JP5113044B2 - デガミングされた脂肪酸アルキルエステルの生成 - Google Patents

デガミングされた脂肪酸アルキルエステルの生成 Download PDF

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Description

発明の分野:
本発明は、デガミングされた(degummed)脂肪酸アルキルエステル、すなわち不純物、例えばリン酸脂質の含有率が低められた脂肪酸アルキルエステルの単純化された生成方法に関する。前記方法は、1つの溶液における1又は複数の脂肪分解酵素及び1又は複数のホスホリパーゼの使用による、脂肪及び油の脂肪酸アルキルエステルへの転換を包含する。
背景技術:
一般的に、植物又は動物脂肪及び油に起因する脂肪カルボン酸のアルキルエステルとして分類されるバイオディーゼルは、その環境的有益性のために、最近より興味あるものに成って来た。バイオディーゼルは現在、エステル交換(例えば、触媒としてNaOH及び/又はナトリウムメトキシドを用いる)により化学的に都合良く生成されるが、その開発を制限するいくつかの関連する問題、例えば遊離脂肪酸の高い含有率による油の前処理、エステル及びグリセロール相からの化学的触媒の除去、グリセロール回収の間の無機塩の除去、及びエステル交換の前、リン脂質の含有率の低減が存在する。
化学的触媒により引起される欠点は、触媒として脂肪分解酵素を用いることによりほとんど妨げられ、そして最近、バイオディーゼルの生成のためにエステル交換への固定化を伴って又はそれを伴わないでリパーゼの使用に興味が向けられて来た。
菌類エステラーゼがエステルの酵素生成に使用され得、ここでそれらは鉱酸(例えば、硫酸、塩化水素及びクロロスルホン酸)、I, II、III 及びIV族の金属の両性水酸化物及び他のもののような触媒を置換する。エステル合成のためへの酵素、特に酵素命名法(Recommendations of the Nomenclature Committee of the International Union of Biochemistry and Molecular Biology, 1992 又は後の)によればEC3.1.1カルボキシルエステルヒドロラーゼに分類される酵素の使用は、従来技術に記載されている。
WO88/02775号は、カンジダ・アンタルクチカ(Candida Antarctica)からのリパーゼA及びBを開示する。それは、C. アンタルクチカリパーゼB(CALB)がエステル合成のためにより効果的であることを言及している。
クチナーゼは、基質クチンを加水分解できる脂肪分解酵素でもある。クチナーゼは種々の菌類から知られている(P.E. Kolattukudy in "Lipases", Ed. B. Borgstrom and H. L. Brockman, Elsevier 1984, 471-504)。ヒューミコラ・インソレンスからのクチナーゼのアミノ酸配列は、公開されている(アメリカ特許第5,827,719号)。
多くの研究者は、アルキルエステルの高い収率が有機溶媒の存在下で達成されるが、しかし有機溶媒の毒性及び易燃性のために、溶媒を含まない媒体におけるリパーゼ−触媒されたアルコール分解がより所望される。リパーゼにより触媒されるメタン分解は、有機溶媒を有さないン水−含有システムにおいて生じることが示されている。そのようなシステムにおいては、メタノールに対して低い感受性であるリパーゼが好都合である(Kaiedaなど. J. Biosci. Bioeng. 2001 , 91 :12-15)。過剰の短鎖アルコール、例えばメタノールはリパーゼを重度に不活性化することは知られている。しかしながら、少なくとも3モル当量のメタノールが、油のその対応するメチルエステルへの完全な転換のために必要とされる。Duなど. (Biotechnol. Appl. Biochem. 2003, 38:103-106)は、非連続バッチ及び連続バッチ操作の間、油/メタノールのモル比の効果を比較して研究している。
リパーゼの不活性化を回避するために、メタノール濃度は、反応を通してメタノールの段階的添加により低く維持されている(Shimada など. J MoI. Catalysis Enzymatic, 2002, 17:133-142; Xu など. 2004, Biocat. Biotransform. 22:45-48)。
EC3.1.1.3において定義されるような菌類リパーゼが、トリグリセリドのアルコール分解に使用され、そしてアルカリ性化学薬品触媒、例えばナトリウムメトキシド又は水酸化カリウムを置換する。Bouturなど. (J. Biotechnol. 1995, 42:23-33)は、トリグリセリド(TG)のアルコール分解及び遊離脂肪酸(FFA)のエステル化の両者を触媒できるが、但し同じ反応条件下ではできなかったカンジダ・デホルマンス(Candida deformans)からのリパーゼを報告している。Bouturなどにより記載される条件下でエステル化のみが触媒された。
