JP5029951B2 - 高流動コンクリート用材料の包装体と、その包装体の製造方法、並びに高流動コンクリートの製造方法 - Google Patents

高流動コンクリート用材料の包装体と、その包装体の製造方法、並びに高流動コンクリートの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、高流動コンクリートを調製するための高流動コンクリート用材料を包装した包装体と、そのような包装体を製造する製造方法、並びにそのような包装体で包装された高流動コンクリート用材料を用いて高流動コンクリートを製造する方法に関する。
高流動コンクリートは、高い流動性と適度な分離抵抗性とを併せ持った充填性に優れたコンクリートのことであり、多様な用途へとその使用が普及しつつある。かかる高流動コンクリートは、生コンクリート工場におけるコンクリート原料の充分な品質管理や配合のノウハウ等に基づき、熟練した技術者によって製造されているものであり、そのような品質管理等を行うことによって初めて良好なフレッシュ性状の高流動コンクリートが得られることとなる。
このような高流動コンクリートは、高い流動性と適度な分離抵抗性とを併せ持つ特性を有する反面、その高い流動性等の品質を維持するのは必ずしも容易ではなく、従って生コンクリート工場においては、常に高流動コンクリートの性状維持に注力されている。
このような高流動コンクリートの性状維持の観点から、たとえば下記特許文献1のような発明がなされている。この特許文献1に係る発明は、「微粒分の除去された細骨材と、最大粒径が0.6mmであり且つ粒径0.3mm以下の粒子を90重量%以上含んでなる微粉と、結合材とを含むセメント組成物が、乾燥状態で容器内に収容されてなる高流動コンクリート用パック材料を、粗骨材及び水と混ぜる」ことを特徴とするものである。
当該特許文献1の明細書の段落[0005]には、「コンクリート原料の中でも細骨材の品質は高流動コンクリートのフレッシュ性状に大きな影響を及ぼし、粒度分布や含水量がその大きな要因であると考えられている」ことが記載され、さらに「高流動コンクリートを運搬するのが困難な山岳地帯の工事現場や、高流動コンクリートの使用量が少なく生コンクリート工場から調達する程ではないような工事現場の場合には、その工事現場で高流動コンクリートを製造することが必要となり、そのような工事現場へは、
セメント等の粉末原料は紙製の袋などの容器に収容された状態で搬入されるが、細骨材等は重機によりバラ積みの状態で搬入され、セメント原料の品質管理を充分に行うことが容易ではなく、フレッシュ性状の良好な高流動コンクリートを安定して製造することが困難となる。」という問題点が記載されている。
この特許文献1に係る発明は、上述のように細骨材の品質、特にその微粒成分が高流動コンクリートのフレッシュ性状に大きな影響を及ぼす点に着目し、高流動コンクリートのパック材料の成分に細骨材を含めるとともに、その細骨材から微粒成分を除去することとしたものである。
ところが、高流動コンクリートの性状、品質は、現実には上記のような細骨材以外の要因によっても変動しうる。たとえば下記特許文献2に係る発明は、高強度コンクリートや高流動コンクリート等の高性能コンクリートの流動性の変動や経時的低下を小さくすることができるコンクリートの製造方法に関するもので、当該特許文献2の明細書の段落[0003]には、使用するセメントのロットや製造工場の違いによるわずかな品質のばらつき等によっても、コンクリートの流動性と流動性保持能力が変動を生じやすくなる」ことが記載されている。
この特許文献2に係る発明は、このようなセメントのロットや製造工場の違いによる品質のばらつき等が、特にポリカルボン酸系減水剤を用いたコンクリート材料に生じ易い点に鑑み、「コンクリートに対する流動性の保持能力が異なるポリカルボン酸系減水剤を2種以上使用する」ことを特徴とするものである。
しかし、このように減水剤等の混和剤の種類を調整するのみでは改善効果に限界があり、またこのようにポリカルボン酸系減水剤を2種以上使用する場合、コンクリートのコストアップを招くことにもなる可能性がある。
