ところで、従来の検査方法においては、被験者の眼球又は頭部に測定装置の一部を接触又は近接しておく必要が有り、快適性や簡便性に欠ける上、非侵襲性や作業上の安全性が十分に保証されているわけではない。また、従来の検査方法においては、眼振計のように、特殊な装置を用いて測定を行なう必要が有るものの、これらの特殊な装置は価格が高額であり、規模の小さな医療機関等では容易には導入しずらい。更に、従来の検査方法では、上下軸及び左右軸の眼球運動は測定可能であるが、回旋回転軸の眼球運動を測定することは技術的に困難である。
この発明の目的は、完全に非侵襲で被験者に負担を掛けることなく、安全に被験者の眼球運動を検査可能であると共に、低コスト、かつ、回旋回転軸の眼球運動を検査可能にする眼球運動検査視票表示装置、眼球運動検査装置及び眼球運動検査方法を提供することである。
請求項1記載の眼球運動検査視票表示装置は、第1の色彩で表示される第1色彩領域と、第2の色彩で表示される第2色彩領域とが所定方向に交互に繰返し表示されているフレーム画像であって、1/nづつ周期がずれたnフレームのフレーム画像を記憶するフレーム画像記憶部と、前記フレーム画像記憶部に記憶されている前記フレーム画像の前記第1色彩領域の輝度と前記第2色彩領域の輝度とを、眼球運動の検査を受ける被験者が等輝度と認識する輝度に調整する輝度調整部と、前記フレーム画像記憶部に記憶されているnフレームの前記フレーム画像により構成される眼球運動検査視票を表示する表示部と、前記nフレームのフレーム画像の全てを順次表示した場合を1周期として、前記輝度調整部により調整されたフレーム画像を、前記表示部において1秒間に25周期以上あるいは被験者の色臨界ちらつき頻度を越える時間周波数で反復表示し、前記表示部上において所定の速度で一定方向に流動する眼球運動検査視票を表示する制御を行なう表示制御部と、を備え、前記表示制御部が、前記表示部における前記眼球運動検査視票の表示領域を複数に分割する表示領域分割手段を備え、前記表示領域分割手段により分割された各表示領域において、前記眼球運動検査視票をそれぞれ異なる一定方向に流動させることを特徴とする。
この請求項1記載の眼球運動検査視票表示装置は、2つの色彩による格子縞模様の輝度が等輝度に調整されたフレーム画像であって、1/nづつ周期がずれたnフレームのフレーム画像を、nフレームのフレーム画像の全てを順次表示した場合を1周期として、1秒間に25周期以上あるいは被験者の色臨界ちらつき頻度を越える時間周波数で反復表示することによって、所定の速度で一定方向に流動する眼球運動検査視票を表示している。即ち、色臨界ちらつき頻度を超える時間周波数で表示しているため、眼球が静止している場合、被験者は格子縞模様が視認できず、眼球運動検査視票が流動する方向と同一方向に略同一の速度で眼球運動が生じている場合に限り、被験者は格子縞模様を視認することができる眼球運動検査視票を表示することができる。また、表示領域を複数に分割し、各表示領域において眼球運動検査視票をそれぞれ異なる一定方向に流動させることができる。
また、請求項2記載の眼球運動検査視票表示装置は、前記表示制御部が、前記眼球運動検査視票を、上下方向、左右方向及び回旋方向の少なくとも何れか一つの方向に流動させることを特徴とする。
この請求項2記載の眼球運動検査視票表示装置によれば、上下方向、左右方向のみならず、回旋方向にも流動する眼球運動検査視票を表示することができる。従って、請求項2記載の眼球運動検査視票表示装置を用いることによって、回旋方向の眼球運動に関する検査を容易に行なうことができる。
また、請求項3記載の眼球運動検査視票表示装置は、前記表示制御部が、前記フレーム画像が前記表示部において、1秒間に反復表示される周期の数を調整する時間周波数調整手段と、前記第1色彩領域と前記第2色彩領域とで構成される縞模様の幅を調整する空間周波数調整手段とを備えることを特徴とする。
この請求項3記載の眼球運動検査視票表示装置によれば、1秒間に反復表示される周期の数を示す時間周波数と、第1色彩領域と第2色彩領域とで構成される縞模様の幅を示す空間周波数とを調整することができる。即ち、時間周波数又は空間周波数の一方、もしくは双方を調整することにより、表示部における眼球運動検査視票が流動する速度を調整することができる。
また、請求項4記載の眼球運動検査視票表示装置は、前記表示制御部が、前記表示領域分割手段により分割された前記表示領域の各々において、前記フレーム画像が1秒間に反復表示される周期の数をそれぞれ異なる数とすることを特徴とする。
また、請求項5記載の眼球運動検査視票表示装置は、前記表示制御部が、前記表示領域分割手段により分割された前記表示領域の各々において、前記第1色彩領域と前記第2色彩領域とで構成される縞模様の幅をそれぞれ異なる大きさとすることを特徴とする。
