JP5028648B2 - ブランク処理装置 - Google Patents

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本発明は、例えば紙にポリエチレン樹脂がラミネートされた積層シートからなるブランクに加熱処理等の処理を施すブランク処理装置に関する。
食品や飲料等を収容する容器として、扇形状のサイドブランクと、円形状のボトムブランクとの所定箇所が接着されて組み付けられ、円形の底部材と筒状の胴部材とから構成されるカップ容器が知られている。
このようなカップ容器を成型するブランク処理装置としての容器成型装置では、紙にポリエチレン等の樹脂がラミネートされて構成された積層シートからなるサイドブランクやボトムブランクが回転テーブルに保持され、所定の搬送経路に沿って搬送されるとともに、この経路に沿って設けられたヒータ機構等の処理部にいいて所定の処理が施される(例えば、特許文献1参照)。
ブランクが回転テーブルの把持部に把持されるとともにブランク支持部に載置された状態で、上方に設けられたヒータ機構によりホットエアが吹き付けられ、加熱対象部位のポリエチレンが溶融し接着可能となる。加熱対象部位は、例えば、扇形状のサイドブランクの下端縁部分と一方の側縁部分を含むL字状に構成された部位であり、サイドブランクの側縁同士が接着されるとともに下縁部分とボトムブランクの周縁とが接着され、立体形状のカップ部材が組み立てられる。図7に示すように、通常、ブランク支持部200は、複数の金属管201が、互いに所定の間隔をあけて並列配置されて構成されている。これらの金属配管の上方にサイドブランクが載置され、支持されている。
特開平7−223683号公報
しかしながら、上述したブランク処理装置においては、次のような事情があった。すなわち、所定の間隔をあけて並列された金属管で成る支持部では、ブランクの下面のうち支持される部分と支持されない部分とが生じる。したがって、ホットエアが吹き付けられる圧力により支持されていない部分のブランクが撓みやすく、ブランクが変形する原因となる。したがって、加熱対象部位を精度よく加熱することが困難である。
そこで、本発明は、加熱対象部位を精度よく加熱することができるブランク処理装置を提供することを目的とする。
本発明の一形態は、シート材からなるブランクの一方の主面の加熱対象部位にホットエアを吹き付けて加熱するヒータ機構と、前記ブランクの他方の主面側を支持する板状のブランク支持部と、を備え、前記ブランク支持部はその内部に冷却水が流通する通路が形成され、前記通路は、前記加熱対象部位から離れて配置されていることを特徴とする。
本発明の他の一形態は、前記ブランク支持部に対向して配され前記ブランクが水平となるように前記ブランクの一方側の端縁を保持する保持機構を備え、前記ヒート機構は保持された前記ブランクの前記加熱対象部位の上方に配置され、前記支持部は前記ブランクの下方であって、前記加熱対象部位の直下から離れて配置されて前記ブランクの他方側における下面を支持することを特徴とする。
本発明の他の一形態は、前記ブランク支持部は、少なくとも前記ブランクを支持する際に前記ブランクに接触する面がフッ素樹脂を含む材料で構成されていることを特徴とする。
本発明は、上記構成により、ブランクの加熱対象部位を精度よく加熱することが可能となる。
以下、本発明の一実施形態にかかるブランク処理装置としての容器成型装置1について、図1乃至図7を参照して説明する。なお、各図における矢印X、Y、Zは互いに直交する三方向を示す。
容器成型装置1は、複数の処理ステーションを備え、例えば、紙を主体とする積層シート101(シート材)からなる扇形状のサイドブランク102(ブランク)と、同様の積層シート101からなる円形状のボトムブランク103とを組み付け、図8に示すような、上方に向けてやや開いた略筒状の胴部材104と、円形状のボトムブランク103の周縁部103aを下向きに折り曲げることにより起立させた底部材105とからなるカップ容器100を成型する。積層シート101は、例えば紙にポリエチレン樹脂をラミネートしたものである。
容器成型装置1は、サイドブランク102に予熱等の所定処理を施す第1処理ステーション10と、サイドブランク102を円筒状に成型するとともにボトムブランク103と組み付ける第2処理ステーション60と、これらが組みつけられて立体成型されたカップ部材106の端部を処理する第3処理ステーション80と、第1処理ステーション10にサイドブランク102を供給するサイドブランク供給部40(ブランク供給装置)と、第2処理ステーション60にボトムブランク103を供給するボトムブランク供給部50と、第3処理ステーション80で所定の処理がなされたカップ部材106を受けるスタッキング部90と、を備えて構成されている。
