以下、添付図面を参照しながら本発明の好ましい実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の一形態に係る組立ラインの生産管理システムの全体構成を示すブロック図である。
図1を参照して、生産管理システム1は、生産情報提供システム10と生産順序表示システム20とをオンラインシステム2に繋いだクライアントサーバシステムで具体化されている。
生産情報提供システム10は、例えば、吊掛管理室等のシステム管理室に設置されたサーバシステムであり、演算装置11、入力装置12、印刷装置13、記憶装置14、通信装置15、および表示装置16を備え、これらをバス10aで接続したハードウェア構成となっている。
生産情報提供システム10の記憶装置14には、当該演算装置11をサーバシステムとして機能させるオペレーションシステムがインストールされており、このオペレーションシステムの機能によって、クライアントとしての生産順序表示システム20と通信を行い、必要な情報を双方向で提供できるように構成されている。さらに、記憶装置14には、管理対象となる組立部品としての車体Wの生産計画順序データを保存する生産計画順序テーブルや、塗装工場から納品された車体Wの納品データを保存する納品テーブル、納品データと生産計画順序データとに基づいて、生産確定順序データを生成するプログラム、さらには、生成された生産確定順序データを保存する生産確定順序テーブルが記憶されている。ここで、テーブルとは、2次元マトリックス(行と列)でデータを保存するデータの集合のことをいい、以下の説明では、テーブルの項目(列)を属性といい、{}でくくって表す。また、テーブルの実現値(列に割り当てられる実際の値の集合)を行という。さらに、各行に保存される実現値は、“ ”でくくって表す。生産確定順序データは、表計算用アプリケーションまたは、データベースアプリケーション等によって半自動で生成されるものである。
また、通信装置15は、記憶装置14にインストールされたオペレーションシステムの機能に基づき、工場内LANにおいて、クライアントとしての生産順序表示システム20と通信する機能を有するLANカード等で具体化されている。
なお、本実施形態において、図1には明示されていないが、LANシステム2は、例えばIP−VPN等のWANシステムやインターネット等を介して、塗装工場から納品された車体Wの納品データが生産情報提供システム10の記憶装置14にダウンロードされるように構成されている。
図2は、本実施形態に係る生産順序表示システム20が配置される組立ラインのレイアウトを示す平面略図であり、図3は、同生産順序表示システム20の構成図である。
図2を参照して、生産順序表示システム20は、図示の通り、組立ラインを構成する複数のステーションST毎に設置されている。本実施形態において、組立ラインは、車体Wを搬送するメインラインとしてのスラットコンベア3と、このスラットコンベア3に枝状にレイアウトされたサブライン4とを有している。スラットコンベア3では、生産速度調整のために、車体W一台分の空きスペースEを隔てて、車体Wが搬送される場合がある。各車体Wは、一台ずつ、車種が異なる多品種混流生産方式でスラットコンベア3に搬送される。サブライン4では、車体Wによって、稼動する場合と稼動しない場合とがある。本実施形態において、管理される生産順序は、各ライン3、4に流される本体部品の順序である。例えば、スラットコンベア3での生産順序は、当該スラットコンベア3に流される車体Wの搬送順序である。
各ステーションSTには、搬送される本体部品を検出する検出センサSWが設けられており、この検出センサSWの検出信号が各生産順序表示システム20に入力されるように構成されている。
生産順序表示システム20は、各ライン3および4、並びにスラットコンベア3から離れた場所に設置された孤立作業台5に設定されるステーションST毎に配置されており、それぞれのステーションSTを担当する作業者に生産される本体部品に関連する情報を処理するように構成されている。なお、各ステーションSTには、当該ステーションST毎に必要とされる組付部品(例えば、ミラー、インストゥルメントパネル等)を種類毎、或いはメーカ毎にグループ化した供給区分A〜Cが設定されており、各供給区分A〜Cに設置されたラック30内に組付部品31が収容されている。組付部品31は、その種類や区分によって、同一供給区分内で順不同に管理されているものと順番も管理されているものが存在する。また、各ステーションSTには、一時的に使わなくなった組付部品31を保管する保留部品用のラック32も用意されている。
図3を参照して、生産順序表示システム20は、演算装置21、入力機能付表示装置23、印刷装置24、記憶装置25、通信装置26、ブザー付表示灯27、表示灯スイッチ28、および歩進ボタン29をバス20aで接続したクライアントシステムである。
入力機能付表示装置23は、液晶パネルで具体化されたディバイスであり、入力機能付表示装置23や、後述するプログラムの機能により表示されたGUIからの入力に基づき、プログラムの操作やデータのダウンロードができるように構成されており、本実施形態において、組立ラインで表示が必要な生産確定順序とともに所定の場合に車体Wの変更情報を事前に表示する変更情報表示手段を構成している。
