JP5106234B2 - 液滴吐出装置 - Google Patents

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本発明は、ナノメートルサイズの微粒子を含有するインクを吐出する液滴吐出装置に関するものである。
近年、インクジェット記録装置などの液滴吐出装置はコンピュータで作成された文書や写真などの電子データの出力に用いられ、低価格化や高画質化により一般家庭まで広く普及している。主に紙への印刷用インクとしては染料や顔料などを含有した着色インクが用いられている。
また、最近ではインクジェット技術を産業用に展開する事例が数多く報告されている。例えば、商業印刷、電子デバイスへの配線形成、有機半導体デバイスの素子形成、カラーフィルターや有機ELなどのディスプレイ関連への展開、医療分野での遺伝子診断、三次元形状物体の試作にも用いられたりしている。
インクジェット技術の用途が広がることにより、使用されるインクも多岐にわたり、これまでの印刷用途での染料や顔料を含有した着色インク以外に、金属ナノ粒子を含有するインクや導電性の高分子材料インクなどの機能性インクも用いられている。
微粒子を含有するインク、例えば印刷用インクでは、顔料の一次粒径が100nm以下のサイズに微粒子化されたものが主流になってきている。
また、電子デバイスの配線などに使用する金属ナノ粒子インクでは、一次粒径が数nmから50nm以下の微粒子が用いられている。
これらのナノメートルサイズの微粒子を含有したインクは、微粒子が均一に分散した状態で吐出されて着弾した際に所望の機能が発現するように設計されている。そのためインクとしては、微粒子の分散性を向上・安定化させるために粒子の表面電位を考慮しているものが多い。この表面電位の指標としてゼータ電位を用いている。指標としてゼータ電位を用いるのは、粒子の表面電位を直接測定することが困難であるため、ゼータ電位で表面電位を近似している。
溶液中での微粒子のゼータ電位は、一般的に溶液のpH、温度、添加剤によって電位値が変化する。また、ゼータ電位の絶対値が大きい方が粒子同士の電気的な反発により粒子の凝集を押えることができ、分散性の安定化を図ることができる。
産業用途にインクジェットを展開する場合、上記のような機能性インクの吐出量の小液滴化、吐出量の安定化、吐出方向の正確性などが高い精度で要求される。
特許文献1には、着色剤として顔料を含有するインクを吐出するインクジェット記録装置において、顔料の析出、付着によって起こる目詰まりを防止するために、インクと接する部材表面のゼータ電位とインクを同極にするものが開示されている。
顔料がアニオン性顔料である時は負の電位、顔料がカチオン性顔料である時は正の電位を取ることから、顔料の種類によって接液する部材表面の極性を規定している。
特開2003−266685号公報
しかしながら、ゼータ電位の極性を同じにしただけでは、インク供給系からインクの流路や吐出口をインクが通る間に、インク流動に伴い微粒子同士の凝集が起こり、粘度や表面張力などの物性が変化し、液滴の吐出速度や吐出量が変化してしまう場合がある。
この場合、インクとインクジェット記録装置の間で2種類以上の物質が接しており、インクの流動に伴い接する物質間で電荷の移動が発生し、静電気の帯電が起きる。帯電現象としては、インクの移動による流動帯電、摩擦により発生する摩擦帯電、静電誘導により発生する誘導帯電、インクの吐出口からの噴出に伴う噴出帯電などがある。静電気の帯電量としては、接触面積が大きい場合、圧力が大きい場合、摩擦が大きい場合に発生量が大きくなり帯電量が大きくなる。このようなことから、インク中の微粒子は接液する部材やインクの流動する条件によって電気的な影響を受ける。
インクジェット記録装置においても、インクの流動によって微粒子のゼータ電位の絶対値が変化し、絶対値が減少していくと、インク中に分散している粒子同士が凝集し易くなるためインクの粘度上昇や表面張力などの物性が変化する。これによって、上述するような液滴の吐出速度や吐出量などの吐出状態が変化してしまうという問題点があった。吐出・描画中に吐出速度が変化すると、所望の位置に対して着弾位置がずれてしまう不具合が生じる。また、吐出量が変化すると、所望の画像や機能発現が達成できなくなる。さらには、部材表面に微粒子の付着や析出が起こり易くなる。
本発明は、微粒子の凝集によって引き起こされるインクの物性変化を防止することのできる液滴吐出装置を提供することを目的とするものである。
上述の課題を解決するために、本発明の液滴吐出装置は、微粒子を含有するインクを吐出する液滴吐出装置において、ノズルプレートに形成された前記インクを吐出するための吐出口と、前記ノズルプレートに接合された液室と、ノズルプレート及び液室に前記インクを供給する供給手段と、前記液室に体積変化を起こして、前記吐出口から前記インクを吐出するための吐出駆動手段と、を有し、前記インク中の前記微粒子のゼータ電位と同極で、かつ前記ゼータ電位の絶対値より大きいゼータ電位を持つ材料からなる被覆層が、前記ノズルプレートの前記インクと接液する面および前記液室の前記インクと接液する面に形成されていることを特徴とする。
テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)はフッ素系の化合物であり、顔料粒子や金属ナノ粒子のゼータ電位と比べてゼータ電位の絶対値が大きい。
