JP5051516B2 - 雨量計測装置 - Google Patents

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Description

本発明は、雨量計測装置及び計測装置用データ演算記憶装置に関するものである。
量は、気象災害・水災害・土砂災害などを防ぐために、必要なパラメータである。また雨量は、数年規模またはそれ以上の長い時間スケールでの気候変動研究や予報・監視にも重要なパラメータとなっている。そのため、太平洋やインド洋、大西洋に展開されている日本及び米国による海洋観測ブイにも標準で搭載されている。このよう雨量の計測には、光学式雨量計や静電容量式雨量計等の種々の雨量計が使用されている。例えば、特開2006−214805号公報には、既存の雨量計の中でも消費電力が少ない静電容量式雨量計が示されている。この公報に記載された雨量計の制御システムでは、定期的(1時間毎)に雨量を測定している。しかしこの公報には、特に電源としてどのような電源を使用するかについては記載されていない。
特開2006−214805号公報
例えば、消費電力が少ない静電容量式雨量計を用いるとしても、海洋観測ブイのように頻繁に点検・保守をすることができない場所に設置される雨量計測装置では、電源として電池を使用することになる。この電池は、他の計測機器の電源としても使用される場合が多く、電池の寿命をできるだけ延ばすことができるように雨量計を構成することが必要とされている。しかしながら電池の寿命を延ばすために、上記公報に示されるように1時間毎に計測を行うのでは、計測精度が低くなる問題が生じる。また貯水槽を有する雨量計では、貯水槽が満水状態になると、貯水槽の排水が行われるが、計測周期を長くしすぎると、計測前に貯水槽の排水が行われてしまい計測精度が下がることになる。そのため計測周期を長くすることもできない問題がある。
本発明の目的は、計測精度を大幅に低下させることなく、消費電力を少なくして電池の寿命を延ばすことができる雨量計測装置及び消費電力の節約に寄与できる計測装置用データ演算記憶装置を提供することにある。
本発明の雨量計測装置は、測定用貯水槽に溜まっている水量に比例する信号を出力し且つ測定用貯水槽が満水になると排水動作をする雨量計と、信号を所定の時間間隔でサンプリングし、測定用貯水槽内の水量を求めるために必要な所定の演算処理を行ってその演算結果をデータとしてメモリに記憶するデータ演算記憶装置と、電池を電源として少なくとも雨量計及びデータ演算記憶装置に駆動電力を供給する電源装置とを備えている。データ演算記憶装置は、データ一時記憶手段と、データ演算手段と、水量判定手段と、タイマ手段と、サンプリング周期変更手段とを備えている。データ一時記憶手段は、雨量計が出力した信号を所定の検出周期で検出して一時記憶手段に記憶する。この一時記憶手段への信号の記憶は、アナログでもまたデジタルでもよい。このような一時記憶手段としては、バッファメモリを用いることができる。ここで検出周期は、必要最小限の時間として定められる。この検出周期が短くなると、検出回数が増えて電力の消費量が増える。しかしこの検出周期を長くすると、計測精度が落ちることになる。そこでこの両方の問題を勘案して、検出周期を定めることになる。いずれにしても検出周期は、後述する第2のサンプリング周期以下の値に定められる。データ一時記憶手段を設ける目的は、できるだけ少ない消費電力を用いて雨量計の出力を計測して一時的に記憶しておき、データ演算手段の動作回数を少なくするためである。
データ演算手段は、信号の検出周期以上の長さを有するサンプリング周期で一時記憶手段に記憶されているデータを受け取って、このデータを用いて測定用貯水槽内の水量を求める所定の演算処理を行い且つ演算結果をメモリに記憶させる。演算処理の内容は、データの用途に応じて任意に定めることができる。例えば、前回演算した水量と今回演算した水量の差分を求め、この差分を演算結果としてメモリに記憶させてもよく、またこの差分を積分して測定用貯水槽内の水量を求めて、水量自体を演算結果としてメモリに記憶するようにしてもよい。前述の差分を求める演算を行えば、単位時間当たりの雨量を求めることができ、しかも長期間雨が降らない場合に、雨量計から貯水が蒸発した場合の影響を受けることがないという利点が得られる。すなわち差分が0かマイナスの値になる場合には、雨が降っていないと直ちに判定することが可能になる。演算を行ったり、演算結果をメモリに記憶させる動作は、意外に電力を消費する。そこで、本発明では、後に説明するように、測定精度を上げる必要がない時期には、できるだけデータ演算手段の動作回数を減らし、測定精度を上げる必要がある時期だけ、データ演算手段の動作回数を増やすように、サンプリング周期を変更する。
水量判定手段は、メモリの記憶データに基づいて、測定用貯水槽内の水量が予め定めた上限閾値以上であること、または貯水槽内の水量が予め定めた下限閾値以下であることを判定する。メモリ内に測定用貯水槽内の水量が演算結果として記憶されている場合には、水量判定手段は、予め定めた上限閾値及び下限閾値と、水量との比較を行う。もしメモリ内に差分だけが記憶されている場合には、過去の差分に基づいて測定用貯水槽内の水量を求め、この水量と予め定めた上限閾値及び下限閾値との比較を行う。
タイマ手段は、測定用貯水槽内の水量が上限閾値以上になったことを水量判定手段が判定したとき及びサンプリング周期変更手段が出力する開始指令が入力されたときに、時限のカウントを開始する。そしてタイマ手段は、予め定めた時限のカウントを完了すると時限完了信号を出力する。タイマ手段の時限は、任意に定めることができる。この時限は、例えば、雨量計測装置を設置する地域の過去の降雨履歴のデータ等に基づいて、その地域における標準的な降水量を定め、この標準的な降水量が続いたときに、上限閾値を越えた水量が満水状態に至るのに要する時間を定め、この時間以上にタイマ手段の時限を設定する。そしてタイマ手段の時限は、水量が上限閾値をえた後に、比較的すぐに雨が止んだり、降水量が極端に少なくなった場合のように、測定精度を高く維持しておく必要がなくなった場合に、サンプリング周期を長くして、電池の消耗を少なくするように定められる。ちなみ日本近海上において雨量計測装置を用いる場合の実証試験によると、標準的に設定されるタイマ手段の時限は、30分から3時間の間の時間である。
