JP5117190B2 - 溶媒を含有しない非晶質ラパマイシン - Google Patents

溶媒を含有しない非晶質ラパマイシン Download PDF

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Description

開示の内容
〔関連出願に対する相互参照〕
本出願は、出願日、2004年8月27日の米国仮特許出願シリアルナンバー第60/605,324号の利益を主張する。
〔発明の背景〕
〔1.発明の分野〕
本発明は、ステントを治療薬で被覆する方法に関し、更に詳しくは、ステントを被覆するための安定した非晶質治療薬だけでなく、他の用途のための安定した非晶質治療薬をも開発し利用することに関する。
〔2.関連技術の解説〕
多くの人が、心臓および他の主要器官に多量の血液を送る血管の進行性閉塞(progressive blockage)によって引き起こされる循環器系統の疾患を患っている。そのような人の血管の閉塞がより重症であると、しばしば、高血圧、虚血性障害、発作(stroke)または心筋梗塞を引き起こす。アテローム性病変(atherosclerotic lesions)は、冠状動脈血流(coronary blood flow)を制限するかまたは遮り、虚血性心臓疾患の主要原因となる。経皮経管冠動脈形成術(percutaneous transluminal coronary angioplasty)は、1つの医療処置であって、その目的が動脈を通過する血流量を増加させることである該医療処置である。経皮経管冠動脈形成術は、冠状血管狭窄(coronary vessel stenosis)のための主要処置である。この処置の使用が増大しているのは、冠動脈バイパス形成手術と比べて、該処置の成功率が相対的に高く、かつ、該処置の侵襲性が最小限に抑えられていることに起因する。経皮経管冠動脈形成術に関連する限界は、血管の急性冠閉塞である。この急性冠閉塞は、処置および再狭窄の後、直ちに生じることがある。再狭窄は、処置の後、徐々に生じる。更に、再狭窄は、伏在静脈バイパス移植術(saphenous vein bypass grafting)を受けた患者にとって慢性的問題である。急性閉塞の機構は、幾つかの要因を包含するようであり、血管の反跳(vascular recoil)に起因し、結果的に動脈が閉塞し、および/または、新たに開通した血管の損傷距離に沿って血小板とフィブリンとが堆積することがある。
経皮経管冠動脈形成術の後の再狭窄は、血管損傷によって起こる、より漸進的な過程である。血栓症、炎症、成長因子およびサイトカインの放出、細胞増殖、細胞移動、および、細胞外基質の合成を包含する多くの過程は、それぞれ、再狭窄の過程の原因となる。
再狭窄の正確な機構は、完全には分かっていないが、再狭窄過程の概観は確認されている。正常な動脈壁における平滑筋細胞は、低速(1日当り約0.1%未満)で増殖する。該動脈壁における平滑筋細胞は、収縮装置(contractile apparatus)に従事する細胞原形質の体積(cell cytoplasmic volume)の80〜90%によって特徴付けられる収縮表現型(contractile phenotype)で存在する。小胞体、ゴルジ装置(Golgi)および遊離型リボソームは、少数であり、核周囲領域(perinuclear region)に配置されている。細胞外基質は、平滑筋細胞を取り囲み、ヘパリン様グリコシルアミノグリカン類(heparin-like glycosylaminoglycans)に富む。ヘパリン様グリコシルアミノグリカン類は、平滑筋細胞を収縮表現型状態(contractile phenotypic state)に維持する原因になっているものと思われる[キャンベル(Campbell)およびキャンベル(1985)]。
血管形成術の間、冠動脈内バルーンカテーテル(intracoronary balloon catheter)が加圧拡張するとき、血管壁内部の平滑筋細胞は、損傷し、血栓症および炎症に対する反応を開始する。細胞由来の成長因子であって、血小板、侵襲しているマクロファージおよび/または白血球から放出されるか、または、平滑筋細胞から直接放出される成長因子(例えば、血小板由来の成長因子、塩基性線維芽細胞増殖因子、上皮細胞成長因子、トロンビン、等)は、内側の平滑筋細胞(medial smooth muscle cells)において増殖反応および移動反応(proliferative and migratory response)を引き起こす。これらの細胞は、収縮表現型から、少数の収縮性フィラメント束(contractile filament bundles)、広範囲に渡る粗面小胞体(rough endoplasmic reticulum)、ゴルジ装置(Golgi)および遊離型リボソームのみによって特徴付けられる合成表現型(synthetic phenotype)まで変化を受ける。増殖/移動(migration)は通常、損傷後1〜2日以内に始まり、その後数日で頂点に達する[キャンベルおよびキャンベル(1987);クルーズ(Clowes)およびシュワルツ(Schwartz)(1985)]。
娘細胞は、動脈平滑筋の脈管内膜層へ移動して、増殖し続け、かなりの量の細胞外基質タンパク質を分泌する。損傷した内皮層が修復されるまで、増殖、移動、および、細胞外基質の合成は続く。その場合の増殖は、脈管内膜内部では遅くなり、通常、損傷後、7〜14日以内となる。新たに形成された組織は、新生内膜(neointima)と呼ばれる。次の3〜6ヶ月に渡って起こる、更なる血管狭窄は、主として、陰性リモデリングまたは収縮性リモデリング (negative or constrictive remodeling)に起因する。
炎症細胞は、局所的な増殖および移動と同時に、血管損傷の部位に付着する。炎症細胞は、損傷後、3〜7日以内で、血管壁のより深い層まで移動してしまう。バルーン損傷またはステント植え込みを利用した動物モデルにおいて、炎症細胞は、少なくとも30日間、血管損傷の部位で生き残る場合がある[タナカ(Tanaka)等(1993);エーデルマン(Edelman) 等(1998)]。したがって、炎症細胞は、再狭窄の急性相と慢性相との両方に存在し、それらの両方の一因となる場合がある。
多数種の作用物質について、再狭窄における推定される抗増殖作用に関する試験を行い、実験動物モデルにおいて、ある活性を見出だした。動物モデルにおける脈管内膜過形成の程度をうまく減少させることを示した、それらの作用物質の幾つかには、ヘパリンおよびヘパリン断片[クルーズ(Clowes),A.W.およびカルノフスキー(Karnovsky),M.:Nature,265,第25頁〜26頁(1977);ガイトン(Guyton),J.R.,等:Circ.Res.,46,第625頁〜634頁(1980);クルーズ,A.W.およびクルーズ,M.M.,Lab.Invest.,52,第611頁〜616頁(1985);クルーズ,A.W.