JP5085994B2 - 端子送り装置及びこの装置を取付けた手動圧着工具 - Google Patents

端子送り装置及びこの装置を取付けた手動圧着工具 Download PDF

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Description

この発明は、端子送り装置及びこの装置を取付けた手動圧着工具に係り、詳しくは、端子つなぎ桟に連結された複数本の端子を順次給送できる端子送り装置及びこの装置を取付けた手動圧着工具に関するものである。
電線或いはリード線(以下、リード線という)に端子を接続する方法として、リード線の芯線及び端子を外力により圧縮して接続する圧着接続法が古くから知られている。この接続法は、通常、リード線及び圧着端子を把持する固定圧着部と、この固定圧着部に押し当てて圧着端子を芯線にカシメて固定する可動圧着部とを有しており、これらの圧着部は、別名「クリンパ及びアンビル」、「オス型ダイ及びメス型ダイ」或いは「オス側ダイ及びメス側ダイ」などと呼ばれている(以下ではこのような圧着部を「オス型ダイ」及び「メス型ダイ」といい、オス型ダイ及びメス型ダイを総称したものを「圧着ダイ」という)。
このような圧着接続は、概ね、工場内等に専用の端子圧着装置が設置されて、端子とリード線とが自動的に接続されるようになっている(例えば、下記特許文献1参照)。このような端子圧着装置は、比較的端子数が多い場合に使用されている。しかし近年、例えば情報制御システム、交通システム、ビルシステム等や、これらのメンテナンスの現場においては、コスト面及び利便性などの観点から工場内の作業に代えてメンテナンス現場において直接接続作業を行うことが要求され、このような作業ができる手動式の圧着工具が開発されている(例えば、下記特許文献2〜4参照)。
例えば、下記特許文献2に開示された手動圧着工具は、枢支軸により回動可能に支持された一対の杆状ハンドルと、これらの杆状ハンドルに連結軸で支軸された圧着作動片とを有し、この圧着作動片は、相互に噛み合う咬着歯を対向状に形成した二枚の金属製顎片と、これらの金属製顎片を各回転支持軸で連結された連結側板とで構成されて、一対の杆状ハンドルを閉作動させることにより、一対の咬着歯で圧着端子をリード線芯線に圧着接続するようになっている。この圧着工具によれば、一対の杆状ハンドルは、比較的長尺になっているので、この長尺ハンドルの梃子作用を利用して端子とリード線とを簡単・確実に接続ができる。なお、同様の手動圧着工具は、下記特許文献3にも開示されている。
ところが、この種の手動圧着工具は、いずれも1個の圧着端子と1本のリード線とをその都度対応させて個別に接続するものであるため作業効率を上げるのに限界があることから、複数個の端子を圧着ダイに供給して、連続して接続できるようにした手動圧着工具も開発されている(例えば、下記特許文献4参照)。
そこで、以下には図10を参照して下記特許文献4に開示された手動圧着工具を説明する。なお、図10は下記特許文献4に開示された手動圧着工具の斜視図である。
下記特許文献4に開示された手動圧着工具50は、固定受部52A及びこの固定受部52Aに対して垂直に直線往復運動する端子圧着体52Bによって構成される端子圧着部53を備えた中空状の圧着具ボデイ51と、この圧着具ボデイ51から直線状に水平に延設された固定レバー54と、この固定レバー54の上方に配置されてその先端部分で軸55により圧着具ボデイ51に枢支されたスウィングレバー56と、このスウィングレバー56の枢支部より先端部分の回動運動を端子圧着体52Bの直線運動に変換する運動変換機構と、によって構成されている。固定レバー54には、多数の端子58、…を帯状に連結した端子ベルトCを移動可能に収納して圧着部53に送り出す端子ベルト装着部57が設けられている。この端子ベルト装着部57は、その上面の一部が長さ方向に沿って開口されて、装着された端子ベルトCをこの開口部57aから指先で押すことにより前方に送り出すことができるようになっている。端子ベルトCは、導体金属製筒体の一端に大径の合成樹脂製絶縁筒体が結合された棒型端子58が平行に帯状に並べられ、その合成樹脂製絶縁筒体の外周部分で切り取り可能な状態で多数連結したものとなっている。
下記特許文献2〜4に開示された手動圧着工具は、いずれも所定サイズのリード線と端子とを圧着接続するもので、圧着ダイは、特定サイズのものの専用品となっており、異なるサイズの接続に使用できない。したがって、サイズが違うとこのサイズに合致した圧着ダイを有する圧着工具が必要になる。そこで、このような不都合を解消するために、ハンドル部と圧着部とを分離できるようにし、ハンドル部を共通にして圧着部を各種サイズに合致するものに交換できるようにしたものが開発されて市場に導入されている。
特開平7−320843号公報(図1、段落〔0013〕、〔0022〕 実公平7−33420号公報(図2、実用新案登録請求の範囲) 特開2005−190829号公報(図4、段落〔0025〕〜〔0033〕) 特開平9−219271号公報(図2、段落〔0008〕〜〔0012〕)
上記特許文献1〜4のうち、下記特許文献2及び3に開示された圧着工具は、いずれも1個の圧着端子と1本のリード線とを順次個別に接続するもので、作業効率を上げるのに限界がある。
これに対し、上記特許文献4に開示された圧着工具は、固定レバー54に、多数の端子58を帯状に連結した端子ベルトCを移動可能に収納して圧着部53に送り出す端子ベルト装着部57を設け、この端子ベルト装着部57に装着された端子ベルトCを開口部から指先で押すことにより前方に送り出すことができるので、作業能率を向上させることができる。しかしながら、この圧着工具に使用される端子は、この圧着工具にのみに使用可能な特殊構造のものとなっている。すなわち、この端子は、導体金属製筒体の一端に大径の合成樹脂製絶縁筒が結合された棒型端子58を平行に帯状に並べて、これの合成樹脂製絶縁筒体の外周部分で切り取り可能な状態で多数連結したものとなっている。このため、上記特許文献4に開示された圧着工具では、一般の端子、例えば、上記特許文献1に開示されている端子圧着装置に使用されるような端子つなぎ桟に所定間隔に連結された端子を使用することができず、この圧着工具に適合する端子を作製しなければならない。また、圧着部が一体構造で交換ができないので、リード線のサイズが異なるとこのサイズに合致した圧着ダイを有するサイズごとの圧着工具が必要になる。
