JP5057815B2 - ハニカム成形体用端面処理装置、ハニカム成形体の封止方法、及び、ハニカム構造体の製造方法 - Google Patents

ハニカム成形体用端面処理装置、ハニカム成形体の封止方法、及び、ハニカム構造体の製造方法 Download PDF

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本発明は、ハニカム成形体用端面処理装置、ハニカム成形体の封止方法、及び、ハニカム構造体の製造方法に関する。
バス、トラック等の車両や建設機械等の内燃機関から排出される排ガス中に含有されるスス等のパティキュレートが環境や人体に害を及ぼすことが最近問題となっている。
そこで、排ガス中のパティキュレートを捕集して、排ガスを浄化するフィルタとして多孔質セラミックからなるハニカム構造体を用いたハニカムフィルタが種々提案されている。
従来、ハニカム構造体を製造する際には、例えば、まず、セラミック粉末とバインダと分散媒液等とを混合して湿潤混合物を調製する。そして、この湿潤混合物をダイスにより連続的に押出成形し、押し出された成形体を所定の長さに切断することにより、柱形状のハニカム成形体を作製する。
次に、得られたハニカム成形体を乾燥させ、その後、所定のセルに封止材ペーストを充填して目封じを施し、セルのいずれかの端部が封止された状態とした後、脱脂処理及び焼成処理を施し、ハニカム焼成体を製造する。
この後、ハニカム焼成体の側面にシール材ペーストを塗布し、ハニカム焼成体同士を接着させることにより、シール材層(接着剤層)を介してハニカム焼成体が多数結束した状態のハニカム焼成体の集合体を作製する。次に、得られたハニカム焼成体の集合体に、切削機等を用いて円柱、楕円柱等の所定の形状に切削加工を施してセラミックブロックを形成し、最後に、セラミックブロックの外周にシール材ペーストを塗布してシール材層(コート層)を形成することによりハニカム構造体の製造を終了する。
なお、本明細書において、ハニカム成形体、ハニカム焼成体及びハニカム構造体のいずれの形態においても、それぞれの外形状をなす面のうち、セルが露出している面を端面といい、端面以外の面を側面という。
ここで、ハニカム焼成体のセルを目封じした後の端面には、外観や物性の均一性の観点から平坦であることが要求されていた。
このような封止材により目封じされたセルの目封じ部分の形状を整えるために、例えば、ハニカム構造体の端面を貯留容器内のスラリーに浸漬し、スラリーを圧入してセルを目封じする工程を含むハニカム構造体の製造方法において、貯留容器からハニカム構造体を離脱する際に、端面に付着しているスラリーを除去したり、端面を乾燥したりする方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−290766号公報
ここで、本来目封じされるべきセルが確実に目封じされない場合は、ハニカム構造体はフィルタとしての機能を果たすことができなくなるため、セルを目封じする際には、所定のセルを確実に目封じすることができるよう充分量の封止材ペーストをセルに充填する。しかしながら、確実にセルを目封じすることができる充分量の封止材ペーストを充填しようとすると、封止材ペーストがセルから突出したり、突出した封止材ペーストがセル壁の端部に付着したりする場合があった。
特許文献1には、セルの目封じした部分において、目封じ用のスラリーがセルの内部の方に凹んだり(いわゆる引け)、収縮したりするのを防止することができると記載されている。しかし、特許文献1のハニカム構造体の製造方法は、形状の調整の対象として、貯留容器からハニカム構造体を離脱する際に生じるスラリーの引けのみを対象としており、そのような引けの防止には有効であるものの、スラリーがセルの外側に突出した状態には対処することができなかった。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行い、セルが封止されたハニカム成形体の端面と平行に対向するように配設された平板を、この平行に配設された状態を維持しつつ上記端面に押し当てることで、ハニカム成形体の端面を有効かつ効率的に平坦化することができるとともに、封止材ペーストの脱脂、焼成後にもハニカム成形体の端面の平坦度を維持することができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明のハニカム成形体用端面処理装置は、多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設され、上記セルのいずれか一方の端部が封止材ペーストにより封止されたセル封止ハニカム成形体の端面を平坦化するハニカム成形体用端面処理装置であって、
上記セル封止ハニカム成形体の端面と平行に対向するように配設された平板と、
上記端面と平行に対向した状態を維持しながら上記平板を移動させる第一の平板移動機構とを備え、
上記第一の平板移動機構により上記平板を移動させて、上記セル封止ハニカム成形体の端面に押し当てるように構成されたことを特徴とする。
本発明のハニカム成形体用端面処理装置は、上記セル封止ハニカム成形体の端面に押し当てた状態の上記平板を同一平面内で移動させる第二の平板移動機構を備えていることが望ましく、また、上記平板の上記セル封止ハニカム成形体に押し当てられる面に付着した付着物を除去する付着物除去機構を備えていることが望ましい。
また、上記平板の上記セル封止ハニカム成形体に押し当てられる面の表面粗さRaが、0.04〜4.0μmであることが望ましい。なお、表面粗さRa はJIS B 0601で定義される算術平均粗さである。
また、上記平板を上記セル封止ハニカム成形体に押し当てる際の加重が、9.8〜49N(1〜5kgf)であることが望ましい。
また、本発明のハニカム成形体用端面処理装置は、上記平板が2枚配設され、
上記第一の平板移動機構により、上記平板のそれぞれを移動させて、上記セル封止ハニカム成形体の両端面のそれぞれに上記平板を押し当てるように構成されていることが望ましい。
本発明のハニカム成形体の封止方法は、多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設されたハニカム成形体の上記セルのいずれか一方の端部に封止材ペーストを充填することによりセル封止ハニカム成形体とした後、上記セル封止ハニカム成形体の端面をハニカム成形体用端面処理装置により平坦化するハニカム成形体の封止方法であって、
上記ハニカム成形体用端面処理装置は、上記セル封止ハニカム成形体の端面と平行に対向するように配設された平板と、上記端面と平行に対向した状態を維持しながら上記平板を移動させる第一の平板移動機構とを備えており、
上記第一の平板移動機構により上記平板を移動させて、上記セル封止ハニカム成形体の端面に押し当てるように構成されていることを特徴とする。
本発明のハニカム成形体の封止方法において、上記ハニカム成形体用端面処理装置は、上記セル封止ハニカム成形体の端面に押し当てた状態の上記平板を、同一平面内で移動させる第二の平板移動機構を備えていることが望ましく、また、上記ハニカム成形体用端面処理装置は、上記平板の上記セル封止ハニカム成形体に押し当てられる面に付着した付着物を除去する付着物除去機構を備えていることが望ましい。
本発明のハニカム成形体の封止方法において、上記ハニカム成形体用端面処理装置に備えられている上記平板の上記セル封止ハニカム成形体に押し当てられる面の表面粗さRaは、0.04〜4.0μmであることが望ましい。
本発明のハニカム成形体の封止方法において、上記ハニカム成形体用端面処理装置は、上記平板を上記セル封止ハニカム成形体に押し当てる際の加重が、9.8〜49N(1〜5kgf)であることが望ましい。
本発明のハニカム成形体の封止方法において、平坦化された上記セル封止ハニカム成形体の端面における上記セル壁の端部を含んでなる平面と、上記平面に対して封止材ペーストの最も突出した部分又は最も凹んだ部分との間の最短距離は、1mm以下であることが望ましい。
本発明のハニカム成形体の封止方法において、上記ハニカム成形体用端面処理装置は、上記平板が2枚配設されており、
上記第一の平板移動機構により、上記平板のそれぞれを移動させて、上記セル封止ハニカム成形体の両端面のそれぞれに上記平板を押し当てるように構成されていることが望ましい。
本発明のハニカム構造体の製造方法は、セラミック原料を押出成形することで、多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設された柱状のハニカム成形体を作製した後、上記ハニカム成形体のセルのいずれか一方の端部を封止材ペーストにより封止することによりセル封止ハニカム成形体を作製し、さらに、このセル封止ハニカム成形体の端面をハニカム成形体用端面処理装置により平坦化し、その後、上記セル封止ハニカム成形体を焼成したセル封止ハニカム焼成体からなるハニカム構造体を製造するハニカム構造体の製造方法であって、
上記ハニカム成形体用端面処理装置は、上記セル封止ハニカム成形体の端面と平行に対向するように配設された平板と、上記端面と平行に対向した状態を維持しながら上記平板を移動させる第一の平板移動機構とを備えており、
上記第一の平板移動機構により上記平板を移動させて、上記セル封止ハニカム成形体の端面に押し当てるように構成されていることを特徴とする。
本発明のハニカム構造体の製造方法では、上記ハニカム成形体用端面処理装置は、上記セル封止ハニカム成形体の端面に押し当てた状態の上記平板を、同一平面内で移動させる第二の平板移動機構を備えていることが望ましく、また、上記ハニカム成形体用端面処理装置は、上記平板の上記セル封止ハニカム成形体に押し当てられる面に付着した付着物を除去する付着物除去機構を備えていることが望ましい。
本発明のハニカム構造体の製造方法では、上記ハニカム成形体用端面処理装置において、上記平板の上記セル封止ハニカム成形体に押し当てられる面の表面粗さRaが、0.04〜4.0μmであることが望ましい。
本発明のハニカム構造体の製造方法では、上記ハニカム成形体用端面処理装置において、上記平板を上記セル封止ハニカム成形体に押し当てる際の加重が、9.8〜49N(1〜5kgf)であることが望ましい。
本発明のハニカム構造体の製造方法では、平坦化された上記セル封止ハニカム成形体の端面において、上記セル壁の端部を含んでなる平面と、上記平面に対して封止材ペーストの最も突出した部分又は最も凹んだ部分との間の最短距離が、1mm以下であることが望ましい。
本発明のハニカム構造体の製造方法では、上記セル封止ハニカム焼成体の端面において、上記セル壁の端部を含んでなる平面と、上記平面に対して封止材ペーストの最も突出した部分又は最も凹んだ部分との間の最短距離が、1mm以下であることが望ましい。
本発明のハニカム構造体の製造方法では、上記ハニカム成形体用端面処理装置は、上記平板が2枚配設されており、
上記第一の平板移動機構により、上記平板のそれぞれを移動させて、上記セル封止ハニカム成形体の両端面のそれぞれに上記平板を押し当てるように構成されていることが望ましい。
本発明のハニカム成形体用端面処理装置によると、セル封止後のセル封止ハニカム成形体の端面に対して、この端面と平行に対向するように配設された平板を押し当てるので、セルを封止する封止材ペースト及びセル壁の両方を含む端面全体を有効かつ効率的に平坦化することができる。
また、封止材ペーストによりセルを封止し、乾燥処理を施した後に上記平板により端面の平坦化を行うので、封止材ペーストの乾燥後に封止材ペーストが突出していたとしても、その封止材ペーストの突出を修正して端面を有効に平坦化することができる。
ハニカム成形体用端面処理装置が付着物除去機構を備えていると、上記平板のハニカム成形体の端面への押し当ての際に平板に付着した付着物を押し当て動作ごとに平板から除去するので、次の押し当て動作の際に、その付着物がハニカム成形体の端面に付着して平坦化を阻害することがなく、効率的に平坦化処理を行うことができる。
所定の表面粗さを有する平板を使用することによって、又は、所定の加重で上記平板を端面に押し当てることによってハニカム成形体の端面の平坦化をより効率的に行うことができる。また、所定の表面粗さを有する平板を所定の加重で押し当てることによってハニカム成形体の端面の平坦化をさらに効率的に行うことができる。
本発明のハニカム成形体用端面処理装置が、上記平板を2枚備えており、セル封止ハニカム成形体の両端面のそれぞれに上記平板を押し当てるように構成されていると、一回の平板の押し当て動作で両端面を平坦化することができ、平坦化処理をさらに効率的に行うことができる。
