JP5114557B2 - 危篤状態の患者の転帰を予測する方法 - Google Patents

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Description

本発明は、危篤状態の患者の転帰を予測する方法に関する。
危篤状態の患者は、彼らの疾患の結果としての全身性炎症の臨床的および生化学的徴候によって入院させられるのが通常である。これらの徴候は、未特定病因からのストレスに対する初期反応の際に産生される炎症メディエーターの影響によるものである。全身性炎症反応症候群(SIRS)は、この生物学的炎症に通常的に付随する臨床反応であり、その発生率は、危篤状態の患者の50%を超える場合があり、その多くは、重症感染症を表出するか、あるいは発症する(Brun−Buisson.Intensive Care Med.2000;26 Suppl 1:S64〜74)。C反応性タンパク質(CRP)およびプロカルシトニンは、SIRSに際して生物学的炎症のレベルを評価するのに使用される従来からのバイオマーカーである。感染の診断に関するそれらの感度および特異性にもかかわらず、プロカルシトニンおよびCRPのどちらも、その後に多臓器不全で死亡することの多いこのような患者の転帰に関する重要な情報を提供しない(Harbarthら、Am J Respir Crit Care Med.2001;164:396〜402)。初期の血行動態不全に生き残るほとんどの患者は、高くて短期の死亡率に関連する多臓器不全(MOF)に相当する重要臓器機能の潜行性と進行性の低下を経験する。死亡率は、以前に健康障害がなくても30%〜100%で変化する。
臓器不全の重症度を特徴付け、かつ患者の転帰を予測する試みは、危篤状態の患者をケアする医師にとって極めて重要である。歴史的観点から、生物学的パラメーターを用いる以前の試みは成功しなかったので、スコアを構築することが、危篤状態の患者の転帰を評価するための最初のステップであった(Schetzら、2005;28:1197〜210)。いくつかの転帰予測モデル、例えば、APACHE(Acute Physiology and Chronic Health Evaluation)(Knausら、Crit Care Med.1981;9:591〜597)、SAPS(simplified acute physiology score)(Le Gallら、JAMA 1993;270:2957〜63)、MPM(mortality probability models)(Lemeshowら、Crit Care Med.1988;16:470〜477)、SOFA(Sequential Organ Failure Assessment)(SOFA)(Ferreiraら、JAMA 2001;286:1754〜58)、およびLOD(Logistic Organ Dysfunction)(Timsitら、Crit Care Med 2002;30:2003〜13)が、開発され、現在、集中治療室管理で使用可能である。これらの取り組みの中で、SAPSは、ゴールドスタンダードスコアと考えられる。
しかし、これらの予測モデルは、いくつかの欠点を有する。まず第1に、スコアの計算は、集中治療室(ICU)に入室して24時間後にようやく利用可能であるのが一般的である。一般に、スコアを決定するには、10種を超えるパラメーターを評価するものとされている。さらに、これらのスコアは、ICUに滞在する過程中での患者の転帰に影響を及ぼすことのある多くの要因を無視している。結局、これらのスコア化システムは、真の転帰を予測するためよりも、臓器機能を説明し、定量化するためにより有用であることが示されている。患者のリスク評価は、生物学的マーカーのように、定型的に測定できる客観的変数に基づくべきである。
本発明は、危篤状態の患者の転帰を予測する方法に関するものであり、前記方法は、前記患者から得られる生物学的検体中のクロモグラニンAまたはそのフラグメントの濃度を測定することを含む。
本発明は、患者における臓器機能障害、特にMOFの重症度および/または病態の評価方法に関するものであり、前記患者から得られる生物学的検体中のクロモグラニンA(CGA)またはそのフラグメントの濃度を測定することを含む。
本発明は、重病の重症度および/または病態のマーカーとしての、CGAまたはそのフラグメントの使用に関する。
本発明は、また、患者における臓器機能障害、特にMOFの重症度および/または病態のマーカーとしての、CGAまたはそのフラグメントの使用に関する。
危篤状態の患者および健常対照における入室時の血漿中クロモグラニンA濃度を示す図である。データは、平均値±SEMであり;*p<0.05、**p<0.01;HC:健常対照;NSNI:SIRSおよび感染のいずれもない患者;SIRS:非敗血症性起源に由来する全身性炎症反応症候群のある患者;S:感染および全身性炎症反応症候群のある患者;SS:重症敗血症患者;SSH:敗血症性ショック患者である。 入室時の血漿中CGAとMOFでの死亡を予測するためSAPSとを対比したROC曲線を示す図である。 スタディの流れ図である。参加者は、2カ月間に本発明者らのICUに入室した100名の治療継続患者および本発明者らのスタッフからの14名の健常対照とした。以前に慢性の腎、肝または心不全のあった患者は、ステロイドまたはプロトンポンプ阻害薬の投与を受けた場合、および神経内分泌腫瘍の既往歴があった場合は、除外された。最終的に、直近の多重ストレスを有するまたは外科的処置を受けた患者も除外された。 危篤状態の患者における入室時の血漿中CGA濃度を示す図である。対照(SIRS−、感染−、n=23)には、健常対照(n=14)およびSIRSのない服毒患者(n=9)を含め;SIRS患者(SIRS+、感染−、n=13)は、非敗血症性起源に由来する全身性炎症反応症候群に該当する者とし;敗血症性患者(n=31)は灰色である。3群に対する中央値(四分位範囲)は、それぞれ、対照で40.0μg/L(35.0〜52.5)、SIRS患者で110.0μg/L(81.0〜143.0)、敗血症性患者で138.5μg/L(65〜222.3)であった。*p<0.01、#p<0.001。 入室時血漿中CGA濃度の生存時間に対する影響を示す図である。下側(実線)または上側(点線)の中央値(71μg/L)を有するICU患者(n=53)におけるカプランマイヤー分析。このデータは、入室時血漿中濃度が低いほど、生存時間が長いことを裏付けた(ログランク検定、p=0.0013)。生存時間を、生存率に対してプロットしている。 カプランマイヤー分析:以下による累積死亡発生率を示す図である。(A)クロモグラニンAの四分位数。CGAの中央値および四分位範囲(ng/mL):第1四分位数に対して35.0(30.0〜53.0);第2四分位数に対して84.0(76.5〜93.5);第3四分位数に対して174.0(151.0〜197.0);第4四分位数に対して563.0(354.5〜973.8);(B)プロカルシトニンの四分位数。PCTの中央値および四分位範囲(ng/mL):第1四分位数に対して0.14(0.12〜0.16);第2四分位数に対して0.48(0.36〜1.01);第3四分位数に対して4.82(3.41〜6.67);第4四分位数に対して30.59(18.02〜43.59)。各四分位数は、30名の患者を含む。 CGA(黒線)、SAPSII(黒色破線)およびPCT(灰色破線)の転帰予測能力を検定するための受診者動作曲線(receiver operating curve)を示す図である。
(定義)