記憶装置25は、種々のモジュールプログラムや処理データを記憶したROMや、主記憶装置となるRAM、並びにハードディスクドライブ等で具体化される補助記憶装置を含んでいる。補助記憶装置には、生産情報提供システム10との間でクライアントとして機能するためのオペレーションシステムがインストールされており、このオペレーションシステムにより、自局IDを一意に保ち、サーバシステムとしての生産情報提供システム10と通信可能に構成されている。また、記憶装置25の補助記憶装置には、各種プロトコルや表計算用アプリケーションがインストールされており、生産情報提供システム10と通信を行って、生産情報提供システム10から必要なテーブル等のデータをダウンロード可能に構成されている。また、補助記憶装置には、後述するテーブル等を含むデータベース252が構築されている。
演算装置21には、表計算用アプリケーションのユーザプログラムとして表示判定プログラム251がインストールされている。この表示判定プログラム251は、計画順序情報と確定順序情報とを比較して生産計画順序に対する生産確定順序の相違を検出するとともに、検出した相違が所定の表示条件を充足する場合に計画の変更表示が必要であると判定する表示判定手段として機能する。
通信装置26は、記憶装置25にインストールされたオペレーションシステムの機能に基づき、工場内LANにおいて、サーバとしての生産情報提供システム10と通信する機能を有するLANカード等で具体化されている。
ブザー付表示灯27は、演算装置21が後述するプログラムを実行することにより、計画の変更表示を警告するためのものであり、本実施形態における警報手段を構成している。
表示灯スイッチ28は、例えば押しボタンで構成されており、生産順序表示システム20は、演算装置21がこの表示灯スイッチ28の操作をトリガとして、ブザー付表示灯27の警報表示をOFFにするように構成されている。このように、表示灯スイッチ28は、本実施形態において、作業者の操作によって警告を解除する警告解除手段を構成している。
歩進ボタン29は、例えば押しボタンで構成されており、後述する計画の変更表示を事前に行うに当たり、何れの段階で変更表示を行うかを調整するためのディバイスである。歩進ボタン29は、必ずしも必須ではなく、ソフトウェアの設定によって同等の機能を実現することも可能である。
図4は、生産順序表示システム20に保存されているデータベース252の概念スキーマを示すE−R(エンティティ−リレーションシップ)図である。図5は、本実施形態に係る計画順序情報テーブルD1に基づいて生成されたビュー表である。図6は、本実施形態に係る確定順序情報テーブルD2に基づいて生成されたビュー表である。
ここで、「エンティティ」とは、いわゆるコッド(Codd)が1970年に提案したリレーショナルデータベースモデル理論にいうリレーションを実装したテーブルをいう。
図4において、(PK)は主キーを、(FK)は外部キーを、それぞれ表わしている。主キーは、テーブル内において、エンティティの行を一意に識別する属性である。外部キーは、主キーと同じ値を持つことによって、当該主キーを有するエンティティのデータを参照するためのものである。図中の矢印は、テーブル間の関係(リレーションシップ)を表わしており、矢印の終点側のテーブルにある外部キーが矢印の起点側のテーブルにある主キーを参照していることを示している。また、2つのテーブル間において、主キーと外部キーの対応関係をカーディナリティ(多重度)といい、矢印は、起点が0または1、終点が多のカーディナリティを有することを示している。カーディナリティは、同理論に基づく、E−Rモデルにおいて、あるエンティティと別のエンティティとが相互に関連する関係をいい、1:1、1:多、多:1、多:多がある。「連関エンティティ」とは、二つのエンティティを多:多のカーディナリティで関連づけるために、両エンティティからそれぞれ1:多の関係で関連づけられるエンティティをいう。
周知の通り、概念スキーマは、特定のアプリケーションプログラムや物理的な格納位置等の条件に依存しない論理的なデータ構造を定義するものであり、物理的な構造とは異なっている。本実施形態に係るE−Rは、生産情報提供システム10においては、データベースアプリケーション、生産順序表示システム20においては、表計算用ソフトウェアで実現されている。
図4〜図6を参照して、生産情報提供システム10には、計画順序情報テーブルD1および確定順序情報テーブルD2が保存されており、生産順序表示システム20の記憶装置25には、ASPテーブルD3、カーラインテーブルD4、および対象部品設定テーブルD5、ステーションテーブルD6が保存されている。
計画順序情報テーブルD1は、生産計画順序に基づく製品としての自動車に関する情報を保存するテーブルである。計画順序情報テーブルD1は、{オーダ番号}を主キーとして、{車種仕様、組立オン計画日時、管理番号(格納アドレス)}を属性として有している。{オーダ番号}は、一台の自動車を構成する全ての部品に共通する識別記号を保存する列である。例えば、オーダ番号に保存される識別記号としては、例えば、AON(Assembly Order Number)を頭文字にした文字列が設定される。そして、この識別記号AONと部品名称が決まると、ある自動車に使用される部品名やその部品の仕様等が一意に特定できるようになっている。{車種仕様}は、車体毎に必要な組付部品を特定するための記号を保存する列である。{組立オン計画日時}とは、生産計画上、該当する車体Wが組立ラインに入る日時を保存する列である。