また、市販の手動圧着工具は、圧着ダイが交換できるようになっているが、この圧着工具は、1個の圧着端子と1本のリード線とを順次個別に接続するもので作業効率を上げるのに限界がある。
更に、上述した従来の手動圧着工具は、接続作業時に、作業者が個々の端子を保持して圧着ダイにセットしなければならないので、作業者の手が端子に触れて指油などが付着して品質トラブルを惹起する恐れがあり、また、手傷を負うこと危険性もある。なお、上記特許文献1に開示された端子圧着装置は、通常、工場内などに設置されて使用するもので前記メンテナンス現場などに持ち込んで使用することができない。
そこで、本発明は、上記従来技術の課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、複数本の端子を順次手動で連続して給送できる手動圧着工具に装着して使用されるのに好適な端子送り装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、部品点数を少なく軽量にし、安値な端子送り装置を提供することにある。
さらに、本発明の他の目的は、圧着ダイを構成するオス型ダイ及びメス型ダイを個別に交換できる手動圧着工具に着脱自在に装着できる端子送り装置を提供することにある。
さらにまた、本発明の他の目的は、これらの端子送り装置を装着した手動圧着工具を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の端子送り装置は、端子つなぎ桟に連結された複数本の端子を案内する端子ガイド部材と、前記端子ガイド部材に案内された端子を順次所定距離移送させる端子送り機構と、を有する端子送り装置において、
前記端子ガイド部材及び端子送り機構はハウジングに装着されており、該ハウジングには取付け及び取外し自在な固着手段が設けられており、前記ハウジングは該固着手段により被取付け機器に取付けられており、
前記ハウジングは、対向する一対の長尺な第1、第2長尺フレームと、該第1、第2長尺フレームの両端を連結した短尺の第1、第2連結フレームと、から構成され内部に空間が形成された枠体からなり、該枠体の空間内に前記端子送り機構を装着し、前記第1、第2連結フレームのいずれか一方の連結フレームに前記固着手段を設け、前記第1、第2長尺フレームのいずれか一方の長尺フレームに前記端子ガイド部材を設けたことを特徴とする。
また、請求項に記載の発明は、請求項1に記載の端子送り装置において、前記端子送り機構は、前記端子つなぎ桟に形成された送り穴に係合される送り爪を有する送り部材と、該送り部材が固定されて所定距離移動されるスライド部材と、を有していることを特徴とする。
また、請求項に記載の発明は、請求項に記載の端子送り装置において、前記スライド部材は、手動操作レバー及び該スライド部材が所定位置へ移動された後に元の位置へ戻す戻し機構が設けられていることを特徴とする。
また、請求項に記載の発明は、請求項に記載の端子送り装置において、前記戻し機構は、自動的に復帰する機構であることを特徴とする。
また、請求項に記載の発明は、請求項に記載の端子送り装置において、前記送り爪部材は、前記スライド部材から垂直に立設した垂直部と、該垂直部の頂部から下方へ所定角度で傾斜した傾斜部と、該垂直部と該傾斜部の底端部を連結した底辺部と、を有し、前記垂直部の頂部に送り爪を形成し、該底辺部近傍の一端を前記スライド部材に回転自在に枢支すると共に、該底辺部を弾性部材で付勢して前記送り爪が前記端子つなぎ桟に当接されるようにしたことを特徴とする。
また、請求項に記載の発明は、請求項に記載の端子送り装置において、前記送り爪は、鋭角に形成されていることを特徴とする。
請求項に記載の手動圧着工具の発明は、リード線を挿入した端子を圧潰して圧着接続する手動圧着工具であって、請求項1〜のいずれか1つに記載の端子送り装置が取付けられていることを特徴とする。
また、請求項に記載の発明は、請求項に記載の手動圧着工具において、前記圧着工具は、互いに噛み合う咬合歯を有する一対の圧着ダイが取付けられたヘッド部材と、該ヘッド部材に一端が支軸で枢支され他端が開閉自在な一対の把持フレームを有する操作ハンドルとを備え、前記一対の圧着ダイは、前記ヘッド部材に取外し自在な固着手段で結合されていることを特徴とする。
また、請求項に記載の発明は、請求項に記載の手動圧着工具において、前記一対の圧着ダイは、メス型咬合歯を有するメス型ダイと前記メス型咬合歯に噛み合うオス型咬合歯を有するオス型ダイで構成されていることを特徴とする。
また、請求項10に記載の発明は、請求項に記載の手動圧着工具において、前記メス型ダイは、基台の対向する端部にそれぞれサイズの異なる咬合歯が設けられていることを特徴とする。
また、請求項11に記載の発明は、請求項に記載の手動圧着工具において、前記ヘッド部材は、前記オス型ダイが結合されるヘッド本体と、該ヘッド本体にスライド移動自在に装着され前記メス型ダイが結合されるスライド部材とを有し、前記ヘッド本体は前記操作ハンドルの一対の把持フレームに連結され、前記スライド部材は前記ハンドルに支軸で連結されていることを特徴とする。
また、請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の手動圧着工具において、前記ヘッド部材には、複数個の端子を連続して送給する第1端子ガイド部材が装着され、前記第1端子ガイド部材から前記圧着ダイへ端子が送給されることを特徴とする。
また、請求項13に記載の発明は、請求項12に記載の手動圧着工具において、前記オス型ダイを支持部材に固定して前記第1端子ガイド部材に組み込むことでオス型ダイユニットが形成され、前記オス型ダイユニットの支持部材が前記スライド部材に取外し自在な固着手段により結合されていることを特徴とする。
また、請求項14に記載の発明は、請求項12又は13に記載の手動圧着工具において、前記第1端子ガイド部材に、前記端子送り装置のハウジングが取付けられていることを特徴とする。
