JP5113787B2 - 生体組織プローブ、その製造方法及び使用方法 - Google Patents

生体組織プローブ、その製造方法及び使用方法 Download PDF

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本発明は、生体組織へ刺入され、生体組織の反応を検出する生体組織プローブ、その製造方法及び使用方法に関する。
脳や肝臓などの生体組織における化学反応を検出する一般的な方法として、マイクロダイアリシスプローブを対象部位に刺入し、留置して計測する方法がある(非特許文献1参照)。
Sugimoto A, Aikawa Y, Kobayashi R, Kurosawa M, "Responses of hepatic glucose output to noxious mechanical stimulation of the skin in anaesthetised rats", Auton Neurosci, vol. 102, No. 1-2, pp. 45-53 (2002).
しかし、マイクロダイアリシスプローブが硬い材質によって構成されていた場合、柔らかい生体組織に刺入されたマイクロダイアリシスプローブがその生体組織の動きに追従できず、生体組織を損傷させたり、マイクロダイアリシスプローブが生体組織から外れたりするといった問題がある。
一方、マイクロダイアリシスプローブがやわらかい材質によって構成されていた場合、マイクロダイアリシスプローブを生体組織に刺入する前にマイクロダイアリシスプローブが曲がり、生体組織に刺入できない、又は目的部位に到達できない場合もある。
本発明では、上記の課題を解決するために、生体組織の体温よりも高い温度でオーステナイト相となり、生体組織の体温でマルテンサイト相となる形状記憶合金によって構成された筒状のチューブ部と、生体組織からの組織液の回収及び/又は生体組織への薬液の注入を行う流体機構部とを有し、チューブ部の内部に流体機構部の少なくとも一部が収納される生体組織プローブが提供される。
ここで、チューブ部は、生体組織の体温よりも高い温度でオーステナイト相となり、生体組織の体温でマルテンサイト相となる形状記憶合金によって構成されている。そのため、生体組織に刺入する前のチューブ部をオーステナイト相にすれば、チューブ部はその刺入時に生体組織を貫通し、目的部位に到達できるだけの十分な強度を保ち、生体組織へ留置された後にチューブ部がマルテンサイト相となれば、チューブ部は軟化して生体組織の動きに追従する。
本発明では、生体組織への刺入時にチューブ部に十分な強度を持たせ、生体組織への留置後にチューブ部を柔らかくして生体組織の動きに追従させることができる。そして、生体組織へ留置されたチューブ部の内部に流体機構部を挿入することで、生体組織からの組織液の回収及び/又は生体組織への薬液の注入を行うことができる。
図1は、本実施形態の生体組織プローブの斜視図である。 図2は、本実施形態の生体組織プローブを構成する流体機構部をガイド管から分離した様子を示した斜視図である。 図3は、図2のIII-III断面図である。 図4は、ガイド管が変形した様子を示す斜視図である。 図5は本実施形態の生体組織プローブの製造方法を説明するための断面図である。 図6は本実施形態の生体組織プローブの製造方法を説明するための断面図である。 図7は本実施形態の生体組織プローブの製造方法を説明するための流れ図である。 図8は、Ni-Ti系の形状記憶合金におけるNiの含有率と形状回復温度との関係を例示したグラフである。 変形例1の生体組織プローブの製造方法を説明するための流れ図である。 変形例2を説明するための断面図である。 図11(a)〜(d)は、ガイド管の変形例を例示した図である。
以下では、本形態の原理を説明した後、その詳細を説明する。
〔原理〕
本形態の生体組織プローブは、生体組織の体温よりも高い温度でオーステナイト相となり、生体組織の体温でマルテンサイト相となる形状記憶合金によって構成された筒状のチューブ部と、生体組織からの組織液の回収及び/又は生体組織への薬液の注入を行う流体機構部とを有し、チューブ部の内部には流体機構部の少なくとも一部が収納される。なお、流体機構部の一例は、半透膜である透析膜を含み、当該透析膜を介して生体組織からの組織液の回収及び/又は生体組織への薬液の注入を行うマイクロダイアリシスプローブである。
この構成により、前述のように、生体組織への刺入時にチューブ部に十分な強度を持たせ、生体組織への留置後にチューブ部を軟化させて生体組織の動きに追従させることができる。そして、生体組織へ留置されたチューブ部の内部に流体機構部を挿入することで、生体組織からの組織液の回収及び/又は生体組織への薬液の注入を行うことができる。
また、本形態の生体組織プローブにおいて好ましくは、チューブ部の外周面に形成された薄膜をさらに含み、薄膜によってチューブ部の外周面側に凹部(以下「アンカー」と呼ぶ)が形成される。
