JP5077316B2 - 最適潮流計算方法及び最適潮流計算装置 - Google Patents

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本発明は、電力系統の最適な運用状態を得るための発電機の出力分布と端子電圧、調相設備量及び変圧器タップを決定する最適潮流計算方法及び装置に関する。
近年、電力事業は、電力託送やIPPなどの多様な事業形態が混在する競争環境へと移行しつつある。このような競争環境においては、電力系統の計画・運用を客観的且つ高精度に評価することが必要で、系統の経済性や信頼性をより効率的に解析・評価する技術が重要である。この系統計画、運用に対する解析技術としては、最適潮流計算(OPF:Optimal Power Flow)の応用が期待されている(例えば特許文献1参照)。
この最適潮流計算(OPF:Optimal Power Flow)とは計画・運用上の各種制約を満足しつつ燃料費コストや送電損失などを最小とするように、制御・調整が可能な電力系統の各構成要素の設定値(発電機有効電力出力、端子電圧、調相設備の投入量、変圧器タップ比等)を決定する非線形最適化問題である。
最適潮流計算は、数理計画問題として以下のように定式化することが出来る。
Figure 0005077316
ここで、xは電圧解であり、電力系統を構成する各母線の電圧の大きさと位相角とから構成される電圧ベクトルの集合である。uは制御変数であり、基本的に電力系統の構成要素において制御・調整が可能な量(制御量)を表す変数である。本稿では、電力系統を構成する諸設備の設定要素を制御変数uとする。具体的には、発電機の有効電力出力及び端子電圧、調相設備の無効電力出力(投入量)、変圧器のタップ比及び移相器の位相角、直流送電線の潮流、無効電力補償装置SVC(Static Var Compensator)の設定基準電圧、負荷の有効・無効電力(負荷遮断)などから構成されるベクトルである。zは従属変数であり、制御変数の設定により従属的に決まる変数である。発電機の有効電力出力と端子電圧を指定することにより決まる発電機の無効電力出力、調相設備の投入量や変圧器タップ比等により決まる系統のアドミタンス行列などから構成されるベクトルである。
パラメータは、OPFにおいて固定値として扱われる定数ベクトルである。(1)〜(4)式の定式化においてパラメータは記述されていないが、目的関数と制約条件に関する数式は変数とパラメータとで表現されるものである。パラメータは主に、電力系統内の機器の定数や運用上の制限値などであり、線路インピーダンス、母線電圧、発電機の有効・無効電力出力、調相設備の容量に対する上下限値などから構成されるベクトルである。f(x,u,z)は最適化したい単一の目的関数である。OPFにおいて一般的に用いられている目的関数の例としては以下のようなものがある。
a.総燃料コスト:発電機の経済負荷配分、
b.有効電力損失:ネットワークの有効利用、
c.各種の設備量:調相設備等の最適計画、
d.各種の制御量:最小の制御量で運用制約を満足する方策、
e.社会便益:『生産者余剰』+『消費者余剰』の最大化、
f.無効電力損失:間接的に電圧安定性を考慮、
g.送電可能電力:ATC(Available Transfer Capability)、TTC(Total Transfer Capability)の評価などである。
また、(2)式は潮流方程式を表している。潮流方程式には、ネットワークの接続関係やインピーダンス等の物理的な情報と電力の需給バランスなどが含まれている。(3)式は潮流方程式以外の等式制約であり、変圧器等の機器の特性、SVCなど制御装置のロジックを表わす方程式、電圧安定度や過渡安定度等の安定度の制約などが満たすべき一連の方程式である。(4)式は不等式制約であり、電圧の大きさやブランチ潮流等、全ての制御変数の上下限値を指定する制約である。発電機の有効・無効電力出力、電力系統各所の電圧(母線電圧)、送電線や変圧器に流れる潮流等は、系統及び機器を安定に運用するための範囲を持っており、不等式制約として表わされる。上記のような最適潮流計算に適用される代表的な解法としては、シンプレックス法、逐次2次計画法、拡張ラグランジュ関数法、縮約勾配法、射影拡張ラグランジュ関数法、逐次線形計画法、内点法などがある。