本発明は、上記構成を備えることにより以下に示すような優れた効果を奏する。すなわち、請求項1の発明によれば、端子送り装置は、ハウジングに取付け及び取外しが自在な固着手段が設けられているので、被取付け機器、例えば手動式の端子圧着工具に簡単に装着して使用することができる。この端子送り装置の装着により、手動端子圧着工具へ複数本の端子を連続して供給することができ、作業能率が向上すると共に、端子に触れずに移送できるので指などの負傷を防止でき、しかも端子に指油などが付着することがなく端子の品質を低下させることがない。また、被取付け機器からの取外しも可能であるので、端子送り装置の保管、運搬などの管理が容易になると共に補修なども簡単になる。
また、請求項1の発明によれば、ハウジングは、一対の第1、第2長尺フレーム及び第1、第2連結フレームからなる枠体で形成し、この枠体に端子ガイド部材及び端子送り機構が装着されているので、端子送り機構を軽量でコンパクトに形成できる。この構成により、手動式の端子圧着工具に装着しても、圧着工具の操作に支障を及ぼすことなく円滑に圧着工具を使用することができる。
請求項の発明によれば、送り爪を有する送り部材を固定したスライド部材により、円滑に端子つなぎ桟に連結された端子を移送することができる。
請求項の発明によれば、操作レバーにより手動での操作が簡単になり、また、戻し機構により連続した端子の移送ができる。更に、請求項の発明のように、戻し機構を例えばスプリングを用いた自動復帰機構にすることにより、作業能率を向上させることができる。
請求項の発明によれば、送り爪部材は、スライド部材から垂直に立設した垂直部と、この垂直部の頂部から下方へ所定角度で傾斜した傾斜部とこれらの垂直部と傾斜部の底端部を連結した底辺部と、を有し、底辺部近傍の一端をスライド部材に回転自在に枢支すると共に、底辺部を弾性部材で付勢して垂直部の頂部に形成された送り爪が端子つなぎ桟に当接されるようにしたことにより、端子つなぎ桟の送り穴への送り爪の係止が確実になり、スライド部材の移動により適確に移送させることができる。
請求項の発明によれば、送り爪が鋭角に形成されているので、戻し機構によりスライド部材が戻されるときに、送り穴に引っ掛かることなく抜けてスムーズに移動させることができる。
請求項の発明によれば、手動圧着工具に端子送り装置を装着することにより、手動圧着工具へ複数本の端子を連続して供給することができ、作業能率が向上すると共に、端子に触れずに移送できるので指などの負傷を防止でき、しかも端子に指油などが付着することがなく端子の品質を低下させることがない。また、圧着工具からの取外しもできるので、端子送り装置の保管、運搬などの管理が容易になるとともに補修なども簡単になる。
請求項の発明によれば、操作ハンドルに軸支されたヘッド部材に一対の圧着ダイが取外し自在な固着手段で結合されているので、圧着ダイをリード線サイズに合わせて適宜交換することが可能になる。したがって、異なるサイズのリード線の接続を1台の圧着工具の圧着ダイを交換するだけで効率よく簡単に行なうことができ、従来技術のようにリード線サイズ毎に圧着工具を揃える必要がなくなり、コストの低減ができるとともに圧着工具の管理等が容易になる。
請求項の発明によれば、一対の圧着ダイはメス型咬合歯を有するメス型ダイとこのメス型咬合歯に噛み合うオス型咬合歯を有するオス型ダイで構成されているので、両咬合歯の噛み合わせが良好になり、リード線を挿入した端子の圧潰が確実になる。
請求項10の発明によれば、メス型ダイは、基台の対向する端部にそれぞれサイズの異なるメス型咬合歯を設けることにより、1個のメス型ダイを2種類のサイズの異なるリード線接続で使用することが可能になる。
請求項11の発明によれば、ヘッド部材はヘッド本体とスライド部材とで構成し、これらの部材にメス型ダイ及びオス型ダイを結合することにより、ヘッド本体及びスライド部材のいずれかの移動で一対のダイをスムーズに噛み合せることができる。
請求項12の発明によれば、ヘッド部材に複数個の端子を連続して圧着ダイに送給する端子ガイド部材を装着し、この端子ガイド部材からダイへ端子を送給することにより、端子を個別に一対のダイに挟持して圧潰するものに比べて、接続作業の効率を大幅にアップさせることができる。また、端子送り装置を装着することなく、単独でも接続作業が可能になる。
請求項13の発明によれば、オス型ダイを支持部材に固定して第1端子ガイド部材に組み込んでオス型ダイユニットを形成し、このユニットの支持部材がスライド部材に結合することにより、オス型ダイと第1端子ガイド部材とをリード線サイズに適合したものに選定してオス型ダイユニットを形成できる。また、スライド部材への結合が簡単になる。
請求項14の発明によれば、端子送り装置を簡単に装着することが可能になる。
以下、図面を参照して本発明の最良の実施形態を説明する。但し、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための端子送り装置及びこの装置を取付けた手動圧着工具を例示するものであって、本発明をこられのものに特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものも等しく適応し得るものである。
図1は本発明の一実施形態に係る端子送り装置を取付けた手動圧着工具の正面図、図2は図1の手動式圧着工具のヘッド部材を示したもので、図2(a)はヘッド部材の正面図、図2(b)は図2(a)のヘッド部材をX方向から見た側面図、図2(c)は図2(a)のヘッド部材のA−A線の断面図である。
手動式の圧着工具1は、図1に示すように、一端が支軸で軸支され他端を開閉できる操作ハンドル2と、この操作ハンドル2の支軸及び端部に結合されたヘッド部材4とを有している。ヘッド部材4には、端子送り装置17が着脱自在な固定手段で取付けられている。