この請求項4又は5記載の眼球運動検査視票表示装置によれば、分割された表示領域の各々において、フレーム画像が1秒間に表示される周期の数を示す時間周波数、又は、第1色彩領域と第2色彩領域とで構成される縞模様の幅を示す空間周波数を変調することにより、各表示領域において異なる速度で流動する眼球運動検査視票を表示することができる。
また、請求項6記載の眼球運動検査視票表示装置は、前記表示領域分割手段が、前記表示領域を、少なくとも上下又は左右の2つに分割することを特徴とする。また、請求項7記載の眼球運動検査視票表示装置は、前記表示領域分割手段が、前記表示領域を、少なくとも上下左右の4つに分割することを特徴とする。
この請求項6及び請求項7記載の眼球運動検査視票表示装置によれば、表示領域を上下又は左右の2つ、又は、上下左右の4つの領域に分割することができる。従って、検査時の必要に応じて複数の眼球運動検査視票を同時に表示することができる。
また、請求項8記載の眼球運動検査装置は、請求項1〜請求項7の何れか一項に記載の眼球運動検査視票表示装置により構成される眼球運動検査視票表示部と、前記眼球運動検査視票表示部に表示された前記眼球運動検査視票の、前記被験者による視認結果を入力する視認結果入力部と、前記視認結果入力部を介して入力された視認結果を記憶する視認結果記憶部と、前記視認結果記憶部に記憶された視認結果を出力する出力部とを備えることを特徴とする。
この請求項8記載の眼球運動検査装置は、人間の色臨界ちらつき頻度を超える速度で、2つの色彩を用いた格子縞模様を示す画像を流動させることによって眼球運動検査視票を表示する眼球運動検査視票表示装置により構成される眼球運動検査視票表示部を備え、被験者により入力された眼球運動検査視票の視認結果を記憶し出力している。即ち、表示された眼球運動検査視票において、被験者がどの眼球運動検査視票の格子縞模様を視認したかを示す視認結果を記憶し、視認結果を出力することができる。
また、請求項9記載の眼球運動検査方法は、第1の色彩で表示される第1色彩領域と、第2の色彩で表示される第2色彩領域とが所定方向に交互に繰返し表示されているフレーム画像を、被験者に対して呈示するフレーム画像呈示ステップと、前記フレーム画像の前記第1色彩領域の輝度と前記第2色彩領域の輝度とを、前記被験者が等輝度と認識する輝度に調整する輝度調整ステップと、前記輝度調整ステップにより輝度が調整されたフレーム画像であって、1/nづつ周期がずれたnフレームのフレーム画像を、該nフレームのフレーム画像の全てを順次表示した場合を1周期として、1秒間に25周期以上あるいは被験者の色臨界ちらつき頻度を越える時間周波数で反復表示し、所定の速度で一定方向に流動する眼球運動検査視票を表示する眼球運動検査視票表示ステップと、前記被験者による前記眼球運動検査視票の視認結果を入力する視認結果入力ステップと、前記視認結果入力ステップにおいて入力された前記視認結果を記憶する視認結果記憶ステップと、前記視認結果記憶ステップにおいて記憶された前記視認結果を出力する出力ステップと、を含み、前記眼球運動検査視票表示ステップに、前記眼球運動検査視票が表示される表示領域を複数に分割する表示領域分割ステップが含まれ、前記表示領域分割ステップにおいて分割された各表示領域において、前記眼球運動検査視票をそれぞれ異なる一定方向に流動させることを特徴とする。
この請求項9記載の眼球運動検査方法によれば、人間の色臨界ちらつき頻度を超える速度で、2つの色彩を用いた格子縞模様を示す画像を流動させることによって眼球運動検査視票を表示し、被験者により入力された視認結果を記録することができる。即ち、眼球又は頭部に測定装置の一部を接触又は近接させることなく、呈示された眼球運動検査視票の格子縞模様が視認できるか否かを被験者が自覚的に報告することによって、完全に非侵襲な状態で簡便に眼球運動の検査を行なうことができる。また、表示領域を複数に分割し、各表示領域に表示される眼球運動検査視票をそれぞれ異なる一定方向に流動させることができる。従って、被験者に生じている眼球運動の方向について効率的な検査を実施することができる。
また、請求項10記載の眼球運動検査方法は、前記眼球運動検査視票表示ステップに、前記フレーム画像が1秒間に反復表示される周期の数を調整する周期調整ステップと、前記第1色彩領域と前記第2色彩領域とで構成される縞模様の幅を調整する空間周波数調整ステップとが含まれることを特徴とする。
この請求項10記載の眼球運動検査方法によれば、1秒間に反復表示される周期の数を示す時間周波数、又は、第1色彩領域と第2色彩領域とで構成される縞模様の幅を示す空間周波数を調整することができる。従って、時間周波数又は空間周波数の一方、若しくは双方を調整することにより、表示部における眼球運動検査視票が流動する速度を調整し、被験者の眼球運動がどの程度の速度で生じているのかを適切に検査することができる。
また、請求項11記載の眼球運動検査方法は、前記眼球運動検査視票表示ステップにおいて、前記表示領域分割ステップにおいて分割された前記表示領域の各々において、前記フレーム画像が1秒間に表示される周期の数をそれぞれ異なる数とすることを特徴とする。
