JP5060605B2 - 無線通信装置 - Google Patents
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Description
なお、本実施形態では、シングルキャリア伝送を想定して記述するが、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing、直交周波数分割多重伝送)に代表されるマルチキャリア伝送や、さらにこのOFDMを用いてユーザ端末を周波数方向及び時間方向に多重するシステムについても同様に適用されてもよい。また、上下リンクの多重方法についても特に限定されず、TDD(Time Division Duplex)またはFDD(Frequency Division Duplex)に適用することができる。
本実施形態に係る無線通信装置100は、複数の張り出し基地局150と、中央制御ユニット101とを含む。張り出し基地局150は、1以上のアンテナ151と、アナログ部152とを含む。中央制御ユニット101は、物理層信号処理部102と、スケジューリング部103と、ネットワークインターフェース部104とを含む。図1の例では、張り出し基地局150−1から張り出し基地局150−N(Nは2以上の自然数)までN個の張り出し基地局150が中央制御ユニット101に接続される。
信号送信時のアナログ部152は、後述の物理層信号処理部102からデジタル信号を受け取り、デジタル信号をアナログ信号に変換して、アナログ信号をアンテナ151を介して外部へ送信する。送信時のアナログ部152のデジタル−アナログ処理は、デジタルアナログ(D/A)変換器や局部発振回路、周波数変換器、帯域通過フィルタ、電力増幅器を含む一般的な構成を用いて一般的な処理を行うため、ここでの詳細な説明は省略する。
信号受信時のアナログ部152は、アナログ信号をアンテナ151を介して受け取り、アナログ信号をデジタル信号に変換して、デジタル信号を物理層信号処理部102へ送る。受信時のアナログ部152のアナログ−デジタル処理は、帯域通過フィルタ、電力増幅器、局部発振回路、周波数変換器、アナログデジタル(A/D)変換器を含む一般的な構成を用いて一般的な処理を行うため、ここでの詳細な説明は省略する。
下りリンクの受信電力測定結果を表す情報としては、例えばXGP(eXtended Global Platform)システムにおいては、下りリンクの受信電力が規定の閾値を超えているかどうかを示す情報であり、IEEE802.16mでは、CINR(Carrier to Interference plus Noise Ratio:搬送波電力対干渉雑音電力比)を示す情報である。また、3GPP LTEでは、ユーザ端末から要求されるMCS(Modulation and Coding Scheme)インデックスなどの情報である。これらの情報により、セル間干渉の程度を推測することができる。なお、その他の無線通信システムにおいてもデータ伝送が行われるチャネルのセル間干渉電力の程度を推測することができる情報であればよく、それがいかなる形態で通知されてもよい。
ネットワークインターフェース部104は、ユーザ端末ごとに送信するデータに関して全ての制御を行う。例えば、ネットワークインターフェース部104は、ユーザ端末ごとのデータを生成したり、データトラフィック量を監視する。
物理層信号処理部102は、デジタル信号受信処理部201と、データ検出部202と、伝搬路情報取得部203と、データ生成部204と、デジタル信号送信処理部205とを含む。
各セルのスケジューリングは、上りリンクのキャリアセンス結果に基づいて、あるチャネルの上りリンクのキャリアセンス結果による干渉電力値が規定の閾値以上であれば、このチャネルに対してユーザ端末を割り当てず、干渉電力値が規定の閾値未満である場合は、ユーザ端末を割り当てて通信を行う。
図5に示すように、セルグループごとに、同一のセルグループ内において任意のスケジューリングタイミングから次のスケジューリングタイミングまでの既定の時間間隔521(以下、スケジューリング間隔ともいう)でスケジューリングが周期的に実施される。また、第1から第Kまでのセルグループの順にスケジューリングが繰り返し実施される。Δt_1の時間差522−1を、第Kのセルグループのスケジューリングタイミング501−Kから第1のセルグループのスケジューリングタイミング501−1までの時間とすると、スケジューリング間隔521は、以下の式(4)を満たす必要がある。
セルのグルーピングは、セル間の干渉の影響が閾値以上であれば、異なるグループに属させる。このとき、セル間の干渉の度合いが大きいほど、それらのセルが優先的に異なるセルグループに属するように分けることが望ましい。セル間の干渉の判定方法は、具体的に、実地で測定した結果を用いてセル間の干渉度合いを判定してもよく、セル内に属するユーザ数が多いほど干渉の影響が多いと判定してもよい。また、張り出し基地局150同士の距離が近いほど干渉の影響が大きいと判定してもよい。さらに、ユーザ端末のハンドオーバ履歴を参照することにより、ハンドオーバの回数が多いほどセル間で重なるエリアが多いため、干渉の影響が大きいと判定してもよい。このような判定方法により、干渉の影響が大きいそれぞれのセルを異なるグループに属させる。
