JP5065107B2 - バラストタンク用金属材料の塗膜耐食性評価方法 - Google Patents

バラストタンク用金属材料の塗膜耐食性評価方法 Download PDF

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本発明は、海水等の影響を受けることで錆等の腐食が発生しやすい厳しい環境で使用される船舶のバラストタンク形成する表面に防錆のための塗膜が形成されたバラストタンク用金属材料の、該塗膜の耐食性を評価するバラストタンク用金属材料の塗膜耐食性評価方法に関するものである。
海水等の影響を受けることで錆等の腐食が発生しやすい厳しい環境で使用される構造物等としては、船舶のバラストタンク、船舶の構造部材、海上石油基地やガス田基地等の海洋構造物、塗装鋼橋やプラント材料、石油、ガス備蓄タンクといった海浜構造物、海水を利用した熱交換器、淡水製造装置を掲げることができる。これらはその内部に海水が浸漬されたり、海水内に設けられたり、常時海水が降りかかる等錆が発生しやすい厳しい環境で使用されるため、表面に防錆のための塗膜が形成された金属材料を用いて構成されている。
これらのうちでも、船舶のバラストタンクについては、その内部に錆等の腐食が発生すると共に、船舶の2年半毎のドック検査の際にしか確認できず、タンク内に発生する錆等の腐食の発生が大きな問題となっていた。
バラストタンク内には、バラスト水として海水が、船舶の積載物に重量等に応じて適宜注入されたり、排水されたりするため、バラストタンクの外殻を形成する鋼板等の金属材料は、その部位によって海水に曝される環境が異なっていた。まず、常時海水に浸水する底板がある。次に、バラスト水の出入により、海水環境と高湿度環境の繰返しとなる壁板がある。更には、海水に曝されることはないが常時高湿度環境となる天板(上甲板の裏側)がある。
これらのうち、常時浸水している底板は、Zn合金やプライマーなどの回路が形成されて犠牲防食が効いており、塗膜の劣化、ふくれ、発錆といった腐食の発生は確実に抑制されており、問題はないのであるが、海水環境と高湿度環境の繰返しとなり電気防食の回路が形成されにくい壁板と、昼夜の温度差の影響を直接受け、常に高温多湿の環境となり電気防食の回路が形成されにくい天板については、塗膜の劣化、ふくれ、発錆といった腐食が発生することが従来から大きな問題となっていた。
その腐食の発生を防止するため、バラストタンクは表面に防錆のための塗膜が形成された鋼板等の金属材料を用いて構成されているが、その耐食性を評価するための方法としては、従来から、実船に暴露して評価する方法のほか、下記に示す試験方法が実施されたり、提案されたりしている。
まず、実船に暴露して評価する試験方法は、確実にその評価を行える方法であるが、その評価に要する期間は、船舶がドック検査を受ける2年半が最短期間であり、実態に副わない評価方法であった。
一般に用いられている試験方法の代表は、温度勾配試験による評価方法である。この試験は、試験片となる表面に防錆のための塗膜が形成された金属材料を、塩水の中に全浸漬して、塗膜の劣化、ふくれ、発錆といった腐食の発生を評価する方法である。この方法では、腐食発生の一つの因子である水分の浸透は熱勾配により促進されるものの、もう一つの腐食発生因子である酸素の浸透は不十分で、水分の浸透が過剰となってふくれが発生する場合があり、実態とは異なる試験結果が得られる可能性が高く、金属材料の表面に塗装された塗膜の耐食性を、十分に評価することができる試験方法ということはできない。
また、公知の評価方法として、非特許文献1に記載された、塩水噴霧+乾湿繰返し、塩水浸漬+湿潤環境繰返しによる試験方法もある。これらの試験は、塗膜の表面に疵が発生した際の錆の進展度合いを評価する塗膜耐食性の評価としては促進作用がある。しかしながら、塗膜健全部の塗膜ふくれの発生等を評価する場合に、特に耐水性の優れる塗料で塗膜を形成した金属材料を用いるとその評価に1年以上の期間を要することとなる。すなわち、実船での評価と同様に長期間を要し、実態には副わない評価方法といえる。また、塩水浸漬+湿潤環境繰返しという試験方法は、実船に近い環境のため、相関した試験結果を得られると思料できるが、塩水噴霧+乾湿繰返しによる試験方法は、実船とは異なる環境となり適した試験方法ということはできない。