また、請求項12記載の眼球運動検査方法は、前記眼球運動検査視票表示ステップにおいて、前記表示領域分割ステップにおいて分割された前記表示領域の各々において、前記第1色彩領域と前記第2色彩領域とで構成される縞模様の幅をそれぞれ異なる大きさとすることを特徴とする。
この請求項11及び請求項12記載の眼球運動検査方法によれば、分割された表示領域の各々において、フレーム画像が1秒間に表示される周期の数を示す時間周波数、又は、第1色彩領域と第2色彩領域とで構成される縞模様の幅を示す空間周波数を調整することができる。即ち、時間周波数又は空間周波数を調整することによって、各表示領域において異なる速度で流動する眼球運動検査視票を表示することができる。従って、被験者に生じている眼球運動の速度について効率的な検査を実施することができる。
この発明の眼球運動検査視票表示装置によれば、被験者に眼球運動検査視票が流動する方向と同一方向に略同一速度で眼球運動が生じている場合に限り、格子縞模様が視認されるように眼球運動検査視票を表示することができる。従って、表示されている眼球運動検査視票を用いることにより、被験者が眼球運動の様子を自覚的に知ることができる。
また、この発明の眼球運動検査装置によれば、この発明の眼球運動検査視票表示装置により構成される眼球運動検査視票表示部を備え、被験者がどの眼球運動検査視票において格子縞模様を視認したかを示す視認結果を記憶し、記憶した視認結果を出力している。従って、眼球又は頭部に測定装置の一部を接触又は近接させることなく、呈示された眼球運動検査視票の格子縞模様を被験者が視認できるか否かを自覚的に報告することによって、完全に非侵襲な状態で簡便に眼球運動の検査を行なうことができる。
また、この発明の眼球運動検査方法によれば、人間の色臨界ちらつき頻度を超える速度で、2つの色彩を用いた格子縞模様を示す画像を流動させることによって眼球運動検査視票を表示し、被験者により入力された視認結果を記録することができる。従って、自然状態で不随意的に生じている被験者の眼球運動を、眼球運動検査視票が呈示された際における被験者の眼球の状態を撮影する等の処理を行うことなく、容易に検査することができる。そのため、眼科的診断等の関連において、不随意的な病理性眼振等の眼球運動の態様を簡便に検査することができ、患者等に負担を掛けることなく必要なデータを容易に得ることができる。
以下、図面を参照してこの発明の実施の形態に係る眼球運動検査視票表示装置を含む眼球運動検査装置を用いた眼球運動の検査方法について説明する。
図1は、この発明の実施の形態に係る眼球運動検査装置のブロック構成図である。眼球運動検査装置2は、図1に示すように、眼球運動検査装置2における眼球運動検査視票の表示制御等を行うデータ制御部10を備えている。データ制御部10には、第1の色彩で表示される第1色彩領域と、第2の色彩で表示される第2色彩領域とが所定方向に交互に繰り返し表示されているフレーム画像を記憶するフレーム画像記憶部12、フレーム画像を反復表示することにより一定方向に流動する眼球運動検査視票等を表示する表示部14(タッチパネル15)、被験者による眼球運動検査視票の視認結果等を記憶するデータ記憶部16及び所定のパラメータ等を入力する入力部18が接続されている。なお、データ制御部10は、例えば、パーソナルコンピュータ等により構成され、表示部14は、例えば、カラーCRTモニタ等により構成される。また、フレーム画像記憶部12及びデータ記憶部16は、例えば、それぞれパーソナルコンピュータのハードメモリ等により構成される。そして、入力部18は、例えば、キーボードやポインティングデバイス等により構成される。
ここで、表示部14において眼球運動検査視票が表示される領域には、タッチパネル15が形成されている。即ち、表示部14は、眼球運動検査視票を表示すると共に、被験者の視認結果を入力する視認結果入力部としても機能する。具体的には、眼球運動検査視票が表示部14に表示されている際に、被験者が表示部14(タッチパネル15)の表面に指や所定のデバイス等を用いて直接触れることにより、触れられた表示領域に表示されている眼球運動検査視票を被験者が視認したことを示す視認結果が入力される。そして、入力された視認結果は、例えば、被験者が触れた位置に表示されていた眼球運動検査視票が流動する方向、時間周波数及び空間周波数を示すデータと対応させて、データ記憶部16に記憶される。なお、時間周波数とは、眼球運動検査視票の時間変調を示す指標であり、実質的には、眼球運動検査視票が流動する際の速度を示すものである。また、空間周波数とは、空間軸上、即ち、表示部14における表示画面上の、単位長さ当りの正弦波変調の周期の数を示し、縞模様の幅を示すものである。この空間周波数を調整し、縞模様の幅を調整することによって、実質的に眼球運動検査視票が流動する際の速度を調整することができる。