用語「全身性炎症反応症候群(SIRS)」は、全身中いたるところに炎症が存在する重篤な状態を表す。それは、重症細菌感染症(敗血症)、外傷、膵炎、薬物反応、自己免疫疾患、およびその他の障害によって引き起こされる可能性がある。それは、心拍数の増加、低血圧、低または高体温、および低または高白血球数によって特徴付けられる。
用語「敗血症」、「重症敗血症」および「敗血症性ショック」は、感染に対する一連の臨床反応を識別するのに使用される。敗血症を有する患者は、感染の証拠および炎症の臨床的顕示を提示する。重症敗血症を有する患者は、臓器機能障害を伴う低潅流を発症する。敗血症性ショックは、低潅流および持続性低血圧によって顕示される。
用語「臓器機能障害」は、解剖学的損傷がなくても、臓器における進行性で潜在的に可逆性の生理学的機能障害の発症が特徴的である臨床的症候群として定義される。
用語「多臓器不全」または「MOF」は、2またはそれ以上の臓器で発生している臓器機能障害を意味する。
用語「CGA」は、当技術分野でのその一般的な意味を有し、クロモグラニンAを指す。クロモグラニンA(CGA)は、48〜52kDaの糖リンタンパク質であり、そのヒト型は、Koneckiらの、J Biol Chem.1987;262(35):17026〜30で発表されているように、439個のアミノ酸を含む。該用語は、天然に存在するCGAおよびその変異体および修飾形を包含することができる。該用語は、また、少なくとも1つのCGA活性を保持するCGA由来ドメインが、例えば、別のポリペプチド(例えば、当技術分野で通常的であるようなポリペプチドタグ)に融合される融合タンパク質を指すことができる。CGAは、任意の供給源からのものでよいが、典型的には哺乳動物(例えば、ヒトおよび非ヒト霊長類)のCGA、特にヒトのCGAである。典型的なヒト本来のCGAアミノ酸配列は、AAB53685、AAA52018、およびSwiss Prot P10645の受入番号でGenPeptデータベース中に提供されている。
用語「CGAのフラグメント」は、体液中に存在する可能性がある任意の天然フラグメントを指す。典型的には、CGAの前記フラグメントの大きさは、1kDaより大きくてもよい。本発明の好ましい実施形態において、CGAの前記フラグメントは、ヒトCGAのアミノ酸145〜234を含む。
本明細書中で使用する場合、用語「患者」は、げっ歯類、ネコ、イヌ、および霊長類などの哺乳動物を意味する。本発明の好ましい実施形態において、本発明に合致する患者は、ヒトである。本発明の好ましい実施形態において、本発明に合致する患者は、危篤状態の患者である。
「危篤状態の患者」とは、その生命がおびやかされ、その結果、急性臓器機能障害の結果として、短期間(数時間または数日)内に死亡する可能性のある患者を意味する。
用語「生物学的検体」は、本明細書中で使用する場合、インビトロ評価の目的で得られる生物学的検体を指す。本発明の方法において、検体または患者検体は、好ましくは、任意の体液を含むことができる。本発明による方法で使用できる典型的な生物学的検体は、血液検体(例えば、全血検体、血清検体、または血漿検体)である。
典型的には、生物学的検体は、危篤状態の患者から、該危篤状態の患者の入室時にクリティカルケアユニットまたは救急病棟で得ることができる。
用語「入室時」とは、患者が、クリティカルケアユニットへの入室時または救急病棟で医学的救命のために考慮される数分以内の時間を意味する。
(診断方法および診断キット)
本発明は、危篤状態の患者の転帰を予測する方法に関するものであり、前記方法は、前記患者から得られる生物学的検体中のクロモグラニンAまたはそのフラグメントの濃度を測定することを含む。
本発明は、患者における臓器機能障害、特にMOFの重症度および/または病態を評価する方法に関するものであり、前記患者から得られる生物学的検体中のCGAまたはそのフラグメントの濃度を測定することを含む。
本発明は、重病の重症度および/または病態のマーカーとしての、CGAまたはそのフラグメントの使用に関する。
本発明のさらなる目的は、患者における臓器機能障害、特にMOFの重症度または病態のマーカーとしての、CGAまたはそのフラグメントの使用に関する。
典型的には、本発明に合致する患者は、敗血症または非敗血症性起源に由来するSIRSに冒されている可能性がある。
本発明者らは、(i)重病を患う患者は、血中CGA濃度の有意な増加を有し、(ii)CGA濃度と標準的炎症バイオマーカーとの間に正の相関が、インビボで存在し、(iii)CGA濃度は、危篤状態の患者にとっての死亡リスクを予測するさらなる指標であることを見出した。
本発明者らは、SIRSのない対照(すなわち、健常対照、およびSIRSのない服毒患者)と比較して、急性的にストレスを受けた患者における血中CGAの有意な増加を明らかにした。さらに、CGAレベルと炎症マーカーレベルとの間に正の相関が存在した。最終的に、多変量コックス比例ハザード回帰は、CGAレベルが、危篤状態の患者、特に、敗血症または非敗血症性起源に由来する全身性炎症反応症候群(SIRS)に冒された患者における転帰の強力な指標であることを立証した。本発明者らは、CGAが、より重症のLODSまたはSAPSIIスコアを有する非生存者群において有意に増加することを立証した。さらに、CGA濃度を、生存期間に関連させた。
本発明の方法は、かくして、危篤状態の患者、特に、敗血症または非敗血症性起源に由来する全身性炎症反応症候群(SIRS)に冒された患者を類別するのに有用であり得、次いで、集中治療室中で的確な治療を選択するのに使用することができる。例えば、高スコアの重症度を有する患者は、低いスコアを有する患者に比較して、より集中的な治療および配慮を受けることができる。このような方法は、かくして、医師が、それに合うように患者に的確な薬物を投与することにある治療処置を選択するのを助けることができる。治療の費用は、それゆえ、集中治療室に入室した患者の重症度および病態に適合させることができ、したがって、このような治療室を管理するための有用なツールになり得る。最終的に、本発明の方法は、危篤状態の患者の、特に、敗血症または非敗血症性起源に由来する全身性炎症反応症候群(SIRS)に冒された患者の治療転帰をモニターするのに適用できる。
本発明者らは、驚くべきことに、クロモグラニンA(CGA)が、敗血症または非敗血症性起源に由来する全身性炎症反応症候群(SIRS)に冒された患者における、臓器機能障害、特に、MOFの重症度または病態に関するマーカーであることを立証した。ROC分析は、さらに、入室時の血中CGA濃度が、SAPSスコアと同程度に効果的な等価物として、敗血症または非敗血症性起源に由来する全身性炎症反応症候群(SIRS)に関する死亡率の信頼性のある予測因子であることを立証した。したがって、17個のパラメーターの分析を必要とするSAPSと対照的に、CGAおよびそのフラグメントは、敗血症または非敗血症性起源に由来する全身性炎症反応症候群(SIRS)に冒された患者における臓器機能障害の重症度を判定する独特で的確なツールになる。さらに、CGAは、容易かつ迅速に定量できる。
典型的には、本発明の方法は、CGAまたはそのフラグメントの濃度を前もって決める閾値と比較するステップを含むことができる。前記比較は、危篤状態の患者の転帰、および前記患者における臓器機能障害またはMOFの重症度または病態を示す。
典型的には、前記前もって決める閾値は、血中CGA濃度を高めることが知られている患者の既知疾患および/または治療を考慮して決定することができる。
