以下、本発明に係る情報記録方法及び装置について、図面を参照して詳細に説明する。
情報記録装置は、図1に示すように、この情報記録装置を使用するユーザからデータを入力されると共にユーザに対してデータを出力するユーザ入出力部1と、データの流れであるストリームの入出量を行うストリーム入出力部3と、記録媒体101に対してデータの記録/再生を行う記録再生部6を有している。
ユーザ入出力部1は、ユーザからのコマンド等の入力を受け付けると共に、この情報記録装置の状態等をユーザに伝えるためのいわゆるユーザインターフェースである。このユーザ入出力部は、例えば、入力手段であるキーボードから入力されたデータをシステムコントロール部に送り、システムコントロール部2から与えられるデータを出力手段である液晶パネル出力する。
ストリーム入出力部3は、システムコントロール部の制御の下に、この情報記録装置に入力されるストリームを受け取ってバッファに送り、また、バッファから与えられるストリームを出力する。このストリーム入出力部3が取り扱うデータは、例えばMPEG規格の符号化画像のビットストリームなどである。
記録再生部6は、ファイル管理部の制御の下に、記録媒体101に対して情報信号の記録/再生を行う。すなわち、バッファから送られるデータを記録媒体101に記録し、また、記録媒体101から読み出されたデータをバッファ4に送る。
ここで、記録媒体101としては、例えば光磁気ディスクを利用することができる。光磁気ディスクの記録媒体101に対しては、記録再生部6は、当該ディスクの信号記録面にヘッドにてデータを記録し、ピックアップにて上記信号記録面からデータを再生する。
また、情報記録装置は、記録再生部6を介して記録媒体101におけるファイルの管理を行うファイル管理部5と、ストリーム入出力部3及び記録再生部6との間で相互に送られるデータを一時的に記憶するバッファ4と、この情報記録装置の全体を制御するシステムコントロール部2とを有している。
ファイル管理部5は、システムコントロール部2の制御の下に、記録媒体101におけるファイルの構成を考慮して、記録媒体101に対してデータの適切な記録/再生が行われるように記録再生部6及びバッファ4を制御する。
また、ファイル管理部5は、記録媒体101において欠陥セクタが生じた場合に、データの種類に対応した欠陥セクタ処理が行われるように、当該欠陥セクタのファイルの種類を把握する。この欠陥セクタの処理については後述する。
バッファ4は、システムコントロール部2及びファイル管理部5の制御の下に、ストリーム入出力部3及び記録再生部6との間で相互に送られるデータを一時的に記憶する。バッファ4におけるデータの一時的な記憶のためには、例えば先入れ先出しの記憶手段であるFIFO(First In First Out)が用いられる。
システムコントロール部2は、情報記録装置の全体を制御する制御手段である。具体的には、システムコントロール部2は、ユーザ入力部2、ストリーム入出力部3、バッファ4、ファイル管理部5を制御して、記録媒体101に対するデータの記録/再生を統括する。
また、システムコントロール部2は、記録媒体101に生じた欠陥セクタを管理する一連の手順を実行する。システムコントロール部2の実行する欠陥セクタの管理については後述する。
続いて、情報記録装置における欠陥セクタの処理について説明する。この情報記録装置によって記録媒体に記録される情報は、以下の3つのグループに分けられている。
すなわち、情報記録装置における情報は、ファイル管理システムがファイルの管理に使用する情報についての第1のグループ、オーディオ、ビデオのストリームデータファイルについての第2のグループ、ストリームの内容を解説する情報や、再生の順番等を格納したファイルについての第3のグループに分けられている。
これらグループ分けは、情報記録装置のシステムコントロール部の指示によりファイル管理部におけるファイル管理システムによって行われる。
上記グループは、重要度が異なっている。すなわち、ファイル管理に関わる第1のグループの重要度が最も高く、ストリームの内容の解説等に関する第3のグループがこれに続き、ストリームファイルを収める第2のグループの情報の重要度は最も低い。このような重要度の相違に従い、欠陥セクタの管理方法もそれぞれ異なっている。
