JP5070316B2 - マスク - Google Patents

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Description

本発明は、周期膜厚分布d(x,y,z)の多層コーティングを有するマスクに関する。更に、本発明はリソグラフィ装置及び半導体部品に関する。
半導体部品は、通常、リソグラフィ法によって製造される。この目的のために、マスクによって予め設定される構造は、照射投影光学系によって、基板上に結像される。通常、UV領域における波長を有する光が、この目的のために用いられる。半導体部品の進行中の小型化の中で、極紫外線(EUV)領域及び軟X線の波長領域の波長が採用される。このスペクトルは1ないし20nmの領域での波長に対応する。
これらの波長では、マスクは最早透過の機能をしない。何故ならば、これらの波長に関しては、透過材料がないからである。反射の機能をするマスクが使用される。反射を保証するために、マスクは多層コーティングを有する。このような多層は周期の繰り返しから構成されている。周期は、最も簡単な場合、2つの層からなる。通常、層の一方の材料は、出来る限り高い屈折率及び低い吸収率を有するほうがよいが、層の他方の材料は出来る限り低い屈折率を有するほうがよい。高い屈折率及び低い吸収率を有する層は、スペーサとも呼ばれ、低い屈折率を有する層はアブソーバとも呼ばれる。EUV領域では、1.0の屈折率を有するケイ素がスペーサとして用いられ、0.92の屈折率を有するモリブデンがアブソーバとして用いられることは好ましい。周期膜厚及び個々の層の厚みは、入射光線の動作波長と、平均の入射角と、角度帯域幅とに従って、照射された表面に渡って積分された反射率が動作波長において最大にされるように、選択される。
多層コーティングは、一種のブラッグ反射器のように作用する。それ故に、入射角に従う反射率が観察される。この反射率は、例えば、投影光学系の瞳における不均一な強度分布即ちいわゆる瞳アポダイゼーション(Pupillenapodisierung;pupil apodization)の形で目立つ。というのは、入射角を正確にしか用いない照射源及び照射光学系を準備することは、技術的に不可能だからである。更に、このようないわゆる干渉性の照射は、大まかな構造の結像のみを可能にする。これに対し、部分的に干渉性のまたは非干渉性の照射光学系によって、より細かな構造が解像され、これに応じて、結像されることができる。このような照射光学系は、限定的に開かれた照射光コーンを有する。瞳アポダイゼーションは、収差、例えば、基板へのマスク構造の投射の際の不均一な強度、テレセントリックエラー、及び構造に従うまたは場に従う分解限界(いわゆるHV差分またはCDバリエーション)をもたらす。
EP 1 282 011 A2 には、アポダイゼーションを投影光学系における措置によって最小限にする方法が示される。物体平面に設けられたパターンをEUV領域からの電磁光線によって像平面に結像させるための、この公報に提案された投影対物レンズは、物体平面と像平面との間に、多層コーティングを有しかつ投影対物レンズの光軸を規定する結像用の複数の鏡を有する。これらの鏡のうちの少なくとも1は、コーティングの軸に対し回転対称的な層厚変化を有する、勾配型の多層コーティングを有する。コーティングの軸は、投影対物レンズの光軸に偏心的に設けられている。瞳アポダイゼーションの、即ち、瞳上の強い強度変化の問題は、回転対称的なアポダイゼーションが扱われることによって、緩和される。このことは、アポダイゼーションがほとんど場に依存しないことをもたらす。このことが達成されるのは、投影対物レンズが、共心の、勾配型の多層コーティングを有する2つの鏡を備え、2つに多層コーティングが適切に互いに調整されていることによってである。
US 6,333,961 B1 は、光源スペクトルの帯域幅の、リソグラフィの結像への影響を減じることに関する。反射型のマスクは、軟X線の波長領域に用いられ、反射が多層コーティングにおいて生じる。多層コーティングの周期膜厚分布をコーティングの深さに渡って変化させることが提案される。厚さのこの変化によって、反射率分布は、入射角または波長に従って一層幅広になる。このことは、リソグラフィの結像が、入射角及び波長における変化に対し余り影響されないこと、をもたらす。厚さの変化は、コーティングの深さに渡って、連続的にまたは段階的に生じる。
EP 1 282 011 A2 US 6,333,961 B1
本発明の課題は、アポダイゼーション効果に基づく収差の減少を可能にする措置を提案することである。
上記課題は、請求項1及び請求項5に記載のマスクによって、請求項6に記載のリソグラフィ装置によって、及び請求項11に記載の半導体部品によって解決される。
