JP5076150B2 - 画像符号化装置,画像符号化方法および画像符号化プログラム - Google Patents

画像符号化装置,画像符号化方法および画像符号化プログラム Download PDF

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Description

本発明は,高能率画像信号符号化方法に関し,特に冗長系の変換基底による変換を用いる画像符号化において適切な変換係数の選択による符号化効率の向上を図る画像符号化装置,画像符号化方法および画像符号化プログラムに関する。
画像符号化における重要な要素技術の一つに,離散コサイン変換(DCT:Discrete Cosine Transbrm)に代表される変換符号化がある。画像符号化における変換符号化の役割は,空間的な画素間相関の除去を行うことにある。これは,符号化器の全体の位置づけとしては,変換符号化により少数の変換係数に情報を集中させ,変換係数に対する量子化により情報の集中度の低い変換係数を切り捨てることで,符号化対象信号に対する情報量の削減を図るものである。
図6は,映像信号を符号化する一般的な符号化装置100の例を示しており,映像信号を入力すると,予測部106により予測された予測信号との差分から予測残差信号を求め,変換部101により予測残差信号を直交変換する。その出力である変換係数を量子化部102にて量子化し,その量子化値をエントロピ符号化部107にて可変長符号化し,符号化ストリームとして出力する。一方,量子化部102の出力は,逆量子化部103で逆量子化され,さらに逆変換部104で逆直交変換される。その変換結果に予測信号を加えることにより復号信号が生成される。復号信号は,歪除去フィルタ105によりノイズ除去処理がなされ,参照復号信号として予測部106に入力される。予測部106では,動き探索などにより,次の映像信号の符号化のための予測信号を生成する。
これまで,画像符号化への応用では,離散コサイン変換(DCT)を始めとして,重複直交変換離散ウェーブレット変換(DWT:Discrete Wavelet Transform)といった多くの変換符号化方式が検討されてきた。
例えば,変換符号化として,JPEGでは離散コサイン変換(DCT),JPEG2000では離散ウェーブレット変換(DWT)が採用されている。また,直交変換は完備な基底(complete basis)を用いるため,変換前後のデータ数が不変である。このため,直交変換は非冗長変換(non-redundant transform )である。動画像符号化装置においては,図6における変換部101が上記の技術に該当する。
一方で,基底数が原信号のサンプル数よりも多い過完備な基底(overcomplete basis)を用いた冗長変換(redundant transform )と呼ばれる変換がある。このため,冗長変換は直交変換になり得ないが,変換後のデータに冗長性を持たせることで,非冗長変換では実現できない特性を持つことができる。例えば,ダウンサンプリング処理を行わないDWTである離散定常ウェーブレット変換(SWT:Stationary Wavelet Transform)は変換後の冗長性より,DWTで失われるシフト不変性を成立させることができる。
また,画像処理分野では“方向分離特性をもつ変換”が注目されている。このような変換は,一般的に冗長変換であり,代表例としてCurvelet変換がある。並列木複素ウェーブレット変換(DTCWT:Dual Tree Complex Wavelet Transform )も同様の特性をもつ変換である。
方向分離特性をもつ変換は,画像信号中に含まれるエッジ等の曲線を2次元で定義される方向基底を用いて表現する変換である。方向基底を用いて2次元構造を高い精度で近似するため,DWTのような方向分離特性の乏しい変換と比較し,雑音除去や特徴抽出に対して有効である。
しかし,方向分離特性をもつ変換は,変換後のデータ数が増加するという問題がある。xを変換符号化への入力信号,Ψを変換行列とすると,変換により得られる変換係数yは,次式のように表わされる。
y=Ψx (1)
DTCWTの場合,xがn次元ベクトルだとすると,変換により得られる変換係数yは,2n次元ベクトルとなる。このため,同変換を画像符号化へ応用する場合,データ数の削減の観点から,変換係数を適切に選択する必要がある。この変換係数の選択は,以下の制約条件付き最小化問題として定式化できる。
miny ‖y‖0 subject to Ψ-1y=x (2)
