JP5071448B2 - 体積型ホログラム積層体および体積型ホログラム積層体作製用ラベル - Google Patents
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Description
図1に本発明のホログラム積層体の一例の断面図を、図2に本発明のホログラム積層体作成用ラベルの一例の断面図を示す。本発明のホログラム積層体は、図1に記載のように少なくともホログラム貼付媒体と体積型ホログラム積層体とを粘着させる第1粘着剤層3、ホログラム画像を形成する体積型ホログラム層2およびホログラム層の表面を保護する保護層1を順次積層してなり、図1では、保護層1に切れ込み4が入っている。その他に場合によっては、図2に記載のようにホログラム層2と保護層1との間に第2粘着剤層6を設けてもよい。さらに、ホログラム層2の被貼付媒体側に、ホログラムの視認性を高める着色層8を設け、その着色層とホログラム層との間に第3粘着剤層7を設けてもよい。ホログラム積層体を被貼付媒体に貼付する前には、ホログラム積層体作成用ラベルとしておくことが取り扱いの便利などのため好ましい。このようなホログラム積層体作成用ラベルは、ホログラム積層体の第1粘着剤層に剥離フィルム5を付着させたもの、あるいはさらに保護層に再剥離粘着シート10を付着させたものが挙げられる。剥離フィルムは、通常はホログラム積層体を貼付する直前にホログラム積層体から剥がされるものであり、再剥離粘着シートは、通常は、ホログラム積層体を貼付した後にホログラム積層体から剥がされるものである。
図3を用いて本発明のホログラム積層体作成用ラベルを用いてホログラム積層体を貼付し、その後に剥がそうとした場合の具体例を説明する。
本発明のホログラム積層体に設けられる切り込みは、ホログラム積層体を構成する少なくとも一つの層に設けられている。このような切れ込みを設けることによって、一度貼付したホログラム積層体を悪用などのために剥がそうとした場合、ホログラム層を切断または変形させることができる。本発明においてこの切れ込みを設けることは、ホログラム層の切断または変形なしにホログラム積層体を剥がすことが極めて困難になる点、およびこの切断または変形が、ホログラム貼付媒体の密着性にあまり影響を受けずに発生する点で優れている。この一度剥がしたホログラム積層体を再貼付した場合には、ホログラム画像切断または変形により容易に再貼付したものであることを見抜くことができ、身分証明書などのホログラム貼付媒体の偽造防止に役立てることができる。
体積型ホログラム層は一般に用いられるものであれば特に限定されるものではない。好ましいホログラム層としては、例えば表面に凹凸がない反射型で体積型のホログラム(リップマンホログラム)、透過型で体積型のホログラム、透過型で体積型のホログラムの背面に反射層を蒸着して実質的に反射型としたホログラムが挙げられる。
ホログラム層表面を保護する保護層としては、ホログラム画像の視認性を悪化させないもので、保護効果が得られるものであれば限定されない。このような保護層としては、例えばポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリ弗化エチレン系フィルム、ポリ弗化ビニリデンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、エチレン−ビニルアルコールフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリアミドフィルム、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリイミドフィルム等が例示され、保護フィルムの膜厚としては一般には2μm〜200μm、好ましくは10μm〜50μmである。
