JP5043666B2 - フェノキサジノン由来の新規酵素基質、及び、ペプチダーゼ活性を有する微生物の検出における顕色剤としてのその使用 - Google Patents
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Description
−例えば非特許文献1中に記載されるように、酸−塩基指示薬として、又は、
−非特許文献2中に記載されるように、例えばタンパク質のコンホメーション変化を追従するための、又は、例えば特許文献4中に記載されるように、微生物を検出するための蛍光標識として使用可能である。後者の場合、記載されている化合物は、液体培地中でしか使用できず、かつ、細菌増殖の実証による微生物の検出は酸化還元電位の変化によって実施されるという欠点がある。従って、酵素活性及び細菌の属種に対しての特異性はない。
− R1は水素原子、C1−C12アルキル基、C6−C14アラルキル基、アリール基、−COOH、−COOR’又は−NR’’R’’’を表し、
− R2は水素原子、ハロゲン原子、C1−C12アルキル基、−COOH又は−COOR’を表し、
− R3は水素原子、ハロゲン原子、C1−C12アルキル基、−CN、−CONH2、−COOR’又は−COR’を表し、
− R4、R5及びR6はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、−COOR’又はC1−C3アルキル基を表し(R4、R5及びR6の少なくとも1つは水素原子であるとする)、
− R’は、水素原子又はC1−C6アルキル基を表し、
− R’’及びR’’’はそれぞれ独立してC1−C6アルキル基を表す、又は、R’’及びR’’’は自身が結合している窒素原子と共にヘテロ原子を1つ以上含む複素環を形成し、
− Aは少なくとも1つのアミノ酸を表し、かつ、
− Xは、ブロック基を表す又は何も表さない)
− R1は水素原子、C1−C12アルキル基、C6−C14アラルキル基、アリール基、−COOH、−COOR’又は−NR’’R’’’を表し、
− R2は水素原子、ハロゲン原子、C1−C12アルキル基、−COOH又は−COOR’を表し(R1及びR2の少なくとも1つは水素原子又はハロゲン原子であるとする)、
− R3は水素原子、ハロゲン原子、−CN、−CONH2、−COOR’又は−COR’を表し、
− R4、R5及びR6はそれぞれ独立して水素原子又はC1−C3アルキル基を表し(R4、R5及びR6の少なくとも1つは水素原子であるとする)、
− R’は、水素原子又はC1−C6アルキル基を表し、
− R’’及びR’’’はそれぞれ独立してC1−C6アルキル基を表す、又は、R’’及びR’’’は自身が結合している窒素原子と共にヘテロ原子を1つ以上含む複素環を形成し、
− Aは少なくとも1つのアミノ酸を表し、かつ、
− Xは、ブロック基を表す又は何も表さない)
以下:
・上記反応媒体を準備すること、
・試験する生体試料を上記媒体に播種すること、
・これをインキュベートしておくこと、及び、
・少なくとも1つのペプチダーゼ活性の存在を、単独で、又は、このペプチダーゼ活性以外の少なくとも1つの他の酵素活性と共に顕現させること:を含む
ことを特徴とする方法にも関する。
以下:
・発色性基質の置換基AがL−アラニンである上記反応媒体を準備すること、
・試験する生体試料を上記媒体に播種すること、
・これをインキュベートしておくこと、及び、
・グラム陰性微生物の存在と同義の少なくとも1つの着色の存在を顕現させること:を含む
ことを特徴とする方法からなる。
以下:
・発色性基質の置換基Aがβ−アラニン又はピログルタミンである上記反応媒体を準備すること、
・試験する生体試料を上記媒体に播種すること、
・これをインキュベートしておくこと、及び、
・緑膿菌微生物の存在と同義の少なくとも1つの色変化の存在を顕現化すること:を含む
ことを特徴とする方法からなる。