図8は従来の最適潮流計算をコンピュータにより行う場合の処理手順を示したフローチャートである。まず、ステップ201にて、初期状態の読み込みを行う。ステップ202にて、目的関数及び制約条件の読み込みを行う。ステップ203にて、目的関数と制約条件式の作成を行う。ステップ204にて、上記した最適潮流計算を行う。その場合の解法としては、シンプレックス法、逐次2次計画法、拡張ラグランジュ関数法、縮約勾配法、射影拡張ラグランジュ関数法、逐次線形計画法、内点法等の中の適当なものを用いる。こうして得た最適潮流計算結果をステップ205にて出力する。
特開2004−187390号公報
しかしながら、上記した従来の最適潮流計算において、変圧器タップ比や調相設備投入量は制御変数uの要素として扱っている。定式化するにあたっては、各変圧器タップ比や調相設備投入量はそれぞれ独立に動作するものとして、その調整幅のみを制約条件としていた。一方、実際の電力系統においては、変圧器タップ比や調相設備投入量は個々に独立して動くことはできない場合がある。実際に運用している並列バンク群(一次側接続母線、二次側接続母線が共に同一である変圧器群)の各変圧器タップ比は無効横流を抑制し、変圧器抵抗損を低減するために同一タップ比で運転する。また、並列バンク群の各変圧器の調相設備において一方ではコンデンサを投入し、他方ではコンデンサと相反する機能を持つリアクトルを投入するということは設備の運用としてはありえない。
一般的に最適潮流計算を行った場合、タップ変数や調相設備の投入量に関しては、それぞれ独立に動作するとして定式化する。この定式化でも、例えば、無効電力損失最小化を目的関数とした場合には、実用的な解が算出される。しかし、燃料費最小化を目的関数とすると、制御変数の要素である変圧器タップ比や調相設備投入量は目的関数値に対する影響が無くなるため、並列バンク群の各変圧器間で異なる変圧器タップ比となったり、調相設備投入量が一方の変圧器ではコンデンサを投入し、他方ではリアクトルを投入するという実際の運用では許されない解に収束することがある。
本発明は上記目的を達成するため、本発明は、電力系統の最適な運用状態を得るために電力系統を構成する諸設備の設定要素を決定すべく制約条件を用いて前記電力系統の最適潮流計算をする最適潮流計算方法であって、前記制約条件に追加して調相設備の投入量を制約する制約条件を設定する手段を設け、前記最適潮流計算の目的関数に応じて、前記既存の制約条件及び前記設定される制約条件を用いて前記電力系統の最適潮流計算を行う最適潮流計算方法であって、前記最適潮流計算において並列バンク群の調相設備の総投入量をYとし、並列バンク群の各変圧器三次母線iの無効電力注入量をQi、母線電圧をVi、三次母線iに接続する調相設備投入量の上限値をYimax、下限値をYimin、kiCをYimax/ΣYimax、kiLをYimin/ΣYiminとした場合、Y=0の場合、Qi=0であり、この時、QiをYで偏微分した値を仮値として定義することを特徴とする。
また、本発明は、前記仮値が、(kiC+kiL)Vi 2 /2であることを特徴とする。
また、前記調相設備の投入量を制約する制約条件とは、前記最適潮流計算結果により投入される前記調相設備の属性は同一であるとした制約であることを特徴とする。
