JP5070027B2 - 無線端末及び無線通信方法 - Google Patents

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Description

本発明は、自端末の環境状態に応じて、自端末の動作を制御する無線端末及び無線通信方法に関する。
従来、無線端末に各種センサが設けられており、各種センサの検出結果に応じて、無線端末の動作を制御する方法が知られている。無線端末の動作とは、例えば、無線通信に使用するアンテナ(使用アンテナ)の切り替え制御、複数の使用アンテナの位相制御、使用アンテナの指向性制御などである。
例えば、自端末の傾きを検出する加速度センサが設けられた無線端末が提案されている(例えば、特許文献1)。この無線端末は、加速度センサの検出結果に応じて、使用アンテナの指向性を制御する。
また、自端末に近接する物体の有無を検出するセンサが設けられた無線端末も知られている。この無線端末は、自端末に近接する物体の有無に応じて、自端末の動作を制御する。
特開2004−64741号公報(例えば、請求項1、[0028])
ところで、無線端末の環境状態としては、様々な環境状態が考えられる。例えば、ユーザが通信を開始しようとする場合には、無線端末はユーザの手に保持された状態となる。ユーザが通信を行わない場合には、無線端末は、鞄の中に入れられた状態や机の上に置かれた状態となる。
このように、無線端末の制御は、無線端末の環境状態と密接な関係を有している。従って、無線端末の制御は、無線端末の環境状態に応じて制御されることが好ましい。
しかしながら、上述した従来技術では、単に、自端末に近接する物体の有無や自端末の傾きに応じて、無線端末が制御されるに過ぎない。従って、無線端末が適切に制御されない可能性がある。
そこで、本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、自端末の環境状態に応じて、自端末の動作を適切に制御することを可能とする無線端末及び無線通信方法を提供することを目的とする。
一の特徴では、無線端末は、自端末に近接する物体の静電容量を測定する静電容量測定部(センサ50、静電容量測定部12)と、前記静電容量測定部によって測定された前記静電容量に応じて、自端末に近接する物体の種類を判定する判定部(判定部15)と、自端末に近接する物体の種類に応じて、自端末の動作を制御する制御部(制御部16)とを備える。
かかる特徴によれば、判定部は、自端末に近接する物体の種類を静電容量に応じて判定し、制御部は、自端末に近接する物体の種類に応じて自端末の動作を制御する。従って、単に、自端末に近接する物体の有無や自端末の傾きに応じて無線端末の動作を制御する場合に比べて、自端末の環境状態に応じて無線端末の動作を適切に制御することができる。
上述した特徴において、前記判定部は、ネットワーク側と送受信する制御信号に応じて、自端末の通信状態を判定し、前記制御部は、自端末に近接する物体の種類に加えて、自端末の通信状態に応じて、自端末の動作を制御することが好ましい。
上述した特徴において、前記静電容量測定部によって測定された前記静電容量を誘電率に変換する変換部(変換部13)をさらに備え、前記判定部は、前記変換部によって変換された前記誘電率に基づいて、自端末に近接する物体の種類を判定することが好ましい。
上述した特徴において、物体の静電容量と物体の種類とが予め対応付けられた制御テーブル(図4及び図5に示すテーブル)を記憶する記憶部(テーブル格納部14)をさらに備え、前記判定部は、前記制御テーブルを参照して、自端末に近接する物体の種類を判定することが好ましい。
上述した特徴において、前記静電容量測定部は、前記静電容量を複数の位置で測定し、前記判定部は、前記複数の位置で測定された前記静電容量に応じて、自端末に近接する物体の種類を判定することが好ましい。
上述した特徴において、前記制御部は、自端末に設けられたアンテナの制御、無線通信に用いる通信パラメータの制御、又は、自端末の呼び出しを通知する着信通知の制御を行うことが好ましい。
一の特徴では、無線通信方法は、無線端末に近接する物体の静電容量を測定するステップAと、前記ステップAで測定された前記静電容量に応じて、無線端末に近接する物体の種類を判定するステップBと、無線端末に近接する物体の種類に応じて、無線端末の動作を制御するステップCとを含む。
本発明によれば、自端末の環境状態に応じて、自端末の動作を適切に制御することを可能とする無線端末及び無線通信方法を提供することができる。