容器成型装置1のサイドブランク102の搬送方向に沿って、上流側から、サイドブランク供給部40、第1処理ステーション10、第2処理ステーション60、第3処理ステーション80、スタッキング部90、の順で配置されている。第1乃至第3処理ステーション10,60、80は、ブランク102,103やカップ部材106を保持した状態で回転テーブル11,61,81を間欠的に回転運動させることにより、その外周方向に沿ってこれらを搬送する機能を有する。なお、サイドブランク供給部40側における回転方向は矢印Yに沿う方向となり、接離方向すなわちテーブル45の矢印Xに沿う移動方向と交差する方向となる。ボトムブランク供給部50は、第2処理ステーション60の近傍に設けられている。
サイドブランク供給部40は、積層シート101が打ち抜き加工等により上辺及び下辺が湾曲した扇形状の四角形に形成されてなるサイドブランク102が複数枚ストックされるブランクストック部41と、第1処理ステーション10に対して接離方向に矢印Xに沿って移動可能な四角形状の供給ステージ42と、ブランクストック部41のサイドブランク102を上方から一枚ずつ所定のタイミングで供給ステージ42へ載置するブランクフィード部43とを備えて構成されている。所定箇所にサイドブランク102が載置された状態で供給ステージ42が第1処理ステーションに近接することによりサイドブランク102が第1処理ステーション10に供給される。
第1処理ステーション10は図中矢印R1で示す反時計回りに回転する円形状の回転テーブル11と、この回転テーブル11を回転させる駆動機構(不図示)12と、回転テーブル11に、その外周に沿って複数設けられサイドブランク102を回転テーブル11に把持固定する複数の把持機構13と、を備えている。また、第1処理ステーション10は、回転テーブル11の外周に沿って左側端部から回転方向R1下流側に向かって順番に、把持ステージ14、第1及び第2のヒーティングステージ15、16、及びシールステージ17を備えている。
第1及び第2のヒーティングステージ15,16は、サイドブランク102の上方に配される第1及び第2のプレヒータ機構20,20(ヒータ機構)と、サイドブランク102の下方を支持する支持機構21を備えている。なお、図1においてはプレヒータ機構20,20を省略して示す。
プレヒータ機構20は、サイドブランク102の所定箇所にホットエアを吹きつけることにより、図4等に示すサイドブランク102の所定の加熱対象部位Aを、例えば300℃〜400℃に加熱し、塗布されたポリエチレン樹脂を溶融させる。加熱対象部位Aは、例えば、サイドブランク102の両側縁102aと、下縁102b含むコ字状を成す。例えば、側縁102aは一列のノズル孔24aで加熱し、下縁102b近傍は2列のノズル孔24aで加熱される。
2つのプレヒータ機構20は、複数のヒータ本体23と、加熱対象部位Aに沿って複数並列形成され、側縁102aに対向する一列及び下縁102bに対抗する2列のノズル孔24aを有するノズル部24を備えている。ノズル孔24aは加熱対象部位Aの直上に配置され、ヒータ本体23から排出されるホットエアは、ノズル部24のノズル孔24aを通って下方のサイドブランク102の加熱対象部位Aに吹き付けられる。したがって加熱対象部位Aは102aにおいては一列、下縁102bにおいては2列で構成される。
図3に示すように、支持機構21は、把持機構13に湾曲の内側端部が把持された扇形状のサイドブランク102の、中央部分102cと湾曲外側の部分102dを載置可能な、扇形の板状のブランク支持部材25を備えている。
サイドブランク102が把持機構13に把持された状態において、ブランク支持部材25の側縁部は、サイドブランク102の側縁102aから、例えば1.5mm〜7mm程度、離れて位置している。本実施形態では、好適な一例として、3mm離間している。また、ブランク支持部材25の湾曲内側の端縁は、サイドブランク102の湾曲内側の下縁102bから、例えば1.5mm〜7mm程度、離れて位置している。本実施形態では、好適な一例として、3mm離間している。すなわち、支持部材25は、ホットエアが吹き付けられる加熱対象部位Aの直下よりも内側に位置して配置され、サイドブランク102のうち側縁102a、下縁102bを含む加熱対象部位Aの直下はブランク支持部材25に支持されていない。
ブランク支持部材25はフッ素樹脂を含む材料で構成されている。ブランク支持部材25の内部であって、加熱対象部位Aに近い周縁部分に、通路27が形成されている。通路27は、扇形状のブランク支持部材25の両側部の側縁部分25aと湾曲内側縁部分25bに設けられている。この通路27の一端側27aから他端側27bに向かって通路部内側において25℃程度の冷却水が流れることにより、加熱対象部位A以外のサイドブランク102の表面やブランク支持部材25が冷却される。
回転テーブル11の回転により、サイドブランク供給部40から供給されて把持機構13に把持されたサイドブランク102が、回転テーブル11の外周に沿って矢印R1方向に搬送されるとともに、それぞれの処理ステージにおいて、ヒーティング工程、シール工程がそれぞれ行われる。シールされて立体的に組み合わされたカップ部材106はマンドレル63に保持されて第2処理ステーション60に移動する。
