JP5068926B2 - 安定化された硫黄コーティング肥料の製造方法 - Google Patents

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本発明は、硫黄コーティング肥料に関し、より詳しくは、硫黄被膜強度が高められ、肥料成分の溶出制御機能がより安定化された硫黄コーティング緩効性肥料に関する。
被覆肥料(コーティング肥料)は、いわゆる緩効性肥料の一種であって、肥料粒子表面を硫黄や樹脂で被覆し、施用後、肥料成分を、植物の生長にあわせて長期にわたって緩やかに溶解・放出させることにより、肥効の持続、緩効化、肥料成分の流亡の防止等の効果を狙ったものである。このうち、粒状肥料の表面に、硫黄を主体とする被膜を肥料成分の溶出速度制御被膜として形成した硫黄コーティング肥料は、硫黄が天然物であり、施用後に土壌中の微生物により容易に分解され、崩壊・消失して土壌中に残存蓄積することがない点で、環境問題が深刻になっている現在、合成高分子である熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂で被覆した樹脂被覆肥料に比較して、より環境に優しい環境保全型肥料として、今後ますます伸びていくものと期待されている(非特許文献1参照。)。
硫黄コーティング肥料(SC肥料と略することがある。)は、基本的には、化成肥料や尿素等の基材肥料粒子表面に、溶融硫黄を噴霧して硫黄コーティング層を形成したものである。好ましくは、ワックスで当該硫黄コーティング層をコートするか、又は、ワックスを当該硫黄被膜層の空隙部に充填し、硫黄及びワックスの被覆量や被覆処理条件を変化させることにより、肥料成分の溶出パターンを任意にコントロールすることが可能である。
硫黄コーティング肥料は、基材粒子内部の水に可溶な溶質(例えば尿素、肥料塩類等の肥料成分)と粒子外部を、硫黄の被膜層が遮断していることにより構成されている。そして、施肥された硫黄コーティング肥料は、経時的に硫黄被膜が劣化して割れ目が徐々に生成する等のメカニズムにより、肥料粒子外部より内部の肥料成分である溶質側に水が浸入し、これに溶け出した当該溶質が粒子外部へ徐々に溶出する機構により溶出速度を制御し、緩効性を付与している。
ところが、硫黄コーティング肥料を、累積式配合機、ロータリー式ドラム型配合機、ミキシングコーン型配合機等により、他の肥料と配合する操作(バルクブレンディング)を行うと、場合によっては、肥料の溶出率にばらつきが生じ、製品の一部について、溶出率が設定した通常の値より大きくなることがあった。また、製品の包装工程(袋詰め工程)や包装体の輸送の過程においても、このような現象(早期溶出)が発生することがあった。
この明確な原因は不明であるが、バルクブレンディング操作中や輸送中における衝撃のため、硫黄被覆肥料の被膜の一部が剥離したり、または、微細な割れや欠陥が生じて、肥料成分の溶出パターンが変化してしまうのではないかと推察される。
またさらに、近年の農業機械化の進展により、実際の施肥が機械施肥により行われるケースが増加しているが、肥料散布時に、機械による衝撃を受けるため、硫黄被膜の剥離、微細な割れ、欠陥等が生じ、肥料成分の早期溶出(緩効性低下)が発生することが多くなり、問題となっている。
このような、硫黄コーティング被膜の割れや欠陥の発生を押さえるためには、基材肥料粒子の表面をできるだけ平滑にし、粒子を球形として均一な厚みの硫黄被膜を形成することや、基材肥料粒子と硫黄被膜の接着力を向上させ、またコーティング層自体の強度を上げること等が重要であることは容易に想像できる。
従来より、かかる目的で、基材である尿素粒子や肥料粒子表面へ、硫黄コーティングを行う前に、カーボンブラック、ホワイトカーボン、硫黄粉等を添加し、予めそれら添加材の薄膜を形成させておくという前処理(プレコート)を行う方法が種々試みられて来た。しかしながら、本発明者らが種々検討を行ったところ、このような成分のプレコートによっては、被膜強度を大幅に改善する顕著な効果は得られないことがわかった。
しかして本発明者らは、肥料粒子表面に、予めそれ自体緩効性を有する肥料成分による被膜(アンダーコート)を形成し、この上に硫黄コートを行うことにより、意外なことに、硫黄コーティングの耐衝撃性が飛躍的に増大することを見出し、本発明に到達した。
永末、高橋、「硫黄被覆肥料について」、肥料、平成9年2月、p.105−110
本発明の目的は、硫黄被膜強度が高められ、肥料成分の溶出制御機能がより安定化された硫黄コーティング緩効性肥料を製造する方法及び硫黄コーティング肥料を提供することである。
