JP5085311B2 - 多極直流モータ - Google Patents

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Description

本発明は、多極直流モータに関するものである。
従来、多極直流モータでは、高占積巻線を実現する方法として、集中巻やSC巻等が知られている。図11は、例えば特許文献1に記載される集中巻の巻線を有する電機子の平面図である。同図に示されるように、この電機子91は、回転軸92と、該回転軸92に固定された電機子コア93とを備える。電機子コア93は、回転軸92を中心として放射状に延びる8個のティースT91〜T98を有している。そして、ティースT91〜T98には、巻線M91〜M98がそれぞれ集中巻にて巻装されている。このような構成にあって、整流子の外周に摺接する陽極側及び陰極側ブラシを通じて巻線M91〜M98に給電することで、径方向に対向する2つの巻線で整流が行われる。なお、各巻線M91〜M98に付した番号「1」〜「4」は、整流の順番を表すもので、同時に整流が行われる対向の巻線には「’」付の番号を付している。
特開2004−88915号公報
ところで、このように径方向に対向する2つの巻線で整流を行う構成では、整流時の振動が集中しやすく、回転時の振動が大きくなってしまう。例えば、図11において上下に対向する番号「1」、「1'」の巻線M91,M95で整流が行われているとして、各巻線M91,M95の対向する径方向への整流時の振動の大きさを「1」で表すと、隣接する巻線M92,M96の対向する径方向及び巻線M94,M98の対向する径方向への振動の大きさは「1/2」となり、当該振動が上下に集中していることが確認される。
一方、SC巻の巻線を有する電機子では、コイルエンドが大きくなり、あるいは製造工数が大きくなる等の問題がある。
本発明の目的は、巻線の占積率を向上しつつ、回転時の振動を減少することができる多極直流モータを提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、磁極数Pの界磁極を有する固定子と、ティース数Nのティースを有するスロット数Nの電機子コアと、「N×(P/2)」となるセグメント数Sのセグメントを有する整流子と、前記各ティースに複数回集中的に巻回されてなる巻線と、前記セグメントに摺接して給電を行う陽極側及び陰極側ブラシと、を備えた多極直流モータであって、前記各巻線は、対応する一対の前記セグメントに電気的に接続され、一の前記ティースに全巻回量の一部が巻回されてなる上層の第1巻回部と、該第1巻回部に直列接続され当該ティースのA個(Aは、2N/Pの切り捨て若しくは切り上げの整数)隣の前記ティースに全巻回量の残りが前記第1巻回部と同一方向に巻回されてなる下層の第2巻回部とを有する導線が、全ての前記ティースに亘って配設されて該全てのティースにそれぞれ構成されてなり、前記各ティースに巻回される巻線は、一のティースに対し下層をなす前記第2巻回部が巻回された後に前記セグメントに結線され、その後に該第2巻回部が巻回された同じティースに対し上層をなす前記第1巻回部が巻回されて、各巻線における上層及び下層が形成されていることを要旨とする。
同構成によれば、対応する一対のセグメントに電気的に接続される導線において、一のティースに全巻回量の一部が巻回されてなる第1巻回部と、離れた位置となるA個隣のティースに全巻回量の残りが巻回されてなる第2巻回部とには、互いに同一の電流が流れる。そして、各ティースに巻回される巻線は、互いに異なる導線からなり、互いに異なる電流が流れる2層の第1及び第2巻回部で構成されるため、例えば整流時に当該ティースにおける磁極の作用を分散することができ、回転時の振動を減少することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の多極直流モータにおいて、Aは、「2N/P」の四捨五入で得られる整数であることを要旨とする。
同構成によれば、より理想的な配置で巻線が巻回されることで、出力を増大することができる。
求項に記載の発明は、請求項1又は2に記載の多極直流モータにおいて、前記各巻線を構成する前記第1及び第2巻回部の巻回量の比は、「1:1」であることを要旨とする。