確定順序情報テーブルD2は、製造実績に基づく車体Wに関する情報を保存するテーブルであり、本実施形態における確定順序テーブルの具体例である。確定順序情報テーブルD2は、計画順序情報テーブルD1と同様に、{オーダ番号}を主キーとして、{車種仕様、組立オン計画日時、コミット番号}を属性として有している。{オーダ番号、車種仕様、組立オン計画日時}は、計画順序情報テーブルD1と同等の属性である。{コミット番号}は、各ステーションSTの各生産設備において、計画順序情報と確定順序情報とをダウンロードする際、両者の頭出しをするための連番である。本実施形態において、コミット番号とオーダ番号とは、関連づけられた状態で組立ラインに連絡されており、後述するコミット合わせでは、作業者が必要なオーダ番号に対応するコミット番号を伝票やバーコードの情報等で知ることができるようになっている。{コミット番号}の定義域は、“0001”から“9999”である。
なお、各テーブルD1、D2のデータは、上述した通信システムによってステーション毎に必要なものだけがダウンロードされ、ASPテーブルD3によって対象部品設定テーブルD5と結合されることにより、供給区分と関連づけることが可能になっている。また、計画順序情報テーブルD1と確定順序情報テーブルD2とを論理的に別々に設けることにより、計画されていなかった車体Wの検出や、一度、組立作業が終了した車体Wを再度、組立ラインに流す場合等についても、その生産計画変更を表示することが可能になっている。
次に、ASPテーブルD3は、データの通信を実行するために必要な情報を保存するテーブルであり、このASPテーブルD3に設定された値に基づいて、何れの車体Wの情報が、通信データフォーマットの何れに保存されているかを識別できるようになっている。
図7は、本実施形態に係る通信データフォーマットの一例を示す図である。
図4および図7を参照して、ASPテーブルD3は、生産順序表示システム20からデータをダウンロードする際に、車体Wとの関連を特定するためのインデックステーブルであり、具体的にはデータフォーマットのカラム40(格納場所)を示す{ブロードコード}や、カラム40の先頭アドレスを示す{ポジション}(例えば、図の「65」は、165番地であることを示している)、並びに設定可能なデータ長を示す{長さ}等の属性が含まれている。これらの設定により、ステーションST毎に組付部品とオーダ番号との関連をプログラムによって決定することが可能になっている。
次に、図4において、カーラインテーブルD4は、混流生産される車種のうち、組立ラインに投入された順番が計画と異なる場合に表示を必要とするものを特定するためのテーブルであり、具体的には、{カーライン}を主キーとして、{車種名}が決定される構造になっている。{カーライン}には、車種を例えばモデルチェンジ要素まで一意に識別可能な識別記号が入力される。また、「車種名」には、作業者が記号の意味を識別可能な記号やコメントが入力される。
図8は、本実施形態に係るASPテーブルD3、カーラインテーブルD4、対象部品設定テーブルD5を結合したビュー表である。
図4および図8を参照して、対象部品設定テーブルD5は、ASPテーブルD3とカーラインテーブルD4の連関エンティティであり、生産情報提供システム10からダウンロードされた計画順序と確定順序に関する順序が異なる場合に、変更表示を実施するか否かを設定するための設定テーブルである。
対象部品設定テーブルD5の{ASV}は、車種情報の内容を表す情報を保存する列である。また、{供給区分}は、該当するステーションSTに設置されている供給区分を識別する記号を保存する列である。{変更表示}は、表示の要否を設定する列である。上述したように、供給区分A〜Cは、その一つ一つによって、計画変更の表示要否を左右するものである。そのため、本実施形態では、{ブロードコード、カーライン、ASV、供給区分}の組み合わせによって、{変更表示}が特定されるように構成されている。図8の例では、ミラーが取り付けられるステーションにおいて、3種類のミラーが供給区分A〜C毎に分類されており、そのうち、供給区分Aのミラーのみが変更表示を要するように設定されている。そして、ASPテーブルD3の設定により、図5および図6に示すビュー表の通り、計画順序情報毎、確定順序情報毎に、計画変更の表示要否を車体Wと関連づけることが可能になっている。
ステーションテーブルD6は、生産順序表示システム20が設置されるステーションSTに関連する情報を保存するテーブルである。局IDは、生産順序表示システム20のオペレーションシステムによって設定された局IDを保存する属性であり、この属性局IDを参照することにより、何れのステーションでどのような設定がなされているのかを識別することが可能になっている。
{テストモード設定、サブラインモード設定、専用ラインモード設定、および離れ小島モード設定}は、当該ステーションで計画順序を表示する際に、表示方法を変更するためのフラグを設定するための列であり、定義域は、”True“と”False“の何れかであり、初期値は、”False“になっている。
{テストモード設定}はテストを実行する際に設定されるモードを保存する列であり、生産順序表示システム20は、この設定値が”True“に選択されている場合には、一定の周期で表示される車体Wの情報が連続的に表示されるようにプログラムされている。
{サブラインモード設定}は、空情報(図2の空きスペースEを表示するための情報)を非表示にする際に設定されるモードを保存する列であり、生産順序表示システム20は、この設定値が”True“に選択されている場合には、空情報が非表示になるようにプログラムされている。