ファイル管理システムがファイルの管理に使用する情報についての第1のグループは、重要度が高いために、情報を確実に記録することが必要である。このために、欠陥セクタの管理方法として、以下のようなことを行っている。
すなわち、情報記録装置は、記録媒体への書き込み後、読み出しを行い、正しく書き込みが行われたことを確認する。
また、情報記録装置は、記録媒体への書き込み時、または書き込み後の読み出し時にエラーを検出した場合には、今後は別のセクタを使用する。エラーを検出した後にどこのセクタを使うかはファイル管理システムが管理する。ファイル管理システムが決定した欠陥セクタの替わりに使うセクタの情報は、記録媒体に第1のグループの情報として書き込まれる。
さらに、情報記録装置は、記録媒体の異なるセクタ2箇所以上に同じデータを書き込む。このような重ね書きは、ごみ、傷、成長する欠陥など、書き込み後、時間が経過してから検出される欠陥セクタに対応するものである。
読み出し時に欠陥セクタを検出した場合には、別の場所に書き込まれた等価な情報を読み出し、ファイル管理システムが決定する新たな場所に書き込む。そして、今後はその新たなセクタを使用する。この場合も新しいセクタの位置の情報は第1のグループの情報として書き込まれる。
オーディオ、ビデオのストリームデータファイルについての第2のグループの情報は、所定時間内にデータの書き込みを行う必要があるために、読み出しを行って正しく書き込みが行われたかどうかの確認をすることができない。
そこで、ファイルを構成するアロケーションエクステント(allocation extent;AE)を単位に次のようなステータスを用意し、欠陥セクタ管理を行う。
01 ファイルの一部として使用中
11 ファイルの一部として使用中、欠陥セクタを含む
00 未使用、利用可
10 未使用、欠陥セクタを含むため利用不可
情報記録装置が、記録媒体への書き込み時に欠陥セクタを見つけた場合には、欠陥セクタが発見されたセクタを一つのアロケーションエクステントとし、そのステータスを10とする。
これ以降は、記録媒体へのデータの記録は、アロケーションエクステントのステータスが“10”とされ、欠陥セクタであるために利用不可であることを表示された当該セクタを避けて行われる。
このように、欠陥セクタに対応してアロケーションエクステントのステータスを10とする場合には、データは欠陥セクタを飛ばして連続的に配置する。この結果、欠陥セクタの存在により記録領域が減り、概に使用されている領域と重なる場合が出てくるが、その場合にはそのデータの記録は次のアロケーションエクステントに回せばよい。
このような処理は、欠陥セクタ管理システムが配置されるデータの内容を解釈できてはじめて可能となる。この方式では事前の記録媒体の欠陥検査なしにスリッピング方式と等しいパフォーマンスを得ることが可能である。
情報記録装置が、記録媒体への書き込み時に欠陥セクタを見つけた場合には、単に、欠陥が見つけられたセクタを含むアロケーションエクステントのステータスを“11”とすることもできる。アロケーションエクステントのステータスを“11”とすることにより、当該セクタがファイルの一部として使用中であるが、欠陥セクタを含むことが示される。
このように欠陥セクタについてのアロケーションエクステントを“11”とする場合は、記録されるオーディオ、ビデオデータの品質があまり問題とされない用途に有効な方式である。
この場合次回の書き込み時にこの部分を回避して使用することが出来るので、次回以降は欠陥セクタが使われることはなくなる。いわば記録データによって媒体の検査を行っているのと同じことになる。
情報記録装置が記録媒体への読み出し時に欠陥セクタを見つけた場合には、発見された欠陥セクタを含むアロケーションエクステントのステータスを“11”とする。アロケーションエクステントを“11”とすることにより、当該セクタがファイルの一部として使用中であるが、欠陥セクタを含むことが示される。
情報記録装置が、記録媒体からファイルの削除を行う場合には、ステータス01のアロケーションエクステントは、ステータス00として領域を解放する。すなわち、ファイルの一部として使用中であることを示すステータスは、未使用であり利用可を示すステータスに変更する。
