(パチンコ機について)
実施例に係るパチンコ機10は、図1に示すように、矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に設置される矩形枠状の外枠11の開口前面側に、遊技盤40を着脱可能に保持する中枠12が開閉および着脱可能に組み付けられている。またパチンコ機10は、遊技盤40の裏側に対して、各種図柄を変動表示可能な図柄表示装置30が着脱し得るよう構成される(図3,4,8,9参照)。中枠12の前面側には、遊技盤40を透視保護するガラス板13aを備えた前枠13が開閉可能に組み付けられると共に、該前枠13の下方にパチンコ球を貯留する下球受け皿14が開閉可能に組み付けられる。なお、実施例では、前枠13の下部位置に、パチンコ球を貯留する上球受け皿15が一体的に組み付けられており、前枠13の開閉に合わせて上球受け皿15も一体的に開閉するよう構成される。
(中枠について)
図2に示すように、前記中枠12は、上縁をなす上枠部材20と、下縁をなし、スピーカ16や打球発射装置17、操作ハンドル18等が設置された下枠部材21と、左側縁をなす左枠部材22と、右側縁をなす右枠部材23とから構成されている。中枠12は、上下左右の枠部材20,21,22,23を組み付けた際に、全体が外枠11の開口に整合する矩形枠状に形成される。そして、中枠12において、上下左右の枠部材20,21,22,23で囲われる前後に貫通する開口部分が、遊技盤40を設置する遊技盤保持部24として機能するよう構成されている。ここで、中枠12は、図3に示すように、外枠11の左上端部および左下端部に設けられた支軸11a,11aを介して左側端部が回転可能に枢支されて、該支軸11a,11aを中心として中枠12を回転させることで、該外枠11に対して中枠12を開閉し得るようになっている。
前記中枠12には、左枠部材22の開口内側(遊技盤保持部24側)における上下に離間する位置に、遊技盤40の左側端部を回転および着脱可能に保持する回転保持具25a,25aが複数(実施例では2個であるが、1個あるいは3個以上であってもよい)設けられる(図3参照)。また中枠12には、上下の枠部材20,21における右端部(右枠部材23側)に、遊技盤40の右側上下端部を固定する固定具25bが夫々設けられている(図2参照)。すなわち、遊技盤40を中枠12に配設するには、図3に示すように、遊技盤保持部24に斜めに遊技盤40を臨ませて、該遊技盤40の左側端部を回転保持具25a,25aで保持した状態で、遊技盤40の右側端部を押し込んで遊技盤40の左側端部(回転保持具25a,25a)を中心に回動させて遊技盤40の全体を遊技盤保持部24に臨ませて、固定具25bで遊技盤40の右側上下端部を支持固定する。このように、実施例に係る遊技盤40は、中枠12と同様に、左側端部が回転中心となるよう支持される。なお、以下の説明において、パチンコ機10(遊技盤40)における左側を枢支端側と指称し、右側を開放端側と指称することもある。
図2に示すように、前記上枠部材20の裏側には、設置枠台等に設けられた外部球供給設備から供給されるパチンコ球を貯留する球タンク26が、該上枠部材20の左右幅の略全幅に亘って設けられている。この球タンク26は、図10または図11に示すように、遊技盤保持部24に配設された遊技盤40の上部位置と前後に重なるよう構成されて、遊技盤40の上下寸法を最大限大きくし得るようになっている。ここで、球タンク26は、外部球供給設備から供給されるパチンコ球を貯留するタンク本体26aと、該タンク本体26aの左後端部側(図4では右側)に位置して、該タンク本体26aに貯留したパチンコ球を一列に整列する球整流部26bとが設けられている。すなわち、球タンク26と遊技盤40との関係では、球整流部26bの形成位置においては球タンク26(球整流部26b)と遊技盤40との間に間隙が形成されるようになっている。
前記下枠部材21の裏側には、前記上下の球受け皿14,15に連通する球供給路および設置枠台に設けた球回収樋に連通する球排出路(何れも図示せず)が夫々形成されたセット部材27が配設されている。球タンク26とセット部材27とは、各部材26,27における左枠部材22側の端部間に架設された球通路ユニット28を介して連通接続されており、該球通路ユニット28に配設された球払出し装置28aの駆動により球タンク26に供給されたパチンコ球を上下の球受け皿14,15へ給出するよう構成されている。また、セット部材27には、図4に示すように、パチンコ機10の電源制御を行なう電源装置201、球通路ユニット28に配設した球払出し装置28aを駆動制御する払出し制御装置202、打球発射装置17を駆動制御する発射制御装置203、外部端末に接続されるインターフェース基板204等が配設されている。なお、これらの各装置201,202,203,204は、遊技盤40の裏側に配設される主制御装置200に配線接続され、該主制御装置200からの制御信号に基づいて所定の制御を実行するようになっている。
(図柄表示装置について)
次に、前記遊技盤40に配設される図柄表示装置30の構成につき説明する。図5(b)に示すように、実施例に係る図柄表示装置30は、各種図柄を表示可能な液晶パネル31が収容ケース32に収容されたユニット部材である。図柄表示装置30は、収容ケース32の後面に、液晶パネル31に表示される表示を制御する表示制御装置205や液晶パネル31のバックライトを制御するインバータ装置206が配設される(図5(a)参照)。収容ケース32は、前方へ開口する矩形箱状に形成され、内部に収容した液晶パネル31の背面および外周を囲繞するようになっている。また、表示制御装置205およびインバータ装置206の背面側には、後述する各発光装置100,102,104を発光制御する統括制御装置207が前後に重なるよう配設されており(図4参照)、該統括制御装置207の制御信号に基づいて、表示制御装置205が所定の制御を実行すると共に、各発光装置100,102,104が発光するようになっている。なお、統括制御装置207も主制御装置200に配線接続され、該主制御装置200からの制御信号に基づいて制御を実行するよう設定される。
前記収容ケース32には、図5(a)に示すように、遊技盤40の枢支端側に位置する左面の前端に、左側方へ突出する板状の係止突部34,34が上下に離間する2箇所に設けられている。これらの係止突部34,34は、遊技盤40の裏側に設けられる差込み受部58,58と係脱可能に係合するようになっている(図9参照)。また、収容ケース32における液晶パネル31と対向する後面には、遊技盤40の開放端側に位置する右側面の上下端部に、後方へ突出する支持部35が夫々形成されており、遊技盤40の裏側に設けたロック部材114a,114bが対応の支持部35に対して係脱可能に係合するようになっている(図8または図9参照)。
(遊技盤について)
前記遊技盤40は、図6または図7に示すように、中枠12の遊技盤保持部24に整合する略正方形に形成されたアクリルやポリカーボネート等の光透過性の合成樹脂材からなる平板状の透明板41と、該透明板41の後面に組み付けられて図柄表示装置30が着脱可能に配設される裏ユニット51とから構成される。裏ユニット51には、前後に開口する可視表示部52が形成され(図12または図13)、この可視表示部52を介して図柄表示装置30の表示面を前面側から視認し得るようになっている。ここで、実施例の裏ユニット51に形成される可視表示部52は、該裏ユニット51の上下および左右幅の大部分が開口する大型の開口部である。なお、実施例の透明板41は、アクリル板により形成されている。また図6には、透明板41に位置する裏ユニット51を破線で示してある。
(透明板について)
図6に示すように、前記透明板41の前面には、略円形状に湾曲形成したレール42が配設されて、該レール42によりパチンコ球が流下可能な遊技領域40aが画成され、打球発射装置17から発射されたパチンコ球が遊技領域40a内に打ち出されるようになっている。また、透明板41の下方位置には、遊技領域40aを流下するパチンコ球が入賞可能な始動入賞装置43や特別入賞装置44が、夫々の入賞口43a,44aを遊技領域40aに臨ませて配設されている。パチンコ機10では、始動入賞装置43の始動入賞口43aにパチンコ球が入賞することで、図柄表示装置30において図柄変動ゲームが展開され、該図柄変動ゲームの結果、図柄表示装置30に所定の図柄組合わせで図柄が停止表示されると、特別入賞装置44の特別入賞口44aが開放して所謂大当りが発生し、多数の賞球を獲得し得るよう構成されている。
前記透明板41には、遊技領域40aから取り込んだパチンコ球を左右方向に転動させる転動面62aを備え、この転動面62aから下方に位置する始動入賞口43aにパチンコ球を誘導するステージ62が設けられている(図6参照)。また透明板41の後面には、遊技領域40aから取り込んだパチンコ球をステージ62の転動面62aに案内するワープルート63が設けられている。透明板41の前面には、図柄表示装置30において主に図柄変動ゲームが展開される図柄表示領域Rを囲む庇状部材88が配設されており(図6参照)、遊技領域40aに打ち出されたパチンコ球が図柄表示装置30における図柄変動ゲームが展開される図柄表示領域Rを横切って流下しないようになっている。なお、遊技領域40aには、庇状部材88の外側位置に多数の遊技釘47が植設されると共に、レール42の外側に、複数のコーナー飾り部材48が配設されている。なお、透明板41における庇状部材88より左方位置には、パチンコ球を検出する球検出センサ(図示せず)を備えた球通過ゲート45が設けられている。なお、球通過ゲート45をパチンコ球が通過することで、透明板41に設けられた普通図柄表示装置46(図6参照)の普通図柄が変動開始するよう設定されている。
(裏ユニットについて)
前記裏ユニット51は、図7または図9に示すように、透視不能な合成樹脂材(例えばABS樹脂)から、外郭形状が透明板41と略整合する大きさおよび形状に形成され、該裏ユニット51の略中央位置に可視表示部52が開設された枠状に形成されている。ここで、可視表示部52は、上下の縁部が略水平に延在すると共に、左右側縁が開口外側へ向けて弧状に膨出する略小判状に開口するようになっている(図12または図13参照)。なお、以下の説明では、裏ユニット51において、可視表示部52より上側の部位を上枠部53と指称し、該可視表示部52より下側の部位を下枠部54と指称する。また、裏ユニット51において、可視表示部52の上下縁部の間(すなわち上下の枠部53,54の間)であって枢支端側(左端側)の枠部分を枢支端側枠部55と指称し、可視表示部52の上下縁部の間(すなわち上下の枠部53,54の間)であって開放端側(右端側)の枠部分を開放端側枠部56と指称するものとする。
