JP5112593B2 - 直接熔錬法及び装置 - Google Patents

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Description

【0001】
本発明は、鉱石、部分的還元鉱石、及び金属含有廃棄物流のような鉄含有金属から、特に鉄に限るものではないが、溶融金属(この用語は金属合金を含むものとする)を製造するための方法及び装置に関する。
【0002】
本発明は、鉄含有材料(ferrous material)から溶融金属を製造するための、特に溶融金属浴を基にした直接熔錬法及び装置に関する。
【0003】
溶融鉄含有金属を生成させるための一つの既知の溶融浴に基づく直接熔錬法は、DIOS法である。DIOS法は、前還元(pre-reduction)段階及び熔錬還元段階を含む。DIOS法では、鉱石(−8mm)を、スラグが金属上の深い層を形成している金属とスラグの溶融浴の入った熔錬還元容器からの排気ガスを用いた流動床中で予熱(750℃)し、前還元する(10〜30%)。鉱石の微粒子(−3mm)成分及び粗粒(−8mm)成分は、その方法の前還元段階で分離される。石炭及び予熱した前還元鉱石(二つの供給ラインを経てきたもの)を、連続的に熔錬還元炉中へその炉の頂部から供給する。鉱石は深いスラグ層中で溶解し、FeOを形成し、石炭はそのスラグ層中で分解してチャー(char)及び揮発性物質になる。特別に設計されたランスを通って酸素を吹き込み、発泡スラグ中での二次燃焼を改良する。熔錬還元反応で発生した一酸化炭素を酸素ジェットにより燃焼し、それにより熱を発生し、それを溶融スラグ中へ伝達する。FeOはスラグ/金属及びスラグ/チャー界面で還元される。熔錬還元容器の底部から高温金属浴中へ導入された撹拌用ガスは、熱移動効率を向上し、還元のためのスラグ/金属界面を増大する。スラグ及び金属は周期的に流出させる。
【0004】
溶融鉄含有金属を生成させる別の既知の直接熔錬法は、AISI法である。AISI法も、前還元段階と熔錬還元段階を有する。AISI法では、予熱し、部分的に前還元した鉄鉱石ペレット、石炭又はコークス粉末及びフラックスを金属及びスラグの溶融浴の入った加圧熔錬反応器中へ頂部から導入する。石炭はスラグ層内で液化し、鉄鉱石ペレットはスラグ内で溶解し、次にスラグ内の炭素(チャー)により還元される。工程条件によりスラグの発泡が起きる結果になる。それらの方法で発生した一酸化炭素及び水素は、スラグ層の中又はその直ぐ上で後燃焼し、吸熱還元反応に必要なエネルギーを与える。酸素は中心水冷ランスを通って頂部から吹き込まれ、窒素は反応器の底にある羽口を通って注入され、充分な撹拌を確実に与え、後燃焼エネルギーの熱の浴への移動を促進する。工程排気ガスは高温サイクロン中で脱塵し、然る後、シャフト型炉へ供給してペレットの予熱及びFeO又はウスタイトへの前還元を行う。
【0005】
反応媒体として溶融金属層に依存し、HI熔錬法と一般に呼ばれている別の既知の直接熔錬法は、本出願人の名前による国際特許出願PCT/AU96/00197(WO 96/31627)に記載されている。
【0006】
その国際特許出願に記載されているHI熔錬法は、
(a) 容器中に溶融鉄及びスラグの浴を形成し、
(b) 前記浴中に、
(i)金属含有供給材料、典型的には金属酸化物、及び
(ii)前記金属酸化物の還元剤及びエネルギー源として働く固体炭素質材料、典型的には石炭、
を注入し、
(c) 金属層中で前記金属含有供給材料を熔錬して金属にする、
ことからなる。
【0007】
HI熔錬法も、浴の上の空間中へ酸素含有ガスを注入し、そして浴から放出されたCO及びH2のような反応ガスを後燃焼し、発生した熱を浴へ伝達し、金属含有供給材料を熔錬するのに必要な熱エネルギーに役立たせることを含んでいる。
【0008】
HI熔錬法は、浴の名目静止表面(nominal quiescent surface)の上の空間中に遷移領域を形成し、その中に溶融材料の上昇してから下降する液滴、はね返り、又は流れの好ましい量が存在し、それにより、浴上の反応ガスを後燃焼することにより発生した熱エネルギーを浴へ移動させる効果的な媒体を与えることも含んでいる。
【0009】
前記国際特許出願に記載されたHI熔錬法は、キャリヤーガス及び金属含有供給材料及び固体炭素質材料を、浴と接触している容器の側面の一区域を通って且つ/又は浴の上から浴中へ注入し、その結果キャリヤーガス及び固体材料が浴に侵入し、溶融材料が浴の表面上の空間中へ放出されるようになることを特徴とする。
【0010】
前記国際特許出願に記載されたHI熔錬法は、ガス及び/又は炭素質材料を浴中へ底から注入して、溶融材料の液滴、はね返り及び流れが、浴から放出されるようにすることにより遷移領域を形成した、HI熔錬法の初期の型に対する改良である。
【0011】
本出願人は、直接熔錬法について広範な研究及びパイロットプラントの研究を行い、それらの方法に関して一連の重要な発見を行なった。