本発明に従えば、以下の硫黄被膜強度が増大された硫黄コーティング肥料の製造方法及び硫黄コーティング肥料が提供される。
〔1〕
肥料粒子を基材粒子とし、これに硫黄を被覆する硫黄コーティング緩効性肥料の製造方法において、当該基材粒子表面に緩効性肥料を主体とするアンダーコート被膜を形成し、当該アンダーコート被膜の上に硫黄コーティングを行うことを特徴とする硫黄被膜強度が増大された硫黄コーティング肥料の製造方法。
〔2〕
前記アンダーコート被膜を主体として形成する緩効性肥料が、ウレアホルム、イソブチリデン2尿素、クロトニリデン2尿素、グアニル尿素、グリコールウリル又はオキサミドである〔1〕項に記載の硫黄コーティング肥料の製造方法。
〔3〕
尿素とホルムアルデヒド、尿素とイソブチルアルデヒド、尿素とアセトアルデヒド、ジシアンジアミドとリン酸又は硫酸、尿素とグリオキサール、又はアンモニアと青酸のそれぞれの反応生成物を基材粒子表面に添加して緩効性肥料を主体とするアンダーコート被膜を形成する〔1〕項又は〔2〕項に記載の硫黄コーティング肥料の製造方法。
〔4〕
尿素/ホルムアルデヒドモル比=1〜10である、尿素とホルムアルデヒドの反応生成物を基材粒子表面に添加してウレアホルムを主体とするアンダーコート被膜を形成する〔3〕項に記載の硫黄コーティング肥料の製造方法。
〔5〕
肥料粒子が尿素粒子又は化成肥料である〔1〕項〜〔4〕項のいずれかに記載の硫黄コーティング肥料の製造方法。
〔6〕
肥料粒子を基材粒子とし、これに硫黄を被覆してなる硫黄コーティング緩効性肥料において、当該基材粒子表面には緩効性肥料を主体とするアンダーコート被膜が形成され、当該アンダーコート被膜の上に硫黄コーティングが行われていることを特徴とする硫黄被膜強度が増大された硫黄コーティング肥料。
〔7〕
前記アンダーコート被膜を主体として形成する緩効性肥料が、ウレアホルム、イソブチリデン2尿素、クロトニリデン2尿素、グアニル尿素、グリコールウリル又はオキサミドである〔6〕項に記載の硫黄コーティング肥料。
〔8〕
肥料粒子が尿素粒子又は化成肥料である〔6〕項又は〔7〕項に記載の硫黄コーティング肥料。
以下に詳述するように、本発明に従えば、硫黄被膜強度が高められ、肥料成分の溶出制御機能がより安定化された硫黄コーティング緩効性肥料を製造する方法が提供される。本発明の方法により得られた硫黄コーティング肥料は、耐衝撃性が顕著に向上し、安定的な肥料成分の溶出特性を示すことは後記実施例に示されているとおりである。
以下、本発明を詳細に説明する。
(基材肥料粒子)
本発明で使用される基材粒子となる肥料とは、尿素、硫安、塩安、硝安、リン安、塩化カリ、硫酸カリ、石灰窒素、過リン酸石灰等の単肥及び、N、P2 5 、K2 O等の多成分からなる化成肥料、並びに、有機質肥料や有機質入り肥料である。なお、上記した基材肥料は例示であり、正確には肥料取締法(昭和25年法律第127号 )第3条の規定に基づく肥料の公定規格に含まれる肥料のすべてを対象とする。
基材肥料粒子は粒状であればよく、その粒径や形状は特に限定するものではない。不定形、角型、柱状、ペレット状、平板状その形状は問わないが、取扱い性や、均質の被膜の形成し易さのためには、粒径0.5〜15mm、好ましくは、1〜6mm、より好ましくは2〜4mm程度の球状または略球状のものが最も望ましい。
(緩効性肥料によるアンダーコート)
本発明においては、上記のような基材肥料粒子の表面に、硫黄コーティングに先立ち、まず緩効性肥料を主体とするアンダーコート被膜を形成することを特徴とする。
前記アンダーコート被膜を主体として形成する緩効性肥料は、特に限定するものではないが、通常使用されており、入手若しくは合成が容易であるものが望ましく、例えば、ウレアホルム(尿素とメチレン尿素系化合物との混合物)、イソブチリデン2尿素、クロトニリデン2尿素、グアニル尿素、グリコールウリル又はオキサミド等が好ましいものとして挙げられる。
これら緩効性肥料により、被膜を形成するには、後に詳述するように、例えば転動式造粒装置で基材肥料粒子を転動させながら、当該緩効性肥料の水溶液または水スラリーを適当な速度で、転動する基材粒子にスプレーし、粒子表面を被覆する被膜を形成すればよい。
被膜を形成するさらに好ましい手段は、上記緩効性肥料を、その反応原料により反応・合成し、その反応生成物(または縮合反応物)を含む合成液またはスラリーを使用して、同様に基材肥料粒子を転動させながら、これにスプレー添加することである。例えば、尿素とホルムアルデヒド、尿素とイソブチルアルデヒド、尿素とアセトアルデヒド、ジシアンジアミドとリン酸又は硫酸、尿素とグリオキサール、又はアンモニアと青酸のそれぞれの反応生成物を基材粒子表面にスプレー等の手段で添加して緩効性肥料を主体とするアンダーコート被膜を形成する。