第1粘着剤層は、本発明のホログラム積層体と、ホログラム貼付媒体とを接着するための層である。好ましくは第1粘着剤層は、ホログラム積層体をホログラム貼付媒体から剥がそうとする場合に、ホログラム層が切断または変形(破壊)される程度の力を要するもの、すなわちホログラム層の破壊強度より、粘着強度が高いものとする。また、ホログラム積層体の用途によっては、上記程度の接着力を有すると共に、ホログラム貼付媒体から完全にホログラム積層体および第1粘着剤層を何らかの方法で除去することができる材料とすることが好ましい。
第2粘着剤層は、本発明のホログラム積層体においてホログラム層と保護層とを接着させるための層である。第2粘着剤層を形成する材料の具体例としては、第1粘着剤層と同様の材料が挙げられるが、好ましくは、第1粘着剤層よりも接着力の強いものとする。
第3粘着剤層は、本発明のホログラム積層体において、ホログラム層と着色層とを接着させるための層である。第3粘着剤層を形成する材料の具体例としては、第1粘着剤層と同様の材料が挙げられるが、好ましくは、第1粘着剤層よりも接着力の強いものとする。
本発明のホログラム積層体は、ホログラム画像の視認性を高めるためにホログラム層の被貼付媒体側に着色層を設けることができる。着色層の色としては、例えば、黒、青、赤等が挙げられるが、記録されているホログラムが、コントラスト向上により、視認性が高められれば、どの色を適用しても良い。好ましくはホログラム像の色みと補色の関係にあるような色が好ましい。材料としては、例えば着色剤として、一般の有機顔料、無機顔料、染料等が適用でき、カーボンブラックやアニリンブラック等の黒色顔料、ナフトールレッドF5RK、フタロシアニンブルー等の着色顔料、アシッドブラック、クロムブラック、リアテクティブブラック等の黒色染料、ディスパースレッド、カチオンブルー、カチオンイエロー等の染料が例示され、これらを単独または混合して使用することができる。着色層形成材料としては一般の合成樹脂が挙げられ、例えば保護層と同様なプラスチックフィルムが挙げられ、フィルム成形時に、前記顔料・染料を混合することで、着色フィルムを作製することが可能である。また、第1粘着剤層を前記顔料・染料で着色することで、着色層を別に設ける必要がなくなり、ホログラム積層体を薄膜化することも可能になる。
本発明のホログラム積層体を被貼付媒体に貼付する前には、ホログラム積層体作成用ラベルとしておくことが取り扱いの便利などのため好ましい。ホログラム積層体作成用ラベルは、ホログラム積層体の第1粘着剤層に剥離フィルムを付着させたもの、あるいはさらに保護層に再剥離粘着シートを付着させたものが挙げられる。
剥離フィルムは、通常はホログラム積層体を貼付する直前にホログラム積層体の第1粘着剤層から剥がされるものである。材料としては、例えば、保護層と同様のプラスチックフィルム等が挙げられ、その表面がワックス処理、フッ素処理、シリコーン処理されることで、離型性が付与されているプラスチックフィルムが挙げられる。
再剥離粘着シートは、通常は、ホログラム積層体を貼付した後にホログラム積層体の保護層から剥がされるものである。この再剥離粘着シートを用いることにより、保護層を薄くすることができ、外力により切断または変形しやすいホログラム積層体を保管時や貼付時に保護することができる。再剥離粘着シートの材料としては、例えば、第1粘着剤層と同様の材料が挙げられ、第1〜3粘着剤層よりも接着力が弱いものである。再剥離粘着シートとしては、例えば基材フィルム/再剥離粘着剤層/剥離フィルムからなるものが挙げられ、ここから剥離フィルムを剥がして使用する。基材フィルムとしては、例えば保護層と同様のプラスチックフィルム等が挙げられる。再剥離粘着剤層としては、例えば、第1粘着剤層と同様の材料が挙げられ、第1〜3粘着剤層よりも接着力が弱いものである。また、剥離フィルムとしては、前記剥離フィルムと同様のものが挙げられる。
ホログラム貼付媒体は特に限定されないが、例えば偽造防止が必要な書類やカード、具体的には、身分証明書、免許証、受験票、通帳、クレジットカード、さらには機密文書、CD、CD−ROM、ビデオソフトおよびそれらの包装(開封シールとして第3者による開封を防止する)、精密機械の内部(不正分解防止用シールとして)が挙げられる。材料としては、例えば紙、合成紙、合成樹脂や金属、形態としては例えばフィルムやシート、カード、パスポートのような小冊子が挙げられる。