また、本発明は、電力系統の最適な運用状態を得るために電力系統を構成する諸設備の設定要素を決定すべく制約条件を用いて前記電力系統の最適潮流計算をする最適潮流計算装置であって、前記制約条件に追加して調相設備の投入量を制約する制約条件を設定する設定手段と、前記最適潮流計算の目的関数に応じて、前記既存の制約条件及び前記設定される制約条件を用いて前記電力系統の最適潮流計算を行う計算手段とを具備し、前記最適潮流計算において並列バンク群の調相設備の総投入量をYとし、並列バンク群の各変圧器三次母線iの無効電力注入量をQi、母線電圧をVi、三次母線iに接続する調相設備投入量の上限値をYimax、下限値をYimin、kiCをYimax/ΣYimax、kiLをYimin/ΣYiminとした場合、Y=0の場合、Qi=0であり、この時、QiをYで偏微分した値を仮値として定義することを特徴とする。
また、本発明は、電力系統の最適な運用状態を得るために電力系統を構成する諸設備の設定要素を決定すべく制約条件を用いて前記電力系統の最適潮流計算をする最適潮流計算方法であって、前記制約条件に追加して前記諸設備を構成する一部の変圧器のタップ比を同一とする制約条件及び前記調相設備の投入量を制約する制約条件を設定する手段を設け、前記最適潮流計算の目的関数に応じて、前記既存の制約条件及び前記設定される両制約条件を用いて前記電力系統の最適潮流計算を行うことを特徴とする。
このように本発明では、並列バンク群の変圧器タップ比の制約及びと調相設備投入量の制約(投入する調相設備の属性が同一である、具体的にはコンデンサとリアクトルのいずれか一方のみを投入すること)のいずれか一方または両方について適切な定式化を図って最適潮流計算に組み入れることにより、どのような目的関数においても、実際の運用に則した解を得ることを可能にした。
さらに、並列バンク群の変圧器タップ比の定式化において制約式を増加させた場合においても、問題と考えられていた制約式の増加による計算時間の増大及び、収束性の悪化を生じさせず、最適潮流計算における検索空間を効果的に狭めることにより、逆に計算時間を短縮することを可能にした。また、調相設備投入量の適切な定式化により制御変数を減少させ、計算時間を大幅に削減することができる。
本発明によれば、並列バンク群の変圧器タップ比及び調相設備投入量のいずれか一方または両方の制約について適切な定式化を図り最適潮流計算に組み入れることにより、計算時間を短縮化しつつ、目的関数がどのようなものであっても最適潮流計算結果として実際の運用に則した妥当な解を得ることができる。
本発明の一実施形態に係る最適潮流計算装置の構成を示したブロック図である。 本発明の一実施形態に係る最適潮流計算方法を前記最適潮流計算装置で実施する場合の処理手順を示したフローチャートである。 電力系統のノードの1例を示した図である。 SVCモデルの1例を示した図である。 並列バンク群の構成例を示した図である。 目的関数が有効電力損失最小化の場合の最適潮流計算の計算速度を評価した図である。 目的関数が無効電力損失最小化の場合の最適潮流計算の計算速度を評価した図である。 従来の最適潮流計算をコンピュータにより行う場合の処理手順を示したフローチャートである。
計算時間を短縮化しつつ、目的関数がどのようなものでも最適潮流計算結果として実際の運用に則した妥当な解を得る目的を、並列バンク群の変圧器タップ比及び調相設備投入量のいずれか一方または両方の制約について適切な定式化を図り最適潮流計算に組み入れて計算することによって実現した。
図1は、本発明の一実施形態に係る最適潮流計算装置の構成例を示したブロック図である。最適潮流計算装置は、初期条件や条件設定情報などを演算部12に入力する入力部11、最適潮流計算を実行する演算部12、最適潮流計算などをディスプレイなどに出力する出力部13を有して構成され、演算部は更に初期潮流状態設定部121、目的関数設定部122、制約条件設定部123、最適潮流計算演算部124を有している。
図2は、本発明の一実施形態に係る最適潮流計算方法を前記最適潮流計算装置で実施する場合の処理手順を示したフローチャートである。
まず、ステップ101にて、入力部11から入力される初期状態の読み込みを行う。この初期状態を決める読み込みデータとしては、計算精度、系統基準容量等があり、また、ノード関連データとして(a)発電機のノードID、基準電圧、指定電圧、有効電力出力等、(b)負荷のノードID、基準電圧、有効電力負荷、無効電力負荷、等、(c)調相設備のノードID、定格電圧、投入量等がある。
