JP5107147B2 - 生体磁気計測装置及び脳磁計 - Google Patents

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Description

本発明は、生体磁気計測装置及び脳磁計に関するものである。
従来、このような分野の技術として、下記特許文献1に記載の磁場計測装置が知られている。この磁場計測装置は、生体から発生する磁場を検出するSQUIDセンサと、このSQUIDセンサを取り囲む磁気シールドルームと、磁気シールドルーム内に侵入した外部磁場をキャンセルするキャンセルコイルとを備えている。この磁場計測装置は、SQUIDセンサ付近に侵入した外部磁場をキャンセルするような磁場を、キャンセルコイルにより発生させることで、外部磁場の影響を極力排除した状態でSQUIDセンサによる磁場検出を可能とすべく提案されたものである。
特開2001−95771号公報
しかしながら、この種の磁気シールドルームは、外部磁場の遮蔽性能があまり高いものではなく、磁気シールドルーム内には、外部磁場に起因するランダムなベクトルをもつ磁場がいろいろな経路で侵入してくる。そして、このようなランダムに侵入する外部磁場に追従しながらキャンセル磁場を発生させることは、キャンセルコイルの制御上困難であり、高いキャンセル性能は期待できなかった。従って、この磁場計測装置では、SQUIDセンサ付近における高い磁気シールド率を得ることが困難であった。
そこで、本発明は、SQUIDセンサ付近の高い磁気シールド率を得ることができる生体磁気計測装置及び脳磁計を提供することを目的とする。
本発明の生体磁気計測装置は、生体から発生する磁場を検出するSQUIDセンサと、SQUIDセンサを冷却するセンサ冷却手段と、SQUIDセンサを囲んで配置されSQUIDセンサを外部磁場から遮蔽する磁気シールドと、磁気シールドを冷却するシールド冷却手段と、磁気シールドの外側に位置し、SQUIDセンサの位置に漏れ入った外部磁場をキャンセルする磁場を発生させるキャンセルコイルと、を備え、磁気シールドは、超伝導体からなり、円筒形状をなし、キャンセルコイルは、磁気シールドを側面側から挟んで対向し、SQUIDセンサの位置に漏れ入った外部磁場の成分のうち磁気シールドの筒軸方向に直交する所定方向の成分をキャンセルする磁場を発生させるX軸キャンセルコイルと、磁気シールドを側面側から挟んで対向し、SQUIDセンサの位置に漏れ入った外部磁場の成分のうち所定方向と筒軸方向との双方に直交する方向の成分をキャンセルする磁場を発生させるY軸キャンセルコイルと、磁気シールドを上下に挟んで対向し、SQUIDセンサの位置に漏れ入った外部磁場の成分のうち筒軸方向に平行な方向の成分をキャンセルする磁場を発生させるZ軸キャンセルコイルとを有することを特徴とする。
この生体磁気計測装置では、SQUIDセンサを外部磁場から遮断する磁気シールドが、超伝導体からなり、かつ円筒形状をなしているので、外部磁場の侵入経路は磁気シールドの開口に限られると考えることができる。すなわち、SQUIDセンサの位置に漏れ入った外部磁場は、すべて円筒の磁気シールドの両端の開口から侵入した磁場であると考えることができる。このような円筒開口から侵入する磁場のベクトルは、ある程度理論的に予測することができるので、このような予測可能な磁場をキャンセルするためのキャンセルコイルの制御が容易になり、より正確な制御が可能になる。その結果、侵入した外部磁場のキャンセル性能を向上させることができ、SQUIDセンサ付近の磁気シールド率を高めることができる。また、磁気シールドが超伝導体でありかつ円筒形状であることから考えると、漏れ入った外部磁場のうち磁気シールドの筒軸方向に直交する成分が最も強いと考えられる。したがって、この強い成分をX軸及びY軸キャンセルコイルによってキャンセルすることで、SQUIDセンサ付近の磁気シールド率を高めることができる。