【0012】
一般的用語で、本発明は、鉄含有材料から、金属(この用語は金属合金を含む)を生成させるための直接熔錬法において、
(a) 冶金容器中に溶融金属及び溶融スラグの浴を形成し、
(b) 前記溶融浴中に固体材料及びキャリヤーガスである供給材料を少なくとも40m/秒の速度で、内径が40〜200mmの送入管を有する下方へ伸びる固体注入ランスを通して注入し、然も、前記ランスは、そのランスの出口端部の中心軸が水平軸に対し20〜90°の角度を持つように配置されており、前記溶融浴中に少なくとも0.04Nm3/秒/m2(このm2は前記溶融浴を通る水平断面積に関係する)の表面ガス流を、少なくとも一つには前記浴中に注入された材料の反応により発生させ、前記表面ガス流は溶融材料を、はね返り、液滴、及び流れとして上方へ放出させ、膨張した溶融浴領域を形成し、前記ガス流及び上方へ放出された溶融材料が前記溶融浴内の材料の実質的運動及び前記溶融浴の強力な混合を起こし、前記供給材料が、全体的な意味で前記溶融浴内の前記供給材料の反応が吸熱になるように選択されており、そして
(c) 少なくとも1本の酸素ガス注入ランスを通り前記容器の上方領域中へ酸素含有ガスを注入し、前記溶融浴から放出された燃焼性ガスを後燃焼し、それにより前記膨張した溶融浴領域中で、上昇して次に下降する溶融材料が前記溶融浴への熱移動を促進する、
諸工程を有する直接熔錬法を与える。
【0013】
膨張した溶融浴領域は、溶融材料全体に亙ってガス気泡が大きな体積分率で存在することを特徴とする。
【0014】
ガス気泡の体積分率は、膨張した溶融浴領域の少なくとも30体積%であるのが好ましい。
【0015】
溶融材料のはね返り、液滴、及び流れは、溶融浴内の上記ガスの流れによって発生する。本出願人は次の説明により束縛されたくはないが、本出願人は、それらのはね返り、液滴、及び流れは、低いガス流量にある撹拌乱流領域と、大きなガス流量にある噴流領域により発生するものと考えている。
【0016】
ガス流及び上方へ放出される溶融材料が、溶融浴を出入りする材料の実質的運動を起こすのが好ましい。
【0017】
固体材料は鉄含有材料及び/又は固体炭素質材料を含有するのが好ましい。
【0018】
上述の膨張した溶融浴領域は、上述のAISI法で生成した発泡スラグの層とは非常に異なっている。
【0019】
工程(b)は、供給材料を溶融浴中に注入し、前記供給材料が前記溶融浴の下方領域中に侵入するようにすることを含むのが好ましい。
【0020】
膨張した溶融浴領域は、溶融浴の下方領域を形成するのが好ましい。
【0021】
工程(b)は、溶融浴中へ供給材料をランスを通り80〜100m/秒の範囲の速度で注入することを含むのが好ましい。
【0022】
工程(b)は、溶融浴中に供給材料をランスを通り2.0t/m2/秒までの質量流速で注入することを含むのが好ましい。ここでm2はランス送入管の断面積に関係する。
【0023】
工程(b)は、供給材料を溶融浴中へランスを通り10〜25kg(固体)/Nm3(ガス)の固体/ガス比で注入することを含むのが好ましい。
【0024】
一層好ましくは、固体/ガス比が、10〜18kg(固体)/Nm3(ガス)である。
【0025】
工程(b)中で発生した溶融浴内のガス流は、溶融浴の静止表面で少なくとも0.04Nm3/秒/m2であるのが好ましい。
【0026】
一層好ましくは、溶融浴内のガス流は、少なくとも0.2Nm3/秒/m2の流量である。
【0027】
ガス流量は、少なくとも0.3Nm3/秒/m2であるのが一層好ましい。
【0028】
ガス流量は、2Nm3/秒/m2より低いのが好ましい。
【0029】
溶融浴内のガス流は、一つには溶融浴、好ましくは溶融浴の下方領域中へ、ガスを底及び/又は側壁から注入した結果として発生させることができる。
【0030】
酸素含有ガスは、空気又は酸素に富む空気であるのが好ましい。
【0031】
好ましくは、本方法は、空気又は酸素に富む空気を容器中に800〜1400℃の温度で200〜600m/秒の速度で少なくとも1本の酸素ガス注入ランスを通って注入し、前記ランスの下方端部の所のそのランスから離れた領域内に膨張した溶融浴領域を発生させ、前記膨張した溶融浴領域中の溶融材料の濃度よりも低い溶融材料の濃度を有する「自由」空間を前記ランスの下方端部の回りに形成することを含み;前記ランスが、(i)前記ランスの中心軸が水平軸に対し20〜90°の角度になっており、(ii)前記ランスが、前記ランスの下方端の少なくとも外径に相当する距離、容器中へ伸びおり、そして(iii)前記ランスの下方端が、そのランスの下方端の外径の少なくとも3倍、溶融浴の静止表面より上にあるように配置されている;のが好ましい。
【0032】
ランスの下方端部の周りの自由空間内の溶融材料の濃度は、前記空間の5体積%以下であるのが好ましい。
【0033】
