JP5027206B2 - 加硫成形方法およびその加硫機 - Google Patents

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Description

本発明は、生タイヤを加硫成型する加硫成形方法およびその加硫機に関するものである。
従来、例えばブラダ方式の加硫機においては、生タイヤをモールドの型締めによりモールド内に装填した後、タイヤ穴に挿入されたブラダ内に高温、高圧の窒素ガスを供給し、ブラダを伸展させてタイヤ内壁面に密接させる。そして、生タイヤ内(ブラダ内)の窒素ガスを撹拌機構により撹拌しながら、撹拌径路中に配置されたヒーターで窒素ガスを加熱することによって、ブラダを介して生タイヤを加硫温度で加熱しながらモールド方向に押圧し、加硫成形を行うようになっている(例えば特許文献1参照)。
特開平7−329066号公報
ところで、窒素ガスを短時間で加硫温度にまで昇温させるためには、窒素ガスに対して高い熱交換率で熱量が付与されるように、撹拌される窒素ガスをヒーターに対して高速で流動させることが望ましい。しかしながら、上記従来のように、撹拌径路中に配置されたヒーターにより窒素ガスを加熱する構成では、窒素ガスが撹拌途中で流速を低下させた後にヒーターに到達するため、十分に高い熱交換率で窒素ガスを加熱することが困難である。従って、例えば撹拌機構による撹拌能力を増大させることによって、窒素ガスの流速を高めることにより流速の低下分を補う方法が考えられるが、この場合には、撹拌機構を作動させるランニングコストの高騰や大型化を招来するという問題が生じる。また、ヒーターと窒素ガスの接触面積を大きくするようにヒーター径を大きくしたり、フィンを取り付けたりすることも考えられるが、ヒーターの熱容量も大きくなり、十分な効果は得られない。
本発明は上記問題を鑑みなされたものであって、その目的とするところは、ランニングコストの高騰および大型化を招来することなく窒素ガスである加熱加圧媒体を高い熱交換率で加熱することができる加硫成形方法およびその加硫機を提供することである。
課題を解決するための手段及び効果
本発明の加硫機は、生タイヤを着脱可能に収容するモールド手段と、前記生タイヤを前記モールド手段に押圧しながら加熱することにより該生タイヤを加硫成形する加熱加圧媒体を前記生タイヤに対して供給可能に収容しながら予備加熱する媒体収容手段と、前記加硫成形後に排気される加熱加圧媒体の圧力エネルギーを利用して該加熱加圧媒体の高温成分を取り出す温熱冷熱分離手段と、前記媒体収容手段に補給される加熱加圧媒体を前記高温成分により熱交換して加熱する熱交換器と、を有することを特徴とする。
本発明の加硫機によると、前記加硫成形後に排気される加熱加圧媒体の高温成分を加熱加圧媒体の予備加熱に利用することができるため、熱利用効率を向上することができる。
本発明の加硫機において、前記媒体収容手段には、前記加熱加圧媒体を断熱圧縮する断熱圧縮手段が設けられていることが好ましい。
本発明の加硫機によると、予備加熱時・加硫成形初期時において、断熱圧縮手段により加熱加圧媒体を断熱圧縮させて加熱するため、より速やかに加熱加圧媒体を昇温できる。
本発明の加硫機においては、前記媒体収容手段には、前記断熱圧縮手段の上流に設けられ、開度を調節することで前記断熱圧縮手段に流入する前記加熱加圧媒体の流量を増減させる流量制御手段が設けられることが好ましい。これによると、流量制御手段が絞りの役目を果たすため、断熱圧縮手段による昇温効果を顕著にできる。
本発明の加硫機においては、前記流量制御手段の開度と前記断熱圧縮手段の動力は、前記断熱圧縮手段の上流と下流との圧力差が設定差圧となるように調節されることが好ましい。これによると、予備加熱時・加硫成形初期時において、流量制御手段と断熱圧縮手段は設定差圧を保つように作動するため、加熱加圧媒体を速やかに昇温できる。
本発明の加硫機においては、前記生タイヤから前記媒体収容手段へ供給される前記加熱加圧媒体の流量は前記生タイヤ内の温度が設定温度に達すれば増加され、その後、加硫後半では、前記断熱圧縮手段の動力は前記生タイヤから前記媒体収容手段へ供給される前記加熱加圧媒体の流量減少に基づいて減少することが好ましい。これによると、加硫成形時において、断熱圧縮手段の動力が無駄な加熱に使用されることを抑えて、加硫時間の短縮、ランニングコストの削減ができる。
本発明の加硫機においては、前記熱交換器を通過して前記媒体収容手段に補給される高圧の加熱加圧媒体の充填量は、前記媒体収容手段を流れる前記加熱加圧媒体の圧力を一定に保つように増減されることが好ましい。これによると、加硫成形時において、媒体収容手段に補給される高圧の加熱加圧媒体の充填量を容易に加減でき、生タイヤ内の加熱加圧媒体の圧力を安定できる。
本発明の加硫成形方法は、加熱加圧媒体を生タイヤに対して供給可能に媒体収容機構に収容しながら予備加熱し、予備加熱された前記加熱加圧媒体を前記生タイヤに供給することにより該生タイヤをモールドに押圧しながら均一に加熱することによって、該生タイヤを加硫成形し、前記加硫成形後に排気される加熱加圧媒体の圧力エネルギーを利用して該加熱加圧媒体の高温成分を温熱冷熱分離機構により取り出し、前記媒体収容機構に補給される加熱加圧媒体を前記高温成分により熱交換して加熱することを特徴とする。
本発明の加硫成形方法によると、前記加硫成形後に排気される加熱加圧媒体の高温成分を加熱加圧媒体の予備加熱に利用することができるため、熱利用効率を向上することができる。
本発明の加硫成形方法においては、加熱加圧媒体を媒体収容機構内で断熱圧縮機構により循環させ、該断熱圧縮機構の上流と下流との圧力差が設定差圧となるように前記加熱加圧媒体の圧力を流量制御機構で増減させることが好ましい。
本発明の加硫成形方法によると、流量制御機構と断熱圧縮機構は設定差圧を保つように作動するため、加熱加圧媒体を速やかに昇温できる。