図9に示すように、前記裏ユニット51には、図柄表示装置30の前面に当接して前方移動を規制する前側位置規制部(具体的には、発光装置100,102,104の基板カバー100a,102a,104a)と、図柄表示装置30の後面に当接して後方移動を規制する後側位置規制部(具体的には、ロック部材114a,114b)と、図柄表示装置30の上面に当接して上方移動を規制する上側位置規制部(具体的には台座部材112)と、図柄表示装置30の下面に当接して下方移動を規制する下側位置規制部(具体的には設置部材59)と、図柄表示装置30の左右の側面に当接して側方移動を規制する側部位置規制部(具体的には規制壁108,110)とからなる位置規制手段が設けられている。すなわち、係止突部34を差込み受部58に挿入したもとで、各位置規制部59,100a,102a,104a,102,108,112,114a,114bにより図柄表示装置30が前後、左右および上下に移動するのを規制することで、図柄表示装置30が所定の設置領域Sに保持されるようになっている(図13参照)。ここで、設置領域Sは、図柄表示装置30を裏ユニット51に取り付けた際に、裏ユニット51において図柄表示装置30が占有する領域である。そして、設置領域Sに図柄表示装置30を保持することで、可視表示部52の開口域全体が図柄表示装置30の表示面で閉成されるようになっている。
(上枠部)
図12に示すように、前記裏ユニット51における上枠部53の前面には、文字装飾部60が設けられると共に、この文字装飾部60の左右両側部に第1可動演出装置120,120が配設され、これらの第1可動演出装置120,120に設けた第1可動体(可動体)128,128が文字装飾部60の両脇に配置されている。なお文字装飾部60は、光透過性および光拡散性を有する複数のレンズにより、文字を表わしたものである。そして、上枠部53において各文字装飾部60と前後に対応する位置には、前後に開口する装飾開口(図示せず)が開設されて、該装飾開口を介して各文字装飾部60の後方から第1発光装置102のLEDが臨むようになっている(図11参照)。
(枢支端側枠部について)
前記裏ユニット51の枢支端側枠部55には、図9または図13に示すように、上下に離間する2箇所に、図柄表示装置30に形成した前記係止突部34,34を挿脱可能な差込み受部58,58が後方へ突出するよう形成されている。ここで、各差込み受部58は、図柄表示装置30が当接する前側位置規制部(基板カバー100a,102a,104a)より後方へ突出するよう形成されると共に、可視表示部52側に開口するよう差込み口58aが開設され、可視表示部52から遊技盤40の枢支端側へ図柄表示装置30を移動して係止突部34を該差込み受部58の差込み口58aに挿入するようになっている。
(下枠部について)
図12または図13に示すように、前記裏ユニット51における下枠部54の中央部には、透明板41に配設された始動入賞装置43および特別入賞装置44の後方が挿通する下枠部開口54aが前後に開口するよう形成されて、該下枠部開口54aに挿通させた始動入賞装置43の左右両側に位置するよう第2可動演出装置150,150が配設されている。また下枠部54の裏側には、前方に開口する横長矩形箱状に形成された設置部材59が配設されており(図14参照)、該設置部材59の内部に始動入賞装置43、特別入賞装置44および第2可動演出装置150,150が収容されている(図8,図9,図10または図11参照)。なお、設置部材59は、前側位置規制部(基板カバー100a,102a,104a)より後方に突出するよう構成されている。そして、設置部材59の上面(具体的には設置部材59の上壁59aに設置した支持片36)で図柄表示装置30の下面を支持するようになっている(図10または図11参照)。すなわち、設置部材59の上面が図柄表示装置30を支持する支持面として機能している。
図7に示すように、前記設置部材59の中央部後面には、中継基板(別の基板)106が設置されて、中継基板106に対して、パチンコ機10、遊技盤40あるいは図柄表示装置30の裏側に配置された各種制御装置201,202,203,204,205,206,207や各発光装置100,102,104、その他の各種の電気部品が配線で接続されている。また、設置部材59の裏側には、主制御装置200を着脱可能に設置する主基板ベース(図示せず)が配設されて、図4に示すように該主基板ベースに配設された主制御装置200も、中継基板106に配線で接続される。
図9または図14に示すように、設置部材59の上壁59aには、図柄表示装置30の下面を位置規制する支持片36が配設されている。この支持片36は、可視表示部52の下側に左右に延在する長尺な断面L字状の金属製の部材であって、大型の図柄表示装置30の荷重を支持するために高い剛性を有している。支持片36は、裏ユニット51の下枠部54に固定され、可視表示部52の下端部に沿って左右方向に延在する第1片部36aと、該第1片部36aの下端部から後方へ屈曲形成されて、設置部材59の上壁59aに当接支持される第2片部36bとから構成される。
前記裏ユニット51の前側には、図6に示すように、枢支端側枠部55、上枠部53および開放端側枠部56の夫々に亘って環状に延在する円環状装飾部61が設けられている。この円環状装飾部61は、光透過性および光拡散性を有する複数のレンズを周方向に所定間隔離間して配置し、各レンズの間を装飾カバーで覆うよう構成される。そして、円環状装飾部61は、可視表示部52の左右側縁に沿って延在すると共に、該円環状装飾部61の内側に、文字装飾部60、第1可動演出装置120,120の第1可動体128,128および第2可動演出装置150,150の第2可動体152,152の夫々が配置されている。また、円環状装飾部61は、透明板41に形成される略円形の遊技領域40aの内側において、該遊技領域40aの周縁に沿うよう設けられており、裏ユニット51を透明板41に組み付けた際に、該透明板41を介して文字装飾部60、第1可動演出装置120,120の第1可動体128,128および第2可動演出装置150,150の第2可動体152,152、円環状装飾部61および可視表示部52の臨む図柄表示装置30の夫々を前側から視認されるようになっている。なお、裏ユニット51の枢支端側枠部55および開放端側枠部56においてレンズと前後に対応する位置には、前後に開口する通孔(図示せず)が開設されており、該通孔を介して各レンズの後方からLEDが臨むようになっている。
(発光装置について)
図9または13に示すように、前記上枠部53の裏側には、文字装飾部60を発光させる第1発光装置100が配設され、枢支端側枠部55の裏側には、該枢支端側枠部55側に位置する円環状装飾部61を発光させる第2発光装置102が配設され、前記開放端側枠部56の裏側には、該開放端側枠部56側に位置する円環状装飾部61を発光させる第3発光装置104が配設されて、該第1〜第3の発光装置100,102,104の後方に図柄表示装置30が配置されている。なお、円環状装飾部61において上枠部53に位置する部分は、該上枠部53の前側に配設された発光装置(図示せず)により発光されるようになっている。
前記第1発光装置100は、裏ユニット51の上枠部53の裏側に配置され、表面に複数のLEDが実装され、前記第1可動演出装置120,120の間に位置する第1LED基板101と、該第1LED基板101の裏側を覆う第1基板カバー100aとから構成されており、上枠部53における文字装飾部60と対応する位置に開設した装飾開口を介して、各LEDが文字装飾部60の裏側に対向するようになっている。図13に示すように、第1LED基板101の裏面には、上縁部に沿って複数の第1ソケット101aが設けられ、第1基板カバー100aの開口を介して設置領域Sの外上方において裏側に露出している。ここで、裏ユニット51の枢支端側には、該枢支端側から順に、枢支端側の第1可動演出装置120の第1可動体128に内蔵された第1発光手段(発光手段)131からの第1配線(配線)142(図21または図24参照)が接続される第1ソケット101a、および該第1可動演出装置120の駆動手段としてのソレノイド134からの配線が接続される第1ソケット101aの2つ配置されている。一方、裏ユニット51の開放端側には、該開放端側から順に、開放端側の第1可動演出装置120の第1可動体128に内蔵された第1発光手段131からの第1配線142が接続される第1ソケット101a、第2発光装置102からの配線が接続される中継接続用の第1ソケット101a、および該第1可動演出装置120のソレノイド134からの配線が接続される第1ソケット101aの3つが配置されている。なお、第1LED基板101上に配設される複数の第1ソケット101aは、同一水平線上に位置するよう配置されている。また、第1LED基板101を上枠部53に配設した状態で、各第1ソケット101aは図柄表示装置30の設置領域Sの上外方(図柄表示装置30と球タンク26の底面との間)に位置している。
前記パチンコ機10では、第1発光装置100および第2発光装置102に設けた対応のソケット同士を配線接続すると共に、第2発光装置102および中継基板106に設けた対応のソケット同士を配線接続することで、第1発光装置100のLED、第2発光装置102のLED、第1可動演出装置120の第1発光手段131およびソレノイド134、前記上枠部53に設けた円環状装飾部61のレンズに対応するLEDの夫々が、統括制御装置207に対して電気的に接続される。
(台座部材について)
図13に示すように、前記裏ユニット51の上枠部53には、開放端側の第1可動演出装置120のソレノイド134よりも開放端側に、図柄表示装置30の上方移動を規制する前記上側位置規制部としての台座部材112が配設されている。台座部材112の後端面、および前記設置部材59における開放端側の後端面には、図柄表示装置30の後面に当接して後方移動を規制する後側位置規制部としてのロック部材114a,114bが配設されている。なお、台座部材112の後端面に配設される上ロック部材114aと、設置部材59の後端面に配設される下ロック部材114bとは基本的な構成が同一である。
前記上ロック部材114aは、一端部が台座部材112の後端面に軸を介して枢支されたレバー状の部材であって、該軸から下方に突出して図柄表示装置30の後面に当接係止可能な係止位置と(図8参照)、該台座部材112の後端面上で軸から開放端部側に延在して該図柄表示装置30との係止状態が解除された解除位置(図9参照)の夫々回転変位させるようになっている。また、下ロック部材114bも同様に、一端部が設置部材59の後端面に軸を介して枢支されたレバー状の部材であって、該軸から上方に突出して図柄表示装置30の後面に当接係止可能な係止位置と(図8参照)、該設置部材59上で軸から左右方向に延在して該図柄表示装置30との係止状態が解除される解除位置(図9参照)の夫々回転変位させるよう構成される。すなわち、上ロック部材114aは、係止位置に変位することで図柄表示装置30の上端部に設けられた支持部35に当接し、下ロック部材114bは、係止位置に変位することで図柄表示装置30の下端部に設けられた支持部35に当接するようになっている。
(ステージについて)
次に、遊技盤40に設けられたステージ62およびワープルート63について、主に図15〜図20を参照して説明する。図20に示すように、ステージ62およびワープルート63は、図柄表示装置30の前側に位置して、透明板41の前面にある遊技領域40aの後側に設けられ、透明板41および図柄表示装置30間の奥行き方向のスペースを、パチンコ球を流下させる経路として利用するものである。
