JP5093674B2 - ミスト噴出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、たとえば浴室においてミストシャワーなどを浴びるのに用いられるミスト噴出装置に関する。
従来のミスト噴出装置の一例としては、特許文献1に記載されたものがある。同文献に記載されたミスト噴出装置は、複数のミスト噴出口を有するミスト噴出ヘッドが浴室暖房装置に配管接続されており、この配管部分を介してミスト噴出ヘッドに湯水が供給されると、この湯水がミスト化されて浴室に噴出されるように構成されている。また、前記ミスト噴出ヘッドは、ユーザの身長などに応じて高さ調整可能とされている。ミスト噴出ヘッドの高さを調整可能とするための手段としては、たとえば2本の管体がスライド可能に嵌合されたスライド伸縮管を利用し、ミスト噴出ヘッドを支持する手段が用いられている。ミスト噴出ヘッドに対する湯水の供給も、前記スライド伸縮管を利用して行なわれる。
しかしながら、前記した構成によれば、スライド伸縮管を利用してミスト噴出ヘッドの支持とミスト噴出ヘッドへの湯水供給を行なわせているために、スライド伸縮管のスライド伸縮性などを良好にしつつ、ミスト噴出ヘッドの高さを所望の高さに適切に設定可能とすることは難しい。すなわち、ミスト噴出ヘッドは一定の重量があるために、このミスト噴出ヘッドを的確に支持するには、スライド伸縮管が弱い力で容易に伸縮しないようにする必要があるが、そのようにすると、スライド伸縮管を円滑に伸縮させることが困難となる。また反対に、スライド伸縮管を弱い力で伸縮させるようにすると、ミスト噴出ヘッドを所望の高さに固定させて支持することが困難となる。また、前記した構成によれば、ミスト噴出ヘッドが比較的な大きな重量に形成された場合に、スライド伸縮管の口径を大きくしてスライド伸縮管の機械的強度を高める必要があるが、このようにスライド伸縮管の口径を大きくすると、ミスト噴出を終えた際にスライド伸縮管内に多量の湯水が残留する不具合も生じる。さらに、前記した構成によれば、スライド伸縮管の外面が外部に晒されているために、スライド伸縮管の外面に汚れや損傷を生じ易く、このことに起因してスライド伸縮管の止水シール性能が劣化するといった不具合も生じ易い。
特開2006−296749号公報
本発明は、前記したような事情のもとで考え出されたものであって、ミスト噴出ヘッドの位置調整を容易かつ適切に行なうことが可能なミスト噴出装置を提供することを、その課題としている。
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
本発明により提供されるミスト噴出装置は、1または複数のミスト噴出口を有するミスト噴出ヘッドと、複数の管体がスライド可能に嵌合され、かつ内部に供給されるミスト噴出用の液体を前記ミスト噴出ヘッドに導くスライド伸縮管と、を備えている、ミスト噴出装置であって、前記スライド伸縮管の軸長方向に延び、かつ前記スライド伸縮管のうち、少なくとも前記ミスト噴出ヘッドから突出する部分を囲む支持ガイドと、前記ミスト噴出ヘッドに設けられ、かつ前記ミスト噴出ヘッドを前記軸長方向に移動させることが可能に前記支持ガイドにスライド可能に嵌合する嵌合部と、この嵌合部と前記支持ガイドとの相対的なスライド動作を規制して前記ミスト噴出ヘッドを前記支持ガイドに固定させることが可能な固定手段と、を備えていることを特徴としている。
このような構成によれば、次のような効果が得られる。
第1に、スライド伸縮管を伸長または収縮させつつ、ミスト噴出ヘッドを支持ガイドに沿ってスライド移動させた後に、固定手段を利用してミスト噴出ヘッドを支持ガイドに固定させることができる。したがって、ミスト噴出ヘッドをユーザが要望する位置、またはそれに近い位置に設定し、ミストシャワーなどを快適に浴びることが可能となる。
第2に、ミスト噴出ヘッドの支持固定は、スライド伸縮管とは別個に設けられた支持ガイドと固定手段とを利用して行なわれるために、ミスト噴出ヘッドが大型とされてその重量が比較的大きい場合であっても、ミスト噴出ヘッドを適切に支持することができる。すなわち、スライド伸縮管については、ミスト噴出ヘッドを支持可能なものとする必要はなく、伸縮性能と止水シール性能とを確保すればよいために、その製作は容易となる。また、スライド伸縮管の口径を大きくするなどしてその機械的強度をさほど高める必要はないために、ミスト噴出後にミスト噴出用の液体がスライド伸縮管内に多く残留することも適切に防止することができる。