第2処理ステーション60は、図中矢印R2で示す時計回りに回転する円形状の回転テーブル61と、この回転テーブル61を回転させる駆動機構(不図示)62と、回転テーブル61の外周に沿って設けられ回転テーブル61の外周から外側方向に突出して延びる複数の保持部としてのマンドレル63を備えている。
第2処理ステーション60は、左端の第1処理ステーション10近傍から、回転テーブル61の外周に沿って回転方向下流側に向かって順番に、シールステージ17、インカールステージ64、ローレットステージ65、エアシュータステージ66を備えている。シールステージ17よりも回転方向上流側であって図1中下方側にはボトムブランク保持ステージ68が設けられている。このボトムブランク保持ステージ68の近傍に、ボトムブランク供給部50が設けられている。
マンドレル63は図示しない吸着機構を備え、ボトムブランク保持ステージ68においてはボトムブランク供給部50から供給されたボトムブランク103を吸着保持し、シールステージ17においては巻きつけられたサイドブランク102を保持し、さらにシールステージ17よりも下流においてはサイドブランク102とボトムブランク103が組み合わされたカップ部材106を保持するとともに、回転テーブル61の回転に伴ってこれらを搬送する。
インカールステージ64には、マンドレル63の先端部に位置するサイドブランク102の下端縁部をボトムブランク103の周縁の内側に巻き込むインカール機構69が設けられている。ローレットステージ65には、インカールステージ64で巻き込まれたサイドブランク102の下縁部分をかしめるローレット機構71が設けられている。エアシュータステージ66では、エアシュータ72でエアーを吹き付けることによりマンドレル63からカップ部材106を外周方向に配置された第3処理ステーション80に送る。
第3処理ステーション80は図中矢印R3で示す時計回りに回転する円形状の回転テーブル81と、この回転テーブル81を回転させる駆動機構(不図示)と、円形の回転テーブル81にカップ部材106を起立状態で保持する起立保持機構83とを備えている。また、第3処理ステーション80は、回転テーブル81の外周に沿って左側端部から回転方向下流側に向かって順番に、塗布ステージ84、プレカールステージ85、フィニッシュカールステージ86を備えている。
塗布ステージ84には、カップ部材106に、加工性及びスリップ性を向上する流動パラフィンを塗布する塗布機構87が設けられている。プレカールステージ85には、カップ部材106のトップ部をカールさせるプレカール機構88が設けられている。フィニッシュカールステージ86には、プレカールステージ85でカールされたトップ部をさらにかしめるフィニッシュカール機構89が設けられている。
このように構成された容器成型装置1では、まずブランクストック部41に置かれサイドブランク102を一枚ずつ上方から供給ステージ42に載置する。このとき、供給ステージ42に設けられた位置決めピンによりサイドブランク102の位置が規制される。ブランクが所定位置に載置されると、供給ステージ42が第1処理ステーション10に向かって図中X方向に移動する。このX方向の移動により第1処理ステーション10の把持ステージにサイドブランク102が供給されると、サイドブランク102が把持機構で把持される。
ついで、サイドブランク102が把持機構で把持された状態で、回転テーブルが回転駆動されることにより、サイドブランク102が下流の第1及び第2のヒーティングステージへ順次搬送される。
第1及び第2のヒーティングステージ15,16において、プレヒータ機構20,20により加熱対象部位Aが加熱される。すなわち、ヒータ本体23から排出されるホットエアが、ノズル孔24aから下方のサイドブランク102の加熱対象部位Aに吹き付けられ、加熱対象部位Aを300℃〜400℃に加熱し、表面に塗工されたポリエチレン樹脂を溶融する。
ここで、支持機構21のブランク支持部材25はノズル孔24aの直下には設けられていないため、ホットエアによる熱がブランク支持部材25へ伝達することが妨げられる。さらに支持部材25内部には冷却水が流れているためサイドブランク102の加熱対象部位A以外の部分やブランク支持部材25が冷却され、加熱対象部位Aのみを効率よく加熱できる。
ヒート工程の終了後、回転テーブル11の回転により、ポリエチレンが溶融した状態のサイドブランク102がさらに下流のシールステージ17に搬送される。
一方、ボトムブランク供給部50では、円形のシート材の周縁部を下向きに折り曲げることにより起立して構成されたボトムブランク103が、一枚ずつマンドレル63に供給される。ボトムブランク103がマンドレル63に吸着保持された状態で、回転テーブルが回転し、ボトムブランク103付のマンドレル63がシールステージ17へ搬送される。
