JP5098027B2 - アクチン結合タンパク質の細胞運動関連疾患への利用 - Google Patents
アクチン結合タンパク質の細胞運動関連疾患への利用 Download PDFInfo
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Description
(2)前記タンパク質は、配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質である、(1)に記載のスクリーニング方法。
(3)前記部分ペプチドは、配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質のC末端側領域(CT1領域及び/又はCT2領域)である、(1)に記載のスクリーニング方法。
(4)前記タンパク質は、配列番号2で表されるアミノ酸配列の第1416位のセリン残基又は該セリン残基に相当するセリン残基がリン酸化されている、(1)又は(2)に記載のスクリーニング方法。
(5)セリン/スレオニンキナーゼAktと配列番号1で表されるアミノ酸配列と同一若しくは実質的に同一のアミノ酸配列を含むタンパク質又はその一部との結合活性の促進又は阻害を指標とする、(1)〜(4)のいずれかに記載のスクリーニング方法。
(6)セリン/スレオニンキナーゼAktによる前記タンパク質のリン酸化の促進又は阻害を指標とする、(1)〜(4)のいずれかに記載のスクリーニング方法。
(7)アクチンフィラメント結合能の促進又は阻害を指標とする、(1)〜(4)のいずれかに記載のスクリーニング方法。
(8)アクチンストレスファイバー形成能の促進又は阻害を指標とする、(1)〜(4)のいずれかに記載のスクリーニング方法。
(9)ラポリメディアにおけるアクチンメッシュワークの形成能の促進又は阻害を指標とする、(1)〜(4)のいずれかに記載のスクリーニング方法。
(10)細胞膜結合性の促進又は阻害を指標とする、(1)〜(4)のいずれかに記載のスクリーニング方法。
(11)フォスフォイノシタイド結合性の促進又は阻害を指標とする、(1)〜(4)のいずれかに記載のスクリーニング方法。
(12)配列番号2で表されるアミノ酸配列と同一若しくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質をコードするポリヌクレオチドを用いることを特徴とする、細胞運動、細胞移動及び血管形成のいずれかを活性化又は阻害する化合物又はその塩のスクリーニング方法。
(13)細胞運動、細胞移動及び血管形成のいずれかが関連する疾患の予防・治療薬のスクリーニング方法である、(1)〜(12)のいずれかに記載のスクリーニング方法。
(14)前記疾患は、癌、動脈硬化性疾患並びに中枢及び末梢神経障害から選択されるいずれかである、(1)〜(13)のいずれかに記載のスクリーニング方法。
(15)配列番号2で表されるアミノ酸配列と同一若しくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質又はその部分ペプチドについて以下の反応性のいずれかあるいは2種以上を発現する化合物又はその塩である、細胞運動、細胞移動及び血管形成のいずれかが関連する疾患の予防・治療薬。
a)セリン/スレオニンキナーゼAktと前記タンパク質と結合の阻害活性
b)セリン/スレオニンキナーゼAktによる前記タンパク質のリン酸化の阻害活性
c)アクチンフィラメントへの結合の阻害活性
d)アクチンストレスファイバー形成の阻害活性
e)ラポリメディアにおけるアクチンメッシュワークの形成の阻害活性
f)細胞膜結合の阻害活性
g)フォスフォイノシタイドへの結合の阻害活性
(16)配列番号2で表されるアミノ酸配列と同一若しくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質の発現量を抑制する化合物である、細胞運動、細胞移動又は血管形成のいずれかが関連する疾患の予防・治療薬。
(17)前記化合物は、配列番号2で表されるアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドの塩基配列に相補的若しくは実質的に相補的な塩基配列又はその一部を有するポリヌクレオチドである、(16)に記載の予防・治療薬。
(18)RNA干渉を発現するRNAである、(17)に記載の予防・治療薬。
(19)前記(18)に記載のRNAをコードするDNAである、(16)に記載の予防・治療薬。
(20)前記(19)に記載のDNAを含有する組換えベクターである、(16)に記載の予防・治療薬。
(21)前記疾患は、癌、動脈硬化性疾患並びに中枢及び末梢神経障害から選択されるいずれかである、(16)〜(20)のいずれかに記載の予防・治療薬。