また、前記した塩水浸漬+湿潤環境繰返しによる試験方法を改善し、屋外暴露した結果と相関する試験結果が得られるという方法が、特許文献1として提案されている。この試験方法は、屋外環境において、昼夜のような温度変化がある場合は塗膜と金属材料に冷却・昇温速度に差があり、温度差が生じていることに着目した試験方法である。しかしながら、この試験方法は、劣化の初期段階において、温度差による熱膨張係数の違いにより生じる応力により塗膜の密着力を低下させ、劣化を促進させており、劣化初期段階における金属材料の腐食については全く考慮されていない。すなわち、バラストタンクのように、腐食による塗膜ふくれから始まる塗膜劣化については全く考慮されておらず、実船とは対応しておらず、実態とは異なる試験結果が得られる可能性が高く、この試験も適した試験方法ということはできない。
更には、海洋構造物等の実環境における寿命推定が可能な方法として、温度勾配試験(温度勾配加熱試験)と等温加熱試験を実施して、90度剥離試験(破壊試験)で塗膜の劣化を評価する方法が、特許文献2として提案されている。この評価方法は、温度勾配による促進と実環境との対応に着目して、実環境での寿命予測を行う方法であり、特定の被覆材(塗膜)が被覆された鋼材の実環境における寿命を予測するには有効である。しかしながら、90度剥離強度である閾値以下に到達するまでの時間を評価しているため、被覆材(塗膜)が被覆された鋼材の実際の劣化時間を計算するのに膨大な数の試験と手間を要する。実際このような試験で評価をすることは試験の手間、費用等を考えれば全く実用的なものではなく、特許文献2として提案されているものの実際に採用することは困難であると思料される。
それ以外に、耐食性を評価するための試験方法として、塩水噴霧や塩水浸漬と、他の要件を組み合わせた複合サイクル試験が、特許文献3〜8に開示されており、また、その他にも耐食性を評価するための試験方法が特許文献9、10に開示されている。しかしながら、それら試験の何れもが、実船とは異なる環境となり、実態とは異なる試験結果が得られる可能性が高く、必ずしも適した試験方法ということはできない。
特開平5−322741号公報 特開平9−5231号公報 特開2006−9128号公報 特開2005−21981号公報 特開平7−3388号公報 特開平8−246048号公報 特開平7−34196号公報 特開平7−34197号公報 特開平11−1639号公報 特開平11−172368号号公報 「金属腐食の現地試験と評価」,日本材料学会腐食防食部門委員会,1990年,第7章,153〜173ページ
本発明は、それら従来の問題を解決せんとしてなされたもので、実船に暴露して評価する試験方法と同じ試験結果を精度良く得ることができ、しかも、短時間で手間を要することなく、塗膜の耐食性を評価することができるバラストタンク用金属材料の塗膜耐食性評価方法を提供することを課題とするものである。
本発明のバラストタンク用金属材料の塗膜耐食性評価方法は、開口部が形成された仕切り板と、その仕切り板の両側に設けられた槽より構成され、前記仕切り板の開口部を閉鎖するようにして、表面に塗膜が形成されたバラストタンク用金属材料で成る試験片が、その試験片の両表面が前記両側の槽に夫々臨むようにして保持されると共に、前記両側の槽には夫々、槽内に注入される試験液の液位調節機能と、その試験液並びに槽内の気相部の温度調節機能が設けられている塗膜耐食性評価装置を用いて、前記試験片の塗膜の耐食性を評価するバラストタンク用金属材料の塗膜耐食性評価方法であって、前記両側の槽に注入される試験液の温度差を10℃〜80℃、且つ、高温側の試験液の温度を30℃〜80℃、低温側の試験液の温度を少なくともその試験液の凝固点を超える温度とし、前記試験片の両表面が夫々臨む両側の槽内に注入される試験液或いは気相部に温度差を設けた状態で、試験片の塗膜の耐食性評価面を少なくとも高温側の槽に臨ませると共に、前記両側の槽に注入される試験液の液位を、高液位とする期間と低液位とする期間を設け、前記試験片が試験液に浸漬される部位を、高液位期間ではその下部のみ、低液位期間では全面を未浸漬とし、高液位期間と低液位期間を順次交互に繰り返し、且つ、高液位期間の方が低液位期間より長期間とすることで、塗膜の耐食性を評価することを特徴とするバラストタンク用金属材料の塗膜耐食性評価方法である。