アンダーコートを形成する緩効性肥料として最も好ましいものの一つは、ウレアホルムであり、これを尿素とホルムアルデヒドから合成(縮合)し、この合成液を使用することである。以下、ウレアホルムを例として本発明を説明するが、もちろん他の緩効性肥料の場合にも同様に適用できるものである。
図1は、ウレアホルムを使用して、本発明を実施する方法を示すフローシートであり、このフローに従って工程を説明する。
図1において、基材肥料粒子10としては、上記した基材粒子において溶出を制御することを企図する肥料粒子であればいずれでも使用可能であるが、特に好ましくは、すでに述べた大粒尿素等の粒状尿素、或いは尿素を含有するか、または尿素を含有しない化成肥料である。
基材肥料粒子は、次のアンダーコート(プレコート)工程において、より均一に縮合反応物のアンダーコートが粒子表面に展着されるためには、50〜60℃程度に予め適当な加熱手段による予熱工程11に付しておくことが好ましい。
これよりあまり温度が低いと、添加された尿素ホルムアルデヒド反応溶液の固化が早すぎ肥料粒子表面への均一なアンダーコートが出来づらく、逆に温度が高すぎると肥料粒子の熱分解が発生し、前記同様肥料粒子表面への均一なアンダーコートが出来づらい状況となる。
(縮合反応工程)
尿素12とホルムアルデヒド14(一般的にはホルムアルデヒド37%水溶液(ホルマリン)を使用)を、尿素のモル数をU、ホルムアルデヒドのモル数をFとした時、U/F(モル比)=1〜10程度で混合し、90〜100℃程度の温度で溶解/反応せしめ、縮合反応工程16を行い、縮合反応生成物(反応生成物)18を得る。(以下「縮合反応物」または「尿素スラリー液」などと称することがある)。
尿素とホルムアルデヒドは縮合反応してメチレン尿素を生成する。尿素とホルマリンの反応では、その設定モル比により生成するメチレン尿素と未反応の尿素がある比率で生成(残存)し、尿素ホルムアルデヒド縮合反応物は、縮合物であるメチレン尿素に未反応の尿素がある割合で混合している混合物となる。通常、U/Fが大きいと未反応尿素の割合が多くなり、U/Fが小さいとメチレン尿素の割合が多くなる。
本発明においては、次の基材肥料粒子表面のアンダーコート工程(プレコート工程)20に使用する尿素スラリー液のモル比としては、U/F=1〜10程度が好ましい。U/F=1未満になると、尿素スラリー液が急速に固化する等の現象が顕著に現われ、尿素スラリー液の取扱いが煩雑になり、逆にU/F=10を超えると、尿素スラリー液中の未反応尿素分が多くなり、肥料粒子表面を尿素単独の被膜をプレコートするのと実質的に等しくなり、硫黄被膜の強度増大効果を奏することが出来ない。
縮合反応温度、又は次のアンダーコート工程20に使用する尿素スラリー液の温度は、90〜100℃程度が取扱い上好ましい。温度が90℃未満であまり低い場合は、尿素とホルムアルデヒドの縮合反応が充分進行せず、固化し易くなる現象が現れ、均一な被膜を形成させることが出来なくなる。又温度が100℃をあまり超えると、分解並びに反応が急速に進行することによる固化現象が発生しやすくなり取扱いが煩雑となるとともに、前記同様均一な被膜を形成させることができなくなる。
(アンダーコート工程)
アンダーコート(プレコート)工程20は、上記したごとく50〜60℃程度に予熱した基材肥料粒子を転動させながら、肥料粒子表面上にこの尿素スラリー液を添加し、被膜形成を行ない、粒子表面に尿素ホルムアルデヒド縮合反応物の被膜を形成させる工程である。
アンダーコート工程を行なう装置としては、肥料粒子を予熱、転動させることができる装置であって、90〜100℃程度に保持した尿素スラリー液を散布、添加することによって、肥料粒子表面に尿素スラリーを充分分散せしめ、薄膜を形成させることができる装置であれば、特に限定するものではなく、どの様な装置でも使用可能であるが、例えば回転ドラム(円筒)( 転動ドラム )式コーター、回転パン式コーター、コンクリートミキサー型コーター、回転落下式コーターなどのほか、撹拌翼を使用する形式のヘンシェルミキサーコーターのような装置や気体による流動を利用する噴流層型コーター、流動層型コーター等も使用可能である。また、尿素スラリー液を散布する装置としては、通常のスプレー方式や分散器等が使用できる。アンダーコート被膜の厚みをその添加量で表示すると基材肥料粒子100部に対し1〜100部、好ましくは3〜50部、さらに好ましくは5〜20部程度である。
(乾燥工程)