(22)配列番号2で表されるアミノ酸配列と同一又は実質的に同一のアミノ酸配列を含むタンパク質をコードする遺伝子の発現量が抑制された細胞。
(23)配列番号2で表されるアミノ酸配列と同一又は実質的に同一のアミノ酸配列を含むタンパク質をコードする遺伝子の発現量が抑制された動物。
(24)前記遺伝子の発現量の抑制はノックダウンによる(23)に記載の動物。
(25)細胞運動、細胞移動及び血管形成のいずれかに関連する疾患の研究用、予防・治
療薬のスクリーニング用である、(23)又は(24)に記載の動物。
(26)配列番号2で表されるアミノ酸配列と同一又は実質的に同一のアミノ酸配列を含むタンパク質又はその部分ペプチドとセリン/スレオニンキナーゼAktとの反応を利用する、細胞運動、細胞移動及び血管形成のいずれかを活性化又は阻害する化合物の定性的分析方法。
(27)配列番号2で表されるアミノ酸配列と同一又は実質的に同一のアミノ酸配列を含むタンパク質又はその部分ペプチドとセリン/スレオニンキナーゼAktとの反応を利用する、細胞運動、細胞移動及び血管形成のいずれかを活性化又は阻害する化合物の定量方法。
(28)配列番号2で表されるアミノ酸配列と同一又は実質的に同一のアミノ酸配列を含むタンパク質又はその部分ペプチドに特異的な抗体。
(29)配列番号2で表されるアミノ酸配列と同一又は実質的に同一のアミノ酸配列を含むタンパク質であって、配列番号2で表されるアミノ酸配列の第1416位のセリン残基又は該セリン残基に対応するセリン残基がリン酸化されているタンパク質又は当該リン酸化部分を含む部分ペプチドに特異的な抗体。
(30)前記(28)又は(29)に記載の抗体を含む、細胞運動、細胞移動及び血管形成の活性化又は阻害の研究用試薬。
(31)前記(28)又は(29)に記載の抗体を含む、細胞運動、細胞移動及び血管形成のいずれかが関連する疾患の診断薬。
(32)疾患部位の細胞における配列番号2で表されるアミノ酸配列と同一若しくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質又はその部分ペプチドについて以下の反応性のいずれかを利用する、細胞運動、細胞移動及び血管形成のいずれかが関連する疾患の診断方法。
a)セリン/スレオニンキナーゼAktと前記タンパク質と結合活性
b)セリン/スレオニンキナーゼAktによる前記タンパク質のリン酸化活性
c)アクチンフィラメントへの結合活性
d)アクチンストレスファイバー形成活性
e)ラポリメディアにおけるアクチンメッシュワークの形成活性
f)細胞膜結合活性
g)フォスフォイノシタイドへの結合活性
本発明において、配列番号2で表されるアミノ酸配列と同一又は実質的に同一のアミノ酸配列を有するタンパク質又はその部分ペプチドをコードするヌクレオチドは、各タンパク質等をコードする塩基配列を有していれば、特に限定されない。ヌクレオチドは、こうした塩基配列を有するDNA、RNA、DNA/RNAキメラとすることができ、1本鎖であっても2本鎖であってもよい。2本鎖の場合には、DNA2本鎖、RNA2本鎖のほか、DNA/RNAハイブリッドであってもよい。1本鎖の場合には、センス鎖及びアンチセンス鎖のいずれであってもよい。具体的には、ゲノムDNA、cDNA、mRNA、あるいはPCR産物,化学合成DNA等といった形態でこうしたヌクレオチドを取得することができる。
ことが好ましく、より好ましくは2ntである。さらに、shRNAにおけるループ部位は、こうした態様の二重鎖(shRNAにおいてはステム)及び3’末端構造を形成し維持するのを妨げない程度のループ部位の長さを備えていればよい。
本発明によれば、Girdinなど本タンパク質をコードする遺伝子転写産物に対してRNA干渉を発現ヌクレオチドをコードするヌクレオチド(好ましくはDNA)及びこのヌクレオチドを含有するベクターを含むことができる。すなわち、本タンパク質をコードする遺伝子転写産物に対するsiRNAやshRNAを発現可能にコードするベクターの態様である。こうした態様のヌクレオチドは、継続性のあるRNA干渉を実現でき、ノックダウン動物を作製できる点において好ましい。この態様において、shRNA発現ベクターは、アンチセンス配列及びセンス配列の他ループ配列を、細胞内転写によりshRNAを構築可能な連続した一本鎖RNAが転写されるように構成することができる。また、siRNA発現ベクターは、所定のセンス配列及びアンチセンス配列を有するRNAが転写されるように構成すればよい。siRNA発現ベクターにおいては、センス配列及びアンチセンス配列は単一のベクターによって発現されるようにしてもよいし、また、それぞれ異なるベクターから発現されるようにしてもよい。