本発明のハニカム成形体の封止方法では、本発明のハニカム成形体用端面処理装置を用いて端面を平坦化するので、セル封止ハニカム成形体の端面を高い精度でかつ効率的に平坦化することができる。
本発明のハニカム構造体の製造方法によれば、封止材ペーストによりセルを封止したセル封止ハニカム成形体の端面を平坦化するので、その後の焼成処理を経て得られるハニカム構造体の端面においても平坦度を有効に維持することができ、また、端面の形状やその形状に応じて変化する物性等の変化を効率的に抑制することができる。
本発明のハニカム構造体の製造方法により、セル封止ハニカム焼成体の端面における封止材の凹凸について、封止材の端部が所定の領域に存在すると、ハニカム構造体の端面においても有効に平坦の度合いを維持することができるので、所定の外観を得ることができる。また、ハニカム構造体を排ガス浄化用フィルタに使用するためにケーシングに設置する際に、端面とケーシングとが接触して端面に欠け等が発生することを有効に防止することができる。
まず、本発明のハニカム成形体用端面処理装置について図面を参照しながら説明する。
本発明のハニカム成形体用端面処理装置は、多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設され、上記セルのいずれか一方の端部が封止材ペーストにより封止されたセル封止ハニカム成形体の端面を平坦化するハニカム成形体用端面処理装置であって、
上記セル封止ハニカム成形体の端面と平行に対向するように配設された平板と、
上記端面と平行に対向した状態を維持しながら上記平板を移動させる第一の平板移動機構とを備え、
上記第一の平板移動機構により上記平板を移動させて、上記セル封止ハニカム成形体の端面に押し当てるように構成されたことを特徴とする。
本発明のハニカム成形体用端面処理装置による端面処理の対象としては、図5(a)及び(b)に示したようなハニカム焼成体と同じ形状を有するハニカム成形体において、セルのいずれか一方の端部が封止材ペーストにより封止されたセル封止ハニカム成形体を好適に用いることができる。
なお、セル封止ハニカム成形体であれば、乾燥処理を経ているか否かを問わないが、端面処理を有効に施すために乾燥処理後のセル封止ハニカム成形体を対象とすることが望ましい。
図1−1は、本発明のハニカム成形体用端面処理装置の実施形態の一例を模式的に示す縦断面図であり、図1−2は、図1−1に示した本発明のハニカム成形体用端面処理装置の水平断面図である。
ハニカム成形体用端面処理装置10は、セル封止ハニカム成形体1の端面と平行に対向するように配設された平板20と、上記端面と平行に対向した状態を維持しながら平板20を移動させる第一の平板移動機構21とを備えており、さらに、セル封止ハニカム成形体1の端面と平板20とが当接した状態で平板20を同一平面内で移動させる第二の平板移動機構22を備えている(図1−2参照)。
また、ハニカム成形体用端面処理装置10は、セル封止ハニカム成形体1のハニカム成形体用端面処理装置10における搬入出を行うために、セル封止ハニカム成形体1をハニカム成形体用端面処理装置10内に搬送する搬入用コンベア11と、セル封止ハニカム成形体1を所定の位置まで移動させる搬送アーム12と、セル封止ハニカム成形体1をハニカム成形体用端面処理装置10の外に搬送する搬出用コンベア14とを備えている。
搬入用コンベア11と搬出用コンベア14との間のハニカム成形体用端面処理装置10の中央部には、端面処理の際にセル封止ハニカム成形体1を載置するための成形体載置台17と、成形体載置台17にセル封止ハニカム成形体1を載置した際に、セル封止ハニカム成形体1を両側から挟持し固定するための支持チャック13とが配設されている。
さらに、付着物除去機構15が、成形体載置台17と平板20との間の上方に位置し、平板20に付着したハニカム成形体1の構成物を除去するために昇降可能なように配設されている。この付着物除去機構15の上面には、除去した付着物を装置外に排出するためのダクト16が備え付けられている。
平板20は、図1−2に示すように、ハニカム成形体用端面処理装置10の手前側及び奥側に、対向する2個の平板20を一組として設けられている。すなわち、平板20は、セル封止ハニカム成形体1が通過する一連の搬送ラインの両側に設けられており、1個のセル封止ハニカム成形体1の両端面に一組の平板20を押し当て、両端面を一度に平坦化することができるようになっている。
また、平板20は、回転軸となる軸部材を有するステッピングモータを備えた第二の平板移動機構22と連結しており、平板20をセル封止ハニカム成形体1の端面に押し当てた状態で同一平面内で回転させることができるようになっている。この第二の平板移動機構22は、支持板23によって上記軸部材が水平となるように支持されており、この支持板23は、下部においてボールネジを備えた第一の平板移動機構21と連結されている。従って、平板20は、支持板23を介した第一の平板移動機構21の駆動により、セル封止ハニカム成形体1の両端面に向かって前進したり、後退したりすることができるようになっており、さらに、第二の平板移動機構22の駆動により、同一平面内で移動することができるようになっている。
付着物除去機構15は、平板20のセル封止ハニカム成形体1に押し当てられる面(以下、単に押し当て面ともいう)の上方に設けられている。平板20の押し当て面に付着したセラミックス粉末等の付着物を除去するために、付着物除去機構15は下降して、平板20の押し当て面と接触した後に付着物の除去処理を行い、上記付着物を除去するようになっている。また、ここで除去された付着物は、ダクト16を通じてハニカム成形体用端面処理装置10外に排出される。
このハニカム成形体用端面処理装置10による平坦化を行う場合には、まず、セル封止ハニカム成形体1を搬入用コンベア11に載置してハニカム成形体用端面処理装置10内に搬送した後、成形体載置台17の手前の中央部付近まで移動させる。
そして、図1−1において破線で示したセル封止ハニカム成形体1を搬送アーム12で把持し、持ち上げて成形体載置台17に載置する。この後、セル封止ハニカム成形体1の両端部付近の側面に対して両側から支持チャック13により挟み込み、セル封止ハニカム成形体1を端面処理のために成形体載置台17に固定する。
成形体載置台17への固定後、セル封止ハニカム成形体1の両端面に向かって、第一の平板移動機構21の駆動により、第二の平板移動機構22に連結された平板20を端面と平行に対向した状態を維持しながら移動させ、所定加重にて端面に押し当てる。平板20をセル封止ハニカム成形体1の端面に押し当てた状態で、第二の平板移動機構22により平板20を同一平面内で所定の角度回転させることで、セル封止ハニカム成形体1の端面をより平坦にする。
次に、平板20を後退させて端面から離脱させ、元の位置に戻す。この後、回転ブラシ等の付着物除去機構15が作動し、付着物除去機構15が平板20の高さまで下降して、付着物除去機構15と平板20の押し当て面とが接触する。これにより、平板20の押し当て面に付着した付着物が除去される。
端面の平坦化が完了したセル封止ハニカム成形体1は、再び搬送アーム12により持ち上げられ、搬出用コンベア14に載置されて、ハニカム成形体用端面処理装置10から搬出される。
図2(a)〜(d)は、セル封止ハニカム成形体の端部を平坦化処理する工程を示した模式図であり、封止されたセルを含むように長手方向に平行な平面でセル封止ハニカム成形体を切断した断面を示している。
ここで、この図面を使用して上記平坦化処理工程の概略を説明する。
図2(a)に示すように、平坦化処理前のセル封止ハニカム成形体の端面では、封止材ペースト51の封止先端部51aが、セル壁端部52aを含んでなる平面53に対して突出している。
そこで、図2(b)に示すように平板20を移動させて上記端面に押し当てると、突出していた封止材ペーストの封止先端部51aは平板20の平面に合わせて押し込まれる。この平板20の移動には上述した第一の平板移動機構21を用いることができる。
さらに、図2(c)に示すように平板20を上記端面に押し当てた状態で同一平面内で移動させることで、さらに平坦化の度合いを高めることができる。この移動には上述した第二の平板移動機構22を用いることができ、特に同一平面内での回転運動を行うことが望ましい。なお、図2(c)の矢印は平板の回転を示している。
そして、図2(d)に示すように、上記平坦化工程を経たセル封止ハニカム成形体の端面は、平坦化処理された封止材ペーストの封止先端部51bからなる平面が平面53の一部を形成することとなり、平坦化処理が完成する。
セル封止ハニカム成形体1は、搬入用コンベア又は搬出用コンベアの搬送方向に対して、長手方向が直交するように載置してもよく、平行なように載置してもよいが、載置スペースや、平板20の移動方向を考慮すると、セル封止ハニカム成形体1は、その長手方向が搬送方向に直交するように載置することが望ましい。
搬入用コンベア11及び搬出用コンベア14は、セル封止ハニカム成形体1を搬送することができれば特に限定されず、ベルトコンベア、チェーンコンベア等のコンベアを好適に使用することができる。
搬送アーム12は、セル封止ハニカム成形体1を傷つけることなく成形体載置台17上に載置することができれば、その機構は特に限定されず、上述のような把持機構の他、セル封止ハニカム成形体1の上面を吸引して持ち上げる吸引搬送機構であってもよいし、フォークリフトのようなリフト機構であってもよい。
図1−1及び図1−2には、搬送アーム12が1個のみ配設された例を示しているが、搬送アーム12の配設数は1個に限定されず、2個配設されていてもよい。搬送アーム12が2個配設されている場合には、搬送ラインの搬送方向に並列して配設されており、2個の搬送アーム12が同期してセル封止ハニカム成形体1を搬送するという構成を採用することができる。すなわち、一方の搬送アームが搬入用コンベア11と成形体載置台17との間を往復し、他方の搬送アームが成形体載置台17と搬出用コンベア14との間を往復するように運動する。この両者の運動により、搬入用コンベア11から成形体載置台17へとセル封止ハニカム成形体1を載置する搬送動作と、成形体載置台17から搬出用コンベア14へとセル封止ハニカム成形体1を搬送するという搬送動作とを一度に行うことができ、往復運動の無駄を省いて作業効率を向上させることができる。
支持チャック13は、セル封止ハニカム成形体1の側面を両側から把持可能なように成形体載置台17に取り付けられており、その配設数は特に限定されず、セル封止ハニカム成形体1の中央部の1箇所で把持するように一組配設されていてもよく、両端部付近の2箇所で把持するように二組配設されていてもよい。端面処理の際の振動等を有効に防止し、セル封止ハニカム成形体1を成形体載置台17に確実に固定するように、支持チャック13は、セル封止ハニカム成形体1の両端部付近の側面を両側から把持するように二組配設されていることが望ましい。
支持チャック13のセル封止ハニカム成形体1との接触面は、セル封止ハニカム成形体1の表面を傷つけないように、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、天然ゴム、合成ゴム等の弾性素材で覆われていることが望ましい。
また、支持チャック13がセル封止ハニカム成形体1を把持する際の圧力は、セル封止ハニカム成形体1に凹み等の変形が生じないような圧力であり、かつ、端面処理の際の振動等を有効に抑制することができるような圧力である。この把持圧力としては、特に限定されないが、例えば10〜50kPaであることが望ましい。
平板20の構成材料としては、耐磨耗性や耐久性のある材料であれば特に限定されず、例えば、炭化ケイ素、タングステンカーバイド等のセラミック、ステンレス(SUS)、スチール等の金属、ニッケル合金等の特殊金属等の材料が挙げられ、このような材料で構成される平板20の表面には樹脂、セラミック、金属の被覆層が、塗布及び硬化されていても良く、また、これらの被覆層がメッキ又は溶射等によって形成されているものであっても良い。また、平板の表面又は被覆層には研磨処理が施されていても良い。
また、平板20の内部にはヒーター等の加熱機構が備えられていても良い。平板20に加熱機構を設けた場合には、後で説明する封止材ペーストの乾燥工程において、上記加熱機構によって加熱した平板をセル封止ハニカム成形体の端部に押し当てることで封止材ペーストを乾燥させることができる。
また、平板20の押し当て面方向からみた形状は、セル封止ハニカム成形体1の端面より大きければ特に限定されず、例えば、正方形、長方形、円形等の任意の形状を採用することができる。