次に、本実施形態に係るチャネルの割り当て状況について図7を参照して説明する。ここでは、全セルグループは同一のスケジューリング間隔731でスケジューリングを実施するが、各セルグループのスケジューリングタイミングが異なるように設定する。
図7に示すように、初めに時刻701AにおいてセルAに属するユーザ端末aのデータ通信711が行われた場合を想定する。このデータ通信711の期間中に、ユーザ端末b1及びcが通信要求を行ったと想定する。このとき、セルB及びセルCでは、時刻701A−701Bの期間内及び時刻701B−701Cの期間内でそれぞれ実施される、上りリンクのキャリアセンスにおいてユーザ端末aの干渉電力が閾値以上で検出される(キャリアセンス結果721及び722)。よって、セルグループB及びCのそれぞれのスケジューリングタイミング701B及び701Cではチャネルを割り当てることができない。
ここで、時刻702A−702Bの期間は、いずれのユーザ端末にもチャネルが割り当てられていない空き期間である。従来の手法では、例えば全セルのスケジューリングタイミングが同時である場合、空き期間がスケジューリング間隔Tとなるが、本実施形態では、空き期間がスケジューリング周期Tより短い期間とすることができる。本実施形態におけるスケジューリングでは、式(5)から式(7)までの条件を満たす最大のセルグループ数Kに設定することにより空き期間が必要最小限とすることができる。
また、時刻703C−704Aの期間内においてユーザ端末b2から、及び時刻704A−704Bの期間内においてユーザ端末cからそれぞれ通信要求が発生したとする。このとき、セルB及びセルCでは、時刻704A−704Bの期間内及び時刻704B−704Cの期間内のそれぞれで実施される上りリンクのキャリアセンスにおいて、ユーザ端末aがデータ通信714を行っていることによる干渉電力が閾値以上で検出される(キャリアセンス結果725及び726)。よって、それぞれのスケジューリングタイミング704B及び704Cでチャネルを割り当てることができない。
なお、従来の手法のように、全セルのスケジューリングタイミングが同時で、全てセルグループAと同一であった場合、ユーザ端末aの通信終了時刻705A後の最初のスケジューリングタイミング706Aで、ユーザ端末b2とユーザ端末cとが同時に選択されることとなる。この場合、ユーザ端末b2と基地局Cとは、互いに干渉を検出する位置関係にあるため、通信品質が劣化してしまう。一方、本実施形態に係るスケジューリング方法では、隣接セルの関係にあるセルB及びセルCのスケジューリングタイミングにオフセットを設けているため、セル間干渉を及ぼし合うユーザ端末同士が同時に選択されることなく、各ユーザ端末の通信は高い通信品質を維持することができる。
また、通信すべきデータがスケジューリング間隔に満たない場合に、他のセルグループがスケジューリングタイミングに基づいて通信を行ってもよい。例えば、図7では、時刻701Aから701Bまでの期間内でセルグループAの通信が終了した場合を想定する。この場合、時刻701Bから701Cまでの期間内でのセルグループCにおけるキャリアセンス結果により、どのセルグループも通信を行っていないことがわかるので、セルグループCがスケジューリングタイミング701Cにおいてチャネルの割り当てを行ってもよい。
セル半径200mの正六角形セルを平面上に27個のセルを配置し、各セルに8個のユーザ端末を一様分布に配置したモデルを想定する。チャネルモデルはITU−R Pedestrian A(3km/h)とし、スケジューリングにおけるユーザ選択はProportional Fairness規範で行う。張り出し基地局のアンテナ数は4、ユーザ端末のアンテナ数は1とし、AAAにおいてMMSE(Minimum Mean Square Error)規範のヌルステアリングを行う。基地局及びユーザ端末の送信電力は、それぞれ43dBm及び23dBmとする。
図8に示すように、下りリンクのユーザSINRをCDF(Cumulative Distribution Function:累積分布関数)で示す。グラフ801は従来手法であり、グラフ802は本実施形態に係るスケジューリング手法である。グラフ801とグラフ802とを比較すると、グラフ802がグラフ801よりもユーザSINRが約1.5dB向上する。なお、セル全体のスループットは11.4%向上する。
Claims (10)
- 1以上のアンテナを含む複数の張り出し基地局から伝搬路の干渉の状態を示す干渉電力値を取得する伝搬路情報取得部と、
