JP5085438B2 - 生体検知センサ - Google Patents

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Description

本発明は、例えば指紋、掌紋等を用いて個人認証を行う生体認証装置と共に使用され、個人認証に用いられる被検知体が生体か否かを識別する生体検知センサに関する。
近年、IDカードや暗証番号等による本人確認に代わる手段として、指紋、掌紋、指や手のひらの静脈パターン、顔の形等の生体情報を用いて個人認証を行う生体認証装置の開発が盛んに行われている。生体情報を用いて本人確認を行う手法は、IDカードや暗証番号等を用いる手法に比べて偽造等の詐欺行為が行われ難く、セキュリティ機能が高いとされる。
しかし、例えば指紋を用いて個人認証を行う指紋照合装置等においては、既に登録された指紋と全く同じ凹凸を持つレプリカが使用された場合に、セキュリティが破られることがある。このため、例えば指紋を用いて個人認証を行う場合には、個人認証に用いられた指が、人間の指であるか、レプリカであるかといった生体検知(生体か否かの識別)を行う必要がある(例えば、特許文献1や2参照)。
特許文献1に開示される生体検知の手法は、指が検査面に接触した瞬間の指紋像と、指が検査面に押し当てられた後の指紋像との色の変化を比較識別して、指紋像の色情報の変化から生体か否かの識別を行うものである。しかし、この手法の場合、例えば周囲の温度や、検査面に接触する指の押圧状況によって生体か否かの判断を誤認する場合がある。また、指紋像の色情報の変化を検出するためにある程度の時間を要し、生体か否かの識別に要する時間が長くなる。
この点、特許文献2に開示される生体検知の手法は、指紋像の色情報の変化がなくても確実に生体を識別できるために、上述の問題がないとされる。図18は、特許文献2に開示される指紋像入力装置の構成を示す図である。図18を参照しながら、特許文献2に開示される生体検知のための動作について説明する。なお、図18の破線枠に囲まれた部分にある各要素は指紋像の検出のみに使用される要素であり、ここでは、その説明は省略する。
生体識別用光源101aと生体識別用光源101bとは交互に照射される。まず、生体識別用光源101aによりプローブ光L1(例えば660nm付近の波長を有する)が、透明体102の検査面102aに接触した指Fに照射される。指Fから透過してきた透過プローブ光L11は、レンズ104を介して透過用光電変換手段103に受光される。透過用光電変換手段103によって、透過プローブ光L11の光強度に応じた電気信号S1が出力される。
次に、生体識別用光源101bにより参照光L2(例えば800nm付近の波長を有する)が、検査面102aに接触した指Fに照射される。指Fから透過してきた透過参照光L12は、レンズ104を介して透過用光電変換手段103に受光される。透過用光電変換手段103によって、透過参照光L12の光強度に応じた電気信号S2が出力される。なお、透過用光電変換手段103によって出力された電気信号S1と電気信号S2とは、一旦記憶される。
割算回路105aで、電気信号S1を電気信号S2で割って透過光強度比S3を求める。そして、比較回路105bで、割算回路105aから出力された透過光強度比S3は予め設定された上限値及び下限値と比較される。透過光強度比S3が上限値と下限値との間にある場合には、指Fが生体であると判定し、そうでない場合には、指Fが生体でないと判定する。
特許第2708051号公報 特開2000−20684号公報
しかしながら、特許文献2の生体検知方法では、指(生体)の内部を透過した2つの特定波長を有する光(透過プローブ光と透過参照光)のみを受光素子で検出し、受光素子から出力される2つの電気信号を利用して生体か否かを判断する構成となっている。この場合、離散的なデータ(2つの特定波長のみに由来するデータ)を使って生体検知を行うことになり、少ない情報で生体か否かの識別を行うことになる。このため、生体検知の精度が必ずしも十分な精度でなく、誤った判断を行う可能性を更に低減することが望まれる。
この点、誤った判断を起こす可能性を低減するために、分光光度計を用いたスペクトル測定によって生体の識別を行う構成が考えられる。しかしながら、生体認証装置の中には、例えば持ち運び可能なリモコンなどに搭載されるものがあり、生体検知センサは小型であることが望まれる。したがって、分光光度計を用いてスペクトル測定を行う方法では、小型化の要求に答えられないという問題がある。
また、例えば指紋や掌紋等を用いて個人認証を行う生体認証装置においては、特許文献2のように透明体の検出面に各人の指等を載置して認証を行う構成とすると、残留指紋等の存在によって個人認証に支障を来たす場合がある。また、衛生面においても好ましくない。このために、測定箇所に非接触で生体認証を行えることが望まれ、生体認証装置と共に使用される生体検知センサも同様に、非接触で生体か否かを識別できることが望まれる。
以上の点を鑑みて、本発明の目的は、生体か否かの識別を確実に行えると共に小型化が可能な生体検知センサを提供することである。また、本発明の他の目的は、測定箇所(例えば指紋や掌紋等)に触れることなく生体か否かの識別を行え、衛生的な生体検知センサを提供することである。
本発明者らは、以上の課題を解決するために鋭意検討した結果、人間の血液の光学スペクトルにおいて、狭い波長範囲に、偽造品(例えば人工の指)では再現できない特徴的なスペクトルパターンが認められることを発見した。そこで、本発明者らは、狭い波長範囲に絞ってスペクトル測定を行うことが可能で、被検知体(指や手のひら等)が生体か否かを識別することができる生体検知センサを開発した。
上記目的を達成するために本発明の生体検知センサは、人体の一部を使って個人認証を行う生体認証装置と共に使用され、前記個人認証に用いられる被検知体が生体か否かを識別する生体検知センサであって、前記被検知体を照射する光源と、前記光源によって照射された前記被検知体からの光が入射され、入射された光を分光して、少なくとも、生体か否かの識別を可能とする特定の波長範囲の光を出射する分光器と、前記分光器から出射される前記特定の波長範囲の光を受光するために設けられ、複数の受光領域が一列に配置される受光素子と、を備えることを特徴としている。
本構成の生体検知センサによれば、光学スペクトルを用いて被検知体が生体か否かの識別を行うこととなる。このため、豊富なデータに基づいて生体検知を行えるために生体か否かを誤認する可能性を低減でき、生体か否かの識別を確実に行うことが可能となる。また、特定の波長範囲の光学スペクトルを用いて生体か否かの識別を行う構成であるために、センサの小型化が可能である。更に、被検知体からの反射光や透過光を利用できれば良いので、測定箇所に触れることなく被検知体が生体か否かの識別を行え、衛生的である。
また上記構成の生体検知センサの具体的な構成として、前記分光器は、前記被検知体からの光を内部に入射させる光入射部と、前記光入射部から入射された光を反射すると共に回折する回折格子面と、前記回折格子面で回折された所定の次数の反射回折光であって、少なくとも前記特定の波長範囲の光を外部に出射する光出射部と、を備えることとするのが好ましい。この構成によれば、小型な生体検知センサを実現し易い。
また上記構成において、前記分光器には、前記回折格子面で回折された回折光のうち、前記所定の次数の回折光以外の雑光が、内部反射して内部を伝播するのを低減する雑光低減部が設けられるのが好ましい。この構成によれば、受光素子によって不要な光を検出することがなくS/Nを向上できる。