バイオディーゼルのための脂肪酸アルキルエステルのより経済的生成を得るために、脂肪及び油のそれらの対応するメチル又はエチルエステルへの早い転換、及び前記転換の高い収率、及び加工ユニットのために必要とされる設備投資を最少にする、より単純で且つ完全な方法についての必要性である。さらに、油を含む材料を圧縮することにより、又は前記材料から油を抽出し、そして抽出溶媒を除去することにより、通常の生成工程から得られる脂肪及び油は、不純物、例えば主にリン脂質、例えば脂肪酸から構成される極性脂質、色素、悪臭成分及び同様のものを含む。それら不純物を、デガミング段階を必要とする精製方法により除去することが必要である。
種々の物理的及び化学的方法が、油をデガミングするために使用される(Bochisch, M. in Fats and Oils Handbook, AOCS Press, 1998, p. 428-433により記載されるようにして)。当業界においては、前記水デガミングされた油のリン含有率を低めるために、食用油の酵素的デガミングのためにホスホリパーゼを用いることが知られている(アメリカ特許5,264,367号、JP-A-2153997号;及びEP622446号)。酵素的デガミング条件は、Clausen, K in Eur. J. Lipid Sci. Technol.103 (2001), 333-340により記載されている。キ−段階は、クエン酸処理、約5.0へのpH調節、酵素添加、及び高剪断ミキサーを用いての混合である。
発明の要約:
本発明は、脂肪酸アルキルエステル、及び低レベルの不純物、例えばリン脂肪を有する脂肪酸メチルエステル(FAME)及び脂肪酸エステルの生成方法に関する。本発明の方法は、2つの工程段階を、1つの単一工程段階に組合すことにより単純化され、そして従って、経済的に安価である。前記方法は、アルコールトリグリセリド及び/又は遊離脂肪酸、並びに1又は複数の脂肪酸酵素、及びタイプA1, A2, B及びリゾ−ホスホリパーゼから選択された1又は複数のホスホリパーゼを混合することを包含する。続いて、グリセリン、残留酵素及び加水分解されたリン脂質のほとんどを含む水性相が、非水性相からの分離され、それにより、非水性相におけるリン脂質の含有率が低められる。
同じ混合物における脂肪分解酵素及びホスホリパーゼの組合せは、トリグリセリド及び/又は遊離脂肪酸からのリン低減された脂肪酸アルキルエステルの早く、単純で且つ高収率の生成を可能にする。本発明の方法の混合物は、水性相における比較的高いアルコール濃度を有する。これは、上記のように、リパーゼにより行われるエステル交換のために好都合である。従来技術においては、微生物ホスホリパーゼは、高い濃度の有機溶媒で比較的不安定であることが報告されている(Biochemica et Biophysica Acta, 1547 (2001) 370-378を参照のこと)。従って、本発明の方法における酵素デガミング段階(ホスホリパーゼによるリン脂質の酵素的加水分解)が、リパーゼにより行われるエステル交換と同じ条件下で生じることは驚くべきことである。
さらに、本発明は、上記のように、脂肪分解酵素及びホスホリパーゼを用いて、リン低減された脂肪酸アルキルエステルを生成するためのバッチ方法、又は連続した段階的方法に関し、ここで前記アルコールは連続的に又は段階的に添加され、そして前記酵素は再循環されるか、又はわずか1度、使用される。また、酵素は、シリカビーズ上に固定されるか又は溶液において自由に存在する。
本発明により生成される脂肪酸アルキルエステルは、バイオデーゼルのために独占的ではないが、しかしまた、オイル化学産業における下流工程において基本的オイル化学物質としても使用され得ることが強調される。
リン低減された
用語“リン低減された”とは、リン含有成分、例えばリン脂質の含有率が低められていることを意味する。非水性相における非加水分解性リン脂質が、ホスホリパーゼにより加水分解され、そして加水分解性リン脂質に転換され、次に、これは、油相から水性相に抽出される。脂肪相におけるリンの含有率は、Clausen, K in Eur. J. Lipid Sci. Technol.103 (2001 ), 333-340に記載される方法により測定される。本明細書における例によれば、それは、24時間の対応時間の後、P−値である。
従って、本発明のリン低減された脂肪酸アルキルエステルは、500ppm以下のリン、好ましくは200ppm以下のリン、より好ましくは100ppm以下のリン、より好ましくは75ppm以下のリン、より好ましくは50ppm以下のリン、より好ましくは40ppm以下のリン、より好ましくは30ppm以下のリン、より好ましくは25ppm以下のリン、より好ましくは20ppm以下のリン、より好ましくは15ppm以下のリン、より好ましくは10ppm以下のリン、さらにより好ましくは5ppm以下のリン、最も好ましくは1ppm以下のリン、を含む。
発明の特定の記載:
本発明は、脂肪酸アルキルエステル、及び低レベルの不純物、例えばリン脂肪を有する脂肪酸メチルエステル(FAME)及び脂肪酸エステルの生成方法に関する。本発明の方法は、2つの工程段階を、1つの単一工程段階に組合すことにより単純化され、そして従って、経済的に安価である。前記方法は、アルコールトリグリセリド及び/又は遊離脂肪酸、並びに1又は複数の脂肪酸酵素、及びタイプA1, A2, B及びリゾ−ホスホリパーゼから選択された1又は複数のホスホリパーゼを混合することを包含する。続いて、グリセリン、残留酵素及び加水分解されたリン脂質のほとんどを含む水性相が、非水性相からの分離され、それにより、非水性相におけるリン脂質の含有率が低められる。
