以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る液晶表示装置(液晶表示装置3)の全体構成を表すものである。この液晶表示装置3は、透過光を表示光Doutとして出射するいわゆる透過型の液晶表示装置であり、本発明の第1の実施の形態に係る光源装置としてのバックライト装置1と、透過型の液晶表示パネル2とを含んで構成されている。
液晶表示パネル2は、透過型の液晶層20と、この液晶層20を挟む一対の基板、すなわちバックライト装置1側の基板であるTFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスタ)基板211およびこれに対向する基板である対向電極基板221と、これらTFT基板211および対向電極基板221における液晶層20と反対側にそれぞれ積層された偏光板210,220とから構成されている。
また、TFT基板211にはマトリクス状の画素が構成され、各画素にはTFTなどの駆動素子を含む画素電極212が形成されている。
バックライト装置1は、複数の色光(この場合、赤色光、緑色光および青色光)を混合して特定の色光(この場合、白色光)である照明光Loutを得る加法混色方式のものであり、複数の赤色LED1R、緑色LED1Gおよび青色LED1Bを含む光源部(後述する光源部10)を有している。
図2および図3は、バックライト装置1における各色LEDの配置構成の一例を表したものである。
図2(A)に示したように、このバックライト装置1では、2組の赤色LED1R、緑色LED1Gおよび青色LED1Bによって発光部の単位セル41,42がそれぞれ形成され、これら2つの単位セル41,42によって発光部の単位ユニットである部分点灯部4が形成されるようになっている。また、各単位セル内および単位セル41,42間では、各色LEDがそれぞれ直列に接続されている。具体的には、図2(B)に示したようにして、各色LEDのアノードとカソードが接続されるようになっている。
また、このようにして構成された各部分点灯部4は、例えば図3に示したように、光源部10においてマトリクス状に配置され、後述するように互いに独立して制御可能となっている。
次に、図4および図5を参照して、上述した液晶表示パネル2および光源部10の駆動および制御部分の構成について詳細に説明する。ここで、図4は、液晶表示装置3のブロック構成を表したものであり、図5は、そのうちの特に光源部10付近のブロック構成を光源部10の断面構成と共に表したものである。
図4に示したように、液晶表示パネル2を駆動して映像を表示するための駆動回路は、液晶表示パネル2内の各画素電極212へ映像信号に基づく駆動電圧を供給するXドライバ(データドライバ)51と、液用表示パネル2内の各画素電極212を図示しない走査線に沿って線順次駆動するYドライバ(ゲートドライバ)52と、これらXドライバ51およびYドライバ52を制御するタイミング制御部(タイミング・ジェネレータ(TG))61と、外部からの映像信号を処理してRGB信号を生成するRGBプロセス処理部60(シグナル・ジェネレータ(SG))と、このRGBプロセス処理部60からのRGB信号を記憶するフレームメモリである映像メモリ62とから構成されている。
一方、バックライト装置1の光源部10を駆動して後述する順次点灯動作を行うための駆動および制御を行う部分は、バックライト駆動部11と、マイクロコンピュータ12と、受光部13と、I/V変換部14と、A/D変換部15と、温度センサ16とから構成されている。
バックライト駆動部11は、部分点灯部4単位で後述する線順次点灯動作を行うように、光源部10を駆動するものである。なお、このバックライト駆動部11の詳細な構成については、後述(図6)する。
受光部13は、光源部10からの照明光Loutを受光して受光信号を得るものであり、複数の色光(この場合、赤色光、緑色光および青色光)を混合してなる混色光(この場合、白色光)の中から赤色光を抽出して選択的に受光する赤色受光部13Rと、緑色光を抽出して選択的に受光する緑色受光部13Gと、青色光週出して選択的に受光する青色受光部13Bとから構成されている。また、温度センサ16は光源部10の温度を検出するものである。これら受光部13および温度センサ16は、例えば図5に示したように、光源部10付近(この場合、光源部10の下部や背面部)に配置されるようになっている。なお、受光部13の詳細な構成については、後述(図6)する。
I/V変換部14は、受光部13で得られた各色ごとの受光信号に対してI/V(電流/電圧)変換を施し、アナログの電圧信号である受光データD0を各色ごとに出力するものである。なお、このI/V変換部14の詳細な構成については、後述(図6)する。
また、A/D変換部15は、I/V変換部14から出力される各色ごとの受光データD0を、マイクロコンピュータ12から出力されるサンプリング信号S2に基づいて後述する所定のタイミングでそれぞれサンプリングすると共に、サンプリングされた各色ごとの受光データD1(図示せず)に対してそれぞれA/D(アナログ/ディジタル)変換を施し、ディジタルの電圧信号である受光データD2を各色ごとにマイクロコンピュータ12へ供給するものである。