驚くべきことには、動作波長のためのマスクの反射率を最適化する基準値からのほんの僅かの外れが生じ、少なくとも1つの位置における周期膜厚分布d(x,y,z)が、動作波長に関して最大の反射率が存する周期膜厚分布dideal よりも大きく選択されるとき、マスクにおける反射率分布が、以下の程度に、即ち、アポダイゼーションがより対称的であり、かくてテレセントリックエラーが減少されるのみならず、アポダイゼーションによって引き起こされる強度変化が全体的に減少されるほどに、変更されることが明らかになった。
US 6,333,961 B1 の教示とは異なり、この目的のためには、コストをかけて製造されかつ深さに関し勾配型の多層コーティングに拠る必要はない。深さに渡って一定な周期膜厚分布d(x,y)の場合でも、重要な改善が達成されることが明らかになった。しかし、更に、本発明に係わるマスクにおける反射の帯域幅を拡大するためには、多層コーティングを、深さの勾配(Tiefengradient)としてデザインすることができる。
特に好ましい実施の形態では、周期膜厚分布d(x,y,z)は、レチクル表面全体に渡って即ちx−y面で、dideal よりも大きい。このことが、特に、マスクの面積が広い場合に、適切であることが分かった。
周期膜厚分布d(x,y,z)が、マスク表面全体に渡って及び特にコーティング全体に関して一定であることは、全く特に好ましい。このことは、多層コーティングのデザインの及びマスクの製造の大いなる簡略化もたらす。つまり、周期膜厚がマスクの面全体に渡って一定数値だけ拡大すれば、僅かな強度変化及び反射率全体に関するほんの僅かな損失を有する対称的なアポダイゼーションが達成されることができることが明らかになった。
所定の照射開口における周縁光線に関する反射率が同一であるように、周期膜厚分布が選択されるときも、良好な結果が達成される。例えば、α0 が、照射開口NAilluminator の主光線の入射角であり、Δα=arcsin(NAilluminator)が、照射開口の、対応の半分の開口角であるとすれば、本発明では、周期膜厚は、反射率が、動作波長における入射角に従って、以下の式、即ち R(α0 +Δα)=R(α0 −Δα) を満たすように、選択されるほうがよい。このような周期膜厚の選択は、例えば反復工程によって、なされることができる。干渉性の照射の極限の場合(Δα→0)に関してのみ、周期膜厚分布d(x,y,z)=dideal の通常の選択との一致が生じる。この場合、少なくとも1つの位置(x0 ,y0 ,z0 )においてd(x,y,z)>dideal である場合が、特に好ましい。
本発明に係わるマスクをリソグラフィ装置に使用することによって得られる改善が更に強められることができるのは、照射光学系の出射瞳が適切に不均一に照射されるように、照射光学系がデザインされている場合である。照射光学系及びマスクにおける複数の措置の組合せによって、瞳アポダイゼーションが効果的に最小化されることができる。
従来のマスクを用いてUV領域での透過の機能をするリソグラフィ装置も、減少した瞳アポダイゼーションを有するのは、照射光学系の出射瞳が適切に不均一に照射され、それにより、アポダイゼーション効果が、特に、マスクによって光路内に引き起こされるアポダイゼーション効果が、少なくとも部分的に補償されるように、照射光学系がデザインされている場合である。
不均一な照射が、フィールド点に従って、フィールド毎の入射角に適合されることは好ましい。修正措置は、光路内でマスクの手前に設けられている光学素子によってなされることができる。
この目的のために、少なくとも1つのフィルタが用いられることが、特に適切であることが明らかになった。実際のマスクは、理想的な反射率と異なる反射率を有することができるか、あるいは、回折構造に基づいて、瞳照射に影響を与える追加の効果を有することができる。このことは、例えば、構造を担持するマスクに設けられた物体構造の、照射に従う回折効率であってもよい。回折効率は、適切なフィルタによって補償される。例えばハネカムチャネルフィルタによって、フィールド点に従って、個々の副瞳(Subpupillen)が影響を受けることがある。用いられるマスクに従って、フィルタ交換がなされることができる。この目的のために、例えば、フィルタホイールが用いられることができる。適切なフィルタは、例えば DE 103 34 7224.4 に記載される。