サンプリング周期変更手段は、前述のように、測定精度が低くてもよい期間にはサンプリング周期を長くし、測定精度を高くする必要がある期間にはサンプリング周期を短くするという基本思想の下で、サンプリング周期を変更する。そこでサンプリング周期変更手段は、2つの変更モードに従ってサンプリング周期を変更する。第1の変更モードは、測定用貯水槽内の水量が上限閾値に達するまでは、サンプリング周期を第1のサンプリング周期と定め、測定用貯水槽内の水量が上限閾値以上になったことを水量判定手段が判定すると(測定精度を高くする必要がある期間に入ったことを検出すると)、サンプリング周期を第1のサンプリング周期よりも短い第2のサンプリング周期に変更し、その後タイマ手段が時限完了信号を出力する前までに水量判定手段が測定用貯水槽内の水量が下限閾値以下になったことを判定すると(測定精度を高くする必要がある期間を脱したことを検出すると)、サンプリング周期を第2のサンプリング周期から第1のサンプリング周期に戻すことを内容とする。ここで上限閾値は、前述のタイマ手段の時限の長さと負の相関関係(一方が増えると他方が減る関係)にある。したがってタイマ手段の時限が長くなれば、上限閾値は小さくなり、タイマ手段の時限が短くなれば上限閾値は大きくなる。前述のように、タイマ手段の時限は、水量が上限閾値を越えた後に、降水が止まってしまったり、降水量が極端に少なくなってしまうと、長時間に亘って、第2のサンプリング周期を利用してサンプリングが行われることになって、電池の寿命が短くなるのを防止できるように設定する。タイマ手段の時限が終了した場合(測定精度を高くする必要がない期間に入っていることを検出した場合)は、後述する第2の変更モードで対処することになる。
前述の上限閾値は、例えば、雨量計測装置の設置地域の過去の降雨履歴等のデータ等とタイマ手段の時限を考慮して定めることになる。また下限閾値は、満水状態にある何も問題のない測定用貯水槽を排水する際の排水速度とサンプリング周期の変更に要する時間を考慮して、理想的には完全に排水が完了した時点で、サンプリング周期が変更できるように定めることになる。
また第1のサンプリング周期は、雨量計測装置の設置領域における過去の降雨履歴等のデータに基づいて、年間の降水量が多い地域においては、この周期は短く定められ、年間の降水量が少ない地域においては、この周期は長く定められる。ちなみに日本の近海であれば、第1のサンプリング周期は8分から20分の間の値に設定すれば、貯水槽が空の状態から1回目のサンプリングが完了するまでの間に水量が上限閾値に達することはない。好ましくは標準的な降水量を想定した場合に、貯水槽が空の状態から水量が上限閾値に達するために、2回以上のサンプリングが行われるように、第1のサンプリング周期を定める。また第2のサンプリング周期は、例えば、標準的な降水量を想定した場合に、水量が上限閾値に達した後に、少なくとも1回以上のサンプリングが行えるように定めるのが好ましい。上記条件を満たすのであれば、第1のサンプリング周期を任意に変更可能とし、第2のサンプリング周期も任意に変更可能としてもよい。ちなみに第2のサンプリング周期を、第1のサンプリング周期の1/10以下(45秒〜2分程度)の長さにすれば、海上のどのエリアで計測を行っても、大きな問題が生じることがないことが実証試験により確認されている。
この第1の変更モードを採用すると、次のような作用が得られる。まず測定用貯水槽内の水量が上限閾値より少ない場合には、サンプリング周期が長い第1のサンプリング周期を用いることにより、電池の消耗を少なくすることができる。そして水量が上限閾値をえると、サンプリング周期が短い第2のサンプリング周期を用いることにより、ある程度密度の高い計測を行って、排水が開始される前後のデータを確実に計測できるようになる。しかしながら水量が上限閾値をえた後に、雨が止んだ場合や、降水量が極端に少なくなると、何時間もまた何日も水量が満水状態になることはない。そこで第2の変更モードが必要となる。
第2の変更モードでは、第1の変更モードの途中において、サンプリング周期が第1のサンプリング周期から第2のサンプリング周期に変更された後に、タイマ手段が時限のカウントを完了して時限完了信号が入力されると、第1の変更モードを中断して、サンプリング周期を第2のサンプリング周期よりも長く且つ第1のサンプリング周期以下の第3のサンプリング周期に変更する。そしてその後に雨量計が出力する信号が変化すると、サンプリング周期を第3のサンプリング周期から第2のサンプリング周期に変更し且つ開始指令をタイマ手段に出力した後に、第1の変更モードの中断を解除する。すなわち第2の変更モードでは、水量が上限閾値以上になった後、満水に達する前に、雨が止んだ場合や、極端に降水量が少なくなった場合に、サンプリング周期の短い第2のサンプリング周期から第2のサンプリング周期よりもサンプリング周期の長い第3のサンプリング周期に変更をする。これによって電池の消耗を抑えることが可能になる。なお第3のサンプリング周期を第1のサンプリング周期よりも長くすると、第1のサンプリング周期を設定した意味がなくなるため、第3のサンプリング周期は第1のサンプリング周期以下にする。なお第3のサンプリング周期を第1のサンプリング周期と一致させてもよいのは勿論である。
サンプリング周期を第3のサンプリング周期にした後に、再度雨が降り出すかまたは降水量が多くなると、雨量計の出力に変化が生じる。そこでこの出力の変化があると、第2の変更モードでは、再度計測精度を高めるためにサンプリング周期を第2のサンプリング周期に戻し、第1の変更モードを再開する。当然のことながら、再度第2のサンプリング周期にサンプリング周期を戻した後に、再度雨が止んだり、降水量が極端に少なくなった場合には、第1の変更モードから第2の変更モードへと変わることになる。
