JP5109406B2 - 引戸用ブレーキ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、引戸の閉方向への移動時に制動力を付与する引戸用ブレーキ装置の改良に関するものである。
引戸の閉方向への移動時に制動力を付与する従来の引戸用ブレーキ装置として、引戸の上端面に上方へ突出する係合ピンを設け、開口部の上側開口縁に取り付けられたガイドレールの摺動凹部の長手方向の一端部に引戸クローザを取り付け、該引戸クローザには、引戸開閉方向へスライドするスライダ、該スライダを引戸閉方向へ付勢するコイルスプリング、前記スライダに取り付けられて引戸開閉方向に延びるラック、該ラックに噛合するピニオンを備えたロータリーダンパ、及び、前記係合ピンを引き込むフック体等が備えられ、引戸を閉じる途中において、引戸の係合ピンが引戸クローザのフック体により引き込まれ、コイルスプリングの付勢力により引戸を閉止する際にロータリーダンパの緩衝作用により制動するものもの(例えば、特許文献1参照。)、鴨居の案内溝に装着され、摩擦面となるほぼ平行な2面を具備し、引戸の移動方向に沿った長手部材にて形成された制動部材、及び、引戸の上部に装着され、制動部材との当接摺動の際の摩擦抵抗力によって、引戸の閉方向への移動時には摺動部材間の間隔が狭くなるようにずれ、引戸の開方向への移動時には摺動部材間の間隔が広くなるようにずれるよう構成された当接部材とを備えてなり、引戸を閉じる際に摩擦抵抗力を増大させて制動するもの(例えば、特許文献2参照。)等がある。
特開2005−201344号公報(図1−12) 特許第3423180号公報(図1−7)
特許文献1の構成では、コイルスプリングの付勢力により引戸を確実に閉止することができるが、ロータリーダンパのみの緩衝作用により制動するものであるため、引戸の重量が大きい場合には十分な制動力を確保することができない。その上、引戸を閉方向へ勢いよく移動させると、引戸の側端縁が開口部の側端縁にぶつかって騒音が発生することや、引戸又は開口部の側端縁に損傷が発生する場合がある。
特許文献2の構成では、引戸を閉方向へ勢いよく移動させた場合に大きな制動力が作用するため、前記騒音又は引戸若しくは開口部側端縁の損傷の発生を無くすことが可能であるが、引戸を確実に自動閉止することができないものである。したがって、前記摩擦抵抗力による引戸用ブレーキ装置が作動した後においても引戸を手動で閉める必要があり、このような操作は煩わしいものであるし、引戸を完全に閉めることを忘れた際には、該引戸が設けられた室内の空調エネルギー消費が増大する。
その上、特許文献2の構成は、当接部材が断面L字状に形成された2つの板状部材からなり、板状部材の垂直部分に設けた摺動部材を対向配置させると共に、水平部分を重ね合わせて配置し、水平部分には引戸の移動方向に対して斜め方向に形成した貫通孔を、水平部分を重ねた状態で互いにクロスするように形成して、両貫通孔に遊嵌させた取付ネジを設けており、取付ネジ及び貫通孔が板状部材がずれる際のガイドであるため、該ガイドに沿ってずれる板状部材の動作が安定しない場合があり、前記摩擦抵抗力を発生させる動作の信頼性が低いものである。その上さらに、摩擦力の調整を断面コ字状の調整部材の長手方向の2箇所の取付ネジを締め込むことにより行うものであるため、調整作業が容易ではないとともに調整用の取付ネジが緩みやすく長期わたって安定した摩擦力を発生させることができない。
そこで、本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、引戸を閉方向へ勢いよく移動させた場合であっても、騒音や損傷が発生することがなく、引戸を確実に自動閉止することができ、その制動の信頼性が高く、摩擦力の調整を容易に行うことができる引戸用ブレーキ装置を提供する点にある。
本発明に係る引戸用ブレーキ装置は、前記課題解決のために、引戸の上部が係合する開口部上側の枠体又は引戸の上面に取り付けられるケースと、該ケースに引戸の開閉方向にスライド可能に支持され、その長手方向にラック及び摩擦面が形成されたスライダと、前記ケース及びスライダに連結され、引戸を閉じる際に前記スライダが移動する方向に前記ケースに対して前記スライダを付勢する引張コイルばねと、前記スライダのラックに係合するピニオンを有し、引戸を閉じる際に前記スライダが移動する方向に作用する一方向回転ダンパと、前記スライダの摩擦面と摺動する摺動部が形成され、引戸を閉じる際に前記スライダが移動する方向に行くにしたがって前記摩擦面に近づく方向に斜めに平行移動可能に支