第3に、スライド伸縮管のうち、ミスト噴出ヘッドから突出する部分は、支持ガイドによって囲まれて保護されるために、スライド伸縮管の外面に汚れや損傷を生じ難くすることができる。したがって、スライド伸縮管の止水シール性能が汚れや損傷に起因して劣化することも好適に防止される。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記支持ガイドは、前記スライド伸縮管を囲む第1の筒状部を有し、かつ前記ミスト噴出ヘッドの嵌合部は、前記第1の筒状部に嵌合する第2の筒状部を有している。
このような構成によれば、支持ガイドの第1の筒状部とミスト噴出ヘッドの第2の筒状部とを円滑にスライド嵌合させて、ミスト噴出ヘッドをぐらつかないように安定的に支持することが可能となる。また、スライド伸縮管のうち、ミスト噴出ヘッドから突出する部分の全周囲を第1の筒状部によって囲むことが可能となり、スライド伸縮管をより適切に保護することができる。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記固定手段は、前記第1および第2の筒状部のうち、内側に位置する一方の筒状部に外嵌する一部切り欠きリング状またはリング状の拡縮変形可能な第1の締め付け部材と、この第1の締め付け部材を内部に保持し、かつ外側に位置する他方の筒状部に相対させて前記軸長方向に移動させることが可能な第2の締め付け部材と、を備えており、前記第2の締め付け部材は、前記軸長方向のうちの一方向に移動させられたときに、前記第1の締め付け部材が前記軸長方向に移動することを阻止しつつ、前記第1の締め付け部材の内径を縮小させるように、前記第1の締め付け部材を押圧する押圧部を有しており、前記第2の締め付け部材が前記一方向とは反対方向に移動させられたときには、前記押圧部による前記第1の締め付け部材の押圧が解除されるように構成されている。
このような構成によれば、ミスト噴出ヘッドと支持ガイドとの相対移動を阻止してミスト噴出ヘッドを所望位置に固定させる動作と、その固定状態を解除する動作とを、第2の締め付け部材を所定の軸長方向に移動させることによって行なうことができる。したがって、操作性がよい。また、前記固定手段は、第1および第2の締め付け部材を利用した簡易な構成であるため、その製造コストも廉価にすることができる。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記固定手段は、前記第2の締め付け部材を前記一方向に弾発付勢するバネをさらに備え、かつこのバネの弾発力に抗して前記第2の締め付け部材を前記一方向とは反対方向に移動させることが可能な構成、または前記第2の締め付け部材を回転させることによって前記軸長方向に往復動させることが可能なネジ部を備えた構成とされている。
このような構成によれば、ミスト噴出ヘッドを所望位置に固定させる操作、およびその固定状態を解除する操作を容易なものとするのにより好ましいものとなる。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記支持ガイドは、浴室の床面上に載置される部材、浴室の側壁に取り付けられるブラケット、または浴室に設置される機器に支持されている。
このような構成によれば、浴室内にミスト噴出装置を容易かつ安定した状態に設置して使用するのに好ましいものとなる。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記ミスト噴出ヘッドに係合または連結されて、前記ミスト噴出ヘッドに対して前記軸長方向に相対移動可能であり、かつ浴室の側壁またはこの側壁に取り付けられる機器に取り付けられることによって前記ミスト噴出ヘッドを支持可能な補助ブラケットをさらに備えている。