血中CGA濃度を高めることが知られている疾患および/または治療の例は、褐色細胞腫、カルチノイド腫瘍、神経芽細胞腫、神経内分泌腫瘍、神経変性疾患、慢性心不全、急性心筋梗塞、併発性心筋梗塞、慢性腎不全、肝不全、継続性ステロイド治療、継続性プロトンポンプ阻害薬治療、または外科的処置である。
本発明の実施形態において、前記患者は、褐色細胞腫、カルチノイド腫瘍、神経芽細胞腫、神経内分泌腫瘍、神経変性疾患、慢性心不全、急性心筋梗塞、併発性心筋梗塞、慢性腎不全または肝不全などの、血中CGA濃度を高めることが知られている疾患に冒されていることについて知らされていない。
本発明の実施形態において、本発明に合致する患者は、ステロイド治療、プロトンポンプ阻害薬治療、または外科的処置などの、血中CGA濃度を高めることが知られている治療を受けていることまたは最近受けていたことについて知らされていない。
本発明の実施形態において、本発明に合致する患者は、外科的処置を必要としている患者ではない。
いったん患者から生物学的検体を準備したら、CGAまたはそのフラグメントの濃度を当技術分野で周知の任意の方法で測定できる。
例えば、CGAまたはそのフラグメントの濃度は、標準的な電気泳動技術、および競合、直接またはサンドイッチ型アッセイなどのイムノアッセイを含む免疫診断技術を使用して測定できる。このようなアッセイには、限定はされないが、ウェスタンブロット;凝集テスト、ELISAのような酵素標識および酵素介在イムノアッセイ;ビオチン/アビジン型アッセイ;ラジオイムノアッセイ;免疫電気泳動;免疫沈降;高速液体クロマトグラフィー(HPLC);サイズ除外クロマトグラフィー;固相アフィニティーなどが含まれる。
個々の実施形態において、このような方法は、生物学的検体を、該生物学的検体中に存在するCGAまたはそのフラグメントと選択的に相互作用する能力を有する結合パートナーと接触させることを含む。
結合パートナーは、一般に、ポリクロナールまたはモノクロナール、好ましくはモノクロナールでよい抗体でよい。CGAまたはそのフラグメントに対するポリクロナール抗体は、既知法により、数ある中でも例えば、ブタ、ウシ、ウマ、ウサギ、ヤギ、ヒツジ、およびマウスから選択される宿主動物に適切な抗原またはエピトープを投与することによって産生させることができる。当技術分野で周知の各種アジュバントを使用して抗体産生を高めることができる。本発明を実施する上で有用な抗体は、ポリクロナール抗体でもよいが、モノクロナール抗体が好ましい。CGAに対するモノクロナール抗体は、連続細胞系培養による抗体分子の産生を提供する任意の技術を使用して調製、単離することができる。産生および単離のための技術には、限定はされないが、当初はKohlerら、Nature.1975;256(5517):495〜7によって発表されたハイブリドーマ技術;ヒトB細胞ハイブリドーマ技術(Coteら、Proc Natl Acad Sci USA.1983;80(7):2026〜30)、およびEBV−ハイブリドーマ技術(Coteら、1985、「モノクロナール抗体と癌療法(Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy)」(Alan Liss,Inc.)pp.77〜96)が含まれる。別法として、単鎖抗体の製造について発表された技術(例えば、米国特許第4946778号)を、抗−CGA、単鎖抗体を製造するように改めることができる。本発明を実施する上で有用な抗体には、限定はされないが、完全抗体分子のペプシン消化によって生成させることができるF(ab')フラグメント、およびF(ab')フラグメントのジスルフィド架橋を還元することによって生成させることができるFabフラグメントも含まれる。別法として、Fabおよび/またはscFv発現ライブラリーを構築して、CGAに対して所望の特異性を有するフラグメントの迅速識別を可能にすることができる。例えば、抗体のファージディスプレイを使用できる。このような方法において、単鎖Fv(scFv)またはFabフラグメントは、適切なバクテリオファージ、例えば、M13の表面に発現される。簡潔には、タンパク質で免疫化された適切な宿主、例えば、マウスの脾臓細胞を取り出す。VLおよびVH鎖のコード領域は、該タンパク質に対する所望の抗体を産生しているそれらの細胞から得られる。次いで、これらのコード領域をファージ配列の終端に融合する。いったんファージを適切な担体、例えば、バクテリアに挿入すると、該ファージは、抗体フラグメントを呈示する。抗体のファージディスプレイは、また、当業者に周知のコンビナトリアル法によって提供することができる。次いで、ファージによって呈示される抗体フラグメントを、イムノアッセイの部分として使用できる。
別の実施形態において、結合パートナーは、アプタマーでもよい。アプタマーは、分子認識に関して抗体の代替物になる部類の分子である。アプタマーは、高い親和性および特異性を伴って実質上任意の部類の標的分子を認識する能力を有するオリゴヌクレオチドまたはオリゴペプチド配列である。このようなリガンドは、Tuerkら(1990)Science,249,505〜510中に記載されているように、ランダム配列ライブラリーの試験管内進化法(Systematic Evolution of Ligands by EXponential enrichment)(SELEX)により単離することができる。ランダム配列ライブラリーは、DNAのコンビナトリアル化学合成によって入手できる。このライブラリーで、各メンバーは、結局は化学的に修飾され、独自の配列を有する線形オリゴマーである。この部類の分子の考え得る修飾、用途および利点は、Jayasena(1999)Clin Chem.45(9):1628〜50中で概説されている。ペプチドアプタマーは、E.coliのチオレドキシンAなどのプラットフォームタンパク質によって呈示され、コンビナトリアルライブラリーから2つのハイブリッド法によって選択される配座的に束縛された抗体の可変領域からなる(Colasら(1996)Nature,380,548〜50)。
抗体またはアプタマーなどの本発明の結合パートナーを、蛍光分子、放射性分子、または当技術分野で周知のその他任意の標識などの、検出可能な分子または物質で標識することができる。標識は、一般に、(直接的または間接的のいずれかで)シグナルを提供することが、当技術分野で周知である。
本明細書中で使用する場合、用語「標識される」は、抗体に関して、放射性薬剤またはフルオロフォア(例えば、イソチオシアン酸フルオレセイン(FITC)、フィコエリトリン(PE)、またはインドシアニン(Cy5))などの検出可能な物質を抗体またはアプタマーにカップリング(すなわち、物理的連結)することによる抗体またはアプタマーの直接標識化、ならびに検出可能な物質との反応性によるプローブまたは抗体の間接標識化を包含すると解釈される。本発明の抗体またはアプタマーは、当技術分野で周知の任意の方法によって放射性分子で標識することができる。例えば、放射性分子には、限定はされないが、I123、I124、In111、Re186、Re188などのシンチグラフィー研究のための放射性原子が含まれる。
前記のアッセイは、一般に、結合パートナー(すなわち、抗体またはアプタマー)を固体支持体に拘束することを必要とする。本発明を実施するのに使用できる固体支持体には、ニトロセルロース(例えば、膜またはマイクロタイターウェルの形態);ポリ塩化ビニル(例えば、シートまたはマイクロタイターウェル);ポリスチレンラテックス(例えば、ビーズまたはマイクロタイタープレート);ポリフッ化ビニリジン、ジアゾ紙;ナイロン膜;活性化ビーズ;磁気応答性ビーズなどが含まれる。