基質:本発明に従っての脂肪酸アルキルエステルの生成のための適切な基質は、広範囲の種類の植物油及び脂肪であり;菜油及び大豆油が最も通常使用されるが、但し他の収穫物、例えばカラシナ、ヒマワリ、カノーラ、ヤシ、大麻、ヤシ油及びさらに藻類も有望である。基質は、天然のまま又は水デガミングされた品質のものであるか、又はさらに加工されている(精製された、漂白された及び脱臭された)。また、通常、黄色及び褐色グリースとして知られている、獣脂、例えば牛脂、ラード、家禽油、魚油、並びに廃棄植物及び動物脂肪及び油が使用され得る。適切な脂肪及び油は、廃棄植物油及び獣脂に通常見られる、純粋なトリグリセリド又はトリグリセリドの混合物及び遊離脂肪酸であり得る。
基質はまた、植物油脱臭剤蒸留物からも得られる。基質における脂肪酸のタイプは、植物及び動物脂肪及び油においてグリセリドとして天然において存在するそれらのタイプを包含する。それらは、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、パルミチン酸及びラウリン酸を包含する。天然の植物油におけるマイナー成分は典型的には、リン脂質、遊離脂肪酸及び部分的グリセリド、すなわちモノ−及びジグリセリドである。本明細書において使用される場合、用語“脂肪酸残基”とは、遊離脂肪酸、又はトリグリセリド、ジグリセリド、モノグリセリド又は脂肪酸アルキルエステルにおけるようにエステル化された脂肪酸を意味する。
粗油におけるホスファチド含有率は、200〜10,000ppm、より好ましくは250〜1200ppmの範囲でのリン含有率に対応する0.5〜3%w/wであり得る。ホスファチドの他に、粗油はまた、低濃度の炭水化物、糖化合物、及びCa, Mg及びFeの金属/ホスファチド錯体を含む。
バイオディーゼル:脂肪酸アルキルエステル、例えば脂肪酸メチルエステル(FAME)及び脂肪酸エチルエステルはまた、それらが化石ディーゼルへの添加剤として使用されるので、バイオディーゼルとも呼ばれる。バイオディーゼルは、それが回復できる資源から製造されるので、化石油に基づかれるディーゼル燃料に代る、ますます重要な添加剤又は置換体を構成する。
アルコール:本発明の方法に使用されるアルコールは好ましくは、1〜5個の炭素原子(C1-C5)を有する低級アルコールである。好ましいアルコールは、メタノール及びエタノールである。
脂肪分解酵素:本発明の方法の使用分解酵素は、カンジダ・アンタルクチカ、ヒポザイマsp., カンジダ・パラプシロシス、カンジダ・ルゴサ、シュードモナス・セパシア、ゲオトリカム・カンジダム、リゾムコル・ミエヘイ、クリトコーカスspp. S-2、カンジダ・パラプシロシス、ヒューミコラ・インソレンス及びサーモミセス・ラヌギノサス(以前は、ヒューミコラ)からの脂肪分解酵素及び脂肪分解酵素の変異体からなる群から選択された酵素であり得る。前記脂肪分解酵素は、リパーゼ、クチナーゼ及びアシル−トランスフェラーゼを包含し、そして上記種から成る群から選択された脂肪分解酵素と60%同一であり得る。
好ましくは、本発明の脂肪分解酵素は、上記種から成る群から選択された脂肪分解酵素と70%同一、より好ましくは、上記種から成る群から選択された脂肪分解酵素と75%同一、より好ましくは80%同一、より好ましくは85%同一、より好ましくは90%同一、より好ましくは95%同一、さらにより好ましくは97%又は78%同一、又は最も好ましくは99%同一である。好ましい脂肪分解酵素は、WO00/60063号に従ってのサーモミセス・ラヌギノサス(以前はヒューミコラ)リパーゼ変異体、親サーモミセス・ラヌギノサスリパーゼ及びカンジダ・アンタルチカリパーゼBである。
もう1つの観点においては、本発明は2種の異なった脂肪分解酵素を包含し、第1の脂肪分解酵素は、それが遊離脂肪酸よりもトリガリセリドに対して高い活性を示すことにより特徴づけられ、そして第2の脂肪分解酵素はトリグリセリドよりも遊離脂肪酸に対して高い活性を示す。従って、前記第1の脂肪分解酵素は、0.2以下のFFAに対する活性(FFAの脂肪酸アルキルエステルへの転換として測定される)に対する、トリグリセリドに対する活性(トリグリセリドの脂肪酸アルキルエステルへの転換として測定される)の比率を有する酵素として定義される。前記第2の脂肪分解酵素は、0.5以上のFFAに対する活性(FFAの脂肪酸アルキルエステルへの転換として測定される)に対する、トリグリセリドに対する活性(トリグリセリドの脂肪酸アルキルエステルへの転換として測定される)の比率を有する酵素として定義される。
ホスホリパーゼ:好ましくは、本発明の方法に使用されるホスホリパーゼ(PL)は、微生物、好ましくは糸状菌、酵母、又は細菌から得られるホスホリパーゼであり、そしてホスホリパーゼタイプA1, A2, B及びリゾ−ホスホリパーゼから選択される。