また、本発明の生体磁気計測装置は、SQUIDセンサとは別に設けられ、SQUIDセンサの位置に漏れ入った侵入外部磁場を検出する侵入磁場センサと、侵入磁場センサで検出された侵入外部磁場に基づいてキャンセルコイルで発生させる磁場を制御するキャンセルコイル制御手段と、を更に備えてもよい。この構成によれば、侵入外部磁場を検出して、当該侵入外部磁場をキャンセルするための磁場をキャンセルコイルから適切に発生することができる。
また、本発明の生体磁気計測装置では、SQUIDセンサは、当該SQUIDセンサの位置に漏れ入った侵入外部磁場の検出を行い、SQUIDセンサで検出された侵入外部磁場に基づいてキャンセルコイルで発生させる磁場を制御するキャンセルコイル制御手段を更に備えてもよい。この構成によれば、侵入外部磁場を検出して、当該侵入外部磁場をキャンセルするための磁場をキャンセルコイルから適切に発生することができる。また、侵入外部磁場の検出をSQUIDセンサで行うので、侵入外部磁場検出用のセンサを改めて設ける必要がなく、部品点数の増加を避けることができる。
本発明の脳磁計は、被験者の脳から発生する磁場を検出するSQUIDセンサと、SQUIDセンサを冷却するセンサ冷却手段と、SQUIDセンサを囲んで配置されSQUIDセンサを外部磁場から遮蔽する磁気シールドと、磁気シールドを冷却するシールド冷却手段と、磁気シールドの外側に位置し、SQUIDセンサの位置に漏れ入った外部磁場をキャンセルする磁場を発生させるキャンセルコイルと、を備え、磁気シールドは、超伝導体からなり、円筒形状をなし、キャンセルコイルは、磁気シールドを側面側から挟んで対向し、SQUIDセンサの位置に漏れ入った外部磁場の成分のうち磁気シールドの筒軸方向に直交する所定方向の成分をキャンセルする磁場を発生させるX軸キャンセルコイルと、磁気シールドを側面側から挟んで対向し、SQUIDセンサの位置に漏れ入った外部磁場の成分のうち所定方向と筒軸方向との双方に直交する方向の成分をキャンセルする磁場を発生させるY軸キャンセルコイルと、磁気シールドを上下に挟んで対向し、SQUIDセンサの位置に漏れ入った外部磁場の成分のうち筒軸方向に平行な方向の成分をキャンセルする磁場を発生させるZ軸キャンセルコイルとを有することを特徴とする。
この脳磁計では、SQUIDセンサを外部磁場から遮断する磁気シールドが、超伝導体からなり、かつ円筒形状をなしているので、外部磁場の侵入経路は磁気シールドの開口に限られると考えることができる。すなわち、SQUIDセンサの位置に侵入する外部磁場は、すべて円筒の磁気シールドの両端の開口から漏れ入った磁場であると考えることができる。このような円筒開口から侵入する磁場のベクトルは、ある程度理論的に予測することができるので、このような予測可能な侵入磁場をキャンセルするためのキャンセルコイルの制御が容易になり、より正確な制御が可能になる。その結果、侵入した外部磁場のキャンセル性能を向上させることができ、SQUIDセンサ付近の磁気シールド率を高めることができる。また、磁気シールドが超伝導体でありかつ円筒形状であることから考えると、漏れ入った外部磁場のうち磁気シールドの筒軸方向に直交する成分が最も強いと考えられる。したがって、この強い成分をX軸及びY軸キャンセルコイルによってキャンセルすることで、SQUIDセンサ付近の磁気シールド率を高めることができる。
本発明の生体磁気計測装置及び脳磁計によれば、SQUIDセンサ付近の高い磁気シールド率を得ることができる。
以下、図面を参照しつつ本発明に係る生体磁気計測装置及び脳磁計の好適な実施形態について詳細に説明する。