マイクロコンピュータ12は、A/D変換部15から供給される各色ごとの受光データD2、および温度センサ16から供給される温度検出データに基づいてバックライト駆動部11の駆動動作を制御するものである。また、このマイクロコンピュータ12は、詳細は後述するが、タイミング制御部61から供給される同期信号S1(例えば、タイミング制御部61からYドライバへ供給される、液晶パネル2での映像表示の際の同期信号(例えば、垂直同期信号Vsyncなど))に基づいて上記サンプリング信号S2を生成・出力し、光源部10での線順次点灯動作の周期(点灯周期)およびA/D変換部15でのサンプリング周期の調整を行うようになっている。なお、サンプリング信号S2を生成する際に用いる信号の立ち上がりおよび立ち下がりタイミングについては、マイクロコンピュータ12内に設けられた不揮発性のメモリからなるレジスタ121に、レジスタ値として最適値が予め格納されるようになっている。
次に、図6を参照して、上述したバックライト駆動部11、受光部13およびI/V変換部14の詳細構成について説明する。ここで、図6は、これらバックライト駆動部11、受光部13およびI/V変換部14の詳細構成、ならびにA/D変換部15およびマイクロコンピュータ12についてブロック図で表したものである。
まず、バックライト駆動部11は、電源部110と、この電源部110からの電源供給により光源10内の赤色LED1R、緑色LED1Gおよび青色LED1Bのアノード側へそれぞれ定電流IR,IG,IBを供給する定電流ドライバ111R,111G,111Bと、赤色LED1R、緑色LED1Gおよび青色LED1Bの各々のカソードと接地との間にそれぞれ接続されたスイッチング素子112R,112G,112Bと、マイクロコンピュータ12からの制御に従ってこれらスイッチング素子112R,112G,112BをそれぞれPWM(Pulse Width Modulation;パルス幅変調)制御するPWMドライバ113R,113G,113Bとを有している。なお、ここでは便宜上、光源部10内において赤色LED1R、緑色LED1Gおよび青色LED1Bが、全て互いに直列接続されたものとして表している。
受光部13は、前述したように、赤色受光部13Rと、緑色受光部13Gと、青色受光部13Bとを有している。このうち、赤色受光部13Rは、直流電源13R1と、赤色光を選択的に受光してその光量に応じた電流を発生させるフォトセンサであるフォトダイオード13R2とから構成されている。フォトダイオード13R2のカソードは直流電源13R1に接続され、アノードは後述するI/V変換回路14R内のオペアンプ14R1の非反転入力端子に接続されている。なお、緑色受光部13Gおよび青色受光部13Bについても、この赤色受光部13Rと同様の構成となっている。このような構成により赤色受光部13R、緑色受光部13Gおよび青色受光部13Bでは、各色用のフォトダイオードにおいて、光源部10からの照射光Loutのうち、各色光がそれぞれ抽出されて各色光の光量に応じた電流が発生し、電流値の受光データとしてI/V変換部14へ供給されるようになっている。
I/V変換部14は、各色用のI/V変換回路であるI/V変換回路14R,14G,14Bを有している。このうち、赤色用のI/V変換回路14Rは、オペアンプ14R1と、抵抗器14R2と、コンデンサ14R3とから構成されている。オペアンプ14R1の反転入力端子は、抵抗器14R2の一端、コンデンサ14R3の一端、ならびに赤色受光部13R内の直流電源13R1およびフォトダイオード13R2のカソードに接続されている。また、オペアンプ14R1の出力端子は、A/D変換部15の入力端子に接続されている。このような構成によりI/V変換回路14Rでは、赤色受光部13Rから供給される電流値の受光データがアナログ電圧の受光データである赤色受光データD0Rに変換され、A/D変換部15へ出力されるようになっている。なお、緑色用のI/V変換回路14Gおよび青色用のI/V変換回路14Bについても、この赤色用のI/V変換回路14Rと同様の構成となっており、それぞれアナログ電圧の受光データである緑色受光データD0Gおよび青色受光データD0Bが、A/D変換部15へ出力されるようになっている。
ここで、バックライト駆動部11が本発明における「駆動手段」の一具体例に対応し、マイクロコンピュータ12が本発明における「制御手段」の一具体例に対応し、受光部13が本発明における「受光素子」の一具体例に対応し、A/D変換部15が本発明における「サンプリング手段」の一具体例に対応する。また、受光部13、I/V変換部14、A/D変換部15およびマイクロコンピュータ12が本発明における「発光量制御装置」の一具体例に対応し、バックライト駆動部11、受光部13、I/V変換部14、A/D変換部15およびマイクロコンピュータ12が本発明における「光源駆動装置」の一具体例に対応し、光源部10、バックライト駆動部11、受光部13、I/V変換部14、A/D変換部15およびマイクロコンピュータ12が本発明における「光源装置」および「照明手段」の一具体例に対応する。