本発明に関して、用語“〜から得られる”とは、特定の微生物源に関して本明細書において使用される場合、酵素及び従って、前記酵素をコードするDNA配列が特定源により生成されることを意味する。
次に、前記酵素は、前記酵素を含んで成り、そして本発明の方法に使用できるサンプルの当業者による入手を可能にする標準の既知方法により、前記特定源から得られる。前記標準の方法は、前記特定源からの精製、又は前記をコードするDNA配列のクローニング、同じ源(相同組換え発現)又は異なった源(異種組換え発現)のいずれかにおいて続く組換え発現を指図することができる。
より好ましくは、本発明の方法に使用されるホスホリパーゼは、フサリウム属内の糸状菌種、例えばフサリウム・クルモラス、フサリウム・ヘテロスポラム、フサリウム・ソラニ、又は特にフサリウム・オキシスポラムの株;又は
アスペルギラス属内の糸状菌種、例えばアスペルギラス・アワモリ、アスペルギラス・フォエチダス、アスペルギラス・ジャポニカス、アスペルギラス・ニガー、又は特にアスペルギラス・オリザエの株から得られる。
適切なフサリウムホスホリパーゼの例は、下記に開示される:
1)Tsung-Che など. (Phytopathological notes 58:1437-38 (1968))(フサリウム・ソラニからのホスホリパーゼ);及び
2)適切なF.クルモラムPL(例18を参照のこと)及び適切なF. オキシスポラムPL(例1−17を参照のこと)を開示するヨーロッパ特許出願番号97610056.0号。
適切なアスペルギラスホスホリパーゼは、下記に開示される:
3)多くの異なったアスペルギラスPL(請求項14を参照のこと)、及び特にA. オリザエからのPL(請求項17又は18)及びA. ニガーからのPL(請求項19)を開示するEP575133号;及び
4)適切なアスペルギラス調製物を開示するDE19527274A1号(例を参照のこと)。さらに、アスペルギラスホスホリパーゼを含むと思われる市販のホスホリパーゼ調製物Degomma VOD (Roehm, Germang)は、本発明の方法に使用するために適切である。好ましいホスホリパーゼは、WO00/32758号(例5)に開示されるようなサーモミセス・ラヌギノサスホスホリパーゼ変異体、及び市販の製品Lecitase(商標)Ultra (Novozymes A/S, Denmark)である。
酵素は、凍結乾燥された粉末として適用され、固定されるか、又は水溶液において適用され得る。
本発明に関しては、同一性の程度は、ポリペプチド配列比較についての次の設定を伴って、Needleman, S. B. and Wunsch, CD., (1970), Journal of Molecular Biology, 48, 443-45に記載される方法に従って適切に決定され得る:3.0のGAP創造ペナルティー及び0.1のGAP延長ペナルティー。決定は、既知のコンピュータープログラム、例えばGCGプログラムパッケージ(Program Manual for the Wisconsin Package, Version 8, August 1994, Genetics Computer Group, 575 Science Drive, Madison, Wisconsin, USA 53711)に提供されるGAPにより実施され得る。
2種の所定の配列が、同じパラメーターを用いて、Neadleman(前記)に記載される方法に従って一列整列され得る。
さらに、本発明は、上記のような第1及び第2脂肪分解酵素を用いて、脂肪酸アルキルエステルを製造するためにバッチ方法及び/又は連続的な段階方法に関し、ここでアルコールが連続的に又は段階的に添加され、そして酵素は再循環されるか、又は1度のみ使用される。酵素が水性相に存在する場合、この相はデカンター、沈降タンク又は遠心分離により脂肪相から分離され得る。連続方法においては、それぞれ油及び水性の2種の相が向流的に処理され得る。Kosugi, Y; Tanaka, H. and Tomizuka, (1990), Biotechnology and Bioengineering, vol .36, 617-622は、固定されたリパーゼにより植物油を加水分解するための連続的向流工程を記載する。
リン低減された脂肪酸アルキルエステルの調製の一般的記載
トリグリセリド及び/又は脂肪酸を含んで成る基質がアルコール、好ましくはメタノール又はエタノールと共に混合され、そして逆水振盪槽(200rpm)上で30〜70℃、好ましくは約50℃に加熱される。好ましくは、水が添加され、そしてその溶液が混合され、そしてさらに、所望する温度に加熱される。酵素が添加され、そしてその溶液が激しく撹拌され、そして逆水振盪槽上に、所望する温度、好ましくは50℃及び200rpmで放置され、反応を可能にされる。反応混合物の相が高剪断ミキサー、例えば植物油の酵素的デガミングに使用されるような、Silverson又はIKA Labortechnikからのタイプの使用により混合され得る(Clausen, K. (2001), European Journal of Lipid Science and Technology, vol. 103, 333-340)。