操作ハンドル2は、所定長さの一対の把持フレーム2a、2bを有し、これらの把持フレーム2a、2bの一端が支軸3で枢支されている。一対の把持フレーム2a、2bの対向する側部にはラッチ機構2cで結合されている。このラッチ機構2cは、一方の把持フレーム2bに支軸3で軸支された端部側面に鋸歯状係合歯が刻設された節度杆と、他方の把持フレーム2aに支軸3で固定された節度杆が挿通される節度管とで構成されている。節度管内には係合爪が突出して、この係合爪が節度ばねにより、所定方向に回動付勢され係合歯に係合されている。このラッチ機構2cは、把持フレーム2a、2bを把持して絞った状態では、係合爪と係合歯との係合が解除され、この状態から把持フレーム2a、2bの把持を解除することにより、把持フレーム2a、2bが最も広く開くようになる。なお、このラッチ機構2cは既に公知であり、本発明はこの公知のものを使用している。
操作ハンドル2は、支軸3が後述するスライド部材6の貫通孔6(図4参照)に結合され、また、この支軸3の近傍箇所、すなわち、各把持フレーム2a、2bの端部近傍に支軸3、3を介してヘッド部材4が軸支されている。この構成により、一対の把持フレーム2a、2bの回動に伴ってヘッド部材4が可動するようになる。
ヘッド部材4は、図2及び図3に示すように、圧着端子をリード線に圧着する一対の圧着ダイ12、14と、これらの圧着ダイ12、14へ端子を連続して給送する第1端子ガイド部材10と、これらの圧着ダイ12、14及び第1端子ガイド部材10が装着されるヘッド本体5とを有し、一対の圧着ダイ12、14は、詳しくはメス型ダイ14とオス型ダイ12とで構成されている。オス型ダイ12は、第1端子ガイド部材10に組み込まれてヘッド本体5に取付けられる。そこで、この端子ガイド部材10にオス型ダイ12を組み込んだ組立体を以下、オス型ダイユニット7という。
ヘッド本体5は、図3に示すように、メス型ダイ14が着脱自在に固定される頭部5Aと、オス型ダイユニット7が着脱自在に固定される胴部5Cと、頭部5Aと胴部5Cとを繋ぐ首部5Bと、を有し、胴部5Cと頭部5Aの顎部5との間に所定の隙間Gが設けられて、鋼材で一体に形成されている。
頭部5Aは、その頂部5から顎部5に向かって、長手方向と直交する断面が凹状をなした隙間溝5が形成され、この溝幅は、メス型ダイ14が差し込まれる大きさになっている。隙間溝5は、その両側に一対の対向する側壁5、5が立設されている。一対の側壁5、5には、一方の側壁5から隙間溝5を通過して他の側壁5を貫通する貫通穴5が形成され、この貫通穴5は、メス型ダイ14の固定に利用される。
胴部5Cは、頭部5A及び首部5Bより若干大きなブロックからなり、このブロックは首部5Bから頭部の顎部5方向へ所定長さ膨出している。この胴部5Cには、頭部5Aの隙間溝5の直下にスライド部材6が挿入される直下穴5が形成されている。この直下穴5は、胴部5Cの上下方向に設けた断面形状が凹状をなした凹状溝と、この凹状溝の開口部を覆う蓋体5Dとにより形成され、この蓋体5Dを凹状溝の開口部にネジ等により固定することにより形成される。
スライド部材6は、図4に示すように、直下穴5にスライド移動可能に嵌合される大きさの直方体ブロックからなり、鋼材で形成されている。このスライド部材6は、所定の長さ、幅長及び肉厚を有し、表面6a、背面6b及び両側面6c、6dを有し、表面6aの両側端に一対のガイド壁6c'、6d'が設けられている。これらのガイド壁6c'、6d'は、その間隔が後述するアンビルホルダー8が差し込まれる長さになっており、図4の頂部から下部に向かって、下部の途中まで形成されている。表面6aを除く側面及び背面6bは、直下穴5に挿入した際凹状溝の壁面に接触される。また、このスライド部材6は、頂部にアンビルホルダー8を取付ける装着穴6が形成されている。この装着穴6は、開口が円形状をなし内壁面にピンが挿通される溝61'が形成されている。
この構成のヘッド部材4は、各把持フレーム2a、2bの端部に支軸で軸支されているので、一対の把持フレーム2a、2bを挟持することにより、ヘッド本体5とスライド部材6とが作動されて、メス型ダイ14とオス型ダイ12との間で端子を圧潰することができる。
メス型ダイ14は、図3に示すように、分割された2枚の第1、第2分割メス型ダイ14A、14Bからなり、各分割メス型ダイ14A、14Bは、それぞれ略同じ形状を有し鋼材で形成されている。第1、第2分割メス型ダイ14A、14Bは、所定の幅長、長さ及び肉厚を有した細長な板状体の胴部(基台ともいう)14a、14bと、これらの胴部の一端に設けられた第1メス型咬合歯14A1、14B1と、他端に設けられた第2メス型咬合歯14A2、14B2とを有し、鋼材で形成されている。これらの第1、第2分割メス型ダイ14A、14Bは、それぞれの胴部14a、14bに取付け穴14、14が形成さている。第1、第2メス型咬合歯14A1、14B1及び第2メス型咬合歯14A2、14B2は、いずれも胴部14a、14bから略Y字状に分岐された一対の突起歯で形成されている。第1、第2メス型咬合歯14A1、14B1及び14A2、14B2は異なるサイズのリード線の接続に対応できる大きさになっている。すなわち、第1メス型咬合歯14A1、14B1と第2メス型咬合歯14A2、14B2とは、Y字状に分岐された一対の突起歯間の間隔が異なって、異なるサイズのリード線に適合するようになっている。なお、リード線サイズとの関係は後述する。
第1、第2分割メス型ダイ14A、14Bの各取付け穴14、14は、両分割メス型ダイ14A、14Bの接合面の開口部にストップリング14Cが挟着できるように若干大きく形成されている。ストップリング14Cは、取付けロッド15が圧入される径となっている。第1、第2分割メス型ダイ14A、14Bは、結合面にストップリング14Cを介在させて、ボルト等の固定手段で結合される。組立てられたメス型ダイ14は、ヘッド本体5の隙間溝5内にその取付け穴14、14が貫通穴5に連通するように配設した後、貫通穴5及び取付け穴14、14に取付けロッド15を差し込むことにより、取付けロッド15の胴体15がストップリング14Cに圧入されて抜けなくなる。したがって、ストップリング14Cを用いることにより取付けロッド15の端部にナット等を結合することなく、メス型ダイ14をヘッド本体5に固定できる。また、この取付けロッド15は、ストップリング14Cの圧入保持力に抗して引き抜くと簡単に引き抜けるので、特殊工具を使用することなくメス型ダイ14をヘッド本体5から取外すことができる。