(粘着剤溶液の作製)
下記の組成において粘着剤溶液を作製した。
アクリル系粘着剤(ニッセツPE−118;日本カーバイド工業製) 100重量部
MEK 30重量部
トルエン 15重量部
酢酸エチル 15重量部
イソシアネート系架橋剤(ニッセツCK−101;日本カーバイド工業製)2重量部
(保護層/粘着剤層/剥離フィルムAの作製)
剥離フィルムA(膜厚50μm、SP−PET05;東セロ製)上に、上記で得た粘着剤溶液を直ちに乾燥膜厚で20μmとなるようにコンマコーターで塗布した。これに延伸ポリプロピレン(OPP)フィルム(膜厚20μm、OPU−2#20;東セロ製)をラミネートした。
(剥離フィルムA/粘着剤層/剥離フィルムBの作製)
剥離フィルムA(膜厚50μm、SP−PET05;東セロ製)上に、上記で得た粘着剤溶液のうち、イソシアネート系架橋剤の添加量を4重量部とした溶液を作製し、直ちに乾燥膜厚で20μmとなるようにコンマコーターで塗布した。これに剥離フィルムB(膜厚50μm、SP−PET02;東セロ製)をラミネートした。
(ホログラム層の作製)
ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム/ホログラム記録材料(15μm)PETフィルムからなるホログラム記録フィルム(HRF800x001;デュポン製)の一方のPETフィルムを剥離し、ホログラム原版に密着させ476nm、532nm、647nmそれぞれの波長をもったレーザーでカラーリップマンホログラムを記録した。
(ホログラム積層体の作製)
上述のホログラム記録後、ホログラム層を原版から剥離し、その面に上記で得た剥離フィルムA/粘着剤層/剥離フィルムBから、剥離フィルムAを剥離してラミネートし、PET/ホログラム層/粘着剤層/剥離フィルムBを得た。
(切れ込み加工)
上記で得たホログラム積層体作製用ラベルの四隅を、図4(d)のように、抜き刃として両刃を使用し、ラベル上側から深さ55μmのところまで、ハーフカットした。さらにこの上から再剥離粘着シート(サンエー化研製H225E)を積層し、最終的なホログラム積層体作製用ラベルを完成させた。
(ホログラム層の作製)
PETフィルム/ホログラム記録材料(15μm)/PETフィルムからなるホログラム記録フィルム(HRF800x001;デュポン製)の一方のPETフィルムを剥離し、ホログラム原版に密着させ476nm、532nm、647nmそれぞれの波長をもったレーザーでカラーリップマンホログラムを記録した。
(ホログラム積層体の作製)
上述のホログラム記録後、ホログラム層を原版から剥離し、その面に剥離フィルム/粘着剤層(約20μm)/剥離フィルムからなる両面粘着シート((リンテック製PA−10)より、一方の剥離フィルムを剥離してラミネートし、PET/ホログラム層/粘着剤層/剥離フィルムを得た。
(切れ込み加工)
上記で得たホログラム積層体作製用ラベルに、抜き刃として両刃を使用し、ラベル上側から深さ45μmのところまで、図4(e)のように十字の切れ込みを入れた。さらにこの上から再剥離粘着シート(H225Eサンエー化研製)を積層し、最終的なホログラム積層体作製用ラベルを完成させた。
(ホログラム層の作製)
PETフィルム/ホログラム記録材料(15μm)/PETフィルムからなるホログラム記録フィルム(HRF800x001;デュポン製)の一方のPETフィルムを剥離し、ホログラム原版に密着させ476nm、532nm、647nmそれぞれの波長をもったレーザーでカラーリップマンホログラムを記録した。
(ホログラム積層体の作製)