p−フェニレンジアミン1.76g(10mmol)を塩素化して1,4−ジクロロベンゾキノンジイミンを調製し、これを、無水メタノール(50ml)の存在下で加熱することによって溶解させ、溶液を撹拌している中に尿素9gを添加した。続いて5−ペンチルレゾルシノール1.8g(10mmol)を40〜50℃において溶液中に添加し、完全に溶解した後で、反応混合物を注意深く還流に供して、過剰に発熱しないようにした。加熱を1.5時間続け、その後、冷却した反応混合物をアンモニアを含む氷/水混合物を十分に撹拌している中にゆっくり添加した。沈殿を吸引ろ過によって回収して水で洗浄し、その後風乾させて、表題の化合物の混合物からなる粗生成物2.2gを得た(生成物の大部分は塩素化されていなかった)。
N−t−Boc−L−アラニンの代わりにN−t−Boc−β−アラニンを使用する以外は、上記実施例1中に記載されるプロトコルを繰り返した。
これを実施するために、実施例1及び2で得られた化合物を次の割合でTFA(トリフルオロ酢酸塩)2cm3中に溶解した:7−N−(N’−t−ブトキシカルボニル−L−アラニル)アミノ−2−クロロ−1−ペンチルフェノキサジン−3−オン0.10g(0.21mmol)、並びに、7−N−(N’−t−ブトキシカルボニル−L−アラニル)アミノ−1−ペンチルフェノキサジン−3−オン、7−N−(N’−t−ブトキシカルボニル−β−アラニル)アミノ−2−クロロ−1−ペンチルフェノキサジン−3−オン及び7−N−(N’−t−ブトキシカルボニル−β−アラニル)アミノ−1−ペンチルフェノキサジン−3−オンをそれぞれ80mg(0.18mmol)。
N−t−Boc−L−アラニンの代わりにL−ピログルタミン酸0.516gを使用する以外は、上記実施例1中に記載されるプロトコルを繰り返した。
(5.1. ジメトキシベンゼン類を調製する基本手順)
コンデンサー、マグネティックスターラーバー及び塩化カルシウム保護チューブを備えた丸底二口フラスコを乾燥させた中で、ヒドロキノン(1モル等量)を無水ジメチルホルムアミド(DMF)50ml中に溶解し、NaH 2.2モル等量を少量ずつ添加した。塩基を添加した後、H2の放出が停止したら、ヨウ化メチル4モル等量を15〜20分間かけて滴下した。添加終了後、反応混合物を40℃で2時間撹拌した。塩水200mlをフラスコに添加し、得られた混合物をジエチルエーテル(50mlで3回)で抽出した。有機層を合わせて水で洗浄し(50mlで2回)、生成物をMgSO4を使用して乾燥させた。溶媒を減圧下で蒸発させ、残渣をカラムクロマトグラフィーに供した。
2,3−ジメチルヒドロキノン1.957g(0.01416mol)を使用して、上記項目5.1中に記載される方法を実施した。軽鉱物有機溶媒/ジエチルエーテル(95:5)混合物を使用して、物質を白色固体(2.27g、80%)として分離した。
2,3,5−トリメチルヒドロキノン2.175g(0.01429mol)を使用して、上記項目5.1中に記載される方法を実施した。物質を無色の油(2.367g、92%)として分離した。
ジメトキシベンゼン1等量をTFA 20ml中に溶解し、得られた溶液にウロトロピン(商標)1.05等量を添加した。反応混合物を無水条件下で2時間還流に供した。TFAを減圧下で蒸発させ、残渣をエーテル100ml中に溶解し、有機溶液を水(50mlで3回)で洗浄した後、MgSO4を使用して乾燥させた。溶媒を蒸発させて残渣をカラムクロマトグラフィーに供し、軽鉱物有機溶媒(60〜80℃)/ジエチルエーテル(80:20)混合物 を使用して溶出を実施した。
1,4−ジメトキシ−2,3−ジメチルベンゼン2.270g(0.01366mol)を使用して、上記項目5.2中に記載される方法を実施した。表題の物質を白色固体(1.18g、44%)として分離した。
1,4−ジメトキシ−2,3,5−トリメチルベンゼン2.274g(0.01262mol)を使用して、上記項目5.2中に記載される方法を実施した。表題の物質を黄色固体(1.21g、46%)として分離した。