また、ブランチ関連データとして、(a)送電線のブランチID、from側ノードID、to側ノードID、抵抗、リアクタンス、アドミタンス等、(b)変圧器のブランチID、from側ノードID、to側ノードID、抵抗、リアクタンス、アドミタンス、from側タップ電圧、to側タップ電圧等がある。
ステップ102にて、入力部11から入力される目的関数及び制約条件の読み込みを行う。読み込む目的関数は例えば以下に示す複数の種類がある。
(a)燃料費コスト最小化
Figure 0005077316
但し、nGは発電機数、PGiは発電機有効電力、αiは燃料費(円/MW/MW)、βiは燃料費(円/MW)、γは燃料費(円)を示している。
(b)有効電力損失最小化
Figure 0005077316
但し、nLは負荷数、PLiは負荷iの有効電力負荷を示している。
(C)調相設備絶対値和最小化
Figure 0005077316
但し、nCRは調相設備数、BCRiは調相設備iの調相設備投入量を示している。
無効電力損失最小化
Figure 0005077316
但し、nはノード数、nSVCはSVC数、QGi、QCRi、QYci、QSVCi、QLiはそれぞれ個別の発電機、調相設備、対地静電容量、SVC、負荷の無効電力を示している。
制約条件としては以下のものを読み込む。ノード関連データとして、電圧の上限値Vimax、下限値Vimin、有効電力出力の上限値PGimax、下限値PGimin、無効電力出力の上限値QGimax、下限値QGimin、有効電力負荷の上限値PLimax、下限値PLimin、無効電力負荷の上限値QLimax、下限値QLimin、調相設備投入量の上限値Yimax、下限値Yimin等である。
ブランチ関連データとして、潮流制約の上限値PFimax、下限値PFimin、変圧器タップ電圧の上限値TAPimax、変圧器タップ電圧の下限値TAPimin等がある。従来にない新たに読み込むデータとして、並列バンク群ごとの変圧器ブランチIDリスト及び変圧器3次母線IDリストがある。
ステップ103にて、目的関数設定部122において目的関数と制約条件式の作成を行うと共に制約条件設定部123で制約条件に関わる諸式を生成する。目的関数はステップ102で読み込んだ目的関数及び係数をそのまま用いる。また、以下に示すような潮流方程式を作成する。これは、すべてのノード毎の有効電力、無効電力、及び全てのブランチの線路潮流を表す方程式で、例えば図3に示すようなノードにおける潮流方程式は以下の通りである。
Figure 0005077316
但し、ノードij間のアドミタンスはgij+jbij、ノードiの電圧はVi、ノードiに接続する発電力、負荷等はPi+jQjで示される。
ここで、並列バンク群の各変圧器タップ比が同一であるとする制約条件を実現するための手法として、上記した潮流方程式において並列バンク群の各変圧器タップ比は、すべて同一の変数に置き換える。即ち、r1=r2=…=ri=…=rk→r 但し、riはある並列バンク群の変圧器iの変圧器タップ比で、i=1、2、…、kである。
次に等式制約に付いて説明する。SVC等の各種モデルを表現する方程式は例えば図4に示すようなSVCモデルの表現式は以下の通りである。
Figure 0005077316
但し、SVCのゲインはKsvc、SVCの出力はQSVC、ノードiの電圧はVi、SVCの設定電圧はVrefで示される。
ここで、並列バンク群の各変圧器タップ比が同一であるとする制約条件を実現するためのもうひとつの手法として、変圧器タップ比が一定値であるという制約条件を実施せず、従来にない等式制約としてr1=r2=…=ri=…=rkを等式制約に加える手法もある。
また、その他の従来にない等式制約として、例えば図5に示すような並列バンク群の各変圧器の三次母線に接続する調相設備の調相設備投入量がある。この場合、例えば変圧器台数がk台の、ある並列バンク群の等式制約は以下の通りになる。
