JP5032855B2 - 複数入力/出力制約を有する複数入力/出力システム用の多変数コントローラの設計方法 - Google Patents

複数入力/出力制約を有する複数入力/出力システム用の多変数コントローラの設計方法 Download PDF

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Description

本開示は、一般に多変数入力/出力制御設計に関し、より詳細には、複数入力及び/又は出力制約を有する複数入力/出力システム用の多変数コントローラの設計方法に関する。
全ての実用な制御システムは、入力又はシステムの制御アクチュエータに関し制約がある(例えば、ハードウェア制限によって)。更に、多くの場合、安全及び/又は作動上の幾つかの問題の結果として、システムに対し複数の状態/出力制約がある。入力/出力制約を有する産業用制御システム応用の大多数は、一般的に、単入力単出力(SISO)システム又は入力−出力相互作用が低い複数入力多出力(MIMO)システムに限定されている。こうしたコントローラの多くは、定常的なモデル化誤差及び未知の外乱を考慮するための積分動作を利用することを含む。しかしながら、こうした積分動作があることによりアクチュエータ制約下で「ワインドアップ」現象が生じ、この場合、制御アクチュエータが最大/最小限界で飽和すると共に、積分動作はアクティブ状態のまま増大し、性能劣化、更に悪化すると不安定性につながる。アクチュエータ(入力)制約に起因したこの問題を克服するための一般的な手法は、単にアクチュエータの飽和時に積分動作を終了する(すなわち積分項の更新を停止する)ものである。
この単純な手法は、アクチュエータの飽和状態でのSISOシステムに対しては十分であることが多いが、各アクチュエータに関する対応する積分項を個々に制限することによって、複数のアクチュエータ及び対応する最小限/最大限(最小/最大)の制約を有するMIMOシステムにまでこの手法を単純に拡張することには重大な限界がある。特に、MIMOシステム用の多変数コントローラは、所望の制御目的を達成するために複数のアクチュエータ間の協働に依存する。しかしながら、各アクチュエータに関する積分項の個々の飽和は、全てのアクチュエータ間に求められる所望の協働を考慮していない。従って、各アクチュエータに関する積分動作を個々に制限するこの単純な技法は、MIMOシステムには不十分であることが多く、重大な性能損失、更には不安定につながる。複数のアクチュエータ及び最小/最大飽和限界を有するMIMOシステムに対して、「アンチワインドアップ」又は「ワインドアップ補償」を可能にする高度な技術では、アクチュエータが最小/最大限界で飽和する場合にだけアクティブとなる「アンチワインドアップ」コントローラを用いる。より具体的には、汎用MIMO非線形システムにおいて、以下の形式の状態空間表現を有する。
Figure 0005032855
ここで、状態はx∈R、制御入力(アクチュエータ)はu∈Rmu、被制御出力はy∈Rmy(mu=myでの正方制御システムだけを考慮する)である。積分動作及びアンチワインドアップ保護を有する動的多変数コントローラは、以下の一般形式を有する。
Figure 0005032855
ここでコントローラ状態はx∈Rnc、アンチワインドアップ利得はL及びMである。これらのアンチワインドアップ利得は、差分(u−sat(u))に基づいて作用し、標準飽和演算子であることを示す。
Figure 0005032855
以上のように、アンチワインドアップ項は、アクチュエータuの1つ又はそれ以上が最小又は最大限界で飽和する場合の飽和においてのみアクティブになる。ほとんどの場合、アンチワインドアップ利得Mは0に設定され、アンチワインドアップ利得Lは、アクチュエータ飽和下で性能/安定性を実現するように設計される。単一/複数のアクチュエータ飽和下で積分動作に対する多変数アンチワインドアップ保護を有したこのような多変数コントローラの設計は、これまで重要な研究主題であり、かなり成熟している。
残念ながら、出力(又は状態)制約を有するMIMOシステムが利用可能な解析的制御設計技術は存在しない。産業用途における出力制約を有する制御システムアプリケーションの大多数は、SISOシステム或いは、極めて僅かな入力−出力相互作用を有する、すなわち全出力制約が単一の共通アクチュエータによって支配的影響を受けるMIMOに限られる。
米国特許第6,823,675B2号公報
上記で説明された又は他の従来技術の欠点及び欠陥は、複数の入力及び出力制約を有する複数入力複数出力(MIMO)システムを動的に制御するための方法によって克服又は軽減される。例示的な実施形態では、本方法は、入力及び出力制約の無い状態でシステムの複数の制御参照入力の閉ループトラッキングを実行するようにMIMOトラッキングコントローラを構成する段階と、複数の制御参照入力に適用される参照修正値を生成することによってMIMOシステムの入出力制約を実現するようにMIMO制約コントローラ(210)を構成する段階とを含む。
