JP5083685B2 - 金属微粒子の表面処理方法とその金属微粒子の乾燥体ないし分散液 - Google Patents
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Description
S-S.Chang S-S.Changetal,Langmuir,15,p701(1999) H.Takahashi,Y.Niidome,T.Niidome,et al.,Langmuir,22,p2(2006)
〔1〕界面活性剤の4級アンモニウム塩のヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)と脂質のホスファチジルコリンが吸着した金属微粒子の水分散液を用い、凝集剤として、塩化水素、または塩化カリウム水溶液に溶解した6−アミノ−1−ヘキサンチオール(AHT)を用い、
上記金属微粒子が、長軸の長さが400nm未満であって、アスペクト比が1より大きいロッド状の金微粒子(金ナノロッド)であり、
上記凝集剤は金濃度0.2〜0.8mmol/Lに対してAHT濃度が0.1〜1mmol/Lであり、溶媒が塩化水素のとき、その濃度は0.2〜4mol/Lの範囲であり、溶媒が塩化カリウム水溶液のとき、その濃度は0.2〜0.4mol/Lの範囲であり、
上記金属微粒子の水分散液に上記凝集剤を添加し、該金属微粒子を凝集・沈降させ、沈降した該金属微粒子の凝集体を真空乾燥させることによって、該金属微粒子が水に再分散可能な乾燥物を得ることを特徴とする金属微粒子の表面処理方法。
〔2〕上記[1]に記載する金属微粒子の表面処理方法によって得られた金属微粒子の乾燥体。
〔3〕上記[2]に記載する乾燥体に水を添加して金属微粒子を再分散させた金属微粒子分散液。
〔4〕上記[1]に記載する処理方法において、真空乾燥して得た乾燥物に水を添加して金属微粒子を再分散させた金属微粒子分散液とし、該金属微粒子分散液に請求項1に記載する凝集剤を再び添加し、該金属微粒子を再凝集・再沈降させ、再沈降した該金属微粒子の凝集体を真空乾燥させることによって、水に再分散可能な乾燥物を繰り返し得ることを特徴とする金属微粒子の再表面処理方法。
〔5〕上記[4]に記載する表面処理方法によって再凝集・再乾燥された金属微粒子の乾燥体。
〔6〕上記[5]に記載する乾燥体に水を添加して金属微粒子を再分散させた金属微粒子分散液。
〔7〕上記[2]または上記[5]に記載する金属微粒子の乾燥体、あるいは上記[3]または上記[6]に記載する金属微粒子分散液を用いて形成した光学フィルター材料、配線材料、電極材料、触媒、着色剤、化粧品、近赤外線吸収剤、偽造防止インク、電磁波シールド材、表面増強蛍光センサー、生体マーカー、ナノ導波路、記録材料、記録素子、偏光材料、薬物送達システム(DDS)用薬物保持体、バイオセンサー、DNAチップ、または検査薬。
本発明は、
界面活性剤の4級アンモニウム塩のヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)と脂質のホスファチジルコリンが吸着した金属微粒子の水分散液を用い、凝集剤として、塩化水素、または塩化カリウム水溶液に溶解した6−アミノ−1−ヘキサンチオール(AHT)を用い、
上記金属微粒子が、長軸の長さが400nm未満であって、アスペクト比が1より大きいロッド状の金微粒子(金ナノロッド)であり、
上記凝集剤は金濃度0.2〜0.8mmol/Lに対してAHT濃度が0.1〜1mmol/Lであり、溶媒が塩化水素のとき、その濃度は0.2〜4mol/Lの範囲であり、溶媒が塩化カリウム水溶液のとき、その濃度は0.2〜0.4mol/Lの範囲であり、
上記金属微粒子の水分散液に上記凝集剤を添加し、該金属微粒子を凝集・沈降させ、沈降した該金属微粒子の凝集体を真空乾燥させることによって、該金属微粒子が水に再分散可能な乾燥物を得ることを特徴とする金属微粒子の表面処理方法である。