非特許文献1などの従来のマイクロダイアリシスプローブは、刺入された脳などの生体組織内でその位置を安定させるための構造を持たない。そのため、従来のマイクロダイアリシスプローブでは、その材質の硬さにかかわらず、刺入された生体組織の動きに追従できずに位置ずれを起こしてしまう。この場合、刺入されたマイクロダイアリシスプローブによって生体組織が損傷や死滅したり、マイクロダイアリシスプローブが計測又は刺激可能範囲外へ移動したりし、結果として安定した計測や刺激を困難にしていた。
これに対し、上述したチューブ部の外周面側にアンカーを単数又は複数設けた構成では、前述した形状記憶合金の特性との兼ね合いで、このような問題を解決できる。すなわち、アンカーが生体組織に到達する位置にまでチューブ部が刺入され、生体組織内に留置されると、凹部であるアンカーに生体組織が侵入する。これにより、生体組織内でのチューブ部の位置が安定する。そして、前述のように、生体組織に刺入されたチューブ部がマルテンサイト相となって軟化することでチューブ部が生体組織の動きに追従し、その位置ずれを防止する。その結果、チューブ部によって生体組織が損傷や死滅したり、チューブ部が計測又は刺激可能範囲外へ移動したりすることを防止できる。
また、本形態の生体組織プローブにおいて好ましくは、チューブ部の外周面上、又は、当該チューブ部の外周面を覆う第1絶縁層上に形成された金属層と、金属層の一部を覆う感光性絶縁材料からなる第2絶縁層とを含み、金属層は、外部に露出した電極領域と、第2絶縁層に覆われた配線領域とを含む。なお、少なくとも第2絶縁層と金属層とは、それぞれ薄膜である。
このように設けられた電極領域は、生体組織の電気信号の測定及び/又は生体組織への電気刺激を行うための電極として利用できる。つまり、この構成では、流体機構部によって生体組織からの組織液の回収及び/又は生体組織への薬液の注入を行い、電極領域によって生体組織の電気信号の測定及び/又は生体組織への電気刺激を行うことができる。また、この構成では、少なくとも一部が曲面又は凹凸面である筒状のチューブ部の外周面側に電極領域が設けられるため、電極領域の配置位置の自由度が高く、電極領域の位置に応じ、チューブ部の中心軸を中心としたあらゆる放射方向の電気信号の測定や電気刺激を行うことができる。また、本発明の構成で電極のチャンネル数を増加させるためには、金属層や第2絶縁層のパターンを変化させるだけでよく、これによる体積の増加はほとんどない。
また、このような生体組織プローブにおいて前述のアンカーを設ける場合には、チューブ部の外周面又は当該チューブ部の外周面を覆う第1絶縁層の表面が、外部に露出した領域であるアンカー底面領域を含み、アンカー底面領域の周囲が、第1絶縁層及び/又は第2絶縁層によって囲まれ、アンカー底面領域を底面とし、アンカー底面領域の周囲を囲む第1絶縁層及び/又は第2絶縁層を内壁面とした凹部が形成されればよい。
また、本形態において好ましくは、チューブ部は、流体機構部から分離可能であり、流体機構部は、チューブ部の少なくとも一端からチューブ部の内部に挿入可能であり、チューブ部の内部に挿入された流体機構部は、チューブ部の当該一端から取り出し可能である。
このような構成では、生体組織の計測や刺激を行っている途中で、組織液の回収及び/又は薬液の注入を行う流体機構部が詰まったり故障したりして機能不全に陥った場合であっても、チューブ部を生体組織内に留置したままで、機能不全に陥った流体機構部を新しいものに交換することができる。
また、チューブ部が流体機構部から分離可能な構成では、その使用方法の自由度も向上する。すなわち、このような構成では、チューブ部を加熱してオーステナイト相に変化させ、チューブ部を生体組織に刺入し、その後、流体機構部を生体組織に刺入されたチューブ部の一端からチューブ部内に挿入し、挿入されたチューブ部を用いて生体組織からの組織液の回収及び/又は生体組織への薬液の注入を行うことができる。流体機構部は、組織液の回収や薬液の注入時のみにチューブ部内に挿入されてもよい。このような構成では、チューブ部を生体組織内に留置したままで流体機構部を交換できる。そのため、複数種類の流体機構部を使い分け、生体組織内に注入する薬液を変えたり、生体組織から回収する組織液を変えたりすることもできる。
また、チューブ部を生体組織に刺入した直後は、チューブ部が刺入された生体組織部分が安定していない。そのため、チューブ部を生体組織に刺入した後、その生体組織が安定するまでその状態を維持し、生体組織が安定してから流体機構部をチューブ部内に挿入してもよい。これにより、安定した生体組織の活動が計測できる。
また、前述した電極領域を備えた生体組織プローブは、例えば、以下のステップによって製造できる。
(a) 筒状のチューブ部の外周面上、又は、当該チューブ部の外周面を覆う第1絶縁層上に金属層を形成するステップ。