また、ステータス11のアロケーションエクステントは、欠陥セクタを一つのアロケーションエクステントとし、そのステータスを10とする。すなわち、ファイルの一部として使用中であるが欠陥セクタを含むことを表示するステータスについては、そのセクタを未使用であるが欠陥セクタを含むために使用不可である一つのアロケーションエクステントのステータスに変更する。そして、その他の領域を開放する。
ストリームの内容を解説する情報や、再生の順番等を格納したファイルについての第3のグループは、次のような欠陥セクタ処理が行われる。
この第3のグループの情報は、第2のグループの情報と異なり、所定時間内に書き込みを行わなければならないという制限はなく、記録媒体の取り出しや装置の停止までの間に処理が完了していればよい。このため、第1のグループの欠陥セクタの処理方法と同様に行うことができる。
すなわち、情報記録装置の記録媒体に対する書き込み後、記録媒体からの読み出しを行い、記録媒体に正しく書き込みが行われたことを確認する。ここで、記録媒体への書き込み時、または記録媒体への書き込み後の読み出し時にエラーを検出した場合には今後は別のセクタを使用する。
ただし、この第3のグループの情報は上述の第1のグループの情報よりも重要度が低いため、多重書きは行わない。
次に、情報記録方法について説明する。この情報記録方法は、図2のフローチャートに示すように、一定量の情報信号に対応するセクタを単位として記録が行われるものであって、記録媒体に記録する情報信号を当該情報信号の内容によって2以上のグループに分類するステップS1と、ステップS1における情報信号のグループに応じて、上記記録媒体に対してグループ毎に異なる欠陥セクタ処理にて記録をするものである。
記録媒体に記録される情報信号は、ステップS1において、ファイルの管理に使用する情報についての第1のグループと、オーディオ、ビデオのストリームデータファイルについての第2のグループと、ストリームの内容を解説する情報や、再生の順番等を格納したファイルついての第3のグループとの3つのグループに分類される。
この3つのグループへの分類はデータの重要度に基づくものである。すなわち、第1のグループの重要度が最も高く、第3のグループの重要度がこれに続き、第2のグループの重要度が最も低い。
なお、第2のグループはストリームデータであるので、データが途切れないようにするためにはデータの転送レートを所定値以上に維持する必要がある。
ステップS2における記録媒体への情報信号の記録は、情報信号が上の3つのグループの内のどれに属するかによって異なるので、以下ではそれぞれの場合について説明する。なお、以下のフローチャートに示す一連の工程は呼び出しに応じて実行されるルーチンであり、一連の工程を終了すると復帰(return)する。
基本書き込みルーチンは、図3に示すように、記録媒体にデータを単に書き込むだけでベリファイをしないものである。
最初のステップS11においては、記録媒体に対する書き込みを実行する。これに続くステップS12においては、書き込みが正常に終了したか否かについて判断する。そして、正常に終了した場合には“YES”としてステップS13に進む、正常に終了しなかった場合には“NO”としてステップS14に進む。
ステップS13においては、“GOOD”を戻り値にセットして復帰する。ステップS14においては、“ERROR”を戻り値にセットして復帰する。
基本書き込み及びベリファイルーチンについて、図4を参照して説明する。この基本書き込み及びベリファイルーチンは、基本書き込みの後にベリファイを行ってデータを確認するものである。
最初のステップS21においては、図3に示した基本書き込みルーチンを実行する。これに続くステップS22においては、基本書き込みルーチンからの戻り値の如何によって分岐する。すなわち、戻り値について“GOOD”のときにはステップS23に進む、戻り値について“NO”の時にはステップS26に進む。
ステップS23においてベリファイを実行し、次のステップS24においては正常終了か否かによって分岐する。すなわち、正常に終了した場合には“YES”としてステップS25に進み、正常に終了しなかった場合には“NO”としてステップS26に進む。
ステップS25においては、“GOOD”を戻り値にセットして復帰する。ステップS26においては、“ERROR”を戻り値にセットして復帰する。