ン塩、第ニ級アミン塩、第三級アミン塩などを使用することができる。第四級アンモニウム塩としては、具体的には、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)など用いることができる。
CH3(CH2)nN+(CH3)3Br- (nは1〜15の整数) …(I)
400mmol/LのCTAB水溶液で合成された金ナノロッド(金含有量:1.6×10-3mol/L)のCTAB−NR20mlに10mg/mlのPCを溶解したクロロホルム溶液(PC溶液)10mlを添加し、攪拌して均一なエマルジョンにした。この溶液を冷蔵庫で水相とクロロホルム層に分離するまで放置した。分離後、水相のみを取り出し、新たにPC溶液10mlを添加する操作を2回繰り返し行い、残存CTABとPCで表面処理された金ナノロッドの水分散液20mlが得られた。この金ナノロッド水分散液を採取し、遠心分離(25℃、6000rpm、20min)を行い、過剰なPCを除去して、PC−NR水分散液0.5ml(金含有量:6.4×10-2mol/L)を得た。
PC−NR水分散液(図1分光特性の黒丸印の線)0.20mlに凝集剤(塩酸濃度0.25mol/L、AHT濃度0.5mmol/L)を2ml添加し攪拌した。分散液の色は赤色から薄い黒色へと変化し、金ナノロッドが凝集したことが確認された。この凝集物は水を添加すると再分散することが確認された(図1分光特性の点線)。凝集物が発生した溶液をそのまま放置すると黒色物が沈殿した。上澄みを除去し、真空乾燥を2時間行い、金ナノロッドの乾燥体を得た。この乾燥体に2mlの水を添加すると赤色の分散液が得られ、分光特性より金ナノロッドが再分散したことが確認された(図1分光特性の三角印の線)。
凝集剤の溶媒(塩酸)の濃度が0.50mol/Lである以外は実施例1と同様に調整した。この結果、実施例1と同様に、金ナノロッドの凝集が確認され、真空乾燥によって乾燥体が得られた。この乾燥体に2mlの水を添加すると赤色の分散液が得られ、分光特性より金ナノロッドが再分散したことが確認された。
凝集剤の溶媒(塩酸)の濃度が1.00mol/Lである以外は実施例1と同様に調整した。この結果、実施例1と同様に、金ナノロッドの凝集が確認され、真空乾燥によって乾燥体が得られた。この乾燥体に2mlの水を添加すると赤色の分散液が得られ、分光特性より金ナノロッドが再分散したことが確認された。
凝集剤の溶媒が濃度0.25mol/Lの塩化カリウム水溶液である以外は、実施例1と同様に調整した。この結果、実施例1と同様に、金ナノロッドの凝集が確認され、真空乾燥によって乾燥体が得られた。この乾燥体に2mlの水を添加すると赤色の分散液が得られ、分光特性より金ナノロッドが再分散したことが確認された。
実施例1と同様に調整して水に再分散(1回目)した金ナノロッド水分散液0.20mlに、凝集剤(塩酸濃度0.25mol/L、AHT濃度0.5mmol/L)を2ml添加し攪拌した。溶液の色は赤色から薄い黒色へと変化し、金ナノロッドが再凝集したことが確認された。その後、溶液を放置すると黒色物が沈殿した。上澄みを除去し、真空乾燥を2時間行い、金ナノロッドの乾燥体を得た。この乾燥体に2mlの水を添加すると赤色の分散液が得られ、分光特性より金ナノロッドが2回目の再分散をしたことが確認された(図1分光特性の四角印の線)。さらに、2回目の再分散液0.20mlに、凝集剤(塩酸濃度0.25mol/L、AHT濃度0.5mmol/L)を2ml添加し攪拌した。分散液の色は赤色から薄い黒色へと変化し、金ナノロッドが再凝集したことが確認された。その後、溶液を放置すると黒色物が沈殿した。上澄みを除去し、真空乾燥を2時間行い、金ナノロッドの乾燥体を得た。この乾燥体に2mlの水を添加すると赤色の分散液が得られ、分光特性より金ナノロッドが3回目の再分散をしたことが確認された。(図1分光特性の黒線)。
