する(これらのうちのひとつのみが上記の結果では使われた)。
相互種づけ。各Aラインは並行に探索される。すなわち、各Aラインの先頭で第1の窓変位が見積られる。これは各Aラインに関する第2の列の窓に進む前である。相関係数(あるいは代替の正確性指標)が、変形前および変形後のフレームにおける合わせられた窓それぞれで数値化される。Aラインそれぞれを下る次の列における窓それぞれは、最も高い相関係数を有していた、前列での近くの窓での変形見積りで種づけされる。両側にl個のAラインにわたり横方向に探索する。l=1は、種が、ほとんどすべての誤差伝搬を直接的に除去している現下のAラインあるいはどちら側でも隣接の近傍からとられたことを意味する。それは、図13cで適用された。画像の大きな領域に誤差が生じるまれな場合には、より大きな値のlを使うことが有用である。これは、画像の一部が、探針表面で不十分な機械的接触がされた、または大動脈のような大きな非相関の造作物がある組織から生成されるならば起こる可能性がある。これらの場合、lは「修正伝搬」の割合を支配する(図14b参照)。画像におけるAラインそれぞれに及びかつこれを含むすべてが、相互種づけで探索され得る。しかしながら、大きな値のlは、大きなせん断のひずみがある場合には、誤差を生む可能性がある。実際上は、自由なひずみ画像化ではl=10がよい選択だとわれわれは見出した。
多重路解析。修正伝搬の割合が限定されるため、画像の一部が、相互種づけにもかかわらず誤差の多いままになる可能性がある。これは、処理を繰り返すことで直すことができる。多重路解析は、相関係数(または代替の正確性見積り)が変位見積りそれぞれとともに記憶されることを必要とする。第2路は、前にある列(下)での最良の見積りで各窓を種づけして、画像の底部の窓で開始される。このことは、相互種づけによる途切れない修正伝搬を可能にし、前路での変位見積りは、もしより高い相関係数が記録されているならば置き換えられる。位相に基づく方法での処理時間は、実際の探索というより主に前処理にあるので、2路の解析は、アルゴリズムの速度を大量には劣化させない。l=10で誤差が第2路のあと残ることは、ほとんど起こらない。しかし、図14での例ではl=1を使用した。修正伝搬のこのゆっくりとした割合で、第2路のあと、底部の左角に誤差の3角形を残した。これは、第3路(先頭から底部へ)で除去され得る。一般的に最大の安定性のためには、各路は、どの変位見積りも変化しなくなるまで、画像の上方向および下方向に続けられるべきである。これは、網羅的な探索より、計算コストがまだごく小さい。しかしながら、l=10では、何らかの誤差伝達が第2路のあと残ることはほぼ起こらない。よって、最良の実際的な解決は、常に2路の策を適用すべきことであるかもしれない。
連続性確認。極度に低い超音波SNRあるいは非相関性の大きな水準時でのデータ領域は、ときに、実際の変位より誤った位相ゼロで高い相関係数を生む。これは、ときに(まれとは言うものの)、実際の変位から1波長離れて探索する解析路が、良好な見積りを生成した解析路に紛れた状態になることを意味する。これが生じると大きな誤差が引き起こされる。これは、λより大きな窓間変位が記録されている可能性があるからである(図12参照)。これを克服するため、多重路解析の各路は、表示バッファ(相関係数が大きい場合)か逆バッファ(相関係数が小さい場合)に入る変位見積りを生成する。次路の前に、連続性確認が、表示バッファおよび逆バッファの間の見積り区分けを正確化する。経時的に、いずれの方向にでも表示バッファをはたらかせて、各点において、表示バッファ中の4つの隣接の変位見積り(上、下、左、右)から平均が計算される。そして、逆バッファ内容物が上記平均値に近いいくつかの場合に逆バッファ内容物が表示バッファ内容物を置き換える。同様な効果はメディアンフィルタで達せられ得るが、その場合解像度が劣化する。
図14の画像は、図13と同じオリーブ/ゼラチンの人体模型の走査で得られたものである。図14においては、トランスデューサの囲いの角のみが人体模型表面に接触した。よって、大きな変位不連続性が各Aラインに現われる(画像の左で非常に大きな不連続性)。この場合、誤差が各Aラインに伝搬した。しかし、見積りのひとつが正しい位相ゼロを見出すとすぐに、より高い相関係数が記録され、修正が近傍のAラインに伝達する。この例では、l=1という低い値および修正の遅れは、誤差伝搬が除去される前に3路が必要とされたことを意味する。