別の実施形態では、複数の入力及び出力制約を有する複数入力複数出力(MIMO)システムのための制御アーキテクチャは、入力及び出力制約の無い状態でシステムの複数の制御参照入力の閉ループトラッキングを実装するように構成されたMIMOトラッキングコントローラと、複数の制御参照入力に適用される参照修正値を生成することによって入力及び出力制約を実現するように構成されたMIMO制約コントローラとを含む。
更に別の実施形態では、記憶媒体は、複数の入力及び出力制約を有する複数入力複数出力(MIMO)システムを動的に制御するためのマシン読取り可能コンピュータプログラムコードと、コンピュータに方法を実行させるための命令とを含む。本方法は更に、入力及び出力制約の無い状態でシステムの複数の制御参照入力の閉ループトラッキングを実装するようにMIMOトラッキングコントローラを構成する段階と、複数の制御参照入力に適用される参照修正値を生成することによってMIMOシステムの入力及び出力制約を実装するようにMIMO制約コントローラを構成する段階とを含む。
幾つかの図において同じ要素が同じ番号を付与された例示的な図面を参照する。
本明細書で開示されるものは、複数入力及び/又は出力制約を有するMIMOシステム用の多変数コントローラを設計するための新規の手法である。MIMOシステム用の多変数コントローラの設計に現在利用可能な幾つかの方法があり、入力−出力の多重ループコントローラとの組み合せから、連続ループクロージャーを有する多重ループコントローラ、多変数入力−出力相互作用の増大を考慮する完全多変数コントローラにわたる。しかしながら、こうしたコントローラは、入出力制約を考慮して設計されておらず、このような制約下では安定性/性能をもたらさない。
ここで図1を参照すると、出力制約を有するSISOシステム用の既存の制御技術の総合アーキテクチャを例示する概略的なブロック図が示されている。具体的には、図1は、主要被制御出力yに対する主SISOレギュレータ102、並びに制約出力yに関する各最小/最大限界に対する個々のSISOレギュレータ104の設計を示す。これらの個々のレギュレータ102,104は並列して実装され、次いで、いずれのSISOレギュレータが現在アクティブであるかを能動的に判定する一連の最小/最大選択ロジック106が続く。選択ロジック106は、出力最小/最大制約が現在アクティブではない場合に主制御出力レギュレータ102をイネーブルにし、それ以外の場合、最小/最大ロジックを用いて、どの最小/最大制約限界が最も制限的であり、アクティブな制御ループとして「選択」されるかを決定する。
これらの最小/最大選択ロジックブロックの出力は、共通積分器108を通り(積分動作を行うため)、次いで、プロセス(SISOシステム)110に入力として供給される。共通積分器108は一般に、最小/最大限界における制御アクチュエータuの飽和時に積分項を制限する単純な「アンチワインドアップ」スキームを含む。この場合も同様に、この手法は、単一のアクチュエータを有するSISOシステム、又は主要制御出力y及び制約出力yが全て共通アクチュエータuによる支配的影響を受ける極めて小さな入力−出力相互作用を有するMIMOシステムに限定される。しかしながらこの手法は、複数の制御アクチュエータが制御出力y並びに制約出力yに著しい影響を及ぼす、有意な入力−出力相互作用を有する真のMIMOシステムに対しては適用不能である。
従って、本開示は、複数入力(アクチュエータ)及び出力制約を有するMIMOシステム用の新規の制御設計手法を導入し、ここでは、重要度の高い制御出力と比較して重要度の低い制御出力に関する性能を系統的に犠牲にしながら、単一/複数入力及び/又は出力制約を同時に実現することができる。複数入力及び出力制約を有するこうしたMIMOシステムに適用することができる、当該技術分野で利用可能な唯一の公知技術は、モデル予測制御(MPC)であり、これはオンラインのリシーディングホライゾン(receding horizon)制約最適化問題を必然的に伴い、所望の性能目標がなんらかの入力及び/又は出力制約を受けて最適化される。
MPCは活発に研究されており、主に化学プロセス産業に用途が見出されたが、高速動特性を有するより高性能のシステムへの適用は、実時間で制約最適化問題を解くのに伴う計算コストが非常に高いことにより大幅に制限される。超高速計算設備が出現してきたにもかかわらず、高速な過渡性を伴う複雑な高性能アプリケーションにおける実時間実行に対しては、MPCは依然として計算上著しく高価である。
汎用MIMOシステムの動特性は以下の状態空間形式で記述される。
Figure 0005032855
これは式1におけるシステムと類似しており、最小/最大限界yc,min及びyc,maxを有する制約出力y∈Rmycが付加されている。更に、制御入力u(アクチュエータ)は、最小/最大限界umin及びumaxを有する。以下に説明する実施形態では、統合されたフレームワークにおいて複数の入力及び出力制約が実現され、コントローラの積分動作に多変数アンチワインドアップ保護をもたらし、重要度の高い制御出力に比べて重要度の低い制御出力に関する制御性能を系統的に犠牲にしながら複数入力/出力制約の同時実現を可能にする。