更に、瞳アポダイゼーションの他の対称化が達成されるのは、EP 1 282 011 A2 に記載のように、共心の、勾配型の多層コーティングを有する少なくとも1つの光学素子が投影光学系に追加的に設けられるときである。この場合、勾配型の多層コーティングが、マスクにおける反射によって引き起こされる、瞳の残りのアポダイゼーション、特にこのアポダイゼーションを補償するために、最適化されることは好ましい。アポダイゼーションを追加的に対称化するために、実質的に共心の、勾配型の多層コーティングを有する2つのまたはそれより多い光学素子が用いられることができる。個々の光学素子の多層コーティングが互いに調整されている。
前記リソグラフィ装置を用いて、基板の構造化によって、半導体部品が製造される。
EUVリソグラフィ装置の原理図を示す。 EUVリソグラフィ装置の詳細図を示す。 13.5nmの波長の際の、入射角に従う反射率を示す。 従来のマスクに関する波長及び入射角に従う反射率を示す。 従来のマスクにおける反射から結果として生じる、5つのフィールド点の内の一つにおける瞳アポダイゼーションを示す。 従来のマスクにおける反射から結果として生じる、5つのフィールド点の内の他の一つにおける瞳アポダイゼーションを示す。 従来のマスクにおける反射から結果として生じる、5つのフィールド点の内の他の一つにおける瞳アポダイゼーションを示す。 従来のマスクにおける反射から結果として生じる、5つのフィールド点の内の他の一つにおける瞳アポダイゼーションを示す。 従来のマスクにおける反射から結果として生じる、5つのフィールド点の内の他の一つにおける瞳アポダイゼーションを示す。 本発明に係わるマスクに関する波長及び入射角に従う反射率を示す。 本発明に係わるマスクにおける反射から結果として生じる、5つのフィールド点の内の一つにおける瞳アポダイゼーションを示す。 本発明に係わるマスクにおける反射から結果として生じる、5つのフィールド点の内の他の一つにおける瞳アポダイゼーションを示す。 本発明に係わるマスクにおける反射から結果として生じる、5つのフィールド点の内の他の一つにおける瞳アポダイゼーションを示す。 本発明に係わるマスクにおける反射から結果として生じる、5つのフィールド点の内の他の一つにおける瞳アポダイゼーションを示す。 本発明に係わるマスクにおける反射から結果として生じる、5つのフィールド点の内の他の一つにおける瞳アポダイゼーションを示す。
図面を参照して本発明を詳述する。図1は、基板7の構造化によって半導体部品を製造するためのEUVリソグラフィ装置1を示す。光源2から出る光線3は、照射光学系4に供給される。この照射光学系は光線3をマスク5に向けるので、マスクは照射される。マスク5では、EUV光線3が反射によって回折され、投影光学系6に供給される。投影光学系はEUV光線3を基板7に向け、マスク表面にある構造が基板7に投影される。
図2には、13.5nmの動作波長での、入射角に従う反射率が記入されている。中央の主光線角度は6°である。ここでは、約74.6%の最大の反射率が達成される。しかし、EUV光は3.5°と8.5°との間の周縁光線角度でもマスク5に当たる。そこには、約74.3%及び73.9%の反射率のみが達成される。かくて、反射率は、種々の入射角に関して、かなり強く変動する。この変動が中央の主光線角度に対し対称的に延びていないという困難さが加わる。このことは、テレセントリックエラー、CDバリエーション及びいわゆるHV差分の形の瞳アポダイゼーション及び収差をもたらす。これは、マスク上に同一幅でデザインされている水平方向の及び垂直方向の構造の、その複数の結像の間の、構造幅の変化である。
上に示したように、マスク5において角度に従う反射率によって、瞳の不均一な照射、いわゆるアポダイゼーションが存在するとき、このアポダイゼーションは、少なくとも部分的に、各々のフィールド点での照射角度に渡っての照射光の強度分布の適切な条件(Verhalten)によって、補償されることができる。この目的のために、例えば、光線の逆の追跡の周知の方法によって、照射角度に渡っての強度分布が測定される。この強度分布の場合、マスク5での反射及び投影光学系の中の通過の後に、ウエハ基板7で、均一に照射された瞳が調整され、即ち、望ましいテレセントリからの偏差が全然調整されない。更に、角度に従う反射率の他に、反射マスク5に結像される構造の、角度に従う回折効率も、考慮することが考えられる。最適な補償を達成するために、補償は、交換可能なフィルタ要素によって、その時々に好ましいかまたは主に今ある構造幅及び構造方向に適合されることができる。
以下、図1bを参照して、マスクによって引き起こされるアポダイゼーション効果の、フィルタによる補償を、例として説明する。このことを、ハネカム・コンデンサ1000,1002を有する照射光学系206を備えた投影照射装置の例で、行なう。
基礎となるEUV投影照射装置は、WO 02/00608 に詳細に説明されている。この公報の開示内容は、本願に全面的に組み込まれている。