より詳細には、ELISA法を使用することができ、そこでは、マイクロタイタープレートのウェルを、CGAまたはそのフラグメントに対する1組の抗体で被覆する。次いで、被覆された該ウェルに、CGAまたはそのフラグメントを含むまたは含むと思われる生物学的検体を添加する。抗体−抗原複合体の形成を可能にするのに十分なインキュベーション期間の後、プレート(群)を洗浄して非結合部分を除去し、検出可能なように標識された第2結合分子を添加する。第2結合分子を、任意の捕捉された検体マーカータンパク質と反応させ、プレートを洗浄し、当技術分野で周知の方法を使用して第2結合分子の存在を検出する。
ラジオイムノアッセイまたはELISAなどの種々のイムノアッセイは、当技術分野で発表されている。例えば、文献、米国特許第4758522号には、CGAを、抗−ヒトCGA抗体の部位に関して放射性ラベルされたCGAを用いる競合アッセイによって測定する、CGAのイムノアッセイが記載されている。Syversenらは(Acta Oncol.1993;32(2):161〜5)、CGAのC末端フラグメントに対する抗体を使用するELISA技術でのクロモグラニンAのアッセイを発表している。Cortiらは(Br J Cancer.1996 Apr;73(8):924〜32)、また、ヒトCGAに対するモノクロナール抗体を使用するCGAの2つのアッセイ法を発表している。文献、米国特許第6632624号は、さらに、少なくとも1つのモノクロナール抗体が、ヒトCGAのアミノ酸145〜234に相当するエピトープに特異的に結合するイムノアッセイを発表している。神経内分泌腫瘍におけるCGAの検出試験が、Huttnerら(1991)Trends Biochem.Sci.16,27〜30;Winklerら(1992)Neuroscience 49,497〜528;Deftos(1991)Endocr Rev 12,181〜187;およびDegorceら(1999)Br.J.Cancer 76,65〜71で発表されている。
ラジオイムノアッセイは、CIS BIO International社(30200 Bagnols/Ceze−フランス)、Alpco Diagnostics社(Windham、NH03087、米国)、およびImmunoBiological Laboratories社(Minneapolis、MN55432、米国)から市販されている。CGA用ELISAキットは、また、Alpco Diagnostics社(Windham、NH03087、米国)およびCosmo Bio,LTD社(東京135−0016、日本)から市販されている。
もう1つの興味ある方法は、いくつかの特異的なCGA抗体を使用するBioplex(Biorad社)に関する。
CGA濃度の測定には(イムノアッセイをベースにした方法を用いるまたは用いない)、また、タンパク質の分離:タンパク質の分子量に基づく遠心分離;質量および電荷に基づく電気泳動;疎水性に基づくHPLC;大きさに基づくサイズ除外クロマトグラフィー;および使用される特定の固相に対するタンパク質の親和性に基づく固相アフィニティー法を含めることができる。いったん分離されると、CGAを、そのタンパク質に対する既知の「分離プロフィール」、例えば、保持時間に基づいて同定し、標準的技術を使用して測定することができる。別法として、分離されたタンパク質を、例えば、質量分光計で検出し、測定することができる。
本発明のさらに別の目的は、CGA濃度を測定するための手段を含むキットに関する。該キットには、上記のような抗体または1組の抗体を含めることができる。特定の実施形態において、抗体または抗体の組は、前記のように標識される。キットは、また、適用できるなら固相マトリックスおよび標準物質を含む、特定の検出プロトコールに必要とされる他の適切に包装された試薬および材料を含むことができる。キットは、また、臓器機能障害または感染のマーカーを検出するための1つまたは複数の手段を含むことができる。典型的には、キットは、また、C反応性タンパク質(CRP)を検出するための手段、および/またはプロカルシトニン(PCT)を検出するための手段および/または白血球を検出するための手段を含むことができる。
本発明のさらなる目的は、患者における感染のマーカーとしての、CGAまたはそのフラグメントの使用に関する。本発明の実施形態は、患者における感染の診断方法に関するものであり、前記方法は、前記患者から得られる生物学的検体中のクロモグラニンAまたはそのフラグメントの濃度を測定することを含む。典型的には、該方法は、さらに、前記患者から得られる生物学的検体中のC反応性タンパク質(CRP)および/またはプロカルシトニン(PCT)および/または白血球などの、1種または複数のその他の感染のマーカーを検出することを含むことができる。
本発明を、以下の図および実施例を参照してさらに説明する。
Figure 0005114557
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表2 スタディ対象集団の生物学的値。データは中央値(四分位範囲)である。HCは健常対照を表し、NSNIはSIRSまたは感染のない患者を、SIRSは、SIRSはあるが感染のない患者を、Sは敗血症患者を、SSは重症敗血症患者を、SSHは敗血症性ショックの患者を表す。比較は、健常対照群(HC)に対するものである。HCに対して*p<0.05、HCに対して**p<0.001。他のパラメーターに対する有意差は示さない。
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略語リスト:
ROC:受診者動作特性曲線;AUC:曲線下面積;CRP:C反応性タンパク質;ICU:集中治療室;CGA:クロモグラニンA;CRP:C反応性タンパク質;PCT:プロカルシトニン;LODS:Logistic Organ Dysfunction System;SAPSII:Simplified Acute Physiological Score II;CI:信頼区間;HR:ハザード比;MOF:多臓器不全。
材料および方法
スタディ対象集団:本発明者らの集中治療室に2006年7月から9月の間に入室した100名の治療継続患者を、組み入れのために将来を見越して考慮した。健常対照(HC)として14名の健常志願者をスタッフの間から採用した。除外基準には、以前の慢性の腎、肝または心不全(Taupenotら、N Engl J Med 2003;348:1134〜49)、継続中のステロイド(Rozanskyら、J Clin Invest 1994;94:2357〜68)、プロトンポンプ阻害薬(Giustiら、Eur J Endocrinol 2004;150:299〜303)、および神経内分泌腫瘍を伴う既往歴(Berrutiら、Endocr Relat Cancer 2005;12:109〜17)を含めた。さらに、外科処置などの直近(1カ月以内)の多重ストレスを有する患者も除外した。
参加者の類別:参加者(n=114)を6つの群:健常対照(HC)、結果として一時的に機械的人工呼吸を必要とする服毒後の昏睡患者であった非敗血症性非ストレス性患者(NSNI)、いずれの除外基準にも該当せず感染のない院外心停止のために入室したSIRS患者、敗血症(S)、重症敗血症(SS)または敗血症ショック(SSH)の判定基準に該当する感染患者、に分けた。感染の診断に関して、発熱または低体温の存在、検査室関連の陽性培養および特定感染症の定義に従った臨床検査に特別の注意を払った(Levyら、Crit Care Med 2003;31:1250〜56)。