ここで図2を参照すると、本発明の実施形態による、入力及び出力制約を有するMIMOシステム用のMIMO制御設計の総合アーキテクチャ200の概略的なブロック図が示されている。最初のステップでは、MIMOコントローラ202は、あらゆる入力又は出力制約が無い場合の所望の性能を有する閉ループトラッキングを達成する。MIMOトラッキングコントローラ202では、あらゆる利用可能な制御設計方法を用いることができる。詳細には、MIMOトラッキングコントローラは、各アクチュエータuに対する積分器を含み、或いは同等に、
を式4における初期状態空間システム及び積分器システムからなる拡張システム用の制御入力として扱うことによる積分動作204を含む。
Figure 0005032855
結果として得られるMIMOトラッキングコントローラは、次式の状態空間システムで記述することができる。
Figure 0005032855
ここでx∈Rncは、MIMOトラッキングコントローラの状態を示し(例えば、リードラグ状態)、e=(rtotal−y)=(r+Δr−y)は、合計参照値rtotal=r+Δrと制御出力フィードバックとの間の制御誤差を示す。合計参照値は、公称制御参照値r及び参照修正値Δr(MIMOトラッキング制御から得られ、以下で説明する)を含む。コントローラは、各アクチュエータに対する、すなわち各被制御出力に対する積分動作を明示的に含む。MIMOトラッキングコントローラ202はまた、線形関数によって相応に与えられる関数f及びhを有する線形コントローラとすることもできる点に留意されたい。MIMOトラッキングコントローラ202は、MIMOプロセス206の動特性モデル(式4における)と共に以下で示される閉ループMIMOシステム208をもたらす。
Figure 0005032855
これはあらゆる入力又は出力制約が無い場合に望ましいトラッキング性能を有する。閉ループシステム208では、初期制約出力y並びに制約入力uが含まれる点に留意されたい。これにより入力及び出力制約の両方を統合化手法において同じ方法で処理することが可能になる。
MIMOトラッキングコントローラ202が設計され、対応する閉ループシステム208のモデルが得られると、本方法は更に、閉ループシステム208に適用される制御参照修正値Δrを用いることによって入力及び出力制約を実現するMIMO制約コントローラ210の設計を伴う。詳細には、入力又は出力制約のいずれもがアクティブではない(すなわち対応する最小/最大限界を違反している)場合には、MIMO制約コントローラ210は非アクティブにされ(すなわちΔr=0)、公称トラッキング性能が得られる。他方、1つ又はそれ以上の入力又は出力制約がアクティブである場合には、MIMO制約コントローラ210は、適切な参照修正値Δrを算出してこれらのアクティブな制約を実現する。
本手法では、各アクチュエータに関する個々の積分器204(積分動作を提供する)は、単純な「アンチワインドアップ」手法のように制限されてはいない。むしろこれらの積分器はどのような最大/最小限界をも違反することが許容される。代わりに、MIMO制約コントローラによって入力制約限界値が実現され、これにより多変数アンチワインドアップが得られ、全ての不飽和アクチュエータは協働して使用され、飽和アクチュエータは最大/最小限界に維持される。この多変数アンチワインドアップの結果として、本手法は、入力(アクチュエータ)制約に対して制限する単純な積分器よりも良好に機能する。
MIMO制約コントローラ210の設計における課題の1つは、あらゆる時間においてもアクティブである入力及び出力制約の数及び組み合せが変化することである。例えば、公称稼動ポイントにおいて、これらの制約のいずれもがアクティブでない場合がある。しかしながら、高速過渡の間、1つ又はそれ以上の入力及び/又は出力制約を異なる時間ポイントにおいてアクティブにすることができる。これは、オンラインのスケジュール化と結合されたオフライン制御設計を含む従来の手法において直接的な問題を提起する。設計者は、アクティブな制約の全ての可能な組み合せに対して、極端に多い数のオフラインコントローラを設計しなければならなくなり、入力及び出力制約の数と共に指数関数的に増大することになる。従って、こうした手法は実際には実施可能ではない。
従って、本実施形態は、各時間サンプルにおけるアクティブな制約の数及び組み合せに応じてオンラインで算出(更に実時間で実行)することができる、オンラインモデルベースのコントローラ設計手法を利用する。例示的な実施形態では、制約コントローラ設計に対処するためにダイナミックインバージョン(DI)手法が実装される。これによって、各時間サンプルにおいて非線形閉ループシステム208の線形近似が得られ、この線形システムに対するDIベースのコントローラが設計される。システムの非線形性に対処するために、線形モデルは各時間サンプルで更新される。
より具体的には、閉ループシステム208に対する線形モデルは次の一般記述で得られる。
Figure 0005032855