また上記構成において、前記分光器は、前記所定の次数の回折光であって前記特定の波長範囲に含まれる特定波長の光が、前記光出射部から出射される光の中心波長の光となるように形成されるのが好ましい。この構成によれば、生体か否かの識別に必要な特定の波長範囲の光を小型な分光器で取り出すことが可能となり、生体検知センサを小型化し易い。
また上記構成において、前記光出射部には、光の進行方向を変更する反射面が形成されることとしてもよい。
また上記構成において、前記回折格子面は凹面に設けられて集光機能を備えるのが好ましい。この構成によれば、回折格子面の他に集光機能を発揮する面を形成しなくても良く、分光器を小型化し易い。
また上記構成において、前記被検知体からの光を前記分光器へと導く導光体を更に備えることとしてもよく、導光体は光ファイバーであるのが好ましい。この構成によれば、生体検知センサのレイアウトの自由度が大きくなり、生体検知センサを小型化し易くなる。
また上記構成の生体検知センサの更に具体的な構成として、前記被検知体からの光を伝播する光ファイバーが更に備えられ、該光ファイバーを介して前記光入射部に光が入射され、前記回折格子面は凹面に設けられて集光機能を有し、前記光出射部には、光の進行方向を変更する反射面が形成され、前記分光器は、外周枠と該外周枠で囲まれた反射面とを有する本体部と、前記本体部の前記外周枠の上に載置されて前記本体部の前記反射面を覆うカバー部と、から成って、前記光入射部から入射して前記光出射部から出射される光は、前記本体部と前記カバー部との間に形成される空間を伝播され、前記外周枠には、前記光入射部と、前記光入射部と対向する位置に設けられる前記回折格子面と、前記回折格子面と対向する位置であって前記光入射部と同じ側に設けられる前記光出射部と、前記回折格子面と前記光出射部との間に形成される光の伝播経路を挟むように設けられる前記雑光低減部と、が形成され、前記カバー部には、前記本体部の前記反射面と対向する反射面と、前記光出射部からの光を通過させる透過孔と、が形成されることとしてもよい。
また上記構成の生体検知センサの更に具体的な構成として、前記被検知体からの光を伝播する光ファイバーが更に備えられ、該光ファイバーを介して前記光入射部に光が入射され、前記回折格子面は凹面に設けられて集光機能を有し、前記光出射部には、光の進行方向を変更する反射面が形成され、前記分光器は透明部材から成って、前記光入射部から入射して前記光出射部から出射される光は、前記透明部材の内部を伝播され、前記透明部材には、前記光入射部と、前記光入射部と対向する位置に設けられる前記回折格子面と、前記回折格子面と対向する位置であって前記光入射部と同じ側に設けられる前記光出射部と、前記回折格子面と前記光出射部との間に形成される光の伝播経路を挟むように設けられる前記雑光低減部と、が形成されることとしてもよい。
また上記構成の生体検知センサの更に具体的な構成として、前記被検知体からの光を伝播する光ファイバーが更に備えられ、該光ファイバーを介して前記光入射部に光が入射され、前記光出射部には、光の進行方向を変更する反射面が形成され、前記分光器は透明部材から成って、前記光入射部から入射して前記光出射部から出射される光は、前記透明部材の内部を伝播され、前記透明部材には、前記光入射部と、前記光入射部と対向する位置に設けられ、入射した光を反射すると共に平行光に変換する第1凹面部と、前記第1凹面部からの前記平行光が入射する位置に設けられる前記回折格子面と、前記回折格子面からの前記所定の次数の反射回折光が入射する位置に設けられ、入射した光を反射すると共に集光する第2凹面部と、前記第2凹面部と対向する位置に設けられる前記光出射部と、前記透明部材の外周の一部に設けられる前記雑光低減部と、が形成されることとしてもよい。
また上記構成において、前記特定の波長範囲は、生体である場合に波長565nm付近で検出される略Wの字状の反射スペクトルパターンを用いて生体か否かの識別を行える波長範囲としてもよく、更に具体的には、前記特定の波長範囲を510nmから590nmの波長範囲としてもよい。この構成の生体検知センサによれば、光学スペクトルを用いて、生体と人工的に作られた偽造品との区別を確実に行え、偽造品を用いた詐欺行為を確実に防止できる。
本発明によれば、生体か否かの識別を確実に行えると共に小型化が可能な生体検知センサを提供できる。また、本発明によれば、測定箇所(例えば指紋や掌紋等)に触れることなく生体か否かの識別を行え、衛生的な生体検知センサを提供できる。
以下、本発明の生体検知センサの実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明の生体検知センサは、例えば、指紋、掌紋、指や手のひらの静脈パターン、顔の形等の人体の一部を生体情報として用いて個人認証を行う生体認証装置とともに使用される。このため、以下では、指の指紋を用いて個人認証を行う生体認証装置に本発明の生体検知センサが適用された場合を一例として説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の生体検知センサが適用された生体認証装置の実施例を示すブロック図である。なお、図1に示す生体認証装置1のうち、破線で囲まれた要素が生体検知センサ2を構成する要素である。
生体認証装置1においては、被検知体載置部21に指がセットされると、光源部21から光が照射される。この際、画像取込部11で指の指紋情報が採取され、採取された指紋情報は生体認証部12に送られる。生体認証部12は、取得した指紋情報と予め登録(記憶)されている指紋情報とを照合することにより、個人認証を行う。生体認証装置の構成を以上の構成のみとすると、例えば既に登録された指紋と全く同じ凹凸を持つレプリカが使用された場合に、セキュリティが破られる可能性がある。そこで、生体認証装置1は、被検知体載置部21にセットされた指が人間の指であるか否かを識別するために生体検知センサ2を備える。
生体検知センサ2は、被検知体載置部21と、光源部22と、導光部23と、分光部24と、受光部25と、生体識別部26と、を備える。なお、被検知体載置部21と光源部22とは、上述のように、個人認証のためにも使用される部分である。
被検知体載置部21にセットされた指に光源部22から光が照射されると、指で反射された光が導光部23内を伝播されて分光部24に導かれる。分光部24は、入射された光を分光し、少なくとも、生体か否かの識別を可能とする特定の波長範囲の光を出射する。分光部24から出射された特定の波長範囲の光は受光部25で受光される。受光部25は複数の受光領域が一列に並んだ構成となっており、各受光領域からは、受光した光量に応じた電気信号が出力される。受光部25から出力された電気信号は生体識別部26で処理され、生体識別部26は予め記憶されているデータとの比較により、生体か否かの識別を行う。
上述のように、生体検知センサ2においては、被検知体(指)で反射された光から特定の波長範囲の光を取り出して光学スペクトルを得、得られた光学スペクトル用いて生体か否かの識別を行うこととしている。そこで、生体検知センサ2において利用する特定の波長範囲がどのように決定されているかについて、図2を参照しながら説明する。なお、図2は、本実施形態の生体検知センサ2において利用される特定の波長範囲の決定理由を説明するための図である。
個人認証の手段として指紋を用いる場合において、登録された指紋情報を偽造する手段には複数の方法が挙げられる。例えば、紙媒体に指紋情報をコピーする方法、ゴム等を用いて立体的に指紋情報をコピーする方法、グミ(ゼラチン質の物質)を用いて人間の皮膚と同様な色味を再現すると共に、立体的に指紋情報をコピーする方法等が挙げられる。