ジメトキシベンズアルデヒド0.033molをメタノール50ml中に溶解し、反応混合物を0℃で保持しながら、モノペルオキシフタル酸マグネシウム(MMPP)(0.018mol)をメタノール50ml中に懸濁した懸濁液を滴下した。添加終了後、反応混合物を室温で4時間撹拌した。生じたエステルを、1M NaOH 50mlを使用して、塩基的条件下で加水分解した。1時間後、メタノールの3/4を減圧下で除去し、過剰な塩基を1M HClで中和して、pH3に調節した。フェノールを酢酸エチル(50mlで3回)中で抽出し、有機層を合わせてMgSO4を使用して乾燥させ、溶媒を蒸発させて、残渣をカラムクロマトグラフィーに供した。
2,5−ジメトキシ−3,4−ジメチルベンズアルデヒド1.126g(5.797mmol)を使用して、上記項目5.3中に記載される方法を実施した。軽鉱物有機溶媒(60〜80℃)/ジエチルエーテル(60:40)混合物を溶離液として使用して、表題の物質を黄色油(0.239g、23%)として分離した。
2,5−ジメトキシ−3,4,6−ジメチルベンズアルデヒド1.205g(5.786 mmol)を使用して、上記項目5.3中に記載される方法を実施した。軽鉱物有機溶媒(60〜80℃)/ジエチルエーテル(75:25)混合物を溶離液として使用して、表題の物質を白色固体(0.856g、75%)として分離した。
好適なフェノール1モル等量を無水DMF 10ml中に溶解し、NaH 1.1モル等量を少量ずつ添加した。ガスの発生が終了した後、生じたナトリウムフェノラート溶液を室温で15分間撹拌した。無水THF 5ml中の2,5−ジニトロフルオロベンゼン1モル等量溶液をフラスコに滴下して、反応混合物を2時間撹拌した。最終的に、フラスコの中身を水50ml中に注ぎ、混合物をエーテル(50mlで3回)で抽出し、有機層を合わせてMgSO4を使用して乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、残渣をカラムクロマトグラフィーに供した。
2,5−ジニトロフルオロベンゼン0.293g(1.575mmol)及び2,5−ジメトキシ−3,4−ジメチルフェノール0.287g(1.575 mmol)を使用して、上記項目5.4中に記載される方法を実施した。軽鉱物有機溶媒(60〜80℃)/酢酸エチル(85:15)混合物を溶離液として使用してカラムクロマトグラフィーを実施し、表題の物質をオレンジ色固体(0.415g、76%)として得た。
2,5−ジニトロフルオロベンゼン0.812g(4.362mmol)及び2,5−ジメトキシ−3,4,6−トリメチルフェノール0.856g(4.362mmol)を使用して、上記項目5.4中に記載される方法を実施した。軽鉱物有機溶媒(60〜80℃)/ジエチルエーテル(75:25)混合物を溶離液として使用してカラムクロマトグラフィーを実施し、表題の物質を黄色固体(1.412g、89%)として得た。
ジメチルアリールエーテル1モル等量を無水DCM 30ml中に溶解し、この混合物を−78℃に冷却した。ヘキサン(1M)中のBBr3 2.5モル等量を冷エーテル溶液に滴下し、反応生成物を−78℃で30分間撹拌した。その後、この混合物を室温に加熱し、反応が終了するまで撹拌した(続いて薄層クロマトグラフィーを実施した)。反応混合物を0℃のメタノール10mlで希釈し、水50ml中に注いだ。有機層を分け、水相を酢酸エチル(25mlで3回)で洗浄した。有機層を合わせて、MgSO4を使用して乾燥させた。溶媒を除去し、残渣をカラムクロマトグラフィーに供した。
表題の化合物は、分離はされなかったが、形成及び還元され、同じ容器(下記項目5.6.1参照)における反応に従って直接環化した。
1−(2’,5’−ジニトロフェノキシ)−2,5−ジメトキシ−3,4,6−ジメチルベンズアルデヒド0.626g(1.728mmol)を使用して、上記項目5.5中に記載される方法を実施した。軽鉱物有機溶媒(60〜80℃)/ジエチルエーテル(70:30)混合物を溶離液として使用して、表題の物質をオレンジ色固体(0.435g、75%)として分離した。
