JP5049589B2 - ストロンチウム塩含有の放出制御組成物 - Google Patents

ストロンチウム塩含有の放出制御組成物 Download PDF

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Description

発明の分野
この発明はストロンチウム塩からなる放出制御医薬組成物に関する。この発明は、また、軟骨および/または骨の代謝および/または構造一体性(structural integrity)に影響を及ぼす疾患および症状に罹患している男性の治療へのストロンチウム塩の使用に関する。また、この発明は、ストロンチウム含有化合物の、対象者の軟骨および/または骨症状の予防、および二次骨粗鬆症の治療および/または予防への使用に関する。
発明の背景
骨粗鬆症は、ヒトにおける代謝性骨疾患の最もよくある形態である。この症状は、全世界の非常に多数の人々を襲う症状で、高年令の人々の数が殆どの国々で次の10年間で劇的に上昇するので、骨粗鬆症の罹患率と影響も増加するであろう。この疾患は、病理学的に、骨塊量と骨の構造的品質の絶対的減少と、臨床的には骨折し易さの増大で特徴付けられる。事実、骨粗鬆症は、後期中年と老人の婦人で、骨格の骨折について最も有意な根本的な原因である。
一般に、骨粗鬆症には2つのタイプ、すなわち一次と二次がある。二次骨粗鬆症は、同一とみなしうる疾患過程、治療または治療剤の結果である。しかし、全骨粗鬆症の約90%は、特発性一次骨粗鬆症である。このような一次骨粗鬆症には、閉経後骨粗鬆症、年齢関連骨粗鬆症(70〜80年令の大部分の個体を襲う)と中年と若い男性と女性を襲う特発性骨粗鬆症がある。
骨粗鬆症における骨欠損の機序には、骨リモデリングの過程のアンバランスが含まれると思われる。骨リモデリングは、全生涯で起こり、骨格を再造形し、骨の強度を維持する。リモデリングは、破骨細胞と骨芽細胞と称せられた骨組織の特殊化細胞により仲介される。破骨細胞(骨溶解または吸収細胞)は、吸収過程中、骨マトリックス内の一部の骨の吸収を担う。吸収後、破骨細胞に続いて骨芽細胞(骨形成細胞)が出現し、これが新しい骨で吸収された部分を再充填する。
骨中で2つの細胞タイプの形成とそれらの活性は通常密に組合され、骨の骨格バランスと構造一体性を維持するためによく調節されている。しかし、骨粗鬆症のヒトでは、このリモデリングの過程の不均衡があり、骨の付着生長より速い速度での骨損失をまねく。
骨粗鬆症の単一で最も重要な危険因子は、月経閉止期に元来起こるエストロゲン欠乏である。内因性エストロゲン産生の減少が骨組織での代謝活性の上昇をまねき、ここで破骨細胞媒介の骨吸収での増大が骨の形成でのより適度な増加をしのぎ、骨の正味の損失となる。罹患したヒトの実数は、人口増加率より大きな割合で増加するであろう。これは、人口の老令化が人口の老人区分と不均衡に増大しつつあり、一方月経閉止の開始年令は一定のままであるからである。過去10年で、骨ミネラル密度(BMD)の測定法が改良され、骨吸収と形成の新しい特異的生化学マーカーが開発され、日常の臨床用に入手可能になったことから、骨粗鬆症を予測し、モニターする能力が実質的に進展もした。また骨粗鬆症の治療および/または予防用の新しい薬剤も開発された。これらの治療の大部分は、損失した内因性エストロゲンをホルモン代替治療(HRT)または選択性エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)の形態の何れかで置換することに基づいているか、または、ビスホスホナートと称せられた一群の化合物に属する。SERMとことにHRTは女性の対象者にしか投与できない。なぜならエストロゲンおよびエストロゲン様物質の男性への投与は望ましくないホルモンの影響と関連するからである。さらに、女性においても、SERMとことにHRTの使用は癌と心臓疾患の危険の増大のような顕著な副作用を伴う。これに対して、ビスホスホナートは強い抗吸収効果に加えて、類似の程度で骨形成も減少し、ほんの少ない治療年数の後に治療効果を損なうことを意味する。かくして、骨粗鬆症の治療および/または予防に効果的である剤の必要性がある。
発明の説明
この発明の第1の観点は、ストロンチウム(Sr)塩からなる経口用の放出制御医薬組成物に関する。組成物は、一日一回投与を意図される。この発明の特別の観点では、ストロンチウム塩は、室温で最大約200g/lの水溶性を有することで特徴付けられ、かつ特別の観点で、ストロンチウム塩は、生理学的条件下で比較的低い水溶性(すなわち、40℃で1g/l未満の溶解性)を有する。
この発明の第2の観点で、この発明は、ストロンチウム塩含有の医薬組成物に関し、その組成物は、対象者に一日一回、7日以上の期間投与後に、ピーク値に対する血漿濃度の較差(ピークと最下点との差)が約40%より少ない、例えば約35%未満、約30%未満、約25%未満、約20%未満、約15%未満または約10%未満であるべきようにSr塩を放出するのに適合されている。好ましい観点で、期間は7日である。
この発明の1つの具体例では、血漿濃度は、ほぼ650mgのイオン性ストロンチウムの1日投与量からなる医薬組成物を投与後に、約16.2±3mg/lから20.0±2.3mg/l Srまで変動してもよい。
この発明に関連して、放出制御医薬組成物は、活性物質(溶液中のストロンチウムイオン)を単純な錠剤に比較して改質されるように放出すべく設計された組成物を意味する。当業者は、放出が制御されるかどうかどのように判断するか知っているであろう。多くの他の用語は、例えば改質放出(modified release)、持続放出(sustained release)、遅延放出(delayed release)、搏動の放出(pulsatile release)、延長放出(prolonged release)などのような制御放出を意味するのに普通使用されている。全てのこれらの用語は、ここで使用されるような用語“制御放出(controlled release)”に含まれる。
Sr塩での治療は、投与の頻度を減少することによって有意に改善されるであろうことを意図される。第1に、不必要な副作用を減少もしくは最少にすることが可能であり、かつその上延長された期間中に一定か実質的に一定である血漿レベルを達成すること、すなわち、血漿濃度のピーク値と最低値の間の振幅の減少を導くことができる。従って、対象者は、治療期間中、持続治療効果(例えば、連続的抗骨粗鬆症効果)を有してより効果的治療を潜在的に有するであろう。
特定の組成物が、Sr塩の制御放出に関して適当な性質を有するかどうかを測定する適当なインビトロ方法は、欧州薬局方に記載のごときインビトロ溶解テストである。かくして、この発明による制御放出組成物は、インビトロの溶解テストでテストすると、次のように、Sr塩含有医薬組成物からストロンチウムイオンを放出する。
テストの最初の30分以内に、Srイオンの多くて約10w/w%が放出され、テストの最初の4時間以内に、Srイオンの多くて約70w/w%が放出され、テストの最初の14時間以内に、70w/w%またはそれ以上のSrイオンが放出される。
制御放出組成物は、Sr塩が放出を支配するマトリックス中に含まれる組成物でよい。
組成物は、またSr含有化合物の放出を支配する制御放出コーチング被覆されてもよい。
既知のストロンチウム塩のいくつか(例えば塩化ストロンチウム、水酸化ストロンチウム)は、非常に高い水溶性(すなわち、室温20〜25℃で水中で200g/lを超える)を有する。それらの水溶性に無関係に、このようなストロンチウム塩は、一日一回投与の制御放出組成物に組み入れることができる。しかし、この発明の特定の具体例では、ストロンチウム塩の水溶性は、室温(20〜25℃)で例えば多くて約150g/l、多くて約100g/l、多くて約75g/l、多くて約50g/l、多くて約25g/l、多くて約10g/l、多くて約5g/l、多くて約2.5g/l、または多くて約1g/lのような多くて約200g/lである。
例えば、多くて約1g/lの水溶性を有するストロンチウム塩(例えばストロンチウムシトレート、ストロンチウムカーボネート、ストロンチウムオキサレート、ストロンチウムサルフェートまたはストロンチウムハイドロゲンホスフェート)のような場合に、この発明者らは、ピーク濃度の出現を遅らすことが可能である、すなわち活性物質それ自体が医薬組成物の設計だけではなく制御放出に貢献することを示した。
その上、この発明は、Sr塩の量が、組成物が一日一回または二回の投与に適するように調節される組成物に関する。
上記したように、組成物は、一日一回、例えば就寝時の投与に適しうる。就寝時のSrのある量の投与が、朝に類似の量のSrの投与に比較して望ましいかを証するものとして、骨吸収が日中より夜中により高いことが知られている。ここでの実施例で示すように、多数のストロンチウム塩、すなわち、200g/lより少ない水溶性を有するもの(上記)が、例えば、高度に水溶性の塩化ストロンチウムに比較して、イオン性ストロンチウムのピーク濃度の遅延出現を有する。従って、このような塩は、ストロンチウム塩含有の制御放出医薬組成物を設計に使用へ適切であると考えられる。
ストロンチウムイオンの一日用量は、少なくとも約0.01g、例えば少なくとも約0.025g、少なくとも約0.050g、少なくとも約0.075g、少なくとも約0.1g、少なくとも約0.2g、少なくとも約0.3g、少なくとも約0.4g、少なくとも約0.5g、または約0.01g〜約2g、例えば約0.1g〜約2g、約0.1g〜約1g、約0.15g〜約0.5g、約0.3g〜約2gまたは約0.3g〜約1gである。
特別の具体例で、この発明は、また、遊離イオンのストロンチウムで定義して、一日、少なくとも0.5g、例えば少なくとも0.6g、少なくとも0.7g、少なくとも0.8g、少なくとも0.9g、少なくとも1.0g、少なくとも1.1g、少なくとも1.2g、少なくとも1.3g、少なくとも1.4g、少なくとも1.5g、少なくとも1.6g、少なくとも1.7g、少なくとも1.8g、少なくとも1.9gまたは少なくとも2.0gのSrからなる組成物に関する。
他の具体例では、この発明は、医薬賦形剤と同様にストロンチウム塩の量が、組成物を一日1回より少ない、例えば週に3回、週に2回または最も好ましくは週に1回の頻度でストロンチウム化合物の投与に適するように調整された医薬組成物にも関する。
さらに、本発明は、例えばヒトの女性または男性の成人、若者または子供のような哺乳動物における軟骨および/または骨代謝の異常となる軟骨および/または骨疾患および/または症状;例えば骨粗鬆症、骨関節症、大理石骨症、骨減少症とパジェット病、悪性病変の高カルシウム血症、歯周疾患、上皮小体機能亢進症、リウマチ関節炎における関節周囲浸食症、骨形成異常症、骨化性筋炎、ベクテリエフ疾患、悪性高カルシウム血症、骨転移疾患によって生じた溶骨性病変、骨転移疾患による骨痛、性ステロイドホルモン欠乏症による骨欠損、ステロイドホルモン処置による骨異常、癌治療による骨異常、骨軟化症、ベーチェット病、骨化過剰症、転移性骨疾患、固定誘因の骨減少症または骨粗鬆症、グルココルチコイド誘因の骨減少症または骨粗鬆症、骨粗鬆症偽膠腫症候群、特発性若年骨粗鬆症の治療および/または予防;外傷性と非外傷性骨折後の骨折治癒の改善、インプラントの安定性の改善、エネルギーレベルの維持または増大、筋肉組織の構築または増強、および体重増加の方法に関し、該方法は、少なくとも0.7 g Sr、例えば少なくとも0.8 g、少なくとも0.9 g、少なくとも1.0 g、少なくとも1.1 g、少なくとも1.2 g、少なくとも1.3 g、少なくとも1.4. g、少なくとも1.5 g、少なくとも1.6 g、少なくとも1.7 g、少なくとも1.8 g、少なくとも1.9 g、または少なくとも2.0 gを含有するSr塩の単回1日用量を投与することからなる。
ストロンチウム