続いて、基本読み込みルーチンについて、図5を参照して説明する。基本読み込みルーチンは、記録媒体に記録されたデータを単に読み出すものである。
最初のステップS31においては、読み込みのルーチンを実行し、次のステップS32においては、正常に終了したか否かによって分岐する。すなわち、正常に終了したときにはステップS33に、正常に終了しなかったときにはステップS34に進む。
ステップS33においては、“GOOD”を戻り値にセットして復帰する。ステップS34においては、“ERROR”を戻り値にセットして復帰する。
続いて、ファイル管理情報書き込みルーチンについて、図6を参照して説明する。ファイル管理情報は重要度が高い第1のグループに属するので、このファイル管理情報書き込みルーチンはファイル管理情報を確実に記録するために、ファイル管理情報を多重書きする。
最初のステップS41においては指定された情報を書き込みアドレスを求め、ステップS42においては、図4に示した基本書き込み及びベリファイルーチンを実行する。
これに続くステップS43においては、戻り値の如何によって分岐する。すなわち、“GOOD”のときにはステップS46に進み、“ERROR”のときにはステップS45に進む。
ステップS46においては、“GOOD”を戻り値にセットし、これに続く過程においては、図中のAにて示したステップS41、S42、S43及びS46からなる一連の工程を多重書きの回数だけ繰り返す。そして、図中のAにて示した工程を多重書きの回数だけ繰り返した後に復帰する。
一方、ステップS45においては、指定された情報を書き込みアドレスを変更し、ステップS42に戻る。
続いて、ファイル管理情報読み込みルーチンについて、図7を参照して説明する。ファイル管理情報読み込み情報は、基本読み込みルーチンにてファイル管理情報が読み出せなかった場合には、図6に示したファイル管理情報書き込みルーチンにて多重書きされたファイル管理情報の内の他のファイル管理情報から読み出しを行う。
最初のステップS51においては、指定された情報の書き込まれたアドレスを求める。これに続くステップS52においては、図5に示した基本読み込みルーチンを実行し、さらに、ステップS54においては戻り値の如何によって分岐する。
すなわち、“GOOD”の場合にはステップS56に進み、“ERROR”の場合にはステップS55に進む。
ステップS56においては、“GOOD”を戻り値にセットして復帰する。
ステップS55においては、まだ試していない多重書きされたセクタがあるか否かによって分岐する。すなわち、まだ試していない多重書きされたセクタがある場合には“YES”としてステップS53に、そうでない場合には“NO”としてステップS57に進む。
ステップS53においては、試していない多重書きされたセクタアドレスをセットし、ステップS52に進む。
ステップS57においては、“ERROR”を戻り値にセットした後に復帰する。
続いて、ストリーム以外のファイル書き込みルーチンについて、図8を参照して説明する。このルーチンは、データを欠陥セクタをとばして連続的に配置するものである。
最初のステップS61においては、アロケーションエクステントを割当、アロケーションエクステント(allocation extent;AE)のアドレスと長さを求め、次のステップS62においては、図4に示した基本書き込み及びベリファイルーチンを実行する。なお、図中ではアロケーションエクステントをAEと表記する。以下も同様とする。
これに続くステップS63においては、戻り値の如何によって分岐する。すなわち、“GOOD”のときにはステップS65に進み、“ERROR”の場合にはステップS64に進む。
ステップS64においては、エラーの起こったセクタ、その前、後をそれぞれ別のアロケーションエクステントとし、エラーの起こったアロケーションエクステントのステータスを10とする。そして後のアロケーションエクステントを次に書き込むべき場所とした後、ステップS62に進む。
上述したように、アロケーションエクステントのステータスにおいて、“01”はファイルの一部として使用中であることを、“11”はファイルの一部として使用中であるが欠陥セクタを含むことを、“00”は未使用であって利用可であることを、“10”は未使用であるが欠陥セクタを含むために利用不可であることをそれぞれ表している。