同構成によれば、前記各巻線を構成する2層の前記第1及び第2巻回部の巻回量の比が「1:1」であることで、例えば整流時に当該ティースにおける磁極の作用をより均一に分散することができる。
請求項に記載の発明は、請求項1〜のいずれか1項に記載の多極直流モータにおいて、前記各導線の前記第1及び第2巻回部間を接続する渡り線は、軸方向において前記整流子の反対側に配置されていることを要旨とする。
同構成によれば、前記渡り線は、軸方向において前記整流子の反対側に配置されていることで、整流子側と干渉することなく簡易に配線することができる。また、前記渡り線が、整流子側に配置されないことで、全体としてすっきりとした配線となる。
本発明によれば、巻線の占積率を向上しつつ、回転時の振動を減少することができる多極直流モータを提供することができる。
(第1の実施の形態)
以下、本発明を具体化した第1の実施の形態を図1〜図7に従って説明する。
図1及び図2に示すように、本実施形態の直流モータ101は、固定子102と電機子(回転子)103とを備えている。固定子102は、略有底筒形状のヨークハウジング104と、該ヨークハウジング104の内周面に等角度間隔で配置固着された6個(磁極数P=6)の界磁極としてのマグネット105とを備えている。
電機子103は、図2に示すように、回転軸106と、該回転軸106に固定された電機子コア107と、同じく回転軸106に固定された整流子108とを備える。電機子103は、回転軸106の両端側がヨークハウジング104及びその開口部を塞ぐエンドハウジングEにそれぞれ保持された軸受Gにて回転可能に支持されている。尚、この状態で整流子108の外周には、前記エンドハウジングEに保持された陽極側及び陰極側のブラシ109,110が摺接可能に押圧接触される。又、この状態で電機子コア107はマグネット105と対向して周囲を囲まれるように配置される。
電機子コア107は、図1に示すように、回転軸106を中心として放射状に延びる8個のティースT1〜T8を有し、該ティースT1〜T8間にはそれぞれスロットS1〜S8が形成されている。つまり、ティース数N及びスロット数Nは「8」である。そして、ティースT1〜T8には、スロットS1〜S8内を通るように複数回集中的に巻回されてなる巻線M1〜M8がそれぞれインシュレータ111(図2参照)を介して巻装されている。
整流子108は、図2に示すように、整流子本体112と短絡部材113とからなる。整流子本体112は、略円筒形状の本体絶縁材114と、本体絶縁材114の外周面にそれぞれ周方向に隙間を有して並設される24個のセグメント1〜24(図4参照)とを備える。このセグメント1〜24は本体絶縁材114の外周で略円筒状をなし、その径方向外側から前記陽極側及び陰極側のブラシ109,110が当接(押圧接触)されることになる。尚、図4は、直流モータ101(電機子103)を平面状に展開した模式図である。
短絡部材113は、整流子本体112の軸方向端部に固定され、図4に示すように、24個のセグメント1〜24を120度間隔に電気的に接続し、例えば、セグメント1,9,17の組や、セグメント5,13,21の組を短絡された(同電位)状態とする。詳しくは、短絡部材113は、図3に示すように、絶縁層(絶縁紙)115を挟む2つの層にそれぞれ24個ずつ配置された短絡片116,117を備える。一方(図3中、紙面手前側の層)の各短絡片116は、その径方向内側端部が径方向外側端部に対して周方向一方(図3中、時計回り方向)に60°ずれるように形成されている。又、他方(図3中、紙面奥側の層であって、破線で示す)の各短絡片117は、その径方向内側端部が径方向外側端部に対して周方向他方(図3中、反時計回り方向)に60°ずれるように形成されている。そして、2つの層の各短絡片116,117は、互いに径方向内側端部同士、及び径方向外側端部同士が(絶縁層115を挟まずに)それぞれ電気的に接続され、径方向中間部同士が(絶縁樹脂115を挟んで)電気的に離間されている。これにより、短絡部材113における短絡片116,117の径方向外側端部は、120度間隔に電気的に接続されることになる。
そして、短絡部材113は、その各径方向外側端部がセグメント1〜24にそれぞれ電気的に接続されるように整流子本体112に固定されている。又、本実施の形態では、他方(図3中、紙面奥側の層)の短絡片117における径方向外側端部に前記巻線M1〜M8の端部を接続固定するための延出接続部117aが形成されている。この延出接続部117aは、24個の短絡片117において、周方向に2つ置きに(即ち全体で8個)形成されている。