ここで閉ループ状態xclは、プロセス、積分器204、及びMIMOトラッキングコントローラ202の状態を含む。上記の説明では、変数xcl、y、y、及びuは、現在の絶対値からの偏差を示し、表記の複雑さを回避するために若干の変更を伴っている。同様に、状態運動方程式における項fは、現在のポイントにおけるシステムの線形化から得られる自由応答項を示しており、現在のポイントが定常状態であればゼロであり、槽でない場合には非ゼロであり、既存の制御動作に対する状態導関数を反映している。MIMO制約コントローラ210は、離散時間で設計及び実行され、従って、閉ループ線形モデルは以下のように離散時間モデルに変換される。
Figure 0005032855
簡略化のために、提案の手法において入力及び出力制約が同じ様態で処理されるので、入力制約u及び初期出力制約yは、拡張出力Yに結合される。同様に、ベースラインMIMOトラッキングコントローラ202が離散時間で算出及び実行される場合には(多くの場合にそうであるように)、上記の閉ループシステムの離散時間線形モデルは、プロセスの線形近似を離散化し、離散時間MIMOトラッキングコントローラの線形近似と組み合せることによって得られる。
従って、閉ループシステム208を記述する式9における線形化離散時間システムにおいて、MIMOコントローラは、参照修正値Δrを制御入力として用いて設計され、全てのアクティブな(入力及び出力)Yをこれらのそれぞれの最小/最大限界において実現する。任意の時間において、入力/出力制約Yciは、対応する最小/最大限界にあるか、又はこれに違反した場合にアクティブとなる。現在アクティブである制約Yのサブセットは、各制約Yciをそれぞれの最小/最大限界と比較することによって容易に識別することができる。しかしながら、特に高速の動特性を有し迅速に変化する制約については、どの制約が「近い」将来にアクティブになることができるかを予期するある指標が含まれる。
どのような指標又は予期もない場合には、アクティブになる制約にMIMO制約コントローラが応答する時までに、この制約(特に高速に変化しているもの)は最小/最大限界を著しく違反してしまっていることになるので、アクティブとなるべき制約をその現在の値にのみ基づいて決定すると遅すぎる可能性がある。この問題を回避するために、連続時間(式8)又は離散時間(式9)における閉ループシステムモデルを用いて未来の望ましい時間における制約Yを予測し、該予測値を可能性のある違反についての最小/最大限界と比較することによって、好適な指標/予期を容易に組み込むことができる。現在アクティブな制約Yのサブセットが、適切な予測(各制約出力/入力に対して調整することができる)に基づいて識別されると、MIMO制約コントローラ210は、これらのアクティブな制約を各制約がアクティブであるそれぞれの最小/最大限界に維持するように設計することができる。
本制約コントローラ設計における標準のダイナミックインバージョン(DI)を用いる際の直接的な複雑性は、結果として得られるシステムがほとんどの場合に非正方システムになる点である。特に、参照修正値Δr(又はこのMIMO制約コントローラに対する制御入力)の数がmに固定されると、アクティブな制約の数は、時間と共に変化することになり、(i)mより小さい、又は(ii)mに等しい、或いは(iii)mより大きいものとすることができる。更に、一般的には、アクティブな入力及び/又は出力制約の特定の組み合せは、非最小相挙動(すなわち連続時間では複素右半平面において、又は離散時間では単位円周の外で伝達ゼロ)を有するMIMOシステムをもたらす可能性がある。類似的に、非線形システムのゼロ出力に制約された動特性、又は単にゼロダイナミクスは不安定である。標準DIコントローラ設計は、同数の制御入力及び被制御出力を有する正方システムに適用可能である。これに加えて、標準DIは、非最小位相システムにおける閉ループ/内部不安定性につながることになる。
上述の問題の両方は、DI手法と線形2次レギュレータ(LQR)手法との組み合せを伴う修正された又は「ロバストな」DIを用いることで克服される。ロバストなDI手法の好適な実施例を以下に説明する。
連続時間(式8)又は離散時間(式9)におけるいずれの閉ループシステムにおいても、各制約出力Yci(アクティブ時に最小/最大限界においてMIMO制約コントローラ210によって制御されることになる)に対する相対次数(又は相対次元数)rは、出力が1つ又はそれ以上の制御入力、すなわち参照修正値Δrに明示的に依存するまで微分(連続時間で)することが必要な回数として標準的な方法で定義される。同等に、離散時間では、相対次数rは、制約出力Yciが1つ又はそれ以上の入力、すなわち参照修正値Δrの変化によって影響を受ける未来の時間サンプルの最小数として定義される。本手法は直接的な方法で高い相対次数を有するシステムにまで容易に拡張されるが、簡略化のために相対次数r=1であるシステムを考える。こうしたシステムでは、定義により、Cci*Bは各制約出力Yciに対する非ゼロ行ベクトルということになる。更に、結果として得られる行列C*Bは、標準DIおけるような正方システムに対して完全な行/列階数又は正則と仮定される。行列C*Bは多くの場合、MIMOシステムにおける分離行列と呼ばれ、システムにおける動的入力−出力結合の次数を特徴付ける。例えば完全に分離したシステムでは、この行列は対角行列となる(入力及び出力の可能性のある何らかの転位による)。
