JP5088619B2 - 部分改良地盤の変形量の簡易算定法 - Google Patents

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本発明は、柱状ないし格子状の改良体の造成による部分改良地盤を対象として、その築造後の変形量を事前に予測算定するための簡易算定法に関する。
建屋等の構築物の沈下制御あるいは地震時の応答を抑えるため、あるいは山留壁の変形を抑制するため、さらには液状化地盤の液状化防止対策として、セメント攪拌系の地盤改良工法(深層混合処理工法)を採用するケースが増えている。
この工法は目的に応じて任意の改良形状で地盤を改良することが可能であるが、改良対象範囲に対して柱状(ないし杭状)の改良体を所定間隔で多数造成するか、あるいは平面格子状の改良体を造成することが一般的である。
いずれにしても、改良対象範囲全体に対する地盤改良率は、地盤改良の目的や原地盤の状況に応じて設定され、それに基づいて改良体の形状や造成間隔、改良範囲が適正に決定されるものである。
構築物を支持する基礎地盤に対してこの種の地盤改良を行う場合の先行技術文献としては特許文献1がある。特許文献1では、液状化の可能性がある砂層地盤を貫通して、この地盤の下方に続く液状化の可能性の無い砂層地盤内まで連続した平面格子状に区画した地盤固結遮水壁を造成し、この地盤固結遮水壁上に構築物の基礎躯体を形成する技術が開示されている。
特開平10−46619号公報
ところで、上記のような柱状ないし平面格子状の改良体の造成により築造される部分改良地盤は、未改良の低剛性の原地盤と改良による高剛性の改良体とが混在していることから、全体としての挙動は単純ではなく、その変形特性の把握は必ずしも容易ではない。
そのため、そのような部分改良地盤全体の変形量を事前に予測算定する場合には3次元有限要素法による高度の解析を行うしかなく、そのためには厳密なモデル化が必要であり、したがって解析モデルの作成や実行に多大な手間と労力を要し、必然的にかなりのコストと時間を要することが不可避であって、事前の予備検討として簡易に行うようなことは現実的ではない。
以上のことから、部分改良地盤の築造後の変形量を高度な解析手法によることなく比較的簡易に予測算定することのできる有効適切な手法の開発が望まれていた。
上記事情に鑑み、本発明は、原地盤に柱状ないし格子状の改良体を造成することによって改良対象範囲に所定の改良率の部分改良地盤を築造するに際し、築造後の部分改良地盤の変形量を事前に簡易に予測算定するための方法であって、部分改良地盤の全体を、所定領域の改良体とその周囲の原地盤からなる単位周期構造体の集合体として築造することとして、該部分改良地盤の等価剛性と改良率との関係を、前記単位周期構造体の縦横比と改良体の剛性と原地盤の剛性とをパラメータとして予め求めておき、前記関係に基づいて改良率を決定するとともにその改良率に対応する部分改良地盤の等価剛性を求めて、その等価剛性と部分改良地盤全体に作用する外力に基づいて部分改良地盤の変形量を算定することを特徴とする。
本発明においては、単位周期構造体の集合体として築造される部分改良地盤の等価剛性と改良率との関係を、改良率を横軸とするとともに、改良体の剛性に対する部分改良地盤の等価剛性の比を縦軸とし、改良体の剛性に対する原地盤の剛性の比、および前記単位周期構造体の縦横比をパラメータとする簡易チャートとして作成しておくと良い。
また、部分改良地盤を構成する単位周期構造体を剛性の異なる2つの弾性体の複合体と見なすとともに、該複合体を該複合体と等価な剛性を有する単一の弾性体からなる均質体と見なして該均質体の剛性を数学的均質化理論に基づいて求め、その均質体の剛性を部分改良地盤の等価剛性として簡易チャートを作成しておくと良い。
本発明においては部分改良地盤の変形量の算定は2次元弾性有限要素法により行うことができるが、あるいは、部分改良地盤全体をその等価剛性と同等の剛性を有するせん断棒にモデル化して行うことをも可能である。