次に、本実施の形態の巻線M1〜M8の構造について図4に基づき説明する。同図に示されるように、巻線M1〜M8は、対応する一対のセグメント(延出接続部117a)に電気的に接続される8個の導線Dによって構成されている。例えば各巻線M1〜M8の全巻回量がWとして、セグメント9に一方の端部が電気的に接続された導線Dは、ティースT3に対し一方向(図4中、時計回り方向)に全巻回量Wの一部(巻回量Wa)が連続的に巻回されてなる第1巻回部Maと、3個隣のティースT6に対し同一方向に全巻回量Wの残り(巻回量Wb=W−Wa)が連続的に巻回されてなる第2巻回部Mbとを有し、他方の端部がセグメント18に電気的に接続されている。本実施の形態では、第1及び第2巻回部Ma,Mbの巻回量Wa,Wbがそれぞれ全巻回量Wの半分(=W/2)に設定されている。同様に、セグメント18に一方の端部が電気的に接続された導線Dは、ティースT6に対し一方向に全巻回量Wの一部(巻回量Wa)が連続的に巻回されてなる第1巻回部Maと、3個隣の前記ティースT1に対し同一方向に全巻回量Wの残り(巻回量Wb)が連続的に巻回されてなる第2巻回部Mbとを有し、他方の端部がセグメント3に電気的に接続されている。他の6個の導線Dも、同様の規則性で対応する一対のセグメントに電気的に接続されている。第1及び第2巻回部Ma,Mbが直列接続となる各導線Dは、これら第1及び第2巻回部Ma,Mb間を短絡(接続)する渡り線Mcを形成する。全ての渡り線Mcは、軸方向において前記整流子108の反対側に配置されている(図1参照)。そして、本実施の形態では、全ての導線Dの抵抗が互いに同等になるように設定されている。
尚、各導線Dにおいて、第1巻回部Maの配置されるティースから、第2巻回部Mbの配置されるティースまでのティースの個数をAとすると、個数Aは、「2N/P」の四捨五入で得られる整数となっている。具体的には、「2N/P=2×8/6=2.6…」であることから、「A=3」となっている。そして、整流が行われる一の導線Dの第2巻回部Mbが配置されるティースには、次の整流が行われる他の導線Dの第1巻回部Maが配置されている。つまり、各ティースT1〜T8に巻回される巻線M1〜M8は、互いに異なる2つの導線Dの一方の導線Dの第1巻回部Maと他方の導線Dの第2巻回部Mbとで構成されている。例えばティースT6には、セグメント9に一方の端部が電気的に接続された導線Dの第2巻回部Mbと、セグメント18(10)に一方の端部が電気的に接続された導線Dの第1巻回部Maとが配置されており、巻線M6は、一方の導線Dの第2巻回部Mbと、他方の導線Dの第1巻回部Maとで構成されている。
又、第1及び第2巻回部Ma,Mbは、各巻線M1〜M8においてその上層及び下層をそれぞれ形成している。既述のように、第1及び第2巻回部Ma,Mbの巻回量Wa,Wbは共に全巻回量Wの半分であり、従って各巻線M1〜M8を構成する第1及び第2巻回部Ma,Mbの巻回量(巻回ターン数)の比は、「1:1」である。
図5は、本実施の形態における整流時の振動特性を説明する電機子103の平面図である。同図において、各巻線M1〜M8に付した番号「1」〜「4」は、整流の順番を表すもので、同時に整流が行われる対向の巻線には「’」付の番号を付している。
ここで、対応する一対のセグメントに電気的に接続される一の導線Dで整流が行われ、例えば巻線M1で第1巻回部Maに係る整流が、巻線M4で第2巻回部Mbに係る整流が行われるものとする。この場合、全巻回量Wの1つの巻回部のみを有する巻線(図11参照)で整流が行われたときの振動の大きさを「1」で表すと、巻線M1,M5の対向する径方向への第1巻回部Maに係る振動の大きさは「1/2」となり、隣接する巻線M2,M6の対向する径方向及び巻線M4,M8の対向する径方向への第1巻回部Maに係る振動の大きさはそれぞれ「1/4」となる。同様に、巻線M4,M8の対向する径方向への第2巻回部Mbに係る振動の大きさは「1/2」となり、隣接する巻線M5,M1の対向する径方向及び巻線M3,M7の対向する径方向への第2巻回部Mbに係る振動の大きさはそれぞれ「1/4」となる。従って、巻線M1,M5の対向する径方向及び巻線M4,M8の対向する径方向への各振動の大きさは「3/4=1/2+1/4」となる。又、巻線M2,M6の対向する径方向及び巻線M3,M7の対向する径方向への各振動の大きさは「1/4」となる。このように、径方向に対向する2つの巻線を1組とする2組の巻線で整流を行うことで、整流時の振動が分散され、ひいては回転時の振動が減少される。