本発明のハニカム成形体用端面処理装置は、平板が2枚配設され、第一の平板移動機構により、上記平板のそれぞれを移動させて、上記セル封止ハニカム成形体の両端面のそれぞれに上記平板を押し当てるように構成されていることが望ましい。
ハニカム成形体用端面処理装置10において、一のセル封止ハニカム成形体1に対する平板20の配設数は、1枚でもよく、2枚でもよい。すなわち、平板20が1枚配設されている場合は、平板20を押し当てる端面と反対の端面を予め固定板等に当接させておき、その上で、もう一方の端面に対して平板20を押し当てる等して平坦化処理を行ってもよい。また、固定板等に当接させることなく支持チャック13による支持のみで成形体載置台17に固定されたセル封止ハニカム成形体1の端面に対して平坦化処理を行ってもよい。
このように、ハニカム成形体用端面処理装置10において、平板20が1枚配設されている場合であっても、セル封止ハニカム成形体1の端面を充分に平坦化することができるが、図1−2を参照して説明したように、一のセル封止ハニカム成形体1に対して平板20を2枚備えていると、両端面に対して平板を一度に押し当てて平坦化することができるので、端面処理に要する時間やコスト等を低減させることができるとともに、両端面における平坦化の度合いをより均等にすることができる。
上記平板のセル封止ハニカム成形体に押し当てられる面の表面粗さRaは、0.04〜4.0μmであることが望ましい。なお、本明細書中において表面粗さRa はJIS B 0601で定義される算術平均粗さのことである。
平板20の押し当て面の表面粗さRaは、要求される平坦の度合いに応じて設定すればよいが、表面粗さRaが上記範囲であると、表面粗さの調整に必要な研磨コスト等を抑えつつ、セル封止ハニカム成形体の端面を精度よく平坦化することができる。
上記平板をセル封止ハニカム成形体に押し当てる際の加重は、9.8〜49N(1〜5kgf)であることが望ましい。
平板20を端面に押し当てる加重が9.8N(1kgf)未満であると、セル封止ハニカム成形体1の端面を有効に平坦化することができず、一方、49N(5kgf)を超えると、端面の変形やセル封止ハニカム成形体1自体の変形を招くおそれがある。
本発明のハニカム成形体用端面処理装置は、図1−1及び図1−2に示したように、上記セル封止ハニカム成形体の端面に押し当てた状態の上記平板を、同一平面内で移動させる第二の平板移動機構を備えていることが望ましい。
ハニカム成形体用端面処理装置10では、第二の平板移動機構22によって平板20を同一平面内で移動させなくても、端面に平行に平板20を移動させて端面に押し当てるので、セル封止ハニカム成形体1の端面を充分に平坦化することができる。しかし、既に図1−2を参照して説明したように、ハニカム成形体用端面処理装置10が第二の平板移動機構22を備えていると、端面に押し当てた状態で平板20を同一平面内で移動させることができるので、セル封止ハニカム成形体1の端面をより有効に平坦化することができる。ハニカム成形体用端面処理装置10に対して、第二の平板移動機構を備え付けるか否かについては、要求される端面の平坦の度合いに応じて設定すればよい。
平板20の上記同一平面内での移動は、平板20に連結されている軸部材を中心とした回転運動に限定されず、端面に対して上下左右斜め方向への平行移動でもよく、回転運動と平行移動とを組み合わせた移動であってもよい。ただ、移動スペースや移動効率を考慮すると、平板20の上記同一平面内での移動としては、回転運動であることが望ましい。
なお、本明細書において、「同一平板内」とは、移動中の平板の主面が形成する面と移動前の平板の主面が同一であることをいう。
平板20の上記同一面内での移動が回転運動であるとき、その回転角度は、10°〜150°であることが望ましく、さらには、10°〜90°であることがより望ましい。
回転角度が10°未満であると、平坦化した封止材が平板に付着し、付着した封止材により平坦化ができなかったり、付着した封止材がはがれやすくなり、その影響で端面が変形するおそれがある。
一方、回転角度が大きくなると、平板と端面との間のずり応力が大きくなって端面が変形したり、欠けが発生するおそれがあるため、回転角度は150°以下であることが望ましく、回転角度を90°以下とすると端面の欠けが発生することなく充分に平坦化を行うことができてより望ましい。
そのため、上記回転角度が10°〜90°であれば確実に端面の平坦化を行うことができる。
ハニカム成形体用端面処理装置10は、平板20のセル封止ハニカム成形体1に押し当てられる面に付着した付着物を除去する付着物除去機構15を備えていることが望ましい。
上述のように、付着物除去機構15を備えることにより、端面処理の際に付着した付着物を除去することができるので、セル封止ハニカム成形体1の端面において、より高い平坦の度合いが必要である場合には付着物除去機構15は有効な手段となる。
付着物除去機構15は、その構成としては特に限定されず、例えば、上述したような回転ブラシや、スポンジ、バフ、砥石、エア吹き付け、クロス、ワイパー等の平板20の押し当て面のいわゆる清掃を行うことができる構成を有している。この付着物除去機構15により除去された付着物は、ダクト16を通じてハニカム成形体用端面処理装置10外に排出される。
本発明のハニカム成形体用端面処理装置は、複数のセル封止ハニカム成形体の一方の端面又は両端面を一度に平坦化するように構成されていることが望ましい。
ハニカム成形体用端面処理装置10は、一のセル封止ハニカム成形体1の一方の端面に対して、平板20、第一の平板移動機構21、及び、必要に応じて配設される第二の平板移動機構22を1つの端面処理ユニットとして使用して端面処理を施し、他方の端面について同様の端面処理ユニットを配設することにより、両端面を一度に平坦化することができる。すなわち、一組の端面処理ユニットにより一のセル封止ハニカム成形体1の両端面を一度に平坦化することができる。
ハニカム成形体用端面処理装置10は、図1−2に示すようにこの端面処理ユニットを一組備えていてもよく、また、複数組備えていても良い。複数組の端面処理ユニットを備えている場合には、複数のセル封止ハニカム成形体1の両端面を一度に平坦化することができ、平坦化処理に要する時間やコストを抑制することができるとともに、複数のセル封止ハニカム成形体1について、平坦化処理の条件が可及的に同一となり、端面処理後のセル封止ハニカム成形体1の端面の物性の均一性を向上させることができる。
なお、ハニカム成形体用端面処理装置10は、セル封止ハニカム焼成体の端面に押し当てられる平板部分が複数個設置された端面処理ユニットを有し、一組の端面処理ユニットで複数のセル封止ハニカム成形体1を同時に平坦化処理することができる機構を備えたものであってもよい。
ハニカム成形体用端面処理装置10において、上記端面処理ユニットの配設数は特に限定されないが、特に、上記端面処理ユニットを2〜4組備えていることが望ましい。上記端面処理ユニットの配設数が上記配設数(2〜4組)であると、端面処理の作業効率を向上させることができ、また、装置のランニングコストや設置スペースの増大を抑えることができる。
次に、本発明のハニカム成形体の封止方法について説明する。
本発明のハニカム成形体の封止方法は、多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設されたハニカム成形体の上記セルのいずれか一方の端部に封止材ペーストを充填することによりセル封止ハニカム成形体とした後、上記セル封止ハニカム成形体の端面をハニカム成形体用端面処理装置により平坦化するハニカム成形体の封止方法であって、
上記ハニカム成形体用端面処理装置は、上記セル封止ハニカム成形体の端面と平行に対向するように配設された平板と、上記端面と平行に対向した状態を維持しながら上記平板を移動させる第一の平板移動機構とを備えており、
上記第一の平板移動機構により上記平板を移動させて、上記セル封止ハニカム成形体の端面に押し当てるように構成されていることを特徴とする。
本発明のハニカム成形体の封止方法において用いられるハニカム成形体用端面処理装置は、既に説明した本発明のハニカム成形体用端面処理装置を好適に使用することができるので、その詳細な構成はここでは省略し、平坦化処理の条件や手順等について詳述する。
また、本発明のハニカム成形体の封止方法の対象となるハニカム成形体としては、本発明のハニカム成形体用端面処理装置による端面処理の対象であるハニカム成形体を好適に採用することができる。このハニカム成形体のセルを封止材ペーストにより封止する工程については、本発明のハニカム構造体の製造方法において説明し、ここでは所定のセルに封止材ペーストが充填された後のセル封止ハニカム成形体を本封止方法の対象として説明する。
上記ハニカム成形体用端面処理装置においては、上記平板を上記セル封止ハニカム成形体に押し当てる際の加重が、9.8〜49N(1〜5kgf)であることが望ましい。
本発明のハニカム成形体用端面処理装置の説明で記載したように、上記加重の範囲であると、端面を変形させることなく確実に平坦化することができる。
端面処理の際に平板20を端面に押し当てる時間は、押し当てる際の加重や、セル封止ハニカム成形体1の形状等に応じて適宜変更すればよく、例えば、平板20を29.4N(3kgf)の加重で端面に押し当てる場合には、押し当てる時間は、0.5〜5secであることが望ましく、作業性の観点から押し当てる時間は短い方が望ましい。
押し当てる時間が0.5sec未満であると、平坦化処理を充分に施すことができず、一方、5secを超えても平坦化の度合いにはあまり変化がなく、また、端面に負荷される応力が累積的に大きくなって、端面が変形するおそれも生じる。
上記ハニカム成形体用端面処理装置は、上記セル封止ハニカム成形体の端面に押し当てた状態の上記平板を、同一平面内で移動させる第二の平板移動機構を備えていることが望ましい。
第一の平板移動機構により平板を移動させてセル封止ハニカム成形体の端面に押し当てるだけで、上記端面は充分に平坦化されるが、さらに所望の平坦化の度合いにより、第二の平板移動機構が配設されていると、押し当てた状態からの同一平面内での移動により、さらに平坦化の度合いを高めることができる。
平板が端面に押し当てられた状態からの第二の平板移動機構による同一平面内での平板の移動は、例えば、回転運動や、平行移動、又は、これらの運動の組み合わせ等が挙げられる。このうち、作業効率や装置構成の複雑さを考慮すると、第二の平板移動機構による平板の同一平面内での移動は、回転運動が望ましい。
第二の平板移動機構による平板の同一平面内での移動が回転運動である場合、その回転角度は、10°〜150°であることが望ましく、さらには、10°〜90°であることがより望ましい。
回転角度が10°未満であると、平坦化した封止材が平板に付着し、付着した封止材により平坦化ができなかったり、付着した封止材がはがれやすくなり、その影響で端面が変形するおそれがある。
一方、回転角度が大きくなると、平板と端面との間のずり応力が大きくなって端面が変形したり、欠けが発生するおそれがあるため、回転角度は150°以下であることが望ましく、回転角度を90°以下とすると端面の欠けが発生することなく充分に平坦化を行うことができてより望ましい。
そのため、上記回転角度が10°〜90°であれば確実に端面の平坦化を行うことができる。
また、上記回転運動する際の角速度は、2〜300rad/sであることが望ましい。回転運動の角速度が上記範囲内にあると、端面の変形等を防止しつつ、効率よく平坦化することができる。
上記ハニカム成形体用端面処理装置は、上記平板の上記セル封止ハニカム成形体に押し当てられる面に付着した付着物を除去する付着物除去機構を備えていることが望ましい。
平板の押し当て面に付着した付着物を効率よく除去することができるので、次の平坦化処理の際にもその付着物が邪魔をすることがなく、平坦化処理を連続的に行うことができる。
上記ハニカム成形体用端面処理装置において、上記平板の上記セル封止ハニカム成形体に押し当てられる面の表面粗さRaが、0.04〜4.0μmであることが望ましい。
表面粗さが上記範囲にあると、表面粗さの調整に必要なコストを抑制しつつ、精度よく端面を平坦化することができる。
また、上記平板の押し当て面の表面粗さを上記範囲にする方法としては、例えば、バフ研磨、砥石やシートを用いる方法等が挙げられる。
上記バフ研磨で使用するバフとしては、例えば、ディスク型バフ、フラップ型バフ、渦巻き型バフ等の砥粒含有バフ、ポリプロピレン不繊布等の無砥粒バフ等が挙げられる。上記砥粒含有バフに用いられる砥粒としては、例えば、アルミニウムシリケート、酸化アルミニウム、シリコンカーバイド等が挙げられる。