また、上記各特許文献に記載の方法のように細骨材や減水剤等の材料構成を工夫し、フレッシュ性状の変動幅を小さくすることによって、高流動コンクリートを得ることは可能ではあるものの、そのような高流動コンクリートを工事現場で製造する場合に、製造時における品質管理を容易にするまでには至らない。すなわち、上記のような高性能コンクリートの流動性等の品質の変動は、細骨材の微粒成分やセメントの製造ロット等の構成材料の要因のみならず、たとえば施工現場での気温の変化によっても生じうるので施工現場では、気温の変化や製造ロットの違いに伴って、必要な減水剤等の混和剤の量を変えながら、いわゆる試し練りを所定のバッチ数行うことがなされており、それによって、必要な混和剤の添加量を定めた上で、施工が行われていた。
しかしながら、このような試し練りによって不採用となったコンクリート材料は廃棄されるので、準備されたコンクリート材料にロスが生じることとなる。また、このような試し練りを行うこと自体、手間がかかり、作業効率を低減させることとなる。
特許第3809427号公報 特開2004−10432号公報
本発明は、以上のような問題点をすべて解決するためになされたもので、上記のような施工現場での試し練り等の手間のかかる作業を不要とし、それによって試し練りされた不採用のコンクリート材料の廃棄等のロスをなくし、且つ施工時の気温の変化や製造ロットの変更等に依存することなく必要な混和剤の添加量が容易に調整されうるような、高流動コンクリート用材料の包装体と、そのような包装体の製造方法、並びに高流動コンクリートの製造方法を提供することを課題とする。
本発明は、このような課題を解決するために、高流動コンクリート用材料の包装体と、そのような包装体の製造方法、並びに高流動コンクリートの製造方法としてなされたもので、高流動コンクリート用材料の包装体としての特徴は、施工時に混和剤が添加される高流動コンクリート用材料としてのセメント組成物が乾燥状態で包装材に包装された高流動コンクリート用材料の包装体であって、複数の温度水準において、前記包装材に包装されたセメント組成物を含むコンクリート材料の配合を一定にしつつ前記混和剤の量のみを変化させて、目標となるスランプフローを得るために、予め前記複数の温度水準において求められた必要混和剤添加量を少なくとも含む試験練りの結果情報が具備されていることである。
また、高流動コンクリート用材料の包装体の製造方法としての特徴は、施工時に混和剤が添加される高流動コンクリート用材料としてのセメント組成物を乾燥状態で包装材に包装して製造する高流動コンクリート用材料の包装体の製造方法であって、前記セメント組成物を前記包装材に包装する前に、該セメント組成物を含むコンクリート材料の配合を一定にしつつ前記混和剤の量のみを変化させて、目標となるスランプフローを得るために、複数の温度水準において必要混和剤添加量を求めるべく、予め試験練りを行い、前記複数の温度水準に対応する必要混和剤添加量を少なくとも含む試験練りの結果情報を具備させて製造することである。
さらに、高流動コンクリートの製造方法としての特徴は、施工時に混和剤が添加される高流動コンクリート用材料としてのセメント組成物が乾燥状態で包装材に包装された高流動コンクリート用材料の包装体からセメント組成物を取り出し、混和剤を添加して高流動コンクリートを製造する高流動コンクリートの製造方法であって、複数の温度水準において、前記セメント組成物を含むコンクリート材料の配合を一定にしつつ前記混和剤の量のみを変化させて、目標となるスランプフローを得るために、予め前記複数の温度水準において求められた必要混和剤添加量を少なくとも含む、前記高流動コンクリート用材料の包装体に具備された試験練りの結果情報に基づいて、該必要混和剤添加量の混和剤を前記セメント組成物に添加して製造することである。
本発明は、上述のように、包装材に包装されたセメント組成物として、予め複数の温度水準において、前記セメント組成物を含むコンクリート材料の配合を一定にしつつ混和剤の量のみを変化させて、目標となるスランプフローを得るための必要混和剤添加量を求めるべく試験練りがなされたものを用い、且つ前記複数の温度水準に対応する必要混和剤添加量を少なくとも含む試験練りの結果情報が具備されているものであるため、このような包装体を用いて現場で施工する施工業者は、上記のような試験練りの結果情報を用いて、現場での施工時の温度に適した必要混和剤添加量を、施工前に事前に把握することができ、従って、その施工時の温度に適した必要混和剤添加量の混和剤をセメント組成物に添加して施工することができる。