図6(a)(b)は、全巻回量Wの1つの巻回部のみを有する従来の巻線(図11参照)及び本実施の形態の巻線M1〜M8をそれぞれ採用した場合の各種給電電流に対する直流モータ101の回転角度と磁束密度Tとの関係を示すグラフである。同図から明らかなように、従来の巻線に比べ、巻線M1〜M8を採用した場合の方が図中、太実線で示す磁束密度Tの差分(即ち変動)が小さくなっており、単位面積当たりの振動が小さくなることがわかる。
次に、巻線M1〜M8の製造態様について図4及び図7を併せ参照して説明する。この巻線M1〜M8の製造は、回転軸106に電機子コア107及び整流子108が装着された状態で公知の巻線巻回装置により行われる。
まず、巻線M1〜M8の素材である電線の始端Ws(図4参照)が整流子108の反対側で隣接するティースT2,T3間に電気的に開放された状態で配置されているとして、該電線は、ティースT4に延びて該ティースT4に対し一方向(図4中、時計回り方向)に巻回量Wbだけ連続的に巻回され第2巻回部Mbを形成する(図7(a)参照)。この第2巻回部Mbが巻線M4の下層をなすことはいうまでもない。そして、第2巻回部Mbを形成した電線は、セグメント12(延出接続部117a)に結線された後に、当該ティースT4に対し前記第2巻回部Mbの上から一方向(図4中、時計回り方向)に巻回量Waだけ連続的に巻回され第1巻回部Maを形成する(図7(b)参照)。この第1巻回部Maが巻線M4の上層をなすことはいうまでもない。そして、第1巻回部Maを形成した電線は、整流子108の反対側で渡り線Mcを形成しつつ、2個のティースT5,T6を飛ばし3個隣のティースT7まで延びて該ティースT7に対し一方向(図4中、時計回り方向)に巻回量Wbだけ連続的に巻回され第2巻回部Mbを形成する(図7(c)参照)。以降、同様の規則性で図7(b)(c)の工程を繰り返すことで、全てのティースT1〜T8に渡って第1及び第2巻回部Ma,Mbが形成される。そして、最後のティースT1に第1巻回部Maを形成した電線は、前記始端Wsに延びてその終端Weを電気的に接続する。つまり、ティースT1,T4間の渡り線Mc(導線D)は、始端Ws及び終端Weが電気的に接続されることで構成されている。
その後、各セグメント(延出接続部117a)に結線された電線が、ヒュージング等で接合されることにより、対応する一対のセグメントに電気的に接続される8個の導線Dが製造されるとともに、これら導線Dによって各ティースT1〜T8に巻線M1〜M8が製造される。巻線M1〜M8は、1本の電線による、いわゆるシングルフライヤで製造されている。
図7(d)に示すように、本実施の形態では、全ての導線Dが巻線の上層をなす第1巻回部Maと、下層をなす第2巻回部Mbとで構成されることで、導線D間のばらつきが抑制されている。尚、図7(e)に、下層のみをなす第1及び第2巻回部Ma,Mbで構成される導線D1や、上層のみをなす第1及び第2巻回部Ma,Mbで構成される導線D2を示したように、これら導線D1,D2の混在する状態では、導線間のばらつきが著しくなるのは容易に推定される。
以上詳述したように、本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)各ティースT1〜T8に巻回される巻線M1〜M8は、互いに異なる導線Dからなり、互いに異なる電流が流れる2層の第1及び第2巻回部Ma,Mbで構成されるため、例えば整流時に当該ティースT1〜T8における磁極の作用を分散することができ、回転時の振動を減少することができる。また、通常の集中巻と同様に、巻線の占積率を向上することができる。
(2)個数Aは、「2N/P」の四捨五入で得られる整数であり、より理想的な配置で巻線M1〜M8が巻回されることで、出力を増大することができる。
(3)各巻線M1〜M8を構成する2層の第1及び第2巻回部Ma,Mbの巻回量の比が「1:1」であることで、例えば整流時に当該ティースT1〜T8における磁極の作用をより均一に分散することができる。