{AGV(Automated Guided Vehicle)ラインモード設定}は、切り換え信号として、AGVの検出センサを利用する際に設定されるモードを保存する列であり、生産順序表示システム20には、この設定値が”True“に選択されている場合は、AGVの検出センサをトリガとして、車体Wの情報の表示が切り換えられるようにプログラムされている。
{専用ラインモード設定}は、当該ステーションで扱わない車体の情報を非表示に設定するためのモードを保存する列であり、生産順序表示システム20は、この設定値が”True“に選択されている場合には、対象部品設定テーブルD5に登録されていない部品に関する車体Wの情報が非表示になるようにプログラムされている。
{離れ小島モード設定}は、図2の孤立作業台5のようなステーションSTにおいて、車両の情報を切り換える際に、一定の制約をかけるためのモードを保存する列であり、生産順序表示システム20は、この設定値が”True“に選択されている場合には、属性{秒}に設定されている秒数だけ、情報の切換仕様を変更できないようにプログラムされている。{秒}は、離れ小島モード設定が”True“のときに、制約をかける時間を設定する列である。
次に、確定順序テーブルが生成される手順について、図9以下を参照しながら説明する。
図9および図10は、本実施形態に係る生産情報提供システムにおける制御例を示すフローチャートである。
図9を参照して、この制御例では、まず、納品データの受信指示を待機し(ステップS20)、受信指示があった場合には、車体の納品データをダウンロードする(ステップS21)。この納品データは、オーダ番号で車体を特定可能になっているが、その順序は、計画順序情報テーブルD1に設定されているものとは大きく異なっている。そこで、データがダウンロードされると、オーダ番号で納品データと計画順序情報テーブルD1とを照合し、計画順序テーブルに近い順番に並び替える作業が自動的に実行される(ステップS22)。この作業は、例えば、計画順序情報テーブルD1の全ての行を対象にして、納品データを外部結合し、計画順序情報テーブルD1のオーダ番号順に連番を付すことによって自動的に処理することが可能である。
次いで、生成されたテーブルは、一次情報として保存される(ステップS23)。
次いで、一次情報の並びをさらに種々の製造要件に合わせて変更するために、一次情報と計画順序情報テーブルD1の情報とを照合し、その結果をGUIで表示装置16に表示する(ステップS24)。
その状態で、作業者は、入力装置12を操作して、一次情報を加工し、処理が終了した場合には、図略の終了コマンドを入力装置12から入力する。演算装置11は、この終了コマンドを待機しており(ステップS25)、終了コマンドが入力された場合には、変更された情報を確定順序バッファに保存し(ステップS26)、入力されない場合には、ステップS24の表示を維持する。
次いで、図10を参照して、システムは、確定順序バッファのデータに基づき、確定順序情報テーブルD2の内容を生成(または更新)する(ステップS27)。
次いで、生産順序表示システム20からの送信要求を待機する(ステップS28)。仮に送信要求があった場合、生産情報提供システム10は、要求のあった生産順序表示システム20に必要な情報のみを各テーブルD1、D2から抽出し、送信する(ステップS29)。ある生産順序表示システム20に必要な情報のみを抽出する方法としては、例えばオーダ番号の定義域と各生産順序表示システム20とを関連づけることが例示される。また、これとは別に、計画順序情報テーブルD1、確定順序情報テーブルD2にそれぞれ外部キーとして局IDを持たせておいてもよい。
各テーブルD1、D2からダウンロードする際の送信要求は、既存のダウンロードシステムによって実行される。このダウンロードシステムを操作することによって、データがダウンロードされることにより、各ステーションSTでの生産順序表示システム20の記憶装置14には、一部を除いて図4で示したE−R図と論理的に等しい計画順序テーブルD21および確定順序テーブルD22が構築されることになる。
図11は、生産順序表示システム20に構築された計画順序テーブルD21と、確定順序テーブルD22のE−R図である。
図11を参照して、計画順序テーブルD21および確定順序テーブルD22に関し、図4の計画順序情報テーブルD1および確定順序計画テーブルD2で示した{オーダ番号、車種仕様、組立オン計画日時、コミット番号}以外の{供給区分}について説明する。
{供給区分}は、対象部品設定テーブルD5によって設定されている供給区分を保存する属性である。各ステーションSTでは、設定行毎に、ASPテーブルD2のデータを参照できるので、このデータの設定値に基づいて、オーダ番号毎に供給区分を対応付け、{供給区分}に保存することによって、オーダ番号の変更表示の要否を判定できるようにしているのである。
図12は、本実施形態に係る生産順序表示システム20の画面遷移図である。
図12を参照して、生産順序表示システム20に設定されている画面には、メニュー画面22A、コミット合わせ画面22B、コミット操作画面22C、コミット歩進画面22D、記憶装置25の保留部品テーブルに保存されている保留状態のコミット番号とこのコミット番号と対応するオーダ番号を表示する保留リスト表示画面22E、メンテナンス画面22F、動作モード設定画面22G、異常表示画面22H、初期表示画面22I、予告画面22J、報知画面22Kが含まれている。