本発明の加硫成形方法においては、前記生タイヤ内の温度が設定温度に達すれば前記生タイヤから前記媒体収容機構へ供給される前記加熱加圧媒体の流量を増加し、その後、加硫後半では、前記生タイヤから前記媒体収容機構へ供給される前記加熱加圧媒体の流量減少に基づいて前記断熱圧縮機構の動力を減少させることが好ましい。これによると、加硫成形時において、断熱圧縮機構の動力が無駄な加熱に使用されることを抑えて、加硫時間の短縮、ランニングコストの削減ができる。
本発明の加硫成形方法においては、熱交換されて前記媒体収容機構に補給される高圧の加熱加圧媒体の充填量は前記媒体収容機構を流れる前記加熱加圧媒体の圧力を一定に保つように増減されることが好ましい。これによると、加硫成形時において、媒体収容機構に補給される高圧の加熱加圧媒体の充填量を容易に加減でき、生タイヤ内の加熱加圧媒体の圧力を安定できる。
第1実施形態に係る加硫機の要部を示す概略構成図である。 撹拌機構の平面図である。 ハネ集合体の要部を示す斜視図である。 加硫成形時における窒素ガスの流れを示す説明図である。 第1実施形態に係るガス供給装置のブロック図である。 第2実施形態に係るガス供給装置のブロック図である。 送風機の差圧−流量曲線である。 第3実施形態に係る加硫機の要部を示す概略構成図である。 (a)(b)はプレートの要部を示す平面図である。 ハネ集合体の要部を示す斜視図である。 ハネ集合体の要部を示す斜視図である。 ハネ集合体の要部を示す斜視図である。 ハネ集合体の要部を示す斜視図である。 図13におけるハネ集合体のX−X線断面図である。 ハネ集合体の要部を示す斜視図である。 ハネ集合体の要部を示す斜視図である。 図16における縦断面図である。 加硫成形時における窒素ガスの流れを示す説明図である。 加硫機の要部を示す概略構成図である。 第1実施形態に係るガス供給装置のブロック図の変形図である。 第2実施形態に係るガス供給装置のブロック図の変形図である。
本発明に係る加硫成形方法およびその加硫機について、図1ないし図21に基づいて以下に説明する。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態に係る加硫機は、図1に示すように、所定の高さ位置に設定されたモールド固定部2と、モールド固定部2に対して昇降するモールド昇降部3とを有している。モールド昇降部3は、生タイヤ4の上サイドウォール4b’に当接する上サイドモールド25と、生タイヤ4のトレッド部4aの外周方向に位置する割りモールド26と、上サイドモールド25を所定温度に加熱する上加熱機構28とを有している。一方、モールド固定部2は、生タイヤ4の下サイドウォール4bに当接する下サイドモールド5と、下サイドモールド5を所定温度に加熱する下加熱機構9と、下加熱機構9および下サイドモールド5の中心部に貫設された中心機構10と、中心機構10および下加熱機構9を支持する図示しないベースプレートとを有している。
上記の中心機構10は、下サイドモールド5の上方に配置された下部リング12を有している。下部リング12は、生タイヤ4の下ビード部4cに当接するように形成されていると共に、ブラダ20の下縁部を挟持するように形成されている。また、下部リング12の内周部には、加熱加圧媒体である窒素ガスを流通させる図示しないガス給排路が形成されている。ガス給排路は、図5に示すように、ガス供給装置50に連絡されている。尚、ガス供給装置の詳細については後述する。
また、下部リング12の中心部には、センターポスト22が上下方向に摺動自在および気密状態に立設されている。センターポスト22の上端部には、上部リング19が設けられている。上部リング19は、上ブラダリング21を有しており、上ブラダリング21は、ブラダ20の上縁部を挟持している。一方、センターポスト22の下端部には、センターポスト22を任意の高さ位置に昇降可能な図示しないポスト昇降機構が連結されている。そして、ポスト昇降機構は、加硫済タイヤの搬出時において、ブラダ20の上縁部を持ち上げてブラダ20をタイヤ4のタイヤ穴よりも小さな径に設定するようにセンターポスト22を上限位置に上昇させる一方、生タイヤ4の加硫成形時において、ブラダ20を生タイヤ4のタイヤ内壁面に当接可能な径に拡大させるようにセンターポスト22を下降させる。
また、センターポスト22により拡縮されるブラダ20は、生タイヤ4の加硫成形時に、窒素ガスが供給されることによりタイヤ内壁面をモールド方向に押圧するものであり、例えばブチルゴムにより形成されている。ブラダ20の内部には、ガス供給装置50から供給される窒素ガスを撹拌する撹拌機構30が設けられている。撹拌機構30は、強磁性材料により一部または全部が形成されている。尚、強磁性材料としては、鋼材やSUS420等を挙げることができるが、電磁誘導加熱される材質であれば、特にこれら材料に限定されるものではない。
具体的に説明すると、撹拌機構30は、図2および図3にも示すように、窒素ガスを流動させる複数のハネ部材31を有している。これらのハネ部材31は、銅やアルミニウム等の高熱伝導性材料により形成されている。ハネ部材31は、センターポスト22の軸芯を中心点とした円周方向に沿って等間隔で環状に配設されており、全体としてハネ集合体32を構成している。
上記のハネ集合体32は、ハネ支持部材33により支持されている。ハネ支持部材33は、上述の強磁性材料で形成されている。また、ハネ支持部材33は、ハネ部材31を支持する環状部34と、環状部34の内周端から中心点方向に突出された棒状支持部35とを有している。環状部34は、環状の円板形状に形成されており、各ハネ部材31の高さ方向の中心部を支持している。尚、環状部34とハネ部材31との接続形態は、ハネ部材31と環状部34とに切欠部をそれぞれ形成しておき、両者を嵌合することにより組み合わせた後、溶接により接合した形態であっても良いし、或いは、ハネ部材31を2分割した状態で準備し、各分割片を環状部34の上面および下面に溶接により接合した形態であっても良い。