Figure 0005077316
但し、Qiはある並列バンク群の各変圧器三次母線iに接続する調相設備からの無効電力注入量、Viはある並列バンク群の各変圧器三次母線iの電圧、kiCはYimax/ΣYimax、kiLはYimin/ΣYimin、Yはある並列バンク群の調相設備投入量、Yimaxはある並列バンク群に属する変圧器iの三次母線に接続する調相設備投入量の最大値(コンデンサ容量の合計値、≧0)、Yiminはある並列バンク群に属する変圧器iの三次母線に接続する調相設備投入量の最小値(リアクトル容量の合計値、≦0)を示している。なお、上記制約式ではYが完全に0になった場合には微分不可能となり、数学上、潮流方程式のためのヤコビアンは定義できないことから、実用性の観点からY=0のときの偏微分値を以下のように定義する。
Figure 0005077316
次に不等式制約について説明する。調整可能な各種変数の上下限制約は例えば以下のものがある。ノード電圧上下限制約としてVimin≦Vi≦Vimax、有効電力出力の上下限制約としてPGimin≦PGi≦PGimax、調相設備投入量の上下限制約としてYimin≦Yi≦Yimax、潮流制約の上下限制約としてPFimin≦PFi≦PFimax、変圧器タップ電圧の上下限制約としてTAPimin≦TAPi≦TAPimax等である。
また、従来にない不等式制約として、並列バンク群の調相設備の総投入量上下限制約がある。変圧器台数がk台のある並列バンク群の調相設備の総投入量上下限制約はΣYimin≦Y≦ΣYimaxである。
ステップ104にて、最適潮流計算演算部124により上記した最適潮流計算を行う。その場合の解法としては、シンプレックス法、逐次2次計画法、拡張ラグランジュ関数法、縮約勾配法、射影拡張ラグランジュ関数法、逐次線形計画法、内点法等の中の適当なものを用いる。こうして得た最適潮流計算結果をステップ105にて出力部13から出力する。この場合、目的関数が燃料費コスト最小化といったものでも、当然ながら並列バンク群の変圧器タップ比を全て同一となる解が得られると共に、調相設備投入量はコンデンサを投入か、リアクトルを投入のいずれか一方の解に常に収束する。
次に上記の最適潮流計算を実施した場合の計算速度について述べる。まず、目的関数については実用上全く同じところに収束している。図6は目的関数が有効電力損失最小化の場合の本実施形態の最適潮流計算方法(変圧器タップと調相設備を同時に考慮)による計算速度を評価した図である。この図6の表において、変数は調相設備による定式化により従来より減少し、制約式の数は並列変圧器のタップ値が同値であるとする等式制約が新たに加わるために従来より増加する。
調相設備の定式化の減少と、制約式は増加するものの、変圧器タップに関しては探索空間が合理的に縮小されることから、計算時間を従来に比べて約18%も減少させることを実現した。数学的には、完全に調相設備投入量が0である場合には、厳密な意味での微係数を与えてはいないが、実用上は問題がない。
図7は目的関数が無効電力損失最小化の場合の本実施形態の最適潮流計算方法(変圧器タップと調相設備を同時に考慮)による計算速度を評価した図である。本請求は、変圧器タップや調相設備といった無効電力補償に関する装置の状態が、無効電力補償に関してあまり影響のない目的関数の際に、非現実的な解が選ばれることを抑止するための最適潮流計算方法であるが、無効電力損失を最小化し、無効電力補償装置の設置を最小限に抑えたいという実務的な要求に対し、従来に比べて計算時間が約63%も短縮され、計算速度向上に非常に有効で、著しく計算時間を短縮していることがわかる。
本実施形態によれば、並列バンク群の変圧器タップ比を全て同一の変数にするという制約条件及び調相設備の投入量の制約条件を追加して最適潮流計算を行うことにより、目的関数がどのようなものでも、例えば燃料費コスト最小化といった目的関数でも、実際の運用に則した妥当な解を得ることができる。