ランスの下方端部の周りの自由空間は、ランスの下方端の外径の少なくとも2倍である直径を有する半球状体積になっいるのが好ましい。
【0034】
ランスの下方端部の周りの自由空間は、ランスの下方端の外径の4倍以下であるのが好ましい。
【0035】
空気又は酸素に富む空気中の酸素の好ましくは少なくとも50体積%、一層好ましくは少なくとも60体積%が、ランスの下方端部の周りの自由空間内で燃焼されるのが好ましい。
【0036】
本方法は、空気又は酸素に富む空気を容器中に渦巻き運動状に注入することを含むのが好ましい。
【0037】
用語「熔錬(smelting)」とは、ここでは鉄含有供給材料を還元する化学反応が行われて、液体金属を生成する熱的処理を意味するものと理解されたい。
【0038】
溶融浴に関連した用語「静止表面(quiescent surface)」とは、基体/固体注入がなく、従って浴の撹拌が存在しない工程条件下の溶融浴の表面を意味するものと理解されたい。
【0039】
本方法は、容器中の溶融鉄含有金属に対し、容器中に高いスラグ存在量(slag inventory)を維持することを含むのが好ましい。
【0040】
容器中のスラグの量、即ち、スラグ存在量は、膨張した溶融浴領域中に存在するスラグの量に直接影響を与える。
【0041】
膨張した溶融浴領域から水冷側壁への熱損失及び容器の側壁を通る容器からの熱損失を最小にすることに関連して、金属に比較してスラグの比較的低い熱伝導特性が重要である。
【0042】
適当な工程制御により、膨張した溶融浴領域中のスラグが側壁上に一つ又は複数の層を形成することができ、それが側壁からの熱損失に対する抵抗性を増大する。
【0043】
従って、スラグ存在量を変化させることにより、膨張した溶融浴領域中及び側壁上のスラグ量を増大又は減少させ、従って、容器の側壁を通る熱損失を制御することができる。
【0044】
スラグは、側壁上に「湿潤(wet)」層又は「乾燥(dry)」層を形成することができる。「湿潤」層は、側壁に付着する凝固(frozen)層、半固体(泥状)層、及び外側液体膜からなる。「乾燥」層は、実質的に全てのスラグが凝固しているものである。
【0045】
容器中のスラグの量は、後燃焼の程度に対する制御手段も与える。
【0046】
特に、スラグ存在量が低過ぎる場合、膨張した溶融浴領域中の金属が、金属層への熱移動に対して有する明白な効果にも拘わらず、膨張した溶融浴領域中の金属の露出が増大し、従って、金属の酸化及び金属中の溶解炭素の増大、後燃焼減少の可能性と、その結果としての後燃焼の減少が起きるであろう。
【0047】
更に、もしスラグ存在量が多過ぎると、一つ又は二つ以上の酸素含有ガス注入ランス/羽口が膨張した溶融浴領域中に埋まり、これが頂部空間反応ガスの各ランス/羽口の先端の方への動きを最小にし、その結果、後燃焼の可能性を減少する。
【0048】
容器中のスラグの量、即ちスラグ存在量は、金属及びスラグの流出速度によって制御することができる。
【0049】
容器の中でのスラグの生成は、金属含有供給材料、炭素質材料及びフラックスの容器への供給速度及び酸素含有ガス注入速度のような操作パラメーターを変えることにより制御することができる。
【0050】
本方法は、溶融鉄中に溶解した炭素の量を少なくとも3重量%に制御し、スラグを強い還元性状態に維持し、スラグ中のFeO含有量を少なくとも6重量%未満、一層好ましくは5重量%未満に誘導することを含むのが好ましい。
【0051】
鉄含有材料は、溶融浴の下方領域内に少なくとも優先的に存在する金属へ熔錬するのが好ましい。常に容器のこの領域は、高濃度の金属が存在する場所である。
【0052】
実施した場合、容器の別の領域中で金属へ熔錬される鉄含有材料の割合が存在するであろう。しかし、本発明の方法の目的及び本方法と従来法との間の重要な差は、溶融浴の下方領域中の鉄含有材料の熔錬を最大にすることである。
【0053】
本方法の工程(b)は、複数の固体注入ランスを通って供給材料を注入し、溶融浴内に少なくとも0.04Nm3/秒/m2のガス流を発生させることを含んでいる。
【0054】
金属含有材料及び炭素質材料の注入は、同じか又は別のランスを通して行なってもよい。
【0055】
本方法は、溶融材料を、膨張した溶融浴領域より上へ放出させることを含むのが好ましい。
【0056】
後燃焼のレベルは少なくとも40%であるのが好ましく、この場合後燃焼は次のように定義する:
【0057】
Figure 0005112593
【0058】
式中、
[CO2]=排気ガス中のCO2の体積%
[H2O]=排気ガス中のH2Oの体積%
[CO] =排気ガス中のCOの体積%
[H2] =排気ガス中のH2の体積%
【0059】
膨張した溶融浴領域は二つの理由から重要である。
第一に、溶融材料の上昇及びその後の下降は、反応ガスの後燃焼により発生した熱を溶融浴へ移動させる有効な手段である。