図1に示す脳磁計(生体磁気計測装置)1は、計測ユニット1A内の計測位置Hに頭が位置するように被験者Pを着座させ、当該被験者Pの脳の神経活動に伴って発生する微弱な磁場を非接触で計測、解析する装置である。この計測ユニット1Aは、計測位置Hの周囲に配置され、脳で発生する磁場を検出するSQUID(Superconducting QuantumInterference Device)センサ3を複数備えている。この脳磁計1では、被験者Pの脳の様々な位置から発生する磁場を検出するため、数十個〜数百個(64個,128個,256個など)といった多数の上記SQUIDセンサ3が、被験者Pの頭の表面に沿うように2次元的に配置されている。この多数のSQUIDセンサ3で得られた電気信号は、それぞれ信号線4を通じて、計測ユニット1Aの外に設けられる情報処理部1Cに送信される。そして情報処理部1Cにおいて上記電気信号が解析されることにより、被験者Pの脳から発生した磁場が解析される。この情報処理部1Cとしては、例えばパーソナルコンピュータが用いられる。
また、各々のSQUIDセンサ3に対応して、SQUIDセンサ3の数と同じ数のトラップ解除ヒータTが、各SQUIDセンサ3の近傍に設けられている。このトラップ解除ヒータTは、SQUIDセンサ3を加熱して一旦常伝導転移させることで、SQUIDセンサ3の磁束トラップを解除する。このようなトラップ解除ヒータTは、例えば、SQUIDセンサ3がパターン形成される基板において、一緒にパターンとして形成される。
また、計測ユニット1Aは、SQUIDセンサ3を冷却するため、このSQUIDセンサ3と液体ヘリウム5とを収納する断熱容器のデュワー(センサ冷却手段)7を備えている。更に、計測ユニット1Aは、デュワー7を包囲するように配置されると共に、被験者Pを覆う筒型体15を備えている。なお、デュワー7の内側と外側との間には真空断熱層19が配置される。
この脳磁計1では、被験者Pの脳で発生する極めて微弱な磁場を検出する必要があるので、計測位置Hの近傍から外部磁場の影響を除去する必要がある。このため、筒型体15は、筒軸線Aが計測位置Hを通るように配置された筒状の磁気シールド体11を備えている。磁気シールド体11は、デュワー7を包囲して筒型体15の外筒部15aに支持されると共に、筒型体15の上下寸法とほぼ同じ寸法で延在し、外筒部15aと内筒部15bとの間の間隙に内蔵されている。また、計測位置Hは、筒軸線A上に位置すると共に、上下方向においても磁気シールド体11の全長のほぼ中央に位置している。
この磁気シールド体11は、ニッケルからなる円筒状の基板11aと、当該基板11aの内壁面全体に成膜されたシールド膜(磁気シールド)11bとを備えている。シールド膜11bは、ビスマス系酸化物超伝導体からなり、磁束侵入長よりも十分に大きい膜厚を有している。ここで、シールド膜11bに用いられるビスマス系酸化物超伝導体としては、例えば、組成式Bi2Sr2Ca2Cu3Oxで表されるBi2223、或いは、組成式Bi2Sr2CaCu2Oxで表されるBi2212が好適に採用される。
また、筒型体15には、磁気シールド体11の外壁面に沿って冷媒を流通させる冷媒管(図示せず)が更に内蔵されている。そして、この冷媒管に、脳磁計1の冷凍機ユニット(シールド冷却手段)1Bから送出される極低温の冷媒(例えば、ここではヘリウム)を循環させることで、磁気シールド体11のシールド膜11bが、超伝導転移温度まで冷却され、完全反磁性を発揮する。そして、このシールド膜11bの完全反磁性によって、磁気シールド体11に包囲された計測位置Hが外部磁場から遮蔽されるので、SQUIDセンサ3においては外部磁場によるノイズをほとんど排除した状態で微弱な磁場計測が可能になる。なお、当然ながら、この脳磁計1は、シールド膜11bの下部臨界磁場を超えない外部磁場の環境下で使用される。また、磁場の発生源ともなる上記情報処理部1C及び冷凍機ユニット1Bは、当然ながら、磁気シールド体11の外側に設けられている。