そこで、本発明者らは、このような人工的に形成された指紋情報を持つ3種類の偽造品(非生体)を作成し、本物の指(生体)の光学スペクトルパターンと比較して差が認められる波長範囲を探した。この結果、図2に示されるように510nm〜590nmの波長において、偽造の指と本物の指との間でスペクトルパターンに差が認められた。より詳細には、この波長範囲において、人間の指では565nm付近に山を持った略Wの字状のスペクトルパターンが得られるが、偽造の指ではこのような略Wの字状のスペクトルパターンは得られなかった。なお、図2のスペクトルパターンは、反射スペクトルのスペクトルパターンである。また、この結果は再現良く得られこともわかった。
上述の差は、人間の血液に含まれる赤血球のヘモグロビンが有するポルフィリン環(以下に示す構造式(1)を有する)に由来する。詳細には、ポルフィリン環に酸素が結合すると、前述の略Wの字状のスペクトルパターンが得られる。酸素が結合したポルフィリンは必ず人間の体内を流れているために、生体であれば前述の略Wの字状のスペクトルパターンが得られる。一方、長時間止血したり、死亡したりした場合には、前述の略Wの字状のスペクトルパターンは得られず、人工的に形成される偽造品では、略Wの字状のスペクトルパターンは再現するのが困難である。このため、生体検知センサ2においては、特定の波長範囲を、565nm付近の光学スペクトル(略Wの字状のスペクトルパターン)を用いて生体か否かの識別を行うことが可能となる波長範囲としている。そして、本実施形態では、一例として、この特定の波長範囲を510nm〜590nmの波長範囲としている。なお、本実施形態では、特定の波長範囲の光のみを分光部24から取り出すのではなく、特定の波長範囲を含み、特定の波長範囲よりも広い波長範囲の光を取り出す構成となっている。
以下、第1実施形態の生体検知センサ2の構成を更に詳細に説明する。図3は、第1実施形態の生体検知センサ2が備える被検知体載置部21、光源部22及び導光部23の構成を示す概略図である。なお、図3には、生体検知センサ2を構成する要素ではないが、画像取込部11についても示している。画像取込部11は、例えばCCDイメージセンサやCMOSイメージセンサ等の2次元イメージセンサを備えるカメラ111から成る。
被検知体載置部21は、例えば樹脂によって形成される指ガイド部材211で構成される。図3に示すように、本実施形態の指ガイド部材211は、被検知体である指Fの指紋情報を採取する場合に、情報を得るための指紋部分(測定箇所)と接触しないように、その周辺部分を支持する構造(非接触構造)となっている。
なお、この構成に限らず、被検知体載置部21を例えばガラス等の透明部材で構成し、その上に指Fを載置する構成とすることも可能である。ただし、本実施形態のように非接触構造とした方が、残留指紋の発生を防止でき、更には衛生的であるので好ましい。
光源部22は、LED(Light emitting diode;発光ダイオード)221とLED221の駆動を制御する回路基板222とから成る。本実施形態のLED221は白色光を発光し、発光された白色光は指Fに照射される。なお、本実施形態においては、LED221から白色光を出射する構成としているが、LEDから出射される光は、510nm〜590nmの波長を含む光であれば良く、必ずしも白色光である必要はない。また、本実施形態においては、LED221の数を複数としているが、必ずしもこの構成に限定されず、LEDの数は1つでも構わない。
導光部23は、指Fで反射された反射光を受光できる位置に配置され、指Fで反射された反射光を集光するレンズと光ファイバー232とがパッケージされた光ファイバーコリメーター231から成る。これにより、指Fで反射された反射光を効率良く分光部24へと導くことが可能となる。
図4は、第1実施形態の生体検知センサ2が備える分光部24の構成を示す分解斜視図である。図4に示すように、分光部24は分光器241とそれを固定するための固定部242とから成る。また、分光器241は、本体部241aとカバー部241bとから成る。固定部242は、分光器241の本体部241aを収容する収容部2421と、収容部2421を取り囲む外周枠2422と、外周枠2422に形成されて光ファイバー232(図3参照)を固定するための光ファイバー固定部2423と、を備える。
分光器241の本体部241aは、例えばアクリル樹脂やエポキシ樹脂等の透明部材によって形成される。本体部241aは、外周枠2411と外周枠2411で囲まれた本体部側反射面2412とから成る。なお、本体部側反射面2412は、透明部材に例えば銀やアルミニウム等の金属を蒸着することによって形成されている。
分光器241のカバー部241bは、例えば樹脂によって形成され、本体部241aを覆うように配置される。具体的には、カバー部241bは、本体部241aの外周枠2411と、固定部242の外周枠2421とに載置された状態とされる。これにより、本体部241aとカバー部241bとの間には空間(その厚みは例えば0.1mm程度)が形成され、この空間を光が伝播される。なお、本体部241aが固定部242に収容された状態で、本体部241aの外周枠2411の上面と、固定部242の外周枠2421の上面とは、同一の高さとなっている。
カバー部241bの本体部側反射面2412と対向する面には、例えば銀やアルミニウム等の金属が蒸着されて、反射面(カバー部側反射面2413)が形成されている。これにより、本体部241aとカバー部241bとの間に形成される空間を伝播する光が外部に漏れないようになっている。
また、カバー部241bには、本体部241aの外周枠2411に形成される後述の光出射部2411cから出射される光を通過させられるように、光透過孔2414が形成されている。なお、光透過孔2414が形成される位置の上部には、例えば、複数の受光領域が一列に配置されたラインセンサ(受光部)25を固定配置できるように、ラインセンサ固定溝2415が形成されている。
本体部241aの外周枠2411には、光入射部2411aと、光入射部2411aと対向する位置に設けられる回折格子面2411bと、回折格子面2411bと対向する位置であって光入射部2411aと同じ側に設けられる光出射部2411cと、回折格子面2411bと光出射部2411cとの間に形成される光の伝播経路を挟むように設けられる雑光低減部2411dと、が形成される。
光入射部2411aは、光ファイバー232の一方の端部側から出射される光を分光器241内の空間に入射させるために設けられる。具体的には、光入射部2411aは外周枠2411に溝を形成して成り、この部分に光ファイバー232の一方の端部側が嵌め込まれる。
回折格子面2411bは、外周枠2411の側面に例えば鋸歯状の回折溝を形成して成る。また、回折格子面2411bには、入射した光を鏡面反射するように例えば銀やアルミニウム等で形成される金属膜が蒸着されている。更に回折格子面2411bは凹面となっている。
図5は、本実施形態の生体検知センサ2が備える回折格子面2411bの作用を説明するための図であり、図5を参照しながら回折格子面2411bの作用を説明する。光入射部2411aから入射された光L1は、回折格子面2411bによって回折される。光入射部2411aからは白色光が入射されるが、波長毎に回折角が異なるために、回折格子面2411bに入射した光は分光されることになる。なお、上述のように回折格子面2411bには反射膜が蒸着されているために回折格子面2411bに入射した光は回折されると共に反射される。