各種のストロンチウム化合物が、正常細胞の生理学に要求されるものより高いレベルで存在するとき骨粗鬆症での骨損失を調節することが以前の研究で示されている。その効果は、前骨芽細胞複製へのストロンチウムの刺激効果と、ストロンチウムによる破骨細胞の直接またはマトリックス媒介阻害によるものと思われる(Reginster, JY, Curr pharm Des 2002:8(21):1907〜16)。換言すると、ストロンチウムは、抗吸収と同化剤として共に作用する。ストロンチウムの各種塩類が従来技術で知られ、例えば、EP-B0415850に記載のストロンチウムラネレート(2-[N,N-ジ(カルボキシメチル)アミノ]-3-シアノ-4-カルボキシメチルチオフェン-5-カルボン酸のジストロンチウム塩)がある。ラネル酸から誘導されたストロンチウム化合物のラネレート部分は、軟骨または骨症状に対し何らの治療効果を本質的に有するとはみられない。
原則として、何れのストロンチウム含有化合物も、安全であることを条件として、この発明による放出制御組成物に混合しうる。
次の有機または無機酸のストロンチウム塩は、上記の組成物中にあってもよい。塩は、水和物、無水物、溶媒化物、多形、無晶形、結晶形、微結晶形またはポリマー形であってもよい。この発明の1つの具体例では、Srの非放射性アイソトープのみが使用される。
ストロンチウム塩を作るための無機酸は、ホウ酸、亜臭素酸、炭酸、塩素酸、ピロ燐酸、ピロ硫酸(disulfuric acid)、ジチオン酸、亜チオン酸(dithionous acid)、雷酸、ヒドラゾ酸、臭化水素酸、塩化水素酸、弗化水素酸、沃化水素酸、硫化水素、次燐酸、次亜燐酸、沃素酸、亜沃素酸(iodous acid)、メタ硼酸、メタ燐酸、メタ亜燐酸、メタ珪酸、硝酸、亜硝酸、オルト燐酸、オルト亜燐酸、オルト珪酸、燐酸、ホスフィン酸、ホスホン酸、亜燐酸、ピロ亜燐酸、セレン酸、スルホン酸、硫酸、亜硫酸、チオシアン酸とチオ硫酸からなる群から選択できる。
有機酸は、酢酸、C2H5COOH、C3H7COOH、C4H9COOH、(COOH)2、CH2(COOH)2、C2H4(COOH)2、C3H6(COOH)2、C4H8(COOH)2、C5H10(COOH)2、フマル酸、マレイン酸、マロン酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、シュウ酸、アスコルビン酸、安息香酸、サリチル酸、フタル酸、炭酸、ギ酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、樟脳酸、グルコン酸、L-とD-グルタミン酸、ピルビン酸、L-とD-アスパラギン酸、トリフルオロ酢酸、ラネル酸(ranelic acid)、2,3,5,6-テトラブロム安息香酸、2,3,5,6-テトラクロロ安息香酸、2,3,6-トリブロム安息香酸、2,3,6-トリクロロ安息香酸、2,4-ジクロロ安息香酸、2,4-ジヒドロキシ安息香酸、2,6-ジニトロ安息香酸、3,4-ジメトキシ安息香酸、アビエチン酸、アセト酢酸、アセトンジカルボン酸、アコニット酸、アクリル酸、アジピン酸、α−ケトグルタール酸、アンスラニール酸、ベンジル酸、アラキジン酸、アゼライン酸、ベヘン酸、ベンゼンスルホン酸、β−ヒドロキシ酪酸、ブラシン酸、カプリン酸、クロロアクリル酸、桂皮酸、シトラコン酸、クロトン酸、シクロペンタン-1,2-ジカルボン酸、シクロペンタンカルボン酸、シスタチオニン、デカン酸、エルカ酸、エチレンジアミン四酢酸、フルビン酸(fulvic acid)、フマル酸、没食子酸、グルタコン酸、グルタール酸、グロン酸、グルコサミンサルフェート、ヘプタン酸、ヘキサン酸、フミン酸、ヒドロキシステアリン酸、イソフタール酸、イタコン酸、ランチオニン、ラウリン酸(ドデカン酸)、レブリン酸、リノール酸(シス,シス-9,12-オクタデカン酸)、リンゴ酸、m-クロロ安息香酸、メリシン酸、メサコン酸、メタアクリル酸、モノクロロ酢酸、ミリスチン酸(テトラドデカン酸)、ノナン酸、ノルバリン、オクタン酸、オレイン酸(シス-9-オクタデカン酸)、オルニチン、オキサロ酢酸、パルミチン酸(ヘキサデカン酸)、p-アミノ安息香酸、p-クロル安息香酸、ペトロゼリン酸(petroselic acid)、フェニル酢酸、p-ヒドロキシ安息香酸、ピメリン酸、プロピオル酸(propiolic acid)、プロピオン酸、p-tert-ブチル安息香酸、p-トルエンスルホン酸、ピルビン酸、ザルコシン、セバシン酸、ゼリン、ソルビン酸、ステアリン酸(オクタデカン酸)、スベリン酸、コハク酸、テレフタル酸、テトロン酸、スレオニン、L-スレオネート、スロニン、トリカルバル酸、トリクロロ酢酸、トリメリット酸、トリメシン酸、チロシン、ウルミン酸とシクロヘキサンカルボン酸からなる群より選択できる。
FDAが経口摂取用の組成物への使用に安全とみなした全ての酸が、この発明に使用できる。適する酸の例を次の表1に挙げる。
Figure 0005049589
Figure 0005049589
Figure 0005049589
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この発明の1つの具体例で、酸はストロンチウムの非キレート剤でもよい。さらなる具体例で、酸は一塩基酸(monoprotic acid)または二塩基酸(diprotic acid)でもよい。
上で挙げたように、この発明に従って使用のストロンチウム塩は、室温で少なくとも0.1g/lの水溶性、例えばストロンチウムシトレート、ストロンチウムフマレート、ストロンチウムサルフェート、ストロンチウムハイドロゲンホスフェート、ストロンチウムタルタレートとストロンチウムオキサレートで例示した約0.1g/lから約10g/l、約0.2g/lから約5g/l;または例えばストロンチウムマレエート、ストロンチウムグルタメート、ストロンチウムアスパルテート、ストロンチウムピルベート、ストロンチウムアルファ−ケトグルタレート、ストロンチウムマロネート、ストロンチウムスクシネートなどで例示される約1g/lから約200g/lの範囲で有して水溶性でありうる。すなわち、この発明の特定の観点で、ストロンチウム塩は、室温(20〜25℃)で測定して、少なくとも1g/l、例えば少なくとも5g/l、少なくとも10g/l、少なくとも20g/l、少なくとも30g/l、少なくとも40g/l、少なくとも50g/l、少なくとも60g/l、少なくとも70g/l、少なくとも80g/l、少なくとも90g/lまたは少なくとも100g/lの水溶性を有する。
しかし、上で挙げたように、この発明の特定の具体例では、ストロンチウム塩は、多くて約10g/l、例えば多くて約5g/lのような顕著ではない水溶性を有する。この目的に、特に、ストロンチウムフマレート、ストロンチウムタルタレート、ストロンチウムラネレート、ストロンチウムカーボネート、ストロンチウムオキサレート、ストロンチウムサルフェート、ストロンチウムハイドロゲンホスフェート(燐酸水素ストロンチウム)、ストロンチウムシトレートのような塩がこの発明による組成物に使用される。
この発明により使用のストロンチウム塩の特別の例は、塩化ストロンチウム、塩化ストロンチウム六水和物、ストロンチウムシトレート、ストロンチウムマロネート、ストロンチウムスクシネート、ストロンチウムフマレート、ストロンチウムアスコルベート、ストロンチウムL-アスパルテート、ストロンチウムD-アスパルテート、ストロンチウムL-グルタメート、ストロンチウムD-グルタメート、ストロンチウムタルタレート、ストロンチウムグルタレート、ストロンチウムグルコサミンサルフェート、ストロンチウムD-スレオネート、ストロンチウムL-スレオネート、ストロンチウムマレエート、ストロンチウムメタンスルホネート、ストロンチウムベンゼンスルホネートとそれらの混合物である。
医薬組成物に使用のストロンチウム塩を作る関連する酸の他の例は、WO00/01692(ここに参照文献として挿入)に見出すことができる。
ストロンチウムの一日投与量は、少なくとも約0.01g、例えば少なくとも約0.025g、少
なくとも約0.050g、少なくとも約0.075g、少なくとも約0.1g、少なくとも約0.2g、少なくとも約0.3g、少なくとも約0.4gまたは少なくとも約0.5g、または約0.01g〜約2g、例えば約0.1g〜約2g、約0.1g〜約1g、約0.15g〜約0.5g、約0.3g〜約2gまたは約0.3g〜約1gである。
ストロンチウム塩の合成
カルボン酸アニオンの有機ストロンチウム塩は、いくつかの異なる経路で合成できる。このような有機ストロンチウム塩の製造の常法は、有機酸と水酸化ストロンチウムの水性溶液中の反応を利用することである。例えばフマル酸と水酸化ストロンチウム塩との中和反応は、次式による。
Sr2+(aq)+2OH-(aq)+HOOCCHCHCOOH(aq)→Sr(OOCCHCHCOO)(aq)+2H2O(l)
溶解したストロンチウムフマレート懸濁液は、次いで、水の蒸発と続く塩の濃縮で沈殿を誘因できる。結晶は溶液からゆっくり形成され沈殿するであろう。
他のアプローチは、適当なカルボン酸アニオンのナトリウムまたはカリウム塩と塩化ストロンチウムを利用するものである。全ての有機ストロンチウム塩は、高い溶解性のクロリド塩より溶解性が少ないので、有機ストロンチウム塩は、これらの条件下で沈殿し、溶液中にNaClと過剰のSrCl2を残すであろう。下の等式は、例としてSrCl2とナトリウムフマレートとの反応を用いての反応式を例示する。
Sr2+(aq)+2Cl-(aq)+2Na+(aq)+C4H2O4 2-(aq)→Sr(OOCCHCHCOO)(aq)+Cl-(aq)+Na+(aq)
この発明の発明者らは、異なるストロンチウム塩は異なる合成経路を要することを見出し、いくつかのストロンチウム塩に、最適化した合成と製造手順を同定した。この発明に特に関連するものとして、ジカルボン酸系アミノ酸、アスパルテートとグルタメート(D
またはL形の何れか)のストロンチウム塩の合成は、通常の反応経路に従うと非常に困難
であり、得られた結晶形について収率と純度が一般に低いことを見出した。この発明による医薬使用を行うのに、ジカルボン酸系アミノ酸の純粋なストロンチウム塩を大規模で製造するため、発明者らは、これらの特定のストロンチウム塩について各種の合成経路を研究した。かくして、よく規定された純粋な6水和物形のストロンチウムグルタメートの合成
が、グルタメートの遊離酸の形と水酸化ストロンチウムで最も簡便に行われ、80℃を超える温度、より好ましくは100℃または120℃、また最も好ましくは130℃より高い(実施例7参照、ここで高温での有機ストロンチウム塩の合成のための新規な製造法が記載される)のような高められた温度を要することを意外にも見出した。
その上、少量のアルコールの添加が、溶解した水性の有機ストロンチウム塩の結晶形成を促進できることを見出している。骨疾患の治療および/または予防に関連の有機ストロンチウム塩のこれら合成手順の例をここでの実施例で提供する。
医薬組成物
この発明は、また、上記のように、少なくとも1つのストロンチウム化合物からなる医薬組成物に関する。この発明による医薬組成物は、さらに、1以上の生理学的に受容な賦形剤、すなわち治療上不活性な物質または担体からなる。
担体は、所望の服用形態と投与経路により広い多様な形態をとりうる。
この発明による化合物からなる医薬組成物は、固体、半固体または液状組成物の形態でありうる。組成物は、胃腸管で活性物質を放出すべく設計され、すなわち好ましい観点では、経口粘膜への適用または経口粘膜を介する吸収を意図しない。
固形組成物は、例えば通常の錠剤、発泡錠剤、被覆錠剤、溶融錠剤または舌下錠のような錠剤、ペレット剤、散剤、顆粒、粒状剤、微粒子状物質、固形分散液または固形溶液の形態でもよい。
この発明の1つの具体例で、医薬組成物は、錠剤の形でありうる。この錠剤は、小腸の
近部、例えば十二指腸および/または近位空腸中、錠剤中に含まれた塩の全量の少なくとも50重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも80重量%または少なくとも90重量%のような塩の少なくとも一部を放出できるコーチングで被覆できる。