典型的には、酵素デガミングは、pH3〜7で生じる。その工程を最適化するために、pHはしばしば工程の他の条件、例えば基質のタイプ及びキレート化剤の濃度を適合するために調節する必要がある。好ましくは、pHは4〜5である。
[メタノール]/[脂肪酸残基]モル比は、少なくとも0.1及び最大10、好ましくは0.3〜5、より好ましくは0.4〜2であるべきである。アルコールは反応に段階的に添加され得る。水は別々に又は酵素水溶液内に添加され得る。反応混合物における水の最終濃度は、0〜50%(w/w)、好ましくは5〜40%、より好ましくは5〜30%であり得る。基質は、1〜99%(w/w)、好ましくは70〜95%の範囲でトリグリセリドを含む。さらに、基質は、0.01〜95%(w/w)、好ましくは0.01〜30%の範囲で遊離脂肪酸を含むことができる。また、モノ−及びジグリセリド及びリン酸が存在することができる。
反応の進行に続いて、一定の反応時間の後、反応混合物からサンプルが採用される。サンプルが14000rpmで14分間、遠心分離され得る。上部層は、水素に不溶性の脂肪材料から成り、そしてこれは1H NMR (溶媒としてCDCl3を用いる)により分析される。酵素処理に続いて、水性相及び油相が分離される。この分離は、従来の手段、例えば遠心分離、デカント又は沈降槽により実施され得る。
添加される脂肪分解酵素の量は、トリブチリン(LU)に対する脂肪分解活性により決定される。脂肪分解酵素のための基質は、乳化剤としてアラビアゴムを用いて、トリブチリン(グリセリントリブチレート)を乳化することにより調製される。30℃、pH7でのトリブチリンの加水分解、続くpH−安定滴定実験を伴う。1単位のリパーゼ活性(1LU)は、標準条件下で1分当たり1μモルの酪酸を開放できる酵素の量に等しい。
24時間の反応時間の後、脂肪相におけるリン含有率が、Clausen, K. Eur. J. Lipid Sci. Technol.103 (2001), 333-340により記載のようにして決定される。
本発明の方法はさらに、反応混合物における金属成分をキレート化し、そしてそれにより、水相における加水分解可能リン脂質の量を高める、キレート化剤の添加により最適化され得る。キレート化剤、例えばクエン酸又はエチレンジアミン四酢酸(EDTA)は、油含有率に基づいて、0.01〜1%のw/wの範囲で添加され得る。好ましくは0.04〜0.1%w/wである。
放出された水相からのリン含有化合物の除去の後、水相に存在する酵素は、反応混合物、例えば新規基質中に水相を混合することにより、完全に又は部分的に再循環され得る。
反応混合物中の脂肪相におけるリン酸含有化合物の含有率は、中でもリン脂質を吸収するシリカによる処理により、さらに低められ得る。
脂肪分解酵素又はホスホリパーゼをコードするDNA配列のクローニング
親脂肪分解酵素又はホスホリパーゼをコードするDNA配列は、当業界において良く知られている種々の方法を用いて、問題のα−アミラーゼを生成するいずれかの細胞又は微生物から単離され得る。最初に、ゲノムDNA及び/又はcDNAライブラリーが、研究されるべき酵素を生成する生物からの染色体DNA又はメッセンジャーRNAを用いて構成されるべきである。
次に、脂肪分解酵素又はホスホリパーゼのアミノ酸配列が知られている場合、相同のラベルされたオリゴヌクレオチドプローブが合成され、そして問題の生物から調製されるゲノムライブラリーから脂肪分解酵素又はホスホリパーゼをコードするクローンを同定するために使用され得る。他方では、既知の脂肪分解酵素又はホスホリパーゼ遺伝子に対して相同の配列を含むラベルされたオリゴヌクレオチドプローブが、ハイブリダイゼーション及び低緊縮性の洗浄条件を用いて、適切な酵素をコードするクローンを同定するためのプローブとして使用され得る。
脂肪分解酵素又はホスホリパーゼをコードするクローンを同定するためのさらにもう1つの方法は、発現ベクター、例えばプラスミド中にゲノムDNAのフラグメントを挿入し、その得られるゲノムDNAライブラリーによりクチナーゼ陰性細菌を形質転換し、そして次に、その形質転換された細菌を、脂肪分解又はホスホリパーゼ酵素(すなわち、トリグリセリド)のための、基質を含む寒天上にプレートし、それにより、脂肪分解酵素を発現するクローンの同定を可能にすることを包含する。
他方では、酸素をコードするDNA配列は、確立された標準の方法、例えばS. L. Beaucage and M. H. Caruthers, Tetrahedron Letters 22, 1981, pp. 1859-1869により記載されるホスホロアミジット方法、又はMatthes など., The EMBO J. 3, 1984, pp. 801-805により記載される方法により合成的に調製され得る。ホスホロアミジット方法においては、オリゴヌクレオチドが、例えば自動DNA合成機において合成され、精製され、アニーリングされ、連結され、そして適切のベクターにおいてクローン化される。
最終的に、DNA配列は、標準技法に従って、合成ゲノム又はcDNA起源のフラグメント(適切な場合、完全なDNA配列の種々の部分に対応するフラグメント)を連結することによって調製される、混合されたゲノム及び合成起源のもの、混合された合成及びcDNA起源のもの又は混合されたゲノム及びcDNA起源のものであり得る。DNA配列はまた、例えばアメリカ特許第4,683,202号又はR.K. Saiki など., Science 239, 1988, pp. 487-491 に記載されるように、特定のプライマーを用いてのポリメラーゼ鎖反応(PCR)により調製され得る。