このシールステージ17では、第1処理ステーション10でプレヒートされたサイドブランク102が、第2処理ステーション60のマンドレル63に巻きつけられ、金型によりサイドブランク102の下縁とボトムブランク103の周縁とが接着されるとともに、サイドブランク102の両側縁同士接着される。以上により、サイドブランク102とボトムブランク103とがカップ状に一体に立体成型される。
シールステージ17でカップ状に成型されたカップ部材106は、回転テーブル61の回転により下流のインカールステージ64へ送られる。ここでは、インカール機構69により、ボトムブランク103の周縁部を覆うようにしてサイドブランク102の下周縁部が内方に折り曲げられる。
インカール工程後のカップ部材106は、回転テーブル61の回転でさらに下流側のローレットステージ65へ送られる。ここでは、ローレット機構71により、内側に折り込まれたサイドブランク102の下縁端部102bと、ボトムブランク103の周縁部103aがかしめられ、所定の強度を有する環状脚部が形成される。
回転テーブル61の回転によりカップ部材106がさらに下流へ送られ、エアシュータ72により第3処理ステーション80へ搬送され、起立した状態で保持される。
第3処理ステーション80の回転テーブル81の回転により、カップ部材106は塗布ステージ84へ送られる。ここで、塗布機構87により流動パラフィンが塗布される塗布処理が行われる。
ついで、回転テーブル81の回転によりカップ部材106がプレカールステージ85に送られ、プレカール機構88により、カップ部材106の上端口縁のトップ部分102dが外方に巻き込まれるプレカール処理がされる。さらに下流側のフィニッシュカールステージ86に送られ、トップ部分102dがかしめられ、所定の強度を有する口縁部が形成される。容器成型装置1では上記のようにして例えば毎分120個の図7に示すカップ容器100が成型される。
本実施形態にかかる容器成型装置1及びブランク供給部は以下に掲げる効果を奏する。
すなわち、ブランク支持部材25は板状であってサイドブランク102を面で支えることにより、サイドブランク102の下面全体が均一に支持されるため、ホットエアの圧力によるサイドブランク102の変形を防ぐことができる。このため所望の加熱対象部位Aに正確にホットエアを吹き付けることができる。
また、内部に冷却用の通路27が形成された構成とするため、加熱対象部位A以外の部分が必要以上に加熱されるのを防ぐことができる。
さらにブランク支持部材25は加熱対象部位Aやノズル孔24aの直下を避けて配置されているためブランク支持部材25が必要以上に加熱されるのを防ぐことができる。
なお、上記実施形態ではブランク処理装置として扇形のサイドブランク102と円形のボトムブランク103を組み合わせてカップを成型する容器成型装置1を例示したが、これに限られるものではなく他の成形品、成型装置にも適用できる。
なお本発明を実施するにあたり、格構成部材の具体的な形状や各種フレーム部材の断面形状など本発明の構成要素を発明の要旨を逸脱しない範囲で種々に変更して実施できることは言うまでもない。この他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能であるのは勿論である。
本発明の実施形態にかかる容器成型装置の構成を示す平面図。 同容器成型装置のヒーティングステージを示す断面図。 同ヒーティングステージの支持機構示す平面図。 同支持機構を拡大して示す平面図。 同ヒーティングステージの支持機構を示す側面図。 本発明の実施形態にかかる容器成型装置で成型されたカップ容器を一部切欠して示す斜視図。 支持機構の一例を示す平面図。
符号の説明
A…加熱対象部位、1…容器成型装置、13…把持機構、20…プレヒータ機構、
21…支持機構、23…ヒータ本体、24a…ノズル孔、24…ノズル部、
25…ブランク支持部材、27…通路、102…サイドブランク。

Claims (3)

  1. シート材からなるブランクの一方の主面の加熱対象部位にホットエアを吹き付けて加熱するヒータ機構と、
    前記ブランクの他方の主面側を支持する板状のブランク支持部と、
    を備え、
    前記ブランク支持部はその内部に冷却水が流通する通路が形成され、
    前記通路は、前記加熱対象部位から離れて配置されていることを特徴とするブランク処理装置。
  2. 前記ブランク支持部に対向して配され前記ブランクが水平となるように前記ブランクの一方側の端縁を保持する保持機構を備え、
    前記ヒート機構は保持された前記ブランクの前記加熱対象部位の上方に配置され、
    前記支持部は前記ブランクの下方であって、前記加熱対象部位の直下から離れて配置されて前記ブランクの他方側における下面を支持することを特徴とする請求項1記載のブランク処理装置。
  3. 前記ブランク支持部は、少なくとも前記ブランクを支持する際に前記ブランクに接触する面がフッ素樹脂を含む材料で構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のブランク処理装置。
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