一方、棒状支持部35は、ハネ部材31よりも大きなピッチで等間隔に配設されている。棒状支持部35は、先端部が第1円筒部材36に連結されている。第1円筒部材36は、図1に示すように、ハネ集合体32を周方向に回転させるハネ集合体回転機構37の一部を構成している。ハネ集合体回転機構37は、センターポスト22に回転自在に外挿された第2円筒部材38と、第2円筒部材38の上端部に外挿された上述の第1円筒部材36と、第1円筒部材36と第2円筒部材38とを固定するキー部材39および締結部材45と、中心機構10の内部において第2円筒部材38を所定の回転速度で回転駆動する回転駆動装置40とを有している。そして、このように構成されたハネ集合体回転機構37は、回転駆動装置40により第2円筒部材38および第1円筒部材36を介してハネ集合体32を回転させることによって、ブラダ20内における窒素ガスを主に周方向に撹拌し、さらに図4の断面内については矢符方向の2次流れを誘起するようになっている。
また、図1に示すように、撹拌機構30の下方には、撹拌機構30を優先的に加熱する誘導加熱機構41が下部リング12に支持された状態で設けられている。誘導加熱機構41は、ハネ集合体32および環状部34に対向配置されたコイル部材42と、コイル部材42の上面を覆った断熱部材43とを有している。コイル部材42は、センターポスト22を中心とした環状に形成されており、内周側から外周側にかけてコイルを巻回することにより形成されている。
上記のコイル部材42は、内周側および外周側の各端部が電力用ケーブル44・44を介して図示しない電源装置に接続されている。電源装置は、高周波数の電流を出力可能にされている。そして、コイル部材42は、電源装置からの高周波電流の供給により交番磁場を生成し、この交番磁場により環状部34を電磁誘導加熱することによって、ハネ集合体32等の撹拌機構30全体を高温に加熱するようになっている。また、断熱部材43は、撹拌機構30からの輻射熱によるコイル部材42の過熱を防止するようになっている。
上記のように構成された加硫機は、図5に示すように、ガス供給装置50から窒素ガスが供給されるようになっている。ガス供給装置50は、シェーピング用の窒素ガスを供給する低圧ガス供給系51と、シェーピング用の窒素ガスを排気する低圧ガス排気系52と、加硫成形時に使用される窒素ガスを予熱する高圧ガス予熱系53と、加硫成形に使用された窒素ガスを排気する高圧ガス排気系54と、排気された窒素ガスの圧力エネルギーと顕熱を利用して高圧ガス予熱系53に補給される窒素ガスを加熱する熱回収系55とを有している。
上記の低圧ガス供給系51は、低圧の窒素ガスを供給するガス供給源61と、ガス供給源61と生タイヤ4との間に設けられた第1バルブ62とを有している。第1バルブ62は、ガス供給源61から生タイヤ4への供給および停止を切替え可能になっており、シェーピング時に開栓される。また、低圧ガス排気系52は、生タイヤ4と図示しない回収装置との間に設けられた第2バルブ63を有している。
また、高圧ガス予熱系53は、予熱用ヒーター64とチャンバー65とを直列状態で備えていると共に、送風機66を備えている。予熱用ヒーター64は、窒素ガスを加熱して予熱する。チャンバー65は、所定量の窒素ガスを蓄積する。送風機66は、吸気口66aから窒素ガスを取り込んで排気口66bから排出する。送風機66は、吸気口66a側がチャンバー65に連絡されている一方、排気口66b側が予熱用ヒーター64に連絡されている。これにより、高圧ガス予熱系53は、予熱用ヒーター64とチャンバー65と送風機66とが循環径路中に存在した状態にされている。
また、送風機66の吸気口66aとチャンバー65との間には、第3バルブ67が設けられている。第3バルブ67の前後には、第4バルブ68および第5バルブ69が接続されている。第4バルブ68は、チャンバー65および第3バルブ67間と生タイヤ4との間に設けられている。第5バルブ69は、第3バルブ67および送風機66間と生タイヤ4との間に設けられている。そして、これらの第3〜第5バルブ67・68・69は、予熱時において第4バルブ68と第5バルブ69とが閉栓状態、第3バルブ67が開栓状態になることによって、高圧ガス予熱系53を閉鎖された循環系とするようになっている。また、加硫成形時においては、第4バルブ68と第5バルブ69とが開栓状態、第3バルブ67が閉栓状態になることによって、高圧ガス予熱系53を生タイヤ4に開放するようになっている。
また、高圧ガス排気系54は、熱回収系55を介して図示しないガス回収装置に接続されている。高圧ガス排気系54は、生タイヤ4と熱回収系55との間に設けられた第6バルブ70を有している。第6バルブ70は、加硫成形が完了したときに開栓状態にされることによって、生タイヤ4内の窒素ガスを熱回収系55を介して排出するようになっている。
上記の高圧ガス排気系54から窒素ガスが排気ガスとして流入される熱回収系55は、排気ガス(窒素ガス)から温熱分と冷熱分とに分離するボルテックスチューブ71と、高圧ガス予熱系53のチャンバー65に補給される窒素ガスを排気ガスの高温成分により熱交換して加熱する熱交換器72とを有している。熱交換器72は、ボルテックスチューブ71に接続された高温径路72aと、高圧ガス予熱系53に接続された低温径路72bとを有している。高温径路72aの前後(上流側および下流側)には、第7バルブ73と第8バルブ74とがそれぞれ設けられており、第8バルブ74は、図示しないガス回収装置に接続されている。一方、低温径路72bの前後には、高圧ガス予熱系53に接続された第9バルブ75と、第10バルブ76とがそれぞれ設けられている。第10バルブ76は、高圧の窒素ガスを供給するガス供給源77に接続されている。そして、これらの第7〜第10バルブ73〜76は、生タイヤ4から窒素ガスを排気ガスとして排出しながら、ガス供給源77から高圧の窒素ガスを高圧ガス予熱系53に補給するときに開栓状態にされる。尚、排出タイミングと補給タイミングは、必ずしも一致させる必要はない。