持され、前記摺動部が前記摩擦面に近づく方向に弾性体により付勢された可動ブレーキ片と、前記スライダにより垂直軸まわりに揺動可能に支持され、引戸面に略直交する水平方向に開口する凹部が形成された平面視略コ字状の揺動部材とを備え、前記可動ブレーキ片と固定側部材との間に少なくとも2個のローラを介在させ、前記可動ブレーキ片の平行移動に伴って前記ローラが転動するものであり、前記揺動部材の掛止片を前記ケース内面に設けられた掛止部に掛止させ、前記引張コイルばねが伸長した状態で保持された待機状態、及び、前記掛止部への前記掛止片の掛止を解除した作動状態をとることが可能な引戸用ブレーキ装置であって、前記待機状態で引戸を閉方向へ移動させた際には、引戸の上面又は上枠の下面から突出する駆動部材が前記揺動部材に当接してその凹部に係合し、前記揺動部材が揺動して前記作動状態となり、前記一方向回転ダンパ及び可動ブレーキ片又は前記一方向回転ダンパによる制動力を受けながら、前記引張コイルばねにより引戸が閉方向へ付勢されて閉状態となり、該閉状態から引戸を開方向へ移動させた際には、前記駆動部材により前記揺動部材が揺動し、前記駆動部材と前記揺動部材の凹部との係合が解除されて前記待機状態に復帰するものである。
また、前記可動ブレーキ片の摺動部が、引戸を閉じる際に前記スライダが移動する方向に行くにしたがって、前記スライダの摩擦面に近づく斜面と遠ざかる斜面とからなる山形凸部の稜線であると好ましい。
さらに、前記弾性体の弾性変形量を段階的に調整することにより前記可動ブレーキ片が前記摩擦面に作用する摩擦力を調整する摩擦力調整手段を設けてなると好ましい。
本発明に係る引戸用ブレーキ装置によれば、引戸の上部が係合する開口部上側の枠体又は引戸の上面に取り付けられるケースと、該ケースに引戸の開閉方向にスライド可能に支持され、その長手方向にラック及び摩擦面が形成されたスライダと、前記ケース及びスライダに連結され、引戸を閉じる際に前記スライダが移動する方向に前記ケースに対して前記スライダを付勢する引張コイルばねと、前記スライダのラックに係合するピニオンを有し、引戸を閉じる際に前記スライダが移動する方向に作用する一方向回転ダンパと、前記スライダの摩擦面と摺動する摺動部が形成され、引戸を閉じる際に前記スライダが移動する方向に行くにしたがって前記摩擦面に近づく方向に斜めに平行移動可能に支持され、前記摺動部が前記摩擦面に近づく方向に弾性体により付勢された可動ブレーキ片と、前記スライダにより垂直軸まわりに揺動可能に支持され、引戸面に略直交する水平方向に開口する凹部が形成された平面視略コ字状の揺動部材とを備え、前記可動ブレーキ片と固定側部材との間に少なくとも2個のローラを介在させ、前記可動ブレーキ片の平行移動に伴って前記ローラが転動するものであり、前記揺動部材の掛止片を前記ケース内面に設けられた掛止部に掛止させ、前記引張コイルばねが伸長した状態で保持された待機状態、及び、前記掛止部への前記掛止片の掛止を解除した作動状態をとることが可能な引戸用ブレーキ装置であって、前記待機状態で引戸を閉方向へ移動させた際には、引戸の上面又は上枠の下面から突出する駆動部材が前記揺動部材に当接してその凹部に係合し、前記揺動部材が揺動して前記作動状態となり、前記一方向回転ダンパ及び可動ブレーキ片又は前記一方向回転ダンパによる制動力を受けながら、前記引張コイルばねにより引戸が閉方向へ付勢されて閉状態となり、該閉状態から引戸を開方向へ移動させた際には、前記駆動部材により前記揺動部材が揺動し、前記駆動部材と前記揺動部材の凹部との係合が解除されて前記待機状態に復帰するので、揺動部材の凹部に係合した駆動部材が引張コイルばねの付勢力により引き込まれて引戸が閉じられる際に、引戸の移動速度が小さい場合には、一方向回転ダンパの制動力により騒音を発生することなく静かに引戸を自動閉止することができる。また、引戸の移動速度が大きい場合(引戸を閉方向へ勢いよく移動させた場合)には、可動ブレーキ片の摺動部がスライダの摩擦面に摺動する摩擦力により大きな制動力が働くため騒音や損傷が発生することがない。その上、引戸の移動速度が減速されると摩擦力による制動力が小さくなるため、この場合においても引張コイルばねの付勢力により引戸を自動閉止することができる。その上さらに、一方向回転ダンパと可動ブレーキ片とを、スライダにラック及び摩擦面を形成して同一ケース内に収容した簡素かつコンパクトな構成により、設置上の制約を少なくすることができる。したがって、一方向回転ダンパと可動ブレーキ片との制動力を併用できる構成を収容し一体化したケースを、引戸の上部が係合する開口部上側の枠体又は引戸の上面に取り付けても目立つことがなく、違和感及び圧迫感等を与えることがない。