上記砥石の種類としては、例えば、レジノイド砥石(樹脂系)、マグネシア砥石(セメント系)、ダイヤモンド砥石、ラバーコントロール砥石、エポキシコントロール砥石等が挙げられる。
また、シートとしては、例えば、粒度が#A60〜A240のシート研磨材を含んだものを使用することができ、具体的には、例えば、ウレタンスポンジ、ナイロン不繊布、アクリル(スポンジ)等にアルミニウムシリケート、酸化アルミニウム、シリコンカーバイド等の砥粒を付着させたもの等が挙げられる。
平坦化された上記セル封止ハニカム成形体の端面において、上記セル壁の端部を含んでなる平面と、上記平面に対して封止材ペーストの最も突出した部分又は最も凹んだ部分との間の最短距離Lが、1mm以下であることが望ましい。
このセル封止ハニカム成形体の平坦化された端面の態様を図3(a)〜(c)を参照しつつ説明する。
図3(a)〜(c)は、封止されたセルを含むように長手方向に平行な平面でセル封止ハニカム成形体を切断した断面を示す部分拡大断面図である。図3(a)〜(c)の各図は、従来技術の説明で記載したように、セル壁32、42及び52で隔てられたセル30、40及び50が、封止材ペースト31、41及び51により目封じされている態様を示す。
図3(a)に示すセル封止ハニカム成形体の端面の断面において、封止材ペースト31の封止端部31aは、セル壁32のセル壁端部32aを含んでなる平面33と同一平面内にあり、平面33に対して凹んでも突出もしていない。従って、この場合は、上記セル壁32のセル壁端部32aを含んでなる平面33と、封止材ペースト31の封止端部31aとの間の最短距離Lは0mmとなる。
次に、図3(b)に示すセル封止ハニカム成形体の端面の断面では、封止材ペースト41の封止端部41aは、セル壁42のセル壁端部42aを含んでなる平面43に対して凹んでいる。この場合は、図3(b)に示すLが、平面43と封止材ペースト41の端部で最も凹んだ封止端部41aとの間の最短距離となる。
また、図3(c)に示す端面の断面については、封止材ペースト51の封止端部51aが、セル壁52のセル壁端部52aを含んでなる平面53に対して突出していることになる。従って、この場合には、平面53と封止材ペースト51の端部であって最も突出した封止端部51aとの間の最短距離が、図3(c)に示すLである。
このように規定される最短距離L(以下、最も突出した部分に対応する最短距離を突出量、最も凹んだ部分に対応する最短距離を凹み量ともいう)が1mm以下であると、セル封止ハニカム成形体の端面が充分に平坦化されていることから、端面の外観が良好となり、また、ハニカム構造体ハニカムフィルタとして使用するためにケーシングへ設置する際に、封止材ペーストの突出した部分や凹んだ部分によってセル壁が変形・破損等するのを有効に防止することができる。
本発明の封止方法で使用する上記ハニカム成形体用端面処理装置は、上記平板が2枚配設されており、
上記第一の平板移動機構により、上記平板のそれぞれを移動させて、上記セル封止ハニカム成形体の両端面のそれぞれに上記平板を押し当てるように構成されていることが望ましい。
図1−1及び図1−2を参照して説明したように、上記ハニカム成形体用端面処理装置が、2枚の平板をセル封止ハニカム成形体の両端面それぞれに押し当てることで、一度に両端面を平坦化することができ、端面処理の効率化や均質化を図ることができる。しかし、ハニカム成形体用端面処理装置が備える平板は2枚に限らず、1枚であっても端面を充分に平坦化することができる。
次に、本発明のハニカム構造体の製造方法について説明する。
本発明のハニカム構造体の製造方法は、セラミック原料を押出成形することで、多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設された柱状のハニカム成形体を作製した後、上記ハニカム成形体のセルのいずれか一方の端部を封止材ペーストにより封止することによりセル封止ハニカム成形体を作製し、さらに、このセル封止ハニカム成形体の端面をハニカム成形体用端面処理装置により平坦化し、その後、上記セル封止ハニカム成形体を焼成したセル封止ハニカム焼成体からなるハニカム構造体を製造するハニカム構造体の製造方法であって、
上記ハニカム成形体用端面処理装置は、上記セル封止ハニカム成形体の端面と平行に対向するように配設された平板と、上記端面と平行に対向した状態を維持しながら上記平板を移動させる第一の平板移動機構とを備えており、
上記第一の平板移動機構により上記平板を移動させて、上記セル封止ハニカム成形体の端面に押し当てるように構成されていることを特徴とする。
なお、本明細書において、「柱状」には、円柱状や楕円柱状、多角柱状等の任意の柱の形状を含む。
図4は、上記製造方法により製造されるハニカム構造体の一例を模式的に示す斜視図であり、図5(a)は、上記ハニカム構造体を構成するハニカム焼成体を模式的に示す斜視図であり、図5(b)は、そのA−A線断面図である。
ハニカム構造体130では、図4に示すようなハニカム焼成体140がシール材層(接着剤層)131を介して複数個結束されるセラミックブロック133を構成し、さらに、このセラミックブロック133の外周にシール材層(コート層)132が形成されている。
また、ハニカム焼成体140は、図5(a)及び(b)に示すように、長手方向に多数のセル141が並設され、セル141同士を隔てるセル壁143がフィルタとして機能するようになっている。
すなわち、ハニカム焼成体140に形成されたセル141は、図5(b)に示すように、排ガスの入口側又は出口側の端部のいずれかが封止材層142により目封じされる。一のセル141に流入した排ガスは、必ずセル141を隔てるセル壁143を通過した後、他のセル141から流出するようになっており、排ガスがこのセル壁143を通過する際、パティキュレートがセル壁143部分で捕捉され、排ガスが浄化される。
以下、本発明のハニカム構造体の製造方法について、工程順に説明する。
ここでは、構成材料の主成分が炭化ケイ素のハニカム構造体を製造する場合を例に、セラミック原料である炭化ケイ素粉末を使用した場合のハニカム構造体の製造方法について説明する。
勿論、ハニカム構造体の構成材料の主成分は、炭化ケイ素に限定されるわけではなく、他のセラミック原料として、例えば、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化チタン等の窒化物セラミック、炭化ジルコニウム、炭化チタン、炭化タンタル、炭化タングステン等の炭化物セラミック、アルミナ、ジルコニア、コージェライト、ムライト、チタン酸アルミニウム等の酸化物セラミック等が挙げられる。
これらのなかでは、非酸化物セラミックが好ましく、炭化ケイ素が特に好ましい。耐熱性、機械強度、熱伝導率等に優れるからである。なお、上述したセラミックに金属ケイ素を配合したケイ素含有セラミック、ケイ素やケイ酸塩化合物で結合されたセラミック等のセラミック原料も構成材料として挙げられ、これらのなかでは、炭化ケイ素に金属ケイ素が配合されたもの(ケイ素含有炭化ケイ素)が望ましい。
まず、セラミック原料として平均粒子径の異なる炭化ケイ素粉末等の無機粉末と有機バインダとを乾式混合して混合粉末を調製するとともに、液状の可塑剤と潤滑剤と水とを混合して混合液体を調製し、続いて、上記混合粉末と上記混合液体とを湿式混合機を用いて混合することにより、成形体製造用の湿潤混合物を調製する。
上記炭化ケイ素粉末の粒径は特に限定されないが、後の焼成工程で収縮の少ないものが好ましく、例えば、0.3〜50μmの平均粒径を有する粉末100重量部と0.1〜1.0μmの平均粒径を有する粉末5〜65重量部とを組み合わせたものが好ましい。
ハニカム焼成体の気孔径等を調節するためには、焼成温度を調節する必要があるが、無機粉末の粒径を調節することにより、気孔径を調節することができる。
上記有機バインダとしては特に限定されず、例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレングリコール等が挙げられる。これらのなかでは、メチルセルロースが望ましい。
上記バインダの配合量は、通常、無機粉末100重量部に対して、1〜10重量部が望ましい。
上記可塑剤としては特に限定されず、例えば、グリセリン等が挙げられる。
また、上記潤滑剤としては特に限定されず、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル等のポリオキシアルキレン系化合物等が挙げられる。
潤滑剤の具体例としては、例えば、ポリオキシエチレンモノブチルエーテル、ポリオキシプロピレンモノブチルエーテル等が挙げられる。
なお、可塑剤、潤滑剤は、場合によっては、混合原料粉末に含まれていなくてもよい。
また、上記湿潤混合物を調製する際には、分散媒液を使用してもよく、上記分散媒液としては、例えば、水、ベンゼン等の有機溶媒、メタノール等のアルコール等が挙げられる。
さらに、上記湿潤混合物中には、成形助剤が添加されていてもよい。
上記成形助剤としては特に限定されず、例えば、エチレングリコール、デキストリン、脂肪酸、脂肪酸石鹸、ポリアルコール等が挙げられる。
さらに、上記湿潤混合物には、必要に応じて酸化物系セラミックを成分とする微小中空球体であるバルーンや、球状アクリル粒子、グラファイト等の造孔剤を添加してもよい。
上記バルーンとしては特に限定されず、例えば、アルミナバルーン、ガラスマイクロバルーン、シラスバルーン、フライアッシュバルーン(FAバルーン)、ムライトバルーン等を挙げることができる。これらのなかでは、アルミナバルーンが望ましい。
また、ここで調製した、炭化ケイ素粉末を用いた湿潤混合物は、その温度が28℃以下であることが望ましい。温度が高すぎると、有機バインダがゲル化してしまうことがあるからである。
また、上記湿潤混合物中の有機分の割合は10重量%以下であることが望ましく、水分の含有量は8〜20重量%であることが望ましい。
上記湿潤混合物は、調製後搬送され、押出成形機に投入されることとなる。
搬送された湿潤混合物を押出成形機に投入した後は、押出成形により所定の形状のセラミック成形体とする。このセラミック成形体を成形体切断装置により所定の長さに切断する。
次に、上記ハニカム成形体を、マイクロ波乾燥機、熱風乾燥機、誘電乾燥機、減圧乾燥機、真空乾燥機、凍結乾燥機等を用いて乾燥させ、乾燥させたハニカム成形体とする。
ここで、切断装置を用いて作製したハニカム成形体の両端を切断する切断工程を行い、ハニカム成形体を所定の長さに切断する。これにより乾燥時におけるハニカム成形体の収縮を無視することができる。
次に、上記ハニカム成形体のセルのいずれか一方の端部に封止材ペーストを充填する。
上記封止材ペーストの充填は、例えば、下記のハニカム成形体用封口装置等を用いて行えばよい。
図6は、ハニカム成形体用封口装置を模式的に示す概念図であり、図7(a)は、ハニカム成形体用封口装置を構成するペースト充填装置を模式的に示す概念図であり、図7(b)は、図7(a)のハニカム成形体用封口装置の一部を模式的に示す部分拡大断面図である。
図6に示すように、ハニカム成形体用封口装置200は、ハニカム成形体250を載置して回転する回転テーブル201と、ハニカム成形体250の端面を撮影する撮像装置205と、封口マスク204、ペースト吐出槽203等を含んでなりハニカム成形体250のセルの端部に封止材ペーストを充填するペースト充填部206とを含んで構成されている。
回転テーブル201は、回転軸が鉛直方向に設定され、水平に回転するように設定されており、ハニカム成形体250を固定するための成形体固定部202が8個存在する。回転テーブル201は、断続的に回転運動を行い、ハニカム成形体250が成形体固定部202に固定され、ほぼ1回転する間にハニカム成形体250の封口処理が行われることとなる。
ここでは、回転テーブル201に成形体固定部202が8個設けられているが、成形体固定部202の数は特に限定されるものではない。
また、回転テーブル201の周りの2箇所には撮像装置205が設けられており、ペースト充填部206を含むペースト充填装置も2台設けられており、それぞれハニカム成形体250の異なる端面を撮影した後、セルの端部にペーストを充填することができるようになっている。
このハニカム成形体用封口装置200を用いて封口を行う際には、まず、コンベア199に載置されて搬送されてきたハニカム成形体250を、ロボットアーム(図示せず)によりハニカム成形体用封口装置200を構成する回転テーブル201の成形体固定部202に固定する。
