JP5045829B2 - 水晶片集合体及び水晶振動子 - Google Patents
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Description
図9は、特表平11−509052号公報にて開示された従来の水晶ウェハの構造を示したものである。図9(a)は水晶ウェハの一部を図示したものであり、水晶のX軸(電気軸)と平行な方向に延設したフレーム1と、前記フレーム1に沿って配列した電極を有する複数の水晶片2と、前記フレーム1と前記水晶片2とを接続する溝部3を備えている。
図9(b)は溝部3をA方向から見た断面を示したものである。同図中の波線矢印のZは水晶のZ軸(光軸)の方向を示す。
従って、エッチングにあってはZ’方向(図10の紙面左右方向)へのオーバーエッチングを考慮すると共に、水晶の端部にバリが残らないようにエッチング時間を十分取る必要がある。
すなわち、水晶ウェハを製造するときには、先述したように水晶片2の端部にバリが残らないようにエッチング時間を十分取らなければならない。ところが、エッチング時間を長くすると溝部3が深くなり、最悪の場合は溝部3が反対側まで貫通し水晶片2がフレーム部1から脱落してしまう。また、溝部3の深さはエッチング耐性膜(保護膜)のスリット幅(図9の”C”部分)にも大きく影響されるので、溝部3の深さが適度なものをバラツキなく形成するには、エッチング耐性膜(保護膜)を高精度に形成し、且つエッチングの条件を微妙に管理しなければならない。
本発明の第2の形態に係る水晶片集合体は、前記第2アーム部の前記水晶片の一方の主面から他方の主面に亘る側面が、前記Y’軸に平行であることを特徴とする。
本発明の第3の形態に係る水晶片集合体は、前記第2アーム部の前記水晶片の一方の主面から他方の主面に亘る側面が、前記Y’軸と交差することを特徴とする。
本発明の第4の形態に係る水晶片集合体は、前記水晶基板の厚みをtとしたとき、前記第2アーム部の前記X軸方向の長さが0.05t〜1.0tであることを特徴とする。
本発明の第5の形態に係る水晶片集合体は、前記水晶基板の厚みをtとしたとき、前記第2アーム部の前記Z’軸方向の長さが0.08t〜0.7tであることを特徴とする。
本発明の第6の形態に係る水晶片集合体は、前記水晶基板がATカットの水晶であることを特徴とする。
本発明の第7の形態に係る水晶片集合体は、前記水晶片のそれぞれには電極が設けられていることを特徴とする。
本発明の第8の形態に係る水晶振動子は、第7の形態に係る水晶片集合体から前記第2アーム部を破断して前記水晶片を個片に分離し、前記個片をパッケージに収容して封止したことを特徴とする。
[適用例1]適用例1に係る水晶片集合体は、水晶のX軸(電気軸)に対して平行で且つZ軸(光軸)に対して傾斜したカット面を有する水晶基板であって、前記水晶基板の表面の前記X軸と直交する方向に延設されたフレーム部と、前記フレーム部に沿って形成された複数の水晶片と、前記フレーム部から前記X軸と平行な方向に延設された第1アーム部と、前記第1アーム部の端部から前記X軸と平行な方向に延設され前記水晶片に接続された第2アーム部とを備え、前記第2アーム部は前記第1アーム部より細幅としたものである。
[適用例3]適用例3に係る水晶片集合体は、適用例1、または適用例2の構成において、前記水晶基板の厚みをtとしたとき、前記第2アーム部の前記X軸と直交する方向の長さを0.08t〜0.7tとしたものである。
[適用例4]適用例4に係る水晶片集合体は、適用例1乃至3のうちいずれか一の適用例の構成において、前記第2アーム部は他の部分に比べて厚みが薄肉となっているものである。
[適用例6]適用例6に係る水晶片集合体は、適用例1乃至5のうちいずれか一の適用例の構成において、前記水晶片のそれぞれには電極が形成されたものである。
[適用例7]適用例7に係る水晶振動子は、適用例6の構成において、前記第2アーム部を破断して前記水晶片を個片に分離し、これをパッケージに収容して封止したものである。
図1は本発明に係わる水晶片集合体の外観(一部)を示したものである。
本発明の水晶片集合体は、例えばATカットのような水晶のX軸(電気軸)に対して平行で且つZ軸(光軸)に対して傾斜したカット面を有する水晶基板の表面に、前記X軸と直交する方向(Z’方向)に延設されたフレーム部4と、前記フレーム部4に沿ってZ’方向に配列された複数の水晶片5(一つのみ表示)と、前記フレーム部4から前記X軸と平行な方向に延設された第1アーム部6と、前記第1アーム部6の端部から前記X軸と平行な方向に延設され前記水晶片5に接続された第2アーム部7とを備えている。なお、水晶片5には電極(図示せず)が形成されている。
第2アーム部7とフレーム部4との間に第2アーム部7よりも幅広で長い第1アーム部6を設ける理由は、図1のCで示した領域の面積を適度に広くすることによって、この領域をエッチングにて貫通しやすいよう考慮している。
図2は、本発明に係る水晶片集合体の製造方法の工程を図示したものである。
まず、水晶基板の上にCr(クロム)を下地としてAu(金)の金属膜を蒸着する。(図2(a)(b))
