JP5107136B2 - 刃物 - Google Patents
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かかる刃物においては、刀身本体に設けた溝状の刃体保持部に刃体を挿入することにより装着される。
この場合、剃刀9の使用性が低下してしまうおそれがある。
上記刀身本体は、該刀身本体の長手方向及び厚み方向の双方に直交する方向である高さ方向の一端及び上記刀身本体の先端に開口する溝状の刃体保持部と、上記高さ方向の一端に開口すると共に上記刃体保持部に連結された係合凹部とを有し、
上記刀身本体の上記刃体保持部には、上記刃体がその刃先を開口部から露出させた状態で装着されると共に、厚み方向から上記刃体を上記刃体保持部の一方の内側面に向かって押圧するように付勢された板ばねが配設されており、
上記板ばねは、自由状態において厚み方向に湾曲あるいは屈曲して厚み方向の付勢力が付与される付勢部と、該付勢部の基端において該付勢部の凸面側に屈曲した段状部と、該段状部よりも基端側において厚み方向へ屈曲した係合突片とを有し、
上記刃体は、一方の側面が上記板ばねの上記付勢部の凸面に接触すると共に押圧されることにより、上記板ばねと上記刃体保持部における一方の内側面との間に挟持され、基端が上記板ばねの上記段状部に当接した状態で、上記刃体保持部に装着されていることを特徴とする刃物にある(請求項1)。
上記刃物は、上記刀身本体の刃体保持部に上記板ばねを配設してなる。これにより、刃体保持部に装着した刃体を、板ばねの付勢部によって厚み方向に押圧している。そのため、寸法誤差や経年変化、摩耗等があっても、刃体と刃体保持部との間の緩みを防ぐことができる。
なお、本明細書において、上記刃物の長手方向における先端側と反対側を基端側として説明する。
この場合には、上記板ばねが上記係合凹部から離脱することを防ぐことができる。
この場合には、上記ハンドルに被覆体としての機能を持たせることができるため、上記刃物の構成要素を少なくして、製造容易、安価、かつ外観意匠性に優れた刃物を得ることができる。
なお、これ以外にも、例えば、板ばねの係合突片を係合させた係合凹部に、接着剤や充填剤を配置して、これを被覆体とすることもできるし、ベルト、テープのような帯状物を被覆体とすることもできる。
この場合には、例えば、板状体を折り曲げ加工することによって刃体保持部を形成する場合等に比べて、刃体保持部の幅を正確に形成しやすい。しかし、かかる場合には、上記刃体保持部の長手方向の寸法を正確にすることが困難なため、刃体を確実に装着できるように必要以上の長さに刃体保持部を形成することとなる。そうすると、仮に本発明を適用しないと、刃体保持部に刃体を装着する際に、刃体を長手方向に挿入しすぎてしまうという不具合が生じやすい。そこで、このような切削加工によって上記刃体保持部を形成した刃物に対して本発明を適用することにより、本発明の効果を一層発揮することができる。
この場合には、本発明の効果を充分に発揮することができる。すなわち、剃刀の場合に、刃体が刀身本体に対して基端方向に挿入されすぎた状態で装着されると、その使用性が大きく低下することとなる。すなわち、非常に使い辛い剃刀となってしまうおそれがある。それゆえ、本発明を適用して、刀身本体に対する刃体の装着位置を正確に決めることができる技術が要請されていた。そこで、本発明を剃刀に適用することにより、上記の要請に充分に応えることができる。
本例の刃物1は、図1、図2に示すごとく、刀身本体2に刃体3を装着してなる。
刀身本体2は、図1、図3、図5に示すごとく、刀身本体2の長手方向及び厚み方向の双方に直交する方向である高さ方向の一端及び刀身本体2の先端に開口する溝状の刃体保持部21と、高さ方向の一端に開口すると共に刃体保持部21に連結された係合凹部22とを有する。
板ばね4は、図8に示すごとく、自由状態において厚み方向に弓状に湾曲した付勢部としての弓状部41と、該弓状部41の基端において弓状部41の凸面411側に屈曲した段状部42と、該段状部42よりも基端側において厚み方向へ屈曲した係合突片43とを有する。
また、図3、図4に示すごとく、係合凹部22に係合された板ばね4の係合突片43を少なくとも係合凹部22の開口部側から被覆する被覆体として、ハンドル5が刀身本体2の基端部26に固定されている。
なお、本例の刃物1は、顔剃りや毛髪のカット用の剃刀であり、上記刃体3は、刀身本体2に対して着脱可能な替刃である。
刃体保持部21の厚み方向の両側に配される一対の側面部24は、図5に示すごとく、下端へ行くに従って互いに近づく方向に若干傾斜している。これは、刃体保持部21の切削加工の後に、一対の側面部24に曲げ加工を施すことにより、形成したものである。これにより、刃体保持部21に装着した刃体3が下方へ抜けることを防いでいる。