式9の正方離散時間システムでは、全出力Yciに対して相対次数r=1とすると、標準DIコントローラ設計は、以下の形式の1次応答の実現を伴う。
Figure 0005032855
ここで、rckは、制約出力Yに対する目標設定ポイント、すなわち制約出力Yが現在アクティブである最小/最大限界を示し、αは、これらの出力における1次応答に対する望ましい時間定数を反映する。この1次応答を実現するための結果として得られるコントローラは、式9におけるシステムの離散時間モデルをベースとして容易に導出される。
Figure 0005032855
正方且つ可逆性である分離行列C*Bに対する必要性は、上述の標準DIコントローラにおいて顕著である。従って、提案の修正された「ロバストな」DI手法は、(i)次式の同じく1次フィルタを用いて参照値、すなわち制約最小/最大限界rckをプレフィルタリングする段階を伴う。
Figure 0005032855
ここでrcf,kはプレフィルタリングされた参照値を示す。上記DI手法は更に、(ii)次式の2次目的関数を最小化するコントローラを設計する段階を伴う。
Figure 0005032855
上述の2次目的は、トラッキングに関する2次ペナルティー(この場合には正定重み付け行列Qによる制約違反)、及び制御動作に関する2次ペナルティー(この場合には正定重み付け行列Rによる参照修正値Δr)を有する線形2次レギュレータ(LQR)と同様である点に留意されたい。上述の最小化問題は、次式の明示的な解析解を有する。
Figure 0005032855
1次参照値プレフィルタについての式13における関係、及び望ましい1次応答の公称トラッキングではYc,k=rcf,kである認識を用いて、上述のコントローラは次式のように変形される。
Figure 0005032855
この式は、動的分離行列の逆行列、すなわち(CB)−1が式13の重み付け最小二乗最小化に対応する重み付き擬似逆行列
[(CB)Q(CB)+R]−1(CB)
で置き換えられている点を除き、式11の標準DIコントローラに極めて類似している。この重み付き擬似逆行列が存在し、更に、Rが正定である範囲内で正方/非正方システムについて矛盾なく定義される。これにより、可変数のアクティブな制約を有するMIMO制約コントローラの設計において、標準DIに対する正方システムの最初の障害を克服することが可能になる。同様に、上述のコントローラ210は、標準LQRの可安定性の仮定の下で、正定重み付け行列Q及びRに安定性をもたらし、標準DIの場合と同様に最小限の位相システムに制約されない。
他方、どのような参照値プレフィルタもない標準LQRでは、重み付け行列Q及びRの選択は、閉ループ制御性能及び帯域幅を非明示的に決定し、Q:R比が上昇するとコントローラ利得及び結果として得られる閉ループ帯域幅が増大する。しかしながら、非線形性がある場合、線形化モデルは更新されるのでQ及びRの固定セットは望ましい機能を達成するには十分ではない。これは、式12の参照値プレフィルタの使用し、及び式13のようなプレフィルタリングされた参照値からのトラッキング誤差にペナルティーを付与するため2次トラッキングペナルティーを修正する本手法において対処される。プレフィルタは、望ましいトラッキング性能(帯域幅、分離等)を完全に特定するように設計することができ、式13の2次目的関数は制御動作において極めて小さなペナルティー、すなわち小さな制御重み付け行列
Figure 0005032855
を含み、プレフィルタによって特定された望ましい1次応答を密接にトラッキングするようにする。
提案するロバストなDI設計の別の利点は、正方システム用の標準DI手法では、分離行列CBが特異点に近づき異常状態になると、例えば1つ又はそれ以上の制御入力(この場合には参照修正値Δr)が、制御出力(この場合にはアクティブな制約)のいずれかへの影響がなくなり、CBにおける対応する列がゼロに近づくと、小さな影響力しか有さないこの制御入力に対して利得が高くなるにつれて、逆行列も同様に異常状態になる点にある。これは標準DIの極めて望ましくない特徴であり、安定性/ロバスト性の損失を引き起こす恐れがある。他方、提案の修正された「ロバストな」DI手法は、制御入力の影響力のこうした損失(及びCBの階数の損失)を極めて良好に処理する。
詳細には、修正されたロバストなDI手法で用いられる重み付き擬似逆行列
[(CB)Q(CB)+R]−1(CB)
は、Rが正定である範囲内で矛盾なく定義され、実際には、影響力が減少する制御入力に対するコントローラ利得はゼロに近づく(トラッキング項(CB)Qに注意)。このことは、提案する修正された「ロバストな」DI手法が小さい/ゼロの制御影響力を有するあらゆる制御入力を本質的且つ必然的に制限/排除するので、この手法の非常に望ましい特徴である。従って、提案する修正された「ロバストな」DI手法によって、標準DIコントローラにおける前述の両方の制限を克服し、標準DIコントローラと比較して性能、調整、及びロバスト性の点で有意な利点を提供することが可能となる。特に、提案する「ロバストな」DI手法をオンラインで用いて、アクティブな制約Yの現在識別されているサブセットに対して必要な多変数コントローラを算出することができる。