続いて、回転テーブル201が1/8回転すると、ハニカム成形体250の端面が、該端面を撮影するための撮像装置205に対向する位置で停止し、ハニカム成形体250の端面が撮像装置205により撮影される。撮影画像は、撮像装置205に接続された画像解析装置(図示せず)により直ちに画像解析がなされ、画像よりセルの形状を抽出し、ハニカム成形体250の傾き等も考慮しながら、封口すべきセルの位置を特定し、封口に使用する封口マスク204の開口の位置とを比較し、封口マスク204の開口とハニカム成形体250のセルとの位置誤差が最も少なくなる位置を算出する。この算出過程については、後で詳しく説明する。
次に、撮影が終わったハニカム成形体250は、次の位置まで1/8回転して停止する。すると、封口マスク204の開口とハニカム成形体250のセルとの位置誤差が最も少なくなるように計算された位置となるように、ハニカム成形体250の端面に封口マスク204が当接され、封止材ペーストが封口マスク204の開口を介してセルに充填され、ハニカム成形体250の端面の封口がなされる。ペースト充填部206は、x、y、z軸を設定通りの位置に設定できるように構成された角度調整部材を備えたロボットアームに固定されている。
この後、回転テーブル201が1/8回転すると、成形体固定部202に固定されハニカム成形体250は、ロボットアーム(図示せず)により持ち上げられ、封口された端面が回転テーブル201の中心に向き、封口されていない端面が外側に向くように、もう一度、成形体固定部202に固定される。
この後、回転テーブル201が1/8回転すると、上述した操作と同様に撮像装置205によりハニカム成形体250の封止されていない方の端面が撮影され、続いて、1/8回転すると、封口マスク204の開口とハニカム成形体250のセルとの位置誤差が最も少なくなる位置となるように、ハニカム成形体250の端面に封口マスク204が当接され、封口処理がなされる。
さらに、1/8回転した位置で、封口処理がなされたハニカム成形体250が図示しないロボットアームにより持ち上げられ、次の工程のコンベア207に載置される。
なお、本明細書において、ロボットアームとは、モータ等を有する能動関節を備え、さらに、必要に応じてモータ等を有さない非能動関節を備えたアームのことをいう。
ペースト充填部206を含むペースト充填装置について詳しく説明すると、図7(a)に示すように、ペースト充填装置220は、ペースト充填部206とペースト充填部206に封止材ペーストを供給するペースト供給部218とを有し、両者は、封止材ペースト供給管213を介して連結されている。なお、ペースト充填部とペースト供給部とは封止材ペースト供給管を介さずに直接連結されていてもよい。
ペースト供給部218は、ペースト供給ホッパー211及びペースト排出装置212を備えており、ペースト供給部218では、別途調製した封止材ペーストを貯留したペースト供給ホッパー211から運ばれた封止材ペーストが、ペースト排出装置212により封止材ペースト供給管213に送り出され、さらにペースト充填部206に送り込まれることとなる。
また、封止材ペースト供給管213には、フィルタ216が介在しており、このフィルタ216により、封止材ペースト中に塊状物が混在していてもこの塊状物を除去することができる。
また、上記フィルタの開き目は特に限定されないが、0.1〜1.0mmが望ましい。
ペースト充填部206は、図7(b)に示すように、封口マスク204、ペースト吐出槽203以外に、攪拌羽根221、攪拌棒222、モータ223からなる攪拌部224、ペースト吐出槽203の入口(封止材ペースト供給管214との接続部)側に配設された整流板225、ペースト吐出槽203の入口側に隣接された角度調整部材226及び温度制御部材228、封口マスク204とペースト吐出槽203との間に介在するシリコンゴム製の緩衝部材227、一軸偏心ネジポンプ(モーノポンプ)215、並びに、一軸偏心ネジポンプ215とペースト吐出槽203とを連結する封止材ペースト供給管214とを備えている。
そして、ペースト供給部218から送られてきた封止材ペーストは、まず、一軸偏心ネジポンプ215に送り込まれ、続いて、一軸偏心ネジポンプ215により、封止材ペースト供給管214及び整流板225を介して一定量ペースト吐出槽203内に送り込まれ、さらに、封口マスク204を介して封口マスク204に当接されたハニカム成形体250の所定のセルに充填されることとなる。
また、ペースト吐出槽203内に設けられた攪拌部224では、モータ223により、攪拌棒222及び攪拌羽根221が回転するように構成されている。そして、攪拌羽根221を回転させながら、封止材ペーストを充填することにより、ペースト吐出槽203内における封止材ペーストの温度を均一化することができ、その結果、封止材ペーストの粘度が均一化されることとなるため、封止材ペーストが所定のセル内に均一に充填されることとなる。
また、ペースト充填部206では、ペースト吐出槽203に隣接して、角度調整部材226と温度制御部材228とが配設されている。
そして、角度調整部材226により、ペースト吐出槽203をハニカム成形体250の端面に当接させる際に、封口マスク204を所定の位置でハニカム成形体250の端面に当接させるように調整することができる。
また、温度制御部材228はその内部にヒータを内蔵しており、この温度制御部材228により、封止材ペーストの温度を所定の温度に制御することができる。
封口マスク204の材質としては、ステンレス、ニッケル等の金属、エポキシ樹脂等の樹脂、セラミック等が挙げられる。
また、封口マスク204には、封止材ペーストを充填するセルに対応した、円形、若しくは、角部がR面取り形状又はC面取り形状の開口が形成されている。
ここで、開口面積は、対応するセルの開口よりも小さいことが望ましい。封口マスクの開口の位置と、対応するセルの開口の位置とに若干の位置ズレが生じても、確実に封止材ペーストをセル内にのみ充填し、ハニカム成形体の端面(セルの端部)に封止材ペーストが付着することを防止することができるからである。なお、封止材ペーストは流動性を有するため、セルの開口より封口マスクの開口が小さくても確実にセル内に充填されることとなる。
また、ハニカム成形体用封口装置200では、封口マスク204がシリコンゴム等からなる緩衝部材227を介して配設されている。
また、ハニカム成形体用封口装置200では、ペースト吐出槽203の入口側(封口マスクを配設した側と反対側)に、整流板225が配設されている。
整流板225を配設することにより、ペースト吐出槽203の入口における封止材ペーストの流入速度を、入口の中央部及び外縁部で均一にすることができ、その結果、セルに封止材ペーストを充填した場合に、各セルの充填量を均一にすることができる。
次に、上記撮像装置により得られた画像の解析を画像解析装置を用いて行う方法、及び、画像解析結果に基づき封止材ペーストを充填する方法について、フローチャートを参照しながら説明する。図8は、ハニカム成形体の端面画像の解析から封止材ペーストの充填に至る工程(手段)を示すフローチャートである。
(a)まず、ハニカム成形体用封口装置200の成形体固定部202に、標準サンプルとして、セルが形成されていない以外はハニカム成形体と同様の外形状を有し、端面に複数の有底孔が形成されたマスターワークを固定し、このマスターワークの有底孔が形成された端面を撮像し(工程S1)、有底孔の形成位置の座標を画像解析装置に登録することにより原点座標を決定する(工程S2)。
(b)次に、上記(a)の工程で決定した原点座標を基準に、封口マスクに形成された開口の位置を画像解析装置に登録する(工程S3)。
さらに、工程S3で登録した開口の位置、及び、そのサイズに基づき、封口マスクに形成された開口の面積重心を取得する(工程S4)。
上記画像解析装置においては、封止材ペーストの充填に先立ち上記(a)、(b)の工程を行っておく。
(c)次に、ハニカム成形体用封口装置200の成形体固定部202に固定され、回転テーブル201の回転に伴って移動してきたハニカム成形体の端面を撮像し、画像解析装置に登録する(工程S5)。
そして、上記画像解析装置では、撮像した端面画像を解析し、設計と異なるセルの数を算出し、その数が所定の数より多い場合には、当該ハニカム成形体を不良品と判定し、その他のハニカム成形体を良品と判定することにより良品と不良品とを区別する(工程S6)。
そして、良品と判定されたハニカム成形体については次工程S7を行い、不良品と判定されたハニカム成形体については、後の封止材ペーストの充填を行わず、封口処理を終了する。
(d)次に、良品と判定されたハニカム成形体の端面画像について、まず、その画像に二値化処理を施し、続いて、二値化処理により得られた画像に基づいて各セルの面積重心を取得する(工程S7)。なお、上記二値化処理の前後には、各セルの輪郭を鮮明にすべく、必要に応じて上記端面画像に各種フィルタ処理を施してもよい。
(e)次に、上記工程S4で取得した封口マスクの開口の面積重心と、上記工程S7で取得した各セルの面積重心とのズレ量を最小二乗法で算出する(工程S8)。
ここで、封口マスクの開口の面積重心とハニカム成形体のセルの面積重心とのズレ量の算出対象となる開口及びセルは、全ての開口及びセルであってもよいし、一部の開口及びセル、具体的には、例えば、外周部2列を除く開口及びセル等であってもよい。
そして、上記ズレ量が所定の値よりも大きいセルが存在する場合には、当該ハニカム成形体を不良品と判定し、その他のハニカム成形体を良品と判定することにより良品と不良品とを区別する(工程S9)。
そして、良品と判定されたハニカム成形体については次工程S10を行い、不良品と判定されたハニカム成形体については、後の封止材ペーストの充填を行わず、封口処理を終了する。
(f)次に、上記(e)の工程で算出した面積重心のズレ量に基づいて、封口マスク(ペースト吐出槽203)を移動させて封口マスクの位置を合わせながら、封口マスクをハニカム成形体の端面に当接させ、ペースト吐出槽203より封止材ペーストをハニカム成形体のセル内に充填し(工程S10)、一方のハニカム成形体の端面の封口処理を終了する。
なお、封口マスクの位置合わせは、角度調整部材226により行うことができる。
また、ここでは封口マスクとセルとの位置合わせを上記工程S8で算出した面積重心のズレ量に基づいて行っているが、例えば、上記工程S8において、外周部2列を除く開口及びセルのズレ量のみを算出した場合には、上記面積重心のズレ量に基づいて位置合わせをした後、さらに、外周部2列について、別途手動で位置合わせを行ってもよい。
なお、上記(a)〜(f)の操作は、ハニカム成形体の一方の端面に対して行う操作であるため、ハニカム成形体の両端面に封止材ペーストを充填する場合には、上記(a)〜(f)の操作を繰り返し行う。
また、ハニカム成形体用封口装置200では、回転テーブルに設けられた成形体固定部202の所定の位置にハニカム成形体が固定されるものとして封止材ペーストの充填を行っているが、この固定位置にズレが生じることもあり、この固定位置がズレてしまった場合には、上記工程S6や工程S8で所定の形状のハニカム成形体であるにも関わらず不良品として判定されるおそれがあるため、ハニカム成形体の端面画像の解析から封止材ペーストの充填に至る工程の前に、ハニカム成形体が成形体固定部202の所定の位置に固定されているか否かを検査することが望ましい。
また、この場合、ハニカム成形体を成形体固定部202に固定するごとに検査をしてもよいが、複数本のハニカム成形体に対して1本の割合で検査することが望ましい。
このような方法で封止材ペーストを充填する場合、上記封止材ペーストの温度は、30〜110℃が望ましい。30℃未満では、封止材ペーストの粘度が高くなりやすく、セルに充填することができない場合があり、110℃を超えると、封止材ペーストの粘度が低くなりやすく、充填した封止材ペーストの保形性に劣る場合がある。
上記封止材ペーストの粘度は、35〜50Pa・s(測定温度25℃)が望ましい。35Pa・s未満では、封止材ペーストの流動性が高すぎて、ハニカム成形体のセルに充填した際に、セルの内部に向かって流れ込み、確実に目封じできない場合があり、一方、50Pa・sを超えると、封口マスクやフィルタで封止材ペーストが詰まり易く、また、ハニカム成形体のセル内に確実に充填することができない場合がある。
また、ハニカム成形体に封止材ペーストを充填する方法は、上述した構成を有するハニカム成形体用封口装置を使用する方法に限定されず、その他、任意の方法でハニカム成形体の所定のセルに封止材ペーストを充填すればよい。
