JP5121765B2 - Memsデバイスおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、MEMSデバイスおよびその製造方法に関する。
電子産業、自動車産業や機械産業などでは、小型で信頼性の高い、加速度センサや角速度センサなどの慣性センサの実現が望まれている。このような需要に応えるため、各種のMEMS構造を使用した慣性センサが実用化されている。
MEMS加速度センサにおいては、一端を基板に固定されたバネ状の支持梁と、支持梁の他端に形成された重錘を持ち、重錘に加わる加速度により生じる重錘の変位を、ピエゾ抵抗の変化、圧電作用による起電力、ないしは静電容量の変化などを利用して検出する。
同様に、MEMS角速度センサにおいては、一端を基板に固定されたバネ状の支持梁と、支持梁の他端に形成された重錘を持ち、逆圧電効果や静電力により重錘を一方向に励振し、励振軸と垂直の軸回りに加わる角速度で励起されるコリオリ力を、圧電作用による起電力ないしは静電容量の変化などを利用して検出する。
これら加速度センサや角速度センサの支持梁や重錘等の可動部は、可動部保護と安定動作確保のために中空のパッケージ内に封止する必要がある。これらMEMS慣性センサのウェハレベル中空封止方法として、大別して2種類の方法が知られている。
第1の構造は、基板貼り合わせ型である。MEMSを作製したSi基板と、蓋としてSiやガラスなどの他の基板とを貼り合わせて封止する。基板接合にはSi/Siの直接接合や、Si/ガラスの陽極接合などがMEMSでは多用されている。
第2の構造は、厚膜封止型である。可動部の周辺にドーム上の犠牲層を形成し、その上に薄膜プロセスないし厚膜プロセスで比較的厚い膜を形成し、犠牲層を抜いた後に密封封止し、最後に樹脂で封止する。特殊な装置は使用せず、ほぼインラインプロセスで封止までできる(例えば、特許文献1)。
特表2007−524514号公報
しかしながら、第1の基板貼り合わせ型を採用した場合は、接合用の高価な特殊設備が必要である。また接合面は原子レベルでの平坦性が必要であるため、電極層を、接合面を介して出すのが難しい。このため、どちらかの基板をD−RIEにより加工してビアを形成する必要があり、この工程にも専用のエッチング装置が必要である。
また、第2の厚膜封止型を採用した場合は、ドーム状の厚い犠牲層を形成する技術が難しい。また、樹脂封止時に加わる10MPa程度の圧力に耐えるには少なくても10μm以上の厚膜を形成する必要がある。このため、プロセス時間は相当長くなる。また、強度的な信頼性にも問題がある。さらに、小型化も困難である。
このように従来から知られている中空封止構造を使用した場合は、特殊な装置を使用したり、難度が高かったり、あるいは製造プロセスが長時間化するなどの大きな問題点がある。
本発明は、上記事情を考慮してなされたものであり、その目的とするところは、製造プロセスが容易で小型化可能、かつ、高い信頼性を有する中空封止構造を備えたMEMSデバイスおよびその製造方法を提供することにある。
本発明の第1の態様のMEMSデバイスは、基板と、前記基板上に前記基板と空隙を介して形成され、穴が設けられた可動部と、前記基板上に形成され、前記可動部と同時に形成された材料からなり、前記穴の内側を前記可動部に非接触に貫通する支柱と、前記支柱によって支持され、前記可動部上に前記可動部と空隙を介して形成されたキャップ部を有し、前記キャップ部が第1のキャップ層と第2のキャップ層で形成され、前記第1のキャップ層の前記支柱上方に開口部が設けられ、前記第2のキャップ層が前記開口部をふさいでいることを特徴とする。
第1の態様のMEMSデバイスにおいて、前記開口部の開口サイズが、前記支柱の上面のサイズよりも小さいことが望ましい。
第1の態様のMEMSデバイスにおいて、前記第1のキャップ層の少なくとも一部が前記支柱に直接支持されていることが望ましい。
第1の態様のMEMSデバイスにおいて、前記可動部が慣性センサの重錘であることが望ましい。