また、上述のように回折格子面2411bは凹面となっている。これは回折格子面2411bで回折された反射回折光のうち、所定の次数の回折光であって生体か否かの識別を可能とする特定の波長範囲の光が、光出射部2411cから出射してラインセンサ25の受光面に集光されるようにするためである。図5においては、回折格子面2411bで回折反射される所定の次数の回折光のうち、波長が異なる3つの光を回折光L2として模式的に示している。なお、後述の図8に示すように、回折格子面2411bで回折される回折光には複数の次数の回折光がある。そして、受光素子(ラインセンサ25)の配置によっていずれの回折次数の回折光を受光素子で受光するかを選択できる。前述した所定の次数の回折光は、回折格子面2411bにより回折反射される光のうち、受光素子であるラインセンサ25へと向かうように設定された回折次数の回折光のことである(以下においても同様)。具体的には後述するが、本実施形態では、3次の回折光を所定の次数の回折光としている。
図6は、本実施形態の生体検知センサ2が備える分光器241の本体部241aを、図5のA−A位置で切断した場合の構成を示す概略断面図である。なお、図6においては、分光器241を構成する本体部241aとカバー部241bとの関係、及び本体部241aとラインセンサ25との関係を理解し易くするために、破線でカバー部241b及びラインセンサ25を示している。また、図6中の破線矢印は、回折格子面2411bで反射された光の進行方向を示す。
図6に示すように、光出射部2411cは光の進行方向に対して角度θの傾きを持つ斜面を有する。この斜面は、鏡面反射が行われるように例えば銀やアルミニウム等の金属が蒸着され、反射面となっている。このため、回折格子面2411bで反射された反射回折光のうち、光出射部2411cに入射した光は、この反射面で反射されることになる。なお、上述の角度θは、分光器241の小型化等を考慮して30〜55°に設定されるのが好ましく、本実施形態では45°としている。
カバー部241bに形成される上述の光透過孔2414は、光出射部2411cの反射面と対向する位置に配置される。このため、光出射部2411cで反射された光は光透過孔2414を通過して分光器241の外部に出射される。なお、上述のようにカバー部241bの光透過孔2414の上部には、ラインセンサ25を固定配置するラインセンサ固定溝2415(図4参照)が設けられており、この位置にはラインセンサ25が配置される。このために、光出射部2411cで反射されて外部に出射された光は、ラインセンサ25が備える複数の受光領域で受光されることになる。
ここで、第1実施形態の分光器241の設計例について、分光器241における分光原理を示しながら説明する。なお、説明にあたっては、図7に示すように、分光器241の回折格子面2411bに入射する入射光と回折格子法線とのなす角(入射角)をα、回折光と回折格子法線とのなす角(回折角)をβ、回折格子面2411bの回折格子周期(回折格子溝のピッチ幅)をdとする。また、分光器241における光が伝播する媒体の屈折率をn0、光の波長をλ、回折光の回折次数をmとして説明する。なお、図7は、第1実施形態の分光器241の設計例を説明するにあたって使用される各種パラメータについて説明するための図である。
第1実施形態の分光器241を設計するにあたっては、ローランドサークルとして公知の概念を使用している。図8を参照して、この概念においては、半径2Rの円と同一の曲率を有する回折格子面(凹面)を半径Rの円と接するように配置した場合に、半径Rの円の一点から入射し、回折格子面で回折反射された光は、いずれも半径Rの円上に集光する。
上述のように、生体か否かの識別を行うために必要な特定の波長範囲は、510nm〜590nmと短い波長範囲である。したがって、ラインセンサ25の同一平面上に複数形成される受光領域のうち、波長510nm〜590nmの波長範囲の光を受光する各受光領域の受光面は、ローランドサークル(半径Rの円)上にあると見なせる。このため、ローランドサークルの概念を使用して分光器241は設計されている。
具体的な設計例について、図9を参照しながら説明する。なお、図9は第1実施形態の分光器241の設計例を説明するための図である。回折原理により、以下の式(A)が成り立つ。
n0×(sinα+sinβ)=mλ/d (A)
生体か否かの識別を行うために使用される特定の波長範囲の光学スペクトルのうち、特に特徴を有する部分は、上述のように波長565nm付近である(図2参照)。このために、回折格子周期d=5μmを有する回折格子面2411bで回折反射される光のうち、回折次数m=3の光であって波長565nmの光が、光出射部2411cから出射される光の中心波長となるように構成している。具体的には、図9に示すように、回折格子面2411bの中心で反射された回折次数m=3、波長565nmの光がローランドサークルの中心を通過するように回折格子面2411bを形成している。また、この光が光出射部2411cの中心で反射されるように形成している。
なお、回折格子周期d=5μmとするのは、加工のし易さ等を考慮するものであり、この値に限定されるものではなく、適宜変更可能である。また、回折次数をm=3とするのは、特定の波長範囲(510nm〜590nm)の光を光出射部2411cから出射させてラインセンサ25で受光する際に、他の回折次数の回折光との重なりを発生しないようにできる望ましい回折次数であるためである。ただし、回折次数mの値はこれに限定されず、他の回折次数の回折光との重なりを発生しない回折光として、回折次数m=6まで可能である。
式(A)に、d=5μm、λ=565nm、m=3、β=0、n0=1を代入すると、α≒19.82°が得られる。このため、光入射部2411aは、光入射部2411aから回折格子面2411bに入射される光の入射角αが略19.82°となるように形成される。なお、式(A)にn0=1を代入したのは、分光器241においては、光入射部2411aから入射した光は、本体部241aの本体部側反射面2412とカバー部241bのカバー部側反射面2413との間に形成される空間、すなわち空気中を伝播されるためである。
図10に示すように、第1実施形態のラインセンサ25においては、複数の受光領域251が7μmピッチで配置されている。隣り合う受光領域251同士で、受光する波長が1nmずれるように形成することとし、隣り合う受光領域に入射する光の入射角のずれの大きさをΔとすると、式(A)より以下の式(B)が導ける。
n0×sinΔ=mΔλ/d (B)
式(B)に、d=5μm、Δλ=1nm(=0.001μm)、m=3、n0=1を代入すると、Δ≒0.034°が得られる。上述のように、ラインセンサ25の受光領域251が7μmピッチで配置されるために、以下の式(C)が導ける。
tan(0.034°)=7μm/2R (C)
そして、式(C)より、2R≒11.7mmが得られる。
したがって、凹面に形成される回折格子面2411bの曲率は、半径が11.7mmの円と同じにすれば良い。また、光出射部2411cからラインセンサ25の受光面までの光学距離がt(mm)であるとすると、回折格子面2411bの中心から光出射部2411cの反射面の中心までの距離Lは、L=11.7(mm)−t(mm)に設定すれば良い。