図1bに示したEUV投影照射装置は、例えば格子によって実現されている回折式の分光フィルタ200を有する照射光学系206を備えている。従って、光源301の中間像Zの付近にある絞り302と共に、例えば、所望の波長よりも著しく大きい波長、この場合には13.5nmの波長を有する望ましくない光線が、絞り302の後方に位置している照射光学系の部分へ入射することが防止されることができる。
絞り302は、光源1と、コレクタ303と、格子200とを有する空間304を、照射光学系206の後続の諸要素から空間的に分離するためにも用いられる。中間焦点Zの付近でバルブを入れることによって、圧力による分離も可能である。空間的なまたは圧力による分離によって、光源301から由来する不純物が、照射光学系の、絞り302の後方に位置している部分に達することを防止することができる。ここで用いられるコレクタ303は、8つのシェルからなる。
絞り302の後方には、第一の、第二の、第三の、第四の及び第五の光学素子102,104,106,108,110が設けられている。第一の光学素子102は、夫々54mm×2.75mmの面積を有する122の第一の格子素子を備えている。第二の光学素子104は、第一の格子素子に割り当てられた、夫々10mmの直径を有する少なくとも122の第二の格子素子を備えている。
物体平面114に結像され、そこで重ね合わされる結像を有する第一の格子素子の、その各々は、夫々、第二の格子素子に割り当てられている。従って、第一の格子素子に生じる強度は、割り当てられた第二の格子素子の強度に対応する。後者の強度は、同様に、物体平面114における照射角度に対応する。
第一の格子素子102の直前には、補正フィルタ1000が設けられている。この補正フィルタは、例えば、回転軸1010を中心に回転可能なフィルタホイールにある。このフィルタホイールは、マスク上の結像される他の構造幅または方向に適合される他の補正フィルタ1002と交換するためのものである。能動成分を有する標準的なフィルタ要素としての実施の形態も考えられる。フィルタ1000は、第二の光学素子104の後でもまたは第一の光学素子102と第二の光学素子104との間に設けられていてもよい。
フィルタ1000は、アポダイゼーション効果を場の強さの位置に従って補正するために、以下のように、即ち、所定の第二の格子素子への割当てによって場の強さの各位置での所定の照射角度に対応する所定の第一の格子素子の手前で、放射線束が弱められ、その結果、マスクにおける反射の後に、すべての照射角度に渡って、走査に基づき積分された、画像フィールドの及び瞳の均一な照射が、投影照射装置の画像空間において調整されるように、デザインされる。
第二の光学素子104の第二の格子素子は、鏡106,108及び110を介して、6つの鏡128.1,128.2,128.3,128.4,128.5,128.6を有する後続の投影対物レンズ126の、その入射瞳に結像される。投影対物レンズ126は、物体平面114における円環状フィールドを、像平面124における画像フィールドに結像する。像平面には、照射される物体、例えばウエハがある。構造を担持するマスクは、物体の平面114に設けられている。
投影対物レンズ126の、図示しない第一の変更の実施の形態では、鏡128.2は、コーティングの軸を中心として対称的な、勾配型の、偏心された多層コーティングを有する。投影対物レンズ126の、図示しない第二の変更の実施の形態では、鏡128.4及び128.5は、実質的に共心の、勾配型の多層コーティングを有する。2つのコーティングは互いに調整されている。投影対物レンズのこれらの変更の実施の形態は、本発明に係わるマスクを更に用いるための瞳アポダイゼーションの更なる減少をもたらす。マスクについては、更に以下に詳述する。
照射光学系206の鏡110は、物体平面114に円環状フィールドを形成するために用いられ、回転双曲面の、オフアクシスのセグメントからなる。図1bに示した光学系は、R=130mmのフィールド半径及び物体平面114即ちマスクにおけるNA=0.03125の照射開口のためにデザインされている。このことは、面124において開口NA=0.25を有する後続の4:1の投影対物レンズの、その入射瞳におけるδ=0.5の充填度に対応する。