およびクルーズ,M.M.:Circ.Res.,58,第839頁〜845頁(1986);マジェスキー(Majesky),等:Circ.Res.,61,第296頁〜300頁(1987);スノウ(Snow),等:Am.J.Pathol.,137,第313頁〜330頁(1990);オカダ,T.,等:Neurosurgery,25,第92頁〜98頁(1989)]、コルヒチン(colchicine)[カリアー(Currier),J.W.,等:Circ.,80,第11頁〜66頁(1989)]、タクソール(taxol)[ソロット(Sollot),S.J.,等:J.Clin.Invest.,95,第1869頁〜1876頁(1995)]、アンギオテンシン転換酵素(angiotensin converting enzyme)(ACE)阻害剤[パウエル(Powell),J.S.,等:Science,245,第186頁〜188頁(1989)]、アンギオペプチン(angiopeptin)[ランダーガン(Lundergan),C.F.,等:Am.J.Cardiol.,17(補遺B),第132B頁〜136B頁(1991)]、サイクロスポリン(cyclosporin)A[ヨナッソン(Jonasson),L.,等:Proc.Natl.,Acad.Sci.,85,第2303頁(1988)]、ヤギ抗ラビット血小板由来成長因子抗体(goat-anti-rabbit PDGF antibody)[フェルン(Ferns),G.A.A.,等:Science,253,第1129頁〜1132頁(1991)]、テルビナフィン(terbinafine)[ネメセック(Nemecek),G.M.,等:J.Pharmacol.Exp.Thera.,248,第1167頁〜1174頁(1989)]、トラピジル(trapidil)[リュー(Liu),M.W.,等:Circ.,81,第1089頁〜1093頁(1990)]、トラニラスト(tranilast)[フクヤマ(Fukuyama),j.,等:Eur.J.Pharmacol.,318,第327頁〜332頁(1996)]、インターフェロン−ガンマ(interferon-gamma)[ハンソン(Hansson),G.K.およびホルム(Holm),J.:Circ.,84,第1266頁〜1272頁(1991)]、ラパマイシン[マルクス(Marx),S.O.,等:Circ.Res.,76,第412頁〜417頁(1995)]、ステロイド類[コルバーン(Colburn),M.D.,等:J.Vasc.Surg.,15,第510頁〜518頁(1992)、バーク(Berk),B.C.,等:J.Am.Coll.Cardiol.,17,第111B頁〜117B頁(1991)]、電離性放射線(ionizing radiation)[ワインベルガー(Weinberger),J.,等:Int.J.Rad.Onc.Biol.Phys.,36,第767頁〜775頁(1996)]、融合毒素類(fusion toxins)[ファーブ(Farb),A.,等:Circ.Res.,80,第542頁〜550頁(1997)]、アンチセンスオリゴヌクレオチド類(antisense oligionucleotides)[サイモンズ(Simons),M.,等:Nature,359,第67頁〜70頁(1992)]、ならびに、遺伝子ベクター[チャング(Chang),M.W.,等:J.Clin.Invest.,96,第2260頁〜2268頁(1995)]が包含される。生体外における平滑筋細胞に対する抗増殖作用は、これらの作用物質の多くの種類について実証された。それらの種類には、ヘパリンおよびヘパリン結合体(heparin conjugates)、タクソール、トラニラスト、コルヒチン、ACE(アンギオテンシン転換酵素)阻害剤、融合毒素類、アンチセンスオリゴヌクレオチド類、ラパマイシンおよび電離性放射線が包含される。このように、平滑筋細胞を阻害する様々な機構を有する作用物質は、脈管内膜過形成を低下させる上で治療の有用性を有することがある。
しかし、動物モデルとは対照的に、ヒト血管形成術を受ける患者に対する、全身的な薬理学的方法によって再狭窄を防ぐ試みは、これまで失敗してきた。アスピリン−ジピリダモール(aspirin-dipyridamole)も、チクロピジン(ticlopidine)も、抗凝血療法(anticoagulant therapy)[急性ヘパリン(acute heparin)、慢性ワルファリン(chronic warfarin)、ヒルジン(hirudin)またはヒルログ(hirulog)]も、トロンボキサン受容体拮抗薬も、ステロイド類も、再狭窄を防ぐのに有効ではなかったものの、血小板抑制薬(platelet inhibitors)は、血管形成術後の急性再閉塞(reocclusion)を防ぐのに有効であった[マック(Mak)およびトポール(Topol)(1997);ラング(Lang),等(1991);ポップマ(Popma),等(1991)]。血小板GP IIb/IIIa受容体、拮抗薬、Reopro(登録商標)は、依然として研究中であるが、Reopro(登録商標)は、血管形成術およびステント挿入術(stenting)の後、再狭窄を軽減する確定的結果を示していない。再狭窄を防止するのにも失敗してきた他の作用物質には、カルシウムチャネル拮抗薬(calcium channel antagonists)、プロスタシクリン模倣体(prostacyclin mimetics)、アンギオテンシン転換酵素阻害剤(angiotensin converting enzyme inhibitors)、セロトニン受容体拮抗薬(serotonin receptor antagonists)および抗増殖剤(antiproliferative agents)が包含される。しかし、これらの作用物質は、全身的に提供する必要があり、治療有効量を達成させることは可能でない場合がある。抗増殖性物質(または、抗再狭窄薬)の濃度は、これらの作用物質の既知の中毒濃度を超える場合があり、そのために、平滑筋を阻害するのに十分な濃度は達成されない[マック(Mak)およびトポール(Topol)(1997);ラング(Lang),等(1991);ポップマ(Popma),等(1991)]。
魚油栄養補助食品またはコレステロール低下薬を利用して再狭窄を防止する有効性について試験が行なわれた更なる臨床試験は、矛盾する結果または芳しくない結果を示すので、今のところ、臨床的にいかなる医薬品を利用しても、血管形成術後の再狭窄を防止することはできない[マックおよびトポール(1997);フランクリン(Franklin)およびファクソン(Faxon)(1993);セルイス(Serruys),P.W.,等(1993)]。最近の報告には、抗脂肪剤/抗酸化剤、プロブコール(probucol)は再狭窄を防止するのに有用であるが提案されているが、この研究は、確認する必要がある[タルジフ(Tardif)等(1997);ヨコイ(Yokoi)等(1997)]。プロブコールは現在、米国での使用が承認されておらず、また、30日間の前処理期間が必要であるので、緊急時の血管形成術にプロブコールを使用することはできないだろう。更に、電離性放射線の適用は、ステントを用いて患者に血管形成術を行った後、再狭窄を低下させるかまたは防止する、重要な徴候を示した[タイルシュタイン(Teirstein)等(1997)]。しかし、現在のところ、再狭窄に対する最も有効な処置は、血管形成術、アテローム切除術(atherectomy)、または、冠状動脈バイパス移植術(coronary artery bypass grafting)を繰り返すことである。なぜなら、現在のところ、いかなる治療薬も、血管形成術後の再狭窄を防止するために使用することに対する米国食品医薬局(Food and Drug Administration)の承認を受けていないからである。