また、前記可動ブレーキ片と固定側部材との間に少なくとも2個のローラを介在させ、前記可動ブレーキ片の平行移動に伴って前記ローラが転動するので、ローラの転動により可動ブレーキ片が軽快に平行移動するため、スライダの摩擦面に可動ブレーキ片の摺動部が摺動する摩擦力による制動の信頼性、及び、可動ブレーキ片により引戸の移動速度が減速された後の引張コイルばねの付勢力による引戸の自動閉止の信頼性が向上する。その上、引戸を開ける際にも可動ブレーキ片が操作を妨げることがない。
さらに、前記可動ブレーキ片の摺動部が、引戸を閉じる際に前記スライダが移動する方向に行くにしたがって、前記スライダの摩擦面に近づく斜面と遠ざかる斜面とからなる山形凸部の稜線であると、摺動部と摩擦面との接触圧力が高くなるため、可動ブレーキ片による制動力がより安定かつ確実なものとなる。その上、待機状態において、可動ブレーキ片の引戸を閉じる際にスライダが移動する方向に行くにしたがって摩擦面に近づく斜面に、スライダの摩擦面の端部を当接させた状態とすれば、作動状態となった際に該斜面を前記端部が押しながら移動するため、可動ブレーキ片を付勢する弾性体の弾性変形量が徐々に増大し、可動ブレーキ片による摩擦力が作用する場合の摩擦力も徐々に増大する。したがって、可動ブレーキ片の摩擦力による制動力が引戸に円滑に作用するため、制動時の衝撃を緩和することができる。
さらにまた、前記弾性体の弾性変形量を段階的に調整することにより前記可動ブレーキ片が前記摩擦面に作用する摩擦力を調整する摩擦力調整手段を設けてなると、前記効果に加え、可動ブレーキ片による摩擦力を摩擦力調整手段によりワンタッチで段階的に変更することができるため、前記摩擦力の調整作業が容易になる。
次に本発明の実施の形態を添付図面に基づき詳細に説明するが、本発明は、添付図面に示された形態に限定されず特許請求の範囲に記載の要件を満たす実施形態の全てを含むものである。なお、本明細書においては、引戸SDを閉じた状態を閉状態CL、引戸SDを開いた状態を開状態OP、引戸を閉じる方向を閉方向又は後方(図1中の矢印A参照。)、引戸SDを開く方向を開方向又は前方(図1中の矢印B参照。)、前方に向かって左右を左右とし、左から見た図を正面図とする。
図1は、本発明の実施の形態に係る引戸用ブレーキ装置が用いられた引戸の例を示す縦断正面図である。また、図2〜図7は、本発明の実施の形態に係る引戸用ブレーキ装置の構成を示す説明図であり、図2(a)は引戸用ブレーキ装置の待機状態WT(開状態OP)における横断平面図、図2(b)は引戸用ブレーキ装置の作動状態DR(閉状態CL)における横断平面図、図3(a)は図2(b)の矢視I−I断面図、図3(b)は図2(b)の矢視II−II断面図、図3(c)は図2(b)の矢視III−III断面図、図3(d)は図2(b)の矢視IV−IV断面図、図4及び図5は分解斜視図、図6(a)及び図7(a)は待機状態WT(開状態OP)における要部拡大横断平面図、図6(b)及び図7(b)は作動状態DR(閉状態CL)における要部拡大横断平面図である。
図1に示すように、木製又はアルミニウム合金製等の引戸SDは、その下部には図示しない戸車が装着され、開口部Sの上側の壁W下面に取り付けられた上枠F及び開口部Sの下側の壁W上面に取り付けられた図示しない下枠に沿って、引戸開閉方向(開方向を示す図1中の矢印B及び閉方向を示す図1中の矢印A参照。)にスライド可能となっており、該引戸SDにより壁Wの開口部Sを開閉することができる。
本発明の実施の形態に係る引戸用ブレーキ装置は、引戸SDの上部が係合する上枠(開口部S上側の枠体)Fに取り付けられるケース1,2内に機能部品が収容された一体型のものであり、図3(b)及び図4に示すように、下ケース1の掛止段部1A,…に上ケース2の掛止爪2A,…を係合させることにより、ケース1,2が容易に一体化され、この状態のケース1,2を取付穴28,29,30(図4参照。)を利用して、取付ねじ41,42(図1参照。)により上枠Fに容易に取り付けて使用することができる。また、図2)、図3(a)及び図4に示すように、下ケース1の前端部には、引戸SDの上面から突出する駆動部材であるピン40が通るスリット27が形成される。
図2に示すように、ケース1,2内には、前記機能部品として、前後方向にスライドするスライダ3、スライダ3の前端部に垂直軸まわりに揺動可能に取り付けられた揺動部材6、スライダ3を後方へ付勢する上下2本の引張コイルばね9,9(図4も参照。)、スライダ3が後方へ移動する際に制動力を付与する一方向回転ダンパであるロータリーダンパ10及び摩擦ブレーキである可動ブレーキ片11等が配設される。