図15または図16に示すように、ステージ62は、本体部分を構成し、透明板41の後側から取り付けられるステージ部材64と、このステージ部材64における透明板41に開設されたステージ開口部(開口部)49から前側に臨む部分およびステージ開口部49の一部を透明板41の前側から覆う前飾り部材82とから構成される。なお、ステージ部材64および前飾り部材82は、透明な合成樹脂材料から形成され、前飾り部材82の一部(取り付け用のビスの周辺)を除いて基本的に透明である。図18に示すように、ステージ部材64は、転動面62aが設けられるステージ部65と、このステージ部65に設けられ、透明板41の後側にワープルート63を形成するワープルート部66とを備えている。
図15および図16に示すように、前記ステージ開口部49は、左右横長に形成されて、透明板41における始動入賞口43aの上側で、図柄表示装置30による図柄表示領域Rの下側に位置して、透明板41を前後に貫通して設けられる。またステージ開口部49は、開口上縁49aが水平に延在し、開口側縁49bが円弧状で、開口下縁の両側部49c,49cが開口側縁49bから中央に向かうにつれて下方傾斜する共に、開口下縁の中央部49dが左右に水平に延在するよう形成される。更にステージ開口部49には、ステージ部材64の球通路78部分と整合する通路切欠49eが、開口下縁の中央部49dから下方に切り欠いて設けられている。更にまた透明板41には、図柄表示領域Rの外側方で、ワープルート部66の上端に整合する位置に、遊技領域40aからワープルート63にパチンコ球を導く導入開口50が設けられている。
図15,図16または図18に示すように、前記ステージ部材64は、パチンコ球を左右に転動させる転動面62aを上面に設けた前部材67と、この前部材67との間に転動面62aから始動入賞口43aへパチンコ球を誘導する球通路78を画成し、前部材67の後側に取り付けられる後部材72とから構成される。後部材72は、後壁部(後壁)73と、この後壁部73の下端に前側に突出形成された下壁部75と、該後部材72の左側部(一側部)に一体的に形成され、透明板41の後面との間に遊技領域40aから取り込んだパチンコ球を転動面62aに案内するワープルート63を透明板41の後側に形成するワープルート部66とを備えている(図18参照)。また後部材72は、ワープルート部66と反対側に、後壁部73および下壁部75に接続する側壁部77が設けられている。後部材72は、後壁部73から後方に膨出形成され、球通路78における上下に延在する第1通路78aの側壁および後壁を構成する上凹部74と、下壁部75から下方に膨出して形成され、球通路78における前後に延在する第2通路78bの側壁および底部を構成する下凹部76とが設けられている(図19参照)。ここで、下凹部76は、下壁部75の前端から前側に突出するよう形成される(図15参照)。そして、ステージ部材64は、透明板41に対して後側から取り付けた際に、ワープルート部66における側壁部分66a,66aの前面、下壁部75前面および側壁部77前面が透明板41の後面に当接すると共に、下凹部76の突出した前部がステージ開口部49の通路切欠49eに整合するようになっている。
図15に示すように、前記後部材72の後壁部73には、複数(実施例では4箇所)の挿入孔73aが、ワープルート部66、側壁部77および下壁部75で囲まれる部分の内側で、下壁部75近傍に左右に離間して設けられている。実施例の挿入孔73aは、後壁部73の側縁に夫々設けられると共に、上凹部74を挟んで該上凹部74の両脇に夫々設けられている。なお、ワープルート部66における側壁部分66a,66aの前面、下壁部75前面および側壁部77前面には、適宜位置にフランジおよび取付片が設けられ、取付片に開設された通孔を介して透明板41のネジ孔にビスを螺合することで、ステージ部材64が透明板41に固定される。また後部材の取付片には、前側に突出形成された取付ピン64aが設けられ、ステージ部材64の透明板41への取り付けに際して、透明板41に設けた取付ピン孔41bに取付ピン64aを挿入することで、透明板41に対してステージ部材64が位置合わせされる。
前記前部材67は、上面が転動面62aとなる天井片68の下面前後縁から下方に延出する前片69と後片70とを有する側断面視コ字状を基本形状とする部材であって、後部材72の下壁部75に載置すると共に後片70を後壁部73前面に当接させて、該後部材72と組み付けられる(図19参照)。転動面62aは、中央部が盛り上がると共に、左右の側部が側端から中央部に向かうにつれて下方傾斜するよう形成され、中央部の盛り上がり部分の傾斜径端と側部の傾斜下端との接続部分が転動面における底となっている(図18参照)。転動面62aの中央には、球通路78の球入口79にパチンコ球を誘導する案内溝68aが設けられている(図15参照)。案内溝68aは、前から後側に向けて下方傾斜するよう天井片68を凹ませて形成され、案内溝68aの後端が球入口79に連絡している。前部材67は、前片69における左右の側部が後側に向けて夫々凹設されて(図15または図18参照)、ステージ部材64を透明板41に取り付けた際に、ステージ開口部49の開口下縁の両側部49c,49cとの間に、前飾り部材82の位置決め片86,86が挿入される挿入凹部67a,67aが左右に離間して形成されるようになっている。
図16に示すように、前記前部材67の後片70には、後部材72の前記挿入孔73aに挿入される突片70aが、左右に離間して複数(実施例では4箇所)設けられている。すなわち、突片70aは、後片70において前記挿入孔73aに夫々整合する位置に後方へ突出形成される。また、前部材67の前片69には、前飾り部材82の第2位置決めピン85,85が挿入される第2位置決め孔69a,69aが、左右に離間して複数(実施例では2箇所)設けられている(図15参照)。前部材67における後片70の中央には、下方に突出する突出部70bが設けられ、この突出部70bが前部材67を後部材72に取り付けた際に、下凹部76に整合するようになっている(図18参照)。
前記ステージ部材64において、前部材67を後部材72の下壁部75に載置して組み付けることで、前部材67と後部材72とからステージ部65が構成される(図18参照)。なお、ステージ部65は、ステージ部材64においてワープルート63を形成するワープルート部66を除いた部分を指し、実施例のステージ部65は、パチンコ球の転動面62aと、この転動面62aから始動入賞口43aにパチンコ球を誘導する球通路78とを備えている。前部材67は、突片70aを後部材72の対応する挿入孔73aに夫々挿入することで、後部材72に対して位置決めされ、ビスを挿入凹部67aに設けた通孔を介して後部材のフランジに設けたネジ孔に螺合して互いに固定される。そして、前部材67と後部材72とを組み付けることで、転動面62aの左側端がワープルート63の導出口63aに連絡すると共に、転動面62aの後側に後部材72の後壁部73が立ち上がって転動面62aを左右方向に転動するパチンコ球の後方への落下を防止するよう構成される(図19または図20参照)。また、前部材67と後部材72とを組み付けることで、前部材67の後片70と後部材72の上凹部74との間に球通路78における第1通路78aが画成されて、第1通路78aの球入口79が案内溝68aの後端に整合すると共に、前部材67の下側に下凹部76により球通路78における第2通路78bが画成される。この際、前部材67の後片70が、該第1通路78aの前壁を構成している。
このように、ステージ部65は、前部材67と後部材72との2つの部材を組み付けて構成されるが、前部材67の突片70aを後部材72の挿入孔73aに挿入して互いに位置決めされているので、組み付けに際して位置合わせを行ない易く、互いの組み付け位置がずれ難い。ステージ部65では、前部材67と後部材72との2つの部材を組み付けて、球通路78の第1通路78aが画成されると共にワープルート63の導出口63aが転動面62aと連絡する構成であるが、前部材67と後部材72とが位置ずれし難いので、組み付け誤差による球詰まりやパチンコ球の意図しない動作等を防止できる。また、ワープルート部66は、後部材72に一体形成されているので、ワープルート部66をステージ部65に取り付けることに起因する取り付け誤差は生じない。
前記ワープルート部66は、パチンコ球1個毎の通過を許容する間隔をあけて対向する一対の側壁部分66a,66aと、対向する側壁部分66a,66aの後部間に設けられた後壁部分66bとから構成され、下端が後壁部73に接続されている(図18参照)。なお、ワープルート部66の右側壁部分66aの下端が切り欠かれ、ワープルート63から転動面62aに繋がる導出口63aが設けられる。またワープルート部66は、ステージ部材64を透明板41を取り付けた際に、上端が前記導入開口50を後側から覆うと共に、図柄表示領域Rの外側方(実施例では左側方)に位置するよう構成されている。ここで、図6に示すように、ワープルート部66は、遊技領域40aから取り込んだパチンコ球を図柄表示領域Rから離間する外側方(実施例では左側方)に誘導する第1傾斜路63bと、図柄表示領域Rに向かう内側方(実施例では右側方)へパチンコ球を誘導する第2傾斜路63cとを、前記ワープルート63が有するように折れ曲がり形状とされる。
前記ワープルート63は、傾斜方向が異なる傾斜路63b,63cを組合わせて構成され、実施例では、第1傾斜路63bが前記導入開口50に整合する上端から取り込んだパチンコ球を左斜め下側に案内するよう設けられ、第2傾斜路63cの上端が第1傾斜路63bの下端に接続すると共に、該第2傾斜路63cの下端が導出口63aに接続し、第2傾斜路63cによりパチンコ球を右斜め下側に案内するよう構成される。すなわち、ワープルート部66の上部は、対向する側壁部分66a,66aが左下がりに傾斜するよう延在すると共に、該ワープルート部66の下部は、対向する側壁部分66a,66aが右下がりに傾斜するよう延在し、該ワープルート部66が図柄表示領域Rに重ならないように配置される(図6参照)。
前記ステージ部材64を透明板41に取り付けることでワープルート部66により透明板41の後側に画成されるワープルート63は、透明板41を介して該ワープルート63を流下するパチンコ球の動きを視認することができる。ここで、ワープルート63は、図柄表示領域Rに重ならないように配置されているので、ワープルート63を流下するパチンコ球が、図柄表示領域Rに表示される図柄変動ゲームの邪魔にならない。またワープルート部66の上部は、図6に示すように、ワープルート63における第1傾斜路63bの脇に位置して図柄表示領域Rから離間する外側方を凸とする湾曲形状に並べて透明板41に設けられた遊技釘47の列に沿って、対向する側壁部分66a,66aが図柄表示領域Rから離間する外側方を凸とする湾曲形状に形成される。これにより、ワープルート63の脇に配設された遊技釘47の列に案内されて遊技領域40aを流下するパチンコ球の動きと、第1傾斜路63bに案内されて透明板41の後面を流下して透明板41を介して視認可能なパチンコ球の動きとが一致し、パチンコ球の動きに三次元的な奥行き感がもたらされるので、パチンコ球の動きのおもしろみを向上することができる。これに対して、ワープルート部66の下部は、対向する側壁部分66a,66aが図柄表示領域Rに向かう内側方を凸とする湾曲形状に形成される。