上記封止材ペーストとしては特に限定されないが、後工程を経て製造される封止材の気孔率が30〜75%となるものが望ましく、例えば、上記湿潤混合物と同様のものを用いることができる。また、封止材ペーストの充填量は、セルの形状や、封止材層として要求される特性に応じて調整すればよい。
上記封止材ペースト乾燥工程では、熱風乾燥機を用いて封止材ペーストを乾燥させる。
上記熱風乾燥機としては、封止材ペーストが充填されたハニカム成形体の端面に熱風を吹きつけることができるものであれば特に限定されないが、乾燥炉内に搬送部材と、熱風吹出口とを備え、この熱風吹出口が上記ハニカム成形体の端面と対向する位置に形成されている熱風乾燥機を用いることが望ましい。
このような構成を有する熱風乾燥機としては、例えば、図9(a)及び(b)に示した態様の熱風乾燥機等を用いることができる。
図9(a)は、本発明のハニカム構造体の製造方法で封止材ペーストを乾燥させる際に使用する熱風乾燥機の内部を模式的に示す平面図であり、図9(b)は、図9(a)のB−B線断面図である。
図9(a)及び(b)に示した熱風乾燥機100は、乾燥炉102の床部に搬送部材として機能するベルトコンベア101が設けられており、ベルトコンベア101上に、移動方向に直角に長手方向が向くように載置されたハニカム成形体110は、熱風乾燥機100の入口より内部に搬入され、熱風乾燥機100の内部で所定の時間移動した後、出口より搬出される。なお、ベルトコンベア101による移動は、一定の速度で行われるように設定されている。
また、この熱風乾燥機100では、乾燥炉102内において、ベルトコンベア101の両側であって、ハニカム成形体110の端面と対向する位置に、入口側から出口側の全体に渡って熱風吹出口105が並列に設けられている。
そして、熱風吹出口105から、ハニカム成形体110に向かって熱風を吹きつけることにより封止材ペーストを乾燥させる。
即ち、ベルトコンベア101に載置されたハニカム成形体110は、ベルトコンベア101の移動に伴って、熱風乾燥機100の内部を移動し、ベルトコンベアの両側から吹きつけた熱風により、ハニカム成形体110のセルの端部に形成された封止材ペーストが乾燥される。
図9(a)及び(b)に示した熱風乾燥機100は、ハニカム成形体110の両端面に同時に熱風を吹きつけることができる構成を有している。
ハニカム成形体110の両端面に同時に熱風を吹きつけることにより、ハニカム成形体のセル内に充填された封止材ペーストの両端部(表面)が優先的に乾燥されることとなり、乾燥初期の段階において、封止材ペーストの内部が流動性を有していても、封止材ペーストの両端部は固められた状態となる。
そのため、さらに封止材ペーストの乾燥が進行した際や、後工程でハニカム成形体に脱脂、焼成処理を施した際に、封止材ペーストに凹み(引け)が発生することなく、所望の形状に、乾燥、脱脂、焼成することができる。
なお、上記封止材ペーストを乾燥する工程では、上述した理由で、ハニカム成形体110の両端面に同時に熱風を吹きつけることが望ましいが、本発明では、ハニカム成形体110の片側ずつに熱風を吹きつけてもよい。但し、片面ずつ熱風を吹きつけた場合には、封止材ペーストの両端部のうち、最初に熱風が吹きつけられた側と反対側の端部において、凹み(引け)が発生するおそれがある。
また、この工程において、ハニカム成形体の端面に吹きつける熱風の温度は、140〜210℃が望ましい。
上記熱風の温度が140℃未満では、封止材ペーストが充分に乾燥せず、乾燥後、封止材ペーストが流動し、後の焼成工程終了後、所望の形状の封止材層が形成できない場合があり、一方、熱風の温度が210℃を超えると、封止材ペーストの乾燥が急激に進行したり、乾燥自体が進行しすぎたりすることにより、封止材ペーストに凹み(引け)やクラックが発生したりすることがあるからである。
また、上記熱風を吹きつける時間は、2〜7分間が望ましい。
上記熱風を吹きつける時間が2分間未満では、封止材ペーストが充分に乾燥せず、乾燥後、封止材ペーストが流動し、後の焼成工程終了後、所望の形状の封止材層を形成することができない場合があり、一方、熱風を吹きつける時間が7分間を超えると、封止材ペーストの乾燥が進行しすぎ、封止材ペーストに凹み(引け)やクラックが発生することがあり、さらに、乾燥自体が進行しすぎることにより、封止材ペーストやハニカム成形体の脱脂が進行し、脱脂が進行した部分が脆くなることがあるからである。
なお、本発明において、上記封止材ペースト乾燥工程における熱風吹きつけ時間とは、ハニカム成形体の端面に熱風が吹きつけられている合計時間をいい、例えば、熱風乾燥機として、図9(a)及び(b)に示したような、ハニカム成形体の端面に対向する位置であって、入口側から出口側の全体に渡って、熱風吹出口が並列に形成されている場合には、乾燥炉内通過時間が、熱風吹きつけ時間となる。
また、上記熱風を吹きつける際の風速は、10〜30m/秒であることが望ましい。
上記熱風の風速が、10m/秒未満である場合には、封止材ペーストの乾燥が不充分になる場合があり、一方、上記熱風の風速が30m/秒を超えると、風速が速すぎて、形成した封止材ペーストが変形する場合があるからである。
上記ベルトコンベアの移動速度は、ハニカム成形体110のサイズを考慮して適宜選択すればよいが0.4〜1.0m/分であることが望ましい。
上記ベルトコンベアの移動速度が0.4m/分未満では、速度が遅すぎるため、充分に乾燥した後もハニカム成形体が熱風乾燥機中に滞在することとなり、効率よく、乾燥を行うことができず、一方、1.0m/分を超えると、移動速度が速すぎるため、封止材ペーストを充分に乾燥させることができない場合がある。
また、図9(a)及び(b)に示した熱風乾燥機100は、搬送部材としてベルトコンベアを備えているが、本発明の製造方法で使用する熱風乾燥機が備える搬送部材はベルトコンベアに限定されず、例えば、チェーンコンベア、ローラーコンベア、パレットコンベア等であってもよい。
また、上記熱風乾燥装置において、搬送部材は、連続的に移動しても良いし、断続的に移動してもよい。
また、断続的に移動する場合、常に一定の速度で移動してもよいし、速度を変化しながら移動してもよい。
図9(a)及び(b)に示した熱風乾燥機では、熱風吹出口が乾燥炉の入口側から出口側の全体に渡って形成されているが、本発明の製造方法で使用する熱風乾燥機において、上記熱風吹出口は、必ずしも入口側から出口側の全体に渡って形成されている必要はなく、隣り合う熱風吹出口同士が間隔をあけて形成されていてもよい。
本発明のハニカム構造体の製造方法では、このようにして目封じしたセル封止ハニカム成形体の端面に対してハニカム成形体用端面処理装置により平坦化処理を施す。
なお、セルに充填された封止材ペーストの乾燥には、上記のように熱風によって乾燥させてもよいが、これに限定されず、封止材ペーストの充填後に熱風乾燥を行うとともに、又は、熱風乾燥を行うことなく、セル封止ハニカム成形体の端面を平坦化するための平板を加熱し、この加熱した平板を上記端面に押し当てて封止材ペーストを乾燥させてもよい。平板を加熱する方法としては、平板内にヒーター等の加熱機構を内蔵させておき、内蔵したヒーターの発熱によって平板を加熱する方法を用いることができる。
上記ハニカム成形体用端面処理装置は、上記セル封止ハニカム成形体の端面と平行に対向するように配設された平板と、上記端面と平行に対向した状態を維持しながら上記平板を移動させる第一の平板移動機構とを備えており、上記第一の平板移動機構により上記平板を移動させて、上記セル封止ハニカム成形体の端面に押し当てるように構成されている。
このように本製造方法において用いられるハニカム成形体用端面処理装置は、既に説明したハニカム成形体用端面処理装置を好適に使用することができ、また、このハニカム成形体用端面処理装置を用いて平坦化する方法としては、本発明のハニカム成形体の封止方法を好適に採用することができる。
本発明のハニカム構造体の製造方法では、上記ハニカム成形体用端面処理装置は、上記セル封止ハニカム成形体の端面に押し当てた状態の上記平板を、同一平面内で移動させる第二の平板移動機構を備えていることが望ましい。
平板を端面に押し当てた状態でさらに第二の平板移動機構により平板を同一平面内で移動させることにより、均一かつ充分な平坦化を端面に対してさらに施すことができる。
上記ハニカム成形体用端面処理装置は、上記平板の上記セル封止ハニカム成形体に押し当てられる面に付着した付着物を除去する付着物除去機構を備えていることが望ましい。
端面処理の際に平板に付着した付着物を効率よく除去することができ、次の端面処理に際して、残存した付着物が邪魔をするということがないので連続的に端面処理を行うことができる。
上記ハニカム成形体用端面処理装置において、上記平板の上記セル封止ハニカム成形体に押し当てられる面の表面粗さRaが、0.04〜4.0μmであることが望ましい。
表面粗さRaが上記範囲であると、表面粗さの調整に必要な研磨コストを抑えつつ、セル封止ハニカム成形体の端面を高度に平坦化することができる。
上記ハニカム成形体用端面処理装置において、上記平板を上記セル封止ハニカム成形体に押し当てる際の加重が、9.8〜49N(1〜5kgf)であることが望ましい。
平板を端面に押し当てる加重が上記範囲であると、端面やセル封止ハニカム成形体自体の変形を抑制しつつ、有効に平坦化処理を施すことができる。
平坦化された上記セル封止ハニカム成形体の端面において、上記セル壁の端部を含んでなる平面と、上記平面に対して封止材ペーストの最も突出した部分又は最も凹んだ部分との間の最短距離が、1mm以下であることが望ましい。
封止材ペーストの端部がこのような形状であると、優れた外観を得ることができ、また、突出や凹みの部分における不慮の接触等による破損を防止することができる。
上記ハニカム成形体用端面処理装置は、上記平板が2枚配設されており、
上記第一の平板移動機構により、上記平板のそれぞれを移動させて、上記セル封止ハニカム成形体の両端面のそれぞれに上記平板を押し当てるように構成されていることが望ましい。
このような構成により、一度の端面処理でセル封止ハニカム成形体の両端面を均一かつ有効に平坦化することができる。
次に、上記封止材ペーストが充填されたセル封止ハニカム成形体を、所定の条件で脱脂(例えば、200〜500℃)、次いで、焼成(例えば、1400〜2300℃)することにより、全体が一の焼成体から構成され、複数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設され、かつ、上記セルのいずれか一方の端部が封止されたセル封止ハニカム焼成体(図5(a)及び(b)参照)を製造することができる。
上記セル封止ハニカム焼成体の端面において、上記セル壁の端部を含んでなる平面と、上記平面に対して封止材ペーストの最も突出した部分又は最も凹んだ部分との間の最短距離が、1mm以下であることが望ましい。
セル封止ハニカム焼成体の端面において封止材ペーストの端部が上記のような関係を充足すると、セル封止ハニカム焼成体を用いて最終的に作製するハニカム構造体の端面の形状を整った状態にすることができる。また、上記ハニカム構造体を用いたハニカムフィルタを製造する際に、ケーシングへの設置の際に、ハニカム構造体の端面が破損することを有効に防止することができる。
上記セル封止ハニカム成形体の脱脂及び焼成の条件は、従来から多孔質セラミックからなるフィルタを製造する際に用いられている条件を適用することができる。
そして、セル封止ハニカム焼成体の側面に、シール材層(接着剤層)となるシール材ペーストを均一な厚さで塗布してシール材ペースト層を形成し、このシール材ペースト層の上に、順次他のセル封止ハニカム焼成体を積層する工程を繰り返し、所定の大きさのセル封止ハニカム焼成体の集合体を作製する。
また、セル封止ハニカム焼成体の集合体を作製する際には、予めセル封止ハニカム焼成体同士をスペーサを介して組み上げておき、その後、セル封止ハニカム焼成体同士の間隙にシール材ペーストを注入することにより、セル封止ハニカム焼成体の集合体を作製してもよい。
上記シール材ペーストとしては、例えば、無機バインダと有機バインダと無機繊維及び/又は無機粒子とからなるもの等が挙げられる。
上記無機バインダとしては、例えば、シリカゾル、アルミナゾル等を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記無機バインダのなかでは、シリカゾルが望ましい。
上記有機バインダとしては、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記有機バインダのなかでは、カルボキシメチルセルロースが望ましい。