測定:血漿分析のため、各参加者から10mLの血液を採取した。血漿中CGA濃度(CIS bio社、Saclay、フランス)、ならびにいくつかの炎症マーカー、プロカルシトニン(PCT)(Brahms社、ベルリン、ドイツ)、C反応性タンパク質(CRP)(Dade Behring社、サンフランシスコ、米国)、および白血球(WBC)数を測定した。クレアチニンは、自動臨床化学アナライザー(Dimension RxL,Dade Behring社、フランス)を用いてJaffe反応によって分析した。すべての生存している患者について、ICU入室後の最初の3日間、血漿中CGA濃度の測定を日々実施した。
スコアの計算:定型的な生理学および生化学的変数を記録した。基準に従って、Simplified Acute Physiological Score(SAPS)、Logistic Organ Dysfunction Score(LODS)、およびSequential Organ Failure Assessment(SOFA) scoreを計算した(Le Gall JRら、1993;Timsit JF.ら、2002;Ferreira FLら、2001)。
統計解析:データは平均値±SEMで表す。ノンパラメトリックデータの統計解析には、マンホイットニー検定、一元ANOVA分析、スピアマンの相関検定、フィッシャーの直接確率検定、反復測定分析、および受診者動作特性(ROC)曲線比較を含むSPSSを使用した(p<0.05を有意であると考えた)。
結果:参加者のベースライン特性:登録のためにスクリーニングした114名の参加者の中で、47名が、除外基準により不合格とされ、最終的なスタディ対象集団は67名で構成された。その臨床特性を表1に要約する。
敗血症患者(S、SSおよびSSH、n=31)において、その感染巣は、気道、尿管または消化管(それぞれ、n=17、8および6)であった。症例の55%にグラム陰性菌が、45%にグラム陽性菌が関与していた。危篤状態の患者は、HCより高齢であった(p<0.05)。患者群内で、性別比、最初の臓器機能障害までの平均初期時間または平均ICU滞在期間に関する限り差異はなかった。SIRSおよびSSH患者は、他の患者と比較して、有意により高頻度で機械的人工呼吸を受けた(p<0.01)。SSH患者は、健常対照よりも有意に高い感染バイオマーカー濃度を有する(p<0.01)。
血漿中CGA濃度の分析:血漿中CGA濃度は、Cis bio社のラジオイムノアッセイキットを使用して測定した。図1に示すように、NSNIは別として、すべての他の患者群は、特に群SSH(P<0.01)において、HC(P<0.05)より高いCGAレベルを示した。敗血症性の群(S、SSおよびSSH)およびSIRS群は、それぞれ、HCおよびNSNI群(ストレスまたは感染のいずれにも該当しない)を一緒にしたものよりもCGAレベルが高かった(159.90±23.24μg/L対49.13±4.36μg/L、P<0.001、119.85±18.22μg/L対49.13±4.36μg/L、P<0.05)。これに対して、敗血症性の群とSIRS群との間にCGAレベルの差はなかった。
ICU入室後の最初の3日間にわたるCGAの反復測定分析は、CGAレベルが、患者の部類のいずれにおいても有意に変化しないことを示した(P>0.05)。
CGA、炎症およびスコアの間の関係:スピアマンの相関分析は、血漿中CGAレベルが、プロカルシトニン(R=0.809、p<0.01)、C反応性タンパク質(R=0.745、p<0.01)、クレアチニン(R=0.709、p<0.01)、WBC数(R=0.553、p<0.05)、SAPS(R=0.636、p<0.01)、SOFA(R=0.524、p<0.05)およびLODS(R=0.546、p<0.05)と有意な正の相関を有することを示した(表1)。
CGA濃度とMOFによる最終転帰との関係:表1に示すように、MOFは、臓器不全スコアによってわかるように、本発明者らのスタディ中に死亡したすべての患者について立証された。SSHは、他の患者よりも高い死亡率を有した(P<0.05)。非生存者群において、入室時のCGAは、生存者群の2倍の高さであった(206.2±26.8μg/mL対106.7±16.5μg/mL、p<0.001)。予想どおり、SSH患者は、他よりも有意に悪いSAPSおよびSOFAスコアを有し(p<0.01);LODSに関する限り、SSH患者とSIRS患者との間で有意差はなかったが、その両方の部類は、他の患者よりも有意に悪いスコアを有した(p<0.05)。
統計解析は、多様なMOF重症度の患者(SAPSで示される)において、血漿中CGA濃度が、有意に異なることを示した。かくして、60を超えるSAPSを有する患者のCGA濃度は、40〜60のSAPSを有する患者よりも高かった(P<0.001)。この2番目の群において、CGAはまた、40未満のSAPSを有する患者におけるよりも高く(P<0.01);さらに、CGAは、敗血症におけるMOFの発症中に増加した。
ROC分析は、CGAが、SAPSに匹敵する、敗血症におけるMOFでの死亡率に関する強力な予測因子であり(AUC 0.810、95%CIはそれぞれ0.680〜0.939、0.698〜0.923、図2)、かつSOFAおよびLODSなどの他の定型的スコアより優れている(SOFAではAUC 0.750、95%CI 0.609〜0.891;LODSではAUC 0.697、95%CI 0.552〜0.842)ことを示した(図2)。132μg/mLのカットオフ値の場合、死亡予測のためのCGAの感度は、78.6%であり、その特異度は79.5%であった。最終的に、感染予測のためのROC分析は、CGAが、プロカルシトニンまたはC反応性タンパク質と同じ様に効果的に、感染に関する診断値を与えることを示した。
入室時の血漿中クロモグラニンA濃度:危篤状態の患者における重症度の早期バイオマーカー
要約
目的。全身性炎症反応症候群(SIRS)のある、またはない、入室した患者における、CGA、炎症バイオマーカーおよび転帰の間の関係に対する証拠を決定すること。
方法。入室時に、本発明者らは、CGA、プロカルシトニンおよびC反応性タンパク質の血漿中濃度を測定し、53名の患者におけるSimplified Acute Physiological Score(SAPS)を評価した。
結果。血漿中CGA濃度は、健常対照と比較すると、115μg/L(68.0〜202.8)の中央値を有するSIRS患者において有意に増加した(p<0.001)。感染がSIRSと関連していた症例で、患者は、CGAの最高の増加を有し、中央値は138.5μg/L(65〜222.3)であった(p<0.001)。CGA濃度は、炎症マーカー(プロカルシトニン、C反応性タンパク質)と正に相関していたが、SAPSとも正に相関していた。受診者動作特性(ROC)分析は、CGAが、28日死亡率に関する指標としてSAPSと等価であることを示した(曲線下面積、双方に対するAUC 0.810)。
結論。71μg/Lを上回る血漿中CGA濃度を有する患者は、有意により短い生存を有する。コックスモデルは、CGAおよびSAPSが、転帰の独立予測因子であることを裏付けた。
材料、患者および方法