図2は、図1に示す眼球運動検査装置2を構成するデータ制御部10のブロック構成を示す図である。データ制御部10は、表示部14(図1参照)における眼球運動検査視票の表示を制御する表示制御部20を備えている。表示制御部20には、輝度調整部22、時間周波数調整部24、空間周波数調整部25、表示領域分割部26及び入力制御部28が接続されている。輝度調整部22は、入力部18を介して入力された所定のパラメータに応じて、フレーム画像記憶部12に記憶されているフレーム画像の、第1色彩領域の輝度と第2色彩領域の輝度とを、眼球運動の検査を受ける被験者が等輝度であると認識する輝度に調整する処理を行う。
時間周波数調整部24は、入力部18を介して入力された所定のパラメータに応じて、表示部14にフレーム画像を表示する際に、1秒間に反復表示される周期の数を調整する処理、即ち、眼球運動検査視票の時間周波数を調整する処理を行う。空間周波数調整部25は、入力部18を介して入力された所定のパラメータに応じて、表示部14にフレーム画像を表示する際に、縞模様の幅を調整する処理、即ち、眼球運動検査視票の空間周波数を調整する処理を行う。表示領域分割部26は、入力部18を介して入力された所定の指示コマンド等に応じて、表示部14における眼球運動検査視票を表示する領域を複数に分割する処理を行う。なお、表示領域分割部26により表示領域が分割された場合には、各表示領域に異なるパターン、即ち、流動方向、時間周波数、空間周波数の何れかがそれぞれ異なる眼球運動検査視票、又は、流動方向、時間周波数及び空間周波数の何れもが異なる眼球運動検査視票がそれぞれの表示領域に表示される。
また、入力制御部28は、被験者による眼球運動検査視票の視認結果の入力を制御する処理を行うものであり、表示部14の表示領域に形成されているタッチパネル15が被験者により操作されることによりデータの入力制御を行なう。即ち、眼球運動検査視票を呈示されている被験者がタッチパネル15に指等で直接触れると、入力制御部28により、眼球運動検査視票が流動する方向、時間周波数及び空間周波数を示すデータが表示制御部20から取得され、被験者が眼球運動検査視票を視認したことを示すデータとしてデータ記憶部16に保存される。
次に、フレーム画像記憶部12(図1参照)に記憶されているフレーム画像について説明する。この実施の形態に係るフレーム画像は、第1の色彩で表示される第1色彩領域30と、第2の色彩で表示される第2色彩領域32とが所定方向に交互に繰返し表示された格子縞模様を示す画像である(図3参照)。第1の色彩及び第2の色彩には、緑色と赤色、黄色と青色、黄色と灰色等のように、任意の色彩を組合わせて用いることができ、例えば、検査の目的や被験者の好み等によって任意に設定することができる。ここで、緑色と赤色、黄色と青色のように、補色又は反対色と言われる組み合わせを用いた場合には、色変調の振幅が大きくなるため、格子縞模様が見え易くなるという特徴がある。なお、図3のフレーム画像中に示す黒点34は、眼球運動の検査を受ける被験者が、検査を受ける際に注視すべき位置を示すものである。
ここで、フレーム画像記憶部12には、1/nづつ周期をずらしたnフレームのフレーム画像が記憶されている。即ち、人間の色臨界ちらつき頻度は約15Hzとされており、時間周波数25Hz以上という典型例に示されるような被験者の色臨界ちらつき頻度を越える時間周波数での時間変調を持つ等輝度の正弦波格子(正弦波として示される格子縞模様)は視認することができないとされている(D.A.Kelly、“Spatiotemporal variation of chromatic and achromatic contrast thresholds”、Journal of the Optical Society of America.73、742−750.(1983)参照)。換言すれば、時間周波数25Hz以上で流動する眼球運動検査視票を表示している場合、被験者に所定の眼球運動が生じていなければ、被験者は眼球運動検査視票を構成するフレーム画像が示す格子縞模様を視認することができない。そのため、被験者に所定の眼球運動が生じていない場合には、第1色彩領域30と第2色彩領域32とによる格子縞模様、例えば、「赤色」と「緑色」の格子縞模様が、「赤色」と「緑色」の中間色、「黄色」の一様な面が呈示されているかのように知覚される。
一方、被験者に所定の眼球運動、即ち、眼球運動検査視票が流動する方向と同方向に眼球運動が生じている場合には、網膜上での色度の時間変調は表示部14に表示されている眼球運動検査視票の時間変調を示す時間周波数25Hzを下回ることになり、格子縞模様が視認されることになる。特に、眼球運動検査視票と同一方向に同一速度で眼球運動が生じている場合には、網膜上での色度の時間変調は理論上はなくなり、最も明瞭に格子縞模様を視認することが可能となる。そのため、被験者に眼球運動が生じているか否かを検査するためには、表示部14において、時間周波数25Hz以上という典型例に示されるような被験者の色臨界ちらつき頻度を越える時間周波数で一定方向に流動する眼球運動検査視票を表示する必要がある。