上記構成のメス型ダイ14は、リード線サイズに応じて複数個用意される。すなわち、1個のメス型ダイ14は、異なる所定範囲のリード線サイズに適合するサイズの第1、第2メス型咬合歯14A1、14A2及び14B1、14B2を有したもので形成される。リード線の外皮径が例えば1.10mm以上のリード線において、その外皮径が所定範囲、例えば0.10mm太くなる毎にメス型ダイ14の咬合歯の間隔が変更される。この場合、1番目のメス型ダイは、第1メス型咬合歯を1.10mm、第2メス型咬合歯を1.20mmにそれぞれ適合するものに、2番目のメス型ダイは、第1メス型咬合歯を1.30mm、第2メス型咬合歯を1.40mmにそれぞれ適合するものに形成される。3番目以上のメス型ダイは、同様にして第1、第2メス型咬合歯間で異なるサイズに適合するものに形成される。これにより、1個のメス型ダイで異なる2つのサイズに適用できるので、メス型ダイの数を減少させることができるとともに、管理及び使用が簡単になる。
オス型ダイユニット7は、オス型ダイ12と、このオス型ダイ12へ端子を給送するガイドする第1端子ガイド部材10との組立体で構成されている。オス型ダイ12は、メス型ダイ14の第1、第2メス型咬合歯14A1、14B1及び14A2、14B2の間に挿入されるオス型咬合歯を有し、鋼材で作成されている。すなわち、オス型ダイ14は全体形状が凸状をなし、略矩形状の底部と、この底部から上方へ伸びた胴部と、この胴部から両肩部を経て上方へ突出した1本の突出歯とを有し、胴部の一側壁に突出部12A1、12B1が形成されている。これらの突出部12A1、12B1は、アンビルホルダー8の凹状溝8に係合される。このオス型ダイ12は、分割された2枚の第1、第2分割オス型ダイ12A、12Bで形成されている。第1、第2分割オス型ダイ12A、12Bは、第2分割オス型ダイ12Bが第1分割オス型ダイ12Aより肉厚に形成され、また、各分割オス型ダイ12A、12Bの突出歯の頂部形状が異なっている。これらの肉厚及び頂部の形状は、圧着端子の形状によって、それぞれの端子に適合するように決定される。
このオス型ダイ12は、リード線サイズの範囲がメス型ダイ14より広い範囲のもので作成される。すなわち、メス型ダイ14にあっては、リード線外皮サイズを0.1mm太くなる毎にオス型ダイ12の歯幅を設定したが、このオス型ダイではその範囲を広げ、例えば、外皮径1.10〜1.40mmの範囲のものをSサイズ、同様にこの範囲を超え2.56mm以下の範囲のものをMサイズ、さらにこの範囲を超え2.83mmまでのものをLサイズ、これを超え3.30mmまでのものを2Lサイズとして4個のオス型ダイで対応させることができる。
オス型ダイ12をメス型ダイ14に比べて広い範囲のリード線に対応できるようにすると、1個のオス型ダイに対して数個のメス型ダイを組み合わせて使用することが可能になる。
オス型ダイ12は、他の部品と一緒にして支持部材8に固定されて第1端子ガイド部材10に組み込まれる。この支持部材8はコネクタ分野ではアンビルホルダーと呼ばれているので、以下の説明ではこの用語を使用する。
アンビルホルダー8は、端子が連結されたつなぎ桟を切断する切断刃11と、一対のオス型ダイ12及びリード線等を位置決めするロケータ13を固定するもので、これらの部品を載置固定する載置台8と、この載置台8の一端縁から上方へ立設した側壁8と、載置台8の背面から下方へ垂下した装着片8との一体成型体からなり、鋼材で形成されている。載置台8は、比較的厚い肉厚を有し、側壁8面から第1端子ガイド部材10方向へ向けて貫通したボルト挿通穴(図示省略)が形成されている。側壁8は、載置台8側にこの載置台8の面に沿って凹状溝8が形成されている。この凹状溝8には、第1、第2分割オス型ダイ12A、12B及びロケータ13の各突出部12A1、12B1、13が圧入される。また、装着片8には装着穴8が形成されており、この装着穴8は、開口が円形状をなし、穴内壁面に取付けロッド16のピン16cが挿通される溝が形成されている。
第1端子ガイド部材10は、図3に示すように、所定の長さ、幅長及び肉厚を有する直方体ブロックからなる台座9と、この台座9の上面に固定される第1ガイドプレート9Aと、この第1ガイドプレート9Aの上面に固定される第2ガイドプレート9Bとから構成し、これらは鋼材で形成されている。このうち、台座9は、長手方向の一端にアンビルホルダー8が嵌め込まれる隙間9が形成されている。この隙間9は、各側壁9c、9dから延びた対向する側壁9c'、9d'間に形成されており、アンビルホルダー8の載置台8が収容される大きさを有している。また、この隙間9の底壁には、アンビルホルダー8を固定するネジ穴(図示省略)が形成されている。
第1ガイドプレート9Aは、第2ガイドプレート9Bが装着された状態で、第2ガイドプレート9Bとの間に端子が挿通される隙間が形成される肉厚を有し、台座9の表面9aの面積より若干小さい面積の板状体で形成されている。第2ガイドプレート9Bは、第1ガイドプレート9Aより若干大きな板状体からなり、第1ガイドプレート9Aに装着された状態で、第1ガイドプレート9Aとの間に通路が形成されるように一端縁から下方へ垂下したガイド片9B'が形成されている。第1、第2ガイドプレート9A、9Bの台座9への取付けは、台座9の上に第1、第2ガイドプレート9A、9Bを積層して、第2ガイドプレート9Bの上方から各ガイドプレート9A、9Bのネジ穴(図示省略)へボルトを挿通して台座9に固定することにより取付けられる。
台座9へのアンビルホルダー8の取付けは、アンビルホルダー8の載置台8に、ロケータ13、オス型ダイ12及び切断刃11の順に並べて載置・固定する。各分割オス型ダイ12A、12B及びロケータ13は、それぞれの突出部12A1、12B1、13をアンビルホルダー8の凹状溝8に圧入し、また、切断刃11は底部に圧縮スプリングSを介在して固定する。そして、アンビルホルダー8に切断刃11、オス型ダイ12及びロケータ13を取付けた後に、このアンビルホルダー8の載置台8を台座9の隙間9に挿入して、アンビルホルダー8の載置台8に設けたネジ穴と台座9に設けたネジ穴とにボルトを挿通して固定することで取付けが行われる。この取付けにより、オス型ダイユニット7が完成する。