ここで,miny は,後続する式の最小値を求める関数である。‖・‖0 はL0 ノルムであり,非ゼロ係数の個数を表している。‖・‖2 2 はL2 ノルムの二乗値であり,二乗和を表す。Ψ-1は過完備な基底系からなる変換の逆変換を表す行列である。上記の制約条件付きの最小化問題は,ラグランジュの未定乗数法により,以下の最小化問題に帰着される。
miny ‖y‖0 +λ‖Ψ-1y−x‖2 2 (3)
ここで,λは外部から与えられる重みパラメータである。第一項は選択された変換係数の個数であり,変換係数の情報量を近似した値である。第二項は変換係数の選択に伴う再構成誤差を表しており,符号化歪みを表している。しかし,上記の最小化問題はNP困難であるため,従来,以下のようなL1 ノルムに最小化問題として近似する方法が採られてきた。
miny ‖y‖1 +λ‖Ψ-1y−x‖2 2 (4)
ここで,‖・‖1 はL1 ノルムであり,ベクトルの要素の絶対値和を表している。
式(4) の最小化問題の準最適解を与える手法として,図7に示すノイズ・シェイピング(noise shaping) 処理と呼ばれる手法が提案されている(非特許文献1参照)。
使用する記号を整理する。入力信号x(N画素)に対する順変換後の変換係数を,以下のように定義する。
0 =Ψx
Iを単位行列として,Ps ≡ΨΨ-1,P⊥≡I−ΨΨ1 なる2種類の射影を定義する(なお,⊥はPの右肩に付く添字である)。
前者の射影により得られる出力を有効成分,後者の射影により得られる出力を無効成分と呼ぶ。noise shaping 処理における繰り返し回数を表すインデックスをiで表し,noise shaping 処理における第i回目の出力をyi とする。yi に対して,絶対値が閾値θi 以下となる係数を零値に切り捨てるクリッピング処理を行う。yi に対するクリッピング処理後の出力を^yi (^はyの上に付く記号)として,次式のように表す。
^yi (θi ) = yi +εi (θi
ここで,εi (θi )はクリッピング処理に伴い重畳する誤差である。noise shaping における重み係数kがk=1の場合,図7におけるwi は noise shaping処理における補正信号であり,次式となる。
i (θi )=y0 −ΨΨ-1^yi (θi )
この^yi (θi ) ,wi (θi )を用いて,yi+1 (θi )は,次式のyi+1 (θi ,^yi (θi ))のように表される。
i+1 (θi ,^yi (θi ))=^yi (θi ) +wi (θi
クリッピングの閾値θi は,Δi (>0)を用いて, θi+1 =θi −Δi (5)
とする。Δi は,繰返し回数の増加とともに,小さく設定される。しかし,従来法では,具体的な設定方針は示されていない。このため,同閾値の設定,つまりΔi の設定は試行錯誤的に行うしかなかった。
図7に示すノイズ・シェイピング処理装置200の動作について簡単に説明する。変換部201では,入力信号xに対して冗長系の変換基底を用いた変換を行い,変換係数y0 を算出する。クリッピング処理部202では,変換係数yi (初期値はi=0)と予め定められた閾値θi との大小比較を行い,yi がθi より小さければ,yi を0に置き換える。このクリッピング処理後の出力を^yi とする。逆変換部203では,^yi を逆変換して逆変換結果の^xi を求める。入力信号xと^xi との差が,画素領域での誤差ei となる。
重み係数乗算部204では,ei に所定の重み係数kを乗算し,乗算結果に対して,変換部205において順変換することにより,補正信号wi を算出する。クリッピング処理部202の出力^yi に補正信号wi を加算することにより,更新変換係数yi+1 を算出する。遅延部206にて一定時間遅延させた後,更新変換係数yi+1 をクリッピング処理部202の入力として,更新変換係数yi+1 に対して同様に処理を繰り返す。終了条件判定部207では,ei+1 とei との差がある一定の微小値より小さくなったかどうかをチェックし,その差が微小値より小さい値になったときに,そのときの^yi を変換結果として出力する。
T.Reeves and N.Kingsbury,"Overcomplete image coding using iterative projection-based noise shaping", Proc. IEEE Conf. on Image Processing, vol.3, pp.597-600, 2002.