また、図1、図2(a)及び図4に示すように、揺動部材6の基体7上下面から上下に突出する、掛止片である突軸7D,7Dを下ケース1及び上ケース2の内面に形成された掛止部31A,32Aに掛止し、引張コイルばね9を伸長した状態で保持した待機状態WTにおいて、引戸SDの開状態OPから引戸SDを閉方向(図1中の矢印A参照。)へ移動させると、引戸SDの上面から突出するピン40が揺動部材6に当接して該揺動部材6を垂直支軸6Aまわりに揺動させるため、掛止部31A,32Aへの突軸7D,7Dの掛止が解除され作動状態DRとなる。この作動状態DRでは、揺動部材6の凹部にピン40が係合しており、ピン40が引張コイルばね9の復元力により引き込まれるため、引戸SDは閉方向へ付勢される。引戸SDの閉方向への移動時において、スライダ3には、その移動速度に応じて、後述するようにロータリーダンパ10及び可動ブレーキ片11による制動力又はロータリーダンパ10による制動力が作用し、引戸SDはこの制動力を受けながら引張コイルばね9により付勢されて閉状態CLとなる(図1及び図2(b)参照。)。
次に、各部の詳細について説明する。先ず、スライダ3及び揺動部材6の詳細について説明する。図4に示すように、スライダ3は、前後方向に長く、その長手方向の前側左面にラック4Aが、後側左面に摩擦面4Bが形成されたスライダ本体4と、スライダ本体4の前面から前方へ突出する連結片4Cが係合する連結穴5Aが形成された連結体5とからなる。また、揺動部材6は、垂直支軸であるピン6Aを丸穴7B及び連結体5の丸穴5Bに挿通することにより連結体5(スライダ3)により垂直軸まわりに揺動可能に支持される基体7と、基体7の前側において略左方に開口する凹部7Cに内嵌し圧縮コイルばね8Aにより略左右方向にスライド可能に弾性支持されるスライド爪8とからなり、スライド爪8と基体7の後側において左方に突出する爪部7Aとの間には、略左方(引戸SD面に略直交する水平方向)に開口する凹部が形成される。
図3(a)、図4及び図6に示すように、スライダ3の左側面が下ケース1上面から上側へ突出して前後に延びるガイド片33及び上ケース2下面から下側へ突出して前後に延びるガイド片34によりガイドされ、スライダ3の右側面が下ケース1及び上ケース2の右内側面によりガイドされるため、スライダ3はケース1,2により引戸SDの開閉方向にスライド可能に支持される。また、揺動部材6の基体7の上下の突軸7D,7D(掛止片)が下ケース1上面の前後方向に延びるガイド溝31及び上ケース2下面の前後方向に延びるガイド溝32にガイドされるため、前記作動状態DRでは揺動部材6の凹部にピン40が係合した状態が保持され、ピン40(引戸SD)及び揺動部材6(スライダ3)は一体となって閉方向へ移動する。
次に、スライダ3を後方へ付勢する引張コイルばね9及びその張力調整手段23の詳細について説明する。図2及び図4に示すように、上下2本の引張コイルばね9,9の前端の端末9A,9Aがスライダ3の連結体5の上下のばね掛け5C,5Cに掛止され、引張コイルばね9,9の後端の端末9B,9Bが下ケース1の後端部に位置する端末部材22の上下のばね掛け22A,22Aに掛止されるため、引張コイルばね9,9はスライダ3及び下ケース1に連結される。そして、前記のとおり待機状態WTでは引張コイルばね9,9は伸張し弾性変形しているため、作動状態DRでは、引張コイルばね9,9の復元力によりスライダ3は後方(閉方向)へ付勢される。このように比較的長さの長い、引き込み用の引張コイルばね9を2本使用しているため、ばねのへたりが少なく、長期間にわたって確実な引き込み力を維持することができる。
また、端末部材22には、引張コイルばね9,9の張力を調整するための張力調整手段23が接続されている。すなわち、張力調整手段23は、端末部材22に連結固定され、端末部材22から後方に延びる雄ねじ24、雄ねじ24に螺合する雌ねじが中心に形成されたウォームホイール25、ウォームホイール25に噛合するウォーム26とからなり、ウォーム26は下ケース1に形成された上下の丸穴を形成する周壁37により支持され、ウォームホイール25は下ケース1に形成された周壁37の左端部前後から左方に延びる前後のガイド片38,38及び下ケース1の左内側面に形成されたガイド溝39により支持される。したがって、下ケース1の下側からウォーム26に形成されたスポーク状の操作部材26Aをドライバー等の工具により操作してウォーム26を垂直軸まわりに回転させることにより、ウォームホイール25が前後方向軸まわりに回転し、ウォームホイール25の雌ねじに螺合する雄ねじ24及び端末部材22が前後方向に移動するため、前記待機状態WTにおける引張コイルばね9,9の弾性変形量を容易に変化させることができる。よって、引張コイルばね9,9の張力(引き込み力)を容易に調整することができる。