(b) 金属層が形成された面全体に電着フォトレジスト層を形成するステップ。
(c) 所定の形状が描画されたマスクを用い、電着フォトレジスト層を露光し、露光された電着フォトレジスト層を現像し、前記電着フォトレジスト層を電極領域と配線領域とを含む形状に加工するステップ。
(d) ステップ(c)で露光及び現像された電着フォトレジスト層が形成された金属層をエッチングするステップ。
(e) 電着フォトレジスト層を除去するステップ。
(f) ステップ(d)によってエッチングされた金属層側の面全体に感光性絶縁材料からなる第2絶縁層を形成するステップ。
(g) 所定の形状のマスクを第2絶縁層上に配置し、第2絶縁層を露光し、露光された第2絶縁層を現像して、金属層の配線領域を覆いつつ電極領域を外部に露出させる形状に第2絶縁層を加工するステップ。
また、アンカーを設ける場合には、ステップ(g)において、第2絶縁層の一部を除去することで、チューブ部の外周面の一部又は当該チューブ部の外周面を覆う第1絶縁層の表面の一部であるアンカー底面領域を外部に露出させ、アンカー底面領域を底面とし、アンカー底面領域の周囲を囲む第1絶縁層及び/又は第2絶縁層を内壁面とした凹部(アンカー)を形成する。
本形態では、電着フォトレジスト層や感光性絶縁材料からなる第2絶縁層を用いることで、チューブ部の外周面が曲面又は凹凸面であったとしても、その上に所望の電極領域を高い精度で形成できる。
すなわち、従来、生体組織の電気信号の計測等を行う電極を薄膜形成する場合には、プラズマエッチングやリアクティブイオンエッチング等のドライエッチング工程を用いることが一般的であった。
しかし、ドライエッチング工程は、エッチング対象が平面上に配置された場合にしか利用できない。その理由は、ドライエッチング工程によるエッチング量が、深さ成分(或る平面に対する垂直成分)の長さに対して一定であり、エッチング対象が曲面上や凹凸面上に配置されたものである場合には、当該曲面上や凹凸面上でエッチング量が均一となるように加工することができない。
これに対し、本形態の製造工程では、ドライエッチング工程を行うことなく、露光と現像によってパターン形成を行う。そのため、上記のドライエッチング工程が備える問題を回避し、チューブ部の外周面が曲面又は凹凸面であったとしても、その外周面上に、マイクロメートルサイズの高い精度で、単数又は複数の電極領域を一挙に形成できる。
〔実施形態〕
次に、本発明の実施形態を説明する。
<構成>
図1は、本実施形態の生体組織プローブ1の斜視図である。また、図2は、本実施形態の生体組織プローブ1を構成する流体機構部12をガイド管11から分離した様子を示した斜視図である。また、図3は、図2のIII-III断面図である。また、図4は、ガイド管11が変形した様子を示す斜視図である。
図1から図3に示すように、本形態の生体組織プローブ1は、筒状のガイド管11と、生体組織からの組織液の回収及び/又は生体組織への薬液の注入を行う流体機構部12と、中空部を有する環状部分を備えた固定部13,18と、複数のピンを備えたコネクタ15と、ケーブル16と、グランド電極17aと、参照電極17bとを有する。
[ガイド管11]
図1から図3に示すように、本形態のガイド管11は、生体組織の体温よりも高い温度でオーステナイト相となり、生体組織の体温でマルテンサイト相となる形状記憶合金によって構成された筒状のチューブ部11cと、チューブ部11cの外周面を覆う第1絶縁層11dと、第1絶縁層11d上に形成された金属層11aと、金属層11aの一部を覆う感光性絶縁材料からなる第2絶縁層11eとを含む。金属層11aは、外部に露出した電極領域11aaと第2絶縁層11eに覆われた配線領域11abとを含む。図1から図3に示すように、本形態では、複数の電極領域11aaが設けられる。これらの電極領域11aaには、生体組織の電気信号の測定及び/又は生体組織への電気刺激を行う電極と、グランド電極と、参照電極とが含まれる。生体組織の電気信号の測定及び/又は生体組織への電気刺激を行う電極である各電極領域11aaは互いに絶縁され、それぞれと導通する互いに絶縁された各配線領域11ab及びケーブル16を通じて、コネクタ15の各ピンと電気的に接続されている。また、グランド電極や参照電極である各電極領域11aaも他の電極領域11aaから絶縁され、それぞれと導通する互いに絶縁された各配線領域11abを通じて、グランド電極17aや参照電極17bに電気的に接続されている。
なお、本形態で示す電極領域11aaの形状、配置、数は一例であり、本発明を限定するものではない。すなわち、電極領域11aaの平面形状は、円形、楕円形、多角形等どのようなものでもよい。また、複数の電極領域11aaがガイド管11の長手方向に複数個配置されてもよいし、このように電極領域11aaが長手方向に複数個配置された列が単数又は複数設けられてもよい。また、複数の電極領域11aaがガイド管11の外周面を環状に周回するように配置されてもよい。また、電極領域11aaは複数設けられていてもよいし、1個のみ設けられていてもよい。このように本形態の構成では、多様な電極領域11aaの配置態様が可能である。或いは、電極領域11aaや金属層11aを設けない構成であってもよいし、チューブ部11cそのものがガイド管11であってもよい。