このような電位の関係にある場合、インクに含まれる微粒子の、インクの流動に伴う電気的な相互作用を制御し、インクの流動に伴う帯電による微粒子の表面電位の減少に起因する凝集を抑えることで、インクの粘度、表面張力などの物性変化を防止できる。
インク物性が変化しないことで、吐出量や吐出速度などの吐出安定性を長時間確保することができる。
特に、微粒子の体積に比べて表面積の影響が大きいナノメートルサイズの粒子の凝集防止に効果があり、凝集による粘度上昇や表面張力変化を防止することができる。
さらに、インクが接液する液滴吐出装置の吐出口や流路の内面への微粒子の付着や析出も防止することができる。
本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、一実施形態によるインクジェット方式の液滴吐出装置を示すもので、(a)はその主要部を説明する模式図、(b)は吐出口近傍を拡大して示す模式部分断面図である。
吐出口1は、撥水膜2を有するノズルプレート3に形成された、直径10μmから50μm程度のノズルである。ノズルプレート3の基材としては、絶縁性のものでも導電性のものでもよく、絶縁性の基材としては、ポリイミドのような高分子フィルムを用いても良い。導電性の基材としては、金属などの箔状のものを用いても良い。ノズルプレート上にはインクの物性に対応した撥水膜2が形成されている。
ノズルプレート3は、図示しない吐出駆動手段による電圧の印加によって体積変化が起こる液室(流路)4に接合されている。これらの接合体はマニホールド(共通流路)5に接続され、マニホールド5には供給手段であるインク供給チューブ6とインク排出チューブ7が接続されている。
負のゼータ電位を有する微粒子を含有するインクでは、インクが接液する部材である液室4や吐出口1の内面にテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)の粒子を膜状に成膜して、表面電位を制御する被覆層8を設ける。
被覆層8を形成するその他の材料としてテトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(4、6フッ化)(FEP)、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)、フッ化グラファイト、フッ化フラーレンなども用いることができる。
被覆層8の形成方法に関してはナノパーティクルジェットを用いたが、これに限定されるものではなく、他の成膜方法でも構わない。ナノパーティクルジェットは超微粒子を高速で基材に噴射し成膜する方法で、材料を蒸発させるガスデポジション法とエアロゾル法がある。
これらの材料は撥水性も有していることから、撥水膜2の材料にも用いることができる。
このように、インクに接液する面に、インクに含有する微粒子のゼータ電位と同じ極性で、かつ絶対値が大きい材料で形成された被覆層8を設けることで、インク中の微粒子の凝集を防ぐ。
過去の事例として、負の極性のゼータ電位の大きい材料としてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)がチューブなどで使われていたが、その目的はインクに対する耐久性向上やガスバリア性などで本発明の観点での使用はない。
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)に関して、チューブ以外のインクが接液する部材へも成膜しあらためて実験を行ったところ、本発明と同様にゼータ電位の効果を確認することができた。
但し、実際の使用において、流路などにポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を成膜したものは、密着性が悪く、所望の機能を満たさず、信頼性にも欠けていた。
密着性を含めた成膜性では、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)が良好である。また、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(4、6フッ化)(FEP)、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)、フッ化グラファイト、フッ化フラーレンなどが良好である。
インクに含有する微粒子の一次粒径としては、特に体積に比べて表面積の影響が大きい200nm以下の場合に、本発明による凝集防止に対して大きな効果が得られる。
なお、インクに含有する微粒子が正の極性のゼータ電位の場合でも、同様にインクが接液する部材の表面をインクに含有する微粒子のゼータ電位と同じ極性にして、かつ絶対値を大きくすると本発明の効果が得られる。
インクに含有する微粒子が正の極性のゼータ電位の場合は、酸化アルミニウムの粒子などを成膜して、表面電位を制御する層を設けることができる。
インクに含有する微粒子においては、絶縁性の微粒子以外に金属ナノ粒子のような導電性のある微粒子でも同様の構成により効果が得られる。
ナノパーティクルジェットのガスデポジション法は、超微粒子生成室、膜形成室、搬送管等で構成され、超微粒子生成室において不活性ガス雰囲気中でアーク、抵抗加熱、高周波誘導加熱、レーザー等で材料を加熱し、溶融、蒸発させ不活性ガスと衝突させる。生成された超微粒子を超微粒子生成室と膜形成室の圧力差により搬送管を通じて膜形成室に導き、搬送管の端部に接続されたノズルから高速噴射させることにより直接パターンを描画する乾式成膜法である。