本発明のバラストタンク用金属材料の塗膜耐食性評価方法によると、塗膜耐食性評価装置を用いることで、実船に暴露して評価する試験方法と同じ試験結果を精度良く得ることができ、しかも、短時間で手間を要することなく、バラストタンク用金属材料の塗膜の耐食性を評価することができる。
また、実環境に副った温度条件でバラストタンク用金属材料の塗膜耐食性評価を行うことができ、しかも、低温側の試験液の氷結で、試験片へ過剰な外部応力が加わって正確な評価ができないということはなくなり、更には、試験の評価も迅速に行うことができる。
また、バラスト水の出入により、海水環境と高湿度環境の繰返しとなる壁板と、海水に曝されることはないが常時高湿度環境となる天板(上甲板の裏側)を模擬したバラストタンク用金属材料の塗膜の耐食性の評価試験を行うことができ、更には、壁板は海水に曝される期間の方が長いという実際の条件に沿った試験を行うことができる。
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて更に詳細に説明する。まず、本発明のバラストタンク用金属材料の塗膜耐食性評価方法の試験条件について説明する。
本発明で、塗膜耐食性の評価に用いる試験片1は、表面に塗膜が形成された金属材料である。金属材料としては、鉄、鋼、低合金鋼、ステンレス、チタン、チタン合金、アルミニウム、アルミニウム合金、銅などを用いることができ、その金属材料の表面に形成された塗膜は、タールエポキシ樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等で形成され、また、ショッププライマー、ジンクリッチプライマーなどの下塗り塗装が施されていても良い。
表面に塗膜が形成された金属材料の試験片1の大きさは、小さすぎると塗膜耐食性の判定が難しく、逆に大きすぎると同じ環境下で多数の比較評価試験を行うことが困難となる。また、試験片1の厚みは、薄すぎると強度が小さくなり応力がかかりやすくなって取り扱いがしにくくなり、逆に厚すぎると塗膜自体にかかる温度差が相対的に小さくなり、試験の促進効果が小さくなってしまう。従って、試験片の大きさは、20mm×20mm×1mmt〜300mm×300mm×30mmtの範囲が好ましい。また、30mm×30mm×3mmt〜150mm×150mm×15mmtの範囲がより好ましい。
塗膜の膜厚は、薄すぎると欠陥が生じやすく、厚すぎると試験の評価に時間を要することとなるため、塗膜の膜厚は、合わせて5μm〜500μmの範囲とすることが好ましい。また、20μm〜350μmの範囲がより好ましい。
尚、健全塗膜の耐久性を評価する場合には、試験片1の塗膜は損傷のないままで試験に用いるが、塗膜損傷後の塗膜耐食性を評価する場合には、塗膜の表面にカット疵等を付与してから試験に用いる。
また、本発明で、塗膜耐食性評価装置Aの槽3、4内に注入する試験液Bとしては、食塩水、人工海水や、イオン交換水、蒸留水などの純水を用いることが可能であるが、好ましくは、バラストタンクに実際に注入される海水、人工海水を用いて試験を行う方が良い。
塗膜耐食性評価試験は、図1〜図3に示す塗膜耐食性評価装置Aを用いた温度勾配試験にて行われる。塗膜耐食性評価装置Aは、試験片1よりやや小さな矩形の開口部5が形成された仕切り板2と、その仕切り板2の両側に設けられた槽3、4より構成される。以下、30℃〜80℃の比較的高温の試験液Bが注入される側の槽を高温側槽3、前記試験液Bより10℃〜80℃低い比較的低温の試験液Bが注入される側の槽を低温側槽4という。