(4)第1及び第2巻回部Ma,Mbを有する導線Dの全てが巻線M1〜M8の上層及び下層の1組で構成されるため、導線D間のばらつきを抑制することができ、巻線抵抗の均一化を図ることができる。
(5)渡り線Mcは、軸方向において整流子108の反対側に配置されていることで、整流子108側と干渉することなく簡易に配線することができる。また、渡り線Mcが、整流子108側に配置されないことで、全体としてすっきりとした配線となる。
(6)全ての導線Dの抵抗が互いに同等になるように設定されることで、各巻線M1〜M8の電気的な特性をより均一にすることができる。
(7)巻線M1〜M8の自己インダクタンスを小さくすることができる。具体的には、通常の集中巻の巻線の約6割まで減少することが確認されている。
(8)巻線M1〜M8の素材である電線の始端Ws及び終端Weを、巻線M1〜M8と整流子108との接合部以外の場所で接続したことで、該整流子108の結線を全て均等にすることができ、3重結合部等、接合信頼性が不安定となる部位の発生を回避することができる。
(第2の実施の形態)
以下、本発明を具体化した第2の実施の形態を図8に従って説明する。尚、第2の実施の形態は、対応する一対のセグメント(延出接続部117a)に電気的に接続される導線及び巻線の規則性を変更したのみの構成であるため、前記第1の実施の形態と同様の構成については同一の符号を付してその説明を一部省略する。
同図に示されるように、本実施の形態の電機子の備える巻線M11〜M18は、その下層のみを形成する4個の導線D11と、上層のみを形成する4個の導線D12とによって構成されている。例えば各巻線M11〜M18の全巻回量がWとして、セグメント20に一方の端部が電気的に接続された導線D11は、ティースT8に対し一方向(図8中、時計回り方向)に全巻回量Wの一部(巻回量Wa)が連続的に巻回されてなる第1巻回部Ma1と、3個隣のティースT3に対し同一方向に全巻回量Wの残り(巻回量Wb=W−Wa)が連続的に巻回されてなる第2巻回部Mb1とを有し、他方の端部がセグメント13に電気的に接続されている。同様に、セグメント5に一方の端部が電気的に接続された導線D12は、ティースT3に対し一方向(図8中、時計回り方向)に全巻回量Wの一部(巻回量Wa)が連続的に巻回されてなる第1巻回部Ma2と、3個隣のティースT6に対し同一方向に全巻回量Wの残り(巻回量Wb)が連続的に巻回されてなる第2巻回部Mb2とを有し、他方の端部がセグメント22に電気的に接続されている。両導線D11,D12を1組とする他の3組の導線D11,D12も、同様の規則性で対応する一対のセグメントに電気的に接続されている。第1及び第2巻回部Ma1,Mb1が直列接続となる各導線D11は、これら第1及び第2巻回部Ma1,Mb1間を短絡(接続)する渡り線Mc1を形成するとともに、第1及び第2巻回部Ma2,Mb2が直列接続となる各導線D12は、これら第1及び第2巻回部Ma2,Mb2間を短絡(接続)する渡り線Mc2を形成する。全ての渡り線Mc1,Mc2は、軸方向において前記整流子108の反対側に配置されている。
尚、整流が行われる一の導線D11又はD12の第2巻回部Mb1又はMb2が配置されるティースには、次の整流が行われる他の導線D12又はD11の第1巻回部Ma2又はMa1が配置されている。つまり、各ティースT1〜T8に巻回される巻線M11〜M18は、一方の導線D11又はD12の第2巻回部Mb1又はMb2と他方の導線D12又はD11の第1巻回部Ma2又はMa1とで構成されている。例えばティースT3には、セグメント20に一方の端部が電気的に接続された導線D11の第2巻回部Mb1と、セグメント5(21)に一方の端部が電気的に接続された導線D12の第1巻回部Ma2とが配置されており、巻線M13は、一方の導線D11の第2巻回部Mb1と、他方の導線D12の第1巻回部Ma2とで構成されている。
又、導線D11の第1及び第2巻回部Ma1,Mb1は、各巻線M11〜M18の下層のみを形成しており、導線D12の第1及び第2巻回部Ma,Mbは、各巻線M11〜M18の上層のみを形成している。
以上詳述したように、本実施形態によれば、前記第1の実施形態における(1)〜(3)(5)(7)の効果と同様の効果が得られるようになる。
(第3の実施の形態)
以下、本発明を具体化した第3の実施の形態を図9に従って説明する。尚、第3の実施の形態は、対応する一対のセグメントに電気的に接続されて巻線を構成する導線の規則性を変更したのみの構成であるため、前記第1の実施の形態と同様の構成については同一の符号を付してその説明を一部省略する。