本発明によれば、単位周期構造体の集合体としての部分改良地盤の等価剛性と改良率との関係を単位周期構造体の剛性やその縦横比をパラメータとして予め求めておいて、その関係により求めた等価剛性を用いて変形量の算定を行うことにより、従来一般の3次元有限要素法による場合のような厳密なモデル化が不要であってそのための手間とコストを大幅に軽減することができ、全体の算定手順を大幅に軽減することができる。したがって本発明によれば、部分改良地盤の変形量の予測算定作業を簡易にかつ容易に実施でき、地盤改良効果を事前に確認できてその信頼性を充分に高めることができる。
特に、単位周期構造体の剛性を数学的均質化理論に基づいて求めて、それを部分改良地盤の等価剛性として求めるための簡易チャートを予め作成しておき、かつその簡易チャートを、改良率を横軸とし、改良体の剛性に対する部分改良地盤の等価剛性の比を縦軸とし、改良体の剛性に対する原地盤の剛性の比、および前記単位周期構造体の縦横比をパラメータとしたものとすれば、最も使い易くかつ充分な算定精度が得られる。
また、部分改良地盤の等価剛性を簡易チャートにより求めたうえでその変形量の算定を2次元弾性有限要素法により行うことにより、従来一般の3次元有限要素法による場合に比べて全体の算定手順を遙かに簡略化しつつ高精度の算定が可能である。さらに、変形量の算定を有限要素法によることなく、部分改良地盤全体を等価剛性と同等の剛性を有するせん断棒にモデル化して算定を行うことも可能であり、それによればより一層簡易に算定することが可能である。
本発明は、部分改良地盤を単位周期構造体の集合体として築造し、その単位周期構造体の剛性を数学的均質化理論に基づいて求めてこれを部分改良地盤全体の等価剛性とし、この等価剛性と築造後の部分改良地盤に作用する外力とから部分改良地盤の変形量を事前に予測算定するものである。
そして、そのために、本発明においては、部分改良地盤の等価剛性と改良率との関係を、単位周期構造体の縦横比と改良体の剛性と原地盤の剛性とをパラメータとして予め求めて簡易チャート化しておき、その簡易チャートを用いて部分改良地盤の等価剛性を簡易に求めることを主眼とする。
図1は本発明の算定方法の概要を示すものであり、(a)は柱状の改良体による部分改良地盤の場合、(b)は格子状の改良体による部分改良地盤の場合である。
(a)は直径lRの柱状の改良体をx方向(幅方向)の間隔lx、y方向(長さ方向)の間隔lyをもって配列して造成した場合であって、この場合の単位周期構造体は2辺がlx,lyの矩形(lx=lyの場合には正方形)の中心に直径lRの柱状の改良体が配置されたものである。この場合の改良率R、すなわち単位周期構造体の面積に対する改良体の面積の比、つまりは部分改良地盤全体の面積に対する改良体全体の面積の比は
Figure 0005088619
となる。
(b)は厚さlRの板状の改良体をx方向とy方向の双方にそれぞれlx、lyの間隔で格子状に組み合わせて造成した場合であって、この場合の単位周期構造体はx方向の長さlx、y方向の長さlyの矩形の内側に、厚さlRの改良体がx方向およびy方向に1枚ずつ、あるいは厚さlRの改良体がx方向に1枚、厚さlR/2の改良体がy方向に2枚、配置されたものである。この場合の改良率Rはいずれも
Figure 0005088619
となる。
そして、単位周期構造体は剛性の異なる2つの弾性体、すなわち未改良で低剛性の原地盤(その剛性をESとする)と、改良により高剛性とされた改良体(その剛性をERとする)の複合体と見なすことができ、さらにその複合体は、この複合体全体の剛性と等価とみなせる剛性(以下、これを等価剛性EHという)を有する単一の均質体と見なすことができ、その均質体の等価剛性EHは、数学的均質化理論に基づき単位周期構造体の特性と形状とをパラメータとして次のように求めることができる。
すなわち、数学的均質化理論によれば、2つの弾性体の複合体と等価の1つの均質体の弾性係数CHをマトリックスを表記すると、次式で表される。
Figure 0005088619
上式においてCはミクロ周期構造としての単位周期構造体の弾性マトリックスである。また、Xはミクロ周期構造に単位マクロ歪みIを与えた場合の応答変位であり、3次元では次式のように6成分からなるものである。
Figure 0005088619
また、均質体の弾性係数CHの逆行列(コンプライアンスマトリックス)は次式で表され、この式から各方向の等価剛性を求めることができる。
Figure 0005088619