この結果、従来のように現場での試し練り等を行わなくとも、施工される高流動コンクリートの品質を維持することができ、その品質のばらつき等の変動を生じさせることがない。従って、試し練り等の施工現場での手間のかかる作業が不要となり、それに伴いコンクリート材料の廃棄等のロスをなくすことができるという効果がある。
本発明の高流動コンクリート用材料の包装体は、上述のように、施工時に混和剤が添加される高流動コンクリート用材料としてのセメント組成物が乾燥状態で包装材に包装された高流動コンクリート用材料の包装体であって、複数の温度水準において、前記包装材に包装されたセメント組成物を含むコンクリート材料の配合を一定にしつつ前記混和剤の量のみを変化させて、目標となるスランプフローを得るために、予め前記複数の温度水準において求められた必要混和剤添加量を少なくとも含む試験練りの結果情報が具備されているものである。
また、本発明の高流動コンクリート用材料の包装体の製造方法は、上述のように、施工時に混和剤が添加される高流動コンクリート用材料としてのセメント組成物を乾燥状態で包装材に包装して製造する高流動コンクリート用材料の包装体の製造方法であって、前記セメント組成物を前記包装材に包装する前に、該セメント組成物を含むコンクリート材料の配合を一定にしつつ前記混和剤の量のみを変化させて、目標となるスランプフローを得るために、複数の温度水準において必要混和剤添加量を求めるべく、予め試験練りを行い、前記複数の温度水準に対応する必要混和剤添加量を少なくとも含む試験練りの結果情報を具備させて製造する方法である。
さらに、本発明の高流動コンクリートの製造方法は、上述のように製造された包装体を用いるものであり、その包装体からセメント組成物を取り出し、混和剤を添加して高流動コンクリートを製造する高流動コンクリートの製造方法であって、複数の温度水準において、前記セメント組成物を含むコンクリート材料の配合を一定にしつつ前記混和剤の量のみを変化させて、目標となるスランプフローを得るために、予め前記複数の温度水準において求められた必要混和剤添加量を少なくとも含む、前記高流動コンクリート用材料の包装体に具備された試験練りの結果情報に基づいて、該必要混和剤添加量の混和剤を前記セメント組成物に添加して高流動コンクリートを製造方法である。
ここで、「複数の温度水準」とは、セメント組成物についての試験練りのために少なくとも2つ以上設定される温度のことである。セメント組成物の試験練りを行うときの温度水準は、高流動コンクリートを製造する時の現場毎の温度の差に対応する必要があるので、少なくとも2水準を設ける必要がある。
たとえば、低温時として5℃、常温時として20℃の2水準を設けることができる。このように温度水準を複数設けて試験練りを行い、温度変化とスランプフローの変化についての関係を求める。そして、求めた関係に高流動コンクリートを製造する現場の実温度を当てはめることにより、現場の実温度に対応するスランプフローを算出すればよい。すなわち、少なくとも温度水準を2水準設ければ、高流動コンクリートを製造する現場の実温度が当該2水準の温度に合致していない場合であっても、温度変化によるスランプフローの変化を線形的に推定することができるようになり、現場の実温度に対応するスランプフローを算出することが可能となる。
さらに、設ける温度水準を増やすことにより、温度変化によるスランプフローの変化をより精度良く算出することができる。たとえば、5℃と20℃の2水準の間隔を5℃毎に区切り5、10、15、20℃の4水準とすることが可能であり、さらに25℃、30℃の水準を加えて6水準とすることも可能である。
また、「セメント組成物を含むコンクリート材料の配合を一定にしつつ混和剤の量のみを変化させて、目標となるスランプフローを得るための必要混和剤添加量を求めるべく試験練りを行い」とは、セメント組成物(セメント、必要に応じて配合されるセメント混和材、細骨材等を含む粉体材料)、水、必要に応じて配合される粗骨材など、コンクリートの流動性を調整するための混和剤を除いたコンクリート材料の割合を一定とし、混和剤の添加量を変化させて複数水準のフレッシュコンクリート試料を調整し、当該試料についてスランプフローの試験を行うことによって、目標とするスランプフローを得るための混和剤添加量を求めることを意味する。この「目標とするスランプフローを得るための混和剤添加量」が必要混和剤添加量である。たとえば20℃の温度水準で、混和剤添加量を1%、2%、3%、4%、5%と変化させたときのスランプフローがそれぞれ40cm、50cm、60cm、70cm、80cmであって、目標とするスランプフローが60cmの場合には、3%が20℃における必要混和剤添加量となる。この