前記ワープルート63は、遊技領域40aから第1傾斜路63bに導入されたパチンコ球が、該第1傾斜路63bの下端でワープルート部66の側壁部分66aに衝突して第1傾斜路63bから第2傾斜路63cに案内方向が変化するので、単一の方向にのみ案内される通路と比べてパチンコ球の流下スピードを抑えることができる。また、ワープルート63では、パチンコ球が左右に蛇行するので、ワープルート63を流下するパチンコ球に変化を与えることができる。更に、ワープルート部66は、ステージ部材64の後部材72に一体形成されているので、ステージ部材64を透明板に取り付ける際に一体的に取扱いできると共に、転動面62aとの位置ずれもない。従来のワープルートでは、通路に突出する突起を設けて、この突起に通路を流下するパチンコ球を衝突させることで、パチンコ球のスピードを抑える構成があるが、実施例のパチンコ機10では、透明板41を介してワープルート63を流下するパチンコ球が視認可能であるので、突起を設けると遊技者から突起が見えてしまい、見栄えが悪い。実施例では、ワープルート63を形成するワープルート部66自体を折り曲げ形状として、パチンコ球が流下する傾斜路63b,63cに突起等の部材を設けていないので、見栄えの悪化を回避しつつ、パチンコ球のスピードを抑制できる。従って、パチンコ球は、スピードを落とした状態でワープルート63から転動面62aに案内されるので、転動面62aを転動することなく転動面62aから遊技領域40aへ飛び出すことはなく、転動面62aにおいて意図した通りにパチンコ球を左右に転動させて、遊技者の期待感をあおることができる。
前記球通路78は、転動面62aに開口する球入口79に連通して上下方向に延在する第1通路78aと、この第1通路78aおよびステージ部65の前面に開口する球出口80に連通して前後方向に延在する第2通路78bとから構成される(図19参照)。第1通路78aの前壁をなす前部材67における後片70の中央には、上下方向に延在する縦リブ71が設けられている(図16参照)。縦リブ71は、後片70における突出部70bの下端から該後片70の上端まで上下に延在して後方へ向けて突出形成され、縦リブ71の上端は、前から後に向かうにつれて下方傾斜するよう面取りされている(図19参照)。縦リブ71の後端と第1通路78a(上凹部74)の後壁との間は、パチンコ球1個毎の通過を許容する寸法となるように設定される。また縦リブ71の下端と第2通路78b(下凹部76)の底部におけるパチンコ球の支持部位との間は、パチンコ球1個毎の通過を許容する寸法となるように設定される。ここで、第1通路78aの後壁および第2通路78bの底部が接続する角部と、縦リブ71の下端後縁との間隔を、パチンコ球の直径より大きく、かつパチンコ球の直径の1.5倍以下に設定して、該角部と縦リブ71の下端後縁との間に2個のパチンコ球が並ばないようにされる。
上下に延在する第1通路78aから前後に延在する第2通路78bに移行する球通路78の屈曲部分は、通路幅が広がってしまう部分であるので、当該屈曲部分の前壁に縦リブ71を設けることで、屈曲部分の通路幅を狭くして、パチンコ球1個ずつの通過を許容するようにして、球詰まりを防止している。従来の球通路では、第1通路の後壁および第2通路の底部が接続する角部に三角形状リブを設けていた。このような三角形状リブでは、球出口を介して前側から直接見えてしまう不都合があると共に、第1通路から流下したパチンコ球を前側に勢いを付けて案内してしまい、第2通路を流通するパチンコ球のスピードが速くなるおそれがある。前記縦リブ71は、第1通路78aの前壁に設けることで、球出口80を介して前側から直接見えないので見栄えを損なわず、また前側に向けてパチンコ球に勢いを与えることがない。すなわち、球通路78の球出口80を介して前飾り部材82の球開口83から放出されるパチンコ球を、該球開口83の下方に位置する始動入賞口43aに安定して導くことができ、遊技者の期待感を損なわない。
前記第2通路78bを画成する下凹部76の上部は、左右に対向する側面が遊技球1個毎の通過を許容する通路幅で形成される一方、該下凹部76の底部は、上から下に向かうにつれて通路幅が狭くなる断面略V字状に形成されている(図18参照)。ここで、第2通路78b(下凹部76)の底部を構成して左右に対向する一対の斜面76a,76aが、パチンコ球の直径より小さい寸法で離間するよう構成されている。すなわち、球通路78の第2通路78bを流通するパチンコ球は、一対の斜面76a,76aにより左右から2点で支持されるので、パチンコ球の左右方向のぶれを抑制することができる。従って、球通路78の球出口80を介して前飾り部材82の球開口83から放出されるパチンコ球を、該球開口83の下方に位置する始動入賞口43aに安定して導くことができ、遊技者の期待感を損なわない。
前記前飾り部材82は、透明板41の前側から取り付けられる板状の部材であって、ステージ開口部49の下部および側部とステージ開口部49の周縁下部および周縁側部とを覆うよう構成される(図6参照)。前飾り部材82の上縁は、転動面62aの前記底に対応する部位に該底に整合する流下凹部82aが形成され、転動面62aにおける他の部分に対応する部位が該転動面62aより高くなるよう構成される(図17参照)。なお、流下凹部82aは、下方に位置する始動入賞口43aを間にして左右に離間して形成され、転動面62aを転動するパチンコ球が該流下凹部82aから遊技領域40aに流下することが許容される。また前飾り部材82には、前記球通路78の球出口80に重なる中央部に、前後に貫通する球開口83が設けられている。球開口83は、底部が第2通路78b(下凹部76)の底部と整合する形状に形成されている(図17参照)。
図16に示すように、前記前飾り部材82の後面には、該前飾り部材82における透明板41に面する位置に設けられ、該透明板41に設けられた第1位置決め孔41aに挿入される第1位置決めピン84と、前記ステージ開口部49から前側に臨むステージ部65に面する位置に設けられ、該ステージ部65の前面に設けられた第2位置決め孔69aに挿入される第2位置決めピン85とが形成されている。第1位置決めピン84および第2位置決めピン85は、後方へ突出して複数(実施例では夫々2箇所)設けられ、これらの位置決めピン84,85に対応して第1位置決め孔41aおよび第2位置決め孔69aが複数(実施例では夫々2箇所)設けられる(図15参照)。2箇所の第1位置決めピン84,84は、前飾り部材82の周縁部における透明板41の前面に相対する部位に、左右に離間して設けられている。また、2箇所の第2位置決めピン85,85は、左右の第1位置決めピン84,84の間に位置して、第1ステージ開口部49に相対する前飾り部材82の後面に、球開口83を挟んで左右に離間して設けられている。
前記前飾り部材82の後面には、第1位置決めピン84および第2位置決めピン85より後方へ突出し、ステージ開口部49の開口縁に沿わせて、透明板41の板面に沿う方向の少なくとも一方への前飾り部材82の移動を規制する位置決め片86が複数(実施例では2箇所)設けられている。2箇所の位置決め片86,86は、前飾り部材82の後面下部に左右に離間して設けられ、各位置決め片86は、ステージ開口部49の開口下縁における傾斜した左右側部49cに夫々対応して配置される。各位置決め片86は、対応するステージ開口部49の開口下縁における傾斜した左右側部49cに対して板面が平行に延在するよう板状に形成されている。ここで、左右の位置決め片86,86は、中央部の球開口83から離間させて前飾り部材82の側部に設けられているので、球開口83を注視する遊技者から目につき難くなる。
前記ステージ部材64は、ステージ部65の前部(前部材67において後部材72の下壁部75および側壁部77から前側に突出する転動面62aを含む部分と、後部材72の下凹部76において下壁部75から前側に突出する部分)をステージ開口部49に嵌め合わせて透明板41の後側から取り付けられる。この際、ステージ部65の前部は、ステージ開口部49に整合する形状に形成され、下凹部76をステージ開口49の通路切欠49eに沿わせて挿入することで、透明板41に対して簡単に位置合わせすることができる。また、ステージ開口部49における開口下縁両側部49c,49cの下部には、ステージ部材64の前部材67に後方へ凹設された部分によってよって、該ステージ開口部49の開口下縁側部49cとの間に挿入凹部67a,67aに形成される。前飾り部材82は、挿入凹部67a,67aに前側から挿入した左右の位置決め片86,86を、ステージ開口部49の開口下縁側部49c,49cに引っ掛けるように全体的に移動して、各位置決め片86を該開口下縁側部49cに沿わせて挿入し、各第1位置決めピン84を透明板41の対応する第1位置決め孔41aに挿入すると共に、各第2位置決めピン85をステージ部65の対応する第2位置決め孔69aに挿入して、透明板41およびステージ部材64に対して位置合わせされる。そして、前飾り部材82は、該前飾り部材82の左右側端部および球開口83の両側部に設けた通孔を介してビスを透明板41のネジ孔に螺合することで、球通路78の球出口80に球開口83が整合すると共にステージ部材64と位置合わせした状態で透明板41に固定される。ここで、各位置決め片86が挿入される部位には、前述の如くステージ部65とステージ開口部49との間に挿入凹部67a,67aが形成されているので、各位置決め片86がステージ部65と干渉することが回避され、前飾り部材82をスムーズに位置合わせすることができる。なお、ステージ部材64と前飾り部材82のどちらを先に透明板41に対して取り付けてもよい。
前述の如く各位置決め片86は、第1位置決めピン84および第2位置決めピン85より後方へ突出しているので、前飾り部材82の透明板41への取り付けに際して、各位置決め片86が第1位置決めピン84および第2位置決めピン85が対応の位置決め孔41a,69aに挿入される前に、各位置決め片86がステージ開口部49の開口縁に引っ掛かることで、前飾り部材82の移動が規制されて、前飾り部材82の透明板41に対する大まかな位置合わせを行なうことができる。ここで、左右の位置決め片86.86が、ステージ開口部49の開口下縁における左右の傾斜した側部49c,49cに夫々対応して設けられているので、該左右の側部49c,49cに引っ掛かる左右の位置決め片86,86によって、前飾り部材82が透明板41の板面に沿う下方への移動だけでなく、透明板41の板面に沿う左右方向の移動が規制され、位置決め片86を開口縁に沿わせて挿入するだけ位置合わせでき、前飾り部材82のステージ開口部49に対する位置合わせが一層簡単になる。また、各位置決め片86がステージ開口部49の開口縁に沿って案内されたもとで、第1位置決めピン84が透明板41の第1位置決め孔41aに整合するので、第1位置決めピン84の第1位置決め孔41aへの挿入が円滑になされる。そして、第1位置決めピン84を第1位置決め孔41aに挿入することで、前飾り部材82は透明板41に対して精度よく位置決めされる。また、精度よく透明板41に位置決めされた前飾り部材82の第2位置決めピン85がステージ部材64の第2位置決め孔69aに挿入されることで、両部材82,64の位置決めがなされ、ステージ部材64も透明板41に対して精度よく取り付けられる。このように、透明な前飾り部材82および透明なステージ部材64を透明板41に取り付ける際に、透明板41に対する位置合わせが容易であるので、取り付け作業性がよく簡単に取り付けることができる。更に、ワープルート63を形成するワープルート部66とステージ部65とがステージ部材64に設けられているので、ステージ部材64の透明板41への取り付けに起因して、ワープルート部66とステージ部65との間に位置ずれが生じない。