図11は、分光器241が備える雑光低減部2411dの構成を示す模式図である。図11においては、雑光低減部2411dの構成例を3つ示しており((a)〜(c))、このうちのいずれかが本体部241aの外周枠2411に形成される。上述のように、本実施形態の分光器241においては、回折格子面2411bで回折される光のうち3次光のみを使用する構成としている。この場合、回折格子面2411bで回折された回折光のうち、3次光以外の他の回折次数の光が分光器241内部で反射されると、結果的に生体検知センサ2のS/Nが低下する。このため、雑光低減部2411dを設けて、3次光以外の回折光である雑光が分光器241内部で反射して分光器241内部を伝播するのを低減する構成としている。
図11(a)に示す雑光低減部2411dの構成は、本体部241aの外周枠2411の内面側を、一定のピッチpと一定の長さlから成る鋸歯状に形成する構成である。このように形成すると、3次光以外の雑光が外周枠2411で反射(内部反射)される割合が低下して、分光器241外部に透過される雑光の割合を高めることが可能となる。
図11(b)に示す雑光低減部2411dの構成は、本体部241aの外周枠241の内面及び外面に、鋸歯の一方の側面に対する法線が回折格子面2411bの中心Oに向かうように複数の鋸歯を形成する構成である。この構成においても、図11(a)の場合と同様に、3次光以外の雑光を分光器241外部へと透過させる割合を高めることが可能となり、図11(a)の場合よりも効果的に雑光を外部に透過させることが可能となる。
図11(c)に示す雑光低減部2411dの構成は、本体部241aの外周枠241の内面側に、例えば銀やアルミニウム等の金属膜が蒸着された傾斜角θ(例えばθ=45°)の傾斜面(反射面)を設ける構成である。この構成の場合、傾斜面に入射した光を反射して分光器241外部に取り出すことが可能となり、雑光を低減することができる。なお、傾斜面に金属膜を設けなくても傾斜面に入射した光の少なくとも一部は反射されて外部に取り出される。このために、傾斜面に金属膜を設けない構成としても構わない。
なお、以上においては、雑光低減部2411dは、分光器241外部に雑光を取り出すことによって分光器241の内部で内部反射される雑光の割合を低下させる構成を示した。しかし、雑光を低減する構成はこれに限られる趣旨ではなく、例えば、本体部241aの外周枠241の内面に雑光を吸収する素材を配置して、内部反射される割合を低減しても構わない。
図12は、以上のように構成される第1実施形態の生体検知センサ2を用いて、被検知体載置部21に人間の指Fを載置して、特定の波長範囲(510nm〜590nm)を含む波長範囲の光学スペクトルを測定した結果である。図12に示すように、本実施形態の生体検知センサ2を用いて人間の指Fの測定を行えば、510nm〜590nmの波長範囲において、565nm付近に山を持った略Wの字状のスペクトルパターンが得られる。なお、この結果は精度良く再現される。
従って、例えば、図1に示すように生体識別部26を構成することによって、生体か否かの識別を行うことが可能である。すなわち、生体識別部26においては、まず、ラインセンサ25の各受光領域251から出力された電気信号をアンプ部261へと出力する。アンプ部261は、電気信号の増幅を行い、AD変換部262へと出力する。AD変換部262は入力されたアナログ信号をデジタル信号へと変換し、データ処理部263へと出力する。データ処理部263は入力されたデータの処理を行い、予め記憶部265に記憶されているデータとの比較を行って、生体か否かの識別を行う。なお、データ処理部263による識別結果は出力部264によって生体認証部12へと出力され、生体認証部12は、指紋情報の処理結果と生体か否かの識別結果とに基づいて、個人認証を行う。
以上のように構成される第1実施形態の生体検知センサ2によれば、光学スペクトルに基づいて生体か否かの識別を行うために、識別時の情報量が多く、生体か否かを誤認する可能性を低減できる。すなわち、生体検知センサ2は生体か否かの識別を正確に行える。また、例えば、510nm〜590nmの波長範囲といった狭い範囲の光学スペクトルに基づいて生体か否かの識別を行う構成であるため、センサを小型とできる。更に、第1実施形態の生体検知センサ2においては、被検知体である指Fのうち、生体認証に使用される指紋部分(測定箇所)に触れることなく生体か否かを検知できるために衛生的である。
なお、非接触で生体か否かの識別を行える構成とする場合、次のような利点もある。例えば、ガラス部材等に指を載置する接触式の構成では、載置台に載置される指の押圧力が大きくなると、特定の波長範囲(510nm〜590nm)における生体特有のスペクトルパターン(略Wの字状のパターン)が消失することがある。このため、ガラス部材等に指を載置する接触式の構成では、生体か否かの識別を誤認することが起こり得る。一方、本実施形態のように非接触で生体か否かを識別する構成とすると、このような誤認を防止できる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態の生体検知センサについて説明する。第2実施形態の生体検知センサは、それが備える分光器の構成が第1実施形態の分光器241と異なる点を除いて、基本的に第1実施形態の生体検知センサ2と同様の構成を有する。以下では、第1実施形態の生体検知センサ2と構成が異なる分光器について説明を行い、第1実施形態の生体検知センサ2と構成が同一であるものについては、同一の符号を付して、特に必要がない場合にはその説明を省略する。
図13は、第2実施形態の生体検知センサ3が備える分光器341の構成を示す概略斜視図である。分光器341は、例えばアクリル樹脂やエポキシ樹脂等の透明部材のみから成る。なお、この透明部材のみから成る分光器341は、第1実施形態の場合と同様に、分光器341を固定するための固定部(図示せず)に収容される。また、板状に形成される透明部材の厚みは、例えば0.1mm程度である。
分光器341を構成する透明部材には、光入射部341aと、光入射部341aと対向する位置に設けられる回折格子面341bと、回折格子面341bと対向する位置であって光入射部341aと同じ側に設けられる光出射部341cと、回折格子面341bと光出射部341cとの間に形成される光の伝播経路を挟むように設けられる雑光低減部341dと、が形成される。
光入射部341aは、光ファイバー232(図3参照)の一方の端部側から出射される光を透明部材内部に入射させるために設けられる。具体的には、光入射部341aは透明部材の一部を切り欠くことによって形成され、この部分に光ファイバー232の一方の端部側が嵌め込まれる。なお、分光器341は、光入射部341aから透明部材内部に入射された光が、なるべく外部に漏れることなく回折格子面341bに伝播されるように形成されている。
回折格子面341bは、透明部材の外面に例えば鋸歯状の回折溝を形成して成る。また、回折格子面341bには、入射した光を鏡面反射するように例えば銀やアルミニウム等で形成される金属膜が透明部材の外面側から蒸着されている。更に回折格子面341bは凹面となっている。このように形成される回折格子面341bの作用は、光が伝播する媒体が異なる点を除いて、第1実施形態の場合と同様であるために、その説明は省略する(例えば図5参照)。
図14は、第2実施形態の生体検知センサ3が備える分光器341を、図13のB−B位置で切断した場合の構成を示す概略断面図である。なお、図14においては、分光器341とラインセンサ25との関係を理解し易くするために、破線でラインセンサ25を示している。また、図14中の破線矢印は、回折格子面324bで反射された光の進行方向を示す。