錠剤は、対象者が嚥下を容易にかつ簡便にする形状を有してもよい。かくして、錠剤は、鋭い端のない円形または棒様の形状を有してもよい。さらに、錠剤は、2以上の部分に分割されるように設計されてもよい。
組成物の半固形状は、ペースト、ゲルまたはハイドロゲルであることができる。
組成物の液状形状は、溶液、ナノエマルジョンを含むエマルジョン、懸濁液、分散液、リポソーム組成物、噴霧剤、混合物、シロップまたはエリキシルである。
この発明による医薬組成物の他の適する投与形態は、カプセル剤、サシェット剤、トローチ剤、デバイスなどである。
医薬組成物は、医薬製剤の当業者に周知の方法の何れかで製造できる。
医学的に受容な賦形剤は、例えば充填剤、結合剤、崩壊剤、希釈剤、滑剤、溶剤、乳化剤、懸濁剤、安定剤、エンハンサー、フレーバー、着色剤、pH調節剤、遅延剤、湿潤剤、界面活性剤、保存剤、抗酸化剤などである。詳細は、例えばRemington's Pharmaceutical ScienceまたはPharmaceutical Excipient Handbookのような医薬ハンドブックに見出しうる。医薬組成物がSr含有化合物の制御放出を意図する場合に、例えばマトリックス錠剤の製剤化に通常に使用される材料(例えばヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのようなセルロース誘導体)のような放出制御剤からなることもできる。代わりに、組成物は、エンテリックコーチングやフィルムコーチングのような放出制御コーチングで被覆されてもよい。適当なコーチングは、実質的に水不溶であるが水浸透性のコーチングである。
上で挙げたように、この発明は、経口使用の放出制御医薬組成物に関する。組成物は、錠剤、カプセル剤、多粒子(multiparticulate)形態、またはサシェットのような単位投与小包でありうる。
用語“錠剤”は、圧縮錠剤、被覆錠剤、マトリックス錠剤、浸透性錠剤および当該分野で知られた他の形態を含むことを意図する。
用語“カプセル剤”は、カプセル剤の外殻がその内容物を放出すべく消化後に崩壊する硬と軟カプセル剤を含むことを意図する。
用語“多粒子”とは、全体が、意図した治療上有用な服用量を示す複数の粒子および/または顆粒からなる服用形態を含むことを意図する。粒子は一般に、約50ミクロンから約0.3cmの直径で、好ましい範囲は100μmから1mmでのものである。多粒子は、服用形態に放出を一定の割合でさせる使用のための適切な具体例で、これは個々の対象者(例えばヒトのような哺乳動物)の体重の影響を受けやすいからである。
さらなる観点で、この発明は、例えば、ストロンチウム塩を1以上の医薬的に受容な賦形剤(充填剤、結合剤、崩解剤、放出速度改良剤など)と混合または顆粒化して、例えば、マトリックスペレット剤または錠剤に、またはストロンチウム塩の放出を制御する放出制御ポリマーコーチングを備えるペレット剤または錠剤にさらなる加工ができる粉末混合物を得る工程からなるストロンチウム塩の放出制御または遅延放出服用形態の製法を提供する。
遅延放出具体例では、服用形態は、服用形態が大部分のストロンチウム塩を十二指腸に遠位の胃腸管の領域に送達することを条件として上と同じ形態を取ることができる。多様な服用形態具体例および/または構造がこの目的を達成するのに使用できる。すなわちゼラチルカプセルに多数重なって充填できるかまたは錠剤に圧縮できる多粒子、ビーズ、ペレットまたは多粒子の服用形態である。
この発明の制御または遅延放出服用形態は広く実施できる。異なる具体例は、ストロンチウム塩が、例えば活性物質を水性環境(すなわちG.I.管の内腔液)への放出を遅延するのに役立つ他の材料のマトリックスに埋込まれるか分散されるマトリックス系を含む。ストロンチウム塩がこの種のマトリックスに分散されると、薬剤の放出は主にマトリックスの表面から行われる。
かくして、活性物質は、マトリックスを介して拡散された後、または、組成物の表面が浸食されかつこのように活性物質を露出した時、マトリックス表面から放出される。ある具体例は、両方の機構が同時に機能できる。マトリックス系は、大きい、すなわちサイズ化された錠剤(約1cm)、または小さい(0.3cm)ものでもよい。その系は、実質的に同時に投与される単一単位または複合単位でもよく、またここに多粒子として引用された複数の粒子からなってもよい。多粒子は多くの製剤応用を有することができる。例えば、多粒子はカプセルに充填用の粉末として使用でき、またはそれ自体を味を増加さすのに食品と混合するのに使用できる。
徐水和材料(slowly-hydrating material)を所望の放出速度を与えるのに使用することもできる。マトリックスから活性物質の放出に影響する変数の多様性が、異なる材料、大きさと放出時間の組成物の設計の柔軟性をもたらす。ストロンチウムイオン放出プロフィルの変形の例はこの発明の範囲内である。
この発明の特定の具体例は、複数のストロンチウム塩含有粒子からなるマトリックス多粒子に関し、各粒子はストロンチウム塩と、ストロンチウム塩の水性媒体への溶解速度を制限しうるマトリックスを形成すべく選択された1以上の適当な医薬的に受容な賦形剤との混合物からなる。この具体例に有用なマトリックス材は、一般に、ろう、セルロースのような水不溶性材、または水不溶性ポリマーである。必要によりマトリックス材は、任意に、結合剤としてまたは浸透改質剤として使用できる水溶性材と製剤化しうる。これらの服用形態の製造に有用なマトリックス材は、微結晶性セルロースにヒドロキシプロピルメチルセルロースが添加されたグレードのものを含む。アビセル(米国フィラデルフィア、FIVIC社の登録商標)のような微結晶性セルロース;パラフィン、改質植物油、カルナウバろう、水添ひまし油、密ろうなどのようなろう、ならびにポリ(ビニルクロリド)、ポリ(ビニルアセテート)、ビニルアセテートとエチレンのコポリマー、ポリスチレンなどのような合成ポリマーを含む。マトリックスに任意に添加できる水溶性結合剤または放出改質剤にはヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPIVIC)、メチルセルロース、ポリ(N-ビニルピロリジノン)(PVP)、ポリ(エチレンオキシド)(PEO)、ポリ(ビニルアルコール)(PVA)、キサンタンガム、カラギーナンのような水溶性ポリマー、および他のこのような天然材と合成材を含む。加えて、改質剤として機能する材は、糖類または塩類のような水溶性材を含む。好ましい水溶性材には、ラクトース、スクロース、グルコースとマンニトール、ならびにHPC、HPMCとPVPを含む。
マトリックス多粒子を製造する適切な方法は、押出/晶粒生成方法である。この方法には、活性物質は、結合剤と湿式でひと塊とし、穿孔プレートまたはダイを介して押出し、回転ディスクに置かれる。
押出物は、典型的には片に破断され、回転プレート上で球体、長球または球形化したロッドにまるめられる。
マトリックス多粒子を製造するさらなる好ましい方法は、ろう顆粒の製造である。この方法では所望量の活性物質がろうと撹拌され、均質混合物を形成され、次いで冷却され、スクリーンを通して顆粒を形成させる。適当なマトリックス材は、例えば水添ひまし油、カルナウバろう、ステアリルアルコールのようなろう物質である。
マトリックス多粒子を製造するさらなる方法は、活性物質とマトリックス材との結合を助けるべく有機溶剤の使用を含む。その技法は、もしその材を溶融状態で使用すると薬剤またはポリマーマトリックス材の分解を生ずるであろう不適切に高融点を有するマトリックス材の利用を望むときに使用できる。代わりに、活性物質とマトリックス材は、マトリックス材を溶解する溶剤と組合せ、得られる溶液(固体薬剤粒子を含みうる)を噴霧乾燥し、粒状服用形態を形成させる。この技法は、マトリックス材が、セルロースエーテルまたはセルロースエステルのような高分子量合成ポリマーのとき好ましい。代表的に使用される溶剤は、エタノール、イソプロパノール、酢酸エチルとそれらの2以上の混合物で、アセトンを含む。
マトリックス多粒子が一旦形成されると、ラクトース、微結晶性セルロース、リン酸カルシウムなどのような圧縮性賦形剤と混合され、その混合物を錠剤を形成するため圧縮する。ナトリウム澱粉グリコレートまたは架橋ポリ(ビニルピロリドン)のような崩壊剤も有用に使用される。この方法で作った錠剤は、水性媒体中(G.I.管のような)に置かれると崩壊し、多粒子マトリックスを露出し、組成物から、ストロンチウム塩および/または遊離ストロンチウム形のイオン形を放出する。
マトリックス系のさらなる具体例は、活性物質と、ストロンチウム塩の溶解を有用な程度の制御を与えるに十分な親水性ポリマーの量を含有する親水性マトリックス錠剤の形態である。このマトリックスを形成するのに有用な親水性ポリマーには、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(ビニルアルコール)、キサンタンゴム、カルボマー(carbomer)、カラギーナンと、ズーグラン(zooglan)を含む。適当な材はHPMCである。他の類似の親水性ポリマーも使用できる。低分子量ポリマーを使用すると溶解速度を増すことができる。溶解速度は、糖類、塩類または溶解性ポリマーのような水溶性添加物の使用により制御することもできる。これらの添加物の例は、ラクトース、デキストロース、シクロデキストロース、シュクロースまたはマンニトールのような糖類、NaCl、KCl、NaHCO3のような塩類、PNVPあるいはPVP、低分子量HPCまたはHIVIPCまたはメチルセルロースのような水溶性ポリマーである。一般に、製剤中の溶解性材料のフラクションを増加さすと放出速度を増加できる。マトリックス錠は、代表的には、活性物質の約20〜90重量%とポリマーの約10〜80重量%からなる。
適当なマトリックス錠は、重量で、活性物質約50〜約80%、HPMC約15〜約35%、ラクトース0%〜約35%、PVP0%〜約15%、微結晶性セルロース0%〜約20%とステアリング酸マグネシウム約0.25〜約2%である。
1つのクラスとしてマトリックス系は、しばしば、薬剤のマトリックスからの一定でない放出をする。この結果は、薬剤放出の拡散機構の因果関係かも知れず、かつ外面的形態の変更が、以下に詳細に示すように薬剤の放出速度をより一定にするのに使用できる。
さらなる具体例で、マトリックス錠は、不浸透性コーチングで被覆してもよく、かつ錠の内容物が放出される開口(例えば円形穴または方形開口)が備えられる。
適当な具体例で、錠またはカプセルは、その表面の部分、例えば1つまたは両方の錠剤面または錠の放射表面(radial surface)を不浸透性材で被覆してもよい。
服用形態は、活性物質の放出を調節するコーチングで被覆してもよい。「不浸透性材」とは、活性物質についての有意な移行が、意図した薬剤放出の時間の尺度中(例えば、数時間から約1日)、その材を介して行われないような活性物質に対し、十分な厚みと不浸透性を有する材を意味する。このようなコーチングは、活性物質に対し十分に低い拡散係数を有するコーチング材を選択し、それを十分に厚く適用することにより得ることができる。
これらの具体例の不浸透性コーチングを形成する材料は、活性物質の拡散係数が適切である実質的に全ての材料を含む。好ましいコーチング材料は、フィルム形成ポリマー類とろうを含む。ことに好ましいのは、ポリ(エチレン−コ−ビニルアセテート)、ポリ(ビニルクロリド)、エチルセルロースとセルロースアセテートのような熱可塑性ポリマーである。これらの材料は、コーチングとして適用されると活性物質の望ましい低い浸透速度を奏する。
さらに放出制御マトリックス系は、ヒドロゲルマトリックス中に分散された活性物質を含む。この具体例は、そのヒドロゲルが浸食性の顆粒材圧縮錠剤ではなく、むしろモノシリックポリマーのネットワークであるという点で、上記した親水性マトリックス錠と異なる。従来技術で知られるように、ヒドロゲルは水膨潤性ネットワークポリマーである。ヒドロゲルは、水の大容量を吸収できるか含有させることができ、それによってマトリックス内に溶媒化薬剤の拡散をさせるので、マトリックスデバイスの好ましい材料である。