ところで、この実施の形態に係る眼球運動検査装置2においては、表示部14として、駆動周波数が100HzのCRTディスプレイを用いている。従って、駆動周波数が100HzのCRTディスプレイにおいて時間周波数25Hzで眼球運動検査視票を表示すべく、フレーム画像記憶部12には、図4に示す正弦波によって表される4つのフレーム(フレーム1〜フレーム4)が記憶されている。各フレームは1フレーム当り1/4づつ周期がずれて、即ち、フレーム1とフレーム2とは位相角が90度ずれており、同様にフレーム2とフレーム3、フレーム3とフレーム4、フレーム4とフレーム1もそれぞれ位相角が90度づつずれている。そして、4つのフレームをもって正弦波の1周期とし、フレーム1、フレーム2、フレーム3及びフレーム4をそれぞれ10msずつ順次反復表示し、1秒間に100フレーム以上のフレーム画像を反復表示することにより、駆動周波数100HzのCRTディスプレイを用いた表示部14において時間周波数を25Hz以上で眼球運動検査視票を表示することができる。換言すれば、1秒間に25周期以上フレーム画像を反復表示することによって、時間周波数を25Hz以上として一定方向に流動する眼球運動検査視表を表示することができる。
なお、入力部18を介して所定のパラメータを入力し、時間周波数整部24により入力された所定のパラメータに応じて周期を調整することによって、時間周波数を変更することができる。例えば、フレームを表示する時間を短縮・延長することにより、1秒間に反復表示される周期の数を変動させ、時間周波数を高く・低く調整することができる。また、入力部18を介して所定のパラメータを入力し、空間周波数調整部25により入力された所定のパラメータに応じて正弦波の波長を変更することによって、空間周波数を変更することができる。即ち、正弦波の波長を変更することによって、空間軸上における単位長さ辺りの正弦波変調の周期の数を変更し、空間周波数を高く・低く調整することができる。
また、この実施の形態に係る眼球運動検査装置2においては、駆動周波数が100HzであるCRTディスプレイを表示部14として用いているため、1/4づつ周期をずらした4つのフレーム画像の全てが順次表示された場合を1周期としているが、1周期を構成するフレーム画像の数は、表示部14として使用されるディスプレイやモニタの駆動周波数によって異なる。例えば、表示部14として駆動周波数200Hzのディスプレイを用いている場合に、表示部14において25Hz以上の時間周波数で眼球運動検査視票を表示するためには、1/8づつ周期をずらした8フレームのフレーム画像が必要となる。そして、この場合、8フレームのフレーム画像の全てを順次表示することによって、正弦波の1周期となり、毎秒200フレーム以上のフレームを表示することによって、時間周波数25Hz以上で眼球運動検査視票を表示することができる。
次に、図5のフローチャートを用いて、この発明の実施の形態に係る眼球運動検査装置を用いた眼球運動の検査方法について説明する。
まず、フレーム画像記憶部12に記憶されているフレーム画像を、表示部14に表示する(ステップS10)。即ち、表示制御部20により、フレーム画像記憶部12に記憶されているフレーム画像の中から任意に抽出されたフレーム画像を、図3に示すような静止画像として表示部14に表示する。
ここで、表示部14に表示されたフレーム画像を眼球運動の検査を受ける被験者に呈示する。そして、被験者はフレーム画像を構成する第1色彩領域30の輝度と、第2色彩領域32の輝度とが等輝度となっているか否かを確認する。なお、等輝度となっているか否かは、被験者の主観に基づくものでよく、実際には輝度に差が生じている場合であっても、被験者が等輝度であると認識していればよい。また、被験者の主観に基づく等輝度であるか否かは、表示部14に表示されたフレーム画像において第1色彩領域30の輝度と、第2色彩領域32の輝度とが等輝度となっているかを印象判断する簡便法のみならず、例えば、交照法や最小運動法などの既知の等輝度測定法によって眼科学的に実測することができる。そして、これらの測定法により実測する場合には、用いる測定法に準拠してフレーム画像の表示方法を適切に設定すればよく、用いる測定法によっては動画像を表示するようにしてもよい。
次に、表示されたフレーム画像の輝度を調整する必要がある場合には(ステップS11)、輝度の調整を行う(ステップS12)。即ち、被験者により第1色彩領域30の輝度と第2色彩領域32の輝度とに差があると判断された場合には、例えば、検査の実施者等が入力部18を介して所定のパラメータを入力する。そして、入力されたパラメータに応じて輝度調整部22により第1色彩領域30の輝度と第2色彩領域32の輝度とが、被験者の主観において等輝度となるように調整される。なお、輝度の調整は、図4に示す正弦波の振幅を変更することによって調整することができる。例えば、正弦波の振幅を示すパラメータの値を、検査の実施者等が入力部18を介して入力することにより、輝度調整部22により正弦波の振幅が変更され輝度の調整が行われる。