次に、このような構成からなる本実施の形態のバックライト装置1および液晶表示装置3の動作について、詳細に説明する。
まず、図1〜図8を参照して、本実施の形態のバックライト装置1および液晶表示装置3の基本動作について説明する。ここで、図8は、バックライト装置1の光源部10における線順次点灯動作を平面模式図で表したものである。また、図7は、液晶表示装置3全体の動作の概略をタイミング波形図で表したものであり、(A)はXドライバ51から液晶パネル2内のある画素電極212へ印加される電圧(駆動電圧)を、(B)は液晶分子の応答性(画素電極212における実際の電位状態)を、(C)はYドライバ52から液晶パネル2内のTFT素子のゲートへ印加される電圧(画素ゲートパルス)を、それぞれ表している。なお、図8では、受光部13が光源部10の上端に配置されている場合の例について説明する。
このバックライト装置1では、バックライト駆動部11においてスイッチング素子112R,112G,112Bがそれぞれオン状態となると、定電流ドライバ111R,111G,111Bからそれぞれ定電流IR,IG,IBが光源部10内の赤色LED1R、緑色LED1Gおよび青色LED1Bへ流れ、これによりそれぞれ赤色発光、緑色発光および青色発光がなされ、混色光である照明光Loutが発せられる。
この際、タイミング制御部61からマイクロコンピュータ12へ同期信号S1が供給されるため、マイクロコンピュータ12はこの同期信号S1に基づく制御信号をPWMドライバ113R,113G,113Bへそれぞれ供給し、これによりスイッチング素子112R,112G,112Bは、それぞれ同期信号S1に同期したタイミングでオン状態となり、赤色LED1R、緑色LED1Gおよび青色LED1Bの点灯期間もこれに同期したものとなる。
したがって、光源部10内では、例えば図8(A)〜(C)に示したように、期間T1,T2,…,T(n/2)の各期間において、所定数の水平ライン(この場合、2つの水平ライン)に位置する部分点灯部4がそれぞれ線順次に点灯していくようになる。具体的には、まず図8(A)に示した期間T1では、符号P1,P2で示した水平ライン(以下、水平ラインP1,P2とする)に位置する部分点灯部4がそれぞれ点灯し、照射光Lout1が射出される。次に、図8(B)に示した期間T2では、符号P3,P4で示した水平ライン(以下、水平ラインP3,P4とする)に位置する部分点灯部4がそれぞれ点灯し、照射光Lout2が射出される。そして最後に符号P(n-1),P(n/2)で示した水平ライン(以下、水平ラインP(n-1),P(n/2)とする)に位置する部分点灯部4がそれぞれ点灯し、照射光Lout(n/2)が射出される。
また、このとき受光部13は、図8に示したように、線順次点灯する各部分点灯部4からの照射光Lout1,Lout2,…,Lout(n/2)を、それぞれ受光する。具体的には、図6に示したように、受光部13内の赤色受光部13R、緑色受光部13Gおよび青色受光部13Bにおいて、各色用のフォトダイオードによって、光源部10からの照射光Loutのうちの各色光がそれぞれ抽出されて各色光の光量に応じた電流が発生し、これにより電流値の受光データがI/V変換部14へ供給される。
次にI/V変換部14では、各色用のI/V変換回路14R,14G,14Bにおいて、各色用の電流値の受光データがそれぞれアナログ電圧の受光データである受光データD0R,D0G,D0Bに変換され、A/D変換部15へ出力される。
次にA/D変換部15では、まず、各色ごとの受光データD0R,D0G,D0Bが、マイクロコンピュータ12から出力されるサンプリング信号S2に基づき、後述する所定のタイミングでそれぞれサンプリングされ、各色ごとの受光データD1R,D1G,D1B(図示せず)となる。そしてこれらサンプリングされた受光データD1R,D1G,D1Bに対してそれぞれA/D変換がなされ、これによりディジタルの電圧信号である受光データD2が各色ごとにマイクロコンピュータ12へ供給される。
そしてマイクロコンピュータ12では、A/D変換部15から供給された各色ごとの受光データD2に基づいて、照射光Loutの輝度および色度(色バランス)が一定に保たれるようにPWMドライバ113R,113G,113Bに対してそれぞれ制御がなされ、スイッチング素子112R,112G,112Bのオン期間、すなわち各色LED1R,1G,1Bの点灯期間が調整される。このようにして、光源部10からの照明光Loutに基づいて、各色ごとにLED1R,1G,1Bの点灯期間が制御され、これにより照明光Loutの発光量が制御される。
