JP5036559B2 - チャネルによって引き起こされる歪みを推定する方法及び装置 - Google Patents

チャネルによって引き起こされる歪みを推定する方法及び装置 Download PDF

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Description

関連出願への相互参照
本出願は、その内容全体を本明細書及び特許請求の範囲に援用する、「METHOD AND APPARATUS FOR ESTIMATING CHANNEL INDUCED DISTORTION」と題する2005年1月18日付出願の米国仮出願番号60/644,787(代理人整理番号PU0500011)の利益を主張するものである。
本発明は、一般にデータ通信に関し、特に、チャネルによって引き起こされる歪みを推定する方法及び装置に関する。
ネットワーク化されたビデオ・アプリケーション(例えば、ビデオ・ストリーミングやビデオ電話通信)のユーザによって受信されるビデオは、元のビデオと異なる。こうした差異すなわち歪みは、例えば、ビデオ符号器において施される量子化、並びに伝送中のビット誤り及びパケット喪失によって生じ、「チャネルによって引き起こされる歪み」(又は、手短に「チャネル歪み」)と表され、多くの要因(例えば、チャネル誤り、符号器において施される誤り耐性機能、復号器で用いられる誤り隠蔽手法や、下にある系列の動き及びテクスチャのコンテンツを含む)に依存する。チャネルによって引き起こされる歪みの正確な推定によって、ビデオ・サービス・プロバイダが、ソース符号器、チャネル符号器やその他の伝送誤り制御機構の動作パラメータを最適に選択して、特定のチャネル帯域幅に対する受信ビデオ品質を最大にすることが可能になる。
従来技術では、空間時間誤り伝播挙動を漏れフィルタとしてモデリングすることにより、チャネルによって引き起こされる平均歪みをパケット喪失レート及びイントラ・レートに関係付ける解析モデルが開発されている。しかし、物理的な意味をモデル・パラメータに結びつけることは、問題がない訳でない。
又、従来技術では、画素それぞれにおける元の値と復号化値との間の期待される差を再帰的に算出する、いわゆるROPE(画素毎の最適な再帰的推定)手法が知られている。
最小の歪みにつながるモードを符号器が選ぶことが可能であるように、ROPE手法を用いて、別々の符号化モード(インター対イントラ)を用いた新たなマクロブロックに期待される歪みを算出することが可能である。しかし、ROPE手法は、特定のチャネル損失レートの場合に、実際の符号化前の平均イントラ・レートを求めることに適用可能でない。更に、ROPE手法は、計算集約的でもある。又、ROPE手法は、時間予測に符号器が、整数の動きベクトルのみを用いる場合、及び、現行フレームの喪失ブロックについて、先行する再構成フレームにおいて一緒に配置されたブロックを複製する単純な誤り隠蔽手法を用いる場合にのみ、適用可能である。
更に従来技術では、現行フレームにおける、チャネルによって引き起こされる歪みを、先行フレームにおける、チャネルによって引き起こされる歪みと関係付ける、フレーム・レベルの再帰公式(以下、「従来のフレーム・レベルの再帰公式」)が開発されている。しかし、このモデルは、現行フレームの喪失ブロックについて、先行する再構成フレームにおいて一緒に配置されたブロックを複製する単純な誤り隠蔽手法にのみ適用可能である。
前述の従来技術は全て、時間的インター予測のみによる誤り伝播を考慮している。更に、大半の従来技術手法は、時間予測及び隠蔽に、非整数の動き補償を考慮に入れておらず、デブロッキング・フィルタリングの効果も考慮していない。
空間イントラ予測及びデブロッキング・フィルタリングは、最新のH.264ビデオ符号化標準の2つの新機能であり、先行標準に対して符号化効率をかなり向上させるものである。
したがって、従来技術の前述の制約を解決する、チャネルによって引き起こされる歪みを推定する方法及び装置を有することが、望ましく、非常に効果的である。
従来技術の前述並びにその他の欠点及び不利点は、チャネルによって引き起こされる歪みを推定する方法と装置に関する本発明によって解決される。
本発明の一局面によれば、インター符号化画像の歪みを推定する方法が提供される。この方法は、スケーリング係数で乗算される先行平均チャネル歪みとして、受信インター符号化マクロブロックの平均チャネル歪みを算出する工程を含む。
本発明の別の局面によれば、Pフレームの歪みを推定する方法が提供される。この方法は、イントラ符号化マクロブロックが、制約されないイントラ予測を用いて符号化される場合に、スケーリング係数で乗算される先行フレーム平均チャネル歪みとして、Pフレームにおける受信された、イントラ符号化マクロブロックの平均チャネル歪みを計算する工程を含む。
本発明の更に別の局面によれば、現在のビデオ画像の歪みを推定する方法が提供される。この方法は、平均隠蔽歪みと、先行ビデオ画像からの伝播歪みとの和として、喪失し、動き補償時間誤り隠蔽手法を用いて隠蔽された現在のビデオ画像のマクロブロックの平均チャネル歪みを算出する工程を含む。伝播歪みは先行ビデオ画像の平均チャネル歪みをスケーリング係数で乗算したものとして算出される。
本発明の更なる局面によれば、インター符号化画像の平均隠蔽歪みを求める方法が提供される。この方法は、インター符号化画像における他のフレーム及び他のマクロブロックにおける伝送損失がない場合に、インター符号化画像における特定のマクロブロックの隠蔽歪みを特定のマクロブロックのチャネル歪みとして定義する工程を含む。この方法は、
選択されたマクロブロックを、喪失したものとして設定し、復号器誤り隠蔽手法を用いて、選択されたマクロブロックを隠蔽することによって、インター符号化画像における選択されたマクロブロックの隠蔽歪みを推定する工程も含む。この方法は、インター符号化画像における他の選択されたマクロブロックの推定工程を繰り返す工程を更に含む。更に、この方法は、インター符号化画像における選択されたマクロブロックの推定隠蔽歪みに基づいて、インター符号化画像におけるマクロブロックの平均隠蔽歪みを算出する工程を含む。
本発明の更に別の局面によれば、ピクチャ群(GOP)の平均隠蔽歪みを求める方法が提供される。この方法は、選択されたマクロブロックを喪失したものとして設定し、復号器誤り隠蔽手法を用いて、選択されたマクロブロックを隠蔽することによって、GOP内の選択されたインター符号化画像における選択されたマクロブロックの隠蔽歪みを推定する工程を含む。この方法は、GOP内の選択されたインター符号化画像及び他の選択されたインター符号化画像における他の選択されたマクロブロックの推定工程を繰り返す工程も含む。この方法は、GOP内の選択されたインター符号化画像における選択されたマクロブロックの推定隠蔽歪みに基づくGOPの平均隠蔽歪みを算出する工程を更に含む。
本発明の更なる局面では、ピクチャ系列の平均隠蔽歪みを求める方法が提供される。この方法は、選択されたマクロブロックを喪失したものとして設定し、復号器誤り隠蔽手法を用いて、選択されたマクロブロックを隠蔽することによって、ピクチャ系列内の選択されたインター符号化画像における選択されたマクロブロックの隠蔽歪みを推定する工程を含む。この方法は、ピクチャ系列内の選択されたインター符号化画像及び他の選択されたインター符号化画像における他の選択されたマクロブロックの推定工程を繰り返す工程も含む。この方法は、ピクチャ系列内の選択されたインター符号化画像における選択されたマクロブロックの推定隠蔽歪みに基づいて、ピクチャ系列内のインター符号化画像の平均隠蔽歪みを算出する工程を更に含む。