このような構成によれば、ミスト噴出ヘッドが支持ガイドに加えて補助ブラケットによっても支持されるために、ミスト噴出ヘッドをより安定的に支持することができる。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記複数のミスト噴出口としては、前記ミスト噴出ヘッドの前面部に設けられ、かつ前記ミスト噴出ヘッドの幅方向に間隔を隔てた2列のミスト噴出口があり、これら2列のミスト噴出口の向きは、前記ミスト噴出ヘッドの真正面方向よりも前記幅方向の両外方寄りとされている。
このような構成によれば、2列のミスト噴出口の正面領域およびその周辺の広い領域に対してミストを均一化して供給することが可能となる。すなわち、たとえば前記構成とは異なり、2列のミスト噴出口のそれぞれの向きをミスト噴出ヘッドの真正面とした場合には、それら2列のミスト噴出口から噴出されたミスト流れの負圧作用に起因して、それらのミストが互いに引き合い、2列のミスト噴出口の中間部の正面にミストが集中する現象を生じ易い。これに対し、前記構成によれば、そのような現象を適切に回避し、ミストが一部の領域に集中することを防止する効果が得られる。
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行なう発明の実施の形態の説明から、より明らかになるであろう。
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。
図1〜図7は、本発明が適用されたミスト噴出装置の一実施形態を示している。図1によく表われているように、本実施形態のミスト噴出装置A1は、複数のミスト噴出口10aが設けられたミスト噴出ヘッド1、スライド伸縮管2、支持ガイド3、固定具4、給水用支持部材5、および支持脚6を備えている。
図2に示すように、ミスト噴出ヘッド1は、合成樹脂製のケース11内に、複数のミストノズル10が装着された2本の管体12が収容された構成を有している。2本の管体12は、ミスト噴出ヘッド1の左右幅方向に適当な間隔を隔てて上下方向に延びるように設けられ、連結管13を介して連結されている。各管体12内に湯水が供給されると、この湯水は各ミストノズル10の先端のミスト噴出口10aからケース11の外部にミスト化されて噴出する。ケース11には、各ミストノズル10の先端を外部に臨ませるための開口部が複数設けられている。
図1に示すように、複数のミスト噴出口10aは、ミスト噴出ヘッド1の前面部14において左右幅方向に適当な間隔を隔てて2列に並んでいる。好ましくは、図4に示すように、2列のミスト噴出口10aは、ミスト噴出ヘッド1の符号Frで示す真正面方向に対して適当な角度αだけケース11の幅方向の両外方寄りを向く向きとされている。これに対応し、前面部14のうち、ミスト噴出口10aが設けられてない幅方向中央部14aは真正面を向いているのに対し、ミスト噴出口10aが設けられている両側部14bは、真正面を向かず傾斜している。このような構成によれば、2列のミスト噴出口10aからはミストが正面方向よりも角度αだけ外方寄りに噴出されるものの、2列のミスト流れの負圧吸引作用によって、それらのミストが互いに引き合い、同図の矢印N1に示すように、幅方向中央部14aの正面領域に一部進行する。その結果、ミスト噴出口10aの正面領域およびその周辺領域の広い領域に対してミストを略均一な濃度で供給することが可能となる。前記構成とは異なり、2列のミスト噴出口10aがともに真正面方向を向いている場合には、2列のミスト流れが互いに引き合って幅方向中央部14aの正面領域にミストが集中し過ぎる虞があるが、前記構成によれば、そのような虞を適切に回避することが可能である。むろん、本発明においては、本実施形態とは異なり、各ミスト噴出口10aをミスト噴出ヘッド1の真正面に向けた構成とすることもできる。
図2に示すように、スライド伸縮管2は、ミスト噴出ヘッド1内に湯水供給を行なうためのものであり、2本の管体20,21が上下方向にスライド可能に嵌合されることにより構成されている。上側の管体20の下部内周には、下側の管体21の外周面に摺接する止水シール用のOリング22が装着されている。2本の管体20,21は、たとえば金属製であるが、好ましくは、Oリング22に摺接する下側の管体21の外周面は、メッキ処理などが施された滑らかな面とされ、スライド動作性と止水シール性との向上が図られている。管体21の下部は、給水用支持部材5に固定連結され、かつ管体20の上部は、連結管13に固定連結されている。このことにより、給水用支持部材5内に供給された湯水は、スライド伸縮管2および連結管13を介してミストノズル10が設けられた2本の管体12内に供給されるようになっている。