第1の態様のMEMSデバイスにおいて、前記可動部が慣性センサの重錘であり、前記穴が設けられた可動部の面積に対して、前記穴の面積の和が30%以下であることが望ましい。
第1の態様のMEMSデバイスにおいて、前記支柱間の間隔が、100μm以下であることが望ましい。
本発明の第2の態様のMEMSデバイスの製造方法は、基板上に第1の犠牲層を成膜する工程と、前記第1の犠牲層をパターニングして一部を除去する工程と、前記第1の犠牲層上に前記第1の犠牲層と材質が異なる可動部形成層を成膜する工程と、前記可動部形成層をパターニングし、穴が設けられた可動部と、前記穴の内側の前記第1の犠牲層が除去された領域に支柱を形成する工程と、前記可動部および前記支柱上に第2の犠牲層を成膜する工程と、前記第2の犠牲層上に第1のキャップ層を成膜する工程と、
前記第1のキャップ層をパターニングし、前記穴近傍に開口部を設ける工程と、前記第1の犠牲層と前記第2の犠牲層とをエッチングし前記可動部をリリースする工程と、前記第1のキャップ層上に第2のキャップ層を成膜し前記開口部をふさぐ工程とを有することを特徴とする。
第2の態様のMEMSデバイスの製造方法において、第1のキャップ層を成膜する工程の前に、前記支柱上の一部の前記第2の犠牲層を除去する工程を有し、前記第1のキャップ層を成膜する工程の際に、前記第1のキャップ層の少なくとも一部が前記基板に支持される状態にすることが望ましい。
本発明によれば、製造プロセスが容易で小型化可能、かつ、高い信頼性を有する中空封止構造を備えたMEMSデバイスおよびその製造方法を提供することが可能となる。
中空封止前の第1の実施の形態の加速度センサの平面図。 図1のA−A断面図。 中空封止後の第1の実施の形態の加速度センサの平面図。 図3のA−A部分断面図。 図3のB−B部分断面図。 第1の実施の形態の加速度センサの製造方法を示す工程順模式断面図。 第1の実施の形態の加速度センサの製造方法を示す工程順模式断面図。 第1の実施の形態の加速度センサの製造方法を示す工程順模式断面図。 第1の実施の形態の加速度センサの製造方法を示す工程順模式断面図。 第1の実施の形態の加速度センサの製造方法を示す工程順模式断面図。 第1の実施の形態の加速度センサの製造方法を示す工程順模式断面図。 シュミュレーション結果を示す図。 中空封止後の第1の実施の形態の第1の変形例の部分断面図。 中空封止前の第2の実施の形態の角速度センサの平面図。 図9のA−A断面図。 中空封止後の第2の実施の形態の角速度センサの平面図。 図11のA−A部分断面図。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態を説明する。なお、本明細書中で「支柱」とは、可動部の穴を貫通して設けられ、基板に対してキャップ部を支持する機能を有する部分を総称する概念である。したがって、単一の層で構成される場合、異なるプロセスステップで形成された複数の層で構成される場合など多様な構成を許容する概念である。
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態のMEMSデバイスは、基板と、この基板上に基板と空隙を介して形成され、穴が設けられた可動部と、基板上に形成され、可動部の穴の内側を可動部に非接触に貫通する支柱と、この支柱によって支持され、可動部上に可動部と空隙を介して形成されたキャップ部を有するMEMSデバイスである。
本実施の形態においては、MEMSデバイスが圧電検出型の加速度センサである。
図1は、中空封止前の本実施の形態の加速度センサの平面図である。図2は図1のA−A断面図である。まず、図1および図2を用いて、キャップにより可動部を中空封止する前の加速度センサ10について説明する。
加速度センサ10は、基板1と基板1上に、下部電極3、圧電膜4および上部電極5により構成されたセンサ梁11、可動部である重錘12、支柱13、および側壁14を備えている。センサ梁11、重錘12、支柱13、および側壁14はすべて同一材料で形成されている。センサ梁11の一端は第1の犠牲層2を介して基板1で支持されている。第1の犠牲層2のない部分では、重錘12は基板1と空隙を介して形成されている。