実施例1と同様に調整して得た金ナノロッド乾燥体を30℃で24時間保管し、水2mlを添加した。この結果、赤色の分散液が得られ、分光特性より金ナノロッドが再分散したことが確認された(図2の分光特性の黒丸線)。
実施例1と同様に調整して得られた金ナノロッド乾燥体を4℃で1週間保管し、水2mlを添加した。この結果、赤色の分散液が得られ、分光特性より金ナノロッドが再分散をしたことが確認された(図2分光特性の点線)。
実施例1と同様に調整して得られた金ナノロッド乾燥体を−30℃で1週間保管し、水2mlを添加した。この結果、赤色の分散液が得られ、分光特性より金ナノロッドが再分散をしたことが確認された(図2分光特性の三角印の線)。
実施例1と同様に調整して得られた金ナノロッド乾燥体を−80℃で1週間保管し、水2mlを添加した。この結果、赤色の分散液が得られ、分光特性より金ナノロッドが再分散をしたことが確認された(図2分光特性の四角印の線)。
実施例1と同様に調整して得られた金ナノロッド乾燥体を−30℃で2ヵ月保管し、水2mlを添加した。この結果、赤色の分散液が得られ、分光特性より金ナノロッドが再分散をしたことが確認された(図3分光特性の黒丸線)。
実施例1と同様に調整して得られた金ナノロッド乾燥体を−80℃で2ヵ月保管し、水2mlを添加した。この結果、赤色の分散液が得られ、分光特性より金ナノロッドが再分散をしたことが確認された(図3分光特性の点線)。
凝集剤の溶媒(塩酸)の濃度が0.10mol/Lである以外は、実施例1と同様に調整した。この結果、分散液の色は赤色から変化せず、金ナノロッドの凝集は確認されなかった。
凝集剤の溶媒(塩酸)の濃度が6.0mol/Lである以外は、実施例1と同様に調整した。この結果、分散液の色は赤色から薄い黒色へと変化し、金ナノロッドが凝集したことが確認された。凝集物が発生した溶液をそのまま放置すると黒色物が沈殿した。上澄みの除去し、真空乾燥を2時間行い、金ナノロッドの乾燥体を得た。この乾燥体に2mlの水を添加したが、金ナノロッドの再分散は確認されなかった。
凝集剤のAHT濃度が0.05mmol/Lである以外は実施例1と同様に調整した。この結果、分散液の色は赤色から薄い黒色へと変化し、金ナノロッドが凝集したことが確認された。凝集物が発生した溶液をそのまま放置すると黒色物が沈殿した。上澄みを除去し、真空乾燥を2時間行い、金ナノロッドの乾燥体を得た。この乾燥体に2mlの水を添加したが、金ナノロッドの再分散は確認されなかった。
凝集剤の溶媒(塩化カリウム)の濃度が0.10mol/Lである以外は実施例4と同様に調整した。この結果、分散液の色は赤色から変化せず、金ナノロッドの凝集は確認されなかった。
凝集剤の溶媒(塩化カリウム)の濃度が濃度0.50mol/Lである以外は実施例4と同様に調整した。分散液の色は赤色から薄い黒色へと変化し、金ナノロッドが凝集したことが確認された。凝集物が発生した溶液をそのまま放置すると黒色物が沈殿した。上澄みを除去し、真空乾燥を2時間行い、金ナノロッドの乾燥体を得た。この乾燥体に2mlの水を添加したが、金ナノロッドの再分散は確認されなかった。
実施例1と同様に調整して得られた金ナノロッド乾燥体を30℃で48時間保管し、水2mlを添加した。この結果、金ナノロッドは水に再分散しなかった。
実施例1と同様に調整して得られた金ナノロッド乾燥体を5℃で2ヵ月保管し、水2mlを添加した。この結果、金ナノロッドは水に再分散しなかった。
凝集剤にAHTを添加しない以外は、実施例1と同様に調整した。この結果、分散液の色は赤色から変化せず、金ナノロッドの凝集は確認されなかった。