ステントは、全身的な薬理療法とは異なり、再狭窄を著しく軽減するのに有用であることが証明されている。ステントは典型的には、バルーンで拡張するスロット付き金属管(通常は、ステンレス鋼であるが、それに限定されない)である。該金属管は、血管形成術が行われた冠状動脈の内腔の内部で拡張するとき、動脈壁に対して、硬質足場による構造的支持体を提供する。この支持体は、血管内腔の開通性(patency)を保持するのに有用である。2つの無作為化臨床試験において、ステントは、最小内腔直径を増大させることによって、経皮経管冠動脈形成術(percutaneous transluminal coronary angioplasty)を行った後の、血管造影の成功を増大させ、しかも、6ヶ月間で再狭窄の発生率を低下させたものの、発生率をゼロにはしなかった[セルイス(Serruys)等(1994);フィッシュマン(Fischman)(1994)]。
更に、ステントのヘパリンコーティング(heparin coating)は、ステントが植え込まれた後、亜急性血栓症(sub-acute thrombosis)を低下させるという付加的利点を有するようである[セルイス等(1996)]。このように、狭窄した冠状動脈を、ステントを用いて持続的に機械的拡張を行うことによって、再狭窄に対するある防止策を提供することが分かった。また、ヘパリンでステントを被覆することによって、薬剤を損傷組織の部位に局所的に運搬することの実行可能性と臨床的有用性との両方が、実証された。
上述のように、ヘパリンで被覆されたステントを使用することによって、薬剤を局所へ運搬することの実行可能性と臨床的有用性とが実証される。しかし、特定の薬剤または薬剤の組合わせが局所用運搬デバイス(local delivery device)に固定される方法は、この種の処置の有効性においてある役割を果たすであろう。例えば、薬剤または薬剤の組合わせを局所用運搬デバイスに固定するために利用される方法と材料とは、薬剤または薬剤の組合わせの作用を妨げるべきではない。更に、それらの、利用される方法と材料とは、生体適合性であることが望ましく、また、運搬過程を通して、かつ、所与の期間に渡って、局所用運搬デバイス上に薬剤または薬剤の組合わせを保持することが望ましい。例えば、局所用運搬デバイスを運搬している間、薬剤または薬剤の組合わせが除去されると、潜在的に、該デバイスの機能停止を引き起こすことがある。
したがって、内膜肥厚(intimal thickening)を引き起こす血管損傷であって、生物学的に(例えば、アテローム性動脈硬化症(atherosclerosis)によって)誘発される血管損傷または、機械的に(例えば、経皮経管冠動脈形成術(percutaneous transluminal coronary angioplasty)によって)誘発される血管損傷の防止および処置を行うための薬剤または薬剤の組合わせと、関連する局所用運搬デバイスとの必要性が存在する。更に、運搬および位置合わせを通して、局所用運搬デバイス上に薬剤または薬剤の組合わせを保持する必要性だけでなく、薬剤または薬剤の組合わせが所与の期間に渡って治療投与量で確実に放出する必要性も存在する。
内膜肥厚を引き起こす損傷を防止し処置するための、様々なステント用コーティングと組成物とが提案されてきた。それらのコーティングは、ステントが損傷内腔壁に与える刺激を軽減することができる場合があり、したがって、血栓症または再狭窄へ進行する傾向を減少させる。代替的に、コーティングは、医薬品/治療薬または薬剤であって平滑筋組織の増殖または再狭窄を軽減するものを内腔に運搬することができる。薬剤を運搬するための機構は、バルクポリマー(bulk polymer)、もしくは、該ポリマーの構造体に作り出される細孔が介在することによって、該薬剤が分散することによるか、または、生物分解性コーティングの侵食(erosion)による。
生体吸収性組成物と生物学的安定性組成物との両者は、ステント用コーティングとして報告されてきた。それらの組成物は、医薬品/治療薬もしくは薬剤[例えば、ラパマイシン、タクソール(taxol)、等]を封入するか、または、そのような作用物質を表面(例えば、ヘパリンで被覆されたステント)に結合させる高分子コーティングであった。これらのコーティングは、多くの方法で、ステントに塗布される。それらの方法には、浸漬法、吹き付け法、または、スピンコーティング法が包含されるが、それらに限定されない。
適切な治療薬と、該治療薬が組み入れられる適切なコーティングとを選定することは重要であるが、該治療薬の安定性を維持することも重要である。したがって、植え込み可能な医療用具を被覆するための方法であって、治療薬を安定化させるための工程が組み込まれている方法を開発する必要性が存在する。更に、1種以上の治療薬の、より安定した配合物を創り出す必要性が存在する。
〔発明の概要〕
本発明の方法は、植え込み可能な医療用具を治療薬で被覆すること、および、溶媒を実質的に含有しない非晶質形態の治療薬を創り出すことに、関連する困難さを克服するための方法を提供する。溶媒を実質的に含有しない非晶質形態の治療薬は、典型的にはより安定であり、また、典型的には、溶解度を増大させて該治療薬の摂取を改善する。
本発明は、第1の態様によると、非晶質ラパマイシンを調製する方法に向けられている。該方法は、2−プロパノールにラパマイシンを溶解して溶液を形成する工程と、該溶液に水を添加することによって、非晶質ラパマイシンの沈降物を形成する工程と、非晶質ラパマイシンの沈降物を、所定の時間、乾燥させる工程とを含む。
本発明は、もう1つの態様によると、次の方法によって製造される非晶質ラパマイシンに向けられている。該方法は、2−プロパノールにラパマイシンを溶解して溶液を形成する工程と、該溶液に水を添加することによって、非晶質ラパマイシンの沈降物を形成する工程と、非晶質ラパマイシンの沈降物を、所定の時間、乾燥させる工程とを含む。
本発明は、もう1つの態様によると、約92℃〜約95℃の範囲のガラス転移温度を有する非晶質ラパマイシンに向けられている。
本発明は、もう1つの態様によると、非晶質ラパマイシンを調製する方法に向けられている。該方法は、2−プロパノールにラパマイシンを溶解して溶液を形成する工程と、該溶液に水を添加することによって、非晶質ラパマイシンの沈降物を形成する工程とを含む。
本発明は、もう1つの態様によると、次の方法によって製造される非晶質ラパマイシンに向けられている。該方法は、2−プロパノールにラパマイシンを溶解して溶液を形成する工程と、該溶液に水を添加することによって、非晶質ラパマイシンの沈降物を形成する工程とを含む。
本発明の方法は、多数の工程を組み入れて治療薬の安定性を増大させる。それらの工程には、治療薬のガラス転移温度を増大させることによって、該治療薬が自動酸化するのを防ぐ工程と、遊離基および自動酸化開始剤を含有する様々な物質の存在度、および/または、それらの物質への暴露を減少させる工程と、それらの様々な物質の存在度、および/または、それらの物質の酸素への暴露を減少させる工程とが包含される。溶媒を実質的に含有しない非晶質形態の治療薬を創り出すために、別個の方法によって、該治療薬のガラス転移温度を増大させることができる。上述のように、治療薬の非晶質形態は典型的には、増大した溶解度を有する。そのことは、換言すれば、いかなる形態で投与されても摂取が改善されることを意味する。
本発明の前述の特徴および利点、ならびに、他の特徴および利点は、次の、添付図面に例示されるような、本発明の好ましい実施形態のより特定的な記述によって明らかになるであろう。
〔好ましい実施形態の詳細な記述〕