スタディ対象集団。このスタディプロトコールは、人体実験に関する本発明者らの治験審査委員会によって承認された。登録前に、各参加者または権限を与えられた代理人から書面によるインフォームドコンセントを得た。本発明者らの部門に2カ月にわたって入室した100名の治療継続患者を、組み入れのために将来を見越して考慮した:除外基準により、彼らの中から53名のみを組み入れることができた。慢性の腎不全(腎疾患および文書化された60mL/分未満のクレアチニンクリアランスの既往歴を有する)、肝不全(肝疾患および/または肝試験異常の既往歴を有する)または心不全(心疾患および/または正常値範囲の心拍出量で16mmHgを超える肺動脈閉鎖圧力の既往歴を有する)に該当する5名の患者、継続中のステロイド(9名の患者)、プロトンポンプ阻害薬(10名の患者)、および神経内分泌腫瘍の既往歴(5名の患者)。1カ月以内に外科的処置を受けた患者も除外した。
健常対照として、スタッフの間から最終的に14名の健常志願者を採用した。スタディの流れ図を図3に示す。
患者を2つの群:
1)i)健常対照(HC)、ii)機械的人工呼吸を必要とするベンゾジアゼピン類および/または神経遮断薬の服毒患者である、SIRSがなくかつ感染のない患者(NSNI)、iii)他のいずれの除外基準にも該当しない院外心停止のために入室したSIRS患者を含む非敗血症性参加者;
2)i)敗血症(S)、ii)重症敗血症(SS)およびiii)敗血症性ショック(SSH)患者を含む感染およびSIRSのない敗血症性患者、に分けた。感染の診断には、細菌に対する培養陽性の存在に特別の注意を払った。
患者は、合意に基づく治療により大量輸液され、管理された(Antonelliら、Intensive Care Med.2007;33:575〜90)。
測定。本発明者らは、CGA(CIS bio社、Saclay、フランス)、プロカルシトニン(PCT)(Brahms社、ベルリン、ドイス)、C反応性タンパク質(CRP)(Dade Behring社、サンフランシスコ、米国)、白血球(WBC)数、およびクレアチニンの血漿中濃度を測定した。基準に従ってSAPSを計算した。ICU入室後28日目に死亡率を評価した。
統計解析
結果は、中央値および四分位範囲で表される生物学的値を除き、連続変数に対する平均値+/−SEMとして表す。統計解析は、連続変数についてはマン−ホイットニー検定を、カテゴリー変数についてはフィッシャーの直接確率検定を使用して実施した。必要な場合は、多変量解析を使用した。相関は、スピアマンの順位検定で実施した。死亡率の予測に関して受診者動作特性(ROC)曲線を作図し;曲線下面積を計算し、かつROC曲線を比較した。最後に、カプランマイヤー生存分析を実施した。すべての場合に、p<0.05を有意と考えた。
コックス比例ハザード回帰モデルを使用して、エンドポイントに対するCGA濃度の影響を評価し、95%信頼区間(CI)でハザード比を計算した。CGAの独立予後値を評価するために、まず、変数減少法(backward elimination procedure)を使用した。
結果
参加者の特性。最終的なスタディ対象集団は、その臨床的および生物学的特性を、それぞれ表1および表2に示す67名の参加者で構成された。敗血症性患者(n=31)において、その感染巣は、呼吸器、尿管または胆管(それぞれ、n=17、8および6)であった。症例の55%にグラム陰性菌が、45%にグラム陽性菌が関与していた。健常対照は、集中治療室(ICU)患者よりも若年であった(p<0.05)。患者のサブグループ内で、年齢、性別比、ストレス開始から臓器機能障害までの平均時間、または平均ICU滞在期間に関する限り、差は存在しなかった。SIRSおよびSSH患者は、他と比較して、有意により高頻度で機械的人工呼吸を受けた(p<0.01)。SSH患者は、健常対照よりも有意に高い感染バイオマーカー濃度を有した(p<0.01)。
血漿中CGA濃度の検討−入室時に、SIRSのある、急性ストレスを受けた患者(敗血症性患者、およびSIRSはあるが感染はない患者の双方を含む、n=44)は、対照よりも有意に高い血漿中CGA濃度を有した(115μg/L(68〜202.8)対40μg/L(35〜52.5)、p<0.001)。表2に示すように、すべてのサブグループの患者は、SIRSまたは感染のいずれにも該当しない患者は別として、健常対照よりも高いCGAレベルを示した(p<0.05)。敗血症性の群(S、SS、およびSSH)は、SIRSはあるが感染はない患者よりも有意に高いCGAレベルを有した(138.5μg/L(65〜222.3)対110μg/L(81〜143)、p<0.01)。
CGAの炎症マーカー、SAPSスコアおよび転帰との関係−血漿中CGAレベルは、炎症バイオマーカー(C反応性タンパク質では、r=0.555、p<0.01;プロカルシトニンでは、r=0.655、p<0.01;および白血球数では、r=0.306、p=0.012)と、さらにクレアチニン(r=0.503、p<0.01)およびSAPS(r=0.405、p=0.003)と正に相関した。多変量解析は、クレアチニンおよび年齢が、CGAレベルに関する独立因子であったが、SIRSおよび感染のいずれもそうではないことを示した。敗血症性ショックの患者は、他の患者よりも高い死亡率を有した(p<0.05)。非生存者群で、入室時のCGAは、生存者群の3倍ほど高かった(192.5(145.8〜285.8)μg/L対65.0(36.0〜94.0)μg/L、p<0.001)。予想されるように、敗血症性ショックの患者は、他よりも有意に悪いSAPSスコアを有した(p<0.01)。最後に、ROC曲線下面積の比較は、入室時の血漿中CGAレベルが、本発明者らのスタディ対象集団における死亡率を予測する上でSAPSと同程度に有効であることを示した(双方に対してAUC 0.810、95%CI、それぞれCGAに関して0.680〜0.939、およびSAPSに関して0.698〜0.923)。139μg/Lのカットオフ値で、死亡を予測するためのCGAの感度は78.6%、その特異度は79.5%であった。
図5に示すように、カプランマイヤー分析は、入室時のCGA値が、生存時間と有意に関連していることを示した:中央値を超えるCGAレベル(>71μg/L)を有する患者は、有意により短い生存時間を有した(p=0.0013)。多変量コックス比例ハザード回帰により、入室時のCGAレベル(ハザード比(HR)=1.022、CI:1.012〜1.051およびSAPSII(HR=1.025、CI:1.015〜1.054)は、転帰と有意に関連していた(p<0.05)。
考察
このスタディで、本発明者らは、(i)重病を患う患者は、血漿中CGA濃度の有意な増加を有すること(いまだかって報告されていない事実である);(ii)インビボで、血漿中CGA濃度と標準的な炎症バイオマーカーとの間に正の相関が存在すること;(iii)血漿中CGA濃度は、これらの非外科のICU患者における死亡リスクを予測するさらなる指標であること;を見出した。
本発明者らは、また、SIRSのない対照(すなわち、健常対照およびSIRSのない服毒患者)と比較して、急性的にストレスを受けた患者における血漿中CGAの有意な増加を明らかにしている。
CGAと転帰との関係−このスタディで、CGAとSAPSの間の相関を得た。かくして、各領域のSAPSに対して、血漿中CGAが有意に増加した。さらに、CGA濃度を生存時間と関連させた(図5)。現在、危篤状態の患者の転帰を予測するための方策は、臓器不全スコアの計算である。この取り組みに関して、SAPSは、ゴールドスタンダードスコアとして考慮される。ROC分析は、入室時の血漿中CGA濃度が、危篤状態の患者に関する28日死亡率の信頼できる予測因子であることを立証した。これは、SAPSスコアと同程度に効果的であるが、SAPSは、入室24時間後に的確な予測をするために17種の臨床的および生化学的パラメーターを分析する必要がある。入室時に測定されるCGAは、医師が不幸な転帰をより容易にかつより早期に予測することを可能にする。