次に、スライダ3に制動力を付与する一方向回転ダンパであるロータリーダンパ10の詳細について説明する。図2、図3(b)、図4及び図6に示すように、スライダ本体4のラック4Aには、下ケース1上面の位置決め凹部35に内嵌され位置決め固定された、一方向回転ダンパであるロータリーダンパ10のピニオン10Aが噛合するため、該ロータリーダンパ10の緩衝作用により、スライダ3には後方へ移動する際に制動力が付与される。ここで、ロータリーダンパ10は、例えばオイルダンパであり、無限角ダンパであるが、ワンウェイ機構を内蔵しており、スライダ3が後方へ移動する方向(引戸SDを閉じる際にスライダ3が移動する方向)に対してダンパとして作用し、スライダ3が前方へ移動する方向(引戸SDを開ける際にスライダ3が移動する方向)に対してはピニオン10Aがフリー回転してダンパとして作用しない。また、ラック4A及びピニオン10Aはいずれも合成樹脂製であるため相対移動する際の動作音(噛み合い音)が小さく、金属同士の歯車が噛み合う場合のような騒音を発生することがない。
次に、スライダ3に制動力を付与する可動ブレーキ片11の詳細について説明する。図2、図3(d)、図4、図5及び図7に示すように、可動ブレーキ片11は、合成樹脂製の可動ピース12、及び、可動ピース12の前後の段部12B,12Bに添う前後の折曲部を有し、可動ピース12の右側面に当接した状態で保持される金属製のブレーキ板13からなり、ブレーキ板13の右側面にはスライダ3の摩擦面4Bと摺動する摺動部13Aが形成されている。可動ピース12の左側面には、後方に行くにしたがって右方に近づく(引戸SDを閉じる際にスライダ3が移動する方向に行くにしたがって摩擦面4Bに近づく)前後の平行な傾斜溝12A,12Aが形成されており、該傾斜溝12A,12A内には、それぞれ合成樹脂製のリテーナ15の前後の円筒状支持面15A,15Aにより支持され、該リテーナ15により保持された金属製の垂直ローラ16が、傾斜溝12Aの側面に添って転動可能な状態で配設される。なお、垂直ローラ16,…の個数は2個に限定されるものではなく、3個以上であってもよい。
また、ケース1,2内で移動不能に支持される金属製の受け部材14には、スライダ3及び可動ブレーキ片11を跨ぐように、略水平な上板、該上板の右端から垂下し前後方向に延びる垂下板14B、及び、前記上板の左端から垂下し前記傾斜溝12A,12Aと略平行な傾斜板14A,14Aが形成される。そして、前記垂直ローラ16,16は傾斜板14A,14Aの右側面に添って転動可能であるため、可動ブレーキ片11は、垂直ローラ16,16を介して受け部材14に支持され、後方に行くにしたがって右方に近づく(引戸SDを閉じる際にスライダ3が移動する方向に行くにしたがって摩擦面4Bに近づく)方向に斜めに平行移動可能とされる。このような可動ブレーキ片11の平行移動に伴って垂直ローラ16,16が転動するため、可動ブレーキ片11の移動時の摩擦抵抗が小さく、可動ブレーキ片11は軽快に平行移動する。可動ブレーキ片11が斜めに平行移動する方向は、引戸SDの移動速度が大きい場合(引戸SDを閉方向へ勢いよく移動させた場合)に、スライダ3の摩擦面4Bを介して引戸SDを効果的に制動するために、前後方向に対して5°〜20°程度とするのが好ましい。
また、可動ブレーキ片11は、その前端面が弾性体である圧縮コイルばね19により後方へ付勢されるため、前記ブレーキ板13の摺動部13Aが前記スライダ3の摩擦面4Bに近づく方向に付勢される。なお、前記摺動部13Aを前記摩擦面4Bに近づく方向に付勢する弾性体は、圧縮コイルばね19に限定されるものではなく、可動ブレーキ片11の後端を後側に引っ張る引張コイルばねであってもよいし、可動ブレーキ片11が移動するストロークは小さいため、ばねではなくゴム等であってもよい。