本発明の前述並びにその他の局面、特徴及び利点は、添付図面と関連して読むこととする、例示的な実施例の以下の詳細な説明から明らかになる。
本発明は、例示的な図によってより深く理解することができる。
本発明は、チャネルによって引き起こされる歪みを推定する方法及び装置に関する。好都合には、本発明はインター予測及びイントラ予測の使用、並びにデブロッキング・フィルタリングの使用を考慮に入れるよう構成することができる。更に、本発明は、非整数の動きベクトルを用いた符号器動き補償及び動き補償時間隠蔽の影響を考慮するよう構成することができる。
本明細書は、本発明の原理を例証する。よって、本明細書及び特許請求の範囲において明確に記載されていないか又は示されていないが、本発明の原則を実施し、その趣旨及び範囲内に含まれる種々の構成を当業者が考え出すことができることが認識されよう。
本明細書及び特許請求の範囲記載の例及び条件付き言い回しは全て、教示の目的で、本発明の原則、及び当該技術分野を進展させるために本願発明者が貢献する概念の理解を支援することが意図されており、前述の特に記載された例及び条件に限定されないと解されるものとする。
更に、本発明の原則、局面及び実施例を記載した本明細書及び特許請求の範囲における全ての提示、及びその特定の例は、その構造的均等物及び機能的均等物を包含することが意図されている。更に、前述の均等物が、現在知られている均等物、及び将来開発される均等物(すなわち、構造にかかわらず同じ機能を行う、開発される何れかの構成要素)を含むことが意図されている。
よって、例えば、本発明の原則を実施する例証的な回路の概念図を本明細書記載のブロック図が表していることが当業者によって認識されるであろう。同様に、どのフローチャート、フロー図、状態遷移図、疑似コード等も、コンピュータ読み取り可能な媒体において実質的に表すことができ、よって、コンピュータ又はプロセッサによって実行することができる種々の処理を、前述のコンピュータ又はプロセッサが明示されているか否かにかかわらず、表すことが認識されるであろう。
図に示す種々の構成要素の機能は、専用ハードウェア、及び、適切なソフトウェアと関係してソフトウェアを実行することができるハードウェアによって提供することができる。プロセッサによって提供される場合、機能は単一の専用プロセッサによって、単一の共有プロセッサによって、又は、一部が共有され得る個々の複数のプロセッサによって提供することができる。更に、「プロセッサ」又は「コントローラ」の語を明示的に用いていることは、ソフトウェアを実行することができるハードウェアを排他的に表すものと解されないこととし、暗黙的には、限定なしで、デジタル信号プロセッサ(「DSP」)ハードウェア、ソフトウェアを記憶するリードオンリー・メモリ(「ROM」)、ランダム・アクセス・メモリ(「RAM」)、及び不揮発性記憶装置を含み得る。
通常及び/又はカスタムにかかわらず、他のハードウェアも含み得る。同様に、図に示すスイッチは何れも、単に概念的なものである。前述の機能は、プログラム・ロジックの動作によって、専用ロジックによって、プログラム制御及び専用ロジックの相互作用によって、又は手作業で行うことができ、特定の手法は、環境からより具体的に理解されるものとして実現者によって選択可能である。
本願の特許請求の範囲では、規定された機能を実行する手段として表されるいかなる構成要素も、例えば、a)その機能を実行する回路要素の組合せや、b)機能を実行するために、ソフトウェアを実行するのに適切な回路と組み合わせた、何れかの形態のソフトウェア(したがって、ファームウェア、マイクロコード等を含む)を含む機能を行ういかなるやり方も包含することが意図されている。前述の特許請求の範囲記載の本発明は、記載された種々の手段によって提供される機能が、特許請求の範囲によって請求されるかたちで組み合わせられ、まとめられるということにある。よって、前述の機能を提供可能ないかなる手段も本明細書記載の機能に均等であるものとする。
本発明の原則によって、パケット喪失によって生じる歪みを推定する装置及び方法を開示する。より具体的には、数学的解析を用いて、チャネルによって引き起こされる歪みを、何れかの固定誤り隠蔽手法の場合の、パケット喪失レート、符号器イントラ・レート(イントラ符号化されたブロック及びフレームの周波数)と関係付ける新たな数学的再帰公式が導き出されている。各公式は、1種類の符号器及び復号器の構成についてのものである。別々のビデオ符号器/復号器構成の再帰式に基づいて、チャネルによって引き起こされる歪みを推定する実用的な方法を本明細書に記載する。本発明の原則によれば、訓練系列に基づいて再帰式におけるパラメータを推定し、特定のビデオ系列の隠蔽歪み(喪失した符号化スライスの画素毎平均チャネル歪みである(他のスライスは全て受信されるものとする))を推定する方法も開発されている。推定された隠蔽歪み及びモデル・パラメータを、特定のビデオ系列のチャネル歪み推定に用いる。
本発明の実施例の1つの考えられるアプリケーションには、ビデオ・ストリーミング・サーバの設計及び動作がある。サーバは、クロスパケット・チャネル符号化を符号化ビット・ストリームに施すビデオ符号器及びチャネル符号器を含む。ビデオ符号器は、量子化パラメータ(QP)、イントラ・レートβ(Pフレーム内のマクロブロック(MB)がイントラ・モードで符号化される頻度)、周期的なIフレーム間の間隔、N、及びスライス構造を異ならせることが可能である。前述の最後のもの(すなわち、スライス構造)は、一ビデオ・フレームのデータが場合によっては2つ以上の符号化スライスに分けられるパターンを表す。例えば、一フレームのデータは全て、一スライスに入れることが可能であるか、又は、フレームの交互のMB(マクロブロック)又は交互の行を2つの別個のスライスに入れることが可能である。チャネル符号器は、チャネル符号化レートrを異ならせることが可能である。一ビデオ・ファイルのストリーミングに割り当てられる合計帯域幅(Rによって表す)が提供されると仮定する。ここで、平均チャネル・パケット喪失レートは
Figure 0005036559
によって表す。設計上の課題は、合計送信ビット・レートR/r<=Rであるという制約下で受信ビデオ歪みが最小にされるように、QP、β、N、スライス構造及びrによって最適動作パラメータを求めることである。この課題は、本発明の原理によって、チャネル歪み推定手段を、符号器歪み・レート推定手段、及びチャネル符号化/復号化シミュレータとともに用いて解決することが可能である。
図1に移れば、受信ビデオ歪みを最小にするための最適動作パラメータを求める装置は、参照番号100で全体を示す。装置100は、チャネル符号化/復号化シミュレータ110、チャネル歪み推定手段120、並びに、符号器レート及び歪み推定手段130を含む。チャネル符号化/復号化シミュレータ110の第1の出力(PフレームPの残余パケット喪失レート、及びIフレームPの残余パケット喪失レートである)は、チャネル歪み推定手段120の第1の入力と信号通信で接続される。チャネル歪み推定手段120の第1の出力(推定された平均チャネル歪みDである)、並びに、符号器レート及び歪み推定手段130の第1の出力(推定された符号器歪みDである)は、加算器140(又は、他の混合及び/若しくは合成装置)の第1の入力及び第2の入力と信号通信でそれぞれ接続される。チャネル符号化/復号化シミュレータ110は、チャネル符号レートrやその他のパラメータを受信する第1の入力、及び未処理のチャネル・パケット喪失レート
Figure 0005036559
を受信する第2の入力も含む。チャネル歪み推定手段120、並びに符号器レート及び歪み推定手段130各々はそれぞれ、符号器パラメータ(QP、β、N及びスライス構造)を受信する第2の入力を含み、更に各々はそれぞれ、元のビデオを受信する第3の入力を含む。加算器140は、以下本明細書記載の、Dを出力する第1の出力を更に含む。