このように本発明によれば、雨量計からの出力を一時的にデータ一時記憶手段に記憶しておき、データ演算手段がデータ一時記憶手段に記憶されている雨量計の出力データを取りに行くサンプリング周期を変更する。具体的には、測定用貯水槽内の水量がまだ満水状態に近づいていない時期で計測精度を高くする必要がない期間、または水量が満水状態に近付いたが水量が殆ど増えることがないために、高い計測精度を維持する必要がなくなっている期間においては、サンプリング周期を長くし、水量が満水に近づいて計測精度を高くする必要がある状態にあるときには、サンプリング周期を短くしている。その結果、本発明によれば、比較的電力消費が大きくなるデータ演算手段の動作を、可能な範囲で少なくして、電池の消耗を抑制することができる。しかしながら測定用貯水槽の中にゴミやチリが入った場合には、徐々に排水時間が長くなり、水量がなかなか減らなくなる。そして最悪の場合には、排水路が完全に詰まって、排水ができなくなる。排水時間が長くなっても、測定データの利用価値がある場合もある。また排水ができない状態で計測を続けることは、無駄に電池の電力を消耗することになる。そこでこのような事態に対処するためには、データ演算記憶装置に、次のような別のタイマ手段を追加するのが好ましい。すなわちこののタイマ手段は、測定用貯水槽が満水になって雨量計が貯水槽内の水の排水を開始すると、時限のカウントを開始し、時限のカウントの完了前に水量判定手段が測定用貯水槽内の水量が下限閾値以下になったことを判定すると、時限のカウントを停止してリセットされるものである。そしてこののタイマは、時限のカウントを完了すると、少なくとも雨量計及びデータ演算記憶装置への駆動電力の供給の停止を電源装置に指令する電力供給停止指令として使用される時限完了信号を出力する。なおのタイマ手段の時限は、正常な雨量計において満水状態の測定用貯水槽を完全に空の状態にするのに要する時間よりも長く設定する必要がある。排水速度が落ちたとしても得られる計測結果が利用可能であれば、のタイマ手段の時限を長くしてでも、データを利用すべきである。しかしのタイマ手段の時限を長くすると、第2のサンプリング周期が使用される期間が長くなって、電池の消耗は早くなる。そこでこれらを勘案して、のタイマ手段の時限を設定する必要がある。
なお演算結果を記憶するメモリを、着脱自在のメモリにすると、計測データを回収する際に、メモリの交換をすればよいため、作業が容易になる利点が得られる。計測データを回収しに行くことなく、データを通信により送信できるようにしてもよいのは勿論である。その場合には、データ演算記憶装置のメモリに記憶されたデータを送信するデータ送信装置を、雨量計測装置に備えればよい。この場合にも、データ演算記憶装置には、前述ののタイマ手段を設けることが好ましい。そしてのタイマ手段を、時限のカウントを完了すると少なくとも雨量計、データ演算記憶装置及びデータ送信装置への駆動電力の供給の停止を電源装置に指令する電力供給停止指令として使用される時限完了信号を出力するように構成するのが好ましい。
なお水量判定手段は、上限閾値及び下限閾値の設定変更が可能に構成されているのが好ましい。またタイマ手段及び別のタイマ手段は、それぞれの時限の変更が可能に構成されているのが好ましい。このようにすれば、雨量計測装置の設置地域に適した上限閾値及び下限閾値の設定並びに時限の設定をすることにより、電池の消耗を抑制して、計測精度を高くすることができる。
また電源装置は、データ一時記憶手段には常時駆動電力を供給するが、データ一時記憶手段を除くデータ演算記憶装置のその他の手段には、動作時のみ駆動電力を供給するように構成されているのが好ましい。このようにすると消費電力を更に少なくすることができて、電池の寿命をさらに延ばすことができる。
現段階においては、雨量計として、静電容量式雨量計を用いると、雨量計自体での消費電力を最も少なくすることができる。
なお本発明の雨量計測装置で用いているデータ演算記憶装置は、他の計測装置においても利用が可能である。このデータ演算記憶装置は、計測装置の出力を所定の時間間隔でサンプリングし、所定の演算処理を行ってその演算結果をデータとしてメモリに記憶する計測装置用データ演算記憶装置である。そして出力を所定の検出周期で検出して一時記憶手段に記憶するデータ一時記憶手段と、検出周期以上の長さを有するサンプリング周期で一時記憶手段に記憶されているデータを受け取り、該データを用いて演算処理を行って演算結果をメモリに記憶させるデータ演算手段とを備えている。前述のように、このような構成を採用すると、サンプリング周期を適宜に設定することにより、メモリへの記憶のために必要とされる消費電力を抑制することができる。
本発明によれば、雨量計からの出力を一時的にデータ一時記憶手段に記憶しておき、測定用貯水槽内の水量がまだ満水状態に近づいていない時期で計測精度を高くする必要がない期間、または水量が満水状態に近付いたが水量が殆ど増えないために、高い計測精度を維持する必要がなくっている期間においては、データ演算手段におけるサンプリング周期を長くし、水量が満水に近づいて計測精度を高くする必要がある状態にあるときには、データ演算手段におけるサンプリング周期を短くしているので、比較的電力消費が大きくなるデータ演算手段の動作を少なくして、計測精度を低下させることなく、電池の消耗を抑制することができる利点が得られる。
また本発明によれば、雨量計が排水不十分のために使用できなくなった場合には、電源からの駆動電力の供給を停止するので、これによっても電池の消耗を抑制することができる。