次に、輝度が調整されたフレーム画像を、表示制御部20を介して再び表示部14に表示する(ステップS10)。即ち、輝度調整後のフレーム画像を再び被験者に呈示し、等輝度となっているか否かの確認を行う。なお、一のフレーム画像の輝度が調整された場合には、フレーム画像記憶部12に記憶されている他のフレーム画像についても、同様に輝度の調整が行われる。
一方、輝度の調整を行う必要が無い場合には(ステップS11)、表示部14に眼球運動検査視票を表示する(ステップS13)。即ち、フレーム画像記憶部12に記憶されているフレーム画像を所定間隔で順次表示部14に反復表示することによって、一定方向に流動する眼球運動検査視票を被験者に呈示する。
図6は、図4の正弦波により表されるフレーム画像をフレーム1〜フレーム4まで順次反復表示することによって被験者に呈示される眼球運動検査視票の一例を示す図である。眼球運動検査視票は、図6に示すように、左方向から右方向に時間周波数25Hz以上で流動する。また、眼球運動検査視票の中心(表示部14の中心)には、図6に示すように、黒点34が設けられており、被験者は表示部14に相対し、この黒点34を注視した状態で検査を受ける。
ここで、図6に示す眼球運動検査視票が表示部14に表示され、被験者の眼球運動について検査が行なわれている場合、眼球運動検査視票の流動方向と同一方向に略同一速度の眼球運動が被験者に生じていれば、被験者は格子縞模様を視認することができる。換言すれば、被験者の眼球運動が生じている方向が眼球運動検査視票の流動方向と異なる場合には、被験者に眼球運動が生じている場合であっても、格子縞模様が有効には視認されない。具体的には、例えば、水平方向の眼振のうち特定病態を考えると、右方向から左方向に眼球運動が生じている場合、右方向から左方向に眼球が運動した後、左方向から右方向に戻る運動が生じる。この時、右方向から左方向への運動と、左方向から右方向に戻る運動とは速度が異なり、典型的な一病態においては、戻る運動の方が速度が速く、戻る運動にかかる時間の方が短い。そして、眼球運動の方向が眼球運動検査視票の流動方向と反対方向の場合には、網膜上での色度の時間変調は、実際の眼球運動検査視票の時間変調よりもさらに大きくなる。また、眼球が戻る運動の方向が眼球運動検査視票の流動方向と同一方向の場合であっても、戻る運動は瞬間的に生じるものであるため、網膜上の時間変調のばらつきが顕著に大きくなる。従って、どちらの場合も有効に格子縞模様を視認することができず、一様な中間色が見え続けることになる。即ち、この実施の形態に係る眼球運動検査装置2の表示部14に表示される眼球運動検査視票は、被験者の眼球が眼球運動検査視票が流動する速度と近い速度で流動方向と同一方向に運動し、実質的に被験者が眼球運動検査視票を追従している場合に限り、格子縞模様を視認することができ、それ以外の場合は、一様な中間色のみが知覚されることになる。
なお、図6においては、左方向から右方向に流動する眼球運動検査視票を示しているが、右方向から左方向に流動する眼球運動検査視票を表示するようにしてもよい。また、例えば、図7に示すように、上方から下方に流動する眼球運動検査視票を表示するようにしてもよく、また、下方から上方に流動する眼球運動検査視票を表示するようにしてもよい。更に、図8に示すように、表示部14の中心点(黒点34)を軸として時計回りに流動する眼球運動検査視票を表示するようにしてもよく、また、反時計回りに流動する眼球運動検査視票を表示するようにしてもよい。なお、流動する方向は、入力部18を介して入力された指示コマンド等に応じ、表示制御部20により、フレーム画像記憶部12に記憶されているフレーム画像を反復表示する際の軸を変更することにより実現することができる。即ち、左右方向に流動する場合は左右軸(横軸)、上下方向に流動する場合は上下軸(縦軸)、回旋回転方向に流動する場合は回旋回転軸(表示部14の中心点を前方から後方に向かって貫く軸)を用いることによって流動方向を変更することができる。
次に、表示部14に表示される眼球運動検査視票の各種パターンについて、図9〜図11を用いて説明する。図9は、流動方向が異なる2つの眼球運動検査視票を同時に表示した場合の一例を示す図である。図9においては、表示部14における表示領域を、入力部18を介して入力された指示コマンド等に応じて表示領域分割部26により上下2つの領域に分割し、表示制御部20により上下でそれぞれ異なる方向に流動する眼球運動検査視票を表示した状態を示している。即ち、図9に示す状態で、異なる方向に流動する2つの眼球運動検査視票を同時に被験者に呈示することによって、被験者の眼球運動が左方向から右方向に生じているのか、右方向から左方向に生じているのかを効率的に検査することができる。この場合、例えば、図9における上側の表示領域(上部表示領域)に表示されている眼球運動検査視票と、下側の表示領域(下部表示領域)に表示されている眼球運動検査視票とで流動する速度が異なるようにしてもよい。例えば、左方向から右方向へ動いた後、元の位置に戻り、再び左方向から右方向に動くという眼球運動が生じている場合、一般的に、左方向から右方向へ動く速度よりも、元の位置に戻るために動く速度の方が速くなる。従って、上部表示領域と下部表示領域とで異なる方向に流動させると共に、例えば、下部表示領域に表示されている眼球運動検査視票の方が、上部表示領域に表示されている眼球運動検査視票よりも速い速度で流動するようにしてもよい。