開示されるMIMO制約コントローラ設計の有意な利点は、これによって全ての利用可能なアクチュエータuを用いて(制御参照値rにより間接的に)複数の入力及び出力制約を同時に実現することが可能になる点である。これは、事前決定された支配的アクチュエータを用いて一度に1つの制約(最も制約のあるもの)だけを実現するSISO選択ロジックベースの手法とは対照的である。このように、本手法では、制約を実現する負荷は全ての制御アクチュエータ又は制御参照値にわたって分担され、任意の単一の制御出力にかかる影響が低減される。
更に、重み付け行列Rは、どの制御出力がより重要であり、より高い優先度を有するべきかを明示的に判定し、すなわち1つ又はそれ以上の制約がアクティブになった時にこれらの公称トラッキング性能の損失を最小にするように選ぶことができる。行列Rは対角行列として選ぶことができ、Riiはi番目の制御出力yに対する重みを示す。出力yが他の被制御出力よりも重要であると考えられる場合には、その対応する重みを適切に他よりも高く設定し、それぞれの参照値Δrの修正を最小にすることができる。重み付け行列Rの調整は、1つ又はそれ以上の制約がアクティブになった場合に、より重要度の高い被制御出力を優先し、重要度の低い被制御出力の性能を犠牲にする直接的な手段を提供する。
他方、重み付け行列Qは、複数の制約が同時にアクティブである場合に、制約に優先順位を付けるように調整/設計することができる。特に、ある時点で、m(制御入力及び出力、従って制御参照値の数)よりも多い数の制約が同時にアクティブになり、m個の制御アクチュエータを用いてこれらの制約を全て同時に満たすことができないという意味でこれらの制約が「矛盾」している場合には、重みQiiは、他の重大性の低い制約限界よりも特定の制約限界の実現を優先してより大きな重点を置くように設計することができる。
SISO選択ロジックベースの手法とは異なり、提案するMIMO制約コントローラは、複数(最大で制御アクチュエータ及び参照値の数mまで)の入力及び出力制約の同時実現を可能にする。ある時点でmより少ない数の制約がアクティブである場合には、これらの制約Qijは全て同時に実現されることになるので、これらの制約Qijに対する重みは重要ではない。同様に、幾つかの制約はアクティブであるが、主に非矛盾であり、すなわち現在「制限を加えている」これらのアクティブな制約のm以下の数のサブセットが存在する状態が場合によっては存在し、この制限を加えている制約の最小セットが満たされると、残りの制約が満たされることになり、結果として非アクティブにされる。この場合には、MIMO制約コントローラ210の設計は、重み付け最小二乗値(すなわち式13の目的関数の最小化)に基づいて、アクティブにする必要がある制限を加えるコントローラの適切な最小セットを必然的に識別することになる。
複数入力及び/又は出力制約を有するMIMOシステムのための本発明のMIMO制約コントローラの設計及び実装の例示的な実施形態に含まれる全体段階は、以下のように要約することができる。
(1)あらゆる制約が無い状態で被制御出力に対する所望の公称閉ループトラッキング性能を達成するように所望のMIMOコントローラ202を設計する。
(2)現在時間サンプルにおいて、プロセス(プラント)206、MIMOトラッキングコントローラ202、及び積分動作を可能にする共通積分器204を有する結果として得られた閉ループシステム208の状態空間線形化離散時間モデルを取得する。
(3)閉ループシステムモデルを用いて未来の所望の時間における制約出力及び入力を予測し、適切な指標/予期を与えてこれらの制約の予測値をそれぞれの最小/最大値に対して比較し、最小又は最大限界においてどの制約が現在アクティブであるかを判定する。ノイズ、制約チャタリング、又はアクティブ/非アクティブ制約間のモード競合等の問題に対処するために小さな許容範囲/ヒステリシス帯域を最小/最大限界前後に組み込むことができる。
(4)現在識別されているアクティブな制約のサブセットにおいて、重み付け最小二乗を用いる上述の「ロバストな」DI手法を用いて必要な制御動作(すなわち参照修正)を算出する。どの制約もアクティブでない場合、MIMO制約コントローラ210の出力はゼロまで低下し(すなわちゼロ参照修正(Δr=0)を生成する)、ベースラインMIMOトラッキングコントローラ202は設計公称トラッキング性能を回復する。
開示されるMIMO制約コントローラは、所望の目的を達成するための明示的な設計ハンドルを含む。具体的にはこれらの設計パラメータは以下のものを含む。
(1)各制約出力に対する予測時間又は指標/予期の量。より高速な動特性を有する制約に対してはより多くの予測/指標を用いることができ、最小/最大限界を超える一時的な違反に対してはより小さな許容範囲を用いることができる。
(2)予測制約出力を最小/最大限界に対して評価するための許容範囲及びヒステレシス帯域。許容範囲及びヒステリシス帯域を増大させて、ノイズ及びチャタリング/アクティブ−非アクティブモード競合の影響に対処することができる。
(3)特定の被制御出力の性能を他と比較して優先順位付けするための重み付け行列R。より重要な制御出力yに対してはより大きな重みRiiが用いられ、この制御出力のトラッキング性能は、アクティブな制約がある状態で重要性が低い出力と比較して優先的に保持される必要がある。