このアンダーコートされた肥料粒子に対し乾燥工程22を実施する。乾燥装置としては、特に限定するものではなく、粒子表面に、尿素スラリー液(縮合反応物)をアンダーコートした肥料粒子を変質させること無く乾燥出来る装置であれば、どの様な装置でも使用可能である。当該乾燥工程においては、基材肥料粒子表面の尿素スラリー中に残留する尿素とホルムアルデヒドが、乾燥により脱水するとともに、さらに縮合反応を起し、縮合生成物であるメチレン尿素を生成する。
当該乾燥は、基材肥料粒子の熱分解等による変質や剥離に充分注意して実施することが好ましく、基材肥料粒子の含水分値=1〜2質量%程度以下にまで乾燥することにより、基材肥料粒子表面に尿素とホルムアルデヒド縮合反応物のアンダーコート(プレコート)被膜が充分に形成されたアンダーコート基材肥料粒子30が得られる。
(硫黄コーティング工程)
以上のごとくして緩効性肥料であるウレアホレムを主体とするアンダーコートが形成された基材肥料粒子30に対し、硫黄被覆を行う。
硫黄コーティングに使用する装置としては、例えば、回転ドラム( 転動ドラム )式コーター、回転パン式コーター、コンクリートミキサー型コーター、回転落下式コーターなどのほか、撹拌翼を使用する形式のヘンシェルミキサーコーターのような装置や気体による流動を利用する噴流層型コーター、流動層型コーター等も使用可能である。
例えば、回転ドラム式コーターや回転パン式コーターを使用する場合は、アンダーコートされた基材肥料粒子30を、予熱工程32において、流動層予熱器等により60℃程度まで予熱し、回転ドラム式コーター等に装入し、当該回転ドラム中で基材肥料粒子を転動させながら、適当な位置に配設されたスプレーノズルから、硫黄(溶融硫黄)36を噴霧状態で添加し硫黄コーティング工程37を行う。
硫黄の噴霧条件は、通常、硫黄温度=130〜150℃程度、噴霧圧力=0.5〜3MPa程度及び硫黄添加量=10〜30質量%程度である。
(ワックスコーティング工程)
また、硫黄コーティングがある程度形成された状態で、さらに当該回転ドラム中に別のスプレーノズル等を設置して、硫黄とともにワックス38を噴霧し、硫黄被膜の強度を向上させるためのワックスのコーティング工程40を行うことが好ましい。
使用するワックスとしては、植害のないものであれば特に限定されないが、木ロウ、ホホバ油、カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の植物ワックス;ラノリン、みつろう、鯨ロウ等の動物系ワックス;モンタンワックス、セレシン、オゾケライト等の鉱物ワックス;パラフィンワックス、ペトロラタム、マイクロクリスタリンワックス等の石油ワックスの他、フィッシャー・トロプシェワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素ワックスや硬化ひまし油等の水素化ワックス等がいずれも使用可能である。
これらワックスの添加条件は、温度=80〜100℃程度、添加量=5〜40質量%、好ましくは0.5〜2.0質量%程度である。
(冷却、浮上防止処理、篩い分け)。
硫黄及びワックスコーティングが終了した硫黄コーティング基材肥料粒子は、冷却工程42において、流動層冷却器等の手段により80℃から30℃程度へと冷却され、さらに、浮上防止処理工程44が行われることが好ましい。浮上防止処理は、例えば、回転ドラム式コーターや回転パン式コーター内で、当該肥料粒子表面へ、ホワイトカーボン、シリカ、タルク、クレー、炭酸カルシウム、ケイ藻土、金属酸化物等の無機粒子をオイルと共に添加することにより行われる。ここでホワイトカーボン等無機粒子の添加量は、0.1〜0.6質量%程度、オイル添加量は0.05〜0.3質量%程度である。
最後に、例えば振動篩分機により篩分け工程46が行われ、所望範囲外の粒径の微小粒子や過大粒子を除去し、例えば粒径=2〜4mm以外品を除去することにより、粒度の揃った硫黄被膜の強度を増大させた硫黄コーティング肥料の製品50が得られる。
(本発明の作用効果)
肥料粒子を基材粒子とし、これに硫黄を被覆する本発明の硫黄コーティング緩効性肥料の製造方法によれば、当該基材粒子表面に緩効性肥料を主体とするアンダーコート被膜(プレコート被膜)をまず形成し、当該アンダーコート被膜の上に硫黄コーティングを行うことにより、硫黄被膜強度が顕著に増大された硫黄コーティング肥料を得ることが可能となる。このため、以下実施例に示すように、本発明にかかる硫黄コーティング肥料は、機械的衝撃に対して、硫黄コートが容易に剥離や欠陥等を生じることがなく、アンダーコートのない硫黄コーティング肥料に比較して、異常な早期溶出が効果的に防止され、その溶出性(水中溶出性及び土中溶出性)が大幅に改善される。