このオス型ダイユニット7は、取付けロッド16を用いてスライド部材6に着脱自在に固定される。
取付けロッド16は、ツマミ頭部16a、挿入胴部16b及び挿入胴部16bの先端部に串刺して設けたピン16cで構成されている。一方、スライド部材6の装着穴6はこの取付けロッド16が挿通される大きさの円形の貫通穴となっており、この装着穴6の内壁の対向面にピン16cの端部が挿通される溝61'が形成されている。また、装着穴6の出口には背面が凹まされた窪み6が設けられて、この窪み6内にピン16cの回転を止める係止溝が形成されている。勿論、この係止溝は溝61'とは異なる位置に形成されている。
この手動圧着工具1には、所定サイズに対応した大きさの端子送り装置17が着脱自在な固定手段により取付けられる。
以下、図5〜図7を参照して端子送り装置17を説明する。なお、図5は端子送り装置の側面図、図6は端子送り装置の分解斜視図、図7は図6のスライド部材及び送り爪を拡大した拡大斜視図である。なお、この端子送り装置17は手動圧着工具1のサイズに合わせた大きさを有するものである。
端子送り装置17は、図5に示すように、一端に第1端子ガイド部材10へ取付ける取付け部I及び内部に所定大きさの空間Sを設けたフレーム枠18と、この空間S内に装着された端子送り機構IIと、フレーム枠18の上方に装着された第2端子ガイド部材30と、を有している。
端子送り機構IIは、スライド部材19と、端子つなぎ桟に連結された端子を所定位置へ送る送り爪部材20と、を有し、この送り爪部材20はスライド部材19に固定されている。このスライド部材19は、長尺の送り軸21に装着されて、この送り軸21に沿ってスライド移動される。
フレーム枠18は、図5及び図6に示すように、上下で対向する一対の長尺な上下フレーム18a、18bと、これらの上下フレーム18a、18bの両端部を連結する短尺の連結フレーム18c、18dと、を有し、内部に空間Sが形成された長方形状の枠体からなり、金属材或いは合成樹脂材で形成されている。フレーム枠18をこのような枠体で形成することにより、空間S内に端子送り機構IIを収容することができるようになると共に、軽量化できる。したがって、上記手動圧着工具1に装着したときに、手動圧着具1のヘッド部材4付近が過重になることなく、通常のハンドル操作で使用することができる。
上下フレーム18a、18bは、所定の肉厚を有する板状体からなり、これらのフレーム18a、18bは、隙間Hをあけて略平行になっている。上フレーム18aの上方には、第2端子ガイド部材30が所定の間隙、すなわち、端子つなぎ桟の肉厚より若干広い間隙をあけて対向配置されている。空間Sは横方向に所定の長さWを有し、縦方向に上述した隙間Hと同様の長さを有する長方形状の空間である。なお、この空間Sの長さWは、端子送り装置17を手動圧着工具1に取付けた状態で手の指、例えば親指を手動圧着工具1に引掛けたときに人指し指が届く程度の長さに設定されている。
第2端子ガイド部材30は、図6に示すように、上フレーム18aと略同じ長さのガイド片30aと、このガイド片30aの一端に設けられた取付け片30bとを有し、ガイド片30aの他端には傾斜部30が形成されている。この第2端子ガイド部材30がフレーム枠18に固定されたとき、ガイド片30aは不図示の圧着端子の被覆圧着部と芯線圧着部との隙間に入り込み、端子つなぎ桟に連結された端子をガイドする働きをする。なお傾斜部30により端子つなぎ桟の挿入が容易になっている。
対向する一対の連結フレーム18c、18dのうち、一方の連結フレーム18dには、第1端子ガイド部材10へ取付ける取付け部Iが設けられている。この取付け部Iは、連結フレーム18dの外面から垂直方向に所定の隙間をあけて延出された一対の突起片18e、18fで形成されている。両突起片18e、18fの隙間は第1端子ガイド部材10の厚みより若干広く形成されており、この隙間に第1端子ガイド部材10が差込まれるようになっている。突起片18eにはネジ穴18が穿設されており、このネジ穴18に長尺なセットボルト34が螺合されるようになっている。このようにセットボルト34を長尺にすることにより、手動圧着工具1の第1端子ガイド部材10への取付け或は取外しが簡単になる。この連結フレーム18dは、第2端子ガイド部材30を固定できる固定面18d'を有している。この固定面18d'にはネジ穴(図示省略)が穿設されており、第2端子ガイド部材30の取付け片30bに設けられた挿通孔30を介してネジ31をこのネジ穴に螺合させることにより、第2端子ガイド部材30が固定される。更に、この連結フレーム18dの一側面には、押さえ部材35がネジ36で固定される。この押さえ部材35と一対の突起片18e、18fとは、端子送り装置17を手動圧着工具1の第1端子ガイド部材10に取付けるときに第1端子ガイド部材10に正確に位置決め固定する働きをする。
更にまた、この連結フレーム18dには貫通ネジ穴が形成されている。この貫通ネジ穴には前端位置決めボルト24が挿通されて、スライド部材19のスライド移動の範囲が調節される。また、他の連結フレーム18cにも貫通ネジ穴が形成されている。この貫通ネジ穴には、後端位置決めボルト23が挿通されて、同様にスライド部材19の移動範囲が調節される。
図7を参照してスライド部材19及び送り爪部材を説明する。
スライド部材19は、送り爪部材20が取付けられて空間S内を往復滑動するヘッド部19と、このヘッド部19に頸部19を介して連結された胴部19と、この胴部19の下方に連結された脚部19とを有し、略四角形の柱状体からなり、金属材或いは合成樹脂材で形成されている。脚部19は、スライド部材19を移動させる操作レバーとなっている。
頸部19には、一側面に下フレーム18bの板厚より若干幅広の凹状溝Dと、他側面に送り爪部材20を装着する段部Sと、が形成されている。この段部Sは、胴部の上方、すなわち肩部に相当する平坦な平坦面ST2と、この平坦面ST2から垂直に伸びた垂直面ST1とで形成されている。なお、この垂直面ST1はヘッド部19の一部となっている。