以下において、本発明の実施形態に係る無線端末について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。
ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
[第1実施形態]
(無線端末の周辺環境)
以下において、第1実施形態に係る無線端末の周辺環境について、図面を参照しながら説明する。図1は、第1実施形態に係る無線端末10の周辺環境について説明するための図である。
図1(a)及び図1(b)に示すように、無線端末10の近傍には、何らかの物体(人体を含む)が存在していることが一般的である。例えば、図1(a)に示すように、机、椅子、棚などの物体100上に無線端末10が載置されているケースが考えられる。図1(b)に示すように、ユーザ200が所持しているケースが考えられる。
これらの他にも、無線端末10が鞄などの中に入っているケース、台座型の充電器に無線端末10が載置されているケースなども考えられる。
(無線端末の構成)
最初に、第1実施形態に係る無線端末の外観について、図面を参照しながら説明する。図2は、第1実施形態に係る無線端末10の外観を示す図である。
図2に示すように、無線端末10は、アンテナ20と、音声出力部30と、音声集音部40と、複数のセンサ50(センサ50a〜センサ50c)とを有する。
アンテナ20は、基地局やアクセスポイントなどから電波を受信する。アンテナ20は、単数のアンテナ素子によって構成されていてもよく、複数のアンテナ素子によって構成されていてもよい。
アンテナ20が複数のアンテナ素子によって構成されているケースでは、各アンテナ素子は、アンテナ20の指向性パターンの生成、ダイバーシチ送信、ダイバーシチ受信などに用いられる。以下においては、アンテナ20が複数のアンテナ素子によって構成されていることを前提として説明する。
音声出力部30は、音声などを出力するスピーカである。音声集音部40は、音声などを集音するマイクである。
センサ50は、静電容量を検出可能に構成された静電容量センサである。例えば、センサ50aは、音声出力部30の近傍に設けられており、センサ50bは、音声集音部40の近傍に設けられている。センサ50cは、無線端末10の側面、すなわち、無線端末10の持ち手部分に設けられている。
続いて、第1実施形態に係る無線端末の機能について、図面を参照しながら説明する。図3は、第1実施形態に係る無線端末10の機能を示すブロック図である。
図3に示すように、無線端末10は、通信部11と、静電容量測定部12と、変換部13と、テーブル格納部14と、判定部15と、制御部16とを有する。なお、図3では、上述したアンテナ20、音声出力部30、音声集音部40及びセンサ50が省略されていることに留意すべきである。
通信部11は、アンテナ20(図3では不図示)に接続されており、基地局やアクセスポイントなどを介してネットワーク側と通信を行う。通信部11は、通信において必要とされる各種処理を行う。例えば、通信部11は、後述する制御部16の指示に従って、アンテナ20の指向性を制御する指向性制御、通信に用いるアンテナ素子を切り替えるダイバーシチ制御などを行う。
静電容量測定部12は、センサ50によって検出された静電容量を測定する。ここでは、静電容量測定部12とセンサ50とを別々に記載しているが、静電容量測定部12がセンサ50に設けられていると考えてもよいことは勿論である。
なお、静電容量測定部12によって測定される静電容量は、以下の(式1)によって表される。
Figure 0005070027
但し、C=静電容量、ε=物体の誘電率、S=センサ50の検出面積、d=センサ50と物体との距離
このように、静電容量は、物体の誘電率、センサ50の検出面積及びセンサ50と物体との距離などによって変化する。
ここで、物体は、無線端末10(アンテナ20)が放射する電波の波長に対して十分に大きな寸法を有しており、無線端末10に十分に近接していることを前提とする。従って、静電容量測定部12によって測定された静電容量(センサ50によって検出された静電容量)は、誘電率に置き換えることが可能である。
変換部13は、静電容量測定部12によって測定された静電容量を誘電率に変換する。ここで、誘電率は、複素誘電率や比誘電率であることに留意すべきである。
具体的には、変換部13は、センサ50の構成に応じて理論計算によって誘電率を算出してもよい。また、変換部13は、図4に示すように、静電容量と誘電率とを予め対応付けるテーブルを参照して静電容量を誘電率に変換してもよい。