表面に塗膜が形成された金属材料で成る試験片1は、仕切り板2の開口部5を閉鎖するようにして、仕切り板2に取り付けられて保持される。具体的には、開口部5を被覆するようにして、低温側槽4側から仕切り板2の開口部5周囲に試験片1の周縁部をあてがい、次に、その試験片1の周縁部を押さえつけるようにして偏平形状で中央が開口になった矩形押さえ枠6を試験片1の周縁部にあてがい、更に、その矩形押さえ枠6をボルトナット等の固着具7で仕切り板2に固定することで、試験片1はその両表面が高温側槽3と低温側槽4に夫々臨むようにして保持される。矩形押さえ枠6は、試験片1よりやや大きな矩形形状であるため、試験片1を固着具7が貫通することなく試験片1を取り付けることができる。尚、試験片1の仕切り板2への取り付けは、試験片1の両表面が高温側槽3と低温側槽4に夫々臨むようにして取り付けることができれば他のどのような取り付け方法で取り付けても構わない。
また、図1に示す8は試験液Bが注入される注水口、9は注入した試験液Bの液位を高液位に保つための高液位排水口、10は注入した試験液Bの液位を低液位にするための低液位排水口である。注水口8より低液位排水口10の方が高い位置にあるため、低液位の状態としても高温側槽3、低温側槽4ともに常時試験液Bが貯水された状態となり、槽内の気相部11は、貯水された試験液Bの影響を受けて常時高湿度環境となる。特に高温側槽3内の気相部11は、高温高湿度環境となる。
尚、高温側槽3と低温側槽4には試験片1の出し入れ等のために、開口が設けられているが、蓋をして気密性を保つ必要がある。水分蒸発による試験液Bの濃縮を防ぐためと、気相部11の湿度を高湿度、特に高温側槽3の気相部11の相対湿度を90%以上に保つためと、高温側槽3と低温側槽4の温度差の付与のために、気密性を保つことが必要である。
図2は、高温側槽3に注入した試験液Bの液位を高液位の状態とした塗膜耐食性評価装置Aを示し、図3は、高温側槽3に注入した試験液Bの液位を低液位の状態とした塗膜耐食性評価装置Aを示す。試験液Bの液位を高液位とする場合は、低液位排水口10のバルブを閉め、注水口8から注入した試験液Bを高液位排水口9から排水する。一方、試験液Bの液位を低液位とする場合は、高液位排水口9のバルブを閉め、注水口8から注入した試験液Bを低液位排水口10から排水する。図2及び図3では、高温側槽3にのみ試験液Bを注水した状態について説明したが、実際は低温側槽4にも試験液Bが注水されて試験は行われる。低温側槽4に試験液Bを注水する場合も、高温側槽3に試験液Bを注水する場合と同様に行われる。
図4は、温度調節槽12、13を示す。この温度調節槽12、13には、高温側温度調節槽12と低温側温度調節槽13がある。高温側温度調節槽12は試験液Bが内部を流れるパイプを介して高温側槽3と連通しており、低温側温度調節槽13は試験液Bが内部を流れるパイプを介して低温側槽4と連通している。高温側温度調節槽12、低温側温度調節槽13ともに、ヒータ14と冷却器15が設けられており、内部の試験液Bを夫々適した温度に保つことができる。尚、16は、試験液Bを高温側槽3と低温側槽4に送るために設けられたポンプである。
試験液Bは、パイプを介してループ状につながれた、高温側槽3と高温側温度調節槽12の間、低温側槽4と低温側温度調節槽13の間を夫々、常時循環する。その際、試験液Bは、高温側温度調節槽12と低温側温度調節槽13に設けられたヒータ14と冷却器15により常に適温に保たれる。
塗膜の耐食性の評価を行う試験は、試験片1の塗膜の耐食性評価面を高温側槽3側に、評価面と反対の面を低温側槽4側に夫々臨ませて行われるため、塗膜へ腐食因子となる水分や酸素が浸透し、塗膜の劣化、ふくれ、発錆といった腐食の発生が促進される。尚、試験片1は高温側槽3と低温側槽4に夫々臨むようにして取り付けられるが、試験での耐食性評価面である高温側槽3側だけに塗膜が形成されていても良く、両方の面に塗膜が形成されていても良い。また、試験片1は両方の面で異なる塗膜が形成されていても良いし、同種の塗膜で厚さ等の条件を変えたものを形成させても良い。