図13は、図12のメニュー画面の一例を示す図である。
図13を参照して、メニュー画面22Aには、生産順序表示システム20のトランザクションデータを初期化するための初期化ボタン221、コミット合わせを実行するためのコミット合わせボタン222、コミットを調整するためのコミット歩進ボタン223、保留リスト表示画面22Eに保留状態のコミット番号とオーダ番号を表示するための保留部品リストボタン224、運用画面として、初期表示画面22Iを表示するための運用画面ボタン225、異常表示を実行するための異常表示ボタン226、メンテナンスを実行するためのメンテナンスボタン227、およびプログラムを終了するための終了ボタン228を図示の通りレイアウトしたGUIである。
初期化ボタン221を操作すると、計画順序テーブルD21、および確定順序テーブルD22の全行が削除され、初期値に変更される。この初期化の後は、コミット合わせ(計画順序テーブルD21と確定順序テーブルD22の先頭行を揃える作業)が実行されるように、フールプルーフ機能が講じられている。
コミット合わせは、コミット合わせボタン222の操作により実行される。コミット合わせボタン222を操作すると、メニュー画面22Aからコミット合わせ画面22Bが表示される。
図14および図15は、コミット合わせ画面の一例を示す図である。また、図16は、コミット合わせ時の制御手順を示すフローチャートであり、図17は、図16のフローチャートを実行したときのイメージ図である。
各図を参照して、コミット合わせ画面22Bには、記憶装置25にダウンロードされた現在の計画順序テーブルD21のオーダ番号と関連づけた{コミット番号}の値(初期化後は、“0000”になっている)を表示するコミット表示部2210と、計画順序テーブルD21に保存されている計画情報のバッファ数(行数)を表示する計画バッファ表示部2211と、確定順序テーブルD22に保存されている確定情報のバッファ数(行数)を表示する確定バッファ表示部2212と、設定したいコミット番号を表示する変更後コミット番号表示部2213と、設定したいコミット番号を入力するキーボード2214と、データの更新をロック/ロック解除するための入力ボタン2215と、設定したコミット番号を確定させるための確定ボタン2216と、メニュー画面22Aに遷移するための戻るボタン2217が表示される。そして、入力ボタン2215でロックを解除し、キーボード2214で所定のコミット番号を入力した後、確定ボタン221を操作することにより、図15に示すコミット操作画面22Cが表示される。コミット操作画面22Cは、変更されようとしているコミット番号を表示する表示部2218と、コミット合わせを実行するためのコミット合わせ開始ボタン2219、およびコミット合わせを中止するためのコミット合わせ中止ボタン2220を有している。コミット合わせ開始ボタン2219を操作することにより、図16のフローチャートが実行され、計画順序テーブルD21と確定順序テーブルD22との対応が、コミット番号とオーダ番号とで管理されることになる。
図16および図17を参照して、このフローチャートが実行されると、まず、コミット番号CNが、コミット合わせ開始ボタン2219を操作した際に表示部2218に表示されていたコミット番号に更新される(ステップS42)。次いで、生産順序表示システム20は、更新されたコミット番号CNを生産情報提供システム10に送信して、ダウンロード要求を実行する(ステップS43)。このダウンロード要求により、図10で説明したステップS29が実行され、コミット番号CNのオーダ番号AONが確定順序情報テーブルD2から読み取られ、送信要求を行った生産順序表示システム20にダウンロードされる。このダウンロード情報は、コミット番号CNとともに、初期化された生産順序表示システム20の確定順序テーブルD22の最初の行に保存される(ステップS44)。次いで、生産順序表示システム20は、保存されたコミット番号CNが、ステップS42の入力値と同じであるか否かを判定する(ステップS45)。仮に同じである場合、順序テーブルD22は、コミット番号CNのオーダ番号を最初のオーダ番号AONと定義する(ステップS46)。次いで、生産順序表示システム20は、定義されたオーダ番号AONを生産情報提供システム10に送信して、ダウンロード要求を実行する(ステップS47)。このダウンロード要求により、図10で説明したステップS29が実行され、上記オーダ番号AONと同じオーダ番号AONが計画順序情報テーブルD1から読み取られ、送信要求を行った生産順序表示システム20に、同テーブルD1に設定されているオーダ番号AONがダウンロードされる。このダウンロード情報は、生産順序表示システム20の計画順序テーブルD21の最初の行に保存される(ステップS48)。次いで、バッファが予め設定されている値に達したか否か(例えば、補助記憶装置の許容量一杯になったか否か)が判定され(ステップS49)、一杯になれば処理を終了する。他方、バッファに余裕がある場合には、コミット番号CNを一つずつインクリメントし(ステップS50)、ステップS43に移行する。