上記の構成において、第1実施形態に係る加硫機の動作を通じて加硫成形方法を説明する。
先ず、図1に示すように、モールド昇降部3を上昇させることによって、モールド固定部2の上方にモールド昇降部3を位置させる。この後、中心機構10のセンターポスト22を上昇させることによって、上部リング19を介してブラダ20の上縁部を持ち上げ、ブラダ20を生タイヤ4のタイヤ穴よりも小さな径に縮小させる。この後、生タイヤ4のタイヤ穴がセンターポスト22の上方に位置するように、図示しない搬送装置により生タイヤ4をモールド固定部2とモールド昇降部3との間に搬送する。そして、生タイヤ4を下降させ、生タイヤ4のタイヤ穴にセンターポスト22およびブラダ20を挿通させながら、生タイヤ4を下サイドモールド5上に保持する。
この後、図5に示すように、低圧ガス供給系51の第1バルブ62を開栓し、ガス供給源61から低圧の窒素ガスをブラダ20(生タイヤ4)内に供給する。そして、ブラダ20を膨らませて生タイヤ4をシェーピングして保持する。
次に、図1に示すように、モールド昇降部3を下降させることによって、生タイヤ4のトレッド部4aに対応した筒形状のモールドを形成すると共に、このモールドの上部および下部に上サイドモールド25および下サイドモールド5をそれぞれ当接させることによってモールドを全閉状態にする。そして、モールド昇降部3とモールド固定部2とを図示しないロック保持機構でロックし、モールドの型締を完了する。
上記のようにしてモールドの型締が完了すると、図5に示すように、低圧ガス供給系51の第1バルブ62を閉栓状態にする。このとき、第2バルブ63は、閉栓状態となっている。
この後、高圧ガス予熱系53における第3バルブ67を閉栓状態にする一方、第4バルブ68および第5バルブ69を開栓状態にすると共に、第9バルブ75および第10バルブ76を開栓状態にすることによって、高圧ガス予熱系53において予熱された窒素ガスおよびガス供給源77からの高圧の窒素ガスをブラダ20に供給する。
また、熱回収系55の第9バルブ75および第10バルブ76が開栓され、ガス供給源77から高圧の窒素ガスが熱交換器72の低温径路72bに流入される。そして、高圧の窒素ガスは、排気ガスにより高温に暖められた蓄熱体との熱交換により加熱された後、ブラダ20内へ供給される。これにより、加硫成形後に排気される窒素ガスの高温成分を補給用の窒素ガスの予備加熱に利用することができるため、熱利用効率が向上したものになる。よって、ブラダ20に供給される窒素ガスは、加硫温度に或る程度近づいた予熱温度から加熱を開始することができるため、短時間で加硫温度にまで昇温可能になる。
また、高圧ガス予熱系53から窒素ガスがブラダ20に供給される際には、図1に示すように、撹拌機構30および誘導加熱機構41が作動される。即ち、撹拌機構30は、回転駆動装置40の駆動力により撹拌機構30が回転される。これにより、窒素ガスは、主に周方向に撹拌され、さらに図4の断面内についてはハネ部材31によりトレッド部4a方向である外周方向に押し出されるような2次流れが誘起される。
また、誘導加熱機構41においては、コイル部材42に高周波数の電流が通電される。これにより、コイル部材42の周囲に交番磁場が生成される。交番磁場は、撹拌機構30の強磁性材料からなるハネ支持部材33に電磁誘導により渦電流を発生させることによって、ハネ支持部材33を電磁誘導加熱する。ハネ支持部材33が加熱されると、ハネ支持部材33の熱が熱伝導性に優れたハネ部材31に急速に伝導する。この結果、撹拌機構30は、誘導加熱機構41により優先的に加熱されることによって、加硫成形の開始初期においては、撹拌機構30が窒素ガスよりも急速に昇温することになる。
従って、窒素ガスが撹拌機構30により撹拌されるときに、窒素ガスと高温の撹拌機構30とが高速で接触することによって、撹拌機構30から高効率で熱量が付与される。これにより、相対速度が高速である分、高効率の熱交換で窒素ガスが短時間で加硫温度にまで昇温される。そして、窒素ガスの供給によりブラダ20が進展することにより生タイヤ4の内壁面に密接し、生タイヤ4をモールド方向に押圧しながら加熱することによって、生タイヤ4の加硫成形が行われる。
加硫成形が完了すると、図5に示すように、高圧ガス予熱系53の第4バルブ68および第5バルブ69が閉栓されると共に、第9バルブ75、第10バルブ76および第3バルブ67が開栓されることによって、高圧ガス予熱系53が閉鎖状態にされる。そして、送風機66および予熱用ヒーター64が作動されることによって、窒素ガスが循環されながら加熱および予熱される。
また、高圧ガス排気系54の第6バルブ70が開栓されると共に、この高圧ガス排気系54に連絡された熱回収系55のバルブ73・74が開栓される。尚、第6バルブ70は、全開とせずに或る程度の時間をかけて排気する。これにより、ブラダ20内の窒素ガスがボルテックスチューブ71を通過し、低温成分と高温成分とに分離される。低温成分の窒素ガスは、そのまま排気される一方、高温成分の窒素ガスは、熱交換器72の高温径路72aを通過し、熱交換器72中の蓄熱体に熱を与えた後に排気される。熱交換器72は、蓄熱体を備えた蓄熱式熱交換器が好ましいが、通常の間接式熱交換器であっても良い。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態に係る加硫機の構成を図6及び図7に基づいて説明する。尚、第1実施形態と同一の部材には同一の符号を付記してその説明を省略する。第2実施形態の構成が第1実施形態と異なる点は、図6において、送風機66の上流と下流との圧力差を測定する差圧計DPが設けられ、差圧計DPが第3バルブ67と第5バルブ69の開度を制御している点と、予熱用ヒーター64の上流に窒素ガスの圧力を測定する圧力計Pが設けられ、圧力計Pが第10バルブ76の開度を制御している点と、ブラダ20の内部温度を測定する温度計Tが設けられ、温度計Tが第5バルブ69の開度を制御している点である。