第二に、膨張した溶融浴領域中の溶融材料、特にスラグが、容器の側壁を通る熱損失を最小にする有効な手段である。
【0060】
本発明の方法の好ましい態様と従来の方法との重要な差は、好ましい態様では、主な熔錬領域が溶融浴の下方領域であり、主な酸化(即ち、熱発生)領域が膨張した溶融浴領域の上方領域の中及びその上にあり、これらの領域が空間的に充分分離され、二つの領域の間の溶融金属及びスラグの物理的移動により熱移動が行われることである。
【0061】
本発明により、鉄含有材料から直接熔錬法により金属を製造するための装置も与えられ、その装置は、金属及びスラグの溶融浴の入った傾斜不可能な固定容器を有し、下方領域及びその下方領域より上の膨張した溶融浴領域を有し、その膨張した溶融浴領域は、前記下方領域から上方へ溶融材料を運ぶ前記下方領域からのガス流により形成され、然も、前記容器は:
(a) 前記溶融浴の下方領域と接触した基底面及び側面を有する、耐火性材料から形成された炉床、
(b) 前記炉床の側面から上方へ伸び、前記溶融浴の上方領域及びガス連続空間と接触した側壁で、前記ガス連続空間と接触し、水冷パネル及びそれらパネル上のスラグ層を有する側壁、
(c) 容器中へ下方へ伸び、前記溶融浴より上の容器中へ酸素含有ガスを注入する少なくとも1本のランス、
を有し、然も、
(d) 前記少なくとも1本のランスは、鉄含有材料及び/又は炭素質材料である供給材料及びキャリヤーガスを前記溶融浴中へ少なくとも40m/秒の速度で注入し、前記ランスは、そのランスの出口端部の中心軸が水平軸に対し20〜90°の角度で下方へ傾斜するように配置されており、前記ランスは40〜200mmの内径を有する、供給材料注入のための送入管を有し、更に、
(e) 前記容器から溶融金属及びスラグを流出させる手段、
を有する。
【0062】
供給材料注入ランスは、溶融浴の金属層の名目静止表面より150〜1500mm上の所に前記ランスの出口端が来るように配置されているのが好ましい。
【0063】
供給材料注入ランスは、固体粒状材料を送るために通る中心コアー管;前記中心コアー管をその長さの実質的部分全体に亙って取り巻いている環状冷却用ジャケットで、前記コアー管の回りに配置された内側の長い環状水流通路、前記内側水流通路の回りに配置された外側の長い環状水流通路、及び冷却用ジャケットの前端部で前記内側及び外側水流通路を相互に接続する環状端部通路を定めるジャケット;前記ジャケットの内側環状水流通路中へ前記ジャケットの後方端部領域から水を導入するための水入口手段;前記ジャケットの後方端部領域の所で前記外側環状水流通路から水を排出するための水出口手段;を具え、然も、それにより前記内側の長い環状通路に沿って前方へ、前記ジャケットの前端部へ冷却用水の流れを与え、次に前記端部流通路手段を通り、前記外側の長い環状水流通路を通って後方への流れを与え、更に、前記環状端部通路は滑らかに外側へ曲がり、前記内側の長い環状通路から後方へ前記外側の長い環状通路へと曲がっており、前記端部通路を通る水流のための有効断面積が、前記内側及び外側の長い環状水流通路の両方の流通断面積よりも小さくなっているのが好ましい。
【0064】
本発明を、例として図面を参照して更に記述する。
【0065】
次の記載は、鉄鉱石を熔錬して溶融鉄を生成することに関連しているが、本発明は、この用途に限定されるものではなく、部分還元金属鉱石及び廃棄リサイクル材料を含めたどのような適当な鉄含有鉱石及び/又は精鉱にも適用できることは分かるであろう。
【0066】
図1に示した直接熔錬装置は、11として全体的に示す冶金容器を有する。容器11は炉床を有し、それは耐火レンガから形成された基底12及び側面13;前記炉床の側面13から上方へ伸びる全体的に円筒状のバレルを形成する側壁14で、耐火レンガの内側ライニングを有する水冷パネル(図示されていない)から形成された上方バレル区域、及び水冷パネル(図示されていない)から形成された下方バレル区域を有する側壁;屋根17;排気ガスのための出口18;連続的に溶融金属を排出するための前炉床19;及び溶融スラグを排出するためのタップ・ホール(tap-hole)21;を有する。
【0067】
使用した場合、静止状態で、容器には鉄及びスラグの溶融浴が入っており、その浴は溶融金属の層22及びその金属層22の上の溶融スラグ層23を有する。
【0068】
用語「金属層」とは、主に金属である浴領域を意味するものとここでは理解されたい。
【0069】
溶融浴の名目静止表面の上の空間は、今後「頂部空間」として言及する。
【0070】
数字24で示した矢印は、金属層22の名目静止表面の位置を示し、数字25で示した矢印は、スラグ層23(即ち、溶融浴)の名目静止表面の位置を示す。
【0071】
用語「静止表面」とは、ガス及び固体の容器中への注入がない場合の表面を意味するものと理解されたい。
【0072】