上述のホログラム記録後、ホログラム層を原版から剥離し、その面に剥離フィルム/粘着剤層(約20μm)/黒PET(50μm)/粘着剤層(約20μm)剥離フィルムからなる両面粘着シート(リンテック製クロPET(w)PLシン)より、一方の剥離フィルムを剥離してラミネートし、PET/ホログラム層/粘着剤層/黒PET/粘着剤層/剥離フィルムを得た。
(切れ込み加工)
上記で得たホログラム積層体作製用ラベルの周囲に、抜き刃として両刃を使用し、ラベル上側から深さ130μmのところまで、図4(f)に示したような鋭角の切れ込みを入れた。さらにこの上から再剥離粘着シート(H225Eサンエー化研製)を積層し、最終的なホログラム積層体作製用ラベルを完成させた。
実施例3のうち、切れ込みを入れない以外は同様にして、ホログラム積層体作製用ラベルを作製した。貼付媒体をプラスチック製CDケースとし、同様の試験を実施したところ、ホログラム積層体は再利用が可能な状態で容易に剥離された。
2 体積ホログラム層
3 第1粘着剤層
4 切れ込み
5 剥離フィルム
6 第2粘着剤層
7 第3粘着剤層
8 着色剤層
9 ハードコート
10 再剥離粘着シート
11 ホログラム貼付媒体
Claims (5)
- 少なくとも第1粘着剤層、体積型ホログラム層および保護層を順次積層してなり、前記第1粘着剤層を被貼付媒体に粘着される体積型ホログラム積層体であって、
前記体積型ホログラム積層体を構成する前記保護層に切れ込みが入っており、かつ前記第1粘着剤層の粘着強度が前記体積型ホログラム層の破壊強度よりも高くなっており、前記体積型ホログラム積層体を被貼付媒体に粘着させた後にこの体積型ホログラム積層体が被貼付媒体から剥離される際は、前記保護層の切れ込みによって前記体積型ホログラム層の切断または変形が促進され、前記第1粘着剤層が前記体積型ホログラム積層体とともに被貼付媒体から剥離されることを特徴とする、体積型ホログラム積層体。 - 前記体積型ホログラム層と前記保護層が、第2粘着剤層を介して積層されてなる、請求項1に記載の体積型ホログラム積層体。
- 少なくとも第1粘着剤層、着色層、第3粘着剤層、体積型ホログラム層および保護層を順次積層してなり、前記第1粘着剤層を被貼付媒体に粘着される体積型ホログラム積層体であって、
前記体積型ホログラム積層体を構成する前記保護層に切れ込みが入ってなり、前記体積型ホログラム積層体を被貼付媒体に粘着させた後にこの体積型ホログラム積層体が被貼付媒体から剥離される際は、前記保護層の切れ込みによって前記体積型ホログラム層の切断または変形が促進され、前記第1粘着剤層が前記体積型ホログラム積層体とともに被貼付媒体から剥離されることを特徴とする、体積型ホログラム積層体。 - 少なくとも剥離フィルム、第1粘着剤層、体積型ホログラム層および保護層を順次積層してなり、前記剥離フィルムを剥離したのち前記第1粘着剤層を被貼付媒体に粘着される体積型ホログラム積層体作製用ラベルであって、
前記体積型ホログラム積層体を構成する前記保護層に切れ込みが入ってなり、前記体積型ホログラム積層体を被貼付媒体に粘着させた後にこの体積型ホログラム積層体が被貼付媒体から剥離される際は、前記保護層の切れ込みによって前記体積型ホログラム層の切断または変形が促進され、前記第1粘着剤層が前記体積型ホログラム積層体とともに被貼付媒体から剥離される、体積型ホログラム積層体作製用ラベル。 - 少なくとも剥離フィルム、第1粘着剤層、体積型ホログラム層、保護層および再剥離フィルムを順次積層してなり、前記剥離フィルムを剥離したのち前記第1粘着剤層を被貼付媒体に粘着される体積型ホログラム積層体作製用ラベルであって、
前記体積型ホログラム積層体を構成する前記保護層に切れ込みが入ってなり、前記体積型ホログラム積層体を被貼付媒体に粘着させた後にこの体積型ホログラム積層体が被貼付媒体から剥離される際は、前記保護層の切れ込みによって前記体積型ホログラム層の切断または変形が促進され、前記第1粘着剤層が前記体積型ホログラム積層体とともに被貼付媒体から剥離される、体積型ホログラム積層体作製用ラベル。
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