ヒドロゲル中での薬剤の拡散係数は、特徴的に高く、かつ高度に水で膨潤したゲルでは、ゲル中の薬剤の拡散係数は純水中の値に接近しうる。この高い拡散係数が、比較的大きなデバイス(すなわち、微粒子を形成する必要がない)からの実用的な放出速度を可能とする。好ましい材料には、親水性ビニルとアクリルポリマー類、アルギン酸カルシウムのような多糖類とポリ(エチレンオキシド)を含む。ポリ(2-ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、ポリ(N-ビニルピロリジノン)、ポリ(ビニルアルコール)、および各々ならびにメチルメタクリレート、ビニルアセテートのような疎水性モノマーとのコポリマーが特に適する。また、大きなポリ(エチレンオキシド)ブロックを含有する親水性ポリウレタンも好ましい。他の好ましい材料は、付加または縮合重合しうるポリマーの浸透ネットワークからなるヒドロゲルを含む。そこで個々のモノマー成分は親水性と疎水性の基からなることができる。
他のコーチング材料には、エチルセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレートが含まれる。このポリマーは、有機溶媒中の溶液として、また水性分散液あるいはラテックスとして適用できる。被覆操作は、流動床コーター、Wursterコーター、回転床(rotary bed)コーターのような標準装置で行いうる。所望により、コーチングの透過性を2以上の材料を混合して調節しうる。コーチングの多孔度を調整する特に有用な方法は、糖類あるいは塩類または水溶性ポリマーのような微細に分割した水溶性材料の所定量を、使用される膜形成ポリマーの溶液または分散液(例えば水性ラテックス)に添加することからなる。服用形態が、G.I.管の水性媒体に消化されるとき、これらの水溶性膜添加物は膜から浸出し、薬剤の放出を促進する孔を残す。膜コーチングは、当該分野で知られるように、可塑剤の添加で変更しうる。
投与される化合物の量についての特定の例が上で挙げられる。しかし、実際に投与される化合物の量は、治療さるべき状況、投与されるべき化合物の選択、個々の対象者の年令、体重と応答、対象者の症状および/または徴候の重篤度、選択した投与経路を含む関連の状況をみて医師によって決定されることが理解されるであろう。本発明の化合物は、経口的に投与されるのが好ましいが、何れの他の適当な経口でも投与しうる。
男性の治療
普通に信じられていることに反して、骨粗鬆症は婦人の疾患だけではない。男性は、かつて考えられたほど骨粗鬆症に耐性ではない。婦人にみられる骨折の古典的な加齢増加は、男性にも明確である。骨粗鬆症が、婦人ほど男性に普通ではない主な理由の1つは、男性の大きな骨格である。他の因子は、短命の予測、男での骨損失の遅い開始とゆるやかな進行、月経閉止で内因性エストロゲンの産生の停止の結果として女性に影響する急速な骨損失が無いことである。
しかし、この疾患の病態生理学の理解が近年増していることから、男性の骨粗鬆症が重要な衛生問題であることが認められている。米国だけでも、5百万に達する男性が骨粗鬆症を患っており、その数は上昇している。対象者のほぼ30〜40%が検出原因のない所謂若年での“特発性”骨粗鬆症で、一方他は、グルココルチコイド過剰、性機能低下、アルコール乱用、喫煙、カルシウム消耗に伴う腎管疾患または他の肝臓もしくは腸疾患を含む骨損失の多発性顕性二次原因を有する。
よって、本発明は、男性対象者における軟骨および/または骨代謝の異常となる軟骨および/または骨疾患および/または症状;例えば骨粗鬆症、骨関節症、大理石骨症、骨減少症とパジェット病、悪性病変の高カルシウム血症、歯周疾患、上皮小体機能亢進症、リウマチ関節炎における関節周囲浸食症、骨形成異常症、骨化性筋炎、ベクテリエフ疾患、悪性高カルシウム血症、骨転移疾患によって生じた溶骨性病変、骨転移疾患による骨痛、性ステロイドホルモン欠乏症による骨欠損、ステロイドホルモン処置による骨異常、癌治療による骨異常、骨軟化症、ベーチェット病、骨化過剰症、転移性骨疾患、固定誘因の骨減少症または骨粗鬆症、グルココルチコイド誘因の骨減少症または骨粗鬆症、骨粗鬆症偽膠腫症候群、特発性若年骨粗鬆症の治療および/または予防;外傷性と非外傷性骨折後の骨折治癒の改善、インプラントの安定性の改善とエネルギーレベルの維持または増大、筋肉組織の構築または増強、および体重増加の方法に関し、該方法は、約0.25〜約1.5 gの遊離イオン(ionic free)のSr2+、例えば約0.30 g〜約1.5 g、約0.40 g〜約1.40 g、約0.50 g〜約1.30 g、約0.60 g〜約1.20 g、約0.60 g〜約1.0 gまたは約0.60 g〜約0.8 gの1日投与量を与える量および頻度でSr塩を投与することを含む。
Sr塩は経口的に投与でき、上で定義したごとく医薬組成物に含めることができる。
予防
骨および/または軟骨の代謝および/または構造一体性に影響する疾患または症状の治療に今日用いられる医薬のいくつかは症状の治療効果を有しうるが、同時に、多くの医薬は重篤な副作用を伴っている。重篤な副作用を有する医薬物質のグループの例は、ビスホスホネート類で、例えば、経口投与を介しての骨形成および吸収の阻害ならびに貧弱な吸収の可能性のような致命的副作用を有するとみられる。その上、ビスホスホネート類は、G.I.刺激の原因となり、骨での非常に長い半減期を有することが知られている。そのため、治療の必要な対象者は、このような化合物への最少の暴露にすべきかも知れない。従って、このような医薬は、予防処理に適さない。
予防用に適する用量でのストロンチウムの投与に関連する副作用は知られていないので、ストロンチウムはおそらく軟骨および/または骨の症状の予防に非常に有用であろう。よって、本発明は、例えばヒトの女性または男性の成人、若者または子供のような哺乳動物における軟骨および/または骨代謝の異常となる軟骨および/または骨疾患および/または症状;例えば骨粗鬆症、骨関節症、大理石骨症、骨減少症とパジェット病、悪性病変の高カルシウム血症、歯周疾患、上皮小体機能亢進症、リウマチ関節炎における関節周囲浸食症、骨形成異常症、骨化性筋炎、ベクテリエフ疾患、悪性高カルシウム血症、骨転移疾患によって生じた溶骨性病変、骨転移疾患による骨痛、性ステロイドホルモン欠乏症による骨欠損、ステロイドホルモン処置による骨異常、癌治療による骨異常、骨軟化症、ベーチェット病、骨化過剰症、転移性骨疾患、固定誘因の骨減少症または骨粗鬆症、グルココルチコイド誘因の骨減少症または骨粗鬆症、骨粗鬆症偽膠腫症候群、特発性若年骨粗鬆症の治療および/または予防;外傷性と非外傷性骨折後の骨折治癒の改善、インプラントの安定性の改善、エネルギーレベルの維持または増大、筋肉組織の構築または増強、および体重増加の方法に関し、該方法は、Sr含有化合物を投与することからなる。
BMD、骨鉱物密度の測定または骨あるいは関節のX線評価の他の形は、例えば骨粗鬆症と骨減少症のような軟骨および/または骨の代謝およびまたは構造一体性に影響する疾患と症状の診断を確立または確認するのに使用できる。BMD値は、予防処置を開始すべきか否かを決定するのに使用もできる。
いくつかの技法が、BMDを非侵襲的に測定するのに利用できる。骨デンシトメトリーは、骨粗鬆症と骨減少症および他の骨症状を診断するため、および骨症状を発展する危険性のある人を同定するための最良の利用できる方法である。骨デンシトメトリーで、現存の骨鉱物の量が測定され、骨強度の重要な決定因子となる。伝統的な骨デンシトメトリーの方法は、デュアルエネルギーX線吸収法、シングルエネルギーX線吸収法やX線写真吸収法のようなX線吸収法に基づいている。これらのアプローチに加えて、コンピュータ化トモグラフィースキャンを利用する定性コンピュータ化トモグラフィーがBMDを算出するのに使用できる。他の骨デンシトメトリー方法は、かなり安価で、携帯用で放射線のない定量的超音波である。ここで測定される骨部分は、2つの超音波トランスジューサー間に位置させ、骨マスは、骨を通過する音波の伝達で測定され、通過が少ない程骨は密度が高い。
異なるデンシトメトリーからの値を標準化し、かつ診断に容易に使用できる値を得るため、BMD値は、T-スコアーとZ-スコアーと呼ばれる値を計算するのに使用できる。
T-スコアーは、最も臨床的に関連した値と考えられ、若い正常の成人女性または男性のそれぞれの平均BMDに対する対象者のBMDを示し、その差を標準偏差(SD)の値として表す。女性の場合、対象者のT-スコアーが若い正常成人女性の平均より1SD未満低いと、BMDは正常と考えられる。若い正常成人女性の平均骨マスより1SD低いごとに、骨折の危険がほぼ1.5〜3倍に増加し、2SD低いと指数的に増加する。
Z-スコアーは、対象者のBMDを、その対象者と同じ年令の男性または女性の平均BMDと比較する。しかし、老年の間では、低いBMDが普通で、年令一致の標準との比較は誤解を導くかもしれない。すなわち80才の対象者は、年令一致の対照とよく比較するZ-スコアーを有するかもしれないが、しかしこの年令グループの平均対象者のように、対象者は骨折を経験する危険がある。
軟骨および/または骨症状を防止するためのこの発明による方法で、このような症状を発生する危険のある対象者が、対象者T-スコアーを計算することで同定できる。従って、この発明は対象者が、成人女性平均値より1SDより多く低い骨鉱物密度、BMDを有する女性である方法に関する。
他の方法ではZ-スコアーが計算され、すなわちこの発明は対象者が同年令の婦人の女性平均値より低いBMDを有する女性である予防法に関する。女性が、平均女性が高い骨折危険を有しうる年令グループに属すると、女性が同年令の婦人の女性平均値の値またはそれより高いBMDを有していても予防処置が考えられる。
この発明は、対象者が、成人男性平均値より1SDより多く低いBMDを有する男性である上記の予防法にも関する。
その上、この発明は、対象者が、同年令の成人男性平均より低いBMDを有する男性である方法に関する。男性が、平均男性が高い骨折危険を有しうる年令グループに属すると、男性が同年令の男性の男性平均値の値またはそれより高いBMDを有しても予防処置が考えられる。
この発明は、対象者が20才以上、例えば25才以上、30才以上、35才以上、40才以上、45才以上または50才以上の女性である予防法にも関する。
骨と軟骨の状態を評価する他の方法は、軟骨または骨の何れかのターンオーバー(turnover)を反映する動的バイオケミカルマーカーで与えられる。骨および/または軟骨の最近の状態の目安を与えるBMDまたは他の類似静的測定と比較して、特異のバイオマーカーは、マーカーが由来する組織の最近のターンオーバーの目安を与えることができる。これは治療効果の動的モニタリングを与え、また骨および/または軟骨のターンオーバーに影響する疾患または症状の進行の予測を可能とする。例として、いくつかの研究で、骨吸収の特異マーカー、C-テロペプチド由来コラーゲンタイプIフラグメント、CTXが、BMD測定単独と類似の効力で、二次骨折危険のBMDに無関係な予測を与えることが例証された。その上、CTX測定で得られた骨折危険の目安は、BMD測定で得られた目安の追加であり、よって低いBMDとCTXの上昇した値で示される高い骨ターンオーバーの両方を有する個体は、上昇BMDまたは減少CTXのみを有する個体より骨格骨折をうける危険が大きい。同様のデータが、軟骨由来コラーゲンタイプIIフラグメント、CTX-IIの特異マーカーで得られる。従って、骨および/または軟骨の病理学的崩壊を来す危険の対象者は、骨または軟骨代謝の何れかの特異バイオマーカーの測定により定義できる。BMD測定と同様に、バイオマーカー測定は、関連の参照母集団に関連したT-スコアーまたはZ-スコアーとして表すことができるか、または値は、予め規定したカットオフレベルに対して簡単に表しうる。