ステップS65においては、すべてのデータを聞き込んだか否かによって分岐する。すなわち、すべてのデータを書き込んだときには“YES”としてステップS66に進み、すべてのデータを書き込んでいないときには“NO”としてステップS61に進む。
ステップS66においては、“GOOD”を戻り値にセットして復帰する。
続いて、ストリームデータファイル書き込みルーチンの第1の例について、図9を参照して説明する。
このストリームデータファイル書き込みルーチンの第1の例は、欠陥セクタをステータス11とするものであり、オーディオ、ビデオデータの品質が余り問題とされない用途に有効な方式である。この場合、次回の書き込み時にこの部分を回避して使用することができるので、次回以降は欠陥セクタが使われることがなくなる。いわば記録データによって媒体の検査を行っていることと同じことになる。
最初のステップS71においてはアロケーションエクステントを割り当て、アロケーションエクステントのアドレスと長さを求め、これに続くステップS72においては、図3に示した基本書き込みルーチンを実行し、さらにステップS73においては戻り値の如何によって分岐する。すなわち、“GOOD”のときにはステップS75に、“ERROR”のときにはステップS74に進む。
ステップS75においては、すべてのストリームデータを書き込んだか否かによって分岐する。すべてのストリームデータを書き込んだときには“YES”としてステップS76に、すべてのストリームデータを書き込んでいない場合には“NO”としてステップS71に戻る。
ステップS76においては、“GOOD”を戻り値にセットして復帰する。
続いて、ストリームファイル以外のファイルの読み込みルーチンを、図10を参照して説明する。
最初のステップS81においては、アロケーションエクステントのアドレスと長さを求め、次のステップS82においては、図5に示した基本読み込みルーチンを実行し、これに続くステップS83においては戻り値の如何によって分岐する。すなわち、“GOOD”のときにはステップS84に進み、“ERROR”のときにはステップS85に進む。
ステップS84においては、すべてのデータを読み込んだか否かによって分岐する。そして、すべてのデータを読み込んだときには“YES”としてステップS86にすすみ、すべてのデータを読み込んでいないときには“NO”としてステップS81に戻る。
ステップS86においては、“GOOD”を戻り値にセットして復帰する。
ステップS85においてはそのアロケーションエクステントのステータスを11とし、これに続くステップS87においては“ERROR”を戻り値にセットし復帰する。
続いて、ストリームデータファイル削除ルーチンを、図11を参照して説明する。
最初のステップS91においてはファイルを構成するアロケーションエクステントを求め、次のステップS92においてはアロケーションエクステントのステータスが01であるか否かによって分岐する。すなわち、アロケーションエクステントのステータスが01のときには“YES”としてステップS94に進み、アロケーションエクステントのステータスが01でないときには“NO”としてステップS93に進む。
ステップS93においてはアロケーションエクステントのステータスが11であるか否かによって分岐する。すなわち、アロケーションエクステントのステータスが11のときには“YES”としてステップS95に進み、アロケーションエクステントのステータスが11でないときには“NO”としてステップS96に進む。
ステップS94においては、そのアロケーションエクステントのステータスを00として領域を開放し、ステップS97に進む。
ステップS95においては、欠陥のあるセクタ、その前後をそれぞれ別のアロケーションエクステントとし、欠陥のあるアロケーションエクステントのステータスを10とする。前後のアロケーションエリアはステータスを00として領域を開放する。そして、ステップS97に進む。
ステップS96においては、“ERROR”を戻り値にセットして復帰する。
ステップS97においては、すべてのファイルを構成するアロケーションエクステントを処理したか否かによって分岐する。すなわち、すべてのアロケーションエクステントを処理したときには“YES”としてステップ98に進み、そうでないときには“NO”としてステップS91に戻る。