本発明は、ステントまたは他の植え込み可能な医療用具を1種以上の治療薬(例えば、ラパマイシン(rapamycin))で被覆する方法に向けられている。1つの典型的な方法を、図1の流れ図に開示する。該方法の第1の部分は、プライマー(primer)を施す工程を含む。その典型的な実施形態において、該方法の第1の工程は、表面調製および表面処理である(工程102)。この工程は、洗浄溶液を利用して、被覆されるべきステントから内毒素を除去する段階を含む。洗浄溶液には、かなり多数の種類の洗浄溶液、例えば、高pH溶液(例えば、ケイ酸塩を含有する水酸化カリウム溶液)、が包含されることがある。次の工程も、表面調製および表面処理の工程である(工程104)。この工程では、プライマー層を堆積させるための、複数のステントの表面を調製するために、シラン溶液を利用する。次の工程は、プライマーそれ自体を施す工程である(工程106)。典型的な実施形態では、蒸着法を利用して、ステントにパリレン(parylene)を施す。パリレンを施した後、直ちに、ステントを包装して秤量する(工程108)。ステントを秤量した後、直ちに、それらを容器またはバイアルに入れる。バイアルは、かなり多数の種類の適切な材料で形成することができる。典型的な実施形態において、バイアルは、ポリプロピレンで形成する。
方法の第2の部分は、下塗り(basecoat)を施す工程を含む。該方法の第2の部分の第1の工程は、下塗り溶液の調製である(工程110)。下塗り溶液は、適切な生体適合性ポリマーおよび治療薬であればいかなるものをも含有することができる。それらの治療薬およびポリマーは好ましくは、相溶性(compatible)であることが望ましい。典型的な実施形態において、下塗り溶液には、ポリエチレン−酢酸ビニル共重合体(polyethylene co-vinylacetate)、ポリブチルメタクリレートおよびラパマイシン(例えば、シロリムス(sirolimus))を含有する。下塗り溶液は、標準的な反応器で調製する。下塗り溶液は、次工程のために、複数のより小さい容器の中に注ぐ。次の工程は、ステントの被覆である(工程112)。この工程では、ステントを下塗り溶液で被覆する。ステントは、適切なやり方であればいかなるやり方ででも被覆することができる。典型的な実施形態において、ステントは、吹付け塗装技術を利用して被覆する。下塗り溶液のためのキャリヤーガスとして、窒素を利用する。工程112では、ステントの2分の1を被覆し、次いで、工程114で空気乾燥させる。2分の1が被覆されたステントは、約30〜約55%の相対湿度で約30分間乾燥させる。気温は、ほぼ室温に保持する。乾燥室中の空気は、連続的に再循環させる。乾燥工程114が終了した時、ステントの第2の2分の1を被覆し(工程116)、次いで、工程118で再度乾燥させる。工程116および工程118は、工程112および工程114と同一である。
方法の第3の部分は、上塗り(topcoat)を施す工程を含む。該方法の第3の部分の第1の工程は、上塗り溶液の調製である(工程120)。上塗り溶液の調製工程には、ポリブチルメタクリレート溶液を調製する段階が含まれる。上塗り溶液を調製し、次いで、吹付け用容器に注いだ後、直ちに、ステントの2分の1を被覆する(工程122)。該方法の次工程は、もう1つの被覆工程である(工程124)。この被覆工程では、上塗りが施された、該ステントの2分の1に、トルエンを吹き付ける。トルエンの吹付け工程は、上塗りに艶出し効果(polishing effect)を与え、更に、ポリマーの上塗りを施す工程によって、治療薬の溶出を制御することが容易となる。工程124が終了すると直ちに、それらのステントは、工程114および118と同一の条件で空気乾燥させる(工程126)。工程128、130および132は、該ステントの第2の2分の1に対するものであることを除き、工程122、124および126と同一である。
典型的な方法の第4の部分であって最終の部分は、最終処理を含む。該方法の第4の部分の第1の工程は、最終検査であり、被覆されたステントの解放(release)である(工程134)。それらのステントの各々について欠陥がないか検査する。顕微鏡による検査のような様々な検査技術を利用して、該ステントが様々な厳しい基準を満たすか否かを決定することができる。該方法の次の工程は、包装工程である(工程136)。該ステントをトレイに入れ、次いで、ポーチ(pouches)に封じ込める。この典型的な実施形態において、トレイは、PETG(ポリエチレンテレフタレート共重合体)製トレイである。該ステントを包装した後、直ちに、それらを冷蔵する(工程138)。該ステントは、約5℃〜約8℃の温度に保持する。より広い範囲を利用してもよい。該方法の次の工程は、該ステントの各々をクリンプ加工し(crimping)包装する工程である(工程140)。この工程で、該ステントは、運搬デバイス(delivery device)上に配置して所望の寸法にクリンプ加工する。該運搬デバイス上に配置した後、直ちに、システム全体を包装し、次いで、殺菌を行うための場所に移す(工程142および144)。該システムは、エチレンオキシドを利用して殺菌するが、適切な他の殺菌方法を利用することもできる。該方法の最終工程は最終包装である(工程146)。
多くの工程変更を利用して、自動酸化(autoxidation)に取り組むことができる。燃料(この場合は、治療薬)、該燃料の点火装置(この場合は、遊離基)が存在し、最終的に、酸素または酸素含有化合物が存在する場合、自動酸化が生じる。第1の工程変更には、活性な薬剤成分または治療薬(この実施形態では、シロリムス)を自動酸化から保護する工程が包含される。活性な薬剤成分を保護する1つの方法は、それのガラス転移温度(Tg)を高めることである。ガラス転移温度がより高くなれば高くなる程、治療薬は室温でより安定化する。非晶質物質はスポンジのように作用して、溶媒のような他の化合物を捕捉する。シロリムスは、非晶質治療薬である。したがって、非晶質治療薬をより安定化させるためには、それのガラス転移温度を高めなければならず、また、溶媒はガラス転移温度を低下させるので、残留溶媒への暴露は最小限に抑える必要がある。残留溶媒への暴露を減少させるか、または最小限に抑えるための方法には、外来溶媒(extraneous solvents)(例えば、洗浄剤および溶媒瓶)をコーティングから引き離した状態に保つこと、ならびに、実質的に溶媒が存在しない環境で(例えば、新たに被覆されたステントおよび/または溶液から引き離された状態で)ステントを保管すること、が包含される。治療薬、または、治療薬で被覆されたステントは、安定室(stability chambers)で保管することが好ましい。更に、より高いガラス転移温度は、被覆工程後の残留溶媒の除去率を増大することによって達成することができる。これは、被覆工程後に残留溶媒を除去する時間をより長くすること、真空条件と加熱とを適用して残留溶媒の除去率を高めること、ならびに、短期間での水分交換(湿気の存在)を可能にして残留溶媒の除去率を高めること、によって達成することができる。湿気は可塑剤として作用することがあるので、相対湿度への長期暴露を制御することが好ましい。この問題は、完成品を真空包装することおよび不活性ガス下で包装することによって検討される。また、ポリマーと治療薬との3領域被覆形態(three domain coating morphology)(即ち、3つの異なる帯域)は、しばしば、治療薬を酸素からほんの幾らか保護する。したがって、吹付け条件を変更して、被覆形態(例えば、低湿度、および、スプレーヘッド(spray head)の距離)を制御するか、または、該被覆形態に影響を及ぼすことができる。変更してこれらの改善を達成することのできる、方法の工程には、図2に例示される工程(112、114、116、118、126、132、138および146)が包含される。