前記庇状部材88は、図柄表示領域Rの上方および側方に延在するように形成された合成樹脂製の部材であって、透明板41の前面に当接して該庇状部材88の透明板に対する取付部分となる取付部89と、この取付部89の前面に突出して遊技領域40aを流下するパチンコ球を案内する庇部90とから基本的に構成される(図15または図16参照)。庇状部材88は、図柄表示領域Rの外側方に位置する側部下部が前記ワープルート部66の上端に重なるように配置され、この側部下端に遊技領域40aに臨んで図柄表示領域Rと反対側の側方(実施例では左側方)へ開口する導入口91aを備える導入部91が設けられている(図6参照)。導入部91は、透明板41に開設された導入開口50の前側に重なり、この導入開口50に連通する球通口92が設けられる共に、該球通口92の下側半周を覆って導入部91後面から後方へ突出する規制片93が設けられている(図16参照)。導入部91の規制片93は、透明板41の導入開口50の下側半周に整合する形状に形成され、庇状部材88を透明板41の前面に取り付けた際に、規制片93が導入開口50に嵌め合わされて位置決めされ、導入口91aから球通口92および導入開口50を介して第1傾斜路63bの上端に連通するよう構成される。このように、ワープルート63の導入口91aを設けた庇状部材88は、規制片93を導入開口50に整合することで位置決めされるので、ワープルート部66に対して庇状部材88を簡単に精度よく位置合わせすることができる。従って、遊技領域40aからワープルート63への導入部分での球詰まりを回避し得る。
前述した如く、庇状部材88は、合成樹脂の成形品であって、成形型において合成樹脂を注入することで製造される。庇状部材88は、成形型において樹脂注入口が臨む部位に注入凹部94が設けられ、実施例の庇状部材88では、該部材88の中央部となる図柄表示領域Rの上側に延在する取付部89の後面に設けられている(図16参照)。すなわち、庇状部材88には、樹脂注入口に対応する部位である注入凹部94にバリが生じるが、庇状部材88を透明板41に取り付けた際に、注入凹部94により透明板41の前面との間に隙間があいているので、バリと透明板41とが接触することを回避できる。庇状部材88の上部は、遊技領域40aに打ち出されたパチンコ球が当たって衝撃が加わる部分であるが、前記バリが透明板41に当接していないので、バリと透明板41との摺接による樹脂粉の発生を防止できる。
(第1可動演出装置について)
次に、実施例の第1可動演出装置120について、図21〜図26を主に参照して説明する。図6および図12に示すように、前記一対の第1可動演出装置120,120は、遊技盤40の上部に左右に離間して、上枠部53の中央に位置する第1発光装置100を挟んで両脇に配置されれいる。なお、左右の第1可動演出装置120,120は、構成部材の配置が左右対称な関係であるだけで、構成部材が同一であるので、左側に位置する第1可動演出装置120についてのみ、以下に説明する。
図25に示すように、前記第1可動演出装置120は、各構成部材の設置基盤となるケース121と、このケース121に往復動可能に保持された第1可動体(可動体)128と、この第1可動体128をリンク機構136を介して動作させる駆動手段としてのソレノイド134とを備えている。第1可動演出装置120は、ケース121に構成部材が取り付けられ、ケース121毎のユニットとして取扱い可能であり、ユニット単位で裏ユニット51に対して着脱可能となっている(図21または図22参照)。
図26に示すように、前記ケース121は、裏ユニット51における上枠部53の背面に取り付けられ、下部が透明板41と図柄表示装置30の間に位置すると共に、上部が図柄表示装置30の上外方(設置領域Rの上外方)に位置している。ケース121は、左右の離間して対向する側壁122,122と、左右の側壁122,122の後端側に接続する後壁123とから水平断面略コ字状に基本的に形成され、上端に後壁123から前側に突出する上部壁124が設けられている(図25参照)。すなわち、ケース121は、透明板41に臨む前側および可視表示部52の内側に臨む下側が開放する箱状に形成されている。なお、ケース121の上部は、透明なカバー板121aで前面が覆われている(図21参照)。第1可動演出装置120を上枠部53に配設した状態において、ケース121の後壁123の下部は、第1発光装置100の第1基板カバー100aと同一水平面に位置し、図柄表示装置30の収容ケース32が当接するよう構成される(図26参照)。すなわち、ケース121の後壁123が前記前側位置規制部の一部を構成している。またソレノイド134は、図柄表示装置30の設置領域Sの上外方(図柄表示装置30と球タンク26との間)に位置するよう構成されている。また、中枠12の球タンク26との関係において、枢支端側の第1可動演出装置120のソレノイド134は、タンク本体26aと球整流部26bとの境界位置の下方に配置されており、該ソレノイド134より枢支端側においては、裏ユニット51と球タンク26(球整流部26b)との間に比較的前後幅の大きな間隙が画成されている。
図21、図23または図24に示すように、前記ケース121は、第1発光装置100側(内側)の側壁122に、設置領域Sの上外方に位置して配線口(開口)126が設けられ、この配線口126を介して第1発光手段131と第1LED基板101とに接続する第1配線(配線)142が挿通される。この配線口126の開口縁126aは、円弧状に形成されている。このように、第1可動体128の動作につれて配線口126に挿通した第1配線142が移動して開口縁126aと擦れても、開口縁126aがエッジのない円弧形状としてあるので、該開口縁126aとの干渉による第1配線142の断線を防止できる。なお、配線口126の開口縁126aは、面取りすることでテーパ状に形成してもよい。
図13に示すように、ケース121と第1発光装置100の第1基板カバー100aとの間には、設置領域Sの上外方に位置して配線隙間127が設けられ、この配線隙間127に第1配線142が挿通される。すなわち、第1配線142は、配線口126からケース121の外側に引き出された後に、配線隙間127を介して裏ユニット51の裏側に引き出され、第1LED基板101の第1ソケット101aに接続される。このように、第1配線142は、設置領域Sに取り付けられる図柄表示装置30と干渉しない上方位置から裏ユニット51の裏側に引き出されているので、第1配線142を図柄表示装置30と裏ユニット51との間で噛み込んだり、図柄表示装置30の取り付け時に第1配線142が邪魔になったりしない。
図26に示すように、前記第1可動体128は、透明板41と図柄表示装置30の間に配置され、可視表示部52の内側に露出すると共に、透明板41を介して前側から視認可能になっている。すなわち、第1可動体128は、前側に遊技領域40aが設けられる透明板41の後側に設けられているので、第1可動体128が動作しても遊技領域40aを流下するパチンコ球に影響を与えることはない。なお、第1可動体128は、ケース121において遊技盤の中央側(内側)に位置する側壁122に近接するように偏って、ケース121の下部に回動可能に保持されている(図21参照)。
実施例の第1可動体128は、遊技領域40aまたは遊技者側に光を照射し得るスポットライトをイメージした役物である(図6参照)。第1可動体128は、両端が開放した円筒形の可動体本体129と、この可動体本体129の前側開口を覆う光透過性を有する前面カバー130と、可動体本体129の内部に設置され、第1基板131aの前面に第1LED131bが設けられると共に、第1基板131aの後面に第1コネクタ受部(コネクタ受部)131cが設けられた第1発光手段131と、可動体本体129の後側開口を覆い、前面カバー130との間に第1発光手段131の第1基板131aを保持する後面カバー132とから構成される(図25参照)。第1発光手段131の第1コネクタ受部131cは、第1基板131aの上部に偏倚して設けられ、後面カバー132の上部には、第1コネクタ受部131cに整合する位置にコネクタ開口132aが設けられて、コネクタ開口132aを介して第1コネクタ受部131cが第1可動体128の後面に露出するようになっている(図24参照)。
前記第1可動体128は、可動体本体129の後部左右に設けられた貫通孔129a,129aを、ケース121における左右の側壁下部に設けられた軸孔122a,122aに整合して、これら軸孔122a,122aおよび貫通孔129a,129aに挿通した水平方向左右に延在する支軸133により、ケース121に対して上下方向に回動可能に軸支される(図25参照)。すなわち、第1可動体128は、後部がケース121の下部に軸支されて、可動体本体129を水平にして前面カバー130を前側に臨ませた水平姿勢の第1位置(図21(a),図23(a),図24(a)参照)と、この第1位置から可動体本体129の前端を下方に傾斜した傾斜姿勢の第2位置(図21(b),図23(b),図24(b)参照)との間で往復動するようになっている。第1コネクタ受部131cは、支軸133より上方に設けられ、この第1コネクタ受部131cに、第1LED基板101に設置領域Sの上外方に位置して設けられる第1ソケット101aに接続する第1配線142が接続される(図24参照)。また第1可動体128は、前面カバー130の中央部に第1発光手段131の第1LED131bが臨み、該LED131bからの光が前面カバー130を介して前側または遊技領域40a(下側に位置する図柄表示領域R)に向けて照射されるようになっている。なお、実施例の第1可動演出装置120では、第1可動体128の第1位置が通常の待機状態となっている。
前記ソレノイド134は、ケース121における後壁123の上部背面に、該後壁123と隙間をあけて取り付けられて(図23または図24参照)、前記設置領域Sの上外方に位置すると共に、第1可動体128および図柄表示装置30の上側に配置される。またソレノイド134は、裏ユニット51における上枠部53の後側において、中枠12の上部に設けられた球タンク26と図柄表示装置30との間の狭い隙間に配設されている(図26参照)。ソレノイド134は、前側に出力軸135を備え、この出力軸135が後壁123とソレノイド134の本体との間の隙間で前後方向に変位するよう構成される(図24(a)および(b)参照)。ソレノイド134は、該ソレノイド134への通電時に出力軸135が後側に変位するよう作動され、ソレノイド134への非通電時に、出力軸135に力が付加されない自由状態となるよう構成される。このように、ソレノイド134の出力軸135が前後方向に変位するよう設けたので、設置領域Sの上外方のスペースを用いて、ソレノイド134を配設することができる。