結論
本発明者らは、非外科の危篤状態の患者における血漿中CGAレベルの増大、ならびにCGA濃度、炎症バイオマーカーおよび転帰の間の有意な相関を明らかにした。本発明者らの今回のスタディは、入室時にCGA濃度を測定することによって危篤状態の患者の治療管理を向上するための機会を示唆している。
危篤状態の患者における入室時クロモグラニンAの予後値:医療集中治療室でのコホートスタディ
要約
方法:本発明者らは、入室時に得られる血清中プロカルシトニン(PCT)、C反応性タンパク質(CRP)およびCGAを測定して、このような患者におけるプロスペクティブスタディを実施した。一変量および多変量解析を実施して、これらのバイオマーカーの死亡率予測能力を確認した。
結果:120名の治療継続患者において、CGA、CRP(r=0.216、p=0.02)、PCT(r=0.396、p<0.001)、Simplified Acute Physiologic Score II(SAPSII)(r=0.438、p<0.001)およびLogistic Organ Dysfunction System(LODS)(r=0.374、p<0.001)の間に正の相関が見出された。非生存者は、生存者よりも有意に高いCGAおよびPCT値を有した(CGAでは293.0ng/mL(163.5〜699.5)対86.0ng/mL(53.8〜175.3)、およびPCTでは6.78ng/mL(2.39〜22.92)対0.54ng/mL(0.16〜6.28)の中央値(四分位範囲)、p<0001)。多変量線形回帰分析で、クレアチニン(p<0.001)、年齢(p<0.001)およびSAPSII(p=0.002)は、CGA濃度を予測する唯一の独立因子であった(r=0.352)。多変量解析において、死亡予測には3つの独立因子:対数正規化CGAレベル(ハザード比(HR)=7.248、95%信頼区間(CI)3.004〜17.487)、SAPSII(HR=1.046、95%CI 1.026〜1.067)、および心原性ショック(HR=3.920、95%CI 1.731〜8.880)が関連していた。
結論:CGAは、非外科の危篤状態の患者における強力かつ独立の予後指標である。
方法
スタディ対象集団
このスタディプロトコールは、人体実験に関する本発明者らの治験審査委員会によって承認され、登録前に、各参加者または権限を与えられた代理人から書面によるインフォームドコンセントを得た。18歳を超える患者を、3カ月にわたって継続的に採用した。除外基準は、(1)24時間未満の滞在期間、および(2)急性ストレスと独立にCGAレベルを増加させることが知られている条件(すなわち、書類化された神経内分泌腫瘍の既往歴および入室前のプロトンポンプ阻害薬での慢性治療)とした。本発明者らは、また、外科的処置を必要とする患者を含めなかった。
血液検体の処理
入室時に静脈穿刺によって、血液検体を、抗凝固剤を含まない血清分離チューブ(Becton Dickinson社)中に採取した。チューブを、氷中に浸漬し、処理するための検査室に直ちに輸送した。血清を、4℃で遠心分離(1500gで15分間)することによって分離し、分析するまで−80℃で200μLのアリコートの状態で貯蔵した。測定の均一性を保証するため、すべての検体を全く同様に貯蔵し処理した。
測定
血清中C反応性タンパク質(CRP)は、対照と比較する濁度アッセイによって測定し、血清中クレアチニンは、製造業者(Behring Diagnostics社)によって指定されているように、Jaffe法を使用して測定した。血清中CGA濃度は、トレーサー分子として125Iで標識された生物活性のあるCGA、およびヒトCGAのアミノ酸配列145〜197および198〜245に対する2種のモノクロナール抗体を用いる市販のサンドイッチッラジオイムノアッセイ(CIS BIO社)で測定した。本発明者らのアッセイにおいて、アッセイ内およびアッセイ間のCVは、それぞれ、5.9%および7.7%であった(32ng/mLの平均濃度を有するヒト血清プールの15回繰返し)。集団の95%で、血清中CGAレベルは、19.4ng/mL〜98.1ng/mLの範囲に及ぶ。神経内分泌系の腫瘍において、血清中CGAレベルは、該腫瘍の生物学的および構造的特徴、および腫瘍の拡大に応じて、正常から1200ng/mLまで変化する(Giovanellaら、Int J Bio Markers 1999;14:160〜6)。PCT濃度は、アッセイ製造業者の推奨に従って、Kryptor(Brahms Diagnostic社)による時間分解増幅クリプテート発光法によって測定した。白血球(WBC)数は、LH700自動血球計数装置(Beckman Coulter社)で測定した。
臨床データ
診断は、すべて入室時に実施された。本発明者らは、国際敗血症定義協議会(International Sepsis Definition Conference)によって設定された判定基準(Levyら、Crit Care Med 2003;31:1250〜6)に従って、敗血症性ショックおよび重症敗血症を定義した。心原性ショックは、Forresterら、N Engl J Med 1976;295:1404〜13による定義に従って、心筋機能不全の文書化、および血液減少症、低酸素症、および酸血症などの因子の除外または修正後に診断した。Simplified Acute Physiological Score II(SAPSII)およびLogistic Organ Dysfunction System(LODS)は、入室時に基準に従って計算した。
転帰
主要評価項目は、3カ月死亡率とした。
統計解析
継続的データを、中央値(四分位範囲)および群差として報告し、マン−ホイットニーU検定またはクルスカル−ワリス検定によって比較した。コルモゴルフ−スミルノフ検定を使用して変数の正規性を検定した。カテゴリー変数は、出現頻度(パーセンテージ)として報告し、群間差は、カイ二乗検定で検定した。相関分析は、スピアマン順位検定により実施した。0.05を超えるp値を有するそれらの変数を除外するために段階的変数減少法(backward stepwise selection procedure)を使用する多重線形回帰分析を構築し、ワルド検定を使用してp値を計算した。最も有意な変数について、カプランマイヤー生存分析を実施した。コックス比例ハザード回帰モデルを使用して、対数変換CGAのエンドポイントに対する効果を評価し、95%信頼区間(CI)でハザード比を計算した。CGAの独立予後値を評価するために、まず、変数減少法を使用した。すべての場合に、p<0.05を有意と考えた。本発明者らは、バイオマーカーおよび受診者動作曲線を用いる予後値の感度と特異度との間の関係を探るために受診者動作曲線を計算し、これらのバイオマーカーの敗血症性患者対非敗血症性患者、すなわち感染対炎症を診断する能力を確認した。すべての統計解析は、SPSS統計パッケージ(Windows(登録商標)バージョン11.5用SPSS)を用いて実施した。
結果
このスタディのために155名の患者をスクリーニングし、35名の患者を除外した:32名の患者は滞在継続時間が24時間未満であるためであり(19名が服毒、3名が24時間以内に死亡、9名が静脈中心ラインカテーテル検査、1名の患者が慢性ポンプ阻害薬治療のため)、かつ3名の患者は神経内分泌腫瘍の既往歴のためである。
参加者のベースライン特性