センサ梁11の上部電極5は、幅方向(Y方向)に5aおよび5bに分割され、上部電極5aは電極15aに、上部電極5bは電極15bに接続されている。圧電膜4は基板と垂直方向に分極している。重錘12には、犠牲層を抜くための穴16が形成されている。重錘12と支柱13とは接触しないように構成されている。このように、支柱13は、穴16の内側を、可動部である重錘12に非接触に貫通している。
Y方向の加速度が重錘12に加わると、重錘12はY方向への力を受け、センサ梁11はY方向に屈曲する。このとき、上部電極5aの下部の圧電膜4にはX方向の圧縮力が加わり、Z方向へは正の歪を発生し、上部電極5aと下部電極3の間に正の起電力が発生する。
一方、上部電極5bの下部の圧電膜4にはX方向の引張り力が加わり、Z方向へは負の歪を発生し、上部電極5aと下部電極3の間に負の起電力が発生する。従って、上部電極5aおよび5bの間、ないしは電極15aおよび15bの間の電位差を測定することで、重錘12に加わった加速度の大きさを求めることができる。
図3は中空封止後の本実施の形態の加速度センサの平面図である。図4は、図3のA−A部分断面図である。また、図5は、図3のB−B部分断面図である。以下、図3ないし図5を用いて、キャップにより中空封止した後の加速度センサ10について、詳細に説明する。
加速度センサ10の可動部である重錘12は、第1のキャップ層7および第2のキャップ層8からなるキャプ部により中空封止されている。重錘12(センサ梁11は図示しないが同様)は空隙9により、基板1および第1および第2のキャップ層7、8と隔てられている。キャップ層7および8は、周囲の側壁14と接触して支持されているとともに、重錘12を貫通して形成された支柱13と接触して支持されている。
なお、図4に示すA−A部分断面図(X断面)では、第1のキャップ層7の穴16近傍には、加速度センサ10の製造途中に犠牲層をエッチングするための抜き穴として、開口部17が設けられている。そして、開口部17は、加速度センサ製造後には、図のように第2のキャップ層8でふさがれている。
一方、図5のB−B部分断面図(Y断面)では、第1のキャップ層7と支柱13が直接接触しており、製造中、第1のキャップ層7が形成された時点でも、第1のキャップ層が支柱13に直接支持されていることで反りによる変形等を防止することができる。
このように第1および第2のキャップ層7、8は、重錘12中に形成された多数の支柱13によって支持されている。このため、重錘12全体を側壁14でのみ支持された場合に比べて、薄いキャップ部の厚さで、はるかに強固に中空封止することが可能になる。キャップ部が一定の圧力を受けている場合に、キャップ部の撓み量は支柱間隔のほぼ4乗に比例するので、重錘12中に支柱13を設けることによるメリットは絶大である。このように、中空封止構造の強度が強いため、本実施の形態の加速度センサは信頼性の上でも優れている。また、キャップ部を薄くできるため、小型化も容易である。
一般に、加速度センサ10の可動部である重錘12には、その特性上ある程度の面積が必要とされる。そして、可動部をリリースするための犠牲層エッチングを容易に行うためには、本実施の形態のように犠牲層エッチングのための抜き穴を設けることが望ましい。本実施の形態では、もともと犠牲層の抜き穴として可動部に形成されている穴をそのまま利用するため、従来の製造プロセスやデバイス設計と整合性もよく、かつ、加速度センサ10の特性を損なうこともない。
ここで、仮に穴16のない重錘を想定した場合に、重錘12の重心位置が、穴のない重錘に対して変化しないよう穴16が設けられていることが望ましい。このように、穴16を設けることで、穴の有無で重錘のバランスが変化しないため、デバイス設計が容易になるからである。
なお、第1および第2のキャップ層7、8からなるキャップ部は、すべての支柱13によって支持されていることが、強度の観点からは望ましい。もっとも、必ずしもすべての支柱13によって支持されることは必須ではない。各膜に用いる材料、製造プロセス、各MEMSデバイスの要求等から適宜最適な支持箇所を決定すればよい。