考えられるチャネル符号レートr毎に、チャネル符号化/復号化シミュレータ110を用いて、残余パケット喪失レートP(r)を求めることが可能である。考えられるQP、β、N及びスライス構造の組毎に、符号器レート及び歪み推定手段130を用いて、符号器によって引き起こされる歪みD及び対応するソース・レートRを推定することが可能である。これによって、R/r<= Rを満たすr、QP、β及びスライス構造の実現可能な組全てがもたらされる。r、QP、β、N及びスライス構造、並びに対応する残余喪失レートPの実現可能な組毎に、新らたなチャネル歪み推定手段120を用いて、N個のフレームの群それぞれにわたる、チャネルによって引き起こされる平均歪みDを算出し、その結果、合計歪みD =D +Dを算出することが可能である。別々の実現可能パラメータ組と、得られたDを比較することによって、フレーム群(GoF)それぞれにわたる最小のDにつながる最適パラメータを求めることが可能である。
次に、本明細書及び特許請求の範囲において用いる表記及び仮定に関して説明する。
フレームn及び画素iにおける元の画素値を
Figure 0005036559
とし、符号器における再構成信号を
Figure 0005036559
とし、復号器における再構成信号を
Figure 0005036559
とする。その差
Figure 0005036559
は、チャネルによって引き起こされる誤りである。フレームnの、チャネルによって引き起こされる平均歪みは、
Figure 0005036559

Figure 0005036559
との間の平均二乗誤り(MSE)、すなわち
Figure 0005036559
として定義する。
ここで、演算子E{}は、フレームにおける画素位置全てにわたる平均値を表す。
別個のスライスにおける符号化データ間に依存性がないようにフレーム内のマクロブロック(MB)がスライスにグループ化され、各スライスがそれ自身のヘッダを有しており、別個のパケット内に収容されるものと仮定する。パケット内のいかなるビットの喪失も、対応するビデオ・スライスを復号化不能にするものと更に仮定する。適切なパケット・インターリービングによって、パケット(及び、よって、スライス)の喪失事象が、喪失レートPによる独立同分布(i.i.d.)のランダムな過程として特徴付けることが可能であるものとも仮定する。更に、各スライスが、同数のマクロブロックを含むので、マクロブロック喪失レートがスライス喪失レートに等しいものと仮定する。
本発明によって解決される1つの課題は、連続したPフレーム(それぞれの中で、マクロブロックはインター・モード又はイントラ・モードで符号化することができる)におけるチャネル歪みの推移である。イントラ・モードは、要するビットが少ないという理由で、又は、誤り耐性の目的で用いられる。フレームn内のイントラ・モードで符号化されるマクロブロックの割合は、βによって表す。
マクロブロックは、フレームnにおいて喪失した場合、平均歪みがDL,nで、動き補償時間隠蔽を用いて隠蔽されるものと仮定する。マクロブロックが受信された場合、その符号化モードによって、先行するフレーム又は画素における誤りによるチャネル歪みをなお有し得るものであり、対応する歪みはDIR,n及びDPR,nそれぞれによって表す。フレームnの平均チャネル歪みは、
c,n=(1−P)(βIR,n+(1−β)DPR,n)+PDL,n (2)
である。
本発明は、PフレームのDc,n−1とDc,nを関係付ける再帰公式に基づいてDc,nを推定する。
以下では、種々のオプションを用いるビデオ符号器及びビデオ復号器について導き出した再帰公式を説明し、次いで、導き出した再帰モデルに基づいて推定を行う方法、及びモデル・パラメータを推定する方法を説明する。
次に、本発明の原理を適用することができる第1の例証的なケースに関して説明する。第1のケースには、イントラ予測及びデブロッキング・フィルタリングなしで、インター予測及び時間隠蔽(非整数の動きベクトルを備える)を用いることが関係する。
この第1のケースでは、受信イントラ・モードMB(I‐MB)の場合、チャネル歪みはない(すなわち、DIR,n = 0である)。インター・モードMB(P‐MB)の場合、受信されても、その再構成は先行フレームにおける誤りによるチャネル歪みを有し得る。非整数の動きベクトルを用いた動き補償を行う場合に通常施される内挿処理を考慮に入れるために、画素
Figure 0005036559
が、
Figure 0005036559
によって表す、フレームn−1におけるいくつかの近傍画素の加重和によって予測されるものと仮定する。ここで、j(i)は、
Figure 0005036559
の予測に用いられた、フレームn−1におけるl番目の画素の空間係数を表す。この式は、H.263コーデックにおいて用いられる、重複(オーバラップ)ブロック動き補償(OBMC)にも適用可能である。内挿係数aは、
Figure 0005036559
を満たす。Lp,p及びaの値は、MBの動きベクトル(MV)、及び、小数画素精度での動き補償に用いる内挿フィルタに依存する。例えば、双線形フィルタでは、水平方向及び垂直方向でMVが半画素精度の場合、Lp,p=4、a=1/4である。一方、MVが一方向で半画素精度であるが、別の方向で整数画素精度の場合、Lp,p=2、a=1/2である。更に、MVが両方の方向で整数の場合、Lp,p=1、a=1である。
受信器では、予測は、
Figure 0005036559
に基づく。
予測誤りが正しく受信されるので、チャネルによって引き起こされる歪みは予測値の差に依存する。上記関係を用いて、受信P‐MB全ての平均チャネル歪みを数学的に導き出すことが可能である。
Figure 0005036559
Figure 0005036559
ここで、aは動き補償時間予測に用いる内挿フィルタ係数(用いる実際の動きベクトルに依存する)であり、ρは、2つの隣接画素における、チャネルによって引き起こされる誤り間の平均相関係数であり、E{.}は、特定のビデオ・カテゴリにおける代表的ビデオ系列の画素全て及びPフレーム全ての{.}内の値を、対象喪失パターンの範囲で平均化する平均化演算を表す。
上記の結果への到達において、2つの近傍画素全てにおける誤り間の相関係数(ρによって表す)が同じであるものと仮定する。ρは、平均相関係数とみなし得る。パラメータaは、Pフレーム全てにおけるP‐MB全てにわたって用いられる多項式
Figure 0005036559
の平均値である。
MBが喪失した場合、その符号化モードに係わらず、MBは、推定されたMVを備えた時間隠蔽を用いて隠蔽される。通常、推定されたMVは、非整数ベクトルであってもよく、隠蔽された値は
Figure 0005036559
によって表すことが可能である。
ここで、Lc,p及びk(i)は一般に、Lp,p及びj(i)と異なる。係数h
Figure 0005036559
を満たす。平均チャネル歪みは、
Figure 0005036559
であり、ここで、
Figure 0005036559
Figure 0005036559
である。
ECP,nの項は、先行フレームからの誤り伝播がない場合の、特定の時間隠蔽アルゴリズムと関連した平均歪みを表す。上記結果を導き出すことにおいて、フレームnにおける隠蔽誤りが、フレームn−1における、チャネルによって引き起こされる誤りと無相関であるものと仮定する。前述の通り、フレームn−1内の近傍画素における、チャネルによって引き起こされる誤りが、対単位の同じ相関係数ρを有するものとも仮定する。