ジヒドロキシジアリールエーテル1.3mmolをメタノール5ml中に溶解し、Pd/C 5%触媒(10%(重量/重量))をこの溶液に添加した。この反応混合物を、室温で水素化装置の中で、水素雰囲気下において4時間撹拌した。シリカをこのフラスコに添加し(カラムクロマトグラフィーに導入する残渣の量を考慮した際の十分量)、この混合物を、空気を自由に供給して更に4時間激しく撹拌した。酸化の終了後、溶媒を除去して残渣を溶離勾配を使用してカラムクロマトグラフィーに供した(軽鉱物有機溶媒(60〜80℃)/酢酸エチル(50:50)混合物で開始し、同溶媒の(25:75)混合物を経て同溶媒の(0:100)混合物に至る)。最後に、酢酸エチル/メタノール(90:10)混合物を溶離液として使用した。
1−(2’,5’−ジニトロフェノキシ)−3,4−ジメチル−2,5−ジヒドロキシベンゼン0.266g(0.7636mmol)から開始して、同じ容器における反応に従って、上記項目5.6中に記載される方法を実施した。表題の物質を赤褐色固体(0.125g、68%)として得た。
1−(2’,5’−ジニトロフェノキシ)−3,4,6−トリメチル−2,5−ジヒドロキシベンゼン0.435g(1.3013mmol)から開始して、上記項目5.6中に記載される方法を実施した。表題の物質を赤褐色固体(0.237g、72%)として得た。
マグネティックスターラーバーを備えた小型丸底フラスコの中で7−アミノフェノキサジン−3−オン0.4mmolを無水DMF 5ml中に溶解し、Pd/C 5%触媒0.010gをこの溶液に添加した。フラスコを室温で水素化装置の中に配置し、この反応混合物を1時間撹拌する間、水素雰囲気を維持した。溶液の色が濃紫色から灰色がかった緑色に変化したことから、完全に還元されたことを確認することができた。別のフラスコの中で、N−t−Boc−アラニン0.089g(0.4719mmol)、ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)0.072g(0.4719mmol)及びジイソプロピルカルボジイミド(DIC)0.07ml(0.4719mmol)を無水DCM 5ml中に溶解し、この反応混合物を室温で1時間撹拌した。上記の終了後、第二のフラスコの中身を、シリンジを使用して不活性雰囲気下において、(7−アミノフェノキサジン−3−オンの還元体の入った)第一のフラスコの中に導入した。反応物が非常に迅速に酸化するため、空気中の酸素はなくなった。この混合物を室温で更に20時間撹拌した。この反応混合物をセライト(商標)を使用してろ過し、溶媒を蒸発させた。残渣を酢酸エチル20ml中で再融解させ、有機層を1M HCl 20ml、10% Na2CO3 20ml及び水20mlで洗浄した。生成物をMgSO4を使用して乾燥させてろ過し、減圧下で蒸発させて残渣を得、これを、軽鉱物有機溶媒(60〜80℃)/酢酸エチル(30:70)混合物を溶離液として使用して、カラムクロマトグラフィーで精製した。
7−アミノ−1,2−ジメチルフェノキサジン−3−オン0.110g(0.4578mmol)を使用して、上記項目5.7中に記載される方法を実施した。表題の物質を赤褐色固体(0.104g、55%)として得た。
7−アミノ−1,2,4−トリメチルフェノキサジン−3−オン0.100g(0.3933mmol)を使用して、上記項目5.7中に記載される方法を実施した。表題の物質をオレンジ色固体(0.113g、68%)として得た。
対応するN−t−ブトキシカルボニル基保護化合物0.2mmolを無水DCM 3ml中に溶解し、TFA 1mlをこの溶液に添加した。反応が終了するまでこの反応混合物を室温で撹拌した(続いて薄層クロマトグラフィーを実施した)。溶媒及び過剰なTFAを減圧下で蒸発させ、残渣を溶離勾配を使用してショートカラムクロマトグラフィーで精製した(軽鉱物有機溶媒(60〜80℃)/酢酸エチル(50:50)混合物で開始し、同溶媒の(0:100)混合物に至る)。最後に、酢酸エチル/メタノール(90:10)混合物を溶離液として使用した。