図4に示すテーブルについては、無線端末10の近傍に様々な物体を配置した状態において、静電容量及び誘電率を取得することによって、予め作成することが可能である。
テーブル格納部14は、図5に示すように、物体の種類と誘電率とを予め対応付けるテーブルを格納する。なお、物体の種類と誘電率とは1対1の関係を満たすため、静電容量から物体の種類を特定する場合に比べて、誘電率から物体の種類を特定する方が好ましいことに留意すべきである。
判定部15は、変換部13によって変換された誘電率に基づいて、無線端末10に近接する物体(以下、近接物体)の種類を判定する。具体的には、判定部15は、テーブル格納部14に格納されたテーブルを参照して、変換部13によって変換された誘電率に対応する物体の種類を判定する。
判定部15は、通信部11が送受信する各種信号に基づいて、無線端末10の通信状態(“待受け中”又は“通信中”)を判定する。具体的には、判定部15は、音声通話やパケットの発信要求によって、無線端末10が“待受け中”から“通信中”に遷移したと判定する。判定部15は、音声通話やパケットの終了要求によって、無線端末10が“通信中”から“待受け中”に遷移したと判定する。
制御部16は、無線端末10の動作を統括的に制御する。例えば、制御部16は、判定部15によって判定された近接物体の種類及び通信状態に応じて、アンテナ制御、通信パラメータ制御及び端末設定制御を行う。
アンテナ制御は、ダイバーシチ制御及び指向性制御を含む。ダイバーシチ制御は、通信に用いるアンテナ素子を切り替える処理である。指向性制御は、アンテナ20の指向性を制御する処理である。
通信パラメータ制御は、通信に用いる通信パラメータを設定する処理である。通信パラメータは、(1)通信状態が“通信中”であるケースにおけるパラメータと、(2)通信状態が“待受け中”であるケースにおけるパラメータとが考えられる。
(1)“通信中”における通信パラメータとしては、無線リンク(Radio Link)の追加、削除又は入れ替え、すなわち、ハンドオーバに関する通信パラメータが考えられる。ハンドオーバに関する通信パラメータは、例えば、“Reporting Range”、“Hysterisis(1C)”、“Time to Trigger”などである。
“Reporting Range”は、無線リンクの追加(event 1a)において、アクティブセルからの信号の受信品質から監視セルからの信号の受信品質を除いた受信品質差が満たすべき範囲(閾値)である。なお、アクティブセルは、無線端末10と通信を行っているセルである。監視セルは、無線端末10が受信品質を監視するセルであり、無線リンクを新たに追加するセルの候補である。
“Hysterisis(1C)”は、無線リンクの入れ替え(event 1c)において、監視セルからの信号の受信品質からアクティブセルからの信号の受信品質を除いた受信品質差が満たすべき条件(閾値)である。
“Time to Trigger”の種類としては、無線リンクの追加で用いられる“Time to Trigger(1A)”と、無線リンクの入れ替えで用いられる“Time to Trigger(1C)”とが挙げられる。
“Time to Trigger(1A)”は、受信品質差が“Reporting Range”内に収まっているべき時間(閾値)である。受信品質差が“Reporting Range”内に収まっている時間が“Time to Trigger(1A)”を超えた場合に、無線リンクの追加(event 1a)が行われる。
“Time to Trigger(1C)”は、受信品質差が“Hysterisis(1C)”を超えているべき時間(閾値)である。受信品質差が“Hysterisis(1C)”を超えている時間が“Time to Trigger(1C)”を超えた場合に、無線リンクの入れ替え(event 1c)が行われる。
(2)“待受け中”における通信パラメータとしては、間欠受信周期、セル選択(Cell Selection)やセル再選択(Cell Reselection)に関する通信パラメータが考えられる。
間欠受信周期は、無線端末10が在圏する在圏セル(Serving Cell)からのパイロット信号を受信する周期、在圏セルの周辺に設けられた周辺セル(Neibouring Cell)からのパイロット信号を受信する周期である。