式(5)、(8)、及びDIR,n=0を式(2)に代入すると、
Figure 0005036559
になる。
一般に、ρ<1であるので、a<1であり、h<1である。したがって、小数画素精度の動き補償予測及び隠蔽は、時間誤り伝播を減らす効果を有する。
従来のフレーム・レベルの再帰公式に関する歪みモデルは本明細書中の式(11)と同じ形式を有するが、h=1である。隠蔽にフレーム複製が仮定されるからである。hが変わることを可能にすることが重要であり、新しいことは、以下、本明細書で説明する。更に、従来のフレーム・レベルの再帰公式に関しては、本発明に関して定義したものとは異なる物理的な意味を有するaの代わりに定数bを用いる。従来のフレーム・レベルの再帰公式に関して、動き補償時間予測は先行フレームの単一画素を用いるものとするので、係数Lp,p =1であり、及びj(i)は非整数画素を示し得る。
Figure 0005036559
であるものと仮定する。ここで、bを用いて、いわゆる動きランダム性を補正する。本発明の原則によれば、上記項は、厳密で、新しく、意味のある特徴を有しており、aは、従来技術(特に、従来のフレーム・レベルの再帰公式に関する従来技術)において考えられていないか、又は示唆されていない、非整数の動きベクトルを用いた動き補償に用いる内挿係数に明確に関係する。更に、従来のフレーム・レベルの再帰公式に関して提案されるモデルは、隠蔽歪みがフレーム差の二乗に比例する、すなわち、
Figure 0005036559
であることも前提とする。この前提は、先行フレームから複製する誤り隠蔽手法にのみ有効である。DECP,nは、選択されたサンプルMBに対して、復号器と同じ誤り隠蔽手法を実行することによって、符号器で測定することが可能である。
次に、本発明の原理が適用することができる第2の例証的なケースに関して説明する。第2のケースはイントラ予測を用いることを伴う。
イントラ予測の場合、受信P‐MB、及び時間隠蔽を用いて隠蔽されたMBに関連した歪みは、上記第1のケースと同様になる。しかし、受信I‐MBの場合、歪みはもはやゼロでない。インター・モードで符号化された近傍画素からI‐MBを(直接的又は間接的に)予測することができるからである。この第2のケースを解析するために、画素
Figure 0005036559
が、フレームnにおけるいくつかの先行符号化近傍画素の加重和(
Figure 0005036559
によって表す)によって予測される。
ここで、m(i)は、
Figure 0005036559
の予測に用いた、フレームnのI番目の先行符号化画素の空間係数を表す。例えば、H.264標準では、イントラ予測の多くの別々のモードが存在しており、それぞれは、Lp,i、m(i)及びcの別の値組につながる。それぞれのケースでは、係数c
Figure 0005036559
を満たす。H.264標準における制約されたイントラ予測オプションの場合、イントラ・モードで先行して符号化される画素のみに、イントラ予測が許容される。
I‐MBが受信された場合、復号器におけるイントラ予測値は、
Figure 0005036559
である。ここで、一般に、
Figure 0005036559
である。イントラ予測に用いる近傍画素全ても受信される。(インター・モード又はイントラ・モードの)受信MBの平均歪みをDR,nによって表すと、
Figure 0005036559
又は
Figure 0005036559
があてはまる。ここで、
Figure 0005036559
Figure 0005036559
Figure 0005036559
である。式(15)、(5)及び(8)を式(2)に代入すれば、この第2のケースの再帰モデルが、
Figure 0005036559
として得られる。
式(11)と比較すれば、イントラ予測の場合、受信I‐MBがもはや誤り伝播を停止させないことが分かる。I‐MBに関連した誤り伝播係数はcである、cは、cとcとの相対的な大きさによって、aより大きいことも小さいこともあり得る。その結果、イントラ予測によって、誤り伝播を停止させるためにイントラ・モードの効果が低減する。
前述の解析は、拘束されないイントラ予測を仮定している。H.264の制約されたイントラ予測の場合、同じスライスにおけるイントラ符号化近傍画素のみをイントラ予測に用いることができる。したがって、c = 0であり、その結果、c = 0である。全体の歪みは、式(11)によって表す第1のケースと同様になる。
次に、本発明の原理を適用することができる第3の例証的なケースに関して説明する。第3のケースは、デブロッキング・フィルタリング及びイントラ予測を用いることを伴う。
数学的に、デブロッキング処理は、
Figure 0005036559
として画素
Figure 0005036559
の符号化値を修正するように表すことが可能である。
ここで、
Figure 0005036559
は、フィルタリング前の画素
Figure 0005036559
の再構成値であり、
Figure 0005036559
は、フィルタリング後の再構成値である。係数q(i)は、画素iのフィルタリングに用いるi番目の近傍画素を表す。フィルタリング長L及びフィルタリング係数wは通常、場所及び内容に依存し、係数は
Figure 0005036559
を満たす。
復号器では、MBが受信された場合、MBが復号化された後、同じフィルタリングが再構成値
Figure 0005036559
に施される。ここで、フィルタリングされた値は、
Figure 0005036559
である。
受信P‐MBの場合、歪みは、デブロッキング・フィルタリング後の予測値間の差、すなわち、
Figure 0005036559
による。ここで、
Figure 0005036559
である。
受信I‐MBの場合、同様な論理によれば、
Figure 0005036559
であり、ここで、
Figure 0005036559
である。
喪失したMBの場合、隠蔽後にデブロッキングが施されない場合、その歪みは式(8)と同様になるので、平均歪みは、
Figure 0005036559
であり、ここで、
Figure 0005036559
である。
隠蔽後にデブロッキングが施された場合、DL,n=DECP,n+whDc,n−1になるので
Figure 0005036559
であり、ここで、
h’=wh (29)
である。
再帰式(26)及び(28)は、第2のケースの形式、すなわち式(19)と同じ形式を有する。したがって、式(19)を用いて前述のケース全てを表すことが可能である(定数a、c及びhは、わずかに異なる物理的な意味を有する)。
次に、本発明の原理による単純化されたモデルに関して説明する。
式(11)及び(19)の再帰モデルは、フレーム毎にβ及びDECP,nを測定することが可能であるものと仮定する。単純化されたバージョンでは、フレームにわたる平均隠蔽歪みDECP、及び平均イントラ・レートβのみが必要であり、式(11)及び(19)は、
第1のケース:
Figure 0005036559
第2及び第3のケース:
Figure 0005036559
それぞれになる。
次に、本明細書記載の再帰式に基づいた歪み算出に関して説明する。
図2に移れば、チャネルによって引き起こされる歪みを算出する装置は、参照番号200で全体を示す。