もう1つの工程変更には、遊離基および自動酸化開始剤の存在量、ならびに/または、遊離基および自動酸化開始剤への暴露量、を減少させることが包含される。このことは、最小限の遊離基を有する材料を利用し(例えば、PETGトレイではなくポリプロピレン製容器を利用することができる)、かつ、クリンプ加工および包装段階の助けとなる、不活性材料で作られている道具を利用することによって達成することができる。このことは、パリレンのアニーリング(parylene annealing)を行いパリレンの遊離基を減少させることによって達成することもできる。変更してこれらの改善を達成することのできる、方法の工程には、図3に例示される工程(104および136)が包含される。
更にもう1つの工程変更には、酸素の存在量および/または酸素への暴露量を減少させることが包含される。このことは、原料の管理を改善し、被覆溶液の混合と取扱いとを改善し、被覆工程を改善することによって達成することもできる。原料の管理の改善には、低濃度のヒドロペルオキシドを有する、THF(テトラヒドロフラン)等の溶媒を使用し、活性な薬剤成分を最小限の取扱いで使用することが包含される。被覆溶液の混合と取扱いとの改善には、不活性ガスで覆って溶存酸素を減少させること、および、全てのデカンティング工程(decanting steps)を最小限に抑えることが包含される。被覆工程の改善には、窒素に富む環境で吹き付けを行うこと、真空オーブンを使用すること、アニーリングの後、不活性ガスでパージを行うこと、ならびに、加工中の加工物(works)および完成品の真空包装および/または不活性ガス下での包装を行うことが包含される。変更してこれらの改善を達成することのできる、方法の工程には、図4に例示される工程(101、110、112、116、120、136および146)が包含される。
ステントは本明細書に詳細に解説されるが、薬剤/複合薬剤の局所運搬は、かなり多数の種類の医療用具を利用して多種多様の容態を処置すること、または、該医療用具の機能および/もしくは寿命を改善すること、に利用することができることに注目することが重要である。例えば、白内障手術の後、視力を回復するために装着される眼内レンズはしばしば、第2の白内障が形成することによって傷付けられる。後者は、しばしば、該レンズの表面に細胞が過成長する結果であり、1種以上の薬剤と医療用具とを組み合わせることによって、潜在的に最小限に抑えることができる。医療用具の中、医療用具の上、および、医療用具の周辺における、組織の内方成長、または、タンパク質物質の蓄積に起因して、しばしば作動しなくなる他の医療用具[例えば、水頭症シャント、透析グラフト、結腸瘻バッグ(colostomy bag)取付け用具、耳排液用チューブ(ear drainage tubes)、ペースメーカー用リード線、および、植込み型心臓細動除去器(implantable defibrillator)]もまた、用具−薬剤の組合せアプローチによって利点を得る。組織または器官の構造および機能を改善するのに役立つ用具もまた、適切な1種以上の薬剤と組み合わされたとき、利点を得る。例えば、移植される整形外科用器具の安定性を高めるために改善される、該器具の骨結合性(osteointegration)は、該器具を、骨形成たん白質(bone-morphogenic protein)等の作用物質と組み合わせることによって、潜在的に達成することができるであろう。同様に、他の外科用器具、縫合糸、ステープル、吻合器(anastomosis devices)、椎間板固定ピン、骨固定ピン、縫合糸固定用アンカー、止血用バリヤ(hemostatic barriers)、鉗子(clamps)、ねじ(screws)、プレート(plates)、クリップ(clips)、血管インプラント、組織接着剤、組織シーラント、組織の足場(tissue scaffolds)、各種の包帯、骨代用材、腔内デバイス、および血管支持体(vascular supports)もまた、この薬剤−用具の組合せアプローチを用いて、患者に改善された利点を提供することができるであろう。本質的に、いかなる種類の医療器具であっても、あるやり方で、薬剤または複合薬剤で被覆されることができ、そのことによって、処置は、該医療器具または医薬品を単独で使用する使用法よりも有利に改善される。
様々な医療器具の他に、これらの医療器具の上のコーティングは、治療薬および医薬品を運搬するのに使用することができる。それらの治療薬および医薬品には、[ビンカアルカロイド類(vinca alkaloids)(即ち、ビンブラスチン(vinblastine)、ビンクリスチン(vincristine)およびビノレルビン(vinorelbine))のような天然物、パクリタキセル(paclitaxel)、エピジポドフィロトキシン類(epidipodophyllotoxins)(即ち、エトポシド(etoposide)、テニポシド(teniposide))、抗生物質(ダクチノマイシン(dactinomycin)(アクチノマイシンD)、ダウノルビシン(daunorubicin)、ドキソルビシン(doxorubicin)およびイダルビシン(idarubicin))、アントラサイクリン類(anthracyclines)、ミトキサントロン(mitoxantrone)、ブレオマイシン系(bleomycins)、プリカマイシン(plicamycin)(ミトラマイシン(mithramycin))およびマイトマイシン(mitomycin)、酵素(系統的にL−アスパラギンを代謝させ、細胞自体のアスパラギンを合成する能力を有していない該細胞を破滅させるL−アスパラギナーゼ(asparaginase))、を包含する]抗増殖剤/有糸分裂阻害剤;血小板凝集阻害薬[例えば、G(GP)IIb/IIIb阻害薬、および、ビトロネクチン受容体アンタゴニスト系(vitronectin receptor antagonists)];抗増殖性アルキル化剤/抗有糸分裂性アルキル化剤[例えば、ナイトロジェンマスタード類(nitrogen mustards)(メクロレタミン(mechlorethamine)、シクロホスファミド(cyclophosphamide)および類似体、メルファラン(melphalan)、クロラムブシル(chlorambucil))、エチレンイミン類(ethylenimines)およびメチルメラミン類(methylmelamines)(ヘキサメチルメラミンおよびチオテパ(thiotepa))、アルキルスルホネート−ブスルファン(busulfan)、ニトロソウレア類(nitrosoureas)(カルムスチン(carmustine)(BCNU)および類似体、ストレプトゾシン(streptozocin))、トリアゼン系(triazenes)−ダカルバジン(dacarbazinine)(DTIC)];抗増殖性代謝拮抗剤/抗有糸分裂性代謝拮抗剤[例えば、葉酸(folic