noise shaping 処理の性能はクリッピング処理における閾値θi に依存する。しかし,従来,同閾値の設定は明確な基準が与えられておらず,本来の繰返し処理の目的であるエネルギーコンパクションの向上に改善の余地を残す。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって,過完備な基底を用いた冗長変換において,変換係数間の冗長性を除去するnoise shaping 処理において,エネルギーコンパクションの向上を実現する閾値設定方法に基づく画像符号化方法を確立することを目的とする。
本発明は,上記課題を解決するため,入力された映像信号に対して,冗長系の変換基底を用いた変換を行い,得られた変換係数に対して,符号化に用いる係数の絞込みを行う画像符号化において,適応的な閾値処理により,エネルギーコンパクションを最大化する変換係数の選択を行う。
また,本発明は,前記適応的な閾値処理における閾値の選択に際し,エネルギーコンパクションに関する評価尺度を最大化する閾値の選択を行う。
具体的には,本発明は,以下に述べるような方法により上記課題を解決する。
〔パラメータ選択(その1)〕
以下では,yi+1i ) の各要素に対して,負値の要素は符号を反転させ,その後,全要素の総和が1になるように正規化したものをy′i+1 (θi )とおく。
パラメータΔi として,Δi =uΔ(u=1,2,…,U)のU通りの候補の中から最適な値を選択する。Δは,予め定められた固定の設定値である。パラメータ選択の基準としては,後述のパラメータ選択の基準(その1)あるいはパラメータ選択の基準(その2)を用いる。例えば,式(10)に示すカルバックライブラー情報量(KLI)を用いた場合,次式を満たすu* が最適な値となる。
Figure 0005076150
ここで,「arg max 」は,max 以下のコストを最大化するパラメータを表している。
評価尺度の一例としての式(10)に示すKLIは,一様分布に対する乖離度を表しており,KLIの値が大きい場合,その係数は特定の成分にエネルギーが偏っていることを示している。したがって,KLIの値が大きなパラメータを選択するということは,特定の成分へエネルギーを集中させるようなクリッピング処理を行うことに繋がり,本発明の目的に合致する。
〔パラメータ選択(その2)〕
パラメータΔi として,Δi =uΔ(u=1,2,…,U)のU通りの候補の中から最適な値を選択する。パラメータ選択の基準としては,後述のパラメータ選択の基準(その1)あるいはパラメータ選択の基準(その2)を用いる。例えば,式(10)に示すKLIを用いた場合,以下の処理となる。まず,以下の2つの値を求める。
Figure 0005076150
上記のD* は,クリッピング閾値として,θi とθi+1 =θi −UΔの間に新たに閾値θi −uΔ(u=1,2,…,U−1)を設定し,閾値θi とθi −uΔ(u=1,2,…,U−1)を用いて,2段階でクリッピング処理した場合のKLIの最大値である。
次に,閾値θi+1 =θi −UΔを用いた一回のクリッピング処理の出力に対するKLIを,以下のとおり求める。
Figure 0005076150
最後に,D* とD0 との大小比較を行い,D* の方が大きければ,閾値θi −uΔおよびθi −UΔを用いた2段階のクリッピング処理を行う。それ以外の場合には,閾値θi+1 =θi −UΔを用いたクリッピング処理を行う。
なお,ここでは,クリッピング処理の多段化として,2段階で行う例を示したが,3段階以上の多段化についても,同様に行える。
〔パラメータ選択の基準(その1)〕
y′i+1 (θi )の一様分布に対するカルバックライブラー情報量(KLI)は次式となる。
Figure 0005076150
ここで,y ′i+1 (θi )[m]は,y′i+1 (θi )の第m番目の要素とする。
〔パラメータ選択の基準(その2)〕