金属材料の表面の塗膜が、有機系の樹脂塗料で形成される場合、その樹脂のガラス転移温度より低い温度で試験を行う必要がある。塗膜樹脂のガラス転移温度より高い温度で試験を行うと、正確な塗膜耐食性評価を行うことができなくなり、また、ガラス転移温度に近い温度で試験を行っても塗料設計時の想定外環境となるため、実環境と相関しない結果となる。そのため、高温側槽3内に注水される試験液Bの上限温度は80℃とする。また、高温側槽3内に注水される試験液Bの温度を30℃より低い温度として試験を行っても、促進効果が小さく評価に要する時間が非常に長時間となるため、高温側槽3内に注水される試験液Bの下限温度は30℃とする。また、高温側槽3内に注水される試験液Bの温度を40℃〜60℃の間として試験を行うことがより好ましい。
低温側槽4内に注水される試験液Bの温度が低すぎると、試験液Bが氷結して試験片1に過剰な外部応力を加えることとなり、正確な試験評価が行えなくなってしまう。また、高温側槽3側の試験液Bと低温側槽4の試験液Bの温度差が小さすぎる場合は、評価に要する時間が非常に長時間となってしまう。従って、高温側槽3側の試験液Bと低温側槽4の試験液Bの温度差は10℃〜80℃とする。尚、その温度差は20℃〜60℃とすることがより好ましい。また、前記したように、低温側槽4内に注水される試験液Bの温度がその凝固点以下であると試験液Bが氷結してしまうため、具体的な温度は試験液Bの種類、濃度によっても異なるが、低温側槽4内に注水される試験液Bの温度はその試験液Bの凝固点を超えることを条件とする。
本発明による塗膜耐食性評価試験によると、槽内に注水する試験液Bの液位を変更することにより従来から行われてきた温度勾配試験よりも、実環境に相関する条件で塗膜の耐食性を簡便且つ短期間に評価することが可能となる。槽に注入される試験液Bの液位を、高液位とする期間と低液位とする期間を設けることで、単純に温度勾配のみを付与する従来から行われてきた温度勾配試験よりも酸素の浸透を十分とすることで、より厳しい環境を付与でき、更に、実際のバラストタンクで錆等の腐食の発生が問題となっている実環境に暴露した試験結果と相関するより精度の高い試験結果を得ることができる。
前記したように、実際のバラストタンク内には、バラスト水となる海水が、船舶の積載物に重量等に応じて適宜注入されたり、排水されたりするため、バラストタンクの外殻を形成する鋼板等の金属材料でもその部位によって海水に曝される環境が異なっている。まず、常時海水に浸水する底板がある。次に、バラスト水の出入により、海水環境と高湿度環境の繰返しとなる壁板がある。更には、海水に曝されることはないが常時高湿度環境となる天板(上甲板の裏側)がある。
これらのうち、犠牲防食が効いているため特に腐食発生の問題のない底板を除いた壁板と天板の実環境を模擬したのが、本発明の塗膜耐食性評価装置Aを用いた塗膜耐食性評価試験である。壁板は浸漬と未浸漬が繰り返される部位であり、天板は常に未浸漬の部位である。即ち、本試験では、高液位期間では試験片1を試験液Bに全て浸漬せず、低液位期間では試験片1を全て未浸漬とし、高液位期間でも試験液Bに浸漬されない部位を天板にあたる部位、高液位期間のみ試験液Bに浸漬される部位を壁板にあたる部位と模擬して試験を行う。
高液位期間と低液位期間は、短すぎる場合は試験による促進効果が小さくなり、逆に長すぎる場合は実船との相関がなくなる。また、高液位期間が低液位期間よりも短い場合は試験による促進効果が不十分となる。従って、高液位期間は3日〜21日、低液位期間は2日〜14日とし、且つ、高液位期間を低液位期間より長くする。高液位期間と低液位期間を交互に繰り返すことで、促進効果が大きくなり、実船と相関のある塗膜の耐食性を評価することができる。
塗膜耐食性評価試験で評価できる項目には、目視による塗膜のふくれ発生までの時間、発錆までの時間、一定期間試験実施後のふくれの発生量、その発生密度、ふくれのサイズなどがあり、評価目的により選択することができる。本発明のように塗膜の耐食性を評価する場合は、腐食の起点である目視による塗膜ふくれ発生までの時間の評価が有効である。この方法は非破壊の評価であるため、様々な金属材料、塗膜の組み合わせによる試験を同時に行うことができる。
また、事前に塗膜にカット疵等の人工的な疵を付与して試験を行い、一定期間試験実施後の疵からのふくれ幅を評価する損傷部の塗膜耐食性評価を行うことも可能である。更には、人工海水のように試験液Bに電解質を含む場合は、試験片1よりリード線を出して参照電極との電位差(浸漬電位)を測定することや、交流インピータンス法による塗膜の劣化程度を評価することも可能であり、一定期間試験実施後の塗膜付着力を評価することも可能である。