セル選択やセル再選択に関する通信パラメータは、例えば、“Treselection”や“Qhyst”などである(例えば、3GPP TS25.304 5.2.6「Cell Reselection Evaluation Process」)。
“Qhyst”は、周辺セルからの信号の受信品質から在圏セルからの信号の受信品質を除いた受信品質差が満たすべき条件(閾値)である。
“Treselection”は、受信品質差が“Qhyst”を超えているべき時間(閾値)である。受信品質差が“Qhyst”を超えている時間が“Treselection”を超えた場合に、セル選択(又は、セル再選択)が行われる。
端末設定制御は、ネットワーク側から呼び出し要求を受信した場合に、呼び出しをユーザに通知する着信通知を設定する処理などである。着信通知は、着信音の出力やバイブレーションによって行われる。
具体的には、制御部16は、近接物体の種類及び通信状態に応じて、図6に示す動作(動作A〜動作J)を制御する。
(動作A)
動作Aは、近接物体が“人体”であり、通信状態が“通信中”であるケースにおける無線端末10の動作(アンテナ制御)である。
具体的には、人体から遠いアンテナ素子が人体に近いアンテナ素子よりも優先的に用いられるように、通信に用いるアンテナ素子が切り替えられる(ダイバーシチ制御)。なお、通信に用いられるアンテナ素子は、単数のアンテナ素子であっても、複数のアンテナ素子であってもよい。
人体とは反対側に指向性が向けられるように、アンテナ20の指向性が制御される(指向性制御)。アンテナ20の指向性は、各アンテナ素子の振幅及び位相を変化させることによって調整される。
(動作B)
動作Bは、近接物体が“人体”であり、通信状態が“待受け中”であるケースにおける無線端末10の動作(アンテナ制御)である。
具体的には、人体から遠いアンテナ素子が人体に近いアンテナ素子よりも優先的に用いられるように、通信に用いるアンテナ素子が切り替えられる(ダイバーシチ制御)。なお、通信に用いられるアンテナ素子は、単数のアンテナ素子であっても、複数のアンテナ素子であってもよい。
人体とは反対側に指向性が向けられるように、アンテナ20の指向性が制御される(指向性制御)。アンテナ20の指向性は、各アンテナ素子の振幅及び位相を変化させることによって調整される。
(動作C)
動作Cは、近接物体が“人体”であり、通信状態が“通信中”であるケースにおける無線端末10の動作(通信パラメータ制御)である。上述したように、“Time to Trigger”や“Reporting Range”などとして、予め定められた最適値が設定される。
例えば、近接物体が“人体”であるため、CS通信が行われている可能性が高いと考えられる。従って、通信パラメータとして、CS通信に適した値が設定される。
(動作D)
動作Dは、近接物体が“人体”であり、通信状態が“待受け中”であるケースにおける無線端末10の動作(通信パラメータ制御)である。上述したように、間欠受信周期、“Treselection”や“Qhyst”などとして、予め定められた最適値が設定される。
例えば、近接物体が“人体”であるため、CS通信が開始される可能性が高いと考えられる。従って、通信パラメータとして、CS通信の開始に適した値が設定される。
(動作E)
動作Eは、近接物体が“人体”であり、通信状態が“待受け中”であるケースにおける無線端末10の動作(端末設定制御)である。
具体的には、着信通知が着信音によって行われている場合に、着信音からバイブレーションに着信通知方法が切り替えられる。また、近接物体が“人体”ではないケースや近接物体がないケースよりも小さい着信音の音量が設定されてもよい。
これによって、着信音が過剰に出力されて、無線端末10の周囲に存在する人に迷惑がかからないようにできる。
(動作F)
動作Fは、近接物体が“金属”であり、通信状態が“通信中”であるケースにおける無線端末10の動作(アンテナ制御)である。
具体的には、金属(近接物体)から遠いアンテナ素子が人体に近いアンテナ素子よりも優先的に用いられるように、通信に用いるアンテナ素子が切り替えられる(ダイバーシチ制御)。なお、通信に用いられるアンテナ素子は、単数のアンテナ素子であっても、複数のアンテナ素子であってもよい。
金属とは反対側に指向性が向けられるように、アンテナ20の指向性が制御される(指向性制御)。アンテナ20の指向性は、各アンテナ素子の振幅及び位相を変化させることによって調整される。
(動作G)
動作Gは、近接物体が“金属”であり、通信状態が“通信中”であるケースにおける無線端末10の動作(通信パラメータ制御)である。上述したように、“Time to Trigger”や“Reporting Range”などとして、予め定められた最適値が設定される。