また、図1から図3に示すように、チューブ部11cの外周面は、外部に露出した領域であるアンカー底面領域11baを含む。アンカー底面領域11baの周囲は、第1絶縁層11d及び第2絶縁層11eによって囲まれ、アンカー底面領域11baを底面とし、アンカー底面領域11baの周囲を囲む第1絶縁層11d及び第2絶縁層11eを内壁面11bbとした凹部であるアンカー11bが形成されている。
なお、本形態で示すチューブ部11cの形状は一例であり、本発明を限定するものではない。すなわち、チューブ部11cは円筒形状に限らず、断面が楕円や多角形であるその他の筒形状であってもよい。また、本形態で示すアンカー底面領域11baの形状、配置、数は一例であり、本発明を限定するものではない。すなわち、アンカー底面領域11baの形状は、円形、楕円形、多角形等どのようなものでもよい。また、複数のアンカー11bがガイド管11の長手方向に複数個配置されてもよいし、このようにアンカー11bが長手方向に複数個配置された列が単数又は複数設けられてもよい。また、複数のアンカー11bがガイド管11の外周面を環状に周回するように配置されてもよい。また、アンカー11bは複数設けられていてもよいし、1個のみ設けられていてもよい。このように本形態の構成では、多様なアンカー11bの配置態様が可能である。或いは、アンカー11bを設けない構成であってもよい。
なお、チューブ部11cを構成する形状記憶合金は、生体組織の体温よりも高い温度でオーステナイト相となり、生体組織の体温でマルテンサイト相となるものを用いる。すなわち、生体組織の体温よりも形状回復温度が高い形状記憶合金を用いる。なお、形状記憶合金の結晶構造は、温度の上昇に従い、マルテンサイト相→マルテンサイト相とオーステナイト相との2相領域→オーステナイト相と変化する。形状回復温度とは、この2相領域からオーステナイト相へ変化する温度を意味する。形状記憶合金には、例えば、Ni-Ti系合金、Cu系合金、Fe系合金などがあるが、加工のし易さや材料の安定性などからNi-Ti系合金が好ましい。図8は、Ni-Ti系の形状記憶合金におけるNiの含有率と形状回復温度との関係を例示したグラフである。なお、「at.%」は原子百分率(atomic %)を示し、「wt.%」は重量百分率(weight %)を示す。図8に示すように、Ni-Ti系の形状記憶合金の場合、Niの含有率が低いほど形状回復温度が高くなる。
オーステナイト相の形状記憶合金は硬く、それによって構成されたチューブ部11cを含むガイド管11は、生体組織への刺入に適している。また、オーステナイト相となったときにガイド管11が生体組織への刺入に適した形状(例えば、まっすぐな形状)になるように処理されていたならば、このようなガイド管11はマルテンサイト相に戻ったとしても、そのような刺入に適した形状を維持する限り、生体組織への刺入に適している。一方、マルテンサイト相の形状記憶合金は柔らかく、外から力を加えることによって容易に変形する。そのため、生体組織に留置され、結晶構造がマルテンサイト相となったガイド管11は、生体組織の動きに応じて柔らかく変形し(図4)、その動きに柔軟に追従できる。
また、金属層11aの材料の例は、白金(Pt)、金(Au)、窒可チタン(TiO2)、酸化銀(Ag2O)、タングステン(W)、スズ添加酸化インジウム(Indium Tin Oxide)、酸化スズ(SnO,SnO2,SnO3)、クロム(Cr)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)などである。これらの中でも、微細加工が容易で導電性が高く柔軟な白金や金が望ましい。
また、第2絶縁層11eを構成する感光性絶縁材料の例は、感光性ポリイミド、感光性ポリアミド、感光性ポリエステル、感光性ベンゾシクロブテン、感光性パリレン、感光性エポキシ、感光性アクリレートなどである。この中でも、加工が容易な感光性ポリイミドを用いることがより望ましい。また、使用する感光性絶縁材料は、生体への悪影響が小さく、ガイド管の変形に追従する柔軟さを有し、なおかつ、必要な膜厚に加工可能な材料であることが望ましい。そのような感光性絶縁材料の一例は、感光性ポリイミドの一種である富士フィルム製 "Durimide(登録商標) 7510"である。
また、製造工程の効率面から、第1絶縁層11も第2絶縁層11eと同じ感光性絶縁材料によって構成されることが望ましい。しかし、第1絶縁層11の微細加工が必要でない場合には、第1絶縁層11を他の絶縁材料によって構成してもよい。例えば、薄膜で生体適合性がよい絶縁材料(例えば、パリレン)を用い、第1絶縁層11を構成してもよい。