次に本実施の形態のMEMSデバイスの製造方法について説明する。本実施の形態のMEMSデバイスの製造方法は、基板上に第1の犠牲層を成膜する工程と、第1の犠牲層をパターニングして一部を除去する工程と、第1の犠牲層上に第1の犠牲層と材質が異なる可動部形成層を成膜する工程と、可動部形成層をパターニングし、穴が設けられた可動部と、穴の内側の第1の犠牲層が除去された領域に支柱を形成する工程と、可動部および支柱上に第2の犠牲層を成膜する工程と、第2の犠牲層上に第1のキャップ層を成膜する工程と、第1のキャップ層をパターニングし、可動部の穴近傍の第1のキャップ層に開口部を設ける工程と、第1の犠牲層と第2の犠牲層とをエッチングし可動部をリリースする工程と、第1のキャップ層上に第2のキャップ層を成膜し開口部をふさぐ工程とを有する。
図6A〜図6Fは、本実施の形態の加速度センサの製造方法を示す工程順模式断面図である。図3における加速度センサ10のA−A部分断面に相当する断面を示している。
まず、図6Aに示すように、例えば、Siやガラスなどを使用した基板1を用意し、基板1上に非晶質Siなどからなる第1の犠牲層2を成膜する。その後、リソグラフィおよび反応性イオンエッチング(RIE)によりパターニングを行い、後に支柱を形成する領域の第1の犠牲層2をあらかじめ除去し、基板1表面を露出させておく。
次に、図6Bに示すように、可動部形成層として、第1の犠牲層2と材質が異なる、例えば、厚さ3μmのAlNと、このAlNを挟む2層の厚さ0.1μmのAlを、常温でスパッタリング法により成膜する。この可動部形成層をパターニングし、上下電極3、5を備える圧電膜4からなり、穴16が設けられた重錘12、支柱13および側壁14を形成する。このとき、重錘12は第1の犠牲層2上に形成される。一方、支柱13、側壁14は第1の犠牲層2を除去した基板1表面上に直接形成される。この場合、上下電極3、5はAlで、圧電膜4はAlNを材料として形成されることになる。
次に、図6Cに示すように、重錘12および支柱13の上に、例えば、第1の犠牲層2と同じ材質である非晶質Siからなる第2の犠牲層6を成膜する。ここで、第2の犠牲層6の材質は、必ずしも、第1の犠牲層2と同一の材質であることが必須ではない。後の、第1および第2の犠牲層2、6を同時に選択エッチングする際に、同時に除去することが可能な材質であれば構わない。しかしながら、エッチングの際のエッチングレートが等しい、または、近いものが望ましい。この観点から同一の材質であることがより望ましい。
その後、リソグラフィおよび反応性イオンエッチングによりパターニングを行う。なお図中には示さないが、重錘12に設けられた穴近傍、すなわち、支柱13上の一部分の第2の犠牲層6を、除去しておく。これは、後に第1のキャップ層を、支柱13を介して基板1で支持する状態にするためである。
次に、図6Dに示すように、第1のキャップ層7を成膜する。第1のキャップ層7として、例えば、厚さ1μmのAlNを使用し、スパッタリング法により形成する。その後、第1のキャップ層7をリソグラフィおよび反応性イオンエッチングによりパターニングして、重錘12に設けられた穴16近傍に開口部17を設ける。
次に、図6Eに示すように、第1および第2の犠牲層2、6のみを選択的に溶解除去できるエッチャントを使用して、抜き穴となる穴16および開口部17から第1および第2の犠牲層2、6を同時に選択エッチングすることで除去する。これによって、重錘12の周囲に空隙9を形成し、可動部である重錘12をリリースする。エッチャントとして、例えば、XeFなどを使用することができる。
次に、図6Fに示すように、第1のキャップ層7の上に、例えばスパッタ法などを使用して、例えばAlなどからなる第2のキャップ層8を成膜し、開口部17をふさぐことにより重錘12を中空封止する。第2のキャップ層8の厚さは、開口部17の幅あるいは、支柱13と第1のキャップ層7との隙間より充分大きければ、開口部17をふさぐことができる。スパッタ法により最終的な気密封止を行うので、スパッタ法に使用される雰囲気、すなわち10−5Torr程度の高真空で気密封止することが可能である。