一方、本実施の形態の液晶表示装置3全体では、映像信号に基づいてXドライバ51およびYドライバ52から出力される画素電極212への駆動電圧によって、バックライト装置1の光源部10からの照明光Loutが液晶層20で変調され、表示光Doutとして液晶パネル2から出力される。このようにしてバックライト装置1が液晶表示装置3のバックライト(液晶用照明装置)として機能し、これにより表示光Doutによる映像表示がなされる。
具体的には、例えば図7(C)に示したように、Yドライバ52から液晶パネル2内の1水平ライン分のTFT素子のゲートへ画素ゲートパルスが印加され、それと共に図7(A)に示したように、Xドライバ51からその1水平ライン分の画素電極212へ、映像信号に基づく駆動電圧が印加される。このとき、図7(B)に示したように、画素印加電圧に対して画素電極212の実際の電位の応答(液晶の応答)は遅れるため(画素印加電圧がタイミングt1で立ち上がったのに対し、実際の電位はタイミングt2で立ち上がっている)、バックライト装置1では、実際の電位が画素印加電圧と等しくなっているタイミングt2〜t3の期間内に点灯状態となり、これにより液晶表示装置3において映像信号に基づく映像表示がなされる。なお、図7においてタイミングt1〜t3の期間が1水平期間に対応し、その後のタイミングt3〜t5の1水平期間においても、液晶の焼き付き防止等のために画素印加電圧が共通(コモン)電位Vcomに対して反転しているのを除き、タイミングt1〜t3の1水平期間と同様の動作となる。
次に、図1〜図8に加えて図9〜図11を参照して、本発明の特徴的部分の1つであるバックライト駆動部11の制御動作について、比較例と比較しつつ詳細に説明する。ここで、図9は、受光部13内のフォトセンサ(フォトダイオード)での受光光量と部分点灯部4の位置との関係の一例を表し、ここでは図8に示したように受光部13が光源部10の上端に位置する場合のものを表している。また、図10は、比較例に係る従来のバックライト装置(タイミング制御部からマイクロコンピュータへ同期信号S1が供給されていないことを除けば、本実施の形態のバックライト装置1と同様の構成)の動作をタイミング波形図で表したものであり、(A)〜(C)は光源部内に上端から下端まで順に配置された水平ラインP101〜P106(図示せず;図8における水平ラインP1〜P6に対応)での点灯状態(「H」が点灯状態を、「L」が非点灯状態を表している)を、(D)はA/D変換部へ入力されるアナログ電圧の受光信号D100(図示せず;本実施の形態の受光データD0に対応)を、(E)はマイクロコンピュータからA/D変換部へ供給される受光データD100のサンプリング信号S102(図示せず)を、(F)〜(G)はそれぞれA/D変換部内でサンプリングされたアナログ電圧の受光データD101R,D101G,D101B(図示せず)を、表している。また、図11は、本実施の形態のバックライト装置1の動作をタイミング波形図で表したものであり、(A)〜(C)は図8に示した水平ラインP1〜P6での点灯状態を、(D)はA/D変換部15へ入力されるアナログ電圧の受光信号D0を、(E)はマイクロコンピュータ12からA/D変換部15へ供給される受光データD0のサンプリング信号S2を、(F)〜(G)はそれぞれA/D変換部15内でサンプリングされたアナログ電圧の受光データD1R,D1G,D1Bを、表している。なお、図10および図11においては、説明の簡略化のため、光源部内に6つの水平ラインが設けられ、3つの期間T1〜T3(または期間T101〜T103)によって、液晶表示パネル2の1水平期間と同期する部分点灯部の点灯周期(ブリンキング周期)TBが構成されているものとする。
まず、本実施の形態のバックライト装置1および比較例に係るバックライト装置では、ともに例えば図8(A)〜(C)に示したように、線順次点灯する各部分点灯部4からの照射光Lout1,Lout2,…,Lout(n/2)が、それぞれ受光部13によって受光される。ここで、このように各部分点灯部4が順次点灯動作を行っている場合、部分点灯部4ごとに受光部13からの距離が異なるため、例えば図9に示したように、点灯している部分点灯部4の位置(どの水平ラインか、またはどの期間か)に応じて、受光部13が受光する光量が変化してしまうことになる。具体的には図9の場合、期間T1(タイミングt10〜t11の期間)では、フォトセンサは照明光Lout1によって光量L1の受光データを取得し、期間T2(タイミングt11〜t12の期間)では、照明光Lout2によって光量L2の受光データを取得し、…、期間T(n/2)(タイミングt13〜t14の期間)では、照明光Lout(n/2)によって光量L(n/2)の受光データを取得している。すなわち、前述したような制御部12による表示光Loutを一定に保つための制御にも関わらず、受光部13と点灯している部分点灯部14との距離が遠くなるのにつれて、フォトセンサでの受光光量が徐々に小さくなってしまっている。このように、点灯している部分点灯部4の位置によって受光光量が絶えず変化してしまうようでは、受光光量に基づいて照明光Loutの輝度や色度を一定に保つことが困難となってしまう。