ステップS98においては、“GOOD”を戻り値にセットして復帰する。
続いて、ストリームデータファイル書き込みルーチンの第2の例について、図12を参照して説明する。このストリームデータファイル書き込みルーチンの第2の例は、欠陥を見つけそのステータスを10とする場合、データは該欠陥セクタを飛ばして連続的に配置するものである。
この第2の例により、欠陥セクタの存在により記憶領域が減り、既使用領域と重なる場合が出てくるが、その場合にはそのデータ記録は次のアロケーションエクステントに回せばよい。この処理は欠陥セクタ管理システムが配置されるデータの内容を解釈できて初めて可能となる。この方式では、事前の記録媒体の欠陥検査なしにスリッピング方式と等しいパフォーマンスを得ることが可能である。
最初のステップS101においては、アロケーションエクステントを割当、アロケーションエクステントのアドレスと長さをもとめ、次のステップS102においては、図3に示した基本書き込みルーチンを実行し、これに続くステップS103においては戻り値の如何によって分岐する。すなわち、“GOOD”のときにはステップS105にすすみ、“ERROR”のときにはステップS104に進む。
ステップS104においては、エラーの起こったセクタ、その前後をそれぞれ別のアロケーションエクステントとし、エラーの起こったアロケーションエクステントのステータスを10とする。そして、後ろのアロケーションエクステントを次に書き込むべき場所とする。
ステップS105においては、すべてのストリームデータを書き込んだか否かによって分岐する。すなわち、すべてのストリームデータを書き込んだときには“YES”としてステップS106に進み、すべてのストリームデータを書き込んでいないときには“NO”としてステップS101に進む。
ステップS106においては、“GOOD”を戻り値にセットして復帰する。
続いて、ストリームデータファイル読み込みルーチンを、図13を参照して説明する。
最初のステップS111においてはアロケーションエクステントのアドレスと長さを求め、次のステップS112においては、図5に示した基本読み込みルーチンを実行し、これに続くステップS113においては戻り値の如何によって分岐する。すなわち、このステップS113からは、“GOOD”のときにはステップS114に、“ERROR”のときにはステップS115に進む。
ステップS114においては、すべてのストリームデータを読み込んだか否かによって分岐する。すなわち、すべてのストリームデータを読み込んだときには“YES”としてステップS116に進み、すべてのストリームデータを読み込んでいないときには“NO”としてステップS111に進む。
一方、ステップS115においてはそのアロケーションエクステントのステータスを11とし、これに続くステップS117においては“ERROR”を戻り値にセットして復帰する。
ステップS116においては、“GOOD”を戻り値にセットして復帰する。
続いて、上述の第1のグループに属する管理情報の欠陥セクタ処理について具体的に説明する。
ファイル管理情報を記述するファイルシステムディスクリプタ(file systemdescriptor)には、図14に示すように、主管理情報領域であるメインMIAと、予備管理情報領域である予備MIAの開始論理セクタ番号がそれぞれ記録されている。MIAとは、管理情報領域(management information area;MIA)のことをいう。
また、ファイルシステムディスクリプタにはメインMIA、予備MIAそれぞれのMIAマップを構成するMIBのMIB番号が記録されており、この情報を使ってMIA中のMIAマップを取り出すことができる。
ここで、MIBとは、MIA内のセクタのことを意味する。MIAの先頭のMIBを0として、MIBに順に付けられた番号がMIB番号である。
このようなファイルシステムディスクリプタは、重要度が最も高い上述の第1のグループに属する。ファイルシステムディスクリプタは、情報を確実に記録するために、記録媒体上に多重書きされる。
続いて、MIAの構造について、図15を参照して説明する。