次に、金属膜の上にフォトレジストを塗布し(図2(c))、その上にフォトマスク(図示せず)を被せ、フォトレジストを露光、現像し所定のフォトレジストパターンを形成する。(図2(d))
次に、フォトレジストパターンを保護膜として前記金属膜をエッチングし、水晶片2と第1アーム部6と第2アーム部7とフレーム部4の外形パターン(金属膜パターン)を形成する。(図2(e))次に、前記フォトレジストパターンと金属膜パターンを保護膜とし露出した水晶を化学的にエッチングし、水晶片2と第1アーム部6と第2アーム部7とフレーム部4とを一括形成する。(図2(f))次に、フォトレジストパターンと金属膜パターンとを剥離し(図2(g))、その上からメタルマスクを被せ水晶片5に電極を蒸着する。(図2(h))この状態が図1に示した水晶片集合体である。
次に、第2アーム部7を機械的に破断し水晶片5を個片に分離する。(図2(i))そして、これを所定のパッケージに収納して封止すれば水晶振動子が完成する。
図3において、水晶のZ軸(光軸)の方向に沿ってエッチングが順次進行する。途中水晶の端部にバリが発生するが(図3(c))、更にエッチングを進めるとバリ部分がなくなり、図3(e)の状態でエッチングを完了する。
一方、図1のB−B’のエッチング断面を図4に示す。水晶が備える異方性エッチンググ特性のため、Z軸の方向に比べるとX軸の方向へはほとんどエッチングされない。
従って、第2アーム部7上の金属膜パターン(Au膜、Cr膜)について、Z’方向へのオーバーエッチング量を予め見込んでZ’2の寸法精度を良く形成しておけば、エッチング時間等のエッチング条件が微妙に変わったとしても、第2アーム部7がエッチングによって脱落することがない。
試作結果等を検討すると、フォトマスクのパターンの寸法については、水晶片5の電極部分を除いた厚みtを30〜100μm程度と仮定すると、0.05t≦X2≦1.0t、0.2t≦Z’2≦1.0tの範囲が適切であることが判明した。また、第2アーム部のZ’方向の寸法については、水晶片5を物理的に保持するためには少なくとも5μm以上の幅が必要であり、この方向へのオーバーエッチング量を考慮すると、Z’方向の寸法(Z’2)は0.08t(5μm)〜0.7tの範囲が適切であることが判明した。
また、図6のように、両面の金属膜パターンの幅を異なるようにしてもよい。この場合は、第2アーム部7の上側が一部エッチングによって貫通し他の部分に比べ厚みが肉薄となるが、第2アーム部7が脱落することはない。或いは、図7のような金属膜パターンとしても良い。
以上、説明したように本発明は、板厚が薄く高い周波数の水晶片集合体を安定的に製造するのに有効な製造方法を提供するものであり、その応用性は極めて高い。
Claims (8)
- エッチングで残された折り取り可能な複数の水晶片を有する水晶片集合体であって、
前記水晶片は、
水晶の結晶軸である、電気軸としてのX軸と、機械軸としてのY軸と、光学軸としてのZ軸と、からなる直交座標系の前記X軸を中心として、前記Z軸を前記Y軸の−Y方向へ傾けた軸をZ’軸とし、前記Y軸を前記Z軸の+Z方向へ傾けた軸をY’軸とし、前記X軸と前記Z’軸に平行な面で構成され、前記Y’軸に平行な方向を厚みとする水晶基板から構成され、
前記Z’軸に沿って並べられたフレーム部と、
当該フレーム部から前記X軸に沿って延設された第1アーム部と、
当該第1アーム部の端部から前記X軸に沿って延設され、前記水晶片に接続された第2アーム部と、
を有し、
前記第2アーム部の前記Z’軸方向の幅は、前記第1アーム部の前記Z’軸方向の幅より細幅であり、
前記第2アーム部は、
前記水晶片の一方の主面から他方の主面に亘って、前記Z’軸方向の幅が一定となるように構成されている
ことを特徴とする水晶片集合体。 - 前記第2アーム部の前記水晶片の一方の主面から他方の主面に亘る側面が、前記Y’軸に平行であることを特徴とする請求項1に記載の水晶片集合体。
- 前記第2アーム部の前記水晶片の一方の主面から他方の主面に亘る側面が、前記Y’軸と交差することを特徴とする請求項1に記載の水晶片集合体。
- 前記水晶基板の厚みをtとしたとき、
前記第2アーム部の前記X軸方向の長さが0.05t〜1.0tであることを特徴とする請求項1乃至3のうち何れか一項に記載の水晶片集合体。 - 前記水晶基板の厚みをtとしたとき、
前記第2アーム部の前記Z’軸方向の長さが0.08t〜0.7tであることを特徴とする請求項1乃至4のうち何れか一項に記載の水晶片集合体。 - 前記水晶基板がATカットの水晶であることを特徴とする請求項1乃至5のうち何れか一項に記載の水晶片集合体。
- 前記水晶片のそれぞれには電極が設けられていることを特徴とする請求項1乃至6のうち何れか一項に記載の水晶片集合体。
- 請求項7に記載の水晶片集合体から前記第2アーム部を破断して前記水晶片を個片に分離し、
前記個片をパッケージに収容して封止したことを特徴とする水晶振動子。
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