7−N−(N’−t−ブトキシカルボニル−β−アラニル)アミノ−1,2−ジメチルフェノキサジン−3−オン0.047g(0.1138mmol)を使用して、上記項目5.8中に記載される方法を実施した。表題の物質を赤色固体(0.046g、95%)として得た。
7−N−(N’−t−ブトキシカルボニル−β−アラニル)アミノ−1,2,4−トリメチルフェノキサジン−3−オン0.081g(0.1897mmol)を使用して、上記項目5.8中に記載される方法を実施した。表題の物質を赤色固体(0.080g、96%)として得た。
1,4−ジクロロベンゾキノンイミン1.76g(10mmol)を、無水エタノール50ml中にゆっくり撹拌しながら溶解させた。この溶液を撹拌している中に、4−メチル−2,6−ジヒドロキシベンゼン酸メチル1.82g(10mmol)を添加した。この溶液を撹拌しながらゆっくりと還流させると、大量に発熱していることが明らかになったため、フラスコを熱源から遠ざけなければならなかった。発熱がおさまったら、反応混合物を更に30分間還流し、室温に冷却した。この反応混合物を室温で更に3時間放置した後、固形物を吸引ろ過によって回収し、少量の湯で洗浄した後で吸引し、これを可能な限り乾燥させ、続いてデシケーター中で真空下で乾燥させた。残渣を、移動相として酢酸エチルを使用してシリカゲル薄層クロマトグラフィーに供した。大量の濃色の塩基性物質、及び、蛍光ピンク色の成分が観察された。固形物を酢酸エチル中に溶解してろ過し、円錐状のシリカゲルを通過させた。ろ液には実質的に塩基性物質が含まれていない。溶媒を減圧下で除去し、固形物を分離した。
(7.1. N−アセチル−2−メチル−3−フルオロアニリンの合成)
塩化アセチル1.98ml(27.78mmol)を撹拌しながら、DCM 50ml中の2−メチル−3−フルオロアニリンの3.161g(25.26mmol)及びトリエチルアミン3.87ml(27.78mmol)溶液に0℃において添加した。この溶液を室温に温め、1時間撹拌した。この溶液を水(50mlで3回)で洗浄し、生成物をMgSO4を使用して乾燥させて、溶媒を減圧下で除去した。鉱物油/酢酸エチル(EtOac)の混合物から再結晶させた後、表題の化合物3.844g(91%)を白色結晶として得た。
上記項目7.1で上に得られた化合物を、酢酸10ml中の濃硫酸5ml及び硝酸5mlの混合物と18℃で1時間反応させた。続いてこの反応溶液を水100ml中に希釈し、酢酸エチル(EtOAc)(50mlで3回)中で抽出して、MgSO4を使用して乾燥させ、溶媒を真空下で除去した。表題の化合物を白色固体(1.96g、71%)として分離した。
上記項目7.2で上に得られた化合物1.311g(6.18mmol)を5M塩酸中で2時間還流させた。この溶液を炭酸ナトリウムで中和した後、ジエチルエーテル(50mlで3回)で抽出し、MgSO4を使用して乾燥させて、溶媒を真空下で除去した。鉱物有機溶媒/EtOAc(70:30)混合物を溶離液として使用して、残渣をカラムクロマトグラフィーで精製した。表題の物質を黄色固体(0.589g、94%)として分離した。
酢酸4ml中の上記項目7.3で上に得られた化合物0.357g(2.10mmol)の溶液を、EtOAc 11ml中の過ホウ酸ナトリウム四水化物1.61g(10.46mmol)溶液に65℃で滴下し、この混合物を6時間撹拌した。この反応溶液を水50ml中に希釈し、この混合物をジエチルエーテル(20mlで3回)中で抽出して、MgSO4を使用して乾燥させ、溶媒を真空下で除去した。鉱物有機溶媒/トリクロロメタン(70:30)混合物を溶離液として使用して、残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、表題の物質を黄色液体(0.274g、65%)として得た。
2,5−ジメトキシベンズアルデヒド5.53g(0.0333mol)を使用して、上記項目5.3中に記載される方法を実施した。軽鉱物有機溶媒(60〜80℃)/ジエチルエーテル(80:20)混合物を溶離液として使用して、表題の物質を黄色油(4.27g、83%)として分離した。