本実施の形態の製造方法によれば、重錘12やセンサ梁11等の可動部の周囲に空隙を形成して真空に中空封止した加速度センサ10を、通常用いる程度の膜厚で、通常の薄膜プロセスのみを使用して容易に実現することが可能となる。したがって、中空封止を行うために、特殊な製造装置を準備する必要もない。
なお、重錘12に形成する穴16の面積は、重錘12の面積に対して大きすぎると重錘としての効果が減少するため、重錘12を含む可動部の面積に占める穴16の総面積は多くても30%以下、好ましくは20%以下であることが望ましい。
次に、実際の支柱の効果をさらに明らかにするために、図1、2の構造において、有限要素法(FEM)によるシミュレーションを行った。図7はシュミュレーション結果を示す図である。
5μm□の寸法の支柱13を30μmのピッチで形成し、第1のキャップ層7として厚さ1μmのAlNを、第2のキャップ層8として厚さ3μmのAlを使用した。加速度センサ10全体を樹脂封止することを想定し、10MPaの圧力を均等に加えてキャップ層の変形を計算したところ、最大でも0.07μmに留まることが分った。
前述したように、最大変形量は支柱の間隔のほぼ4乗に比例する。このため、最大変形量は、支柱が60μmピッチの場合は約1.1μm、支柱が120μmピッチの場合は約18μmにも達する。このことからも、支柱無しでは100μm以上の大きさの重錘を中空封止することは困難であることが分る。
このように、重錘12中に形成する支柱13の間隔は、長くても100μm以下、好ましくは50μm以下であることが望ましい。
(第1の実施の形態の第1の変形例)
本発明の第1の実施の形態の第1の変形例は、第1の実施の形態と同様に圧電検出型の加速度センサである。第1の実施の形態との相違点は、第1のキャップ層7と第2のキャップ層8の間に、封入層18を設ける点にある。
図8は、可動部の中空封止後の本変形例の加速度センサの、第1の実施の形態における図3のA−Aに相当する部分の、部分断面図である。
加速度センサ20では、第1のキャップ層7の上に、封入層18を設ける。封入層18により第1のキャップ層7の抜き穴である開口部17がふさがれる。封入層18は、例えばスピンオン法で形成する感光性エポキシ樹脂等を使用することができる。常圧で形成することで、空隙9は常圧に保たれる。
封入層18の上にさらに第2のキャップ層8を形成することで、気密封止することができる。第2のキャップ層8の形成法は、既に開口部17がふさがれているため、スパッタ法に限定されることはない。したがって、CVD法などで形成される多種類の無機膜や金属膜を第2のキャップ層8として使用することが可能になる。
なお、第1のキャップ層7のみで、キャップ部に要求される強度の特性等が満足される場合は、必ずしも第2のキャップ層8を形成する必要はない。
本変形例においては、常圧で可動部を中空封止することができるので、可動部である重錘12に衝撃力が加わった時に、内部の空気がダンピング効果を持つ。このため、重錘12が基板1やキャップ部に接触したときの衝撃力を緩和する効果がある。
(第1の実施の形態の第2の変形例)
本発明の第1の実施の形態の第2の変形例は、支柱がキャップ部と同一材料で一体に形成される加速度センサである。図2において、可動部形成層で形成される支柱13が省略される形である。例えば、図4、5において、キャップ部の一部である第2のキャップ層8が直接基板1上にありキャップ部を支持する。すなわち、キャップ部自体が支柱として機能する。
本変形例によれば、可動部形成層で支柱を形成しないことから、可動部形成層のパターンが簡略になるという効果がある。
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態のMEMSデバイスは、第1の実施の形態が加速度センサであるのに対し、静電型の角速度センサである。