この発明は、対象者が、若い成人女性の平均を1 SDより多く超える骨吸収の特異バイオマーカーのレベルを有する女性である上記の予防法に関する。
この発明は、対象者が、同年令の女性の成人女性平均を超える骨吸収の特異バイオマーカーのレベルを有する女性である上記の予防法に関する。
この発明は、また、対象者が、成人男性の平均より1SDより多く高いCTXまたはNTXのような骨吸収マーカーのバイオマーカーレベルを有する男性である上記した予防法に関する。
その上、この発明は、対象者が、同年令の男性の成人男性平均より高いCTXまたはNTXのような骨吸収マーカーを有する男性である方法にも関する。男性が、平均男性が骨折の高い危険を有しうる年令グループに属すれば、男性が同年令の男性の所定マーカーの平均レベルの下のCTXまたはNTXのような骨吸収マーカーを有しても、予防処置を考えることができる。
この発明は、対象者が、例えば、25才以上、30才以上、35才以上、40才以上、45才以上または50才以上のような20才以上の女性である予防法にも関する。
その上、この発明は、BMD測定と骨および/または軟骨ターンオーバーに影響する疾患または症状の発達の危険の個々の定義と/または予測用の1以上のバイオマーカーとの組合せ使用に関する。
骨の形成と吸収との間の不均衡と、それに続く骨格崩壊とをもたらす骨ターンオーバーの上昇から骨格系を防止することによりエストロゲンは骨を防御することから、エストロゲンは、骨健康に重要な役割をする。エストロゲンレベルが月経閉止後に減少すれば、構築されるより、骨はより吸収される。骨損失を防止する何れの型の医薬を摂取しない婦人は、閉経後各5年で骨マスの3%〜5%程損失し、例えば70才までで、骨は、閉経前より重量が30%〜50%少なくなり得る。
従って、月経閉止の開始時の女性が、BMDレベルおよび/または通常範囲(すなわち、T-スコアーで定義されるような)内の骨および/または軟骨のターンオーバーの特異バイオマーカーのレベルを有しているとしても、将来の骨症状の発生を防止する処置を開始することは有益かもしれない。かくして、この発明は、対象者が、閉経周辺期(peri-menopausal)女性または、閉経が最近開始した女性である上記の方法に関する。
さらに、この発明は、閉経の開始から約6ヶ月以上の女性が対象者である方法に関する。
この発明は、また、対象者が、20才以上、例えば、25才以上、30才以上、35才以上、40才以上、45才以上、50才以上、55才以上、60才以上、65才以上または70才以上の男性である、男性における軟骨および/または骨症状の予防法にも関する。
二次骨粗鬆症
全骨粗鬆症の90%は、特発の一次骨粗鬆症であるが、特定可能な疾患過程または剤の結果である二次骨粗鬆症を予防および/または治療する必要もある。従って、この発明はSr塩の有効量を対象者に投与することを含む対象者の二次骨粗鬆症の治療および/または予防法に関する。
二次骨粗鬆症は、内因性疾患および/または代謝原因、例えば性機能低下症、コルチコイド過剰症、過プロラクチン血症、神経性食欲不振、肥満細胞症、ポルフィリン症、真性糖尿症タイプI、一次または二次上皮小体亢進症、甲状腺機能亢進症、末端肥大症、クッシング症候群、アシドーシス、グアチャー疾患(Guachers Disease)、ヘモクロマトーシス、アンドロゲン非感受性と妊娠によって誘因されうる。
二次骨粗鬆症は、また、栄養状態、例えば吸収不良、栄養失調、慢性肝疾患、ビタミンD欠乏症、カルシウム欠乏症、胃腸管の部位の切除(例えば胃切除)、喫煙とアルコール乱用によっても誘因されうる。
ある種の医薬物質の投与が二次骨粗鬆症をまねくこともある。このような医薬物質の例は、例えばコルチコステロイド(吸入コルチコステロイドを含む)、ヘパリン、鎮痙剤(例えばフェニリトイン)、ゴナドトロフィン放出ホルモン類似体、ループ利尿剤、フェノバルビタール、抗腫瘍剤/免疫抑制剤(例えばメソトレキサートとサイクロスポリン)、甲状腺ホルモン、デポ−メトキシプロゲステロンアセテート、カルシニューリン−カルモジュリンホスファターゼ阻害剤、例えばタクロリムス、およびアロマターゼ阻害剤、例えばホルメスタン、エキメスタン、アミノグテチミド、ファトロゾール、ログレチミド、アナストロゾール、レトロゾールとボロゾールである。
結合組織の障害したコラーゲン代謝および/または疾患も二次骨粗鬆症の原因となりうる。このような障害の例は、例えば骨形成不完全症、ホモスチン尿症、くる病、エールス−ダンロー症候群とマルファン症候群である。
例えば、骨髄腫、サラセミアと白血病のような骨髄疾患も二次骨粗鬆症の原因でありうる。また、例えば全身性エリテマトーデス、強直性脊椎炎やリウマチ性関節炎のようなリウマチ性/炎症性疾患も二次骨粗鬆症の原因になりうる。
子供と青年で、二次骨粗鬆症の原因には、若年性関節炎、若年性リウマチ性関節炎、若年性慢性関節炎、児童悪性種;脳性小児麻痺、脊椎破裂、筋ジストロフィーのような神経筋疾患、家族性自律神経障害、線維性形成異常、若年性パージェット病(オステロプロテゲリン欠乏症)、家族性特発性骨痛と孤立性高ホスファターゼ血症を含む。子供と青年での二次骨粗鬆症の他のありうる原因は、過剰運動、無月経、皮膚筋炎、喘息、炎症性腸疾患(例えばクローン疾患)と筋ジストロフィーがある。
二次骨粗鬆症の他の一般原因は、低ホスファターゼ症、不動化、嚢胞性繊維症、腎機能不全、カルシウム過剰尿、慢性閉鎖性肺疾患、肥満細胞症、うつ病、脊椎障害、サルコイドーシス、悪性腫、リンパ芽球性リンパ腫、器官移植と手術ならびに男性の化学的去勢(抗アンドロゲンおよび/またはゴナドトロピン放出ホルモン類似体の使用を含むがこれに限定されない)がある。
二次骨粗鬆症の予防
上記のように、ある医薬は二次骨粗鬆症の原因となりうる。対象者での薬剤誘因二次骨粗鬆症の発生を防止するため、医薬物質の投与と同じ処置計画の一部として、予防量のSrを投与することは有益でありうる。
かくして、この発明は、対象者に骨粗鬆症を誘因する医薬物質での処置の前、処置中または処置の後に、対象者に予防量のSr塩を投与することを含む対象者での薬剤誘因二次骨粗鬆症を防止する方法に関する。
投与は、骨粗鬆症を誘因する医薬物質の投与と実質的に同時に行うことができ、かつSr塩と骨粗鬆症を誘因する医薬物質は、同じ医薬組成物に含めうる。
従って、この発明は、Sr塩と骨粗鬆症を誘因する医薬物とを医薬的に受容な賦形剤と共に含む医薬組成物に関する。
Sr塩と医薬物質は、また、別々の共同投与組成物で同時に投与することができる。2つの別々の製剤が共同投与されるとき、各製剤、特に経口ルートで使用のものは、対象者または医者により錯誤をさけるために、着色するかさもなくば同定可能にラベル化してもよい。
この発明は、1以上の医薬組成物と投与指示書とからなるキットにも関する。
発明の他の観点
発明のいくつかの具体例で、発明者は、少しでも存在するとすればラネレートがストロンチウムの全量の5w/w%未満の量で存在することが好ましいことを見出した。
上記のように、この発明による組成物またはキットの使用は外傷性または非外傷性骨折後に骨折の治癒の改善を導き、ここで、骨折は、例えば次の外傷性または非外傷性骨折の1つである。すなわち、コリーズ骨折またはスミス骨折のような遠位とう骨の骨折、例え
ば近位大腿骨のような大腿骨の骨折、例えば頸部骨折、転節骨折または転子下骨折。
骨折治癒の改善は、対象者がプラスターを必要とする時間の減少、X線で明らかにされるような治癒時間の減少、骨折安定化の時間の減少、X線でみて仮骨形成の改良、X線でみて仮骨形成の出現前の時間減少および/または完全または完全に近い運動性また物理的活動レベルを回復する時間の減少に関して定義しうる。
発明の他の具体例は、添付のクレームにみられる。この発明による化合物および組成物に関して上記したおよび下記する詳細は、発明の他の観点に必要な変更を加えて適用する。
発明の他の具体例は、添付のクレームにみられる。この発明による化合物および組成物に関して上記した詳細は、発明の他の観点に必要な変更を加えて適用する。
この発明は、必要とする対象者に、カルシウムのある量をさらに投与することを含む上記の方法に関する。
上記のカルシウムの一日投与量は、少なくとも約0.01 g、例えば少なくとも約0.025 g、少なくとも約0.050 g、少なくとも約0.075 g、少なくとも約0.1 g、少なくとも約0.2 g、少なくとも約0.3 g、少なくとも約0.4 gもしくは少なくとも約0.5 g、または約0.01〜約2 g、例えば約0.1〜約2 g、約0.5〜約2 g、約0.5 g〜約1 g、もしくは約1〜約1.5 gである。
この発明のある形態において、上記のカルシウムは、ストロンチウム成分の投与の少なくとも0.5時間、例えば少なくとも1時間、少なくとも2時間、少なくとも3時間、少なくとも4時間、少なくとも5時間、少なくとも6時間、少なくとも7時間、少なくとも8時間、少なくとも9時間、少なくとも10時間、少なくとも11時間または少なくとも12時間後に投与される。
別の形態において、上記のカルシウムは、ストロンチウム成分の投与の少なくとも0.5時間、例えば少なくとも1時間、少なくとも2時間、少なくとも3時間、少なくとも4時間、少なくとも5時間、少なくとも6時間、少なくとも7時間、少なくとも8時間、少なくとも9時間、少なくとも10時間、少なくとも11時間または少なくとも12時間前に投与される。
この発明は、必要とする対象者にある量のビタミンDをさらに投与することを含む上記の方法に関する。
この発明のある形態において、上記のビタミンはビタミンD 3 であり、1日投与量は少なくとも約1μg、例えば少なくとも約1.25μg、少なくとも約1.50μg、少なくとも約2μg、少なくとも約3μg、少なくとも約4μg、少なくとも約5μg、少なくとも約10μg、少なくとも約15μg、少なくとも約20μg、少なくとも約25μg、少なくとも約30μg、少なくとも約40μgまたは少なくとも約50μg、または約1μg〜約50μg、例えば、約1.50μg〜約40μg、約2μg〜約30μg、約3μg〜約30μg、約4μg〜約30μg、約5μg〜約30μg、約10μg〜約30μg、約10μg〜約20μg、または約15μg〜約25μgである。
上記のビタミンD 3 の1日投与量は、約5μg〜約30μg、例えば約10μg〜約20μgである。
別の形態において、上記のビタミンDはビタミンD 2 であり、ビタミンD 2 の1日投与量は、少なくとも1μg、例えば、少なくとも約1.50μg、少なくとも約2μg、少なくとも約3μg、少なくとも約4μg、少なくとも約5μg、少なくとも約10μg、少なくとも約15μg、少なくとも約20μg、少なくとも約25μg、少なくとも約30μg、少なくとも約40μg、少なくとも約50μg、少なくとも約60μg、少なくとも約70μg、少なくとも約80μg、少なくとも約90μg、少なくとも約100μg、少なくとも約110μg、少なくとも約120μgまたは少なくとも約125μg、または約1μg〜約125μg、例えば約1.50μg〜120μg、約2μg〜約110μg、約3μg〜約100μg、約4μg〜約90μg、約5μg〜約80μg、約5μg〜約125μg、約10μg〜約70μg、約10μg〜約60μg、約10μg〜約50μg、約10μg〜約40μg、約10μg〜約30μg、約10μg〜約20μg、または約15μg〜約25μgである。
上記のビタミンD 2 の1日投与量は、約5μg〜約125μg、例えば約10μg〜約20μgである。
この発明のある形態において、ストロンチウムおよびビタミンDの成分は同時に投与される。
図面の凡例
図1は、実施例7に記載の方法で作ったストロンチウムグルタメート6水和物結晶のX線回折図である。
図2は、実施例7に記載の方法で作ったストロンチウムマロネート結晶のX線回折図である。ストロンチウムのマロネート塩は以前に特徴付けられておらず新しい結晶学的構造からなる。しかし、安定なベースラインとよく区画された回折ピークの間隔から、マロネート塩の結晶形は、均一で純粋であることが明らかである。