緩効性肥料を主体とするアンダーコート被膜は、基本的には、当該被膜により基材肥料の凹凸を充填し、粒子全体の表面を球形とすることにより、アンダーコート被膜の上に形成される硫黄被膜も球形に近い均一な被膜となり、またアンダーコート被膜を介して、当該硫黄被膜が基材肥料の表面に密接に固着され、耐衝撃性が格段に向上するものと考えられる。
また、当該ウレアホルム等の緩効性肥料のアンダーコート被膜そのものが、基材肥料の溶出を制御する制御被膜の働きをしており、主たる被膜である硫黄コートの機能を補助し・協働するため、本発明の硫黄コーティング肥料は、その溶出性が飛躍的に安定すると考えられる。
以下、実施例をあげて本発明を具体的に説明するが、本発明の技術的範囲がこれに限定されるものではない。なお、%とあるものは、とくに断りなき限り、質量%である。また、基材肥料100部に対する質量部をpphと表記することがある。
〔実施例1〕
(1)基材肥料粒子として大粒尿素(大粒尿素(マレーシア産)を予め篩分けし、2mm篩下品、及び4mm篩上品を除いたもの。)15kgを使用し、全容量50リットルのコンクリートミキサー型コーターに投入し、転動させながら簡易プロパンバーナーにより物温60℃程度に予熱した。
(2)アンダーコート被膜を形成する緩効性肥料としては、尿素とホルムアルデヒドの反応生成物であるウレアホルム(尿素及びメチレン尿素系化合物の混合物)を使用した。すなわち、3リットルのビーカーに市販粒状尿素1500g(25gモル)及び市販37%ホルマリン1350g(ホルムアルデヒド16.65gモル)を投入し、電熱器上で撹拌しながら徐々に95℃迄加熱し、溶解させながら反応させた。ここで尿素モル数(U)、ホルムアルデヒドモル数(F)のモル比は、U/F=1.5である。系内が95℃に達し、縮合反応生成物(ウレアホルム)を含む溶解反応液は透明になった。
(3)この反応生成物によるアンダーコート被膜の形成は次のようにして行った。すなわち、コンクリートミキサー型コーターに大粒尿素粒子を投入・転動せしめ、この動転している大粒尿素粒子表面へ、加圧式のスプレー装置を用いて、予め100℃程度に加温しておいた上記ウレアホルム反応液を適当な速度でスプレーしながら添加した。動転状態にある大粒尿素粒子にスプレーされた反応液は、この大粒尿素粒子の表面に付着し、転動粒子の動きに従って流動し、表面全体に行き渡り、表面全体を被覆するアンダーコート被膜を形成した。なおこの際、反応液の添加速度が大きすぎると、添加速度と被膜形成速度のバランスが崩れ、反応液が液状化して大塊が生じる為、添加物の固化状況を確認しながら徐々に添加を行った。
(4)質量比で19%の反応液を全て添加し終わったら、コンクリートミキサー型コーター内の内容物を全て取り出し、80℃の恒温室に入れ24時間放置し、乾燥させた。ウレアホルムスラリー液を粒子表面にアンダーコート(プレコート)された乾燥後の大粒尿素の水分値を乾燥減量法により測定したところ0.8%であった。すなわち、大粒尿素=15kgに対し、ウレアホルムスラリー液をプレコートすることにより大粒尿素粒子表面に生成した尿素ホルムアルデヒド縮合反応生成物の量は約1500gであり、大粒尿素量に対し10pphであった。
(5)以上の(1)〜(4)の操作を繰り返し、尿素ホルムアルデヒド縮合反応生成物でアンダーコートされた大粒尿素約1tを得た。
(6)このアンダーコートを形成した大粒尿素を、硫黄コーティング設備に投入し、硫黄コーティングを実施した。計量(ベルトスケールによる連続計量)したものを予熱(流動層予熱器により常温→60℃程度迄予熱)し、回転ドラム式コーター内で転動、落下している大粒尿素粒子表面へ噴霧状態にて溶融硫黄(九州石油社製)を添加し硫黄コーティングを行った。硫黄の添加条件は、硫黄温度=145℃、噴霧圧力=1.8MPa及び添加量=23質量%であった。
(7)硫黄コーティング後、パラフィンワックスコーティングを行った。コーティング方法は、回転ドラム式コーター内で肥料粒子表面へ滴下状態にて溶融ワックス(日本精鑞社製、パラフィンワックス#155)を添加して行った。この時のワックス添加条件としては、ワックス温度=80℃、添加量=1.0質量%であった。
(8)これを更に冷却(流動層冷却器により約80→30℃以下へ冷却)し、次いで浮上防止処理を行った。浮上防止処理は、回転ドラム式コーター内で肥料粒子表面へオイル(三洋化成工業社製、ニューポールLB−1715)、及びホワイトカーボン(塩野義製薬社製、カープレックス#80D)を添加することにより行った。オイル添加量は0.2質量%、ホワイトカーボン添加量は0.47質量%であった。最後に篩分け(振動篩分機にて粒径=2〜4mm以外品を除去)の操作を行い、アンダーコートを備えた硫黄コーティング尿素肥料製品約1.1tを得た。