(4)他と比較してより重大な制約の実現に優先順位付けするための重み付け行列Q。より重大な制約出力Y及びその最小/最大限界に対してより大きな重み付けQiiを用いて、他の重大性の低い制約と比べてこのより重大な制約をより厳しく優先的に実現する。Qiiの相対的大きさは、mよりも多い数の矛盾する制約が同時にアクティブになり、同時に全ては満たすことができない場合にのみ関係してくる。
理解されるように、開示されるMIMO制約コントローラ設計は、入力又は出力制約に対する既存のSISO制約処理手法に対して有意な利点を提供する。例えばこれは、入力及び出力制約の両方を共に同時に処理するための統合フレームワークを提供する。同様に、積分動作を有するMIMO制御システムにおいて多変数アンチワインドアップ保護を提供し、全ての不飽和アクチュエータの協働を保持すると同時に、飽和アクチュエータに関する最小/最大限界を実現する。
これに加えて、制約コントローラは、全ての利用可能な制御アクチュエータを同時に用いて、複数の入力及び出力制約の同時実現を可能にする。このように、コントローラは、SISOシステム、或いは主要な制御出力及び全ての制約出力に影響を与える支配的制御アクチュエータを事前決定することが可能であるMIMOシステムに限定されない。全ての制御アクチュエータ及びこれらの多変数相互作用を同時に用いることによって、入力/出力制約を実現する作用を利用可能な(不飽和の)アクチュエータ全体に及ぼすことにより、あらゆる特定の被制御出力トラッキング性能に対する影響を最小限にする。対照的に、SISO選択ベースの手法は、制限を加える1つの制約を実現する時に、主要な制御出力に関するトラッキング性能を完全に犠牲にする。
更に、修正された「ロバストな」DI手法は、正方/非正方システムであるか否かに関係なく、現在識別されるアクティブな制約サブセットについての制御動作の算出を可能にする。また、標準DI手法とは異なり、安定性は、可安定性の脆弱な仮定に基づき非最小限位相システムに対しても保証される。
重み付け行列Q及びRは、重要な制御出力を優先順位付ける明示的手段を提供し、この制御出力の公称トラッキング性能は、アクティブな制約が存在するにもかかわらず、プロセスの動的物理特性によって可能な限り維持される必要がある。同様に、過剰な数の矛盾する制約が同時にアクティブになった場合に、重大な制約は重大性の低い制約よりも高く優先順位付けすることができる。
最後に、図2に示す提案されたMIMO制約コントローラ210用の制御アーキテクチャに類似して、同様のアーキテクチャ300は、図3に示すように構成することができ、ここでは、MIMO制約コントローラ210は、MIMOトラッキングコントローラから得られる基準値
Figure 0005032855
に加えて、制御アクチュエータ速度
Figure 0005032855
における更なる変化を算出し、アクティブな入力/出力制約を実現するように設計することができる。このアーキテクチャ300におけるMIMO制約コントローラ210の実装は、目的関数の最小化を伴う。
Figure 0005032855
この式では、重み付け行列Rは算出された制御動作、すなわち
Figure 0005032855
に適用され、ここでuは制御アクチュエータを示す。このように、被制御出力のトラッキング性能に関する結果として得られる影響は、この重み付け行列に明示的には結び付けられず、この重み付け行列の設計/調整して被制御出力トラッキング性能の望ましい優先順位付けを行うことはより困難である。この制限を考慮すると、MIMO制約コントローラから参照修正値Δrを算出する前述の手法の方が好ましい。
上記に照らした結果、本方法の実施形態は、これらのプロセスを実施するためのコンピュータ又はコントローラに実装されたプロセス及び装置の形態を取ることができる。同様に本開示は、フレキシブルディスク、CD−ROM、ハードドライブ、又は他のなんらかのコンピュータ読取り可能記憶媒体等の有形媒体内に具現化された命令を含むコンピュータプログラムコードの形態で具現化することができ、コンピュータプログラムコードがコンピュータ又はコントローラにロードされ、これらによって実行された場合には、このコンピュータは本発明を実施する装置となる。また本開示は、例えば、記憶媒体に格納された、又はコンピュータもしくはコントローラ内にロードされ及び/又はこれらによって実行された、或いは電気配線又はケーブル、光ファイバー、又は電磁気放射等のなんらかの伝送媒体を介して伝送されたコンピュータプログラムコード又は信号の形態で具現化することができ、ここで、このコンピュータプログラムコードがコンピュータにロードされ、このコンピュータによって実行された場合には、このコンピュータは本発明を実施するための装置となる。汎用マイクロプロセッサ上に実装された場合には、このコンピュータプログラムコードセグメントは、特定論理回路を生成するようにこのマイクロプロセッサを構成する。実行可能な命令の技術的作用は、上記に説明され、図2及び3に示す例示的方法を実装することである。