[流体機構部12]
図3に示すように、本形態の流体機構部12は、生体組織からの組織液の回収及び/又は生体組織への薬液の注入を行う通常のマイクロダイアリシスプローブである。なお、マイクロダイアリシスプローブは、透析膜を介して隔てられた液体が濃度勾配の低い方向へ拡散する性質を利用し、透析膜を介して、生体組織からの組織液の回収や生体組織への薬液の注入を行うものである。その詳細は、例えば、非特許文献1に記載されている。
本形態の流体機構部12は、半透膜である透析膜12aと、ステンレス等の導体又はガラスやセラミックなどの絶縁体で形成された筒状のチューブ部12dと、還流液や薬液を透析膜12aの一方の面側に供給する供給管12bと、還流液や薬液や透析膜12aを介して生体組織から採取した組織液を回収する返送管12cと、固定キャップ12eと、柔軟性の接続管12fとを有する。チューブ部12dの一端の開口部12daには透析膜12aが固定され、この開口部12daが透析膜12aによって覆われている。また、その他端の開口部12db側には接続管12fの一端が取り付けられ、接続管12fの他端の開口部12faから供給管12bと返送管12cの一端側がそれぞれ挿入され、それらが固定キャップ12eによって接続管12fの開口部12fa側に固定されている。流体機構部12の使用時には、供給管12bによってチューブ部12dの内部に還流液や薬液が供給され、返送管12cによってチューブ部12d内部の還流液や薬液や透析膜12aを介して拡散された組織液が回収される。
なお、本形態では、流体機構部12がマイクロダイアリシスプローブを構成する例を示すが、流体機構部12が別の構成によって、生体組織からの組織液の回収及び/又は生体組織への薬液の注入を行うものであってもよい。例えば、流体機構部12が、組織液を生体組織から吸い出したり、薬液を生体組織に注入したりする注射器の注射針であってもよい。
[配置]
ガイド管11の開口部11f側の外周側面には、前述のように配線領域11abに接続されたグランド電極17a、参照電極17b及びケーブル16が接続され、ケーブル16の他端にはコネクタ15が接続されている。さらに、ガイド管11は固定部13の環状の中空部分に挿入され、この固定部13の中空部分の内壁面がガイド管11の外周面に固定されている。また、接続管12fは固定部18の環状の中空部分に挿入され、この固定部18の中空部分の内壁面が接続管12fの外周面に固定されている。
<製造方法>
図5及び図6は本実施形態の生体組織プローブ1の製造方法を説明するための断面図であり、図7はその製造方法を説明するための流れ図である。なお、図5はネガ型の感光性絶縁材料及び電着フォトレジストを使用する場合の例を示し、図6はポジ型の感光性絶縁材料及び電着フォトレジストを使用する場合の例を示す。また、描画の都合上、図5及び図6では加工対象が平面上に配置されているが、加工対象は曲面上に配置されていてもよいし、凹凸面上に配置されていてもよい。なお、本形態の流体機構部12は通常のマイクロダイアリシスプローブであるため、以下では、流体機構部12の製造工程の説明は省略し、ガイド管11の製造工程のみを説明する。
[S101]チューブ部11cの外周面に第1絶縁層11dを形成する(図5(a)〜(c)、図6(a)〜(c))。図5(a)〜(c)及び図6(a)〜(c)に示した例では、第1絶縁層11dは感光性絶縁材料からなる。この例では、まず、チューブ部11cの外周面全体に第1絶縁層11dを形成する(図5(a)、図6(a))。次に、アンカー底面領域11baに位置する第1絶縁層11dを除去するための形状が描画されたマスク101を用い、第1絶縁層11dを露光し、露光された第1絶縁層11dを現像する(図5(b)、図6(b))。これにより、アンカー底面領域11baに位置する第1絶縁層11dが除去される(図5(c)、図6(c))。
[S102]チューブ部11cの外周面を覆う第1絶縁層11d上に金属層11aを形成する(図5(d)、図6(d))。
[S103]ステップS102で金属層11aが形成された面全体に電着フォトレジスト層102を形成する(図5(e)、図6(e))。なお、電着フォトレジスト層102を構成する電着フォトレジストの一例は、株式会社シミズ製の“エレコートEU-XCシリーズ”である。
[S104]所定の形状が描画されたマスク103を用い、電着フォトレジスト層102を露光し、露光された電着フォトレジスト層102を現像し、電着フォトレジスト層102を電極領域11aaと配線領域11abとを含む形状に加工する(図5(f)(g)、図6(f)(g))。電極領域11aaと配線領域11abとを含む形状の例は、電極領域11aaと配線領域11abとからなる形状や、電極領域11aaと配線領域11abと抵抗やコイルなどの素子領域とからなる形状などである。