マスク(物体平面114にある)における入射角が、通常、場の強さの各位置に従うのは、特に、反射型のEUV投影照射装置の場合のように、テレセントリック光路がマスクに存しないときである。マスクの、角度に従う反射率によって、瞳アポダイゼーション及び/または像平面124の不均一な照射が存するとき、このアポダイゼーションまたは像平面の不均一な照射を、ハネカム・コンデンサの複数のハネカムチャネルの例えば部分的な遮りによって補償することが可能である。この目的のために、高いほうの反射率でマスクにおいて反射される複数の照射方向の、その強さが、画像フィールド及び瞳の、対応の位置において弱められる。ハネカム・コンデンサ(図示せず)は、第二の光学素子104の第二の格子素子に取着されている。このことによって、場の強さのすべての位置に渡っての強度分布の一定の変化が可能である。場の強さの位置に従うアポダイゼーション効果が補償されること意図されるとき、このことは、第一の光学素子102の手前に設けられた既述のフィルタ1000によってなされる。
走査式の投影照射装置では、マスク及び照射される物体、例えばウエハが、照射工程中に、互いに同期式に移動される。この投影照射装置における結像のためには、走査過程で積分された、画像フィールドの及び瞳の照射が著しく均一であることのみが必要である。図1bに示された装置の場合、ウエハにおける10mradよりも少ないテレセントリックエラー及び0.5%よりも少ない強さのずれが通常である。
図1bに示した投影照射装置は、第一の光学素子102の、フィールドハネカムとも呼ばれる第一の格子素子を、直接、物体平面114に結像するが、複数の第一の格子素子が、まず、中間像として、次に、光路で後続の光学系が物体平面114に結像されてなる投影照射装置も可能である。このような照射光学系は、WO 01/09681 に詳述されている。この公報の開示内容を本願に全面的に組み込まれている。
図3には、波長に従う2°ないし10°の種々の入射角に関する反射率が記入されている。ここで用いられた従来のマスクは、13.5nmの動作波長及び6°の主光線角度のためには最適化されている。このマスクは、周期膜厚分布dideal=6.948nmを有するモリブデン・ケイ素・多層コーティングを有する。
図4aないし4eには、相対的な瞳座標における5つの異なったフィールド点に関する、周期膜厚から結果として生じる瞳アポダイゼーションが示されている。正確な値は表1に纏められている。出射瞳における、著しく非対称的なアポダイゼーション分布が見られる。更に、反射率は激しい変化に晒され、66.42%ないし68.20%と72.78%の間の値を取る。
図4と比較して、図5及び6aないし6eには、本発明に係わるマスクに関する対応の状況が示されている。本発明に係わるマスクも、モリブデン・ケイ素・多層コーティングを有する。しかし、ここでは、周期膜厚は、常に6.976nmと選択された。入射角に従う反射率に関しては、このことは、反射率が、今や、13.5nmの動作波長の場合、約6°でなく8°の入射角の場合に最大であることを意味する。
出射瞳におけるアポダイゼーションに関する改善が、非常に明白である。これらの改善は、図4aないし4eと同じフィールド点に関して図6aないし6e(表2も参照せよ)に示される。一方では、出射瞳において、従来のレチクルのアポダイゼーションよりも著しく大きな対称を有する鞍面が形成される。更に、出射瞳上の反射率が、71.18%ないし70.50%と72.55%の間でのみ変化する。更に、13.5nmの動作波長の場合、2°の及び10°の入射角に関する反射率がほぼ同一であることは好都合である。このことによって、このレチクルは、特に、4°の照射開口を有する投影光学系を備えたリソグラフィ装置での使用のために、適切である。何故ならば、この場合、入射角は、6°±4°=2°と10°の間で変化するからである。従って、上部及び下部瞳縁部での反射率における低下は、ほぼ対称的である。6°の主光線角度の選択及び4°の照射開口角度の選択が、本発明の思想の典型的な実施の形態として見なされるべきであって、本発明の思想自体はこの実施の形態に限定されず、各々のリソグラフィ光学系に容易に適合されることができることを指摘しておく。
更に、この実施の形態では、アポダイゼーションに関する満足すべき結果が、約6.962nmないし6.990nmの周期膜厚範囲で達成されることを指摘しておく。
Figure 0005070316
Figure 0005070316

Claims (2)

  1. 周期膜厚分布d(x,y,z)の多層コーティングを有するマスクであって、
    前記周期膜厚分布d(x,y,z)は、
    所定の照射開口における上部及び下部周縁光線のマスクにおける反射率が、同一の大きさであるように
    選択されることを特徴とするマスク。
  2. 少なくとも1つの位置(x0,y0,z0)における周期膜厚分布d(x,y,z)が、動作波長に関して最大の反射率が存する周期膜厚分布didealよりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のマスク。
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