JP5083149B2 - 座標入力システム - Google Patents
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上記座標入力システムの座標検出方法として、入力パネルが受信側であるような、座標指示器(以下入力ペンとする)から信号を発信し、静電容量結合もしくは直接の接触を介して、面抵抗体1が、入力ペンから発信された信号を受信する方法、更には面抵抗体全体を電圧振動させて、指又は導電物で指示した点の位置を入力パネル側で検出する方法、及び、信号伝達の方向がこれと逆であって、入力パネルが発信側であるような、面抵抗体1の各部を信号駆動し、入力ペンで受信する方法がある。
入力パネルが受信側である場合は、面抵抗体1の一点に出入りする電流の、4頂点(3、4、5、及び6)へ配分される電流値を計測するものが知られている(特開2000−132319号公報(特許文献1)参照)。一方、入力パネルが発信側である場合は、面抵抗体1に、検出電極3、4、5、及び6を通じて外部から電位勾配を与え、入力ペンによって指示座標点の電圧レベルを検出するものが知られている。指や入力ペンで指示した位置の座標は、面抵抗体1に出入りする電流の4頂点への配分値、もしくは4頂点を駆動した際に入力ペンで計測した電圧を用いて、計算される。
<第1の実施の形態>
図1は、第1の実施の形態になる座標入力システムの一例を示す構成図であり、入力パネルが受信側である場合である。指11が入力パネル12の座標入力領域13内で指示した位置(X,Y座標)を検出する座標入力システムの構成図である。面抵抗体14は、透明なガラス、樹脂、または不透明な絶縁基材の片面に塗布、蒸着等により均一に形成したものである。面抵抗体14の表面は、指11が面抵抗体14に直接触れない様に絶縁処理することによって、指11と面抵抗体14との静電容量結合による信号伝達をさせるようにしてもよいし、絶縁処理せず、指11と面抵抗体14の直接的な電気的接触による信号伝達をさせるようにしてもよい。ここでは、面抵抗体14の表面に絶縁処理をした場合を説明する。均一な面抵抗体14の周囲又は内部に、各辺が直線であるN角形の抵抗性周囲電極15を密着配設し、抵抗性周囲電極15の内部を座標入力領域13とする(図1には5角形の例を示す)。抵抗性周囲電極15上において、多角形の座標入力領域13の各頂点に当たる位置を検出電極16〜20とし、そこにそれぞれ1本ずつ引き出し線21〜25を接続する。引き出し線21〜25を、アナログ信号処理部26内の振動電圧印加回路27に接続する。
また、入力ペンから信号を発信する場合も、同様にして計測することが可能である。
単連結である面抵抗体の周囲又は内部に、各辺が直線であるN角形(長方形を除く)の抵抗性周囲電極を、全ての辺が面抵抗体と電気的に接触する様に設ける。ここで単連結とは、面抵抗体14は内部に孤立した穴が存在しないような形状であり、ひとつながりになっていることを意味するものである。ただし、蒸着等成膜方法によって面抵抗体14上に生じるピンホール程度の大きさの穴のような、面抵抗体14内部の電流の巨視的な流れを阻害しないものであれば、あっても何ら問題にならない。また、受傷などによってより大きな穴が生じた場合は、少なくともその穴の周りで、穴の大きさに応じて座標が歪むものの、穴から離れるほど指11や入力ペンの指示位置の座標計算に及ぼす影響は小さくなるため、穴が小さければ、実用上の問題は生じない。
尚、数式1は、長方形の座標入力領域に対して適用すると、既知の座標計算式と同一のものになる。このことは、数式1が、長方形(正方形を含む)のような、特に計算しやすい形状であった場合に従来から知られていた座標計算式を、任意の多角形に一般化したものであることを示している。
図3は、第2の実施の形態になる座標入力システムの一例を示す構成図であり、入力パネルが発信側である場合である。第1の実施の形態と同じ箇所については、説明を適宜省略する。座標指示器(入力ペン)32が入力パネル33の座標入力領域34内で指示した位置(X,Y座標)を検出する座標入力システムの構成図である。均一な面抵抗体35の周囲又は内部に、各辺が直線であるN角形の抵抗性周囲電極36を密着配設し、抵抗性周囲電極36の内部を座標入力領域34とする(図3には、凹部を持つ6角形の例を示す)。ここでも第1の実施の形態と同様、面抵抗体14の表面に絶縁処理をした場合を説明する。抵抗性周囲電極36上の、多角形の座標入力領域34の各頂点に当たる位置を駆動電極37〜42とし、そこにそれぞれ1本ずつ引き出し線43〜48を接続する。引き出し線43〜48を、それぞれスイッチ49〜54に接続する。