支持ガイド3は、ミスト噴出ヘッド1を上下方向(矢印N5方向)にスライド可能に支持するためのものであり、スライド伸縮管2よりも大径のたとえばステンレス製の丸パイプ材を用いて構成され、かつその下端部は、給水用支持部材5に固定連結されている。この支持ガイド3は、給水用支持部材5からその上方に起立してスライド伸縮管2を囲む第1の筒状部30を有している(ただし、図面においては、支持ガイド3の略全体が第1の筒状部30とされている)。これに対し、ミスト噴出ヘッド1のケース11の下部には、第1の筒状部30に対してスライド可能に外嵌した第2の筒状部14aを有する嵌合部14が設けられている(ただし、図面においては、嵌合部14の略全体が第2の筒状部14aとされている)。このことにより、ミスト噴出ヘッド1は、図2および図3に示すように、支持ガイド3に沿って昇降可能である。
固定具4は、ミスト噴出ヘッド1と支持ガイド3との相対的なスライド動作を規制してミスト噴出ヘッド1の位置決め固定を図るためのものであり、本発明でいう固定手段の一例に相当する。この固定具4は、図5に示すように、第1および第2の締め付け部材41,42に加え、バネ43、および可動筒44を備えている。第1の締め付け部材41は、同図(a)の仮想線に示すように、たとえば一部切り欠きリング状であることにより拡縮変形自在であり、支持ガイド3に外嵌されて嵌合部14の下端に隣接している。第2の締め付け部材42は、第1の締め付け部材41を内部に保持可能なソケット状であり、その上部は可動筒44に螺合連結されている。バネ43は、嵌合部14に外嵌され、かつこの嵌合部14の下端のフランジ140上に配置されており、可動筒44を常時上方に付勢する力F1を発揮する。このため、可動筒44に連結されている第2の締め付け部材42も、常時上方に付勢される。第2の締め付け部材42の下部内周面には、第1の締め付け部材41の外面を押圧するための傾斜状の押圧面42aが形成されている。
この固定具4においては、図5(a)に示すように、通常時は、バネ43の力F1によって第2の締め付け部材42が上昇している状態にあり、その際には、押圧面42aが第1の締め付け部材41を上向きおよび半径方向内方に押圧している。このため、この第1の締め付け部材41は、嵌合部14の下端面に当接して上下方向の位置決め固定が図られるとともに、内径が縮小して支持ガイド3の外周面に圧接した状態となる。この作用により、第1の締め付け部材41と支持ガイド3との相対的な位置関係、ひいては嵌合部14と支持ガイド3との相対的な位置関係が固定される。一方、同図(b)に示すように、ユーザがバネ43の力F1に抗して、可動筒44および第2の締め付け部材42を矢印N2に示すように手で下降させると、押圧面42aによる第1の締め付け部材41の押圧状態が解除される。このことにより、支持ガイド3に対して嵌合部14をスライドさせることが可能となり、ミスト噴出ヘッド1の昇降が可能となる。ユーザが可動筒44および第2の締め付け部材42から手を放すと、バネ43の力F1によって同図(a)に示した状態に復帰する。
給水用支持部材5は、スライド伸縮管2ならびに支持ガイド3の支持、およびスライド伸縮管2への給水を行なうためのものであり、給水用のホース80の接続口50が設けられている。ホース80は、たとえば図1に示すように、浴室に設置されている給湯用の混合栓90に接続され、この混合栓90から出湯する湯水をミスト発生に用いることが可能である。なお、同図に示すように、給水用支持部材5には、別途、温水シャワー(非ミストシャワー)を浴びるためのシャワーヘッド91をホース接続した構成とすることもできる。この場合、給水用支持部材5には、給水用支持部材5内に供給された湯水の供給先を、操作レバー59の操作によって、ミスト噴出ヘッド1側とシャワーヘッド91側とのいずれかに選択的に切り替え可能な方向切替弁(図示略)を設けた構成とすることもできる。