エアロゾル法では、超微粒子を入れた容器を加振してエアロゾル化し、このエアロゾルをヘリウムや酸素ガス等をキャリアガスとして搬送し、膜形成室に導き、搬送管の端部に接続されたノズルから高速に噴射させることにより描画し膜を形成する。
チューブのような管状のものには、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)の粒子を塗料に分散させたものを内壁に塗布して形成することができる。
テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(4、6フッ化)(FEP)、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)、フッ化グラファイト、フッ化フラーレンなども同様に形成することができる。
本発明において、微粒子を含有するインクのゼータ電位の測定は、MALVERN社製のZETASIZER Nano−Zを用いて行った。
液滴吐出装置の吐出口や流路の内面のゼータ電位の測定は、アントンパール社製のSurPASSを用いて行った。
また、所望の駆動条件で液滴の連続吐出を行い、その様子を駆動条件に同期させてストロボを発光させて液滴が飛翔している状態を観察した。
図1の装置において、インクとして無機顔料インク(一次粒径10nm、固形分濃度20wt.%、水80%に調合)を用いた。調合したインクはpH6.8で、このインクに含有する顔料粒子のゼータ電位を測定したところ、−30mVであった。
液滴吐出装置のインクが接液する面に被覆層8を設けることによる効果を確認するために、以下の2種類の装置を製作した。
構成1として、インクが接液する面に、ゼータ電位の絶対値がインクに含有する微粒子のゼータ電位より小さい材料を用いて液滴吐出装置を製作した。従来例においては特に規定がないのでこの構成があてはまる。インク供給チューブ6には民生用のインクジェットプリンタに多く用いられている塩ビ製チューブ、マニホールド5には4−メチルペンテン−1を主原料とするプラスチックで形成したものを用いた。液室4の表面には酸化シリコンが保護膜として形成してあるもの、ノズルプレート3にはポリイミドフィルムを用いた。これらの部材単体のゼータ電位は、塩ビチューブ−20mV、マニホールド−21mV、ポリイミド−24mV、酸化シリコン表面−25mVであった。
構成2として、本実施例による液滴吐出装置を製作した。被覆層8としてテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)の膜を形成した。今回形成したテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)の膜表面のゼータ電位は−53mVであった。
上記の2つの構成の液滴吐出装置において、インクをインク供給チューブ6から導入しマニホールド5、液室4内を流動させて吐出口1から回収した。この回収したインクに含有する顔料粒子のゼータ電位を測定したところ、比較例として製作した構成1の液滴吐出装置においては−20mVであり、初期のインクのゼータ電位(−30mV)に対して、33%のゼータ電位量の減少であった。本実施例による構成2の液滴吐出装置においては−26mVであり、初期のインクのゼータ電位(−30mV)に対して、13%のゼータ電位量の減少であった。
このように、インクが接液する部材にテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)の被覆層8を形成したものは、インク中の顔料粒子のゼータ電位の変化が少なかった。このことから粒子の凝集も進んでいないと推測される。
構成1においては、粒径分布の測定によりインクの粒度分布が大きくなる傾向が観察された。
また、同一駆動条件(駆動周波数3kHz)で液滴吐出を行ったところ、本実施例の構成2の液滴吐出装置の吐出速度7.0m/sに比べて、構成1の液滴吐出装置では吐出速度が6.0m/sとなり約14%速度が低下していた。
さらに、構成2の液滴吐出装置においては、吐出時のサテライトが1つであるのに対して、構成1の液滴吐出装置においては、サテライトが複数個観察され同一のストロボ観察のタイミングでは、サテライトの位置が安定していなかった。連続2時間の吐出を行ったところ、構成2の液滴吐出装置では吐出量の変動がないのに、構成1の液滴吐出装置では初期の吐出量に対して2時間後には吐出量が12%減少していた。
本実施例は、インク接液部分にテトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(4、6フッ化)(FEP)の被覆層を形成した。今回形成したテトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(4、6フッ化)(FEP)の膜表面のゼータ電位は−53mVであった。
実施例1と同様にインクをインク供給チューブから導入しマニホールド、液室内を流動させて吐出口から回収した。この回収したインクに含有する顔料粒子のゼータ電位を測定したところ、本実施例の液滴吐出装置においては−25mVであり、初期のインクのゼータ電位(−30mV)に対して、17%のゼータ電位量の減少であった。