刃体保持部21に保持された刃体3の刃体先端311は、刀身本体2の刀身先端231と、長手方向の略同等の位置に配置される。
図2に示すごとく、刃体3は、刃先32を刃体保持部21の下方開口部212から突出させている。
そして、溝部25を横切るように、係合凹部22が刀身本体2の厚み方向全体にわたって形成されている。すなわち、係合凹部22は、溝部25における厚み方向の両側に形成されている。
板ばね4は、図8に示すごとく、段状部42と係合突片43との間に、平板状のストレート部44を有する。そして、板ばね4は、図1、図7に示すごとく、ストレート部44の一部を、刀身本体2の溝部25に配置し、係合突片43を係合凹部22に配置し、弓状部41を刃体保持部21に配置するようにして、刀身本体2に装着する。
また、上記弓状部41は、板ばね4の自由状態において厚み方向に湾曲あるいは屈曲して厚み方向の付勢力が付与される付勢部であればよく、例えば、弓状部分が複数連続するような波形状としてもよいし、屈曲部を有する三角形状や台形状としてもよい。
また、段状部42は、例えば、厚み方向に1〜2mm形成することができる。
次いで、図4に示すごとく、ハンドル5を刀身本体2の基端部に装着する。すなわち、刀身本体2の基端部を、ハンドル5の嵌入保持部51に嵌入させる。
まず、図10に示すごとく、板ばね4を装着した刀身本体2に対して、刃体保持部21の先端開口部211から、刀身本体2の長手方向に沿って、刃体3を挿入する。
図11に示すごとく、刃体3の挿入を続けると、刃体3の基端312が板ばね4の弓状部41の凸面411に接触すると共に、弓状部41をその付勢方向とは逆の方向に向かって変形させる。
また、この状態において、刃体3は、板ばね4の弓状部41の付勢力によって刃体保持部21の一方の内側面213に押し付けられ、板ばね4と刃体保持部21の内側面213との間に保持されることとなる。
上記刃物1は、刀身本体2の刃体保持部21に板ばね4を配設してなる。これにより、刃体保持部21に装着した刃体3を、板ばね4の付勢部である弓状部41によって厚み方向に押圧している。そのため、寸法誤差や経年変化、摩耗等があっても、刃体3と刃体保持部21との間の緩みを防ぐことができる。
なお、本例においては、刃体31の刃体先端311と刀身本体2の刀身先端231とが一致するような刃体3の位置を、刃体保持部21における刃体3の正規の装着位置としたが、必ずしもこれに限られるものではない。
また、ハンドル5に被覆体としての機能を持たせることにより、刃物1の構成要素を少なくして、製造容易、安価、かつ外観意匠性に優れた刃物1を得ることができる。
なお、これ以外にも、例えば、板ばね4の係合突片43を係合させた係合凹部22に、接着剤や充填剤を配置して、これを被覆体とすることもできるし、ベルト、テープのような帯状物を被覆体とすることもできる。
2 刀身本体
21 刃体保持部
22 係合凹部
3 刃体
4 板ばね
41 弓状部(付勢部)
411 凸面
42 段状部
43 係合突片
Claims (5)
- 刀身本体に刃体を装着してなる刃物において、
上記刀身本体は、該刀身本体の長手方向及び厚み方向の双方に直交する方向である高さ方向の一端及び上記刀身本体の先端に開口する溝状の刃体保持部と、上記高さ方向の一端に開口すると共に上記刃体保持部に連結された係合凹部とを有し、
上記刀身本体の上記刃体保持部には、上記刃体がその刃先を開口部から露出させた状態で装着されると共に、厚み方向から上記刃体を上記刃体保持部の一方の内側面に向かって押圧するように付勢された板ばねが配設されており、
上記板ばねは、自由状態において厚み方向に湾曲あるいは屈曲して厚み方向の付勢力が付与される付勢部と、該付勢部の基端において該付勢部の凸面側に屈曲した段状部と、該段状部よりも基端側において厚み方向へ屈曲した係合突片とを有し、
上記刃体は、一方の側面が上記板ばねの上記付勢部の凸面に接触すると共に押圧されることにより、上記板ばねと上記刃体保持部における一方の内側面との間に挟持され、基端が上記板ばねの上記段状部に当接した状態で、上記刃体保持部に装着されていることを特徴とする刃物。 - 請求項1において、上記係合凹部に係合された上記板ばねの上記係合突片を少なくとも上記係合凹部の開口部側から被覆する被覆体を有することを特徴とする刃物。
- 請求項2において、上記被覆体は、上記刀身本体の基端部に固定されたハンドルであることを特徴とする刃物。
- 請求項1〜3のいずれか一項において、上記刃体保持部は、上記刀身本体に対して切削加工することによって形成してなることを特徴とする刃物。
- 請求項1〜4のいずれか一項において、上記刃物は剃刀であることを特徴とする刃物。
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