例えば、原発性、転移性または再発性の、乳癌、前立腺癌、膵癌、胃癌、肺癌、大腸癌(結腸癌、直腸癌、肛門癌)、食道癌、十二指腸癌、頭頚部癌(舌癌、咽頭癌、喉頭癌)、脳腫瘍、神経鞘腫、非小細胞肺癌、肺小細胞癌、肝臓癌、腎臓癌、胆管癌、子宮癌(子宮体癌、子宮頸癌)、卵巣癌、膀胱癌、皮膚癌、血管腫、悪性リンパ腫、悪性黒色腫、甲状腺癌、骨腫瘍、血管腫、血管線維腫、網膜肉腫、陰茎癌、小児固形癌、カポジ肉腫、AIDSに起因するカポジ肉腫、上顎洞腫瘍、線維性組織球腫、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、脂肪肉腫、子宮筋腫、骨芽細胞腫、骨肉腫、軟骨肉腫、癌性の中皮腫瘍、白血病などの腫瘍、ホジキン病など
例えば、急性冠動脈症候群(例、急性心筋梗塞、不安定狭心症など)、末梢動脈閉塞症、冠動脈インターベンション(経皮的冠動脈形成術(PTCA)、アテレクトミー(DCA)、ステント留置等)後の再狭搾、冠動脈バイパス手術後の再狭窄、その他の末梢動脈におけるインターベンション(血管形成術、アテレクトミー、ステント留置等)及びバイパス手術後の再狭窄、虚血性心疾患(例、心筋梗塞、狭心症など)、心筋炎、間歇性跛行、ラクネ梗塞、動脈硬化症(例、アテローム性動脈硬化症など)、心不全(急性心不全、うっ血性を含む慢性心不全)、不整脈、動脈硬化巣の進展、血栓症、高血圧症、高血圧性耳鳴り、低血圧症など
例えば、頭部外傷、脊髄損傷、脳浮腫、知覚機能障害、知覚機能異常、自律神経機能障害、自律神経機能異常、むち打ち症など
a)セリン/スレオニンキナーゼAktと前記タンパク質と結合
b)セリン/スレオニンキナーゼAktによる前記タンパク質のリン酸化
c)アクチンフィラメントへの結合
d)アクチンストレスファイバー形成
e)ラポリメディアにおけるアクチンメッシュワークの形成
f)細胞膜への結合
g)フォスフォイノシタイドへの結合
本発明の予防・治療剤は、細胞運動、細胞移動及び血管形成のいずれかが関連する疾患の予防・治療方法としても実施できる。すなわち、本発明の予防・治療剤をヒト又は非ヒト温血動物を予防又は治療のために有効量投与することは、上記疾患の予防・治療方法である。
本発明によれば、本タンパク質をコードする外来性DNAを有する非ヒト哺乳動物が提供される。このトランスジェニック動物によれば、外来性DNAによって本タンパク質を発現しているため、本タンパク質の活性の研究や、本タンパク質が関連する疾患の予防・治療剤のスクリーニングや評価等に適した動物となっている。ここで非ヒト哺乳動物としては、例えば、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウサギ、イヌ、ネコ、モルモット、ハムスター、マウス、ラットなどが用いられる。なかでも、マウスやラットなどのゲッ歯動物が好ましい。
本発明によれば、本タンパク質をコードするDNAの発現が抑制された非ヒト動物が提供される。こうした動物によれば、本タンパク質の発現が抑制されているため、本タンパク質が関わる各種の活性を欠失する可能性があり、本タンパク質の生物活性の不活性化を原因とする疾病のモデルとすることができる。
本発明の抗体は、本タンパク質又はリン酸化された本タンパク質を特異的に認識することができる。本発明の抗体を用いることにより、被検試料中の本タンパク質又はリン酸化された本タンパク質を、特にELISAなどのEIAなどの抗体を利用した酵素抗体法等などの測定方法により定量することができる。すなわち、本発明の抗体は本タンパク質又はリン酸化された本タンパク質の定量用試薬として用いることができる。もちろん、本タンパク質の定性用試薬としても用いることができる。さらに、細胞や組織などの被験試料中の本タンパク質又はリン酸化された本タンパク質の量は、本タンパク質が関連する疾患、例えば、細胞運動、細胞移動及び血管形成に関連する疾患の診断に関連するため、本発明の抗体は、こうした疾患の診断剤として使用できる。
Aktと相互作用するプロテインを特定するため、Akt1のfull−length cDNAをpAS2ベクター(Clontech)に挿入した。それによって得られたコンストラクトを先述のヒト胎児の脳 MARCHMAKER cDNAライブラリー(Murakamiほか、2002)をスクリーニングするための材料(ベイト)とした。挿入されたcDNAを含む2つの陽性プラスミドを選び、配列を解析した。それら2つのプラスミドは、GirdinのC末端領域(残基1217−1870)をコードするcDNA断片を含んでいた。Girdinをコードするfull−length cDNAについて、その末端を5’迅速増幅(5’−RACE システム,Invitrogen)することによりヒト胎児の脳ポリA+RNAから分離した。さらに、ヒトAkt1とGirdin cDNAの断片を含む精製したpASとpACでもって酵母2−ハイブリッド結合試験を行った。