以下図面を参照して本発明の雨量計測装置の実施の形態の一例を詳細に説明する。図1は、雨量計として静電容量式雨量計を用いた雨量計測装置に本発明を適用した実施の形態の主要システムの構成を示すブロック図である。図2は、図1の雨量計測装置のデータ演算記憶装置2の主要部を、コンピュータを用いて実現する場合に用いるプログラムのアルゴリズムの一例を示すフローチャートである。以下図1のブロック図の構成を説明し、併せて図2のフローチャートを説明する。図1において、符号1で示したものは市販の公知の静電容量式雨量計である。静電容量式雨量計1の計測の概念は、図3に示すとおりである。この静電容量雨量計は、測定用貯水槽11内に溜まった雨水の水量に応じて貯水槽11内の静電容量が変わることを利用して水量に比例した出力電圧(信号)を出力するように構成されている。そして貯水槽11内が満水状態になると、図示しない排水機構を通して、貯水槽11内の雨水は自動的に排水され、再度雨水の貯水を開始するようになっている。排水が開始されたことは、出力電圧の変化からも検出できる。しかし、この例の静電容量式雨量計1では、排水が開始されたことを示す信号を外部に出力するように雨量計が構成されている。このような機能を有する静電容量式雨量計として、本実施の形態では、米国のR.M.Young Companyが「Model 50202および50203」の名称で販売する静電容量式雨量計を用いた。なおこのような機能を有しない静電容量式雨量計の場合には、静電容量式雨量計の出力電圧の変動から排水の開始を検出するか、または排水路に水の流れを検出するセンサを設けて排水の開始を検出する構造等を付加すればよい。
本実施の形態の雨量計測装置は、大きく分けて、データ演算記憶装置2と、外部機器にデータを送信する通信機能を備えたデータ送信装置3と、電池を電源として少なくとも静電容量式雨量計1、データ演算記憶装置2及びデータ送信装置3に駆動電力を供給する電源装置4とを備えている。データ演算記憶装置2は、静電容量式雨量計1からの出力電圧を所定の時間間隔でサンプリングし、測定用貯水槽11内の水量を求めるために必要な所定の演算処理を行ってその演算結果をデータとしてメモリ23に記憶する。具体的に、データ演算記憶装置2は、データ一時記憶手段21と、データ演算手段22と、メモリ23と、水量判定手段24と、第1のタイマ手段25と、サンプリング周期変更手段26と、第2のタイマ手段(のタイマ手段)27とを備えている。
データ一時記憶手段21は、静電容量式雨量計1が出力した電圧信号を所定の検出周期(サンプリング周期)で検出して内部に備えた一時記憶手段に記憶する。この一時記憶手段に記憶されているデータは、後述するデータ演算手段22がこのデータを取得(サンプリング)すると、一時記憶手段から消える。したがってこの一時記憶手段は、大きな記憶容量を必要としないので、データの書き込みの際に電力消費が少ない周知のバッファメモリを用いることができる。なお電圧信号の記憶は、アナログでもまたデジタルでもよい。ここで検出周期は、必要最小限の時間として定められている。本実施の形態では、この検出周期を1分としている。なおこの検出周期が短くなると、検出回数が増えることになるため消費電力が増えて、電池の寿命が短くなる。しかしこの検出周期を長くし過ぎると、計測精度が落ちることになる。そこで本実施に形態では、この両方の問題を勘案して、検出周期を1分と定めた。なおこの検出周期は、後述する第2のサンプリング周期以下の値に定められることになる。
データ演算手段22は、データ一時記憶手段21における静電容量式雨量計1の出力電圧の検出周期以上の長さを有するサンプリング周期でデータ一時記憶手段21に記憶されているデータを受け取る。そしてデータ演算手段22は、このデータを用いて測定用貯水槽11内の水量を求める所定の演算処理を行い且つ演算結果をメモリ23に記憶させる。この例のデータ演算手段22は、前回演算した水量と今回演算した水量の差分を求め、この差分を演算結果としてメモリ23の一部に記憶させている。またデータ演算手段22は、この差分を積分して測定用貯水槽11内の水量を求めて、水量自体を演算結果としてメモリ23に記憶している。本実施の形態では、このメモリ23として着脱可能で持ち運び可能なメモリを用いている。本実施の形態のように、差分を求める演算を行えば、単位時間当たりの雨量データを求めることができる。また差分の積分値も、長期間雨が降らない場合に、雨量計から貯水が蒸発した場合の影響を受けることがないという利点が得られる。データ演算手段22で演算を行い、演算結果をメモリ23に記憶させる動作は、意外に電力を消費する。そこで、本実施の形態では、後に詳しく説明するように、測定精度を上げる必要がない時期には、できるだけデータ演算手段22の動作回数を減らし、測定精度を上げる必要がある時期だけ、データ演算手段22の動作回数を増やすように、サンプリング周期を変更する。詳しいサンプリング周期の定め方については後に説明する。
水量判定手段24は、メモリ23の記憶データに基づいて、測定用貯水槽11内の水量が予め定めた上限閾値以上か否か、または貯水槽11内の水量が予め定めた下限閾値以下であるか否かを判定する。本実施の形態では、メモリ23内に測定用貯水槽11内の水量が演算結果として記憶されているので、水量判定手段24は、予め定めた上限閾値及び下限閾値と、測定用貯水槽11内の水量との比較を行う。なお上限閾値及び下限閾値の定め方は、サンプリング周期変更手段26の構成を説明する際に詳しく説明する。