acid)類似体(メトトレキセート(methotrexate))、ピリミジン類似体(フルオロウラシル(fluorouracil)、フロクスウリジン(floxuridine)およびシタラビン(cytarabine))、プリン類似体および関連阻害剤(メルカプトプリン(mercaptopurine)、チオグアニン(thioguanine)、ペントスタチン(pentostatin)および2−クロロデオキシアデノシン{クラドリビン(cladribine)})];白金配位錯体[(シスプラチン、カルボプラチン)、プロカルバジン(procarbazine)、ヒドロキシウレア(hydroxyurea)、ミトタン(mitotane)、アミノグルテチミド(aminoglutethimide)];ホルモン系(即ち、エストロゲン);凝固阻止薬[ヘパリン、合成ヘパリン塩、および、他のトロンビン阻害剤];線維素溶解薬(例えば、組織プラスミノゲン活性化因子(tissue plasminogen activator)、ストレプトキナーゼおよびウロキナーゼ)、アスピリン、ジピリダモール(dipyridamole)、チクロピジン(ticlopidine)、クロピドグレル(clopidogrel)、アブシキシマブ(abciximab);アンチミグラトリー(antimigratory);分泌抑制薬[ブレベルディン(breveldin)];抗炎症薬[例えば、副腎皮質ステロイド類(adrenocortical steroids)(コルチゾール(cortisol)、コーチゾン(cortisone)、フルドロコルチゾン(fludrocortisone)、プレドニゾン(prednisone)、プレドニゾロン(prednisolone)、6α−メチルプレドニゾロン、トリアムシノロン(triamcinolone)、ベタメタゾン(betamethasone)およびデキサメタゾン(dexamethasone))、非ステロイド剤(サリチル酸誘導体、即ち、アスピレン)];パラアミノフェノール誘導体[即ち、アセトミノフェン(acetominophen)];インドールおよびインデン酢酸(インドメタシン(indomethacin)、スリンダク(sulindac)およびエトダラク(etodalac))、ヘテロアリール酢酸(トルメチン(tolmetin)、ジクロフェナク(diclofenac)およびケトロラク(ketorolac))、アリールプロピオン酸(arylpropionic acids)(イブプロフェン(ibuprofen)および誘導体)、アントラニル酸(anthranilic acids)(メフェナム酸(mefenamic acid)およびメクロフェナム酸(meclofenamic acid))、エノール酸類(enolic acids)(ピロキシカム(piroxicam)、テノキシカム(tenoxicam)、フェニルブタゾンおよびオキシフェンタトラゾン(oxyphenthatrazone))、ナブメトン(nabumetone)、金化合物(オーラノフィン(auranofin)、アウロチオグルコース(aurothioglucose)、金チオリンゴ酸ナトリウム(gold sodium thiomalate));免疫抑制薬[サイクロスポリン、タクロリムス(tacrolimus)(FK−506)、シロリムス(ラパマイシン)、アザチオプリン(azathioprine)、ミコフェノール酸モフェチル(mycophenolate mofetil)];血管新生剤[血管内皮細胞増殖因子(VEGF)、線維芽細胞増殖因子(FGF)];アンジオテンシン受容体遮断薬;酸化窒素供与体;アンチセンスオリゴヌクレオチド類およびそれらの組合せ;細胞周期阻害剤、mTOR(哺乳類ラパマイシン標的タンパク質)阻害剤、および、成長因子受容体シグナル伝達キナーゼ阻害剤(growth factor receptor signal transduction kinase inhibitors);レチノイド類(retenoids);サイクリン/CDK阻害剤;HMG補酵素リダクターゼ阻害剤(co-enzyme reductase inhibitors)(スタチン類);ならびに、タンパク質分解酵素阻害剤が包含される。
上述の工程変更を利用して、ステント上のコーティングだけでなく、植え込み可能な他の医療用具の上のコーティングをも改善することができる。しかし、他の方法を利用して、植え込み可能な医療用具と一緒に使用される治療薬のより安定した形態だけでなく、他の形態の運搬手段をも創り出すことができる。
治療薬(例えば、シロリムス(ラパマイシン))は、それが、かなり多数の種類の方法で投与することのできる安定形となるようなやり方で、調製するかまたは処理することができる。例えば、シロリムスは、経口で、非経口で、血管内に、鼻腔内に、気管支内に、経皮的に、直腸から、または、シロリムスで被覆されたステントを経て、投与することができる。本明細書に記述される典型的な実施形態において、結晶性シロリムスは、約93℃のガラス転移温度を有する、実質的に溶媒を含有していない非晶質固形に加工することができる。ガラス転移は、非晶質材料の特性である。非晶質材料がそれのガラス転移温度を超える温度まで加熱される場合、該非晶質材料を構成する分子は、より動き易くなる。このことは、換言すれば、それらの分子は、より活性となり、したがって、酸化等の諸反応を受ける傾向がより強くなることを意味する。しかし、非晶質材料がそれのガラス転移温度より低い温度で保持される場合、該非晶質材料の分子は、実質的に動かなくなり、したがって、諸反応を受ける傾向がより小さくなる。したがって、与えられた非晶質材料のガラス転移温度が高くなれば高くなるほど、該非晶質材料は、室温および室内圧力の条件(RTP conditions)下において、より安定化し、かつ、反応性は低下する。更に、非晶質形態の治療薬は典型的には、溶解度が増大する。このことは、換言すれば、患者による該治療薬の摂取が改善されることを意味する。
約93℃のガラス転移温度(Tg)を有する、実質的に溶媒を含有しない非晶質シロリムスの調製は、次の諸工程を含む。先ず、所与量の結晶質シロリムスを適切な溶媒に溶解させる。かなり多数の種類の溶媒または溶媒の組合せを利用することができることに注目することは重要である。典型的な実施形態において、結晶質シロリムス250mgを100mLビーカーに入れ、それに2−プロパノール4mLを添加する。その混合物は、シロリムスが溶解し易くなるように、僅かに加熱してかき混ぜることができる。次いで、溶液からシロリムスを沈降させるため、その溶液に作用物質を添加する間、該溶液を撹拌する。典型的な実施形態において、シロリムスを沈降させるため、水50mLを添加している間、該溶液を、マグネティックスターラーで連続的に撹拌する。溶液からシロリムスを沈降させるため、かなり多数の種類の作用物質を利用することができることに注目することは重要である。この工程の生成物は、非晶質の沈降物である。溶解しているシロリムスの濃度は、溶液からシロリムスを沈降させるのに必要な時間の長さを決定する。次いで、非晶質沈降物は、濾過して洗浄する。典型的な実施形態において、真空下、非晶質沈降物を0.45μmポアフィルター(pore filter)に通して、上澄み液を除去する。濾過された非晶質沈降物は、次いで、水100mLで洗浄し、不純物を除去する。次の最終工程において、非晶質沈降物を乾燥させる。典型的な実施形態において、非晶質沈降物は、約30℃の温度で、約150ミリバールの真空の下、約18時間〜約36時間の範囲の時間、乾燥させる。結果として得られるものは、約93℃のガラス転移温度を有する、実質的に溶媒を含有しないシロリムスの非晶質固形であって、上述のポリマーの中で利用することができる非晶質固形、または、後述される適切な他の形態であればいかなる形態ででも利用することのできる非晶質固形である。