凝集剤にAHTを添加しない以外は、実施例2と同様に調整した。この結果、分散液の色は赤色から変化せず、金ナノロッドの凝集は確認されなかった。
凝集剤にAHTを添加しない以外は、実施例3と同様に調整した。この結果、分散液の色は赤色から薄い黒色へと変化し、金ナノロッドが凝集したことが確認された。凝集物が発生した溶液をそのまま放置すると黒色物が沈殿した。上澄みの除去し、真空乾燥を2時間行い、金ナノロッドの乾燥体を得た。この乾燥体に2mlの水を添加したが、金ナノロッドの再分散は確認されなかった。
PC−NRの代わりにCTAB−NR水分散液を用いる以外は、実施例1と同様に調整した。分散液の色は赤色から薄い黒色へと変化し、金ナノロッドが凝集したことが確認された。凝集物が発生した溶液をそのまま放置すると黒色物が沈殿した。上澄みを除去し、真空乾燥を2時間行い、金ナノロッドの乾燥体を得た。この乾燥体に2mlの水を添加したが、金ナノロッドの再分散は確認されなかった。
水に再分散(1回目)した金ナノロッド水分散液0.20mlに、凝集剤(塩酸濃度0.25mol/L、AHT添加なし)を2ml添加し攪拌した。溶液の色は赤色から薄い黒色へと変化し、金ナノロッドが再凝集したことが確認された。その後、溶液を放置すると黒色物が沈殿した。上澄みを除去し、真空乾燥を2時間行い、金ナノロッドの乾燥体を得た。この乾燥体に2mlの水を添加したが金ナノロッドは再分散しなかった。
Claims (7)
- 界面活性剤の4級アンモニウム塩のヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)と脂質のホスファチジルコリンが吸着した金属微粒子の水分散液を用い、凝集剤として、塩化水素、または塩化カリウム水溶液に溶解した6−アミノ−1−ヘキサンチオール(AHT)を用い、
上記金属微粒子が、長軸の長さが400nm未満であって、アスペクト比が1より大きいロッド状の金微粒子(金ナノロッド)であり、
上記凝集剤は金濃度0.2〜0.8mmol/Lに対してAHT濃度が0.1〜1mmol/Lであり、溶媒が塩化水素のとき、その濃度は0.2〜4mol/Lの範囲であり、溶媒が塩化カリウム水溶液のとき、その濃度は0.2〜0.4mol/Lの範囲であり、
上記金属微粒子の水分散液に上記凝集剤を添加し、該金属微粒子を凝集・沈降させ、沈降した該金属微粒子の凝集体を真空乾燥させることによって、該金属微粒子が水に再分散可能な乾燥物を得ることを特徴とする金属微粒子の表面処理方法。 - 請求項1に記載する金属微粒子の表面処理方法によって得られた金属微粒子の乾燥体。
- 請求項2に記載する乾燥体に水を添加して金属微粒子を再分散させた金属微粒子分散液。
- 請求項1に記載する処理方法において、真空乾燥して得た乾燥物に水を添加して金属微粒子を再分散させた金属微粒子分散液とし、該金属微粒子分散液に請求項1に記載する凝集剤を再び添加し、該金属微粒子を再凝集・再沈降させ、再沈降した該金属微粒子の凝集体を真空乾燥させることによって、水に再分散可能な乾燥物を繰り返し得ることを特徴とする金属微粒子の再表面処理方法。
- 請求項4に記載する表面処理方法によって再凝集・再乾燥された金属微粒子の乾燥体。
- 請求項5に記載する乾燥体に水を添加して金属微粒子を再分散させた金属微粒子分散液。
- 請求項2または請求項5に記載する金属微粒子の乾燥体、あるいは請求項3または請求項6に記載する金属微粒子分散液を用いて形成した光学フィルター材料、配線材料、電極材料、触媒、着色剤、化粧品、近赤外線吸収剤、偽造防止インク、電磁波シールド材、表面増強蛍光センサー、生体マーカー、ナノ導波路、記録材料、記録素子、偏光材料、薬物送達システム(DDS)用薬物保持体、バイオセンサー、DNAチップ、または検査薬。
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