上述したフローチャートにおいて、2回目以降の計画情報のダウンロードでは、ステップS45の判定がNOとなるため、フローは、ステップS51に移行する。このステップS51では、次のオーダ番号AONの送信要求を生産情報提供システム10に送信して、ダウンロード要求を実行する(ステップS51)。このダウンロード要求により、図10で説明したステップS29が実行され、オーダ番号AONが計画順序情報テーブルD1から読み取られ、送信要求を行った生産順序表示システム20にダウンロードされる。その後、フローは、ステップS48に移行するので、このダウンロード情報は、現在のコミット番号CNとともに、生産順序表示システム20の計画順序テーブルD21に保存される(ステップS48)。
以上のようなフローチャートを実行することにより、図17に示すように、確定順序テーブルD22には、連番のコミット番号CNにより順次、確定順序テーブルD2から対応のオーダ番号AONを取り込み、計画順序テーブルD21には、最初のコミット番号CNに対応したオーダ番号AONが取り込まれた後は、次のオーダ番号AONが順次、計画順序テーブルD1から取り込み保存される。
図12のコミット歩進ボタン223を操作した場合、画面は、コミット歩進画面22Dに遷移する。図18は、コミット歩進画面22Dを示す図である。
図18を参照して、コミット歩進画面22Dには、現在のコミット番号の初期値を示す初期値表示画面2221と、コミット番号をインクリメントするための歩進ボタン2222と、メニュー画面22Aに遷移するため戻るボタン2223とを有している。そして、作業者が歩進ボタン2222を操作するたびに、コミット番号が一つずつインクリメントされる。本実施形態では、孤立作業台5に設置された生産順序表示システム20において、{離れ小島モード設定}の値が“True”の場合には、{秒}に設定されている秒数だけ、コミット番号の歩進(インクリメント)が制約されることになる。
図19は、コミット合わせによりダウンロードされたデータの一例を示すビュー表である。
図示の通り、計画順序テーブルD21においては、オーダ番号AONと供給区分とが、計画順にダウンロードされている。また、確定順序テーブルD22では、オーダ番号AON、供給区分、コミット番号CNが、当該コミット番号の若い順にダウンロードされている。そして、両テーブルD21、D22の先頭行は、何れも同じオーダ番号AON(“AON10010”)になっている。
コミット合わせを終了した後、生産順序表示システム20は、順序ずれ判定処理を内部で実行する。
なお、具体的には図示していないが、記憶装置25には、順番抜けのために保留になった部品に関する計画順序テーブルD21のオーダ番号AONを格納する保留部品テーブルや、表示判定結果を保存する表示情報テーブルが生成されるようになっている。また、記憶装置25には、保留部品テーブルから確定順序テーブルに該当するオーダ番号AONの部品が挿入された場合の挿入処理の履歴をフラグFで記憶する領域が設定されている。
次に、表示判定プログラム251が実行された場合の制御について説明する。
図20は、本実施形態に係る表示判定手段としての表示判定プログラム251による順序ずれ判定処理の制御例を示すフローチャートであり、図21は、図19のダウンロード例について図20のフローチャートを実行した場合の判定結果を示す説明図である。
図20を参照して、表示判定プログラム251が実行されると、まず、確定順序テーブルD22と計画順序テーブルD21とのコミット合わせした先頭の行のオーダ番号AONが比較される(ステップS100)。なお、最初の処理では、フラグFの値は、0になっている。
確定順序テーブルD22のオーダ番号AONから対象部品がズレ指示対象部品(図8参照)であるか判定する(ステップS101)。
ズレ指示対象部品でなければズレなし表示処理を行う(ステップS108)。ズレなし判定のオーダ番号AONは、各テーブルD21、D22から消去され、判定対象から除外される。ステップS108の処理の後、フラグFが0にリセットされる(ステップS113)。その後、全ての処理が終了したかが判定され(ステップS114)、終了していれば、このフローを終了し、終了していなければ、ステップS100に戻る。
ズレ指示対象部品である際は、上記オーダ番号AONが保留部品テーブルに存在するか判定する(ステップS102)。
上記オーダ番号AONが保留部品テーブルに存在する際は、保留状態のオーダ番号AONの車体Wが組立ラインへ投入されることとなるため、このオーダ番号AONは、挿入表示処理される(図21の判定結果の挿入を参照)(ステップS109)。この挿入判定されたオーダ番号AONは、確定順序テーブルD22から消去され、判定対象から除外される。この挿入処理により、記憶装置25のフラグFの値が1に更新される(ステップS112)。
上記オーダ番号AONが保留部品テーブルに存在しない際は、計画順序テーブルD21のオーダ番号AONと供給区分が同じか判定する(ステップS103)。
確定順序テーブルD22のオーダ番号AONと計画順序テーブルD21のオーダ番号AONとの供給区分が同じ場合は、次に、オーダ番号AONが同じか判定される(ステップS104)。オーダ番号AONが同じであれば、ズレなし表示処理を行う(ステップS108。)このズレなし表示判定を行ったオーダ番号AONは、各テーブルD21、D22から消去され、判定対象から除外される。ステップS108の処理の後、フラグFが0にリセットされ(ステップS113)、ステップS114に移行する。
確定順序テーブルD22のオーダ番号AONと計画順序テーブルD21のオーダ番号AONとの供給区分が異なる場合は、計画順序テーブルD21の次のオーダ番号AONを取得する(ステップS105)。取得した次のオーダ番号AONと確定順序テーブルD22のオーダ番号AONとの供給区分が同じか判定する(ステップS103)。