図9は、中空封止前の本実施の形態の角速度センサの平面図である。図10は、図9のA−A断面図である。まず、図9および図10を用いて、キャップにより可動部を中空封止する前の角速度センサ30について説明する。
角速度センサ30は、基板31と、基板31上に、可動部であるバネ41と重錘42、支柱43、および側壁44を備えている。バネ41の一端は電極49により基板31に接続されている。重錘42には、犠牲層を抜くための穴52が形成され、重錘42と支柱43とは互いに接触しないように構成されている。このように、支柱43は、穴52の内側を可動部である重錘43に非接触に貫通している。
重錘42には、櫛型可動電極45a、45b、46aおよび46bが形成されている。一方、櫛型可動電極45aないし46bに対向して、基板31に固定された、櫛型固定電極47a、47b、48aおよび48bが形成され、それぞれ電極50a、50b、51aおよび51bに接続されている。
角速度センサ30においては、1対の櫛型可動電極45aと櫛型固定電極47aの間、および櫛型可動電極45bと櫛型固定電極47bの間に交番電界が印加され、重錘42はY軸方向に共振を生じさせる。このとき、Z軸周りに角速度が加わると、X軸方向にコリオリ力が生じ、X軸方向に角速度に応じて共振が生じる。この共振の振幅を、1対の櫛型可動電極46aと櫛型固定電極48aの間、および櫛型可動電極46bと櫛型固定電極48bの間に生じる静電容量の変化として検出する。
図11は、中空封止後の本実施の形態の角速度センサの平面図である。図12は、図11のA−A部分断面図である。以下、図11および図12を用いて、キャップにより中空封止した後の角速度センサ30について、詳細に説明する。
角速度センサ30の可動部である重錘42は、第1のキャップ層34および第2のキャップ層35により中空封止されている。重錘42は空隙37により、基板31および第1および第2のキャップ層34、35と隔てられている。キャップ部を構成するキャップ層34および35は、周囲の側壁44と接触して支持されているとともに、重錘42を貫通して形成された支柱43と接触して支持されている。
このようにキャップ層34および35からなるキャップ部は、重錘42中に形成された多数の支柱43によって支持されている。このため、重錘42全体を側壁44でのみ支持した場合に比べて、薄いキャップ部で、はるかに強固に中空封止することが可能になる。キャップ部が一定の圧力を受けている場合に、キャップ部の撓み量は支柱間隔のほぼ4乗に比例するので、重錘42中に支柱43を設けることによるメリットは絶大である。本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様の作用・効果を得ることできる。
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。上記、実施の形態はあくまで、例として挙げられているだけであり、本発明を限定するものではない。また、実施の形態の説明においては、MEMSデバイス、その製造方法等で、本発明の説明に直接必要としない部分等については記載を省略したが、必要とされるMEMSデバイス、その製造方法等に関わる要素を適宜選択して用いることができる。
例えば、実施の形態においては、MEMSデバイスとして、加速度センサと角速度センサを例に説明した。しかし、例えば、同様に大面積の可動部が要求される可変キャパシタ等のMEMSデバイスに本発明を適用することは有効である。
その他、本発明の要素を具備し、当業者が適宜設計変更しうる全てのMEMSデバイス、その製造方法が、本発明の範囲に包含される。本発明の範囲は、特許請求の範囲およびその均等物の範囲によって定義されるものである。
1 基板
2 第1の犠牲層
3 下部電極
4 圧電膜
5 上部電極
6 第2の犠牲層
7 第1のキャップ層
8 第2のキャップ層
9 空隙
10 加速度センサ
11 センサ梁
12 重錘
13 支柱
14 側壁
15a、b 電極
16 穴
17 開口部
18 封入層
20 加速度センサ