例えば、近接物体が“金属”であるため、PS通信が行われている可能性が高いと考えられる。従って、通信パラメータとして、PS通信に適した値が設定される。
(動作H)
動作Hは、近接物体が“金属”であり、通信状態が“待受け中”であるケースにおける無線端末10の動作(通信パラメータ制御)である。上述したように、間欠受信周期、“Treselection”や“Qhyst”などとして、予め定められた最適値が設定される。
例えば、近接物体が“金属”であるため、PS通信が開始される可能性が高いと考えられる。従って、通信パラメータとして、PS通信の開始に適した値が設定される。
(動作I)
動作Iは、近接物体が“金属”であり、通信状態が“待受け中”であるケースにおける無線端末10の動作(端末設定制御)である。
具体的には、着信通知がバイブレーションによって行われている場合に、バイブレーションから着信音に着信通知方法が切り替えられる。
これによって、金属上で無線端末10が振動することによって生じる騒音を抑制することができる。また、無線端末10をユーザ200が所持していないケースにおいても、ユーザ200に呼び出しを知らせることができる。
(動作J)
動作Jは、近接物体が“プラスチック”であり、通信状態が“待受け中”であるケースにおける無線端末10の動作(端末設定制御)である。
具体的には、着信通知がバイブレーションによって行われている場合に、バイブレーションから着信音に着信通知方法が切り替えられる。
これによって、無線端末10をユーザ200が所持していないケースにおいても、ユーザ200に呼び出しを知らせることができる。
(無線端末の動作)
以下において、第1実施形態に係る無線端末の動作について、図面を参照しながら説明する。図7は、第1実施形態に係る無線端末10の動作を示すフロー図である。なお、図7に示す処理は所定周期で繰り返される処理であることに留意すべきである。
図7に示すように、ステップ10において、無線端末10は、自端末に近接する物体の静電容量を測定する。
ステップ20において、無線端末10は、ステップ10で測定された静電容量を誘電率に変換する。具体的には、無線端末10は、上述したように、理論計算によって誘電率を算出する。無線端末10は、理論計算によって誘電率を算出することが困難である場合には、静電容量と誘電率とを対応付けるテーブル(図4)を参照)を参照して、静電容量を誘電率に変換してもよい。
ステップ30において、無線端末10は、ステップ20で変換された誘電率に基づいて、自端末に近接する物体の種類を判定する。具体的には、無線端末10は、上述したように、物体の種類と誘電率とを対応付けるテーブル(図5を参照)を参照して、誘電率に対応する物体の種類を判定する。
ステップ40において、無線端末10は、ネットワーク側と送受信される各種信号に基づいて、自端末の通信状態を判定する。
ステップ50において、無線端末10は、ステップ30で判定された物体の種類及びステップ40で判定された通信状態に基づいてアンテナ制御を行う。具体的には、無線端末10は、上述した図6などを参照して、物体の種類及び通信状態に対応するアンテナ制御を行う。アンテナ制御は、上述したように、アンテナのダイバーシチ制御及び指向性制御を含む。
ステップ60において、無線端末10は、ステップ30で判定された物体の種類及びステップ40で判定された通信状態に基づいて通信パラメータ制御を行う。具体的には、無線端末10は、上述した図6などを参照して、物体の種類及び通信状態に対応する通信パラメータ制御を行う。通信パラメータは、上述したように、“Time to Trigger”、“Reporting Range”、“間欠受信周期”、“Treselection”、“Qhyst”などである。
ステップ70において、無線端末10は、ステップ30で判定された物体の種類及びステップ40で判定された通信状態に基づいて端末設定制御を行う。具体的には、無線端末10は、上述した図6などを参照して、物体の種類及び通信状態に対応する端末設定制御を行う。端末設定制御は、上述したように、着信通知の方法を切り替える処理などである。
(作用及び効果)
第1実施形態によれば、判定部15は、自端末に近接する物体の種類を静電容量に応じて判定し、制御部16は、自端末に近接する物体の種類に応じて自端末の動作を制御する。従って、単に、自端末に近接する物体の有無や自端末の傾きに応じて無線端末の動作を制御する場合に比べて、自端末の環境状態に応じて無線端末10の動作を適切に制御することができる。