給水用支持部材5は、支持脚6の上部に固定されている。支持脚6は、このミスト噴出装置A1を浴室の床面上に安定的に設置するためのものであり、種々の形状とすることができる。
図6および図7に示すように、このミスト噴出装置A1は、補助ブラケット7も具備している。この補助ブラケット7は、ミスト噴出ヘッド1の背面部に設けられて上下方向に延びるガイドロッド19に対してスライド可能に嵌合したスライド嵌合部70と、これを支持するベース部71とを備えている。ベース部71は、浴室の側壁95に取り付けられる部分である。その取り付け手段としては、ネジ止め手段、あるいは接着剤や吸盤を用いるなど、種々の手段を採用することができる。補助ブラケット7とミスト噴出ヘッド1とは上下方向に相対移動可能であるため、図6(a),(b)に示すように、ミスト噴出ヘッド1を適切に昇降させることが可能である。補助ブラケット7は、ミスト噴出ヘッド1の支持を安定させて、ミスト噴出装置A1が転倒することを防止する役割を果たす。また、スライド嵌合部70をガイドロッド19周りに相対回転可能とした場合には、補助ブラケット7によってミスト噴出ヘッド1を支持させたまま、図1の矢印N3に示すように、ミスト噴出ヘッド1を左右に首振りさせてその向きを調整することも可能となる(ただし、固定具4を緩めた状態において)。
次に、ミスト噴出装置A1の作用について説明する。
まず、固定具4の可動筒44および第2の締め付け部材42を手で押し下げると、支持ガイド3と嵌合部14との固定状態が解除され、ミスト噴出ヘッド1を支持ガイド3に沿わせて昇降させることができる。また、固定具4の可動筒44および第2の締め付け部材42から手を放すと、バネ43の弾発力によって固定具4は支持ガイド3と嵌合部14とを再度固定することとなり、ミスト噴出ヘッド1の位置決め固定を容易に図ることができる。したがって、ユーザは、自己の要望に応じてミスト噴出ヘッド1の高さを手軽に変更することができ、ミストシャワーを快適に浴びることが可能となる。ミスト噴出ヘッド1の高さ調整に伴ってホース80が移動するようなこともない。ミスト噴出ヘッド1は、既述したように、左右に向きを変更することもできるために、ユーザにとってより好ましいものとなる。さらに、図4を参照して説明したように、2列のミスト噴出口10aからは、ミスト噴出ヘッド1の正面領域およびその周辺領域にミストを均一化した状態で供給することができるために、ミストシャワーはより快適なものとなる。
ミスト噴出ヘッド1は、支持ガイド3により支持されているために、ミスト噴出ヘッド1が大型とされてその重量が比較的大きい場合であっても、このミスト噴出ヘッド1を適切に支持することができる。スライド伸縮管2は、ミスト噴出ヘッド1の昇降に伴って伸縮するが、このスライド伸縮管2には、ミスト噴出ヘッド1の重量を負担するための大きな機械的強度をもたせる必要はない。このため、スライド伸縮管2の強度を高めることを目的として、たとえばこのスライド伸縮管2を大口径の管体を用いて製作する必要もない。スライド伸縮管2の口径を大きくすると、ミスト噴出を停止した際に、このスライド伸縮管2内に多くの湯水が残留する不具合を生じるが、本実施形態によれば、そのような不具合を無くすこともできる。スライド伸縮管2については、止水シールが適切に図られつつ、ミスト噴出ヘッド1の昇降に伴って伸縮するように製作すればよいため、その製作作業は容易となる。また、本実施形態によれば、スライド伸縮管2が内部の水圧により伸長して2本の管体20,21が抜け外れるといった不具合も生じないようにすることができる。
スライド伸縮管2の一部は、ミスト噴出ヘッド1よりも下方に突出しているが、この突出部分は、支持ガイド3内に位置しており、この支持ガイド3によって保護された状態にある。したがって、スライド伸縮管2の外面が汚れたり、損傷するといった適切に回避され、管体20,21の嵌合部分の止水シール性能が悪化する虞も少なくなる。支持ガイド3については、汚れなどを生じる場合があるが、この支持ガイド3は、スライド伸縮管2とは異なり、給水部材ではなく、止水シール性能は要求されないために、少々の汚れなどを生じてもとくに不具合はない。