第1のタイマ手段25は、測定用貯水槽11内の水量が上限閾値以上になったことを水量判定手段24が判定したとき及びサンプリング周期変更手段26が出力する後述する開始指令が入力されたときに、時限のカウントを開始する。第1のタイマ手段25は、予め定めた時限のカウントを完了すると時限完了信号をサンプリング周期変更手段26に出力する。第1のタイマ手段25の時限は、次のようにして定めることができる。例えば、雨量計測装置を設置する地域の過去の降雨履歴のデータ等に基づいて、その地域における標準的な降水量を定める。次に、この標準的な降水量が続いたときに、前述の上限閾値を越えた水量が満水状態に至るのに要する時間を定める。時限がこの時間以上になるように設定する。そして第1のタイマ手段25の時限の上限は、次のように定めるのが好ましい。すなわち水量が上限閾値をえた後に、比較的すぐに雨が止んだ場合や、降水量が極端に少なくなった場合のように、測定精度を高く維持しておく必要がなくなった場合には、サンプリング周期を長くすれば、電池の消耗を少なくできる。そこで第1のタイマ手段25の上限は、これを実現できるように定めるのが好ましい。本実施の形態では、図2のステップST4に示すように、「2時間」の時限を第1のタイマ手段25の時限として設定してある。この時限は、過去の実測実績により決定した。なおこの実証実験からは、標準的に設定可能な第1のタイマ手段25の時限は、30分から3時間(任意に変更可能)の間の時間であることが確認されている。
サンプリング周期変更手段26は、前述のように、測定精度が低くてもよい期間にはデータ一時記憶手段21に一時的に記憶されている静電容量式雨量計1の出力電圧のサンプリング周期を長くする。そして測定精度を高くする必要がある期間には、サンプリング周期を短くするようにサンプリング周期を変更する。具体的には、このサンプリング周期変更手段26は、2つの変更モードに従ってサンプリング周期を変更する。サンプリング周期変更手段26が使用する第1の変更モードでは、図2のステップST2において、測定用貯水槽11内の水量が上限閾値に達するまでは、サンプリング周期を第1のサンプリング周期と定める。本実施の形態では、図2のステップST1に示すように、第1のサンプリング周期として10分を設定している。そして測定用貯水槽内11の水量が上限閾値以上になったことを水量判定手段24が判定すると(測定精度を高くする必要がある期間に入ったことを検出すると)、サンプリング周期を第1のサンプリング周期よりも短い第2のサンプリング周期に変更する。本実施の形態では、図2のステップST3に示すように、第2のサンプリング周期として1分を設定している。その後第1のタイマ手段25が時限完了信号を出力する前までに、水量判定手段24が測定用貯水槽11内の水量が下限閾値以下になったことを判定すると(測定精度を高くする必要がある期間を脱したことを検出すると)、サンプリング周期を第2のサンプリング周期(1分)から第1のサンプリング周期(10分)に戻す(図2のステップST6及びステップST1参照)。すなわち測定用貯水層11が満水となって、静電容量式雨量計1において排水が自動的に開始されると(図2のステップST5)、測定用貯水層11内の水量が減少し始める。特に、排水路に異常がなければ、本実施の形態で用いる静電容量式雨量計1では、1分以内に排水を完了する。本実施の形態では、この排水の間もデータ演算手段22によるサンプリングは行われる。
ここで水量判定手段24(図2のステップST2)で判定する上限閾値は、前述の第1のタイマ手段25の時限の長さと負の相関関係(一方が増えると他方が減る関係)にある。したがって第1のタイマ手段25の時限が長くなれば、上限閾値は小さくなり、第1のタイマ手段25の時限が短くなれば上限閾値は大きくなる。そして水量が上限閾値を越えた後に、雨が止んでしまった場合や、降水量が極端に少なくなってしまった場合には、長時間に亘って第2のサンプリング周期(この例では1分)を利用してサンプリングが行われる。この状態を継続すると、サンプリング回数が多くなって、電池の寿命が短くなる。そこで計測精度を大幅に下げずに、しかも電池の寿命が短くなるのを防止できるように、第1のタイマ手段25の時限は設定されることになる。本実施の形態では、第1のタイマ手段25の時限を2時間に設定している(図2のステップST3)。第1のタイマ手段25の時限が終了した場合は、雨が止んだか、降水量が極端に少なくなっているため、後述する第2の変更モードで対処する。
前述の上限閾値は、例えば、雨量計測装置の設置地域の過去の降雨履歴等のデータに基づいて、また第1のタイマ手段25の時限を考慮して定める。また下限閾値は、満水状態にある何も問題のない測定用貯水槽11を排水する際の排水速度とサンプリング周期の変更に要する時間を考慮して、理想的には完全に排水が完了した時点で、サンプリング周期が変更できるように定めることになる。ちなみに本実施の形態では、測定用貯水槽11の容量が500mlであり、上限閾値を450mlと定め、下限閾値を100mlと定めている。
また第1のサンプリング周期は、雨量計測装置の設置領域における過去の降雨履歴等のデータに基づいて定めることができる。例えば、年間の降水量が多い地域においては、第1のサンプリング周期は短く定められ、年間の降水量が少ない地域においては、第1のサンプリング周期は長く定められる。ちなみに日本の近海であれば、第1のサンプリング周期は8分から20分の間の値に設定すれば、貯水槽11が空の状態から1回目のサンプリングが完了するまでの間に水量が上限閾値に達することはない。好ましくは標準的な降水量を想定した場合に、貯水槽11が空の状態から水量が上限閾値に達するために、2回以上のサンプリングが行われるように、第1のサンプリング周期を定める。また第2のサンプリング周期は、例えば、標準的な降水量を想定した場合に、水量が上限閾値に達した後に、少なくとも1回以上のサンプリングが行えるように定めるのが好ましい。ちなみに第2のサンプリング周期を、第1のサンプリング周期の1/10以下(45秒〜2分程度)の長さにすれば、世界中のどの海域で雨量の計測を行っても、大きな問題が生じることがないことが過去の計測結果により確認されている。