この操作を駆動電極の数だけ繰り返し、それらのデータを基にして、後述するような方法で、入力ペン32の指示位置の座標を計算する。
本実施例は、第1の実施の形態に対応するものである。入力パネル12の座標入力領域13の形状は、図4に示すように、隣り合う頂点が凸と凹の関係であるような、手裏剣型とした。多角形としては、凹部を持つ8角形になる。面抵抗体14は、四角いガラス基材の上に、8角形の形状にNESA(酸化錫)膜を形成した。抵抗性周囲電極15は、銀カーボンインクのスクリーン印刷によって手裏剣型に形成し、面抵抗体部13をガラス系コーティング剤で絶縁処理した。抵抗性周囲電極15の8つの頂点に引き出し線を接続し、図1に示した構成図のように作成したハードウエアに接続した。ただし、振動電圧印加回路27は8個使用し、8個の入力を処理できるアナログマルチプレクサ29を使用して、CPU31が入力チャネルを切り替えられるようにした。CPU31から出力される座標データを、シリアル通信によってパソコンに取り込むようにした。
結果を図5に示す。分かりやすいように、得られた座標を縦横の格子で接続して描いた。
本実施例は、実施例1のハードウエアとソフトウエアを使用し、入力パネル12を変更したものである。座標入力領域13の形状は、図6に示すように、略C字型の8角形とした。入力パネルの作成方法は実施例1と同様である。
実施例1と同様に試験した結果を、図6に示す。
本実施例は、第2の実施の形態に対応するものである。入力パネル33として、実施例1で作成した、座標入力領域34が手裏剣型の凹部を持つ8角形である入力パネルを使用した。抵抗性周囲電極36の8つの頂点に接続した引き出し線を、図3に示した構成図のように作成したハードウエアに接続した。ただし、スイッチは8個使用し、CPU59は8個のスイッチの接続を、任意の組み合わせに設定できるようにした。また、実施例1と同様に、CPU59から出力される座標データを、シリアル通信によってパソコンに取り込むようにした。
結果を図7に示す。
特許3821002号(特許文献3)に基づいて、座標を計算するには、「必ずしも正対する辺に設けられた電極同士を選択する必要はないが、正対する辺同士を選ぶことが望ましい」ような、略正対する2つの辺を選択して、2つの辺の間を結ぶ座標軸を設定する必要がある。実施例1の構成では、抵抗性周囲電極15のうちから多角形を構成する辺のうち2つを選択することになる。実施例1の構成では、座標軸を自動的に切り替える機能がないので2次元座標を直接計算することはできないが、2つの辺を選択すれば、それぞれの辺の両端にある検出電極、合計4つの検出電極のみを有効とするために、8つの検出電極のうち、選択した辺の両端にない4つの検出電極の引き出し線の接続を外し、選択した2つの辺のそれぞれ両端にある検出電極の計測値を辺ごとに合計することによって、選択した2つの辺の間の座標を計算することができるはずである。従って、手動で引き出し線を接続したり外したりして座標軸を設定し、座標軸ごとに座標値を求めることによって、相当する機能を実現することができるはずである。
本実施例は、第1の実施の形態に対応するものである。座標入力領域13の形状は、図1に示すように、正5角形とした。入力パネルの作成方法は実施例1と同様である。ハードウエアは実施例1と同じものを使用したが、ソフトウエアを変更し、CPU31からは、座標データを出力するのではなく、検出電極16〜20の電流値を計測した値を出力し、パソコンに取り込むようにした。そして、座標の計算をパソコン上で行った。
結果を図8に示す。
実施例4と同じ構成を用い、特許3821002号(特許文献3)に基づいて、座標を計算するように、手順とソフトウエアを変更した。2つの座標軸として、正5角形の左上の辺と右下の辺を選択し、両辺をつなぐ軸、及び、正5角形の右上の辺と左下の辺を選択し、両辺をつなぐ軸、を設定した。ハードウエアが専用でないため、前者の軸を計測するときは正5角形の左下の頂点にある検出電極の引き出し線の接続を外し、後者の軸を計測するときは正5角形の右下の頂点にある検出電極の引き出し線の接続を外す必要がある。そのようにして計測した数値をパソコンに取り込み、座標の計算をパソコン上で行うようにした。