構成的に活性で優性阻害の特性を持つ野生のヒト Akt1はY.Gotoh氏(東京大学)の好意により入手した。そしてpcDNA3.1−,pGEX−,pEGFP−Girdin断片のコンストラクトを作製した(Murakamiほか、2002)。EGFPをタンパク質のアミノ末端に、V5とmyc tagとをタンパク質のカルボキシル末端に融合した。Girdin変異体はQuick Change site−directed mutagenesis kit(Stratagene)を使って、製造者プロトコールに従って作製した。Girdinのヌクレオチド780−800(5’−AAGAAGGCTACGGCAGGAATT−3’)(下線部は変異遺伝子)に2つのサイレント変異を導入することで抗siRNA Girdinを作製した。
Girdinのカルボキシル末端の19アミノ酸に対してウサギ抗Girdinポリクローナル抗体を生成させ、免疫ペプチドでアフィニティー精製した。抗リン酸化Girdinポリクローナル抗体は、Kumamoto Immunochemical Laboratory,Transgenic,Inc.(熊本県)から提供を受けたもので、Girdinのアミノ酸配列1408−1420(CDINRERQKpSLTLT)に対応する、キーホールリンペットヘモシアニンに結合したリン酸化ペプチドでウサギを免疫することにより取得した。抗血清はリン酸化ペプチドに結合したカラムに結合したフラクションとして精製した。実験で使用した他の抗体としては、抗Aktポリクローナル抗体(Cell Signaling Technology)、抗リン酸化Aktポリクローナル抗体(Cell Signaling Technology)、抗コータクチンモノクローナル抗体(Upstate)などがある。
Girdin CT−V5 WT、SAまたは生成したGST−STを発現しているCOS7細胞から採取した抗V5抗体(Invitrogen)による免疫沈降物を、活性もしくは不活性組み換えAkt(500ng)(Upstate)と共に、キナーゼ緩衝液(20mM MOPS、25mM β−glycerophosphate、5mM EGTA、15mM MgCl2)に10μCi[γ−32P]ATP(3000Ci/mmol、Amersham)を添加した中で培養した。混合物を30℃で30分間培養し、Laemmliドデシル硫酸ナトリウム(SDS)サンプル希釈緩衝液(20mM Tris−HCl[pH6.8]、2mM EDTA、2% SDS、10% sucrose、20μg/ml bromophenol blue、80mM dithiothreitol)を加えることによって、反応を終わらせた。
ベロ細胞をフィブロネクチン(10μg/ml、Sigma)とコラーゲンI(10μg/ml、Upstate)でコートしたカバースリップもしくはガラス製ディッシュにのせて固定し、上述した抗体で染色した。蛍光染色は共焦点レーザ顕微鏡(fluoview FV500、Olympus)で確認した。
F−アクチン共沈降試験を製造者プロトコール(Cytoskeleton)に従って行った。精製したGST融合プロテイン、GST、α−アクチン(Cytoskeleton)を40μgの精製アクチンフィラメントと共に室温で30分間培養した。F−アクチンの最終濃度は18μMであった。フィラメントは、その後、遠心分離(100000×g)(ベックマン)でペレット化した。共沈させたタンパク質は、SDS−PAGEで分離してクマシーブリリアントブルー(CBB)又は抗GST抗体(Cell Signaling Technology)又は抗リン酸化Girdin抗体を用いたウエスタンブロット分析で確認した。 定量的アッセイには、所定濃度のGST−Girdin CT2(1μM)を、重合性緩衝液中で各種濃度のF−アクチン(0〜2.5μM)を混合し、室温で30分間インキュベートした。タンパク質を上記と同様にして遠心分離し、全てのペレットと上清をそれぞれSDS−PAGEを施した。タンパク質のバンドをCBB染色で検出してスキャンし、WinROOF(Mitani Corp.,Fukui,Japan)で解析した。
GirdinとAktのsiRNAによるノックダウンは既に記載された方法を用いて実施した(Watanabe et al.,2004)。Girdinの発現のサイレンシングを媒介したターゲット配列は、以下のとおり、5−AACCAGGTCATGCTCCAAATT−3(145−165ヌクレオチド、GirdinsiRNA A)及び5−AAGAAGGCTTAGGCAGGAATT−3(780−800ヌクレオチド,GirdinsiRNA B)であった。これらの21ヌクレオチドの合成二重鎖はQiagenにより作製された。また、ヒトAkt1に特異的なsiRNAはQiagenより入手した。ベロ細胞を、リポフェクタミン2000(Invitrogen)を用いてこれらのsiRNA又はコントロールとしての無関係な21RNA(Qiagen)により製造者プロトコールに従ってトランスフェクトした。