上式におけるExHは均質体のx方向の軸剛性、EyHはy方向の軸剛性、EzHはz方向の軸剛性、GxyHはx−y面内のせん断剛性、GyzHはy−z面内のせん断剛性、GzxHはz−x面(x−z面)内のせん断剛性であり、上式により求められる均質体の各剛性はすなわち単位周期構造体およびその集合体としての部分改良地盤全体の等価剛性を表すものである。
そして、本実施形態においては、上式で求められる各方向の等価剛性と改良率Rとの関係を、単位周期構造体のパターンをパラメータとして予め簡易チャート化しておくことにより、その簡易チャートを用いて部分改良地盤の各方向の等価剛性(軸剛性およびせん断剛性)を簡易に求めるものである。
その簡易チャートは、具体例を図2〜図3に示すように、横軸に改良率Rをとり、縦軸に等価剛性ExH、EyH、EzH、GxyH、GyzH、GzxH(改良体の軸剛性ERあるいはせん断剛性GRにより除して正規化してある)をとり、ES/ERあるいはGS/GR(改良体の剛性に対する原地盤の剛性の比)と、単位周期構造体の縦横比lx/lyをパラメータとして作成したものである。
図2(a)〜(d)に示す簡易チャートは柱状の改良体の場合において、lx/ly=1(つまり正方形配列)の場合のものであり、図3(a)〜(f)に示す簡易チャートは格子状の改良体の場合において、lx/ly=1,2,3とした場合のものあり、いずれもパラメータES/ERあるいはGS/GRを0、0.2、0.4、0.6、0.8としたものである。
このような簡易チャートを予め作成しておくことにより、改良率Rと、改良体の剛性ERあるいはGR、原地盤の剛性ESあるいはGSのみから、部分改良地盤の各方向の等価剛性を直ちに求めることができる。たとえば、柱状の改良体を正方形配列して造成する部分改良地盤における地盤厚さ方向(z方向)の軸剛性を求める場合には、図2(b)の簡易チャートを用いてEzHを求めれば良い。また、格子状の改良体による部分改良地盤における水平面(x−y面)におけるせん断剛性を求める場合には、図3(f)のチャートを用いてGxyHを求めれば良い。
本発明の具体的な適用例として、液状化が想定される護岸に対して側方流動防止対策として地盤改良を行う場合において、液状化が生じた後における護岸の側方流動量を予測算定する場合の一具体例を説明する。
図4はその全体作業手順の概要を示すフローチャートである。
まず、(1)地盤調査を行った結果から液状化層の深度(液状化層厚)を決定し、それに基づき、(2)液状化後に部分改良地盤に作用する外力を決定する。
一方、(3)改良体の形状(柱状あるいは格子状)とその剛性、単位周期構造体の縦横比(lx/ly)を決定する。また、改良率を仮決定し、その改良率に対応する液状化後の等価剛性を簡易チャートにより求める。
そして、(4)等価剛性と外力とにより変形量を算定し、設計条件を満足しなければ改良率を修正して条件を満足するまで以上の手順を繰り返す。なお、その際に必要であれば改良率の修正に併せて、あるいはそれに代えて、他の条件(単位周期構造体のパターンや改良体の剛性等)の見直しを行っても良い。
以上を設計条件を満足するまで繰り返し、条件を満足すれば改良率を確定させることにより、(5)側方流動対策の決定とする。
以上の基本的な手順(1)〜(5)を図5に示す構造の護岸に適用して、その液状化後に生じることが予想される変形量を算定する場合の具体例を以下に示す。
(1)液状化層厚の決定
図5において層厚H4で示す砂層が液状化対策が必要な層であり、その範囲を地盤改良するとする。図示例の場合には格子状の改良体の造成による部分地盤改良とし、単位周期構造体のlx=15m、ly=5mとし、したがってlx/ly=3とする。
(2)外力の決定
改良体の前面および背面の液状化層が全て液状化するとして、液状化後に地盤改良体にかかる外力を算定する。
護岸前面側(水面を原点とする座標Z1として示す)においては、Z1=0〜H1までは河川あるいは海の水圧がかかり、Z1=H1〜HI+H2までは水圧+土圧がかかる。すなわち、地盤の単位体積重量γt、水の単位体積重量γWとすると、
P1=γwZ1 at Z1=0〜H1
P1=γwZ1+γt(Z1−H1) at Z1=H1〜H1+H2
護岸背面側(地下水位を原点とする座標Z2として示す)においては、Z2=0において土被り圧がかかり、Z2=0〜H4は土被り圧+地下水圧がかかる。すなわち