上記の構成において、第2実施形態に係る加硫機の動作を通じて加硫成形方法を説明する。
まず、高圧ガス予熱系53を循環する窒素ガスを理想気体とみなす。すると、次のような関係式が成り立つ。
(式1)PV=RT
ここで、Pは圧力、Vは体積、Tは温度、Rは気体定数である。
また、気体の内部エネルギーをU、外部からの熱量をQとすると、
(式2)H=U+PV=U+RT
(式3)dS=dQ/T
となる。Hはエンタルピであり、dSは比エントロピである。
図6において、予熱時において第4バルブ68と第5バルブ69とを閉栓状態、第3バルブ67を半開に絞った開栓状態(絞り)にする。窒素ガスは送風機66にて断熱圧縮されることにより、(式3)の比エントロピを一定とした状態で、体積が圧縮されて圧力が増し、圧力の上昇により温度が上がる((式1)参照)。そして、窒素ガスは第3バルブ67の絞りにて等エンタルピ変化((式2)参照)し、温度を一定に保った状態で第3バルブ67を通過していく。この窒素ガスは更に送風機66にて昇温されることにより、段階的に昇温していく。絞り現象にて等エンタルピ変化することは公知である。
しかし実際には温度損失、圧力損失が発生する。つまり、送風機66においては体積の圧縮分だけ圧力は上がらず、第3バルブ67ではエンタルピは変化し温度が下がる。しかし、第3バルブ67にて絞りを設けることにより、送風機66の昇温効果は顕著となり、窒素ガスは速やかに昇温し、加硫温度に近い温度まで予備加熱される。
送風機66の上流と下流との圧力差は差圧計DPにて計測され、この圧力差が設定差圧となるように第3バルブ67の絞りの開度が差圧計DPにより制御される。即ち、窒素ガスの温度が低ければ圧力差を大きくするよう送風機66の回転数を高めると伴に第3バルブ67の開度を小さくして窒素ガスの昇温を促すように差圧計DPが送風機66と第3バルブ67を制御し、逆に窒素ガスの温度が加硫に最適な温度近くまで高くなれば、圧力差を小さくするよう送風機66の回転数を落とすと伴に第3バルブ67の開度を大きくして窒素ガスの昇温をなだらかにするように差圧計DPが送風機66と第3バルブ67を制御する。
また、加硫成形開始時においても、第4バルブ68又は第5バルブ69の一方を半開の開栓状態(絞り)とし、他方を全開の開栓状態とし、第3バルブ67を閉栓状態とすることによって、送風機66の昇温効果は顕著となる。図6では、第4バルブ68が全開の開栓状態、第5バルブ69が半開の開栓状態(絞り)となる構成となっており、差圧計DPは送風機66と第5バルブ69を制御する。第4バルブ68を半開の開栓状態(絞り)とし、第5バルブ69を全開の開栓状態としても良い。また、第4バルブ68と第5バルブ69の両方を絞りとする構成であっても良い。
また、高圧ガス予熱系53を循環する窒素ガスの圧力は、予熱用ヒーター64の上流に設けられた圧力計Pにて計測される。そして、加硫成形時にガス供給源77から高圧の窒素ガスを高圧ガス予熱系53に補給するときに、高圧の窒素ガスの補給量を圧力計Pが制御することにより、高圧ガス予熱系53内の圧力の変動をなだらかにし、ブラダ20内の圧力を一定に保っている。即ち、熱変換器72の上流と下流に設けられた第9バルブ75および第10バルブ76の開度を調節すると伴に、三方弁である第10バルブ76から高圧の窒素ガスを一部外部に排気することにより、ガス供給源77から一定の割合で高圧ガス予熱系53に補給される高圧の窒素ガスの充填量を加減して、加硫に最適な圧力を一定に維持するように圧力計Pが第9バルブ75と第10バルブ76を制御する。
また、ブラダ20内の温度は、ブラダ20内部に設けられた温度計Tにて計測される。そして、加硫成形時には第4バルブ68、好ましくは第5バルブ69の開度を温度計Tが制御することでブラダ20内の加硫状態を変動させる。即ち、図7において、加硫成形初期の段階(ステップA)では第5バルブ69を半開の開栓状態(絞り)とすることで、ブラダ20から高圧ガス予熱系53へ供給される窒素ガスの温度損失を減らして、ブラダ20内の温度を急速に上昇させるように温度計Tが第5バルブ69を制御する。
そして、窒素ガス温度が閾値(加硫温度上限)付近の値になれば、加硫成形後期の段階(ステップB)に移行するよう温度計Tが制御を行う。具体的には、温度計Tが第5バルブ69を徐々に全開にして送風機66へ供給する窒素ガスの流量を増やしていくと伴に、送風機66の上流と下流との圧力差(差圧計DPの値)を小さくしていくことで、送風機66の断熱圧縮による昇温効果を弱めていく。これによりブラダ20内の温度変化はなだらかとなる。
そして加硫成形終期の段階(ステップC)に移行するよう温度計Tが制御して、送風機66の上流と下流との圧力差を一定に保ちながら、送風機66へ供給する窒素ガスの流量を徐々に減らし、差圧計DPは送風機66の回転数を所定値まで徐々に落とすよう制御する。そして加硫成形が完了する。
その他の点については第1実施形態と同じであるため、その説明を省略する。
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態に係る加硫機の構成を図8及び図9に基づいて説明する。尚、第1実施形態と同一の部材には同一の符号を付記してその説明を省略する。第3実施形態の構成が第1実施形態と異なる点は、窒素ガスをブラダ20内で拡散する拡散手段が撹拌機構30ではなく、図8に示すような吹き出しノズル機構90である点である。