細胞質膜の細胞質側表面の電子顕微鏡観察は、以前に報告された方法に従った(Heuser,1989,2000;Usukura,1993)。ガラスカバースリップ(直径3mm,スタンダード#1,Matunami、Osaka,Japan)上で培養したベロ細胞を、siRNAでトランスフェクトした。上層側の細胞膜から割断(アンルーフ)した後、直ちに細胞を2.5%グルタルアルデヒドの緩衝液A溶液(緩衝液A;70mM KCl,5mM MgCl2、3mMEDTA、30mM HEPES緩衝液,pH7.4(KOHにて))中で固定化した。緩衝液と蒸留水との混液で洗浄した後、直ちに試料を液体ヘリウムで急速冷凍装置(Eiko,Tokyo,Japan)で凍結した。試料は、その後、フリーズエッチ装置(FR2000、HITACHI、Ibaraki、Japan)を用いてプラチナ−カーボンでロータリーシャドウィングした。Girdin分子の免疫ラベルのために、アンルーフした細胞を4%パラホルムアルデヒド/0.5%グルタルアルデヒドの緩衝液A溶液中で固定化した。緩衝液B(100mM NaCl、30mM HEPES、2mMcaCl2)で3回洗浄後、試料をクエンチしブロックして、1%BSAを含む緩衝液B中で一次又は二次金結合抗体(Amersham)で37℃で1時間ラベルした。最終的に、上記と同様の方法で速やかに凍結し、フリーズエッチした。
ベロ細胞における方向性のある細胞移動をインビトロスクラッチ損傷アッセイ(Watanabe et al.,2004)を用いて単層状態で刺激した。ベロ細胞を、フィブロネクチンがコートされたカバースリップか又は35mmのガラス製ディッシュに播種し、siRNAをトランスフェクトした。トランスフェクション48時間経過後、コンフルーエント状態のベロ細胞を、200μlのディスポーザブルピペットチップの先端で引っ掻いて(スクラッチ)、損傷方向に移動可能な状態とした。細胞は、示された時間ごとに免疫染色のために固定化した。低速度観察のためには、ベロ細胞にはsiRNAとGFP−アクチンとの双方をトランスフェクトして、スクラッチ損傷アッセイに供した。損傷側エッジの細胞は、共焦点レーザ走査電子顕微鏡(Fluoview,FV500,Olympus)にて観察した。
各種のコンストラクトやsiRNAでトランスフェクトした細胞の移動性を評価するために、ボイデンチャンバー細胞移動アッセイを改変して、HTS FluoroBlok Insert(8.0μM pores 24−ウエル、BD)を用いる蛍光色素ブロッキングマイクロポアメンブレンを通過するGFPでラベルした細胞の移動を計測することができるようにした。すなわち、メンブレンの両サイドを10μg/mlのフィブロネクチンを用いて12時間37℃でコートし、PBSで洗浄した。その後、チャンバーを、0.1%のBSAを含有しヒト組換えEGF(20ng/ml)を含む又は含まないDMEMが満たされた24ウェルディッシュ内に配置した。HT−1080を用いた移動アッセイには、10%FBSが下側のチャンバーに添加された。24ウェルのプレート内において、細胞(1×105)にGFP(0.5μg(対個々の細胞)、示されたコンストラクト(2.5μg)及びsiRNA(20pmol)をトランスフェクトし、チャンバー上部に置いて、4時間メンブレンの孔部を通過して移動させるようにした。細胞の移動性は、膜を通過して移動したGFP陽性細胞を蛍光顕微鏡でカウントすることで定量した。
GST融合タンパク質をDH5α又はBL21−CodonPlus細胞(Stratagene)中に発現させ、常法にて精製した。リン脂質への精製GST−CTの結合は、製造者プロトコールに従って、PPIP−Strip(Echolen Biosciences)を用いて4℃で確認した。結合したGST−CTは、抗Girdin抗体又は抗リン酸化Girdin抗体のいずれかを用いて検出した。
Aktの新規基質を同定するために、ヒトAkt1の全長をベイトコンストラクトとして酵母two−hybrid法を行って、ヒト胎児脳cDNAライブラリを用いて相互作用するタンパク質を探索した(図1a参照)。その結果、二つのクローン(F−10、F−12)を検出した。図1bに、ヒトAkt1とクローンF−10及びF−12との結合様式を示す。次いで、これらのcDNAを酵母で発現させると、Akt1のC末端調節領域とのみ相互作用することがわかった。さらに、cDNAの5’−末端につき、5’−RACEを行うことで、5’末端に連続する3.6kbのcDNAを含む全コード領域を備えるクローンを取得した。得られた全長cDNAは5610bpのオープンリーディングフレームを含んでおり、1870アミノ酸残基を有するタンパク質をコードしていた。また、データベース探索の結果、マウス、ラットとショウジョウバエにおいてホモログが存在することがわかった。