図3は、表6に要約したストロンチウムグルタメート合成の最適化実験の結果である。ストロンチウムグルタメート合成の収率への影響が、4つのパラメータを変化させて研究された(100%を超える収率は不完全な乾燥を示す)。
図4は、各パネルの上部で示されたようなストロンチウムの単独投与されたラットで測定された血清ストロンチウム濃度のプロットである。データポイントは、各測定ポイントに対する平均と標準偏差を示す。予備投与は賦形剤のみを投与した動物から採取した対応するサンプルを表す。
さらに発明を実施例で例証するが、発明を何れかに限定する意図ではない。
実施例
実施例1
溶解した塩化ストロンチウムと溶解した適当なカルボン酸アニオンのナトリウム塩とからの沈殿によるストロンチウムの結晶性塩の製造のための一般方法。
100ml容量のガラス製ビーカー中で、5gのカルボン酸のナトリウム塩を、少容量の水に、30〜50℃より高くない温度に僅かに加熱して溶解した。最終容量は、25〜50mlであった。他のビーカー中で、10gのSrCl2(シグマ−アルドリッチ43,966-5、SrCl26水和物)を100mlの水で溶解した。後者の溶液を、溶解したナトリウム塩の第1溶液にゆっくり傾斜した。最初のくもりが観察されるまで、移注を続け、全容量が50〜100mlになった。溶液を有機ストロンチウム塩の結晶化沈殿の有意な量が現れるまで、数日間室温(22〜24℃)で放置した。
進行する反応は、ストロンチウムイオンとナトリウムフマレートとの反応(反応式(a)
と(b))で例示する。
NaOOCCHCHCOONa(s)+H2O(l)→-OOCCHCHCOOH(aq)+2Na+(aq)+OH-(aq) (a)
-OOCCHCHCOOH(aq)+Sr2+(aq)→Sr(OOCCHCHCOO)(aq)+H+(aq) (b)
結晶化を促進するために、5〜10容量/容量%から50〜60容量/容量%のような少量のエタノールの添加が、所望のストロンチウム塩の沈殿を有意に促進することを見出した。エタノールの添加は、室温(22〜24℃)で2g/lを越える溶解性を有するストロンチウム塩の合成で特別に重要で、L-アスパルテート、L-グルタメートとラクテートのストロンチウム塩の合成に実質的な利益を与えるであろう。短い期間内で所要の生成物にするために、最初の段階から直ちに溶液中での初期段階の結晶化または初期段階のうす暗さを観察することが必須であった。
沈殿後、溶液を吸引フラスコを用いてブフナーロートで濾過し、結晶を少量のエタノールで洗った。塩のいくつかの結晶はよく溶けたので、結晶の収率を改善するため溶液を少なくとも30〜60分のように長く放置した。繰り返しの結晶化で約50%の収率になった。L-アスパルテートのストロンチウム塩とラクテートのストロンチウム塩は、室温で水に25g/lを越える溶解性を有して、非常に溶解性であった。
ストロンチウムのラクテートとL-グルタメート塩は、過剰の塩化ストロンチウムを有する溶液から沈殿し、ラクテート塩の大きな結晶が溶媒をゆっくり蒸発させて得られた。
実施例2
カルボン酸を水酸化ストロンチウムで中和して結晶性塩を製造する一般方法
適当な有機酸の少量(0.75〜3g、下の表参照)を、30℃〜50℃の温度に加熱して水に溶解した。次いで水酸化ストロンチウム(シグマアルドリッチ、Sr(OH)2 *8H2O、分子量265.71、CAS番号1311-10-0、約10g/L)を徐々に添加した。次いで磁気撹拌棒を加え、懸濁液の撹拌と緩和な加熱(すなわち、30〜50℃)を始めた。しばらくして、溶液は澄明化し、全ての固形物が溶解する。加熱を維持し、加熱の3時間後に、溶液をブフナーロートで温時濾過する。ごく少量の不純物が濾紙に残った。
次いで、濾液は、一夜室温で冷却させ、所望のストロンチウム塩の微細に粉末化した結晶の生長となった。塩のさらなる精製は、再結晶の繰り返しで行うことができる(表2)。
Figure 0005049589
備考
*)回収率は、Sr(OH)2 *8H2Oのストロンチウム含量の%で算出。
1)フマル酸は水に不溶性で、エタノールを完全な溶解が達せられるまで懸濁液に加える。合成は、この材料で継続する。
2)ストロンチウム-AKG塩は、僅かに茶色かかった外観を有する。
3)水酸化ストロンチウムとL-アスコルベートの指示量に加えて、水に溶解させたSrCl2 *6H2Oの追加量4.087gを反応混合物に加える。
実施例3
有機ストロンチウム塩の溶解性の測定
ストロンチウム塩の合成
大多数のストロンチウム塩は、実施例Aに記載の一般合成法に従い、有機酸のナトリウム塩と塩化ストロンチウムを反応させて得ることができた。しかし、溶解性検討のためストロンチウムシトレート、ストロンチウムタルタレート、ストロンチウムスクシネートとストロンチウムα−ケトグルタレートは、実施例2に記載のようにカルボン酸の遊離酸型と水酸化ストロンチウムから合成して得た。ストロンチウムグルタメートは、実施例4に記載のように、ストロンチウムグルタメートの純粋で均質な6水和物を得る合成のため、100℃の加熱温度を使用して得た。溶解性の詳細な検討は、次の表3に挙げたストロンチウム塩で行った。
Figure 0005049589
有機カルボン酸ストロンチウム塩の溶解性は、水中で測定した。これらの塩の溶解性は、温度の関数としても測定した。これは塩の飽和溶液を温度調節したインキュベーター中でインキュベートして行った。さらに、塩の溶解性は、7.5の生理pHを有する0.05M炭酸アンモニウム緩衝液ならびに純蒸留水中で行った。
緩衝液は、室温(22〜24℃)、30℃または40℃の何れかに調節した水温の浴に浸した。テストチューブは撹拌し、次いで溶液は、24時間、恒温器中でインキュベートした。溶解性の測定に暗示の塩化ストロンチウムの影響をなくすため、全ての沈殿物はテストチューブの底に集め沈殿物上の溶液は注意して除去し、新鮮な溶液と置き換えた。溶液の置換後に、テストチューブを再び撹拌し、他の24時間放置した。この溶液から、ストロンチウム塩の溶解した部分を、特定温度で1ml容量集めた。溶液はフレーム原子吸光分析法(F-AAS)での分析前に50mlに希釈した。続いて一連のサンプリングの前に、溶液を次の温度で24時間平衡にした。
ストロンチウムのフレーム原子吸光分析法F-AASおよびICP-MSによる分析
2つの方法を溶液中のストロンチウムの定量に使用した。すなわちフレーム原子吸光分
光分析法(F-AAS)とより鋭敏な高周波誘導プラズママス分光分析法(ICP-MS)である。
大抵の研究にはF-AASが十分な感度を有した。
合成された有機ストロンチウム塩の分析に先立って、いくつかの市販で入手しうるストロンチウム塩の水溶性をF-AAS法で測定して、測定の精密さを確実にしこれらの塩の溶解度の参照値と結果を比較した。次の塩を入手した:Sr-オキサレート (アルドリッチ57,416-3)、SrSO4 (アルドリッチ 45,129-0)、SrHPO4 (アルドリッチ 48,042-2)およびSrCl2 (アルドリッチ 43,966-5)。溶解度を上記のようにして測定し、飽和溶液中のストロンチウム含量を以下に記載のようにして測定した。
易溶解性のストロンチウム塩のいくつかは、F-AASによる分析の前にさらに希釈した。測定は、バックグラウンドシグナルの補正用に水素ランプを備えたパーキンエルマー2100を用いて行った。ストロンチウムは0.2nmのスリットで測定され、波長は58のエネルギーと8mAの電流で操作する460.8nmであった。
ごく低いストロンチウム含量の溶液(すなわち、炭酸ストロンチウムの溶解性の分析から)は、誘導カプルスプラズマ−マススペクトル分析(ICP-MS)法で分析された。この分析は交流噴霧器を備えたパーキンエルマーエラン(Perkin Elmer Elan)500システムを用いて行った。電力は1000Wに設定し、アルゴンガス流はトーチとプラズマガスの12L/分と0.8L/分のそれぞれであった。
市場で入手しうるストロンチウム塩で測定された溶解性は、参照値によく一致した。大抵の研究で、F-AAS法が十分な感度を有した。表4は、22℃での水中におけるストロンチウムのクロリド、ホスフェート、カーボネート、オキサレートとサルフェートの溶解性を示す。実験的に測定した値は、これらの塩に引用した参照値に一致していることは明らかである。参照値と実験値との主要な変動は、低い溶解性が得られた塩化ストロンチウムと、有意に高い溶解性が見出された炭酸ストロンチウムにみられた。ストロンチウムの溶解性は非常に低いので、これらの実験での上澄液中のSr含量の測定にICP-MSを適用する必要があった。その上、この塩の溶解性は、大気中の炭酸ガスの含量に従属し、これは本実験でコントロールされず、測定溶解度と参照値との不一致の1つの説明を与えるものである。
Figure 0005049589
有機ストロンチウム塩溶解性への温度とpHの影響
表2に挙げた大部分の有機ストロンチウム塩に対し、20〜40℃の間隔における温度変化は溶解性に殆ど影響がなかった(表5)。しかし、ストロンチウムL-グルタメートには、溶解性について温度の有意な影響が20℃〜40℃の間の範囲で観察された。この塩の溶解性は殆どの他の塩と対照的に、研究した間隔で3倍以上増加した。生理学的条件(37℃)下の溶解性は、物質が医薬用途に適することが注目され、よってストロンチウムグルタメート溶解性がより高い温度で驚くほど増加することは、大きな潜在的治療との掛り合いを有しうる。
pH7.5の炭酸アンモニウム緩衝液中でのストロンチウム塩の溶解性は、純水中で測定した溶解性より一般に高い(表5)。しかし、ストロンチウムマレエートのようなある見るべき例外があり、これは緩衝液中で溶解性を減少した。従って、表5に示すように、ストロンチウム塩の溶解性を水中で得た値と比較することが最も適切であることを見出した。
相対溶解性
室温と40℃での有機ストロンチウム塩の水溶性を表5に示す。L-アスパルテートとラクテートのストロンチウム塩は、使用した実験法で溶解性の正確な測定を妨げる50g/lを越える溶解性を有する。
この結果は、シトレート、フマレートとタルタレートが実施例1と2に記載の製法で合成したとき直ちに沈殿した合成実験中の観察に相当する。これは、22℃と40℃の両方での他の有機ストロンチウム塩と比較して、これらの塩のより低い溶解性で明白なように、これらのストロンチウム塩の乏しい溶解性を示すものである。
グルタメート塩は他の塩より、特に40℃の温度で高い溶解性を示した。この塩の合成中、比較的高い水溶性を示す結晶生長を開始するため、溶液にアルコールを添加することが必要であった。他の研究した塩は、室温で2〜3日の溶媒の蒸発後に沈殿したが、アルコールの添加は結晶生成と沈殿を始めさすのに必要でなかった。
Figure 0005049589
実施例4
100℃での合成によるストロンチウムグルタメート6水和物の製造
最初に、グルタミン酸の懸濁液(白色)を250mlのビーカー中で、100mlのミリポア水を14.703g(0.1モル)の固形L-グルタミン酸(シグマアルドリッチ、C5N9NO4、分子量187.14g/モル、CAS番号142-47-2、ロット番号426560/1、ファイリングコード4300336)に加えて作る。この懸濁液に、26.571g(0.1モル)の水酸化ストロンチウム(シグマアルドリッチ、Sr(OH)2 *8H2O、分子量265.71、CAS番号1311-10-0)を加えた。次に、磁気撹拌棒を加え、撹拌と加熱を懸濁液の沸点まで行う。最終懸濁液も白色で、撹拌は撹拌装置の中程度の回転速度を維持して行う。炭酸ガスが溶液に入るのを防ぐため、ビーカーをカバーグラスで覆った。
煮沸と撹拌を数分した後、溶液は澄明となり全ての固形物が溶解した。沸騰を維持し、沸騰で失われた水を補うよう必要なとき、追加の水を加えた。沸騰3時間後に、溶液をブフナーロートで熱時濾過した。ごく少量の不純物が濾紙に残った。次いで濾液を室温に冷却し、ストロンチウムグルタメート6水和物の微粉末結晶の生長をみた。最終生成物の沈殿が、1時間以内に濾液中に生長した。生成物を濾過し、オーブン中110℃で半時間、次いでデシケーター中シリカオレンジ上12時間乾燥した。X線結晶構造解析とFAASによる分析の前に塩を乳鉢中で微粉末に粉砕した。