吹き出しノズル機構90は、強磁性材料により一部または全部が形成されており、図9(a)(b)のような中空の円板形状のプレート93,94を2枚重ねにした構造をしている。また、プレート93,94には、複数のノズル95が周方向に等間隔に設けられている。図9(a)のように、ノズル95は径方向と一致する方向に向いており、その吹き出し方向はプレート93の外部方向で、プレート93の平面に対してある角度をもって斜めに向いている。また、図9(b)のように、ノズル95は径方向と一致する方向から30度傾いた方向に向いていても良い。尚、ノズルの傾斜角度は30度に限られず、任意の角度に設定できる。
吹き出しノズル機構90は図8のように、ブラダ20の中心に位置し、2枚重ねのプレート93,94の内、上方のプレート93,94のノズル95が斜め上方、下方のプレート93,94のノズル95が斜め下方に向くように構成されている。そのため、第1実施形態のように拡散手段を回転させなくても複数のノズル95からまんべんなく窒素ガスが吹き出ることによりブラダ20内を均一に加熱できる。上下のプレート93,94は同種のもので組み合わされても、異種のもので組み合わされても良い。
また、第1実施形態に比して回転機構が不要なため、中心機構10の内部には、窒素ガスを流通させるガス給排路91,92が形成されているのみである。ガス給排路91,92は、図5又は図6に示すように、ガス供給装置50に連絡されている。プレート93,94の内部にはガス給排路91,92から窒素ガスが供給される。また、センターポスト22は下部リング12の中心部に立設されている。
吹き出しノズル機構90の下方には、吹き出しノズル機構90を優先的に加熱する図示しない誘導加熱機構が下部リング12に支持された状態で設けられている。この誘導加熱機構がプレート93,94を電磁誘導加熱することによって、吹き出しノズル機構90全体を高温に加熱するようになっている。
上記の構成において、第3実施形態に係る加硫機の動作を通じて加硫成形方法を説明する。
生タイヤ4を下サイドモールド5上に保持した後、高圧ガス予熱系53から窒素ガスがガス給排路91,92を通じて供給される。このとき、図示しない誘導加熱機構により吹き出しノズル機構90は窒素ガスよりも急速に昇温されている。従って、窒素ガスが吹き出しノズル機構90により吹き出されるときに、窒素ガスと高温の吹き出しノズル機構90とが高速で接触することによって、吹き出しノズル機構90から高効率で熱量が付与される。これにより、相対速度が高速である分、高効率の熱交換で窒素ガスが短時間で加硫温度にまで昇温される。そして、窒素ガスの供給によりブラダ20が進展することにより生タイヤ4の内壁面に密接し、生タイヤ4をモールド方向に押圧しながら加熱することによって、生タイヤ4の加硫成形が行われる。
その他の点については第1実施形態と同じであるため、その説明を省略する。
以上のように、第1〜第3実施形態の加硫成形方法は、窒素ガス等の加熱加圧媒体を撹拌機構30や吹き出しノズル機構90等の拡散手段により拡散すると共に、拡散手段自体の熱量で加熱加圧媒体を加熱し、加熱加圧媒体により生タイヤ4をモールドに押圧しながら均一に加熱することによって、生タイヤ4を加硫成形するものである。尚、第1〜第3実施形態の撹拌機構30や吹き出しノズル機構90等の拡散手段は、電磁誘導加熱、ヒーター加熱およびランプ加熱の少なくとも一つ以上の加熱形態により加熱することができるものであり、各種の加熱形態を選択および組み合わせることによって、拡散手段自体の構造や周辺機器の構成に応じて最適な加熱方法により拡散手段を昇温させることができる。
また、第1〜第3実施形態における加硫機は、上記の加硫成形方法を実施可能にするため、図1又は図8に示すように、生タイヤ4を着脱可能に収容する下サイドモールド5や上サイドモールド25等のモールド機構(モールド手段)と、生タイヤ4をモールド機構に押圧しながら加熱することにより生タイヤ4を加硫成形する窒素ガス等の加熱加圧媒体を拡散する拡散手段と、拡散手段を優先的に加熱する誘導加熱機構(加熱手段)とを有した構成にされている。
上記の構成によれば、窒素ガス等の加熱加圧媒体を拡散する拡散手段が誘導加熱機構により優先的に加熱されることによって、加硫成形の開始初期においては、拡散手段が加熱加圧媒体よりも急速に昇温する。従って、加熱加圧媒体が拡散手段により拡散されるときに、加熱加圧媒体と高温の拡散手段とが高速で接触することによって、拡散手段から高効率で熱量が付与される。この結果、従来のように、加熱加圧媒体の撹拌径路中に配置されたヒーターに加熱加圧媒体を流動させることにより加熱する場合よりも、接触速度が高速である分、高効率の熱交換で加熱加圧媒体を短時間で加硫温度にまで昇温させることができる。これにより、加熱加圧媒体で加熱される生タイヤ4を短時間で加硫成形することができる。
尚、第1〜第3実施形態においては、ブラダ20を用いたブラダ方式を採用した加硫機に適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、ブラダ20を用いないブラダレス方式の加硫機に採用されても良い。また、モールド機構として複数のモールド部品を組み合わせて型締する割りモールド方式を用いて説明したが、これに限定されるものでもなく、上モールドと下モールドとで型締めする2ピースモールド方式であっても良い。また、本実施形態においては、加熱加圧媒体として窒素ガスを採用した場合について説明したが、これに限定されるものでもなく窒素ガス以外の不活性ガス、空気、蒸気等であっても良い。
また、第1〜第3実施形態において、例えば鋼材、SUS420等の強磁性材料により、拡散手段である撹拌機構30又は吹き出しノズル機構90の一部または全部が形成されており、これら拡散手段を電磁誘導加熱する誘導加熱機構を有した構成にされている。これにより、誘導加熱機構が拡散手段の強磁性材料を電磁誘導加熱することによって、拡散手段が直接的に加熱される。これにより、拡散手段を簡単な構成で優先的に加熱することができる。