このシールド膜11bの形成方法は次の通りである。まず、基板11aの中空部にプラズマ溶射装置を挿入し、ビスマス系酸化物超伝導体の材料(例えば、Bi2Sr2Ca2Cu3或いはBi2Sr2CaCu2)を用い、プラズマ溶射加工によって基板11aの内壁面全体に溶射膜を形成させる。このとき、プラズマ溶射装置は、基板11aの内壁面に対して、螺旋状にビスマス系酸化物超伝導体の材料を吹き付け、溶射膜を形成していく。すなわち、溶射装置のノズルからの吹きつけ位置を円筒周方向に移動させながら、同時に、円筒周方向の移動速度よりも十分に遅い速度で、吹きつけ位置を円筒母線方向に移動させる。その後、形成された溶射膜を焼成してシールド膜11bを完成させる。このようなプラズマ溶射法を用いて膜厚が均一なシールド膜11bを形成するためには、磁気シールド体11を円筒形状とすることが最も好ましい。また、磁気シールド体11には、内部に被験者Pを導入するための開口が存在することが必須であり、また、内部に位置するデュワー7に液体ヘリウム5を導入するための開口も必須である。このような理由からも、磁気シールド体11及びシールド膜11bは、上下両端が開口された円筒形状とすることが好ましい。
このような磁気シールド体11を備えた脳磁計1にあっても、SQUIDセンサ3の位置には、磁気シールド体11内に漏れ入った外部磁場(以下、「侵入磁場」という)がわずかながら存在している。このような侵入磁場をキャンセルし、SQUIDセンサ3の位置におけるシールド率を更に向上するために、この脳磁計1は、磁場キャンセル部20を備えている。以下、磁気シールド体11の筒軸線Aに一致する軸をZ軸、計測位置Hを通り磁気シールド体11の半径方向に延びる1つの軸をX軸、X軸Z軸の双方に直交する軸をY軸としたXYZ座標系を設定し説明に用いる。
図1及び図2に示すように、磁場キャンセル部20は、筒型体15の外側に設けられたキャンセルコイル30と、キャンセルコイル30へ電流を供給し発生させる磁場を制御するキャンセルコイル制御部37とを有している。さらに磁場キャンセル部20は、磁気シールド体11内部で侵入磁場を計測する侵入磁場センサ35を有している。侵入磁場センサ35は、デュワー7内でSQUIDセンサ3の近傍に設置された第1センサ35aと、デュワー7内でSQUIDセンサ3から離れて設置された第2センサ35bとから構成されている。この侵入磁場センサ35は、第1センサ35aで検出される磁場と第2センサ35bで検出される磁場との差分に基づき、SQUIDセンサ3の位置における侵入磁場のXYZ方向の各成分を定量的に検知することができる。この侵入磁場センサ35で検知された侵入磁場の情報は、電気信号としてキャンセルコイル制御部37に入力される。
キャンセルコイル30は、磁気シールド体11を側面側から挟んで対向し、X軸を中心とし一対の環状をなすX軸キャンセルコイル(第1のキャンセルコイル)31a,31bを備えている。このX軸キャンセルコイル31a,31bは、電流の供給を受けるとX軸方向の磁場を発生させる。また、キャンセルコイル30は、磁気シールド体11を側面側から挟んで対向し、Y軸を中心とし一対の環状をなすY軸キャンセルコイル(第1のキャンセルコイル)32a,32bを備えている。このY軸キャンセルコイル32a,32bは、電流の供給を受けるとY軸方向の磁場を発生させる。更に、キャンセルコイル30は、磁気シールド体11を上下に挟んで対向し、Z軸を中心とし一対の環状をなすZ軸キャンセルコイル(第2のキャンセルコイル)33a,33bを備えている。このZ軸キャンセルコイル33a,33bは、電流の供給を受けるとZ軸方向の磁場を発生させる。なお、各キャンセルコイル31a,31b,32a,32b,33a,33bは、例えば、外筒部15aに固定され、磁気シールド体11の姿勢に追従する。
このような構成に基づき、脳磁計1では、侵入磁場センサ35によってSQUIDセンサ3付近における侵入磁場のX方向成分、Y方向成分、及びZ方向成分がそれぞれ検知される。そして、キャンセルコイル制御部37は、侵入磁場センサ35から入力された侵入磁場の情報に基づいて決定される電流を、X軸キャンセルコイル31a,31bに対して供給する。そして、X軸キャンセルコイル31a,31bは、侵入磁場のX方向成分と逆向きの磁場を発生し、当該侵入磁場のX方向成分をキャンセルさせる。なお、ここで、「侵入磁場のX方向成分をキャンセルする」とは、侵入磁場センサ35によって検知された侵入磁場のX方向成分に対して反対の向きかつ同じ大きさ磁場を発生させることで、当該侵入磁場のX方向成分を相殺することを意味する。同様にして、キャンセルコイル制御部37は、Y軸キャンセルコイル32a,32b、及びZ軸キャンセルコイル33a,33bに対しても電流を供給し、それぞれ、当該侵入磁場のY方向成分、Z方向成分をキャンセルさせる。