目標とするスランプフローは、施工温度(たとえば20℃)において最適な流動性を有するスランプフローであるが、予め施工業者が包装体の製造業者に目標とするスランプフロー要求する場合もありうる。
また、「試験練りの結果情報」とは、前記の所定のコンクリート配合の試験練りを行った結果得られる情報であって、たとえば、試験練り条件に関する情報として、用いたコンクリート材料の情報、配合情報、混和剤添加量の水準の情報、試験温度の情報、スランプフローの目標値等が、スランプフローの試験結果の情報として、混和剤添加量の水準毎のスランプフロー結果値、目標スランプフローに対応する混和剤添加量の値等が挙げられる。
尚、上記に例示した当該試験練りの結果情報は、必ずしもこれら全てを含んでいる必要は無く、例えば、本発明の高流動コンクリート用材料の包装体を用いて高流動コンクリートの製造を行う上で必ずしも必要ではない情報や、他の情報から導き出すことができる情報などは省略することができるものである。要は、複数の温度水準に対応する必要混和剤添加量が少なくとも含まれていればよい。
包装体に前記試験練りの結果情報を付す手段としては、たとえば、当該情報を包装体に印字する手段、当該情報を表示した書類を包装体に貼り付ける手段、当該情報を表示した書類を包装体に内包する手段の他、当該情報を納入伝票に表示して高流動コンクリートを製造する者に伝達する手段、包装体に製造番号等の識別情報を付して試験練りの結果情報を包装体の識別情報と共にwebにより公開して高流動コンクリートを製造する者に伝達する手段等も採用することができる。上記のような情報を表示した書類としては、温度と必要混和剤添加量とを表示した試験成績表のようなものが例示される。
高流動コンクリート用材料は、セメント組成物(セメント、必要に応じて配合されるセメント混和材、細骨材等を含む粉体材料)、混和剤、水、必要に応じて配合される粗骨材などにより構成される。
セメント組成物としては、たとえば微粒分の除去された細骨材と、最大粒径が0.6mmであり且つ粒径0.3mm以下の粒子を90重量%以上含んでなる微粉と、結合材とを含んだようなものが用いられる。微粒分を除去する対象となる細骨材としては、JIS規格に規定されたような「10mm網ふるいを全部通り、5mm網ふるいを質量で85%以上通る骨材」という規格を満たす細骨材を使用することが好ましい。
細骨材より微粒分を除去する際には、除去対象とする微粒分の粒径を0.3mm以下に設定することが好ましい。具体的には、JIS規格に基づく目幅が0.3mmのふるいを用いて細骨材のふるい分けを行い、粒径0.3mm以下の微粒分が細骨材全体の5重量%以下となるように、さらには、粒径0.15mm以下の細骨材が0.1重量%以下となるように分級することが好ましい。
また、上述のような細骨材微粒分の除去処理を行えば、細骨材に含まれる付着水の多くが微粒分とともに除去されることとなり、細骨材の含水量の変動を最小限に抑えることができる。従って、微粒分を除去した細骨材を用いてセメント組成物を配合し、高流動コンクリート用材料とすることにより、細骨材の含水量や品質などに影響されることなく、流動性等の性状が安定したコンクリート用の材料となる。
一方、セメント組成物として用いる微粉は、たとえば最大粒径が0.6mmであり且つ粒径0.3mm以下の粒子が90重量%以上となるように調製されたものが用いられる。該微粉は、JIS Z 8801−1に規定された呼び径0.6mmのふるいを全て通過するとともに、同呼び径0.3mmのふるいを90重量%以上の粒子が通過するように調製されたものである。また、該微粉は、細骨材の単位容積を一定にすべく、上述のようにして微粒分を除去した細骨材(本明細書において、「カット砂」ともいう)の一部を置換するようにして前記セメント組成物中に配合することが好ましく、微粒分を除去した細骨材(カット砂)に対して10〜15重量%を置換するように配合することがより好ましい。