確定順序テーブルD22のオーダ番号AONと計画順序テーブルD21のオーダ番号AONが異なる際は、抜け表示処理(ステップS110)と入替表示処理(ステップS111)が行われる。
図19に示すように、確定順序テーブルD22のオーダ番号AONの“10010”と“10015”との間に計画順序テーブルD21のオーダ番号AONの“10012”が存在しないため、このオーダ番号AON“10012”は、図21の処理順序3番に示すように、抜けとなり、オーダ番号AON“10012”は、保留部品テーブルに保存され(ステップS106)、オーダ番号AON“10012”は、抜け表示処理される(ステップS110)。
また、確定順序テーブルD22のオーダ番号AONの“10015”と“10021”との間に“10012”が存在し、且つ計画順序テーブルD21のオーダ番号AONの“10015”と“10021”との間には、“10020”が存在するため、“10020”は抜けとなり、“10012”は挿入となる。そのため、ステップS107のフラグ判定で挿入履歴があるか判定されることとなる。そして、図21の処理順序12番に示すように、計画順序テーブルD21のオーダ番号AON“10020”は、保留部品テーブルに保存され(ステップS106)、確定順序テーブルD22のオーダ番号AONの“10012”は、入替表示処理される(ステップS111)。
抜け表示処理が実行された場合、この抜け判定されたオーダ番号AONは、計画順序テーブルD21から消去され、判定対象から除外される。その後、処理は、ステップS114に移行する。他方、入替表示処理が実行された場合、この入替判定によって、前回の挿入判定が入替に更新され、今回の入替判定の計画順序テーブルD21のオーダ番号AONが抜け判定とされる。この処理により、例えば、図19に示すコミット番号CN“1243”の判定結果は、図21の処理順序12番に示すように、入替となる。
入替処理の後、処理がステップS113に移行することにより、フラグFの値が“0”に更新され、ステップS114に処理が移行する。
上記のような判定処理を計画順序テーブルD21のオーダ番号AONと確定順序テーブルD22のオーダ番号AONとに対して順次行い、各表示処理されたオーダ番号AONとコミット番号CNおよびズレ表示情報等を記憶装置25の表示情報テーブルに順次、保存する。
なお、オーダ番号AONが判定処理される毎に確定順序テーブルD22にはコミット番号CNとオーダ番号AONが順次、生産情報提供システム10から取り込まれ、計画順序テーブルD21には、オーダ番号AONが順次、生産情報提供システム10から取り込まれる。
図22は、保留部品リストボタン224を操作し、保留部品テーブルのオーダ番号AONとコミット番号CNを表示した保留リスト表示画面22Eの一例を示すものであり、コミット番号CNが付いていないオーダ番号AONは、確定順序テーブルD22に存在しないものであり、組立ラインにまだ投入されていない抜け状態のオーダ番号AONの車体Wであると認識できる。
図23は、本実施形態に係る生産順序表示システム20が実行する表示制御例のフローチャートである。また、図24から図26は、図23のフローチャートが実行された場合の一例を示す画面遷移図である。
図24(A)〜(C)並びに図26(A)〜(C)において、22Iは、順序表示を行う初期表示画面、22Jは、変更表示を予告する予告画面、22Kは、順序ずれが生じている部品が到達したときの報知画面である。また、各画面22I〜22Kにおいて、2230は、現在、ステーションSTに到達しているオーダ番号AONの車体Wのコミット番号を示す現在コミット表示欄、2231は、上記表示情報テーブルに保存された表示情報に基づき、予告情報または変更情報を表示する情報表示欄、2232は、保留部品テーブルに保留されているオーダ番号AONの車体Wの台数を示す台数表示欄、2233は、保留されたオーダ番号AONのコミット番号を表示する保留リストボタン、2234は、メニュー画面22Aに遷移するためのメニューボタンである。なお、オーダ番号AONに代えて各ステーションSWの部品情報を表示するようにしてもよい。
図23のフローチャートは、図13に示したメニュー画面22Aの運用画面ボタン225を操作することにより実行される。
この運用画面ボタン225が操作され、同フローチャートが実行されると、この運用画面ボタン225が操作され、同フローチャートが実行されると、生産順序表示システム20は、対応するステーションSTに設置されている検出センサSWが車体Wの搬送を検出するのを待機する(ステップS300)。そして、車体Wの搬送が検出されると、ステーションテーブルD6が参照され、その表示モード設定に基づいて、入力機能付表示装置23が、図24(A)〜図26(A)に示すように、対象となる車体Wのオーダ番号AONと対応したコミット番号CNを初期表示画面22Iの現在コミット表示欄2230に表示する(ステップS301)。図示の例では、図4で示した全ての表示モードが初期値を取る通常運転モードでの表示例である。次いで、生産順序表示システム20は、ステーションST毎に設定した予告表示台数に上記表示情報テーブルに保存されたズレ表示情報のコミット番号CNが到達したか、判定する(ステップS302)。予告表示台数に到達したならば、初期表示画面22Iから予告画面22Jに入力機能付表示装置23の表示が遷移し、図24(B)〜図26(B)に示すように、情報表示欄2231にはズレ表示情報(“入替あり”“抜けあり”“挿入あり”)が表示されるとともに、そのコミット番号CNおよびオーダ番号AONが表示され、ブザー付表示灯27をONにする(ステップS303)。