以上のような可動ブレーキ片11の構成により、前記作動状態DRで、引戸SDとともにスライダ3が閉方向へ移動している際に、引戸SD及びスライダ3の移動速度が大きい場合(引戸SDを閉方向へ勢いよく移動させた場合)には、移動速度が大きい摩擦面4Bにより、該摩擦面4Bに押圧される可動ブレーキ片11が前記摩擦面4Bに近づくように移動し、急激に増大する摩擦抵抗力によりスライダ3に大きな制動力が作用し、引戸SDにも大きな制動力が作用するため、引戸SDの側端縁Cが開口部S(壁W)の側端縁D(図1参照。)にぶつかって騒音が発生することや、引戸SD又は開口部S(壁W)の側端縁C,Dに損傷が発生することがない。その上、引戸SD及びスライダ3の移動速度が減速されると可動ブレーキ片11の摩擦力による制動力が小さくなるため、引張コイルばね9,9の付勢力により引戸SDを自動閉止することができる。このようにして、引戸SD及びスライダ3の移動速度が大きい場合には、ロータリーダンパ10及び可動ブレーキ片11による制動力が作用する。なお、引戸SD及びスライダ3の移動速度が小さい場合には、可動ブレーキ片11による制動力がスライダ3(引戸SD)に作用しないが、この場合には前記ロータリーダンパ10の制動力の作用により、騒音を発生することなく静かに、引戸SDを自動閉止することができる。
また、図5及び図7に示すように、可動ブレーキ片11のブレーキ板13の摺動部13Aは、平面視において、後方に行くにしたがって右方に近づく(引戸SDを閉じる際にスライダ3が移動する方向に行くにしたがって、スライダ3の摩擦面4Bに近づく)斜面13Bと、後方に行くにしたがって左方に近づく(引戸SDを閉じる際にスライダ3が移動する方向に行くにしたがって、スライダ3の摩擦面4Bにから遠ざかる)斜面13Cとからなる山形凸部の稜線であり、摺動部13Aと摩擦面4Bとの接触圧力が高くなるため、可動ブレーキ片11による制動力がより安定かつ確実なものとなる。その上、図7(a)に示すように、前記待機状態WTにおいて、前記斜面13Bにスライダ3の摩擦面4Bの端部を当接させた状態とすれば、前記待機状態WTから前記作動状態DRとなった際に前記斜面13Bを前記端部が押しながら移動するため、可動ブレーキ片11を付勢する圧縮コイルばね19の弾性変形量が徐々に増大し、可動ブレーキ片11による摩擦力が作用する場合の摩擦力も徐々に増大する。したがって、可動ブレーキ片11の摩擦力による制動力がスライダ3及び引戸SDに円滑に作用するため、引戸SDを制動する際の衝撃を緩和することができる。
さらに、可動ブレーキ片11と固定側部材である受け部材14の傾斜板14A,14Aとの間に少なくとも2個の垂直ローラ16,…を介在させ、これらローラ16,…の転動により可動ブレーキ片11を平行移動させているため、前記のとおり可動ブレーキ片11が軽快に平行移動し、スライダ3の摩擦面4Bに可動ブレーキ片11の摺動部13Aが摺動する摩擦力による制動の信頼性、及び、可動ブレーキ片11により引戸SDの移動速度が減速された後の引張コイルばね9,9の付勢力による引戸SDの自動閉止の信頼性が向上する。その上、可動ブレーキ片11が軽快に動くことから、引戸SDを開ける際に、可動ブレーキ片11が引戸SDを開ける操作を妨げることがない。その上、前記のとおり、例えばスライダ3の摩擦面4Bが合成樹脂であり、可動ブレーキ片11の摺動部13A(ブレーキ板13)が金属であるため、摺動時の音が小さいとともに、材質が異なることから焼付きを抑制することができる。
次に、可動ブレーキ片11が摩擦面4Bに作用する摩擦力を調整する摩擦力調整手段17の詳細について説明する。図3(c)、図4及び図6に示すように、合成樹脂製の基体18上面のガイド溝18B内には上ケース2の下面から垂下し前後に延びるガイド片36,36が係合するため(図3(c)参照。)、後方に開口するばね受け穴18Aが形成された基体18は前後方向にスライド可能とされる。また、後端に左右方向外側に突出する係合凸部20B,20Bが形成され、後方に延びる片持ち形状の左右の係合片20A,20Aを有する、合成樹脂製の係合部材20が基体18の下側に設けられるとともに、下ケース1の係合穴21の左右内側面には前記係合凸部20B,20Bが係合する係合凹部21A,21Aが前後方向に複数設けられている。したがって、ばね受け穴18A内に前記圧縮コイルばね19を収容した基体18は、その下側の係合部材20を下ケース1の係合穴21に挿入し、係合片20A,20Aの係合凸部20B,20Bを係合凹部21A,21Aの適宜位置に係合させた状態で前後方向の位置決めがされる。
