JP5050106B2 - 排便補助具 - Google Patents

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本願発明は、排便を容易にする排便補助具に関する。
精神的なストレスや生活習慣の乱れなどにより便秘に悩む人が数多く存在する。便秘は腹部の不快感はもちろんのこと、吐き気、肌荒れ、腰痛といった各種症状の原因となる。便秘の程度がひどい場合、大腸がんや直腸がん、腸閉塞といった病気の一因となることもある。
便秘に悩む人たちは漢方薬や整腸剤などを服用していた。また、漢方薬や整腸剤以外に、腹部に力を入れて排便しやすくするための足置き用台座(特許文献1)などが提案されている。
特開2006−346407号公報
前記漢方薬や整腸剤は、繰り返し使用すると効果が低下する場合がある。体質によっては摂取できないものもある。場合によっては副作用の弊害のおそれもある。前記特許文献1の足置き用の台座は、便座に座った状態で足を載せて使用するものであるため、台座が不用意に倒れるおそれがあり、その場合は身体のバランスを崩しやすく、場合によっては転倒して怪我をするおそれがある。
本願発明の解決課題は、便座に座った状態で手軽に使用でき、排便時に腹部に力を込めやすく、コンパクトで狭いトイレ内にも配置でき、安定性のある排便補助具を提供することにある。
本願発明の排便補助具は、便座に着座した状態で前かがみになって手で把持できるものであり、間隔をあけて配置された2本以上の縦支持材と、それら縦支持材の間に設けられた横バーを備え、縦支持材の上下両端に、トイレの床面(床面に設置した載せ台等を含む)に設置可能な設置部が設けられ、横バーは前記縦支持材の軸方向中央部よりも上下いずれか一方寄りの箇所に設けて、縦支持材の上下を逆さにすることにより、横バーの高さを変えることができるようにしたものである。
本願発明の排便補助具は、前記排便補助具において、縦支持材が3本以上あり、横バーがそれら縦支持材の間に設けられたものである。3本以上の縦支持材は間隔をあけて一列に又は三角形、四角形といった他の形状に配列することができる。縦支持材と横バーの双方又は一方をパイプにして、それらパイプ内に粒状体又は液体を出し入れできるようにして安定性を向上させることもできる。2本の縦支持材の間には、複数本の横バーを上下に間隔を開けて設けることもできる。
本願発明の排便補助具には、次のような効果がある。
(1)縦支持材と横バーのみから構成されるので、コンパクトで、構造も簡潔である。
(2)縦支持材の上下両端に設置部が設けられ、且つ横バーがそれら縦支持材の軸方向中央部よりも上下いずれか一方寄りの箇所に設けられているので、上下どちら向きでも安定して設置することができ、上下逆さにするだけで横バーの高さが異なる排便補助具として使用することができる。
(3)横バーは前記縦支持材の軸方向中央部よりも上下いずれか一方寄りの箇所に設けて、トイレの床面に立てる縦支持材の上下を逆さにすることにより、横バーの高さを変えることができるようにしてあるので、使用者の手の長さや体の大きさなどに応じて使い分けが可能である。
(4)縦支持材を3本以上にした場合、排便補助具が安定し倒れにくい。このため、使用時にバランスを崩したり、転倒したりして怪我をする心配も少ない。
(5)縦支持材又は/及び横バーをパイプとし、それらの内部に粒状体又は液体を出し入れできるようにした場合、安定性を向上させることができる。また、中身を空にすれば旅行や出張の際に携行することもできる。
(6)横バーを手で把持し、又は縦支持材の上端部に手を載せて使用するものであるため、足を載せて使用する特許文献1の足置き用の台座に比べてバランスを崩しにくい。このため、バランスを崩して転倒したり、怪我をしたりする心配も少ない。
(7)移動可能であるため、不使用時には邪魔にならないところにしまっておくことができる。
(8)2本の縦支持材の間に複数本の横バーを上下に間隔を開けて設けた場合、高さの異なる横バーを備えた排便補助具として使用することができるので、使用者の手の長さや体の大きさなどに応じて使い分けが可能である。
本願発明の排便補助具の一例を示すものであって、(a)は斜視図、(b)は正面図。 本願発明の排便補助具の使用方法の一例を示す参考説明図。 本願発明の排便補助具の使用方法の他例を示す参考説明図。 本願発明の他例を示すものであって、(a)は縦支持材を3本設けた場合の平面図、(b)は3本の縦支持材間に横バーを1本ずつ設けた場合の正面図、(c)は3本の縦支持材間に横バーを2本ずつ設けた場合の正面図。
(実施形態1)
本願発明の排便補助具の一例について、図面を参照しながら説明する。この実施形態の排便補助具1は便座に着座した状態で前かがみになって手で把持したり、手を添えて体重を支えたりすることができるものであり、2本の縦支持材2とそれら縦支持材2の間に設けられた1本の横バー3とから構成されるものである。縦支持材2はステンレス製(SUS304)の円柱パイプであり、図1に一例として示す縦支持材2は長さ180mm、直径50mmのものである。夫々の縦支持材2の両端面には円形状の閉塞蓋4が溶接で固定されている。閉塞蓋4は縦支持材2の両端面を閉塞できれば円形以外であってもよく、例えば、縦支持材2の上端部に手を載せた際に当該部分を握り易いよう(力を込めやすいよう)な形状にすることができる。縦支持材2は中実(棒状)のものを用いることもできる。閉塞蓋4で閉塞した上下両端はトイレの床に設置する際の設置部であり、その設置部のいずれか一方(任意の方)を下にして設置することができる。