ストロンチウムグルタメート6水和物の全収率は再結晶前でほぼ98%で、大部分の不純物は、試薬と炭酸ストロンチウムとみられるものからなる。この収率は、15%のみが得られた(実施例B参照)通常の条件下の合成での収率より有意に高い。かくして、この特許に開示の高温での合成法は、収率の有意な増大と合成時間の減少を与えるが、ストロンチウムグルタメートの高い純度のものを与える。生成物は、X線結晶構造解析および文献の結果とのデータの比較により、ストロンチウムグルタメート6水和物であると明確に同定された。
合成のさらなる改良は、水または全ての水性溶液を窒素またはアルゴンで脱気することを含み、このことは炭酸ストロンチウムの不純物の形成をまねく可能性のある炭酸ガスとの接触を防止する。当業者であれば、不活性雰囲気下で行う手法を容易に採用できるであろう。
実施例5
100℃で合成によるストロンチウムアスパルテート・3水和物の製造
始めに、アスパラギン酸の懸濁液(白色)を、250mlのビーカー中13.311g(0.1モル)の固形L-アスパラギン酸(フルカ、C5H9NO4、分子量133.11g/モル、CAS番号56-84-8、ロット番号432866/1、ファイリングコード52603495)に100mlのミリポア水を加えて作る。この懸濁液に、26.571g(0.1モル)の固形水酸化ストロンチウム(シグマアルドリッチ、Sr(OH)2*8H2O、分子量265.71、CAS番号1311-10-0)を添加した。次いで磁気撹拌棒を加え、撹拌と加熱を懸濁液の沸騰点まで行った。また最終懸濁液は白色に着色し、撹拌は、撹拌装置の中程度の回転速度を維持して持続した。炭酸ガスが溶液に入るのを防ぐため、ビーカーをカバーガラスで覆った。
煮沸と撹拌を数分した後、溶液は澄明となり、全ての固形物質は溶解した。煮沸を維持し、煮沸で失った水に代わるものとして必要なとき追加の水を加えた。煮沸3時間後に、溶液をブフナーロートで熱時濾過した。ごく少量の不純物が濾紙上に残った。次いで、濾液を室温に冷却させ、ストロンチウムアスパルテート3水和物の微粉末化結晶の生長をみた。最終生成物の沈殿が1時間以内に濾液中に進行した。生成物を濾過し、オーブン中110℃で半時間、次いでデシケーター中シリカオレンジ上で12時間乾燥した。X線結晶構造解析とFAASによる分析前に、塩を乳鉢中で微粉末に粉砕した。
ストロンチウムアスパルテート3水和物の全収率は再結晶前でほぼ98%であり、大部分の不純物は、試薬と炭酸ストロンチウムとみられるものからなった。この収率は、わずか14%が得られた通常の条件の合成(実施例2参照)で得た収率より有意に高い。かくして、この特許で開示の高温合成法は、収率の有意な増大と合成時間の減少を与えるが、より高い純度のストロンチウムアスパルテート塩を与える。この生成物はX線結晶構造解析とデータを、ケンブリッジ結晶構造解析データベースの結果と比較してストロンチウムアスパルテート3水和物と明白に同定された。
合成のさらなる改良は、水と全ての水性溶液を窒素またはアルゴンで脱気することを含み、炭酸ストロンチウムの不純物の生成になりうる炭酸ガスとの接触を防ぐ。当業者は、不活性雰囲気下で進行する手法を容易に採用できるであろう。
実施例6
100℃での合成によるストロンチウムマロネート1水和物の製造
始めに、マロン酸の懸濁液(白色)を、250mlのビーカー中、100mlのミリポア水を10.406g(0.1モル)の固形マロン酸(フルカ、分子量104.06g/モル、CAS番号141-82-2、ロット番号、449503/1、ファイリングコード44903076)に添加して作った。この溶液に、26.571g (0.1モル)の固形水酸化ストロンチウム(シグマアルドリッチ、Sr(OH)2 *8H2O、分子量265.71、CAS番号1311-10-0)を加えた。次いで、磁気撹拌棒を加え、撹拌と加熱を懸濁液の沸騰点まで行った。最終懸濁液も白色に着色し、撹拌を撹拌装置の中程度の回転速度を維持して継続した。炭酸ガスの液への侵入を防止するため、ビーカーをカバーガラスで覆った。
何分かの煮沸と撹拌の後に溶液は澄明になり、全固形材料が溶解した。煮沸を維持し、煮沸で失われた水と置換のため必要なとき追加の水を加えた。3時間の煮沸の後、溶液をブフナーロートで熱時濾過した。ごく少量の不純物が濾紙上に残った。次いで濾液を室温に冷却するとストロンチウムマロネートの微粉末化結晶の生成をみた。最終生成物の沈殿が、濾過中に急速に進行し、生成物の大部分は濾紙(未加熱)に見出された。ごくまれに、沈殿が濾液中で進行した。生成物を濾過し、オーブン中110℃で1/2時間、次いでデシケーター中シリカオレンジ上で12時間乾燥した。X線結晶構造解析とFAASによる分析の前に、塩を微粉末に乳鉢中で粉砕した。
ストロンチウムマロネートの全収率は再結晶前にほぼ98%であり、かつ不純物の大部分は試薬と炭酸ストロンチウムとみられるものからなった。生成物は、X線結晶構造解析とデータをケンブリッジ結晶構造解析データベースの結果と比較し、ストロンチウムマロネートと明白に同定した。
合成のさらなる改良には、水と全ての水性溶液を窒素またはアルゴンで脱気することが含まれ、炭酸ストロンチウムの不純物の生成となりうる炭酸ガスとの接触を防ぐ。当業者は、不活性ガス雰囲気中で進行する手法を容易に採用できるであろう。
実施例7
100℃を超える温度を用いるジカルボン酸の水溶性ストロンチウム塩の製法
前に開発し、実施例2〜6に記載した方法に従い、有機ジカルボン酸のストロンチウム塩かつ特にアミノ酸のストロンチウム塩の合成は、低収率と所望の反応生成物を不純物から分離することが困難なため大規模(すなわち1kgを超える)で作ることが困難である。炭酸のストロンチウム塩が、反応を通常の値の炭酸ガスを含有する大気中で行うと不純物を形成するので特別の関心がある。
我々はジカルボン酸のストロンチウム塩が、アニオンの遊離酸の形と水酸化ストロンチウムとから作られる時の生成物の全収率が、温度と合成の時間に依存することを実施例4〜6で記述した。反応を完結するには、適当なアミノ酸と水酸化ストロンチウムの混合物を、水中で3時間煮沸し、反応混合物中のストロンチウムを空気中の炭酸ガスと十分な時間反応させる。この実施例では、温度が密封容器中100℃を超えて上昇され、反応時間が有意に減少される最適化した反応条件を提供することにより合成をさらに改良する方法を開示する。
この発明の実施例は、オートクレーブシステム中でストロンチウムグルタメートの合成用の条件の最適化からの代表的データを与える。ストロンチウムグルタメートは例として使用されるが、実施例に記載の最適条件は他のストロンチウム塩の合成にも適用でき、そこで正確な反応条件はこの実施例に開示のように最適化できる。反応温度は、所望のストロンチウム塩の有機アニオン部分の溶融点未満または分解温度未満に維持しなければならない。例として、マロン酸は132〜134℃で分解するので、ストロンチウムマロネートの合成は、132℃未満の温度で行わねばならない。
ストロンチウムL-グルタメートを最適化実験のモデルストロンチウム化合物として使用した。生成物の純度は、結晶学的データと比較し、ストロンチウム含量を測定してモニターした。理論上、ストロンチウム含量は、これらの実験で生成される生成物であるストロンチウムL-グルタメート6水和物中25.7%である。他の溶解性ストロンチウム塩は、類似の方法で高い収率と純度で作りうることになる。
実験
溶液の製造:グルタミン酸の懸濁液(白色に着色)を250mlのビーカー中で100mlのミリポア水を14.703g(0.1モル)の固形L-グルタミン酸(シグマアルドリッチ、C5N9NO4、分子量187.14g/モル、CAS番号142-47-2、ロット番号426560/1、ファイリングコード43003336)に加えて作った。この懸濁液に固形の水酸化ストロンチウム(シグマアルドリッチ、Sr(OH)2*8H2O、分子量268.71、CAS番号1311-10-0)の22.257g、26.571gまたは31.885g(0.08モル、0.1モルまたは0.12モル)を添加した。
最適化実験
塩の製造後に、9つの最適化実験を表6の設定に従って行った。
Figure 0005049589
手法
1.酸の計算量を秤量し、ブルーキャップのオートクレーブのびんに移し、ミリポア水(Millipore water)を添加した。びんを封止し、微細に粒状化した懸濁液を得るため振
盪した。
2.水酸化ストロンチウム8水和物の計算量を秤量し、(1)の酸溶液に添加し、びんを全ての粗い材料の塊が微粒粉末になるまで激しく震盪した。
3.びんをオートクレーブに入れ、温度を設定した。オートクレーブ中ではさらなる撹拌は行わなかった。
4.T=100℃でオートクレーブのバルブを閉じ、計時を開始した。
5.オートクレーブ中、実際の温度と圧力をモニターした。
6.オートクレーブ時間の終わりに、安全に注意して、できるだけ蒸気を排出した。
7.ほぼ110℃で、オートクレーブを開き、溶液を回収した。再び、びんを高程度の混
合が得られるよう震盪した。
8.溶液をオートクレーブ後にブフナーロートで直ちに温時濾過し、濾紙上にごく少量の炭酸塩が残った。溶液を室温に冷却中に生成物は沈殿した。
9.沈殿後に、生成物を濾過し、オーブン中110℃で1/2時間乾燥した。次いで、デシケーター中シリカゲルオレンジ上で乾燥した。最後に、生成物を乳鉢中微粉末に粉砕した。
10.生成物は、粉砕後に秤量し、全収率を計算した。
本発明によるストロンチウムマロネートの製造
ストロンチウムL-グルタメート以外の他のストロンチウム塩に開示の高温合成の応用性を確認するために、ストロンチウムマロネートを作った。ストロンチウムL-グルタメートの製造で見出した反応条件が基本的に使用された。
マロン酸の懸濁液(白色)を、250mlのビーカー中、ミリポア水の100mlを10.41g(0.1モル)の固形マロン酸(フルカ63295、分子量104.1)に加えて作る。この懸濁液に、固形水酸化ストロンチウム(シグマアルドリッチ、Sr(OH)2*8H2O、分子量265.71、CAS番号、1311-10-0)の22.257g、26.571gまたは31.885g(0.08モル、0.1モルまたは0.12モル)を加えた。上記の反応手法に従い、温度はマロン酸の分解を避けるため130℃未満に保ち、一方、反応時間は15分に維持した。
ストロンチウムの含量(%Sr)
0.2gのサンプルを、ミリポア水中で作った0.1M HNO3の100mlに溶解した。この溶液はさらに1%KClの溶液で500倍に希釈し、ストロンチウムの含量は、FAASで測定した。測定はバックグランドシグナルを補正のため水素ランプを備えたパーキンエルマー2100を用いて行った。ストロンチウムは0.2nmのスリットで測定し、波長は58エネルギーで8mAの電流で操作する460.8nmであった。
X線結晶構造解析
純度の第2のチェックは、フーバーG670回折メーターを使用し、粉末X線結晶構造解析で行った。ストロンチウムグルタメートの特徴的回折図は図1に示される。この発明で開示の高温合成法によって得られたストロンチウムマロネートのX線回折図は、図2に示される。最大強度のピークの低アングル側の二重ピークは、装置の人為現象である。
結果と討論
表4でいくつかの合成条件は、反応生成物のストロンチウムのモル%から明らかなよう
に、比較的低い収率と低純度のストロンチウムグルタメートとなったことが観察される。実験番号8の生成物は、比較的低い収率で、X線分析でも確認してストロンチウムの予期値25.7%を含有しなかった。このアウトライアーにかかわらず、一般に最適化実験の結果は、予期生成物に近い。不完全な反応は、低すぎるストロンチウム含量の生成物を与え、一方、合成中の炭酸ストロンチウムの生成が、高すぎる値のストロンチウム含量を与える。実験1と5に使用した条件は、予期値と最もよく一致するストロンチウム含量を与えた。また、注目すべきは、実験番号6の生成物は低収率ではあるが、予期値に相当するストロンチウムの量を含有したことも明白でもあった。