同図に示されるように、本実施の形態の電機子の備える巻線M21〜M28は、巻回方向が互いに逆向きの関係となる導線D21,D22を1組とする4組の導線D21,D22によって構成されている。例えば各巻線M21〜M28の全巻回量がWとして、セグメント10に一方の端部が電気的に接続された導線D21は、ティースT3に対し一方向(図9中、時計回り方向)に全巻回量Wの一部(巻回量Wa)が連続的に巻回されてなる第1巻回部Ma3と、隣のティースT4に対し逆方向(図9中、反時計回り方向)に全巻回量Wの残り(巻回量Wb=W−Wa)が連続的に巻回されてなる第2巻回部Mb3とを有し、他方の端部がセグメント11に電気的に接続されている。一方、セグメント13に一方の端部が電気的に接続された導線D22は、ティースT4に対し一方向(図9中、反時計回り方向)に全巻回量Wの一部(巻回量Wa)が連続的に巻回されてなる第1巻回部Ma4と、隣のティースT5に対し逆方向(図9中、時計回り方向)に全巻回量Wの残り(巻回量Wb)が連続的に巻回されてなる第2巻回部Mb4とを有し、他方の端部がセグメント14に電気的に接続されている。両導線D21,D22を1組とする他の3組の導線D21,D22も、同様の規則性で対応する一対のセグメントに電気的に接続されている。第1及び第2巻回部Ma3,Mb3が直列接続となる各導線D21は、これら第1及び第2巻回部Ma3,Mb3間を短絡(接続)する渡り線Mc3を形成するとともに、第1及び第2巻回部Ma4,Mb4が直列接続となる各導線D22は、これら第1及び第2巻回部Ma4,Mb4間を短絡(接続)する渡り線Mc4を形成する。全ての渡り線Mc3,Mc4は、軸方向において前記整流子108の反対側に配置されている。
尚、各ティースT1〜T8に巻回される巻線M21〜M28は、一方の導線D21又はD22の第2巻回部Mb3又はMb4と他方の導線D22又はD21の第1巻回部Ma4又はMa3とで構成されている。例えばティースT4には、セグメント10に一方の端部が電気的に接続された導線D21の第2巻回部Mb3と、セグメント13に一方の端部が電気的に接続された導線D22の第1巻回部Ma4とが配置されており、巻線M24は、一方の導線D21の第2巻回部Mb3と、他方の導線D22の第1巻回部Ma4とで構成されている。
又、導線D21,D22の第1巻回部Ma3,Ma4は、各巻線M21〜M28においてその上層を形成しており、第2巻回部Mb3,Mb4は、各巻線M21〜M28においてその上層及び下層を形成している。つまり、導線D21,D22の全てが巻線M21〜M28の上層及び下層の1組で構成されている。
以上詳述したように、本実施形態によれば、前記第1の実施形態における(1)(3)〜(7)の効果に加えて以下に示す効果が得られるようになる。
(1)導線D21の第1及び第2巻回部Ma3,Mb3の巻回方向を互いに逆向きにし、導線D22の第1及び第2巻回部Ma4,Mb4の巻回方向を互いに逆向きにしたことで、巻線M21〜M28の混雑を抑えることができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・図10に示すように、前記第1の実施の形態の巻線M1〜M8は、2本の電線による、いわゆるダブルフライヤで製造してもよい。具体的には、巻線M1〜M8の素材である一方の電線の始端Ws1を整流子108の反対側で隣接するティースT2,T3間に電気的に開放された状態で配置するとともに、他方の電線の始端Ws2を同じく整流子108の反対側で隣接するティースT6,T7間に電気的に開放された状態で配置する。つまり、これら始端Ws1,Ws2を、周方向で互いに180度ずらして配置する。この状態で、前述の規則性に従って両電線を同時に配線し、全てのティースT1〜T8に渡って第1及び第2巻回部Ma,Mbを形成する。そして、一方の電線の終端We1を他方の電線の前記始端Ws2に電気的に接続するとともに、他方の電線の終端We2を一方の電線の前記始端Ws1に電気的に接続する。このように2本の電線を同時に利用して巻線M1〜M8を製造することで、巻回工程の時間を短縮することができる。