前述のように、第1の変更モードを採用するだけでは、水量が上限閾値をえた後に、雨が止んだり、降水量が極端に少なくなると、何時間もまた何日も水量が満水状態になることはない。そこで本実施の形態では、第2の変更モードを備えている。第2の変更モードでは、第1の変更モードの途中において、サンプリング周期が第1のサンプリング周期から第2のサンプリング周期に変更された後に(図2のステップST3に入った後に)、第1のタイマ手段25が時限のカウントを完了して時限完了信号が入力されたとき(図2のステップST4で判定がYesとなったとき)に使用される。第2の変更モードが使用されると、サンプリング周期変更手段26は、まず第1の変更モードを中断して、サンプリング周期を第2のサンプリング周期よりも長く且つ第1のサンプリング周期以下の第3のサンプリング周期に変更する(図2のステップST41)。そしてその後に静電容量式雨量計1が出力する電圧信号が変化したこと(電圧が上昇したこと)が検出されると(図2のステップST42)、サンプリング周期変更手段26はサンプリング周期を第3のサンプリング周期から第2のサンプリング周期に変更する。この変更と一緒に、サンプリング周期変更手段26は、開始指令を第1のタイマ手段25に出力した後に、第1の変更モードの中断を解除する。すなわち第2の変更モードでは、水量が上限閾値以上になった後、満水に達する前に、雨が止んだ場合や、極端に降水量が少なくなった場合に、サンプリング周期の短い第2のサンプリング周期から第2のサンプリング周期よりもサンプリング周期の長い第3のサンプリング周期にサンプリング周期を変更する。これによって電池の消耗を抑えることが可能になる。なお第3のサンプリング周期を第1のサンプリング周期よりも長くすると、第1のサンプリング周期を設定した意味がなくなるため、第3のサンプリング周期は第1のサンプリング周期以下にする。なお本実施の形態では、図2のステップST41に示すように、第3のサンプリング周期を第1のサンプリング周期と一致させている。すなわち第3のサンプリング周期を10分に設定している。なおステップST41に示した「バックグランド電圧監視(1分周期)」とは、この期間においても図1のデータ一時記憶手段21には、ステップST1における場合と同様に、1分の検出周期で、静電容量式雨量計1から出力される電圧信号が取り込まれていることを示している。したがって第3のサンプリング周期(10分)で、データ演算手段22が演算をするときには、10分以内にデータ一時記憶手段21に記憶された10回分の電圧信号が、同時にデータ演算手段22に取り込まれることになる。なお「バックグランド電圧監視(1分周期)」では、電源装置4は電力消費を抑えるために、電圧の計測及び一時記憶に必要な部分以外の回路構成への電力の給電を停止している。ハードウエアレベルで言えば、アナログポートおよびCPU以外への給電を遮断し、消費電力を抑えた状態で監視している。データ演算手段22への給電を停止すると(ハードウエアレベルで言えば、メモリのためのドライブ回路やメモリへの給電をカットすると)、通常計測時の1/3以下の消費電力とすることができる。
サンプリング周期を第3のサンプリング周期にした後に、再度雨が降り出すかまたは降水量が多くなると、静電容量式雨量計1の出力に変化が生じる。そこでこの出力の変化があると、第2の変更モードでは、再度計測精度を高めるためにサンプリング周期を第2のサンプリング周期に戻し、第1の変更モードを再開する。当然のことながら、再度第2のサンプリング周期にサンプリング周期を戻した後に、再度雨が止んだり、降水量が極端に少なくなった場合には、第1の変更モードから再度第2の変更モードへと変わることになる。
上記のように、本実施の形態では、静電容量式雨量計1からの出力を一時的にデータ一時記憶手段21に記憶しておき、データ演算手段22がデータ一時記憶手段21に記憶されている静電容量式雨量計1の出力データを取りに行くサンプリング周期をサンプリング周期変更手段26が変更する。サンプリング周期変更手段26は、測定用貯水槽11内の水量がまだ満水状態に近づいていない時期で計測精度を高くする必要がない期間、または水量が満水状態に近付いたが水量が殆ど増えないために、高い計測精度を維持する必要が無くっている期間においては、サンプリング周期を長くする。そしてサンプリング周期変更手段26は、水量が満水に近づいて計測精度を高くする必要がある状態にあるときには、サンプリング周期を短くする。その結果、比較的電力消費が大きくなるデータ演算手段22の動作を、可能な範囲で少なくして、電池の消耗を抑制することができる。
しかしながら測定用貯水槽11の中にゴミやチリが入った場合には、徐々に排水時間が長くなり、水量がなかなか減らなくなる。そして最悪の場合には、排水路が完全に詰まって、排水ができなくなる。排水時間が長くなっても、測定データの利用価値がある場合もある。また排水ができない状態で測定を続けることは、無駄に電池の電力を消耗することになる。そこでこのような事態に対処するために、本実施の形態では、データ演算記憶装置2に、第2のタイマ手段(別のタイマ手段)27を設けている。第2のタイマ手段27は、測定用貯水槽11が満水になって静電容量式雨量計1が貯水槽11内の水の排水を開始すると、時限のカウントを開始し、時限のカウントの完了前に水量判定手段24が測定用貯水槽11内の水量が下限閾値以下になったことを判定すると、時限のカウントを停止してリセットされるものである。そして第2のタイマ手段27は、時限のカウントを完了すると、少なくとも静電容量式雨量計1、データ演算記憶装置2及びデータ送信装置3への駆動電力の供給の停止を電源装置4に指令する電力供給停止指令として使用される時限完了信号を出力する(図2のステップST7及びST8)。なお第2のタイマ手段27の時限は、正常な雨量計において満水状態の測定用貯水槽を完全に空の状態にするのに要する時間よりも長く設定する必要がある。排水速度が落ちたとしても得られる計測結果が利用可能であれば、第2のタイマ手段27の時限を長くしてでも、データを利用すべきである。しかし第2のタイマ手段27の時限を長くすると、第2のサンプリング周期が使用される期間が長くなって、電池の消耗は早くなる。そこでこれらを勘案して、本実施の形態では、第2のタイマ手段27の時限として1時間(図2のステップST7参照)を設定している。