このミスト噴出装置A1は、浴室の床面上に設置して使用することが可能であるため、大掛かりな設置工事が不要であり、設置に際しての労力およびコストを少なくすることができる。また、補助ブラケット7を利用することによって転倒防止などをも好適に図ることができるために、ユーザにとって使い勝手が一層良いものとなる。
図8〜図10は、本発明の他の実施形態を示している。これらの図において、前記実施形態と同一または類似の要素には、前記実施形態と同一の符号を付している。
図8に示すミスト噴出装置A2においては、給水用支持部材5が適当なブラケット96を介して浴室の側壁95に取り付けられた構成とされている。このような構成であっても、支持ガイド3に沿ってミスト噴出ヘッド1を昇降させることができる。本実施形態から理解されるように、本発明に係るミスト噴出装置は、床上載置タイプに代えて、壁面取り付けタイプとすることも可能であり、具体的な設置態様は問わない。本発明においては、特許文献2に記載されているもののように、たとえば浴室に別途設置される浴室暖房装置などの機器類にミスト噴出装置を支持させた構成とすることもできる。
図9に示す固定具4Aにおいては、第2の締め付け部材42とミスト噴出ヘッド1の嵌合部14とがネジ部48を介して螺合されており、第2の締め付け部材42を回転させることにより、この第2の締め付け部材42を嵌合部14に相対させて上下動させることが可能である。このような構成によれば、図5に示したバネ43を用いる場合と比較して、全体の部品点数を少なくし、組み立て作業を容易にすることができる。
図10に示すミスト噴出装置A3においては、ミスト噴出ヘッド1の嵌合部14が支持ガイド3に嵌入している。嵌合部14と支持ガイド3との内外位置関係は、前記実施形態とは反対であるが、このような構成であっても、ミスト噴出ヘッド1を支持ガイド3に沿って昇降させ、かつ適切に支持させることが可能である。なお、本実施形態のように、嵌合部14と支持ガイド3との内外位置関係が反対とされた場合には、固定具4Aの第1の締め付け部材41は、内側に位置する嵌合部14に外嵌されて、この嵌合部14の外周面に圧接することとなる。
本発明は、上述した実施形態の内容に限定されない。本発明に係るミスト噴出装置の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
本発明でいうミスト噴出ヘッドとは、要は、1または複数のミスト噴出口を有していればよく、液体をミスト化して噴出するための具体的な構造は限定されない。ミスト噴出ヘッドは、たとえば適当な管体にミストノズルが装着されただけの構成(前記管体がケースで覆われていない構成)とすることもできる。スライド伸縮管は、複数の管体がスライド可能に嵌合されて全体が伸縮性を有すればよく、3以上の管体を嵌合させた多段式のものとすることもできる。本発明でいう支持ガイドは、スライド伸縮管の全周囲を囲むパイプ状とすることが好ましいものの、これに代えて、たとえば一部分が開口した状態のパイプ状とすることもできる。また、丸パイプ状に限らず、角パイプ状とすることもできる。
本発明でいうミスト噴出ヘッドに設けられた嵌合部は、支持ガイドによる支持を安定させる観点からすると、円筒状などの筒状に形成することが好ましいものの、やはりこれに限定されず、たとえば支持ガイドの軸長方向に適当な間隔を隔てて位置する複数の部材のそれぞれに支持ガイドが嵌入する孔部を一連に形成した非筒状の構造とすることもできる。本発明でいう固定手段は、第1および第2の締め付け部材を用いるものとは異なる構成とすることもできる。なお、本発明でいう第1の締め付け部材については、一部切り欠きリング状のものに代えて、全体がリング状のもの(ただし、拡縮変形可能なもの)を用いることもできる。
本発明に係るミスト噴出装置は、浴室以外の場所に設置して使用することも可能である。また、本発明は、ミスト噴出ヘッドの高さ調整に代えて、たとえばミスト噴出ヘッドの水平方向の位置調整に適用することも可能である。