発現ベクター
本発明の方法の脂肪分解酵素又はホスホリパーゼをコードするDNA配列を担持する組換え発現ベクターは、便利には、組換えDNA方法にゆだねられ得るいずれかのベクターであり得、そしてベクターの選択はしばしば、それが導入される予定である宿主細胞に依存するであろう。ベクターは、宿主細胞中に導入される場合、宿主細胞ゲノム中に組み込まれ、そしてそれが組み込まれている染色体と一緒に複製されるベクターであり得る。適切な発現ベクターはpMT838を包含する。
本発明の発現ベクターはまた、適切な転写ターミネーター、及び真核生物においては、本発明の方法の脂肪分解酵素又はホスホリパーゼをコードするDNA配列に操作可能的に連結されるポリアデニル化配列を含んで成ることができる。終結及びポリアデニル化配列は、プロモーターと同じ源に適切には由来することができる。
ベクターはさらに、問題の宿主細胞におけるベクターの複製を可能にするDNA配列を含んで成ることができる。そのような配列の例は、プラスミドpUC19, pACYC177, pUB110, pE194, pAMB1, 及びpIJ702 の複製の起点である。
ベクター又は、選択マーカー、例えば1つの遺伝子(ここでその生物が宿主細胞における欠陥を補充する)、例えばB.スブチリス又はB.リケニホルミスからのdal遺伝子、又は抗生物質耐性、例えばアンピシリン、カナマイシン、クロラムフェニコール又はテロラサイクリン耐性を付与する遺伝子を含んで成ることができる。さらに、ベクターは、アスペルギラス選択マーカー、例えばamdS、argB, niaD及びsC、ヒグロマイシン耐性を生ぜしめるマーカーを含んで成ることができ、又はその選択は例えばWO91/17243に記載のようにして同時−形質転換により達成され得る。
それぞれ、クチナーゼ、プロモーター、ターミネーター及び他の要素をコードする本発明のDNA構造体を連結し、そしてそれらを、複製のために必要な情報を含む適切なベクター中に挿入するため使用される方法は、当業者に良く知られている(例えば、Sambrook など., Molecular Cloning: A laboratory Manual, 2nd Ed., Cold Spring Harbor, 1989 を参照のこと)。
プロモーター
ベクターにおいて、DNA配列は適切なプロモーター配列に操作可能的に結合されるべきである。プロモーターは、選択の宿主細胞において転写活性を示すいずれかのDNA配列であり得、そして宿主細胞に対して相同であるか又は非相同であるタンパク質コードの遺伝子に由来することができる。
本発明の脂肪分解酵素又はホスホリパーゼをコードするDNA配列の転写を、特に細菌宿主において方向づけるための適切なプロモーターの例は、E.コリのlac オペロンのプロモーター、ストレプトミセス・コエリカラー(Streptomyces coelicolor)アガラーゼ遺伝子dagA プロモーター、バチルス・リケニホルミスα−アミラーゼ遺伝子(amyL)のプロモーター、バチルス・ステアロサーモフィラス マルトゲン性アミラーゼ遺伝子のプロモーター(amyM)、バチルス・アミロリクエファシエンスα−アミラーゼのプロモーター(amyQ)、バチルス・スブチリスxylA 及びxylB 遺伝子のプロモータ、等である。
菌類宿主における転写に関して、有用なプロモーターの例は、A.オリザエTAKA アミラーゼ、S. セレビシアエ からのTPI (トリオースリン酸イソメラーゼ)プロモーター (Alber など. (1982), J. MoI. Appl. Genet 1 , p. 419-434)、リゾムコル・ミエヘイ(Rhizomucor miehei)アスパラギン酸プロテイナーゼ、A.ニガー中性α−アミラーゼ、A.ニガー酸性安定性α−アミラーゼ、A.ニガーグルコアミラーゼ、リゾムコル・ミエヘイリパーゼ、A.オリザエアルカリプロテアーゼ、A.オリザエトリオースリン酸イソメラーゼ、又はA.ニジュランスアセトアミダーゼをコードする遺伝子に由来するものである。
宿主細胞
上記で定義されたような本発明のDNA構造体又は発現ベクターのいずれかを含んで成る本発明の方法に使用される酵素の生成のための宿主細胞は、好都合には、脂肪分解酵素又はホスホリパーゼの組換え生成において宿主細胞として使用される。細胞は、便利には、宿主染色体にDNA構造体(1または複数のコピーにおける)を組み込むことによって、脂肪分解酵素又はホスホリパーゼをコードする本発明のDNA構造体により形質転換され得る。この組み込みは一般的には、DNA配列が細胞において安定して維持されるので、好都合であると思われる。宿主染色体中へのDNA構造体の組み込むは、従来の方法、例えば相同又は非相同組換えにより行われ得る。他方では、細胞は、異なった型の宿主細胞に関して上記に記載されるようにして、発現ベクターにより形質転換され得る。