i+1 (θi )の各要素に対して,負値の要素は符号を反転させ,その後,全要素の総和が1になるように正規化したものをy′i+1 (θi )とおく。このy′i+1 (θi )のコーディング・ゲイン(coding gain )は,次式となる。
Figure 0005076150
ここで,y′i+1 (θi )[m]は,y′i+1 (θi )の第m番目の要素とする。
本発明により,noise shaping 処理におけるエネルギーコンパクションを向上させ,特定成分への情報の集約を図ることで,符号化効率の向上を実現することができる。
本発明の主要部の構成例を示す図である。 変換係数選択処理(その1)のフローチャートである。 変換係数選択処理(その2)のフローチャートである。 更新変換係数の算出処理のフローチャートである。 ソフトウェアプログラムにより実現するときのシステム構成図である。 一般的な符号化装置の構成図である。 従来のノイズ・シェイピング処理装置の例を示す図である。
以下では,図面を用いながら,本発明の実施の形態について詳しく説明する。図1は,本発明の実施の形態に係る符号化装置の構成例を示す図である。
本発明の実施の形態に係る符号化装置は,例えば図6に示すような符号化装置100において,変換部101の部分を,図1に示す変換係数選択部1に置き換えたものである。変換係数選択部1は,冗長系の変換基底を用いた変換を行う冗長変換部10を有する。変換係数選択部1の出力は,量子化部20によって量子化され,エントロピ符号化部30によって可変長符号化され,符号化ストリームとして出力される。
この変換係数選択部1以外の部分は,例えば図6に示す従来の符号化装置100と同様でよく,変換係数選択部1以外の部分の構成はよく知られているので,ここでの詳細な説明は省略する。なお,本発明は,図6に示すような符号化装置100に限られるわけではなく,符号化対象信号を圧縮するための変換部を有する装置には,本発明を同様に適用することができることは明らかである。例えば,静止画像の符号化装置にも同様に適用することができる。
変換係数選択部1は,冗長変換部10の他に,クリッピング処理部19を有する更新変換係数算出部12,KLIなどの評価尺度となる評価情報を算出する評価情報算出部13,評価情報を記憶する評価情報記憶部14,評価情報に基づいて更新変換係数を評価する評価部16,クリッピングの閾値を適応的に決定するための閾値設定部11と閾値更新処理部15,評価部16の評価によって選択された更新変換係数に対して原信号と復号信号の差分信号の変動が十分小さくなったかどうかをチェックする差分信号変動チェック部17,差分信号の変動が十分小さな値になったときの更新変換係数を変換結果の変換係数として出力する更新変換係数出力部18とを備える。
変換係数選択部1の動作は,以下のとおりである。ここでは,主に上記「パラメータ選択(その1)」のときの動作について説明するが,「パラメータ選択(その2)」のときの動作も,以下の説明から容易に類推できることは明らかである。
冗長変換部10は,画像信号,映像信号または予測残差信号などの符号化対象信号を入力し,冗長系の変換基底を用いた変換を行い,変換係数を出力する。変換係数は,更新変換係数算出部12に入力され,クリッピング処理部19では,閾値設定部11により設定された閾値によって,クリッピング処理が行われる。すなわち,クリッピング処理部19では,閾値より小さい変換係数を零値に置き換え,更新変換係数として出力する。
評価情報算出部13は,算出された更新変換係数に対する所定の評価尺度に従って評価情報を算出する。評価尺度としては,特定成分へのエネルギーが集中する度合が大きいほど大きくなるものを用いる。評価尺度の例としては,式(10)に示したようなKLIや,式(11)に示すようなコーディング・ゲインを用いることができる。評価情報記憶部14は,算出された評価情報を記憶する。
閾値更新処理部15は,予め定められた閾値の更新パラメータの候補に従って,閾値を更新し,閾値設定部11に通知する。更新変換係数算出部12では,更新された閾値を用いてクリッピング処理部19により,同様に変換係数のクリッピング処理を行い,更新変換係数を算出する。