全収率に対する個々のパラメータの影響を検討すること(表6と図3)により、温度、オートクレーブ時間と塩基−酸比が合成に重要で、一方全容量はあまり重要でないことが明らかとなる。100%を超える収率が実験条件2,3,4,5,7に観察されるが、不完全な乾燥に由来し、この影響は、図3でのように平均値を考えると殆ど排除される。かくして、最大収率が、高温(133℃)、オートクレーブの短い時間(15分)と過剰の水酸化ストロンチウムを用いて得られた。従って、温度が時間より重要で、塩基−酸比への重要性に匹敵する。しかし、他のストロンチウム塩の合成での分解の温度、例えばマロネートは132〜134℃を越えないように大きな注意を要する。最適化のコントロールの10回目の実験が、最適化実験の最大収率を確かめるべく行われた。
その上追加実験が、ストロンチウムL-グルタメート以外の他の有機ストロンチウム塩の製造用の高温合成法の適応性を評価するのに行われた。ストロンチウムマロネートが選ばれたが、この塩は、マロン酸アニオンの低い解離温度のため高温度条件下で作ることが特に難しいと考えられるからである。しかし、表2に示すように、結晶性の純でよく顕著な特長を有するストロンチウムマロネートが容易に作り得た。この化合物の結晶構造は、新しい構造で従来知られたものでないので完全に解明されていないが、データは、高温法が多くの他の有機ストロンチウム塩に適用しうることを示す。
さらなる合成の改良は、炭酸ストロンチウムの生成を少なくすべく全ての溶液に窒素ガスまたはアルゴンガスの何れかで脱気することと同様に不活性雰囲気を合成環境に導入することである。
結論
最適化実験は、温度を100℃より高い値に上げかつオートクレーブ中短時間(15分)を使用してストロンチウムグルタメートを高収率で合成できることを示している。また、20%過剰の水酸化ストロンチウムが合成されたストロンチウム塩の純度に妥協することなく全収率も改良する。シリカゲルオレンジよりもより強い乾燥を、完全な乾燥品を得るために乾燥法に適用すべきである。より強い乾燥剤の例は、濃硫酸または酸化カルシウムであるが、通常の凍結乾燥または他の機械的処理もこの方法に適用しうる。
実施例8
低溶解性の有機ストロンチウム塩の薬物動態性質
この実験の目的は、低溶解性の有機ストロンチウム塩(ストロンチウムシトレート)のバイオアベイラビリティーを塩化ストロンチウムとストロンチウムラネレートと比較して評価することであった。バイオアベイラビリティーは、24時間期間の一定の間隔で血清ストロンチウム濃度を測定しAUCを算出することで評価した。
実験は、HanTac:WH(GALAS)種の雌のSPFウイスターラット(デンマーク、Ejby, DK-4623Lille Skensved, Taconic M&B A/Sから)で行った。馴化期間の開始時に、ラットはほぼ200〜250g体重でほぼ9週令であった。動物は、21℃±3℃の温度で相対湿度55%+15%で濾過空気かつ1時間当たり10回の空気交換する換気系を備えた室に入れた。室は12時間採光と12時間暗所のサイクルで照明した。ラットには、完全ペレット化げっ歯用食餌“Altromin1314”(Chr. Petersen A/S, デンマーク、DK-4100 Ringsted)で餌育した。ラットは、微生物生育を防ぐため塩酸でpH2.5に酸性化した家庭用品質の飲料水を入れたびんに自由接近とした。
ラットは、下の表に示すように、9匹の4つのグループにランダムに分けた。グループ、投与レベル、動物数は次の表7に示したものである。
Figure 0005049589
テスト物品は、最も最近の体重データにより経口栄養として一度に与えた。コントロール群は、賦形剤のみ(0.5%カルボキシメチルセルロース(CMC))を投与した。賦形剤は、コントロールを含む全処置群に脱イオン水で作った。テスト物質(ストロンチウム塩)は、5ml/kg体重に相当の容量で溶解または懸濁した。化合物を懸濁液中に保つべく、製剤は投与前と投与中磁気撹拌器で保った。
ストロンチウムの吸収およびバイオアベイラビリティーを決定するための血液サンプル
処置日(第1日)に、血液サンプルを全動物から採取した。血液サンプルは、1群当たり3匹から、次の時点:処置前、処置後30分、1、1.5、2、4、8と24時間に採取し、各群から3匹は、0、1.5と6時間で、他の3匹は0.5、2と8時間で、群の残りの3匹は1.4と24時間で採取した。
ほぼ0.5〜0.6mlの血液を、各時間で眼窩静脈叢から血清用のプレーンチューブに採取した。血液は、30〜60分間と遠心分離(10分、1270G、+20℃)まで室温に保った。血清はヌンクの凍結チューブ(デンマーク、Nunc)に移し、−18℃で凍結し、次いでグラファイト炉原子吸収分光分析(GF-AAS)でストロンチウム含量の分析に付した。
グラファイト炉原子吸収分光分析(GF-AAS)
濃HClを血清サンプルに加え、0.2%HClの最終濃度とした。次いでサンプルを、バックグランドシグナル補正用の水素ランプを備えたパーキンエルマー2100を用いる分析に付した。ストロンチウムは、0.2nmのスリットで測定し、波長は58のエネルギーで8mAの電流で操作する460.8nmであった。
ストロンチウム塩吸収の薬物動態研究の結果
図4に、ストロンチウム塩で処置した3つの群で測定した血清濃度が化合物の投与後の時間の関数としてプロットされている。ストロンチウム塩の投与が、血清ストロンチウム濃度の速くて非常に有意な増加となることが明らかである。異なる塩の薬物動態性質と比較すると比較的に悪い溶解性のストロンチウムラネレート(実施例3参照)と同様に高い溶解性の塩化ストロンチウムが共に急速に吸収され、ほぼ2時間後に最大血清濃度に達することが明らかである。これに対して、最低の溶解性のストロンチウムシトレートは、よりゆっくりした動力学的速度で最大の血清濃度に達し、約6〜8時間後に最大濃度に到達する。その上、ストロンチウムシトレートの投与後0〜8時間間隔での血清ストロンチウム濃度は、より安定なようである。
AUC算出が行われるとき、図4の平均値で証せられるように曲線の一般的コースが、応答/薬物動態曲線を特別に開発した数学モデルにモデル化することにより最良に記述された。当初の段階で、ストロンチウムは代謝されず、単にラットの胃/上部消化管から上皮細胞に活性な移送メカニズムによって移送されると想定される。また、代謝せずに、ストロンチウムイオンは、胃/上部消化管から移送され、ここで同時に血管に放出される。血管を通してストロンチウムの循環中のみ、ストロンチウムは分散され体組織に代謝される。この信ずべきしかし単純化した記述は、ストロンチウムイオンの経口投与後のイオン性ストロンチウムの吸収の2段階メカニズムを含む。これはおそらく、消化管の長さにわたって活性な2つの摂取メカニズム、能動迅速活性化メカニズムと受動輸送メカニズムとに対応する。ストロンチウム投与がラットになされた後に、吸収の特徴時間はt=12分であることが分かった。血清中のストロンチウムの最大含量はほぼ30分後に観察された。12分の特徴時間値はストロンチウムイオンの持続が腸管腔から活性移送メカニズムにより採取され循環に排出されると解釈される。胃と血管の間のストロンチウム移行時間は、殆ど瞬間的に始まり、一方消化管と血管との移送時間は、研究される塩のタイプにより後の段階で進行する。しかし全ての塩について、ストロンチウム含量はほぼ1750分(29時間)後に水平になり投与前レベルに相当の本来のレベルに近づく。
モデル算出は、表7に示される曲線下の面積の測定で適用された。AUC値の標準偏差は、図4の測定での一般的な不確定さに相当し、その大きさは、塩の間の有意な区別をさせない。
Figure 0005049589
ストロンチウムシトレートで観察されたストロンチウムの遅延した吸収の効果は、化合物の薬物動態性質を増強できる。ストロンチウムシトレートは、他の処置群との差が統計学的な有意には到達しなかったが、AUCカーブ(表7)から評価されるように最高レベルのバイオアベイラビリティーとなった。Cmaxの遅延した達成は骨代謝に影響する疾患と症状の治療でのストロンチウム化合物の使用の利点となりうる。これらの場合に、骨の吸収が最高の割合で起こっている夜に化合物を作用させるので、就寝前の夕方に化合物を投与する利点がよくある。その上、就寝前の投与は、ストロンチウム塩の医薬製剤が最終の食事後にとれるので、通常の食物中のカルシウムからのありそうな干渉が少なくなる。これは、日中の投与と対照的で、日中では通常の食物中のカルシウム含量がストロンチウムの吸収に干渉し減少する潜在力を有する。化合物の投与後4〜8時間に渡って血清ストロンチウム濃度が徐々に増加することは化合物の夕方投与によく合致し、骨代謝へのストロンチウム化合物の治療効果を最大にするのによく適するとみられる。
実施例7に記載の方法で作ったストロンチウムグルタメート6水和物結晶のX線回折図である。 実施例7に記載の方法で作ったストロンチウムマロネート結晶のX線回折図である。 表6に要約したストロンチウムグルタメート合成の最適化実験の結果である。 各パネルの上部で示されたようなストロンチウムの単独投与されたラットで測定された血清ストロンチウム濃度のプロットである。

Claims (10)

  1. ストロンチウムシトレート、ストロンチウムスクシネートおよびこれらの混合物から選択されるストロンチウム(Sr)塩を含む骨粗鬆症の治療用医薬組成物。
  2. ストロンチウム塩の水溶性が、室温(20〜25℃)で多くて200g/l、もしくは多くて150g/l、多くて100g/l、多くて75g/l、多くて50g/l、多くて25g/l、多くて10g/l、多くて5g/l、多くて2.5g/l、または多くて1g/lである請求項1に記載の組成物。
  3. ストロンチウム塩の水溶性が、室温(20〜25℃)で少なくとも0.1 g/l、または0.1 g/l〜10 g/l、0.2 g/l〜5 g/lの範囲である請求項1または2に記載の組成物。
  4. ストロンチウム塩の水溶性が、室温(20〜25℃)で少なくとも1g/l、もしくは少なくとも5g/l、少なくとも10g/l、少なくとも20g/l、少なくとも30g/l、少なくとも40g/l、少なくとも50g/l、少なくとも60g/l、少なくとも70g/l、少なくとも80g/l、少なくとも90g/lまたは少なくとも100g/lである請求項1に記載の組成物。
  5. 一日一回、就寝時の投与のための請求項1〜4のいずれか1つに記載の組成物。
  6. 少なくとも0.01g、または少なくとも0.025g、少なくとも0.050g、少なくとも0.075g、少なくとも0.1g、少なくとも0.2g、少なくとも0.3g、少なくとも0.4gまたは少なくとも0.5g、または0.01g〜2g、0.1g〜2g、0.1g〜1g、0.15g〜0.5g、0.3g〜2gまたは0.3g〜1gのストロンチウム(イオン性ストロンチウムとして計算)を含む請求項1〜5のいずれか1つに記載の組成物。
  7. 少なくとも0.5g、もしくは少なくとも0.6g、少なくとも0.7g、少なくとも0.8g、少なくとも0.9g、少なくとも1.0g、少なくとも1.1g、少なくとも1.2g、少なくとも1.3g、少なくとも1.4g、少なくとも1.5g、少なくとも1.6g、少なくとも1.7g、少なくとも1.8g、少なくとも1.9gまたは少なくとも2.0gのストロンチウム(イオン性ストロンチウムとして計算)
    を含む請求項1〜5のいずれか1つに記載の組成物。
  8. Sr塩が、経口投与用錠剤に含まれる請求項1〜7のいずれか1つに記載の組成物。
  9. 組成物が、Sr塩の放出を支配する制御放出コーチングで被覆されている請求項1〜8のいずれか1つに記載の組成物。
  10. 塩が、水和物、無水物、溶媒化物、多形、無晶形、結晶形または微結晶形である請求項1〜9のいずれか1つに記載の組成物。
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