発明例と比較例1〜4では、転炉溶製により鋼材の原料を溶製して、表1に示す4種の化学成分を有する鋼材を夫々作製し、この鋼材から100mm×50mm×5mmtの大きさの金属片を切り出した。切り出した金属片の全面を湿式回転研磨機(研磨紙:♯600)で研磨仕上げし、水洗およびアセトン洗浄を行い、ジンクリッチプライマーを乾燥膜厚で15μm、変性エポキシ樹脂塗料を乾燥膜厚で250μm塗装して塗膜とした試験片aを5個づつ作製した(図5に示す)。また、この試験片aの中央部長手方向に長さ50mm×幅約0.5mmの素地まで達するカット疵17を付与した試験片bを5個づつ作製した(図6に示す)。
Figure 0005065107
発明例では、図1〜4に示す塗膜耐食性評価装置Aを用いて塗膜の耐食性を評価した。試験液Bは人工海水であり、高温側槽3に注入される試験液Bの温度を40℃、低温側槽4に注入される試験液Bの温度を10℃とした。また、図2に示す高液位期間を14日、図3に示す低液位期間を7日とし、繰返し2サイクル計42日間の試験を行った。高液位期間の液位は、試験片a、bの下から50%が浸漬する液位とした。高液位期間、低液位期間ともに、水分の蒸発による試験液Bの濃縮を防止するため、また、気相部11の高湿度状態を保つために蓋をして気密状態で試験を行った。
比較例1では、従来から行われている温度勾配試験により塗膜の耐食性を評価した。用いた試験液Bは発明例同様に人工海水であり、高温側温度を40℃、低温側温度を10℃として試験を行った。
比較例2では、図1〜4に示す塗膜耐食性評価装置Aを用いて塗膜の耐食性を評価した。発明例とは逆に低液位期間を高液位期間より長くし、高液位期間を7日、低液位期間を14日とし、繰返し2サイクル計42日間の試験を行った。他の条件は発明例と同様である。
比較例3では、図1〜4に示す塗膜耐食性評価装置Aを用いて塗膜の耐食性を評価した。高温側槽3に注入される試験液Bの温度を本発明の条件より高い90℃、低温側槽4に注入される試験液Bの温度を60℃とした。他の条件は発明例と同様である。
比較例4では、図1〜4に示す塗膜耐食性評価装置Aを用いて塗膜の耐食性を評価した。高温側槽3に注入される試験液Bの温度を40℃、低温側槽4に注入される試験液Bの温度を35℃とし、高温側と低温側の試験液Bの温度差を本発明の条件より小さい5℃とした。他の条件は発明例と同様である。
発明例と比較例1〜4の試験片aを用いた試験では、1日1回目視で観察を行い、5個の試験片Aの中で最初に塗膜ふくれが発生した日までの日数と、2サイクル計42日間の試験が終了した時点での5個の試験片aの塗膜損傷面積率(塗膜ふくれ、塗膜やぶれ、発錆の面積率)の平均値を評価の対象とした。また、発明例と比較例1〜4の試験片bを用いた試験では、2サイクル計42日間の試験が終了した時点でのカット疵からふくれ端までの幅のうち最も広い幅である最大ふくれ幅を調べ、5個の試験片bの最大ふくれ幅のうち最も広い最大ふくれ幅を評価の対象とした。
実船暴露試験も行い基準例とした。基準例では、発明例や比較例1〜4と同様に転炉溶製により鋼材の原料を溶製して、表1に示す4種の化学成分を有する鋼材を夫々作製し、この鋼材から200mm×200mm×15mmtの大きさの金属片を切り出した。切り出した金属片の表面に、ジンクリッチプライマーを乾燥膜厚で15μm、変性エポキシ樹脂塗料を乾燥膜厚で250μm塗装して塗膜とした試験片cを5個づつ作製した(図7に示す)。また、この試験片cの中央部長手方向に長さ150mm×幅約1mmの素地まで達するカット疵17を付与した試験片dを5個づつ作製した(図8に示す)。
基準例では、実船のバラストタンクの上部(海水飛沫部)に試験片c、dを暴露して実船暴露試験を行った。暴露期間は2年半である。試験片cでの評価の対象は、前記試験片aでの評価の対象である試験が終了した時点での5個の試験片cの塗膜損傷面積率(塗膜ふくれ、塗膜やぶれ、発錆の面積率)の平均値、試験片dでの評価の対象は、前記試験片bでの評価の対象と同様の試験が終了した時点での5個の試験片dの最大ふくれ幅のうち最も広い最大ふくれ幅とした。