なお本実施の形態では、水量判定手段24では、上限閾値及び下限閾値の設定変更が可能に構成されている。また第1のタイマ手段25及び第2のタイマ手段27は、それぞれの時限の変更が可能に構成されている。そのため本実施の形態によれば、雨量計測装置の設置地域に適した上限閾値及び下限閾値の設定並びに時限の設定をすることにより、電池の消耗を抑制して、計測精度を高くすることができる。
なお本実施の形態のように静電容量式雨量計1を用いた雨量計測装置について実験をしたところ、光学式雨量計を用いる場合と比べて、消費電力は約50%削減できることが確認できた。また降雨時のみ計測間隔を密にする(計測間隔を自動で切換える)ことで、同じ静電容量式雨量計を使用した場合には、消費電力を約70%削減できることが確認できた。
また静電容量式雨量計を用いると、計測精度の向上と省電力化の両立が可能になる。このことは、これまで計測ができなかった場所で、容易に高精度な計測を行うことができる事を意味する。また、海洋観測ブイなどのようなリアルタイム通信が可能な信号処理装置とデジタル通信を行える機能をデータ送信装置3に持たせれば、海上や陸上などのアクセスが困難地域においても、通信機能を利用することで、リアルタイムでデータの受信が可能になる。
なお電源装置4は、データ一時記憶手段21には常時駆動電力を供給するが、データ一時記憶手段21を除くデータ演算記憶装置2のその他の手段には、動作時のみ駆動電力を供給するように構成すれば、データ演算記憶装置2の消費電力を更に少なくすることができる。
図4は、図1の実施の形態を具体的に実現する場合におけるハードウエアの機能の構成例を示している。図4に示すように、一枚の雨量計用A/D基板20の上に、全ての機能を実現するための部品を実装する。信号処理は、コンピュータ(マイクロプロセッサ)により実現され、入力信号はA/D変換器によりデジタル信号に変更されて、信号処理される。このように1枚の基板20に雨量計測装置の機能を一元化することで、コンパクトに雨量観測装置を構築することが可能になる。また図5は、図4のハードウエアにおいて信号処理をコンピュータ(マイクロプロセッサ)を利用して実施する場合のソフトウエアのアルゴリズムの一例を示している。
なお図4のように構成した場合には、外部制御による場合には、任意のプロトコル制御により、静電容量式雨量計1へ電力を供給することになる。また静電容量式雨量計1から出力される信号を受信し、信号処理では、基板20内部で受信した信号を計算する(雨量計の検出結果から導き出した検定曲線に従い計算する)。そして計算結果をメモリし、計算結果をPCもしくはトライトンブイ信号処理システムに伝送することになる。また自動計測による場合には、任意の設定により、静電容量式雨量計1へ電力を供給する。そして静電容量式雨量計1から出力される信号を受信し、基板20内部で受信した信号を計算し、計算結果をメモリする。必要に応じて計算結果をPCもしくはトライトンブイ信号処理システムに伝送することも可能とする。
また図5のアルゴリズムに従って計測を行う場合には、静電容量式雨量計1の規定容量(500ml)に達する前に、450mlを上限閾値(UL1)とすると、水量Vが450mlまで溜まった時点で、フラッグ(Flag)1を立てる。そしてフラッグ1を認識し、内部処理の方で自動的に検出信号を1分間隔でメモリする。次に水量が規定容量に達し、排水が始まり、完了する直前の水量Vが100mlの下限閾値(UL2)になると、フラッグを1→0にする。この時点で、メモリを10分周期に戻す。
この際のフラッグ監視周期は外部からプロトコルによらず、自動的に監視周期1秒で行う。上限閾値をえ、1分計測(任意の設定)が開始されたが、排水が開始されるまでに降雨が停止した場合、降雨が再開され排水開始されるまでに数日かかる場合も考えられる。図2のフローチャートと同様に、電池およびメモリの消耗を防止するために、この状態が2時間以上継続した場合には、計測観測を10分間隔に戻す機能を付加してもよいのは勿論である。
なお計算処理の過程において、演算係数を、使用者により設定可能にすれば、雨量計が持つ器差をなくし、観測精度を大幅に向上させることができる。
本実施の形態で用いているデータ演算記憶装置2は、雨量計以外に、風向風速計、短波放射計、大気圧計、温湿度計にも装備ができる。図6は、データ演算記憶装置2を自動計測の用途に汎用化した場合に用いるソフトウエアのアルゴリズムの一例を示している。このアルゴリズムでは、一時記憶手段としてバッファ回路を採用すること、そしてメモリとしてSDカードにデータを保存することとしている。なお使用するソフトウエアのアルゴリズムは、図6の例に限定されるものではない。
雨量計として静電容量式雨量計を用いた雨量計測装置に本発明を適用した実施の形態の主要システムの構成を示すブロック図である。 図1の雨量計測装置のデータ演算記憶装置の主要部を、コンピュータを用いて実現する場合に用いるプログラムのアルゴリズムの一例を示すフローチャートである。 静電容量式雨量計の計測の概念を説明するために用いる図である。 図1の実施の形態を具体的に実現する場合におけるハードウエアの機能の構成例を示す図である。 図4のハードウエアにおいて信号処理をコンピュータを利用して実施する場合のソフトウエアのアルゴリズムのフローチャートである。 データ演算記憶装置を自動計測の用途に汎用化した場合に用いるソフトウエアのアルゴリズムの一例を示すフローチャートである。
1 静電容量式雨量計
2 データ演算記憶装置
3 データ送信装置
4 電源装置
21 データ一時記憶手段
22 データ演算手段
23 メモリ
24 水量判定手段
25 第1のタイマ手段
26 サンプリング周期変更手段
27 第2のタイマ手段(のタイマ手段)

Claims (12)

  1. 測定用貯水槽に溜まっている水量に比例する信号を出力し且つ前記測定用貯水槽が満水になると排水動作をする雨量計と、
    前記信号を所定の時間間隔でサンプリングし、前記測定用貯水槽内の水量を求めるために必要な演算処理を行ってその演算結果をデータとしてメモリに記憶するデータ演算記憶装置と、