図14に示すように、光出射部341cは光の進行方向に対して角度θの傾きを持つ斜面を有する。この斜面は、鏡面反射が行われるように例えば銀やアルミニウム等の金属が外面側から蒸着され、反射面となっている。このため、回折格子面341bで反射された反射回折光のうち、光出射部341cに入射した光は、この反射面で反射されることになる。なお、上述の角度θは、分光器341の小型化等を考慮して30〜55°に設定されるのが好ましく、本実施形態では45°としている。また、本実施形態では、斜面に金属を蒸着して反射面を得る構成としているが、光出射部341cの斜面に入射した光が全反射する場合には金属を蒸着しない構成としても良い。
なお、本実施形態においては、第1実施形態の場合と違って、ラインセンサ25が分光器341の下部側に配置される構成となっている。しかし、第1実施形態の場合と同様に、ラインセンサ25が分光器341の上部側に配置されるように光出射部341cの傾斜面を形成しても構わないのは当然である。これと同じ理屈は、第1実施形態の分光器241にも当てはまる。
雑光低減部341dの構成は、第1実施形態の場合と同様(図11参照)に、分光器341外部に雑光を取り出す構成としても構わないし、また、雑光を吸収する素材を透明部材の外面側に配置する構成としても構わない。なお、第2実施形態の分光器341では、鋸歯の一方の側面に対する法線が回折格子面341bの中心Oに向かうように複数の鋸歯を形成して雑光を外部へと透過させる構成とする場合、図15に示すように透明部材の外面側にのみ鋸歯を形成すれば良い。図15は、第2実施形態の生体検知センサ3が備える分光器341の雑光低減部341dの構成を説明するための図である。
第2実施形態の分光器341もローランドサークルの概念を使用して設計されている。以下、第2実施形態の生体検知センサ3が備える分光器341の設計例について、図16を参照しながら説明する。なお、各種パラメータに用いる記号は第1実施形態の場合と同様とする。また、分光器341を構成する透明部材として、屈折率n0=1.49のアクリル樹脂(例えば、日東樹脂工業のクラレックス(登録商標))を使用するものとする。
第2実施形態の場合にも、第1実施形態の場合同様、回折格子周期d=5μmを有する回折格子面341bで回折反射される光のうち、回折次数m=3の光であって波長565nmの光が、光出射部341cから出射される光の中心波長となるように構成している。すなわち、図16に示すように、回折格子面341bの中心で反射された回折次数m=3、波長565nmの光がローランドサークルの中心を通過するように回折格子面341bを形成している。また、この光が光出射部341cの中心で反射されるように形成している。
この場合、回折原理の式(A)に、d=5μm、λ=565nm、m=3、β=0、n0=1.49を代入して、α≒13.15°が得られる。したがって、光入射部341aは、光入射部341aから回折格子面341bに入射される光の入射角αが略13.15°となるように形成される。
第2実施形態におけるラインセンサ25の構成は、第1実施形態の構成と同様である。したがって、第1実施形態の場合と同様に、隣り合う受光領域251同士で、受光する波長が1nmずれるように形成することとする場合、式(B)をより、Δ≒0.023°が得られる。なお、式(B)には、d=5μm、Δλ=1nm(=0.001μm)、m=3、n0=1.49を代入した。
第1実施形態と同様に、ラインセンサ25の受光領域251が7μmピッチで配置されるために、以下の式(D)が導ける。
tan(0.023°)=7μm/2R (D)
そして、式(D)より、2R≒17.4mmが得られる。
したがって、凹面に形成される回折格子面341bの曲率は、半径が17.4mmの円と同じにすれば良い。また、光出射部341cからラインセンサ25の受光面までの光学距離がt(mm)であるとすると、回折格子面341bの中心から光出射部341cの反射面の中心までの距離Lは、L=17.4(mm)−t(mm)に設定すれば良い。
なお、以上の設計例において、第1実施形態の場合に得られる2R(≒11.7mm)に比べて、第2実施形態の場合に得られる2R(≒17.4mm)の方が大きくなっている。このことから、同様の性能の分光器を得ようとする場合、第1実施形態のように光の伝播経路を空気とする方が、分光器を小型化できることがわかる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態の生体検知センサについて説明する。第3実施形態の生体検知センサは、それが備える分光器の構成が第1実施形態の分光器241及び第2実施形態の分光器341と異なる点を除いて、基本的に第1実施形態及び第2実施形態の生体検知センサと同様の構成を有する。以下では、第1及び第2実施形態の生体検知センサと構成が異なる分光器について説明を行い、第1及び第2実施形態の生体検知センサと構成が同一である部分については、同一の符号を付して、特に必要がない場合にはその説明を省略する。
図17は、第3実施形態の生体検知センサ4が備える分光器441について説明するための図で、図17(a)は分光器441の構成を示す概略斜視図、図17(b)は分光器441を伝播する光の様子を模式的に示した図である。分光器441は、例えばアクリル樹脂やエポキシ樹脂等の透明部材のみから成る。なお、この透明部材のみから成る分光器441は、第1実施形態の場合と同様に、分光器441を固定するための固定部(図示せず)に収容される。また、板状に形成される透明部材の厚みは、例えば0.1mm程度である。
図17(a)に示されるように、分光器441を構成する透明部材には、光入射部441aと、第1凹面部441bと、回折格子面441cと、第2凹面部441dと、光出射部441eと、が形成される。
光入射部441aは、光ファイバー232(図3参照)の一方の端部側から出射される光を透明部材内部に入射させるために設けられる。具体的には、光入射部441aは透明部材の一部を切り欠くことによって形成され、この部分に光ファイバー232の一方の端部側が嵌め込まれる。なお、分光器441は、光入射部441aから透明部材内部に入射された光が、なるべく外部に漏れることなく回折格子面441cに伝播されるように形成されている。
第1凹面部441bは、光出射部441aと対向する位置に設けられる。第1凹面部441bの外面側には、例えば銀やアルミニウム等の金属が蒸着されて、第1凹面部441bに入射した光を鏡面反射する。また、第1凹面部441bは、入射する光を平行光に変換する機能を有する。
回折格子面441cは、第1凹面部441bで反射された平行光が入射する位置に設けられる。回折格子面441cは、透明部材の外面に例えば鋸歯状の回折溝を形成して成る。また、回折格子面441cには、入射した光を鏡面反射するように例えば銀やアルミニウム等で形成される金属膜が透明部材の外面側から蒸着されている。
第2凹面部441dは、回折格子面441cで回折される共に反射される反射回折光のうち、所定の次数の回折光が入射される位置に設けられる。第2凹面部441dの外面側には、例えば銀やアルミニウム等の金属が蒸着されて、第2凹面部441dに入射した光を鏡面反射する。また、第2凹面部441dは、入射する光をラインセンサ25の受光面に集光する機能を有する。なお、ラインセンサ25の構成は第1実施形態に示した構成(例えば図10参照)と同様である。