座標の計算は、次のようにして行った。例えば、正5角形の左上の辺と右下の辺を選択したときは、左上の辺の中点と、右下の辺の中点とを結ぶ線上で、計測データから求めた座標を計算した。次に、計算結果の座標を通り、左上の辺の中点と、右下の辺の中点とを結ぶ線と直交する直線を求めた。この直線と、正5角形の右上の辺と左下の辺を選択して同様に計算した結果得られた直線との交点を求め、その交点の座標を指示位置とした。
結果を図9に示す。
実施例4と比較例2について、パソコン上でそれぞれ座標を計算するのに必要な演算回数をプログラムから推定すると、比較例2の方が、計算手順が複雑であるため、演算回数が多かった。比較例2において、座標が歪んでいる原因の一つは、例えば、正5角形の左上の辺と右下の辺を選択したときに、二つの辺が互いに平行ではないにもかかわらず、指示位置の座標が、その座標軸において求めた座標を通り、辺の中点同士を結んだ直線と直交する直線上にあると想定したことにあると考えられる。二つの辺が互いに平行でないことを考慮して、求める直線の傾きを調整すれば、最終的に求める指示位置の座標がより正確になる可能性があるが、特許3821002号(特許文献3)にはその点は開示されていない。また、座標軸の数を更に増加させることによっても、座標がより正確になる可能性がある。しかし、これらの手法を実装すると、計算量が更に大きく増大すると見込まれる。従って、本発明に係る座標入力システムが、簡単な計算式によって指や入力ペンの指示位置を計算できることが確認された。
2 抵抗性周囲電極
3、4、5、6 検出電極
11 指
12 入力パネル
13 座標入力領域
14 面抵抗体
15 抵抗性周囲電極
16、17、18、19、20 検出電極
21、22、23、24、25 引き出し線
26 アナログ信号処理部
27 振動電圧印加回路
28 振動電圧発生器
29 アナログマルチプレクサ
30 A/Dコンバータ
31 CPU
32 座標指示器(入力ペン)
33 入力パネル
34 座標入力領域
35 面抵抗体
36 抵抗性周囲電極
37、38、39、40、41、42 駆動電極
43、44、45、46、47、48 引き出し線
49、50、51、52、53、54 スイッチ
55 信号発生器
56 ケーブル
57 アナログ信号処理部
58 A/Dコンバータ
59 CPU
Claims (2)
- 単連結である面抵抗体の周囲又は内部に、各辺が直線であるN角形(長方形を除く)の抵抗性周囲電極を、全ての辺が面抵抗体と電気的に接触する様に設けると共に、該抵抗性周囲電極の内部を座標入力領域とする座標入力システムであって、前記座標入力領域を指又は信号発信機能を持つ座標指示器で指示したときに、前記抵抗性周囲電極のN個の頂点に流れる電流を計測する電流計測手段と、前記N個の頂点に流れる電流値から前記指又は座標指示器で指示した前記座標入力領域の位置を計算する座標計算手段とを持ち、該座標計算手段は、前記N角形の座標入力領域上の直交座標系(x,y)において、前記指又は信号発生機能を持つ座標指示器で指示した座標(X,Y)を、前記N角形の抵抗性周囲電極のN個の頂点の座標(xj,yj)(j=1,...,N)、前記N個の頂点に流れる電流値ij(j=1,...,N)を用いて、次の数式1によって計算することを特徴とする座標入力システム。
- 単連結である面抵抗体の周囲又は内部に、各辺が直線であるN角形(長方形を除く)の抵抗性周囲電極を設けると共に、該抵抗性周囲電極の内部を座標入力領域とする座標入力システムであって、前記座標入力領域を座標指示器で指示したときに、前記抵抗性周囲電極のN個の頂点のうち任意の1個の頂点を駆動し残りの(N−1)個の頂点を接地した際の座標指示器の位置の電圧を計測する電圧計測手段と、前記N個の頂点のうち任意の1個の頂点を順次駆動したときに計測した電圧から前記座標指示器で指示した前記面抵抗体の位置を計算する座標計算手段とを持ち、該座標計算手段は、前記N角形の座標入力領域上の直交座標系(x,y)において、前記座標指示器で指示した座標(X,Y)を、前記N角形の抵抗性周囲電極のN個の頂点の座標(xj,yj)(j=1,...,N)、前記N個の頂点のうち任意の1個の頂点jを順次駆動した際に計測した電圧値vj(j=1,...,N)を用いて、次の数式2によって計算することを特徴とする座標入力システム。
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