上記項目7.4中で調製された2−フルオロ−3,6−ジニトロトルエン0.366g(1.83mmol)及び上記項目7.5中で調製された2,5−ジメトキシフェノール0.282g(1.83mmol)を使用して、上記項目5.4中に記載される方法を実施した。軽鉱物有機溶媒(60〜80℃)/ジエチルエーテル(70:30)混合物を溶離液として使用して、表題の物質を黄色固体(0.400g、65.5%)として分離した。
上記項目5.5〜5.7中に記載されるように、表題の化合物を得ることができる。
実施例1で調製された塩素化された又は塩素化されていない化合物、すなわち、7−N−(N’−t−ブトキシカルボニル−L−アラニル)アミノ−2−クロロ−1−ペンチルフェノキサジン−3−オン(塩素化されたL−アラニル化合物)及び7−N−(N’’−t−ブトキシカルボニル−L−アラニル)アミノ−1−ペンチルフェノキサジン−3−オン(塩素化されていないL−アラニル化合物)を実施例3中に記載されるプロトコルによって脱保護したものを使用した。
これを実施するため、実施例2で調製された塩素化された又は塩素化されていないアラニン化合物、すなわち、7−N−(N’−t−ブトキシカルボニル−β−アラニル)アミノ−2−クロロ−1−ペンチルフェノキサジン−3−オン(塩素化されたβ−アラニル化合物)及び7−N−(N’−t−ブトキシカルボニル−β−アラニル)アミノ−1−ペンチルフェノキサジン−3−オン(塩素化されていないβ−アラニル化合物を実施例5中に記載されるプロトコルによって脱保護したものを使用した。
これを実施するため、実施例4で調製された塩素化された又は塩素化されていないピログルタミル化合物、すなわち、7−N−(L−ピログルタミル)アミノ−2−クロロ−1−ペンチルフェノキサジン−3−オン(塩素化されたL−ピログルタミル化合物)及び7−N−(L−ピログルタミル)アミノ−1−ペンチルフェノキサジン−3−オン(塩素化されていないL−ピログルタミル化合物)を実施例5中に記載されるプロトコルによって脱保護したものを使用した。
これを実施するため、実施例5及び6で調製されたβ−アラニン化合物、すなわち、7−N−(N’−t−ブトキシカルボニル−β−アラニル)アミノ−1,2−ジメチルフェノキサジン−3−オン(b−ala−DMP)、7−N−(N’−t−ブトキシカルボニル−β−アラニル)アミノ−1,2,4−トリメチルフェノキサジン−3−オン(b−ala−TMP)及び7−N−(N’−t−ブトキシカルボニル−β−アラニル)アミノ−1−メチル−2−クロロ−4−(オキソ−1−メチル)フェノキサジン−3−オン(b−ala−MCMP)を上記実施例中に記載されるプロトコルによって脱保護したものを使用した。
24〜48時間インキュベートした間の着色の結果を下記表4中に示す。
Claims (13)
- 下記式(I):
− R1は水素原子、C1−C12アルキル基、C6−C14アラルキル基、アリール基、−COOH、−COOR’又は−NR’’R’’’を表し、
− R2は水素原子、ハロゲン原子、C1−C12アルキル基、−COOH又は−COOR’を表し、
− R3は水素原子、ハロゲン原子、C1−C12アルキル基、−CN、−CONH2、−COOR’又は−COR’を表し、
− R4、R5及びR6はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、−COOR’又はC1−C3アルキル基を表し(R4、R5及びR6の少なくとも1つは水素原子であるとする)、
− R’は、水素原子又はC1−C6アルキル基を表し、
− R’’及びR’’’はそれぞれ独立してC1−C6アルキル基を表す、又は、R’’及びR’’’は自身が結合している窒素原子と共にヘテロ原子を1つ以上含む複素環を形成し、
− Aは少なくとも1つのアミノ酸を表し、かつ、
− Xは、ブロック基を表す又は何も表さない):に相当する
ことを特徴とする発色性酵素基質。 - − R1は水素原子、C1−C12アルキル基、C6−C14アラルキル基、アリール基、−COOH、−COOR’又は−NR’’R’’’を表し、