P2=γtH3 at Z2=0
P2=γtH3+γtZ2 at Z2=0〜H4
(3)改良体の決定、等価剛性の算定
上記の外力により地盤改良体にはその横断面に沿う鉛直面(z−x面)に沿ってせん断変形が生じるので、ここでは部分改良地盤のその方向の等価せん断剛性GzxHを図3(d)に示した簡易チャートにより求める。この場合、改良体のせん断剛性GRをセメント系地盤改良を想定してGR=38.5MN/m2とし、原地盤のせん断剛性GSは液状化によりGS=0.1MN/m2になると想定して、簡易チャートにおけるパラメータGS/GR=0とする。
そして、改良率Rの仮決定をR=50%とすれば、単位周期構造体の縦横比lx/ly=3であるから、図6に示すように簡易チャートの縦軸GzxH/GR=0.43、ゆえに、等価剛性GzxH=38.5×0.43=16.5MN/m2として求められる。
(4)変形量の算定
上記の外力を負荷した際の部分改良地盤の変形量を算定する。その算定は2次元弾性有限要素法によるか、あるいは、より簡易な手法として、部分改良地盤全体をせん断棒にモデル化することにより行うことができ、いずれの場合も以下に示すようにほぼ同様の結果が得られる。
(4−1)2次元弾性有限要素法による場合
図5に示している各諸元、H1=3m、H2=7m、H3=2m、H4=10m、lx=15m、ly=5m、γt=17kN/m3、γw=10kN/m3を用いて、2次元弾性有限要素法により変形量を算定する。その結果、図7に示すように最大変形量が3cmと算定された。
(4−2)せん断棒による場合
図8に示すように、部分改良地盤全体をその等価剛性と同等の剛性を有するせん断棒にモデル化し、そのせん断棒に上記の外力を作用させた際に生じる変形量を算定する。この場合
改良体背面側の外力 P2=(34+204)×10/2=1190kN/m
改良体前面側の外力 P1=30×3/2+(30+149)×7/2=671.5kN/m
外力の合力 P=P2-P1=1190-671.5=518.5kN/m
等価せん断剛性 GzxH=16.5MN/m2=16.5×103kN/m2
等価せん断バネ k=GzxHW/l=16.5×103×15/10=24.8×103kN/m2
水平方向変形量 x=P/k=518.5/24.8×103=0.02m=2cm
この場合の算定結果は、2次元弾性有限要素法による場合の算定結果に比べて若干の誤差があるものの、この種の解析においては両者の結果は実質的に同等であるといえるし、少なくとも評価結果に影響しない範囲内の誤差であるといえる。
(5)対策の決定
以上で算定された変形量が設計条件を満足すれば、改良率の仮決定(上記の場合はR=50%)が妥当であったのでその改良率を最終決定として対策決定とする。変形量の算定結果が設計条件を満足しなければ改良率を変更して以上の手順を繰り返す。すなわち、変形量が過大であれば改良不足であるので改良率を大きくするように変更し、変形量が過小であれば改良過剰であるので改良率を小さくするように変更し、満足すべき結果が得られるまで以上の手順を繰り返せば良い。勿論、その際に必要であれば、すなわち改良率の修正のみでは条件を満足できない場合には、単位周期構造体のパターンや改良体の剛性も併せて見直せば良い。
以上で説明したように、本発明によれば部分改良地盤の変形量の算定に際してまずその等価剛性を簡易チャートにより求めることにより、従来の3次元有限要素法により変形量を直接算定する場合に比べて全体の算定手順を格段に簡略化することができ、特に厳密なモデル化を行うための手間を大きく軽減することができる。したがって、従来のように多大の手間とコスト、時間を要することなく部分改良地盤全体の変形量算定を簡易に実施することができ、その結果、部分改良地盤による改良効果を事前に確認できてその信頼性を充分に高めることができ、特に上記実施形態のような護岸の液状化による側方流動防止対策として部分改良地盤を築造するに際して適用して好適である。
以上で本発明の実施形態を説明したが、上記実施形態はあくまで本発明の好適な一適用例であって、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