装置200は、イントラ・レート推定手段210、隠蔽歪み推定手段220及びチャネル歪み算出器230を含む。隠蔽歪み推定手段220の第1及び第2の出力は、チャネル歪み算出器230の第1及び第2の入力と信号通信でそれぞれ接続される。イントラ・レート推定手段210の第1の出力は、チャネル歪み算出器230の第3の入力と信号通信で接続される。イントラ・レート推定手段210、隠蔽歪み推定手段220及びチャネル歪み算出器230は、それぞれ、符号器パラメータ(QP、β、N及びスライス構造)を受信する第1の入力、第3の入力及び第3の入力を含む。隠蔽歪み推定手段220は、元のビデオ系列を受信する第4の入力、及びパケット喪失パターンを受信する第5の入力も含む。チャネル歪み算出器230は、モデル・パラメータ(a、c、h)を受信する第4の入力及びパケット喪失レート(P、P)を受信する第5の入力も含む。チャネル歪み算出器230は、Dc,n及びDをそれぞれ出力する第1及び第2の出力も含む。
装置200は、本明細書記載の再帰式を用いて歪みDc nを算出するために用いることができる(モデル・パラメータは所与のものとする)。次に、上記第1のケースの方法について説明する。これは、動き補償時間予測及び隠蔽を用い、場合によっては、制約されたイントラ予測を用いるビデオ符号器を前提とする。しかし、それは、拘束されないイントラ予測及びループ内デブロッキング・フィルタリングを用いない。図2では、ビデオがフレーム群(GoF)に分けられており、各GoFが別個に符号化されており、第1のフレームがIフレームとして符号化され、N−1個の後続フレームがPフレームとして符号化され、ここで、Nは選ばれた数であるものとする。
特定のビデオ系列のGoF毎の、QP、目標イントラ・レートβ及びスライス構造による符号化パラメータが与えられれば、隠蔽歪み推定手段220は、誤り伝播がない場合の、期待される隠蔽歪みDECP,nを求める。これは、以下のように行われる。指定された符号化パラメータを用いてビデオ符号器を実行して、伝送誤りのない復号化系列を生成する。次いで、フレームnについて、可能性の高い指定された喪失パターン(バースト性分布対ランダム分布)によって、喪失対象の一スライスをランダムに設定し、このスライスにおけるMB全てに対して、選ばれた誤り隠蔽アルゴリズムを、その他のスライスは全て、正しく受信されるものとして施す。平均チャネル歪みは、このスライスにおけるMB全てについて求められ、このフレームにおけるランダムに選ばれた他のスライスについて繰り返される。極端な場合には、フレームにおけるスライス全てについてこの過程を繰り返すことが可能である。結果として生じる歪みの平均化によって、DECP,nが得られる。フレームにおけるMB全てが一スライスに含まれる最も一般的な場合には、隠蔽実験(ビデオ符号器の一部として行うことが可能である)はフレーム毎に一度しか実行することが可能でない。同様な手順を用いて、隠蔽歪み推定手段220は、Iフレーム内のMBの平均隠蔽歪み(DECIによって表す)も推定する。この場合、空間誤り隠蔽のみが、喪失スライスに用いられる。
イントラ・レート推定手段220は、単に、フレーム毎の実際のイントラ・レートβを記録し、特定の目標イントラ・レートβに対する平均イントラ・レートを計算する。
測定されたDECI、DECP,n及びβ、特定のモデル・パラメータa及びh、並びに、Iフレーム及びPフレームの特定の期待されたパケット喪失レート(P及びP)によって、チャネル歪み算出器230は、IフレームについてDc,0=PECIとみなすことによって、n=1から始めて、式(11)を再帰的に施すことによってフレームDc,n毎のチャネル歪みを求める。フレーム全ての歪みが求められると、チャネル歪み算出器230は、
Figure 0005036559
を用いて、このGoFにわたる平均チャネル歪みも求めることが可能である。
符号器が、デブロッキング・フィルタリングの有無にかかわらず、拘束されないイントラ予測を用いた場合、チャネル歪み算出器230は、モデル・パラメータa、c及びhを必要とし、再帰的にDc,nを算出するために式(19)を用いる。
図2は、周期的なIフレームがN個のフレーム毎に引き起こされる。ビデオ電話通信及び通信会議のアプリケーションでは、低遅延制約を満たすために、周期的なIフレームは用いられない。その場合、ビデオの第1のフレームのみがIフレームとして符号化され、残りのフレーム全てはPフレーム(各PフレームにはイントラMBが課される)として符号化される。この場合、第1のIフレームは伝送レベルにおける保護によって誤りなしで配信されるものと仮定し得る。その場合、このフレームの歪みはゼロ(すなわち、Dc,0 = 0)である。後続フレーム全ての歪みは、符号器及び復号器の構成によって本願の再帰モデル(11)又は(19)を用いて推定することが可能である。
単純化されたバージョンでは、隠蔽歪み推定手段220は、DECP,nでなく、むしろ、それぞれのGoFにわたる平均値DECP を推定する。これは、GoFにおける一部のスライスを喪失対象としてランダムに設定し、前述のスライスに対して誤り隠蔽を実行し、前述の隠蔽歪みを算出し、平均をとることによって行うことができる。あるいは、元の系列又は符号化系列から算出される特定の統計に基づいてGoF毎の平均DECPを推定することができる。同様に、イントラ・レート推定手段210は、GoF全てにわたってビデオ符号器を実行することによって、フレームβ毎の実際のイントラ・レートを求める訳でないことがあり得る。イントラ・レート推定手段210は、その代わりに、元の系列から算出された特定の統計に基づいて特定の目標イントラ・レートβに対する平均イントラ・レートβを求めることができる。DECP及びβが与えられれば、チャネル歪み算出器230は、単純化されたモデル(30)又は(31)及び(32)を用いてDc,n及びDを求める。
次に、モデル・パラメータの推定に関して説明する。
前述の種々のケースについて導き出されたモデルは、推定しなければならないパラメータを有する。まず、第1のケースについてパラメータa及びhを推定する方法を説明する。
図3に移れば、チャネル歪みモデル・パラメータ推定装置は、参照番号300によって全体を示す。装置300は、ビデオ符号器310、チャネル・シミュレータ330、ビデオ復号器350、ビデオ復号器320、チャネル歪みデータ収集手段340、隠蔽歪み推定手段360、及びモデル・パラメータ算出器370を含む。ビデオ符号器310及び隠蔽歪み推定手段360はそれぞれ、訓練ビデオ系列を受信する第1の入力を含む。ビデオ符号器310は、チャネル・シミュレータ330の第1の入力と信号通信する第1の出力、及びビデオ復号器320の第1の入力と信号通信する第2の出力も含む。チャネル・シミュレータ330は、ビデオ復号器350の第1の入力と信号通信する第1の出力も含む。ビデオ復号器350は、チャネル歪みデータ収集手段340の第1に入力と信号通信する第1の出力も含む。チャネル歪みデータ収集手段340は、ビデオ復号器320の第1の出力と信号通信する第2の入力、及びモデル・パラメータ算出器370の第1の入力と信号通信する第1の出力も含む。モデル・パラメータ算出器370は、ビデオ符号器310の第3の出力と信号通信する第2の入力、
隠蔽歪み推定手段360の第1の出力と信号通信する第3の入力、及び、装置300の出力として利用可能な第1の出力を含む。
まず、訓練ビデオ系列が収集される。ここで、動き予測性の点で特性が比較的類似した特定タイプのビデオ毎の種々の訓練組が選ばれる。別々の訓練組に対して、別々のパラメータが導き出される。特定の訓練組、特定の目標イントラ・レートβ’、特定のGoF長N、特定のQP及び特定のスライス構造から選ばれるビデオについて、ビデオ符号器310は、連続したGoFのビット・ストリームを生成する。Pフレーム毎に、ビデオ符号器310は、MBのうちのβ’の割合をランダムに選び、これをイントラ・モードで符号化する。残りのMBについては、何れのモードがより低いレートをもたらすかによって、インター・モード又はイントラ・モードを用いることができる。符号化ビデオ・フレームβ毎の実際のイントラ・レートが記録される。ここで、β>=β’である。