閾値の更新パラメータの全候補に対する更新変換係数の算出と評価情報の算出が終了したならば,評価部16においてエネルギーコンパクションに関する評価尺度を最大化する評価情報を選択する。
差分信号変動チェック部17では,評価部16が選択した評価情報に該当する閾値を用いた場合の更新変換係数を逆変換して求めた復号信号と原信号との差分信号の変動が大きいかどうかを判定し,変動が大きい場合には,更新変換係数を更新変換係数算出部12への入力として,再度,閾値を更新しながら同様な更新変換係数の算出処理を繰り返す。すなわち,差分信号変動チェック部17では,前回の更新変換係数から得られた差分信号(初期値0)と,今回の評価で求めた更新変換係数から得られた差分信号との差が,ある値より小さい値になるまで,更新変換係数の算出処理を繰り返す制御を行う。変動が十分に小さい値になった場合には,更新変換係数出力部18により,そのときの更新変換係数を変換係数の選択結果として出力する。
ここでは,差分信号変動チェック部17によって,差分信号の変動が十分に小さな値になったという繰り返し処理の終了条件を判定する例を説明したが,例えば所定の繰り返し回数となった場合というように,他の終了条件の判定によって変換係数の絞り込みを終了するにしてもよい。
以下,変換係数選択部1による処理を,上記「パラメータ選択(その1)」に対応する変換係数選択処理の流れ(その1)と,上記「パラメータ選択(その2)」に対応する変換係数選択処理の流れ(その2)とに分けて,さらに詳しく説明する。
〔変換係数選択処理の流れ(その1)〕
以下は,パラメータ選択(その1)に対応する処理である。図2は,変換係数選択処理(その1)のフローチャートである。パラメータΔi =uΔ(u=1,2,…,U)を閾値の更新パラメータと呼ぶ。
まず,符号化対象の画像を入力し,冗長系基底を用いた変換を行い,変換係数を得る(ステップS1)。次に,変換結果の変換係数を読み込む(ステップS2)。続いて,閾値の更新パラメータΔi =uΔ(u=1,2,…,U)の各候補に対して,以下のステップS4〜S5を繰り返す。
変換係数とクリッピングの閾値とを引数として,図4に示す更新変換係数の算出処理(後述)を行い,クリッピングの閾値に対応した更新変換係数を得る(ステップS4)。評価情報として,ステップS4により得た更新変換係数に対するKLIを算出する(ステップS5)。
以上の処理を閾値の更新パラメータに従って閾値を更新しながら,更新パラメータの全候補について繰り返す(ステップS6)。
以上の処理が終了したならば,U個のクリッピングの閾値を用いた場合のKLIの中から,KLIを最大化する更新パラメータを選択し,Δ* i に格納する(ステップS7)。このΔ* i を用いた場合の閾値を採用し,その閾値を用いたクリッピング処理で得た更新変換係数を逆変換して得た復号信号と原信号との差分信号(ステップS4の更新変換係数の算出で算出済み)を読み込む(ステップS8)。
前回の差分信号との比較により,差分信号の変動が十分小さいかどうかを判定し(ステップS9)。差分信号の変動が十分小さければ,更新変換係数を出力として書き出し,処理を終了する(ステップS10)。そうでなければ,更新変換係数を「更新変換係数の算出処理(図4)」の入力である変換係数として書き出し(ステップS11),ステップS2の処理に移る。
〔変換係数選択処理の流れ(その2)〕
以下は,パラメータ選択(その2)に対応する処理である。図3は,変換係数選択処理(その2)のフローチャートである。また,パラメータΔi =uΔ(u=1,2,…,U−1)を閾値の更新パラメータと呼ぶ。
まず,符号化対象の画像を入力し,冗長系基底を用いた変換を行い,変換係数を得る(ステップS20)。次に,変換結果の変換係数を読み込む(ステップS21)。続いて,クリッピングの閾値をθi −UΔとして,変換係数に対する図4に示す更新変換係数の算出処理(後述)を行い,クリッピングの閾値に対応した更新変換係数を書き出す(ステップS22)。算出された更新変換係数に対するKLIを算出し,D1として格納する(ステップS23)。