たとえば、上記実施形態では、液状化が想定される護岸の側方流動防止対策としての部分地盤地盤を対象として、その液状化後の変形量を算定する場合の適用例を具体例として挙げたが、本発明はそのような場合のみならず、地盤改良の目的やその用途、規模を問わず、柱状ないし格子状の改良体による単位周期構造体の集合体としての部分改良地盤の設計、施工に際して、その変形量を事前に算定する必要のある場合全般に広く適用できることは当然である。
また、図2〜図3に示した簡易チャートはあくまで一例であって、例示したもの以外にも、部分改良地盤の用途や、算定の目的に応じて、必要となる様々な簡易チャートを予め作成しておくと良い。
たとえば、上記実施形態では柱状の改良体の場合の簡易チャートとして、単位周期構造体のパターンが縦横比Lx/Ly=1(正方形配列)のもののみを例示したが、他の縦横比(つまり非正方形配列に対応するもの)をパラメータとする簡易チャートも予め作成しておくと良い。
同様に、格子状の改良体の場合の簡易チャートとしても、x方向とy方向の改良体の幅lRが異なるものや、縦横比がLx/Ly=1,2,3以外のもの等、他のパターンに対応する簡易チャートを作成しておくと、様々な単位周期構造体のパターンに幅広く対応することが可能であって適用範囲をより拡大することが可能である。
本発明の実施形態である簡易算定法の概要を示す説明図である。 同、簡易チャートの例(柱状の改良体の場合)を示す図である。 同、簡易チャートの例(格子状の改良体の場合)を示す図である。 同、護岸を対象とする側方流動防止対策としての部分改良地盤を築造する場合への適用例を示すもので、全体手順を示すフローチャートである。 同、護岸の構造図である。 同、簡易チャートにより等価剛性を求める手順を示す図である。 同、2次元弾性有限要素法による変形量の算定結果を示す図である。 同、等価せん断棒による変形量の算定手法を示す図である。

Claims (5)

  1. 原地盤に柱状ないし格子状の改良体を造成することによって改良対象範囲に所定の改良率の部分改良地盤を築造するに際し、築造後の部分改良地盤の変形量を事前に簡易に予測算定するための方法であって、
    部分改良地盤の全体を、所定領域の改良体とその周囲の原地盤からなる単位周期構造体の集合体として築造することとして、該部分改良地盤の等価剛性と改良率との関係を、前記単位周期構造体の縦横比と改良体の剛性と原地盤の剛性とをパラメータとして予め求めておき、
    前記関係に基づいて改良率を決定するとともにその改良率に対応する部分改良地盤の等価剛性を求めて、その等価剛性と部分改良地盤全体に作用する外力に基づいて部分改良地盤の変形量を算定することを特徴とする部分改良地盤の変形量の簡易算定法。
  2. 請求項1記載の部分改良地盤の変形量の簡易算定法であって、
    単位周期構造体の集合体として築造される部分改良地盤の等価剛性と改良率との関係を、改良率を横軸とするとともに、改良体の剛性に対する部分改良地盤の等価剛性の比を縦軸とし、改良体の剛性に対する原地盤の剛性の比、および前記単位周期構造体の縦横比をパラメータとする簡易チャートとして作成しておくことを特徴とする部分改良地盤の変形量の簡易算定法。
  3. 請求項2記載の部分改良地盤の変形量の簡易算定法であって、
    部分改良地盤を構成する単位周期構造体を剛性の異なる2つの弾性体の複合体と見なすとともに、該複合体を該複合体と等価な剛性を有する単一の弾性体からなる均質体と見なして該均質体の剛性を数学的均質化理論に基づいて求め、その均質体の剛性を前記部分改良地盤の等価剛性として簡易チャートを作成しておくことを特徴とする部分改良地盤の変形量の簡易算定法。
  4. 請求項1,2または3記載の部分改良地盤の変形量の簡易算定法であって、
    部分改良地盤の変形量の算定を2次元弾性有限要素法により行うことを特徴とする部分改良地盤の変形量の簡易算定法。
  5. 請求項1,2または3記載の部分改良地盤の変形量の簡易算定法であって、
    部分改良地盤の変形量の算定を、該部分改良地盤全体をその等価剛性と同等の剛性を有するせん断棒にモデル化することにより行うことを特徴とする部分改良地盤の変形量の簡易算定法。
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