また、上部表示領域及び下部表示領域それぞれの表示領域において、流動方向は同じだが、異なる時間周波数又は異なる空間周波数で、若しくは異なる時間周波数及び空間周波数で眼球運動検査視票を表示するようにしてもよい。この場合には、上部表示領域及び下部表示領域に表示されている眼球運動検査視票のうち、どちらの格子縞模様を視認することができるかにより、被験者の眼球運動の速度を適切に検査することができる。また、表示領域を上部表示領域と下部表示領域とに分割した場合には、例えば、図10に示すように、上部表示領域に時計回りに回旋する眼球運動検査視票を表示し、下部表示領域に反時計回りに回旋する眼球運動検査視票を表示するようにしてもよい。この場合においても、上部表示領域と下部表示領域とで異なる時間周波数又は異なる空間周波数で、若しくは異なる時間周波数及び異なる空間周波数で眼球運動検査視票を表示するようにしてもよい。更に、図9及び図10においては、表示領域を上部表示領域と下部表示領域に分割しているが、例えば、左右に分割するようにしてもよい。また、左右に分割した場合、例えば、左表示領域においては、上方から下方に流動する眼球運動検査視票を表示し、右表示領域においては、下方から上方に流動する眼球運動検査視票を表示するようにしてもよい。この場合においても、左表示領域と右表示領域とで異なる時間周波数又は異なる空間周波数で、若しくは異なる時間周波数及び異なる空間周波数で眼球運動検査視票を表示するようにしてもよい。
図11は、表示部14における表示領域を上下左右の4つに分割して眼球運動検査視票を表示した場合の一例を示す図である。図11に示す場合においては、上下左右に表示領域を分割し、左上部表示領域には、左方向から右方向に流動する眼球運動検査視票を、右上部表示領域には、上方から下方に流動する眼球運動検査視票を、右下部表示領域には、右方向から左方向に流動する眼球運動検査視票を、左下部表示領域には、下方から上方に流動する眼球運動検査視票を、それぞれ表示している。図11に示す状態で被験者に眼球運動検査視票を呈示することにより、被験者の眼球運動が生じている方向を効率的に検査することができる。
次に、図5のフローチャートに示すように、被験者が表示部14に表示された眼球運動検査視票の格子縞模様を視認しなかった場合には(ステップS14)、ステップS13に戻り、流動方向や速度等について所定の調整を行った後、再び眼球運動検査視票を表示部14に表示する。例えば、図6に示す眼球運動検査視票を表示した際に、被験者が格子縞模様を視認しなかった場合には、入力部18を介して指示コマンドを入力し、入力された変更コマンドに応じて表示領域分割部26により表示領域を分割する。そして、図11に示す眼球運動検査視票を表示し、被験者が上下左右の何れの方向に流動する眼球運動検査視票の格子縞模様を視認できるか否かの検査を行う。この時、例えば、被験者が左方向から右方向に流動する眼球運動検査視票に縞模様が存在することを視認したものの、明確には格子縞模様が視認できていない場合には、眼球運動検査視票の時間周波数又は空間周波数、若しくは時間周波数と空間周波数の双方を調整すべく、検査の実施者等が入力部18を介して所定のパラメータを入力する。そして、時間周波数を調整するパラメータが入力された場合には、時間周波数調整部24により、時間周波数を調整した他の眼球運動検査視票、例えば、時間周波数を変更した図6に示す眼球運動検査視票等を表示部14に表示する。なお、空間周波数を調整するパラメータが入力された場合には、空間周波数調整部25により、空間周波数を調整した他の眼球運動検査視票を表示部14に表示する。また、時間周波数を調整するパラーメタ及び空間周波数を調整するパラメータが入力された場合には、時間周波数調整部24により時間周波数を、空間周波数調整部25により空間周波数を、それぞれ調整し、時間周波数及び空間周波数が調整された他の眼球運動検査視票を表示部14に表示する。