次に,閾値の更新パラメータΔi =uΔ(u=1,2,…,U)の各候補に対して,以下のステップS25〜S27を繰り返す。
変換係数とクリッピングの閾値θi −uΔとを引数として,図4に示す更新変換係数の算出処理(後述)を行い,クリッピングの閾値θi −uΔに対応した更新変換係数を算出する(ステップS25)。続いて,ステップS25で得られた更新変換係数とクリッピングの閾値θi −UΔとを引数として,図4に示す更新変換係数の算出処理(後述)を行い,クリッピングの閾値θi −UΔに対応した更新変換係数を算出する(ステップS26)。その後,評価情報として,ステップS26により得られた更新変換係数に対するKLIを算出する(ステップS27)。
以上の処理を閾値の更新パラメータに従って閾値を更新しながら,更新パラメータの全候補について繰り返す(ステップS28)。
以上の処理が終了したならば,U−1個のクリッピングの閾値を用いた場合のKLIの中から,最大値を選択し,D2として格納するとともに,そのKLIを最大化する更新パラメータをΔ* i として格納する(ステップS29)。
次に,D1とD2の大小を比較し(ステップS30),D1がD2以上であれば,D1に対応する更新変換係数および同更新変換係数に対応する差分信号を書き出す(ステップS31)。一方,D1がD2より小さい場合には,D2に対応する更新変換係数および同更新変換係数に対応する差分信号を書き出す(ステップS32)。その後,上記の処理で得られた差分信号の変動が十分小さいかどうかを判定し(ステップS33),十分小さければ,更新変換係数を出力として書き出し,処理を終了する(ステップS34)。そうでなければ,更新変換係数を「更新変換係数の算出処理(図4)」の入力である変換係数として書き出し(ステップS35),ステップS21の処理に移る。
〔更新変換係数の算出処理の流れ〕
図2に示すステップS4および図3に示すステップS22,S25,S26における更新変換係数の算出処理の流れを,図4に示す。なお,入力は,変換係数とクリッピングの閾値である。
まず,クリッピング処理対象の変換係数を読み込む(ステップS40)。また,指定されたクリッピングの閾値を読み込む(ステップS41)。次に,閾値以下の変換係数の値を零値とするクリッピング処理を行い,修正変換係数を得る(ステップS42)。そのクリッピング処理で得られた修正変換係数を逆変換し,復号信号を得る(ステップS43)。次に,復号信号と原信号の差分信号を算出する(ステップS44)。この差分信号は,レジスタに格納しておく。算出された差分信号を順変換し,補正係数を得る(ステップS45)。最後に,補正信号を修正変換係数に加算して,更新変換係数を書き出す(ステップS46)。
以上の画像符号化の処理は,コンピュータとソフトウェアプログラムとによって実現することができ,そのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録することも,ネットワークを通して提供することも可能である。
図5は,本発明をソフトウェアプログラムを用いて実現する場合のシステムの構成例を示している。メモリ52には,本発明の画像符号化処理を行うための画像符号化プログラム53が格納される。CPU50は,メモリ52に格納された画像符号化プログラム53の命令を逐次フェッチして実行する。映像記憶装置51は,符号化対象の映像信号を記憶する装置である。映像信号は,図示省略したカメラ等から入力するようにしてもよい。画像符号化プログラム53によって生成された符号化ストリームは,符号化ストリーム記憶装置54に格納される。または,ネットワークアダプタ等のインタフェースを介して,符号化ストリームを外部装置に出力してもよい。システムバス55は,CPU50,映像記憶装置51,メモリ52,符号化ストリーム記憶装置54を接続するバスである。
1 変換係数選択部
10 冗長変換部
11 閾値設定部
12 更新変換係数算出部
13 評価情報算出部
14 評価情報記憶部
15 閾値更新処理部