最終的なスタディ対象集団は、その臨床特性が表3aおよび3bに要約される120名の参加者で構成された。非生存者(n=33)は、生存者(n=87)よりも有意に高いLODSおよびSAPSIIスコアを有し、生存者群中よりも非生存者群中に敗血症性ショックおよび心原性ショックのある患者が有意により多く存在していた(表3a)。生物学的マーカーに関する限り、非生存者は、有意により高いレベルのクレアチニン、PCTおよびCGAを有していた(表3b)。しかし、年齢、白血球数またはC反応性タンパク質レベルに関する限り、差はなかった。
CGA、臨床スコア、およびバイオマーカーの間の関係
スピアマンの相関分析は、CGAレベルが、年齢、PCT、クレアチニン、SAPSII、およびLODS(これらの変数のすべてに関してp<0.001)、ならびにC反応性タンパク質(p=0.02)と、正ではあるが弱く相関していることを明らかにした(表4)。すべてのこれらの変数を、段階的変数減少法を使用する多重線形回帰モデルに入力した。CGAレベルの35.2%(r=0.352)の変動性は、クレアチニン(p<0.001)、年齢(p<0.001)およびSAPSII(p=0.002)によって説明できた。全く同一の結果が、段階的変数増加法を使用して得られた。
クロモグラニンAおよび診断
本発明者らは、本発明者らのバイオマーカーの敗血症性患者対非敗血症性患者を診断する能力を確認するため、ROCを作出する。このために、本発明者らは、感度を最適にしたカットオフ値を選択する。0.34ng/mLのカットオフ値を有するPCTの場合、感度は0.80、特異度は0.44である。その曲線下面積は、0.70に等しい。44mg/Lのカットオフ値を有するCRPの場合、感度は0.80、特異度は0.55である。その曲線下面積は0.72である。88.5ng/mLのカットオフ値を有するCGAの場合、感度は0.61、特異度は0.45である。その曲線下面積は0.56である。CGA対PCTまたはCRPの曲線下面積の間に統計的差異が存在する(p<0.001)。
クロモグラニンAおよび予後
23日間の中央値追跡期間中に33名が死亡した。CGAおよびPCTの四分位数による死亡率を、それぞれ図6aおよび6bに示す。統計解析は、CGA第4四分位数対CGA第1、2および3四分位数の間で(p<0.001、ログランク検定)、およびCGA第3四分位数対CGA第1四分位数の間で(p=0.033)有意差を示した。PCTの場合、本発明者らは、第4四分位数対第1、2および3四分位数の間(p<0.001)、および第2四分位数対第3および第4四分位の間(p<0.05)に差異を見出した。ベースラインでの予測に関する潜在的変数と死亡リスクとの間の関係についての95%のCIでの未調整HRを表5に示す。多変量コックス比例ハザード回帰によって、入室時の対数CGAレベル、SAPSIIおよび心原性ショックの診断は、転帰と有意に関連づけられた。表6は、死亡率予測のための独立変数の調整されたHRを示す。
CGA、PCTおよびSAPSIIに関する、受診者動作曲線を作出した(図7)。最良の正の尤度比を評価するため、本発明者らは、最良の特異度と関連しているカットオフ値を選択する。CGAの場合、本発明者らは、0.63の感度および0.89の特異度につながる254.5ng/mLのカットオフ値を選択する。この場合、正の尤度比は5.73に等しく、負の尤度比は0.42に等しい。その曲線下面積は、0.82に等しい。65のカットオフ値を有するSAPSIIの場合、感度は0.61に、特異度は0.85に等しく、その正の尤度比は4.07に等しく、負の尤度は0.46に等しい。その曲線下面積は、0.87に等しい。4.82ng/mLのカットオフ値を有するPCTの場合、感度は0.60に、特異度は0.71に等しく、その正の尤度比は2.07に等しく、負の尤度比は0.56に等しい。その曲線下面積は0.73に等しい。
考察
このスタディで、本発明者らは、入室時のその症状の重症度を別にすれば彼らの医学的疾患のために選択されなかった非外科の危篤状態の患者における血漿中CGA濃度の有意な増加を見出した。このような発見は、いまだかって報告されていない。さらに、CGAレベルと炎症マーカーレベルとの間に正の相関が存在した。最終的に、多変量コックス比例ハザード回帰法は、CGAレベルが、本発明者らの患者集団における転帰の強力な指標であることを立証した。
急性腎不全のCGAレベルに対する影響
末期慢性腎疾患におけるCGAの蓄積は、以前に報告されているが、本発明者らのスタディ中に観測された危篤状態の患者における循環CGAレベルに対する急性腎不全の影響は、新たな所見である。
危篤状態の患者におけるCGAの病態生理学的役割
本発明者らのデータは、CGAが、より重症のLODSまたはSAPSIIスコアを有する非生存者群において有意に増加することを立証した。さらに、CGA濃度を、生存時間に関連させた。
CGAと転帰との関係
本発明者らのスタディにおいて、本発明者らは、入室時のCGAレベルが、予後の強力な早期マーカーであることを見出した。他のマーカーに比較して、CGAは、最も高い正の尤度比を有した(SAPSIIに対して5.72対4.07、またはPCTに対して2.07)。CGAは、あらゆる施設で入室時に容易に測定できる可能性があり、それゆえ、医師が不幸な転帰を予測する上で役立ち得る。
重症の患者におけるこのような評価のためにPCTを提案した時に、PCTは、他の利用可能な生物学的検査に比較して、感染の診断における飛躍的な進歩であることが、急速に明らかになった。一方、PCTのSIRSに該当する患者における転帰を予測する能力に関して、問題の多いデータが存在する。本発明者らの実験において、CGAは、PCTまたはCRPと比較して、炎症と感染とを区別できない可能性はあるにしても、CGAは、転帰に関してPCTよりもはるかに良好な予測因子であることが判明した。
結論
本スタディは、血漿中CGA濃度が、継続治療中の非外科の危篤状態の患者における強力な独立予後マーカーであることを立証している。したがって、このバイオマーカーは、さらなる治療のために、または臨床研究に向けた選択のために、医師が患者を類別するのに役立ち得る。
参考文献
本出願を通して、各種の参考文献が、本発明が属する最先端技術を説明している。これらの参考文献の開示は、これによって参照により本発明の開示に組み込まれる。

Claims (6)

  1. 危篤状態の患者の転帰を予測する方法であって、前記方法が、前記患者から得られる生物学的検体中のクロモグラニンA(CGA)またはそのフラグメントの濃度を測定することを含み、前記患者が、敗血症、または非敗血症性起源に由来する全身性炎症反応症候群(SIRS)に冒されている、方法。
  2. 前記患者が、敗血症に冒されている、請求項1に記載の方法。
  3. 前記患者が、非敗血症性起源に由来する全身性炎症反応症候群(SIRS)に冒されている、請求項1に記載の方法。
  4. 前記生物学的検体が、全血検体、血清検体または血漿検体である、請求項1からまでのいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記患者が、外科的処置を必要とする患者ではない、請求項1からまでのいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記患者が、CGAの血中濃度を高めることが知られている疾患に冒されているとわかっている患者ではないか、あるいは前記患者が、CGAの血中濃度を高めることが知られている治療を受けているまたは最近受けたことがあるとわかっている患者ではない、請求項1からまでのいずれか一項に記載の方法。
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