このように、インクが接液する部材表面にテトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(4、6フッ化)(FEP)の被覆層を形成したものに関しては、実施例1で示した構成1のゼータ電位の減少量と比べて変化量が少なかった。このことから粒子の凝集も進んでいないと推測される。
また、同一駆動条件(駆動周波数3kHz)で液滴吐出を行ったところ、本実施例の液滴吐出装置の吐出速度は7.0m/sであり、同一のストロボ観察のタイミングではサテライトや吐出速度も安定していた。吐出量の減少もなかった。
本実施例は、インク接液部分に、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)の被覆層を形成した。今回形成したテトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)の膜表面のゼータ電位は−51mVであった。
実施例1と同様にインクをインク供給チューブから導入しマニホールド、液室内を流動させて吐出口から回収した。この回収したインクに含有する顔料粒子のゼータ電位を測定したところ、本実施例の液滴吐出装置においては−24mVであり、初期のインクのゼータ電位(−30mV)に対して、20%のゼータ電位量の減少であった。
このように、インクが接液する部材表面にテトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)の被覆層を形成したものは、実施例1で示した構成1のゼータ電位の減少量と比べて変化量が少なかった。このことから粒子の凝集も進んでいないと推測される。
また、同一駆動条件(駆動周波数3kHz)で液滴吐出を行ったところ、本実施例の液滴吐出装置の吐出速度は6.9m/sであり、同一のストロボ観察のタイミングではサテライトや吐出速度も安定していた。吐出量の減少もなかった。
本実施例は、インク接液部分にフッ化グラファイトの被覆層を形成した。今回形成したフッ化グラファイトの膜表面のゼータ電位は−50mVであった。
実施例1と同様にインクをインク供給チューブから導入しマニホールド、液室内を流動させて吐出口から回収した。この回収したインクに含有する顔料粒子のゼータ電位を測定したところ、本実施例の液滴吐出装置においては−25mVであり、初期のインクのゼータ電位(−30mV)に対して、17%のゼータ電位量の減少であった。
このように、インクが接液する部材表面にフッ化グラファイトの被覆層を形成したものは、実施例1で示した構成1のゼータ電位の減少量と比べて変化量が少なかった。このことから粒子の凝集も進んでいないと推測される。
また、同一駆動条件(駆動周波数3kHz)で液滴吐出を行ったところ、本実施例の液滴吐出装置の吐出速度は6.9m/sであり、同一のストロボ観察のタイミングではサテライトや吐出速度も安定していた。吐出量の減少もなかった。
上記の実施例1〜実施例4で説明したインク微粒子のゼータ電位、被覆層のゼータ電位、及び液室内を通過後のインク微粒子についてゼータ電位の値及び減少率を以下に表1に示す。
Figure 0005106234
本発明の液滴吐出装置は、着色インクを吐出するインクジェットヘッドなどに利用可能であり、また、金属ナノ粒子などを含有する機能性インクを精密に吐出する産業用のインクジェットヘッドなどにも利用できる。
一実施形態による液滴吐出装置を示すもので、(a)はその主要部を示す模式図、(b)は(a)の吐出口近傍を拡大して示す模式部分断面図である。
符号の説明
1 吐出口
2 撥水膜
3 ノズルプレート
4 液室
5 マニホールド
6 インク供給チューブ
7 インク排出チューブ
8 被覆層

Claims (5)

  1. 微粒子を含有するインクを吐出する液滴吐出装置において、
    ノズルプレートに形成された前記インクを吐出するための吐出口と、
    前記ノズルプレートに接合された液室と、
    ノズルプレート及び液室に前記インクを供給する供給手段と、
    前記液室に体積変化を起こして、前記吐出口から前記インクを吐出するための吐出駆動手段と、を有し、
    前記インク中の前記微粒子のゼータ電位と同極で、かつ前記ゼータ電位の絶対値より大きいゼータ電位を持つ材料からなる被覆層が、前記ノズルプレートの前記インクと接液する面および前記液室の前記インクと接液する面に形成されていることを特徴とする液滴吐出装置。
  2. 前記被覆層は、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体で形成されていることを特徴とする請求項1記載の液滴吐出装置。
  3. 前記被覆層は、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体で形成されていることを特徴とする請求項1記載の液滴吐出装置。
  4. 前記被覆層は、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体で形成されていることを特徴とする請求項1記載の液滴吐出装置。
  5. 前記被覆層は、フッ化グラファイトで形成されていることを特徴とする請求項1記載の液滴吐出装置。
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