容器には、容器の上方領域中へ吹込まれる熱風を送り、溶融浴から放出された反応ガスを後燃焼するための下方へ伸びる熱風注入ランス26が取付けられている。ランス26は、そのランスの下方端で外径Dを有する。ランス26は次のように配置されている;
(i) ランス26の中心軸が、水平軸に対し20〜90°の角度になっている(図1に示したランス26は90°の角度になっている);
(ii) ランス26は、そのランスの下方端の外径Dに少なくとも相当する距離、容器中へ伸びている;
(iii) ランス26の下方端は、溶融浴の静止表面25より上にランスの下方端の外径Dの少なくとも3倍の所にある。
【0073】
容器には、側壁14を通り下方及び内側へ伸び、溶融浴中へ入る固体注入ランス27(2本が図示されている)が取付けられており、出口端82をもつそれらランス27は、鉄鉱石、固体炭素質材料、フラックスを酸素欠乏キャリヤーガスに乗せて溶融浴中へ注入するために水平に対し20〜70°の角度になっている。ランス27の位置は、それらの出口端82が金属層22の静止表面24より上に来るように選択する。このランス27の位置は、溶融金属との接触により損傷する危険を減少し、容器中の溶融金属と水とが接触するようになる重大な危険を起こすことなく、強制内部水冷によりランス27を冷却することも可能にしている。特に、ランス27の位置は、出口端82が、金属層22の静止表面24より150〜1500mm上の範囲内に来るように選択されている。これに関し、ランス27は図1中、容器中へ伸びているように示されているが、ランス27の出口端は、側壁14と同一平面上に来るようにしてもよい。ランス27は、図2〜5を参照して一層詳細に説明する。
【0074】
使用した場合、鉄鉱石、固体炭素質材料(典型的には、石炭)、及びフラックス(典型的には、石灰及びマグネシア)をキャリヤーガス(典型的には、N2)に乗せ、ランス27を通り溶融浴中へ少なくとも40m/秒、好ましくは80〜100m/秒の速度で注入する。固体材料/キャリヤーガスの運動量は、溶融浴の下方領域へ固体材料及びガスを侵入させる。石炭は液化し、それにより下方浴領域中でガスを発生する。炭素は部分的に金属中へ溶解し、部分的に固体炭素として残留する。鉄鉱石は金属へ熔錬され、熔錬反応は一酸化炭素ガスを発生する。下方浴領域中へ送られ、液化及び熔錬により発生したガスは、下方浴領域から溶融金属、固体炭素、及びスラグ(固体/ガス/注入の結果として下方浴領域中へ引き込まれていたもの)の浮力による著しい上昇を生じ、それが溶融金属及びスラグのはね返り、液滴、及び流れの上方への運動を起こし、これらのはね返り、液滴、及び流れが溶融浴の上方領域を通って移動した時に、スラグを取り込む。キャリヤーガスの上述の注入及び浴反応により発生したガス流は、溶融浴の静止表面(即ち、表面25)の少なくとも0.04Nm3/秒/m2である。
【0075】
溶融金属、固体炭素、及びスラグの浮力上昇は、溶融浴中に実質的な撹拌を起こし、溶融浴が体積を膨張し、膨張した溶融浴領域28を形成し、その領域は矢印30で示した表面を有する結果になる。撹拌の程度は、溶融浴全体に亙って合理的に均一な温度、典型的には、1450〜1550℃で、夫々の領域での温度変動が30°程度である均一な温度が存在するような程度まで、溶融浴内に存在する溶融材料の実質的な運動(下方浴領域を出入りする溶融材料の動きを含む)及び溶融浴の強い混合が行われるような程度である。
【0076】
更に、上方へのガス流は幾らかの溶融材料(主にスラグ)を膨張した溶融浴領域28を越え、膨張した溶融浴領域28の上にある側壁14の上方バレル区域部分上及び屋根17の面上へ放出する。
【0077】
一般的用語では、膨張した溶融浴領域28は、その中に気泡を含む連続的液体体積部分である。
【0078】
上で述べたことの外に、使用中、800〜1400℃の温度の熱風が、ランス26から200〜600m/秒の速度で放出され、膨張した溶融浴領域28の中心領域へ侵入し、ランス26の末端部の回りに本質的に金属/スラグの無い空間29を形成させる。
【0079】
ランス26から吹出す熱風は、膨張した溶融浴領域28及びランス26の末端部の回りの自由空間29中の反応ガスCO及びH2を後燃焼し、そのガス空間内に2000℃以上の程度の高温を発生する。その熱は、ガス注入領域内の溶融材料の上昇して下降するはね返り、液滴及び流れへ伝達され、その熱は次に部分的に溶融浴全体へ伝達される。
【0080】
自由空間29は、後燃焼の高い水準を達成するのに重要である。なぜならそれは、膨張した溶融浴領域28の上の空間中のガスを、ランス26の末端部領域中へ取り込むのを可能にし、それにより得られる反応ガスの後燃焼への露出を増大するからである。
【0081】
ランス26の位置、ランス26を通るガス流量、及び溶融材料のはね返り、液滴、及び流れの上方への動きを併合した効果は、ランス26の下方領域の周りに膨張した溶融浴領域28を形付けることにある。この形付けられた領域は、側壁14への輻射による熱移動に対する部分的障壁を与える。