スライド部材19の凹状溝Dは下フレーム18bに差込まれる。また、ヘッド部19は頂部に平坦面19が形成されて、フレーム枠18に装着されたときに上フレーム18aの下面に当接して摺動される。加えて、ヘッド部19には送り軸21が挿通される貫通穴19が形成されている。この貫通穴19の直径は送り軸21の直径より若干大きくなっており、スライド部材19がこの送り軸21に沿ってスムーズに滑動できるようになっている。この構成により、スライド部材19は、頸部19の凹状溝D内に下フレーム18bが挿入され、ヘッド部19の平坦面19が上フレーム18aの下面に当接され、さらに貫通穴19により送り軸21に固定されるので、このスライド部材19は正確に位置決めされ、スライド移動がスムーズになる。また、フレーム枠18はスライド部19材等を外側から保持する必要がないので外形が大きくならず、しかも軽量化ができる。
ヘッド部19の垂直面ST1には、送り爪部材20を装着するネジ穴19が穿設されている。このネジ穴19には、送り爪部材20を回動自在に支持する支点ボルト28が螺合される。平坦面ST2には、この面から下方へ向けて胴部19を貫通する貫通穴19が形成されている。この貫通穴19は平坦面ST2から所定深さまでは圧縮スプリング25が挿入されるスプリング収容穴となっており、このスプリング収容穴より下方は止めネジ26が固定されるネジ穴となっている。このネジ穴に螺合される止めネジ26は、圧縮スプリング25を上方へ押上げて、後述する送り爪部材20を回動させる調節ネジとなっている。
送り爪部材20は、略長方体形状の板状体20の上方側縁に上方へ突出した三角形状の送り爪20を設け、剛性のある金属材で形成されている。この板状体20には、一端に支点ボルト28が挿通される取付け穴20及び他端にリリースピン27を装着する取付け穴20が形成されている。送り爪部材20は、板状体20の上方側縁から垂直に伸びた垂直部20aと、この垂直部20aの頂部から所定の角度で下方へ傾斜した傾斜部20bと、底辺部20cと、を有し、垂直部20aと傾斜部20bとが送り爪20を形成している。垂直部20aと傾斜部20bとのなす角度は例えば45°である。送り爪部材20にリリースピン27を装着すると、スライド部材19への送り爪部材20の取付け及び取外しが容易になる。
この送り爪部材20は、ヘッド部19に回動自在に固定される。すなわち、取付け穴20に支点ボルト28を挿通して、この支点ボルト28の先端部がヘッド部19のネジ穴19に螺合される。このとき、取付け穴20は支点ボルト28の直径より若干大きくし、しかも、ネジ止めの際に完全に締め付けることなく、回動自在となるように若干遊びを持たせてネジ止めされる。一方、この送り爪部材20は、その底辺部20cが圧縮スプリング25により上方へ押上げられるように付勢されている。したがって、この取付け状態では、支点ボルト28で固定された箇所を支点として、所定角度θ(約5°)傾斜して底辺部が押上げられる。この押上げにより、図9に示すように、送り爪20が端子つなぎ桟40(フープ)の裏面に当接する。
図5〜図9を参照して、この端子送り装置17の組立て及び作用を説明する。
端子送り装置17の組立ては、予め、フレーム枠18に、第2端子ガイド部材30、押さえ部材35を取付けておく。この取付けは上述した方法で行なう。そして、先ず送り軸21をフレーム枠18の連結フレーム18dの貫通穴に挿通し、その先端部に小径コイルスプリング22及び大径コイルスプリング22を2重構造にして挿入する。すなわち、大径コイルスプリング22内に小径コイルスプリング22を挿入して、小径コイルスプリング22を送り軸21に挿入する。このように2本コイルスプリング22、22を用いスプリングを選択して組み合わせると、スプリングの圧縮・伸張力の調節が容易になる。次いで、送り軸21をスライド部材19の貫通穴19に挿通して、スライド部材19の凹状溝Dを下フレーム18bに差込み、送り軸21を連結フレーム18cの穴に挿入して固定する。なお、このスライド部材19を送り軸21に装着する前に、送り爪部材20を取付けておく。この取付けは上述した手順で行う。また、対向する連結フレーム18c、18dのうち、一方の連結フレーム18cには、前端位置決めボルト24、他方の連結フレーム18dには、後端位置決めボルト23を装着して、端子送り装置17の組立てを終了する。
組立てた端子送り装置17は手動圧着工具1の第1端子ガイド部材10にセットボルト34で固定される。そして、この端子送り装置17により、手動圧着工具1への端子の給送が行われる。この端子給送作業について図8及び図9を参照して以下に説明する。なお、図8(a)は端子送り装置を手動圧着工具に取付けた状態で端子が給送される前の側面図、図8(b)は図8(a)の状態から端子を給送した後の状態の側面図、図9は図8の送り爪部材部分を拡大して送り爪部材の作用を説明する側面図である。
端子送り装置17の第2ガイド部材30に端子つなぎ桟40を差込み、端子つなぎ桟40を第1ガイド部材10へ送り込む。この送り込みにより、図9に示すように、スライド部材19に装着した送り爪部材20の送り爪20を端子つなぎ桟40の送り穴43、43、…の何れか、例えば送り穴43に係止させる。この状態にして、スライド部材19の操作レバー19に手指を引掛けて、コイルスプリング22、22を圧縮させながら第1端子ガイド部材10方向へ距離L移動させる。このとき、送り爪部材20が底辺部20cから圧縮スプリング25で上方へ押上げられ、端子つなぎ桟40に当接していた送り爪20、すなわち垂直部20が送り穴(43)の周縁に確実に係止されるので、端子つなぎ桟40の移動が確実になる。移動距離Lは、隣接する送り穴、例えば送り穴43と43の間隔と同一になっている。端子つなぎ桟40が距離L移動すると、この端子つなぎ桟40に連結された端子41が圧着ダイに給送される。
スライド部材19を距離L移動させた後に、操作レバー19dから手指を離すと、圧縮されたコイルスプリング22、22の復元力により、スライド部材20は元の位置に戻る。この戻りは、送り爪部材20に傾斜部20bが設けられているので、送り爪20が途中の穴、例えばパイロット穴42、42、・・・の何れかに入り込んでも、この傾斜の角度により、この穴から抜け出して、引っ掛かることなく次の送り穴方向へ支障なく戻される。この戻し距離Lは、前記距離Lより長くして、送り爪20が送り穴43から飛び出して端子つなぎ桟40の裏面に当接する長さにするのが好ましい。この戻し距離にすると、再び、操作レバー19dを引いてスライド部材19を移動させるときに、送り爪20が確実に送り穴に係止させることができる。これらの移動距離L、Lは、連結フレーム18c、18dに装着した前後位置決めボルト23、24で調節する。