(9)この硫黄コーティング尿素肥料のサンプルを500g採取し、高さ2mより厚み3mmのステンレス板上へ各硫黄コーティング尿素肥料粒子が満遍無く当たる様に1回落下させ衝撃を与えた。
(a)この衝撃を加えた肥料サンプルについて、下記に示す水中溶出率(φ)の測定法に従って溶出率を測定した。
(水中溶出率の測定方法)
(i)硫黄コーティング肥料試料12.5gを秤量する。
(ii)これを300mlの三角フラスコに入れ、純水250mlを正確に秤取り、静かに加えてゴム栓で密閉する。
(iii)30℃の恒温槽に24時間静置、保管する。
(iv)これを取り出し、乾燥定性濾紙(No.2)を通し、300mlの三角フラスコにろ過する。
(v)濾液中の全窒素を分析し、これをA%とする。
(vi)同様にして硫黄コーティング肥料試料12.5gを秤量する。
(vii)これを粉砕し、純水250mlを用いて300mlの三角フラスコに入れてゴム栓で密閉する。
(viii)以下、同様に30℃、24時間静置、ろ過を行い、濾液中の全窒素を分析し、この値をB%とする。
(iX)φ=(A/B)×100(%)で算出されたφ値を水中溶出率(SDR)と称す。
(x)以上の操作を2〜3連で実施し精度を上げる。
以上のごとくして、硫黄コーティング肥料粒子を水中に24時間放置した後の水中溶出率φは、20%であった。結果を表1に示した。
(b)また、この衝撃を加えた肥料サンプルについて、土中溶出率(φ’)を下記の測定法に従って測定した。
(土中溶出率の測定方法)
(i)風乾して2mmのふるいを通した試供土壌200gに、上記衝撃を加えた肥料サンプル1.6gを埋め込む。
(ii)これを乾燥器に入れ、土壌水分を60%に保持する。
(iii)所定時間経過後に、試供土壌を取り出し、すべての肥料サンプルを回収する。
(iv)回収した肥料サンプルの残留窒素量を測定する。
(v)実験開始時に試供土壌に埋め込んだ肥料サンプルの窒素量から、一定時間経過後に 回収した肥料サンプルの残留窒素量を差し引いた値を、当該所定期間中の溶出窒素量とす る。
(vi)実験開始時に試供土壌に埋め込んだ肥料サンプルの全窒素量に対する溶出窒素量 の比をその期間の土中溶出率φ’とする。
(vii)上記実験を、衝撃を加える前の肥料サンプルについても繰り返す。
以上のごとくして実施した土中溶出試験を120日に渡って行った結果を図2に示した。
図2のグラフにおいて、Pは落下による衝撃を加える前のサンプルであり、P’は落下による衝撃を加えた後のサンプルの結果である。PとP’の溶出曲線を比較することにより、本実施例の肥料サンプルにおいては、落下後(衝撃後)の土中溶出曲線φ’の形状は、ほとんど変化しておらず、後記比較例におけるような、溶出曲線がその初期溶出率の急激な増大を伴うような急激なカーブの変形は認められないことがわかる。
〔実施例2〕
(1)基材肥料粒子として化成肥料(尿素を含む。成分16−16−16(窒素―リン酸―カリ)三井東圧肥料社製)15kgを使用し、全容量50リットルのコンクリートミキサー型コーターに投入し、転動させながら簡易プロパンバーナーにより物温60℃程度に加熱した。
(2)アンダーコート被膜を形成する緩効性肥料としては、尿素とホルムアルデヒドの反応生成物であるウレアホルムを使用した。すなわち、3リットルのビーカーに市販粒状尿素1500g(25gモル)及び市販37%ホルマリン1350g(ホルムアルデヒド16.65gモル)を投入し、電熱器上で撹拌しながら徐々に95℃迄加熱し、溶解させながら反応させた。ここで尿素モル数(U)、ホルムアルデヒドモル数(F)のモル比は、U/F=1.5である。系内が95℃に達し、縮合反応生成物(ウレアホルム)を含む溶解反応液は透明になった。
(3)この反応生成物によるアンダーコート被膜の形成は次のようにして行った。すなわち、コンクリートミキサー型コーター中に化成肥料粒子を投入・転動せしめ、この動転している化成肥料粒子表面へ、加圧式のスプレー装置を用いて、予め100℃程度に加温しておいた上記ウレアホルム反応液を適当な速度でスプレーしながら添加した。動転状態にある化成肥料粒子にスプレーされた反応液は、この化成肥料粒子の表面に付着し、転動粒子の動きに従って流動し、表面全体に行き渡り、表面全体を被覆するアンダーコート被膜を形成した。なおこの際、反応液の添加速度が大きすぎると、添加速度と被膜形成速度のバランスが崩れ、縮合反応液が液状化して大塊が生じる為、添加物の固化状況を確認しながら徐々に添加を行った。