AktとGirdinとが物理的に相互作用するかどうかをインビボ及びインビトロによるアッセイで確認した。しかしながら、インビトロにおいても免疫沈降によっても両タンパク質の安定的な複合体を検出できなかった(データ示さず)。このことは、両者には、例えば、プロテインキナーゼとその基質の相互作用に観察されるような極めて一過性の様式によって通常の相互作用が生じていることを示唆した。Aktのリン酸化サイト基質はR−x−R−x−x−S/Tサイトを含むものとされており、GirdinのCT領域の1416位のセリン(下線)に近接するアミノ酸配列(RERQKS)がこのアミノ酸配列に相当していた。また、このサイトが唯一のコンセンサス領域であった。推定されるリン酸化領域であるCT領域は、他の種類のGirdinホモログにおいても保存されていたため、AktがGirdinをリン酸化するかどうかを検討することとした。
さらに、インビボでのGirdinとアクチンフィラメントとの相互作用とアクチン組織化のける役割を確認するために、「アンルーフ」ベロ細胞についてのディープエッチ電子顕微鏡による超構造分析を行った。図5aに示すように、免疫金コロイドラベル分析によって、Girdin分子は、アクチンフィラメントとともに局在することわかった。図5bに示すように、高倍率画像から、Girdinがアクチンフィラメントと間の連結部分とともに局在することがわかった。この免疫蛍光分析結果と整合して、Girdinが枯渇したベロ細胞の細胞膜に接した細胞質界面における電子顕微鏡像において視認される表層のアクチンフィラメント密度は、コントロール細胞よりも低かった(図5c参照)。また、コントロール細胞では、より強固に組織化されたアクチンファイバーが優勢であった。コントロールsiRNAを導入した細胞では、フィラメントは相互に隣接して分離することなく同方向を指向して、たくさんの分子によって強固に架橋された太いケーブルを形成していた。いくつかのフィラメントが他のアクチンケーブルに対して鉛直に指向して、結果として、織物様で高密度なアクチンネットワークを形成していた。
アデノウイルスベクターを用いてショートヘアピン型Girdin siRNAのためのノックダウンベクターを構築した。Girdin遺伝子におけるターゲット配列は、gaaggagaggcaactggat(配列番号3)とした。このアデノウイルス(1×1010個/ml)100μlをVEGF100ng/mlを含有するマトリゲル(BDマトリゲル(製品名))400μlに混合し、その全量をマウス腹部の皮下に注入した。1週間経過後、マトリゲル注入部位を取り出してヘマトキシリン・エオジン(HE)染色した。また、コントロールとして、ノックダウンカセットに替えてEGFPを保持したアデノウイルスを用いる以外は実施例と同様に操作した。結果を図11に示す。
Claims (27)
- 以下の(1)〜(3);
(1)配列番号2で表されるアミノ酸配列を含み、その第1416位のセリン残基がリン酸化されているタンパク質、
(2)配列番号2で表されるアミノ酸配列の第1416位のセリン残基に相当するセリン残基を含んで配列番号2で表されるアミノ酸配列と95%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含みかつ前記セリン残基がリン酸化されているタンパク質、及び
(3)前記(1)又は前記(2)のタンパク質のリン酸化セリン残基を含む部分ペプチド、
のいずかに特異的な抗体。 - 請求項1に記載の抗体を含む、細胞運動、細胞移動及び血管形成のいずれかが関連する疾患の診断薬。
- 請求項1に記載の抗体を含む、癌の診断薬。
- 請求項1に記載の抗体と、
以下の(4)〜(6);
(4)配列番号2で表されるアミノ酸配列を含むタンパク質、
(5)配列番号2で表されるアミノ酸配列の第1416位のセリン残基に相当するセリン残基を含んで当該セリン残基のセリン/スレオニンキナーゼAktによる被リン酸化活性を有しかつ配列番号2で表されるアミノ酸配列と95%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含むタンパク質、及び
(6)前記(d)又は前記(e)のタンパク質のリン酸化セリン残基を含む部分ペプチド又はこれらの部分ペプチドであって前記セリン残基を含んでこれらの前記第1416位のセリン残基に相当するセリン残基を含んで当該セリン残基のセリン/スレオニンキナーゼAktによる被リン酸化活性を有する部分ペプチド、
のいずれかに対する抗体と、を含む、細胞運動、細胞移動及び血管形成のいずれかが関連する疾患の診断キット。 - 請求項1に記載の抗体を含む、細胞運動、細胞移動及び血管形成の活性化又は阻害の研究用試薬。
- 請求項1に記載の抗体と、
以下の(4)〜(6);
(4)配列番号2で表されるアミノ酸配列を含むタンパク質、