[S105]ステップS104で露光及び現像された電着フォトレジスト層102が形成された金属層11aをウェットエッチングする(図5(h)、図6(h))。これにより、金属層11aが電極領域11aaと配線領域11abとを含む形状に加工される。
[S106]電着フォトレジスト層102を除去する(図5(i)、図6(i))。
[S107]ステップS105によってウェットエッチングされた金属層11a側の面全体に感光性絶縁材料からなる第2絶縁層11eを形成する(図5(j)、図6(j))。
[S108]所定の形状のマスク104を第2絶縁層11e上に配置し、第2絶縁層11eを露光し、露光された第2絶縁層11eを現像して、金属層11aの配線領域11abを覆いつつ電極領域11aaを外部に露出させ、さらに、アンカー底面領域11baを外部に露出させる形状に第2絶縁層11eを加工する(図5(k)(l)、図6(k)(l))。このように第2絶縁層11eの一部を除去することで、金属層11aの電極領域11aaと、チューブ部11cの外周面のアンカー底面領域11baとを外部に露出させる。これにより、ガイド管11cの外周面に、アンカー底面領域11baを底面とし、アンカー底面領域11baの周囲を囲む第1絶縁層11d及び第2絶縁層11eを内壁面11bbとした凹部であるアンカー11bと、電極領域11aaとが形成される。
<使用方法>
次に、本形態の生体組織プローブ1の使用方法を説明する。
まず、ガイド管11を形状回復温度以上に加熱し、そのチューブ部11cをオーステナイト相に変化させる。これにより、ガイド管11は、生体組織への刺入に適した形状(例えば、まっすぐな形状)となる。なお、本形態では、ガイド管11の内部に流体機構部12が収納されていない状態でガイド管11を加熱する。これにより、ガイド管11の加熱するための熱によって、流体機構部12が破損したり、変形したりすることを防止できる。
次に、ガイド管11を、動物(例えば、人間や人間を除く動物)の脳などの生体組織に刺入し、固定部13によって生体組織に固定する。この時点は、流体機構部12はガイド管11の内部に挿入されていない。また、本形態では、ガイド管11の表面に形成されたアンカー11bの少なくとも一部が生体組織に到達する位置まで、ガイド管11が生体組織に刺入される。これにより、凹部であるアンカー11bに生体組織が侵入し、生体組織内でのガイド管11の位置が安定する。
その後、必要に応じて生体組織が安定するまで時間をおいた後、生体組織に刺入されたガイド管11の開口部11fから流体機構部12の透析膜12a側をガイド管11内に挿入し、固定部18によって生体の表面に固定する。この状態で、流体機構部12を用い、生体組織からの組織液の回収及び/又は前記生体組織への薬液の注入を行う。また、電極領域11aaを電極として用い、生体組織への電気刺激及び/又は生体組織の電気信号の計測を行う。また、生体組織からの組織液の回収及び/又は前記生体組織への薬液の注入を行った後は、流体機構部12をガイド管11の開口部11f側から取り出してもよいし、さらに、別の組織液の回収や別薬液の注入が可能な他の流体機構部12を、開口部11f側からガイド管11の内部に挿入して生体組織の測定や刺激を継続してもよい。
〔本実施形態の変形例1〕
チューブ部11cが絶縁体材料で形成されている場合には、前述のステップS101の処理は不要となる。図9は、この場合の製造方法を説明するための流れ図である。この場合には、ステップS101を実行することなく、以下の製造工程によって生体組織プローブが製造される。
[S202]チューブ部11cの外周面上に金属層11aを形成する。
[S203]ステップS202で金属層11aが形成された面全体に電着フォトレジスト層102を形成する。
[S104〜S108]その後、S104〜S108の工程を行う。
なお、本実施形態の変形例1では第1絶縁層11dが存在しない。よって、チューブ部11cの外周面の一部がアンカー底面領域11baとなる。この例の場合、アンカー底面領域11baを底面とし、アンカー底面領域11baの周囲を囲む第2絶縁層11eを内壁面とした凹部がアンカー11bとなる。
〔本実施形態の変形例2〕
本実施形態のアンカー底面領域11baは、チューブ部11cの外周面の一部であった。しかし、図10に例示するように、チューブ部11cの外周面を覆う第1絶縁層11d上の一部がアンカー底面領域11baであってもよい。この例の場合、アンカー底面領域11baを底面とし、アンカー底面領域11baの周囲を囲む第2絶縁層11eを内壁面とした凹部がアンカー11bとなる。なお、図10において、本実施形態と同じ部分については、本実施形態と同じ符号を用いている。
〔本実施形態の変形例3〕