上記無機繊維としては、例えば、シリカ−アルミナ、ムライト、アルミナ、シリカ等のセラミックファイバー等を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記無機繊維のなかでは、アルミナファイバが望ましい。
上記無機粒子としては、例えば、炭化物、窒化物等を挙げることができ、具体的には、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素からなる無機粉末等を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記無機粒子のなかでは、熱伝導性に優れる炭化ケイ素が望ましい。
さらに、上記シール材ペーストには、必要に応じて酸化物系セラミックを成分とする微小中空球体であるバルーンや、球状アクリル粒子、グラファイト等の造孔剤を添加してもよい。
上記バルーンとしては特に限定されず、例えば、アルミナバルーン、ガラスマイクロバルーン、シラスバルーン、フライアッシュバルーン(FAバルーン)、ムライトバルーン等を挙げることができる。これらのなかでは、アルミナバルーンが望ましい。
次に、このセル封止ハニカム焼成体の集合体を加熱してシール材ペースト層を乾燥、固化させてシール材層(接着剤層)とする。
次に、ダイヤモンドカッター等を用い、セル封止ハニカム焼成体がシール材層(接着剤層)を介して複数個接着されたセル封止ハニカム焼成体の集合体に切削加工を施し、円柱形状のセラミックブロックを作製する。
そして、セラミックブロックの外周に上記シール材ペーストを用いてシール材層(コート層)を形成することで、セル封止ハニカム焼成体がシール材層(接着剤層)を介して複数個接着された円柱形状のセラミックブロックの外周部にシール材層(コート層)が設けられたハニカム構造体とすることができる。
その後、必要に応じて、セル封止ハニカム構造体に触媒を担持させる。上記触媒の担持は集合体を作製する前のセル封止ハニカム焼成体に行ってもよい。
触媒を担持させる場合には、ハニカム構造体の表面に高い比表面積のアルミナ膜を形成し、このアルミナ膜の表面に助触媒、及び、白金等の触媒を付与することが望ましい。
上記ハニカム構造体の表面にアルミナ膜を形成する方法としては、例えば、Al(NO等のアルミニウムを含有する金属化合物の溶液をハニカム構造体に含浸させて加熱する方法、アルミナ粉末を含有する溶液をハニカム構造体に含浸させて加熱する方法等を挙げることができる。
上記アルミナ膜に助触媒を付与する方法としては、例えば、Ce(NO等の希土類元素等を含有する金属化合物の溶液をハニカム構造体に含浸させて加熱する方法等を挙げることができる。
上記アルミナ膜に触媒を付与する方法としては、例えば、ジニトロジアンミン白金硝酸溶液([Pt(NH(NO]HNO、白金濃度4.53重量%)等をハニカム構造体に含浸させて加熱する方法等を挙げることができる。
また、予め、アルミナ粒子に触媒を付与して、触媒が付与されたアルミナ粉末を含有する溶液をハニカム構造体に含浸させて加熱する方法で触媒を付与してもよい。
また、ここまで説明したハニカム構造体の製造方法により製造されたハニカム構造体は、複数のセル封止ハニカム焼成体がシール材層(接着剤層)を介して結束された構成を有する集合型ハニカム構造体の製造方法であるが、本発明の製造方法により製造されたハニカム構造体は、円柱形状のセラミックブロックが1つのセル封止ハニカム焼成体から構成されている一体型ハニカム構造体であってもよい。ここで一体型ハニカム構造体の主な構成材料は、コージェライトやチタン酸アルミニウムであることが望ましい。
このような一体型ハニカム構造体を製造する場合は、まず、押出成形により成形するハニカム成形体の大きさが、集合型ハニカム構造体を製造する場合に比べて大きい以外は、集合型ハニカム構造体を製造する場合と同様の方法を用いることができる。そして、この方法においても、上記セラミック成形体を成形体切断装置により切断してハニカム成形体を作製する。
次に、集合型ハニカム構造体の製造と同様に、上記ハニカム成形体を、マイクロ波乾燥機、熱風乾燥機、誘電乾燥機、減圧乾燥機、真空乾燥機、凍結乾燥機等を用いて乾燥させる。
次いで、乾燥させたハニカム成形体の両端部を切断する切断工程を行う。
次に、入口側セル群の出口側の端部、及び、出口側セル群の入口側の端部に、封止材ペーストを所定量充填し、セルを目封じする。
その後、熱風乾燥機等を用いて目封じした封止材ペーストを乾燥処理した後に、本発明のハニカム成形体用端面処理装置を用いてセル封止ハニカム成形体の端面を平坦化処理することで、端面が平坦化されたハニカム成形体を得ることができる。
その後、集合型ハニカム構造体の製造と同様に、脱脂、焼成を行うことによりセラミックブロックを製造し、必要に応じて、シール材層(コート層)の形成を行うことにより、一体型ハニカム構造体を製造することができる。また、上記一体型ハニカム構造体にも、上述した方法で触媒を担持させてもよい。
以上、説明した本発明のハニカム構造体の製造方法では、作業効率よくハニカム構造体を製造することができる。
また、上述した方法によりハニカム構造体を製造する場合、セル封止ハニカム成形体の端面をハニカム成形体用端面処理装置で平坦化するので、その後の焼成処理を経て得られるセル封止ハニカム焼成体やハニカム構造体の端面においても平坦度を有効に維持することができ、また、端面の形状やその形状に応じて変化する物性等の変化を効率的に抑制することができる。
さらに、セル封止ハニカム焼成体の端面における封止材の凹凸について、封止材ペーストの端部が所定の領域に存在すると、ハニカム構造体の端面においても有効に平坦性を維持することができるので、一定の外観を得ることができ、また、ハニカム構造体を排ガス浄化用フィルタに使用するためにケーシングに設置する際に、端面とケーシングとが接触して端面に欠け等が発生することを防止することができる。
を浄化する触媒担体(ハニカム触媒)としても好適に使用することができる。
ここまでは、主に排ガス中のパティキュレートを捕集するハニカムフィルタとして好適に使用することができるハニカム構造体を例に、本発明のハニカム構造体について説明したが、本発明のハニカム構造体は、セルの端部が封止材で封止されていないハニカム構造体であってもよく、このようなハニカム構造体は、触媒担体(ハニカム触媒)として好適に使用することができ、ハニカムフィルタとして使用する場合と同様の本発明の効果を得ることができる。
以下に実施例を掲げ、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(実施例1)
平均粒径10μmのα型炭化ケイ素粉末250kgと、平均粒径0.5μmのα型炭化ケイ素粉末100kgと、有機バインダ(メチルセルロース)と20kgとを混合し、混合粉末を調製した。
次に、別途、潤滑剤(日本油脂社製 ユニルーブ)12kgと、可塑剤(グリセリン)5kgと、水65kgとを混合して液体混合物を調製し、この液体混合物と混合粉末とを湿式混合機を用いて混合し、湿潤混合物を調製した。
なお、ここで調製した湿潤混合物の水分含有量は、14重量%であった。
次に、搬送装置を用いて、この湿潤混合物を押出成形機に搬送し、押出成形機の原料投入口に投入した。
なお、押出成形機投入直前の湿潤混合物の水分含有量は、13.5重量%であった。
そして、この湿潤混合物を用いた押出成形、及び、これにつづく切断を行い、ハニカム成形体を作製した。その後、上記ハニカム成形体を、マイクロ波乾燥機を用いて乾燥させた。
次に、図6及び図7(a)、(b)に示した構成を有するハニカム成形体用封口装置を用いて、上記ハニカム成形体と同様の組成の封止材ペーストを所定のセルに充填した。ここで、ハニカム成形体用封口装置の構成部材の仕様は以下の通りである。
封止材ペーストの温度・・・70℃(ペースト吐出槽内)
封止材ペーストの粘度・・・42Pa・s(調製時、測定温度25℃)
一軸偏芯ネジポンプ・・・兵神装備社製、ロボディスペンサー 3NDPL06G15
封止材ペースト吐出時間・・・1.6秒
封止材ペースト充填量・・・5g/片面
次いで、封止材ペーストを充填したセル封止ハニカム成形体を、図9(a)及び(b)に示した熱風乾燥機内に投入し、ハニカム成形体の端面に熱風を吹きつけることにより、封止材ペーストを乾燥させた。なお、熱風乾燥機の仕様は以下の通りである。
ベルトコンベア長さ・・・2.6m
熱風温度・・・190℃
熱風吹きつけ時間・・・3.7分間
なお、上記熱風吹きつけ時間は、連続的に等速で移動するベルトコンベアの移動速度により調整しており、ベルトコンベアの移動速度は、0.7m/分である。
この後、本発明のハニカム成形体用端面処理装置を用いてセル封止ハニカム成形体の両端面を平坦化した。
詳細には、図1−1、1−2に示すハニカム成形体用端面処理装置10において、セル封止ハニカム成形体を搬入用コンベア11により中央部まで搬入し、搬送アーム12によって成形体載置台17上に載置した。その後、第一の平板移動機構21を駆動させて、その押し当て面の表面粗さRaが0.04μmである平板20をセル封止ハニカム成形体1の両端面に29.4N (3kgf)の加重で2.0sec押し当て、さらに、第二の平板移動機構22を駆動させて押し当てた状態の平板20を45°回転させて両端面を平坦化した。次いで、平板20を後退させ、付着物除去機構として採用した回転ブラシにより平板に付着した付着物を除去しつつ、搬送アーム12によってセル封止ハニカム成形体1を搬出用コンベア14に搬送して、一連の端面処理を完了した。
この端面処理を経たセル封止ハニカム成形体を400℃で脱脂し、常圧のアルゴン雰囲気下2200℃、3時間で焼成を行うことにより、気孔率が40%、平均気孔径が12.5μm、その大きさが34.3mm×34.3mm×150mm、セルの数(セル密度)が46.5個/cm、セル壁の厚さが0.20mmの炭化ケイ素焼結体からなるセル封止ハニカム焼成体を作製した。上記手順を繰り返して1000個のセル封止ハニカム焼成体を作製した。
(実施例2)
端面に押し当てた状態の平板20を第二の平板移動機構22を駆動させて回転させる回転角度を10°としたこと以外は、実施例1と同様にしてセル封止ハニカム焼成体を1000個作製した。
(実施例3)
その押し当て面の表面粗さRaが0.14μmである平板20を有するハニカム成形体用端面処理装置10を用いて端面処理を行ったこと以外は、実施例1と同様にしてセル封止ハニカム焼成体を1000個作製した。
(実施例4)
その押し当て面の表面粗さRaが1.3μmである平板20を有するハニカム成形体用端面処理装置10を用いて端面処理を行ったこと以外は、実施例1と同様にしてセル封止ハニカム焼成体を1000個作製した。
(実施例5)
その押し当て面の表面粗さRaが4.0μmである平板20を有するハニカム成形体用端面処理装置10を用いて端面処理を行ったこと以外は、実施例1と同様にしてセル封止ハニカム焼成体を1000個作製した。
(実施例6)
平板20をセル封止ハニカム成形体1の端面に押し当てる加重を9.8N(1kgf)として端面処理を行ったこと以外は、実施例1と同様にしてセル封止ハニカム焼成体を1000個作製した。
(実施例7)
平板20をセル封止ハニカム成形体1の端面に押し当てる加重を49.0N(5kgf)として端面処理を行ったこと以外は、実施例1と同様にしてセル封止ハニカム焼成体を1000個作製した。
(実施例8)
端面に押し当てた状態の平板20を第二の平板移動機構22を駆動させて回転させる回転角度を90°としたこと以外は、実施例1と同様にしてセル封止ハニカム焼成体を1000個作製した。
(実施例9)
端面に押し当てた状態の平板20を第二の平板移動機構22を駆動させて回転させる回転角度を150°としたこと以外は、実施例1と同様にしてセル封止ハニカム焼成体を1000個作製した。
実施例10
端面処理を行った後の平板20に付着した付着物を回転ブラシによって除去する操作を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にしてセル封止ハニカム焼成体を1000個作製した。
実施例11
その押し当て面の表面粗さRaが8.0μmである平板20を有するハニカム成形体用端面処理装置10を用いて端面処理を行ったこと以外は、実施例1と同様にしてセル封止ハニカム焼成体を1000個作製した。
比較例2
第二の平板移動機構22を駆動させず、端面に押し当てた状態の平板20を回転させなかったこと以外は、実施例1と同様にしてセル封止ハニカム焼成体を1000個作製した。
実施例12