本発明を好ましい実施形態を参照しながら説明してきたが、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更を加えることができ、本発明の要素を均等物で置き換えることができることは当業者には明らかであろう。更に、特定の状況又は材料を本発明の教示に対して適合させるために、本発明の本質的範囲から逸脱することなく多くの修正を加えることができる。従って本発明は、本発明を実施するために企図された最良の態様として開示された特定の実施形態に限定されるものではなく、添付の請求項の範囲内に入る全ての実施形態を含むものとする。
出力制約を有するSISOシステムにおける既存の制御技術の総合アーキテクチャを例示する概略ブロック図。 本発明の実施形態による入力及び出力制約を有するMIMOシステムにおけるMIMO制御設計の総合アーキテクチャの概略的なブロック図。 本発明の実施形態による入力及び出力制約を有するMIMOシステムにおけるMIMO制御設計の総合アーキテクチャの概略的なブロック図。
符号の説明
102 主SISOレギュレータ
104 個々のSISOレギュレータ
106 選択ロジック
108 共通積分器
110 プロセス(SISOシステム)
200 総合アーキテクチャ
202 コントローラ
204 積分動作
206 MIMOプロセス(プラント)
208 閉ループMIMOシステム
210 MIMO制約コントローラ
300 アーキテクチャ

Claims (5)

  1. 複数の入力及び出力制約を有する複数入力複数出力(MIMO)システム(208)を動的に制御する方法であって、
    入力及び出力制約が無い状態で前記システム(208)の複数の制御参照入力の閉ループトラッキングを実装するようにMIMOトラッキングコントローラ(202)を構成する段階と、
    前記複数の制御参照入力に適用される参照修正値を生成することによって前記MIMOシステム(208)の入力及び出力制約を実現するようにMIMO制約コントローラ(210)を構成する段階と、
    を含み、
    前記MIMO制約コントローラ(210)を構成する段階が、
    現在時間サンプルに対して、前記MIMOトラッキングコントローラ(202)を含むMIMOシステム(208)の結果として得られる閉ループ部分の離散線形化モデルを求める段階と、
    前記線形化モデルを用いて前記現在のサンプル時間に対する所望の未来時間における制約入力及び出力値を予測し、前記予測された値を前記入力及び出力制約のそれぞれの最小値及び最大値と比較して、前記入力及び出力制約のいずれかがアクティブであるか否かを判定するようにする段階と、
    いずれかのアクティブな入力及び出力制約の前記判定に基づいて、ダイナミックインバージョン(DI)技術と線形2次レギュレータ(LQR)を用いて、明示的な解析解により前記参照修正を算出する段階と、
    を更に含む
    方法。
  2. 前記MIMOシステム(208)の閉ループ部分は、前記入力制約によって制限されない積分動作(204)を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記MIMO制約コントローラ(210)は、前記MIMOトラッキングコントローラ(202)によって出力される対応する基準値に適用されることになるアクチュエータ速度の変化を算出するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  4. 複数入力及び出力制約を有する複数入力複数出力(MIMO)システム(208)のための制御アーキテクチャ(200、300)であって、
    入力及び出力制約の無い状態で前記システム(208)の複数の制御参照入力の閉ループトラッキングを実装するように構成されたMIMOトラッキングコントローラ(202)と、
    前記複数の制御参照入力に適用される参照修正値を生成することによって前記入力及び出力制約を実現するように構成されたMIMO制約コントローラ(210)と、
    を備え、
    前記MIMO制約コントローラ(210)は、
    現在時間サンプルに対して前記MIMOトラッキングコントローラ(202)を含む前記MIMOシステム(208)の結果として得られる閉ループ部分の離散線形化モデルを利用し、
    前記線形化モデルを用いて前記現在のサンプル時間に対する所望の未来時間における制約入力及び出力値を予測し、前記予測された値を前記入力及び出力制約のそれぞれの最小値及び最大値と比較して、前記入力及び出力制約のいずれかがアクティブであるか否かを判定し、
    いずれかのアクティブ入力及び出力制約の判定に基づいて、ダイナミックインバージョン(DI)技術と線形2次レギュレータ(LQR)とを用いて、明示的な解析解により前記参照修正値を算出する、
    ように構成されていること
    を特徴とする制御アーキテクチャ(200、300)。
  5. 前記MIMOシステム(208)の閉ループ部分は、前記入力制約によって制限されない積分動作(204)を含むことを特徴とする請求項4に記載の方法。
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