ここで、図10に示した比較例に係る従来のバックライト装置では、以下のようにしてバックライト駆動部の制御動作がなされるようになっている。具体的には、図10(E)に示したように、サンプリング信号S102が所定のタイミングで周期的に「H」となり、そのときの受光データD100がサンプリングされ、受光データD101R,D101G,D101Bとなるようになっている。なお、タイミングt102〜t104で「H」となっているサンプリング信号S102は、それぞれ、赤色用の受光データD100R、緑色用の受光データD100Gおよび青色用の受光データD100Bのサンプリング信号に対応している。
この際、従来のバックライト装置では、図10から分かるように、部分点灯部の点灯周期(ブリンキング周期)TBと、サンプリング信号S102のサンプリング周期TSとが、互いに同期せず、異なる周期となっている。したがって、例えばタイミングt102〜t104では、図10(F)〜(H)にそれぞれ示したように、期間T101に対応する水平ラインP101,P102からの照射光に基づく受光データD100がサンプリングされ、それぞれ受光データD101R,D101G,D101Bとなっているのに対し、次にサンプリング信号S102が供給されているタイミングt107〜t109では、期間T103に対応する水平ラインP105,P106からの照射光に基づく受光データD100がサンプリングされ、それぞれ受光データD101R,D101G,D101Bとなっている。すなわち、点灯周期TBとサンプリング周期TSとが互いに同期していないため、A/D変換部においてサンプリングされる受光データD101R,D101G,D101Bが、それぞれ常に特定の水平ラインに位置する部分点灯部からの照射光に基づく受光データD100とはなっておらず、そのため、サンプリングされる受光データD101R,D101G,D101Bが一定値とはならず、不安定となっている。
なお、この場合において、例えばI/V変換部とA/D変換部との間の配線において、抵抗値と容量値とによる時定数CRを大きくすれば、図9に示したフォトセンサでの受光光量が平準化され、図10に示した受光データD101R,D101G,D101Bの値も平準化されることになる。ただしその場合、大きな時定数に起因して、各部分点灯部の点灯・消灯動作が、動画表示時などに映像の変化に追従できなくなってしまうことになる。また、前述した先行文献1の技術のように、各部分点灯部ごとに受光部との間に導光路を設けた場合、前述のように部品点数が増加して装置コストが増加してしまうと共に、これに加えて多数の導光路に対して光軸を正確に合わせるのは困難であるため、信頼性が低下してしまうことにもなる。
そこで、本実施の形態のバックライト装置1では、例えば図11に示したようにして、バックライト駆動部11の制御動作がなされる。具体的には、比較例とは異なり、部分点灯部4の点灯周期(ブリンキング周期)TBと、サンプリング信号S2のサンプリング周期TS2とが互いに同期し、同じ周期となっている。したがって、例えばタイミングt21〜t23では、図11(F)〜(H)にそれぞれ示したように、期間T1に対応する水平ラインP1,P2からの照射光に基づく受光データD0がサンプリングされ、それぞれ受光データD1R,D1G,D1Bとなっていると共に、次にサンプリング信号S2が供給されているタイミングt28〜t30においても、期間T1に対応する水平ラインP1,P2からの照射光に基づく受光データD0がサンプリングされ、それぞれ受光データD1R,D1G,D1Bとなっている。すなわち、点灯周期TBとサンプリング周期TS2とが互いに同期しているため、特定の水平ラインに位置する部分点灯部の点灯周期TBと同期したタイミングで受光データD0がサンプリングされ、これによりA/D変換部15においてサンプリングされる受光データD1R,D1G,D1Bが、それぞれ常に特定の水平ラインに位置する部分点灯部からの照射光に基づく受光データD1となり、そのため、サンプリングされる受光データD1R,D1G,D1Bが一定値となり、安定となっている。
このようにして本実施の形態のバックライト装置1では、部分点灯部4単位で順次点灯する光源部10からの照明光Loutが受光部13により受光され、この受光部13からの受光データに基づく受光データD0が、特定の部分点灯部の点灯周期TBと同期したタイミングでA/D変換部15においてサンプリングされる。よって、受光データD0のうち、特定の水平ラインに位置する部分点灯部4からの照明光による受光データに基づいてマイクロコンピュータ12によりバックライト駆動部11が制御され、各部分点灯部4の発光量がそれぞれ制御される。これにより、A/D変換部15でサンプリングされる受光データD1の大きさが、受光部13と点灯している部分点灯部4との距離に依存しなくなる(この場合、常に一定となる)。