(4)質量比で19%の反応液を全て添加し終わったら、コンクリートミキサー内の内容物を全て取り出し、80℃の恒温室に入れ24時間放置し、乾燥させた。ウレアホルムスラリー液を粒子表面にプレコート(アンダーコート)された乾燥後の化成肥料粒子の水分値を乾燥減量法により測定したところ1.1%であった。すなわち、化成肥料=15kgに対し、ウレアホルムスラリー液をアンダーコートすることにより化成肥料粒子表面に生成した尿素ホルムアルデヒド縮合反応物の量は約1500gであり、大粒尿素量に対し10pphであった。
(5)以上の(1)〜(4)の操作を繰り返し、尿素ホルムアルデヒド縮合反応物でアンダーコートされた化成肥料約1tを得た。
(6)このアンダーコートを形成した化成肥料を、硫黄コーティング設備に投入し、硫黄コーティングを実施した。計量(ベルトスケールによる連続計量)したものを予熱(流動層予熱器により常温→60℃程度迄予熱)し、回転ドラム式コーター内で転動、落下している化成肥料粒子表面へ噴霧状態にて溶融硫黄(九州石油社製)を添加し、硫黄コーティングを行った。硫黄の添加条件は、硫黄温度=145℃、噴霧圧力=1.8MPa及び添加量=24質量%であった。
(7)硫黄コーティング後、パラフィンワックスコーティングを行った。コーティング方法は、回転ドラム型コーター内で肥料粒子表面へ滴下状態にて溶融ワックス(日本精鑞社製、パラフィンワックス#155)を添加して行った。この時のワックス添加条件としては、ワックス温度=80℃、添加量=1.4質量%であった。
(8)これを更に冷却(流動層冷却器により約80→30℃以下へ冷却)し、次いで浮上防止処理を行った。浮上防止処理は、回転ドラム式コーター内で肥料粒子表面へオイル(三洋化成工業社製、ニューポールLB−1715)、及びホワイトカーボン(塩野義製薬社製、カープレックス#80D)を添加することにより行った。オイル添加量は0.6質量%、ホワイトカーボン添加量は0.47質量%であった。篩分け(振動篩分機にて粒径=2〜4mm以外品を除去)の操作を行い、アンダーコートを備えた硫黄コーティング化成肥料製品約1.1tを得た。
(9)この硫黄コーティング化成肥料のサンプルを500g採取し、高さ2mより厚み3mmのステンレス板上へ各硫黄コーティング肥料粒子が満遍無く当たる様に1回落下させ衝撃を与えたものについて、上記した水中溶出率の測定法に従って溶出率を測定した。水中に24時間放置した後の当該硫黄コーティング肥料の溶出率φは、15%であった。また、上記品の肥料成分を測定した処、12.7−12.4−12.5(窒素―リン酸―カリ)であった。結果を表1に示した。
〔比較例1〕
(1)実施例1において、基材大粒尿素粒子についてウレアホルムによるアンダーコートを実施しないほかは、実施例1と全く同様の実験を行った。
(2)得られた硫黄コーティング尿素肥料のサンプル500gを採取し、高さ2mより厚み3mmのステンレス板上へ各硫黄コーティング尿素肥料粒子が満遍無く当たる様に1回落下させ衝撃を与えたものについて、上記した水中溶出率の測定法に従って溶出率を測定した。水中に24時間放置した後の溶出率φは、40%であった。結果を表1に示した。
(b)また、この衝撃を加えた肥料サンプルについて、土中溶出率φ’を実施例1と同様にして測定した結果を図2に示した。
図2のグラフにおいて、Qは落下による衝撃を加える前のサンプルであり、Q’は落下による衝撃を加えた後のサンプルの結果である。QとQ’の溶出曲線を比較することにより、緩効性肥料によるアンダーコートを形成しない、単なる硫黄コーティング肥料は、比較例の肥料サンプルにおいては、落下後(衝撃後)の土中溶出曲線φ’の形状は急激に変化し、特にその初期溶出率が急激に増大していることが認められた。
〔比較例2〕
(1)実施例2において、基材化成肥料粒子についてウレアホルムによるアンダーコートを実施しないほかは、実施例2と全く同様の実験を行った。
(2)得られた硫黄コーティング化成肥料のサンプル500gを採取し、高さ2mより厚み3mmのステンレス板上へ各硫黄コーティング化成肥料粒子が満遍無く当たる様に1回落下させ衝撃を与えたものについて、上記した水中溶出率の測定法に従って溶出率を測定した。水中に24時間放置した後の溶出率は、34%であった。また、上記品の肥料成分を測定した処、12.3−12.5−12.4(窒素―リン酸―カリ)であった。結果を表1に示した。
Figure 0005068926