16 評価部
17 差分信号変動チェック部
18 更新変換係数出力部
19 クリッピング処理部
20 量子化部
30 エントロピ符号化部

Claims (5)

  1. 入力された符号化対象信号に対して,冗長系の変換基底を用いた変換を行い,得られた変換係数に対して,符号化に用いる変換係数の絞込みを行い,その結果を符号化する画像符号化装置であって,
    入力された符号化対象信号に対して冗長系の変換基底を用いた変換を行う冗長変換部と,
    設定された閾値に従ってクリッピング処理を行い,閾値より小さい変換係数を零値に置き換えた更新変換係数を算出する更新変換係数算出部と,
    算出された更新変換係数に対するエネルギーコンパクションの度合を示す評価値を算出する評価情報算出部と,
    前記閾値を更新して,前記更新変換係数算出部による更新変換係数の算出を閾値の候補に対して繰り返し処理させる閾値更新処理部と,
    前記更新変換係数の中で,評価値が最大となる更新変換係数を選択する評価部と,
    所定の終了条件が満たされるまで,前記評価部によって選択された更新変換係数を,前記更新変換係数算出部の入力となる変換係数として再入力させ,前記更新変換係数算出部,前記評価情報算出部,前記閾値更新処理部および前記評価部の処理によって,変換係数の絞り込みを行う終了条件チェック部と,
    前記終了条件が満たされたときに,前記評価値が最大となる更新変換係数を出力する更新変換係数出力部と,
    前記更新変換係数出力部により出力された更新変換係数を符号化する符号化部とを備える
    ことを特徴とする画像符号化装置。
  2. 請求項1記載の画像符号化装置において,
    前記エネルギーコンパクションの度合を示す評価値は,前記更新変換係数の一様分布に対するカルバックライブラー情報量または前記更新変換係数を正規化した値によって算出されるコーディング・ゲインである
    ことを特徴とする画像符号化装置。
  3. 入力された画像信号に対して,冗長系の変換基底を用いた変換を行い,得られた変換係数に対して,符号化に用いる変換係数の絞込みを行い,その結果を符号化する画像符号化方法において,
    入力された符号化対象信号に対して冗長系の変換基底を用いた変換を行う冗長変換過程と,
    設定された閾値に従ってクリッピング処理を行い,閾値より小さい変換係数を零値に置き換えた更新変換係数を算出する更新変換係数算出過程と,
    算出された更新変換係数に対するエネルギーコンパクションの度合を示す評価値を算出する評価情報算出過程と,
    前記閾値を更新して,前記更新変換係数算出過程による更新変換係数の算出を閾値の候補に対して繰り返し処理させる閾値更新処理過程と,
    前記更新変換係数の中で,評価値が最大となる更新変換係数を選択する評価過程と,
    所定の終了条件が満たされるまで,前記評価過程によって選択された更新変換係数を,前記更新変換係数算出過程の入力となる変換係数として再入力させ,前記更新変換係数算出過程,前記評価情報算出過程,前記閾値更新処理過程および前記評価過程の処理によって,変換係数の絞り込みを行う終了条件チェック過程と,
    前記終了条件が満たされたときに,前記評価値が最大となる更新変換係数を出力する更新変換係数出力過程と,
    前記更新変換係数出力過程により出力された更新変換係数を符号化する符号化過程とを有する
    ことを特徴とする画像符号化方法。
  4. 請求項3記載の画像符号化方法において,
    前記エネルギーコンパクションの度合を示す評価値は,前記更新変換係数の一様分布に対するカルバックライブラー情報量または前記更新変換係数を正規化した値によって算出されるコーディング・ゲインである
    ことを特徴とする画像符号化方法。
  5. 請求項3または請求項4記載の画像符号化方法を,コンピュータに実行させるための画像符号化プログラム。
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