前記リンク機構136は、第1可動体128とソレノイド134の出力軸135とを連結し、第1可動体128を常には第1位置へ向けて付勢する一方、ソレノイド134の作動に連動して第1可動体128を第2位置に向けて付勢するよう構成される。図25に示すように、リンク機構136は、出力軸135に連結する第1リンク片137と、この第1リンク片137と第1可動体128とを連結する第2リンク片138と、第1可動体128が第1位置となるように第1リンク片137を付勢する弾性部材139とから構成される。第1リンク片137は、後壁123の後側に位置し、出力軸135の前端に半径方向に延出するよう形成された延出端部135aを保持する第1連結部137aと、この第1連結部137aの前面に設けられ、ケース121の上部に切り欠き形成された溝124aを介して後壁123の前側に前端が臨む第2連結部137bとを備え、この第2連結部137bの前端部に下方に開口する連結切欠137cが設けられている。第2リンク片138は、後壁123の前側に配置されて、ケース121の上部に対して水平方向左右に延在する回動軸138aを介して回動可能に軸支されている。また第2リンク片138は、第1リンク片137の連結切欠137cに挿入される連結軸138bが上部に設けられ、下方に開口する接続切欠138cが下部に設けられている。またソレノイド134の本体と第1リンク片137の第1連結部137aとの間には、出力軸135を囲繞して弾性部材139としてのコイルばねが配設され、この弾性部材139によって第1リンク片137が常に前側に向けて変位するよう付勢されている。
前記第1可動体128は、可動体本体129における後部右側に、後斜め上方に延出して当接部140が設けられ、この当接部140の上部に外側方に突出して、第2リンク片138の接続切欠138cに挿入される接続軸140aが設けられている(図21参照)。リンク機構136は、第1リンク片137が前後方向に変位することで、上端の連結軸138bが第1リンク片137の連結切欠137cに連繋して、回動軸138aを介してケース121に軸支された第2リンク片138が前後に回動する。そして、リンク機構136は、第2リンク片138が前後に回動することで、下端の接続切欠138cに連繋した接続軸140aを介して第1可動体128が第1位置と第2位置との間で回動するようになっている。ここで、第1リンク片137は、ソレノイド134の非通電時には弾性部材139の弾力により前側へ向けて付勢されて、これに伴い第2リンク片138の上部が前側に変位されて、後側へ変位する第2リンク片138の下部によって第1可動体128が後上側に向けて引き上げられる(図21(a),図23(a),図24(a)参照)。
そして、第1可動体128は、ケース121の後壁123に当接部140が位置規制されることで第1位置で姿勢が保持される(図24(a)参照)。これに対して、第1リンク片137は、ソレノイド134の通電時に弾性部材139の付勢力に抗して後側に強制変位され、これに伴い第2リンク片138の上部が後側に範囲されて、前側へ変位する第2リンク片138の下部によって第1可動体128が前下側に向けて押される(図21(b),図23(b),図24(b)参照)。第1位置から第2位置へ変位する第1可動体128は、可動体本体129の後端下部が後壁123に当接することで、第2位置で位置規制される(図24(b)参照)。ここで、可動体本体129の後端下部には、縁部を面取りすることでテーパ面129bが形成され、このテーパ面129bが、第1可動体128の第2位置で後壁123に当接するようになっている。このように、可動体本体129の後端にテーパ面129bを設けることで、後端を面取りした分だけ第1可動体128の回動範囲を広くすることができる。
図21または図24に示すように、前記第1可動体128の第1位置において、ケース121における後壁123の当接部140を位置規制する部位には、緩衝部材141が配設されている。すなわち、当接部140は、第1可動体128の第1位置において、緩衝部材141に当接するよう構成され、緩衝部材141を介して後壁123により第1可動体128における後側への変位が規制される。ここで、緩衝部材141は、スポンジやゴム等の弾力性や柔軟性を有する部材が採用され、弾性部材139の弾性力により第2位置から第1位置に変位された第1可動体128の当接部140が後壁123に位置規制される際の衝撃を緩衝部材141によって吸収している。なお、緩衝部材は、当接部140、第1可動体128のテーパ面129bまたは後壁123におけるテーパ面129bを位置規制する部位に設けてもよい。
前記透明板41と図柄表示装置30との隙間に配置される第1可動体128に設けた第1発光手段131と、当該隙間の外側に設置される第1LED基板101とは、第1配線142で接続されている。第1配線142は、下端が第2可動体128の後面に露出する第1発光手段131の第1コネクタ受部131cに後側から接続されて、透明板41およびケース121で囲まれる配線空間(空間)121bを上下に延在し(図24参照)、側方へ湾曲して側壁122の配線口126からケース121の外に引き出されてた後(図21参照)、ケース121と第1基板カバー100aとの間の隙間から遊技盤40の背面における設置領域Rの上外方に取り出される。そして、遊技盤40の背面に取り出された第1配線142の上端は、第1LED基板101の第1ソケット101aに接続される。このように、第1配線142の下端部は、湾曲させて第1コネクタ受部131cに後側から接続され、第1可動体128の回動に伴って前記配線空間121bに上下に延在する部分が前後に移動可能なように余裕をもって設けることで、第1配線142によって第1可動体128の動作を妨げないようになっている。
図23または図24に示すように、前記ケース121には、第1可動体128の往復動に伴う第1配線142の移動方向に面する部位に配線開口部(開口部)125が設けられる。実施例では、前述の如く第1可動体128の上下動への回動に伴って前後に移動する第1配線142に対応して、配線開口部125がケース121の後壁123に設けられている。配線開口部125は、前記配線空間121bにおいて上下に延在する第1配線142に整合する位置に、第1配線142の挿通を許容する幅で後壁123を前後に貫通して形成されている。
前記第1可動演出装置120では、図柄表示装置30による図柄変動ゲームや演出表示等に合わせて、あるいは単独で、第1発光手段131のLED131bを点滅したり、第1可動体128を上下に回動させることで、適宜の演出が行なわれる。また、LED131bの点滅および第1可動体128の動作は、互いに組合わせて行なったり、夫々単独で行なうことで、多彩な演出がなされる。
このように、前記第1可動演出装置120は、第1可動体128の動作に際して当接部140を位置規制する後壁123に緩衝部材141を設けることで、第1可動体128の動作時に発生する衝撃が抑制されて、当該衝撃を原因とする第1配線142の断線を防止し得る。また、ケース121における第1配線142の移動方向に面する後壁123に配線開口部125が設けられているので、該配線開口部125により前後の配線移動スペースが確保される。ここで、第1配線142は、第1可動体128を透明板41と図柄表示装置30との間の狭いスペースに配置している都合上、配線空間121bを広くとることができず、第1可動体128の円滑な動作を許容するために配線空間121bで湾曲部分を設けることで、配線長に余裕を持たせている。すなわち、ケース121に配線開口部125を設けることで、少なくとも後壁123の板厚分のスペースを確保することができ、配線空間121bに延在する第1配線142の湾曲部分の曲がりを大きくすることができる。従って、配線空間121bに延在する第1配線142の湾曲部分の曲がりが大きくなることで、第1可動体128の動作による第1配線142にかかるストレスを軽減でき、第1配線142の断線を防止し得る。そして、第1可動体128の動作につれて第1配線142が後方に移動した際に、前記配線空間121bに延在する第1可動体128が配線開口部125に収容されて、後壁123と第1配線142との接触を避けて、第1配線142の断線を防止し得る。
前記第1可動演出装置120は、弾性部材139の付勢力によってリンク機構136を引き上げて第1可動体128を第1位置に変位する構成とした場合に、重力に抗して第1可動体128を迅速に引き上げる必要があり、また第1位置で第1可動体128の姿勢を保持するために弾性部材139で常に付勢する必要がある。このため、弾性部材139の付勢力が大きなり、第1可動体128が第2位置から第1位置に変位する際に、後壁123で当接部140を位置規制したときに生じる衝撃が大きくなるが、後壁123における当接部140が当接する部位に緩衝部材141が設けてあるので、緩衝部材141により衝撃を抑えることができる。
(第2可動演出装置)
次に、実施例の第2可動演出装置150について、図27〜図35を主に参照して説明する。図6に示すように、実施例の遊技盤40には、2基の第2可動演出装置150,150が始動入賞口43aの左右両側に位置するよう配置されている。各第2可動演出装置150は、裏ユニット51における下枠部54の前面に透明板41の後側に位置して設置されて可視表示部52の下部を構成するベース部材144に設けられ、遊技領域40aに臨む始動入賞口43aの近傍に配置される第2可動体(可動体)152を備えている。ベース部材144は、透明板41を介して前側から視認可能であって、左右横長のベース本体146と、このベース本体146の中央部に開設した装飾体開口146aに嵌め込まれる装飾体148とから構成される(図27または図34参照)。装飾体148には、前側に設けた始動入賞口43aを遊技領域40aに臨ませると共に、透明板41に設けられた下枠部開口54aに挿通して後部を裏ユニット51の後側に位置させて該透明板41に取り付けられる始動入賞装置43が挿通されるベース開口148aが設けられている。そして、各第2可動演出装置150は、ベース部材144におけるベース本体146の前面に設けられた第2可動体152が、始動入賞口43aの上方に配置されたステージ部材64の下方で、透明板41に配設された遊技釘47により始動入賞口43aにパチンコ球を誘導するよう形成された流下経路40bの後側に重なる位置に配置される(図6参照)。なお、裏ユニット51の下枠部54には、ベース部材144に設けられる左右の第2可動演出装置150,150の後側に対応して下枠部開口54aが設けられている(図13参照)。
前記裏ユニット51の下枠部54の後面には、2枚の第4LED基板(基板)105が、左右に離間配置した2基の第2可動演出装置150,150に夫々対応させて、前記下枠部開口54aの両側部に配設されている(図13参照)。開放端側の第2可動演出装置150では、開放端側の外側方に対応する第4LED基板105が配置され、枢支端側の第2可動演出装置150では、枢支端側の外側方に対応する第4LED基板105が配置される。そして、第2可動体152に設けられる第2発光手段(発光手段)160と第4LED基板105とが第2配線(配線)180(図28または図35参照)で接続されると共に、第4LED基板105と中継基板106とが配線で接続される。なお、左右の第2可動演出装置150,150は、構成部材の配置が左右対称な関係であるだけで、構成部材が同一であるので、左側に位置する第2可動演出装置150についてのみ、以下に説明する。