2本の縦支持材2間に設けられた横バー3は、縦支持材2と同様のステンレス製の円柱パイプであり、平均的な体格の成人男性が両手で把持できる程度の長さと太さにしてある。図1に一例として示す横バー3は長さ355mm、直径250mmのものである。縦支持材2及び横バー3の長さや直径はこれ以外であってもよい。
図1(b)に示すように、横バー3は縦支持材2の長手方向の中央よりも上方寄りの箇所に取り付けられている。より具体的には、横バー3の取付け位置を基準として、それよりも上の部分と下の部分との比率が、1対2となる箇所(縦支持材2の上端面から60mmの所)に設けられた貫通孔(図示しない)に両端を15mmほど挿し込み、当該挿入部分を溶接することによって両縦支持材2に固定してある。前記取付け箇所は一例であり、これ以外の箇所に取り付けることもできる。溶接箇所に生じるスパッタはバフ掛けして除去しておくのが好ましい。
前記縦支持材2及び横バー3はステンレス製以外のものでもよく、例えば、木製、アルミ製、カーボン製、プラスチック製といった各種材質製とすることができる。
(実施形態2)
本願発明の排便補助具は、縦支持材2を3本以上とすることもできる。例えば、図4(a)に示すように、3本の縦支持材2を三角形の頂点部分に配置し、それら縦支持材2の間に2本の横バー3を溶接固定して平面視V字状の排便補助具1とすることができる。縦支持材2は横一列に配置してもよい。この場合も横バー3は縦支持材2の軸方向の中央部の上方寄り又は下方寄りの箇所に取り付けるのが好ましい。2本の横バー3は同じ高さに設けることもできるが、図4(b)に示すように、異なる高さに段差をもたせて設けることもできる。横バー3は、図4(c)に示すように、縦支持材2の間に高さを変えて複数本設けることもできる。
この実施形態では縦支持材2が3本の場合を一例として説明しているが、縦支持材2は4本以上であってもよく、この場合、縦支持材2を横一列に間隔を開けて配置することも、平面視四角形、五角形といった形状となるように配列することもできる。縦支持材2を3本とした場合と同様、横バー3は同じ高さに設けることも異なる高さのところに設けることもできる。
(実施形態3)
本願発明の排便補助具は、排便補助具1を構成する縦支持材2又は/及び横バー3を中空プラスチック製とし、内部に砂などの粒状体や水などの液体を入れられるようにすることもできる。この場合、縦支持材2及び横バー3の双方又はいずれか一方に、粒状体や液体を出し入れするための出し入れ口(図示しない)を設けることもできる。
(その他の実施形態)
本願発明の排便補助具1は、また、縦支持材2の両端部(設置部)には樹脂製の滑り止めラバー等を被せ又は取り付け、安定性を高めることもできる。縦支持材2を3本以上設ける場合、折りたたみ式とすることもできる。
(使用例1)
本願発明の排便補助具を使用する場合、例えば次のようにする。
(1)図2に示すように、便座に腰をかけて前かがみになった状態で手の届く位置に排便補助具1を設置する。図2では、横バー3が縦支持材2の長手方向の中央部よりも上方寄りに位置するように設置してある。
(2)設置した排便補助具1の横バー3を両手で把持し、その横バー3を下方に押し下げるようにして力を込める。このようにすることで、腹部に力が入り易くなり、排便が容易になる。
(使用例2)
本願発明の排便補助具は、上下逆さにして使用することもできる。
(1)使用例1と同様の要領で、排便補助具1をトイレの床に設置する。このとき、横バー3が縦支持材2の長手方向の中央部よりも下方寄りに位置するように設置する。
(2)設置した排便補助具1の横バー3を両手で把持し、その横バー3を下方に押し下げるようにして力を込める。このようにすると腹部に力が入り易くなり、排便が容易になる。
(使用例3)
本願発明の排便補助具は、次のように使用することもできる。
(1)使用例1又は使用例2と同様の要領で、排便補助具1をトイレの床に設置する。この場合、横バー3が縦支持材2の長手方向の中央部よりも上方寄りに位置するように設置してもいいし、下方寄りに位置するように設置してもよい。
(2)設置した排便補助具1の上方の設置部に手を載せ、その設置部を下方に押し下げるようにして力を込める。このようにすると腹部に力が入り易くなり、排便が容易になる。
1 排便補助具
2 縦支持材
3 横バー
4 閉塞蓋

Claims (4)

  1. 便座に着座した状態で前かがみになって手で把持することができ、又は手を添えて身体を支えることができる排便補助具であり、
    間隔をあけて配置された2本以上の縦支持材と、それら縦支持材の間に設けられた横バーを備え、
    前記縦支持材の上下両端に、トイレの床面に設置可能な設置部が設けられ、
    前記横バーは前記縦支持材の軸方向中央部よりも上下いずれか一方寄りの箇所に設けて、縦支持材の上下を逆さにすることにより、横バーの高さを変えることができる、
    ことを特徴とする排便補助具。
  2. 請求項1記載の排便補助具において、
    縦支持材が3本以上あり、横バーがそれら縦支持材の間に設けられた、
    ことを特徴とする排便補助具。
  3. 請求項1又は請求項2記載の排便補助具において、
    縦支持材と横バーの双方又は一方はパイプであり、それらパイプ内に粒状体又は液体を出し入れ可能である、
    ことを特徴とする排便補助具。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の排便補助具において、
    隣り合う縦支持材の間に2本以上の横バーが設けられ、
    それら横バーが縦支持材の高さ方向異なる箇所に設けられた、
    ことを特徴とする排便補助具。
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