    電池を電源として少なくとも前記雨量計及び前記データ演算記憶装置に駆動電力を供給する電源装置とを備え、
    前記データ演算記憶装置は、前記信号を所定の検出周期で検出して一時記憶手段に記憶するデータ一時記憶手段と、
    前記検出周期以上の長さを有するサンプリング周期で前記一時記憶手段に記憶されているデータを受け取って、該データを用いて前記演算処理を行い且つ演算結果を前記メモリに記憶させるデータ演算手段と、
    前記メモリの記憶データに基づいて、前記測定用貯水槽内の水量が予め定めた上限閾値以上であることまたは前記貯水槽内の水量が予め定めた下限閾値以下であることを判定する水量判定手段と、
    前記測定用貯水槽内の水量が前記上限閾値以上になったことを前記水量判定手段が判定したとき及び開始指令が入力されたときに、時限のカウントを開始し、予め定めた時限のカウントを完了すると時限完了信号を出力するタイマ手段と、
    2つの変更モードに従って前記サンプリング周期を変更するサンプリング周期変更手段とを備え、
    前記サンプリング周期変更手段の前記2つの変更モードが、
    前記測定用貯水槽内の水量が前記上限閾値に達するまでは、前記サンプリング周期を第1のサンプリング周期と定め、前記測定用貯水槽内の水量が前記上限閾値以上になったことを前記水量判定手段が判定すると、前記サンプリング周期を前記第1のサンプリング周期よりも短い第2のサンプリング周期に変更し、その後前記タイマ手段が前記時限完了信号を出力する前までに前記水量判定手段が前記測定用貯水槽内の水量が前記下限閾値以下になったことを判定すると、前記サンプリング周期を前記第2のサンプリング周期から前記第1のサンプリング周期に戻す第1の変更モードと、
    前記第1の変更モードの途中において、前記サンプリング周期が前記第1のサンプリング周期から前記第2のサンプリング周期に変更された後に、前記時限完了信号が入力されると、前記第1の変更モードを中断して、前記サンプリング周期を前記第2のサンプリング周期よりも長く前記第1のサンプリング周期以下の第3のサンプリング周期に変更し、その後に前記雨量計が出力する前記信号が変化すると、前記サンプリング周期を前記第2のサンプリング周期に変更し且つ前記開始指令を前記タイマ手段に出力した後に、前記第1の変更モードの中断を解除する第2の変更モードとからなることを特徴とする雨量計測装置。
  2. 前記データ演算記憶装置は、前記測定用貯水槽が満水になって前記雨量計が前記貯水槽内の水の排水を開始すると時限のカウントを開始し、前記時限のカウントの完了前に前記水量判定手段が前記測定用貯水槽内の水量が前記下限閾値以下になったことを判定すると時限のカウントを停止してリセットされ、前記時限のカウントを完了すると少なくとも前記雨量計及び前記データ演算記憶装置への駆動電力の供給の停止を前記電源装置に指令する電力供給停止指令として使用される時限完了信号を出力する別のタイマ手段を更に備えており、
    正常な前記雨量計において満水状態の前記測定用貯水槽を完全に空の状態にするのに要する時間よりも前記別のタイマの前記時限が長いことを特徴とする請求項1に記載の雨量計測装置。
  3. 前記電源装置は、前記データ一時記憶手段には常時駆動電力を供給するが、前記データ一時記憶手段を除く前記データ演算記憶装置のその他の手段には、動作時のみ駆動電力を供給するように構成されている請求項1に記載の雨量計測装置。
  4. 前記データ演算記憶装置の前記メモリに記憶された前記データを送信するデータ送信装置を更に備え、
    前記データ演算記憶装置は、前記測定用貯水槽が満水になって前記雨量計が前記貯水槽内の水の排水を開始すると時限のカウントを開始し、前記時限のカウントの完了前に前記水量判定手段が前記測定用貯水槽内の水量が前記下限閾値以下になったことを判定すると時限のカウントを停止してリセットされ、前記時限のカウントを完了すると少なくとも前記雨量計、前記データ演算記憶装置及び前記データ送信装置への駆動電力の供給の停止を前記電源装置に指令する電力供給停止指令として使用される時限完了信号を出力する別のタイマ手段を更に備えており、
    正常な前記雨量計において満水状態の前記測定用貯水槽を完全に空の状態にするのに要する時間よりも前記別のタイマ手段の前記時限が長いことを特徴とする請求項1に記載の雨量計測装置。
  5. 前記第2の変更モードにおける前記第3のサンプリング周期の長さを前記第2のサンプリング周期と同じ長さにしたことを特徴とする請求項1に記載の雨量計測装置。
  6. 前記第2のサンプリング周期が、前記第1のサンプリング周期の1/10以下の長さである請求項1または5に記載の雨量計測装置。
  7. 前記第1のサンプリング周期は任意に変更可能であり、前記第2のサンプリング周期も任意に変更可能である請求項1に記載の雨量計測装置。
  8. 前記タイマ手段の前記時限は、雨量計測装置を設置する地域の標準的な降水量が続いたときに、前記上限閾値を越えた水量が満水状態に至るのに要する時間以上に定められていることを特徴とする請求項1に記載の雨量計測装置。
  9. 前記水量判定手段は、前記上限閾値及び前記下限閾値の設定変更が可能に構成されている請求項1または2に記載の雨量計測装置。
  10. 前記タイマ手段及び前記別のタイマ手段は、それぞれの時限の変更が可能に構成されている請求項2または4に記載の雨量計測装置。
  11. 前記データ演算手段は、前記データに基づいて前記測定用貯水槽内の水量を演算し、前回演算した水量と今回演算した水量の差分を前記演算結果として前記メモリに記憶させるように構成されている請求項1に記載の雨量計測装置。
  12. 前記雨量計が静電容量式雨量計である請求項1乃至11のいずれか1つに記載の雨量計測装置。
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