また、第1実施形態において、撹拌機構30は、加熱加圧媒体を流動させる複数のハネ部材31(強磁性材料および高熱伝導性材料、例えば銅やアルミニウム等の何れであっても良い)を環状に備えたハネ集合体32と、ハネ集合体32を周方向に回転させるハネ集合体回転機構37(ハネ集合体回転手段)と、ハネ部材31を周方向に支持し、強磁性材料で形成されたハネ支持部材33とを有した構成にされている。これにより、簡単な構成で高い強度を有した撹拌機構30を得ることができると共に、ハネ支持部材33への電磁誘導加熱によりハネ集合体32全体を簡単に昇温させることができる。
尚、第1実施形態におけるハネ部材31は、例えば銅やアルミニウム等の高熱伝導性材料を用いた場合について説明したが、強磁性材料で形成されていても良い。また、撹拌機構30は、ハネ集合体32(熱伝導体)と誘導加熱用のハネ支持部材33(発熱体)とを組み合わせた場合について説明したが、ハネ集合体32およびハネ支持部材33の両方が発熱体としての機能を持つように形成されていても良い。尚、後述のように、発熱体は、電磁誘導加熱により加熱される場合に限らず、ヒーター加熱やランプ加熱による加熱であっても良い。
また、撹拌機構30は、図10に示すように、ハネ支持部材33の上面にハネ部材31をビスやボルト等の締結部材で固定することにより形成されていても良い。この場合には、ハネ部材31の交換を容易に行うことができる。
さらに、撹拌機構30は、図11に示すように、加熱加圧媒体を流動させる複数のハネ部材31を環状に備えたハネ集合体32と、ハネ部材31を周方向に支持するハネ支持部材33とを有し、ハネ支持部材33は、高熱伝導性材料からなる基材81と、この基材81に溶着やリベット止めにより接合された強磁性材料からなる強磁性部材82とを有した構成にされていても良い。
また、撹拌機構30は、図12に示すように、ハネ集合体32の上面および下面にハネ支持部材33を設けた構成であっても良い。また、撹拌機構30は、図13および図14に示すように、ハネ部材31およびハネ支持部材33が高熱伝導性材料からなる基材81と、この基材81に強磁性材料を溶射して形成された強磁性材料層83とを有した構成にされていても良い。この場合には、複雑な形状であっても容易に撹拌手段を得ることができる。また、撹拌機構30は、図15に示すように、誘導加熱による温度分布を均一にするように、ハネ支持部材33にスリットが形成されていても良い。この場合には、撹拌機構30の温度分布をより均一にでき、投入熱量をさらに大きくできる。
また、第1実施形態においては、誘導加熱機構41を用いた加熱機構について説明しているが、これに限定されるものではない。即ち、加硫機は、図16および図17に示すように、ハネ支持部材33にシースヒーター84が埋め込まれた撹拌機構30を備えた構成であっても良い。また、加硫機は、図18に示すように、撹拌機構30に熱放射するランプ85を有した構成であっても良い。尚、ランプ85の下方に反射板86を配置して熱放射をハネ集合体32の所望位置に集光することが望ましい。
さらに、第1実施形態においては、図1に示すように、ハネ集合体32の下方に誘導加熱機構41が配置された構成について説明したが、これに限定されるものでもない。即ち、図19に示すように、ハネ集合体32の内部に誘導加熱機構41を配置した構成であっても良い。また、第3実施形態の図示しない誘導加熱機構の配置位置も下部リング12に支持された状態に限定されるものではない。
また、第1,第2実施形態における加硫機は、窒素ガス等の加熱加圧媒体を生タイヤ4に対して供給可能に収容しながら予備加熱するチャンバー65等を備えた高圧ガス予熱系53(媒体収容手段)と、記加硫成形後に排気される加熱加圧媒体の高温成分を取り出すボルテックスチューブ71と、低圧ガス供給系51に補給される加熱加圧媒体を前記加熱加圧媒体の高温成分により熱交換して加熱する熱交換器72とを有した構成にされている。この構成によれば、加硫成形後に排気される加熱加圧媒体の高温成分を加熱加圧媒体の予備加熱に利用することができるため、熱利用効率を向上することができる。
また、第2実施形態における加硫機は、窒素ガスを送風機66にて断熱圧縮することにより、比エントロピを一定とした状態で、圧力の上昇により昇温させ、第3バルブ67の絞りにて等エンタルピ変化させることで、温度を一定に保った状態で第3バルブ67を通過させ、更に送風機66にて昇温することにより、窒素ガスを段階的に昇温できる。よって、第3バルブ67にて絞りを設けることにより、送風機66の昇温効果は顕著となり、窒素ガスは速やかに昇温し、加硫温度に近い温度まで予備加熱することができる。また、加硫成形開始時においても、第4バルブ68又は第5バルブ69の一方を半開の開栓状態(絞り)とし、他方を全開の開栓状態とすることによって、送風機66の昇温効果を顕著なものとできる。また、加熱ヒーターの小型化が図れる。
また、第2実施形態における加硫機は、送風機66の上流と下流との圧力差を計測する差圧計DPを有した構成にされている。この構成によれば、送風機66の上流と下流との圧力差が設定差圧となるように第3バルブ67の絞りの開度と送風機66の回転数を差圧計DPが制御することで、送風機66の動力削減が図れる。
また、第2実施形態における加硫機は、高圧ガス予熱系53を循環する窒素ガスの圧力を計測する圧力計Pを有した構成にされている。この構成によれば、加硫成形時にガス供給源77から高圧の窒素ガスを高圧ガス予熱系53に補給するときに、高圧の窒素ガスの補給量を圧力計Pが制御することにより、高圧ガス予熱系53内の圧力の変動をなだらかにし、ブラダ20内の圧力を一定に保つことができる。
また、第2実施形態における加硫機は、ブラダ20内の温度を計測する温度計Tを有した構成にされている。この構成によれば、窒素ガス温度が閾値(加硫温度上限)付近の値になれば、温度計Tが第5バルブ69を徐々に全開にするように制御し、差圧計DPが送風機66の回転数を所定値まで徐々に落としていくように制御することで、送風機66の動力削減が図れる。よって、送風機66の動力が無駄な加熱に使用されることを抑えて、加硫時間の短縮、ランニングコストの削減ができる。