符号化ビット・ストリームは、固定されたパケット化手法を用いて、連続したパケットに変換される。考えられる一実現形態では、それぞれのパケットは、一スライスからのデータを含む。パケット化手段はビデオ符号器310の一部であるものと仮定する。元のパケット・ストリームから、ビデオ復号器320は、まずこれをパケット化解除ビット・ストリームに変換する。これから、チャネル誤りなしで復号化フレーム
Figure 0005036559
を生成するものとする。パケット化解除手段はビデオ復号器320の一部であるものと仮定する。
特定のパケット喪失レートPの場合、チャネル・シミュレータ330はパケット化ストリームを損なうので、平均して、パケットのうちの割合Pがランダムに廃棄される。ビデオ復号器350は、動き補償の有無にかかわらず時間誤り隠蔽を実現する選ばれた誤り隠蔽手法を用いることによって、損なわれたパケット・ストリームをパケット化解除し、損なわれたビット・ストリームから復号化ビデオ・フレーム
Figure 0005036559
を生成する。ビデオ復号器320及びビデオ復号器350からの復号化フレームを比較することによって、チャネル歪みデータ収集手段340は、式(1)を用いて、特定チャネル・シミュレーション毎に、各フレームにおける平均チャネル歪みを計算する。チャネル・シミュレータ330及び復号器350を多数回実行し、同じフレームnの測定チャネル歪みを平均化することによって、チャネル歪みデータ収集手段340は、Dc,n(n=1,2,...,N−1)を求める。
特定の系列及び符号化パラメータの場合、隠蔽歪み推定手段360は、隠蔽歪みDECI及びDECP,nを計算する。隠蔽歪み推定手段360の動作は更に、本明細書において前述している。
c,n、DECI、DECP,n及びβの収集データによって、モデル・パラメータ算出器370は、パラメータa及びhを得て再帰式(11)にフィットさせるための最小二乗フィティング手法を用いる。具体的には、
Figure 0005036559
又は
Figure 0005036559
である。ここで、
Figure 0005036559
である。
前述の第2のケース及び第3のケースの場合、モデル・パラメータ算出器370は、再帰式(19)にフィットさせるためのa、c及びhを求める。特に、
Figure 0005036559
又は
Figure 0005036559
であり、ここで、
Figure 0005036559
である。
式(30)又は(31)によって表す単純化されたモデルの場合、項DECP,n及びβは、DECP及びβそれぞれによって置き換えられる。
上記方法は、特定の喪失レート、及び、特定のビデオの特定のGoFの符号化されたデータから求められる平均イントラ・レート(予め設定された目標イントラ・レートよりわずかに高い)のパラメータを導き出す。
大きな範囲のP及びβのパラメータを得るために、上記手順を用いてP及びβのいくつかの対のパラメータ組をまず得ることが可能である。結果として生じるパラメータから、内挿を行ってP及びβの他の値のパラメータを得ることが可能である。あるいは、別のP及びβから得られるパラメータの平均を用いることも可能である。あるいは、別のP及びβの訓練データをベクトルy及びAに組み入れてパラメータを求めることが可能である。
前述の方法によって、P及びβの特定の対、又はP又はβの特定の範囲の特定のビデオ系列のモデル・パラメータが生成される。同様な動き特性を有する特定のビデオ・カテゴリのパラメータを得るために、特定のビデオ・カテゴリのいくつかの選択されたビデオ系列の前述のデータ収集プロセスを繰り返し、種々の系列及び種々の対(y及びAにおけるP及びβの)の測定データを含めることによって(36)又は(38)を用いてパラメータを求めることが可能である。
図4に移れば、フレーム毎にイントラ・レート及び隠蔽歪みに基づいてチャネル歪みを推定する方法は、参照番号400によって全体を示す。
入力ブロック405は入力ビデオ系列、ビデオ系列のGOPそれぞれの最初のIフレームのパケット喪失レート(PI)、ビデオ系列のGOPそれぞれのPフレームのパケット喪失レート(P)、モデル・パラメータa、c及びhを受信し、ビデオ系列からのN個のフレームの次のGOPをフェッチし、機能ブロック410にコントロールを移す。機能ブロック410は、n = 0にセットして、機能ブロック415にコントロールを移す。機能ブロック415は、フレーム0の隠蔽歪みを推定し、機能ブロック420にコントロールを移す。機能ブロック420は、Dc,0=PECIを用いてフレーム0のチャネル歪みを求め、機能ブロック425にコントロールを移す。機能ブロック425は、nを1増やし(n = n+1)、機能ブロック430にコントロールを移す。機能ブロック430は、Dc,n−1=Dc,nにセットして、機能ブロック435にコントロールを移す。機能ブロック435は、フレームnのイントラ・レート及び隠蔽歪みを推定し、機能ブロック440にコントロールを移す。機能ブロック440は、式11又は式19を用いてフレームnのチャネル歪みを求める。方法400が用いられる符号器が、イントラ予測を用いないか、又は、制約されたイントラ予測のみを用いる場合、式11を用いる。方法400が用いられる符号器が、制約されないイントラ予測を用いる場合、式19を用いる。機能ブロック440は次いで、決定ブロック445にコントロールを移す。決定ブロック445は、n≧N−1であるか否かを決定する。n<N−1である場合、コントロールは機能ブロック425に戻される。さもなければ、n≧N−1である場合、コントロールは機能ブロック450に移される。機能ブロック450は、式32を用いてフレーム全ての平均チャネル歪みを求め、出力ブロック455にコントロールを移し、更に機能ブロック405に戻ってN個のフレームの次GOPをフェッチする。出力ブロック455は、GOPの推定された平均チャネル歪みDを出力する。
図5に移れば、ビデオ系列のピクチャ群それぞれの平均イントラ・レート及び隠蔽歪みに基づいてチャネル歪みを推定する方法は、参照番号500によって全体を示す。
入力ブロック505は、入力ビデオ系列、ビデオ系列のGOPそれぞれの最初のIフレームのパケット喪失レート(PI)、ビデオ系列のGOPそれぞれのPフレームのパケット喪失レート(P)、モデル・パラメータa、c及びhを受信し、ビデオ系列からN個のフレームの次のGOPをフェッチし、機能ブロック510にコントロールを移す。機能ブロック510は、フレーム0の隠蔽歪みを推定し、機能ブロック515にコントロールを移す。機能ブロック515は、GOPのPフレーム全ての平均イントラ・レート及び隠蔽歪みを推定し、機能ブロック520にコントロールを移す。機能ブロック520は、n=0にセットし、機能ブロック525にコントロールを移す。機能ブロック525は、Dc,0= PECIを用いてフレーム0のチャネル歪みを求め、機能ブロック530にコントロールを移す。機能ブロック530は、nを1増やし(n=n+1)、機能ブロック535にコントロールを移す。機能ブロック535は、Dc,n−1= Dc,nにセットし、機能ブロック540にコントロールを移す。機能ブロック540は、式30又は式31を用いてフレームnのチャネル歪みを求める。方法500が用いられる符号器が、イントラ予測を用いないか、又は、制約されないイントラ予測のみを用いる場合、式30を用いる。方法500が用いられる符号器が、制約されないイントラ予測を用いる場合、式31を用いる。機能ブロック540は次いで、機能ブロック547及び決定ブロック545にコントロールを移す。機能ブロック547は、フレーム毎の推定チャネル歪みDc,nを出力する。