図1は本発明の一実施形態に係る端子送り装置を取付けた手動圧着工具の正面図である。 図2は図1の手動圧着工具のヘッド部材を示したもので、図2(a)はヘッド部材の正面図、図2(b)は図2(a)のヘッド部材をX方向から見た側面図、図2(c)は図2(a)のヘッド部材のA−A線の断面図である。 図3は図2のヘッド部材を分解した分解斜視図である。 図4はオス型ダイユニットとスライド部材との取付けを説明するもので、図4(a)はアンビルホルダーとスライド部材との結合前の斜視図、図4(b)は両部材の結合された状態の斜視図である。 図5は図1の端子送り装置の側面図である。 図6は図5の端子送り装置の分解斜視図である。 図7は図6のスライド部材及び送り爪を拡大した拡大斜視図である。 図8は手動圧着工具に取付けた端子送り装置の作用を説明する側面図である。 図9は図8の送り爪部材の部分を拡大した側面図である。 図10は従来技術の手動圧着工具の斜視図である。
符号の説明
1 手動圧着工具
2 操作ハンドル
〜3 支軸
4 ヘッド部材
5 ヘッド本体
6 スライド部材
7 オス型ダイユニット
8 アンビルホルダー(支持部材)
10 第1端子ガイド部材
12 オス型ダイ(圧着ダイ)
13 ロケータ
14 メス型ダイ(圧着ダイ)
14C ストップリング(圧接リング)
15 取付けロッド
16 取付けロッド
17 端子送り装置
18 フレーム枠(ハウジング)
18a、18b 上下フレーム
18c、18d 連結フレーム
19 スライド部材
20 送り爪部材
21 送り軸
30 第2端子ガイド部材
40 端子つなぎ桟

Claims (14)

  1. 端子つなぎ桟に連結された複数本の端子を案内する端子ガイド部材と、前記端子ガイド部材に案内された端子を順次所定距離移送させる端子送り機構と、を有する端子送り装置において、
    前記端子ガイド部材及び端子送り機構はハウジングに装着されており、該ハウジングには取付け及び取外し自在な固着手段が設けられており、前記ハウジングは該固着手段により被取付け機器に取付けられており、
    前記ハウジングは、対向する一対の長尺な第1、第2長尺フレームと、該第1、第2長尺フレームの両端を連結した短尺の第1、第2連結フレームと、から構成され内部に空間が形成された枠体からなり、該枠体の空間内に前記端子送り機構を装着し、前記第1、第2連結フレームのいずれか一方の連結フレームに前記固着手段を設け、前記第1、第2長尺フレームのいずれか一方の長尺フレームに前記端子ガイド部材を設けたことを特徴とする端子送り装置。
  2. 前記端子送り機構は、前記端子つなぎ桟に形成された送り穴に係合される送り爪を有する送り部材と、該送り部材が固定されて所定距離移動されるスライド部材と、を有していることを特徴とする請求項1に記載の端子送り装置。
  3. 前記スライド部材は、手動操作レバー及び該スライド部材が所定位置へ移動された後に元の位置へ戻す戻し機構が設けられていることを特徴とする請求項に記載の端子送り装置。
  4. 前記戻し機構は、自動的に復帰する機構であることを特徴とする請求項に記載の端子送り装置。
  5. 前記送り爪部材は、前記スライド部材から垂直に立設した垂直部と、該垂直部の頂部から下方へ所定角度で傾斜した傾斜部と、該垂直部と該傾斜部の底端部を連結した底辺部と、を有し、前記垂直部の頂部に送り爪を形成し、該底辺部近傍の一端を前記スライド部材に回転自在に枢支すると共に、該底辺部を弾性部材で付勢して前記送り爪が前記端子つなぎ桟に当接されるようにしたことを特徴とする請求項に記載の端子送り装置。
  6. 前記送り爪は、鋭角に形成されていることを特徴とする請求項に記載の端子送り装置。
  7. リード線を挿入した端子を圧潰して圧着接続する手動圧着工具であって、請求項1〜のいずれか1つに記載の端子送り装置が取付けられていることを特徴とする手動圧着工具。
  8. 前記圧着工具は、互いに噛み合う咬合歯を有する一対の圧着ダイが取付けられたヘッド部材と、該ヘッド部材に一端が支軸で枢支され他端が開閉自在な一対の把持フレームを有する操作ハンドルとを備え、前記一対の圧着ダイは、前記ヘッド部材に取外し自在な固着手段で結合されていることを特徴とする請求項に記載の手動圧着工具。
  9. 前記一対の圧着ダイは、メス型咬合歯を有するメス型ダイと前記メス型咬合歯に噛み合うオス型咬合歯を有するオス型ダイで構成されていることを特徴とする請求項に記載の手動圧着工具。
  10. 前記メス型ダイは、基台の対向する端部にそれぞれサイズの異なる咬合歯が設けられていることを特徴とする請求項に記載の手動圧着工具。
  11. 前記ヘッド部材は、前記オス型ダイが結合されるヘッド本体と、該ヘッド本体にスライド移動自在に装着され前記メス型ダイが結合されるスライド部材とを有し、前記ヘッド本体は前記操作ハンドルの一対の把持フレームに連結され、前記スライド部材は前記ハンドルに支軸で連結されていることを特徴とする請求項に記載の手動圧着工具。
  12. 前記ヘッド部材には、複数個の端子を連続して送給する第1端子ガイド部材が装着され、前記第1端子ガイド部材から前記圧着ダイへ端子が送給されることを特徴とする請求項11に記載の手動圧着工具。
  13. 前記オス型ダイを支持部材に固定して前記第1端子ガイド部材に組み込むことでオス型ダイユニットが形成され、前記オス型ダイユニットの支持部材が前記スライド部材に取外し自在な固着手段により結合されていることを特徴とする請求項12に記載の手動圧着工具。
  14. 前記第1端子ガイド部材に、前記端子送り装置のハウジングが取付けられていることを特徴とする請求項12又は13に記載の手動圧着工具。
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