前記干渉電力値に応じて、前記複数の張り出し基地局がそれぞれ形成するセルを複数のグループに分け、前記グループのうち、第1グループに属するセル内で通信が可能な第1期間のスケジューリングを行う第1タイミングと、該第1タイミングよりも後であって第2グループに属するセル内で通信が可能な第2期間のスケジューリングを行う第2タイミングとを決定するスケジューリング部とを備え、
前記第1タイミングと前記第2タイミングとの時間差は、該第2グループに属するセルを形成する張り出し基地局が干渉電力値を取得する期間を含む第3期間以上であることを特徴とする無線通信装置。 - 前記スケジューリング部は、第1セルと第2セルとの間の干渉電力値が閾値以上である場合、前記第1セルと前記第2セルとを異なるグループに属させることを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
- 前記スケジューリング部は、第1張り出し基地局と第2張り出し基地局との間の距離が閾値以下である場合に、前記第1張り出し基地局に属する第1セルと第2張り出し基地局に属する第1セルとを異なるグループに属させることを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
- 前記スケジューリング部は、第1セルから第2セルあるいは前記第2セルから前記第1セルへのユーザのハンドオーバの回数が閾値以上である場合に、前記第1セルと前記第2セルとを異なるグループに属させることを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
- 前記第1グループのスケジューリング間隔と前記第2グループのスケジューリング間隔とは等しく、
前記スケジューリング部は、グループの数を、前記第3期間を定数倍した時間が前記スケジューリング間隔以下となるときの該定数の値以下に設定することを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。 - 前記第3期間は、ユーザから張り出し基地局へのリンクを示す上りリンクの該張り出し基地局で受信電力を測定するキャリアセンス期間、チャネルを割り当てるユーザを選択するユーザ選択期間、及びユーザを選択した結果を前記チャネルが割り当てられたユーザへ通知する通知期間を含むことを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
- 前記第3期間は、張り出し基地局からユーザへのリンクを示す下りリンクの受信電力の測定期間、該受信電力の測定値を前記ユーザから前記張り出し基地局へフィードバックするフィードバック期間、チャネルを割り当てるユーザを選択するユーザ選択期間、及びユーザを選択した結果を前記チャネルが割り当てられたユーザへ通知する通知期間を含むことを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
- ユーザから張り出し基地局へのリンクを示す上りリンクの該張り出し基地局で受信電力を測定するキャリアセンス期間が、前記張り出し基地局からユーザへのリンクを示す下りリンクの受信電力の測定期間と、該受信電力の測定値を前記ユーザから前記張り出し基地局へフィードバックするフィードバック期間との和よりも長い場合は、前記第3期間は、前記測定期間及び前記フィードバック期間の和を含み、
前記キャリアセンス期間が前記測定期間と前記フィードバック期間との和以下である場合は、前記第3期間は、前記キャリアセンス期間を含むことを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。 - 前記スケジューリング部は、前記第1グループに属するセル内で通信が可能なユーザに受信電力の測定結果を張り出し基地局へ送信するように要求する要求信号を、前記第1タイミングよりも、前記第3期間とユーザが前記要求信号を受信処理するのに必要な時間とをあわせた期間以上前に送信することを特徴とする請求項7及び8に記載の無線通信装置。
- 1以上のアンテナを含む複数の張り出し基地局と、
前記複数の張り出し基地局における通信を制御する制御部と、を具備する無線通信装置であって、
前記制御部は、
複数の張り出し基地局から伝搬路の干渉の状態を示す干渉電力値を取得する伝搬路情報取得部と、
前記干渉電力値に応じて、前記複数の張り出し基地局がそれぞれ形成するセルを複数のグループに分け、前記グループのうち、第1グループに属するセル内で通信が可能な第1期間のスケジューリングを行う第1タイミングと、該第1タイミングよりも後であって第2グループに属するセル内で通信が可能な第2期間のスケジューリングを行う第2タイミングとを決定するスケジューリング部とを備え、
前記第1タイミングと前記第2タイミングとの時間差は、該第2グループに属するセルを形成する張り出し基地局が前記干渉電力値を取得する期間を含む第3期間以上であることを特徴とする無線通信装置。
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