表2(発明例と比較例1〜3)及び表3(基準例)に示す評価基準を用いて評価した結果を表4に示す。
Figure 0005065107
Figure 0005065107
Figure 0005065107
従来から行われている温度勾配試験を用いた比較例1による試験結果では、No.1〜4のどの化学成分を有する鋼材を用いて試験片1を作製した場合も、塗膜の耐食性の差が殆ど出ておらず、試験結果で塗膜の耐食性の差が顕著に表れた実船暴露試験の基準例との相関が取れなかった。
低液位期間が高液位期間より長い比較例2による試験結果では、No.1〜4のどの化学成分を有する鋼材を用いて試験片1を作製した場合も、△以上の評価となっており、その試験結果の差異が、実船暴露試験の基準例ほど顕著に表れなかった。
高温側の試験液の温度を本発明の条件より高くした比較例3による試験結果では、塗膜の防食性能が発現されず、塗膜の耐食性の評価ができなかった。
高温側と低温側の試験液の温度差を本発明の条件より小さくした比較例4による試験結果では、No.1〜4のどの化学成分を有する鋼材を用いて試験片1を作製した場合も、△以上の評価となっており、その試験結果の差異が、実船暴露試験の基準例ほど顕著に表れなかった。
これに対し、本発明の条件を満足する発明例の試験結果は、実船暴露試験の基準例と相関した試験結果を得ることができており、実船暴露試験では2年半以上、従来の促進試験では1年以上を要していた塗膜の耐食性の評価試験を、本発明の塗膜耐食性評価装置、並びに塗膜耐食性評価方法を採用することで、短期間でしかも精度良く行えることが確認できた。
本発明の塗膜耐食性評価装置の一実施形態を示す透視斜視図である。 同実施形態を示すもので、高温側槽に注入した試験液の液位を高液位の状態とした塗膜耐食性評価装置を示す縦断面図である。 同実施形態を示すもので、高温側槽に注入した試験液の液位を低液位の状態とした塗膜耐食性評価装置を示す縦断面図である。 同実施形態を示すもので、高温側温度調節槽と低温側温度調節槽を示す縦断面図である。 試験片aを示す説明図である。 試験片bを示す説明図である。 試験片cを示す説明図である。 試験片dを示す説明図である。
符号の説明
A…塗膜耐食性評価装置
B…試験液
1…試験片
2…仕切り板
3…高温側槽
4…低温側槽
5…開口部
6…矩形押さえ枠
7…固着具
8…注水口
9…高水位排水口
10…低水位排水口
11…気相部
12…高温側温度調節槽
13…低温側温度調節槽
14…ヒータ
15…冷却器
16…ポンプ
17…カット疵

Claims (1)

  1. 開口部が形成された仕切り板と、その仕切り板の両側に設けられた槽より構成され、前記仕切り板の開口部を閉鎖するようにして、表面に塗膜が形成されたバラストタンク用金属材料で成る試験片が、その試験片の両表面が前記両側の槽に夫々臨むようにして保持されると共に、前記両側の槽には夫々、槽内に注入される試験液の液位調節機能と、その試験液並びに槽内の気相部の温度調節機能が設けられている塗膜耐食性評価装置を用いて、前記試験片の塗膜の耐食性を評価するバラストタンク用金属材料の塗膜耐食性評価方法であって、
    前記両側の槽に注入される試験液の温度差を10℃〜80℃、且つ、高温側の試験液の温度を30℃〜80℃、低温側の試験液の温度を少なくともその試験液の凝固点を超える温度として、前記試験片の両表面が夫々臨む両側の槽内に注入される試験液或いは気相部に温度差を設けた状態で、試験片の塗膜の耐食性評価面を少なくとも高温側の槽に臨ませると共に、
    前記両側の槽に注入される試験液の液位を、高液位とする期間と低液位とする期間を設け、前記試験片が試験液に浸漬される部位を、高液位期間ではその下部のみ、低液位期間では全面を未浸漬とし、高液位期間と低液位期間を順次交互に繰り返し、且つ、高液位期間の方が低液位期間より長期間とすることで、塗膜の耐食性を評価することを特徴とするバラストタンク用金属材料の塗膜耐食性評価方法。
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