(5)配列番号2で表されるアミノ酸配列の第1416位のセリン残基に相当するセリン残基を含んで当該セリン残基のセリン/スレオニンキナーゼAktによる被リン酸化活性を有しかつ配列番号2で表されるアミノ酸配列と95%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含むタンパク質、及び
(6)前記(d)又は前記(e)のタンパク質のリン酸化セリン残基を含む部分ペプチド又はこれらの部分ペプチドであって前記セリン残基を含んでこれらの前記第1416位のセリン残基に相当するセリン残基を含んで当該セリン残基のセリン/スレオニンキナーゼAktによる被リン酸化活性を有する部分ペプチド、
のいずれかに対する抗体と、
を含む、細胞運動、細胞移動及び血管形成の活性又は阻害の研究用試薬キット。 - 生体から採取した細胞における、以下の(1)〜(2);
(1)配列番号2で表されるアミノ酸配列を含み、その第1416位のセリン残基がリン酸化されているタンパク質、及び
(2)配列番号2で表されるアミノ酸配列の第1416位のセリン残基に相当するセリン残基を含んで配列番号2で表されるアミノ酸配列と95%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含みかつ前記セリン残基がリン酸化されているタンパク質、
のいずれかを検出する、細胞運動、細胞移動及び血管形成のいずれかに関する細胞活性の検査方法。 - さらに、前記タンパク質についての以下のいずれかの活性を検査する、請求項7に記載の検査方法。
c)アクチンフィラメントへの結合活性
d)アクチンストレスファイバー形成活性
e)ラポリメディアにおけるアクチンメッシュワークの形成活性 - 前記タンパク質を検出するために請求項1に記載の抗体を用いる、請求項7又は8に記載の検査方法。
- さらに、 以下の(4)〜(5);
(4)配列番号2で表されるアミノ酸配列を含むタンパク質、及び
(5)配列番号2で表されるアミノ酸配列の第1416位のセリン残基に相当するセリン残基を含んで当該セリン残基のセリン/スレオニンキナーゼAktによる被リン酸化活性を有しかつ配列番号2で表されるアミノ酸配列と95%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含むタンパク質、
のいずれかを検出する、請求項7〜9のいずれかに記載の検査方法。 - さらに、以下の(4)〜(5);
(4)配列番号2で表されるアミノ酸配列を含むタンパク質、及び
(5)配列番号2で表されるアミノ酸配列の第1416位のセリン残基に相当するセリン残基を含んで当該セリン残基のセリン/スレオニンキナーゼAktによる被リン酸化活性を有しかつ配列番号2で表されるアミノ酸配列と95%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含むタンパク質、
のいずれかのタンパク質について以下のいずれかの活性を検査する、請求項10に記載の検査方法。
a)セリン/スレオニンキナーゼAktと前記タンパク質と結合活性
b)セリン/スレオニンキナーゼAktによる前記タンパク質のリン酸化活性
f)細胞膜結合活性
g)フォスフォイノシタイドへの結合活性 - 以下の(4)〜(5);
(4)配列番号2で表されるアミノ酸配列を含むタンパク質、及び
(5)配列番号2で表されるアミノ酸配列の第1416位のセリン残基に相当するセリン残基を含んで当該セリン残基のセリン/スレオニンキナーゼAktによる被リン酸化活性を有しかつ配列番号2で表されるアミノ酸配列と95%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含むタンパク質、
のいずれかのタンパク質を検出するために、当該タンパク質に対する抗体を用いる、請求項10又は11に記載の検査方法。 - 癌、動脈硬化性疾患並びに中枢及び末梢神経障害から選択されるいずれかの疾患の検査方法である、請求項7〜12のいずれかに記載の検査方法。
- 請求項1に記載の抗体を用いる、細胞運動、細胞移動及び血管形成のいずれかを活性化又は阻害する化合物又はその塩のスクリーニング方法。
- 前記部分ペプチドは、配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質のC末端側領域(CT1領域及び/又はCT2領域)である、請求項14記載のスクリーニング方法。
- セリン/スレオニンキナーゼAktと、
以下の(4)〜(6);
(4)配列番号2で表されるアミノ酸配列を含むタンパク質、
(5)配列番号2で表されるアミノ酸配列の第1416位のセリン残基に相当するセリン残基を含んで当該セリン残基のセリン/スレオニンキナーゼAktによる被リン酸化活性を有しかつ配列番号2で表されるアミノ酸配列と95%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含むタンパク質、及び