【0082】
更に、溶融材料の上昇して下降する液滴、はね返り、及び流れは、膨張した溶融浴領域28からの熱を溶融浴へ移動させる効果的な手段であり、側壁14の領域内で、前記領域28の温度を1450℃〜1550℃の程度にする結果を与える。
【0083】
固体注入ランスの構造は、図2〜5に例示されている。
【0084】
これらの図に示されているように、各ランス27は、固体材料を送るために通る中心コアー管31、及びその中心コアー管31を、その長さの実質的部分全体に亙って取り巻く環状冷却用ジャケット32を有する。中心コアー管31は、その長さの殆どに亙って炭素/合金鋼チューブ33から形成されているが、その前端部の所のステンレス鋼区域34は、冷却用ジャケット32の前端からノズルとして突出している。コアー管31の前端部34は、そのコアー管の炭素/合金鋼区域33へ、短い鋼アダプター区域35によって結合されており、そのアダプタ区域は前記ステンレス鋼区域34に溶接され、ねじ山36により炭素/合金鋼区域に接続されている。
【0085】
中心コアー管31は、一連の鋳造セラミック管により形成された薄いセラミックライニング37により、前端部34まで内部が裏打ちされている。中心コアー管31の後端は、カップリング38によりT字型部品39へ接続されており、その部品を通って粒状固体材料を、加圧流動化用ガスキャリヤー、例えば窒素に入れて送る。
【0086】
環状冷却用ジャケット32は、前端接続部品44により相互に接続された外側及び内側管42、43、及び中空環状構造体41内に配置された長いチューブ状構造体45から構成された長い中空環状構造体41を有し、構造体41の内部を内側の長い環状水流通路46と外側の長い環状水流通路47とに分割するようになっている。長いチューブ状構造体45は、機械加工された炭素鋼前端部品49に溶接された長い炭素鋼管48によって形成されており、その前端部品は中空チューブ状構造体41の前端接続部品44内に嵌め込まれ、内側及び外側の水流通路46、47の前端部を相互接続している環状端部流通路51を形成している。
【0087】
環状冷却用ジャケット32の後端には、水入口52が設けられており、それを通って冷却用水の流れを内側環状水流通路46及び水出口53へ送ることができ、その出口の所から、ランスの後端の所にある外側環状通路47から水を取り出す。従って、そのランスを使用した場合、冷却用水は内側環状水流通路46を通ってランスの前方へ流下し、次に外側へ流れ、前方環状端部通路51を回って外側環状通路47中へ戻り、それを通ってランスに沿って後方へ流れ、出口53を通って出る。このことにより、最も低温の水が、入ってくる固体材料と熱移動を行なう関係にあり、この材料が、ランスの前端から放出される前に溶融又は燃焼しないようにすることができ、ランスの中心のコアーを通って注入される固体材料の効果的冷却のみならず、ランスの前端及び外側表面の効果的冷却の両方を行なうことができる。
【0088】
管42の外側表面と、中空環状構造体41の前端部品44は、夫々アンダーカット又は蟻差し(dove tail)断面を有する突出した矩形の突起54の規則的模様をもつように機械加工されており、それらの突起は外側へ広がる形状をもち、ランスの外側表面上にスラグが固化するための手掛かりになる形状物として働く。ランスへのスラグの固化はランスの金属部品の温度を最低にするのに役立つ。使用中、ランスの前方、即ち先端部へのスラグの固化は、ランスの延長部として働く固体材料の長いパイプを形成するための基礎として働き、その延長部が更に容器内の激しい作動条件に曝されるランスの金属部品を保護することが判明している。
【0089】
環状末端流通路51の周りの水流速度を大きく維持するためには、ランスの先端の冷却が非常に重要であることが判明している。特に、この領域の水流速度を10m/秒の程度に維持することが熱移動を最大にするために最も望ましい。この領域の水流速度を最大にするためには、通路51を通る水流のための有効断面積を、内側環状水流通路46と外側水流通路47の両方の有効断面積よりかなり低く減少する。内側管状構造体45の前端部品49は、内側環状通路46の前端から流れる水が、内側へ減少する、即ちテーパーのついたノズル流通路区域61を通過し、末端流通路51へ入る前の渦巻き及び損失を最小にするように形作られ、配置されている。末端流通路51は、水流の方向の有効流通面積も小さくし、通路中の屈曲部を回り、外側環状水流通路47へ戻る水流の速度を増大して維持しするようにする。このようにして、過度の圧力低下及びランスの他の部分の閉塞を起こす危険を冒すことなく、冷却用ジャケットの先端領域中で必要な大きな水流速度を達成することができる。
【0090】