以上のように本実施の形態では、部分点灯部4単位で順次点灯する光源部10からの照射光Loutを受光部13により受光すると共に、この受光部13からの受光データに基づく受光データD0を、特定の部分点灯部の点灯周期TBと同期したタイミングでA/D変換部15においてサンプリングするようにしたので、受光データD0のうちの特定の水平ラインに位置する部分点灯部4からの照明光による受光データに基づいてマイクロコンピュータ12によりバックライト駆動部11を制御し、各部分点灯部4の発光量をそれぞれ制御することができる。よって、A/D変換部15でサンプリングされる受光データD1の大きさを、受光部13と点灯している部分点灯部4との距離に依存しないようにすることができる。また、これにより部品点数が増えるなど、構成が複雑化することはない。よって、簡易な構成で照明光Loutの輝度の変動をより低減することが可能となる。
また、光源部10が複数の赤色LED1R、緑色LED1Gおよび青色LED1Bを含むようにし、複数の色光(赤色光、緑色光および青色光)を混合して特定の色光(白色光)である照明光Loutを得る加法混色方式のバックライト装置1としたので、照明光Loutの輝度に加え色度(色バランス)の変動についても、簡易な構成でより低減することが可能となる。
また、I/V変換部14とA/D変換部15との間の配線において、抵抗値と容量値とによる時定数CRを、液晶パネル2における表示映像の画質が損なわれない程度に小さく設定することができるため、大きな時定数に起因して、各部分点灯部4の点灯・消灯動作が動画表示時などに映像の変化に追従できなくなるのを回避することができる。また、抵抗器や容量素子の設置面積を小さくすることができるので、従来と比べて装置全体の基板面積を小さくすることができ、装置の小型化を実現することが可能となる。
また、本実施の形態では、図11に示したように、受光部13の位置から距離の近い水平ラインP1,P2に位置する部分点灯部4から選択的に受光データD0をサンプリングするようにしたので、例えば受光部13の位置から距離の遠い水平ラインP5,P6等に位置する部分点灯部4から選択的に受光データD0をサンプリングする場合と比べ、サンプリングする受光データの感度を高めることができ、バックライト駆動部11に対してよりきめ細やかな制御を行うことが可能となる。
さらに、バックライト装置1を液晶表示装置3のバックライト(液晶用照明装置)として用いるようにしたので、液晶パネル2から射出される表示光Doutにおいても、照明光Loutと同様に輝度や色度の変動をより低減することができる。よって、従来と比べて表示映像の画質を向上させることが可能となる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態における構成要素と同一のものには同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
図12は、本実施の形態に係る液晶表示装置の全体構成を表したものである。この液晶表示装置は、図4に示した第1の実施の形態の液晶表示装置において、バックライト駆動部11の代わりにバックライト駆動部11Aを設けると共にサンプルホールド部17を追加し、同期信号S1をマイクロコンピュータ12の代わりにこれらバックライト駆動部11Aおよびサンプルホールド部17へ供給するようにしたものである。
図13は、バックライト駆動部11Aおよびサンプルホールド部17等の詳細構成を表したものであり、第1の実施の形態で説明した図6に対応するものである。
バックライト駆動部11Aは、第1の実施の形態におけるバックライト駆動部11において、PWMドライバ113R,113G,113Bの代わりにPWMドライバ114R,114G,114Bをそれぞれ設けると共に、同期信号S1を入力するようにしたものである。すなわち、同期信号S1がマイクロコンピュータ12の代わりに、これらPWMドライバ114R,114G,114Bへ入力されるようになっている。
また、サンプルホールド部17は、同期信号S1に従ってそれぞれオン・オフ動作を行うスイッチング素子17R1,17G1,17B1と、コンデンサ17R2,17G2,17B2とを有している。スイッチング素子17R1,17G1,17B1は、それぞれI/V変換部14R,14G,14BとA/D変換部15との間に挿入配置され、コンデンサ17R2,17G2,17B2は、それぞれスイッチング素子17R1,17G1,17B1のA/D変換部15側の端子と接地との間に配置されている。また、スイッチング素子17R1,17G1,17B1はそれぞれ、例えば図14に示したような構成となっている。具体的には、スイッチング素子17R1は、トランジスタTrと、抵抗器Rrと、コンデンサCrとから構成され、スイッチング素子17G1は、トランジスタTgと、抵抗器Rgと、コンデンサCgとから構成され、スイッチング素子17B1は、トランジスタTbと、抵抗器Rbと、コンデンサCbとから構成されている。このような構成によりサンプルホールド部17では、同期信号S1に応じたタイミングでスイッチング素子17R1,17G1,17B1がそれぞれオン状態となり、これによりI/V変換部14からの受光データD0R,D0G,D0Bがそれぞれ取り込まれ、コンデンサ17R2,17G2,17B2にそれぞれ保持されるようになっている。