微粉の種類としては、石灰石微粉末やフライアッシュ、或いは、細骨材より除去した後、粒度調整して得られた石粉など、泥分を含まない乾燥した微粉を使用することが好ましく、粒度分布の一定した石灰石微粉末がより好ましい。
また、本発明における結合材として使用し得るセメントとしては、普通、早強、超早強、白色、耐硫酸塩、中庸熱、低熱などの各種ポルトランドセメント、該ポルトランドセメントに高炉スラグ、フライアッシュなどを混合した混合セメント、ジェットセメント、アルミナセメントなどの特殊セメント等を挙げることができる。
本発明で用いる高流動コンクリート用材料のセメント組成物の配合としては、前記結合材100重量部に対して前記細骨材が156〜165重量部であり、さらに、該細骨材と前記微粉の合計量に対して前記微粉が10〜15重量%であるもの、即ち、該細骨材のうち10〜15重量%が前記微粉によって置換されたものが好ましい。
尚、本発明において細骨材や微粉の粒径とは、JIS Z 8801−1に規定されたふるいを用いて除去される粒子を、そのふるいの呼び径を用いて言うものとする。従って、例えば、最大粒径が0.6mmとは呼び径が0.6mmのふるいを全て通過するようなもの、粒径0.3mm以下の粒子が90重量%とは、呼び径が0.3mmのふるいを通過する粒子の割合が90重量%のものをいう。
所定のコンクリート配合は、使用するセメント組成物に対して、混和剤の添加量の調整によって所望するスランプフローが得られるような配合であれば任意に設定できる。
たとえば、セメント組成物として、JIS Z8801−1に規定された呼び径0.3mmのふるいを用いて細骨材(鹿児島産陸砂)を篩い分け、粒径0.3mm以下の粒子が5重量%以下となるように調製したもの(以下、これを「カット砂」という)812kgと、石灰石微粉末(秩父石灰工業社製、比表面積3550cm2 /g、最大粒径0.6mm、粒径0.3mm以下の粒子を98重量%含有)106kg(カット砂と石灰石微粉末の合計に対して12重量%)と、普通ポルトランドセメント(住友大阪セメント社製)480kgとを乾燥状態で混合したものを用い、所望するスランプフローが60cmである場合は、セメント組成物1430kg、粗骨材800kg、水160kgと設定する。
尚、コンクリート配合は、上述の例のように使用するセメント組成物に対して少なくとも1配合を設定しておけばよい。また、所望するスランプフローが複数種ある場合等は複数配合を設定することもできる。
試験練りは、上述の所定のコンクリート配合に対し、上述の温度水準毎に行う。試験練りの方法は、一般的に行われている方法で行えばよく、例えば、土木学会規準JSCE−F503−1999に準じて行えばよい。
また、セメント組成物を包装するための包装材については特に限定されるものではない。よって、例えば従来セメント組成物の梱包に使用されているような紙製あるいは樹脂製の袋などを使用することができる。
さらに、工事現場等において、上述のセメント組成物と混合して使用する粗骨材については特に限定するものではないが、高流動コンクリートの品質向上とフレッシュ性状の安定性の観点から、表面水率が0〜1%の粗骨材を用いることが好ましい。
混和剤としては、高流動コンクリートの流動性を向上させ、高流動コンクリートのスランプフローを調整する機能を有するものが用いられ、たとえば減水剤、AE減水剤、高性能減水剤、高性能AE減水剤、流動化剤が挙げられ、特に高性能減水剤、高性能AE減水剤が好ましい。
前記高流動コンクリート用材料を用いて高流動コンクリートを調製する際には、二軸型やパン型の強制練りミキサや、傾胴式(重力式)ミキサを用いることができる。但し、傾胴式ミキサを使用する際には、傾斜角度を75〜90度にした状態で練り混ぜを行うことが好ましい。
このように包装体に付された試験練りの結果情報用いて、現場での施工時の温度に対応した混和剤添加量を、施工前に事前に決定することができるので、従来のように現場での試し練り等を行わなくとも、施工される高流動コンクリートの品質を維持することができ、その品質のばらつき等の変動を生じさせることがない。従って、試し練り等の施工現場での手間のかかる作業が不要となり、それに伴いコンクリート材料の廃棄等のロスをなくすことができる。