係合片20A,20Aは、前記のとおり合成樹脂製であるとともに片持ち形状であるため、その自由端である後端は比較的容易に左右方向に弾性変形する。したがって、係合部材20の前端部に形成されている下方に開口する円筒穴状の凹部20C内へドライバー等の工具を挿入して前後方向に操作することにより、係合凸部20B,20Bと係合凹部21A,21Aとの前後方向の係合位置を容易に変更することができる。例えば本実施の形態においては、前記係合位置を4段階に変更することができる。よって、このような簡単に操作可能な摩擦力調整手段17によれば、可動ブレーキ片11の前端面を押圧して後方へ付勢する圧縮コイルばね19の弾性変形量をワンタッチで段階的に変更することができるため、可動ブレーキ片11による摩擦力の調整作業を容易に行うことができる。
次に、図1及び図2を用いて、引戸用ブレーキ装置が用いられた引戸SDの動作について説明する。先ず、引戸SDを閉じる動作について説明する。引戸SDが開状態OPで、引戸SDの上面から突出するピン40が引戸ブレーキ装置の揺動部材6よりも前側である場合(引戸SDの側端縁Cが開口部S(壁W)の側端縁Dから図1中の距離L(例えば50mm程度)よりも離れている場合)には、ピン40が引戸用ブレーキ装置に引き込まれていないため、引戸SDを操作して開閉方向に軽快に移動させることができる。この状態から引戸SDを操作して閉方向(図1中の矢印A参照。)へ移動させると、ピン40が前記待機状態WTの引戸用ブレーキ装置の揺動部材6に当接し、該揺動部材6の前記凹部に係合するとともに、揺動部材6が揺動して前記作動状態DRとなる。したがって、ピン40が引戸用ブレーキ装置に引き込まれ、前記のとおり、引戸SDはロータリーダンパ10及び可動ブレーキ片11による制動力又はロータリーダンパ10による制動力を受けながら、引張コイルばね9,9により閉方向へ付勢されて閉状態CLとなる。
次に、引戸SDを開く動作について説明する。引戸SDの閉状態CLにおいて、引戸SDを開方向(図1中の矢印B参照。)へ移動させると、この移動方向に対しては前記のとおりロータリーダンパ10及び可動ブレーキ片11は作用しないため、引戸SDのピン40が係合している揺動部材6を介して引張コイルばね9,9を伸張させながら引戸SDを操作することになる。前記ケース1,2の前後方向に延びるガイド溝31,32の前端部は右方に屈曲しており前記掛止部31A,32Aが形成されているため(図2(b)参照。)、引戸SDのピン40とともに開方向へ移動した揺動部材6は、引戸SDの側端縁Cが開口部S(壁W)の側端縁Dから図1中の距離L離間した位置で、ピン40によりスライド爪8の後面が押されて垂直支軸6Aまわりに揺動し、ピン40と揺動部材6の前記凹部との係合が解除されるとともに、揺動部材6の掛止片である突軸7D,7Dが前記掛止部31A,32Aに掛止され、前記待機状態WTに復帰する。
前記のとおり引戸SD閉状態CLから引戸を開方向へ移動させる際に、引張コイルばね9,9を伸張させながらその復元力による閉方向への付勢力に抗して引戸SDを操作する必要があるが、引張コイルばね9,9の長さをなるべく長くしてばね定数をなるべく小さくしていること、図1の引き込み距離L(閉状態CLから引戸SDを開方向へ移動させて引戸用ブレーキ装置を待機状態WTとするための引戸SDの移動距離)を前記のとおり50mm程度と短く設定していることから、引戸SDを開ける際に重くなり過ぎることはなく、比較的軽快に操作することができる。
次に揺動部材6における、基体7の前側において略左右方向にスライド可能に弾性支持されたスライド爪8の動作について説明する。スライド爪8の前面には、例えば図6(b)に示すように傾斜面8Bが形成されているため、例えば、引戸SDが開いて揺動部材6の前記凹部に駆動部材であるピン40が係合していない前記待機状態WTで、不意に前記作動状態DRとなった場合においても、引戸SDを閉じれば、ピン40がスライド爪8の傾斜面8Bに当接して該スライド爪8を圧縮コイルばね8Aを圧縮するように右方へ移動させ、ピン40がスライド爪8を乗り越える。このようにピン40がスライド爪8と基体7の爪部7Aとの間に位置した状態では、スライド爪8が圧縮コイルばね8Aの付勢力により左方へ復帰するため、揺動部材6の前記凹部にピン40が係合した正常な状態(図6(b)に示す状態)に復帰する。
以上の説明においては、上枠Fに引戸用ブレーキ装置を取り付け、引戸SDの上面に駆動部材であるピン40を突設する場合について説明したが、上枠Fに駆動部材であるピンを40突設し、引戸SDの上部に収容部を設けて引戸用ブレーキ装置を取り付けてもよい。このように引戸SD側に引戸用ブレーキ装置を取り付ける場合は、例えば図1において引戸用ブレーキ装置の上下及び前後を逆にするようにすればよい。すなわち、下ケース1が上側に上ケース2が下側になるようにした状態で、引戸SDの後側端部上面に、引戸SDの側端縁Cの方向(閉方向A)にスリット27が向くように引戸用ブレーキ装置を取り付ければよい。