決定ブロック545は、n≧N−1であるか否かを決定する。n<N−1である場合、コントロールは機能ブロック525に戻される。さもなければ、n≧N−1である場合、コントロールは機能ブロック550に移される。機能ブロック550は、式32を用いてGOPの平均チャネル歪みを求め、出力ブロック555にコントロールを移し、更に、機能ブロック505に戻って、N個のフレームの次のGOPをフェッチする。出力ブロック555は、GOPの推定された平均チャネル歪みDを出力する。
図6に移れば、ビデオ系列のIフレームの予め推定された隠蔽歪み、並びに、Pフレームの平均イントラ・レート及び隠蔽歪みに基づいてチャネル歪みを推定する方法は、参照番号600によって全体を示す。
入力ブロック605は、入力ビデオ系列、ビデオ系列のGOPそれぞれの最初のIフレームのパケット喪失レート(PI)、ビデオ系列のGOPそれぞれのPフレームのパケット喪失レート(P)、モデル・パラメータa、c及びhを受信し、ビデオ系列からN個のフレームの次のGOPをフェッチし、機能ブロック610にコントロールを移す。機能ブロック610は、n=0にセットし、機能ブロック615にコントロールを移す。機能ブロック615は、Dc,0=PECIを用いてフレーム0のチャネル歪みを求め、機能ブロック620にコントロールを移す。機能ブロック620は、nを1増やし(n = n+1)、機能ブロック625にコントロールを移す。機能ブロック625は、Dc,n−1=Dc,nにセットし、機能ブロック630にコントロールを移す。機能ブロック630は、式30又は式31を用いてフレームnのチャネル歪みを求める。方法600が用いられる符号器が、イントラ予測を用いないか、又は、制約されたイントラ予測のみを用いる場合、式30を用いる。方法600が用いられる符号器が、制約されないイントラ予測を用いる場合、式31を用いる。機能ブロック630は次いで、決定ブロック635にコントロールを移す。決定ブロック635は、n≧N−1であるか否かを決定する。n<N−1である場合、コントロールは機能ブロック620に戻される。さもなければ、n≧N−1である場合、コントロールは機能ブロック640に移される。機能ブロック640は、式32を用いてフレーム全ての平均チャネル歪みを求め、出力ブロック655にコントロールを移し、更に機能ブロック605に戻ってN個のフレームの次のGOPをフェッチする。出力ブロック655は、GOPの推定された平均チャネル歪みDを出力する。
本発明の前述並びにその他の特徴及び利点は、本明細書及び特許請求の範囲記載の教示に基づいて、関係する当該技術分野の当業者によって容易に把握することができる。本発明の教示は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、専用プロセッサ、又はそれらの組合せの種々の形態において実現することができる。
最も好ましくは、本発明の教示は、ハードウェア及びソフトウェアの組合せとして実現される。更に、ソフトウェアは好ましくは、プログラム記憶装置上に有形に実施されるアプリケーション・プログラムとして実現される。アプリケーション・プログラムは、何れかの適切なアーキテクチャを備えたマシンにアップロードするか、又は前述のマシンによって実行することができる。好ましくは、マシンは、ハードウェア(1つ又は複数の中央処理装置(「CPU」)、ランダム・アクセス・メモリ(「RAM」)や入出力(「I/O」)インタフェースなど)を有するコンピュータ・プラットフォーム上で実現される。コンピュータ・プラットフォームは、オペレーティングシステム及びマイクロ命令コードも含むことができる。本明細書及び特許請求の範囲記載の種々の方法及び機能は、マイクロ命令コードの一部でも、アプリケーション・プログラムの一部でも、それらの何れかの組合せでもよい(CPUによって実行することができる)。更に、種々の他の周辺装置を、コンピュータ・プラットフォーム(更なるデータ記憶装置及び印刷装置など)に接続することができる。
添付図面に表す構成システム部分及び方法は好ましくはソフトウェアにおいて実現されるので、システム構成部分間又は処理機能ブロック間の実際の接続は、本発明がプログラムされるやり方によって異なり得る。本明細書及び特許請求の範囲記載の教示を与えられれば、当該技術分野における当業者は、本発明の前述及び同様な実現形態又は構成を考え出すことができるであろう。
本願の例証的な実施例は、本明細書において添付図面を参照して説明してきたが、本発明が前述のまさにその実施例に限定されず、本発明の範囲又は趣旨から逸脱しない限り種々の変更及び修正を当業者が行うことができるものとする。前述の変更及び修正は全て、特許請求の範囲記載の本発明の範囲内に含まれることが意図されている。
本発明の原理による、ビデオ復号器における合計期待歪みを求める装置を示すブロック図である。 本発明の原理による、チャネルによって引き起こされる歪みを算出する装置を示すブロック図である。 本発明の原理による、チャネル歪みモデルにおけるパラメータを推定する装置を示すブロック図である。 本発明の原理による、フレーム毎のイントラ・レート及び隠蔽歪みに基づいてチャネル歪みを推定する方法を示すフローチャートである。 本発明の原理による、ビデオ系列内のピクチャ群それぞれにおける平均イントラ・レート及び隠蔽歪みに基づいてチャネル歪みを推定する方法を示すフローチャートである。 本発明の原理による、ビデオ系列のIフレームの予め推定された隠蔽歪み、並びに、Pフレームの平均イントラ・レート及び隠蔽歪みに基づいてチャネル歪みを推定する方法を示すフローチャートである。

Claims (12)

  1. インター符号化画像の平均チャネル歪みを推定する方法であって、
    先行符号化画像について推定された平均チャネル歪みDc,n-1にアクセスする工程と、
    スケーリング係数でスケーリングされたDc,n-1に応じて前記インター符号化画像の平均チャネル歪みDc,nを算出する工程と
    を含み、前記スケーリング係数は(1−P)(a(1−β)+cβ)+hPであり、Pはパケット喪失レートを表し、βはイントラ・レートを表し、a、c、及びhはスケーリング係数であり、a<1であり、h<1である方法。
  2. 請求項1記載の方法であって、
    前記インター符号化画像が、イントラ予測なしで符号化されるか、又は、制約されたイントラ予測で符号化される場合に、前記スケーリング係数cがゼロに等しく設定される方法。
  3. 請求項1記載の方法であって、前記スケーリング係数aが、
    a=wa’
    として算出され、
    a’は、動き補償時間予測に整数の動きベクトル及び非整数の動きベクトルが用いられる場合に
    Figure 0005036559
    として算出され、
    及びaは、前記非整数の動きベクトルが用いられる場合に前記動き補償時間予測によって用いる内挿フィルタ係数を表し、Lp,pは内挿に用いる近傍サンプルの数を表し、ρは、2つの隣接画素における、チャネルによって引き起こされる誤り間の平均相関係数を表し、E{.}は、インター符号化画素の{.}内の値を平均化する平均化演算を表し、
    前記インター符号化画像がデブロッキング・フィルタリングなしで符号化される場合、w=1であり、前記インター符号化画像が前記デブロッキング・フィルタリングを伴って符号化される場合、
    Figure 0005036559
    として求められ、
    及びwがデブロッキング・フィルタ係数を表し、Lが前記デブロッキング・フィルタリングに用いる近傍サンプルの数を表す方法。
  4. 請求項3記載の方法であって、
    前記スケーリング係数cが、
    Figure 0005036559