数多くの別の効果的な代替物を当業者が想起するであろうことに疑いはない。本発明は、記述された実施形態に限られず、ここに添付されるクレームの精神および範囲に含まれる、当業者に明らかな変形物も含むと理解されるべきであろう。

Claims (29)

  1. 画像化物体における少なくとも1次元の変形を定義する変形データを決定するために、画像化技術で取り込まれた少なくとも1次元の画像データを処理する方法であって、
    前記画像化物体の相異なる変形に対応する前記画像データの第1および第2の集合を入力すること、ここで、それぞれの前記画像データの集合は、前記物体からの画像信号の画像信号データを有し、該画像信号データは、少なくとも信号位相データを含む、と、
    前記変形データを用意するために、前記第1の集合の画像データにおける少なくともひとつの点に対して、前記第2の集合の画像データにおける前記点の対応変位を決定することと、を具備し、
    前記対応変位を決定することは、
    前記変位の初期の現行の値を用意するために、前記変位の値を初期化することと、
    前記対応変位を用意するために、調整された変位値を決定することと、を備え、
    調整された変位値の前記決定は、
    前記第1および第2の集合の画像データにおける対応位置間の、信号位相相違の平均を決定すること、ここで、該対応位置は、前記変位の前記現行の値によって決定され、平均の前記決定が、前記第1および第2の画像データに適用の窓に関して平均化することを備える、と、
    前記調整された変位値を決定するために、前記平均を用いることと、を有する
    処理方法。
  2. 前記画像信号の名目中心周波数によって前記平均を増減することをさらに具備する請求項1に記載の方法。
  3. 調整された変位値の前記決定が、前記現行変位値として前記調整された変位を使うことによって、前記調整値を繰り返し決定することを備える請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記平均が、重みづけられた平均を有する請求項1、2、3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記重みづけられた平均が、前記信号位相に依存する請求項4に記載の方法。
  6. 前記重みづけられた平均が、信号位相の第2の前記相違よりも信号位相の第1の前記相違に重みを与える、ここで、信号位相の該第2の相違は信号位相の該第1の違いより大きい、請求項5に記載の方法。
  7. 前記第1および第2の集合の画像データにおける、前記変位の前記現行値によって決定された対応位置の間での信号位相相違の重みづけが、前記第1および第2の集合の画像データにおける実質的に同じ前記対応位置での信号位相の間の相違に依存する請求項5または6に記載の方法。
  8. 前記第1および第2の集合の画像データにおける、前記変位の前記現行値によって決定された対応位置の間での信号位相相違の重みづけが、信号位相の前記相違による、べき法則を有する関数に依存する請求項6または7に記載の方法。
  9. 前記画像信号データが、信号振幅データを有し、前記重みづけられた平均が、該信号振幅に依存する請求項4ないし8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記第1および第2の集合の画像データにおける、前記変位の前記現行値によって決定された対応位置の間での信号位相相違の重みづけが、前記第1および第2の集合の画像データにおける実質的に同じ前記対応位置での信号振幅の積に依存する請求項9に記載の方法。
  11. 前記変形データ決定が、前記第1の集合の画像データにおける複数の前記点に対する、前記第2の集合の画像データにおける対応変位を決定することを備える、請求項1ないし10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記対応変位の場所見積もりを決定すること、ここで、前記変形データが、変位データと該変位の変位場所データとを有する、をさらに具備する、請求項1ないし11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記見積り場所の前記決定が、前記第1および第2の集合の画像データの少なくともひとつでの前記窓内における前記画像信号データに関わられている請求項1に従属の請求項12に記載の方法。
  14. 前記画像信号データが、信号振幅データを有し、前記見積り場所の前記決定が、前記第1および第2の集合の画像データの少なくともひとつでの前記窓内における前記信号振幅データに関わられている、請求項13に記載の方法。