また、本実施形態の計算方法では、運用どおりに制約式を考慮することができるようになったため、変数を削減でき、且つ探索空間を狭めることができ、それ故、従来に比べて計算時間を最大で6割程度削減することが可能になった。
尚、本発明は上記実施の形態に限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲において、具体的な構成、機能、作用、効果において、他の種々の形態によっても実施することができる。例えば、本実施の形態では並列バンク群の変圧器タップ比を全て同一の変数にするという制約条件及び調相設備の投入量の制約条件の両方を用いたが、いずれかひとつでも、従来の問題点の一部を改善することができる。したがって、目的関数の種類によってはいずれかひとつでも十分となる。
1〜k……変圧器、11……入力部、12……演算部、13……出力部、121……初期潮流状態設定部、122……目的関数設定部、123……制約条件設定部、124……最適潮流計算演算部。

Claims (8)

  1. 電力系統の最適な運用状態を得るために電力系統を構成する諸設備の設定要素を決定すべく制約条件を用いて前記電力系統の最適潮流計算をする最適潮流計算方法であって、
    前記制約条件に追加して調相設備の投入量を制約する制約条件を設定する手段を設け、前記最適潮流計算の目的関数に応じて、前記既存の制約条件及び前記設定される制約条件を用いて前記電力系統の最適潮流計算を行う最適潮流計算方法であって、
    前記最適潮流計算において並列バンク群の調相設備の総投入量をYとし、並列バンク群の各変圧器三次母線iの無効電力注入量をQi、母線電圧をVi、三次母線iに接続する調相設備投入量の上限値をYimax、下限値をYimin、kiCをYimax/ΣYimax、kiLをYimin/ΣYiminとした場合、Y=0の場合、Qi=0であり、この時、QiをYで偏微分した値を仮値として定義することを特徴とする最適潮流計算方法。
  2. 前記仮値は、(kiC+kiL)Vi2 /2であることを特徴とする請求項に記載の最適潮流計算方法。
  3. 前記調相設備の投入量を制約する制約条件とは、前記最適潮流計算結果により投入される前記調相設備の属性は同一であるとした制約であることを特徴とする請求項1に記載の最適潮流計算方法。
  4. 前記目的関数を、燃料費コスト最小化とすることを特徴とする請求項1乃至いずれかに記載の最適潮流計算方法。
  5. 前記目的関数を、有効電力損失最小化とすることを特徴とする請求項1乃至いずれかに記載の最適潮流計算方法。
  6. 前記目的関数を、無効電力損失を最小化とすることを特徴とする請求項1乃至いずれかに記載の最適潮流計算方法。
  7. 電力系統の最適な運用状態を得るために電力系統を構成する諸設備の設定要素を決定すべく制約条件を用いて前記電力系統の最適潮流計算をする最適潮流計算装置であって、
    前記制約条件に追加して調相設備の投入量を制約する制約条件を設定する設定手段と、
    前記最適潮流計算の目的関数に応じて、前記既存の制約条件及び前記設定される制約条件を用いて前記電力系統の最適潮流計算を行う計算手段とを具備し、
    前記最適潮流計算において並列バンク群の調相設備の総投入量をYとし、並列バンク群の各変圧器三次母線iの無効電力注入量をQi、母線電圧をVi、三次母線iに接続する調相設備投入量の上限値をYimax、下限値をYimin、kiCをYimax/ΣYimax、kiLをYimin/ΣYiminとした場合、Y=0の場合、Qi=0であり、この時、QiをYで偏微分した値を仮値として定義する、
    ことを特徴とする最適潮流計算装置。
  8. 前記調相設備の投入量を制約する制約条件とは、前記最適潮流計算結果により投入される前記調相設備の属性は同一であるとした制約であることを特徴とする請求項7に記載の最適潮流計算装置。
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