ここで、サンプルホールド部17が本発明における「保持手段」の一具体例に対応し、スイッチング素子17R1,17G1,17B1が本発明における「スイッチング素子」の一具体例に対応し、コンデンサ17R2,17G2,17B2が本発明における「容量素子」の一具体例に対応する。
次に、このような構成からなる本実施の形態のバックライト装置および液晶表示装置の動作について、詳細に説明する。なお、バックライト装置および液晶表示装置の基本動作については、第1の実施の形態で説明したものと同様であるので、説明を省略する。
図15は、本実施の形態のバックライト装置の動作をタイミング波形図で表したものであり、(A)〜(C)は水平ラインP1〜P6での点灯状態を、(D)はA/D変換部15へ入力されるアナログ電圧の受光信号D0を、(E)は同期信号S1を、(F)はサンプルホールド部17からA/D変換部15へ供給される保持された受光データD3を、(G)はマイクロコンピュータ12からA/D変換部15へ供給される受光データD3のサンプリング信号S3を、(H)〜(J)はそれぞれA/D変換部15内でサンプリングされたアナログ電圧の受光データD4R,D4G,D4Bを、表している。
本実施の形態のバックライト装置では、図11に示した第1の実施の形態とは異なり、部分点灯部4の点灯周期(ブリンキング周期)TBと、サンプリング信号S3のサンプリング周期TS3とが互いに同期せず、異なる周期となっている。これは、本実施の形態では同期信号S1がマイクロコンピュータ12へは供給されていないためである。その代わり、本実施の形態では、部分点灯部4の点灯周期TBと、サンプルホールド部17において受光データD0R,D0G,D0Bがそれぞれ取り込まれ保持される周期(サンプルホールド周期)とが互いに同期し、同じ周期(=同期信号S1の周期)となっている。これは、本実施の形態では、同期信号S1がサンプルホールド部17およびバックライト駆動部11A内のPWMドライバ114R,114G,114Bへ供給されているためである。
したがって、まず、例えばタイミングt45において同期信号S1が「H」となると、サンプルホールド部17内のスイッチング素子17R1,17G1,17B1がそれぞれオン状態となり、期間T1に対応する水平ラインP1,P2からの照射光に基づく受光データD0がコンデンサ17R2,17G2,17B2にそれぞれ保持され、受光データD3となる。そしてその後、同期信号S1が「L」に戻り、スイッチング素子17R1,17G1,17B1がそれぞれオフ状態となると、I/V変換部14からの受光データD0の値によらず、保持されている受光データD3の値は一定となる。よって、次に同期信号S1が再び「H」となってスイッチング素子17R1,17G1,17B1がそれぞれオン状態となるまでの期間(タイミングt45〜t52までの期間)では、本実施の形態のように部分点灯部4の点灯周期TBとA/D変換部15でのサンプリング信号S3のサンプリング周期TS4とが互いに同期しておらず、どのタイミングでサンプリング信号S3が「H」となるか分からないような場合であっても、A/D変換部15では期間T1〜T3ごとに値が変動する受光データD0ではなく、サンプルホールド部17によって一定に保持されている受光データD3がサンプリングされるため、図15中の矢印で示したように、サンプリングされる受光データD4R,D4G,D4Bもそれぞれ一定となり、安定化する。なお、その後のタイミングt52〜t56の期間においても、上記したタイミングt45〜t50の期間と同様の動作がなされている。
このようにして本実施の形態のバックライト装置では、受光部13からの受光データに基づく受光データD0が、特定の部分点灯部の点灯周期TBと同期したタイミングでサンプルホールド部17に保持され、その保持された受光データD3がA/D変換部15においてサンプリングされ、マイクロコンピュータ12へ供給される。よって、第1の実施の形態と同様に、A/D変換部15でサンプリングされる受光データD4の大きさが、受光部13と点灯している部分点灯部4との距離に依存しなくなる(この場合、常に一定となる)。
以上のように本実施の形態では、受光部13からの受光データに基づく受光データD0を、特定の部分点灯部の点灯周期TBと同期したタイミングでサンプルホールド部17に保持し、その保持された受光データD3をA/D変換部15においてサンプリングしてマイクロコンピュータ12へ供給するようにしたので、第1の実施の形態と同様に、A/D変換部15でサンプリングされる受光データD4の大きさを、受光部13と点灯している部分点灯部4との距離に依存しないようにすることができる。また、これにより部品点数が増えるなど、構成が複雑化することはない。よって、第1の実施の形態と同様に、簡易な構成で照明光Loutの輝度および色度の変動をより低減することが可能となる。