本発明の細胞は、高等生物、例えば哺乳類又は昆虫の細胞であり得るが、しかし好ましくは、微生物細胞、例えば細菌又は菌類(酵母を包含する)細胞である。
適切な細胞の例は、グラム陽性細菌、例えばバチルス・スブチリス(Bacillus subtilis)、バチルス・リケニホルミス(Bacillus licheniformis)、バチルス・レンタス(Bacillus lentus)、バチルス・ブレビス(Bacillus brevis)、バチルス・ステアロサーモフィラス(Bacillus stearothermophilus)、バチルス・アルカロフィラス(Bacillus alkalophilus)、バチルス・アミロリクエファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バチルス・コアグランス(Bacillus coagulans)、バチルス・サーキュランス(Bacillus circulans)、バチルス・ラウタス(Bacillus lautus)、バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)、バチルス・スリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)、ストレプトミセス・リビダンス(Streptomyces lividans)又はストレプトミセス・ムリナス(Streptomyces murinus);及びグラム陰性細胞、例えばE.コリである。細菌の形質転換は、原形質形質転換により、又はそれ自体知られている態様でコンピテント細胞を用いることによってもたらされ得る。
酵母生物は、好ましくは、サッカロミセス(Saccharomyces)又はシゾサッカロミセス(Schizosaccharomyces)の種、例えばサッカロミセス・セレビシアエ(Saccharomyces cerevisiae)から選択される。
宿主細胞はまた、糸状菌、例えばアスペルギラス、特にアスペルギラス・オリザエ(Aspergillus oryzae)又はアスペルギラス・ニガー(Aspergillus niger)の種に属する株、又はフサリウムの株、例えばフサリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)、フサリウム・グラミネアラム(Fusarium graminearum)(完全な状態においては、ギベレラ・ロセウム及びギベレラ・ロセウムf. sp. セレアリスと類似する、これまでスファエリア・ゼアエと呼ばれたギベレラ・ゼアエと称する)、又はフサリウム・スルフレウム(Fusarium sulphureum)(完全な状態においては、フサリウム・トリコテクロイデス、フサリウム・バクトリジオイデス、フサリウム・サムブシナム、フサリウム・ロゼウム及びフサリウム・ロゼウムvar. グラミネアルムと類似するギベレラ・プロカリスと称する)、フサリウム・セレアリス(Fusarium cerealis)(フサリウム・クロクウェレンスと類似する)、又はフサリウム・ベネナタム(Fusarium venenatum)の株でもあり得る。
特定の態様においては、宿主細胞は、プロテアーゼ欠失又はプロテアーゼ-株である。これは例えば、“alp”欠失されたアルカリプロテアーゼ遺伝子を有するプロテアーゼ欠失株アスペルギラス・オリザエJaL125であり得る。この株は、WO97/35956号(Novo Nordisk)に記載されている。
糸状菌細胞は、プロトプラスト形成及びプロトプラストの形質転換、それ自体既知の態様での細胞壁の続く再生を包含する方法により形質転換され得る。宿主微生物としてのアスペルギラスの使用は、EP238023号(Novo Nordisk A/S)(これは、引用により本明細書に組み込まれる)に記載されている。
形質転換体の培養による脂肪分解又はホスホリパーゼ酵素の生成
本発明の方法に使用される酵素は、宿主細胞を、前記酵素の生成の助けとなる条件下で培養し、そして細胞及び/又は培養物培地から酵素を回収することを含んで成る方法により生成され得る。
細胞を培養するために使用される培地は、問題の宿主細胞を増殖し、そして本発明の脂肪分解酵素の発現を得るために適切ないずれかの従来の培地であり得る。適切な培地は、市販されているか、又は公開されているレセピー(例えば、American Type Culture Collectionのカタログに記載のような)に従って調製され得る。
宿主細胞から分泌される脂肪分解又はホスホリパーゼ酵素は便利には、良く知られている方法、例えば遠心分離又は濾過により培地から細胞を分離し、そして塩、例えば硫酸アンモニウムにより培地のタンパク質成分を沈殿し、続いてクロマトグラフィー方法、例えばイオン交換のクロマトグラフィー、親和性のクロマトグラフィー又は同様のものの使用を包含することにより、培養培地から回収され得る。
粗菜種油のエステル交換及びデガミング
粗菜種油からの脂肪分解酵素及びホスホリパーゼの使用によるリン低減された脂肪酸メチルエステルの形成:
脂肪分解酵素:WO00/60063号に従ってのサーモミセス・ラヌギノサスリパーゼ変異体、用量:4000LU/8gの油、ホスホリパーゼ:WO00/32758号、例5に従ってのサーモミセス・ラヌギノサス変異体(活性10.000LU/g)、用量:30ppm又は100ppm(それぞれ、300及び1000LU/kgの油に対応する)。基質:100%の粗菜種油、8g。メタノール含有率:油に基づいて1.5モル当量、1.72ml。重量に基づいて30%H2O。サンプリング時間:3及び24時間。反応温度:50℃。
基質−メタノール混合物を、逆水振盪槽(200rpm)上で50℃に加熱する。脱イオン化された水を添加する(添加される酵素体積に依存しての体積;水の合計量;2.40ml、酵素添加からの水を含む)、油の30w/w%に対応する。混合物を50℃に加熱する。次に、酵素(リパーゼ及びホスホリパーゼ)を、前記混合物に添加し、そして高剪断ミキサー(Ultra Turrax(商標)T25, IKA Janke and Kunkel, Germany)上で30秒間、混合し、そして振盪水槽に24時間、放置する(逆振盪、50℃及び200rpm)。
サンプルを、それぞれ3及び24時間の反応時間の後、反応混合物から採取し、そして14000rpmで14分間、遠心分離する。上部層は、水相に不溶性の脂肪材料から成り、そしてこれを、1H NMR(溶媒としてCDCl3を用いる)Varian400MHz分光計(Varian Inc. CA, USA)により分析する。脂肪酸残留物の脂肪酸メチルエステルへの転換を、脂肪酸メチルエステル−COOCH 3からのメチルシグナル(3.70ppm)及び脂肪酸残留物からのCH 3CH2−(1.0〜0.9ppm)の比率により決定する。
メチルエステルの形成は、ホスホリパーゼのみを有する実験においても、リパーゼ及びホスホリパーゼを有さない実験においても見出されなかった。24時間の反応時間の後の脂肪相におけるリン含有率を、Clausen, K. Eur. J. Lipid Sci. Technol.103 (2001), 333-340により記載のようにして決定した。
Figure 0005113044
脂肪分解酵素及びホスホリパーゼの組合せが、メチルエステルへのトリグリセリドの高い転換率及び1段階方法における低含有率のリン酸含有成分をもたらすことは明白である。

Claims (14)

  1. アルコール、トリグリセリド及び/又は脂肪酸を含んで成る基質、1又は複数のリパーゼ及び1又は複数のホスホリパーゼ、並びに水を混合することを含んで成ここでアルコール/脂肪酸残基のモル比が0.4−2の範囲にある、リン低減された脂肪酸アルキルエステルの生成方法。
  2. 前記脂肪酸アルキルエステルのリン含量が、50ppm以下に低められる請求項1記載の方法。
  3. 前記脂肪酸が遊離脂肪酸を含んでなり、遊離脂肪酸の量が、0.01〜95重量%の範囲である、請求項1記載又は2記載の方法。
  4. 前記トリグリセリドが、植物油供給原料、菜種油、大豆油、からし油、ひまわり油、カノーラ油、ココナツ油、大麻油、パーム油、タール油及び動物油脂の1又は複数のものに由来する、請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。
  5. 前記アルコールがメタノール又はエタノールである請求項1〜のいずれか1項記載の方法。
  6. 反応混合物が50%(w/w)までの水を含んで成る請求項1〜のいずれか1項記載の方法。
  7. 温度が、30〜70℃である請求項1〜のいずれか1項記載の方法。
  8. 前記ホスホリパーゼが、フサリウム・クルモラス(Fusarium culmorum)、フサリウム・ヘテロスポラム(Fusarium heterosporum)、フサリウム・ソラニ(Fusarium solani)、フサリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)、アスペルギラス・アワモリ(Aspergillus awamori)、アスペルギラス・フォエチダス(Aspergillus foetidus)、アスペルギラス・ジャポニカス(Aspergillus japonicus)、アスペルギラス・ニガー(Aspergillus niger)、アスペルギラス・オリザエ(Aspergillus oryzae)及びサーモミセス・ラヌギノサス(Thermomyces lanuginosus)の株からのホスホリパーゼから成るから選択される請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. キレート化剤が、油含有物に基づいて、0.01〜1%w/wの範囲で添加される請求項1〜のいずれか1項記載の方法。
  10. 工程がバッチモードで進行する請求項1〜のいずれか1項記載の方法。
  11. 工程が連続モードで進行する請求項1〜のいずれか1項記載の方法。
  12. 反応混合物における溶液相が、高剪断ミキサーを用いて混合される請求項1〜11のいずれか1項記載の方法。
  13. 工程が、向流モードで行われる請求項1〜12のいずれか1項記載の方法。
  14. 前記酵素含有水相が、新しい基質をまた含む反応混合物中に完全に又は部分的に再循環される請求項1〜13のいずれか1項記載の方法。
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