(6)前記(d)又は前記(e)のタンパク質のリン酸化セリン残基を含む部分ペプチド又はこれらの部分ペプチドであって前記セリン残基を含んでこれらの前記第1416位のセリン残基に相当するセリン残基を含んで当該セリン残基のセリン/スレオニンキナーゼAktによる被リン酸化活性を有する部分ペプチド、
のいずれかとの結合活性の促進又は阻害を指標とする、請求項14又は15に記載のスクリーニング方法。 - セリン/スレオニンキナーゼAktによる前記タンパク質のリン酸化の促進又は阻害を指標とする、請求項14〜16のいずれかに記載のスクリーニング方法。
- アクチンフィラメント結合能の促進又は阻害を指標とする、請求項14〜17のいずれかに記載のスクリーニング方法。
- アクチンストレスファイバー形成能の促進又は阻害を指標とする、請求項14〜18のいずれかに記載のスクリーニング方法。
- ラポリメディアにおけるアクチンメッシュワークの形成能の促進又は阻害を指標とする、請求項14〜19のいずれかに記載のスクリーニング方法。
- 以下の(4)〜(5);
(4)配列番号2で表されるアミノ酸配列を含むタンパク質、及び
(5)配列番号2で表されるアミノ酸配列の第1416位のセリン残基に相当するセリン残基を含んで当該セリン残基のセリン/スレオニンキナーゼAktによる被リン酸化活性を有しかつ配列番号2で表されるアミノ酸配列と95%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含むタンパク質、
のいずれかに対する抗体を用いる、請求項14〜20のいずれかに記載のスクリーニング方法。 - 細胞膜結合性の促進又は阻害を指標とする、請求項21に記載のスクリーニング方法。
- フォスフォイノシタイド結合性の促進又は阻害を指標とする、請求項21又は22に記載のスクリーニング方法。
- 以下の(4)〜(5);
(4)配列番号2で表されるアミノ酸配列を含むタンパク質、及び
(5)配列番号2で表されるアミノ酸配列の第1416位のセリン残基に相当するセリン残基を含んで当該セリン残基のセリン/スレオニンキナーゼAktによる被リン酸化活性を有しかつ配列番号2で表されるアミノ酸配列と95%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含むタンパク質、
のいずれかを発現する細胞を用いる、請求項14〜23のいずれかに記載のスクリーニング方法。 - 癌、動脈硬化性疾患並びに中枢及び末梢神経障害から選択されるいずれかの疾患の予防又は治療のための化合物のスクリーニング方法である、請求項14〜24のいずれかに記載のスクリーニング方法。
- 以下の(4)〜(6);
(4)配列番号2で表されるアミノ酸配列を含むタンパク質、
(5)配列番号2で表されるアミノ酸配列の第1416位のセリン残基に相当するセリン残基を含んで当該セリン残基のセリン/スレオニンキナーゼAktによる被リン酸化活性を有しかつ配列番号2で表されるアミノ酸配列と95%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含むタンパク質、及び
(6)前記(d)又は前記(e)のタンパク質のリン酸化セリン残基を含む部分ペプチド又はこれらの部分ペプチドであって前記セリン残基を含んでこれらの前記第1416位のセリン残基に相当するセリン残基を含んで当該セリン残基のセリン/スレオニンキナーゼAktによる被リン酸化活性を有する部分ペプチド、
のいずれかと、セリン/スレオニンキナーゼAktとの反応を請求項1に記載の抗体を用いて検出する、細胞運動、細胞移動及び血管形成のいずれかを活性化又は阻害する化合物の定性的分析方法。 - 以下の(4)〜(6);
(4)配列番号2で表されるアミノ酸配列を含むタンパク質、
(5)配列番号2で表されるアミノ酸配列の第1416位のセリン残基に相当するセリン残基を含んで当該セリン残基のセリン/スレオニンキナーゼAktによる被リン酸化活性を有しかつ配列番号2で表されるアミノ酸配列と95%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含むタンパク質、及び
(6)前記(d)又は前記(e)のタンパク質のリン酸化セリン残基を含む部分ペプチド又はこれらの部分ペプチドであって前記セリン残基を含んでこれらの前記第1416位のセリン残基に相当するセリン残基を含んで当該セリン残基のセリン/スレオニンキナーゼAktによる被リン酸化活性を有する部分ペプチド、
のいずれかと、セリン/スレオニンキナーゼAktとの反応を請求項1に記載の抗体を用いて検出する、細胞運動、細胞移動及び血管形成のいずれかを活性化又は阻害する化合物の定量方法。
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