次に、被験者が表示部14に表示された眼球運動検査視票の格子縞模様を明確に視認した場合には(ステップS14)、被験者がタッチパネル15を介して視認結果を入力し(ステップS15)、入力された視認結果が記憶される(ステップS16)。即ち、被験者は、表示されている眼球運動検査視票の格子縞模様を視認した場合には、格子縞模様を視認した眼球運動検査視票が表示されている表示領域に指や所定のデバイス等で直接触れる。表示部14の表示領域にはタッチパネル15が構成されているため、被験者の指等が触れることによって、被験者が眼球運動検査視票の格子縞模様を視認したことを示す信号が表示制御部20を介して入力制御部28に入力される。そして、例えば、図11に示す眼球運動検査視票が表示部14に表示されている場合、被験者が触れた表示領域に表示されている眼球運動検査視票が流動する方向、時間周波数及び空間周波数を示すデータが、入力制御部28により表示制御部20から取得され、被験者の視認結果を示すデータとしてデータ記憶部16に保存される。
次に、更に他の眼球運動検査視票を表示して検査を行う場合には(ステップS17)、ステップS13に戻り、表示部14に異なるパターンの眼球運動検査視票を表示する。一方、検査を終了する場合には(ステップS17)、データ記憶部16に記憶されている被験者の視認結果を表示部14に表示する(ステップS18)。即ち、データ記憶部16に記憶されている視認結果を、検査結果として表示部14に表示する。なお、検査結果は、必要な場合には図示しない印刷部等を介して出力されるようにしてもよい。
この発明の実施の形態に係る眼球運動検査視票表示装置によれば、人間の色臨界ちらつき頻度を用いて、眼球運動が生じていない場合には格子縞模様の視認が不可能な眼球運動検査視票を表示している。即ち、2色の格子縞模様を示すフレーム画像を時間周波数25Hz以上あるいは被験者の色臨界ちらつき頻度を越える時間周波数で一定方向に流動させて表示しているため、被験者の眼球が眼球運動検査視票を追従する運動をしている場合、換言すれば、被験者の眼球が眼球運動検査視票の流動方向と同一方向に略同一の速度で動いている場合にのみ、格子縞模様を視認することができ、それ以外の場合には一様な中間色のみが知覚されるように眼球運動検査視票を表示している。従って、この眼球運動検査視票表示装置を備えた眼球運動検査装置を用いて検査を行なうことにより、被験者の眼球又は頭部に測定装置の一部を接触等させることなく、被験者が格子縞模様を視認したか否かにより眼球運動を検査することができる。そのため、完全に非侵襲な状態で眼球運動の検査を行なうことができ、検査において被験者に与える負担を大幅に軽減することができる。
また、この実施の形態に係る眼球運動検査視票表示装置によれば、眼球運動検査視票の流動方向を、左右方向、上下方向及び回旋方向、即ち、左→右、右→左、上→下、下→上、時計回り、反時計回りの任意の方向に変更することができる。従って、この眼球運動検査視票表示装置を用いた眼球運動検査装置によれば、左右方向及び上下方向の眼球運動に限定されず、従来においては検査が困難であった回旋回転方向の眼球運動についても、被験者に生じているか否かを適切、かつ、簡便に検査することができる。
また、この実施の形態に係る眼球運動検査視票表示装置によれば、眼球運動検査視票を表示する際の時間周波数及び空間周波数を調整することにより、眼球運動検査視票が流動する速度を任意に調整することができる。従って、この眼球運動検査視票表示装置を用いた眼球運動検査装置によれば、被験者の眼球運動の速度について詳細な検査を行なうことができる。
また、この実施の形態に係る眼球運動検査視票表示装置によれば、眼球運動検査視票を表示する領域を左右又は上下の2つ、又は、上下左右の4つの領域に分割し、各表示領域において、異なる時間周波数、異なる方向又は異なる空間周波数、異なる時間周波数及び異なる方向、異なる時間周波数及び異なる空間周波数、異なる方向及び異なる空間周波数で流動する眼球運動検査視票を表示することができる。従って、この眼球運動検査視票表示装置を用いた眼球運動検査装置によれば、各種パターンの眼球運動検査視票を同時に表示することができるため、効率的に被験者の眼球運動に関する検査を行なうことができる。
また、この実施の形態に係る眼球運動検査装置及び眼球運動検査視票表示装置は、パーソナルコンピュータ等を用いて構成されている。従って、眼球運動の検査を実施するために眼振計等の特殊な装置を導入する必要が無く、規模の小さい医療機関等であっても、低コストで容易に眼球運動検査装置を導入することができる。
なお、上述の実施の形態に係る眼球運動検査装置においては、視認結果を入力する結果入力部として表示部に形成されたタッチパネルを用いているが、結果入力部はタッチパネルに限定されるものではない。即ち、所定のスイッチやキーボード等を結果入力部として用いてもよく、被験者が何れの眼球運動検査視票を視認したのかを特定可能なものであれば、どのようなデバイスを用いてもよい。
2・・・眼球運動検査装置、10・・・データ制御部、12・・・フレーム画像記憶部、14・・・表示部、15・・・タッチパネル、16・・・データ記憶部、18・・・入力部、20・・・表示制御部、22・・・輝度調整部、24・・・周期調整部、26・・・表示領域分割部、28・・・入力制御部、30・・・第1色彩領域、32・・・第2色彩領域、34・・・黒点。