図11(a)〜(d)は、ガイド管の変形例を例示した図である。図11(a)に例示したガイド管31は、第1,2実施形態と同様な電極領域11aaを備えるが、アンカー11bの配置が異なる例である。この例のアンカー11bは、ガイド管31の外周を環状に周回するように配置され、そのように配置されたアンカー11bが二段構成されている。また、図11(b)(c)に例示したガイド管41は、その一端がガイド管41の長手方向に対して斜めに切削されている。これにより、ガイド管41の切削された一端が尖り、ガイド管41の生体組織への刺入が容易になる。なお、図11(b)(c)に例示したガイド管41はアンカー11bを具備しないが、このガイド管41がアンカー11bを具備する構成であってもよい。また、図11(d)に例示したガイド管51は、その一端側の外周側面の一部を貫通した穴である窓部51aが構成されたものである。このようなガイド管51が生体組織に刺入された場合、この窓部51aを通じて組織液をガイド管51の内部に取り込んだり、薬液をガイド管51の外部に放出したりできる。この場合、流体機構部の透析膜は窓部51a近傍に配置される。
〔本実施形態の変形例4〕
本形態では、チューブ部11cを含むガイド管11が流体機構部12から分離可能な構成であった。しかし、流体機構部12を構成するチューブ部12d、供給管12b及び返送管12cが、上述の加熱に耐えうる耐熱性を有する柔軟な材質や上述の形状記憶合金で構成されているのであれば、ガイド管11が流体機構部12から分離できない構成であってもよい。すなわち、流体機構部12の少なくとも一部がガイド管11の内部に収納された状態でガイド管11に固定されていてもよいし、ガイド管11のチューブ部11cが流体機構部12のチューブ部12dを兼ねていてもよい。なお、ガイド管11のチューブ部11cが流体機構部12のチューブ部12dを兼ねる場合には、チューブ部12dは不要となる。
この場合の使用方法を以下のようになる。
まず、ガイド管11を形状回復温度以上に加熱し、そのチューブ部11cをオーステナイト相に変化させる。これにより、ガイド管11は、生体組織への刺入に適した形状(例えば、まっすぐな形状)となる。
次に、ガイド管11を、動物の脳などの生体組織に刺入し、固定部13によって生体組織に固定する。本形態では、流体機構部12がガイド管11に固定されているため、この際、透析膜12も生体組織に刺入される。また、ガイド管11の表面に形成されたアンカー11bの少なくとも一部が生体組織に到達する位置まで、ガイド管11が生体組織に刺入される。これにより、凹部であるアンカー11bに生体組織が侵入し、生体組織内での生体組織プローブの位置が安定する。
この状態で、流体機構部12を用い、生体組織からの組織液の回収及び/又は前記生体組織への薬液の注入を行う。また、電極領域11aaを電極として用い、生体組織への電気刺激及び/又は生体組織の電気信号の計測を行う。
なお、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではない。例えば、チューブ部の外周面に金属層や絶縁層が多層形成されてもよい。これにより、高い密度で配線層を配置できる。その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることはいうまでもない。
本発明は、例えば、脳や肝臓などの生体組織における化学反応を検出する分野に利用できる。
1 生体組織プローブ

Claims (7)

  1. 生体組織に刺入される生体組織プローブであって、
    前記生体組織の体温よりも高い温度でオーステナイト相となり、前記生体組織の体温でマルテンサイト相となる形状記憶合金によって構成された筒状のチューブ部と、
    生体組織からの組織液の回収及び/又は前記生体組織への薬液の注入を行う流体機構部と、
    前記チューブ部の外周面に形成された薄膜と、を有し、
    前記薄膜によって前記チューブ部の外周面側に凹部が形成されており、
    前記チューブ部の内部には、前記流体機構部の少なくとも一部が収納される、
    ことを特徴とする生体組織プローブ。
  2. 生体組織に刺入される生体組織プローブであって、
    前記生体組織の体温よりも高い温度でオーステナイト相となり、前記生体組織の体温でマルテンサイト相となる形状記憶合金によって構成された筒状のチューブ部と、
    生体組織からの組織液の回収及び/又は前記生体組織への薬液の注入を行う流体機構部と、
    前記チューブ部の外周面上、又は、当該チューブ部の外周面を覆う第1絶縁層上に形成された金属層と、
    前記金属層の一部を覆う感光性絶縁材料からなる第2絶縁層と、を有し、
    前記金属層は、外部に露出した電極領域と、前記第2絶縁層に覆われた配線領域と、を含み、
    少なくとも前記第2絶縁層と前記金属層とが、それぞれ薄膜であり、
    前記チューブ部の外周面又は当該チューブ部の外周面を覆う前記第1絶縁層の表面は、外部に露出した領域であるアンカー底面領域を含み、前記アンカー底面領域の周囲は、前記第1絶縁層及び/又は前記第2絶縁層によって囲まれ、前記アンカー底面領域を底面とし、前記アンカー底面領域の周囲を囲む前記第1絶縁層及び/又は前記第2絶縁層を内壁面とした凹部が形成されており、