− R2は水素原子、ハロゲン原子、C1−C12アルキル基、−COOH又は−COOR’を表し(R1及びR2の少なくとも1つは水素原子又はハロゲン原子であるとする)、
− R3は水素原子、ハロゲン原子、−CN、−CONH2、−COOR’又は−COR’を表し、
− R4、R5及びR6はそれぞれ独立して水素原子又はC1−C3アルキル基を表し(R4、R5及びR6の少なくとも1つは水素原子であるとする)、
− R’は、水素原子又はC1−C6アルキル基を表し、
− R’’及びR’’’はそれぞれ独立してC1−C6アルキル基を表す、又は、R’’及びR’’’は自身が結合している窒素原子と共にヘテロ原子を1つ以上含む複素環を形成し、
− Aは少なくとも1つのアミノ酸を表し、かつ、
− Xは、ブロック基を表す又は何も表さない
ことを特徴とする請求項1に記載の発色性酵素基質。 - R1がアルキル基、好ましくはC1−C6基を表し、かつ、R2が水素原子を表す
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の発色性酵素基質。 - R1が水素原子を表し、かつ、R2がアルキル基、好ましくはエチル基又はヘキシル基を表す
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の発色性酵素基質。 - R1及びR2がアルキル基又はハロゲン原子を表し、かつ、R4がアルキル基、−COOR’ 又は水素原子を表す
ことを特徴とする請求項1に記載の発色性酵素基質。 - R3、R4、R5及びR6が水素原子を表す
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の発色性酵素基質。 - 請求項1〜6のいずれか1項に記載の発色性酵素基質の少なくとも1つの発色性酵素基質を、単独で使用した、又は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の基質によって検出される酵素活性以外の酵素活性に対して特異的な少なくとも1つの他の酵素基質と併用して使用した反応媒体。
- 培養基である
ことを特徴とする請求項7に記載の媒体。 - ゲル状である
ことを特徴とする請求項7又は8に記載の媒体。 - 少なくとも1つのペプチダーゼ活性を示す微生物をin vitroにおいて検出及び/又は識別及び/又は定量するための、請求項1〜6のいずれか1項に記載の発色性酵素基質又は請求項7〜9のいずれか1項に記載の反応媒体の使用。
- 少なくとも1つのペプチダーゼ活性を示す微生物を検出及び/又は識別及び/又は定量するための方法であって、
以下:
・請求項7〜9のいずれか1項に記載の反応媒体を準備すること、
・試験する生体試料を前記媒体に播種すること、
・これをインキュベートしておくこと、及び、
・少なくとも1つのペプチダーゼ活性の存在を、単独で、又は、このペプチダーゼ活性以外の少なくとも1つの他の酵素活性と共に顕現させること:を含む
ことを特徴とする方法。 - 細菌のうちグラム陽性微生物に属する細菌とグラム陰性微生物に属する細菌とを識別する方法であって、
以下:
・発色性基質の置換基AがL−アラニンである、請求項7〜9のいずれか1項に記載の反応媒体を準備すること、
・試験する生体試料を前記媒体に播種すること、
・これをインキュベートしておくこと、及び、
・グラム陰性微生物の存在と同義の少なくとも1つの着色の存在を顕現させること:を含む
ことを特徴とする方法。 - 緑膿菌の検出方法であって、
以下:
・発色性基質の置換基Aがβ−アラニン又はピログルタミンである、請求項7〜9のいずれか1項に記載の反応媒体を準備すること、
・試験する生体試料を前記媒体に播種すること、
・これをインキュベートしておくこと、及び、
・緑膿菌微生物の存在と同義の少なくとも1つの色変化の存在を顕現化すること:を含む
ことを特徴とする方法。
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