先端通路51の周りに適当な冷却用水速度を維持し、熱移動の変動を最小にするために、管状構造体45の前端部品49と中空環状構造体41の末端部品44との間に一定に制御された空間を維持することが極めて重要である。このことは、ランスの部品の熱膨張及び収縮の差による問題を与える。特に、中空環状構造体41の外側管状部分42が、その構造体の内側管状部分43よりも遥かに高い温度に露出され、そのためその構造体の前端が、図4の点線62によって示されたやり方で、前方へ丸まる傾向がある。これは、通路51を定める部品44、49の間の間隙が、熔錬容器内の操作条件にランスが晒された時に開く傾向を生ずる。逆に、操作中、温度の低下があると、その通路は閉じる傾向がある。この問題を解決するため、中空環状構造体41の内側管43の後端を滑動する取付け具63で支持し、それが、その構造体の外側管42に対し軸方向に動くことができるようにし、内側管状構造体45の後端も滑動取付け具64に取付け、周囲上に間隔をあけた一連の接続クリート(cleat)65により構造体41の内側管43に結合し、管43及び45が軸方向に一緒に動くことができるようにする。更に、中空環状構造体41及び管状構造体45の末端部品44、49を、周囲上に間隔をあけた一連の合くぎ70により確実に相互に結合し、ランスジャケットの熱膨張と収縮の両方の運動の中で適当な間隔を維持できるようにする。
【0091】
管状構造体45の内側端部のための滑動取付け具64は、水流マニホルド構造体68に取付けたリング66によって与えられ、そのマニホルド構造体は水入口52及び出口53を定め、O−リングシール69により密封されている。構造体41の内側管43の後端のための滑動取付け具63も、同様に水マニホルド構造体68に固定されたリングフランジ71により与えられ、O−リングシール72により密封されている。環状ピストン73が、リングフランジ71内に配置され、ねじ山接続部80により構造体41の内側管43の後端に接続され、入口52から入ってくる冷却用流れを受ける水導入マニホルド室74を閉じるようにする。ピストン73はリングフランジ71上の硬化表面内を滑動し、O−リング81、82と嵌合している。ピストン73によって与えられる滑動密封は、構造体41の熱膨張差による内側管43の動きを可能にするのみならず、冷却用ジャケット中の過度の水圧により発生する構造体41の全ての動きに順応するように管43の動きも可能にする。もし何らかの理由で、冷却用水流の圧力が過度になると、構造体41の外側管が外側へ力を受け、ピストン73がそれに伴って内側管を動かし、蓄積した圧力を解放する。ピストン73とリングフランジ71との間の内部空間75は、通気孔76を通って通気されており、ピストンの動きを可能にし、ピストンを通って漏洩する水を逃がすことができる。
【0092】
環状冷却用ジャケット32の後部に、ランスを少し下った所に外側補強パイプ83を設け、環状冷却用水通路84を定め、それを通って別の冷却用水の流れを水入口85及び水出口86を経て送る。
【0093】
冷却用水は、ジャケットの先端領域で10m/分の水流速度を生じさせるため、800kPaの最大操作圧力で100m3/時の流速で冷却用ジャケットを通過させるのが典型的である。冷却用ジャケットの内側及び外側の部分は、200℃の程度の温度差を受けることがあり、滑動取付け具63、64内の管42及び45の動きは、ランス操作中かなりのものになることがあるが、端部通路51の有効流通断面積は、全ての操作条件にわたって実質的に一定に維持される。
【0094】
本発明は、例示した構成の詳細な点に何ら限定されるものではなく、多くの修正及び変更が本発明の本質及び範囲内に入ることを理解されたい。
【0095】
これに関して酸素ガス注入ランスは、固体注入ランスの上方本体の一部と一体にし、その部分を形成するようにしても良いことに注意されたい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の方法及び装置の好ましい態様を模式的に例示する垂直断面図である。
【図2】 図2において、図2A及び図2Bは、図1に示した固体注入ランスの一つを通る長手方向の断面を示すための、線A−Aの所で切断した部分断面図である。
【図3】 図3は、ランスの後端部を通る長手方向の拡大断面図である。
【図4】 図4は、ランスの前端部を通る拡大断面図である。
【図5】 図5は、図4の線5−5を通る横断断面図である。

Claims (15)

  1. 鉄含有材料から、金属(金属合金を含む)を生成させるための直接熔錬法において、
    (a) 冶金容器中に溶融金属及び溶融スラグの浴を形成し、
    (b) 前記溶融浴中に固体材料及びキャリヤーガスである供給材料を前記溶融浴の下方領域中に侵入させるように、少なくとも40m/秒の速度で、内径が40〜200mmの送入管を有する下方へ伸びる固体注入ランスを通して前記供給材料を注入し、然も、前記ランスは、そのランスの出口端部の中心軸が水平軸に対し20〜90°の角度を持つように配置されており、前記溶融浴の名目静止表面で少なくとも0.04Nm3/秒/m2(このm2は前記溶融浴を通る水平断面積に関係する)の表面ガス流を、少なくとも一つには前記浴中に注入された材料の反応により前記溶融浴中で発生させ、前記ガス流は溶融材料をはね返り、液滴、及び流れとして上方へ放出させ、膨張した溶融浴領域を形成し、前記ガス流及び上方へ放出された溶融材料が前記溶融浴内の材料の運動及び前記溶融浴の混合を起こし、前記供給材料が、全体的な意味で前記溶融浴内の前記供給材料の反応を吸熱性にするように選択されており、そして