第1実施形態によれば、判定部15は、ネットワーク側と送受信する制御信号に応じて自端末の通信状態を判定し、制御部16は、自端末に近接する物体の種類に加えて、自端末の通信状態に応じて無線端末10の動作を制御する。従って、無線端末10の動作を適切に制御することができる。
[第2実施形態]
以下において、第2実施形態について図面を参照しながら説明する。以下においては、上述した第1実施形態と第2実施形態との相違点について主として説明する。
具体的には、上述した第1実施形態では特に触れていないが、第2実施形態では、無線端末10の状況(例えば、ユーザ200の状況)を第三者が確認することが可能である。第2実施形態では、例えば、無線端末10のユーザ200が子供であるようなケースにおいて、第三者(子供の親など)が子供の状況を確認することが可能である。
(通信システムの構成)
以下において、第2実施形態に係る通信システムの構成について、図面を参照しながら説明する。図8は、第2実施形態に係る通信システムの構成を示す図である。
図8に示すように、通信システムは、無線端末10と、ネットワーク300と、端末310(端末310a及び端末310b)とを有する。
ネットワーク300は、基地局、アクセスポイント、交換機などを含むネットワークである。ネットワーク300は、例えば、移動体通信網やインターネット網などを含む。
端末310は、端末310aなどの携帯端末や端末310bなどのパーソナルコンピュータなどである。ここで、端末310のユーザ(例えば、親)は、無線端末10のユーザ200(例えば、子供)の状況を問合せる第三者である。
例えば、端末310は、無線端末10の状況(ユーザ200の状況)を問合せる問合わせ信号をネットワーク300に送信する。ネットワーク300は、問合わせ信号を無線端末10に送信する。
無線端末10は、問合わせ信号に応じて、自端末の状況(ユーザ200の状況)をネットワーク300に送信する。ネットワーク300は、自端末の状況(ユーザ200の状況)を端末310に送信する。
具体的には、無線端末10は、近接物体の種類及び通信状況に応じて、自端末の状況(ユーザ200の状況)を判定する。
例えば、近接物体が“人体”である場合には、無線端末10は、ユーザ200が無線端末10を所持していると判定する。なお、通信状態が“通信中”である場合には、無線端末10は、ユーザ200が通信(例えば、CS通信)を行っている旨についても、ネットワーク300を介して端末310に通知してもよい。
一方で、近接物体が“人体”でない物体(例えば、金属やプラスチックなど)である場合には、無線端末10は、ユーザ200が無線端末10を所持していないと判定する。なお、通信状態が“通信中”である場合には、無線端末10は、ユーザ200が通信(例えば、PS通信)を行っている旨についても、ネットワーク300を介して端末310に通知してもよい。
[その他の実施形態]
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
例えば、上述した実施形態では、静電容量と誘電率とを対応付けるテーブル(図4を参照)及び物体の種類と誘電率とを対応付けるテーブル(図5を参照)が設けられているが、これに限定されるものではない。具体的には、テーブル格納部14は、物体の種類と静電容量とを直接的に対応付けるテーブルを有していてもよい。
上述した実施形態では特に触れていないが、静電容量測定部12は、複数の位置に設けられたセンサ50によって検出された静電容量を測定し、判定部15は、複数の位置に設けられたセンサ50によって検出された静電容量に応じて、自端末に近接する物体の種類を判定してもよい。例えば、判定部15は、センサ50a〜センサ50cによって検出された静電容量の全てが“人体”に対応する静電容量である場合には、近接物体が“人体”であると判定する。一方で、判定部15は、センサ50a及びセンサ50bによって検出された静電容量が“金属”や“プラスチック”に対応する静電容量である場合には、センサ50cによって検出された静電容量が他の物体に対応する静電容量であっても、近接物体が“金属”や“プラスチック”であると判定する。
上述した実施形態では特に触れていないが、制御部16は、近接物体が判定(検出)されてから直ちに、アンテナ制御、通信パラメータ制御及び端末設定制御を行ってもよい。制御部16は、近接物体が判定(検出)されてから所定時間が経過した後に、アンテナ制御、通信パラメータ制御及び端末設定制御を行ってもよい。