表1の水中溶出率φ及び図2の土中溶出率φ’のグラフから明らかなように、本発明において、基材尿素粒子や化成肥料粒子表面に添加乾燥された尿素ホルムアルデヒド縮合反応生成物のような緩効性肥料のアンダーコートを形成してから硫黄コートを形成することにより、当該硫黄コート肥料は、その硫黄被膜の耐衝撃性が顕著に改善され、かくして、早期溶出が効果的に防止され、その溶出性が大幅に改善される効果のあることが確認された。
このように、本発明に従えば、緩効性肥料によるアンダーコートの形成により、硫黄被膜の強度を飛躍的に増大させる効果があることが確認されたが、また、緩効性肥料によるアンダーコート被膜は、それ自体一層の緩効性の付与にも寄与していると推定される。
本発明に従えば、基材尿素粒子や化成肥料粒子表面に尿素ホルムアルデヒド反応生成物のごとき緩効性肥料を主体とするアンダーコートを形成してから硫黄コートを形成することにより、その硫黄コート肥料は、硫黄被膜の耐衝撃性が顕著に改善される。
特に、バルクブレンディング、製品の包装工程、包装体の輸送、機械施肥により種々の衝撃を受ける場合においても、硫黄被膜の剥離、微細な割れ、欠陥が等が生じることが抑制され、当該硫黄コーティング肥料は、安定的に所望の緩効性を奏するものであるから、その産業上の利用可能性はきわめて大きいといわざるを得ない。
ウレアホルムを使用して、本発明を実施する方法を示すフローシートである。 硫黄コーティング肥料の土中溶出曲線を示すグラフである。
符号の説明
10 基材肥料粒子
12 尿素
11 予熱工程
14 ホルムアルデヒド
16 縮合反応工程
18 縮合反応物
20 アンダーコート工程
22 乾燥工程
30 アンダーコートされた基材肥料粒子
32 予熱工程
36 硫黄
37 硫黄コーティング工程
38 ワックス
40 ワックスコーティング工程
42 冷却工程
44 浮上防止処理工程
46 篩分け工程
50 硫黄コーティング肥料製品
φ,φ’それぞれ水中溶出率、土中溶出率

Claims (4)

  1. 肥料粒子を基材粒子とし、これに硫黄を被覆する硫黄コーティング緩効性肥料の製造方法において、当該基材粒子表面に緩効性肥料を主体とするアンダーコート被膜を形成し、当該アンダーコート被膜の上に硫黄コーティングを行う硫黄被膜強度が増大された硫黄コーティング肥料の製造方法であって、
    尿素とホルムアルデヒドの縮合反応生成物を、水溶性無機肥料を混合併用することなく、基材粒子表面に添加して緩効性肥料を主体とするアンダーコート被膜を形成するものであり、
    尿素/ホルムアルデヒドモル比=1〜10で、尿素とホルムアルデヒドを90−100℃で縮合反応させて尿素ホルムアルデヒド縮合反応液スラリーを得、50−60℃で予熱した基材粒子を転動させながら、これに当該縮合反応液スラリーを散布して当該基材粒子に薄膜を形成させ、さらに当該基材粒子の含水値が1−2%以下になるまで乾燥して、当該基材粒子表面に尿素とホルムアルデヒドの縮合反応物のアンダーコート被膜が充分に形成されたアンダーコート形成基材肥料粒子とし、当該被膜表面に硫黄コーティングすることを特徴とする硫黄被膜強度が増大された硫黄コーティング肥料の製造方法。
  2. 肥料粒子が尿素粒子又は化成肥料である請求項1に記載の硫黄コーティング肥料の製造方法。
  3. 肥料粒子を基材粒子とし、これに硫黄を被覆してなる硫黄コーティング緩効性肥料において、当該基材粒子表面には緩効性肥料を主体とするアンダーコート被膜が形成され、当該アンダーコート被膜の上に硫黄コーティングが行われている硫黄被膜強度が増大された硫黄コーティング肥料であって、
    当該アンダーコート被膜は、
    尿素とホルムアルデヒドの縮合反応生成物を、水溶性無機肥料を混合併用することなく、基材粒子表面に添加して緩効性肥料を主体とするアンダーコート被膜を形成してなるものであり、
    当該尿素とホルムアルデヒドの縮合反応生成物は、
    尿素/ホルムアルデヒドモル比=1〜10で、尿素とホルムアルデヒドを90−100℃で縮合反応させて得られた尿素ホルムアルデヒド縮合反応液スラリーであり、50−60℃で予熱した基材粒子を転動させながら、これに当該縮合反応液スラリーを散布して、当該基材粒子に薄膜を形成させ、さらに当該基材粒子の含水値が1−2%以下になるまで乾燥して、当該基材粒子表面に尿素とホルムアルデヒドの縮合反応物のアンダーコート被膜が充分に形成されたアンダーコート形成基材肥料粒子とし、当該被膜表面に硫黄コーティングしてなることを特徴とする硫黄被膜強度が増大された硫黄コーティング肥料。
  4. 肥料粒子が尿素粒子又は化成肥料である請求項3に記載の硫黄コーティング肥料。
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