予告表示欄に表示されたコミット番号CNの車体Wが当該ステーションSTに到着した(或いは順番になった)場合には、図24(C)、図25(C)、図26(C)に示すように、情報表示欄にその旨が表示される(図示の例では、それぞれ“入替です”“抜けました”“挿入です”)。そして、ブザー付表示灯27は、画面が初期表示画面22Iから予告画面22Jに遷移した時点で作動される。これらの表示によって、作業者は、事前に計画順序がどのように変更されたか把握することが可能になるので、その対応が容易になる。例えば、「入替」の表示がなされた場合、部品区分Aの中にある組付部品31を事前に入れ替えることにより、計画の変更に対応することが可能になる。また、「抜け」の場合には、当該組付部品31を保留部品用のラック32に仮置きし、「挿入」の場合には、ラック32に仮置きされた組付部品31を供給区分Aのラック30に戻すことにより、対応することが可能になる。
生産順序表示システム20は、表示灯スイッチ28(図3参照)が操作されるのを待機する(ステップS304)。このように本実施形態では、予告画面22Jに遷移した時点で作業者に順序ずれの報知を行うとともに、作業者による表示灯スイッチ28の操作によって確実に作業者に順序ずれがあることを認識させるようにしているのである。
表示灯スイッチ28の操作がされると、生産順序表示システム20は、ブザー付表示灯27をOFFにし(ステップS305)、表示終了条件が成立したか否かを判定する(ステップS306)。
表示終了条件が成立したと判定した場合、生産順序表示システム20は、情報表示欄2231をOFFにする(ステップS307、ステップS308)。仮に表示すべきズレ表示情報が残っている場合には、ステップS300に戻って上述したフローを繰り返す。
なお、具体的には図示していないが、各ステーションSTで生成されたテーブルD21、D22や、表示データのログは、CSV形式等のデータとして出力することができるようになっている他、適宜、印刷装置24を用いて印刷できるようになっている。
以上説明したように本実施形態では、生産計画が変更された場合に変更情報を表示するに当たり、確定順序情報を生産順序情報と比較しているので、変更後の生産計画を再入力する必要がなくなる。このため、一台ごとに異なる車種が混流される生産ラインにおいても、計画変更に対して迅速に対応できる。また、計画に変更があった場合でも、所定の表示条件に基づいて、計画の変更を表示することとしているので、必要以上に生産ラインに変更情報が表示されるおそれがなくなり、不必要な変更情報の表示によって組立ラインが混乱することもない。さらに、必要な情報については、事前に組立ラインで変更情報が表示されるので、組付部品31の変更や追加を予め用意しておくことが可能になり、組立ラインの稼働率を可及的に高く維持することができる。
また本実施形態では、図23のフローチャート並びに図24〜図26の画面遷移図で示したように、変更情報表示手段としての入力機能付表示装置23が、変更表示が必要な組立中の製品が組立ラインに到達する所定個数前に計画の変更を表示するものである。
また本実施形態では、生産順序表示システム20は、組立ラインの複数のステーションSTに設けられ、且つ対応するステーションST毎に表示条件を記憶する対象部品設定テーブルD5を含んでいる。このため本実施形態では、ステーションST毎に必要な計画の変更を表示することができるので、他のステーションSTでの変更情報等、不要な情報によって作業者が煩わされるおそれがない。
また本実施形態では、生産順序表示システム20が、ステーションST毎に配置され、表示判定手段としての表示判定プログラム251が対応するステーションSTにおいて変更表示を必要とした全製品に関する情報を出力する情報出力手段としての入力機能付表示装置23、印刷装置24を含んでいる。このため本実施形態では、変更表示を要する製品について、関連する情報を出力することができるので、より、きめの細かい段取り替えを実行することができる。
また本実施形態では、組立ラインには、組付部品31をグループ化した供給区分A〜Cが設定されており、対象部品設定テーブルD5は、供給区分A〜C毎に計画の変更表示の要否を設定する項目として、{供給区分}を有している。このため本実施形態では、計画の変更表示の要否を判定する際に、供給区分A〜Cにグループ化される部品の特性に応じて変更表示の要否を設定できるので、よりきめ細かく、必要な変更表示のみを実施することができる。例えば、図8で示した設定例のように、同じミラーであっても、区分Aについては、順序の管理が必要である一方、区分B、Cについては、同じ区分内で順序の管理が不要となっている。その場合に、順序の管理が必要なものについては、その供給区分A〜C内で計画されていた順序と異なる順序で組立製品が投入された場合に、計画変更の表示を行うことによって、より緻密に段取り替えを事前に促すことができる。
また本実施形態では、入力機能付表示装置23は、作業者に計画の変更を警告する警告手段としてのブザー付表示灯27と、作業者の操作によって警告を解除する警告解除手段としての表示灯スイッチ28とを含んでいる。このため本実施形態では、作業者が表示灯スイッチ28を操作するまでは、計画の変更が警告され続けられるので、計画の変更を確実に作業者に認識させることができる。