尚、第1,第2実施形態における加硫機は、図20又は図21に示すように、熱交換器72を高圧ガス予熱系53の内部に配置し、高圧ガス予熱系53に収容された加熱加圧媒体を、排気された加熱加圧媒体の高温成分により熱交換して加熱するように構成されていても良い。
尚、第2実施形態における加硫機において、予備加熱時の第3バルブ67の開度は差圧計DPにより制御される構成に限られず、一定値に固定する構成であっても良い。また、加硫成形時の第5バルブ69の開度も一定値に固定する構成であっても良い。
また、第2実施形態における加硫機において、ステップAからステップBへの切替えタイミングは、窒素ガス温度の閾値に基づいて温度計Tが制御を行う構成に限られず、時間で切り替える構成であっても良い。また、ステップBにおいて送風機66の回転数を落とすタイミングは、第5バルブ69の開度を広げるタイミングと同じでも良いし、第5バルブ69が全開してから任意時間経過後であっても良い。
尚、第2実施形態における加硫機は、図6、図21に示すように、送風機66の上流に流量計Fが設けられた構成であっても良い。この構成によれば、設定流量を設け、流量計Fがその測定値を元に流量が設定流量となるように第3バルブ67又は第5バルブ69の開度を制御し、流量の測定値に基づいて送風機66の回転数を制御することで、差圧計DPの代わりとすることができ、送風機66の動力削減が図れる。
2 モールド固定部
3 モールド昇降部
4 生タイヤ
5 下サイドモールド
10 中心機構
12 下部リング
19 上部リング
20 ブラダ
30 撹拌機構
31 ハネ部材
32 ハネ集合体
33 ハネ支持部材
34 環状部
35 棒状支持部
40 回転駆動装置
41 誘導加熱機構
42 コイル部材
43 断熱部材
45 締結部材
50 ガス供給装置
51 低圧ガス供給系
52 低圧ガス排気系
53 高圧ガス予熱系
54 高圧ガス排気系
55 熱回収系
71 ボルテックスチューブ
72 熱交換器
81 基材
82 強磁性部材
83 強磁性材料層
84 シースヒーター
85 ランプ
86 反射板
90 吹き出しノズル機構
93,94 プレート
95 ノズル

Claims (10)

  1. 生タイヤを着脱可能に収容するモールド手段と、
    前記生タイヤを前記モールド手段に押圧しながら加熱することにより該生タイヤを加硫成形する加熱加圧媒体を前記生タイヤに対して供給可能に収容しながら予備加熱する媒体収容手段と、
    前記加硫成形後に排気される加熱加圧媒体の圧力エネルギーを利用して該加熱加圧媒体の高温成分を取り出す温熱冷熱分離手段と、
    前記媒体収容手段に補給される加熱加圧媒体を前記高温成分により熱交換して加熱する熱交換器と、
    を有することを特徴とする加硫機。
  2. 前記媒体収容手段には、前記加熱加圧媒体を断熱圧縮する断熱圧縮手段が設けられることを特徴とする請求項1に記載の加硫機。
  3. 前記媒体収容手段には、前記断熱圧縮手段の上流に設けられ、開度を調節することで前記断熱圧縮手段に流入する前記加熱加圧媒体の流量を増減させる流量制御手段が設けられることを特徴とする請求項2に記載の加硫機。
  4. 前記流量制御手段の開度と前記断熱圧縮手段の動力は、前記断熱圧縮手段の上流と下流との圧力差が設定差圧となるように調節されることを特徴とする請求項3に記載の加硫機。
  5. 前記生タイヤから前記媒体収容手段へ供給される前記加熱加圧媒体の流量は前記生タイヤ内の温度が設定温度に達すれば増加され、
    その後、加硫後半では、前記断熱圧縮手段の動力は前記生タイヤから前記媒体収容手段へ供給される前記加熱加圧媒体の流量減少に基づいて減少することを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の加硫機。
  6. 前記熱交換器を通過して前記媒体収容手段に補給される高圧の加熱加圧媒体の充填量は、前記媒体収容手段を流れる前記加熱加圧媒体の圧力を一定に保つように増減されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の加硫機。
  7. 加熱加圧媒体を生タイヤに対して供給可能に媒体収容機構に収容しながら予備加熱し、
    予備加熱された前記加熱加圧媒体を前記生タイヤに供給することにより該生タイヤをモールドに押圧しながら均一に加熱することによって、該生タイヤを加硫成形し、
    前記加硫成形後に排気される加熱加圧媒体の圧力エネルギーを利用して該加熱加圧媒体の高温成分を温熱冷熱分離機構により取り出し、
    前記媒体収容機構に補給される加熱加圧媒体を前記高温成分により熱交換して加熱することを特徴とする加硫成形方法。
  8. 加熱加圧媒体を前記媒体収容機構内で断熱圧縮機構により循環させ、
    該断熱圧縮機構の上流と下流との圧力差が設定差圧となるように前記加熱加圧媒体の圧力を流量制御機構で増減させることを特徴とする請求項7に記載の加硫成形方法。
  9. 前記生タイヤ内の温度が設定温度に達すれば前記生タイヤから前記媒体収容機構へ供給される前記加熱加圧媒体の流量を増加し、
    その後、加硫後半では、前記生タイヤから前記媒体収容機構へ供給される前記加熱加圧媒体の流量減少に基づいて前記断熱圧縮機構の動力を減少させることを特徴とする請求項8に記載の加硫成形方法。
  10. 熱交換されて前記媒体収容機構に補給される高圧の加熱加圧媒体の充填量は前記媒体収容機構を流れる前記加熱加圧媒体の圧力を一定に保つように増減されることを特徴とする請求項7乃至9のいずれかに記載の加硫成形方法。
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