    (c) 少なくとも1本の酸素ガス注入ランスを通り前記容器の上方領域中に酸素含有ガスを注入し、前記溶融浴から放出された燃焼性ガスを後燃焼し、それにより前記膨張した溶融浴領域中で、上昇して次に下降する溶融材料が前記溶融浴への熱移動を促進する、
    諸工程を有する直接熔錬法。
  2. 工程(b)が、供給材料を溶融浴中へ、ランスを通り80〜100m/秒の範囲の速度で注入することを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 工程(b)が、供給材料を溶融浴中へ、ランスを通り2.0t/m 2 /秒(このm 2 はランス送入管の断面積に関係する)までの質量流速で注入することを含む、請求項2に記載の方法。
  4. 工程(b)が、供給材料を溶融浴中へ、ランスを通り10〜25kg(固体)/Nm 3 (ガス)の固体/ガス比で注入することを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 固体/ガス比が、10〜18kg(固体)/Nm 3 (ガス)である、請求項4に記載の方法。
  6. 工程(b)が、供給材料を複数の固体注入ランスを通って注入し、溶融浴中に少なくとも0.04Nm 3 /秒/m 2 のガス流を発生させることを含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 溶融浴内のガス流が、少なくとも0.2Nm 3 /秒/m 2 の流量になっている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. ガス流量が、少なくとも0.3Nm 3 /秒/m 2 である、請求項7に記載の方法。
  9. 工程(b)内で発生した溶融浴内のガス流が、2Nm 3 /秒/m 2 より低い、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 工程(c)中で溶融浴中へ注入された酸素含有ガスが、空気又は酸素に富む空気である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 工程(c)が、空気又は酸素に富む空気を容器中に800〜1400℃の温度で200〜600m/秒の速度で少なくとも1本の酸素ガス注入ランスを通って注入し、前記ランスの下方端部の所のそのランスから離れた領域内に膨張した溶融浴領域を発生させ、前記膨張した溶融浴領域中の溶融材料の濃度よりも低い溶融材料濃度を有する「自由」空間を前記ランスの下方端部の周りに形成することを含み;前記ランスが、(i)前記ランスの中心軸が水平軸に対し20〜90°の角度になっており、(ii)前記ランスが、前記ランスの下方端の少なくとも外径に相当する距離、容器中へ伸びており、そして(iii)前記ランスの下方端が、そのランスの下方端の外径の少なくとも3倍、溶融浴の静止表面より上にあるように配置されている;請求項10に記載の方法。
  12. 工程(c)が、酸素含有ガスを容器中に渦巻き運動状に注入することを含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 溶融鉄中に溶解した炭素の量が少なくとも3重量%になるように制御し、スラグ中に6重量%未満、一層好ましくは5重量%未満のFeO含有量を与える強還元状態にスラグを維持することを含む、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 溶融材料を、膨張した溶融浴領域より上の頂部空間中へ放出させることを含む、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 工程(c)が、後燃焼を:
    Figure 0005112593
    式中、 [CO 2 ]=排気ガス中のCO 2 の体積%
    [H 2 O]=排気ガス中のH 2 Oの体積%
    [CO] =排気ガス中のCOの体積%
    [H 2 ] =排気ガス中のH 2 の体積%
    として定義して、後燃焼のレベルが少なくとも40%になるように燃焼性ガスを後燃焼することを含む、請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
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