    前記チューブ部の内部には、前記流体機構部の少なくとも一部が収納される、
    ことを特徴とする生体組織プローブ。
  3. 請求項1または2の生体組織プローブであって、
    前記チューブ部は、前記流体機構部から分離可能であり、
    前記流体機構部は、前記チューブ部の少なくとも一端から前記チューブ部の内部に挿入可能であり、前記チューブ部の内部に挿入された前記流体機構部は、前記チューブ部の当該一端から取り出し可能である、
    ことを特徴とする生体組織プローブ。
  4. 請求項1からの何れかの生体組織プローブであって、
    前記流体機構部は、半透膜である透析膜を含み、当該透析膜を介して生体組織からの組織液の回収及び/又は前記生体組織への薬液の注入を行うマイクロダイアリシスプローブである、
    ことを特徴とする生体組織プローブ。
  5. (a) 外周面の少なくとも一部が曲面又は凹凸面である筒状のチューブ部の外周面上、又は、当該チューブ部の外周面を覆う第1絶縁層上に金属層を形成するステップと、
    (b) 前記金属層が形成された面全体に電着フォトレジスト層を形成するステップと、
    (c) 所定の形状が描画されたマスクを用い、前記電着フォトレジスト層を露光し、露光された前記電着フォトレジスト層を現像し、前記電着フォトレジスト層を電極領域と配線領域とを含む形状に加工するステップと、
    (d) ステップ(c)で露光及び現像された前記電着フォトレジスト層が形成された前記金属層をエッチングするステップと、
    (e) 前記電着フォトレジスト層を除去するステップと、
    (f) ステップ(d)によってエッチングされた前記金属層側の面全体に感光性絶縁材料からなる第2絶縁層を形成するステップと、
    (g) 所定の形状のマスクを前記第2絶縁層上に配置し、前記第2絶縁層を露光し、露光された前記第2絶縁層を現像して、前記金属層の配線領域を覆いつつ電極領域を外部に露出させる形状に前記第2絶縁層を加工するステップと、を有し、
    前記チューブ部は、前記生体組織の体温よりも高い温度でオーステナイト相となり、前記生体組織の体温でマルテンサイト相となる形状記憶合金によって構成されており
    前記ステップ(g)は、前記第2絶縁層の一部を除去することで、前記チューブ部の外周面の一部又は当該チューブ部の外周面を覆う前記第1絶縁層の表面の一部であるアンカー底面領域を外部に露出させ、前記アンカー底面領域を底面とし、前記アンカー底面領域の周囲を囲む前記第1絶縁層及び/又は前記第2絶縁層を内壁面とした凹部を形成するステップを含む、
    ことを特徴とする生体組織プローブの製造方法。
  6. (a) 動物(人間を除く)の生体組織の体温よりも高い温度でオーステナイト相となり、前記生体組織の体温でマルテンサイト相となる形状記憶合金によって構成された筒状のチューブ部を加熱し、前記チューブ部をオーステナイト相に変化させるステップと、
    (b) オーステナイト相に変化した前記チューブ部を前記生体組織に刺入するステップと、
    (c) 前記生体組織に刺入された前記チューブ部がマルテンサイト相となって軟化した後、生体組織からの組織液の回収及び/又は前記生体組織への薬液の注入を行う流体機構部を、前記生体組織に刺入された前記チューブ部の一端から前記チューブ部内に挿入するステップと、
    (d) 前記チューブ部を用い、前記生体組織からの組織液の回収及び/又は前記生体組織への薬液の注入を行うステップと、
    を有する生体組織プローブの使用方法。
  7. (a) 動物(人間を除く)の生体組織の体温よりも高い温度でオーステナイト相となり、前記生体組織の体温でマルテンサイト相となる形状記憶合金によって構成された筒状のチューブ部を加熱し、前記チューブ部をオーステナイト相に変化させるステップと、
    (b) 前記チューブ部を前記生体組織に刺入するステップと、
    (c) 生体組織からの組織液の回収及び/又は前記生体組織への薬液の注入を行う流体機構部を、前記生体組織に刺入された前記チューブ部の一端から前記チューブ部内に挿入するステップと、
    (d) 前記チューブ部を用い、前記生体組織からの組織液の回収及び/又は前記生体組織への薬液の注入を行うステップと、
    を有し、
    前記チューブ部の外周面側には凹部が形成されており、
    前記ステップ(b)は、前記チューブ部の外周面側に形成された凹部が前記生体組織に到達する位置まで、前記チューブ部を前記生体組織に刺入するステップである、
    ことを特徴とする生体組織プローブの使用方法。
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