  15. 前記見積り場所の前記決定が、前記第1および第2の集合の画像データの少なくともひとつでの前記窓内における前記信号位相データに関わられている請求項13または14に記載された方法。
  16. 前記見積り場所の前記決定が、前記窓に関する前記変位での場所データの重みづけられた平均を決定することを備える請求項13ないし15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 前記平均が、重みづけられた平均を備え、前記場所データ平均での重みづけが、前記信号位相差重みづけ平均での重みづけの拡大または縮小の作り変えである、請求項16に記載の方法。
  18. 前記画像データが2次元のデータを備え、前記変形データが、2次元の変形データを備える、請求項1ないし17のいずれか1項に記載の方法。
  19. 前記変形データが、前記物体内でのひずみ場を定義する、請求項1ないし18のいずれか1項に記載の方法。
  20. 前記変形データから前記物体におけるひとつ以上のひずみ値を決定することをさらに具備する、請求項1ないし19のいずれか1項に記載の方法。
  21. 前記物体に加えられた応力を定義する応力データを入力することと、前記応力データおよび前記変形データから前記物体の弾性データを決定することとをさらに具備する、請求項1ないし20のいずれか1項に記載の方法。
  22. 前記変形データの画像を表示することをさらに具備する、請求項1ないし21のいずれか1項に記載の方法。
  23. 前記画像化技術が、パルス−エコー画像化技術を具備し、前記画像信号が、パルス−エコー信号データを具備する、請求項1ないし22のいずれか1項に記載の方法。
  24. 前記パルス−エコー技術が、超音波画像化を具備する請求項23に記載された方法。
  25. 前記パルス−エコー技術が、磁気共鳴画像化を具備する請求項23に記載された方法。
  26. 前記物体が生物組織を備える、請求項1ないし25のいずれか1項に記載の方法。
  27. 画像化物体における少なくとも1次元の変形を定義する変形データを決定するために、画像化技術で取り込まれた少なくとも1次元の画像データを処理するプログラムであって、
    前記画像化物体の相異なる変形に対応する前記画像データの第1および第2の集合を受け入れる手段、ここで、それぞれの前記画像データの集合は、前記物体からの画像信号の画像信号データを有し、該画像信号データは、少なくとも信号位相データを含む、と、
    前記変形データを用意するために、前記第1の集合の画像データにおける少なくともひとつの点に対して、前記第2の集合の画像データにおける前記点の対応変位を決定する手段と、
    前記変位の初期の現行の値を用意するために、前記変位の値を初期化する手段と、
    前記第1および第2の集合の画像データにおける対応位置間の信号位相相違の平均を決定することによって、さらに、調整された変位値を決定するために前記平均を用いることによって、前記対応変位を用意するため、前記調整された変位値を決定する手段、ここで、該対応位置は、前記変位の前記現行の値によって決定される、
    としてコンピュータを機能させるプログラム。
  28. 画像化物体における少なくとも1次元の変形を定義する変形データを決定するために、画像化技術で取り込まれた少なくとも1次元の画像データを処理する装置であって、
    前記画像化物体の相異なる変形に対応する前記画像データの第1および第2の集合を受け入れる入力部、ここで、それぞれの前記画像データの集合は、前記物体からの画像信号の画像信号データを有し、該画像信号データは、少なくとも信号位相データを含む、と、
    前記変形データを用意するために、前記第1の集合の画像データにおける少なくともひとつの点に対して、前記第2の集合の画像データにおける前記点の対応変位を決定する手段と、
    前記変位の初期の現行の値を用意するために、前記変位の値を初期化する手段と、
    前記第1および第2の集合の画像データにおける対応位置間の信号位相相違の平均を決定することによって、さらに、調整された変位値を決定するために前記平均を用いることによって、前記対応変位を用意するため、前記調整された変位値を決定する手段、ここで、該対応位置は、前記変位の前記現行の値によって決定される、と
    を具備する装置。
  29. 請求項28に記載された装置を含む超音波画像化装置。
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