図32,図33または図34に示すように、前記第2可動演出装置150は、ベース部材144におけるベース本体146の前側に回動可能に設けられた第2可動体152と、設置領域Sの外下方に位置して、ベース部材144の後側に位置して下枠部54の裏側に取り付けられた設けられたカバー部材162と、このカバー部材162の後面に設けられ、設置領域Sの外下方に位置する駆動手段としてのモータ166と、このモータ166および第2可動体152の回転軸158を連結する伝達機構168とから基本的に構成される。すなわち、第2可動演出装置150は、モータ166を駆動すると伝達機構168を介して、第2可動体152が前後に延在する回転軸158を中心として回動するよう構成される。なおモータ166は中継基板106に配線接続される。
図27に示すように、前記第2可動体152は、パチンコ機10のモチーフに合わせて形成された役物であり、図35に示すように、透明板41と図柄表示装置30の前側に位置するベース部材144との間に配置されている。図32または図33に示すように、第2可動体152は、円形の本体部153と、この本体部153に設けられ、該本体部153から半径方向(透明板41の板面に沿う方向)へ延出する透明な延出部156と、本体部153の内部に設けられ、延出部156における該本体部153からの延出方向へ光を照射するよう設けられた第2発光手段(発光手段)160と(図34参照)、延出部156に設けられ、第2発光手段160から照射された光を前側へ反射する反射部157と、本体部153の前壁に設けられ、第2発光手段160の光を視認可能な本体開口部(開口部)159とから構成される。実施例の第2可動体152は、延出部156が本体部153から半径方向上側に向けて延出するよう構成され、第2可動体152の回動によって延出部156が本体部153における上側半周の領域を往復移動するようになっている(図27参照)。すなわち、第2可動体152の延出部156は、上側に位置するステージ部65および図柄表示領域Rを指向するよう構成され(図6参照)、図柄表示領域Rに表示される図柄変動ゲームと第2可動演出装置150による演出とを関連付けしてもよい。
前記本体部153は、光を反射する処理(実施例では露出面が銀色の反射色で塗装)が施されて該本体部153の露出面をなし、後方に開放した器状の外部材154と、この外部材154の内側に嵌め合わされて該外部材154との間に延出部156を保持する透明な内部材155とから構成される(図30または図34参照)。すなわち、延出部156は、外部材154と内部材155とにより適切に保持される。なお実施例では、延出部156がアクリル樹脂から成形され、内部材155がポリカーボネートから成形される。すなわち、延出部156は、第2発光手段160からの光の照射を受けて発光する部分であるので、高い光透過性を備えるアクリル樹脂が採用され、内部材155は、延出部156や第2発光手段160を保持するために複雑な形状となるので、成形性がよいポリカーボネートが採用される。
図34に示すように、前記外部材154は、前記本体開口部159が設けられた前壁154aおよびこの前壁154aの周縁から後方へ突出する周壁154bとを備えた中空部材であって、延出部156が挿通される取付開口154cが周壁154bに設けられると共に、延出部156の取付端部に側方へ夫々突出形成された取付部156a,156aを保持する保持部が取付開口154cの内側に設けられる。図28に示すように、保持部は、延出部156の両取付部156a,156aの前面に突出形成された突出ピン156bが挿入される保持孔(図示せず)と、外部材154における取付開口154c中央に後方へ突出形成され、延出部156の取付端部前面に設けられた挿入保持孔156cに挿入される保持ピン154dとから構成される。また外部材154の内側中央部には、回転軸158が挿入固定される軸固定部154eが設けられている。
図29に示すように、前記本体開口部159は、延出部156の延出方向と交差する側方に並べて複数(実施例では4箇所)設けられ、各本体開口部159は、外部材154の前壁を前後に貫通すると共に、延出部156の延出方向に長辺が沿う矩形状に形成される。また本体開口部159は、外部材154における取付開口154c側に中心から偏倚した部位に設けられる。
図34に示すように、前記内部材155は、略円形を基本形状とする部材であって、外部材154の内側に後方から嵌め合わされる。内部材155は、取付開口154cに臨ませて設けられた発光手段開口155aを延出部156の取付端部に対向させて外部材154の周壁154b内面との間に両取付部156a,156aを保持すると共に、第2発光手段160を発光手段開口155aに臨ませて支持する内側保持部を備えている(図28参照)。内側保持部は、発光手段開口155aの左右の側縁に外部材154の周壁154b内面との間で両取付部156a,156aの側面を挟む側面保持部分155bと、発光手段開口155aの後縁から延出部156の延出方向へ突出形成され、外部材154の前壁154a内面との間で延出部156の両取付部156a,156aの後面を挟む後面保持部分155cと、この後面保持部分155cと発光手段開口155aの後縁との間に第2発光手段160の第2基板160aを挟む基板保持部分155dとから構成される(図34参照)。すなわち、第2発光手段160は、内側保持部の基板保持部分155dに対して後方から挿脱可能であり、基板保持部分155dによって本体部153の半径方向への移動が規制され、回転軸158の後端に設けられる伝達機構168の第1ギヤ(ギヤ)169によって基板保持部分155dに保持した第2発光手段160の後方への移動が規制される(図28,図30,図31参照)。なお、内部材155の中央部には、回転軸158が挿通する回転軸開口155eが開設されている(図34参照)。
図34に示すように、前記延出部156は、略矩形状に形成された透明な部材であって、本体部153への取付端部の側方に夫々延出して左右の取付部156a,156aが設けられ、取付端部の中央部に本体部153からの延出方向に窪ませて設置凹部156dが設けられている。また延出部156には、本体部153から延出して外方に臨む部分後面に反射部157が設けられている(図30または図33参照)。更に延出部156は、本体部153から延出して外方に臨む部分前面に、延出方向に沿って延在すると共に該延出方向と交差する側方に並べて複数設けられた溝状のレンズカット部156eを備えている(図29または図32参照)。なお、延出部156の延出端部は、左右の角部が面取りされてテーパ面が形成されている。実施例の反射部157は、延出部156の後面を白色に塗装することで設けられ、本体部153の内側から延出部156の延出方向に照射される光の一部を前側に向けて反射するよう構成される。そして、反射部157で前側に向けて反射された光は、レンズカット部156eで拡散されて、遊技者から延出部156全体が光っているように視認される。
前記延出部156は、本体部153に取り付けた際に、内側保持部の基板保持部分155dに保持されて発光手段開口155aを介して半径方向外側に指向する第2発光手段160の第2LED160bが設置凹部156dに位置するよう構成される(図28参照)。また延出部156は、取付端部の両取付部156a,156aが、該延出部156の延出方向と交差する側方に並べて設けられた複数の本体開口部159のなかで外側方に位置する本体開口部159の後側に夫々整合するようになっている。ここで、内側保持部の基板保持部分155dに保持された第2発光手段160の第2LED160bは、複数の本体開口部159のなかで内側に位置する2つの本体開口部159,159の間に配置され、外部材154の前壁154aで正面が覆われている。すなわち、第2LED160bを点灯することで、延出部156が光るだけでなく、複数の本体開口部159を介して光が漏れる。ここで、複数の本体開口部159のうち外側方に位置するものは、透明な延出部156の取付部156aで覆われる一方、複数の本体開口部159のうち内側に位置するものは開放されている。すなわち、延出部156の取付部156aに覆われた外側方の本体開口部159と覆われていない内側の本体開口部159とでは発光態様を異ならせることできる。なお、第2LED160bは、前壁154aの真後ろに位置しているので、本体開口部159を介して第2LED160bが直接視認されることはなく、第2可動体152の意匠性を損なわない。
前記第2発光手段160は、第2基板160aの一面に設けられた第2LED160bと、第2基板160aの一面に設けられ、第2LED160bより後方に位置して後側に開口する第2コネクタ受部(コネクタ受部)160cとを備えている(図34参照)。第2コネクタ受部160cには、第2配線180の一端が接続され、第2可動体152の左右への回動につれて第2配線180の一端側が左右に移動する。第2発光手段160は、内側保持部の基板保持部分155cに保持された際に、発光手段開口155aを介して第2LED160bが延出部156における設置凹部156dの中央に臨むよう構成され、第2LED160bから延出部156の延出方向に指向させて光を照射し得るようになっている。ここで、第2可動体152の本体部153の後面において、第2コネクタ受部160cは、回転軸158から半径方向外側(実施例では上側)に偏倚した位置に設けられている(図30参照)。
前記ベース部材144のベース本体146には、第2コネクタ受部160cの回動領域に対応する部位に、前後に貫通するコネクタ開口(開口部)147が設けられている(図34参照)。更にベース本体146には、回転軸158が挿通される回転軸孔146bが設けられ、コネクタ開口147を介して第2コネクタ受部160cがベース部材144の後側に臨むと共に、回転軸孔146bを介して回転軸158の後端がベース部材144の後側に突出するようになっている。そして、ベース部材144の後側の第1空間172に露出する回転軸158(第1ギア169の中央に後側に突出する部分)の後端縁部(縁部)158aは、角部が面取りされてテーパ形状または円弧形状に形成される(図31または図33参照)。ここで、第2可動体152の回転軸158とは、本体部153の軸固定部に前端が固定される棒状の軸部分が挿通固定される第1ギヤ169の中央に後側に突出する部分も含む。
前記伝達機構168は、ベース部材144の後側から下枠部開口54aを介して裏ユニット51の裏側に突出する回転軸158の後端に固定された第1ギヤ169と、モータ166の出力軸の前端に固定され、第1ギヤ169の歯部と噛合する歯部が全周に設けられた第2ギヤ170とから構成される(図31または図32参照)。第1ギヤ169には、第2発光手段160の第2コネクタ受部160cに対応する半径方向上側に偏倚した部位にコネクタ切欠169aが形成され、このコネクタ切欠169aに第2コネクタ受部160cが整合して位置するようになっている(図33参照)。第1ギヤ169は、コネクタ切欠169aの周縁でベース部材144のコネクタ開口147を介して後側に臨む第2発光手段160の第2基板160aを後から保持するよう構成される。このように、伝達機構168の第1ギヤ169を用いて本体部153に取り付けた第2発光手段160の第2基板160aを位置規制することで、第2発光手段160の支持構造を簡略化できる。また第1ギヤ169には、下側半周に歯部が設けられ、第2ギヤ170は、第1ギヤ169の下側に配置されている。第2可動体152を伝達機構168を介してモータ166で回動する構成とすることで、モータ166を設置領域Sの外側に設けることができる。