30 角速度センサ
31 基板
34 第1のキャップ層
35 第2のキャップ層
37 空隙
41 バネ
42 重錘
43 支柱
44 側壁
45a、b 櫛型可動電極
46a、b 櫛型可動電極
47a、b 櫛型固定電極
48a、b 櫛型固定電極
49 電極
52 穴

Claims (9)

  1. 基板と、
    前記基板上に前記基板と空隙を介して形成され、穴が設けられた可動部と、
    前記基板上に形成され、前記可動部と同時に形成された材料からなり、前記穴の内側を前記可動部に非接触に貫通する支柱と、
    前記支柱によって支持され、前記可動部上に前記可動部と空隙を介して形成されたキャップ部を有し、
    前記キャップ部が第1のキャップ層と第2のキャップ層で形成され、
    前記第1のキャップ層の前記支柱上方に開口部が設けられ、
    前記第2のキャップ層が前記開口部をふさいでいることを特徴とするMEMSデバイス。
  2. 前記開口部の開口サイズが、前記支柱の上面のサイズよりも小さいことを特徴とする請求項1記載のMEMSデバイス。
  3. 前記第1のキャップ層の少なくとも一部が前記支柱に直接支持されていることを請求項1または請求項2記載のMEMSデバイス。
  4. 前記可動部が慣性センサの重錘であることを特徴とする請求項1ないし請求項3いずれか一項に記載のMEMSデバイス。
  5. 前記穴が設けられた可動部の面積に対して、前記穴の面積の和が30%以下であることを特徴とする請求項4に記載のMEMSデバイス。
  6. 前記支柱間の間隔が、100μm以下であることを特徴とする、請求項1ないし請求項5いずれか一項に記載のMEMSデバイス。
  7. 基板上に第1の犠牲層を成膜する工程と、
    前記第1の犠牲層をパターニングして一部を除去する工程と、
    前記第1の犠牲層上に前記第1の犠牲層と材質が異なる可動部形成層を成膜する工程と、
    前記可動部形成層をパターニングし、穴が設けられた可動部と、前記穴の内側の前記第1の犠牲層が除去された領域に前記可動部形成層を用いて形成された支柱とを形成する工程と、
    前記可動部および前記支柱上に第2の犠牲層を成膜する工程と、
    前記第2の犠牲層上に第1のキャップ層を成膜する工程と、
    前記第1のキャップ層をパターニングし、前記支柱上方に開口部を設ける工程と、
    前記第1の犠牲層と前記第2の犠牲層とをエッチングし前記可動部をリリースする工程と、
    前記第1のキャップ層上に第2のキャップ層を成膜し前記開口部をふさぐ工程とを有することを特徴とするMEMSデバイスの製造方法。
  8. 前記開口部の開口サイズを、前記支柱の上面のサイズよりも小さくすることを特徴とする請求項7記載のMEMSデバイスの製造方法。
  9. 基板上に第1の犠牲層を成膜する工程と、
    前記第1の犠牲層をパターニングして一部を除去する工程と、
    前記第1の犠牲層上に前記第1の犠牲層と材質が異なる可動部形成層を成膜する工程と、
    前記可動部形成層をパターニングし、穴が設けられた可動部と、前記穴の内側の前記第1の犠牲層が除去された領域に支柱を形成する工程と、
    前記可動部および前記支柱上に第2の犠牲層を成膜する工程と、
    前記第2の犠牲層上に第1のキャップ層を成膜する工程と、
    前記第1のキャップ層をパターニングし、前記穴近傍に開口部を設ける工程と、
    前記第1の犠牲層と前記第2の犠牲層とをエッチングし前記可動部をリリースする工程と、
    前記第1のキャップ層上に第2のキャップ層を成膜し前記開口部をふさぐ工程と、
    前記第1のキャップ層を成膜する工程の前に、前記支柱上の一部の前記第2の犠牲層を除去する工程を有し、
    前記第1のキャップ層を成膜する工程の際に、前記第1のキャップ層の少なくとも一部が前記基板に支持される状態にすることを特徴とするMEMSデバイスの製造方法。
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