    として算出され、
    及びCがそれぞれ
    Figure 0005036559
    として求められ、
    及びcが、イントラ予測に用いる加重係数を表し、I−neighborsは、イントラ・モードを用いて先行して符号化された、前記イントラ予測に用いる近傍サンプル全ての組を表し、P−neighborsは、インター・モードを用いて先行して符号化された、前記イントラ予測に用いる近傍サンプル全ての組を表し、E{.}は、Pフレームにおけるイントラ符号化画素の{.}内の値を平均化する平均化演算を表す方法。
  5. 請求項1記載の方法であって、前記スケーリング係数hが、
    h=h’w
    として算出され、
    h’は、動き補償時間誤り隠蔽手法に前記整数の動きベクトル及び非整数の動きベクトルが用いられる場合に、
    Figure 0005036559
    として算出され、
    及びhは、前記非整数の動きベクトルが用いられる場合の前記動き補償時間誤り隠蔽手法によって用いられる内挿フィルタ係数を表し、Lp,pは内挿に用いる近傍サンプルの数を表し、ρは、2つの隣接画素における、チャネルによって引き起こされる誤り間の平均相関係数を表し、E{.}は、隠蔽された画素の{.}内の値を平均化する平均化演算を表し、
    前記動き補償時間誤り隠蔽手法の後にデブロッキング・フィルタリングが施されない場合、w=1であり、前記動き補償時間誤り隠蔽手法の後に前記デブロッキング・フィルタリングが施された場合、wは、
    Figure 0005036559
    として算出され、
    及びwはデブロッキング・フィルタ係数であり、Lは、前記デブロッキング・フィルタリングに用いる近傍サンプルの数を表す方法。
  6. 請求項1記載の方法であって、前記インター符号化画像の誤り隠蔽歪みDECPを求める工程を更に含み、前記求める工程は、
    前記インター符号化画像内の特定のマクロブロックの隠蔽歪みを、前記インター符号化画像内の他のフレーム及び他のマクロブロックにおける伝送損失がない場合の前記特定のマクロブロックのチャネル歪みとして規定する工程と、
    前記インター符号化画像内の選択されたマクロブロックの前記隠蔽歪みを、前記選択されたマクロブロックを喪失したとして設定し、復号器誤り隠蔽手法を用いて、前記選択されたマクロブロックを隠蔽することによって推定する工程と、
    前記インター符号化画像内の他の選択されたマクロブロックについて、前記推定する工程を繰り返す工程と、
    前記誤り隠蔽歪みを、前記インター符号化画像内の前記選択されたマクロブロックの前記推定隠蔽歪みに基づいて算出する工程とを備え、
    Dc,n=PDECP+((1−P))(a(1−β)+cβ)+hP)Dc,n−1
    として算出される方法。
  7. インター符号化画像の平均チャネル歪みを推定する装置であって、
    先行符号化画像について推定された平均チャネル歪みDc,n-1にアクセスし、スケーリング係数でスケーリングされたDc,n-1に応じて前記インター符号化画像の前記平均チャネル歪みDc,nを算出する歪み算出器を備え、前記スケーリング係数は(1−P)(a(1−β)+cβ)+hPであり、Pはパケット喪失レートを表し、βはイントラ・レートを表し、a、c、及びhはスケーリング係数であり、a<1であり、h<1である装置。
  8. 請求項7記載の装置であって、前記インター符号化画像が、イントラ予測なしで符号化されるか、又は、制約されたイントラ予測で符号化される場合に、前記歪み算出器が前記スケーリング係数cをゼロに等しく設定する装置。
  9. 請求項7記載の装置であって、前記歪み算出器が前記スケーリング係数aを、
    a=wa’
    として算出し、
    a’は、前記動き補償時間予測に整数の動きベクトル及び非整数の動きベクトルが用いられる場合に
    Figure 0005036559
    として算出され、
    及びaは、前記非整数の動きベクトルが用いられる場合に前記動き補償時間予測によって用いる内挿フィルタ係数を表し、Lp,pは内挿に用いる近傍サンプルの数を表し、ρは、2つの隣接画素における、チャネルによって引き起こされる誤り間の平均相関係数を表し、E{.}は、インター符号化画素の{.}内の値を平均化する平均化演算を表し、
    前記インター符号化画像がデブロッキング・フィルタリングなしで符号化される場合、w=1であり、前記インター符号化画像がデブロッキング・フィルタリングを伴って符号化される場合、wが
    Figure 0005036559
    として求められ、
    及びwがデブロッキング・フィルタ係数を表し、Lが前記デブロッキング・フィルタリングに用いる近傍サンプルの数を表す装置。
  10. 請求項7記載の装置であって、前記歪み算出器は、
    前記スケーリング係数cを、
    Figure 0005036559
    として算出し、
    及びCがそれぞれ
    Figure 0005036559
    として求められ、
    及びcが、イントラ予測に用いる加重係数を表し、I−neighborsは、イントラ・モードを用いて先行して符号化された、前記イントラ予測に用いる近傍サンプル全ての組を表し、P−neighborsは、インター・モードを用いて先行して符号化された、前記イントラ予測に用いる近傍サンプル全ての組を表し、E{.}は、Pフレームにおけるイントラ符号化画素の{.}内の値を平均化する平均化演算を表す装置。
  11. 請求項7記載の装置であって、前記歪み算出器は、前記スケーリング係数hを、
    h=h’w
    として算出し、
    h’は、動き補償時間誤り隠蔽手法に前記整数の動きベクトル及び非整数の動きベクトルが用いられる場合に、
    Figure 0005036559
    として算出され、
    及びhは、前記非整数の動きベクトルが用いられる場合の前記動き補償時間誤り隠蔽手法によって用いられる内挿フィルタ係数を表し、Lp,pは内挿に用いる近傍サンプルの数を表し、ρは、2つの隣接画素における、チャネルによって引き起こされる誤り間の平均相関係数を表し、E{.}は、隠蔽された画素の{.}内の値を平均化する平均化演算を表し、
    前記動き補償時間誤り隠蔽手法の後にデブロッキング・フィルタリングが施されることなく前記インター符号化画像が符号化される場合、w=1であり、前記動き補償時間誤り隠蔽手法の後に前記デブロッキング・フィルタリングが施されて前記インター符号化画像が符号化される場合、wは、
    Figure 0005036559
    として算出され、
    及びwはデブロッキング・フィルタ係数であり、Lは、前記 デブロッキング・フィルタリングに用いる近傍サンプルの数を表す装置。
  12. 請求項7記載の装置であって、
    前記インター符号化画像内の選択されたマクロブロックの隠蔽歪みを、前記選択されたマクロブロックを喪失したとして設定し、復号器誤り隠蔽手法を用いて、前記選択されたマクロブロックを隠蔽することによって推定し、
    前記インター符号化画像内の他の選択されたマクロブロックについて、前記推定を繰り返し、
    前記インター符号化画像内のマクロブロックの誤り隠蔽歪みDECPを、前記インター符号化画像内の前記選択されたマクロブロックの前記推定隠蔽歪みに基づいて算出する歪み推定手段を備え、Dc,nは、
    Dc,n=PDECP+((1−P))(a(1−β)+cβ)+hP)Dc,n−1
    として算出される装置。
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