以下、本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
本実施例においては、複数の温度水準において、セメント組成物を含むコンクリート材料の配合を一定にしつつ 混和剤の量のみを変化させて、目標となるスランプフローを得るための必要混和剤添加量を求めるために試験練りを行った。
セメント組成物としては、砂(鹿児島産陸砂)56.7kgと、石灰石微粉末(秩父石灰工業社製、比表面積3550cm2/g、最大粒径0.6mm、粒径0.3mm以下の粒子を98重量%含有)8.6kgと、普通ポルトランドセメント(住友大阪セメント社製)11.3kgとを乾燥状態で混合したものを用いた。また、砂利(笠間産砕石)27.3kgと、水5.45kgを用いた。さらに混和剤としては、NMB社製の高性能AE減水剤SP−8Sを用いた。
試験練りのミキサとしては、強制練り二軸ミキサを使用した。温度水準としては、環境温度5℃、10℃、15℃、20℃、25℃、30℃の6種類の温度水準を設定した。環境温度5℃においては空練り15秒、本練り7分とし、環境温度10℃及び15℃においては空練り15秒、本練り6分とし、環境温度20℃においては空練り15秒、本練り5分と、環境温度25℃及び30℃においては空練り15秒、本練り4分とした。
上記6種類の環境温度において、混和剤の添加量を変えて流動性試験を行い、それぞれの添加量におけるスランプフロー値を求めた。試験結果を表1に示す。また表1の結果に基づいて、混和剤の添加量とスランプフロー値との相関関係を図1に示す。
Figure 0005029951
図1より、本実施例のロットの20℃における必要混和剤添加量は、166g/setである。また、環境温度と必要混和剤添加量との相関関係を図2に示す。この場合の必要混和剤添加量は、スランプフロー値67.5mを得るための混和剤量である。図2からも明らかなように、環境温度が低くなるほど必要混和剤添加量が多くなることがわかった。尚、環境温度5℃及び10℃における必要混和剤添加量は、同一の206gであった。
混和剤の添加量とスランプフロー値との相関関係を示すグラフである。 環境温度と必要混和剤添加量との相関関係を示すグラフである。

Claims (3)

  1. 施工時に混和剤が添加される高流動コンクリート用材料としてのセメント組成物が乾燥状態で包装材に包装された高流動コンクリート用材料の包装体であって、複数の温度水準において、前記包装材に包装されたセメント組成物を含むコンクリート材料の配合を一定にしつつ前記混和剤の量のみを変化させて、目標となるスランプフローを得るために、予め前記複数の温度水準において求められた必要混和剤添加量を少なくとも含む試験練りの結果情報が具備されていることを特徴とする高流動コンクリート用材料の包装体。
  2. 施工時に混和剤が添加される高流動コンクリート用材料としてのセメント組成物を乾燥状態で包装材に包装して製造する高流動コンクリート用材料の包装体の製造方法であって、前記セメント組成物を前記包装材に包装する前に、該セメント組成物を含むコンクリート材料の配合を一定にしつつ前記混和剤の量のみを変化させて、目標となるスランプフローを得るために、複数の温度水準において必要混和剤添加量を求めるべく、予め試験練りを行い、前記複数の温度水準に対応する必要混和剤添加量を少なくとも含む試験練りの結果情報を具備させて製造することを特徴とする高流動コンクリート用材料の包装体の製造方法。
  3. 施工時に混和剤が添加される高流動コンクリート用材料としてのセメント組成物が乾燥状態で包装材に包装された高流動コンクリート用材料の包装体からセメント組成物を取り出し、混和剤を添加して高流動コンクリートを製造する高流動コンクリートの製造方法であって、複数の温度水準において、前記セメント組成物を含むコンクリート材料の配合を一定にしつつ前記混和剤の量のみを変化させて、目標となるスランプフローを得るために、予め前記複数の温度水準において求められた必要混和剤添加量を少なくとも含む、前記高流動コンクリート用材料の包装体に具備された試験練りの結果情報に基づいて、該必要混和剤添加量の混和剤を前記セメント組成物に添加して製造することを特徴とする高流動コンクリートの製造方法。
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