光出射部441eは、第2凹面部441dと対向する位置に配置される。光出射部441eは、第2実施形態と同様に、光の進行方向に対して角度θの傾きを持つ斜面を有する(図14参照)。この斜面は、鏡面反射が行われるように例えば銀やアルミニウム等の金属が外面側から蒸着され、反射面となっている。このため、第2凹面部441dで反射されて光出射部441eに入射した光は、この反射面で反射されることになる。なお、上述の角度θは、分光器441の小型化等を考慮して30〜55°に設定されるのが好ましく、本実施形態では45°としている。また、本実施形態では、斜面に金属を蒸着して反射面を得る構成としているが、光出射部441eの斜面に入射した光が全反射する場合には金属を蒸着しない構成としても良い。
なお、本実施形態においては、ラインセンサ25が分光器441の下部側に配置される構成となっている。しかし、ラインセンサ25が分光器441の上部側に配置されるように光出射部441eの傾斜面を形成しても構わないのは当然である。
雑光低減部441fは、回折格子面441cで回折された回折光のうち、所定の次数の回折光以外の雑光が、分光器441内部で反射して、分光器441内部を伝播するのを低減するために設けられる。本実施形態においては、第1凹面部441bと第2凹面部441dと間、及び、第2凹面部441dの右斜め方向に雑光低減部441fを設ける構成としている。雑光低減部441fの構成としては、第1及び第2実施形態の場合と同様に、分光器441外部に雑光を取り出す構成としても構わないし、また、雑光を吸収する素材を透明部材の外面側に配置する構成としても構わない。
なお、回折格子面441cで回折された回折光のうち、第1凹面部441bに入射する光は少ない方が好ましい。このために、回折格子面441cの第1凹面部441bに対する傾斜角を調整して、第1凹面部441bに入射する回折光が少なくなる構成とするのが好ましい。また、雑光低減部441fを形成する位置は、本実施形態の構成に限定されず、例えば、第1凹面部441dの左斜め方向に更に形成する構成等としても構わない。
次に、以上のように形成される第3実施形態の分光器441の作用について、図17(b)を参照しながら説明する。光入射部441aから入射された光L1は、第1凹面部441bで反射されると共に平行光に変換される。第1凹面部441bからの平行光は回折格子面441cによって回折される。光入射部441aからは白色光が入射されるが、波長毎に回折角が異なるために、回折格子面441cに入射した光は分光されることになる。このために、図17(b)に示すように、同一の回折次数を有し、波長が異なる複数の光L2が生じることになる。なお、図17(b)では、所定の次数の回折光のみを示しており、波長が異なる光を3つだけ模式的に示している。
回折格子面441cで反射されると共に回折された反射回折光のうち、所定の次数の回折光L2は、第2凹面部441dに入射する。そして、第2凹面部441dに入射した所定の次数の回折光L2は、光出射部441eに向かって集光し、光出射部441eで反射されて、ラインセンサ25で受光される。
なお、回折格子面441cによって回折される回折光のうち、所定の次数(例えば3次光)の回折光であって、生体か否かの識別を可能とする特定の波長範囲(例えば510nm〜590nm)の光を光出射部441eで取り出す必要がある。このことを考慮して、回折格子面441cの回折パターンは調整されている。そして、例えば、所定の次数の回折光であって565nmの波長の光が、光出射部441eから取り出される中心波長となるように構成されている。
第3実施形態の分光器441においては、第1及び第2実施形態の場合と異なり、回折格子面441cは集光機能を有さず、集光機能を有するレンズ面を別途設ける(第2凹面部441d)構成としている。このために、光出射部441eから出射される光に発生する収差を低減し易い。
なお、第3実施形態の分光器441は、透明部材のみから成る構成とし、透明部材内部を光が伝播する構成とした。しかし、この実施形態の変形例として、第1実施形態の構成と同様に、分光器を本体部とカバー部とから成る構成とし、両者の間に形成される空間(空気中)を光が伝播する構成としても構わない。
(その他)
本発明の生体検知センサは、以上に示した実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、以上に示した第1から第3実施形態においては、光出射部に反射面を形成して、反射された光をラインセンサで受光する構成としている。しかし、この構成に限定される趣旨ではない。すなわち、例えば、回折格子面或いは第2凹面部で反射された光を、更に反射することなく、ラインセンサで受光する構成等としても構わない。
また、以上に示した第1から第3実施形態においては、被検知体(指)で反射された反射光を光ファイバーによって分光器に導く構成とした。しかし、この構成に限定される趣旨ではない。すなわち、例えば、光ファイバー以外の導光体を用いる構成としても構わないし、被検知体で反射された反射光を、光ファイバー等の導光体を用いることなく直接分光器に入射させる構成等としても構わない。
また、以上に示した第1から第3実施形態においては、被検知体(指)を被検知体載置部に載置して、生体か否かの識別を行う構成としている。しかし、この構成に限定される趣旨ではない。すなわち、例えば、被検知体を被検知体載置部に載置することなく、生体か否かの識別を行う構成としても構わない。
また、以上に示した実施形態では、生体か否かの識別を行う特定の波長範囲として510nm〜590nmの波長範囲を示した。しかし、生体か否かの識別を行える特定の波長範囲がこれとは別に存在する可能性がある。このような場合でも、本発明の生体検知センサは適用可能である。
また、以上に示した実施形態では、被検知体が指である場合を示したが、これに限定されない。すなわち、手のひらや顔等、他の人体の一部である場合にも本発明は適用可能である。
また、以上に示した実施形態では、被検知体で反射される光を用いて生体か否かの識別を行う構成とした。しかし、被検知体で透過される光を測定に必要な十分の光量で検出できる場合では、被検知体を透過する光を用いて生体か否かの識別を行う構成とすることも可能である。
本発明の生体検知センサは、指紋、掌紋、指や手のひらの静脈パターン、顔の形等の生体情報を用いて個人認証を行う生体認証装置と共に使用され、これにより、個人認証に用いられた被検知体が生体か否かを識別する。このため、生体認証装置に対する詐欺行為を効果的に防止することができる。
は、本発明の生体検知センサが適用された生体認証装置の実施例を示すブロック図である。 は、第1実施形態の生体検知センサにおいて利用される特定の波長範囲の決定理由を説明するための図ある。 は、第1実施形態の生体検知センサが備える被検知体載置部、光源部及び導光部の構成を示す概略図である。 は、第1実施形態の生体検知センサが備える分光部の構成を示す分解斜視図である。 は、第1実施形態の生体検知センサが備える回折格子面の作用を説明するための図である。 は、第1実施形態の生体検知センサが備える分光器の本体部を、図5のA−A位置で切断した場合の構成を示す概略断面図である。 は、第1実施形態の分光器の設計例を説明するにあたって使用される各種パラメータについて説明するための図である。 は、第1実施形態の分光器を設計するために使用されるローランドサークルという概念を説明するための図である。 は、第1実施形態の分光器の設計例を説明するための図である。 は、第1実施形態の生体検知センサが備えるラインセンサの構成を説明するための図である。 は、第1実施形態の生体検知センサが備える分光器の雑光低減部の構成を示す模式図である。 は、第1実施形態の生体検知センサを用いて、被検知体載置部に人間の指を載置して、特定の波長範囲を含む波長範囲の光学スペクトルを測定した結果である。 は、第2実施形態の生体検知センサが備える分光器の構成を示す概略斜視図である。 は、第2実施形態の生体検知センサが備える分光器を、図13のB−B位置で切断した場合の構成を示す概略断面図である。 は、第2実施形態の生体検知センサが備える分光器の雑光低減部の構成を説明するための図である。 は、第2実施形態の分光器の設計例を説明するための図である。 は、第3実施形態の生体検知センサが備える分光器について説明するための図である。 は、従来の指紋像入力装置の構成を示す図である。