このような脳磁計1では、磁気シールド体11のシールド膜11bが、超伝導体からなり、かつ円筒形状をなしているので、外部磁場の侵入経路はシールド膜11bの開口に限られると考えられる。すなわち、SQUIDセンサ3の位置における侵入磁場は、すべてシールド膜11bの両端の開口から漏れ入った磁場であると考えることができる。そして、このような円筒開口から侵入する磁場のベクトルは、ある程度理論的に予測することができる。すなわち、電磁気学的な理論によれば、SQUIDセンサ3の位置における侵入磁場の成分は、X方向成分及びY方向成分に偏っていると予測することができる。
このように、この脳磁計1においては、SQUIDセンサ3の位置における侵入磁場のベクトルが予測可能であるので、侵入磁場をキャンセルするためのキャンセルコイル30の制御が容易になり、より正確な制御が可能になる。その結果、侵入した外部磁場のキャンセル性能を向上させることができ、SQUIDセンサ3付近の磁気シールド率を高めることができる。
また、磁気シールド体11のシールド膜11bが円筒形状であることから考えると、理論的には、侵入磁場はX方向成分及びY方向成分が最も強いと考えられる。従って、このX方向成分及びY方向成分を、それぞれ、X軸キャンセルコイル31a,31b及びY軸キャンセルコイル32a,32bによりキャンセルすることで、SQUIDセンサ3付近の磁気シールド率をより高めることができる。更に、この脳磁計1は、Z軸キャンセルコイル33a,33bを備え侵入磁場のZ方向成分もキャンセルすることができるので、SQUIDセンサ3付近の磁気シールド率を更に高めることができる。
なお、この脳磁計1においては、前述の侵入磁場センサ35の代わりに、SQUIDセンサ3を用いて侵入磁場を検出することもできる。この場合、SQUIDセンサ3の出力信号の中から侵入磁場成分を抽出する信号処理を施し、この侵入磁場の情報を電気信号としてキャンセルコイル制御部37に入力する。そして、キャンセルコイル制御部37は、上記電気信号に基づいて、各キャンセルコイル31a,31b,32a,32b,33a,33bに供給する電流を決定する。このような構成によれば、SQUIDセンサ3が侵入磁場センサ35の機能を兼ね備えることで、侵入外部磁場センサ35を省略することも可能であり、部品点数の増加を避けることができる。
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、脳磁計1では、X軸キャンセルコイル31a,31b、Y軸キャンセルコイル32a,32b、及びZ軸キャンセルコイル33a,33bの3組のキャンセルコイルのうち、何れか1組又は2組を適宜省略してもよい。また、X軸キャンセルコイル31a,31b、Y軸キャンセルコイル32a,32b、及びZ軸キャンセルコイル33a,33bは、磁気シールド体11を挟んで対に設けられているが、各軸のキャンセルコイルを1つとしてもよい。例えば、図3に示すように、磁気シールド体11の外側中央部を囲み同軸に配置された1つのZ軸キャンセルコイル133を設けてもよい。
本発明に係る脳磁計(生体磁気計測装置)の一実施形態を示す断面図である。 磁場キャンセル部の各キャンセルコイルと磁気シールド体との位置関係を示す図である。 他の例に係るZ軸キャンセルコイルと磁気シールド体との位置関係を示す図である。
符号の説明
1…脳磁計(生体磁気計測装置)、1B…冷凍機(シールド冷却手段)、3…SQUIDセンサ、5…液体ヘリウム(センサ冷却手段)、7…デュワー(センサ冷却手段)、11b…シールド膜(磁気シールド)、30…キャンセルコイル、31a,31b…X軸キャンセルコイル(第1のキャンセルコイル)、32a,32b…Y軸キャンセルコイル(第1のキャンセルコイル)、33a,33b…Z軸キャンセルコイル(第2のキャンセルコイル)、35…侵入磁場センサ、37…キャンセルコイル制御部、A…筒軸線、P…被験者。