実質的に溶媒を含有しない非晶質シロリムスを特徴付けることができるように、多くの試験または評価を行うことができる。1つの試験では、マイクロ減衰全反射(ATR)赤外分光計を利用して、非晶質シロリムスを分析する。この試験の目的は本質的に、上述の方法によって調製された非晶質シロリムスが、何らかの重大な状態で劣化しているのか否かを確認することである。以下に示す表1は、試験パラメータの要約を含む。図5は、上述の方法を利用して調製された非晶質シロリムスのマイクロ減衰全反射(ATR)赤外スペクトルである。図5に例示されるように、調製された該シロリムスの赤外スペクトルは、非晶質生成物としてのシロリムスの分子構造が振動モード(vibrational modes)であることを示している。換言すれば、該シロリムスは、そのプロセスの間、劣化しなかった。
Figure 0005117190
もう1つの試験では、示差走査熱量測定(DSC)を利用して、非晶質シロリムスを分析する。この試験の目的は本質的に、該非晶質シロリムスのガラス転移温度を決定することである。この試験では、非晶質シロリムス約3mgを、標準アルミニウムTA−計器試料パン(standard aluminum TA-Instrument sample pan)の中に移し、覆いを掛けた。示差走査熱量測定(DSC)曲線は、RCS冷却装置を備えたTA−計器Q1000MTDSCに記録する。以下に示す表2は、試験パラメータの要約を含む。図6は、非晶質シロリムスの示差走査熱量測定曲線を例示する。この試料の示差走査熱量測定曲線は、該非晶質シロリムスのガラス転移温度が約93℃であることを示す。多数の走査に基づくと、ガラス転移温度は、約92℃〜約95℃の範囲にあると思われる。
Figure 0005117190
もう1つの試験では、熱重量分析装置を利用して、非晶質シロリムスを分析する。この試験の目的は本質的に、非晶質シロリムスの減量を決定することである。この試験では、該非晶質シロリムスを、アルミニウム試料パンの中に移し、熱重量分析装置(TG)に入れた。熱重量分析(TG)曲線は、TA−計器Hi−Res TGA2950熱重量分析装置を利用して記録する。以下に示す表3は、試験パラメータの要約を含む。図7は、非晶質シロリムスの熱重量分析曲線を例示する。例示されるように、試料の減量は、約25℃から約160℃まで起こる。この少ない減量は、結合水と2−プロパノールの蒸発に起因すると思われる。第2の減量は、化合物が分解するとき、観察される。
Figure 0005117190
もう1つの試験では、ガスクロマトグラフを利用して、非晶質シロリムスを分析する。この試験の目的は本質的に、試料の化学組成、とりわけ、残留溶媒の含有量、を決定することである。この試験では、非晶質シロリムス15mgを、バイアルに入れ、DMSO 2mLに溶解する。該バイアルを閉じ、以下に示す表4に記載される諸パラメータを利用して分析した。試験の結果は、非晶質シロリムスが2−プロパノールを77ppm含有することを示している。
Figure 0005117190
もう1つの試験では、高圧液体クロマトグラフィー−質量分析(LC−MS)を利用して、非晶質シロリムスを分析する。以下に示す表5は、試験パラメータの要約を含む。この試験の目的は本質的に、上述の方法によって調製された非晶質シロリムスが、何らかの重大な状態で劣化しているのか否かを確認することである。図8は、上述の方法を利用して調製した非晶質シロリムスのLC−MSトレース(trace)である。上述の方法によって調製された、溶媒を含有しない非晶質シロリムス(ラパマイシン)のLC−MS分析によって、精確な質量による化学式が確認された。換言すれば、該シロリムスは、そのプロセスの間、劣化しなかった。
Figure 0005117190
シロリムスは、ラパマイシンである。ラパマイシンは、米国特許第3,929,992号明細書に開示されるようなストレプトマイセス・ハイグロスコピウス(Streptomyces hygroscopius)によって産生される大環状トリエン抗生物質(macrocyclic triene antibiotic)である。とりわけ、ラパマイシンは、生体内で血管平滑筋細胞の増殖を阻害することが見出だされた。したがって、ラパマイシンは、哺乳動物における血管内膜平滑筋細胞過形成(intimal smooth muscle cell hyperplasia)、再狭窄および血管閉塞を処置するのに利用することができ、とりわけ、血管損傷が生物学的にもしくは機械的にもたらされた後、または、哺乳動物がそのような血管損傷を受け易くなると思われる容態の下、それらを処置するのに利用することができる。ラパマイシンは、平滑筋細胞の増殖を阻害するように作用し、かつ、血管壁の再内皮化(reendothelialization)を妨げない。
ラパマイシンは、血管が損傷している間に放出される分裂促進シグナル(mitogenic signals)に反応して平滑筋の増殖を抑えることによって、血管の過形成(vascular hyperplasia)を減少させる。細胞周期の後期G1相において、成長因子およびサイトカインによって伝達される平滑筋の増殖が阻害されるのは、ラパマイシンの作用の主要機構であると思われる。しかし、ラパマイシンは、全身的に投与された場合、T細胞の増殖および分化を妨げることも知られている。このことは、ラパマイシンの免疫抑制活性と、ラパマイシンの、移植片拒絶反応を防ぐ能力との基礎である。
本明細書で使用されるラパマイシンは、ラパマイシン、ならびに、FKBP12およびイムノフィリン類(immunophilins)に結合する、全ての類似体、誘導体、および抱合体(conjugates)、を包含し、また、ラパマイシンと同一の薬理学的特性を有する。その薬理学的特性には、ラパマイシンの標的を阻害することが包含される(TOR)。
溶媒を実質的に含有しない非晶質固形になるように処理することのできる他の薬剤には、40−O−(2−ヒドロキシエチル)ラパマイシン[エベロリムス(everolimus)]、40−O−ベンジル−ラパマイシン、40−O−(4'−ヒドロキシメチル)ベンジル−ラパマイシン、40−O−[4'−(1,2−ジヒドロキシエチル)ベンジル−ラパマイシン]、40−O−アリル−ラパマイシン、40−O−[3'−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4(S)−イル)−プロプ−2'−エン−1'−イル]−ラパマイシン、(2':E,4'S)−40−O−(4',5'−ジヒドロキシペント−2'−エン−1'−イル)−ラパマイシン、40−O−(2−ヒドロキシ)エトキシカルボニルメチル−ラパマイシン、40−O−(3−ヒドロキシ)プロピル−ラパマイシン、40−O−(6−ヒドロキシ)ヘキシル−ラパマイシン、40−O−[2−(2−ヒドロキシ)エトキシ]エチル−ラパマイシン、40−O−[(3S)−2,2−ジメチルジオキソラン−3−イル]メチル−ラパマイシン、40−O−[(2S)−2,3−ジヒドロキシプロプ−1−イル]−ラパマイシン、40−O−(2−アセトキシ)エチル−ラパマイシン、40−O−(2−ニコチノイルオキシ)エチル−ラパマイシン、40−O−[2−(N−モルホリノ)アセトキシ]エチル−ラパマイシン、40−O−(2−N−イミダゾリルアセトキシ)エチル−ラパマイシン、40−O−[2−(N−メチル−N'−ピペラジニル)アセトキシ]エチル−ラパマイシン、39−O−デスメチル−39,40−O,O−エチレン−ラパマイシン、(26R)−26−ジヒドロ−40−O−(2−ヒドロキシ)エチル−ラパマイシン、28−O−メチル−ラパマイシン、40−O−(2−アミノエチル)−ラパマイシン、40−O−(2−アセトアミノエチル)−ラパマイシン、40−O−(2−ニコチンアミドエチル)−ラパマイシン、40−O−(2−(N−メチル−イミダゾ−2′イルカルボエトキシアミド)エチル)−ラパマイシン、40−O−(2−エトキシカルボニルアミノエチル)−ラパマイシン、40−O−(2−トリルスルホンアミドエチル)−ラパマイシン、40−O−[2−(4',5'−ジカルボエトキシ−1',2',3'−トリアゾール−1'−イル)−エチル]−ラパマイシン、42−エピ−(テトラゾリル)ラパマイシン[タクロリムス(tacrolimus)]、および、42−[3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)−2−メチルプロパノエート]ラパマイシン[テムシロリムス(temsirolimus)]が包含される。