端面に押し当てた状態の平板20を第二の平板移動機構22を駆動させて回転させる回転角度を180°としたこと以外は、実施例1と同様にしてセル封止ハニカム焼成体を1000個作製した。
実施例13
平板20をセル封止ハニカム成形体1の端面に押し当てる加重を4.9N(0.5kgf)として端面処理を行ったこと以外は、実施例1と同様にしてセル封止ハニカム焼成体を1000個作製した。
実施例14
平板20をセル封止ハニカム成形体1の端面に押し当てる加重を98.0N(10kgf)として端面処理を行ったこと以外は、実施例1と同様にしてセル封止ハニカム焼成体を1000個作製した。
(比較例1)
ハニカム成形体のセルに封止材ペーストを充填して、その後端面を乾燥し、ハニカム成形体用端面処理装置による端面処理を行わずにセル封止ハニカム焼成体を作製したこと以外は、実施例1と同様にしてセル封止ハニカム焼成体を1000個作製した。
(端面の欠け発生率の評価)
実施例1〜14、並びに、比較例1及び2で作製したセル封止ハニカム焼成体のそれぞれについて、セル封止ハニカム焼成体の端面を目視観察して、欠けが発生しているかを判定した。製造したセル封止ハニカム焼成体のうち、欠けが発生していたセル封止ハニカム焼成体の割合を欠け発生率(%)として算出した。その結果を表1に示した。
(端面の付着物の有無の評価)
実施例1〜14、並びに、比較例1及び2で作製したセル封止ハニカム焼成体のそれぞれについて、両端面の付着物の有無を目視観察した。その結果を表1に示した。
(端面の状態(封止材のはがれ)の評価)
実施例1〜14、並びに、比較例1及び2で作製したセル封止ハニカム焼成体のそれぞれについて、両端面の状態を目視観察し、封止材にはがれが生じているかを観察した。その結果を表1に示した。
(封止材ペーストの端面からの突出量又は凹み量の測定)
実施例1〜14、並びに、比較例1及び2で作製したセル封止ハニカム焼成体をダイヤモンドカッターを用いてその長手方向に平行な方向に切断し、図5(b)に示すような切断面を露出させた後、その切断面をサンドペーパーを用いて研磨し、両端面における封止材ペーストの突出量又は凹み量を工場顕微鏡TMM((株)トプコン社製)を用いて測定した。その結果を表1に示した。
Figure 0005057815
表1から明らかなように、実施例1〜14及び比較例2で作製したセル封止ハニカム焼成体では、全てのセル封止ハニカム焼成体の端面において突出量又は凹み量が0.5mm以下であり、平坦な端面が得られたが、比較例1で作製したセル封止ハニカム焼成体では、封止材ペーストが1.0mm突出しており、その端面が平坦とはいえない状態であった。これは、平坦化処理を行わなかったために封止材が突出した状態でそのまま残ってしまったためと考えられる。
また、実施例1〜9で作製したセル封止ハニカム焼成体においては欠けの発生率が0.7%以下と低くなっており、付着物も無く、端面の封止材のはがれも無いか、有っても若干有る程度であった。
さらに、実施例1〜9で作製したセル封止ハニカム焼成体においてはその端面の突出量又は凹み量は0mmか凹み量が0.3mmであって、きわめて平坦な端面を有するセル封止ハニカム焼成体であった。
以上の結果より、セル封止ハニカム成形体の端面に平板を押し当てて端面処理を行うことで平坦な端面を有するセル封止ハニカム焼成体を得ることができることがわかる。特に、その押し当て面の表面粗さRaが0.04〜4.0μmの平板を用いること、その平板をセル封止ハニカム成形体の端面に9.8〜49N(1〜5kgf)の加重で押し当てること、平板をセル封止ハニカム成形体の端面に押し当てた状態で45°以上90°以下の回転角度で回転させること、及び、端面処理を行った後の平板に付着した付着物を除去することで、極めて平坦な端面を有するセル封止ハニカム焼成体を確実に得ることができることがわかる。
図1−1は、本発明のハニカム成形体用端面処理装置の実施形態の一例を模式的に示す縦断面図である。 図1−2は、図1−1に示した本発明のハニカム成形体用端面処理装置の水平断面図である。 図2(a)〜(d)は、セル封止ハニカム成形体の端部を平坦化処理する工程を示した模式図であり、封止されたセルを含むように長手方向に平行な平面でセル封止ハニカム成形体を切断した断面を示している。 図3(a)〜(c)は、封止されたセルを含むように長手方向に平行な平面でセル封止ハニカム成形体を切断した断面を示す部分拡大断面図である。 図4は、ハニカム構造体の一例を模式的に示す斜視図である。 図5(a)は、ハニカム構造体を構成するハニカム焼成体を模式的に示す斜視図であり、図5(b)は、そのA−A線断面図である。 図6は、ハニカム成形体用封口装置を模式的に示す概念図である。 図7(a)は、ハニカム成形体用封口装置を構成するペースト充填装置を模式的に示す概念図であり、図7(b)は、図7(a)のハニカム成形体用封口装置の一部を模式的に示す部分拡大断面図である。 図8は、ハニカム成形体の端面画像の解析から封止材ペーストの充填に至る工程(手段)を示すフローチャートである。 図9(a)は、本発明のハニカム構造体の製造方法の封止材ペースト乾燥工程で使用する熱風乾燥機の内部を模式的に示す平面図であり、図9(b)は、図9(a)のB−B線断面図である。
符号の説明
1 セル封止ハニカム成形体
10 ハニカム成形体用端面処理装置
11 搬入用コンベア
12 搬送アーム
13 支持チャック
14 搬出用コンベア
15 付着物除去機構
16 ダクト
17 成形体載置台
20 平板
21 第一の平板移動機構
22 第二の平板移動機構
30、40、50 セル
31、41、51 封止材ペースト
31a、41a、51a 封止端部
32、42、52 セル壁
32a、42a、52a セル壁端部
33、43、53 平面
100 熱風乾燥機
101 ベルトコンベア
102 乾燥炉
105 熱風吹出口
200 ハニカム成形体用封口装置

Claims (18)

  1. 多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設され、前記セルのいずれか一方の端部が封止材ペーストにより封止されたセル封止ハニカム成形体の端面を平坦化するハニカム成形体用端面処理装置であって、
    前記セル封止ハニカム成形体の端面と平行に対向するように配設された平板と、
    前記端面と平行に対向した状態を維持しながら前記平板を移動させる第一の平板移動機構とを備え、
    前記第一の平板移動機構により前記平板を移動させて、前記セル封止ハニカム成形体の端面に押し当てるように構成されており、
    前記セル封止ハニカム成形体の端面に押し当てた状態の前記平板を同一平面内で移動させる第二の平板移動機構を備えたことを特徴とするハニカム成形体用端面処理装置。
  2. 前記平板の前記セル封止ハニカム成形体に押し当てられる面に付着した付着物を除去する付着物除去機構を備えた請求項1に記載のハニカム成形体用端面処理装置。
  3. 前記平板の前記セル封止ハニカム成形体に押し当てられる面の表面粗さRaが、0.04〜4.0μmである請求項1又は2に記載のハニカム成形体用端面処理装置。
  4. 前記平板を前記セル封止ハニカム成形体に押し当てる際の加重が、9.8〜49Nである請求項1〜のいずれかに記載のハニカム成形体用端面処理装置。
  5. 前記平板が2枚配設され、
    前記第一の平板移動機構により、前記平板のそれぞれを移動させて、前記セル封止ハニカム成形体の両端面のそれぞれに前記平板を押し当てるように構成されている請求項1〜のいずれかに記載のハニカム成形体用端面処理装置。
  6. 多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設されたハニカム成形体の前記セルのいずれか一方の端部に封止材ペーストを充填することによりセル封止ハニカム成形体とした後、前記セル封止ハニカム成形体の端面をハニカム成形体用端面処理装置により平坦化するハニカム成形体の封止方法であって、
    前記ハニカム成形体用端面処理装置は、前記セル封止ハニカム成形体の端面と平行に対向するように配設された平板と、前記端面と平行に対向した状態を維持しながら前記平板を移動させる第一の平板移動機構とを備えており、
    前記第一の平板移動機構により前記平板を移動させて、前記セル封止ハニカム成形体の端面に押し当てるように構成されており、
    前記ハニカム成形体用端面処理装置は、前記セル封止ハニカム成形体の端面に押し当てた状態の前記平板を、同一平面内で移動させる第二の平板移動機構を備えていることを特徴とするハニカム成形体の封止方法。
  7. 前記ハニカム成形体用端面処理装置は、前記平板の前記セル封止ハニカム成形体に押し当てられる面に付着した付着物を除去する付着物除去機構を備えている請求項に記載のハニカム成形体の封止方法。
  8. 前記平板の前記セル封止ハニカム成形体に押し当てられる面の表面粗さRaが、0.04〜4.0μmである請求項6又は7に記載のハニカム成形体の封止方法。
  9. 前記平板を前記セル封止ハニカム成形体に押し当てる際の加重が、9.8〜49Nである請求項のいずれかに記載のハニカム成形体の封止方法。
  10. 平坦化された前記セル封止ハニカム成形体の端面において、前記セル壁の端部を含んでなる平面と、前記平面に対して封止材ペーストの最も突出した部分又は最も凹んだ部分との間の最短距離が、1mm以下である請求項のいずれかに記載のハニカム成形体の封止方法。
  11. 前記ハニカム成形体用端面処理装置は、前記平板が2枚配設されており、
    前記第一の平板移動機構により、前記平板のそれぞれを移動させて、前記セル封止ハニカム成形体の両端面のそれぞれに前記平板を押し当てるように構成されている請求項10のいずれかに記載のハニカム成形体の封止方法。
  12. セラミック原料を押出成形することで、多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設された柱状のハニカム成形体を作製した後、前記ハニカム成形体のセルのいずれか一方の端部を封止材ペーストにより封止することによりセル封止ハニカム成形体を作製し、さらに、このセル封止ハニカム成形体の端面をハニカム成形体用端面処理装置により平坦化し、その後、前記セル封止ハニカム成形体を焼成したセル封止ハニカム焼成体からなるハニカム構造体を製造するハニカム構造体の製造方法であって、
    前記ハニカム成形体用端面処理装置は、前記セル封止ハニカム成形体の端面と平行に対向するように配設された平板と、前記端面と平行に対向した状態を維持しながら前記平板を移動させる第一の平板移動機構とを備えており、
    前記第一の平板移動機構により前記平板を移動させて、前記セル封止ハニカム成形体の端面に押し当てるように構成されており、
    前記ハニカム成形体用端面処理装置は、前記セル封止ハニカム成形体の端面に押し当てた状態の前記平板を、同一平面内で移動させる第二の平板移動機構を備えていることを特徴とするハニカム構造体の製造方法。
  13. 前記ハニカム成形体用端面処理装置は、前記平板の前記セル封止ハニカム成形体に押し当てられる面に付着した付着物を除去する付着物除去機構を備えている請求項12に記載のハニカム構造体の製造方法。
  14. 前記平板の前記セル封止ハニカム成形体に押し当てられる面の表面粗さRaが、0.04〜4.0μmである請求項12又は13に記載のハニカム構造体の製造方法。
  15. 前記平板を前記セル封止ハニカム成形体に押し当てる際の加重が、9.8〜49Nである請求項1214のいずれかに記載のハニカム構造体の製造方法。
  16. 平坦化された前記セル封止ハニカム成形体の端面において、前記セル壁の端部を含んでなる平面と、前記平面に対して封止材ペーストの最も突出した部分又は最も凹んだ部分との間の最短距離が、1mm以下である請求項1215のいずれかに記載のハニカム構造体の製造方法。
  17. 前記セル封止ハニカム焼成体の端面において、前記セル壁の端部を含んでなる平面と、前記平面に対して封止材ペーストの最も突出した部分又は最も凹んだ部分との間の最短距離が、1mm以下である請求項1216のいずれかに記載のハニカム構造体の製造方法。
  18. 前記ハニカム成形体用端面処理装置は、前記平板が2枚配設されており、
    前記第一の平板移動機構により、前記平板のそれぞれを移動させて、前記セル封止ハニカム成形体の両端面のそれぞれに前記平板を押し当てるように構成されている請求項1217のいずれかに記載のハニカム構造体の製造方法。
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