上述した実施形態では特に触れていないが、無線端末10は、近接物体の種類をネットワーク側に通知するように構成されていてもよい。ネットワーク側は、近接物体の種類及び通信状態に応じて、無線端末10に設定すべき通信パラメータを決定する。ネットワーク側は、通信パラメータを無線端末10に通知し、無線端末10は、ネットワーク側から通知された通信パラメータを自端末に設定する。
第1実施形態に係る無線端末10の周辺環境について説明するための図である。 第1実施形態に係る無線端末10の外観を示す図である。 第1実施形態に係る無線端末10の機能を示すブロック図である。 第1実施形態に係る静電容量と誘電率とを対応付けるテーブルを示す図である。 第1実施形態に係る物体の種類と誘電率とを対応付けるテーブルを示す図である。 第1実施形態に係る無線端末10の動作を説明するための図である。 第1実施形態に係る無線端末10の動作を示すフロー図である。 第2実施形態に係る通信システムの構成を示す図である。
符号の説明
10・・・無線端末、11・・・通信部、12・・・静電容量測定部、13・・・変換部、14・・・テーブル格納部、15・・・判定部、16・・・制御部、20・・・アンテナ、30・・・音声出力部、40・・・音声集音部、50・・・センサ、100・・・物体、200・・・ユーザ、300・・・ネットワーク、310・・・端末

Claims (6)

  1. 自端末に近接する物体の静電容量を測定する静電容量測定部と、
    前記静電容量測定部によって測定された前記静電容量に応じて、自端末に近接する物体の種類を判定する判定部と、
    自端末に近接する物体の種類に応じて、自端末の動作を制御する制御部とを備え
    前記制御部は、
    前記物体が金属であり、自端末の通信状態が通信中であるケースにおいて、通信パラメータとして、Time to TriggerまたはReporting Rangeの少なくとも何れかを予め定められた最適値に設定すること、または
    前記物体が金属であり、前記通信状態が待受け中であるケースにおいて、通信パラメータとして、間欠受信周期、TreselectionまたはQhystの少なくとも何れかを予め定められた最適値に設定することの少なくとも何れかを実行することを特徴とする無線端末。
  2. 前記静電容量測定部によって測定された前記静電容量を誘電率に変換する変換部をさらに備え、
    前記判定部は、前記変換部によって変換された前記誘電率に基づいて、自端末に近接する物体の種類を判定することを特徴とする請求項1に記載の無線端末。
  3. 物体の静電容量と物体の種類とが予め対応付けられた制御テーブルを記憶する記憶部をさらに備え、
    前記判定部は、前記制御テーブルを参照して、自端末に近接する物体の種類を判定することを特徴とする請求項1に記載の無線端末。
  4. 前記静電容量測定部は、前記静電容量を複数の位置で測定し、
    前記判定部は、前記複数の位置で測定された前記静電容量に応じて、自端末に近接する物体の種類を判定することを特徴とする請求項1に記載の無線端末。
  5. 前記制御部は、自端末に設けられたアンテナの制御、無線通信に用いる通信パラメータの制御、又は、自端末の呼び出しを通知する着信通知の制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の無線端末。
  6. 無線端末に近接する物体の静電容量を測定するステップAと、
    前記ステップAで測定された前記静電容量に応じて、無線端末に近接する物体の種類を判定するステップBと、
    無線端末に近接する物体の種類に応じて、無線端末の通信状態を制御するステップCとを含み、
    前記ステップCでは、
    前記物体が金属であり、自端末の通信状態が通信中であるケースにおいて、通信パラメータとして、Time to TriggerまたはReporting Rangeの少なくとも何れかを予め定められた最適値に設定すること、または
    前記物体が金属であり、前記通信状態が待受け中であるケースにおいて、通信パラメータとして、間欠受信周期、TreselectionまたはQhystの少なくとも何れかを予め定められた最適値に設定することの少なくとも何れかを実行することを特徴とする無線通信方法。
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