本発明に係るミスト噴出装置の一例を示す概略斜視図である。 図1に示すミスト噴出装置の一部省略要部断面図である。 図1に示すミスト噴出装置のミスト噴出ヘッドを支持ガイドに対してスライドさせた状態の一例を示す一部省略要部断面図である。 図1に示すミスト噴出装置のミスト噴出ヘッドの要部平面図である。 (a),(b)は、図1に示すミスト噴出装置で用いられている固定具の要部断面図である。 (a),(b)は、図1に示すミスト噴出装置の一部断面側面図である。 図6(a)のVII−VII要部断面図である。 (a),(b)は、本発明の他の例を示す一部断面側面図である。 (a),(b)は、本発明の他の例を示す要部断面図である。 本発明の他の例を示す要部断面図である。
符号の説明
A1〜A3 ミスト噴出装置
1 ミスト噴出ヘッド
2 スライド伸縮管
3 支持ガイド
4,4A 固定具(固定手段)
7 補助ブラケット
10a ミスト噴出口
14 嵌合部
14a 第2の筒状部
20,21 管体(スライド伸縮管の)
30 第1の筒状部
41 第1の締め付け部材
42 第2の締め付け部材
42a 押圧面
43 バネ

Claims (7)

  1. 1または複数のミスト噴出口を有するミスト噴出ヘッドと、
    複数の管体がスライド可能に嵌合され、かつ内部に供給されるミスト噴出用の液体を前記ミスト噴出ヘッドに導くスライド伸縮管と、
    を備えている、ミスト噴出装置であって、
    前記スライド伸縮管の軸長方向に延び、かつ前記スライド伸縮管のうち、少なくとも前記ミスト噴出ヘッドから突出する部分を囲む支持ガイドと、
    前記ミスト噴出ヘッドに設けられ、かつ前記ミスト噴出ヘッドを前記軸長方向に移動させることが可能に前記支持ガイドにスライド可能に嵌合する嵌合部と、
    この嵌合部と前記支持ガイドとの相対的なスライド動作を規制して前記ミスト噴出ヘッドを前記支持ガイドに固定させることが可能な固定手段と、
    を備えていることを特徴とする、ミスト噴出装置。
  2. 前記支持ガイドは、前記スライド伸縮管を囲む第1の筒状部を有し、かつ前記ミスト噴出ヘッドの嵌合部は、前記第1の筒状部に嵌合する第2の筒状部を有している、請求項1に記載のミスト噴出装置。
  3. 前記固定手段は、前記第1および第2の筒状部のうち、内側に位置する一方の筒状部に外嵌する一部切り欠きリング状またはリング状の拡縮変形可能な第1の締め付け部材と、この第1の締め付け部材を内部に保持し、かつ外側に位置する他方の筒状部に相対させて前記軸長方向に移動させることが可能な第2の締め付け部材と、を備えており、
    前記第2の締め付け部材は、前記軸長方向のうちの一方向に移動させられたときに、前記第1の締め付け部材が前記軸長方向に移動することを阻止しつつ、前記第1の締め付け部材の内径を縮小させるように、前記第1の締め付け部材を押圧する押圧部を有しており、
    前記第2の締め付け部材が前記一方向とは反対方向に移動させられたときには、前記押圧部による前記第1の締め付け部材の押圧が解除されるように構成されている、請求項2に記載のミスト噴出装置。
  4. 前記固定手段は、前記第2の締め付け部材を前記一方向に弾発付勢するバネをさらに備え、かつこのバネの弾発力に抗して前記第2の締め付け部材を前記一方向とは反対方向に移動させることが可能な構成、または前記第2の締め付け部材を回転させることによって前記軸長方向に往復動させることが可能なネジ部を備えた構成とされている、請求項3に記載のミスト噴出装置。
  5. 前記支持ガイドは、浴室の床面上に載置される部材、浴室の側壁に取り付けられるブラケット、または浴室に設置される機器に支持されている、請求項1ないし4のいずれかに記載のミスト噴出装置。
  6. 前記ミスト噴出ヘッドに係合または連結されて、前記ミスト噴出ヘッドに対して前記軸長方向に相対移動可能であり、かつ浴室の側壁またはこの側壁に取り付けられる機器に取り付けられることによって前記ミスト噴出ヘッドを支持可能な補助ブラケットをさらに備えている、請求項1ないし5のいずれかに記載のミスト噴出装置。
  7. 前記複数のミスト噴出口としては、前記ミスト噴出ヘッドの前面部に設けられ、かつ前記ミスト噴出ヘッドの幅方向に間隔を隔てた2列のミスト噴出口があり、
    これら2列のミスト噴出口の向きは、前記ミスト噴出ヘッドの真正面方向よりも前記幅方向の両外方寄りとされている、請求項1ないし6のいずれかに記載のミスト噴出装置。
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