また、第1の実施の形態と同様に、バックライト装置を液晶表示装置のバックライト(液晶用照明装置)として用いるようにしたので、液晶パネル2から射出される表示光Doutにおいても、照明光Loutと同様に輝度や色度の変動をより低減することができる。よって、従来と比べて表示映像の画質を向上させることが可能となる。
さらに、本実施の形態では第1の実施の形態とは異なり、同期信号S1をマイクロコンピュータ12へは供給しないようにし、ソフト的にではなくハード的に制御を行うようにしたので、マイクロコンピュータ12内での制御用のタイミング変化等を行う必要がなくなる。具体的には、本実施の形態では、A/D変換部15へ供給するサンプリング信号S3を任意のサンプリング周期に設定することができ、第1の実施の形態のように部分点灯部4の点灯周期TBに同期させる必要がない。よって、第1の実施の形態と比べ、より簡単にバックライト駆動部11に対する制御を行うことが可能となる。
以上、第1および第2の実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
例えば、上記実施の形態では、図8に示したように、受光部13を光源部10の上端に配置した場合について説明したが、受光部13の接地位置はこれには限られず、例えば光源部10の下端に配置するようにしてもよく、さらに例えば図16および図17にそれぞれ示したように、光源部10の側面(図16)や背面(図17)に配置するようにしてもよい。図17に示したように光源部10の背面に配置した場合、光源部10の上端や下端、側面に配置した場合と比べ、より光量が平均化された照明光Loutを受光することができる。
また、上記実施の形態では、1つの受光部13からの受光データを用いてバックライト駆動部11の制御を行っているが、例えば光源部10に対して互いに異なる位置等に複数の受光部を設け、それら複数の受光部からの受光データの平均値などを取ってバックライト駆動部11の制御を行うようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、受光部13の位置から一番距離の近い水平ラインP1,P2に位置する部分点灯部4から選択的に受光データD0をサンプリングする場合について説明したが、選択的に受光データD0のサンプリングを行う光源部10内の水平ラインの位置はこれには限られず、例えば受光部13の位置から距離の遠い水平ラインP5,P6等に位置する部分点灯部4から選択的に受光データD0をサンプリングするようにしてもよい。このように構成した場合、距離の近い水平ラインに位置する部分点灯部4から選択的に受光データD0のサンプリングを行う場合と比べ、照明光Loutにおける空間的な積分効果を高め、より面均一性の高い受光データを得ることができる。よって、光源10における発光量を、面内でより均一化させることが可能となる。
また、上記実施の形態では、同期信号S1の一例として、液晶パネル2での映像表示の際の垂直同期信号Vsyncを挙げて説明したが、例えば、垂直同期信号Vsyncの1/2の周波数の同期信号や、垂直同期信号Vsyncの1/4の周波数の同期信号等を利用して、バックライト駆動部11に対する制御を行うようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、光源部10において、2つの水平ライン単位で線順次点灯を行う場合について説明したが例えば1つの水平ライン単位で線順次点灯を行うなど、任意の数の水平ラインによって行うようにしてもよい
また、上記実施の形態では、光源部10が赤色LED1R、緑色LED1Gおよび青色LED1Bから構成されている場合で説明したが、これらに加えて(またはこれらに代えて)、他の色光を発するLEDを含んで構成するようにしてもよい。4色以上の色光によって構成した場合、色再現範囲を拡大し、より多彩な色を表現することが可能となる。
また、上記実施の形態では、光源部10が複数の赤色LED1R、緑色LED1Gおよび青色LED1Bを含むようにし、複数の色光(赤色光、緑色光および青色光)を混合して特定の色光(白色光)である照明光Loutを得る加法混色方式のバックライト装置1について説明したが、1種類のLEDによって光源部を構成し、単色の照明光を発するバックライト装置としてもよい。このように構成した場合でも、照明光の輝度の変動について、簡易な構成でより低減することが可能である。
また、上記実施の形態では、液晶表示装置3がバックライト装置1を含む透過型の液晶表示装置である場合について説明したが、本発明の光源装置によってフロントライト装置を構成し、反射型の液晶表示装置としてもよい。
さらに、本発明の光源装置は液晶表示装置用の照明装置だけでなく、例えば照明機器等、他の光源装置にも適用することが可能である。