Claims (4)

  1. 生体から発生する磁場を検出するSQUIDセンサと、
    前記SQUIDセンサを冷却するセンサ冷却手段と、
    前記SQUIDセンサを囲んで配置され前記SQUIDセンサを外部磁場から遮蔽する磁気シールドと、
    前記磁気シールドを冷却するシールド冷却手段と、
    前記磁気シールドの外側に位置し、前記SQUIDセンサの位置に漏れ入った前記外部磁場をキャンセルする磁場を発生させるキャンセルコイルと、
    を備え、
    前記磁気シールドは、
    超伝導体からなり、円筒形状をなし、
    前記キャンセルコイルは、
    前記磁気シールドを側面側から挟んで対向し、前記SQUIDセンサの位置に漏れ入った前記外部磁場の成分のうち前記磁気シールドの筒軸方向に直交する所定方向の成分をキャンセルする磁場を発生させるX軸キャンセルコイルと、
    前記磁気シールドを側面側から挟んで対向し、前記SQUIDセンサの位置に漏れ入った前記外部磁場の成分のうち前記所定方向と前記筒軸方向との双方に直交する方向の成分をキャンセルする磁場を発生させるY軸キャンセルコイルと、
    前記磁気シールドを上下に挟んで対向し、前記SQUIDセンサの位置に漏れ入った前記外部磁場の成分のうち前記筒軸方向に平行な方向の成分をキャンセルする磁場を発生させるZ軸キャンセルコイルとを有することを特徴とする生体磁気計測装置。
  2. 前記SQUIDセンサとは別に設けられ前記SQUIDセンサの位置に漏れ入った侵入外部磁場を検出する侵入磁場センサと、
    前記侵入磁場センサで検出された前記侵入外部磁場に基づいて前記キャンセルコイルで発生させる磁場を制御するキャンセルコイル制御手段と、
    を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の生体磁気計測装置。
  3. 前記SQUIDセンサは、当該SQUIDセンサの位置に漏れ入った侵入外部磁場の検出を行い、
    前記SQUIDセンサで検出された前記侵入外部磁場に基づいて前記キャンセルコイルで発生させる磁場を制御するキャンセルコイル制御手段を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の生体磁気計測装置。
  4. 被験者の脳から発生する磁場を検出するSQUIDセンサと、
    前記SQUIDセンサを冷却するセンサ冷却手段と、
    前記SQUIDセンサを囲んで配置され前記SQUIDセンサを外部磁場から遮蔽する磁気シールドと、
    前記磁気シールドを冷却するシールド冷却手段と、
    前記磁気シールドの外側に位置し、前記SQUIDセンサの位置に漏れ入った前記外部磁場をキャンセルする磁場を発生させるキャンセルコイルと、
    を備え、
    前記磁気シールドは、
    超伝導体からなり、円筒形状をなし、
    前記キャンセルコイルは、
    前記磁気シールドを側面側から挟んで対向し、前記SQUIDセンサの位置に漏れ入った前記外部磁場の成分のうち前記磁気シールドの筒軸方向に直交する所定方向の成分をキャンセルする磁場を発生させるX軸キャンセルコイルと、
    前記磁気シールドを側面側から挟んで対向し、前記SQUIDセンサの位置に漏れ入った前記外部磁場の成分のうち前記所定方向と前記筒軸方向との双方に直交する方向の成分をキャンセルする磁場を発生させるY軸キャンセルコイルと、
    前記磁気シールドを上下に挟んで対向し、前記SQUIDセンサの位置に漏れ入った前記外部磁場の成分のうち前記筒軸方向に平行な方向の成分をキャンセルする磁場を発生させるZ軸キャンセルコイルとを有することを特徴とする脳磁計。
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