・前記第1及び第2の実施の形態の各導線D(D11,D12)において、第1巻回部Ma(Ma1,Ma2)の配置されるティースから、第2巻回部Mb(Mb1,Mb2)の配置されるティースまでの個数Aは、2N/Pの切り捨て若しくは切り上げの整数であってもよい。
・前記各実施の形態において、セグメント同士の結線、即ち同電位接続を、短絡部材113に代えて、互いに絶縁された複数の導電線で行ってもよい。
・前記各実施の形態において、陽極側及び陰極側のブラシ109,110の少なくとも一方を、2本又は3本設けてもよい。
・直流モータ101の磁極数Pは「6」に限定されるものではない。又、ティース数N及びスロット数Nは「8」に限定されるものではない。さらに、セグメント数Sは「24」に限定されるものではない。即ち、磁極数Pが4以上の偶数、スロット数NがN=P±2(ただし、P=4のときN=6)、整流子のセグメント数SがS=N×(P/2)の直流モータであればよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
・全ての前記導線の抵抗が互いに同等になるように設定されることを特徴とする。この技術的思想によれば、全ての前記導線の抵抗が互いに同等であることで、前記各巻線の電気的な特性をより均一にすることができる。
第1の実施の形態における直流モータの概略平面図。 同実施の形態における直流モータの概略断面図。 同実施の形態における短絡部材の平面図。 同実施の形態における直流モータを平面状に展開した模式図。 同実施の形態の動作を説明する平面図。 (a)(b)は、同実施の形態の動作を説明するグラフ。 (a)(b)(c)は、同実施の形態の製造態様を示す平面図であり、(d)(e)は、各巻回部の配置態様を示す概略図。 第2の実施の形態における直流モータを平面状に展開した模式図。 第3の実施の形態における直流モータを平面状に展開した模式図。 別例における直流モータを平面状に展開した模式図。 従来の直流モータの概略平面図。
符号の説明
D,D11,D12,D21,D22…導線、M1〜M8,M11〜M18,M21〜M28…巻線、Ma,Ma1,Ma2,Ma3,Ma4…第1巻回部、Mb,Mb1,Mb2,Mb3,Mb4…第2巻回部、Mc,Mc1,Mc2,Mc3,Mc4…渡り線、T1〜T8…ティース、1〜24…セグメント、102…固定子、107…電機子コア、108…整流子、109,110…ブラシ。

Claims (4)

  1. 磁極数Pの界磁極を有する固定子と、
    ティース数Nのティースを有するスロット数Nの電機子コアと、
    「N×(P/2)」となるセグメント数Sのセグメントを有する整流子と、
    前記各ティースに複数回集中的に巻回されてなる巻線と、
    前記セグメントに摺接して給電を行う陽極側及び陰極側ブラシと、
    を備えた多極直流モータであって、
    前記各巻線は、
    対応する一対の前記セグメントに電気的に接続され、一の前記ティースに全巻回量の一部が巻回されてなる上層の第1巻回部と、該第1巻回部に直列接続され当該ティースのA個(Aは、2N/Pの切り捨て若しくは切り上げの整数)隣の前記ティースに全巻回量の残りが前記第1巻回部と同一方向に巻回されてなる下層の第2巻回部とを有する導線が、全ての前記ティースに亘って配設されて該全てのティースにそれぞれ構成されてなり、
    前記各ティースに巻回される巻線は、一のティースに対し下層をなす前記第2巻回部が巻回された後に前記セグメントに結線され、その後に該第2巻回部が巻回された同じティースに対し上層をなす前記第1巻回部が巻回されて、各巻線における上層及び下層が形成されていることを特徴とする多極直流モータ。
  2. 請求項1に記載の多極直流モータにおいて、
    Aは、「2N/P」の四捨五入で得られる整数であることを特徴とする多極直流モータ。
  3. 請求項1又は2に記載の多極直流モータにおいて、
    前記各巻線を構成する前記第1及び第2巻回部の巻回量の比は、「1:1」であることを特徴とする多極直流モータ。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載の多極直流モータにおいて、
    前記各導線の前記第1及び第2巻回部間を接続する渡り線は、軸方向において前記整流子の反対側に配置されていることを特徴とする多極直流モータ。
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