前記第1ギヤ169には、後面における下側半周に円弧状に延在すると共に、該後面から後方へ突出する検知片171が設けられている(図33参照)。検知片171は、カバー部材162の前面に設けられる原位置検知手段174の上下のセンサ175間を通過するように構成され(図32参照)、該検知片171の検知の有無により第2可動体152の位置が原位置検知手段174で検知され、これに基づきモータ166が駆動制御される。
図28または図30に示すように、前記カバー部材162は、第1ギヤ169の下側半分、第2ギヤ170および原位置検知手段174を覆って、下枠部54の後面に取り付けられ、後面における下部中央にモータ166が出力軸を前側に向けて設置さている。カバー部材162は、上面が図柄表示装置30(具体的には図柄表示装置30の下面を支持する支持片36)の下側に重なるようになっている(図35参照)。カバー部材162は、図柄表示装置30との対向面となる上面中央に形成された配線凹部(凹部)163と、ベース部材144の後側に突出する回転軸158の下側半周(第2コネクタ受部160cの設置位置と反対側の半周)を覆う軸保持部(保持部)164とが設けられている(図32または図33参照)。配線凹部163は、角部がない円弧状に窪ませて形成される。軸保持部164は、カバー部材162の上部前側に位置して配線凹部163の前側に設けられ、回転軸158の下側半周側方を覆うように延在して、回転軸158の下および左右の移動を規制する周壁片と、この周壁片の後部に設けられて回転軸158の後方への移動を規制する後壁片とから構成される。更にカバー部材162の後面中央には、配線凹部163の下側に位置して、第2配線180を上下に延在するよう位置規制する整線部材165が設けられている(図30または図33参照)。
前記カバー部材162の後面には、原位置検知手段174の接続口(別のコネクタ受部)176が挿通するカバー開口162aが、整線部材165の脇に設けられ、このカバー開口162aを介してカバー部材162から露出する接続口176と中継基板106とが配線接続されている(図30参照)。なお、カバー開口162aから露出する接続口176は、第2可動演出装置150の第2発光手段160の第2配線180が接続する対応の第4LED基板105と整線部材165を挟んで反対側(内側方)に配置され、例えば左側の第2可動演出装置150であれば、カバー部材162の左側に対応する第4LED基板105が配設されるので、カバー部材162の右側に偏倚する位置に接続口176が露出している。
図31または図33に示すように、前記整線部材165は、カバー部材162の後面に後方へ突出するように設けられている。整線部材165は、第1板部(壁部)165aと、この第1板部165aに対して第2可動体152の回動に伴う第2配線180の移動方向(左右方向)に離間して該配線180の移動を許容する間隔で対向配置した第2板部(壁部)165bと、第1板部165aの後端と第2板部165bを接続する連結板部165cとを本体とするフック状に形成される(図33参照)。また整線部材165は、第2板部165bの前端とカバー部材162の後面との間に挿通口165dが設けられ、該挿通口165dから第2配線180が第1板部165aと第2板部165bとの間に挿入される。なお、整線部材165は、第2板部165bの後側を連結板部165cより後方に延出形成することで、第2配線180の挿脱に際して第2板部165bを変形させて、挿通口165dを拡開するつまみ板部165eが設けられている。整線部材165は、対応する第4LED基板105から離間する側(内側方)に第1板部165aが配置され、対応するLED基板105側(外側方)に第2板部165bおよび挿通口165dが配置されている。このように、整線部材165の内側方には原位置検知手段174用の接続口176が設けられているが(図30参照)、この接続口176と反対側となる外側方に挿通口165dを設けてあるので、整線部材175への第2配線180の挿脱作業を行ない易い。
図35に示すように、前記第2可動演出装置150は、上部が図柄表示装置30の前側に重なるよう配置され、下枠部開口54aを介して裏ユニット51の裏側に臨む第2可動体152の上部および第1ギヤ169の上部が、図柄表示装置30(図柄表示装置30の下部を保持する支持片36の前側片)の前側に位置している。すなわち、第2可動体152における本体部153の上部に配置されている第2発光手段160の第2コネクタ受部160cが、図柄表示装置30の前側に位置している。第2可動体152の上部および第1ギヤ169の上部と図柄表示装置30との間には、隙間が形成され、この隙間が第2コネクタ受部160cと第4LED基板105とを接続する第2配線180が挿通される第1空間172となる。また、図柄表示装置30の下側には、カバー部材162の上面が重なるように取り付けられているが、カバー部材162の上面に凹設された配線凹部163により第1空間172と連通する第2空間173が形成される。ここで、支持片36が設置される前記設置部材59の上壁59aには、第2空間173に対応する部位に上下に貫通する通過口59bが設けられ(図14参照)、第2空間173に挿通される第2配線180と設置部材59との干渉が回避される。
前記第2発光手段160の第2コネクタ受部160cに後側から接続された第2配線180は、第1空間172を上下に延在した後に前後方向に湾曲されて、前後に延在する第2空間173を挿通して裏ユニット51の裏側(カバー部材162の裏側)に引き出される(図35参照)。すなわち、第2配線180は、狭い第1空間172において、後方に臨む第2コネクタ受部160cから上下方向に移行する部位と、前後に延在する第2空間173に挿通するために上下方向から前後方向に移行する部位との2箇所で湾曲している。そして、カバー部材162の裏側に引き出された第2配線180は、下側に湾曲して整線部材165における一対の板部165a,165bの間を通って上下に延在させた後、外側方へ湾曲されて、カバー部材162の外側方に配置された対応する第4LED基板105に接続される。
前記第2可動演出装置150は、モータ166を駆動することで、伝達機構168を介して第2可動体152が回転軸158を中心に左右に回動され、延出部156の指向方向が変化する。左右の第2可動演出装置150,150は、左右の第2可動体152,152を同期して同じ方向または異なる方向に回動しても、夫々を独立して回動させてもよい。そして、各第2可動体152に設けた第2発光手段160の第2LED160bを点滅したり、発光色を変化させる発光による演出が、第2可動体152の動作と独立してまたは合わせて行なわれる。なお、第2可動演出装置150による演出は、図柄表示装置30による演出表示と連動して行なってもよく、例えば図柄表示装置30による表示に合わせて、第2可動体152の延出部156が指向するように第2可動体152を回動したり、第2LED160bを発光させる構成が採用される。
前記第2可動体152は、第2発光手段160の第2LED160bを点灯することで、透明板41の板面に沿う延出部156の延出方向に光が照射される。この際、延出部156の裏面に設けられた反射部157で光の一部が前側に反射されることで、透明な延出部156全体が発光しているように見える。また、第2LED160bから照射される光は指向性が高いので、延出部156が指向している側が照らされる。同時に、複数の本体開口部159から第2LED160bの光が漏れて、また該本体開口部159から漏れた光により反射処理が施された本体部153が輝く。すなわち、第2可動体152は、本体部153に内蔵された第2発光手段160の第2LED160bから照射された光を反射部157で反射することで発光する延出部156と、本体部153における複数の本体開口部159から視認される光との異なる発光態様が得られる。このように、単一の第2LED160bによって異なる発光態様が得られるので、装置の大型化を招くことなく、より興趣をかき立てる発光演出を行ない得る。
前記第2可動演出装置150は、第2可動体152を透明板41の後側に配置したので、透明板41の前側に設けられた遊技領域40aを流下するパチンコ球の動きに第2可動体152が干渉することはなく、第2可動体152の動作により遊技領域40aを流下するパチンコ球の動きに影響を与えて、遊技者に不利益をもたらすことはない。すなわち、第2可動体152の配設位置がパチンコ球との関係で制限されることはなく、第2可動体152を遊技者が注視している始動入賞口43aの近傍に配置することができる。従って、第2可動体152による演出を遊技者により注目させることができ、第2可動体152による演出効果を向上し得る。そして、遊技領域40aにおける左右の流下経路40b,40bと重なる位置に第2可動体152を夫々配置することで、中央の始動入賞口43aに向けて側方から流下するパチンコ球の動きと左右に回動する第2可動体152の動作とを関連付けることができ、演出効果を一層向上し得る。
前記第2可動体152を回動することで、第2発光手段160の第2コネクタ受部160cも回動するので、該第2コネクタ受部160cに接続する第2配線180は、第2可動体152と共に左右に移動する。ここで、整線部材165は、第2配線180を固定しするものではなく、カバー部材162の裏側に引き出された第2配線180の延在方向を対向する板部165a,165bで規定するものであって、第2可動体152の移動に伴う第2配線180の上下左右の移動が許容される。すなわち、第2配線180は、狭い第1空間172および第2空間173に延在し、また第1空間172および第2空間173で延在方向が異なるので途中で湾曲するが、整線部材165が第2配線180の移動を許容する構成であるので、第2可動体152の回動に際して第2配線180にストレスがかかり難くなり、第2配線180の断線を防止し得る。そして、第2配線180にストレスがかかり難いので、図柄表示装置30を支持するために剛性を有する支持片36の下側に第2配線180を通しても、支持片36に対する摺接負荷を軽減でき、第2配線180の断線を防止し得る。
また、回転軸158の後端を保持して第2可動体152のぶれを抑制する軸保持部164を備えるカバー部材162は、該軸保持部164が回転軸158を保持するのに要する最小限の形状とされているので、前記第1空間172における第2配線180の挿通スペースを確保し得る。従って、第1空間172に挿通される湾曲径を大きくすることができ、第2配線180にかかるストレスが軽減されるので、第2配線180の断線を防止し得る。そして、軸保持部164から露出して第1空間172に臨んでいる回転軸158の後端縁部158aをテーパ形状または円弧形状とすることで、該回転軸158との摺接に起因する第2配線180の断線を防止できる。
(変更例)
前述した実施例の構成に限定されず、以下の構成も採用し得る。
(1)ステージ部材の後部材にワープルート部を一体形成する例を挙げたが、別体のワープルート部をステージ部に接続することで一体化してもよい。
(2)2基の第1可動演出装置を設ける例を挙げたが、1基でも3基以上の複数であってもよい。また、第1可動体の動作方向も限定されず、例えば左右に往復動作させてもよい。
(3)2基の第2可動演出装置を設ける例を挙げたが、1基でも3基以上の複数であってもよい。また、第2可動体の動作方向も限定されず、例えば上下に往復動作させてもよい。