図15は、MIB番号とその内容との対応関係の一例を示している。すなわち、MIB番号0は欠陥セクタと、MIB番号1はMIAマップ(0)と、MIB番号2は欠陥セクタと、MIB番号3はファイルテーブル(0)と、MIB番号4はAEテーブル(0)と、MIB番号5はAEテーブル(1)と、MIB番号6はファイルテーブル(1)と、MIB番号7はMIAマップと、MIB番号8は欠陥セクタと、MIB番号9はファイルテーブル(2)と、MIB番号AはAEテーブル(2)に対応している。
続いて、MIAマップについて説明する。MIAマップは、MIAにおけるテーブル等の配置状態についての情報を保持するものである。
図16に示すMIAマップは、図15に示したMIAのMIB番号1のMIAマップ(0)及びMIB番号7のMIAマップ(1)から構成される。図中の4行4列の表は、MIAのロジカルセクタに順に対応している。すなわち、表の第1行第1列の要素はMIB番号0と、第1行第2列の要素はMIB番号1と、第1行第3列の要素はMIB番号2と、第1行第4列の要素はMIB番号3と、第2行第1列の要素はMIB番号4と、第2行第2列の要素はMIB番号5と、第2行第3列の要素はMIB番号6と、第2行第4列の要素はMIB番号7と、第3行第1列の要素はMIB番号8と、第3行第2列の要素はMIB番号9と、第3行第3列の要素はMIB番号Aと、第3行第4列の要素はMIB番号Bと、第4行第1列の要素はMIB番号Cと、それぞれ対応している。以下についても同様の対応関係である。
図16中において、“MIAマップ:1”は、MIAマップを構成する最初のMIBのMIB番号が1であることを示している。同様にして、“ファイルテーブル:3”はファイルテーブルを構成するMIBのMIB番号が3であることを、“AEテーブル:4”はAEテーブルを構成するMIB番号が4であることを示している。
すなわち、MIAマップを構成する最初のMIBのMIB番号1に対応する表の第1行第2列には、数7が表示されている。この数7は、MIAマップを構成する第2のMIBのMIB番号が7であることを示している。MIB番号7に対応する表の第2行第4列には、“FFFF”が表示されている。この“FFFF”は、当該MIBがMIAマップを構成する最後のMIBであることを示している。
また、ファイルテーブルを構成する最初のMIBのMIB番号3に対応する表の第1行第4列には、数6が表示されている。この数6は、ファイルテーブルを構成する第2のMIBのMIB番号が6であることを示している。MIB番号6に対応する表の第2行第3列には、数9が表示されている。この数9は、ファイルテーブルを構成する第3のMIBのMIB番号が9であることを示している。MIB番号9に対応する表の第3行第2列には、“FFFF”が表示されている。この“FFFF”は、当該MIBがファイルテーブルを構成する最後のMIBであることを示している。
さらに、AEテーブルを構成する最初のMIBのMIB番号4に対応する表の第2行第1列には、数5が表示されている。この数5は、AEテーブルを構成する第2のMIBのMIB番号が5に対応することを示している。MIB番号5に対応する表の第2行第2列には、数Aが表示されている。この数Aは、AEテーブルを構成する第3のMIBのMIB番号がAであることを示している。MIB番号Aに対応する表の第3行第3列には、“FFFF”が表示されている。この“FFFF”は、当該MIBAEテーブルを構成する最後のMIBであることを示している。
そして、MIAのMIB番号0、MIB番号2及びMIB番号8にそれぞれ対応する表の第1行第1列、第1行第3列及び第3行第1列には“FFF0”が表示されている。この“FFF0”は、欠陥セクタに対応している。
また、MIAのMIB番号B以降の未使用部分に対応する表の第3行第4列以降には、“FFF1”が表示されている。この“FFF1”は、当該セクタが未使用であることを示している。
上述したように、本発明に係る情報記録方法によると、記録する情報によって欠陥セクタ処理方法を変えることにより、用途に最も適した信頼性とコストを持つ記録媒体の使用が可能となる。
また、本発明に係る情報記録装置によると、記録する情報によって欠陥セクタ処理方法を変えることにより、用途に最も適した信頼性とコストを持つ記録媒体の使用が可能となる。