符号の説明
1 生体認証装置
2、3、4生体検知センサ
221 光源
223 光ファイバー(導光体)
241、341、441 分光器
241a 本体部
241b カバー部
2411 外周枠
2411a、341a、441a 光入射部
2411b、341b、441c 回折格子面
2411c、341c、441e 光出射部
2411d、341d、441f 雑光低減部
2412 本体部側反射面
2413 カバー部側反射面
25 ラインセンサ(受光素子)
251 受光領域
441b 第1凹面部
441d 第2凹面部

Claims (6)

  1. 人体の一部を使って個人認証を行う生体認証装置と共に使用され、前記個人認証に用いられる被検知体が生体か否かを識別する生体検知センサであって、
    前記被検知体を照射する光源と、
    前記光源によって照射された前記被検知体からの光を伝搬する導光体と、
    前記導光体を介して光が入射され、入射された光を分光して、少なくとも、生体か否かの識別を可能とする特定の波長範囲の光を出射する分光器と、
    前記分光器から出射される前記特定の波長範囲の光を受光するために設けられ、複数の受光領域が一列に配置される受光素子と、
    を備え
    前記分光器は、
    外周枠と該外周枠で囲まれた領域に設けられた反射面とを有する本体部と、
    前記本体部の前記外周枠の上に載置されて前記本体部の前記反射面を覆うカバー部と、
    から成って、
    前記外周枠には、
    前記導光体を介して前記被検知体からの光を内部に入射させる光入射部と、
    前記光入射部と対向する位置に設けられ、前記光入射部から入射された光を反射すると共に回折する回折格子面と、
    前記回折格子面と対向する位置であって前記光入射部と同じ側に設けられ、前記回折格子面で回折された所定の次数の反射回折光であって、少なくとも前記特定の波長範囲の光を外部に出射する光出射部と、
    前記回折格子面と前記光出射部との間に形成される光の伝播経路を挟むように設けられ、前記回折格子面で回折された回折光のうち、前記所定の次数の回折光以外の雑光が、内部反射して内部を伝播するのを低減する雑光低減部と、
    が形成され、
    前記光入射部から入射して前記光出射部から出射される光は、前記本体部と前記カバー部との間に形成される空間を伝播され、
    前記回折格子面は凹面に設けられて集光機能を有し、
    前記光出射部には、光の進行方向を変更する反射面が形成され、
    前記カバー部には、前記本体部の前記反射面と対向する反射面と、前記光出射部からの光を通過させる透過孔と、が形成される、ことを特徴とする生体検知センサ。
  2. 人体の一部を使って個人認証を行う生体認証装置と共に使用され、前記個人認証に用いられる被検知体が生体か否かを識別する生体検知センサであって、
    前記被検知体を照射する光源と、
    前記光源によって照射された前記被検知体からの光を伝搬する導光体と、
    前記導光体を介して光が入射され、入射された光を分光して、少なくとも、生体か否かの識別を可能とする特定の波長範囲の光を出射する分光器と、
    前記分光器から出射される前記特定の波長範囲の光を受光するために設けられ、複数の受光領域が一列に配置される受光素子と、
    を備え、
    前記分光器は透明部材から成って、
    前記透明部材には、
    前記導光体を介して前記被検知体からの光を内部に入射させる光入射部と、
    前記光入射部と対向する位置に設けられ、前記光入射部から入射された光を反射すると共に回折する回折格子面と、
    前記回折格子面と対向する位置であって前記光入射部と同じ側に設けられ、前記回折格子面で回折された所定の次数の反射回折光であって、少なくとも前記特定の波長範囲の光を外部に出射する光出射部と、
    前記回折格子面と前記光出射部との間に形成される光の伝播経路を挟むように設けられ、前記回折格子面で回折された回折光のうち、前記所定の次数の回折光以外の雑光が、内部反射して内部を伝播するのを低減する雑光低減部と、
    が形成され、
    前記光入射部から入射して前記光出射部から出射される光は、前記透明部材の内部を伝播され、
    前記回折格子面は凹面に設けられて集光機能を有し、
    前記光出射部には、光の進行方向を変更する反射面が形成される、ことを特徴とする生体検知センサ。
  3. 人体の一部を使って個人認証を行う生体認証装置と共に使用され、前記個人認証に用いられる被検知体が生体か否かを識別する生体検知センサであって、
    前記被検知体を照射する光源と、
    前記光源によって照射された前記被検知体からの光を伝搬する導光体と、
    前記導光体を介して光が入射され、入射された光を分光して、少なくとも、生体か否かの識別を可能とする特定の波長範囲の光を出射する分光器と、
    前記分光器から出射される前記特定の波長範囲の光を受光するために設けられ、複数の受光領域が一列に配置される受光素子と、
    を備え、
    前記分光器は透明部材から成って、
    前記透明部材には、
    前記導光体を介して前記被検知体からの光を内部に入射させる光入射部と、
    前記光入射部と対向する位置に設けられ、入射した光を反射すると共に平行光に変換する第1凹面部と、
    前記第1凹面部からの前記平行光が入射する位置に設けられ、入射された光を反射すると共に回折する回折格子面と、
    前記回折格子面で回折された所定の次数の反射回折光が入射する位置に設けられ、入射した光を反射すると共に集光する第2凹面部と、
    前記第2凹面部と対向する位置に設けられ、前記所定の次数の反射回折光であって、少なくとも前記特定の波長範囲の光を外部に出射する光出射部と、
    前記透明部材の外周の一部に設けられ、前記回折格子面で回折された回折光のうち、前記所定の次数の回折光以外の雑光が、内部反射して内部を伝播するのを低減する雑光低減部と、
    が形成され、
    前記光入射部から入射して前記光出射部から出射される光は、前記透明部材の内部を伝播され、
    前記光出射部には、光の進行方向を変更する反射面が形成される、ことを特徴とする生体検知センサ。
  4. 前記導光体が光ファイバーであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の生体検知センサ。
  5. 前記特定の波長範囲は、生体である場合に波長565nm付近で検出される略Wの字状の反射スペクトルパターンを用いて生体か否かの識別を行える波長範囲であることを特徴とする請求項からのいずれかに記載の生体検知センサ。
  6. 前記特定の波長範囲は、510nmから590nmの波長範囲であることを特徴とする請求項5に記載の生体検知センサ。
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