最も実用的であり好ましい実施形態であると思われるものが、図示され記述されているが、当業者は明らかに、図示され記述されている特定の構想(designs)および方法から逸脱するものを提案するであろうし、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、使用することができる。本発明は、記述され例示されている特定の構成に限定されるのではなく、特許請求の範囲に含まれ得る一部変更されたもの全てを包含するものと解釈されるべきである。
〔実施の態様〕
(1)非晶質ラパマイシンを調製する方法において、
2−プロパノールにラパマイシンを溶解して溶液を形成する工程と、
前記溶液に水を添加することによって、非晶質ラパマイシンの沈降物を形成する工程と、
前記の非晶質ラパマイシンの沈降物を、所定の時間、乾燥させる工程と、
を含む、方法。
(2)非晶質ラパマイシンにおいて、
2−プロパノールにラパマイシンを溶解して溶液を形成する工程と、
前記溶液に水を添加することによって、非晶質ラパマイシンの沈降物を形成する工程と、
前記の非晶質ラパマイシンの沈降物を、所定の時間、乾燥させる工程と、
を含む方法によって製造された、非晶質ラパマイシン。
(3)非晶質ラパマイシンにおいて、
約92℃〜約95℃の範囲のガラス転移温度を有する、非晶質ラパマイシン。
(4)非晶質ラパマイシンを調製する方法において、
2−プロパノールにラパマイシンを溶解して溶液を形成する工程と、
前記溶液に水を添加することによって、非晶質ラパマイシンの沈降物を形成する工程と、
を含む、方法。
(5)非晶質ラパマイシンにおいて、
2−プロパノールにラパマイシンを溶解して溶液を形成する工程と、
前記溶液に水を添加することによって、非晶質ラパマイシンの沈降物を形成する工程と、
を含む方法によって製造された、非晶質ラパマイシン。
(6)非晶質ラパマイシンを形成する方法において、
2−プロパノールにラパマイシンを溶解して溶液を形成する工程と、
前記溶液に水を添加することによって、非晶質ラパマイシンの沈降物を形成する工程と、
前記非晶質ラパマイシンを、遊離基、残留溶媒および自動酸化開始剤にさらすことを減少させることによって、前記非晶質ラパマイシンの自動酸化を最小限に抑える工程と、
を含む、方法。
(7)実施態様6に記載の方法において、
低濃度ヒドロペルオキシド溶媒を使用することによって、前記非晶質ラパマイシンの自動酸化を最小限に抑える工程、
を更に含む、方法。
(8)実施態様6に記載の方法において、
不活性ガスによるブランケッティングによって溶存酸素を減少させることにより、前記非晶質ラパマイシンの自動酸化を最小限に抑える工程、
を更に含む、方法。
(9)実施態様6に記載の方法において、
前記非晶質ラパマイシンのガラス転移温度を上昇させることにより、自動酸化を最小限に抑える工程、
を更に含む、方法。
(10)実施態様6に記載の方法において、
前記溶液に溶解しているラパマイシンの濃度が、前記沈降物が形成される時間を決定する、方法。
(11)実施態様9に記載の方法において、
前記沈降物を濾過し、洗浄し、乾燥する工程、
を更に含む、方法。
(12)非晶質治療薬において、
前記非晶質治療薬は、経口で、非経口で、血管内に、鼻腔内に、気管支内に、経皮的に、直腸から、または、前記治療薬で被覆されたステントを経て、投与することができ、
前記非晶質治療薬は、
溶媒に、ある量の結晶質治療薬を溶解させて溶液を形成する工程と、
前記溶液に作用物質を添加して、前記溶液から前記治療薬を沈降させる工程と、
前記沈降物を濾過する工程と、
前記沈降物を洗浄して、不純物を除去する工程と、
前記沈降物を乾燥させる工程と、
を含む、方法によって形成される、
非晶質治療薬。
(13)実施態様12に記載の方法において、
前記溶媒は、少なくとも1種の溶媒である、方法。
(14)実施態様12に記載の方法において、
前記結晶質治療薬は、結晶質シロリムスであり、
前記溶媒は、2−プロパノールである、
方法。
(15)実施態様14に記載の方法において、
前記作用物質は、水である、方法。
(16)実施態様15に記載の方法において、
前記結晶質治療薬を前記溶媒に溶解するのを容易にするために、前記結晶質治療薬および前記溶媒を加熱し、かき混ぜて、前記溶液を形成する工程、
を更に含む、方法。
(17)実施態様12に記載の方法において、
前記結晶質治療薬の濃度が、前記溶液から前記沈降物を得る時間を決定する、方法。
(18)実施態様12に記載の方法において、
前記非晶質治療薬のガラス転移温度は、室温および室内圧力における前記非晶質治療薬を安定させる温度である、方法。
(19)実施態様12に記載の方法において、
前記結晶質治療薬は、ラパマイシンの変異体である、方法。
(20)実施態様19に記載の方法において、
前記のラパマイシンの変異体は、少なくとも、FKBP12および他のイムノフィリン類に結合する、全ての類似体、誘導体、および抱合体、を包含する、方法。
本発明に従ってステントを被覆する方法の第1の典型的な実施形態の流れ図である。 本発明に従ってステントを被覆する方法の第2の典型的な実施形態の流れ図である。 本発明に従ってステントを被覆する方法の第3の典型的な実施形態の流れ図である。 本発明に従ってステントを被覆する方法の第4の典型的な実施形態の流れ図である。 本発明に従って調製された非晶質溶液のマイクロ減衰全反射(ATR)赤外スペクトルである。 本発明に従って調製された非晶質溶液の示差走査熱量測定曲線である。 本発明に従って調製された非晶質溶液の熱重量分析曲線である。 本発明に従って調製された非晶質溶液の高圧液体クロマトグラフィー−質量分析(LC−MS)トレース(trace)である。

Claims (2)

  1. 非晶質ラパマイシンを形成する方法において、
    2−プロパノールに結晶質ラパマイシンを溶解して溶液を形成する工程と、
    前記溶液に水を添加することによって、非晶質ラパマイシンの沈降物を形成する工程と、
    (i)不活性ガスによるブランケッティングによって溶存酸素を減少させること、および、(ii)真空条件と加熱とを適用して、残留溶媒の除去を促進し、前記ラパマイシンのガラス転移温度を上昇させることにより、前記非晶質ラパマイシンの自動酸化を最小限に抑える工程と、
    を含む、方法。
  2. 請求項1に記載の方法において、
    前記沈降物を濾過し、洗浄し、乾燥する工程、
    を更に含む、方法。
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