本発明の実施の形態に係る引戸用ブレーキ装置が用いられた引戸の例を示す縦断正面図である。 本発明の実施の形態に係る引戸用ブレーキ装置の横断平面図であり、(a)は待機状態WT(開状態OP)を、(b)は作動状態DR(閉状態CL)を示している。 同じく断面図であり、(a)は図2(b)の矢視I−I断面を、(b)は図2(b)の矢視II−II断面を、(c)は図2(b)の矢視III−III断面を、(d)は図2(b)の矢視IV−IV断面を示している。 同じく分解斜視図である。 可動ブレーキ片及びその周りの部品の分解斜視図である。 本発明の実施の形態に係る引戸用ブレーキ装置の要部拡大横断平面図であり、(a)は待機状態WT(開状態OP)を、(b)は作動状態DR(閉状態CL)を示している。 同じく要部拡大横断平面図であり、(a)は待機状態WT(開状態OP)を、(b)は作動状態DR(閉状態CL)を示している。
符号の説明
A 閉方向
B 開方向
F 枠体
DR 作動状態
WT 待機状態
CL 閉状態
OP 開状態
S 開口部
SD 引戸
W 壁
1 下ケース
2 上ケース
3 スライダ
4 スライダ本体
4A ラック
4B 摩擦面
5 連結体
6 揺動部材
6A ピン(垂直支軸)
7 基体
7A 爪部
7D 突軸(掛止片)
8 スライド爪
9 引張コイルばね
10 ロータリーダンパ(一方向回転ダンパ)
10A ピニオン
11 可動ブレーキ片
12 可動ピース
13 ブレーキ板
13A 摺動部
13B,13C 斜面
14 受け部材(固定側部材)
14A 傾斜板
15 リテーナ
16 垂直ローラ
17 摩擦力調整手段
18 基体
18A ばね受け穴
19 圧縮コイルばね(弾性体)
20 係合部材
20A 係合片
20B 係合凸部
20C 凹部
21 係合穴
21A 係合凹部
27 スリット
31A,32A 掛止部
40 ピン(駆動部材)

Claims (3)

  1. 引戸の上部が係合する開口部上側の枠体又は引戸の上面に取り付けられるケースと、
    該ケースに引戸の開閉方向にスライド可能に支持され、その長手方向にラック及び摩擦面が形成されたスライダと、
    前記ケース及びスライダに連結され、引戸を閉じる際に前記スライダが移動する方向に前記ケースに対して前記スライダを付勢する引張コイルばねと、
    前記スライダのラックに係合するピニオンを有し、引戸を閉じる際に前記スライダが移動する方向に作用する一方向回転ダンパと、
    前記スライダの摩擦面と摺動する摺動部が形成され、引戸を閉じる際に前記スライダが移動する方向に行くにしたがって前記摩擦面に近づく方向に斜めに平行移動可能に支持され、前記摺動部が前記摩擦面に近づく方向に弾性体により付勢された可動ブレーキ片と、
    前記スライダにより垂直軸まわりに揺動可能に支持され、引戸面に略直交する水平方向に開口する凹部が形成された平面視略コ字状の揺動部材とを備え、
    前記可動ブレーキ片と固定側部材との間に少なくとも2個のローラを介在させ、前記可動ブレーキ片の平行移動に伴って前記ローラが転動するものであり、
    前記揺動部材の掛止片を前記ケース内面に設けられた掛止部に掛止させ、前記引張コイルばねが伸長した状態で保持された待機状態、及び、前記掛止部への前記掛止片の掛止を解除した作動状態をとることが可能な引戸用ブレーキ装置であって、
    前記待機状態で引戸を閉方向へ移動させた際には、引戸の上面又は上枠の下面から突出する駆動部材が前記揺動部材に当接してその凹部に係合し、前記揺動部材が揺動して前記作動状態となり、前記一方向回転ダンパ及び可動ブレーキ片又は前記一方向回転ダンパによる制動力を受けながら、前記引張コイルばねにより引戸が閉方向へ付勢されて閉状態となり、該閉状態から引戸を開方向へ移動させた際には、前記駆動部材により前記揺動部材が揺動し、前記駆動部材と前記揺動部材の凹部との係合が解除されて前記待機状態に復帰する引戸用ブレーキ装置。
  2. 前記可動ブレーキ片の摺動部が、引戸を閉じる際に前記スライダが移動する方向に行くにしたがって、前記スライダの摩擦面に近づく斜面と遠ざかる斜面とからなる山形凸部の稜線である請求項1記載の引戸用ブレーキ装置。
  3. 前記弾性体の弾性変形量を段階的に調整することにより前記可動ブレーキ片が前記摩擦面に作用する摩擦力を調整する摩擦力調整手段を設けてなる請求項1記載の引戸用ブレーキ装置。
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